JPH0977229A - 糸条パッケージの搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸条パッケージを簡単に、支線搬送路上で処
理できる低コストでかつシンプルな構造の搬送装置を提
供する。 【解決手段】 本線搬送装置（１）から処理に失敗した
糸条パッケージを移載する支線搬送装置（２）には、そ
の上に糸条パッケージを載置しながら移送させる遊転ロ
ーラ群（５）を、糸条パッケージの搬送面が登り勾配に
なるように傾斜させて並設し、支線搬送経路上に送り出
された糸条パッケージを一定ピッチ長で搬送方向へ押し
出す押出手段（６）を設けると共に、該押出手段（６）
で逐次押出された糸条パッケージを夫々の所定位置に位
置決め保持するラチェット爪群（１０）を設けたことを
特徴とする糸条パッケージの搬送装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維等の合成繊維を巻取機によって巻き取
って糸条パッケージとし、該糸条パッケージを製品とし
て払い出すための処理を行うための糸条パッケージの処
理ラインに設けられた搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、糸条パッケージをトレイに載置し
て搬送し、搬送ラインに沿って設けられた糸条パッケー
ジの処理装置によって、糸条パッケージの払い出しを行
うための処理が逐次行われている。なお、糸条パッケー
ジの処理内容としては、例えばボビン上に形成された重
ね巻き糸条を除去して、トランスファーテールを形成す
るための処理（特公昭５７−３６２３３号公報、特開昭
５８−１１９５５３号公報）、糸条パッケージの巻糸体
の最外層に形成されたバンチ巻糸の剥取処理（特開昭６
０−１４０４７３号公報）、剥ぎ取り後の糸端を巻糸体
の最外周へ固定する処理（特開昭６３−５７４７７号公
報）等がある。

【０００３】しかしながら、このような糸条パッケージ
の処理において、処理に失敗した場合には、不良パッケ
ージとして該不良パッケージを本線の搬送ラインから分
岐させ、支線の搬送ラインで失敗した糸条パッケージの
フォロー処理をする必要がある。この失敗のフォロー処
理においては、糸条パッケージの処理項目が多岐にわた
るため、失敗した処理内容を書き込んだり、読み取った
りできる失敗情報の記録メディアが必要となる。このた
め、糸条パッケージの製造情報が記録された該記録メデ
ィアが、糸条パッケージと一対一に対応付けて用意され
ている。

【０００４】したがって、失敗のフォロー処理は、該記
録メディアに記録された情報を読み取りることから先ず
始められる。このためには、情報読み取り装置が設置さ
れた所定位置へ糸条パッケージを搬送して、位置決め停
止させる必要がある。また、失敗処理は多種に渡たり、
しかも、失敗が不定期的にしか生じないため、失敗フォ
ロー処理が行われる支線の搬送装置は、処理に失敗した
パッケージを搬送するために、常に待機状態を保たせる
必要がある。

【０００５】しかしながら、このように不定期的、かつ
間欠的に生じる失敗処理に対して、常時搬送装置を起動
しておくのは、非効率的であり、必要に応じて起動させ
るのが効率的である。ところがこのように、必要に応じ
て搬送装置を駆動するようにすると、搬送装置を含む搬
送システムが大掛かりとなり、設備コストやシステムの
信頼性において問題がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、搬
送装置を含む搬送システムを簡単にし、設備コストを低
減し、システムの信頼性を向上させると共に、失敗処理
内容の読み取り装置が設置された所定の位置へ正確に位
置決めできる装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】ここに、本発明によれ
ば、予め設定された処理位置へ糸条パッケージを搬送す
るために本線処理ラインに沿って設けられた本線搬送装
置と、本線搬送装置から支線搬送装置へ糸条パッケージ
を送り出すための送出手段と、該本線処理ラインで処理
を失敗した糸条パッケージを処理するための、本線から
分岐した支線処理ラインに沿って設けられた支線搬送装
置とを含む糸条パッケージの搬送装置であって、その際
該支線搬送装置には、その上に糸条パッケージを載置し
ながら移送させる遊転ローラ群を、糸条パッケージの搬
送面が登り勾配になるように傾斜させて並設し、支線搬
送経路上に送り出された糸条パッケージを一定ピッチ長
で搬送方向へ押し出す押出手段を設けると共に、該押出
手段で逐次押出された糸条パッケージを夫々の所定位置
に位置決め保持するラチェット爪群を設けたことを特徴
とする糸条パッケージの搬送装置が提供される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。

【０００９】図１は、本発明の装置構成を説明するため
の概略平面図であり、図２は、支線搬送路上での糸条パ
ッケージの搬送状態を説明した概略平面図である。ま
た、図３は、糸条パッケージを支線搬送経路の所定位置
に位置決め保持するためのラチェット爪を説明するため
の一部に断面を含む部分平面図である。

【００１０】該図において、１は本線搬送装置、２は支
線搬送装置、３は本線搬送装置から支線搬送装置へ糸条
パッケージを送り出すための送出手段、４は支線搬送装
置から糸条パッケージを本線搬送装置へ合流させるため
の合流装置をそれぞれ示す。

【００１１】また、Ｔ１及びＴ２は、糸条パッケージを
その上に載荷して搬送路上を流れるトレイであり、Ｂ１
及びＢ２は、該トレイ同士が接触したときに大きな衝撃
を受けないように衝撃を緩和するためのバンパーであ
り、そして、Ｍ１及びＭ２は、糸条パッケージの製造条
件、処理内容等の情報が記録された、読み書き自在の磁
気カード等の記録メディアである。

【００１２】ここで、該本線搬送装置（１）には、搬送
路上に突出するストッパー（１１）が設けられている。
なお、該ストッパー（１１）は、糸条パッケージの処理
に失敗した場合に本線搬送路上に突出し、糸条パッケー
ジを載置したトレイ（以下、単に、トレイと称する）の
搬送を停止させる役割を持っている。

【００１３】このようにして搬送が停止されたトレイ
は、送出装置（３）によって本線搬送装置（１）から支
線搬送装置（２）へと移載される。なお、送出装置
（３）としては、例えば、本発明者が特願平５−１２１
４４２号において提案した装置等の公知の装置を使用す
ればよい。

【００１４】次いで、本発明の一大特徴は、その上に糸
条パッケージを載荷したトレイを載置して該トレイを搬
送する支線搬送装置（２）にあるので、以下に本発明の
支線搬送装（２）置の説明を行う。なお、本発明におけ
る「糸条パッケージ」とは、糸条パッケージを搬送する
ために糸条パッケージを載荷した「トレイ」のような
「糸条パッケージの搬送用の補助部材」をも含くんだも
のを指す。

【００１５】支線搬送装置（２）には、その軸心回りに
自由回転する遊転ローラ群（５）が糸条パッケージ（ト
レイ）の搬送面が登り勾配になるように傾斜させて並設
してある。更に、該支線搬送装置（２）には、押出手段
（６）が設けられている。従って、該押出手段（６）の
プッシャー（１２）によって、糸条パッケージ（Ｔ１及
びＴ２）を支線搬送経路上に搬送方向へ一定ピッチ長分
だけ送り出すことができる。

【００１６】このようにして、該押出手段（６）で逐次
押出された糸条パッケージ（Ｔ１及びＴ２）は、ラチェ
ット爪群（１０ａ〜１０ｄ）によって、夫々の所定位置
に位置決め保持される。このラチェット爪群（１０ａ〜
１０ｄ）の作用に関しては、後に詳細に説明することと
する。

【００１７】そして、夫々の位置決め場所に対応して設
けられた情報読取装置（８ａ〜８ｃ）によって、糸条パ
ッケージの履歴が記載された記録メディア（Ｍ１及びＭ
２）から所定の情報を表示装置（９ａ〜９ｃ）に表示す
る。このように所定の情報が表示されていれば、作業者
がその表示を見ることにより、失敗した処理を修復し
て、本線搬送路へ再び糸条パッケージを合流させること
ができる。

【００１８】この合流に関しては、例えば、圧力流体の
さようで作用する流体圧シリンダーを使用して、トレイ
を本線搬送装置に設けられた合流装置へプッシャー（１
３）で押出してやればよい。

【００１９】ここで、前記のラチェット爪（１０の作用
の説明に戻ると、該ラチェット爪（１０）は、図３-(a)
及び(b) に示すように、爪本体（１４）と、該爪本体
（１４）をその軸心回りに揺動自在に軸支する固定軸
（１５）と、揺動した爪本体（１４）を元の位置へ復帰
させるためのコイルバネからなる弾性体（１６）と、爪
本体（１４）が復帰位置から反搬送側へ揺動しないよう
に該爪本体（１４）を位置決め停止させるストッパー
（１７）とから構成されている。

【００２０】従って、糸条パッケージを載荷したトレイ
が存在しない状態では、図３-(a)に示すようにトレイの
搬送路上に爪本体（１４）が突出した状態にある。しか
し、トレイが通過すると、図３-(b)に示すように爪本体
（１４）は、トレイと接触して搬送方向に揺動する。し
たがって、トレイが搬送方向へ移動する場合には、爪本
体（１４）はトレイの通行を何等妨げない。

【００２１】しかしながら、トレイがラチェット爪（１
０）を通過した後で反搬送方向へトレイが移動しようと
すると、コイルバネの力で搬送路上に突出復帰したラチ
ェット爪（１０）がストッパーの役割を果たしトレイの
反搬送方向への移動を禁止する。

【００２２】このようにトレイの移動が禁止される位置
は、トレイに設けられた記録メディア（Ｍ）と支線搬送
装置（２）に設けられた情報読取装置（８）とが一対一
に対応する位置であることは言うまでもない。このよう
にして、記録メディア（Ｍ）と情報読取装置（８）とを
対応させることで記録メディア（Ｍ）に記録された情報
を表示装置（９）に表示することができるのである。

【００２３】なお、トレイの正確な位置決めを行うため
に、遊転ローラ群（５）を、糸条パッケージの搬送面が
登り勾配になるように傾斜させて並設することが肝要で
ある。何故ならば、トレイの位置決めストッパーを兼用
するラチェット爪（１０）の設置位置をオーバーして送
り出されたトレイは、自重によって傾斜面を滑り落ち、
丁度、ラチェット爪（１０）が搬送路上に突出した位置
で該ラチェット爪（１０）と接触して、接触した位置で
正確かつ確実に位置決め停止するからである。

【００２４】従って、玉突き状態で次から次ぎに逐次押
出されてくるトレイは、所定の間隔で設けられたラチェ
ット爪群（１０ａ〜１０ｄ）でそれぞれ所定の位置に位
置決め停止されることとなる。

【００２５】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
搬送装置を含む搬送システムを簡単にし、設備コストを
低減し、システムの信頼性を向上させると共に、失敗処
理内容の読み取り装置が設置された所定の位置へ正確に
位置決めできるという極めて顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置構成を説明した概略平面図であ
る。

【図２】本発明の実施形態を説明するための概略平面図
である。

【図３】糸条パッケージを所定位置に位置決め保持する
ラチェット爪の作用を説明するための一部に断面を含む
部分平面図である。

【符号の説明】

１ 本線搬送装置 ２ 支線搬送装置 ３ 送出装置 ５ 遊転ローラ群 ６ 押出装置 ７ プッシャー １０ａ〜１０ｃ ラチェット爪群 １１ ストッパー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め設定された処理位置へ糸条パッケー
   ジを搬送するために本線処理ラインに沿って設けられた
   本線搬送装置と、 本線搬送装置から支線搬送装置へ糸条パッケージを送り
   出すための送出手段と、 該本線処理ラインで処理を失敗した糸条パッケージを処
   理するための、本線から分岐した支線処理ラインに沿っ
   て設けられた支線搬送装置とを含む糸条パッケージの搬
   送装置であって、その際該支線搬送装置には、その上に
   糸条パッケージを載置しながら移送させる遊転ローラ群
   を、糸条パッケージの搬送面が登り勾配になるように傾
   斜させて並設し、 支線搬送経路上に送り出された糸条パッケージを一定ピ
   ッチ長で搬送方向へ押し出す押出手段を設けると共に、 該押出手段で逐次押出された糸条パッケージを夫々の所
   定位置に位置決め保持するラチェット爪群を設けたこと
   を特徴とする糸条パッケージの搬送装置。