JP2003139745A - 焼入硬度測定装置及びその設計方法 - Google Patents

焼入硬度測定装置及びその設計方法

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JP2003139745A
JP2003139745A JP2001335350A JP2001335350A JP2003139745A JP 2003139745 A JP2003139745 A JP 2003139745A JP 2001335350 A JP2001335350 A JP 2001335350A JP 2001335350 A JP2001335350 A JP 2001335350A JP 2003139745 A JP2003139745 A JP 2003139745A
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Hiroaki Yano
博明 矢野
Minoru Tanaka
穰 田中
Yuji Goto
雄治 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低消費電力でコンパクトな携帯型として、硬
度Hv500以上の硬い焼入鋼材の硬度でも感度よく、且
つ、正確に測定することが可能な焼入硬度測定装置を提
供しようとするものである。 【構成】 焼入鋼材を磁化して渦電流を発生させるため
の100A/m〜1000A/mの交流磁場を発生する励磁コイル
と、励磁コイルと同心で、且つ、励磁コイルの内側に配
置され、渦電流で誘起される誘導磁場による起電力を検
出する検出コイルとで構成される。励磁コイルのサイズ
は、同一硬度の焼入鋼材に対する検出コイルの出力電圧
の変動幅が、該出力電圧の平均値の0.5%以下となるよ
うなサイズである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、焼入硬度測定装
置及びその設計方法に係わり、更に詳しくは鋼材の焼入
による表面の硬度を非破壊で測定する焼入硬度測定装置
及びその設計方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材は焼入により硬化し強くなること
から、高強度を必要とする鉄鋼部品の多くは熱処理が施
されている。熱処理後の各種焼入鋼材は強度保障のため
硬化層の深さや表面硬度を検査する必要がある。現在、
量産熱処理ラインにおける熱処理検査では、抜き打ち的
に焼入鋼材を切断し、研磨処理を施した後に、ビッカス
硬度計等を用いて断面強度を測定する破壊検査が主流で
ある。しかしこの手法は検査時間がかかり、また大量製
造ラインにおける全数検査は不可能であるため、不良品
や未処理鋼材の混入を未然に防ぐことが困難である。そ
のため近年では製造ラインの高効率化の追求も伴い、簡
便でかつ高速非接触での非破壊検査手段が求められてい
る。
【0003】そこで、このような要求に対応すべく渦流
試験法が考案されている。この渦流試験法は、交流を流
した試験コイルを試験材に近づけて材料中に渦電流を発
生させ、材料特性により変化する反抗磁場の強弱を検出
する試験法である。その中でも、従来から、自己誘導形
単一コイルを用いる自己誘導形渦流試験法が採用されて
いる。図7は、この自己誘導形渦流試験法を、焼入鋼材
表面の硬度検査に適用した場合の、インピーダンス計測
結果である。この測定では、周波数30kHzの自己誘導形
単一コイル(直径2mm、厚み0.7mm、巻数165ターン)を使
用しており、高周波焼入鋼材の表面(表面硬度:Hv700)
上を、リフトオフの距離0.2mmで一定に保ったまま、こ
の自己誘導形単一コイルを平行移動させて、インピーダ
ンス(抵抗R、リアクタンスwL)を計測したもので、横軸
は移動距離を、縦軸は各測定値をその測定値の平均値で
割った割合のバラツキを示している。図7からは、測定
値のバラツキが大きく、値が一定しないことが分かる。
【0004】また、図8、図9、図10は、鋼材の焼入
による硬度の変化に対する、導電率、初期磁化特性、及
び透磁率のバラツキの各変化の測定結果である。図8は
硬度の変化に対する導電率σの変化を示す。この測定で
は、焼入鋼材をS45Cに限定するとともに、直径9mm、長
さ500mmの無心焼入処理を施した各硬度の鋼材を作成
し、ダブルブリッジ低抵抗測定回路により測定を行なっ
た。図8から、焼入鋼材の硬度が増すにつれて、導電率
は減少傾向を示すことがわかる。図9、図10は、硬度
の変化に対する無心焼入鋼材の初期磁化曲線、および、
初期磁化領域における透磁率のバラツキ率の最大値を示
す。この測定は、図11に示す測定装置を用いて行なっ
た。この測定装置では、各硬度別無心焼入鋼材を電磁石
で隙間無く挟み、図のx軸方向に一様に0.1Hzの低周波で
磁化させ、試験鋼材に直接巻いた検出コイル(幅Cd=15m
m、巻き数200ターン)により磁束密度Bを測定し、x軸方
向の交流磁場Hを、磁極間に垂直に検出コイルに密着さ
せるかたちで配置させたガウスメータのホールプローブ
により測定して、各硬度別焼入鋼材のB-H曲線を求め
た。また透磁率のバラツキは、検出コイル(幅Cd=4m
m、巻き数50ターン)とガウスメータのホールプローブ
の位置を同じとし、交流磁場Hの値は一定としたまま、
検出コイルおよびホールプローブをx軸方向に平行移動
させ、各点における磁束密度から透磁率を求めて、その
バラツキを測定した。図10では、交流磁場Hを横軸に
表し、縦軸には透磁率のバラツキの最大値を%で表示し
ている。図9から、焼入鋼材は硬度が増すと初期磁化曲
線が減少することがわかる。これは、焼入鋼材が焼鈍材
と比べると単位結晶格子内に含まれる炭素原子数が多い
ため、磁場を加えた際、磁壁の移動に障害が生じるため
と考えられる。また、図10からは、硬度に比例して透
磁率のバラツキも増大することが分かる。また透磁率の
バラツキを低減させるには交流磁場Hを増加させるとよ
いが、硬度に比例して、その増加必要量も大きくなるこ
とがわかる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の結果によれば、
まず、図7からは、上述したように測定値のバラツキが
大きく表れ、値が一定しないことが分かる。この測定値
のバラツキを低減させるには、永久磁石等の直流磁化を
用いて焼入鋼材を未飽和および完全磁気飽和磁化させた
状態で、自己誘導形渦流試験法を適用する方法が有用で
ある。しかし、この方法では直流磁化力が大きい程バラ
ツキは低減されるものの、直流磁化力が大きくなると安
定したリフトオフの維持に問題が生じる。上述したよう
に、図9から、焼入鋼材は硬度が増すと初期磁化曲線が
減少することから、この関係を利用すると、焼入鋼材の
硬度を測定することが可能であることがわかった。しか
し、図10からは、上述したように、硬度が硬くなるに
つれて透磁率のバラツキが増大し、例えば、硬度Hv500
を超えると、透磁率のバラツキが最大で28%にも達
し、この状態では、正確な測定は困難と考えられる。た
だし、交流磁場を3000A/m以上とすれば、硬度Hv500でも
透磁率のバラツキはほとんど見られない。即ち、交流磁
場の大きさや周波数は、値が大きいほど良い特性が得ら
れると考えられる。しかし、交流磁場を増大すると、励
磁コイルの消費電力が増大し電源が大型化するばかりで
なく、励磁コイルの線材も太くなり、測定装置のサイズ
や重量、コストが上昇するといった問題が生じる。特
に、携帯用として使用可能な焼入硬度測定装置を考える
場合、これは重大な問題となる。そこで、この発明は上
記の問題を解決するためになされたものであって、低消
費電力でコンパクトな携帯型として、硬度Hv500以上の
硬い焼入鋼材の硬度でも感度よく、且つ、正確に測定す
ることが可能な焼入硬度測定装置を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、数値
解析手法を用いて、鋼材の焼入硬度測定をシミュレーシ
ョンした結果、交流磁化を用いた相互誘導形渦流試験法
を採用して、これに用いられる相互誘導形渦流試験プロ
ーブの励磁コイルの形状を工夫することにより、透磁率
のバラツキに影響されずに鋼材の焼入硬度測定ができる
ことを見出した。これは、実験でも確かめている。即
ち、本発明の焼入硬度測定装置は、焼入鋼材の表層部の
硬度を非破壊で測定する焼入硬度測定装置であって、焼
入鋼材を磁化して渦電流を発生させるための100A/m〜10
00A/mの交流磁場を発生する励磁コイルと、この励磁コ
イルと同心で、且つ、この励磁コイルの内側に配置さ
れ、渦電流で誘起される誘導磁場による起電力を検出す
る検出コイルとで構成され、励磁コイルのサイズは、同
一硬度の焼入鋼材に対する検出コイルの出力電圧の変動
幅が、この出力電圧の平均値の0.5%以下となるような
サイズであることを特徴としている。
【0007】上記の焼入硬度測定装置において、交流磁
場の値として、好ましくは300A/m〜500A/mとすることが
推奨される。
【0008】また、上記の焼入硬度測定装置において、
交流磁場の周波数として、10Hz〜100kHzとすることが
推奨される。
【0009】また、焼入硬度測定装置の形状として、検
出コイルが、焼入鋼材の表面と平行に対面するリング状
の面を有するドーナツ状で、内径、外径、及び、高さ
が、それぞれ、要求される分解能を満足するコイル特性
となるような寸法であり、励磁コイルが、焼入鋼材の表
面と平行に対面するリング状の面を有するドーナツ状
で、内径、及び、高さが一定であり、外径を、同一硬度
の焼入鋼材に対する検出コイルの出力電圧の変動幅が、
この出力電圧の平均値の0.5%以下であることを満足す
るコイル特性となるような寸法の中で、最小とすること
が推奨される。
【0010】上記の焼入硬度測定装置の設計方法として
は、次の方法が推奨される。即ち、焼入鋼材の表層部の
硬度を非破壊で測定するための、焼入鋼材を磁化して渦
電流を発生させるための100A/m〜1000A/mの交流磁場を
発生する励磁コイルと、この励磁コイルと同心で、且
つ、この励磁コイルの内側に配置され、渦電流で誘起さ
れる誘導磁場による起電力を検出する検出コイルとで構
成される焼入硬度測定装置の設計方法であって、検出コ
イルを、焼入鋼材の表面と平行に対面するリング状の面
を有するドーナツ状とするとともに、内径、外径、及
び、高さを、それぞれ、要求される分解能を満足するコ
イル特性となるような寸法とし、励磁コイルを、焼入鋼
材の表面と平行に対面するリング状の面を有するドーナ
ツ状とするとともに、内径、及び、高さを一定として、
外径を、同一硬度の焼入鋼材に対する同一硬度の焼入鋼
材に対する検出コイルの出力電圧の変動幅が、この出力
電圧の平均値の0.5%以下であることを満足するコイル
特性となるような寸法の中で、最小としてなることを特
徴とする焼入硬度測定装置の設計方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付
図面に基づき、更に詳細に説明する。本発明は、交流磁
化を用いた相互誘導形渦流試験法に基づく焼入硬度測定
装置に関するものであり、ここでは、本発明に際し行な
った解析と実験、及びその結果について説明する。解析
としては、図9および図10の実験結果を基に焼入鋼材
内部の磁区の大きさ及び磁気特性のバラツキを模擬した
上で、模擬した励磁コイルと検出コイルとでなるプロー
ブを用いた相互誘導形渦流試験法における、同一硬度の
鋼材に対する検出コイルの出力電圧のバラツキに関する
解析、及び、硬度の異なる焼入鋼材に対する検出コイル
の出力電圧に関する解析について、軸対称三次元等価正
弦波交流非線形解析法を用いて行なった。また、これら
の解析結果を検証するための実験を行なった。
【0012】同一硬度の鋼材に対する検出コイルの出力
電圧のバラツキに関する解析は、以下のように行なっ
た。焼入鋼材は、硬度が増すにつれ初期磁化特性のバラ
ツキが大きくなる。まず、これを解析で模擬するため、
本解析では図10の実験結果を基に、無心焼入を施した
硬度Hv700の鋼材について透磁率のバラツキを考慮した
解析を行ない、H-mr曲線を作成した。即ち、無心焼入を
施した硬度Hv700の焼入鋼材は、図9および図10か
ら、交流磁場Hが200A/mでは±28%の透磁率のバラツキが
あり、200A/mから3000A/mにかけてはバラツキは減少す
るものの存在し、3000A/m以上になるとバラツキがなく
なる。そこで硬度Hv700の焼入鋼材の透磁率のバラツキ
は最大で±28%とし、交流磁場H=3000A/m以上でバラツキ
がなくなるH-mr曲線を作成した。その内、+28%、0%、−
28%の3曲線を示したのが図1である。次に、焼入鋼材の
初期磁化特性のバラツキを解析的に模擬するため、硬度
がHv700の焼入鋼材について、有限要素法における焼入
鋼材領域の要素として、鋼材の長手方向に50mm、鋼材の
表面から厚さ方向に10mmピッチのメッシュ状の分割を行
ない、各分割要素内に、図1に示す初期磁化特性のバラ
ツキをランダムに与えて、焼入鋼材内部の磁区の大きさ
及び磁気特性のバラツキを模擬した。
【0013】次に、上記の解析条件下で、周波数および
印加磁場を一定としたときの、同一の硬度の焼入鋼材に
対する検出コイルの出力電圧の変動率の検討を行った。
本解析では、解析の容易性を考慮して、軸対称三次元等
価正弦波交流非線形解析法を使用した。ここで使用する
交流非線形解析の支配方程式を以下に示す。 rot(n rotA) = Jo−Je (1) divJe = 0 (2) なおA、Jo、Je、n (=1/(mo×mr))は、それぞれ磁気ベク
トルポテンシャル、強制電流密度、渦電流密度、磁気抵
抗率である。渦電流密度Je は次式で表される。 Je = -jwsA (3) ここでw、s は、角周波数、導電率である。また本解析
で用いる焼入鋼材は等方性磁気材料として取り扱った。
この解析手法は、各要素に与えられた初期磁化曲線に合
うよう式(1)の磁気抵抗率nを修正し、収束条件を満たす
まで反復して計算を行なうjw法を使用した非線形解析で
ある。
【0014】本解析に使用した相互誘導形渦流試験法で
用いた模擬プローブの断面斜視図を、図2に示す。図2
において、1はプローブ、2は励磁コイル、3は検出コ
イル、そして、4は焼入鋼材である。このプローブ1
は、ドーナツ状の検出コイル3の周りに、同じくドーナ
ツ状の交流の励磁コイル2を配置した構造で、検出コイ
ル3と励磁コイル2は同心である。また、これらの検出
コイル3と励磁コイル2は、ともに焼入鋼材4の表面か
ら一定の距離dでリフトオフされ、且つ、焼入鋼材4の
表面と平行に対面するリング状の面を有している。渦流
試験法を用いる場合、前述したように、交流磁場の大き
さや周波数は値が大きいほど良い特性が得られると考え
られるが、交流磁場を増大すると励磁コイルの消費電力
が増大し電源が大型化するばかりでなく、コイルの線材
も太くなり、測定装置のサイズや重量、コストが上昇す
るといった問題が生じる。そこで、本解析では、これら
の点を考慮して、実用可能な観点から、プローブ1とし
て、表1に示す3種類のタイプを使用して解析を行なっ
ている。
【0015】
【表1】
【0016】タイプ1からタイプ3は、ともに検出コイ
ル3の仕様が同一で、内半径DSin:0.6mm、外半径DSou
t:1.0mm、高さDSh:0.7mm、そしてコイルの巻き数:1
65ターンである。この検出コイル3のサイズは、要求さ
れる分解能を満足するコイル特性となるような内径、外
径、及び、高さ寸法とする必要があり、上記の各寸法
は、この点について実用的な観点から決定されたもので
ある。また、励磁コイル2の仕様は、高さDEh:50mm、
励磁周波数:30kHz、交流磁場H:500A/mが、タイプ1か
らタイプ3で共通であり、内半径DEinと外半径DEoutが
異なっている。これらの励磁コイル2の仕様は、上述し
たように、測定装置のサイズや重量、コストについて、
実用可能な観点から決定されたものである。励磁コイル
2のこれらのタイプにおける特徴を見ると、タイプ1と
タイプ2は、励磁コイル2の内半径DEinと外半径DEout
の差、つまり励磁コイル2の肉厚がともに同じで5.1mm
であり、タイプ3の1.0mmと異なっている。また、タイ
プ2とタイプ3は、検出コイル3の外半径DSoutと励磁
コイル2の内半径DEinの差、つまり検出コイル3と励磁
コイル2との隙間がともに同じで0mmであり、タイプ1
の1.7mmと異なっている。これらの差異は、タイプ1と
タイプ2、3との解析結果の比較により、検出コイル3
と励磁コイル2との隙間の変化による影響を判断し、タ
イプ1、2とタイプ3との解析結果の比較により、励磁
コイル2の肉厚の変化による影響を判断しようとする意
図に基づくものである。
【0017】図3は、上記の解析の結果を示したもの
で、同一の硬度の焼入鋼材4に対する検出コイル3の出
力電圧の変動率を示している。図3の横軸は、解析的
に、リフトオフの距離0.2mmを保ったまま、図2のr方
向にプローブ1を2mmピッチで模擬移動させた移動距離
を示し、縦軸にはプローブ1の各移動位置で検出コイル
3に得られた出力電圧値をその平均値で割った割合を表
している。同図から、印加磁場が同じでも、励磁コイル
2の肉厚が薄いタイプ3の場合は、得られる値の変動が
大きいが、タイプ1、2の場合のように肉厚が厚くなる
と、値が平均化され、バラツキ率が低下することが理解
できる。また励磁コイル2の肉厚が等しい場合、検出コ
イル3と励磁コイル2との隙間変化の影響はほとんど見
られない。
【0018】上記の解析結果を検証するため、上記と同
様に、同一硬度の焼入鋼材4に対する検出コイル3の出
力電圧の変動を見る実験を行なった。実験に用いた3種
類のプローブの構造は、図2に示す上記の解析に用いた
ものと同じである。この実験に用いた3種類のプローブ
1の検出コイル3は全て同一とし、また、励磁コイル2
については、すべて、その高さDEh:50mm、内径DEin:
2.7mm、励磁周波数:30kHz、交流磁場H:500A/mとし
て、上記の解析と同一とし、外径DEoutを、4mm、8m
m、12mmと変化させている。また、励磁コイル2と検出
コイル3の隙間は1.7mm一定とし、リフトオフの距離を
0.2mmとしている。尚、実験に使用した焼入鋼材は、表
面硬度がHv700均一で、焼入有効深さが4mmの高周波焼入
を施した平板S45C鋼材(70×80×75mm)を用いた。図4
は、この実験の結果を示したものである。図4の横軸
は、プローブ1を平行移動した移動距離を示し、縦軸は
各位置で検出コイル3に得られた出力電圧値をその平均
値で割った割合を示している。図4によれば、解析結果
と同様、実験の結果からも励磁コイル2の肉厚が増すに
つれて、検出コイル3の出力電圧値の変動が低減される
ことがわかる。
【0019】次に、硬度の異なる焼入鋼材に対する検出
コイルの出力電圧に関する解析を行なった。上述した、
同一硬度の焼入鋼材に対する検出コイルの出力電圧の解
析及び実験結果から、励磁コイルとしては、肉厚の大き
い方が測定値のバラツキは小さくなる。そこで、プロー
ブとしては、表1の中で、肉厚の大きいタイプ1を用い
るとともに、表2に示す硬度の異なる焼入鋼材につい
て、上述と同様の軸対称三次元等価正弦波交流非線形解
析法を用いた方法で解析を行なった。ただし、表2のA
1については、上述の解析の結果をそのまま使用してい
る。この解析では、硬度Hv550のA2の鋼材では3000A/m
に至るまでは最大±28%、硬度Hv430のA3の鋼材では20
00A/mに至るまでは最大±15%、そして、硬度Hv245のA
4の鋼材では1500A/mに至るまでは最大±8%の範囲内で
ばらつく各H-mr曲線を作成し、上述と同様にして、有限
要素法の分割領域内にランダムに分布させて、初期磁化
特性のバラツキを与え、焼入鋼材内部の磁区の大きさ及
び磁気特性のバラツキを模擬した。また、この解析で
は、検出コイル3、励磁コイル2と鋼材4とのリフトオ
フの距離を0.2mmとしている。この解析結果を、図5に
示す。図5のグラフにおいて、塗りつぶされたマークの
カーブが、上記の解析結果を示している。また、横軸は
焼入鋼材4の表面硬度を示し、縦軸は、左側が検出コイ
ル3に得られた出力電圧を、右側がその変化の割合を示
している。
【0020】
【表2】
【0021】上記の解析結果を検証するために、上記の
解析と同様、表1のタイプ1のプローブを用いて、表3
に示す硬度の異なる焼入鋼材について、検出コイル3の
出力電圧を求める実験を行なった。これらの鋼材には、
有効焼入深さが4mmの高周波焼入を施した平板S45C鋼材
(70×80×75mm)を用いた。これらの鋼材の表面硬度は、
E1がHv700、E2がHv600、E3がHv500の鋼材、そし
て、E4がHv245(焼鈍材)である。ただし、表3のE1
については、前述の実験の結果をそのまま使用してい
る。この解析結果を、図5に示す。図5のグラフにおい
て、空白マークのカーブが上記の実験結果を示してい
る。
【0022】
【表3】
【0023】図5のグラフから、焼入鋼材の硬度が増加
すると、検出コイル3の出力電圧が減少することがわか
る。表面硬度がHv700の鋼材の場合は、表面硬度がHv245
の焼鈍材の場合に比べて、約8%出力電圧が減少する。
即ち、焼入鋼材の硬度と検出コイル3の出力電圧とは反
比例の関係にあり、この関係を利用することにより、感
度のよい硬度の測定を行なうことができる。また、図5
のグラフから、表2に示す焼入鋼材についての解析結果
と、表3に示す焼入鋼材についての実験結果とが、ほぼ
一致することがわかる。即ち、上述した軸対称三次元等
価正弦波交流非線形解析法を用いた解析の結果が、実際
の測定結果とよく一致するといえる。従って、上述した
解析方法により、相互誘導形渦流試験法に用いる最適な
プローブを設計することが可能である。
【0024】上述した解析及び実験結果から、図2に示
す構造のプローブが、焼入鋼材の硬度の測定に適切であ
ることがわかる。また、励磁コイルで発生させる交流磁
場としては、実用的な観点から、100A/m〜1000A/mが適
当であり、これよりも磁場を弱くすると、鋼材に十分な
渦電流を誘起することができず、これよりも磁場を強く
すると、励磁コイルの消費電力が増大し電源が大型化す
るばかりでなく、コイルの線材も太くなり、測定装置の
サイズや重量、コストが上昇するといった問題が生じ
る。この点で、望ましくは、300A/m〜500A/mが推奨され
る。また、励磁コイルで発生させる交流磁場の周波数
を、10Hz〜100kHzが推奨される。これよりも周波数が
低いと、鋼材に十分な渦電流を誘起することができず、
これよりも周波数が高いと、表皮効果により、鋼材の内
部深くに渦電流を誘起することができないことから、鋼
材の内部深くの硬度測定が困難となる。
【0025】硬度の測定を正確に測定するためには、検
出コイルの出力電圧のバラツキを一定値以下に押さえる
必要があるが、この一定値を出力電圧の平均値の0.5%
とするのが、実用性の観点から妥当である。上述したよ
うに、検出コイルの出力電圧のバラツキは、励磁コイル
のサイズ、特に励磁コイルの内半径と外半径の差から求
められる励磁コイルの肉厚寸法の大小に左右される。そ
こで、励磁コイルのサイズを、同一硬度の焼入鋼材に対
する検出コイルの出力電圧の変動幅が、この出力電圧の
平均値の0.5%以下となるようなサイズ、即ち、励磁コ
イルの内径、及び、高さを一定とした場合に、検出コイ
ルの出力電圧の変動幅がこの出力電圧の平均値の0.5%
以下であることを満足するコイル特性となるような肉厚
寸法とすることが推奨される。逆にいうと、励磁コイル
としては、内径、及び、高さを一定とした場合に、外径
は、同一硬度の前記焼入鋼材に対する前記検出コイルの
出力電圧の変動幅が出力電圧の平均値の0.5%以下であ
ることを満足するコイル特性となるような寸法の中で、
最小とすることが、測定装置のサイズや重量、コストの
観点から最良であると言える。また、このようにするこ
とで、低消費電力でコンパクトな携帯型として、硬度Hv
500以上の硬い焼入鋼材の硬度でも感度よく、且つ、正
確に測定することが可能な焼入硬度測定装置を構成する
ことが出来る。また、焼入硬度測定装置の設計方法とし
ては、このような観点がポイントとなる。
【0026】図6は、焼入鋼材の表面硬度に反比例して
検出コイルの出力電圧が低下する現象は、焼入鋼材の導
電率変化と磁化特性変化のどちらの影響であるかを検討
するために行なった数値解析の結果を、グラフに表した
ものである。この解析は、焼鈍材Hv245の導電率および
磁化曲線を基準とし、導電率だけを変化させた場合と、
磁化曲線だけを変化させた場合について、解析した結果
を比較して示している。図6において、縦軸は検出コイ
ルの出力電圧を、横軸は焼入鋼材の表面硬度を示してお
り、丸マークのカーブは導電率のみ変化させた場合を、
四角マークのカーブは磁化曲線のみ変化させた場合を示
している。図6から、導電率のみ変化させた場合は、焼
入硬度に比例して微量ながら出力電圧は増加するのに対
して、磁化曲線のみ変化させた場合は、硬度に反比例し
て出力電圧は大きく低下することがわかる。この結果か
ら、高周波焼入鋼材の表面硬度に対する検出コイルの出
力電圧の変化は、磁化曲線の変化が主に影響して生じて
いることがわかる。
【0027】
【発明の効果】請求項1から4に記載の発明によれば、
交流磁化を用いた相互誘導形渦流試験法に基づいて焼入
鋼材の硬度を測定するので、測定時の安定したリフトオ
フの維持を図ることができる。また、焼入鋼材の硬度と
検出コイルの出力電圧とは反比例の関係にあり、この関
係を利用して測定を行なうので、焼入鋼材の硬度を感度
よく測定することができる。また、励磁コイルのサイズ
を、同一硬度の前記焼入鋼材に対する前記検出コイルの
出力電圧の変動幅が該出力電圧の平均値の0.5%以下と
なるようなサイズとしているので、焼入鋼材の硬度を正
確に測定することができる。また、励磁コイルの発生す
る交流磁場の値を100A/m〜1000A/m、望ましくは300A/m
〜500A/mとしており、また、交流磁場の周波数を、10Hz
〜100kHzとしているので、測定装置のサイズや重量、
消費電力、コストの観点から、実用的な低消費電力でコ
ンパクトな携帯型の焼入硬度測定装置を提供することが
できる。
【0028】請求項5記載の発明によれば、実用的な低
消費電力でコンパクトな携帯型の焼入硬度測定装置の最
適な設計方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼入鋼材のH-mr曲線を示したグラフ。
【図2】相互誘導形渦流試験法に用いるプローブの断面
斜視図。
【図3】同一硬度の焼入鋼材に対する検出コイルの出力
電圧のバラツキに関する解析結果を示したグラフ。
【図4】同一硬度の焼入鋼材に対する検出コイルの出力
電圧のバラツキに関する実験結果を示したグラフ。
【図5】異なる硬度の焼入鋼材に対する検出コイルの出
力電圧に関する解析結果及び実験結果を示したグラフ。
【図6】検出コイルの出力電圧の変化要因を求める実験
結果を示したグラフ。
【図7】自己誘導形渦流試験法を用いて求めた焼入鋼材
のインピーダンス測定結果を示したグラフ。
【図8】無心焼入鋼材の導電率を示したグラフ。
【図9】無心焼入鋼材の初期磁化曲線を示したグラフ。
【図10】無心焼入鋼材の透磁率のバラツキを示したグ
ラフ。
【図11】焼入鋼材の初期磁化特性及び透磁率の測定装
置の断面図。
【符号の説明】
1 プローブ 2 励磁コイル 3 検出コイル 4 焼入鋼材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G053 AA17 AB21 BC02 BC14 CA03 CA18 DA01 DB01 DB28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼入鋼材の表層部の硬度を非破壊で測定
    する焼入硬度測定装置であって、 前記焼入鋼材を磁化して渦電流を発生させるための100A
    /m〜1000A/mの交流磁場を発生する励磁コイルと、 前記励磁コイルと同心で、且つ、前記励磁コイルの内側
    に配置され、前記渦電流で誘起される誘導磁場による起
    電力を検出する検出コイルとで構成され、 前記励磁コイルのサイズは、同一硬度の前記焼入鋼材に
    対する前記検出コイルの出力電圧の変動幅が、該出力電
    圧の平均値の0.5%以下となるようなサイズであること
    を特徴とする焼入硬度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記交流磁場の値を、300A/m〜500A/mと
    してなる請求項1記載の焼入硬度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記交流磁場の周波数を、10Hz〜100kH
    zとしてなる請求項1または2記載の焼入硬度測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記検出コイルが、前記焼入鋼材の表面
    と平行に対面するリング状の面を有するドーナツ状で、
    内径、外径、及び、高さが、それぞれ、要求される分解
    能を満足するコイル特性となるような寸法であり、 前記励磁コイルが、前記焼入鋼材の表面と平行に対面す
    るリング状の面を有するドーナツ状で、内径、及び、高
    さが一定であり、外径は、同一硬度の前記焼入鋼材に対
    する前記検出コイルの出力電圧の変動幅が該出力電圧の
    平均値の0.5%以下であることを満足するコイル特性と
    なるような寸法の中で、最小でなる請求項1から3のい
    ずれか1項に記載の焼入硬度測定装置。
  5. 【請求項5】 焼入鋼材の表層部の硬度を非破壊で測定
    するための、該焼入鋼材を磁化して渦電流を発生させる
    ための100A/m〜1000A/mの交流磁場を発生する励磁コイ
    ルと、該励磁コイルと同心で、且つ、該励磁コイルの内
    側に配置され、前記渦電流で誘起される誘導磁場による
    起電力を検出する検出コイルとで構成される焼入硬度測
    定装置の設計方法であって、 前記検出コイルを、前記焼入鋼材の表面と平行に対面す
    るリング状の面を有するドーナツ状とするとともに、内
    径、外径、及び、高さを、それぞれ、要求される分解能
    を満足するコイル特性となるような寸法とし、 前記励磁コイルを、前記焼入鋼材の表面と平行に対面す
    るリング状の面を有するドーナツ状とするとともに、内
    径、及び、高さを一定として、外径を、同一硬度の前記
    焼入鋼材に対する前記検出コイルの出力電圧の変動幅
    が、該出力電圧の平均値の0.5%以下であることを満足
    するコイル特性となるような寸法の中で、最小としてな
    ることを特徴とする焼入硬度測定装置の設計方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510916A (ja) * 2003-11-10 2007-04-26 フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. 部分硬化加工物の軟質ゾーン領域の幅を定量的に決定する方法
JP2009109358A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Toyota Motor Corp 焼入パターンの測定方法
JP2010243173A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Ntn Corp 焼入れ品質検査装置および焼入れ品質検査方法
JP2013505443A (ja) * 2009-09-21 2013-02-14 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 表面硬化深さの渦電流検査

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