JPH0978416A - 伸びに応じて色変わりする弾性編地およびその製造方法 - Google Patents

伸びに応じて色変わりする弾性編地およびその製造方法

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JPH0978416A
JPH0978416A JP22827295A JP22827295A JPH0978416A JP H0978416 A JPH0978416 A JP H0978416A JP 22827295 A JP22827295 A JP 22827295A JP 22827295 A JP22827295 A JP 22827295A JP H0978416 A JPH0978416 A JP H0978416A
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ディッカーソン ダブリュー.ハリー
Takeshi Yanagase
武 柳川瀬
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 伸張度合いの大小や変化などによって、活動
感、立体感、他者へのアピールなどの視覚的な刺激をも
たらす弾性編地の提供。 【解決手段】 弾性糸1と非弾性糸2とが交編された弾
性編地3で、弾性糸1が着色され、非弾性糸2が弾性糸
1と異なる色を有し、弾性糸1と非弾性糸2がシンカー
ループ11と12を有し、弾性糸のシンカーループ11
が常に非弾性糸のシンカーループ12と交差しており、
弾性編地3が弛緩状態の時には弾性糸1が非弾性糸2の
下に埋没しており、弾性編地3が伸張状態の時には弾性
糸1が露出する。この弾性編地は、非弾性糸と弾性糸と
を、弾性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカー
ループと交差し、かつ、弾性編地が弛緩状態の時には弾
性糸が非弾性糸の下に埋没しており、非弾性糸および弾
性糸が異なる色を着色する着色工程とを有する方法で作
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸びに応じて色変
わりする弾性編地およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパンデックス糸と非弾性糸とを交編し
てなる弾性編地の色付けや柄付けは、染色により非弾性
糸を着色することによりなされる。染色された弾性編地
は、伸張状態の時にスパンデックス糸が露出すると、ス
パンデックス糸の白色が目立って外観を損なう。このた
め、弾性編地は、伸張状態の時にスパンデックス糸が露
出しないように編成される。
【0003】弾性編地について、伸張性やフィット感の
面から種々の改善が提案されているが、色の点ではあま
り検討がなされていない。これは、スパンデックス糸が
一般に染色しにくい繊維であるため、弛緩状態(張力が
かからない状態)の時にはスパンデックス糸が非弾性糸
の隠れた側に埋没するように編成されるからである。と
ころで、最近、アウトドアライフやスポーツを楽しむ人
の中にも、ファッション性を重視する傾向が高まってお
り、衣料もカラフルで体にフィットするものが好まれ
る。弾性編地はそのような衣料に多く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、伸張
度合いの大小や変化などによって、活動感、立体感、他
者へのアピールなどの視覚的な刺激をもたらしうる弾性
編地を提供することである。本発明の別の目的は、その
ような視覚的な刺激をもたらしうる弾性編地を容易に作
ることができる製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性編地は、弾
性糸と非弾性糸とが交編されており、弾性糸が着色され
ていて、非弾性糸が弾性糸と異なる色に着色されてい
る。本発明の弾性編地は、それらの弾性糸と非弾性糸が
シンカーループを有し、弾性糸のシンカーループが常に
非弾性糸のシンカーループと交差しており、弾性編地が
弛緩状態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没してお
り、弾性編地が伸張状態の時には弾性糸が露出すること
により、伸びに応じて色変わりする。
【0006】本発明の弾性編地の第1の態様によれば、
弾性糸は、原液着色されたスパンデックス糸であり、非
弾性糸は、スパンデックス糸と異なる色に着色されたナ
イロン糸である。本発明の弾性編地の第2の態様によれ
ば、弾性糸はダブルカバード糸であり、非弾性糸はナイ
ロン糸である。ダブルカバード糸は、芯糸、芯糸を巻い
ている内側被覆糸、および、芯糸と内側被覆糸を巻いて
いる外側被覆糸を有し、芯糸がスパンデックス糸であ
り、内側被覆糸と外側被覆糸が着色されたポリエステル
仮撚り加工糸である。ナイロン糸は、外側被覆糸と異な
る色に着色されている。
【0007】本発明の弾性編地の第3の態様によれば、
弾性糸は、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸とし
て着色された綿糸を有するコア・スパン糸であり、非弾
性糸は、綿糸と異なる色に着色されたナイロン糸であ
る。本発明の弾性編地の製造方法は、編成工程と着色工
程とを有する。編成工程は、非弾性糸と弾性糸とを、弾
性糸のシンカーループが常に非弾性糸のシンカーループ
と交差し、かつ、弾性編地が弛緩状態の時には弾性糸が
非弾性糸の下に埋没しており、弾性編地が伸張状態の時
には弾性糸が露出するように交編する工程である。着色
工程は、編成工程で得られた編み上がり品を、非弾性糸
および弾性糸が異なる色を有するように着色する工程で
ある。なお、編成以前に一方の糸、通常、弾性糸が着色
されている場合もあり、このときには、他方の糸、通
常、非弾性糸を弾性糸と異なる色に着色するための着色
工程が採用される。
【0008】本発明の製造方法の第1の態様によれば、
弾性糸は、原液着色されたスパンデックス糸であり、非
弾性糸としてはナイロン糸が通常使用される。本発明の
製造方法の第2の態様によれば、弾性糸は、芯糸として
スパンデックス糸を、被覆糸として着色されたポリエス
テル仮撚り加工糸を有するダブルカバリング糸であり、
非弾性糸としてはナイロン糸が通常使用される。
【0009】本発明の製造方法の第3の態様によれば、
弾性糸は、芯糸としてスパンデックス糸を、被覆糸とし
て着色された綿糸を有するコア・スパン糸であり、非弾
性糸としてはナイロン糸が通常使用される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる弾性糸は、着
色された弾性糸であり、弾性繊維糸を形成するポリマー
自身の色、あるいは、通常の弾性繊維糸に含まれている
酸化チタン・硫酸バリウムのような白色微粒子の白色を
有する弾性糸ではない。本発明に用いられる、着色され
た弾性糸を次に例示する。
【0011】(1) 原液着色された弾性繊維糸 原液着色された弾性繊維糸は、白色微粒子以外の適切な
着色剤を含む紡糸液を用いて作られる。原液着色された
弾性繊維糸の場合、スパンデックス糸においては、優れ
た発色効果を達するため、酸化チタンや硫酸バリウムの
ような白色微粒子を含まないか、または微量(通常、
0.5重量%以下)しか含まない、いわゆる、クリアタ
イプ、ブライトタイプが好ましい。
【0012】(2) 着色された非弾性長繊維被覆弾性糸 芯糸として弾性繊維糸、被覆糸として非弾性長繊維糸か
ら構成される被覆弾性糸である。従って、被覆糸が着色
されていれば良く、芯糸の弾性繊維糸は着色されている
必要はない。この被覆弾性糸では、芯糸をスパンデック
ス糸、被覆糸をナイロン糸またはポリエステル糸とする
のが最も一般的である。この場合、着色は被覆糸に施さ
れる。なお、着色された非弾性長繊維被覆弾性糸は、そ
の製造方法により次のものが例示される。
【0013】(a) カバード糸 シングルカバリング機によるシングルカバード糸、ダブ
ルカバリング機によるダブルカバード糸がある。シング
ルカバード糸は、芯糸として弾性繊維糸を、芯糸を巻い
ている被覆糸として非弾性長繊維糸を有する。ダブルカ
バード糸は、被覆糸として、芯糸を巻いている内側被覆
糸と、芯糸および内側被覆糸を巻いている外側被覆糸と
を有する。被覆糸はウーリー加工された非弾性長繊維糸
(通常、ナイロン糸またはポリエステル糸)であっても
よい。
【0014】(b) 合撚糸 合撚機により作られた長繊維被覆弾性糸であり、通常、
ウーリー加工されたナイロン糸またはポリエステル糸で
スパンデックス糸などの弾性繊維糸を被覆する。 (c) 特殊仮撚り糸 仮撚り機により長繊維糸を弾性繊維糸に被覆した弾性
糸、または、合撚糸(b)を仮撚り加工した弾性糸などで
ある。
【0015】(d) 空気交絡糸 非弾性長繊維糸をエアーカバリング機により弾性繊維糸
に被覆した弾性糸である。非弾性長繊維糸としては、た
とえば、ナイロン糸、ポリエステル糸が使用される。 (3) 着色された非弾性短繊維被覆弾性糸 芯糸として弾性繊維糸を、被覆糸として非弾性短繊維糸
を有する被覆弾性糸である。従って、被覆糸が着色され
ていれば良く、芯糸の弾性繊維糸は着色されている必要
はない。この被覆弾性糸では、芯糸をスパンデックス
糸、被覆糸を綿糸とするのが最も一般的である。この場
合、着色は綿糸に施される。なお、着色された非弾性短
繊維被覆弾性糸は、その製造方法により次のものが例示
される。
【0016】(a) コア・スパン糸 精紡機に綿粗糸とスパンデックス糸を供給して作られ
る。 (b) 合撚糸 綿糸(通常、2本)とスパンデックス糸を合糸加工し、
次にダブルツイスターにて撚糸して作られる。あるい
は、合撚機にて合糸と撚糸を同時に実施することにより
作られる。
【0017】本発明で弾性糸と交編される非弾性糸は、
着色された弾性糸と異なる色に着色されているか、また
は、着色されうる非弾性繊維からなる糸であれば特に制
限はなく、たとえば、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ルなどの合成繊維糸;綿、ウール、絹、麻などの天然繊
維糸;レーヨン、アセテートなどの再生繊維糸;それら
の繊維2種以上からなる混紡糸などが挙げられ、それぞ
れ単独で使用されたり、2種類以上併用されたりする。
上に挙げた非弾性糸の中でも、ナイロン糸とポリエステ
ル糸と綿糸とからなる群から選ばれる少なくとも1つが
その加工性および布帛特性の面から最も好ましく、一般
的である。この非弾性糸への着色は、編成前および後の
いずれに行ってもよく、たとえば、各非弾性糸に通常適
用される染色方法が採用される。
【0018】本発明の弾性編地は、上記交編構造を布帛
全体に有していてもよいし、あるいは、布帛の一部に有
していてもよい。交編部分における編組織は、弾性糸の
シンカーループが常に非弾性糸のシンカーループと交差
していて、弛緩時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没して
おり、伸張時に弾性糸が露出するようになっている。図
1〜3にみるように、弾性糸1のシンカーループ11が
常に非弾性糸2のシンカーループ12と交差していると
は、弾性糸1と非弾性糸2とが互いに逆ふりとなるよう
にして編成されたものである。交編部分における編組織
の具体例は、たとえば、次のとおりである。
【0019】たて編地の場合、図1にみるように、非弾
性糸2が前おさでの1×1の閉じ目トリコット編み、着
色された弾性糸1が後おさでの反対方向の1×1の閉じ
目トリコット編みを形成しているか、図2にみるよう
に、非弾性糸2が前おさでの1×2の閉じ目コード編
み、着色された弾性糸1が後おさでの反対方向の1×2
の閉じ目コード編みを形成しているか、図3にみるよう
に、非弾性糸2が前おさでの1×1開き目6コースアト
ラス編み、着色された弾性糸1が後おさで反対方向の1
×1開き目6コースアトラス編みを形成している(以
上、2枚筬の場合)などの編組織が挙げられる。
【0020】本発明の弾性編地の製造方法では、上記た
て編地の編成に当たって、弾性糸と非弾性糸の太さを揃
えることが編地の品位を高め、また伸張による変色効果
をより際立ったものとするために有効である。編み上が
り品は、通常の編み上がり品と同様に精練処理が施され
る。着色された弾性糸と交編されている非弾性糸が着色
されていない場合には、その非弾性糸が該弾性糸と異な
る色に着色されるように染色される。非弾性糸と染料の
組み合わせは、たとえば、ナイロンには酸性染料、綿に
はセルロース用各種染料、ポリエステルには分散染料、
アクリルにはカチオン染料、ウールには酸性染料などと
なるが、これらの染料としては、弾性糸(通常、スパン
デックス糸)に対する着色ないし汚染の少ないものを選
択するのが好ましい。染色以外の方法で着色してもよ
い。
【0021】その後、必要に応じて仕上げ加工、たとえ
ば、樹脂加工、柔軟加工、防汚加工、撥水加工などの処
理が施され、弾性編地の生地が得られる。この生地を適
宜、裁断、縫製することにより最終的に弾性編地のガー
メント(衣服)が得られる。なお、本発明では、着色さ
れた弾性糸と交編される非弾性糸は、その弾性糸と異な
る色に着色されているが、色彩効果の点からは、補色関
係など互いに対照的な色となるように着色されているの
が好ましい。たとえば、弾性糸が黄色に着色されている
場合、非弾性糸を青色系にすれば、弛緩させた(リラッ
クスさせた)弾性編地は青色であるが、伸張させると緑
色系を呈する。また、弾性糸が赤色に着色されている場
合、非弾性糸を緑色系にすれば、弛緩させた(リラック
スさせた)弾性編地は緑色であるが、伸張させると茶色
系を呈する。また、弾性糸が青色に着色されている場
合、非弾性糸を橙色系にすれば、弛緩させた(リラック
スさせた)弾性編地は橙色であるが、伸張させると紫色
系を呈する。なお、交編される非弾性糸が合成繊維糸で
ある場合には、ブライトタイプの方がダルタイプよりも
高い純度(彩度)の色が得られ、色変わり効果の面から
は好ましい。
【0022】本発明の弾性編地は、たとえば、水着、レ
オタード、ランニングタイツ、体操用タイツ、ダンスタ
イツなどのスポーツウエアなどに用いられる。また、肌
に直接ふれる衣料に限られず、アウターウエアや衣料以
外の、たとえば、椅子張り地、袋鞄生地の一部等に使用
した場合にも、デザインの工夫により差別化された製品
を創造することが可能となる。
【0023】本発明の弾性編地では、弾性糸は着色さ
れ、これと交編される非弾性糸と色が異なっていること
により、非弾性糸のみが露出している時と非弾性糸と弾
性糸とが露出している時とで編地の色が変わるようにな
る。弾性糸と非弾性糸の交編部分では、前記弾性糸のシ
ンカーループが常に前記非弾性糸のシンカーループと交
差していて、弛緩時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没し
ており、伸張時に弾性糸が露出するようになっている。
このため、編地に張力が加わっていない時と張力が加わ
っている時とで編地の色が変わるようになる。しかも、
張力の大きさによって色変わりの程度が変化する。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、
本発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1)チバ・ガイギー社製のジアゾアリルアシド
系顔料(商品名イルガライトイエロー 2GP、カラー
インデックス:YELLOW17)10重量部、ウレタ
ンポリマー11重量部、DMAC(ジメチルアセトアミ
ド)79重量部からなる着色剤原液を調製した。ウレタ
ンポリマー紡糸液に上記着色剤原液を加え、顔料濃度が
1重量%となるよう濃度を調整し、70デニール、9フ
ィラメントのスパンデックス糸を紡糸した。得られた原
液着色されたスパンデックス糸は、鮮明な黄色を呈して
いた。
【0025】この原液着色されたスパンデックス糸と、
70デニール、24フィラメントのナイロン糸(ブライ
ト)を用い、トリコット編機にて図1に示す組織の編地
を編成した。得られた編地を70℃の熱水中で拡布リラ
ックスし、テンターにて乾燥/ヒートセット(180
℃)を行った後、液流染色機にて次の条件を適用し、ナ
イロンを染色した。 染料:ナイロサン ブルー 2RL(青色、Acid Blue
126 、Sandoz社) 3%owf 助剤:イオネット SD(緩染剤、三洋化成工業) 1
%owf pH:4(酢酸) 温度、時間:98℃×30分 染色に引き続き、次の条件にて固着処理を行った。 固着剤:ニューパワロン(大日本製薬) 6%owf pH:5(酢酸) 温度、時間:70℃×20分 テンターにて乾燥した染色反はシリコーンソフナーにて
パッドドライ(テンター 170℃)した。
【0026】得られた仕上げ反は、弛緩状態では青色無
地であったが、幅方向および/または長さ方向に伸張し
始めることにより、原液着色スパンデックス糸の黄色が
現れて青色が緑味を帯び出し、さらに伸張を続けると緑
色にまで変化した。この反物から上下アクティブウエア
(長袖フィットシャツおよびタイツ)を縫製した。着用
者の動きにより、青〜青緑〜緑に色相が変化し、新規な
衣料として注目されるだけの価値が認められた。
【0027】(実施例2)ダブルカバリング機により、
芯糸にスパンデックス糸(東レ・デュポン株式会社製、
商品名「オペロン」T−127、オペロンは東レ・デュ
ポン株式会社の登録商標)140デニール、9フィラメ
ント、被覆糸にポリエステル仮撚り加工糸(東レ株式会
社製、商品名ウーリー「テトロン」、テトロンは東レ株
式会社の登録商標)75デニール、24フィラメントを
用い、ダブルカバリング糸を作製した。このダブルカバ
リング糸を小カセに巻き、オーバーマイヤー染色機にて
次の条件を適用し、ポリエステルを染色した。 染料:ダイアニックス レッド RE(赤色、Disperse
Red 50 、三菱化成ヘキスト) 2%owf 助剤:ニッカサンソルト♯1200(分散剤、日華化学
工業) 1%owf 温度、時間:125℃×40分 染色に引き続き、還元洗浄、脱水、乾燥を行った後、カ
セは伸張し、カセ枠に取り付け、追油剤(三洋化成工業
製、商品名サンオイル410B)を付与しながらコーン
巻きした。コーン巻きされた、染色されたダブルカバリ
ング糸とナイロン糸(50デニール、17フィラメン
ト、ブライト)を用い、トリコット編機にて図2に示す
組織の編地を編成した。
【0028】得られた編地を70℃の熱水中で拡布リラ
ックスし、テンターにて乾燥/ヒートセット(180
℃)を行った後、液流染色機にて次の条件を適用し、ナ
イロンを染色した。 染料:カヤノール ネービーブルー R(青色、Acid B
lue 92、日本化薬社)2%owf 助剤:サンモール A1(緩染剤、日華化学工業) 1
%owf pH:4(酢酸) 温度、時間:98℃×40分 染色に引き続き、次の条件にて固着処理を行った。 固着剤:ニューパワロン(大日本製薬) 6%owf pH:5(酢酸) 温度、時間:70℃×20分 テンターにて乾燥した染色反はシリコーンソフナーにて
パッドドライ(テンター 170℃)した。
【0029】得られた仕上げ反は、弛緩状態では青色無
地であったが、幅方向および/または長さ方向に伸張し
始めることにより、着色ダブルカバリング糸の赤色が現
れて青色が藍色味を帯び出し、さらに伸張を続けると紫
色にまで変化した。 (実施例3)スパンデックス糸(東レ・デュポン株式会
社製、商品名「オペロン」T−127、オペロンは東レ
・デュポン株式会社の登録商標)70デニール、9フィ
ラメントと綿糸8Sを精紡機にかけ、スチームにより撚
り止めセットを行い、コア・スパン糸を得た。コア・ス
パン糸と、70デニール、24フィラメントのナイロン
糸(ブライト)を用い、トリコット編機にて図3に示す
組織の編地を編成した。
【0030】得られた編地を70℃の熱水中で拡布リラ
ックスし、テンターにて乾燥/ヒートセット(180
℃)を行った後、液流染色機にて次の条件を適用し、漂
白、綿およびナイロンの染色、固着を行った。 (1) 漂白 漂白剤:過酸化水素 3%owf pH:10 温度、時間:95℃×30分 (2) 染色 直接染料:ダイレクト ブッリリアントブルー RW
(青色、Direct Blue 22、住友化学工業) 1%owf 酸性染料:ソラー ライトオレンジ GX(橙色、Acid
Orange 10、住友化学工業) 0.5%owf 助剤:硫酸ナトリウム(直接染料促染剤) 4%owf pH:8 温度、時間:95℃×30分 (3) 固着 固着剤:ニューパワロン(大日本製薬) 6%owf pH:5(酢酸) 温度、時間:70℃×20分 テンターにて乾燥した染色反はシリコーンソフナーにて
パッドドライ(テンター 170℃)した。
【0031】得られた仕上げ反は、弛緩状態ではオレン
ジ色無地であったが、幅方向および/または長さ方向に
伸張し始めることにより、着色コア・スパン糸の青色が
現れてオレンジ色が茶色味を帯び出し、さらに伸張を続
けると茶色にまで変化した。
【0032】
【発明の効果】本発明の弾性編地は、弾性糸と非弾性糸
とが交編された弾性編地であって、弾性糸が着色されて
おり、非弾性糸が弾性糸と異なる色を有し、弾性糸と非
弾性糸がシンカーループを有し、弾性糸のシンカールー
プが常に非弾性糸のシンカーループと交差しており、弾
性編地が弛緩状態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没
しており、弾性編地が伸張状態の時には弾性糸が露出す
るようになっている、伸びに応じて変色する弾性編地で
あるので、伸張度合いの大小や変化などによって色変わ
りする。このため、本発明の弾性編地は、活動感、立体
感、他者へのアピールなどの視覚的な刺激をもたらしう
る。
【0033】本発明の弾性編地の製造方法は、非弾性
糸と弾性糸とを、弾性糸のシンカーループが常に非弾性
糸のシンカーループと交差し、かつ、弾性編地が弛緩状
態の時には弾性糸が非弾性糸の下に埋没しており、弾性
編地が伸張状態の時には弾性糸が露出するように交編す
る編成工程と、編成工程で得られた編み上がり品を、
非弾性糸および弾性糸が異なる色を有するように着色す
る着色工程とを有するので、伸張度合いの大小や変化な
どによって色変わりして、活動感、立体感、他者へのア
ピールなどの視覚的な刺激をもたらしうる弾性編地を容
易に作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性編地の1例を表す編組織図。
【図2】本発明の弾性編地の別の1例を表す編組織図。
【図3】本発明の弾性編地のさらに別の1例を表す編組
織図。
【符号の説明】
1 弾性糸 2 非弾性糸 3 弾性編地 11 弾性糸のシンカーループ 12 非弾性糸のシンカーループ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性糸と非弾性糸とが交編された弾性編地
    であって、 前記弾性糸が着色されており、 前記非弾性糸が前記弾性糸と異なる色に着色されてお
    り、 前記弾性糸と前記非弾性糸がシンカーループを有し、 前記弾性糸のシンカーループが常に前記非弾性糸のシン
    カーループと交差しており、 前記弾性編地が弛緩状態の時には前記弾性糸が前記非弾
    性糸の下に埋没しており、前記弾性編地が伸張状態の時
    には前記弾性糸が露出する、伸びに応じて色変わりする
    弾性編地。
  2. 【請求項2】前記弾性糸が、原液着色されたスパンデッ
    クス糸であり、前記非弾性糸が前記スパンデックス糸と
    異なる色に着色されたナイロン糸である請求項1に記載
    の弾性編地。
  3. 【請求項3】前記弾性糸が、芯糸、前記芯糸を巻いてい
    る内側被覆糸、および、前記芯糸と前記内側被覆糸を巻
    いている外側被覆糸を有するダブルカバード糸であり、
    前記芯糸がスパンデックス糸であり、前記内側被覆糸お
    よび前記外側被覆糸が着色されたポリエステル仮撚り加
    工糸であり、 前記非弾性糸が前記外側被覆糸と異なる色に着色された
    ナイロン糸である、請求項1に記載の弾性編地。
  4. 【請求項4】前記弾性糸が、芯糸としてスパンデックス
    糸を、被覆糸として着色された綿糸を有するコア・スパ
    ン糸であり、前記非弾性糸が前記綿糸と異なる色に着色
    されたナイロン糸である請求項1に記載の弾性編地。
  5. 【請求項5】非弾性糸と弾性糸とを、前記弾性糸のシン
    カーループが常に前記非弾性糸のシンカーループと交差
    し、かつ、弾性編地が弛緩状態の時には前記弾性糸が前
    記非弾性糸の下に埋没しており、前記弾性編地が伸張状
    態の時には前記弾性糸が露出するように交編する編成工
    程と、 前記編成工程で得られた編み上がり品を、前記非弾性糸
    および前記弾性糸が異なる色を有するように着色する着
    色工程と、を有する、弾性編地の製造方法。
  6. 【請求項6】前記弾性糸が、原液着色されたスパンデッ
    クス糸であり、前記非弾性糸がナイロン糸である請求項
    5に記載の弾性編地の製造方法。
  7. 【請求項7】前記弾性糸が、芯糸、前記芯糸を巻いてい
    る内側被覆糸、および、前記芯糸と前記内側被覆糸を巻
    いている外側被覆糸を有するダブルカバード糸であり、
    前記芯糸がスパンデックス糸であり、前記内側被覆糸お
    よび前記外側被覆糸が着色されたポリエステル仮撚り加
    工糸であり、 前記非弾性糸が前記外側被覆糸と異なる色に着色された
    ナイロン糸である、請求項5に記載の弾性編地の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記弾性糸が、芯糸としてスパンデックス
    糸を、被覆糸として着色された綿糸を有するコア・スパ
    ン糸であり、前記非弾性糸がナイロン糸である請求項5
    に記載の弾性編地の製造方法。
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