JPH0974356A - アナログ/デジタル変換器 - Google Patents

アナログ/デジタル変換器

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JPH0974356A
JPH0974356A JP22947295A JP22947295A JPH0974356A JP H0974356 A JPH0974356 A JP H0974356A JP 22947295 A JP22947295 A JP 22947295A JP 22947295 A JP22947295 A JP 22947295A JP H0974356 A JPH0974356 A JP H0974356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模を大きくすることなく高次の積分処
理によってA/D変換を行うA/D変換器を提供する。 【解決手段】 積分手段11は複数種類の積分処理を繰
り返し実行する。積分値記憶手段12,…は、積分処理
の結果を示す積分値信号を各積分処理毎に記憶する。ス
イッチ手段13は、各積分処理が中断される毎に、その
積分処理の結果を示す積分値信号を積分値記憶手段に記
憶させ、積分手段を初期化する。また、スイッチ手段
は、各積分処理が実行される毎に、当該積分処理に対応
した積分値信号を積分値記憶手段から積分手段に供給す
ると共に当該積分処理の処理対象たるアナログ信号を積
分手段に供給する。さらに当該積分処理が他の積分処理
の結果を処理対象に含む場合には当該他の積分処理に対
応した積分値信号を積分値記憶手段から積分手段に供給
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PCMオーディ
オ等の分野において使用されるデルタシグマ変調型のア
ナログ/デジタル変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】デルタシグマ変調型のA/D変換器の一
般的な構成を図14〜図16に例示する。まず、図14
に示すA/D変換器は、1次のデルタシグマ変調を行う
ことによりA/D変換を行うものであり、減算部1と、
積分部2と、量子化部3と、逆量子化部4とを有してい
る。この構成において、一定のサンプリング周期毎に、
積分部2の積分値を量子化部3によって量子化し1ビッ
トのデジタル信号を出力する処理と、この出力デジタル
信号と等価な帰還アナログ信号を逆量子化部4によって
発生し、入力アナログ信号からこの帰還アナログ信号を
減算した信号を積分部2によって積分する処理が逐次実
行される。かかる処理が繰り返される結果、入力アナロ
グ信号によってパルス密度変調された1ビットのデジタ
ル信号が得られる。図15および図16は3次のデルタ
シグマ変調を行うタイプのA/D変換器の例を示すもの
であり、図14に示すものと同様、減算部1、積分部
2、量子化部3および逆量子化部4を用いて構成されて
いる。なお、5は加算器である。図15および図16に
示すように、3次のデルタシグマ変調を行う場合には積
分部2は3個必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、高次の
デルタシグマ変調を行うA/D変換器を構成するために
は、その次数に見合った数の積分器が必要となる。この
ため、高次のデルタシグマ変調を行うA/D変換器は、
回路規模が大きくなってしまい、価格が高くなってしま
うという問題があった。
【0004】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、回路規模を大きくすることなく、高次の積
分処理によってA/D変換を行うアナログ/デジタル変
換器を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
時分割制御により複数種類の積分処理を繰り返し実行す
ることにより入力アナログ信号をデジタル信号に順次変
換するアナログ/デジタル変換器を提供するものであ
る。本発明に係るアナログ/デジタル変換器は、図1に
示す構成を有するものであり、複数種類の積分処理を順
次繰り返し実行する積分手段11と、前記積分処理の結
果を示す積分値信号を各積分処理毎に記憶する複数の積
分値記憶手段12,12,…と、前記各積分処理が終了
する毎に、その時点における積分処理の結果を示す積分
値信号を当該積分処理に対応した積分値記憶手段に記憶
させ、前記積分手段の積分処理の結果を初期化し、前記
各積分処理が実行される毎に、当該積分処理に対応した
積分値信号を前記積分値記憶手段のうち該当するものか
ら前記積分手段に供給すると共に、当該積分処理が入力
アナログ信号を処理対象に含む場合には当該入力アナロ
グ信号を前記積分手段に供給し、当該積分処理が他の積
分処理の結果を処理対象に含む場合には当該他の積分処
理に対応した積分値信号を前記積分値記憶手段のうち該
当するものから前記積分手段に供給するスイッチ手段1
3とを具備するものである。
【0006】このアナログ/デジタル変換器によれば、
時分割制御の下、積分手段11により各積分処理が逐次
実行される。ここで、各積分処理を順次実行する場合に
は、一の積分処理が他の積分処理によって中断されるこ
ととなる。しかしながら、本発明においては、ある積分
処理が中断される際にその積分処理の結果を示す積分値
信号が積分値記憶手段12によって記憶され、当該積分
処理が再開される際には本来の処理対象であるアナログ
信号の他、中断時における積分値信号が積分手段11に
供給されるため、当該積分処理は中断が生じるにも拘わ
らず正常に実行されるのである。また、高次の積分処理
が行われる場合には、ある積分処理の結果を他の積分処
理に引き渡すことが必要になるが、本発明においてはこ
の引き渡しがスイッチ手段13を介して行われる。
【0007】請求項2に係るアナログ/デジタル変換器
は、図2に示すように、複数種類の積分処理を順次繰り
返し実行する積分手段11と、前記積分処理の結果を示
す積分値信号を各積分処理毎に記憶する複数の積分値記
憶手段12,12,…と、先に行われた積分処理の結果
を後の積分処理が処理対象として含む場合において当該
先に行われた積分処理の結果を示す積分値信号を記憶す
る異種処理間積分値引き渡し手段14と、前記各積分処
理が中断される毎に、その時点における積分処理の結果
を示す積分値信号を当該積分処理に対応した積分値記憶
手段に記憶させて前記積分手段の積分処理の結果を初期
化し、当該積分処理の結果を後の積分処理が使用する場
合には当該積分処理の結果を示す積分値信号を該積分値
記憶手段のみならず前記異種処理間積分値引き渡し手段
にも記憶させ、前記各積分処理が実行される毎に、当該
積分処理に対応した積分値信号を前記積分値記憶手段の
うち該当するものから前記積分手段に供給すると共に、
当該積分処理が入力アナログ信号を処理対象に含む場合
には当該入力アナログ信号を前記積分手段に供給し、当
該積分処理が先に行われた積分処理の結果を処理対象に
含む場合には当該先に行われた積分処理に対応した積分
値信号を前記異種処理間積分値引き渡し手段から前記積
分手段に供給するスイッチ手段13とを具備するもので
ある。
【0008】本発明は、積分値記憶手段12が例えばス
イッチドキャパシタ回路等によって構成されており、積
分値信号の読み出しによって積分値記憶手段の記憶内容
が消失してしまう場合に有意義な構成である。すなわ
ち、次の通りである。
【0009】まず、1回の読み出しによって積分値記憶
手段の記憶内容が消失する場合において、仮に積分値を
積分値記憶手段のみに記憶させるものとすると、積分値
信号を1種類の積分処理のためにしか使用することがで
きず、積分処理の結果を他の積分処理が使用する場合に
対応することができないという問題が生じる。他の積分
処理のために積分値信号を読み出してしまうと、その積
分値信号を再び読み出すことができなくなり、その積分
値信号を必要とする中断中の積分処理を再開することが
できなくなるからである。
【0010】しかしながら、本発明によれば、先の積分
処理の結果を後の積分処理が使用する場合には、先の積
分処理の中断時における積分値信号は積分値記憶手段の
みならず、異種処理間積分値引き渡し手段にも記憶され
る。そして、中断中の先の積分処理の再開のために積分
値記憶手段内の積分値信号が使用され、当該後の積分処
理のために異種処理間積分値引き渡し手段内の積分値信
号が使用されるのである。このように本発明においては
積分値記憶手段とは別に異種処理間積分値引き渡し手段
を設けたため、上記問題を生じることなく、高次の積分
処理を行うことができるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に理解しやすく
するため、実施の形態について説明する。かかる実施の
形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を
限定するものではなく、本発明の範囲で任意に変更可能
である。
【0012】A.実施形態の構成 図3はこの発明の一実施形態であるデルタシグマ型A/
D変換器の構成を示すブロック図である。このA/D変
換器は、正相信号AinPおよび逆相信号AinNから
なる平衡型の入力アナログ信号Ainを処理対象とする
ものであり、正逆各相に対応した部分からなる対称な回
路構成を有している。以下、図3を参照し、本実施形態
の構成を説明する。
【0013】まず、クロック回路80は、このA/D変
換器内の各部の動作タイミングを制御する手段であり、
かかるタイミング制御に必要なクロックa,b,d,a
c,bd,b1,d1,b2およびd2を出力する。こ
れらのクロックの波形を図4のタイミングチャートに示
す。
【0014】入力スイッチドキャパシタ部11および1
2は、各々入力アナログ信号のレベルに応じた電流を出
力する手段である。上述した入力アナログ信号のうち正
相信号AinPは入力スイッチドキャパシタ部11へ、
逆相信号AinNは入力スイッチドキャパシタ部12へ
各々供給される。また、入力スイッチドキャパシタ部1
1から出力される電流は信号線LP(以下、正相入力線
LPという。)に供給され、一方、入力スイッチドキャ
パシタ部12から出力される電流は信号線LN(以下、
逆相入力線LNという。)に供給される。
【0015】各入力スイッチドキャパシタ部の構成につ
いて説明すると、まず、入力スイッチドキャパシタ部1
1は、1個のキャパシタC1と4個のアナログスイッチ
S111〜S114を有している。
【0016】ここで、アナログスイッチS111および
S113は、クロックaにより導通状態とされる。これ
らのアナログスイッチが導通状態となることにより、ア
ナログスイッチS111→キャパシタC1→アナログス
イッチS113→基準電源Vrefという信号経路が形
成され、この信号経路を介すことにより信号AinPの
レベルに応じた電荷がキャパシタC1に保持される。
【0017】また、アナログスイッチS112およびS
114は、クロックbが出力されることにより導通状態
とされる。これらのアナログスイッチが導通状態とされ
ることにより、基準電源Vref→アナログスイッチS
112→キャパシタC1→アナログスイッチS114→
正相入力線LPという信号経路が形成され、この信号経
路を介すことにより、キャパシタC1に保持された電荷
が正相入力線LPに供給される。
【0018】クロックaおよびbは、図4に示すよう
に、各々一定時間間隔で交互に出力される。このため、
アナログ信号AinPのレベルに応じた電荷がキャパシ
タC1に保持される動作とこの電荷が正相入力線LPに
供給される動作が一定時間間隔で繰り返され、これによ
りアナログ信号AinPのレベルに応じた電流が正相入
力線LPに出力されることとなる。
【0019】入力スイッチドキャパシタ回路12も、入
力スイッチドキャパシタ回路11と同様な構成であり、
入力アナログ信号AinNのレベルに応じた電荷を保持
するキャパシタC11と、入力アナログ信号をキャパシ
タに印加させる信号経路およびキャパシタに保持された
電荷を逆相入力線LNに出力させる信号経路を形成する
ための4個のアナログスイッチを有している。
【0020】積分部40は、差動増幅器41と、積分用
キャパシタC8およびC18と、初期化用アナログスイ
ッチS401およびS402とにより構成されている。
ここで、差動増幅器41の正転入力端IPは正相入力線
LPに接続されており、反転入力端INは逆相入力線L
Nに接続されている。積分用キャパシタC8およびC1
8は、差動増幅器41の正転入力端IPと反転出力端O
Nとの間および反転入力端INと正転出力端OPとの間
に各々介挿されている。また、差動増幅器41の反転出
力端ONおよび正転出力端OPは各々信号線MPおよび
MN(以下、正相出力線MPおよび逆相出力線MNとい
う。)に接続されている。
【0021】以上の構成により、差動増幅器41の正転
入力端IPおよび反転入力端INの電位を基準電源Vr
efのレベルに維持した状態で両入力端から入力される
信号の積分が行われ、正相入力線LPを介して供給され
る全電荷が積分用キャパシタC8に蓄積され、逆相入力
線LNを介して供給される全電荷が積分用キャパシタC
18に蓄積される。この結果、積分値に相当する電圧が
差動増幅器41の反転出力端ONおよび正転出力端OP
間に出力される。この積分値に相当する出力電圧は、正
相出力線MPおよび逆相出力線MNにより、正相成分に
相当するものと逆相成分に相当するものに分離されて各
部に供給される。
【0022】また、初期化用アナログスイッチS401
およびS402は積分用キャパシタC8およびC18に
対し各々並列接続されている。これらの初期化用アナロ
グスイッチS401およびS402は、クロックacに
よって導通状態とされるものであり、積分用キャパシタ
C8およびC18の両端を短絡し、積分値を0とする手
段として使用される。
【0023】この積分部40は、時分割制御の下、複数
種類の積分処理を順次繰り返し実行するものである。こ
のような積分処理の時分割制御を可能にするため、本実
施形態においては、以下の手段を講じている。
【0024】a.実行中の積分処理を中断する場合に
は、積分部40の積分値を0に初期化し、その次の積分
処理に積分部40を明渡す。上述した初期化アナログス
イッチS401およびS402は、この役割を果す手段
である。
【0025】b.上記積分処理の中断の際、その中断時
点までに得られた積分値を記憶しておく。そして、当該
積分処理を再開する際には、その積分値を積分部40に
与え、中断時点の状態から積分処理を再開する。これを
可能にするための手段が、図3における第1積分値記憶
部21〜24および第2積分値記憶部31〜34であ
る。
【0026】これらの積分値記憶部は、積分部40が行
う各積分処理毎に積分値を表す信号を記憶する手段であ
る。本実施形態は、2種類の積分処理を行うことにより
A/D変換を行うものであり、第1の積分処理の積分値
を表す正相の信号は第1積分値記憶部21および第2積
分値記憶部31に、同積分値を表す逆相の信号は第1積
分値記憶部23および第2積分値記憶部33に、第2の
積分処理の積分値を表す正相の信号は第1積分値記憶部
22および第2積分値記憶部32に、同積分値を表す逆
相の信号は第1積分値記憶部24および第2積分値記憶
部34に各々記憶される。
【0027】各積分値記憶部の構成について説明する
と、まず、第1積分値記憶部21は、上述した入力スイ
ッチドキャパシタ部と同様、1個のキャパシタC2と4
個のアナログスイッチS211〜S214によって構成
されている。ここで、アナログスイッチS211および
S213は、クロックb2が与えられることにより導通
状態とされる。これらのアナログスイッチが導通状態と
なることにより、正相出力線MP→アナログスイッチS
211→キャパシタC2→アナログスイッチS213→
基準電源Vrefという信号経路が形成される。そし
て、この信号経路を介すことにより、積分値を表す信号
の正相成分に相当する電荷がキャパシタC2に保持され
ることとなる。また、アナログスイッチS212および
S214は、クロックb1により導通状態とされる。こ
れらのアナログスイッチが導通状態とされることによ
り、基準電源Vref→アナログスイッチS212→キ
ャパシタC2→アナログスイッチS214→正相入力線
LPという信号経路が形成される。この信号経路を介す
ことにより、キャパシタC2に保持された電荷が極性の
反転された状態で正相入力線LPに供給される。このよ
うに、クロックb2が出力されることによって積分値の
サンプリングが行われ、クロックb1が出力されること
により当該積分値と等価な電荷が極性の反転した状態で
正相入力線LPに供給されるのである。
【0028】第2積分値記憶部31も、上記第1積分値
記憶部21と全く同様な構成であり、1個のキャパシタ
C3と4個のアナログスイッチS311〜S314を有
している。ただし、第2積分値記憶部31において積分
値の正相成分に相当する電圧をキャパシタC3に印加す
るための信号経路は、クロックb1によってアナログス
イッチS311およびS313が導通状態とされること
によって形成される。また、キャパシタC3に保持され
た電荷を正相入力線LPに供給するための信号経路は、
クロックb2によってアナログスイッチS312および
S314が導通状態とされることによって形成される。
【0029】このように第1積分値記憶部21と第2積
分値記憶部31とではクロックb1およびb2の果す役
割が入替わっている。このため、クロックb2が出力さ
れることにより、正相出力線MP上の電圧が第1積分値
記憶部21のキャパシタC2に印加されると同時に第2
積分値31のキャパシタC3に保持された電荷が正相入
力線LPへ供給される。また、クロックb1が出力され
ることにより、正相出力線MP上の電圧が第2積分値記
憶部31のキャパシタC3に印加されると同時に第1積
分値21のキャパシタC2に保持された電荷が正相入力
線LPへ供給されることとなる。
【0030】他の積分値記憶部も、これらの第1積分値
記憶部21および第2積分値記憶部31と全く同様であ
り、1個のキャパシタと4個のアナログスイッチとによ
り構成されている。各キャパシタの名称および各アナロ
グスイッチの導通制御を行うクロックの名称は図示の通
りである。
【0031】異種処理間積分値引き渡し部41および4
2は、積分値記憶部21〜24および31〜34と同
様、積分部40から得られる積分値を示す信号を記憶す
る手段であるが、これらとは異なった目的に使用される
ものである。すなわち、高次の積分処理が行われる場合
には積分処理の積分値を他の積分処理に引き渡すことが
必要になるが、このような引き渡しに係る積分値を示す
信号を記憶するために設けられたのが異種処理間積分値
引き渡し部41および42である。
【0032】これらの異種処理間積分値引き渡し部も入
力スイッチドキャパシタ部11等と同様な構成を有して
おり、例えば異種処理間積分値引き渡し部41は、1個
のキャパシタC6と4個のアナログスイッチS411〜
S414を有している。ここで、アナログスイッチS4
11およびS413は、クロックbにより導通状態とさ
れる。これらのアナログスイッチが導通状態となること
により、正相出力線MP→アナログスイッチS411→
キャパシタC6→アナログスイッチS413→基準電源
Vrefという信号経路が形成される。正相出力線MP
には積分部40により積分処理の積分値を示す正相の信
号が与えられるが、この信号経路を介すことによりこの
積分値を示す信号のレベルに応じた電荷がキャパシタC
6に保持される。また、アナログスイッチS412およ
びS414は、クロックdが出力されることにより導通
状態とされる。これらのアナログスイッチが導通状態と
されることにより、基準電源Vref→アナログスイッ
チS412→キャパシタC6→アナログスイッチS41
4→正相入力線LPという信号経路が形成される。この
信号経路を介すことにより、キャパシタC6に保持され
た電荷が正相入力線LPに供給される。
【0033】1ビットADC部50は、積分部40から
得られる積分値を量子化するための手段であり、2個の
キャパシタC10およびC20と、6個のアナログスイ
ッチS501〜S506と、比較器51により構成され
ている。
【0034】ここで、アナログスイッチS501、S5
03、S504およびS506は、クロックdにより導
通状態とされる。これらのアナログスイッチが導通状態
となることにより、正相出力線MP→アナログスイッチ
S501→キャパシタC10→アナログスイッチS50
3→基準電源Vrefという信号経路と、逆相出力線M
N→アナログスイッチS504→キャパシタC20→ア
ナログスイッチS506→基準電源Vrefという信号
経路が形成される。そして、前者の信号経路を介すこと
により積分値の正相成分に相当する電圧がキャパシタC
10に印加され、後者の信号経路を介すことにより積分
値の逆相成分に相当する電圧がキャパシタC20に印加
されることとなる。そして、クロックdが立ち下がり、
アナログスイッチS501、S503、S504および
S506が開放状態となると、キャパシタC10および
C20は、その時点における印加電圧を保持する。
【0035】また、アナログスイッチS502およびS
505は、クロックaにより導通状態とされる。これら
のアナログスイッチが導通状態とされる結果、基準電源
Vref→アナログスイッチS502→キャパシタC1
0→比較器51の反転入力端という信号経路と、基準電
源Vref→アナログスイッチS505→キャパシタC
20→比較器51の正転入力端という信号経路とが形成
される。そして、これらの信号経路を介すことにより、
キャパシタC10およびC20によって保持された各電
圧が、各々極性が反転され、比較器51の反転入力端お
よび正転入力端に各々供給される。
【0036】比較器51は、通常の比較器とラッチとを
組合せて構成されたものであり、クロックaが与えられ
る毎に、その時点における反転入力端および正転入力端
の各入力電圧を比較し、その結果を1ビットのデジタル
信号OUTとして出力する。このデジタル信号OUT
は、帰還クロック生成部60および後続のデジタルフィ
ルタ(図示略)等に供給される。
【0037】帰還クロック生成部60は、比較器51の
出力デジタル信号が“0”である場合にはクロックbd
と同期したタイミングでクロックHbdを出力し、
“1”である場合にはクロックbdと同期したタイミン
グでクロックLbdを出力する。
【0038】1ビットDAC部70は、上記デジタル信
号OUTに対応した帰還アナログ信号を生成するための
手段であり、キャパシタC9およびC19と、アナログ
スイッチS701〜S710によって構成されている。
ここで、アナログスイッチS702、S703、S70
4およびS706は、クロックacにより導通状態とさ
れる。これらのアナログスイッチが導通状態とされる結
果、キャパシタC9の両端が基準電源Vrefに接続さ
れ、キャパシタC19は基準電源Vrefと接地線との
間に接続される。従って、クロックacが1回発生され
ることにより、キャパシタC9には0Vが、キャパシタ
C19には電圧Vrefが各々保持されることとなる。
また、アナログスイッチS701およびS705は、ク
ロックbdにより導通状態とされる。この結果、キャパ
シタC9の一端が接地され、同キャパシタC9の他端か
ら0Vが出力される。また、キャパシタC19の一端が
基準電源Vrefに接続されるため、同キャパシタC9
の他端から電圧2Vrefが出力される。
【0039】アナログスイッチS707〜S710は、
このようにして出力されたキャパシタC9およびC19
の各電圧をアナログ帰還信号として正相入力線LPおよ
び逆相入力線LNに供給する手段であり、各々帰還クロ
ック生成部60が発生するクロックHbdまたはLbd
によって導通状態とされる。まず、アナログスイッチS
707およびS710は、クロックHbdによって導通
状態とされる。これらのアナログスイッチが導通状態と
された場合、キャパシタC9の出力電圧(=0V)が正
相入力線LPへ、キャパシタC19の出力電圧(=2V
ref)が逆相入力線LNへ各々供給される。また、ア
ナログスイッチS708およびS709は、クロックL
bdによって導通状態とされる。これらのアナログスイ
ッチが導通状態とされた場合、キャパシタC9の出力電
圧(=0V)が逆相入力線LNへ、キャパシタC19の
出力電圧(=2Vref)が正相入力線LPへ各々供給
される。
【0040】B.実施形態の動作 本実施形態においては、一定のサンプリング周期TS毎
に入力アナログ信号をサンプリングし、デジタル信号に
変換する。このA/D変換のための一連の処理は、各サ
ンプリング周期を4分割した各タイムスロット単位で逐
次進められる。各タイムスロットにおいて行われる処理
の内容に着目した場合、連続した8個のタイムスロッ
ト、すなわち、サンプリング周期に換算して2周期分の
時間2TSを一単位として同一の処理が繰り返される。
そこで、以下では、連続した2個のサンプリング周期T
iおよびTSi+1からなる期間を想定し、この期間を8
分割したものをタイムスロットSL1〜SL8として説
明を行う。
【0041】本実施形態は、図5に示す2次のデルタシ
グマ変調を実行するものである。この2次のデルタシグ
マ変調は、図示のように、第1積分処理およびこの第1
積分処理の結果を処理対象に含む第2積分処理を有して
いるが、本実施形態は1個の積分部40しか有していな
いため、時分割制御により各積分処理を交互に実行する
こととなる。図5にはデルタシグマ変調を構成する各処
理の他、各処理の実行に伴う信号の授受の様子を矢印に
よって示した。また、各処理および信号の授受がいずれ
のタイムスロットにおいて行われるかを明示した。以
下、この図5を適宜参照しつつ、図4のタイミングチャ
ートに沿って各タイムスロットにおける本実施形態の動
作を順次説明する。
【0042】(1)タイムスロットSL1 サンプリング周期TSiのタイムスロットSL1におい
ては、クロックaおよびacのみが出力され、他のクロ
ックは出力されない。このため、クロックの出力によっ
て各アナログスイッチの状態は図6に示すものとなり、
各部では次の動作が行われる。
【0043】入力スイッチドキャパシタ部11および
12においては、入力アナログ信号AinPおよびAi
nNのサンプリングが行われ、各アナログ信号のレベル
に応じた電荷がキャパシタC1およびC11に各々保持
される。
【0044】積分部40においてはキャパシタC8お
よびC18の各々の両端が初期化用アナログスイッチに
よって短絡され、積分部40の積分値は0に初期化され
る(図5における第2積分処理の積分値の初期化)。
【0045】1ビットADC部50においては、キャ
パシタC10およびC20の各々の保持電圧が比較器5
1の反転入力端および正転入力端に各々入力され、各入
力電圧の比較が行われる。これらの各キャパシタの保持
電圧は、サンプリング周期TSi-1において積分部40
から与えられたものであり、図5における第2積分処理
の積分値に相当するものである。そして、クロックaが
出力されることにより、上記比較の結果を表すデジタル
信号OUTが出力される。
【0046】ここで、サンプリング周期TSi-1におい
て積分部40から得られた積分値が正であり、キャパシ
タC10に正の電圧、キャパシタC20に負の電圧が保
持されていた場合には、比較器51の反転入力端に対す
る入力電圧が正転入力端に対する入力電圧よりも低くな
る。この結果、比較器51からデジタル信号OUTとし
て“1”(ハイレベル)が出力される。一方、1サンプ
リング周期前に積分部40から得られた積分値が負であ
る場合には、比較器51の反転入力端に対する入力電圧
が正転入力端に対する入力電圧よりも高くなるため、デ
ジタル信号OUTとして“0”(ローレベル)が出力さ
れる。
【0047】1ビットDAC部70においては、キャ
パシタC9により電圧0Vが保持され、キャパシタC1
9により電圧Vrefが保持される。
【0048】(2)タイムスロットSL2 このタイムスロットSL2においては、クロックb、b
dおよびb1のみが出力され、他のクロックは出力され
ない。このため、クロックの出力によって各アナログス
イッチの状態は図7に示すものとなり、各部では次の動
作が行われる。
【0049】入力スイッチドキャパシタ部11および
12においては、キャパシタC1およびC11に保持さ
れた電荷が各々極性が反転された状態で正相入力線LP
および逆相入力線LNに各々供給される。
【0050】帰還クロック生成部60においては、ク
ロックbdに同期したタイミングでクロックHbdまた
はLbdのいずれかが出力される。いずれのクロックが
出力されるかは出力デジタル信号OUTの値により決定
されるものであり、OUT=“0”である場合にはクロ
ックHbdが、OUT=“1”である場合にはクロック
Lbdが出力される。
【0051】1ビットDAC部70においては、キャ
パシタC9からアナログスイッチS707およびS70
9に対して電圧0Vが出力され、キャパシタC19から
アナログスイッチS708およびS710に対して電圧
2Vrefが出力される。そして、デジタル信号OUT
として“0”が出力され、クロックHbdが出力された
場合には、電圧0VがアナログスイッチS707を介し
て正相入力線LPに与えられ、電圧2Vrefがアナロ
グスイッチS710を介して逆相入力線LNに与えられ
る。一方、デジタル信号として“1”が出力され、クロ
ックLbdが出力された場合には、アナログスイッチS
708およびS709が導通状態となり、正相入力線L
Pに対しては電圧2Vrefが、逆相入力線LNに対し
ては電圧0Vが与えられることとなる。
【0052】第1積分値記憶部21および23におい
ては、キャパシタC2およびC12に保持された電荷が
正相入力線LPおよび逆相入力線LNに供給される。こ
れらの各キャパシタの保持電荷は、サンプリング周期T
i-1において積分部40から与えられたものであり、
図5における第1積分処理の積分値に相当するものであ
る。
【0053】積分部40においては、初期化用アナロ
グスイッチS401およびS402が開放状態とされる
ため、正相入力線LPおよび逆相入力線LNを介して供
給される上記、およびの各信号の積分が行われ
る。この結果、サンプリング周期TSi-1における第1
積分処理に対応した積分値とタイムスロットSL1にお
いて取り込んだ入力アナログ信号とを加算し、この加算
結果から帰還アナログ信号を減算したものが今回のサン
プリング周期TSiにおける第1積分処理の積分値とし
て得られ、この積分値に相当する電圧が差動増幅器41
から正相出力線MPおよび逆相出力線MNに出力され
る。
【0054】第2積分値記憶部31および33におい
ては、以上のようにして得られた第1積分処理の積分値
に相当する電圧を保持する動作が行われる。すなわち、
正相出力線MPからキャパシタC3を介して基準電源V
refに至る信号経路が形成されるため、この信号経路
を介すことにより積分値の正相成分に相当する電荷がキ
ャパシタC3に保持される。また、逆相出力線MNから
キャパシタC13を介して基準電源Vrefに至る信号
経路が形成されるため、この信号経路を介すことにより
積分値の逆相成分に相当する電荷がキャパシタC13に
保持されることとなる。
【0055】図5に示すように、第1積分処理の結果
は第2積分処理に使用される。そこで、この第2積分処
理での使用に備えて第1積分処理の積分値に相当する信
号を保持する動作が異種処理間積分値引き渡し部41お
よび42において実行される。
【0056】すなわち、クロックbにより正相出力線M
PからキャパシタC6を介して基準電源Vrefに至る
経路と逆相出力線MNからキャパシタC16を介して基
準電源Vrefに至る経路が形成される。そして、前者
の経路を介することにより第1積分処理の積分値の正相
成分に相当する電荷がキャパシタC6に保持され、後者
の経路を介することにより同積分値の逆相成分に相当す
る電荷がキャパシタC16に保持される。
【0057】(3)タイムスロットSL3 このタイムスロットSL3においては、クロックacの
みが出力され、他のクロックは出力されない。このた
め、クロックの出力によって各アナログスイッチの状態
は図8に示すものとなり、各部では次の動作が行われ
る。
【0058】積分部40においては初期化用アナログ
スイッチS401およびS402が導通状態とされるた
め、積分値が0となる。これにより図5における第1積
分処理の積分値が0とされたことになる。 1ビットDAC部70においては、キャパシタC9の
両端の電圧が0Vとされ、キャパシタC19の両端の電
圧がVrefに設定される。 第2積分値記憶部31および33と異種処理間積分値
引き渡し部41および42においては、すべてのアナロ
グスイッチが開放状態とされる。このため、キャパシタ
C3、C13、C6およびC16は、タイムスロットS
L2において与えられた第1積分処理の積分値に対応し
た電荷をそのまま維持することとなる。
【0059】(4)タイムスロットSL4 このタイムスロットSL4においては、クロックd、b
dおよびd1のみが出力され、他のクロックは出力され
ない。このため、クロックの出力によって各アナログス
イッチの状態は図9に示すものとなり、各部では次の動
作が行われる。
【0060】異種処理間積分値引き渡し部41および
42においては、キャパシタC6およびC16に保持さ
れた各電荷が各々極性が反転された状態で正相入力線L
Pおよび逆相入力線LNに各々供給される。これらの各
キャパシタの保持電荷は、タイムスロットSL2におい
て積分部40から与えられたものであり、図5における
第1積分処理の積分値に相当するものである。
【0061】帰還クロック生成部60においては、出
力デジタル信号OUTが“0”である場合にはクロック
Hbdが出力され、“1”である場合にはクロックLb
dが出力される。
【0062】1ビットDAC部70においては、上記
クロックHbdまたはLbdに基づき、出力デジタル信
号OUTに対応した帰還アナログ信号が発生され、正相
入力線LPおよび逆相入力線LNに与えられる。なお、
この動作の詳細は既にタイムスロットSL2において説
明した内容と同じであるので説明を省略する。
【0063】第1積分値記憶部22および24におい
ては、キャパシタC4およびC14に保持された各電荷
が各々極性が反転された状態で正相入力線LPおよび逆
相入力線LNに供給される。これらの各キャパシタに保
持された電荷は、サンプリング周期TSi-1において積
分部40から与えられたものであり、図5における第2
積分処理の積分値に相当するものである。
【0064】積分部40においては、正相入力線LP
および逆相入力線LNを介して供給される上記、お
よびの各信号の積分が行われる。この結果、サンプリ
ング周期TSi-1における第2積分処理の積分値と、サ
ンプリング周期TSiにおける第1積分処理の積分値と
を加算し、この加算結果から帰還アナログ信号を減算し
たものがサンプリング周期TSiにおける第2積分処理
の積分値として得られ、この積分値に相当する電圧が差
動増幅器41から正相出力線MPおよび逆相出力線MN
に出力される。
【0065】第2積分値記憶部32および34におい
ては、以上のようにして得られた第2積分処理の積分値
に相当する電荷をキャパシタC5およびC15に保持す
る動作が行われる。
【0066】積分部40から1ビットADC部50に
対し、第2積分処理の積分値の正相成分に相当する電圧
および逆相成分に相当する電圧が供給される。これらの
各電圧は1ビットADC部50内のキャパシタC10お
よびC20に保持される。
【0067】(5)タイムスロットSL5 サンプリング周期TSi+1のタイムスロットSL5にお
いては、上述したタイムスロットSL1と同様、クロッ
クaおよびacのみが出力され、他のクロックは出力さ
れない。このため、クロックの出力によって各アナログ
スイッチの状態は図10に示すものとなり、各部では次
の動作が行われる。
【0068】入力スイッチドキャパシタ部11および
12においては、再び入力アナログ信号AinPおよび
AinNのサンプリングが行われ、各アナログ信号のレ
ベルに応じた電荷がキャパシタC1およびC11に各々
保持される。
【0069】積分部40においてはキャパシタC8お
よびC18の各々の両端が初期化用アナログスイッチに
よって短絡され、積分部40の積分値は0となる。
【0070】1ビットADC部50においては、キャ
パシタC10およびC20に保持された各電圧が各々極
性が反転された状態で比較器51の反転入力端および正
転入力端に各々入力され、比較される。これらの各キャ
パシタに保持された電圧は、サンプリング周期TSi
タイムスロットSL4において積分部40から得られた
ものであり、図5における第2積分処理の積分値に相当
する。そして、クロックaが出力されることにより、上
記比較の結果を表すデジタル信号OUTが比較器51か
ら出力される。
【0071】1ビットDAC部70においては、キャ
パシタC9により電圧0Vが保持され、キャパシタC1
9により電圧Vrefが保持される。
【0072】(6)タイムスロットSL6 このタイムスロットSL6においては、クロックb、b
dおよびb2のみが出力され、他のクロックは出力され
ない。このため、クロックの出力によって各アナログス
イッチの状態は図11に示すものとなり、各部では次の
動作が行われる。
【0073】入力スイッチドキャパシタ部11および
12においては、キャパシタC1およびC11に保持さ
れた各電荷が各々極性が反転された状態で出力され、正
相入力線LPおよび逆相入力線LNに各々供給される。
【0074】帰還クロック生成部60においては、出
力デジタル信号OUTが“0”である場合にはクロック
Hbdが、“1”である場合にはクロックLbdが出力
される。
【0075】1ビットDAC部70においては、上記
クロックHbdまたはLbdに基づいて、出力デジタル
信号OUTに対応した帰還アナログ信号が発生され、正
相入力線LPおよび逆相入力線LNに与えられる。
【0076】第2積分値記憶部31および33におい
ては、キャパシタC3およびC13に保持された電荷が
各々極性が反転されて正相入力線LPおよび逆相入力線
LNに供給される。これらの各キャパシタに保持された
電荷は、サンプリング周期TSiのタイムスロットSL
2において積分部40から与えられたものであり、サン
プリング周期TSiにおける第1積分処理の積分値に相
当するものである。
【0077】積分部40においては、初期化用アナロ
グスイッチS401およびS402が開放状態とされる
ため、正相入力線LPおよび逆相入力線LNを介して供
給される上記各信号の積分が行われる。この結果、サン
プリング周期TSiにおける第1積分処理の積分値とタ
イムスロットSL5において取り込んだ入力アナログ信
号とを加算し、この加算結果から帰還アナログ信号を減
算したものが今回のサンプリング周期TSi+1における
第1積分処理の積分値として得られ、この積分値に相当
する電圧が差動増幅器41から正相出力線MPおよび逆
相出力線MNに出力される。
【0078】第1積分値記憶部21および23におい
ては、以上のようにして得られた第1積分処理の積分値
に相当する電圧を保持する動作が行われる。
【0079】異種処理間積分値引き渡し部41および
42においても、上記第1積分処理の積分値に相当する
電圧を保持する動作が行われる。
【0080】1ビットADC部50においては、積分
部40から得られる第1積分処理の積分値の正相成分に
相当する電圧がキャパシタC10に保持され、逆相成分
に相当する電圧がキャパシタC20に保持される。
【0081】以上のようにタイムスロットSL6におけ
る処理内容は、サンプリング周期TSiのタイムスロッ
トSL2での処理内容と実質的に同じであり、第1積分
値記憶部21および23と第2積分値記憶部31および
33の果す役割が入れ替わっている点のみが相違してい
る。
【0082】(7)タイムスロットSL7 このタイムスロットSL7においては、上述したタイム
スロットSL3と同様、クロックacのみが出力され、
他のクロックは出力されない。このため、クロックの出
力によって各アナログスイッチの状態は図12に示すも
のとなり、各部では次の動作が行われる。
【0083】積分部40においては初期化用アナログ
スイッチS401およびS402が導通状態とされるた
め、積分値が0となる。
【0084】1ビットDAC部70においては、キャ
パシタC9の両端の電圧が0Vとされ、キャパシタC1
9の両端の電圧がVrefに設定される。
【0085】第1積分値記憶部21および23と異種
処理間積分値引き渡し部41および42において、すべ
てのアナログスイッチが開放状態とされる。このため、
キャパシタC2、C12、C6およびC16は、タイム
スロットSL6において与えられた電荷をそのまま維持
することとなる。
【0086】(8)タイムスロットSL8 このタイムスロットSL8においては、クロックd、b
dおよびd2のみが出力され、他のクロックは出力され
ない。このため、各クロックの発生により、各アナログ
スイッチの状態は図13に示すものとなり、各部では次
の動作が行われる。
【0087】異種処理間積分値引き渡し部41および
42においては、キャパシタC6およびC16に保持さ
れた各電荷が各々極性が反転された状態で出力され、正
相入力線LPおよび逆相入力線LNに各々供給される。
これらの各キャパシタに保持された電荷は、サンプリン
グ周期TSi+1における第1積分処理の積分値に相当す
るものである。
【0088】帰還クロック生成部60においては、出
力デジタル信号が“0”である場合にはクロックHbd
が出力され、“1”である場合にはクロックLbdが出
力される。
【0089】1ビットDAC部70においては、出力
デジタル信号に対応した帰還アナログ信号が発生され、
正相入力線LPおよび逆相入力線LNに与えられる。
【0090】第2積分値記憶部32および34におい
ては、キャパシタC5およびC15に保持された各電荷
が各々極性が反転された状態で正相入力線LPおよび逆
相入力線LNに供給される。これらの各キャパシタに保
持された電荷は、サンプリング周期TSiにおける第2
積分処理の積分値に相当するものである。
【0091】積分部40においては、初期化用アナロ
グスイッチS401およびS402が開放状態とされる
ため、正相入力線LPおよび逆相入力線LNを介して供
給される各信号の積分が行われる。この結果、サンプリ
ング周期TSiにおける第2積分処理の積分値と、サン
プリング周期TSi+1における第1積分処理の積分値と
を加算し、この加算結果から帰還アナログ信号を減算し
たものがサンプリング周期TSi+1における第2積分処
理の積分値として得られ、この積分値に相当する電圧が
差動増幅器41から正相出力線MPおよび逆相出力線M
Nに出力される。
【0092】第1積分値記憶部22および24におい
ては、以上のようにして得られた第2積分処理の積分値
に相当する電荷をキャパシタC4およびC14に保持す
る動作が行われる。
【0093】積分部40から1ビットADC部50に
対し、第2積分処理の積分値の正相成分に相当する電圧
および逆相成分に相当する電圧が供給される。これらの
各電圧は1ビットADC部50内のキャパシタC10お
よびC20に保持される。サンプリング周期が切り換わ
り、再びタイムスロットSL1になると、この保持され
た電圧が比較器51に与えられ、デジタル信号OUTが
出力される訳である。
【0094】このように、タイムスロットSL8におけ
る処理内容は、実質的にタイムスロットSL4での処理
内容と同じであり、第1積分値記憶部22および24と
第2積分値記憶部32および34の果す役割が入れ替わ
っているのみである。
【0095】以後、同様にタイムスロットSL1〜SL
8に対応した各処理が繰り返し実行され、図5に示す2
次のデルタシグマ変調のための各処理が進められる。
【0096】C.他の実施形態 本発明の実施形態には、以上説明したものの他、種々の
ものが考えられる。例えば次の通りである。
【0097】(1)上記実施形態ではアナログ信号を平
衡信号とし、差動増幅器によって構成された積分部によ
りアナログ信号の積分を行うようにしたが、不平衡なア
ナログ信号を差動型でない通常の積分器で積分するよう
にしてもよい。
【0098】(2)各積分処理毎に1個の積分値記憶部
のみを設け、この積分値記憶部の保持電荷を使用して積
分部による積分処理を終えた後、新たな積分値に相当す
る電荷を積分値記憶部に保持させるようにしてもよい。
積分処理を行うタイムスロットとは別に積分値に相当す
る電荷を保持するためのタイムスロットを設けなければ
ならないが、積分値記憶部の数を半減させることができ
るという利点がある。
【0099】(3)上記実施形態のように異種処理間引
き渡し部を設けるのではなく、積分値記憶部が異種処理
間引き渡し部としての役割を兼ねるようにしてもよい。
【0100】(4)上記実施形態よりも多くの種類の積
分処理を実行する場合には、それに見合った数の積分値
記憶部を設ければよい。また、1つの積分処理の積分値
を2以上の積分処理が使用するような場合が考えられる
が、当該積分値を使用する複数の積分処理のすべてに対
応した異種処理間積分値引き渡し部を設け、各々に当該
積分値を示す信号を記憶させ、複数の積分処理に引き渡
せばよい。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、時分割制御の下、複数種類の積分処理を1個の積分
手段によって順次実行することができるので、小規模な
回路構成で、高次の積分処理を行うA/D変換器を実現
することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る発明の構成を示す図である。
【図2】 請求項2に係る発明の構成を示す図である。
【図3】 この発明の一実施形態であるA/D変換器の
構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施形態の動作を示すタイミングチャート
である。
【図5】 同実施形態において実行されるデルタシグマ
変調処理を示す図である。
【図6】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図7】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図8】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図9】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図10】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図11】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図12】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図13】 同実施形態の動作状態を示す図である。
【図14】 従来のデルタシグマ変調型A/D変換器の
構成を示すブロック図である。
【図15】 従来のデルタシグマ変調型A/D変換器の
構成を示すブロック図である。
【図16】 従来のデルタシグマ変調型A/D変換器の
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11……積分手段、12,12,〜……積分値記憶手
段、13……スイッチ手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時分割制御により複数種類の積分処理を
    繰り返し実行することにより入力アナログ信号をデジタ
    ル信号に順次変換するアナログ/デジタル変換器であっ
    て、 前記複数種類の積分処理を順次繰り返し実行する積分手
    段と、 前記積分処理の結果を示す積分値信号を各積分処理毎に
    記憶する複数の積分値記憶手段と、 前記各積分処理が中断される毎に、その時点における積
    分処理の結果を示す積分値信号を当該積分処理に対応し
    た積分値記憶手段に記憶させ、前記積分手段の積分処理
    の結果を初期化し、前記各積分処理が実行される毎に、
    当該積分処理に対応した積分値信号を前記積分値記憶手
    段のうち該当するものから前記積分手段に供給すると共
    に、当該積分処理が入力アナログ信号を処理対象に含む
    場合には当該入力アナログ信号を前記積分手段に供給
    し、当該積分処理が他の積分処理の結果を処理対象に含
    む場合には当該他の積分処理に対応した積分値信号を前
    記積分値記憶手段のうち該当するものから前記積分手段
    に供給するスイッチ手段とを具備することを特徴とする
    アナログ/デジタル変換器。
  2. 【請求項2】 時分割制御により複数種類の積分処理を
    繰り返し実行することにより入力アナログ信号をデジタ
    ル信号に順次変換するアナログ/デジタル変換器であっ
    て、 前記複数種類の積分処理を順次繰り返し実行する積分手
    段と、 前記積分処理の結果を示す積分値信号を各積分処理毎に
    記憶する複数の積分値記憶手段と、 先に行われた積分処理の結果を後の積分処理が処理対象
    として含む場合において当該先に行われた積分処理の結
    果を示す積分値信号を記憶する異種処理間積分値引き渡
    し手段と、 前記各積分処理が中断される毎に、その時点における積
    分処理の結果を示す積分値信号を当該積分処理に対応し
    た積分値記憶手段に記憶させて前記積分手段の積分処理
    の結果を初期化し、当該積分処理の結果を後の積分処理
    が使用する場合には当該積分処理の結果を示す積分値信
    号を該積分値記憶手段のみならず前記異種処理間積分値
    引き渡し手段にも記憶させ、前記各積分処理が実行され
    る毎に、当該積分処理に対応した積分値信号を前記積分
    値記憶手段のうち該当するものから前記積分手段に供給
    すると共に、当該積分処理が入力アナログ信号を処理対
    象に含む場合には当該入力アナログ信号を前記積分手段
    に供給し、当該積分処理が先に行われた積分処理の結果
    を処理対象に含む場合には当該先に行われた積分処理に
    対応した積分値信号を前記異種処理間積分値引き渡し手
    段から前記積分手段に供給するスイッチ手段とを具備す
    ることを特徴とするアナログ/デジタル変換器。
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