JP2585365B2 - シールド工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシールド工法、特に回転カッタを備えたシー
ルド掘進機同士の地中接合工法に関する。

〔従来の技術〕

回転カッタを備えたシールド掘進機同士を地中接合す
る場合、第15図に示すように、トンネル両端側から掘進
してきた２台のシールド掘進機1,2の回転カッタ7,8の前
面には掘削ビット9,10が設けられているため、回転カッ
タ7,8の前面が密着するまでシールド掘進機同士を近付
けることはできず、大口径機では、接合地点での各々の
回転カッタ7,8間の距離（未掘削部の長さ）ｌが1m程度
に達する場合がある。

従来は、この未掘削部を開通させる際の地山の崩壊を
防止して施工の安全を確保する方法として、第15図に斜
線を付して示す地盤強化を必要とする範囲53にシールド
機内からのボーリングにより凍結管を埋設し、この凍結
管にブラインを循環させることにより地山を凍結させ
る、いわゆる凍結工法が主に用いられ、測温により地山
の凍結状態を確認した後、各々のシールド掘進機の内部
の解体と未掘削部の掘削を行って、トンネル坑内を連通
させていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記の凍結工法によるシールド掘進機同士の地中接合
工事は、測温による地山凍結状態の確認が可能で、高い
信頼性が得られてはいるものの、凍結工法の施工に大が
かりな設備と通常数箇月の日数を要するため、工期が長
くなることと工費のかさむことが問題となっていた。

このため、凍結工法によらずに地中接合部の地山崩壊
を防止する方法も種々検討され、（ｉ）地中接合時、一
方のシールド掘進機のシールドハル外筒部として構成さ
れた可動フードを前進させて、他方のシールド掘進機の
フード部または回転カッタ外周部にオーバラップさせ
る、（ii）地中接合時、一方のシールド掘進機の回転カ
ッタを後退させ、他方のシールド掘進機のシールドハル
内筒部を前進させて、前記一方のシールド掘進機のフー
ド部内周にオーバラップさせる、等の方法が考えられて
いる。

これらの方法では、オーバラップ部の残された隙間に
止水用注入材を注入して地中接合部の止水を行う必要が
あるが、施工上、次のような問題点がある。すなわち、
止水対象箇所がオーバラップ部の全周にわたる広範囲で
あること、止水用注入材の注入口の数を増やすことは、
配管の増加により機内を繁雑にしたり、シールドジャッ
キ等の他の機器との干渉の問題もあって限度があるこ
と、オーバラップ部の隙間には土砂が残存しており、注
入材は注入口近辺の限られた範囲にしか浸透しないこと
などから、オーバラップ部の隙間に全周にわたり均一に
注入材を行き渡らせることが困難である。また、均一に
行き渡らせるため粘度の低い注入材を用いると、オーバ
ラップ部の周辺地山に吸収されて地下水とともに流れ去
ってしまう。したがって、通常の注入方法では、確実な
止水効果は期待できない。

本発明は上記問題点に対処するためになされたもの
で、その目的は、凍結工法のように多くの工期と工費を
かけることなく、地中接合部の土留と止水を確実に行
い、施工の安全を確保できるシールド工法を提供するこ
とにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本発明は、回転カッタを備え
たシールド掘進機同士の地中接合工事において、地中接
合する２台のシールド掘進機のうち、一方のシールド掘
進機の回転カッタ外周部をリング形状となし、地中接合
時に前記一方のシールド掘進機の回転カッタ外周部と両
方のシールド掘進機のフード部を、回転カッタ外周部で
フード部の間を塞ぐようにオーバラップさせ、この回転
カッタ外周部とフード部の隙間に止水用注入材を注入し
ながら前記一方のシールド掘進機の回転カッタを回転さ
せて、止水用注入材を前記隙間に全周にわたり行き渡ら
せ、地中接合部の周辺地山を前記回転カッタ外周部とフ
ード部で支えるとともに、止水用注入材により地中接合
部の止水を行った後、トンネル坑内を連通させることを
特徴とする。

ここで、止水用注入材の少なくとも一部は、前記一方
のシールド掘進機の回転カッタ外周部に設けた注入口か
ら注入することが望ましい。

〔作用〕

地中接合時に、リング形状をなす回転カッタ外周部と
それにオーバラップさせたフード部の隙間に止水用注入
材を注入しながら回転カッタを回転させることにより、
注入材は回転カッタ外周部に付着して円周方向に運ば
れ、隙間内に全周にわたってほぼ均一に行き渡る。特
に、注入材の少なくとも一部を回転カッタ外周部に設け
た注入口から注入するときは、注入口自体が注入材を放
出しながら円周方向に移動するので、隙間内での注入材
の均一性が増し、地中接合部の止水効果をより確実なも
のとすることができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図〜第14図により説明す
る。

第１図、第２図は本発明によるシールド工法の第１実
施例の地中接合施工手順の説明図、第３図は第２図ａ部
の注入材注入後の状態図、第４図、第５図は注入材注入
状態の説明図、第６図、第７図は外周部がリング形状を
なす回転カッタの正面図である。

第１図〜第７図において、1,2は地中接合する２台の
シールド掘進機、3,4はシールドハル、５は可動フー
ド、６はその内側ガイド、7,8は回転カッタ、9,10はそ
の前面掘削ビット、11,12は外周部掘削ビット、13,14は
オーバカッタ、15,16はカッタ中心軸、17,18は隔壁（バ
ルクヘッド）、19,20は掘削土砂取込用チャンバ、21,22
は隔壁軸受部、23,24は土砂シール、25,26はカッタ駆動
ギャ、27,28はギヤケース、29,30はギヤケース軸受部、
31,32はシールドジャッキ、33,34はトンネルの一次覆工
用セグメント、36,37は止水用注入材の注入口、39,40は
注入配管、41は注入用回転継手であり、図中の符号は以
下の各図と共通である。

ここで、シールド掘進機１に装備されている可動フー
ド５は、シールドハル３とは別体の外筒部として構成さ
れ、その外周はシールドハル３のテール部外周と同径と
なっている。シールドハル３の可動フード５より内側の
部分（内筒部）は可動フード５の内周とはまり合い、可
動フード５が前進する際のガイド６となっている。可動
フード５を前進させる際に力を伝える突き出しロッド装
着用ブラケット42が可動フード５の内周数箇所に設けら
れている。ブラケット42は可動フード５が前進する際、
同時に前進するので、その摺動範囲だけ内側ガイド６を
切り欠くとともに、その切欠き部に相当する範囲をボッ
クス状構造部43で内側から覆い、地山とトンネル坑内と
を隔離している。可動フード５のテール側端部には、可
動フード５の前進時に内側ガイド６の切欠き部を覆い土
砂の侵入を防ぐように、可動フード５のストロークより
長い長さと切欠き部の幅より大きい幅を持つテールプレ
ート44が取付けられている。シールドハル３の内部には
必要推力に見合った個数の可動フード突き出し用ジャッ
キ45を円周方向に均等に配置し、可動フード５の突き出
しロッド装着用ブラケット42に突き出し用ジャッキ45の
ロッド46を連結して、突き出し用ジャッキ45の押し動作
により可動フード５を前進させる構成となっている。

シールド掘進機１に装備されている回転カッタ７は、
その形状を問わないが、その外径が可動フード５の内径
より小さく、その外周部7aに複数個の外周部掘削ビット
11と曲線施工および方向修正用のオーバカッタ13が設け
られている。外周部掘削ビットは通常固定されている
が、本実施例では外周部掘削ビット11をオーバカッタ13
と同様にカッタ内部に設けられた油圧ジャッキ（図示せ
ず）によりカッタ径方向に伸縮可能な構造として、ジャ
ッキを伸ばしたときには外周部掘削ビット11の掘削径が
可能フード５の外径（シールドハル外径）と少なくとも
同一となり、ジャッキを縮めることにより、可動フード
５の前進時に可動フード５の摺動範囲から退避できるよ
うにしている。

シールド掘進機２に装備されている回転カッタ８は、
第６図に示すようなカッタスリット47から掘削土砂を取
込む面板付カッタ、あるいは第７図に示すようなカッタ
スポーク48の間から掘削土砂を取込む開放形カッタのい
ずれでもよいが、外周部8aをリング形状となし、その切
羽側の一部の外径をシールド掘進機１の可動フード５の
内径より小さくし、反切羽側の一部の外径をシールド掘
進機２のラード部（固定フード）4aの内径より小さくし
て、反切羽側の一部がフード部4aの内周とオーバラップ
した状態に装備されている。回転カッタ８の外周部8aに
も可動フード５の外径と少なくとも同一の掘削径を持つ
カッタ径方向に伸縮可能な外周部掘削ビット12と、オー
バカッタ14が設けられている。

次に、本実施例における地中接合の施工手順を第１図
〜第５図により説明する。

（１）回転カッタ７により地山を掘削し、シールドハル
３内で組立てられたセグメント33を反力受としてシール
ドジャッキ31により推進してきたシールド掘進機１と、
同様に回転カッタ８により地山を掘削し、シールドハル
４内で組立てられたセグメント34を反力受としてシール
ドジャッキ32により推進してきたシールド掘進機２が予
定の接合地点に到達し、所定距離の未掘削部を残して向
き合った状態を第１図に示す。この段階を、各々のシー
ルド掘進機1,2の周辺地山は、回転カッタ7,8の外周部掘
削ビット11,12により可動フード５の外径と少なくとも
同径に掘削されている（図中、２点鎖線49,50は外周部
掘削ビット11,12の掘削範囲を示す）。

（２）外周部掘削ビット11,12を縮め、可動フード５の
摺動範囲から退避させる。

（３）突き出し用シャッキ45を作動させ、可動フード５
を地山に貫入して回転カッタ８外周部の切羽側の一部と
オーバラップする位置まで前進させる。第２図はオーバ
ラップ完了した状態を示し、可動フード５とシールド掘
進機２のフード部4aおよびこれらフード部の間を塞ぐ回
転カッタ８のリング状外周部8aによって地中接合部の周
辺地山を支える。

（４）回転カッタ外周部8aと可動フード５およびフード
部4aの間に形成されたオーバラップ部の水漏れを防止す
るため、フード部4aの先端に設けられた注入口36と回転
カッタ外周部8aに設けられた注入口37からオーバラップ
部の隙間51に止水用注入材を注入し、それと同時に回転
カッタ８を少なくとも１回転以上回転させる。止水用注
入材としてはモルタル、薬液等が使用され、２液が混合
して固化する注入材を用いる場合には、例えば一方の注
入口、36からはＡ液を、他方の注入口37からはＢ液を注
入する。第４図は回転カッタ８を停止させたまま注入を
行った状態を示し、注入材52は注入口36,37の近辺で固
化してしまい、隙間51に均一に行き渡らせることは望め
ないが、第５図に示すように、注入口36,37から注入材5
2を注入しながら回転カッタ８を一方向に回転させるこ
とによって、注入材52は回転カッタ外周部8aに付着して
円周方向に運ばれ、また２液混合型の注入材を用いる場
合には、２液が円周方向に運ばれる間に攪拌混合され
て、隙間51に全周にわたりほぼ均一に行き渡り、地下水
圧に対抗する止水効果を発揮させることができる。

（５）止水作業終了後、回転カッタ7,8の外周部を除く
内殻部と隔壁17,18を解体し、未掘削部を掘削して、両
側のトンネル坑内を連通させる。

（６）接合部内周をコンクリート打設により補強し、接
合工事を完了する。

本実施例では、フード部4aと回転カッタ外周部8aに設
けた注入口36,37から止水用注入材を注入する例につい
て説明したが、止水用注入材の注入口は、地中接合時に
オーバラップさせる各シールド掘進機のフード部と回転
カッタ外周部またはそれらの近傍の少なくとも１箇所以
上に設ければよく、図示の例に限定されるものではな
い。また、オーバラップ部の隙間に止水用注入材を均一
に行き渡らせ、止水効果を高めるため、その目的に合っ
た注入口の位置、個数、注入材の種類、粘度等を選択す
る必要があることは言うまでもない。

次に、本発明によるシールド工法の第２実施例を第８
図、第９図により説明する。

第８図は第１図と同様の図であり、地中接合する２台
のシールド掘進機1,2のうち、一方のシールド掘進機１
には可動フード５が装備され、他方のシールド掘進機２
には外周部がリング形状をなす回転カッタ８が装備され
ている。ただし、回転カッタ８の外周部掘削ビット12は
リング形状をなす回転カッタ外周部8aに固定して設けら
れており、回転カッタ外周部8aの外周部掘削ビット12よ
り反切羽側の一部の外径をフード部4aの内径より小さく
して、この反切羽側の一部をフード部4aの内周とオーバ
ラップさせてある。回転カッタ外周部8aの外周部掘削ビ
ット12より切羽側の一部の外径は可動フード５の内径よ
り小さくして、地中接合時にこの切羽側の一部をシール
ド掘進機１から突き出された可動フード５とオーバラッ
プさせる（第９図）。その後の止水作業およびトンネル
連通作業は第１実施例と同様である。

次に、本発明によるシールド工法の第３実施例を第10
図、第11図により説明する。

本実施例では、地中接合する２台のシールド掘進機1,
2がそれぞれシールドハル3,4の一部として構成されたフ
ード部（固定フード）3a,4aを備えている。シールド掘
進機１に装備されている回転カッタ７は、第６図または
第７図に示したものと同様にその外周部7aがリング形状
をなし、その外周部7aに複数個の外周部掘削ビット11と
曲線施工および方向修正用のオーバカッタ13が設けられ
ている。外周部掘削ビット11は、オーバカッタ13と同様
に径方向に伸縮可能であり、伸長時にはシールドハル３
の外径と少なくとも同径の掘削が可能である。また、回
転カッタ７は、その外径がフード部3a,4aの内径より小
さく、外周部7aの反切羽側の一部がフード部3aの内周と
オーバラップした状態に装備されている。

シールド掘進機２に装備されている回転カッタ８は、
その形状を問わないが、地中接合時にフード部4a内に後
退可能なようにその外径をフード部4aの内径より小さく
し、外周部8aに径方向に伸縮可能な外周部掘削ビット12
とオーバカッタ14を備えた構造となっている。

また、シールド掘進機1,2には、止水用注入材の注入
配管38,39,40が配設され、注入配管38はフード部3aの先
端に設けられた注入口35に、注入配管39はフード部4aの
先端に設けられた注入口36に、また注入配管40はカッタ
中心軸15の後端にある回転継手41を介して回転カッタ外
周部7aに設けられた注入口37にそれぞれ接続されてい
る。

地中接合の施工手順は次の通りである。シールド掘進
機1,2が所定距離の未掘削部を残して向き合った状態
（第10図）から、シールド掘進機２の外周部掘削ビット
12を縮め、ギヤケース30を隔壁18に固定しているボルト
を抜き取ってカッタ中心軸16を坑内側に引き出し、回転
カッタ８をフード部4a内に後退させる。その後またはそ
れと同時に、シールド掘進機１を、回転カッタ７により
地山を掘削しながら前進させ、回転カッタ７のカッタス
リットまたはカッタスポークの間を通して突き出した検
知棒により相手側シールド掘進機２との距離を確認し
て、回転カッタ７が相手側シールド掘進機２のフード部
4aに近付いたときに外周部掘削ビット11を縮め、回転カ
ッタ７をフード部4a内に貫入させて、回転カッタ外周部
7aの切羽側の一部がフード部4aとオーバラップしたとこ
ろでシールド掘進機１の前進を止める（第11図）。この
ようにして、フード部3a,4aと回転カッタ外周部7aで地
中接合部の周辺地山を支えた後、オーバラップ部の隙間
51に注入口35,36,37から止水用注入材を注入しながら、
回転カッタ７を回転させることによって、隙間51に注入
材をほぼ均一に行き渡らせ、地中接合部を止水する。そ
の後のトンネル連通作業は第１実施例と同様である。

本実施例では、回転カッタ７の外周部掘削ビット11を
カッタ径方向に伸縮可能な構造としたが、第２実施例と
同様に外周部掘削ビット11を固定して設け、回転カッタ
外周部7aの外周部掘削ビット11より反切羽側の一部をフ
ード部3aとオーバラップさせ、外周部掘削ビット11より
切羽側の一部をフード部4aとオーバラップさせるように
してもよい。

さらに、本発明によるシールド工法の第４実施例を第
12図〜第14図により説明する。

第12図は第１図と同様の図であり、地中接合する２台
のシールド掘進機1,2は第１図のシールド掘進機1,2と同
一の構造となっている。地中接合時には、まずシールド
掘進機２の外周部掘削ビット12を縮め、ギヤケース28を
隔壁18に固定しているボルトを抜き取ってカッタ中心軸
16を坑内側に引き出し、回転カッタ８を、回転カッタ外
周部8aの切羽側の一部を残してフード部4a内に後退させ
る。その後またはそれと同時に、シールド掘進機１を、
回転カッタ７により地山を掘削しながら、回転カッタ７
と回転カッタ８が干渉しない範囲で前進させる（第13
図）。これに伴い、外周部掘削ビット11による地山の掘
削範囲49が前方に伸び、外周部掘削ビット12による既掘
削範囲50に近付くので、シールド掘進機1,2間の未掘削
部が縮まり、次にシールド掘進機１から可動フード５を
突き出す際の貫入抵抗を小さくすることができる。未掘
削部が縮まったところで、シールド掘進機１の前進を止
め、外周部掘削ビット11を縮めて、可動フード５を突き
出し、回転カッタ８外周部の切羽側の一部とオーバラッ
プさせる（第14図）。その後の止水作業、トンネル連通
作業は第１実施例と同様である。

本実施例では外周部掘削ビット12をカッタ径方向に伸
縮可能な構造としたが、第２実施例と同様に外周部掘削
ビット12が固定された構造でも実施できることは言うま
でもない。

以上のように本発明は、一方のシールド掘進機のリン
グ形状をなす回転カッタ外周部とそれにオーバラップさ
せた両方のシールド掘進機のフード部で地中接合部の周
辺地山を支える地中接合工法のすべてに適用でき、地中
接合部の確実な止水効果を期待できる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、地中接合時に一方のシールド掘進機
のリング形状をなす回転カッタ外周部に両方のシールド
掘進機のフード部をオーバラップさせ、この回転カッタ
外周部とフード部で地中接合部の周辺地山を支えるとと
もに、回転カッタ外周部とフード部の隙間に止水用注入
材を注入しながら回転カッタを回転させることによっ
て、前記隙間に注入材を全周にわたりほぼ均一に行き渡
らせ、地中接合部の確実な止水をはかっているので、凍
結工法のように多くの工期と工費をかけることなく、地
中接合部の土留と止水を完全なものとして、施工の安全
を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明の第１実施例の地中接合施工手
順を示す縦断面図、第３図は第２図ａ部の止水作業完了
後の状態図、第４図、第５図は止水用注入材の注入状態
の説明図、第６図、第７図は外周部がリング形状をなす
回転カッタの正面図、第８図、第９図は本発明の第２実
施例の地中接合施工手順を示す縦断面図、第10図、第11
図は本発明の第３実施例の地中接合施工手順を示す縦断
面図、第12図〜第14図は本発明の第４実施例の地中接合
施工手順を示す縦断面図、第15図は従来工法による地中
接合の説明図である。 1,2……シールド掘進機、3,4……シールドハル、3a,4a
……フード部（固定フード）、５……可動フード、7,8
……回転カッタ、7a,8a……回転カッタ外周部、35,36,3
7……止水用注入材の注入口、51……オーバラップ部の
隙間、52……止水用注入材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 斉 東京都千代田区富士見２丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (72)発明者 久保田 五十一 東京都千代田区富士見２丁目10番26号 前田建設工業株式会社内 (72)発明者 土屋 清 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 高野 文哉 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 高橋 均 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭63−40092（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−50193（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−135995（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転カッタを備えたシールド掘進機同士の
   地中接合工事において、地中接合する２台のシールド掘
   進機のうち、一方のシールド掘進機の回転カッタ外周部
   をリング形状となし、地中接合時に前記一方のシールド
   掘進機の回転カッタ外周部と両方のシールド掘進機のフ
   ード部を、回転カッタ外周部でフード部の間を塞ぐよう
   にオーバラップさせ、この回転カッタ外周部とフード部
   の隙間に止水用注入材を注入しながら前記一方のシール
   ド掘進機の回転カッタを回転させて、止水用注入材を前
   記隙間に全周にわたり行き渡らせ、地中接合部の周辺地
   山を前記回転カッタ外周部とフード部で支えるととも
   に、止水用注入材により地中接合部の止水を行った後、
   トンネル坑内を連通させることを特徴とするシールド工
   法。
2. 【請求項２】請求項１記載のシールド工法において、止
   水用注入材の少なくとも一部を、前記一方のシールド掘
   進機の回転カッタ外周部に設けた注入口から注入するこ
   とを特徴とするシールド工法。