JPH097133A - 漏れ磁界強度測定装置 - Google Patents

漏れ磁界強度測定装置

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JPH097133A
JPH097133A JP15790795A JP15790795A JPH097133A JP H097133 A JPH097133 A JP H097133A JP 15790795 A JP15790795 A JP 15790795A JP 15790795 A JP15790795 A JP 15790795A JP H097133 A JPH097133 A JP H097133A
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JP
Japan
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magnetic field
medium
magnetic
hard
noise
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JP15790795A
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Tomoko Taguchi
知子 田口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】誘導型ヘッドのような磁性体よりなる測定対象
物の漏れ磁界強度を測定できる漏れ磁界強度測定装置を
提供する。 【構成】磁性体よりなる測定対象物1に近接して硬磁性
媒体2を配置した状態で測定対象物1を介して硬磁性媒
体2に磁界を印加し、その印加磁界に基づく硬磁性媒体
2からの漏れ磁束を磁束感知部7で感知してノイズ測定
器9で測定した硬磁性媒体の媒体ノイズが最大となると
きの測定対象物1の漏れ磁界強度を硬磁性媒体2の残留
保磁力で定義して求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドなどの磁性
体の漏れ磁界強度を測定する漏れ磁界強度測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置やフロッピー
ディスク装置などの磁気記録装置においては、記録密度
の向上に伴い、記録媒体上の1ビット当たりの面積がま
すます小さくなっている。このように1ビット当たりの
面積が微細になると、記録や再生に用いる磁気ヘッドの
最適設計を行う上で、磁気ヘッドからの漏れ磁界、特に
記録媒体に面した側への漏れ磁界を測定することが必要
となる。
【0003】このような漏れ磁界の磁界分布を測定する
手法として、電子ビームトモグラフィ、磁気力顕微鏡、
カー効果等を利用したものがある。これらの手法は漏れ
磁界の磁界分布を測定することはできるが、磁界強度ま
では測定できない。しかし、磁気ヘッドの設計において
は、漏れ磁界の磁界強度そのものや分布を計測すること
が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術では磁気ヘッドなどの磁性体の漏れ磁界強度その
ものを測定することができないという問題があった。本
発明は、磁性体よりなる測定対象物の漏れ磁界強度を測
定できる漏れ磁界強度測定装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は磁性体よりなる測定対象物に近接して硬磁
性媒体を配置した状態で測定対象物を介して硬磁性媒体
に磁界を印加し、その印加磁界に基づく硬磁性媒体から
の漏れ磁束を感知して測定した硬磁性媒体の媒体ノイズ
が最大となるときの測定対象物の漏れ磁界強度を硬磁性
媒体の残留保磁力で定義して求めるようにしたことを基
本的な特徴とする。
【0006】すなわち、本発明に係る第1の漏れ磁界強
度測定装置は、磁性体よりなる測定対象物に近接して配
置された硬磁性媒体と、この硬磁性媒体に測定対象物を
介して磁界を印加する磁界印加手段と、この磁界印加手
段の磁界印加条件を制御する磁界印加条件制御手段と、
磁界印加手段による印加磁界に基づく硬磁性媒体からの
漏れ磁束を感知する磁束感知手段と、この磁束感知手段
の出力から硬磁性媒体の媒体ノイズを測定するノイズ測
定手段と、このノイズ測定手段により測定された媒体ノ
イズが最大となる磁界印加条件における測定対象物の漏
れ磁界強度を硬磁性媒体の残留保磁力で定義して求める
手段とを有することを特徴とする。
【0007】本発明に係る第2の漏れ磁界強度測定装置
は、磁性体よりなる測定対象物に近接して配置される硬
磁性媒体と、この硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数
の硬磁性媒体の中から選択する選択手段と、この選択手
段により選択された硬磁性媒体に測定対象物を介して磁
界を印加する磁界印加手段と、この磁界印加手段の磁界
印加条件を制御する磁界印加条件制御手段と、磁界印加
手段による印加磁界に基づく選択手段により選択された
硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知する磁束感知手段と、
この磁束感知手段の出力から選択手段により選択された
硬磁性媒体の媒体ノイズを測定するノイズ測定手段と、
このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
となる磁界印加条件における測定対象物の漏れ磁界強度
を選択手段により選択された硬磁性媒体の残留保磁力で
定義して求める手段とを有することを特徴とする。
【0008】本発明に係る第3の漏れ磁界強度測定装置
は、磁性体よりなる測定対象物に近接して配置された所
定の残留保磁力を有する硬磁性媒体と、この硬磁性媒体
に対する測定対象物の相対位置を制御する相対位置制御
手段と、硬磁性媒体に測定対象物を介して磁界を印加す
る磁界印加手段と、この磁界印加手段による印加磁界に
基づく硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知する磁束感知手
段と、この磁束感知手段の出力から硬磁性媒体の媒体ノ
イズを測定するノイズ測定手段と、このノイズ測定手段
により測定された媒体ノイズが最大となる相対位置にお
ける測定対象物の漏れ磁界強度を硬磁性媒体の残留保磁
力で定義して求める手段とを有することを特徴とする。
【0009】本発明に係る第4の漏れ磁界強度測定装置
は、磁性体よりなる測定対象物に近接して配置される硬
磁性媒体と、この硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数
の硬磁性媒体の中から選択する選択手段と、この選択手
段により選択された硬磁性媒体に対する測定対象物の相
対位置を制御する相対位置制御手段と、選択された硬磁
性媒体に測定対象物を介して磁界を印加する磁界印加手
段と、この磁界印加手段による印加磁界に基づく選択手
段により選択された硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知す
る磁束感知手段と、この磁束感知手段の出力から硬磁性
媒体の媒体ノイズを測定するノイズ測定手段と、このノ
イズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大となる
相対位置における測定対象物の漏れ磁界強度を選択手段
により選択された硬磁性媒体の残留保磁力で定義して求
める手段とを有することを特徴とする。
【0010】本発明に係る第5の漏れ磁界強度測定装置
は、磁性体よりなる測定対象物に近接して配置される硬
磁性媒体と、この硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数
の硬磁性媒体の中から選択する選択手段と、この選択手
段により選択された硬磁性媒体に対する測定対象物の相
対位置を変化させる相対位置制御手段と、選択された硬
磁性媒体に測定対象物を介して磁界を印加する磁界印加
手段と、この磁界印加手段の磁界印加条件を制御する磁
界印加条件制御手段と、磁界印加手段による印加磁界に
基づく選択手段により選択された硬磁性媒体からの漏れ
磁束を感知する磁束感知手段と、この磁束感知手段の出
力から硬磁性媒体の媒体ノイズを測定するノイズ測定手
段と、このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズ
が最大となる磁界印加条件における測定対象物の漏れ磁
界強度を選択手段により選択された硬磁性媒体の残留保
磁力で定義して求める手段と、ノイズ測定手段により測
定された媒体ノイズが最大となる相対位置における測定
対象物の漏れ磁界強度を選択手段により選択された硬磁
性媒体の残留保磁力で定義して求める手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0011】より具体的には、測定対象物は磁気ディス
ク装置などの磁気記録装置における記録用あるいは記録
再生用の磁気ヘッドとして使用される誘導型磁気ヘッド
であり、ギャップを有する磁気コアにコイルを巻いて構
成される。この場合、磁界印加手段は該誘導型ヘッドの
コイルに電流を流すことによって記録媒体である硬磁性
体に磁界を印加することができる。
【0012】
【作用】硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知して得られる
出力に含まれるノイズ、すなわち媒体ノイズは、硬磁性
媒体を飽和磁化状態にしたときは、局所磁化が一方向に
揃うため、最小となる。一方、この初期飽和磁化状態と
は逆向きの磁界を硬磁性媒体に印加すると、局所磁化の
向きがランダム化するため、媒体ノイズは減少してゆ
き、硬磁性媒体の巨視的磁化が零になった状態で媒体ノ
イズは最小となる。この後、逆向きの磁界をさらに上げ
ると局所磁化が再び一様化することにより媒体ノイズは
減少し、初期飽和磁化状態とは逆向きの飽和磁化状態に
なると再び媒体ノイズは最小となる。
【0013】ここで、媒体ノイズが最大となるときの硬
磁性媒体への印加磁界は、磁化曲線において残留磁化が
零となる磁界であり、これを本発明では硬磁性媒体の残
留保磁力と称する。本発明に係る漏れ磁界強度測定装置
において、硬磁性媒体への印加磁界は磁性体である測定
対象物の漏れ磁界によって与えられるので、媒体ノイズ
が最大となるときの漏れ磁界強度は硬磁性媒体の残留保
磁力によって定義されることになる。測定対象物を介し
て硬磁性媒体に印加される磁界の強度は、磁界印加条件
や測定対象物と硬磁性媒体間の距離、つまり硬磁性媒体
に対する測定対象物の相対位置によって変化する。
【0014】本発明に係る第1の漏れ磁界強度測定装置
では、硬磁性媒体に測定対象物を介して印加される磁界
の磁界印加条件を制御可能とし、媒体ノイズが最大とな
る磁界印加条件における測定対象物の漏れ磁界強度を硬
磁性媒体の残留保磁力で定義して求めることにより、測
定対象物が硬磁性媒体に対して一定の相対位置にあり、
かつ媒体ノイズが最大となる磁界印加条件での漏れ磁界
強度が硬磁性媒体の残留保磁力で定義される。
【0015】本発明に係る第2の漏れ磁界強度測定装置
では、硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒
体の中から選択可能とすると共に、硬磁性媒体に測定対
象物を介して印加される磁界の磁界印加条件を制御可能
とし、媒体ノイズが最大となる磁界印加条件における測
定対象物の漏れ磁界強度を、選択された硬磁性媒体の残
留保磁力で定義して求めることにより、測定対象物が硬
磁性媒体に対して一定の相対位置にあるときの漏れ磁界
強度の、媒体ノイズが最大となる磁界印加条件に対する
依存性が求められる。
【0016】本発明に係る第3の漏れ磁界強度測定装置
では、硬磁性媒体に対する測定対象物の相対位置を制御
可能とし、媒体ノイズが最大となる相対位置における測
定対象物の漏れ磁界強度を硬磁性媒体の残留保磁力で定
義して求めることにより、一定の磁界印加条件下での媒
体ノイズが最大となる相対位置における漏れ磁界強度が
硬磁性媒体の残留保磁力で定義される。
【0017】本発明に係る第4の漏れ磁界強度測定装置
では、硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒
体の中から選択可能とすると共に、硬磁性媒体に対する
測定対象物の相対位置を制御可能とし、媒体ノイズが最
大となる相対位置における測定対象物の漏れ磁界強度
を、選択された硬磁性媒体の残留保磁力で定義して求め
ることにより、一定の磁界印加条件の下での媒体ノイズ
が最大となる相対位置に対する漏れ磁界強度の依存性が
求められる。
【0018】本発明に係る第5の漏れ磁界強度測定装置
では、硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒
体の中から選択可能とし、また選択された硬磁性媒体に
対する測定対象物の相対位置を制御可能とすると共に、
磁界印加条件を制御可能として、媒体ノイズが最大とな
る磁界印加条件における測定対象物の漏れ磁界強度を、
選択された硬磁性媒体の残留保磁力で定義して求め、さ
らに媒体ノイズが最大となる相対位置における測定対象
物の漏れ磁界強度を、選択された硬磁性媒体の残留保磁
力で定義して求めることにより、媒体ノイズが最大とな
る相対位置に対する漏れ磁界強度の依存性および媒体ノ
イズが最大となる磁界印加条件に対する漏れ磁界強度の
依存性が求められる。
【0019】このように本発明による漏れ磁界強度測定
装置では、磁性体からなる測定対象物の漏れ磁界強度、
さらには相対位置や磁界印加条件に対する漏れ磁界強度
の依存性を求めることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係る
漏れ磁界強度測定装置の概略構成を示すブロック図であ
る。同図において、漏れ磁界強度を測定すべき測定対象
物1は磁性体であり、ディスク状の硬磁性媒体2上に近
接して、かつ駆動機構3により硬磁性媒体2の半径方向
に移動可能に設けられている。硬磁性媒体2は、硬磁性
材料からなる記録層を備えた磁気記録媒体であり、残留
保磁力の異なる複数の硬磁性媒体を貯蔵した媒体貯蔵庫
6からコントローラ10の制御の下で選択されて媒体駆
動機構4上に設定され、回転駆動される。
【0021】また、硬磁性媒体2と反対側の面上に、測
定対象物1を介して硬磁性体2に磁界を印加する磁界印
加手段5が配置されている。なお、磁界印加手段5の機
能を測定対象物1自体が持っていてもよい。
【0022】一方、硬磁性媒体2上に近接して、かつ駆
動機構8により硬磁性媒体2の半径方向に移動可能に、
硬磁性媒体2からの漏れ磁束を感知する磁束感知部7が
配置されている。ノイズ測定器9は、磁束感知部7の出
力から硬磁性媒体1の媒体ノイズを測定する。
【0023】コントローラ10は、駆動機構3、4、
8、磁界印加手段5、媒体貯蔵庫6、ノイズ測定器9お
よび入出力装置/解析装置11の制御を行うと共に、ノ
イズ測定器9からの出力信号を入出力装置/解析装置1
1に伝達する。入出力装置/解析装置11は、コントロ
ーラ10からの指令に基づき測定対象物1の漏れ磁界強
度測定のための入出力処理および解析処理を行う。
【0024】本実施例の漏れ磁界強度測定装置は、2つ
の測定モード(第1の測定モード、第2の測定モードと
する)を有する。以下、各測定モードについて説明す
る。 <第1の測定モード>この測定モードは、測定対象物1
が硬磁性媒体2に対し一定の相対位置(距離y)にある
ときの漏れ磁界強度を測定するモードであり、その測定
手順を図2のフローチャートに示す。
【0025】まず、所定の残留保磁力Hcの硬磁性媒体
2を媒体駆動機構4上に設定し(S101)、さらに測
定対象物1を介して硬磁性媒体2に磁界を印加する磁界
印加手段5の磁界印加条件PをN1種類設定する(S1
02)。磁界印加条件Pとは、例えば印加する磁界の強
さ、具体的には例えばコイルが発生する起磁力であり、
さらに具体的には、例えば後述する第3の実施例のよう
に測定対象物1が誘導型ヘッドの場合、このヘッドのコ
イルに流す電流が相当する。
【0026】次に、S103でi=0、S104でi=
i+1とした後、硬磁性媒体2の磁化が飽和磁化に達す
る磁界を磁界印加手段5によって測定対象物1に印加す
る(S105)。次いで、S105での飽和磁化状態と
180°異なる方向の磁界を磁界印加手段5によって磁
界印加条件P(i)で測定対象物1を介して硬磁性媒体
2に印加し(S106)、この種々の磁界印加条件P
(i)の下で硬磁性媒体2から発生する媒体ノイズM
(i)をノイズ測定器9により測定する(S107)。
すなわち、S104〜S107の処理をS108でi=
N1となるまで繰り返す。
【0027】このようにN1種類の磁界印加条件P
(i)の下で媒体ノイズM(i)を測定した後、図3に
示されるような磁界印加条件Pと媒体ノイズMとの関係
を算出する(S109)。図3に示されるように、ある
磁界印加条件Pmaxのとき媒体ノイズMが最大とな
る。この理由は、前述した通りである。
【0028】すなわち、媒体ノイズMは硬磁性媒体2を
飽和磁化状態にしたときは硬磁性媒体2の局所磁化が一
方向に揃うために最小となる。一方、この初期飽和磁化
状態とは逆向きの磁界を硬磁性媒体2に印加すると、局
所磁化の向きがランダム化するため、媒体ノイズMは減
少してゆき、硬磁性媒体2の巨視的磁化が零になった状
態で媒体ノイズMは最小となる。この後、逆向きの磁界
をさらに上げると局所磁化が再び一様化することにより
媒体ノイズMは減少し、初期飽和磁化状態とは逆向きの
飽和磁化状態になると再び媒体ノイズMは最小となる。
【0029】次に、図3のような磁界印加条件Pと媒体
ノイズMとの関係から、媒体ノイズMが最大となる磁界
印加条件Pmaxを求める(S110)。ここで、媒体
ノイズMが最大となるときの硬磁性媒体2への印加磁界
は、磁化曲線において残留磁化が零となる磁界、つまり
硬磁性媒体2の残留保磁力に相当するので、媒体ノイズ
Mが最大となる印加磁界は、硬磁性媒体2の残留保磁力
Hcと一致する。そこで、測定対象物1が硬磁性媒体2
に対して一定の相対位置(距離y)にあるときの磁界印
加条件Pmaxでの測定対象物1の漏れ磁界強度を残留
保磁力Hcで定義して決定することができる(S11
1)。なお、S109〜S111の処理はコントローラ
10を介して入出力装置/解析装置11によって行われ
る。
【0030】このように第1の測定モードによれば、測
定対象物1が硬磁性媒体2に対して一定の相対位置(距
離y)にあるときの、媒体ノイズMが最大となる磁界印
加条件Pmaxでの測定対象物1の漏れ磁界強度を硬磁
性媒体2の残留保磁力Hcで定義することにより測定す
ることができる。
【0031】<第2の測定モード>この測定モードは、
測定対象物1の漏れ磁界強度のPmax依存性、すなわ
ち媒体ノイズMが最大となる磁界印加条件Pmaxに対
する測定対象物1の漏れ磁界強度の依存性を測定するモ
ードであり、その測定手順を図4のフローチャートに示
す。
【0032】まず、媒体貯蔵庫6に貯蔵する硬磁性媒体
の選択条件を設定して、残留保磁力Hcの異なるN2種
類の硬磁性媒体を用意し(S201)、さらにS202
でj=0とした後、一つの硬磁性媒体jを選択して媒体
駆動機構4上に設定する(S203)。この硬磁性媒体
jの残留保磁力をHc(j)とする。
【0033】次に、磁界印加手段5が測定対象物1を介
して硬磁性体2に印加する磁界印加条件PをN1種類設
定する(S204)。次いで、S205でj=j+1,
i=0、S206でi=i+1とした後、硬磁性媒体2
の磁化が飽和磁化に達する磁界を磁界印加手段5によっ
て測定対象物1に印加する(S207)。
【0034】次に、S207での飽和磁化状態と180
°異なる方向の磁界を磁界印加手段5によって磁界印加
条件P(i)で測定対象物1を介して硬磁性体2に印加
し(S208)、これら種々の磁界印加条件P(i)の
下で硬磁性媒体2から発生する媒体ノイズM(i)をノ
イズ測定器9により測定する(S209)。すなわち、
S206〜S209の処理をS210でi=N1となる
まで繰り返す。
【0035】このようにN1種類の磁界印加条件P
(i)の下で媒体ノイズM(i)を測定した後、図3に
示されるような磁界印加条件Pと媒体ノイズMとの関係
を算出し(S211)、図5(a)に示されるように媒
体ノイズMが最大となる磁界印加条件Pmax(j)を
各jについて求める(S212)。S203〜S212
の処理をS213でj=N2となるまで、つまり媒体貯
蔵庫6に貯蔵された全ての硬磁性媒体について行い、図
5(b)に示されるPmaxとHcの関係を算出する
(S214)。そして、これらPmaxとHcの関係か
ら、測定対象物1が硬磁性媒体2に対して一定の相対位
置(距離y)のときの、測定対象物1の漏れ磁界強度の
条件Pmaxに対する依存性を求める(S215)。な
お、S211〜S215の処理は、コントローラ10を
介して入出力装置/解析装置11によって行われる。
【0036】このように第2の測定モードによれば、残
留保磁力の異なる複数の硬磁性媒体を選択的に用いて第
1の測定モードと同様の測定手順を実行することによ
り、媒体ノイズが最大となる磁界印加条件に対する測定
対象物1の漏れ磁界強度の依存性を測定することができ
る。
【0037】(第2の実施例)図6は、本発明の第2の
実施例に係る漏れ磁界強度測定装置の概略構成を示すブ
ロック図であり、第1の実施例との違いは硬磁性媒体2
に対する測定対象物1および磁束感知部7の相対位置
(距離yおよびh)を可変とし、かつこれらの距離y,
hを測定する距離測定機構12,13を備えた点にあ
る。
【0038】本実施例の漏れ磁界強度測定装置は、3つ
の測定モード(第3の測定モード、第4の測定モードお
よび第5の測定モードとする)を有する。以下、各測定
モードについて説明する。
【0039】<第3の測定モード>この測定モードは、
測定対象物1に対する磁界印加条件Pが一定のときの漏
れ磁界強度の位置依存性を測定するモードであり、その
測定手順を図7のフローチャートに示す。
【0040】まず、測定対象物1に対する磁界印加手段
5の磁界印加条件Pを設定し(S301)、引き続き所
定の残留保磁力Hcの硬磁性媒体2を媒体駆動機構4上
に設定し(S302)、さらに測定対象物1の位置(距
離y)の条件をN3種類設定する(S303)。次い
で、S304でk=0とした後、硬磁性媒体2の磁化が
飽和磁化に達する磁界を磁界印加手段5によって測定対
象物1を介して硬磁性体2にに印加する(S305)。
次に、S306でk=k+1として測定対象物1の位置
y(k)を設定し(S307)、この状態でS301に
おいて設定した磁界印加条件Pで測定対象物1を介して
硬磁性体2に磁界を印加し(S308)、これら種々の
位置y(k)の下で硬磁性媒体2から発生する媒体ノイ
ズM(k)をノイズ測定器9により測定する(S30
9)。すなわち、S305〜S309の処理をS310
でk=N3となるまで、つまり全ての距離yについて行
う。
【0041】このようにN3種類の距離y(k)で媒体
ノイズM(k)を測定した後、図8に示されるような位
置yと媒体ノイズMとの関係を算出し(S311)、媒
体ノイズMが最大となる位置ymaxを求める(S31
2)。ここで、媒体ノイズMが最大となる測定対象物1
を介しての硬磁性体2への印加磁界は、硬磁性媒体2の
残留保磁力Hcと一致する。そこで、磁界印加条件Pが
一定のときの媒体ノイズMが最大となる位置ymaxに
おける測定対象物1の漏れ磁界強度は、残留保磁力Hc
で定義して決定する(S313)。なお、S311〜S
313の処理は、コントローラ10を介して入出力装置
/解析装置11によって行われる。
【0042】このように第3の測定モードによれば、測
定対象物1を介しての硬磁性体2に対する磁界印加条件
Pが一定の下での媒体ノイズMが最大となる位置yma
xでの測定対象物1の漏れ磁界強度を硬磁性媒体2の残
留保磁力Hcで定義することにより測定することができ
る。
【0043】<第4の測定モード>この測定モードは、
第2の測定モードと第3の測定モードを組み合わせたも
ーであり、その測定手順を図9のフローチャートに示
す。
【0044】まず、測定対象物1を介して硬磁性体2に
磁界を印加する磁界印加手段5の磁界印加条件Pを設定
し(S401)、次いで媒体貯蔵庫6に貯蔵する硬磁性
媒体の選択条件を設定して、残留保磁力Hcの異なるN
2種類の硬磁性媒体を用意する(S402)。次いで、
S403でk=k+1,j=0とした後、一つの硬磁性
媒体jを選択して媒体駆動機構4上に設定する(S40
4)。この硬磁性媒体jの残留保磁力をHc(j)とす
る。
【0045】次に、硬磁性媒体2に対する測定対象物1
の相対位置(距離y)の条件をN3種類設定する(S4
05)。次いで、S406でj=j+1,k=0とし、
S407でk=k+1とした後、硬磁性媒体2の磁化が
飽和磁化に達する磁界を磁界印加手段5によって測定対
象物1を介して硬磁性体2に印加する(S408)。次
に、測定対象物1の位置y(k)を設定し(S40
9)、この状態でS401において設定した磁界印加条
件Pで測定対象物1を介して硬磁性体2に磁界を印加し
(S410)、これら種々の位置y(k)の下で硬磁性
媒体2から発生する媒体ノイズM(k)をノイズ測定器
9により測定する(S411)。すなわち、S404〜
S411の処理をS412でk=N3となるまで繰り返
す。
【0046】このようにN3種類の距離y(k)で媒体
ノイズM(k)を測定した後、図8に示される距離yと
媒体ノイズMとの関係を算出し(S413)、図10
(a)に示されるように媒体ノイズMが最大となる位置
ymax(i)を各iについて求める(S414)。S
404〜S415の処理をS415でj=N2に達する
まで、つまり媒体貯蔵庫6に貯蔵された全ての硬磁性媒
体について行い、図10(b)に示されるymaxとH
cの関係を算出する(S416)。そして、これらym
axとHcの関係から、磁界印加条件Pにおける測定対
象物1の漏れ磁界強度の位置ymaxに対する依存性を
求める(S417)。なお、S413〜S417の処理
は、コントローラ10を介して入出力装置/解析装置1
1によって行われる。
【0047】このように第4の測定モードによれば、媒
体ノイズが最大となる位置ymaxに対する測定対象物
1の漏れ磁界強度の依存性を測定することができる。 <第5の測定モード>この測定モードは第1の測定モー
ドと第4の測定モード(第2の測定モードと第3の測定
モードの組み合わせ)を組み合わせたものであり、その
測定手順を図11のフローチャートに示す。
【0048】まず、硬磁性媒体2に対する物測定対象物
1の相対位置(距離y)の条件をN3種類設定する(S
501)。次いで、S502でk=0とした後、測定対
象物1の位置y(k)を設定し(S503)、次いで媒
体貯蔵庫6に貯蔵する硬磁性媒体の選択条件を設定し
て、残留保磁力Hcの異なるN2種類の硬磁性媒体を用
意する(S504)。次いで、S505でk=k+1,
j=0とした後、硬磁性媒体jを選択して媒体駆動機構
4上に設定する(S506)。この硬磁性媒体jの残留
保磁力をHc(j)とする。
【0049】次に、測定対象物1を介して硬磁性対2に
磁界を印加する磁界印加手段5の磁界印加条件PをN1
種類設定する(S507)。次いで、S508でj=j
+1,i=0、S509でi=i+1とした後、硬磁性
媒体2の磁化が飽和磁化に達する磁界を磁界印加手段5
によって測定対象物1を介して硬磁性体2に印加する
(S510)。
【0050】次に、S510での飽和磁化状態と180
°異なる方向の磁界を磁界印加手段5によって磁界印加
条件P(i)で測定対象物1を介して硬磁性体2に印加
し(S511)、これら種々の磁界印加条件P(i)の
下で硬磁性媒体2から発生する媒体ノイズM(i)をノ
イズ測定器9により測定する(S512)。すなわち、
S509〜S512の処理をS513でi=N1となる
まで繰り返す。
【0051】このようにN1種類の磁界印加条件P
(i)の下で媒体ノイズM(i)を測定した後、図8に
示されるような磁界印加条件Pと媒体ノイズMとの関係
を算出し(S514)、媒体ノイズMが最大となる磁界
印加条件Pmax(j)を各jについて求める(S51
5)。S506〜S515の処理をS516でj=N2
に達するまで、つまり媒体貯蔵庫6に貯蔵された全ての
硬磁性媒体について行い、PmaxとHcの関係を算出
する(S517)。そして、これらPmaxとHcの関
係から、硬磁性媒体2に対する測定対象物1の相対位置
(距離y)が一定のときの漏れ磁界強度の条件Pmax
に対する依存性を求める(S518)。S503〜S5
18の処理をS519でk=3となるまで、つまり全て
の距離yについて行い、磁界印加条件Pmaxでの距離
yと残留保磁力Hcとの関係を算出する(S520)。
【0052】このように第5の測定モードによれば、測
定対象物1の漏れ磁界強度の磁界印加条件Pに対する依
存性および距離yに対する依存性の両方を求めることが
できる。
【0053】(第3の実施例)図12は、本発明の第3
の実施例に係る漏れ磁界強度測定装置の概略構成図であ
り、ハードディスク装置に適用した例を示している。同
図において、漏れ磁界強度を測定すべき測定対象物は誘
導型ヘッド21であり、磁気ディスクである硬磁性媒体
22に近接して、かつ駆動装置23により硬磁性媒体2
2の半径方向に移動可能に設けられている。硬磁性媒体
22は、残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒体を貯蔵し
た媒体貯蔵庫26からコントローラ30の制御の下で選
択されてスピンドルモータ34上にセットされ、回転駆
動される。
【0054】図13は、誘導型ヘッド21の具体例であ
り、先端にギャップ42を有するリング状の磁気コア4
1と、これに巻かれたコイル43からなる。本実施例で
は、ギャップ42の漏れ磁界強度を測定する。電流供給
回路25は、コントローラ30の制御の下でコイル43
に電流を供給する。このコイル43に供給する電流の方
向および大きさをコントローラ30によってコントロー
ルすることにより、ギャップ43からの漏れ磁界の方向
および強度をコントロールすることができる。本実施例
では、誘導型ヘッド21自身が電流供給回路25と共に
磁界印加手段を構成する。
【0055】図12に説明を戻すと、硬磁性媒体22に
近接して、かつ駆動装置28により硬磁性媒体22の半
径方向に移動可能に、硬磁性媒体22から漏れ磁束を感
知する磁束感知部27が設けられている。この磁束感知
部27は、例えば再生ヘッドとして使用されるMRヘッ
ド(磁気抵抗効果型ヘッド)を用いることができる。こ
の磁束感知部27の出力信号は、増幅器32で増幅され
た後、ノイズ測定器29に入力され、硬磁性媒体22の
媒体ノイズが測定される。
【0056】コントローラ30は、駆動装置23、2
8、スピンドルモータ24、電流供給回路25、媒体貯
蔵庫26、ノイズ測定器29および入出力装置/解析装
置31の制御を行うと共に、ノイズ測定器29からの出
力信号を入出力装置/解析装置31に伝達する。入出力
装置/解析装置31は、コントローラ30からの指令に
基づき誘導型ヘッド21の漏れ磁界強度測定のための入
出力処理および解析処理を行う。
【0057】本実施例の漏れ磁界強度測定装置は、4つ
の測定モード(第6の測定モード、第7の測定モード、
第8の測定モード、第9の測定モードとする)を有す
る。以下、各測定モードについて説明する。
【0058】<第6の測定モード>この測定モードは、
先に説明した第1の測定モードと同様に、誘導型ヘッド
21が硬磁性媒体22に対し一定の相対位置(距離y)
にあるときのヘッド21の漏れ磁界強度を測定するモー
ドであり、その測定手順を図14のフローチャートに示
す。
【0059】まず、媒体貯蔵庫26からある残留保磁力
Hcの硬磁性媒体22を選択してスピンドルモータ24
上に設定し(S601)、さらに誘導型ヘッド21のコ
イル43に流す電流値をN1種類設定する(S60
2)。次いで、S603でi=0、S604でi=i+
1とした後、硬磁性媒体22の磁化が飽和磁化に達する
磁界(起磁力)が硬磁性媒体22に印加されるように、
直流電流I1をコイル43に流す(S605)。
【0060】次に、I1と逆方向の種々の電流値の直流
電流I2(i)を流し(S606)、これら種々の電流
I2(i)の下で硬磁性媒体22から発生する媒体ノイ
ズM(i)をノイズ測定器29により測定する(S60
7)。すなわち、S604〜S607の処理をS608
でi=N1となるまで繰り返す。
【0061】このようにN1種類の直流電流I2(i)
の下で媒体ノイズM(i)を測定した後、図15に示さ
れるような直流電流I2と媒体ノイズMとの関係を算出
し(S609)、媒体ノイズMが最大となる電流値CI
を求める(S610)。ここで、媒体ノイズMが最大と
なる電流値CIは、硬磁性媒体22の残留保磁力Hcと
一致する。そこで、誘導型ヘッド21が硬磁性媒体22
に対して一定のの相対位置(距離y)にあるときの電流
値CI(起磁力V)での誘導型ヘッド21の漏れ磁界強
度を残留保磁力Hcで定義して決定する(S611)。
なお、S609〜S611の処理は、コントローラ30
を介して入出力装置/解析装置31によって行われる。
【0062】このように第6の測定モードによれば、誘
導型ヘッド21が硬磁性媒体22に対して一定の相対位
置(距離y)にあるときの、媒体ノイズMが最大となる
電流値CIでの誘導型ヘッド21の漏れ磁界強度を硬磁
性媒体22の残留保磁力Hcで定義することにより測定
することができる。
【0063】ハードディスク装置などの磁気ディスク装
置では、誘導型ヘッド21と硬磁性媒体22との間の距
離、すなわちスペーシングが重要であり、このスペーシ
ングの下で誘導型ヘッド21から硬磁性媒体2に印加さ
れる磁界の強度を知ることが誘導型ヘッド2の最適設計
を行う上で重要となる。本実施例によれば、このような
所定のスペーシングの下での誘導型ヘッド21から硬磁
性媒体2に印加される磁界の強度、つまり相対位置yに
おける誘導型ヘッド21の漏れ磁界強度を測定すること
ができるので、誘導型ヘッド2の最適設計に有用であ
る。
【0064】<第7の測定モード>この測定モードは、
誘導型ヘッド21の漏れ磁界強度のImax依存性、す
なわち媒体ノイズMが最大となる電流値Imaxに対す
る誘導型ヘッド21の漏れ磁界強度の依存性を測定する
モードであり、その測定手順を図16のフローチャート
に示す。
【0065】まず、硬磁性媒体22に対する誘導型ヘッ
ド21の相対位置(距離y)を設定し(S701)、次
いで媒体貯蔵庫26に貯蔵する硬磁性媒体の選択条件を
設定して残留保磁力Hcの異なるN2種類の硬磁性媒体
を用意し(S702)、S703でj=0とした後、一
つの硬磁性媒体jを選択してスピンドルモータ24上に
設定する(S704)。この硬磁性媒体jの残留保磁力
をHc(j)とする。
【0066】次に、誘導型ヘッド21のコイル43に流
す電流値をN1種類設定する(S705)。次いで、S
706でj=j+1,i=0、S707でi=i+1と
した後、硬磁性媒体22の磁化が飽和磁化に達する直流
電流I1を誘導型ヘッド21のコイル43に流す(S7
08)。
【0067】次に、I1と逆方向の種々の電流値の直流
電流I2(i)をコイル43に流し(S709)、これ
ら種々の電流I2(i)の下で硬磁性媒体22から発生
する媒体ノイズM(i)をノイズ測定器29により測定
する(S710)。すなわち、S707〜S710の処
理をS711でi=N1となるまで繰り返す。
【0068】このようにN1種類の直流電流I2(i)
の下で媒体ノイズM(i)を測定した後、電流I2
(i)と媒体ノイズMとの関係を算出し(S712)、
図17(a)に示されるように媒体ノイズMが最大とな
る電流値I2max(j)を各jについて求める(S7
13)。S703〜S714の処理をS714でj=N
2に達するまで、つまり媒体貯蔵庫26に貯蔵された全
ての硬磁性媒体について行い、ImaxとHcの関係を
算出する(S715)。そして、これらI2maxとH
cの関係から、図17(b)に示されるように硬磁性媒
体22に対する距離がyのときの誘導型ヘッド21の起
磁力Vに対する漏れ磁界強度の依存性を求める(S71
6)。なお、S712〜S716の処理は、コントロー
ラ30を介して入出力装置/解析装置31によって行わ
れる。
【0069】このように第7の測定モードによれば、残
留保磁力の異なる複数の硬磁性媒体を選択的に用いて第
6の測定モードと同様の測定手順を実行することによ
り、媒体ノイズが最大となる起磁力Vに対する誘導型ヘ
ッド21の漏れ磁界強度の依存性を測定することができ
る。
【0070】<第8の測定モード>この測定モードは、
誘導型ヘッド21に流す電流が一定の時の漏れ磁界強度
の位置依存性を測定するモードであり、その測定手順を
図18のフローチャートに示す。
【0071】まず、誘導型ヘッド21に流す直流電流I
2の値を設定し(S801)、引き続き媒体貯蔵庫26
からある残留保磁力Hcの硬磁性媒体2を選択してスピ
ンドルモータ24上に設定し(S802)、さらに硬磁
性媒体22に対する誘導型ヘッド21の相対位置(距離
y)の条件をN3種類設定する(S803)。次いで、
S804でk=0とした後、硬磁性媒体22の磁化が飽
和磁化に達する直流電流I1を誘導型ヘッド21のコイ
ル43に流す(S805)。
【0072】次に、S806でk=k+1として硬磁性
媒体22に対する誘導型ヘッド21の相対位置y(k)
を設定し(S807)、この状態でS801において設
定した直流電流I2をコイル43に流し(S808)、
これら種々の位置y(k)の下で硬磁性媒体22から発
生する媒体ノイズM(k)をノイズ測定器29により測
定する(S809)。すなわち、S805〜S809の
処理をk=N3となるまで繰り返す。
【0073】このようにN3種類の位置y(k)の下で
媒体ノイズM(k)を測定した後、図19に示されるよ
うな位置yと媒体ノイズMとの関係を算出し(S81
1)、媒体ノイズMが最大となる位置ymaxを求める
(S812)。ここで、媒体ノイズMが最大となる誘導
型ヘッド21への印加磁界は、硬磁性媒体2の残留保磁
力Hcと一致する。従って、誘導型ヘッド21のコイル
43に流す電流I2が一定のときの、媒体ノイズMが最
大となる位置ymaxにおける誘導型ヘッド21の漏れ
磁界強度は、残留保磁力Hcで定義できる(S81
3)。なお、S811〜S813の処理は、コントロー
ラ30を介して入出力装置/解析装置31によって行わ
れる。
【0074】このように第8の測定モードによれば、誘
導型ヘッド21に流す電流I2が一定の下での媒体ノイ
ズMが最大となる位置ymaxでの誘導型ヘッド21の
漏れ磁界強度を硬磁性媒体22の残留保磁力Hcで定義
することにより測定することができる。
【0075】<第9の測定モード>この測定モードは、
第7の測定モードと第8の測定モードを組み合わせたも
のであり、その測定手順を図20に示す。
【0076】まず、誘導型ヘッド21に流す直流電流I
2の値を設定し(S901)、次いで媒体貯蔵庫26に
貯蔵する硬磁性媒体の選択条件を設定して、残留保磁力
Hcの異なるN2種類の硬磁性媒体を用意する(S90
2)。次いで、S903でk=k+1,j=0とした
後、一つの硬磁性媒体jを選択してスピンドルモータ2
4上に設定する(S904)。この硬磁性媒体jの残留
保磁力をHc(j)とする。
【0077】次に、硬磁性媒体22に対する誘導型ヘッ
ド21の相対位置(距離y)の条件をN3種類設定する
(S905)。次いで、S906でj=j+1,k=0
とし、S907でk=k+1とした後、硬磁性媒体2の
磁化が飽和磁化に達する直流電流I1を誘導型ヘッド2
1のコイル43に流す(S908)。次に、硬磁性媒体
22に対する誘導型ヘッド21の相対位置y(k)を設
定し(S909)、この状態でS901において設定し
た直流電流I2をコイル43に流し(S910)、これ
ら種々の位置y(k)の下で硬磁性媒体2から発生する
媒体ノイズM(k)をノイズ測定器29により測定する
(S911)。すなわち、S904〜S911の処理を
S912でk=N3となるまで繰り返す。
【0078】このようにN3種類の距離y(k)で媒体
ノイズM(k)を測定した後、図19に示される距離y
と媒体ノイズMとの関係を算出し(S913)、図21
(a)に示されるように媒体ノイズMが最大となる位置
ymax(i)を各iについて求める(S914)。S
904〜S915の処理をS915でj=N2に達する
まで、つまり媒体貯蔵庫26に貯蔵された全ての硬磁性
媒体について行い、図21(b)に示されるymaxと
Hcの関係を算出する(S916)。そして、これらy
maxとHcの関係から、電流I2における誘導型ヘッ
ド21の漏れ磁界強度の位置ymaxに対する依存性を
求める(S917)。なお、S913〜S917の処理
は、コントローラ30を介して入出力装置/解析装置3
1によって行われる。このように第9の測定モードによ
れば、媒体ノイズが最大となる位置ymaxに対する誘
導型ヘッド21の漏れ磁界強度の依存性を測定すること
ができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば磁
性体よりなる測定対象物に近接して硬磁性媒体を配置し
た状態で測定対象物を介して硬磁性媒体に磁界を印加
し、その印加磁界に基づく硬磁性媒体からの漏れ磁束を
感知して測定した硬磁性媒体の媒体ノイズが最大となる
ときの測定対象物の漏れ磁界強度を硬磁性媒体の残留保
磁力で定義して求めることにより、漏れ磁界強度自体、
さらには硬磁性媒体に対する測定対象物の相対位置や、
測定対象物を介しての硬磁性媒体への磁界印加条件に対
する漏れ磁界強度の依存性を求めることができる。
【0080】すなわち、第1の漏れ磁界強度測定装置に
よれば、測定対象物が硬磁性媒体に対して一定の相対位
置にあり、かつ媒体ノイズが最大となる磁界印加条件で
の漏れ磁界強度を硬磁性媒体の残留保磁力で定義するこ
とができる。
【0081】また、第2の漏れ磁界強度測定装置によれ
ば、測定対象物が硬磁性媒体に対して一定の相対位置に
あるときの漏れ磁界強度の媒体ノイズが最大となる磁界
印加条件に対する依存性を求めることができる。
【0082】また、第3の漏れ磁界強度測定装置によれ
ば、一定の磁界印加条件下での媒体ノイズが最大となる
相対位置における漏れ磁界強度を硬磁性媒体の残留保磁
力で定義することができる。
【0083】また、第4の漏れ磁界強度測定装置によれ
ば、一定の磁界印加条件の下での媒体ノイズが最大とな
る相対位置に対する漏れ磁界強度の依存性を求めること
ができる。
【0084】また、第5の漏れ磁界強度測定装置によれ
ば、媒体ノイズが最大となる相対位置に対する漏れ磁界
強度の依存性および媒体ノイズが最大となる磁界印加条
件に対する漏れ磁界強度の依存性を求めることができ
る。
【0085】従って、本発明による漏れ磁界強度測定装
置は、特にハードディスク装置に代表される磁気ディス
ク装置などの磁気記録装置における誘導型ヘッドの最適
設計を行う上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る漏れ磁界強度測
定装置の構成を示すブロック図
【図2】 第1の測定モードの測定手順を示すフローチ
ャート
【図3】 磁界印加条件と媒体ノイズの関係を示す図
【図4】 第2の測定モードの測定手順を示すフローチ
ャート
【図5】 種々の残留保磁力の硬磁性媒体についての媒
体ノイズが最大となる磁界印加条件と媒体ノイズの関係
および媒体ノイズが最大となる磁界印加条件と測定対象
物の漏れ磁界強度の関係を示す図
【図6】 本発明の第2の実施例に係る漏れ磁界強度測
定装置の構成を示すブロック図
【図7】 第3の測定モードの測定手順を示すフローチ
ャート
【図8】 硬磁性媒体に対する測定対象物の相対位置と
媒体ノイズの関係を示す図
【図9】 第4の測定モードの測定手順を示すフローチ
ャート
【図10】 種々の残留保磁力の硬磁性媒体についての
媒体ノイズが最大となる相対位置と媒体ノイズの関係お
よび媒体ノイズが最大となる相対位置と測定対象物の漏
れ磁界強度の関係を示す図
【図11】 第5の測定モードの測定手順を示すフロー
チャート
【図12】 本発明の第3の実施例に係る漏れ磁界強度
測定装置の構成を示すブロック図
【図13】 図12における誘導型ヘッドの構成を示す
【図14】 第6の測定モードの測定手順を示すフロー
チャート
【図15】 誘導型ヘッドに流す直流電流と媒体ノイズ
の関係を示す図
【図16】 第7の測定モードの測定手順を示すフロー
チャート
【図17】 種々の残留保磁力の硬磁性媒体についての
媒体ノイズが最大となる直流電流と媒体ノイズの関係お
よび誘導型ヘッドの起磁力と漏れ磁界強度の関係を示す
【図18】 第8の測定モードの測定手順を示すフロー
チャート
【図19】 硬磁性媒体に対する誘導型ヘッドの相対位
置と媒体ノイズの関係を示す図
【図20】 第9の測定モードの測定手順を示すフロー
チャート
【図21】 種々の残留保磁力の硬磁性媒体についての
媒体ノイズが最大となる媒体・ヘッド相対位置と媒体ノ
イズの関係および媒体・ヘッド相対位置と漏れ磁界強度
の関係を示す図
【符号の説明】
1…測定対象物 2…硬磁性媒体 3…測定対象物駆動機構 4…媒体駆動機構 5…磁界印加手段 6…媒体貯蔵庫 7…磁束感知部 8…磁束感知部駆動機構 9…ノイズ測定器 10…コントローラ 11…入出力装置/解析装置 21…誘導型ヘッド 22…硬磁性媒体 23…ヘッド駆動装置 24…スピンドルモータ 25…電流供給回路 26…媒体貯蔵庫 27…磁束感知部 28…ヘッド駆動装置 29…ノイズ測定器 30…コントローラ 31…入出力装置/解析装置 41…磁気コア 42…ギャップ 43…コイル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体よりなる測定対象物に近接して配置
    された硬磁性媒体と、 この硬磁性媒体に前記測定対象物を介して磁界を印加す
    る磁界印加手段と、 この磁界印加手段による印加磁界に基づく前記硬磁性媒
    体からの漏れ磁束を感知する磁束感知手段と、 この磁束感知手段の出力から前記硬磁性媒体の媒体ノイ
    ズを測定するノイズ測定手段と、 このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となるときの前記測定対象物の漏れ磁界強度を前記硬磁
    性媒体の残留保磁力で定義して求める手段とを有するこ
    とを特徴とする漏れ磁界強度測定装置。
  2. 【請求項2】磁性体よりなる測定対象物に近接して配置
    された硬磁性媒体と、 この硬磁性媒体に前記測定対象物を介して磁界を印加す
    る磁界印加手段と、 この磁界印加手段の磁界印加条件を制御する磁界印加条
    件制御手段と、 前記磁界印加手段による印加磁界に基づく前記硬磁性媒
    体からの漏れ磁束を感知する磁束感知手段と、 この磁束感知手段の出力から前記硬磁性媒体の媒体ノイ
    ズを測定するノイズ測定手段と、 このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となる前記磁界印加条件における前記測定対象物の漏れ
    磁界強度を前記硬磁性媒体の残留保磁力で定義して求め
    る手段とを有することを特徴とする漏れ磁界強度測定装
    置。
  3. 【請求項3】磁性体よりなる測定対象物に近接して配置
    される硬磁性媒体と、 この硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒体
    の中から選択する選択手段と、 この選択手段により選択された硬磁性媒体に前記測定対
    象物を介して磁界を印加する磁界印加手段と、 この磁界印加手段の磁界印加条件を制御する磁界印加条
    件制御手段と、 前記磁界印加手段による印加磁界に基づく前記選択手段
    により選択された硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知する
    磁束感知手段と、 この磁束感知手段の出力から前記選択手段により選択さ
    れた硬磁性媒体の媒体ノイズを測定するノイズ測定手段
    と、 このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となる前記磁界印加条件における前記測定対象物の漏れ
    磁界強度を前記選択手段により選択された硬磁性媒体の
    残留保磁力で定義して求める手段とを有することを特徴
    とする漏れ磁界強度測定装置。
  4. 【請求項4】磁性体よりなる測定対象物に近接して配置
    された所定の残留保磁力を有する硬磁性媒体と、 この硬磁性媒体に対する前記測定対象物の相対位置を制
    御する相対位置制御手段と、 前記硬磁性媒体に前記測定対象物を介して磁界を印加す
    る磁界印加手段と、 この磁界印加手段による印加磁界に基づく前記硬磁性媒
    体からの漏れ磁束を感知する磁束感知手段と、 この磁束感知手段の出力から前記硬磁性媒体の媒体ノイ
    ズを測定するノイズ測定手段と、 このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となる前記相対位置における前記測定対象物の漏れ磁界
    強度を前記硬磁性媒体の残留保磁力で定義して求める手
    段とを有することを特徴とする漏れ磁界強度測定装置。
  5. 【請求項5】磁性体よりなる測定対象物に近接して配置
    される硬磁性媒体と、 この硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒体
    の中から選択する選択手段と、 この選択手段により選択された硬磁性媒体に対する前記
    測定対象物の相対位置を制御する相対位置制御手段と、 前記選択手段により選択された硬磁性媒体に前記測定対
    象物を介して磁界を印加する磁界印加手段と、 この磁界印加手段による印加磁界に基づく前記選択手段
    により選択された硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知する
    磁束感知手段と、 この磁束感知手段の出力から前記硬磁性媒体の媒体ノイ
    ズを測定するノイズ測定手段と、 このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となる前記相対位置における前記測定対象物の漏れ磁界
    強度を前記選択手段により選択された硬磁性媒体の残留
    保磁力で定義して求める手段とを有することを特徴とす
    る漏れ磁界強度測定装置。
  6. 【請求項6】磁性体よりなる測定対象物に近接して配置
    される硬磁性媒体と、 この硬磁性媒体を残留保磁力の異なる複数の硬磁性媒体
    の中から選択する選択手段と、 この選択手段により選択された硬磁性媒体に対する前記
    測定対象物の相対位置を変化させる相対位置制御手段
    と、 前記選択手段により選択された硬磁性媒体に前記測定対
    象物を介して磁界を印加する磁界印加手段と、 この磁界印加手段の磁界印加条件を制御する磁界印加条
    件制御手段と、 前記磁界印加手段による印加磁界に基づく前記選択手段
    により選択された硬磁性媒体からの漏れ磁束を感知する
    磁束感知手段と、 この磁束感知手段の出力から前記硬磁性媒体の媒体ノイ
    ズを測定するノイズ測定手段と、 このノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となる前記磁界印加条件における前記測定対象物の漏れ
    磁界強度を前記選択手段により選択された硬磁性媒体の
    残留保磁力で定義して求める手段と、 前記ノイズ測定手段により測定された媒体ノイズが最大
    となる前記相対位置における前記測定対象物の漏れ磁界
    強度を前記選択手段により選択された硬磁性媒体の残留
    保磁力で定義して求める手段とを有することを特徴とす
    る漏れ磁界強度測定装置。
  7. 【請求項7】前記測定対象物はギャップを有する磁気コ
    アにコイルを巻いて構成される誘導型ヘッドであり、前
    記磁界印加手段は該誘導型ヘッドのコイルに電流を流す
    ことによって前記硬磁性媒体に磁界を印加することを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の漏れ磁
    界強度測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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