JP2004182274A - 容器処理システムにおける容器ホルダー - Google Patents

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隆之 後藤
Hideo Tsuchiya
秀夫 土屋
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Abstract

【課題】個々の容器ホルダー上に載置された容器の状態を把握するのに適した容器処理システムにおける容器ホルダーを提供する。
【解決手段】容器を保持する基台50を備え、複数の処理部間に配設された容器搬送路に沿って容器を各処理部に順次搬送する容器処理システムにおける容器ホルダー14においては、基台50に容器の処理時の情報が記録されるバーコード60を設けた。また、このバーコード60に記録された情報を認識する認識装置を各処理部に形成してバーコード60に記録された情報に基づいて容器に処理を行う容器処理システムに組み込まれる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器搬送路に沿って走行する容器ホルダーによって複数の容器を容器処理システムにおける各処理部に順次搬送する容器処理システムにおける容器ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば容器処理システムにおける充填包装ラインでは例えばパウチ袋のように自立し難い容器、柔らかい容器等の搬送に容器ホルダー等の搬送用治具を使用して安定した搬送が行なわれている。
【0003】
また、容器処理システムには容器等に例えば液体充填や、キャップ巻締めなどの各種の処理を施す複数の処理部が設けられている。さらに、各処理部間に配設された容器搬送路(コンベア)上には、容器を保持する容器ホルダー(搬送用治具)が複数並設され、容器搬送路に沿って走行する容器ホルダーによって容器を各処理部に順次搬送するようになっている。
具体的には、図11に示すように、例えば液体充填装置122とキャッピング装置130とを有する容器処理システム110の搬送路116内において、ワーク114の個数の増減がない場合、ある部分からある部分までのワーク114の個数は変化しない。このとき、シフト信号により不良等の信号を処理機械122,130間で受け渡せば、ワーク114と不良等の情報は1対1で対比可能で、良否の判別が可能である。例えば検出部134から排出装置144までの間に存在するワーク114の個数は13個である。検出部134で不良を検出した場合には、13個分のワーク114の通過をカウントした際に排出装置144で不良のワーク114を排出すればよい。
【0004】
また、容器等の搬送に容器ホルダー等の搬送用治具を使用することにより、容器のハンドリングに係る外形等の形状を統一することが行なわれている。これにより、多様化する容器の変種変量に伴い容器処理システム全体の型替え部品を減少化することが行なわれている。
例えば、この容器処理システムの搬送用治具においては、外形が同じもしくは似たような形状を有するため、ライン上に異なった搬送用治具が混在する場合がある。このような場合、搬送用治具の色を変えて容易に認識することができるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、1つの搬送用治具で多くの容器に使用可能な汎用性を有する治具(例えば、特許第2,571,896号)では、現在何を生産しているかを判断し難く、生産管理を行うことが難しくなっている。
【0006】
また、図11に示す容器処理システム110のシフト信号により、不良等の信号を処理機械122,130間でワーク114を受け渡す場合の変形例として、図12(A)および図12(B)に対比して示すように、容器搬送路116上にアキューム部170を設けたものがある。この容器処理システム110におけるワーク114の個数が増減する場合、ワーク114とそのワーク114が有する不良等の信号を1対1に対応させることができないので、他の後側の処理部(キャッピング装置130)にシフト信号による情報を受け渡すことが難しくなってしまう。
また、図13に示すように、作り置きなどの目的で容器搬送路116aからパレタイザ174aを介してマガジン172等に一端保管した後、デパレタイザ174bを介してラインに再投入する場合も、ワーク114とそのワーク114が有する不良等の信号を1対1に対応させることができないので、他の後側の処理部にシフト信号による情報を受け渡すことが難しくなってしまう。
また、図14に示すように、ワーク114の抜き取り検査を行う場合、ライン中のワーク114をメインライン116からサンプリングライン116cに分岐させ、検査されたワーク114のうち、良品についてはメインライン116に戻すことが多い。この場合、サンプリングライン116cにおいては、全てのワーク114が拘束されている構成はほとんどない。また、サンプリングライン116cにおいて全てのワーク114が拘束されている構成である場合も、サンプリングとして抜いたワーク114の順番を変えずに歯抜けになった部分に戻すことは事実上困難である。なぜならば、抜き取り検査によるサンプリングライン116cへの繰入、検査を経てサンプリングライン116cから本線に繰出されるタイミングが本線での搬送より遅くなってはラインが成立しないためである。したがって、抜き取り検査の結果、良品と判断されたワーク114をメインライン116に戻す際にもシフト信号によって情報を受け渡すことは難しくなってしまう。
さらに、図15(A)および図15(B)に対比して示すように、製品によって使用しない機械(処理部)がある場合は、バイパスコンベア等を設けて分岐先を変更可能にしておく場合がある。この場合、ある機械(例えば押し込み型キャッピング装置)を通す(介する)か通さない(介さない)かによってその間に存在するワークの数が増減するので、シフト信号のシフト数を変更する必要がある。具体的には、容器処理システム110に例えば液体充填装置122と中栓キャッピング装置130aと外栓キャッピング装置130bとを有する場合、中栓キャッピング装置130aを介する場合(図15(A)参照)と介しない場合(図15(B)参照)とがある。介しない場合には、中栓キャッピング装置130aへの繰入装置176aと繰出装置176bとを搬送路116上から取り外している。また、その代わりにスクリュー178とガイド180とが配設されている。このため、液体充填装置122と外栓キャッピング装置130bとの間のワーク114の個数が減少する方向に変化するため、それに合わせてシフト信号のシフト数の設定を変更する必要が生じる。したがって、情報を受け渡すことが難しくなってしまう。
すなわち、このようにラインが大掛かりになればなるほど各装置同士の情報の受け渡しが困難になり、多大(多額)な設備投資が必要となる。
【0007】
さらに、容器と充填液とがともに変化しない場合、例えば、販売促進キャンペーン等による「10%増量」等の事情により充填量を変化させることがある。また、プライベートブランド等のOEM生産により「ブランド別」に充填量を変化させる等の生産を行う機会が昨今増加し、結果的に多品種になり得る。
【0008】
このような場合、「通常版」と「10%増量版」や、「通常版」と「OEM版」をそれぞれ専用の容器ホルダーを作成して行おうとすると、交換用容器ホルダーの保管に膨大なスペースが必要となり、なおかつ容器ホルダーの入替作業が必要となり、自動化した場合はさらに容器ホルダー入替設備が必要となり、時間、費用がかかり手順も複雑化する。また、コスト的にも非常に高い物になってしまう。
【0009】
さらに、容器が同一で、充填液が異なる場合、例えば試供品等の同一の容器に異なる液体を充填することがある。このような場合、容器形状は同一でありながら充填液が異なるという理由で品種ごとに容器ホルダーを製作することは効率的ではない。
【0010】
さらに、同一の充填液をブランド別に異なった形状の容器に充填する場合がある。このような場合、容器の寸法、形状が所定の範囲内であれば、兼用型容器ホルダーによって寸法、形状の異なる多数の容器に対応させることが可能となる。
【0011】
上記のようなことを勘案すると、1つの生産ラインで多品種を生産する必要がある場合、兼用型容器ホルダーは非常に有用な手段になり得る。
【0012】
しかし、その際、現在生産されている品種を確認するために、容器ホルダーに色を付けて色分けして判別させる場合でも、種類が多くなることにより似た色調の色を使用することがあり得、その場合には容器ホルダーの判別は例えば照明などの状態により非常に困難となる。
【0013】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、容器の状態を把握するのに適した容器処理システムにおける容器ホルダーを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の、複数の処理部間に配設された容器搬送路に沿って容器を各処理部に順次搬送して各容器に液体を充填、包装する容器処理システムにおける容器ホルダーにおいては、前記容器搬送路上に設けられ、異なる種類の容器を自在に保持可能な容器ホルダー本体と、この容器ホルダー本体にそれぞれ設けられ、容器ホルダー本体上に載置された容器の前記処理部での処理情報が記録される、および/もしくは、読み出される情報記録部とを備え、前記処理部で処理された内容にかかる情報を前記情報記録部に記録し、および/もしくは、前記情報記録部から情報を読み出して各容器に対応する情報を管理可能としたことを特徴とするものである。
【0015】
また、前記情報記録部は、バーコードであることが好適である。
【0016】
また、前記情報記録部は、前記容器の処理時の情報を読み書き可能な個別認識装置であることが好適である。
【0017】
また、前記個別認識装置は、データキャリアであることが好適である。
【0018】
また、前記情報記録部は、前記容器搬送路に沿って搬送される容器の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等の各種情報のうち少なくとも1つが記録されるものであることが好適である。
【0019】
さらに、上記課題を解決するために、この発明の、複数の処理部間に配設された容器搬送路に沿って容器を各処理部に順次搬送して各容器に液体を充填、包装する容器処理システムにおける容器ホルダーにおいては、前記容器搬送路上に設けられ、異なる種類の容器を保持可能な容器ホルダー本体と、この容器ホルダー本体に設けられ、容器の処理時の情報が記録される情報記録部とを備え、前記処理部で処理された内容にかかる情報を前記情報記録部に記録し、および/もしくは、前記情報記録部から情報を読み出して各容器に対応する情報を管理可能としたことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。
【0021】
まず、第1の実施の形態について図1ないし図5を用いて説明する。図1に示すように、この実施の形態にかかる容器処理システム10には、例えばパウチ袋などの自立困難な容器(図示せず)が載置された容器ホルダー14を所定の方向に搬送するコンベア(容器搬送路)16が設けられている。このコンベア16上には、所定の方向に回転するロータリー式の容器導入装置18が配設されている。この容器導入装置18には、コンベア16上に載置された容器ホルダー14を容器導入装置18に導入する第1の搬送路ガイド20が設けられている。この第1の搬送路ガイド20によって容器ホルダー14が容器導入装置18に沿うように針路変更される。
【0022】
さらに、この容器導入装置18に隣接するとともに、コンベア16上から離隔して、所定の方向に回転する例えばロータリー式の液体充填装置(処理部)22が配設されている。この液体充填装置22には、容器導入装置18から液体充填装置22に容器ホルダー14を受け渡す第2の搬送路ガイド24が設けられている。この第2の搬送路ガイド24によって、容器ホルダー14は液体充填装置22の円周方向に沿って搬送される。このとき、容器ホルダー14上の容器に液体が充填される。さらに、この第2の搬送路ガイド24には、第1の認識装置32が設けられている。図2に示すように、この実施の形態では、第1の認識装置32として、容器ホルダー14の重量や容器の液漏れ等を検査する検査部34と、後述するバーコード60を読み取るバーコードリーダー36とが配設されている。検査部34と、バーコードリーダー36とは、ともに第1の認識装置32を制御する制御装置38に接続されている。すなわち、検査部34とバーコードリーダー36とで検出した信号は、制御装置38に伝送されて制御される。
【0023】
また、図1に示すように、この液体充填装置22には、容器ホルダー14をコンベア16上に再載置するために所定の方向に回転する例えばロータリー式の容器導出装置26が隣接して配置されている。この容器導出装置26には、液体充填装置22で液体が充填された容器を載置した容器ホルダー14を容器導出装置26に受け渡すとともに、容器ホルダー14をコンベア16上に再載置させる第3の搬送路ガイド28が設けられている。この第3の搬送路ガイド28によって容器ホルダー14がコンベア16の流れ方向に沿うように針路変更される。
【0024】
このコンベア16上には、第2の認識装置40が配設されている。この実施の形態では第2の認識装置40としては、図2に示すように、後述するバーコード60を読み取るバーコードリーダー42と、容器が載置された容器ホルダー14が排出される容器排出装置44とが配設されている。バーコードリーダー42と排出装置44とは、ともに第2の認識装置40を制御する制御装置38に接続されている。すなわち、バーコードリーダー42で検出した信号は制御装置に伝送されて、第1の認識装置32で検出した信号と照合して排出装置44が制御される。
【0025】
ところで、図3に示すように、この実施の形態に係る容器ホルダー14は、例えばバスタブ状に形成された基台(容器ホルダー本体)50を有する。この基台50には、1対の容器保持片52a,52bが立設されている。さらに、これらの保持片52a,52bは、互いに対して近接および離隔可能なレール状のガイド部(図示せず)に沿って設けられている。すなわち、基台50には、ガイド部を有し、容器の大きさ(開口度合)に合わせて保持片52a,52bの間の距離を調整可能となっている。
【0026】
さらに、基台50の外側面には、容器の処理時の情報を記録する情報記録部として、バーコード60が取り付けられている。このバーコード60には、例えば、充填液と容器とを合わせた適正な総重量や、液体の種類などが記録されている。また、容器ホルダー14の認識記号(例えば、「1」,「2」,…など)が記録されていても良い。
【0027】
次に、このような容器処理システム10による作用について図4および図5を用いて説明する。
【0028】
まず、図4に示すように、容器ホルダー14をコンベア16上に載置した状態でコンベア16を所定の方向に可動させて容器ホルダー14を搬送する(S1)。そして、図示しない容器載置装置を用いて容器を容器ホルダー14上にそれぞれ載置する(S2)。この容器ホルダー14に容器が正確に載置されているか否か検査する(S3)。なお、容器が容器ホルダー14に正確に載置されていないと認識されたときは、容器ホルダー14を排出する(S4)。
そして、コンベア16上を搬送した容器ホルダー14を容器導入装置18によって第1の搬送路ガイド20に沿って移動する(S5)。そして、第2の搬送路ガイド24を有する液体充填装置22に容器ホルダー14を受け渡す(S6)。
【0029】
液体充填装置22の第2の搬送路ガイド24に沿って容器ホルダー14を搬送しながら、液体充填装置22を用いて容器に液体を充填する(S7)。
第1の認識装置32の検査部34で、容器ホルダー14と液体が充填された容器との総重量を計測する。また、容器から液漏れが発生していないか検査し、それらの情報を制御装置38に伝送する。すなわち、良品、不良品を判断する(S8)。
【0030】
続いて、容器ホルダー14のバーコード60をバーコードリーダー36で読み取り、その情報を制御装置38に伝送する。制御装置38は、バーコードリーダー36で読み取った容器ホルダー14の番号を記憶する(S9)。すなわち、検査部34で検査された(良品、不良品等の)情報と、バーコードリーダー36で読み取った情報とを関連させて制御装置38に記憶させる。
そして、第2の搬送路ガイド24から第3の搬送路ガイド28を有する容器導出装置26に容器ホルダー14を受け渡す(S10)。さらに、図5に示すように、コンベア16の流れ方向に沿って容器ホルダー14を搬送する(S11)。
【0031】
そして、第2の認識装置40で再びバーコード60を読み取り、その情報を制御装置38に伝送する(S12)。制御装置38は、記憶された容器ホルダー14の番号を読み出して検査部34で検査した情報と照合し、不良であると認識したときには容器排出装置44に容器ホルダー14を排出する指令を出す(S13)。
排出装置44は、その容器ホルダー14をコンベア16上から側方に針路変更させて不良品を良品と分離させる。すなわち、容器ホルダー14を容器とともに、コンベア16上から排出する(S14)。
【0032】
制御装置38で照合結果が良であると認識したとき、すなわち良品のときには、コンベア16上の容器ホルダー14は排出装置44を通過する(S15)。そして、図示しない処理装置により容器を密封する(S16)。続いて容器ホルダー14から容器を抜き取る(S17)。そして、容器を容器処理システム10の外に排出する(S18)。
【0033】
以上説明したように、この実施の形態に係る容器処理システム10について以下のことが言える。
容器処理システムにおいて、充填量等の情報を個別に管理することができる。
また、容器ホルダーとその容器ホルダーで搬送される容器の情報(搬送物の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等)を一体化することができる。
また、処理情報が記録された情報記録部を有する容器ホルダーと、これを読み出す装置とを組み合わせて使用することにより、安価で効率的に多品種に対応可能な容器処理システムを提供することができる。
【0034】
なお、容器としては、パウチ袋に限ることはなく、例えばボトル型など、種々の容器に対しても同様に適用される。例えば、ボトル型の容器が採用される場合、この容器が密封されるときには、キャップが巻締めされる。このとき、第2の認識装置と同様にバーコードリーダーが設けられると、液体充填量が不良の容器に対してはキャップが巻締めされないなどの確認的に多重チェックを講じることができる。
また、この実施の形態で説明したバーコード60には、容器の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等の各種情報などが記録されている。
また、この実施の形態では、第1の認識装置32として、検査部34とバーコードリーダー36とがほぼ同じ位置に配設されていることを説明したが、検査部34で検査したものとバーコードリーダー36で読み取ったものとが対応していれば、近接した位置に配設されていることに拘束されるものではない。
【0035】
次に、第2の実施の形態について図6ないし図10を用いて説明する。この実施の形態にかかる容器処理システム10は、第1の実施の形態の変形例であって、同様の作用および機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0036】
この実施の形態では、図6に示すように、第1の認識装置32と、第2の認識装置40とは、共に独立して設けられている。
【0037】
図7(A)に示すように、第1の認識装置32には、検査部34と、後述する個別情報記録装置(IDタグ60a)に情報を書き込む情報書き込み装置としてのIDタグライター36aと、これらの検査部34およびIDタグライター36aを制御する制御装置38aとが設けられている。すなわち、検査部34で検査された情報が制御装置38aに送信され、この情報がIDタグライター36aに送信される。なお、このIDタグライター36aは、情報読み込み装置としての機能をも有することが好適である。さらに、制御装置38aは、液体充填装置22の図示しない制御装置に接続されている。この液体充填装置22の制御装置は、制御装置38aに液体の種類とその液体の容器への充填量等の情報を伝送しておく。または、容器ホルダー14が第1の認識装置32に導入されたときに、液体の種類やその液体の容器への充填量等の情報を伝送する。
【0038】
また、図7(B)に示すように、第2の認識装置40には、後述する個別情報記録装置(IDタグ60a)の情報を読み込む情報読み込み装置としてのIDタグリーダー42aと、このIDタグリーダー42aで読み込んだIDタグ60aに書き込まれた情報に基づいて容器ホルダー14を通過もしくは排出させる容器排出装置44と、これらのIDタグリーダー42aおよび容器排出装置44を制御する制御装置38bとが設けられている。すなわち、IDタグリーダー42aで読み込まれた情報が制御装置38bに送信され、この情報が排出装置44に送信されて容器ホルダー14の通過または排出の指令が出される。なお、このIDタグリーダー42aは、情報書き込み装置としての機能をも有することが好適である。
【0039】
図8に示すように、この実施の形態にかかる容器ホルダー14の基台50の外側面には、容器の処理時の情報を記録する情報記録部として、IDタグ60aが取り付けられている。このIDタグ60aには、上述したIDタグライター36aによって、充填液と容器とを合わせた総重量や、液体の種類などの情報を書き込み可能となっている。
【0040】
次に、このような容器処理システム10による作用について図9および図10を用いて説明する。
【0041】
図9に示すように、まず、第1の実施の形態と同様に、容器ホルダー14に容器を載置した状態でこの容器ホルダー14を液体充填装置22に導いて容器に液体を充填する(S1〜S7)。
第1の認識装置32の検査部34で、例えば容器ホルダー14と液体が入れられた容器との総重量を計測する。また、容器から液漏れが発生していないか検査し、それらの情報を制御装置38aに伝送する。すなわち、良品、不良品を判断する(S8’)。
【0042】
続いて、容器ホルダー14のIDタグ60aにIDタグライター36aで検査した良品、不良品等の結果や容器に対する容量などの情報を書き込む(S9’)。
そして、液体充填装置22からコンベア16の流れ方向に沿って容器ホルダー14を搬送する(S10,S11)。
【0043】
図10に示すように、第2の認識装置40のIDタグリーダー42aでIDタグ60aに書き込まれた情報を読み取り、その情報を制御装置38bに伝送する(S12’)。
制御装置38bは、検査部34で検査された情報に基づいて容器排出装置44に容器ホルダー14を排出する指令を出す(S13’)。
【0044】
排出装置44は、制御装置38bで読み取った情報が不良であるときには、その容器ホルダー14をコンベア16上から側方に針路変更させて不良品を良品と分離する。すなわち、容器ホルダー14を容器とともに、コンベア16上から排出する(S14)。
検査部34で検査した結果が良品であるときには、コンベア16上の容器ホルダー14は、IDタグリーダー42aでその情報が読み込まれて排出装置44に排出装置44を通過する指令を出して、容器ホルダー14を通過させる(S15)。そして、図示しない処理装置により容器を密封し、容器ホルダー14から容器を抜き取る(S16,S17)。そして、容器を容器処理システム10の外に排出する(S18)。
【0045】
なお、この実施の形態で説明したIDタグ60aには、容器の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等の各種情報のうち少なくともいずれか1つが記録される(書き込まれる)。
【0046】
また、上述した2つの制御装置38a,38bは互いに接続され、または、通信手段を有して互いに通信可能であることも好適である。さらに、これらの制御装置38a,38bを管理し、システム全体を統括する管理装置(図示せず)を有する、もしくは、管理装置に接続されていることも好ましい。
【0047】
以上説明したように、この実施の形態に係る容器処理システム10について以下のことが言える。
まず、IDタグ(ICチップ)等の情報の読み書きが可能な個別認識装置では、各装置内での情報の記録ができるので、ライン(容器処理システム)をフレキシブルに構成することができる。
また、搬送用治具(容器ホルダー)とその搬送用治具によって搬送される物(容器)の情報(搬送物の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等)を一体的に管理することができる。搬送用治具から直接情報を読み込むので、装置ごとに制御することが可能で、変種変量に対応しやすくすることができる。さらに、このための費用や設備、時間等を節約することができる。したがって、情報をライン制御に活用して、生産性を大きく向上させることができる。
【0048】
また、処理情報が記録される、および/もしくは、読み出される情報記録部を有する容器ホルダーと、これに記録する、および/もしくは、これから読み出す装置とを組み合わせて使用することにより、安価で効率的に多品種に対応可能な容器処理システムを提供することができる。
【0049】
次に、第3の実施の形態について説明する。この実施の形態は、第2の実施の形態の変形例である。主に作用について説明する。
【0050】
図7(A)に示す第1の認識装置32の制御装置38aは、液体充填装置22の制御装置としての機能を兼ね備えていることが好適である。この制御装置38aには、例えば容器に充填する液体の種類や液体充填量等が記憶されている。ここでは、例えば、販売促進キャンペーン等による10%増量により充填液を変化させる場合について説明する。なお、例えば容器と充填液が通常と同一のものであるとして説明する。
【0051】
図9に示すように、まず、第1および第2の実施の形態と同様に、容器ホルダー14に容器を載置した状態でこの容器ホルダー14を液体充填装置22に導いて容器に液体を充填する。このとき、液体充填装置22の制御装置38aで流量を制御し、例えばキャンペーンなどで行われる10%増量など、同一液体の同一容器内への充填量を変化させる(S1〜S7)。
【0052】
第1の認識装置32の検査部34で検査した情報を制御装置38aに伝送し、容器ホルダー14のIDタグ60aにIDタグライター36aで情報を書き込む(S8’,S9’)。
【0053】
そして、液体充填装置22からコンベア16の流れ方向に沿って容器ホルダー14を搬送する(S10,S11)。
図10に示すように、第2の認識装置40のIDタグリーダー42aでIDタグ60aに書き込まれた情報を読み取り、その情報を制御装置38bに伝送する(S12’)。そして、制御装置38bは、検査部34で検査された情報に基づいて容器排出装置44に容器ホルダー14を排出する指令を出す(S13’)。
【0054】
以上説明したように、この実施の形態に係る容器処理システム10について以下のことが言える。
例えば10%増量などのキャンペーンで液体充填量を変化させる場合であっても、容易に対応させることができる。
充填量の変化が多くなり、容器の種類が多種にわたる、例えばOEM生産による場合であっても、容易に対応させることができる。
【0055】
なお、容器が同一で充填液が異なる場合であっても、もちろん上述した容器処理システム10で対応させることができる。
また、容器が異なる場合であっても、容器の形状、寸法等のいくつかの条件をクリアしたものであれば、もちろん容器処理システム10で対応させることができる。
【0056】
したがって、これら第1ないし第3の実施の形態について以下のことが言える。
搬送用治具に個別認識装置(バーコード、ICチップ等)を装着することにより、非接触で搬送用治具を個々に管理することができる。
また、搬送用治具とその搬送用治具によって搬送される物の情報(搬送物の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等)を各処理部の制御装置等をネットワークで接続することによって一括管理することができる。
【0057】
なお、処理部としては、第1および第2の実施の形態で説明した液体充填装置22に限ることはなく、キャッパーや密封装置等、容器処理に関連するものであれば種々のものが含まれる。
【0058】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、個々の容器ホルダー上に載置された容器の状態を把握するのに適した容器処理システムにおける容器ホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる容器処理システムの概略図。
【図2】図1に示す制御装置の接続を示す概略的なブロック図。
【図3】容器ホルダーを示す概略図。
【図4】容器処理システムの処理の流れを説明する第1のフローチャート。
【図5】図4に示す第1のフローチャートに続く第2のフローチャート。
【図6】第2の実施の形態にかかる容器処理システムの概略図。
【図7】(A)は第1の認識装置を示す概略的なブロック図、(B)は第2の認識装置を示す概略的なブロック図。
【図8】容器ホルダーを示す概略図。
【図9】容器処理システムの処理の流れを説明する第1のフローチャート。
【図10】図9に示す第1のフローチャートに続く第2のフローチャート。
【図11】従来技術にかかる容器処理システムの概略図。
【図12】(A)および(B)は従来技術にかかる容器処理システムの概略図。
【図13】従来技術にかかる容器処理システムの概略図。
【図14】従来技術にかかる容器処理システムの概略図。
【図15】(A)および(B)は従来技術にかかる容器処理システムの概略図。
【符号の説明】
10…容器処理システム、14…容器ホルダー、16…コンベア、22…液体充填装置、32…第1の認識装置、34…検査部、36…バーコードリーダー、36a…IDタグライター、38,38a,38b…制御装置、40…第2の認識装置、42…バーコードリーダー、42a…IDタグリーダー、44…排出装置、50…基台、52a,52b…容器保持片、60…バーコード、60a…IDタグ

Claims (6)

  1. 容器を保持する容器ホルダー本体を備え、複数の処理部間に配設された容器搬送路に沿って前記容器を各処理部に順次搬送する容器処理システムにおける容器ホルダーにおいて、
    前記容器ホルダー本体に前記容器の処理時の情報が記録される情報記録部を設け、
    この情報記録部に記録された情報を認識する認識装置を各処理部に形成して前記情報記録部に記録された情報に基づいて前記容器に処理を行う容器処理システムに組み込まれることを特徴とする容器処理システムにおける容器ホルダー。
  2. 前記情報記録部は、バーコードであることを特徴とする請求項1に記載の容器処理システムにおける容器ホルダー。
  3. 前記情報記録部は、前記容器の処理時の情報を読み書き可能な個別認識装置であることを特徴とする請求項1に記載の容器処理システムにおける容器ホルダー。
  4. 前記個別認識装置は、データキャリアであることを特徴とする請求項3に記載の容器処理システムにおける容器ホルダー。
  5. 前記情報記録部は、前記容器搬送路に沿って搬送される容器の種類、液種、充填容量、キャップ巻締めトルク、不良内容等の各種情報のうち少なくとも1つが記録されるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の容器処理システムにおける容器ホルダー。
  6. 複数の処理部間に配設された容器搬送路に沿って容器を各処理部に順次搬送して各容器に液体を充填、包装する容器処理システムにおける容器ホルダーにおいて、
    前記容器搬送路上に設けられ、異なる種類の容器を自在に保持可能な容器ホルダー本体と、
    この容器ホルダー本体にそれぞれ設けられ、容器ホルダー本体上に載置された容器の前記処理部での処理情報が記録される、および/もしくは、読み出される情報記録部と
    を備え、前記処理部で処理された内容にかかる情報を前記情報記録部に記録し、および/もしくは、前記情報記録部から情報を読み出して各容器に対応する情報を管理可能としたことを特徴とする容器ホルダー。
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