JP7139216B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
本発明において、単列および複数列は物品の搬送方向に直交する方向に並ぶ物品の数によって特定される。つまり、搬送方向に直交する方向に並ぶ物品が一つであれば単列であり二つ以上であれば複数列である。
本発明の上流搬送部は、好ましくは、所定数Nの単位で物品を保持し、かつ、移動する複数の第一可動子群を備え、受渡位置において先行する第一可動子群が物品を貯留部に受け渡している間に、後続の第一可動子群は所定数Nの単位で物品を保持し、かつ、停止している。
また、本発明の上流搬送部は、好ましくは、第一おもて経路と第一うら経路を備え、おもて経路が第一貯留部に対向するように設けられる第一周回搬送路と、第一周回搬送路をそれぞれが独立して移動できる複数の可動子を含む第一可動子群と、を備え、第一可動子群は、第一うら経路の定点において連続的に搬送される物品を順番に受け取り、所定数Nの物品を受け取ると、第一おもて経路における受渡位置に向けて移動する。
本発明における第一可動子群は、好ましくは、受渡位置よりも手前の停止位置において停止してから受渡位置まで移動して停止する。
第一うら経路において物品を受け取った第一可動子群は、好ましくは、受渡位置よりも手前の停止位置まで連続的に移動してから停止し、受渡位置において先行して物品を受け渡した第一可動子群が、受渡位置から第一うら経路に向けて移動した後に、受渡位置まで移動して停止する。
本発明における下流搬送部は、好ましくは、所定数Nの単位で物品を保持し、かつ、移動する複数の第二可動子群を備え、受取位置において先行する第二可動子群が物品を受け取っている間に、後続の第二可動子群は所定数Nの単位で物品を保持することなく停止している。
第二うら経路において物品を受け渡した第二可動子群は、好ましくは、受取位置よりも手前の停止位置まで連続的に移動してから停止し、受取位置において先行して物品を受け取った第二可動子群が、受取位置から第一うら経路に向けて移動した後に、次の停止位置まで移動して停止するか、または、受渡位置まで移動して停止する。
上流搬送部および下流搬送部が第一方向に対して占有するのは、物品を単列で搬送できるスペースで足りる。したがって、搬送のための装置を含めたとしても、例えば特許文献1に開示される従来の単列から複数列への並び変えのためのコンベヤに比べて、上流搬送部および下流搬送部の第一方向の寸法は相当に短い。
図1に示す飲料製品の製造ライン1は、容器の成形、製品液の充填、ラベル付けおよび箱詰めの工程を備えて飲料製品を製造するものであり、本発明の物品処理システムの一例である。
製造ライン1は、図1に示すように、樹脂製の容器5を成形する成形機10と、容器の内部に製品液を充填し、キャップを取り付ける無菌充填装置20と、ラベル付けや箱詰め、封函等を行うパッケージライン30とを備えている。製造ライン1は、成形機10、無菌充填装置20およびパッケージライン30の動作を制御する制御装置3を備えている。製造ライン1において、一点鎖線の矢印は容器5が搬送される向きを示しており、成形機10からパッケージライン30にかけて形成される搬送路に沿って容器5が搬送されながら所定の処理がなされる。
無菌充填装置20は、一例として、容器5の内部に製品液(内容物)を充填するノズルを有した充填機と、製品液が充填された容器5の開口部にキャップを装着することで容器5を密閉するキャッパと、充填機およびキャッパを覆うチャンバと、を備えている。チャンバの内側の無菌環境下で、容器5への製品液の充填と、容器へのキャップの装着とが行われる。
成形機10、無菌充填装置20などが本発明の第一処理部に該当する。
図1に一点鎖線で示すパッケージライン30は、上流から下流の順に、製品液が充填された容器5を搬送および貯留する第一アキュムレータ40と、第一アキュムレータ40から排出された容器5にラベルを装着するラベラ60と、検査装置70と、ラベルが装着された容器5を搬送および貯留する第二アキュムレータ80と、第二アキュムレータ80から排出された容器5を箱に詰めるケーサ100と、箱を封函する封函機110と、検査装置120と、箱を積み上げる段積機130と、を備えている。
これとは逆に、上流ラインが停止した場合には、第一アキュムレータ40、第二アキュムレータ80に貯留された容器群が下流へと供給されるため、パッケージライン30を連続して運転することができる。
本実施形態においては、同じ構成を一対の第一上流搬送部41を並列に設けられるのに加えて、同じ構成を備える一対の第一下流搬送部45を並列に設けられる。一方の第一上流搬送部41と第一下流搬送部45の間に第一貯留部43が設けられ、また、他方の第一上流搬送部41と第一下流搬送部45の間にも第一貯留部43が設けられる。一対の第一貯留部43,43は互いに平行に配列される。この構成は、図1に示すように、第二アキュムレータ80にも適用される。
第一アキュムレータ40は、第一上流搬送部41から第一貯留部43への容器5の受け渡し、第一貯留部43から第一下流搬送部45への容器5の受け渡しが、四本の単位で行われる。ただし、四本はあくまで一例にすぎず、例えば五本、七本など他の単位とすることができる。
第一アキュムレータ40のより具体的な構成については後述する。
第二上流搬送部81は、検査装置70から例えば転送スターホイールを介して供給される容器5を第二貯留部83にむけて搬送する。第二貯留部83は、第二上流搬送部81から受け渡された容器5を並べて貯留する。第二下流搬送部85は、第二貯留部83に並んでいた容器5を受け取って第二アキュムレータ80よりも下流に位置するケーサ100に向けて搬送する。第二アキュムレータ80のより具体的な構成については後述する。
図示しない制御装置による制御の下、第二アキュムレータ80から適時に排出される容器5が、ケーサ100により段ボールの箱に詰められる。
第二アキュムレータ80は、第一アキュムレータ40と同様の構成および動作をするので、以降の説明を省略する。
次に、図2を参照して第一アキュムレータ40の構成について説明する。
製造ライン1は、第一アキュムレータ40の第一上流搬送部41および第一下流搬送部45にリニアモータを適用することで、第一アキュムレータ40を省スペース化できるなどの効果を奏する。
第一上流搬送部41は、リニアモータから構成されており、図2に示すように、容器5を搬送可能な複数の可動子46と、複数の可動子46が個別に移動する第一搬送路48と、を有する。無端状の第一搬送路48を複数の可動子46が一点鎖線の矢印で示す向きに循環するように移動する。第一搬送路48は、互いに平行な第一おもて経路48Aと第一うら経路48Bを有してレーストラック状に形成されており、第一おもて経路48Aが第一貯留部43に対向するように設けられている。また、第一搬送路48は、可動子46の移動を案内するレールを含んで構成されている。
可動子46は、搬送能力や第一アキュムレータ40の第一貯留部43に貯留する容器5の数に応じて最低限必要な数だけ第一上流搬送部41に備えられている。ただし、可動子46の数に特に制限はなく、容器5の搬送には使用されない余剰の可動子46およびグリッパ47が存在していてもよい。この場合には、グリッパ群G11およびグリッパ群G12を構成する可動子46およびグリッパ47が変動する。
グリッパ47は、典型的には容器5の首部を保持する。しかし、製品液が充填済みの容器5は、製品液が充填されていない空の容器5よりも重心が下方にあるため、首部だけを保持するのでは搬送中に首部を支点に振れ回り易い。そこで、搬送中にグリッパ47が首部を保持する状態をロックする機構を設ける、あるいは、グリッパ47に容器5の胴部を保持する機構を設けることができる。
第一下流搬送部45の可動子46は、一点鎖線の矢印で示すように、第一上流搬送部41の可動子46と同じ向きに第二搬送路49を移動する。
駆動制御部により、複数の電磁コイルのそれぞれ印可される電流印加を制御することで、電磁コイルと永久磁石との電気磁気的な相互作用により、複数の可動子46の位置や速度が個別に駆動制御される。駆動制御部は制御装置3の指示に基づいて動作することができる。第二アキュムレータ80における動作の制御も同様になされる。
可動子46は、容器5の底部が第一搬送路48の表面から離れるように、首部や胴部等を把持する。そうすると、容器5の底部に生じる摩擦によって可動子46の位置や速度に悪影響が出るのを避けることができるとともに、容器5の底部に摩擦傷が生じるのを避けることができる。
第一下流搬送部45は、後述するように第一貯留部43に貯留された容器5を可動子46で受け取る。そして、第一下流搬送部45の可動子46からラベラ60へと容器5が排出される。
次に、図2に示される第一貯留部43は、第一上流搬送部41の可動子46から受け渡された容器5を、第一方向D1に順次並べて貯留することができる。
それぞれのコンベヤ43A,43B,43C,43Dは、例えば、容器5の底部を支持するチェーンコンベヤまたはベルトコンベヤ等をコンベヤ要素として含んでいる。それぞれのコンベヤ43A,43B,43C,43Dは、一例として四列のコンベヤ要素を備えており、容器5を四列として搬送する。隣接する四列のコンベヤ要素の間にはガイドを設けることができる。ガイドは、例えば首部の高さに設置され、搬送される容器5がコンベヤ要素から第二方向D2にずれるのを防ぐことができる。
第一貯留部43は、複数の容器5を貯留することが可能な少なくとも1つのコンベヤを備えていれば足りる。つまり、第一貯留部43が必ずしも複数のコンベヤを備えることを必須としない。
図3、図4、図5および図6を参照して第一アキュムレータ40の第一上流搬送部41の動作を説明する。なお、図3~図6において、第一貯留部43の最も上流側のコンベヤ43Aだけが示されている。
第一アキュムレータ40は、容器5の受け渡しが四本の単位で行われる。そこでここでは理解を容易にするために、図3~図6に示すように、第一アキュムレータ40は、それぞれが四つのグリッパ47からなるグリッパ群G11およびグリッパ群G12を備える例について説明する。
グリッパ群G11およびグリッパ群G12は、以下のように連続移動と間欠移動を行う。第一うら経路48Bにおいて例えば図3(a)~図4(b)に示すように、グリッパ群G12が容器5を受け取ってから、第一おもて経路48Aの第一停止位置SP1に達するまで連続的に移動する。また、図4(b)~図5(a)に示すように、例えばグリッパ群G12が第一おもて経路48Aの第一停止位置SP1から容器5を第一貯留部43に受け渡す第二停止位置SP2まで間欠的に移動する。また、先に容器5を受け渡した例えばグリッパ群G11は、図4(b)~図5(a)に示すように、第二停止位置SP2から第一うら経路48Bにおける上流側の待機位置WP1に向けて連続的に移動する。ここで、上流か否かは容器5、可動子46が移動する向きを基準として特定される。以下も同様である。
以下、図3~図6を参照してより具体的に第一アキュムレータ40の動作を説明する。
なお、グリッパ群G11およびグリッパ群G12のそれぞれが本発明の第一可動子群に対応する。
また、図3(a)において、グリッパ群G12が第一うら経路48Bの待機位置WP1において停止している。待機位置WP1は、容器5を搬入するスターホイールSWAよりも上流側に、スターホイールSWAと所定の間隔を空けて設けられている。スターホイールSWAは、本発明における第一回転体搬送装置に該当する。
一方で、グリッパ群G11またはグリッパ群G12が容器5をコンベヤ43Aに受け渡した後は、四つのグリッパ47の間隔は広い広間隔とされる。
待機位置WP1で待機していたグリッパ群G12は、先頭(一番目)の可動子46はグリッパ47を伴って受取位置RPに向けて移動し、スターホイールSWAから容器5を受け取る。可動子46は、容器5を受け取る時点でスターホイールSWAにおける容器5の搬送速度(回転速度)と同期した速度になるように、リニアモータの動作が制御される。次以降に容器5を受け取る可動子46も同様である。
一方、グリッパ群G11は、容器5のコンベヤ43Aへの受け渡しを完了する。
この時点で、グリッパ群G11とグリッパ群G12は、それぞれ第二停止位置SP2および第一停止位置SP1において停止して並んでいる。
一方、第一停止位置SP1において待機していたグリッパ群G12は、第二停止位置SP2に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
この過程で、グリッパ群G12はコンベヤ43Aへの容器5の受け渡しの動作を継続している。
一方、グリッパ群G12は、容器5のコンベヤ43Aへの受け渡しを完了する。
一方、第一停止位置SP1において待機していたグリッパ群G12は、第二停止位置SP2に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
なお、いずれかのグリッパ群が容器5を受け取ってから第一停止位置SP1に至るまでの速度、および、いずれかのグリッパ群が容器5を受け渡してから待機位置WP1に至るまでの速度は、同じであってもよいし異なってもよい。
次に、図7および図8を参照して第一貯留部43の動作を説明する。
第一貯留部43は、第一上流搬送部41から受け渡された容器5を貯留することなく搬送する搬送モードと、第一上流搬送部41から受け渡された容器5を貯留するアキュームモードの二つのモードを備えている。
搬送モードは、製造ライン1に異常が生じておらず正常に運転されているときに選択される。アキュームモードは、製造ライン1、例えば第一アキュムレータ40の例えば下流側において異常が生じたためにそのまま容器5を下流に向けて搬送することができない場合に選択される。搬送モードとアキュームモードは、製造ライン1の動作を監視する制御装置3が選択する。
以下、図7を参照して搬送モードの一例について説明し、次いで図8を参照してアキュームモードの一例について説明される。
搬送モードは、コンベヤ43A,43B,43C,43Dのそれぞれの容器5の搬送速度をVA,VB,VC,VDとすると、一例として、以下の式(1)のように設定される。つまり、最上流のコンベヤ43Aの搬送速度を遅くし、コンベヤ43Aよりも下流側のコンベヤ43B,43C,43Dの搬送速度を速くする。コンベヤ43Aとコンベヤ43A,43B,43C,43Dの搬送速度は、一例として、以下の式(2)のように設定される。
VA<VB=VC=VD … 式(1)
5×VA=VB=VC=VD … 式(2)
アキュームモードは、搬送モードから移行して行われ、容器5のアキューム状態に応じて、コンベヤ43A,43B,43C,43Dの搬送を制御する。以下、移行の順に初期、中期、後期に区分してアキュームモードについて説明する。
搬送モードからアキュームモードに移行すると、最も下流側のコンベヤ43Dの搬送速度VDを落とす一方、コンベヤ43A,43B,43Cの搬送速度VA,VB,VCは従前を維持する。一例を、式(3)に示す。そうすると、図8(a)~図8(c)に示すように、下流側のコンベヤ43Dに容器5がアキュームされる。図8(c)に示すように、定量の容器5がコンベヤ43Dにアキュームされると、コンベヤ43Dは停止する。同時に、コンベヤ43Cの搬送速度VCを落とす一方、コンベヤ43A,43Bの搬送速度VA,VBは式(4)に示すように従前を維持する。
VA=VD<VB=VC= … 式(3)
VA=VC<VB,VD=0… 式(4)
VA=VB,VC,VD=0… 式(5)
次に、図9、図10、図11および図12を参照して第一アキュムレータ40の第一下流搬送部45の動作を説明する。なお、図9~図12において、第一貯留部43の最も下流側のコンベヤ43Dの一部だけが示されている。
第一下流搬送部45においても、理解を容易にするために、それぞれが四つのグリッパ47からなるグリッパ群G21およびグリッパ群G22を例にして説明する。
グリッパ群G21およびグリッパ群G22が、以下のように連続移動および間欠移動をする点では第一上流搬送部41と同じである。例えば図9(a)~図10(c)に示すように、第二おもて経路49Aにおいてグリッパ群G21が容器5をコンベヤ43Dから受け取ってから、容器5を受け渡す第二うら経路49Bに向けて連続的に移動する。また、図10(b)~図11(a)にしめすように、例えばグリッパ群G22が第二おもて経路49Aの第三停止位置SP3から容器5を第一貯留部43から受け取る第四停止位置SP4まで間欠的に移動する。以下、図9~図12を参照してより具体的に第一アキュムレータ40の動作を説明する。
なお、グリッパ群G21およびグリッパ群G22のそれぞれが本発明の第二可動子群に対応する。
一方で、グリッパ群G21またはグリッパ群G22が容器5をコンベヤ43Dから受け取った後は、四つのグリッパ47の間隔は広い広間隔とされる。
待機位置WP2で待機していたグリッパ群G22は、先頭(一番目)の可動子46がグリッパ47を伴って受渡位置HPに向けて移動し、スターホイールSWBに容器5を受け渡す。可動子46は、容器5を受け渡す時点でスターホイールSWBにおける容器5の搬送速度(回転速度)と同期した速度になるように、リニアモータの動作が制御される。次以降に容器5を受け渡す可動子46も同様である。
一方、グリッパ群G21は、容器5のコンベヤ43Dからの受け取りを完了する。
この時点で、グリッパ群G21とグリッパ群G22は、それぞれ第四停止位置SP4および第三停止位置SP3において停止して並んでいる。
一方、第三停止位置SP3において待機していたグリッパ群G22は、第四停止位置SP4に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
この過程で、グリッパ群G22はコンベヤ43Dからの容器5の受け取りの動作を継続している。
一方、グリッパ群G22は、容器5のコンベヤ43Dからの受け取りを完了する。
一方、第三停止位置SP3において待機していたグリッパ群G21は、第四停止位置SP4に向けて移動を開始する。この移動の過程で四つの可動子46の間隔は狭間隔に縮小される。
なお、いずれかのグリッパ群が容器5を受け渡してから第四停止位置SP4に至るまでの速度、および、いずれかのグリッパ群が容器5を受け取ってから受渡位置HPに至るまでの速度は、ここでは一定としたが、速度を変えることもできる。また、グリッパ群が容器5を受け渡してから第四停止位置SP4に至るまでの速度とグリッパ群が容器5を受け取ってから受渡位置HPに至るまでの速度は、同じであってもよいし、異なってもよい。
以上で説明した本実施形態により得られる効果は以下の通りである。なお、以下では第一アキュムレータ40を例にして効果を説明するが、第一アキュムレータ40と同様の構成および動作をなす第二アキュムレータ80についても同様の効果が得られる。
<製造ラインの省スペース化>
本実施形態の第一アキュムレータ40は、第一上流搬送部41が単列で搬送する容器5を複数列に並び替える。第一上流搬送部41は、第一貯留部43が容器5を搬送する第一方向D1に対して直交する第二方向D2に容器5を搬送する。これにより、第一上流搬送部41を単列で搬送される容器5を第一貯留部43では複数列に並び替える。第一上流搬送部41が第一方向D1に対して占有するのは、容器5を単列で搬送できるスペースで足りる。したがって、搬送のための装置を含めたとしても、例えば特許文献1に開示される従来の単列から複数列への並び変えのためのコンベヤに比べて、第一上流搬送部41の第一方向D1の寸法は相当に短い。
第一アキュムレータ40は、生産開始時に、第一上流搬送部41において受け取った容器5を受渡位置(第三位置)まで即座に搬送して第一貯留部43に受け渡すことができる。つまり、第一上流搬送部41において、容器5を受け取ってから第一貯留部43に受け渡すまでの間に容器5が停滞する時間が短い。
また、第一アキュムレータ40は、生産終了時においても同様であり、第一上流搬送部41において受け取った容器5を受渡位置まで即座に搬送して下流に向けて受け渡すことができる。つまり、第一上流搬送部41において、容器5を受け取ってから第一貯留部43に受け渡すまでの間に容器5が停滞する時間が短い。
したがって、第一アキュムレータ40によれば、生産開始時における単列から複数列に並び変えるまでの待ち時間および生産終了時における複数列から単列に並び替えるまでの待ち時間を短くできる。
第一アキュムレータ40は、コンベヤで容器5を搬送するのは第一貯留部43に限られる。つまり、第一アキュムレータ40によれば、第一上流搬送部41および第一下流搬送部45において容器5を搬送する過程で容器5を加速または減速する機会が減る。これにより、第一アキュムレータ40によれば、加速または減速による容器5の転倒するおそれが少なくなる。
第一アキュムレータ40は、第一下流搬送部45から第一貯留部43に順に容器5を受け渡す際に、第一方向D1に相前後する容器5の間に隙間を設けることができる。しかも、第一貯留部43は、その後もこの間隔を維持しながら容器5を搬送および貯留できる。したがって、第一アキュムレータ40によれば、第一方向D1に相前後する容器5が接触して押し合うことを避けることができるので、容器5の変形や破損、転倒を防ぐことができる。加えて、第一方向D1において容器5の間に隙間があいていれば、容器5が第一貯留部43の幅方向(第二方向D2)に位置ずれすることもないので、ガイドへの接触による容器5の変形などが避けられる。
具体的な説明は省略するが、第二アキュムレータ80についても同様の効果が得られる。
第一アキュムレータ40は、第一上流搬送部41が受け取った容器5を、その順番を維持したままで第一下流搬送部45から下流に向けて受け渡すことができる。したがって、製造ライン1は、容器が不定な順番で下流に搬送されるのに対して、個々の容器を追跡して、品質基準を満たさない特定の容器を排出するなどの製品の個別管理を行うことができない。
第一アキュムレータ40の第一上流搬送部41および第一下流搬送部45は複数の可動子46をグループ単位で駆動制御することができる。したがって、従来のアキュームレーション装置で用いられているタイミングスクリュを使用することなく、容器5のピッチの割り出しをし、また、スターホイールからの供給やスターホイールへの排出、後工程の処理等に対する同期を図ることができる。
タイミングスクリュを使用しないことで、タイミングスクリュにより容器5に加わる負荷をなくせる。タイミングスクリュに容器5が噛み込むこともない。また、タイミングスクリュを設置するスペースが必要ないので、製造ライン1に必要なスペースの節減にも貢献できる。さらに、製造する製品の容器5の径が変わっても、スクリューを交換する作業が必要ないので、型替え作業を軽減することができる。
本実施形態は、一対の第一アキュムレータ40および一対の第二アキュムレータ80を備える。このように、アキュームレーション装置を複数列にすることにより、アキュームレーション装置が単列の場合に比べて、処理能力を高くできる。つまり、第一上流搬送部41、第一下流搬送部45などにおける容器5の搬送速度はリニアモータの能力に依存するので、単列では実現できない単位時間当たりの処理本数を、複数列とすることにより実現できる。
例えば、単列で搬送されてきた容器5を一対の第一アキュムレータ40に振り分けるには、少なくとも二つの手段を採用し得る。
図13(a),(b)において、スターホイールSW1およびスターホイールSW2までは容器5が単列で搬送されるが、スターホイールSW3およびスターホイールSW4において容器5は二手に振り分けられ。その中で、図13(a)はスターホイールSW3が全ての容器5を受け取るが、途中でスターホイールSW3からスターホイールSW4に容器5が受け渡される。また、図13(b)はスターホイールSW2からスターホイールSW3とスターホイールSW4に交互に容器5が受け渡される。なお、図13(a),(b)において、白抜きの矢印はその先に第一上流搬送部41が設けられていることを示している。
さらに、スターホイールSW3と一方の第一上流搬送部41の間、および、スターホイールSW4と他方の第一上流搬送部41の間に、スターホイールSW3,SW4と第一上流搬送部41,41の間の搬送速度を調整するためのスターホイールを設けることもできる。さらにまた、スターホイールSW3とスターホイールSW4よりも下流側に、搬送速度を調整するためのスターホイールを設けることもできる。
3 制御装置
5 容器
10 成形機
20 無菌充填装置
30 パッケージライン
40 第一アキュムレータ
41 第一上流搬送部
43 第一貯留部
43A,43B,43C,43D コンベヤ
45 第一下流搬送部
46 可動子
47 グリッパ
48 第一搬送路
48A 第一おもて経路
48B 第一うら経路
49 第二搬送路
49A 第二おもて経路
49B 第二うら経路
60 ラベラ
70,120 検査装置
80 第二アキュムレータ
81 第二上流搬送部
83 第二貯留部
85 第二下流搬送部
100 ケーサ
110 封函機
130 段積機
G11,G12,G21,G22 グリッパ群
D1 第一方向
D2 第二方向
HP 受渡位置
RP 受取位置
WP1,WP2 待機位置
SP1 第一停止位置
SP2 第二停止位置
SP3 第三停止位置
SP4 第四停止位置
SWA,SWB,SW1,SW2,SW3,SW4 スターホイール
Claims (14)
- 上流側から受け取った複数の樹脂材料からなる飲料用の容器を第二方向に沿った単列で搬送する上流搬送部と、
単列で搬送される前記容器を前記上流搬送部から受け取り、かつ、前記第二方向と交差する第一方向に前記容器を複数のN列(Nは2以上の自然数)として搬送するかまたは貯留する貯留部と、
前記貯留部から複数の前記N列として受け取った前記容器を前記第二方向に単列で搬送する下流搬送部と、を備え、
前記上流搬送部は、
所定数Nの単位で前記容器を保持し、かつ、前記貯留部に対する第一受渡位置までそれぞれが所定の間隔をあけた状態で前記容器を搬送する複数の第一可動子からなる第一可動子群を備え、
前記第一受渡位置において前記第二方向の搬送を停止した状態で、前記所定数Nの単位で前記容器を前記貯留部に受け渡す、
搬送装置。
- 前記第一可動子群は、
複数の前記容器を受け取る第一受取位置よりも上流の第一待機位置で待機している状態から、先頭の前記第一可動子から順に前記第一受取位置に移動して前記容器を受け取る、
請求項1に記載の搬送装置。
- 前記上流搬送部は、
前記第一受渡位置において先行する前記第一可動子群が前記容器を前記貯留部に受け渡している間に、後続の前記第一可動子群は所定数Nの単位で前記容器を保持し、かつ、停止している、
請求項2に記載の搬送装置。
- 前記上流搬送部は、
第一おもて経路と第一うら経路を備え、前記第一おもて経路が前記貯留部に対向するように設けられる第一周回搬送路と、
前記第一周回搬送路をそれぞれが独立して移動できる複数の前記第一可動子を含む前記第一可動子群と、を備え、
前記第一可動子群は、
前記第一うら経路の定点において連続的に搬送される前記容器を順番に受け取り、
所定数Nの前記容器を受け取ると、前記第一おもて経路における前記第一受渡位置に向けて移動する、
請求項3に記載の搬送装置。
- 前記第一可動子群は、
前記第一受渡位置よりも手前の停止位置において停止してから前記第一受渡位置まで移動して停止する、
請求項4に記載の搬送装置。
- 前記第一うら経路において前記容器を受け取った前記第一可動子群は、
前記第一受渡位置よりも手前の停止位置まで連続的に移動してから停止し、
前記第一受渡位置において先行して前記容器を受け渡した前記第一可動子群が、前記第一受渡位置から前記第一うら経路に向けて移動した後に、前記第一受渡位置まで移動して停止する、請求項5に記載の搬送装置。
- 前記第一うら経路に前記容器を搬入する第一回転体搬送装置が設けられ、
前記第一回転体搬送装置の搬送速度と同期した速度とされた前記第一可動子群の複数の前記第一可動子が、前記第一回転体搬送装置から順に前記容器を受け取る、
請求項4~請求項6のいずれか一項に記載の搬送装置。
- 前記下流搬送部は、
所定数Nの単位で前記容器を保持し、かつ、第二受渡位置までそれぞれが所定の間隔をあけた状態で前記容器を搬送する複数の第二可動子からなる第二可動子群を備え、
前記貯留部からの第二受取位置において前記第二方向の搬送を停止した状態で、前記所定数Nの単位で前記容器を前記貯留部から受け取る、
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の搬送装置。
- 前記下流搬送部は、
前記第二受取位置において先行する前記第二可動子群が前記容器を受け取っている間に、後続の前記第二可動子群は所定数Nの単位で前記容器を保持することなく停止している、請求項8に記載の搬送装置。
- 前記下流搬送部は、
第二おもて経路と第二うら経路を備え、前記第二おもて経路が前記貯留部に対向するように設けられる第二周回搬送路と、
前記第二周回搬送路をそれぞれが独立して移動できる複数の前記第二可動子を含む前記第二可動子群と、を備え、
前記第二可動子群は、
前記第二うら経路の定点において連続的に搬送される前記容器を順番に受け渡し、
所定数Nの前記容器を受け渡すと、前記第二おもて経路における前記第二受取位置に向けて移動する、
請求項9に記載の搬送装置。
- 前記第二可動子群は、
前記第二受取位置よりも手前の停止位置において停止してから前記第二受取位置まで移動して停止する、
請求項10に記載の搬送装置。
- 前記第二うら経路において前記容器を受け渡した前記第二可動子群は、
前記第二受取位置よりも手前の停止位置まで連続的に移動してから停止し、
前記第二受取位置において先行して前記容器を受け取った前記第二可動子群が、前記第二受取位置から前記第二うら経路に向けて移動した後に、次の前記停止位置まで移動して停止するか、または、前記第二受取位置まで移動して停止する、
請求項11に記載の搬送装置。
- 前記第二うら経路に前記容器を搬出する第二回転体搬送装置が設けられ、
前記第二回転体搬送装置の搬送速度と同期した速度とされた前記第二可動子群の複数の前記第二可動子が、前記第二回転体搬送装置に順に前記容器を受け渡す、
請求項10~請求項12のいずれか一項に記載の搬送装置。
- 前記第二可動子群は、
複数の前記容器を受け渡す前記第二受渡位置よりも上流の第二待機位置で待機している状態から、
先頭の前記第二可動子から順に前記第二受渡位置に移動して前記容器を受け渡す、
請求項8~請求項13のいずれか一項に記載の搬送装置。
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