JPH0977533A - 夜光ガラス成型品 - Google Patents

夜光ガラス成型品

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Publication number
JPH0977533A
JPH0977533A JP23846395A JP23846395A JPH0977533A JP H0977533 A JPH0977533 A JP H0977533A JP 23846395 A JP23846395 A JP 23846395A JP 23846395 A JP23846395 A JP 23846395A JP H0977533 A JPH0977533 A JP H0977533A
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JP
Japan
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glass
phosphor
afterglow
range
less
Prior art date
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Pending
Application number
JP23846395A
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English (en)
Inventor
Takaharu Ichinomiya
敬治 一ノ宮
Hiroto Tamaoki
寛人 玉置
Yoshinori Murazaki
嘉典 村崎
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】暗闇での発光時に他のエネルギーを源を必要と
しない、輝度の高い夜光性を有するガラス成型品を得
る。 【構成】透明或いは半透明ガラス成型品の内部に次の一
般式で表現される残光性蛍光体が具備されていることを
特徴とする夜光ガラス成型品。 (M1-p-q,EupQq)O・n(Al1-mBm)2O3・k
P2O5・αX (ただし、0.0001≦p≦0.5 0.0001≦
q≦0.5 0.5≦n≦3.0 0<m≦0.5 0
≦k≦0.2 0≦α≦0.5 0≦α/n≦0.4の
範囲にあり、ただし、組成式中のMはMg、Ca、S
r、Ba、及びZnからなる2価金属の群より選ばれた
少なくとも1種であり、Qは共付活剤でありMn、Z
r、Nb、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、及びLuからなる群より選ばれた少な
くとも1種であり、XはF、Cl、Br、Iからなるハ
ロゲン元素より選ばれた少なくとも1種である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は夜光性を示すガラス成型
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガラス成型品には、暗闇で自ら発
光する夜光機能を持ったものはなかった。固体発光する
ガラス材料はあるが、発光時には電界或いは磁界等の外
部からの何らかの作用が必要とされ、他のエネルギー源
を必要としない安価なガラス成型品はなかった。このよ
うな特性を有するガラス成型品を実現することができれ
ば、安全性を必要とする用途、省エネルギーを必要とす
る用途、或いは装飾的な目的にも使用でき、多方面への
応用が期待される。
【0003】これを実現するための発想として、自然光
或いは人工照明の光のエネルギーを一旦蓄え、これを徐
々に解放し発光させるいわゆる夜光材料を利用する方法
があった。しかし、従来の夜光材料は結晶母体として硫
化亜鉛(ZnS)を使用しているため、ガラス加工時の
高温で簡単に酸化され母体結晶が破壊され、夜光性を失
い、また、比較的低温で加工できたとしても、この種の
夜光材料は本来輝度が低く、さらにに紫外線による劣化
が極めて大きいなどの欠点を有し、全く実用に耐えられ
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は暗闇での発光
時に他のエネルギー源を必要としない、輝度の高い夜光
性を有するガラス成型品を提供することを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者等は上述した問
題を解決するために鋭意検討した結果、ガラスの内部に
特定組成のアルミン酸塩蛍光体を含有させることによ
り、課題を解決できることを見いだし、本発明を完成さ
せるに至った。
【0006】すなわち、本発明の夜光ガラス成型品は、
透明或いは半透明ガラス成型品の内部に次の一般式で表
現される残光性蛍光体が具備されていることを特徴とす
る。 (M1-p-q,EupQq)O・n(Al1-mBm)2O3・k
P2O5・αX (ただし、 0.0001≦p≦0.5 0.0001≦q≦0.5 0.5≦n≦3.0 0<m≦0.5 0≦k≦0.2 0≦α≦0.5 0≦α/n≦0.4の範囲にあり、ただし、組成式中の
MはMg、Ca、Sr、Ba、及びZnからなる2価金
属の群より選ばれた少なくとも1種であり、Qは共付活
剤でありMn、Zr、Nb、Pr、Nd、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種であり、XはF、Cl、B
r、Iからなるハロゲン元素より選ばれた少なくとも1
種である。)
【0007】本発明でいうガラス成型品とは、型を用い
てガラス成型されたものに必ずしも限られず、ガラス工
業、或いはガラス工芸で普通に行われる方法が適用可能
である。すなわち、溶融状態のガラスに残光性蛍光体を
練り込み分散状態でガラス型に入れて成型された構造、
残光性蛍光体の塊或いは表面に残光性蛍光体を被覆した
塊がガラスで覆われた構造、残光性蛍光体をガラスで層
状に挟んだサンドイッチ構造などが基本的に可能であ
る。
【0008】さらに、これらの一次加工品を再加熱しプ
レス、引っ張り、或いは曲げなどの2次加工することも
可能である。
【0009】残光性蛍光体の融点は1700〜1800
℃と、ガラスの1000℃程度の温度に比べ極めて高
く、その為、ガラス加工温度程度では残光性蛍光体が変
質することはない。
【0010】本発明において特に重要なのは、ガラス成
型品の中の残光性蛍光体が外光を受光でき、残光を発光
できる構造であることである。それで、発光効率の面か
ら特にガラスは透明或いは半透明であることが要求され
る。
【0011】本発明の残光性ランプに用いる残光性蛍光
体は、その化学組成により、発光色調を大幅に変えるこ
とができる。化学組成は2価のユーロピウムで付活され
たアルミン酸塩を主体とした蛍光体であり、特に、0.
5≦n≦1.5の範囲で、2価金属MがCaを70〜1
00モル%の範囲であると蛍光色、及び残光は高効率の
青色系を呈する。この残光性蛍光体の結晶構造は単斜晶
系を主体とし、420nm以下の波長範囲の紫外線及び
可視光線により励起される。
【0012】上記化学組成が0.5≦n≦1.5の範囲
で、2価金属MをSrが70〜100モル%の範囲を占
めると蛍光色、及び残光色は高効率の緑色系を呈する。
この残光性蛍光体の結晶構造は単斜晶系を主体とし、は
500nm以下の波長範囲の紫外線及び可視光線により
励起される。
【0013】上記化学組成が1.5<n≦3.0の範囲
で、2価金属MをSrが80〜100モル%の範囲を占
めると蛍光色、及び残光色は青緑色系である。この残光
性蛍光体の結晶構造は斜方晶系を主体とし、460nm
以下の波長範囲の紫外線及び可視光線により励起され
る。この蛍光体の母体結晶は、単斜晶系を主体とするア
ルミン酸塩蛍光体に比べると、特に、耐熱性、耐水性等
の化学安定性に強いという特長を持ち、本発明の夜光ガ
ラス成形品には最適である。
【0014】残光性蛍光体に導入する付活剤および共付
活剤は、蛍光色および残光輝度に大きく影響する。実用
上、それぞれ次に示すような範囲に調整する。
【0015】付活剤のEuの濃度pについては、蛍光体
1モルに対し、母体のSrを0.0001モル以上、
0.5モル以下置換する範囲に調整する。なぜなら0.
0001モルより少ないと光吸収が悪くなり、その結果
残光輝度が低くなり、逆に、0.5モルよりも多くなる
と、濃度消光を起こし残光輝度が低下するからだ。pの
さらに好ましい範囲は0.001≦p≦0.06のであ
り、この範囲で残光輝度がさらに高くなる。
【0016】共付活剤を導入することによりEuの発光
は残光性を示すようになる。共付活剤としてMn、Z
r、Nb、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、及びLuからなる群より選ばれた少く
とも一種が有効である。
【0017】Dyは蛍光体母体の2価金属Mが特にSr
の場合に残光性向上に効果的であり、Dy濃度qの最適
濃度範囲は0.0005以上、0.03以下の範囲であ
る。
【0018】Ndは蛍光体母体の2価金属Mが特にCa
の場合に残光輝度向上に特に効果があり、Nd濃度qの
最適範囲は0.0005以上、0.03以下の範囲であ
る。
【0019】これら共付活剤Dy、Ndに、他の第2に
共付活剤を付活することにより相乗効果を発揮する。
【0020】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のMn濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.06以下で、更に好ましいのは0.
0005以上、0.02以下の範囲である。
【0021】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のTm濃度qの好ましい範囲は0.
0003以上、0.02以下で、更に好ましいのは0.
0004以上、0.01以下の範囲である。
【0022】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のLu濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.06以下で、更に好ましいのは0.
0004以上、0.04以下の範囲である。
【0023】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のNb濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.08以下で、更に好ましいのは0.
0003以上、0.04以下の範囲である。
【0024】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のYb濃度qの好ましい範囲は0.
0002以上、0.04以下で、更に好ましいのは0.
0003以上、0.01以下の範囲である。
【0025】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のZr濃度qの好ましい範囲は0.
002以上、0.70以下である。
【0026】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第二の共付活剤のEr濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.03以下である。更に好ましいのは
0.0005以上、0.02以下の範囲である。
【0027】第一の共付活剤としてDyを選択する場
合、第2の共付活剤のPr濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.04以下である。更に好ましいのは
0.0005以上、0.03以下の範囲である。
【0028】第一の共付活剤としてNdを導入する場
合、第2の共付活剤のTm濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.06以下で、更に好ましいのは0.
0005以上、0.02以下の範囲である。
【0029】第一の共付活剤としてNdを導入する場
合、第2の共付活剤のPr濃度qの好ましい範囲は0.
0001以上、0.06以下で、更に好ましいのは0.
0005以上、0.02以下の範囲である。
【0030】第一の共付活剤としてNdを以下導入する
場合、第2の共付活剤のHo濃度qの好ましい範囲は
0.0001以上、0.06以下で、更に好ましいのは
0.0005以上、0.02以下の範囲である。
【0031】第一の共付活剤としてNdを以下導入する
場合、第2の共付活剤のDy濃度qの好ましい範囲は
0.0001以上、0.06以下で、更に好ましいのは
0.0005以上、0.02以下の範囲である。
【0032】本残光性蛍光体は、フラックスとしてハロ
ゲン元素を添加して焼成することにより、残光性蛍光体
の異常な粒子成長を抑制し、結晶成長をコントロール可
能となる。これは、ハロゲン元素が蛍光体の構成元素で
あるアルミニウム、アルカリ土類金属、希土類金属等と
反応し、特に蛍光体粒子表面に多く存在して焼成される
ことで、蛍光体粒子が均一に焼成されるようになるから
だ。その結果、粒子形状は改善され、分散性が向上す
る。残光性蛍光体の焼成時のフラックスとして添加する
ハロゲン化合物としては、フッ化アンモニウム(NH4
F)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、臭化アンモニ
ウム(NH4Br)、沃化アンモニウム(NH4I)等の
ハロゲン元素のアンモニウム塩、アルカリ土類元素のハ
ロゲン化物、及びハロゲン化アルミニウム等を単独ある
いは混合して使用する。添加したハロゲン元素は殆ど全
て蛍光体組成に含有される。従って、蛍光体に含有させ
たいと願う量を原料に混合し焼成することで含有量をコ
ントロールすることができる。
【0033】ハロゲン含有量αは蛍光体組成に依存し、
特に、本発明の残光性蛍光体の組成式中の硼アルミン酸
のモル数nの値に依存し、nの値が0.5以上、1.5
以下の範囲において、アルカリ土類金属がSrの場合発
光色は緑色、Caの場合発光色は青色を示し、αの範囲
は0.003以上、0.2以下が好ましく、0.05以
下、0.12以上がより好ましい。また、nの値が1.
5以上、3.0以下の範囲において発光は青緑色を示
し、αの範囲は0.004以上、0.25以下が好まし
く、0.08以下、0.15以上がより好ましい。さら
に、α/nの値が0.001以上、0.4以下、特に
0.07付近が最も好ましい。
【0034】本残光性蛍光体の組成に硼素を含有させる
ことにより、硼アルミン酸として結晶性を改善でき、発
光中心と捕獲中心を安定化できることで残光輝度の高輝
化に有効に働く。硼素を組成に導入する為には、硼素を
含んだ化合物を加えて焼成する方法が有効で、硼酸ある
いはアルカリ土類元素の硼酸塩が使用でき、特に硼酸が
好ましい。添加した硼素は殆ど全て蛍光体組成に含有さ
れる。硼素の添加は、アルミニウムを置換する硼素量m
が0.0001以上、0.5以下の範囲が好ましく、よ
り好ましいのは0.005以上、0.25以下の範囲
で、最も好ましいのは0.05付近である。
【0035】特定量の硼酸とリン酸を同時に含有させる
ことで、加えた硼酸の大半がアルミナと混晶を作り蛍光
体組成に組み込まれ、その結果蛍光体の耐熱性が向上す
る。過剰の硼酸はリン酸化合物及び2価金属と混晶を作
り蛍光体粒子間の溶融反応を防ぐ働きがある。この混晶
は水に不溶性で残光性蛍光体の粒子表面を被覆するため
に耐水性を持つ。リン酸を蛍光体母体に導入するために
は、原料としてリン酸、無水リン酸、リン酸アンモニウ
ム、アルカリ土類元素のリン酸塩等が好ましく使用でき
る。添加したリン酸は殆ど全て蛍光体組成に含有され
る。リン酸化合物の添加は、蛍光体組成式中リン酸濃度
kは0.001以上、0.2以下の範囲が好ましく、
0.01以上、0.1以下の範囲がさらに好ましく、
0.03以上、0.05以下の範囲が最も好ましい。
【0036】これら構成成分及びフラックスを混合した
原料を、大気中で1200℃以上1600℃以下の温度
で数時間1次焼成した後、弱還元雰囲気中で1200以
上1600℃以下の温度で2次焼成し、得られた焼成品
を粉砕、篩することで本発明の残光性蛍光体が得られ
る。目的の残光性蛍光体組成を得る為の原料の混合比率
は、理論比率とほぼ一致する。
【0037】
【実施例】本発明の夜光ガラス成型品に使用する緑色発
光、青色発光、及び青緑色発光残光性蛍光体は、例えば
次のような方法で調製することができる。
【0038】[緑色系残光性蛍光体の調製]蛍光体原料
として、SrCO3を140.98g(0.955mo
l)、Al2O3を88.14g(0.865mol)、
Eu2O3を5.28g(0.015mol)、Dy203
を2.80g(0.0075mol)、H3BO3を5.
63g(0.091mol)、及び(NH4)2HPO4
を7.92g(0.060mol)を、混合媒体として
アルミナボール入りのセラミックポットに入れ、ローラ
ーで2時間混合し蛍光体焼成前混合原料(以下原料生粉
という)を得る。次に、原料生粉をアルミナルツボに入
れ、還元雰囲気下1400℃で5時間焼成し蛍光体焼成
品を得る。次に焼成品を粉砕し、200メッシュの篩を
通し、(Sr0.955Eu0.03Dy0.015)O・0.91(Al0.95B0.05)2O3
・0.03P2O5蛍光体を得る。この蛍光体は発光ピークが5
15nmにある視感度の高い緑色系の発光を示す。
【0039】[青色系残光性蛍光体の調製]蛍光体原料
として、CaCO3を95.59g(0.955mo
l)、Al2O3を94.01g(0.922mol)、
Eu2O3を2.64g(0.0075mol)、Nd2
03を5.05g(0.015mol)、H3BO3を
6.00g(0.097mol)、及び(NH4)2HP
O4を7.92g(0.060mol)を、混合媒体と
してアルミナボール入りのセラミックポットに入れ、ロ
ーラーで2時間混合し原料生粉を得る。次に、原料生粉
をアルミナルツボに入れ、還元雰囲気下1400℃で5
時間焼成し蛍光体焼成品を得る。次に焼成品を粉砕し、
200メッシュの篩を通し、(Ca0.955Eu0.015Nd0.03)O・
0.97(Al0.95B0.05)2O3・0.03P2O5蛍光体を得る。この蛍
光体は発光ピークが420nmにある青色系の発光を示
す。
【0040】[青緑系残光性蛍光体の調製]蛍光体原料
として、SrCO3を140.98g(0.955mo
l)、Al2O3を169.40g(1.663mo
l)、Eu2O3を5.28g(0.015mol)、D
y203を2.80g(0.0075mol)、H3BO3
を10.8g(0.175mol)、及び(NH4)2H
PO4を7.92g(0.060mol)を、混合媒体
としてアルミナボール入りのセラミックポットに入れ、
ローラーで2時間混合し原料生粉を得る。次に、原料生
粉をアルミナルツボに入れ、還元雰囲気下1400℃で
5時間焼成し蛍光体焼成品を得る。次に焼成品を粉砕
し、200メッシュの篩を通し、(Sr0.955Eu0.03Dy0.01
5)O・1.75(Al0.95B0.05)2O3・0.03P2O5蛍光体を得る。こ
の蛍光体は発光ピークが490nmにある青緑系の発光
を示す。
【0041】[実施例1]吹きガラス技法に従い夜光ガ
ラス成型品を作る場合の例を示す。25%クリスタルガ
ラス(三徳工業株式会社製BX−25)を1280℃の
炉内で溶融状態とし、それを適当量鉄製の筒の吹き棒の
先端に付着させて取る。鉄板の上に上記残光性蛍光体を
適当量置き、その上に900〜1000℃の柔らかくな
っているガラスを転がし、残光性蛍光体をガラスに付け
る。この上にさらにガラスを巻いて残光性蛍光体をサン
ドイッチ構造とする目的で炉内の溶融ガラスの中に入
れ、ガラスをさらに巻き付ける。次に先端に付着してい
る溶融ガラスを吹き棒の反対側から息を吹き込みながら
膨張させ、通常の技法を用いて形を整え、コップ、灰
皿、花瓶等に加工する。本実施例で得られる夜光ガラス
コップはその断面図を図1に示す通り、内部に残光性蛍
光体層を挟んだ構造となっている。
【0042】[実施例2]ガラスと残光性蛍光体の接着
力を強くする目的で、残光性蛍光体と25%クリスタル
ガラス粉を重量比1:1で混合したものを鉄板の上に置
き、それ以外は実施例1と同じ方法を実施し、ガラス中
に残光性蛍光体をサンドイッチ構造封じ込んだ夜光ガラ
ス成型品を得た。
【0043】[実施例3]ガラスの中に残光性蛍光体を
練り込む目的で、吹き棒の先端に高温で柔らかくなった
ガラスを付け、それに蛍光体を付け、再加熱炉で柔らか
くしてねじる。この上に新たな溶融ガラスで巻いて残光
性蛍光体をガラスに封じ込み、通常の技法により加工
し、図2に示す夜光ガラス製文鎮に仕上げた。
【0044】[実施例4]通常のガラス技法により得ら
れたガラスコップに、エナメル絵付けに用いられる青色
透明顔料と青色残光性蛍光体を有機バインダーに混ぜた
ものを用いて絵付けを行う。絵柄が乾燥後、580℃の
炉にて約一時間加熱し、コップ表面に夜光性のエナメル
加工を施したコップを得た。
【0045】[実施例5]クリスタルガラス粉と残光性
蛍光体を重量比で10:1で混合した粉を、1100℃
の炉に入れ溶融状態とし、それを型に流し込み、冷却し
て型から取りだし、図3に示すような残光性蛍光体がガ
ラスに一様に分散している夜光ガラスコップを得た。
【0046】[実施例6]残光性蛍光体をニトロセルロ
ース/酢酸ブチルバインダーに懸濁させ、懸濁液を板ガ
ラスに塗布し、乾燥焼成し蛍光体層を板ガラス上に形成
する。蛍光体層の上に板ガラスを置き、真空状態下80
0℃の炉に入れ残光性蛍光体をサンドイッチ構造とした
図4に示す夜光板ガラス成型品を得た。このものを窓ガ
ラスに使用すると、昼間太陽光により残光性蛍光体に光
エネルギーを蓄え、夜は窓ガラスが長時間に渡り発光す
る。
【0047】[実施例7]通常の方法により残光性蛍光
体をポリビニルブチラールと混合し高分子フィルムと
し、それを板ガラス2枚の間にサンドイッチ構造に挟み
込み、真空炉で300℃に加熱し、高分子フィルムを融
解し図5に示す夜光板ガラス成型品を得た。本実施例も
実施例6と同じ用途に使用することができるが、本実施
例による方がより低コストで夜光板ガラス成型品を得る
ことができる。
【0048】[実施例8]実施例6において、屈折率が
残光性蛍光体と同じ値になるように調製された板ガラス
を使用することにより、完全に透明な夜光板ガラスを得
ることができた。
【0049】[実施例9]1200℃の溶融錫の平面の
上に、ガラス粉と残光性蛍光体の粉を10:1に混合
し、完全に溶融状態の平面上のガラス溶融物を作製し
た。これにより、図6に示す残光性蛍光体が均一に分散
した夜光板ガラスを得た。 [実施例10]使用するガラス粉の屈折率を残光性蛍光
体の粉に合わせること以外実施例9と同様にして完全に
透明の夜光板ガラスを得た。
【0050】[実施例11]外径5mm、内径3mmの
ソーダガラスをガラス管の内空部に残光性蛍光体を充填
し、ガラス管の一端側を電気炉内に挿入して650℃に
加熱する。端部が加熱により軟化してきたところをピン
セットで先端を引き出し、延伸装置に連結し、図7に示
す直径約0.2mmの夜光ガラス繊維を連続的に形成さ
せた。
【0051】[実施例12]実施例11で得られた夜光
ガラス繊維を5mm程度の長さに切断し、その断片を上
下方向に開口している1200℃の環状炉に滞留時間2
〜3秒となるように気流を下部から供給しながら焼成
し、焼成により球形となった図8に示す夜光ガラスビー
ズを環状炉下部から取り出した。
【0052】実施例6〜11において作製した夜光板ガ
ラスは後の再加熱工程による曲げ、引っ張り、プレス成
型などの2次成型を施して、さらに自在な形状の加工が
可能である。
【0053】これら実施例の各製品については、太陽光
下5分照射後暗中で6時間視認可能な発光を示した。特
に1000℃以上の高温で加工するものについては、青
緑色系残光性蛍光体を使用した夜光ガラス成型品は、他
の緑色、青色残光性蛍光体に比べ残光が高輝度であっ
た。
【0054】[比較例]残光性蛍光体として従来のZn
S:Cu蛍光体を選択し、実施例1〜11と同様の方法
で夜光ガラス成型品を作製したが、加熱時に全ての蛍光
体が変性し、特に800℃以上の高温で加工するものに
関しては発光が完全に失われた。
【発明の効果】以上説明したように、本発明名の夜光ガ
ラス成型品は従来のガラス成型品に見られないような高
輝度の夜光性を示し、その応用により、照明器具、装飾
品、工芸品、建築用窓ガラス、車両用窓ガラス等多くの
種類のガラス成型品に夜光性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る夜光ガラスコップの断面図。
【図2】本発明に係る夜光文鎮の断面図。
【図3】本発明に係る夜光ガラスコップの断面図。
【図4】本発明に係る夜光板ガラスの斜視図。
【図5】本発明に係る夜光板ガラスの斜視図。
【図6】本発明に係る夜光板ガラスの斜視図。
【図7】本発明に係る夜光板ガラス繊維の斜視図。
【図8】本発明に係る夜光ガラスビーズ断面図。
【符号の説明】
1・・・・・ガラス 2・・・・・残光性蛍光体 3・・・・・残光性蛍光体を分散しているガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 11/73 9280−4H C09K 11/73

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明或いは半透明ガラス成型品の内部に
    次の一般式で表現される残光性蛍光体が具備されている
    ことを特徴とする夜光ガラス成型品。 (M1-p-q,EupQq)O・n(Al1-mBm)2O3・k
    P2O5・αX (ただし、 0.0001≦p≦0.5 0.0001≦q≦0.5 0.5≦n≦3.0 0<m≦0.5 0≦k≦0.2 0≦α≦0.5 0≦α/n≦0.4の範囲にあり、 ただし、組成式中のMはMg、Ca、Sr、Ba、及び
    Znからなる2価金属の群より選ばれた少なくとも1種
    であり、Qは共付活剤でありMn、Zr、Nb、Pr、
    Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及
    びLuからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
    XはF、Cl、Br、Iからなるハロゲン元素より選ば
    れた少なくとも1種である。)
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