JPH0971763A - 耐熱性接着剤 - Google Patents
耐熱性接着剤Info
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Abstract
有機鎖をもつ有機珪素系層状高分子を利用し耐熱性接着
剤とすることを目的とする。 【解決手段】第1官能基をもつ第1有機珪素系層状高分
子と、この第1官能基と反応して硬化させる第2官能基
をもつ有機化合物とからなる耐熱性接着剤。第1有機珪
素系層状高分子は、主として珪素を中心とする4面体が
複数個平面状に配列した4面体シートと第2金属を中心
原子とする8面体が複数個平面状に配列した8面体シー
トの積層構造を有し、4面体シートの中心原子である主
として珪素を中心とする原子の一部ないしは全部の原子
がそれぞれ共有結合により末端に第1官能基をもつ有機
基と結合したものとすることができる。
Description
部品に使用できる耐熱性接着剤に関する。
クスとの接着、はんだ付けによる熱にさらされる電子部
品の封止、回路基板への接着などに使用できる耐熱性接
着剤としては、シリコンやシロキサンの無機物を含む接
着剤が提案されている。たとえば、特開平5−2545
2号公報には、ポリイミドシロキサン、ビスマレイン酸
イミド樹脂、エポキ化合物およびエポキシ硬化剤を配合
することで耐熱フィルムと各種金属箔とを貼り合わすこ
とができる耐熱性接着剤の開示がある。しかし、この耐
熱性接着剤ではシロキサンを主成分としているため、得
られる接着剤は250℃以上の耐熱性をもつものとはな
らない。
子中にエポキシ樹脂と反応し得る官能基及び反応性珪素
基を有するシリコン化合物、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、コロイド炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム
およびベントナイトを配合した接着剤組成物の開示があ
る。この組成物では、無機充填剤と樹脂との結合が弱い
ため、無機充填剤の添加による耐熱性向上効果は著しく
ない。
キサン、エポキシ変性ポリシロキサン、他のエポキシ化
合物およびエポキシ硬化剤とからなり、耐熱性、柔軟性
に優れた接着剤の開示がある。この接着剤ではポリシロ
キサンは−Si−O−Si−を基本骨格とする鎖状高分
子であるためその耐熱性は200〜250℃でありこれ
以上の耐熱性は期待できない。
鑑みてなされたもので、300℃程度の高温下でも充分
な接着力を持つ接着剤を提供することを目的とする。
層を形成する無機部と有機部とがしっかり結合すること
により耐熱性が高まることに着目し、有機側鎖と層状の
無機粒子とが共有結合で結ばれた構造を有する有機珪素
系層状高分子を接着剤の成分として用いることに思い至
り、本発明の耐熱性接着剤を完成したものである。
基をもつ第1有機珪素系層状高分子と、該第1官能基と
反応して硬化させる第2官能基をもつ有機化合物とから
なることを特徴とする。
成分は、第1官能基をもつ第1有機珪素系層状珪素系高
分子と、第1官能基と反応して硬化させる第2官能基を
もつ有機化合物とからなる。第1有機珪素系層状高分子
は、主として珪素を中心とする4面体が複数個平面状に
配列した4面体シートと第2金属を中心原子とする8面
体が複数個平面状に配列した8面体シートの積層構造を
有する層状の無機層部と、該4面体の珪素に共有結合で
強固に結合した有機基をもつ。この第1有機珪素系層状
高分子は有機基の有機鎖と層状の無機層とが一体となっ
て耐熱性を付与できる。
が、これと反応して硬化する第2官能基をもつ有機化合
物によって接着力を発現することができる。この際、有
機鎖と無機層との比率、第1官能基と第2官能基の量に
より接着剤の耐熱性、接着力、被接着物の物理的性質
(強度、柔軟性)などを調整することができる。また第
1官能基と第2官能基の種類の組合せを適宜選択するこ
とで、通常の接着剤と同様に扱えその接着層の特性を調
整できる。
成する無機層は、8面体シートの両側に4面体シートが
形成されたいわゆる2:1型構造のものと、8面体シー
トの片側に4面体シートが形成されたいわゆる1:1型
構造のものとが可能である。接着層に有機鎖を多く含ま
せたい場合や、有機鎖相互の結合強度を向上させたい場
合には、無機層を2:1型構造のものとするのが好まし
い。すなわち、4面体シートを構成する珪素原子と8面
体シートを構成する第2金属との比を0.5〜1:1の
比率では1:1型の層状構造が形成され、珪素原子:第
2金属の比率が1:2〜3:4の比率では2:1型の層
状構造が形成される。
念図を図1に示す。この例では無機層の部分構造は、金
属原子のマグネシウムを中心とする8面体シート1の両
側に珪素原子を中心とする4面体シート2が形成されて
いる。そして、上記珪素原子には4面体シートの一部を
構造するものとして、末端に第1官能基(R)を有する
有機基(プロピレン鎖を例示する)3が共有結合により
珪素に結合している。この第1官能基Rは、これと反応
して硬化する第2官能基を有する有機化合物と配合され
て接着剤の硬化膜を形成することができる。なお、有機
基の一部に末端に第1官能基をもたない、例えば、アル
キル基の有機基のものを導入して接着剤の硬化の度合い
を調整することもできる。なお、有機基の炭素数は限定
されるものではなく、珪素原子に第1官能基(R)が直
接に結合していても良い。
の他、4面体シートの形成が可能な第1金属原子でその
一部を置換することも可能である。この場合第1金属は
有機基と共有結合を形成できる金属であることが望まし
い。第1金属としては、Al、Fe、Ge、Pなどの使
用が可能である。4面体シートの中心原子がFe,G
e,Pとなるのは、珪素との中心原子置換による。
子はMg、Al、Ni、Co、Cu、Mn、Fe、L
i、V、Zrの内の1種類または2種類以上の金属原子
から選ばれる。有機基は、珪素に直接炭素原子が結合し
たもので、珪素−炭素原子間に酸素原子を介在させない
共有結合である。有機基としては、層状珪素系高分子に
導入可能でこの高分子に有機材料の特徴を付与しうるも
のはいずれも用いることができる。そしてこれらの有機
基は第1官能基を含む、場合によっては一部に官能基を
含まないもが存在しても良い。第1官能基の量を調整し
て硬化物の性質を調整することができる。
とも一つのアルコキシ基と、少なくとも一つの第1官能
基をもつ有機基を有するアルコキシシランと、第2金属
の少なくとも1種の無機塩、有機塩あるいはアルコキシ
ドとの、溶解液または分散液にアルカリを加えてpHを
弱アルカリ性に調整し、そのまま、あるいはエージング
をすることで製造できる。その際、第1官能基を、ある
いはさらに有機基を持たないアルコキシシランを混合す
ることにより、層状高分子表面の官能基や有機側鎖の割
合を制御することも可能である。
いはアルコール、アセトン、有機酸、無機酸の1種類の
極性溶媒あるいはその2種類以上の極性溶媒の混合溶媒
が利用できる。上記の溶解または分散液に添加するアル
カリは、種類を問わない。アルカリの添加により調整さ
れる弱アルカリ性のpHとは、原料系の選択等の要因に
より一概には規定できないが、たとえば、pH8〜10
程度をいう。要するに有機珪素系層状高分子としての結
晶化、なわちゲル化が希望する程度の速度で凝るpHで
あり、かつ有機基が損なわれような強いアルカリ性でな
ければよい。上記のプロセスは室温程度の温度でも十分
におこるが、有機基を損なわない程度の温度に加熱して
ゲル化させてもよい。
条件次第で、直ちに完了する場合もあり、ある程度(た
とえば1〜2日間程度)のエージングを要する場合もあ
る。得られた結晶状の有機珪素系層状高分子は、一旦溶
媒を排除して乾燥粉末として回収するのが好ましい。上
記の製造工程では、溶解液または分散液をpHを調整し
つつ、弱アルカリ性に調整すると、まず第2金属を中心
原子とする8面体シートの結晶構造が先行して成長し、
これに追従してオルガノアルコキシシランの珪素がアル
コキシ基の加水分解の後、脱水縮合により8面体シート
に結合し、この珪素を中心に4面体シートの結晶構造も
成長していく。したがって、珪素4面体の一部に有機基
が共有結合で直接結合した状態でも、珪素4面体シート
は8面体シートに追従して形成され、有機珪素系層状高
分子が形成される。場合によっては、有機基を有しなシ
リコンアルコキシドをオルガノアルコキシシランに対し
て所定の比率で併用して、有機珪素系層状高分子におけ
る有機基の割合を調整することができる。
を持たないものを併用して第1官能基の量を調整して、
第2官能基との比率を変えることで接着膜の特性を調整
することもできる。第1官能基を有するオルガノアルコ
キシシランの原料としては、以下の様な有機珪素化合物
を用いることで上記のような有機鎖を有機珪素系層状高
分子に導入できる。
リシドキシプロピルメトキシシラン、2−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4−
(エポキシブチル)トリメトキシシラン、3,4−(エ
ポキシブチル)トリエトキシシラン、イソシアナート
系:3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、
チオール系:メルカプトメチルトリメトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アミン系:
3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシ
シラン、3−(3−アミノフェノキシ)プロピルトリメ
トキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピ
ルジメチルエトキシシラン、3−〔2−(2−アミノエ
チルアミノエチルアミノ)プロピル〕トリメトキシシラ
ン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシ
シラン、2−(2−アミノエチルチオ)ジエトキシメチ
ルシラン、3−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、アクリルおよび、メタクリル系:3−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピ
ルジメチルエトキシシラン、3−アクロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−アクロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジ
メチルメトキシシラン、N−(3−アクリロキシ−2−
ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、3−メタクリルロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、ビニル系:3−(ビニルベンジルアミノプロピ
ル)トリメトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ
プロピル)トリエトキシシラン、トリメトキシビニルシ
ラン、トリイソプロポキシビニルシラン、アリルトリエ
トキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリル
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アリルチオプ
ロピルトリメトキシシラン、ハロゲン系:ブロモフェニ
ルトリエトキシシラン、4−ブロモフェニルトリメトキ
シシラン、3−ブロモフェニルトリエトキシシラン、3
−クロロプロピルトリメトキシシラン、第1官能基を持
たないアルキル系(この系は単独では使用せず他の官能
基をもつものと併用される):メチルメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−イソプロ
ポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n
−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキ
シシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシ
ルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラ
ン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクタ
デシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエト
キシシランなどが挙げられる。
分子と、第1官能基と反応して硬化させることができる
第2官能基をもつ有機化合物とから構成されるが、第1
官能基と第2官能基の具体的な組合せの例を表1に示
す。
て、第2官能基をもつ有機珪素系層状高分子を用いるこ
ともできる。さらに第1官能基を持つ有機珪素系層状高
分子に第1官能基を持つ有機化合物を併用して第2官能
基をもつ有機化合物との配合として接着特性を調整して
もよい。例えば、第1官能基をエポキシ基とした場合に
は、エポキシ基導入有機珪素系層状高分子が粉末である
ため、液状のエポキシ樹脂もしくは希釈溶媒でペースト
化することが望ましい。この場合、接着剤の耐熱性の点
から有機珪素系層状高分子の割合は高いほど好ましく、
その割合は、用途により有機珪素系層状高分子が10〜
90%の範囲が望ましい。
る場合、1液性の接着剤として利用可能であるが、反応
性が高く混合することで反応が開始する場合はいわゆる
2液性接着剤として使用することもできる。第2官能基
を有する有機化合物としては、アミン系のアミノ基導入
有機珪素系層状高分子、ポリアミン(脂肪族、芳香
族)、ポリアミド、第3アミン、その他酸無水物系の酸
無水物、メルカプト系のメルカプト基導入有機珪素系層
状高分子、液状メルカプタン、イミダゾール系、ポリサ
ルファイド系が利用できる。また2種以上の第2官能基
を有する有機化合物の併用も可能である(たとえば酸無
水物とイミダゾール)。さらに市販の硬化促進剤を添加
してもよい。
ともできる。たとえば、粘土鉱物、タルク、炭酸カルシ
ウム、シリカゾル、シリカゲル、アルミナ、金属粉など
が利用できる。また第1官能基を有する有機珪素系層状
高分子を含まず第1官能基を有する有機化合物と、第2
官能基を有する有機珪素系層状高分子との組合せであっ
ても良い。この場合は第2官能基を有する有機珪素系層
状高分子が10〜90%の割合の配合とするのが好まし
い。
ナイロン、フェノール、ポリイソシアナート等を加えて
ポリマーブレンド化してもよい。第2官能基をもつ有機
化合物の具体例を以下に記載する。 第1官能基がアミノ基であり第2官能基がエポキシ基の
例 ビスフェノール型エポキシ樹脂:エピコート801、8
07、808、815、827、828、834(油化
シェルエポキシ製) グリシジルエステル:フタル酸ジグリシジルエステル、
テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−
オキシ安息香酸、 グリシジルアミン:N,N−ジグリシジルアニリン、テ
トラグリシジルジアミノフェニルメタン、 レゾルシノ
ールジグリシジルエーテル 複素環式エポキシ樹脂:ジグリシジルヒダントイン、グ
リシジルグリシドキシドオキシアルキルヒダントイン、
トリグリシジルイソシアヌレート 第1官能基がエポキシ基である場合の第2官能基の例 脂肪族ポリアミン:ポリメチレンジアミン、ポリエーテ
ルジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピ
ルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチ
ルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、アミノエチルエタノールアミン 脂環式ポリアミン:メンセンジアミン、イソフォロンジ
アミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシ
ル)メタン、N−アミノエチルピペラジン 芳香族アミン:メタフェニレンジアミン、ジアミノフェ
ニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン 変性アミン:アミンアダクト、ポリアミン−エチレノキ
シドアダクト、ポリアミン−プロピレンオキシアダク
ト、ケトイン 第三アミン:トリスジメチルアミノメチルフェノール
(DMP−30),ベンジルジメチルアミン 酸無水物:無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレ
ングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、無水
マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、無水メチルナルジック酸、アルケ
ニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ポリア
ジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシ
ン酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラブロム酸無水
物 ポリアミド:トーマイド245、2400、2500
(富士化成製)、バーサミド125、140(ヘンケル
白水製) 硬化促進剤:ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合
物、イミダゾール、第3アミンなどが挙げられる。
イプの接着剤の硬化反応と同様で第1官能基がエポキシ
基であると、エポキシ基と付加重合反応するアミノ基、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基等をもつ
有機化合物が使用される。またビニル基、メタクリル基
の場合はラジカル重合反応により接着剤を硬化させる。
さらにハロゲンの場合は、ハロゲンと置換反応する官能
基を利用して硬化反応を進行させる。
媒、添加剤(硬化触媒、開始剤、安定剤)、無機充填剤
などを加えてもよい。
機珪素系層状高分子(以下アミノ−マグネシウムケイ素
系層状高分子のように第1官能基と第2金属名を見出し
としたケイ素系層状高分子と称する)の合成 脱イオン水4000mlに塩化マグネシウム6水和物2
0.3gを加えて攪拌した。これにメタノール1000
mlで希釈した3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(以下APTSと称する)44.1gを加えた。30分
攪拌した後、1N水酸化ナトリウム水溶液200mlを
滴下してアミノ−マグネシウムケイ素系層状高分子を合
成した。この溶液を室温で7日間放置してエージング
し、その後濾過、水洗を行い真空乾燥によって回収し
た。
成 脱イオン水400mlに塩化ニッケル6水和物23.8
gを加えて攪拌した。これにメタノール1000mlで
希釈したAPTS44.1gを加えた。30分攪拌の
後、1N水酸化ナトリウム水溶液200mlを滴下して
アミノ−ニッケルケイ素系層状高分子の合成した。この
溶液を室温で7日間放置してエージングし、その後濾
過、水洗を行い真空乾燥によって回収した。
子の合成 脱イオン水4000mlに塩化マグネシウム6水和物2
0.3gを加えて攪拌した。これにメタノール1000
mlで希釈した3−グリシドキプロピルトリエトキシシ
ラン(GPTS)47.0gを加えた。30分攪拌した
後、1N水酸化ナトリウム水溶液200mlを滴下して
エポキシ−マグネシウムケイ素系層状高分子の合成し
た。これを室温で5日間放置してエージングし、その後
濾過、水洗を行い真空乾燥によって回収した。
価 上記で合成したアミノ−マグネシウムケイ素系層状高分
子、アミノ−ニッケルケイ素系層状高分子、エポキシ−
マグネシウムケイ素系層状高分子を粉末X線回折法によ
り評価した。結果を図2、図3に示す。X線回折パター
ンには、それぞれ001、200、060(2θ/de
g.CuKα)に明確なピークをもち、層状の無機層が
スメクタイト構造の結晶性を有することを示す。このこ
とから得られた有機珪素系層状高分子粉末は、層状珪酸
塩構造が形成されていることを確認した。
分子を主成分とする2液性接着剤を調製した。配合比は
表2のとおりである。
合物により2枚のスライドガラスを貼り合わせた試験片
を作成し、通常のエポキシ型接着剤と同様に硬化接着す
ることを確認した。第1官能基をもつ第1有機珪素系層
状高分子と第2官能基を持つ有機化合物との混合比、硬
化条件を表3に示す。
た。大気雰囲気で250℃で1時間加熱し、さらに30
0℃に昇温して1時間加熱した後、炉から取り出し、試
験片のスライドグラス部を剥離方向に外力をゆっくり加
えて接着性を確認した。結果を表4に示す。
な接着力を示し、耐熱性を有すことが明らかである。一
方比較例の市販のシリコン系の耐熱性接着剤では、30
0℃ではいづれも充分な接着性を示さなかった。
格は、ポリシロキサンのような鎖状高分子ではなく、無
機充填剤として使用される粘土鉱物と同様の層状珪酸塩
構造である。すなわち、珪素を主とする4面体シートと
第2金属を中心原子とする8面体シートとの積層体から
なる結晶性層状高分子として高度に発達した構造を形成
している。また粘土鉱物と違って有機珪素系層状高分子
の層状無機層に共有結合した有機鎖を持つためこれを介
して有機珪素系層状高分子の無機層と接着剤中の有機化
合物とが強固に結合される。このため耐熱性が発揮でき
る。
には、その一部または全部の原子がそれぞれ有機基と結
合しているため、有機鎖が充分導入される。しかも中心
原子とは共有結合を形成しているので、無機層に可撓性
と成形性を付与できる。さらに、官能基が有機基の末端
に存在するので無機層に阻害されることなく容易に硬化
反応が進行して硬化膜を形成して接着性を発揮すること
ができる。
の無機層を持つため、ガスバリア性が期待できる。この
ガスバリア性は接着剤内に酸素が侵入して有機鎖を酸
化、分解させるのを防ぎ耐熱性向上に寄与する。
ミノ−ニッケルケイ素系層状高分子のX線回折パターン
である。
X線回折パターンである。
Claims (11)
- 【請求項1】 第1官能基をもつ第1有機珪素系層状高
分子と、該第1官能基と反応して硬化させる第2官能基
をもつ有機化合物とからなる耐熱性接着剤。 - 【請求項2】 該第2官能基をもつ有機化合物は、該第
2官能基をもつ第2有機珪素系層状高分子である請求項
1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項3】 該第1有機珪素系層状高分子は、主とし
て珪素を中心とする4面体が複数個平面状に配列した4
面体シートと第2金属を中心原子とする8面体が複数個
平面状に配列した8面体シートの積層構造を有し、該4
面体シートの中心原子である主として珪素を中心とする
原子の一部ないしは全部の原子がそれぞれ共有結合によ
り末端に該第1官能基をもつ有機基と結合してなる請求
項1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項4】 該第1官能基および該第2官能基の一方
はエポキシ基であり、他方はアミノ基、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、酸無水物、チオール基から選ばれ
る1種である請求項1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項5】 該第1官能基および該第2官能基の一方
はイソシアナート基であり、他方はヒドキシル基、チオ
ール基、カルボキシル基、アミノ基、から選ばれる1種
である請求項1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項6】 該第1官能基および該第2官能基の一方
はチオール基であり、他方はエポキシ基、酸無水物、イ
ソシアナート基、カルボキシル基、ハロゲンから選ばれ
る1種である請求項1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項7】 該第1官能基および該第2官能基の一方
はアミノ基であり、他方はハロゲン、酸無水物、カルボ
キシル基、アクリル基、メタクリル基から選ばれる1種
である請求項1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項8】 該第1官能基および該第2官能基の一方
はアクリル基またはメタクリル基であり、他方はアクリ
ル基、メタクリル基、ビニル基、アミノ基から選ばれる
1種のである請求項1に記載の耐熱性接着剤。 - 【請求項9】 該第1官能基および該第2官能基の一方
はビニル基であり、他方はアクリル基、メタクリル基、
ビニル基から選ばれる1種である請求項1に記載の耐熱
性接着剤。 - 【請求項10】 該第1官能基および該第2官能基の一
方はハロゲンであり、他方はアミノ基、ヒドロキシル
基、チオール基から選ばれる1種である請求項1に記載
の耐熱性接着剤。 - 【請求項11】 該第2金属は、Mg、Al、Ni、C
o、Cu、Mn、Fe、Li、V、Zrから選ばれる少
なくとも1種である請求項1に記載の耐熱性接着剤。
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1995
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