JPH0970244A - 釣り竿の撥水処理方法とそれにより製造された釣り竿 - Google Patents

釣り竿の撥水処理方法とそれにより製造された釣り竿

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JPH0970244A
JPH0970244A JP22913095A JP22913095A JPH0970244A JP H0970244 A JPH0970244 A JP H0970244A JP 22913095 A JP22913095 A JP 22913095A JP 22913095 A JP22913095 A JP 22913095A JP H0970244 A JPH0970244 A JP H0970244A
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rod material
rod
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JP22913095A
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣り竿の内・外周面に対して強力な撥水処理
を簡易に施す方法、及びかかる撥水処理を施した釣り竿
を提供する。 【解決手段】 プリプレグを芯金の外周に捲着して硬化
させた中空構造の竿素材を、弗素含有重合体又はシリコ
ン含有重合体の微粒子を含有する分散液或いは上記重合
体の溶液に浸漬して含浸を行う。手順としては、(1)
減圧タンク内で竿素材を含浸液に浸漬した状態で減圧し
次いで常圧に戻すか、又は(2)密封容器内を竿素材だ
け収納した状態で減圧し、次いで含浸液を導入して浸漬
し、加圧する。釣り竿の内・外周面には、竿素材の内部
にまで入り込んだ撥水性の含浸層が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣り竿の内・外周
面における水の浸透や付着を阻止するための撥水処理方
法、及びかかる処理を竿素材に施すことによって得られ
る撥水性に優れた釣り竿に関する。
【0002】
【従来の技術】釣り竿表面からその内部に水分が浸透す
ると、竿表面の塗膜層が剥がれ易くなり、いわゆるブリ
スターが発生するという問題がある。また、釣り竿表面
に水が付着し易い場合には、濡れた釣り糸が竿表面に付
着し釣り糸の滑動性が著しく損なわれるという問題があ
り、さらに、ゴミや砂を竿表面に付着させ易いと言う問
題や、竿を洗浄した後の乾燥に時間がかかるという問題
もある。
【0003】このため、釣り竿の内・外周面は、できる
だけ水が浸透、付着しにくいことが望ましく、従来より
種々の撥水処理が行われている。例えば、特願平3−1
0631号公報には、プリプレグを芯金に捲着し、加熱
硬化し、脱芯して得られた竿素材の表面に3弗化塩化エ
チレン樹脂を塗布して塗膜層を形成することによって、
竿表面の損傷や水の浸透を防止し、ブリスターの発生を
低減する技術が開示されている。
【0004】また、特願平5−268858号には、プ
リプレグを芯金に捲着し、加熱硬化し、脱芯して得られ
た中通し竿素材の内面に、ポリウレタンのような他の樹
脂との密着性がよい樹脂塗材と3弗化塩化エチレン又は
4弗化塩化エチレンの重合体等の弗素樹脂粒子との混合
物をコンプレッサーで吹き付けて塗布、乾燥し、樹脂層
を形成することによって、竿内面への釣り糸の付着を防
止する技術が開示されている。
【0005】しかしながら、特願平3−10631号公
報に記載されているような3弗化塩化エチレン樹脂等の
弗素樹脂は、他の樹脂との接着性があまり良くない。そ
のため、これを塗布する場合には、塗膜面と竿素材との
密着性が不足して撥水性の早期劣化を起こし易いという
問題や、充分な密着性を得るための下地処理に手間がか
かるという問題がある。
【0006】一方、特願平5−268858号のように
弗素樹脂粒子と他の樹脂塗材との混合物を用いる場合に
は、弗素樹脂粒子が樹脂塗材中で沈降するため、吹き付
けによって形成した樹脂層の表面に弗素樹脂粒子を均一
に分布させることが困難であり、また、塗布材としての
上記混合物を良好な状態に維持・管理するのも困難であ
る。従って、均一な撥水処理を行いにくく、作業に手間
がかかるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑みてなされたものであり、その目的は、釣り竿の内
・外周面に対して均一な撥水処理を手間をかけず容易に
行うことができ、使用する撥水剤の維持・管理も容易な
優れた撥水処理方法を提供すると共に、かかる処理を竿
素材に施すことによって、強力な撥水性を長期間にわた
って劣化を起こさずに維持できる釣り竿を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、以下の第1〜第8の発明を提供する。先ず、第1の
発明としては、(1)プリプレグを芯金の外周に捲着し
加熱硬化した後に脱芯することによって形成した竿素
材、及び弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒
子とバインダーと分散媒とを含有する分散液或いは弗素
含有重合体又はシリコン含有重合体の溶液の何れかから
なる含浸液を準備する工程と、(2)前記竿素材を、減
圧タンク内に貯留した前記含浸液中に浸漬する工程と、
(3)前記減圧タンク内を減圧することによって浸漬中
の該竿素材を脱泡する工程と、(4)脱泡後に前記減圧
タンク内を常圧に戻すことによって、該竿素材の外周面
及び内周面に微粒子状態又は溶解状態の弗素含有重合体
又はシリコン含有重合体を含浸させる工程とを有するこ
とを特徴とする釣り竿の撥水処理方法が提供される。
【0009】次に、第2の発明としては、(1)プリプ
レグを芯金の外周に捲着し加熱硬化した後に脱芯するこ
とによって形成した竿素材、及び弗素含有重合体又はシ
リコン含有重合体の微粒子とバインダーと分散媒とを含
有する分散液或いは弗素含有重合体又はシリコン含有重
合体の溶液の何れかからなる含浸液を準備する工程と、
(2)前記竿素材を密封容器内に収納後、該密封容器内
を減圧することによって、竿素材を脱泡する工程と、
(3)前記含浸液を前記密封容器内に吸引することによ
って、前記竿素材を含浸液中に浸漬する工程と、(4)
前記密封容器内を加圧することによって、前記竿素材の
外周面及び内周面に微粒子状態又は溶解状態の弗素含有
重合体又はシリコン含有重合体を含浸させた後、常圧に
戻す工程とを有することを特徴とする釣り竿の撥水処理
方法が提供される。
【0010】第3の発明は、上記第1又は第2の発明に
おいて、竿素材として、芯金の外周に水溶性樹脂又は非
水溶性樹脂からなるテープ又はヤーンを所定の間隔をあ
けて捲回し、その外周にプリプレグを捲着し、加熱硬化
した後に脱芯し、得られた中空体の内周面から前記の水
溶性樹脂又は非水溶性樹脂からなるテープ又はヤーンを
除去することによって形成されたものであり、内周面に
竿素材と同じ材質からなる凹凸を有する竿素材を使用す
るというものである。
【0011】第4の発明は、上記第1又は第2の発明に
おいて、竿素材として、芯金の外周に水溶性樹脂又は非
水溶性樹脂からなるテープ又はヤーンを所定の間隔をあ
けて捲回すると共に、捲回した該水溶性樹脂又は非水溶
性樹脂からなるテープ又はヤーン同士の間に前記プリプ
レグと異なる硬質な耐摩耗性の高い材料からなるテープ
又はヤーンを捲回し、その外周にプリプレグを捲着し、
加熱硬化した後に脱芯し、得られた中空体の内周面から
前記の水溶性樹脂又は非水溶性樹脂からなるテープ又は
ヤーンを除去することによって形成されたものであり、
内周面に竿素材よりも耐摩耗性の高い硬質材料からなる
凸部を有する竿素材を使用するというものである。
【0012】第5の発明は、上記第3又は第4の発明に
おいて、竿素材の内周面の凹部に、弗素含有重合体又は
シリコン含有重合体の微粒子及び/又は樹脂を充填する
というものである。
【0013】第6の発明は、上記第1又は第2の発明に
おいて、竿素材として、芯金の外周に撥水性樹脂からな
るテープ又はヤーンを所定の間隔をあけて捲回し、その
外周にプリプレグを捲着し、加熱硬化した後に脱芯する
ことによって形成されたものであり、内周表面に所定の
間隔をあけて撥水性樹脂層を有する竿素材を使用すると
いうものである。
【0014】第7の発明は、上記第1〜第6の何れかの
発明において、竿素材として、芯金の外周に捲着した前
記プリプレグの外周に、さらに前記プリプレグと同じか
又は異なる材料からなるテープ又はヤーンを所定の間隔
をあけて捲回し、加熱硬化した後に脱芯することによっ
て形成されたものであり、外周面に竿素材と同じか又は
異なる材質からなる凸部を有する竿素材を使用するとい
うものである。
【0015】第8の発明は、プリプレグを芯金の外周に
捲着し加熱硬化した後に脱芯することによって形成した
竿素材の表面に、弗素含有重合体又はシリコン含有重合
体の微粒子及び/又は樹脂が含浸されてなることを特徴
とする釣り竿を提供するものである。この第8の発明に
かかる釣り竿は、中空構造の上記竿素材の内・外周面
に、弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒子と
バインダーと分散媒とを含有する分散液或いは弗素含有
重合体又はシリコン含有重合体の溶液を含浸させること
によって製造されるものであり、好適には、上記第1〜
第7の発明にかかる方法によって製造される。
【0016】
【作用】本発明によれば、釣り竿の内・外周面に対して
均一な撥水処理を手間をかけず容易に行うことができ、
強力な撥水性を長期間にわたって保持し続ける釣り竿を
製造することができる。また、使用する撥水剤の維持・
管理も容易である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下において、本発明をさらに具
体的に説明する。本発明の撥水処理方法においては、先
ず初めに、撥水処理を施す対象となる竿素材と、撥水処
理剤である含浸液を準備する必要がある。
【0018】竿素材としては、常法に従って、プリプレ
グを芯金の外周に捲着し加熱硬化した後に脱芯すること
によって形成した中空構造の竿素材を使用する。この竿
素材を形成するには、例えば、図1に示すように、カー
ボン、グラファイト、ボロン、アーマイド、セラミック
ス、金属等の高弾性・高強度の補強繊維に熱可塑性樹脂
又は熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグ2からなるシ
ート、テープ、クロス、クロステープ又はヤーン等を、
芯金1の外周面に対して捲着し、そのままの状態で加熱
硬化させた後、脱芯すればよい。なお、図1は、芯金に
プリプレグを捲着した状態の長手方向断面を部分的に示
したものである。
【0019】このように常法に従って形成された竿素材
は、最も単純な場合には、ただ1種のプリプレグから形
成されるが、後述するように、必要に応じてプリプレグ
以外の形成材料(例えば、耐摩耗性の高強度材料や撥水
性樹脂等)が複合されていてもよい。また、竿素材は中
空構造であるが、中通し竿に限定されるわけではない。
【0020】また、竿素材の表面、特に外周面には、撥
水処理に先立って、公知の方法により保護用或いはデザ
イン用等の塗膜層を形成してもよい。含浸液としては、
弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒子とバイ
ンダーと分散媒とを含有する分散液或いは弗素含有重合
体又はシリコン含有重合体の溶液の何れかを用いる。
【0021】この含浸液のうち、弗素含有重合体の微粒
子とバインダーと分散媒とを含有する分散液とは、キシ
レン、ミネラルスピリット、トルエン、酢酸ブチル、メ
タノール、エチレングリコール、フロリナート等の分散
媒中に、粒径0.3〜4μm程度の弗素含有重合体微粒
子と、弗素樹脂誘導体又は弗素系界面活性剤等のバイン
ダーとを溶解又は分散させたものである。
【0022】また、シリコン含有重合体の微粒子とバイ
ンダーと分散媒とを含有する分散液とは、シリコンが付
いた熱硬化性樹脂の微粒子とバインダとを、トルエン、
リグロイン等の分散媒中に溶解又は分散させたものであ
る。
【0023】但し、分散媒とバインダーは上記のものに
限定されるわけではない。含浸液は、弗素含有重合体又
はシリコン含有重合体の溶液であってもよい。ここで、
含浸液の調製に使用される弗素含有重合体とは、エチレ
ン中の1個以上の水素原子が弗素原子と置換した単量体
が重合した構造を有する直鎖状の高分子(いわゆる弗素
樹脂)と、そのオリゴマーを言い、具体的には、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリトリフルオルクロルエチレ
ン、弗化ビニルのような弗素樹脂やテトラフルオロエチ
レンオリゴマー等を例示することができる。また、シリ
コン含有重合体とは、シリコンが付いた熱硬化性樹脂を
言う。
【0024】上記竿素材に上記含浸液による撥水処理を
行う場合には、減圧タンク内において、竿素材を含浸液
に浸漬した状態で減圧し、常圧に戻すと言う手順をとる
のが好ましい。この手順によれば、減圧によって竿素材
の内部から空気を追い出してから含浸を行うので、含浸
液を竿素材の奥深くにまで充分に入り込ませることがで
きる。
【0025】この手順による場合には、先ず、減圧タン
ク(例えば、減圧装置付きのステンレス製タンク)内に
予め含浸液を導入して貯留させておき、その含浸液中に
金網カゴ等に入れた竿素材を浸漬する。含浸液の温度
は、通常30〜50℃とする。このように含浸液を適度
に加温することによって、撥水処理の時間を短縮するこ
とができる。
【0026】次に、竿素材を浸漬したままの状態でタン
ク内を減圧し、竿素材の内部から空気を追い出す。この
脱泡を充分に行うことによって、均一にしかも竿素材の
深い場所にまで弗素含有重合体又はシリコン含有重合体
を含浸させることができる。減圧時の圧力を下げれば下
げるほど、また減圧時間を長くすればするほど、充分な
脱泡を行うことが可能となる。
【0027】次に、竿素材を浸漬したままの状態でタン
ク内を常圧に戻し、必要に応じて一定時間そのまま放置
すると、含浸液が竿素材の表面から内部に入り込む。こ
の時、含浸液が分散液の場合には弗素含有重合体又はシ
リコン含有重合体の微粒子が含浸し、含浸液が溶液の場
合には溶解状態の上記重合体が含浸することになる。そ
して、含浸が終了した時点でタンク内から竿素材を取り
出し、洗浄、乾燥すれば撥水処理が完了する。
【0028】好ましい手順としては、上記したものの他
に、密封容器内に竿素材を収納し、次いで容器内を減圧
してから含浸液を導入して竿素材を浸漬し、次いで容器
内を加圧すると言う手順がある。この手順によれば、加
圧によって含浸を行うので、前者の方法による場合と比
べて、さらに充分に含浸を行うことができる。
【0029】この手順による場合には、先ず、密封容器
(例えば、減圧・加圧装置付きのステンレス製タンク)
内に、金網カゴ等に入れた竿素材を収納し、含浸液のな
い状態で容器内を減圧し、竿素材の内部から空気を追い
出す。
【0030】次に、容器内の負圧を利用して容器内に含
浸液を吸引し、竿素材を含浸液中に浸漬する。含浸液の
温度は上記の方法による場合と同様に、通常30〜50
℃とする。
【0031】次に、竿素材を浸漬したままの状態で容器
内を加圧し、必要に応じて一定時間そのまま放置する
と、含浸液が竿素材の表面から内部に入り込む。この場
合、加圧時の圧力を上げれば上げるほど、また加圧時間
を長くすればするほど、充分な含浸を行うことが可能と
なる。そして、含浸が終了した時点で容器内を常圧に戻
し、竿素材を取り出し、洗浄、乾燥すれば撥水処理が完
了する。
【0032】図2は、図1のようにプリプレグのみを芯
金に捲着することによって形成した竿素材に、本発明の
撥水処理を施した釣り竿の長手方向断面を部分的に示し
たものである。この図2に示すように、本発明の撥水処
理を施した釣り竿の表面(外周面9、内周面10)に
は、含浸液中では微粒子状態、溶解状態又はこれらの両
方が混在した状態で存在する弗素含有重合体又はシリコ
ン含有重合体が竿素材7の内部にまで含浸されている。
すなわち、この釣り竿は、竿素材7と一体的に形成され
た含浸層8を有している。また、図示されていないが、
竿素材の表面に塗膜層がある場合には、その塗膜層内に
もこれらの重合体が含浸される。そして、含浸された撥
水性の弗素含有重合体又はシリコン含有重合体は竿素材
や塗膜層の表面から露出されるので、高い撥水性と釣り
糸に対する高い滑動性を長期間にわたって発揮すること
になる。
【0033】また、外周に塗膜層を形成した竿素材の外
周面に弗素含有重合体又はシリコン含有重合体を含浸さ
せる場合には、外周の塗膜層内にも弗素含有重合体又は
シリコン含有重合体が含浸されるので、塗膜層の撥水性
が高められ、ブリスタの発生やゴミの付着等を防止でき
る。
【0034】撥水処理を施す竿素材としては、プリプレ
グを芯金に捲着し加熱硬化させて形成したものを全般的
に使用することが可能である。例えば、内周面に竿素材
と同じ材質からなる凹凸を有する竿素材を用いることが
できる。この竿素材を形成するには、図3に示すよう
に、芯金1の外周に水溶性樹脂(例えばポリビニルアル
コール)又は非水溶性樹脂(例えばポリプロピレンやポ
リエチレン)からなるテープ又はヤーン3を所定の間隔
をあけて捲回し、その上に図1の場合と同様のプリプレ
グ2を捲着する。ここで、テープ又はヤーン3の捲回方
法は特に限定されないが、例えば、螺旋状、綾巻状、環
状に捲回することができ、或いは編組機械で編み込んで
もよい。
【0035】次に、プリプレグを加熱硬化した後に脱芯
して得られた中空体の内周面からテープ又はヤーン3を
除去すれば、テープ又はヤーン3の捲回部は凹部とな
り、一方、非捲回部は凸部となり、竿素材が完成する。
テープ又はヤーン3は、竿素材の開口端から、これらを
引き出すことによって除去できる。また、テープ又はヤ
ーン3が水溶性樹脂である場合には、脱芯した中空体を
温水に浸漬することによって溶出除去できる。
【0036】内周面に竿素材と同じ材質からなる凹凸を
有する竿素材に上記の撥水処理を施すと、図4に示すよ
うに、内周面10の凹凸部の素材内部にまで弗素含有重
合体又はシリコン含有重合体が含浸し(8)、且つ含浸
した上記の重合体は凹凸部の表面から露出する。従っ
て、凹部11に含浸した弗素含有重合体又はシリコン含
有重合体は凹部への水の溜まりを防止し、一方、凸部1
2に含浸した上記の重合体は凸部表面への水の付着を防
止するので、水に起因する釣り糸の付着や摺動抵抗が低
減される。また、内周面に凹凸部を形成することによっ
て、竿素材の内周面と釣り糸との当接面積が減少するの
で、これによっても釣り糸の付着や摺動抵抗が低減され
る。
【0037】内周面に凹凸を有する中空の竿素材とし
て、内周面に竿素材よりも耐摩耗性の高い硬質材料から
なる凸部を有する竿素材を使用することもできる。この
竿素材を形成するには、図5に示すように、芯金1の外
周に上記したのと同様に水溶性樹脂又は非水溶性樹脂か
らなるテープ又はヤーン3を所定の間隔をあけて捲回す
ると共に、捲回したテープ又はヤーン同士3、3の間
に、上記プリプレグとは異なる耐摩耗性の高い硬質な材
料からなるテープ又はヤーン4を捲回し、その上にプリ
プレグ2を捲着する。
【0038】ここで、耐摩耗性の高い硬質な材料からな
るテープ又はヤーン4としては、加熱硬化させると竿素
材よりも耐摩耗性に優れた材質に変化する形成材料が使
用され、例えば、硬質材料(例えば、セラミックや金
属)の繊維に合成樹脂を含浸させたクロステープ、所定
幅の引き揃えシート、或いはヤーンを例示することがで
きる。なお、この硬質材料のテープ又はヤーン4の捲回
方法も特に限定されず、例えば、螺旋状、綾巻状、環状
に捲回することができ、編組機械で編み込むことがで
き、さらに硬質材料で形成された環状体をはめ込むこと
ができる。
【0039】次に、プリプレグを加熱硬化した後に脱芯
して得られた中空体の内周面から、水溶性又は非水溶性
樹脂からなるテープ又はヤーン3を上記と同様に操作し
て除去すれば、テープ又はヤーン3の捲回部は凹部11
となり、一方、硬質材料のテープ又はヤーン4の捲回部
は竿素材よりも耐摩耗性に優れた凸部12となり、竿素
材が完成する。
【0040】この竿素材に上記の撥水処理を施すと、図
6に示すように、その内周面において案内される釣り糸
は、耐摩耗性の高い材質4からなる凸部12にだけ当接
するので、釣り糸による竿素材内周面の摩耗・損傷、並
びにこれに起因する釣り糸の損傷が防止される。
【0041】内周面に凹凸がある竿素材を使用する場合
には、竿素材の表面に含浸層を形成するだけでなく、図
7に示すように、凹部11に弗素含有重合体又はシリコ
ン含有重合体を充填(13)することこともできる。こ
の場合には、完成された釣り竿の内周面は、竿素材の凸
部における内径とほぼ同じ内径を有する面一の内周面に
形成され、凹部への水の溜まりが皆無になる。
【0042】別の竿素材としては、面一に形成された内
周表面に所定の間隔をあけて撥水性樹脂層を有する竿素
材を使用することもできる。この竿素材を形成するに
は、図8に示すように、芯金1の外周に撥水性樹脂(例
えば、弗素樹脂やシリコーン樹脂)からなるテープ又は
ヤーン5を所定の間隔をあけて捲回し、その外周に図1
の場合と同様のプリプレグ2を捲着し、加熱硬化し、最
後に脱芯すれば、竿素材が完成する。なお、撥水性樹脂
からなるテープ又はヤーン5の捲回方法も特に限定され
ず、例えば、螺旋状、綾巻状、環状に捲回することがで
き、或いは編組機械で編み込むことができる。
【0043】この竿素材に上記の撥水処理を施すと、図
9に示すように、面一で且つ所定間隔をあけて撥水性樹
脂層5が配置された内周面10に、竿素材7及び撥水性
樹脂層5と一体的な含浸層8が形成される。従って、内
周面が面一で撥水性に富んでいることから水はけがよ
く、しかも、もともと撥水性を有する樹脂に撥水処理を
施すので、極めて高い撥水力が長期間持続する。
【0044】竿素材としては、外周面に凹凸があるもの
を使用してもよい。そのような竿素材を形成するには、
図10に示すように、芯金1の外周に図1の場合と同様
のプリプレグ2を捲着し、その上に、プリプレグと同じ
か又は異なる材料(例えば、カーボンヤーン)からなる
テープ又はヤーン6を所定の間隔をあけて捲回し、加熱
硬化し、最後に脱芯すればよい。なお、プリプレグの外
側に捲回するテープ又はヤーン6の捲回方法も特に限定
されず、例えば、螺旋状、綾巻状、環状に捲回すること
ができ、或いは編組機械で編み込むことができる。
【0045】このようにして形成された竿素材に上記の
撥水処理を施すと、図11に示すように、所定間隔をあ
けて凹凸部が形成された外周面に、弗素含有重合体又は
シリコン含有重合体の含浸層が外周面と一体的に形成さ
れる。この場合、釣り竿の外周面に設けられた釣り糸ガ
イドによって案内される釣り糸や、或いは中通し竿の先
端から繰り出された釣り糸は、凸部においてのみ外周面
と当接するので、外周面に付着しにくい。また、ゴミも
付着しにくい。雨天時には特に効果的である。
【0046】以上、本発明の撥水処理方法について説明
したが、上記方法によって製造された釣り竿は、中空構
造の竿素材の内・外周面の内部にまで撥水性に富んだ弗
素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒子、樹脂、
又はその両方が含浸されている。
【0047】従って、その内・外周面が優れた撥水性を
有しており、水や釣り糸やゴミの付着が少なく、釣り糸
の滑動性に優れ、洗浄・乾燥等の取扱い性に優れてい
る。また、含浸によって竿素材の内部にまで撥水層が入
り込んでいるので、撥水層の剥離や摩耗も起こりにく
い。
【0048】
【発明の効果】第1の発明においては、含浸液(撥水処
理剤)として、弗素含有重合体又はシリコン含有重合体
の微粒子とバインダーと分散媒とを含有する分散液或い
は弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の溶液の何れ
かを用いることとしたので、以下のような作用・効果を
有しており、撥水処理剤の維持・管理が容易である。 a)含浸液中の分散媒や溶媒が蒸発することに起因する
弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の凝集を防止で
きる。 b)弗素含有重合体やシリコン含有重合体が沈降しにく
い。 c)仮に凝集や沈降が発生しても、含浸液を撹拌すれば
容易に均一に分散できる。
【0049】また、第1の発明においては、竿素材を撥
水処理剤中に浸漬した状態で減圧した後に加圧すること
によって、撥水性成分である弗素含有重合体又はシリコ
ン含有重合体を竿素材の表面に含浸させることとしたの
で、以下のような作用・効果をも有している。 a)微粒子状態又は溶解状態の弗素含有重合体又はシリ
コン含有重合体を、竿素材の表面に均一に含浸できるの
で、竿素材に優れた撥水性が付与される。従って、実釣
時における竿表面への水、ゴミ、或いは釣り糸の付着を
防止できるのみならず、実釣後の竿の洗浄等の作業を簡
易化することができる。 b)上述のように、均一な含浸によって優れた撥水性が
発揮されるので、竿素材の内周面に水が溜まりにくく、
且つ、すぐに内周部から水が流出するので、表面張力が
働きにくい。従って、かかる表面張力に起因する釣り糸
放出時の抵抗を減少できる。 c)竿を使用している最中に竿素材の表面を被覆してい
る撥水層がすり減っていく点では塗布による撥水層と同
様であるが、竿素材の内部に形成された含浸の撥水層は
すり減らないので、いつまでも撥水機能が維持される。 d)撥水剤の塗布によって形成される撥水性塗膜層とは
異なり、撥水層と竿素材の密着性がよいので、撥水層の
剥離が生じにくい。また、竿素材の弾性強度等に与える
影響も小さい。
【0050】第2の発明は、第1の発明と同様の作用・
効果を有するが、竿素材を減圧により脱泡した後で含浸
液(撥水処理剤)に浸漬し、加圧するという手順をとっ
たので、第1の発明の場合よりも弗素含有重合体又はシ
リコン含有重合体が竿素材中に含浸される。
【0051】第3の発明は、上記第1又は第2の発明に
おいて、内周面に竿素材と同じ材質からなる凹凸を有す
る竿素材を使用することとしたので、以下のような作用
・効果を発揮する。 a)竿の内周部において案内される釣り糸は、撥水性を
持つ凸部の表面のみに当接して案内されるために、摩擦
抵抗の削減を図ることができる。 b)凹部の表面にも撥水処理が施されるため、かかる凹
部への水の溜まりを低減できる。従って、内周部に溜ま
った水に起因して竿の内面に釣り糸が付着することを防
止でき、また、この付着による釣り糸の摺動抵抗を最小
限に抑えることができる。
【0052】第4の発明は、上記第1又は第2の発明に
おいて、内周面に竿素材よりも耐摩耗性の高い硬質材料
からなる凸部を有する竿素材を使用することとしたの
で、竿の内周部において案内される釣り糸が当接する凸
部表面の摩耗が少なく、撥水性能が劣化しにくい。
【0053】第5の発明においては、竿素材の内周面に
ある凹部と凸部が、凹部に充填された撥水性の高い弗素
含有重合体又はシリコン含有重合体の撥水層によって面
一になる。また、凸部表面にも含浸による撥水処理が施
される。従って、凹部への水の溜まりが皆無になり、凹
部に隣接する凸部表面への水の付着も皆無に近い状態に
なり、その結果、水に起因する内周面への釣り糸の付着
を防止することができ、釣り糸の摺動抵抗を低減するこ
とができる。
【0054】第6の発明は、竿の内周面が面一に形成さ
れ、優れた撥水性を有しているので、基本的には上記第
5の発明と同様の作用・効果を有している。さらに、こ
の第6の発明の竿素材の内周面には、もともと撥水性を
有する樹脂に撥水性の高い弗素含有重合体又はシリコン
含有重合体を含浸させてなる樹脂層が設けられているの
で、極めて高い撥水力を長期間に持続させることができ
る。
【0055】第7の発明は、竿素材の外周面に、竿素材
の材質と同じか又は異なる凹凸を形成し、その凹凸面に
撥水処理剤を含浸させることとしたので、釣り竿の外周
部に設けられた釣り糸ガイドによって案内される釣り糸
や釣り竿の先端から繰り出される釣り糸は、釣り竿の外
周面に当接しても付着しにくく、スムーズに案内され
る。特に、雨天時においては、雨が竿の外周面に付着す
ることが防止されるので、釣り糸が極めてスムーズに案
内される。
【0056】第8の発明にかかる釣り竿は、その内・外
周面が優れた撥水性を有しており、水や釣り糸やゴミの
付着が少なく、釣り糸の滑動性に優れ、洗浄・乾燥等の
取扱い性に優れている。また、含浸によって竿素材の内
部にまで撥水層が入り込んでいるので、撥水層の剥離や
摩耗も起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する竿素材を形成するために芯金
にプリプレグを捲着した状態を示す部分縦断面図であ
る。
【図2】図1の竿素材に本発明の撥水処理を施すことに
よって製造された釣り竿の構造を示す部分縦断面図であ
る。
【図3】本発明で使用する別の竿素材を形成するために
芯金にプリプレグを捲着した状態を示す部分縦断面図で
ある。
【図4】図3の竿素材に本発明の撥水処理を施すことに
よって製造された釣り竿の構造を示す部分縦断面図であ
る。
【図5】本発明で使用する別の竿素材を形成するために
芯金にプリプレグを捲着した状態を示す部分縦断面図で
ある。
【図6】図5の竿素材に本発明の撥水処理を施すことに
よって製造された釣り竿の構造を示す部分縦断面図であ
る。
【図7】図5の竿素材に本発明の撥水処理を施すことに
よって製造された釣り竿の構造を示す部分縦断面図であ
る。
【図8】本発明で使用する別の竿素材を形成するために
芯金にプリプレグを捲着した状態を示す部分縦断面図で
ある。
【図9】図8の竿素材に本発明の撥水処理を施すことに
よって製造された釣り竿の構造を示す部分縦断面図であ
る。
【図10】本発明で使用する別の竿素材を形成するため
に芯金にプリプレグを捲着した状態を示す部分縦断面図
である。
【図11】図10の竿素材に本発明の撥水処理を施すこ
とによって製造された釣り竿の構造を示す部分縦断面図
である。
【符号の説明】
1…芯金 2…プリプレグ 3…水溶性又は非水溶性樹脂からなるテープ又はヤーン 4…硬質材料のテープ又はヤーン 5…撥水性樹脂からなるテープ又はヤーン 6…プリプレグの外側に捲回されるテープ又はヤーン 7…竿素材 8…含浸層 9…外周面 10…内周面 11…凹部 12…凸部 13…充填層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)プリプレグを芯金の外周に捲着し
    加熱硬化した後に脱芯することによって形成した竿素
    材、及び弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒
    子とバインダーと分散媒とを含有する分散液或いは弗素
    含有重合体又はシリコン含有重合体の溶液の何れかから
    なる含浸液を準備する工程と、(2)前記竿素材を、減
    圧タンク内に貯留した前記含浸液中に浸漬する工程と、
    (3)前記減圧タンク内を減圧することによって浸漬中
    の該竿素材を脱泡する工程と、(4)脱泡後に前記減圧
    タンク内を常圧に戻すことによって、該竿素材の外周面
    及び内周面に微粒子状態又は溶解状態の弗素含有重合体
    又はシリコン含有重合体を含浸させる工程とを有するこ
    とを特徴とする釣り竿の撥水処理方法。
  2. 【請求項2】 (1)プリプレグを芯金の外周に捲着し
    加熱硬化した後に脱芯することによって形成した竿素
    材、及び弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒
    子とバインダーと分散媒とを含有する分散液或いは弗素
    含有重合体又はシリコン含有重合体の溶液の何れかから
    なる含浸液を準備する工程と、(2)前記竿素材を密封
    容器内に収納後、該密封容器内を減圧することによっ
    て、竿素材を脱泡する工程と、(3)前記含浸液を前記
    密封容器内に吸引することによって、前記竿素材を含浸
    液中に浸漬する工程と、(4)前記密封容器内を加圧す
    ることによって、前記竿素材の外周面及び内周面に微粒
    子状態又は溶解状態の弗素含有重合体又はシリコン含有
    重合体を含浸させた後、常圧に戻す工程とを有すること
    を特徴とする釣り竿の撥水処理方法。
  3. 【請求項3】 前記竿素材は、芯金の外周に水溶性樹脂
    又は非水溶性樹脂からなるテープ又はヤーンを所定の間
    隔をあけて捲回し、その外周にプリプレグを捲着し、加
    熱硬化した後に脱芯し、得られた中空体の内周面から前
    記の水溶性樹脂又は非水溶性樹脂からなるテープ又はヤ
    ーンを除去することによって形成されたものであり、内
    周面に竿素材と同じ材質からなる凹凸を有するものであ
    る、請求項1又は2に記載の釣り竿の撥水処理方法。
  4. 【請求項4】 前記竿素材は、芯金の外周に水溶性樹脂
    又は非水溶性樹脂からなるテープ又はヤーンを所定の間
    隔をあけて捲回すると共に、捲回した該水溶性樹脂又は
    非水溶性樹脂からなるテープ又はヤーン同士の間に前記
    プリプレグと異なる硬質な耐摩耗性の高い材料からなる
    テープ又はヤーンを捲回し、その外周にプリプレグを捲
    着し、加熱硬化した後に脱芯し、得られた中空体の内周
    面から前記の水溶性樹脂又は非水溶性樹脂からなるテー
    プ又はヤーンを除去することによって形成されたもので
    あり、内周面に竿素材よりも耐摩耗性の高い硬質材料か
    らなる凸部を有するものである、請求項1又は2に記載
    の釣り竿の撥水処理方法。
  5. 【請求項5】 竿素材内周面の凹部に弗素含有重合体又
    はシリコン含有重合体の微粒子及び/又は樹脂を充填す
    ることを特徴とする、請求項3又は4に記載の釣り竿の
    撥水処理方法。
  6. 【請求項6】 前記竿素材は、芯金の外周に撥水性樹脂
    からなるテープ又はヤーンを所定の間隔をあけて捲回
    し、その外周にプリプレグを捲着し、加熱硬化した後に
    脱芯することによって形成されたものであり、内周表面
    に所定の間隔をあけて撥水性樹脂層を有するものであ
    る、請求項1又は2に記載の釣り竿の撥水処理方法。
  7. 【請求項7】 前記竿素材は、芯金の外周に捲着した前
    記プリプレグの外周に、さらに前記プリプレグと同じか
    又は異なる材料からなるテープ又はヤーンを所定の間隔
    をあけて捲回し、加熱硬化した後に脱芯することによっ
    て形成されたものであり、外周面に竿素材と同じか又は
    異なる材質からなる凸部を有するものである、請求項1
    乃至6の何れかに記載の釣り竿の撥水処理方法。
  8. 【請求項8】 プリプレグを芯金の外周に捲着し加熱硬
    化した後に脱芯することによって形成した竿素材の表面
    に、弗素含有重合体又はシリコン含有重合体の微粒子及
    び/又は樹脂が含浸されてなることを特徴とする釣り
    竿。
JP22913095A 1995-09-06 1995-09-06 釣り竿の撥水処理方法とそれにより製造された釣り竿 Pending JPH0970244A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11169027A (ja) * 1997-12-10 1999-06-29 Shimano Inc 釣竿及びその製造方法
JP2002272322A (ja) * 2001-03-22 2002-09-24 Shimano Inc 釣 竿
JP2006067834A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Daiwa Seiko Inc 釣り具用表面処理剤

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