JPH0967428A - 複合材料及びその製造方法並びにトラックベルトの横剛性部材用複合材料 - Google Patents

複合材料及びその製造方法並びにトラックベルトの横剛性部材用複合材料

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JPH0967428A
JPH0967428A JP7248436A JP24843695A JPH0967428A JP H0967428 A JPH0967428 A JP H0967428A JP 7248436 A JP7248436 A JP 7248436A JP 24843695 A JP24843695 A JP 24843695A JP H0967428 A JPH0967428 A JP H0967428A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スノーモービルに係るトラックベルトのロッ
ド材料として、高速走行による高温昇温状態に耐える耐
熱性を維持し且つ屈曲疲労特性も大幅に向上させる複合
材料を提供することを目的とする。 【解決手段】 マトリックスとして、熱硬化性樹脂であ
る多官能性エポキシ系樹脂と熱可塑性樹脂である芳香族
系ポリカーボネート樹脂とから成るポリマーアロイを採
用し、このポリマーアロイと強化繊維とから成るもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スノーモービルな
どに使用されるトラックベルトの横剛性部材(以下、ロ
ッドと言う。)用複合材料に関するものである。更に詳
細には、ゴム製トラックベルトのロッドとして軽量で耐
熱性が高く、曲げ強度及び屈曲疲労特性が優れているこ
とから、高速機種や大型機種にも対応可能なロッド用複
合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スノー
モービルのトラックベルトのロッドは当初、鉄鋼材が使
用されていたが、該スノーモービルが寒冷地の乗り物と
して一般化、日常化し、さらにはレジャー用として普及
するに伴い、省エネ化と性能向上の市場要求から繊維強
化プラスチックが採用されるに至った。
【0003】そして、スノーモービルのレジャー性が近
年、益々高まり機種の大型化、高性能化が進むにつれ、
従来の高速走行速度120〜150km/hrが160
〜200km/hr程度迄要求されるようになってい
る。
【0004】その結果従来の繊維強化プラスチックを採
用したロッドでは、走行中に頻繁に折れを生じ、使用に
耐えないばかりでなく、安全性にも大きな問題が生じる
ことが確認された。
【0005】原因はスノーモービルの連続高速走行によ
る機械的摩擦により繊維強化プラスチックの温度が18
0〜200℃程度の高温迄昇温蓄熱し、繊維強化プラス
チックのガラス転移点(130℃程度)をはるかに超え
てしまうからであることが分析の結果判明している。
【0006】従って、日常走行レベルの100km/h
r以下での常温〜80℃程度の使用環境における高い屈
曲疲労特性は勿論のこと200℃以上の耐熱性を維持し
ながら、凹凸路面走行時にベルトが受けるランダムな曲
げの繰り返し荷重即ち、屈曲疲労特性を更に向上させた
ロッド用の材料が必要となる。
【0007】従来からロッドに採用されている実用的な
繊維強化プラスチックは、マトリックスに不飽和ポリエ
ステル樹脂若しくはビニルエステル樹脂若しくはエポキ
シ系樹脂を使用した引抜成形品が多用されていた。
【0008】しかし、不飽和ポリエステル樹脂やビニル
エステル樹脂は取り扱い性が容易で、成形性に優れては
いるが、耐熱性は150℃が限度であり、その上接着力
が一般的にエポキシ系樹脂より劣ることから、屈曲疲労
特性に難点があった。
【0009】一方エポキシ系樹脂は接着力に優れ品種も
数多くあり、耐熱性も良好であるが、耐熱性能を重視す
ると樹脂が固く脆くなり、屈曲疲労特性が著しく低下す
ることが良く知られている。
【0010】また、エポキシ系樹脂の固さや脆さを改善
して靭性向上を図り屈曲疲労特性を高めるためゴム変性
樹脂や可撓性付与剤を併用する手段も良く知られている
が、この場合は耐熱性が低下するため、要求性能を得ら
れないと言う問題があった。
【0011】本発明者らは、耐熱性を損なうこと無く屈
曲疲労特性に優れる材料を研究した結果、多官能性エポ
キシ系樹脂と芳香族系ポリカーボネート樹脂とによるポ
リマーアロイのマトリックスが、スノーモービルなどに
使用されるトラックベルトのロッド用複合材料として、
高速走行による高温昇温状態に耐える耐熱性を維持し且
つ屈曲疲労特性も大幅に向上させるものであることを見
いだし、本発明を完成させた。
【0012】
【課題を解決するための手段】マトリックスとして、熱
硬化性樹脂である多官能性エポキシ系樹脂と熱可塑性樹
脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂とから成るポリ
マーアロイを採用し、このポリマーアロイと強化繊維と
から成ることを特徴とする複合材料に係るものである。
【0013】マトリックスとして、熱硬化性樹脂である
多官能性エポキシ系樹脂と酸無水物系硬化剤と熱可塑性
樹脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂との混合物を
採用し、この混合物と強化繊維とから成ることを特徴と
する複合材料に係るものである。
【0014】請求項2記載の複合材料において、多官能
性エポキシ系樹脂を100重量部、酸無水物系硬化剤を
90〜130重量部、芳香族系ポリカーボネート樹脂を
3〜25重量部にしたことを特徴とする複合材料に係る
ものである。
【0015】請求項2,3いずれか1項に記載の複合材
料において、多官能性エポキシ系樹脂として、分子量2
50〜1000程度で且つ官能基数が3〜4程度のエポ
キシ系樹脂を採用したことを特徴とする複合材料に係る
ものである。
【0016】請求項1〜4いずれか1項に記載の複合材
料において、強化繊維として、ガラス繊維,アラミド繊
維,カーボン繊維,アルミナ繊維を単独若しくは2種以
上組み合わせて採用したことを特徴とする複合材料に係
るものである。
【0017】請求項1〜5記載の複合材料において、エ
ポキシ系樹脂として、グリシジルアミンタイプのエポキ
シ系樹脂を採用したことを特徴とする複合材料に係るも
のである。
【0018】請求項1〜6記載の複合材料において、脂
環型酸無水物系硬化剤として、メチルテトラヒドロ無水
フタル酸、無水メチルナジック酸、高圧水素化法による
ヘキサヒドロ無水フタル酸を単独または2種以上を混合
して成る脂環型酸無水物系硬化剤を採用したことを特徴
とする複合材料に係るものである。
【0019】マトリックスとして、熱硬化性樹脂である
多官能性エポキシ系樹脂と酸無水物系硬化剤と熱可塑性
樹脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂との混合物を
採用し、この混合物と強化繊維とを使用して引抜成形法
により製造することを特徴とする複合材料の製造方法に
係るものである。
【0020】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、前記混合物に、官能基数が2で且つ分子量が100
〜600程度の2官能エポキシ系樹脂を更に混合したこ
とを特徴とする複合材料の製造方法に係るものである。
【0021】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、酸無水物系硬化剤として、100〜250℃の範囲
で加熱硬化可能な脂環型酸無水物系硬化剤を採用したこ
とを特徴とする複合材料の製造方法に係るものである。
【0022】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、芳香族系ポリカーボネート樹脂として、ガラス転移
点が130℃以上で且つ分子量が12000〜8000
0程度の芳香族系ポリカーボネート樹脂を採用したこと
を特徴とする複合材料の製造方法に係るものである。
【0023】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、マトリックスの粘度が100〜15000mpa・
s程度で且つ80〜250℃の温度雰囲気で短時間に硬
化する液状のマトリックスを採用したことを特徴とする
複合材料の製造方法に係るものである。
【0024】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、引抜成形された成形品における強化繊維の体積含有
率を50〜70%、マトリックスの体積含有率を30〜
50%となるように調整することを特徴とする複合材料
の製造方法に係るものである。
【0025】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、マトリックスにおける芳香族系ポリカーボネート樹
脂の体積含有率を2〜25%となるように調整すること
を特徴とする複合材料の製造方法に係るものである。
【0026】請求項8記載の複合材料の製造方法におい
て、芳香族系ポリカーボネート樹脂として、融点220
〜240℃の芳香族系ポリカーボネート樹脂を採用した
ことを特徴とするトラックベルトの横剛性部材用複合材
料に係るものである。
【0027】スノーモービルに使用されるトラックベル
トの横剛性部材用複合材料に、請求項8〜15いずれか
1項に記載の複合材料の製造方法により製造された引抜
成形品を採用したことを特徴とするトラックベルトの横
剛性部材用複合材料に係るものである。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、多官能性エポキシ系樹
脂と酸無水物系硬化剤と芳香族系ポリカーボネート樹脂
とを混合し、引抜成形法によりロッド用複合材料を得る
ことを特徴とするものである。
【0029】本発明によるマトリックスとは、詳しくは
多官能性エポキシ系樹脂100重量部酸無水物系硬
化剤90〜130重量部芳香族系ポリカーボネート樹
脂5〜45重量部からなるものである。
【0030】本発明に用いる多官能性エポキシ系樹脂と
は分子量が250〜1000程度のエポキシ樹脂で官能
基数が3〜4程度の樹脂が好ましく、引抜成形時の樹脂
の反応速度や成形品性能のバランス若しくは樹脂粘度調
整用に2官能基のエポキシ樹脂で分子量が100〜60
0程度のエポキシ樹脂をブレンドして用いることを妨げ
るものでは無い。
【0031】また、酸無水物系硬化剤とは脂環型酸無水
物系硬化剤で常温で液状であり、100〜250℃の範
囲で加熱硬化可能なものが引抜成形用として実際的であ
る。
【0032】本発明中、引抜成形品に靭性を付与し耐熱
性を維持しつつロッド用複合材料の屈曲疲労特性向上に
効果を発揮する芳香族系ポリカーボネート樹脂とはガラ
ス転移点が130℃以上で分子量が12000〜800
00程度のものが好ましい。
【0033】上記処方の選定にあたっては先ずマトリッ
クスが通常の引抜成形法による成形が可能であることが
前提となる。即ち引抜成形工程中の樹脂含浸槽内におけ
るマトリックスの粘度が100〜15000mpa・s
(ミリパスカル・秒)の液状であり80〜250℃の温度
雰囲気で速やかに硬化することが必要である。
【0034】このことからエポキシ系樹脂としてグリシ
ジルアミンタイプが粘度、硬化速度の面から適してい
る。
【0035】また、脂環型酸無水物系硬化剤としてはDi
els-Alder反応により得られる硬化剤のうち低粘度液状
体であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチル
ナジック酸、高圧水素化法によるヘキサヒドロ無水フタ
ル酸等を単独または2種以上をブレンドして用いること
が可能である。
【0036】熱可塑性樹脂は引抜成形法における成形工
程中の金型内で融解する融点、即ち180〜250℃程
度の温度で融ける樹脂として、芳香族系ではフェノキシ
樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート
樹指、芳香族ナイロン樹脂等が上げられるが、耐熱性に
関係するTg点、耐屈曲疲労性に関与する耐衝撃性及び
引張破断伸び率等が何れも高い芳香族系ポリカーボネー
ト樹脂を選定することが好ましい。
【0037】ところで、一般に熱硬化性樹脂を使用して
成形を行う引抜成形法では樹脂の硬化特性から、金型温
度を80〜250℃に設定し、樹脂の金型滞留時間は5
〜300秒程度で、連続的に金型から引き抜いて成形す
る。このプロセスにより硬化した樹脂は三次元架橋構造
となり強化繊維とマトリックスが一体化して不溶不融の
繊維強化プラスチック製引抜成形品となる。
【0038】金型温度を約250℃より高く設定して成
形すると熱硬化性樹脂の場合は発熱反応の熱が加わり、
所謂ベーキング現象を生じて成形品を得る事は困難であ
る。
【0039】従って、使用する熱可塑性樹脂の融点が金
型設定温度の上限である250℃を超える場合は、ベー
スとなるエポキシ系樹脂と熱可塑性樹脂が相溶する事無
く単なる充填剤として存在するだけであり、相溶状態か
ら樹脂の硬化過程で生ずるミクロ相分離構造による海島
状態とは全く異なるものであり成形物の強靭化にはなら
ない。
【0040】実験室的には、予めエポキシ系樹脂と熱可
塑性樹脂をメチレンクロライドのような溶解力の高い溶
媒を用いて一旦加熱相溶させ、後で溶媒を減圧除去した
後加熱硬化して成形物を得る手法で研究が多く報告され
ている(J.B.Cho,J.W.Hwang,K.CHO,J.H.An and C.E.par
k POLYMER,1993,Volume 34,Number 23 page 4832-48
36 山本、井上 Polymer Preprint,JAPAN Vol.41,No.3
1992)。
【0041】しかし、工業的成形生産方式で大量の樹脂
を使用する引抜成形法では、成形に使用するマトリック
ス樹脂は無溶剤でなければならず実験室レベルでは可能
な手法であっても、生産に応用することは極めて困難で
ある。また、メチレンクロライド等の溶解力の極めて強
い溶媒は毒性や環境汚染の問題もあり、工業的な利用は
難しい面がある。
【0042】一方マトリックスのエポキシ系樹脂と熱可
塑性樹脂を高温に保持しブレンドして時間を掛けて相溶
させることも可能ではあるが、高温のため樹脂の硬化反
応や変質を制御しながらポットライフを維持すること
は、装置やプロセスの複雑化を招き実際的ではない。
【0043】本発明は前記記載のようにエポキシ系樹脂
とその硬化剤として酸無水物系硬化剤を選定し、引抜成
形法による通常の金型設定温度80℃〜250℃の範囲
内に入る融点約220〜240℃の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂を特定して採用することにより熱可塑性樹脂で
ある芳香族ポリカーボネート樹脂を使用前にエポキシ系
樹脂と相溶させる必要が無く、従ってマトリックスの調
合に際し溶剤への加熱溶解とその後の溶剤の減圧除去と
いう複雑な手間を必要とする手順無しで所定の樹脂類を
ミキサーで単に撹拌混合後直ちに引抜成形に供する事が
可能となるばかりでなく、本発明の目的とする耐熱性を
維持し且つ屈曲疲労特性を大幅に向上することが可能な
ポリマーアロイ化された硬化マトリックスによる繊維強
化プラスチック製ロッド用複合材料を得る事が出来る。
【0044】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0045】本実施例は図6〜10に図示したスノーモ
ービル1に係るトラックベルト2のロッド3(一枚のト
ラックベルト2に40〜50本程度のロッド3が設けら
れている。)に使用される複合材料である。符号4は金
具である。
【0046】このロッド3(引抜成形品)を得るために
断面形状が直径12.8mmの略半円状で断面積が64.
5mm2の金型500mm長さのものを用意し、強化繊
維として日本電気硝子(株)製ガラスロービング2310
番手45本をラックから引き出し、引き揃えて半円状の
金型穴内に通した。
【0047】エポキシ系樹脂とのポリマーアロイ化を図
る熱可塑性樹脂として帝人化成(株)製パンライトL12
25(ガラス転移点約145℃、融点約230℃、比重
1.20)芳香族系ポリカーボネート樹脂を用意した。
【0048】(実施例1)マトリックスを以下の処方に
より選定し、撹拌羽根の回転数1600rpmのミキサ
ーにより3分間撹拌混合し引抜成形の強化繊維含浸用樹
脂として用意した。調合後の樹脂粘度は920mpa・
s(23℃)であった。
【0049】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 住友化学工業(株)製 ELM−100(3官能) 27.8重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 旭チバ(株)製 AER 260(2官能) 12.0重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 36.7重量部 メチルテトラヒドロ無水フタル酸 東燃石油化学(株)製 PH 5000 14.7重量部 〈芳香族系ポリカーボネート樹脂〉 帝人化成(株) パンライト1225 7.9重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.3重量部 ステアリン酸亜鉛 0.6重量部 合計 100.0重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を240℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0050】FRPロッドの性状は128.5g/mガ
ラス含有率63.7体積%であった。
【0051】(実施例2)マトリックスを以下の処方に
より選定し、実施例1と同様に撹拌羽根の回転数160
0rpmのミキサーにより3分間撹拌混合し引抜成形の
強化繊維含浸用樹脂として用意した。
【0052】調合後の樹脂粘度は1240mpa・s
(23℃)であった。
【0053】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 三菱瓦斯化学(株)製 TETRAD C(4官能) 25.5重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE828(2官能)13.7重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 51.7重量部 〈芳香族系ポリカーボネート樹脂〉 帝人化成(株) パンライト1225 7.9重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を240℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円状のFRPロッドを得た。得られたFR
Pロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時間
の後硬化を行った。
【0054】FRPロッドの性状は128.7g/mガ
ラス含有率63.5体積%であった。
【0055】(実施例3)マトリックスを以下の処方に
より選定し、実施例1と同様に撹拌羽根の回転数160
0rpmのミキサーにより3分間撹拌混合し引抜成形の
強化繊維含浸用樹脂として用意した。
【0056】調合後の樹脂粘度は1620mpa・s
(23℃)であった。
【0057】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L (4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈芳香族系ポリカーボネート樹脂〉 帝人化成(株) パンライト1225 8.3重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を240℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0058】FRPロッドの性状は129.0g/mガ
ラス含有率63.4体積%であった。次に比較例につい
て説明する。
【0059】前記実施例1〜3と同様にスノーモービル
1に係るトラックベルト2のロッド3を得るために、断
面形状が直径12.8mmの略半円状で断面積が64.5
mm2の金型500mm長さのものを用意し、強化繊維
として日本電気硝子(株)製ガラスロービング2310番
手45本をラックから引き出し、引き揃えて半円状の金
型穴内に通した。
【0060】比較例のマトリックスには次のものを用意
した。
【0061】比較例1にはスノーモービルの汎用機種に
採用されている従来処方のマトリックス。
【0062】比較例2には実施例2の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のみを添加しないマトリックス。
【0063】比較例3には実施例3の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のみを添加しないマトリックス。
【0064】比較例4には実施例3の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のかわりに同量のフェノキシ樹脂
を添加したマトリックス。
【0065】比較例5には実施例3の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のかわりに同量のポリエーテルエ
ーテルケトン樹脂を添加したマトリックス。
【0066】以下に具体的内容を例示する。
【0067】(比較例1)実施例と同じ装置により、強
化用ガラス繊維も同一の種類を同本数用意した。マトリ
ックスを下記の処方により選定し、撹拌羽根の回転数1
600rpmのミキサーにより3分間撹拌混合し引抜成
形の強化繊維含浸用樹脂として用意した。調合後の樹脂
粘度は620mp・s(23℃)であった。
【0068】 〈エポキシ系樹脂〉 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 旭チバ(株)製 AER 260(2官能) 56.2重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 ヘキサヒドロ無水フタル酸 新日本理化(株)製 リカシッドHH 42.1重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミタゾール 0.6重量部 ステアリン酸亜鉛 1.1重量部 合計 100.0重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を170℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを140℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0069】FRPロッドの性状は128.2g/mで
ガラス含有率は64.1体積%であった。
【0070】(比較例2)比較例1と同様にして105
0mp・s(23℃)の調合樹脂を用意した。
【0071】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 三菱瓦斯化学(株)製 TETRAD C(4官能) 25.5重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE828(2官能)13.7重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 51.7重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミタゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 92.1重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を200℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0072】FRPロッドの性状は128.4g/mで
ガラス含有率は64.1体積%であった。
【0073】(比較例3)比較例1と同様にして137
0mp・s(23%)の調合樹脂を用意した。
【0074】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L(4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミタゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 91.7重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を200℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0075】FRPロッドの性状は128.6g/mで
ガラス含有率は63.5体積%であった。
【0076】(比較例4)熱可塑性樹脂としてフェノキ
シ アソシエイト社製フェノキシ 樹脂PKHP−200
(ガラス転移点約120℃、融点約210℃、比重1.
18)を選定し、実施例3と同様にして調合後の粘度1
590mpa・s(23℃)の含浸用樹脂を用意した。
【0077】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L(4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈フェノキシ樹脂〉 フェノキシ アソシエイト社製 PKHP−200 8.3重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を240℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0078】FRPロッドの性状は128.9g/mガ
ラス含有率63.5体積%であった。
【0079】(比較例5)熱可塑性樹脂として三井東圧
化学(株)製ポリエーテルエーテルケトン樹脂PEEK4
50(ガラス転移点約160℃、融点約340℃ 比重
1.30)を選定し、実施例3と同様にして調合後の粘
度1670mpa・s(23℃)の含浸用樹脂を用意し
た。
【0080】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L(4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈ポリエーテルエーテルケトン樹脂〉 三井東圧化学(株)製 PEEK450P 8.3重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部 上記強化繊維/マトリックスによる構成により金型温度
を240℃に設定し、引抜成形速度15cm/minで
成形し断面半円形状のFRPロッドを得た。得られたF
RPロッドを200℃に設定された恒温乾燥機で10時
間の後硬化を行った。
【0081】FRPロッドの性状は129.0g/mガ
ラス含有率63.4体積%であった。以上前述の実施例
1〜3と比較例1〜5で得られた合計8種類のFRPロ
ッド(引抜成形品)について以下に示す測定方法及び試
験装置により、各々の特性を確認し結果を図1に係る表
に記載した。
【0082】〈樹脂粘度〉前述した実施例1〜3及び比
較例1〜5における樹脂粘度測定方法はJISK 71
17に準拠してB型粘度計にて測定を行ったものであ
る。
【0083】〈成形品単位重量〉実施例1〜3及び比較
例1〜5において引抜成形した8種類について、各々の
成形品を長さ方向に1000mmで切断し精度0.01
gの電子天秤で重量測定し表示は末尾を四捨五入して
0.1gの単位まで求めた。
【0084】〈体積含有率〉各々の成形品1000mm
当たりのガラス繊維投入量は2.31g/m×45本=
103.95g/mであり、ガラス繊維の比重を2.5
4、成形品1000mmの体積は64.5mm2×100
0mm=64.5cmとし、下記の式により算出した。
【0085】ガラス繊維の体積含有率(%)=(10
3.95/2.54)÷64.5×100=63.4(%) また、マトリックスの場合は下記の式により求めた。
【0086】マトリックスの体積含有率(%)=100
−(ガラス繊維体積含有率) 更に、実施例1〜3及び比較例4、5で使用した熱可塑
性樹脂の体積含有率は下記により求めた。
【0087】マトリックスの成形品1000mm中の体
積は 64.5cm×(1−0.634)=23.61cm 熱可塑性樹脂のマトリックス中に占める体積含有率
(%)=(成形品単位重量−103.95)×熱可塑性
樹脂添加量(%)÷使用熱可塑性樹脂の比重÷23.6
1×100
【0088】〈Tg点(ガラス転移温度)〉
【0089】8種類の成形品のそれぞれから約0.5m
m(厚さ)×1.5mm(巾)×70.0mm(長さ)の
試料を繊維方向に沿って切り出し、RHESCA社製粘
弾性測定装置RD−1100ADを使用して、両端10
mmを把持しチャック間隔50mmとして昇温速度5℃
/minで測定した。
【0090】〈曲げ強さ〉
【0091】8種類の成形品のそれぞれの現品をロッド
の長さ方向に150mm長で切り出した物を試料とし
て、島津製作所(株)製AUTOGRAPH AG−10
TBを使用し、現物形状での三点曲げ強さを測定した。
此のとき支点間距離は100mmとし圧子及び支え治具
形状はJIS K7055に準拠した。また、200℃
の高温測定はそれぞれの試料を200℃の同一雰囲気で
30min間保持した後測定を行った。
【0092】また、応力負荷方向は断面半円形状の平面
側を支点にあてて円周方向から圧子により荷重を負荷し
た。
【0093】〈屈曲疲労特性〉
【0094】8種類の成型品のそれぞれの現品をロッド
の長さ方向に200mm長で切り出した物を試料とし
て、森鉄工(株)製曲げ疲労試験機を使用し、現物形状で
四点曲げ繰り返し疲労試験を実施した。此のとき両端支
持支点距離は150mmの固定とし、応力負荷圧子間隔
は60mm、繰り返し荷重負荷量はスタート時点で0〜
200kgとしサイクル数は5Hzとした。此のとき圧
子の荷重負荷方向は平面側から行った。
【0095】測定の終点は繰り返し曲げ疲労による応力
荷重の減少により、最大荷重が100kgに低下した時
点をもって終了とし繰り返し回数をもって表示した。
【0096】また、本試験による成形品の破断面を日立
製作所(株)製SEM S−2300により撮影し、その
代表例を図2及び図3に示した(図2,3はSEM撮影
した写真のコピーである。)。
【0097】図2は比較例3でマトリックスがポリマー
アロイ化されていない例であり、図3は本実施例3によ
るポリマーアロイ化された例である。
【0098】写真から観察されるようにポリマーアロイ
化されたマトリックスを採用した場合(図3の場合)
は、ガラスフィラメント表面に硬化した樹脂が非常に多
く付着している。
【0099】一方、ポリマーアロイ化されていないマト
リックスを採用した場合(図2の場合)は、ガラスフィ
ラメント層への樹脂付着が殆ど見られずフィラメント表
層面が露出状態である事が認められる。従って、ポリマ
ーアロイ化による強靭化即ち屈曲疲労耐久性の効果を確
認することが出来る。
【0100】これを更に各々のマトリックスのみによる
注型板を製作し、その衝撃破断面をSEM撮影した(図
4,5はSEM撮影した写真のコピーである。)。図4
は、比較例3の硬化マトリックス、図5は、本実施例3
のポリマーアロイ化された硬化マトリックスである。
【0101】図4では衝撃破壊方向にクラックが平行し
て揃って走っており、図5では破断面がうろこ状となり
強靭化されている状態が観察される。
【0102】以上のように本実施例に係る成形品は、ス
ノーモービルに係るトラックベルトのロッド材料として
耐熱性を損なわずに屈曲疲労耐久性が大幅に向上するこ
とになり、よって、スノーモービルの高速走行化への対
応が可能となる。そして、該ロッドは複雑な装置や作
業、危険な薬品類を使用する事無く通常の引抜成形法が
採用できる為、容易に工場生産することが出来ることに
なる。
【0103】
【発明の効果】以上のように本発明による複合材料は、
マトリックスとして、多官能エポキシ系樹脂と芳香族ポ
リカーボネート樹脂との混合物を採用するから、耐熱性
を損なわずに屈曲疲労耐久性を大幅に向上する複合材料
となり、また、該混合物を採用するから、該複合材料は
複雑な装置や作業、危険な薬品類を使用することなく、
通常の引抜成形法を採用できることになり、よって、容
易に工業生産し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の特性を示す表である。
【図2】比較例3に係る成形品の破断面をSEM撮影し
たときの状態を表した説明図である。
【図3】本実施例3に係る成形品の破断面をSEM撮影
したときの状態を表した説明図である。
【図4】比較例3のマトリックスのみにより注型板を製
作しその衝撃破断面をSEM撮影したときの状態を表し
た説明図である。
【図5】本実施例3のマトリックスのみにより注型板を
製作しその衝撃破断面をSEM撮影したときの状態を表
した説明図である。
【図6】スノーモービル1の説明正面図である。
【図7】スノーモービル1のトラックベルト2を示し、
そのトラックベルト2のロッド3を示した説明斜視図で
ある。
【図8】スノーモービル1のトラックベルト2を示し、
そのトラックベルト2のロッド3を示した説明平断面図
である。
【図9】スノーモービル1のトラックベルト2を示し、
そのトラックベルト2のロッド3を示した説明側断面図
である。
【図10】トラックベルト2のロッド3の説明斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 スノーモービル 2 トラックベルト 3 ロッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 複合材料及びその製造方法並びにトラ
ックベルトの横剛性部材用複合材料
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スノーモービルな
どに使用されるトラックベルトの横剛性部材(以下、ロ
ッドと言う。)用複合材料に関するものである。更に詳
細には、ゴム製トラックベルトのロッドとして軽量で耐
熱性が高く、曲げ強度及び屈曲疲労特性が優れているこ
とから、高速機種や大型機種にも対応可能なロッド用複
合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スノー
モービルのトラックベルトのロッドは当初、鉄鋼材が使
用されていたが、該スノーモービルが寒冷地の乗り物と
して一般化、日常化し、さらにはレジャー用として普及
するに伴い、省エネ化と性能向上の市場要求から繊維強
化プラスチックが採用されるに至った。
【0003】そして、スノーモービルのレジャー性が近
年、益々高まり機種の大型化、高性能化が進むにつれ、
従来の高速走行速度120〜150km/hrが160
〜200km/hr程度迄要求されるようになってい
る。
【0004】その結果従来の繊維強化プラスチックを採
用したロッドでは、走行中に頻繁に折れを生じ、使用に
耐えないばかりでなく、安全性にも大きな問題が生じる
ことが確認された。
【0005】原因はスノーモービルの連続高速走行によ
る機械的摩擦により繊維強化プラスチックの温度が18
0〜200℃程度の高温迄昇温蓄熱し、繊維強化プラス
チックのガラス転移点(130℃程度)をはるかに超え
てしまうからであることが分析の結果判明している。
【0006】従って、日常走行レベルの100km/h
r以下での常温〜80℃程度の使用環境における高い屈
曲疲労特性は勿論のこと200℃以上の耐熱性を維持し
ながら、凹凸路面走行時にベルトが受けるランダムな曲
げの繰り返し荷重即ち、屈曲疲労特性を更に向上させた
ロッド用の材料が必要となる。
【0007】従来からロッドに採用されている実用的な
繊維強化プラスチックは、マトリックスに不飽和ポリエ
ステル樹脂若しくはビニルエステル樹脂若しくはエポキ
シ系樹脂を使用した引抜成形品が多用されていた。
【0008】しかし、不飽和ポリエステル樹脂やビニル
エステル樹脂は取り扱い性が容易で、成形性に優れては
いるが、耐熱性は150℃が限度であり、その上接着力
が一般的にエポキシ系樹脂より劣ることから、屈曲疲労
特性に難点があった。
【0009】一方エポキシ系樹脂は接着力に優れ品種も
数多くあり、耐熱性も良好であるが、耐熱性能を重視す
ると樹脂が固く脆くなり、屈曲疲労特性が著しく低下す
ることが良く知られている。
【0010】また、エポキシ系樹脂の固さや脆さを改善
して靭性向上を図り屈曲疲労特性を高めるためゴム変性
樹脂や可撓性付与剤を併用する手段も良く知られている
が、この場合は耐熱性が低下するため、要求性能を得ら
れないと言う問題があった。
【0011】本発明者らは、耐熱性を損なうこと無く屈
曲疲労特性に優れる材料を研究した結果、多官能性エポ
キシ系樹脂と芳香族系ポリカーボネート樹脂とによるポ
リマーアロイのマトリックスが、スノーモービルなどに
使用されるトラックベルトのロッド用複合材料として、
高速走行による高温昇温状態に耐える耐熱性を維持し且
つ屈曲疲労特性も大幅に向上させるものであることを見
いだし、本発明を完成させた。
【0012】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0013】マトリックスとして、熱硬化性樹脂である
多官能性エポキシ系樹脂と熱可塑性樹脂である芳香族系
ポリカーボネート樹脂とから成るポリマーアロイを採用
し、このポリマーアロイと強化繊維とから成ることを特
徴とする複合材料に係るものである。
【0014】また、マトリックスとして、熱硬化性樹脂
である多官能性エポキシ系樹脂と酸無水物系硬化剤と熱
可塑性樹脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂との混
合物を採用し、この混合物と強化繊維とから成ることを
特徴とする複合材料に係るものである。
【0015】また、請求項2記載の複合材料において、
多官能性エポキシ系樹脂を100重量部、酸無水物系硬
化剤を90〜130重量部、芳香族系ポリカーボネート
樹脂を3〜25重量部にしたことを特徴とする複合材料
に係るものである。
【0016】また、請求項2,3いずれか1項に記載の
複合材料において、多官能性エポキシ系樹脂として、分
子量250〜1000程度で且つ官能基数が3〜4程度
のエポキシ系樹脂を採用したことを特徴とする複合材料
に係るものである。
【0017】また、請求項〜4いずれか1項に記載の
複合材料において、強化繊維として、ガラス繊維,アラ
ミド繊維,カーボン繊維,アルミナ繊維を単独若しくは
2種以上組み合わせて採用したことを特徴とする複合材
料に係るものである。
【0018】また、請求項〜5記載の複合材料におい
て、多官能性エポキシ系樹脂として、グリシジルアミン
タイプのエポキシ系樹脂を採用したことを特徴とする複
合材料に係るものである。
【0019】また、請求項〜6記載の複合材料におい
無水物系硬化剤として、メチルテトラヒドロ無水
フタル酸、無水メチルナジック酸、高圧水素化法による
ヘキサヒドロ無水フタル酸を単独または2種以上を混合
して成る脂環型酸無水物系硬化剤を採用したことを特徴
とする複合材料に係るものである。
【0020】また、マトリックスとして、熱硬化性樹脂
である多官能性エポキシ系樹脂と酸無水物系硬化剤と熱
可塑性樹脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂との混
合物を採用し、この混合物と強化繊維とを使用して引抜
成形法により製造することを特徴とする複合材料の製造
方法に係るものである。
【0021】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、前記混合物に、官能基数が2で且つ分子量が
100〜600程度の2官能エポキシ系樹脂を更に混合
したことを特徴とする複合材料の製造方法に係るもので
ある。
【0022】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、酸無水物系硬化剤として、100〜250℃
の範囲で加熱硬化可能な脂環型酸無水物系硬化剤を採用
したことを特徴とする複合材料の製造方法に係るもので
ある。
【0023】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、芳香族系ポリカーボネート樹脂として、ガラ
ス転移点が130℃以上で且つ分子量が12000〜8
0000程度の芳香族系ポリカーボネート樹脂を採用し
たことを特徴とする複合材料の製造方法に係るものであ
る。
【0024】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、マトリックスの粘度が100〜15000m
pa・s程度で且つ80〜250℃の温度雰囲気で短時
間に硬化する液状のマトリックスを採用したことを特徴
とする複合材料の製造方法に係るものである。
【0025】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、引抜成形された成形品における強化繊維の体
積含有率を50〜70%、マトリックスの体積含有率を
30〜50%となるように調整することを特徴とする複
合材料の製造方法に係るものである。
【0026】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、マトリックスにおける芳香族系ポリカーボネ
ート樹脂の体積含有率を2〜25%となるように調整す
ることを特徴とする複合材料の製造方法に係るものであ
る。
【0027】また、請求項8記載の複合材料の製造方法
において、芳香族系ポリカーボネート樹脂として、融点
220〜240℃の芳香族系ポリカーボネート樹脂を採
用したことを特徴とする複合材料の製造方法に係るもの
である。
【0028】また、スノーモービルに使用されるトラッ
クベルトの横剛性部材用複合材料に、請求項8〜15い
ずれか1項に記載の複合材料の製造方法により製造され
た引抜成形品を採用したことを特徴とするトラックベル
トの横剛性部材用複合材料に係るものである。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、多官能性エポキシ系樹
脂と酸無水物系硬化剤と芳香族系ポリカーボネート樹脂
とを混合し、引抜成形法によりロッド用複合材料を得る
ことを特徴とするものである。
【0030】本発明によるマトリックスとは、詳しくは
多官能性エポキシ系樹脂100重量部酸無水物系硬
化剤90〜130重量部芳香族系ポリカーボネート樹
脂5〜45重量部からなるものである。
【0031】本発明に用いる多官能性エポキシ系樹脂と
は分子量が250〜1000程度のエポキシ樹脂で官能
基数が3〜4程度の樹脂が好ましく、引抜成形時の樹脂
の反応速度や成形品性能のバランス若しくは樹脂粘度調
整用に2官能基のエポキシ樹脂で分子量が100〜60
0程度のエポキシ樹脂をブレンドして用いることを妨げ
るものでは無い。
【0032】また、酸無水物系硬化剤とは脂環型酸無水
物系硬化剤で常温で液状であり、100〜250℃の範
囲で加熱硬化可能なものが引抜成形用として実際的であ
る。
【0033】本発明中、引抜成形品に靭性を付与し耐熱
性を維持しつつロッド用複合材料の屈曲疲労特性向上に
効果を発揮する芳香族系ポリカーボネート樹脂とはガラ
ス転移点が130℃以上で分子量が12000〜800
00程度のものが好ましい。
【0034】上記処方の選定にあたっては先ずマトリッ
クスが通常の引抜成形法による成形が可能であることが
前提となる。即ち引抜成形工程中の樹脂含浸槽内におけ
るマトリックスの粘度が100〜15000mpa・s
(ミリパスカル・秒)の液状であり80〜250℃の温度
雰囲気で速やかに硬化することが必要である。
【0035】このことからエポキシ系樹脂としてグリシ
ジルアミンタイプが粘度、硬化速度の面から適してい
る。
【0036】また、脂環型酸無水物系硬化剤としてはDi
els-Alder反応により得られる硬化剤のうち低粘度液状
体であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチル
ナジック酸、高圧水素化法によるヘキサヒドロ無水フタ
ル酸等を単独または2種以上をブレンドして用いること
が可能である。
【0037】熱可塑性樹脂は引抜成形法における成形工
程中の金型内で融解する融点、即ち180〜250℃程
度の温度で融ける樹脂として、芳香族系ではフェノキシ
樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート
樹指、芳香族ナイロン樹脂等が上げられるが、耐熱性に
関係するTg点、耐屈曲疲労性に関与する耐衝撃性及び
引張破断伸び率等が何れも高い芳香族系ポリカーボネー
ト樹脂を選定することが好ましい。
【0038】ところで、一般に熱硬化性樹脂を使用して
成形を行う引抜成形法では樹脂の硬化特性から、金型温
度を80〜250℃に設定し、樹脂の金型滞留時間は5
〜300秒程度で、連続的に金型から引き抜いて成形す
る。このプロセスにより硬化した樹脂は三次元架橋構造
となり強化繊維とマトリックスが一体化して不溶不融の
繊維強化プラスチック製引抜成形品となる。
【0039】金型温度を約250℃より高く設定して成
形すると熱硬化性樹脂の場合は発熱反応の熱が加わり、
所謂ベーキング現象を生じて成形品を得る事は困難であ
る。
【0040】従って、使用する熱可塑性樹脂の融点が金
型設定温度の上限である250℃を超える場合は、ベー
スとなるエポキシ系樹脂と熱可塑性樹脂が相溶する事無
く単なる充填剤として存在するだけであり、相溶状態か
ら樹脂の硬化過程で生ずるミクロ相分離構造による海島
状態とは全く異なるものであり成形物の強靭化にはなら
ない。
【0041】実験室的には、予めエポキシ系樹脂と熱可
塑性樹脂をメチレンクロライドのような溶解力の高い溶
媒を用いて一旦加熱相溶させ、後で溶媒を減圧除去した
後加熱硬化して成形物を得る手法で研究が多く報告され
ている(J.B.Cho,J.W.Hwang,K.CHO,J.H.An and C.E.par
k POLYMER,1993,Volume 34,Number 23 page 4832-48
36 山本、井上 Polymer Preprint,JAPAN Vol.41,No.3
1992)。
【0042】しかし、工業的成形生産方式で大量の樹脂
を使用する引抜成形法では、成形に使用するマトリック
ス樹脂は無溶剤でなければならず実験室レベルでは可能
な手法であっても、生産に応用することは極めて困難で
ある。また、メチレンクロライド等の溶解力の極めて強
い溶媒は毒性や環境汚染の問題もあり、工業的な利用は
難しい面がある。
【0043】一方マトリックスのエポキシ系樹脂と熱可
塑性樹脂を高温に保持しブレンドして時間を掛けて相溶
させることも可能ではあるが、高温のため樹脂の硬化反
応や変質を制御しながらポットライフを維持すること
は、装置やプロセスの複雑化を招き実際的ではない。
【0044】本発明は前記記載のようにエポキシ系樹脂
とその硬化剤として酸無水物系硬化剤を選定し、引抜成
形法による通常の金型設定温度80℃〜250℃の範囲
内に入る融点約220〜240℃の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂を特定して採用することにより熱可塑性樹脂で
ある芳香族ポリカーボネート樹脂を使用前にエポキシ系
樹脂と相溶させる必要が無く、従ってマトリックスの調
合に際し溶剤への加熱溶解とその後の溶剤の減圧除去と
いう複雑な手間を必要とする手順無しで所定の樹脂類を
ミキサーで単に撹拌混合後直ちに引抜成形に供する事が
可能となるばかりでなく、本発明の目的とする耐熱性を
維持し且つ屈曲疲労特性を大幅に向上することが可能な
ポリマーアロイ化された硬化マトリックスによる繊維強
化プラスチック製ロッド用複合材料を得る事が出来る。
【0045】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0046】本実施例は図6〜10に図示したスノーモ
ービル1に係るトラックベルト2のロッド3(一枚のト
ラックベルト2に40〜50本程度のロッド3が設けら
れている。)に使用される複合材料である。符号4は金
具である。
【0047】このロッド3(引抜成形品)を得るために
断面形状が直径12.8mmの略半円状で断面積が64.
5mm2の金型500mm長さのものを用意し、強化繊
維として日本電気硝子(株)製ガラスロービング2310
番手45本をラックから引き出し、引き揃えて半円状の
金型穴内に通した。
【0048】エポキシ系樹脂とのポリマーアロイ化を図
る熱可塑性樹脂として帝人化成(株)製パンライトL12
25(ガラス転移点約145℃、融点約230℃、比重
1.20)芳香族系ポリカーボネート樹脂を用意した。
【0049】(実施例1)マトリックスを以下の処方に
より選定し、撹拌羽根の回転数1600rpmのミキサ
ーにより3分間撹拌混合し引抜成形の強化繊維含浸用樹
脂として用意した。調合後の樹脂粘度は920mpa・
s(23℃)であった。
【0050】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 住友化学工業(株)製 ELM−100(3官能) 27.8重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 旭チバ(株)製 AER 260(2官能) 12.0重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 36.7重量部 メチルテトラヒドロ無水フタル酸 東燃石油化学(株)製 PH 5000 14.7重量部 〈芳香族系ポリカーボネート樹脂〉 帝人化成(株) パンライト1225 7.9重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.3重量部 ステアリン酸亜鉛 0.6重量部 合計 100.0重量部
【0051】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を240℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0052】FRPロッドの性状は128.5g/mガ
ラス含有率63.7体積%であった。
【0053】(実施例2)マトリックスを以下の処方に
より選定し、実施例1と同様に撹拌羽根の回転数160
0rpmのミキサーにより3分間撹拌混合し引抜成形の
強化繊維含浸用樹脂として用意した。
【0054】調合後の樹脂粘度は1240mpa・s
(23℃)であった。
【0055】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 三菱瓦斯化学(株)製 TETRAD C(4官能) 25.5重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE828(2官能)13.7重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 51.7重量部 〈芳香族系ポリカーボネート樹脂〉 帝人化成(株) パンライト1225 7.9重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部
【0056】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を240℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円状のFRPロッドを得た。
得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温乾燥
機で10時間の後硬化を行った。
【0057】FRPロッドの性状は128.7g/mガ
ラス含有率63.5体積%であった。
【0058】(実施例3)マトリックスを以下の処方に
より選定し、実施例1と同様に撹拌羽根の回転数160
0rpmのミキサーにより3分間撹拌混合し引抜成形の
強化繊維含浸用樹脂として用意した。
【0059】調合後の樹脂粘度は1620mpa・s
(23℃)であった。
【0060】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L (4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈芳香族系ポリカーボネート樹脂〉 帝人化成(株) パンライト1225 8.3重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部
【0061】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を240℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0062】FRPロッドの性状は129.0g/mガ
ラス含有率63.4体積%であった。
【0063】次に比較例について説明する。
【0064】前記実施例1〜3と同様にスノーモービル
1に係るトラックベルト2のロッド3を得るために、断
面形状が直径12.8mmの略半円状で断面積が64.5
mm2の金型500mm長さのものを用意し、強化繊維
として日本電気硝子(株)製ガラスロービング2310番
手45本をラックから引き出し、引き揃えて半円状の金
型穴内に通した。
【0065】比較例のマトリックスには次のものを用意
した。
【0066】比較例1にはスノーモービルの汎用機種に
採用されている従来処方のマトリックス。
【0067】比較例2には実施例2の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のみを添加しないマトリックス。
【0068】比較例3には実施例3の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のみを添加しないマトリックス。
【0069】比較例4には実施例3の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のかわりに同量のフェノキシ樹脂
を添加したマトリックス。
【0070】比較例5には実施例3の処方から芳香族系
ポリカーボネート樹脂のかわりに同量のポリエーテルエ
ーテルケトン樹脂を添加したマトリックス。
【0071】以下に具体的内容を例示する。
【0072】(比較例1)実施例と同じ装置により、強
化用ガラス繊維も同一の種類を同本数用意した。マトリ
ックスを下記の処方により選定し、撹拌羽根の回転数1
600rpmのミキサーにより3分間撹拌混合し引抜成
形の強化繊維含浸用樹脂として用意した。調合後の樹脂
粘度は620mp・s(23℃)であった。
【0073】 〈エポキシ系樹脂〉 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 旭チバ(株)製 AER 260(2官能) 56.2重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 ヘキサヒドロ無水フタル酸 新日本理化(株)製 リカシッドHH 42.1重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミタゾール 0.6重量部 ステアリン酸亜鉛 1.1重量部 合計 100.0重量部
【0074】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を170℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを140℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0075】FRPロッドの性状は128.2g/mで
ガラス含有率は64.1体積%であった。
【0076】(比較例2)比較例1と同様にして105
0mp・s(23℃)の調合樹脂を用意した。
【0077】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 三菱瓦斯化学(株)製 TETRAD C(4官能) 25.5重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールAタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE828(2官能)13.7重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 51.7重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミタゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 92.1重量部
【0078】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を200℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0079】FRPロッドの性状は128.4g/mで
ガラス含有率は64.1体積%であった。
【0080】(比較例3)比較例1と同様にして137
0mp・s(23)の調合樹脂を用意した。
【0081】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L(4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミタゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 91.7重量部
【0082】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を200℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0083】FRPロッドの性状は128.6g/mで
ガラス含有率は63.5体積%であった。
【0084】(比較例4)熱可塑性樹脂としてフェノキ
シ アソシエイト社製フェノキシ 樹脂PKHP−200
(ガラス転移点約120℃、融点約210℃、比重1.
18)を選定し、実施例3と同様にして調合後の粘度1
590mpa・s(23℃)の含浸用樹脂を用意した。
【0085】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L(4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈フェノキシ樹脂〉 フェノキシ アソシエイト社製 PKHP−200 8.3重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部
【0086】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を240℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0087】FRPロッドの性状は128.9g/mガ
ラス含有率63.5体積%であった。
【0088】(比較例5)熱可塑性樹脂として三井東圧
化学(株)製ポリエーテルエーテルケトン樹脂PEEK4
50(ガラス転移点約160℃、融点約340℃ 比重
1.30)を選定し、実施例3と同様にして調合後の粘
度1670mpa・s(23℃)の含浸用樹脂を用意し
た。
【0089】 〈エポキシ系樹脂〉 グリシジルアミンタイプエポキシ 東都化成(株)製 YH434L(4官能) 26.9重量部 ジグリシジルエーテルビスフェノールFタイプエポキシ 油化シェルエポキシ(株)製 EPIKOTE807(2官能)14.5重量部 〈酸無水物系硬化剤〉 無水メチルナジック酸 日立化成工業(株)製 AH 3000 44.5重量部 無水メチルテトラヒドロフタル酸 日立化成工業(株)製 HN 2200 4.6重量部 〈ポリエーテルエーテルケトン樹脂〉 三井東圧化学(株)製 PEEK450P 8.3重量部 〈添加剤〉 2エチル4メチルイミダゾール 0.4重量部 ステアリン酸亜鉛 0.8重量部 合計 100.0重量部
【0090】上記強化繊維/マトリックスによる構成に
より金型温度を240℃に設定し、引抜成形速度15c
m/minで成形し断面半円形状のFRPロッドを得
た。得られたFRPロッドを200℃に設定された恒温
乾燥機で10時間の後硬化を行った。
【0091】FRPロッドの性状は129.0g/mガ
ラス含有率63.4体積%であった。
【0092】以上前述の実施例1〜3と比較例1〜5で
得られた合計8種類のFRPロッド(引抜成形品)につ
いて以下に示す測定方法及び試験装置により、各々の特
性を確認し結果を図1に係る表に記載した。
【0093】〈樹脂粘度〉前述した実施例1〜3及び比
較例1〜5における樹脂粘度測定方法はJISK 71
17に準拠してB型粘度計にて測定を行ったものであ
る。
【0094】〈成形品単位重量〉実施例1〜3及び比較
例1〜5において引抜成形した8種類について、各々の
成形品を長さ方向に1000mmで切断し精度0.01
gの電子天秤で重量測定し表示は末尾を四捨五入して
0.1gの単位まで求めた。
【0095】〈体積含有率〉各々の成形品1000mm
当たりのガラス繊維投入量は2.31g/m×45本=
103.95g/mであり、ガラス繊維の比重を2.5
4、成形品1000mmの体積は64.5mm2×100
0mm=64.5cmとし、下記の式により算出した。
【0096】ガラス繊維の体積含有率(%) =(103.95/2.54)÷64.5×100=63.
4(%)
【0097】また、マトリックスの場合は下記の式によ
り求めた。 マトリックスの体積含有率(%)=100−(ガラス繊
維体積含有率)
【0098】更に、実施例1〜3及び比較例4、5で使
用した熱可塑性樹脂の体積含有率は下記により求めた。
【0099】マトリックスの成形品1000mm中の体
積は 64.5cm×(1−0.634)=23.61cm 熱可塑性樹脂のマトリックス中に占める体積含有率
(%) =(成形品単位重量−103.95)×熱可塑性樹脂添
加量(%)÷使用熱可塑性樹脂の比重÷23.61×1
00
【0100】〈Tg点(ガラス転移温度)〉8種類の成
形品のそれぞれから約0.5mm(厚さ)×1.5mm
(巾)×70.0mm(長さ)の試料を繊維方向に沿っ
て切り出し、RHESCA社製粘弾性測定装置RD−1
100ADを使用して、両端10mmを把持しチャック
間隔50mmとして昇温速度5℃/minで測定した。
【0101】〈曲げ強さ〉8種類の成形品のそれぞれの
現品をロッドの長さ方向に150mm長で切り出した物
を試料として、島津製作所(株)製AUTOGRAPH
AG−10TBを使用し、現物形状での三点曲げ強さを
測定した。此のとき支点間距離は100mmとし圧子及
び支え治具形状はJIS K7055に準拠した。ま
た、200℃の高温測定はそれぞれの試料を200℃の
同一雰囲気で30min間保持した後測定を行った。
【0102】また、応力負荷方向は断面半円形状の平面
側を支点にあてて円周方向から圧子により荷重を負荷し
た。
【0103】〈屈曲疲労特性〉8種類の成型品のそれぞ
れの現品をロッドの長さ方向に200mm長で切り出し
た物を試料として、森鉄工(株)製曲げ疲労試験機を使用
し、現物形状で四点曲げ繰り返し疲労試験を実施した。
此のとき両端支持支点距離は150mmの固定とし、応
力負荷圧子間隔は60mm、繰り返し荷重負荷量はスタ
ート時点で0〜200kgとしサイクル数は5Hzとし
た。此のとき圧子の荷重負荷方向は平面側から行った。
【0104】測定の終点は繰り返し曲げ疲労による応力
荷重の減少により、最大荷重が100kgに低下した時
点をもって終了とし繰り返し回数をもって表示した。
【0105】また、本試験による成形品の破断面を日立
製作所(株)製SEM S−2300により撮影し、その
代表例を図2及び図3に示した(図2,3はSEM撮影
した写真のコピーである。)。
【0106】図2は比較例3でマトリックスがポリマー
アロイ化されていない例であり、図3は本実施例3によ
るポリマーアロイ化された例である。
【0107】写真から観察されるようにポリマーアロイ
化されたマトリックスを採用した場合(図3の場合)
は、ガラスフィラメント表面に硬化した樹脂が非常に多
く付着している。
【0108】一方、ポリマーアロイ化されていないマト
リックスを採用した場合(図2の場合)は、ガラスフィ
ラメント層への樹脂付着が殆ど見られずフィラメント表
層面が露出状態である事が認められる。従って、ポリマ
ーアロイ化による強靭化即ち屈曲疲労耐久性の効果を確
認することが出来る。
【0109】これを更に各々のマトリックスのみによる
注型板を製作し、その衝撃破断面をSEM撮影した(図
4,5はSEM撮影した写真のコピーである。)。図4
は、比較例3の硬化マトリックス、図5は、本実施例3
のポリマーアロイ化された硬化マトリックスである。
【0110】図4では衝撃破壊方向にクラックが平行し
て揃って走っており、図5では破断面がうろこ状となり
強靭化されている状態が観察される。
【0111】以上のように本実施例に係る成形品は、ス
ノーモービルに係るトラックベルトのロッド材料として
耐熱性を損なわずに屈曲疲労耐久性が大幅に向上するこ
とになり、よって、スノーモービルの高速走行化への対
応が可能となる。そして、該ロッドは複雑な装置や作
業、危険な薬品類を使用する事無く通常の引抜成形法が
採用できる為、容易に工場生産することが出来ることに
なる。
【0112】
【発明の効果】以上のように本発明による複合材料は、
マトリックスとして、多官能エポキシ系樹脂と芳香族ポ
リカーボネート樹脂との混合物を採用するから、耐熱性
を損なわずに屈曲疲労耐久性を大幅に向上する複合材料
となり、また、該混合物を採用するから、該複合材料は
複雑な装置や作業、危険な薬品類を使用することなく、
通常の引抜成形法を採用できることになり、よって、容
易に工業生産し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の特性を示す表である。
【図2】比較例3に係る成形品の破断面をSEM撮影し
たときの状態を表した説明図である。
【図3】本実施例3に係る成形品の破断面をSEM撮影
したときの状態を表した説明図である。
【図4】比較例3のマトリックスのみにより注型板を製
作しその衝撃破断面をSEM撮影したときの状態を表し
た説明図である。
【図5】本実施例3のマトリックスのみにより注型板を
製作しその衝撃破断面をSEM撮影したときの状態を表
した説明図である。
【図6】スノーモービル1の説明正面図である。
【図7】スノーモービル1のトラックベルト2を示し、
そのトラックベルト2のロッド3を示した説明斜視図で
ある。
【図8】スノーモービル1のトラックベルト2を示し、
そのトラックベルト2のロッド3を示した説明平断面図
である。
【図9】スノーモービル1のトラックベルト2を示し、
そのトラックベルト2のロッド3を示した説明側断面図
である。
【図10】トラックベルト2のロッド3の説明斜視図で
ある。
【符号の説明】 1 スノーモービル 2 トラックベルト 3 ロッド
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 63:00 69:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスとして、熱硬化性樹脂であ
    る多官能性エポキシ系樹脂と熱可塑性樹脂である芳香族
    系ポリカーボネート樹脂とから成るポリマーアロイを採
    用し、このポリマーアロイと強化繊維とから成ることを
    特徴とする複合材料。
  2. 【請求項2】 マトリックスとして、熱硬化性樹脂であ
    る多官能性エポキシ系樹脂と酸無水物系硬化剤と熱可塑
    性樹脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂との混合物
    を採用し、この混合物と強化繊維とから成ることを特徴
    とする複合材料。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の複合材料において、多官
    能性エポキシ系樹脂を100重量部、酸無水物系硬化剤
    を90〜130重量部、芳香族系ポリカーボネート樹脂
    を3〜25重量部にしたことを特徴とする複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項2,3いずれか1項に記載の複合
    材料において、多官能性エポキシ系樹脂として、分子量
    250〜1000程度で且つ官能基数が3〜4程度のエ
    ポキシ系樹脂を採用したことを特徴とする複合材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項に記載の複合
    材料において、強化繊維として、ガラス繊維,アラミド
    繊維,カーボン繊維,アルミナ繊維を単独若しくは2種
    以上組み合わせて採用したことを特徴とする複合材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の複合材料において、
    エポキシ系樹脂として、グリシジルアミンタイプのエポ
    キシ系樹脂を採用したことを特徴とする複合材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の複合材料において、
    脂環型酸無水物系硬化剤として、メチルテトラヒドロ無
    水フタル酸、無水メチルナジック酸、高圧水素化法によ
    るヘキサヒドロ無水フタル酸を単独または2種以上を混
    合して成る脂環型酸無水物系硬化剤を採用したことを特
    徴とする複合材料。
  8. 【請求項8】 マトリックスとして、熱硬化性樹脂であ
    る多官能性エポキシ系樹脂と酸無水物系硬化剤と熱可塑
    性樹脂である芳香族系ポリカーボネート樹脂との混合物
    を採用し、この混合物と強化繊維とを使用して引抜成形
    法により製造することを特徴とする複合材料の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の複合材料の製造方法にお
    いて、前記混合物に、官能基数が2で且つ分子量が10
    0〜600程度の2官能エポキシ系樹脂を更に混合した
    ことを特徴とする複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の複合材料の製造方法に
    おいて、酸無水物系硬化剤として、100〜250℃の
    範囲で加熱硬化可能な脂環型酸無水物系硬化剤を採用し
    たことを特徴とする複合材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の複合材料の製造方法に
    おいて、芳香族系ポリカーボネート樹脂として、ガラス
    転移点が130℃以上で且つ分子量が12000〜80
    000程度の芳香族系ポリカーボネート樹脂を採用した
    ことを特徴とする複合材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の複合材料の製造方法に
    おいて、マトリックスの粘度が100〜15000mp
    a・s程度で且つ80〜250℃の温度雰囲気で短時間
    に硬化する液状のマトリックスを採用したことを特徴と
    する複合材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8記載の複合材料の製造方法に
    おいて、引抜成形された成形品における強化繊維の体積
    含有率を50〜70%、マトリックスの体積含有率を3
    0〜50%となるように調整することを特徴とする複合
    材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項8記載の複合材料の製造方法に
    おいて、マトリックスにおける芳香族系ポリカーボネー
    ト樹脂の体積含有率を2〜25%となるように調整する
    ことを特徴とする複合材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の複合材料の製造方法に
    おいて、芳香族系ポリカーボネート樹脂として、融点2
    20〜240℃の芳香族系ポリカーボネート樹脂を採用
    したことを特徴とするトラックベルトの横剛性部材用複
    合材料。
  16. 【請求項16】 スノーモービルに使用されるトラック
    ベルトの横剛性部材用複合材料に、請求項8〜15いず
    れか1項に記載の複合材料の製造方法により製造された
    引抜成形品を採用したことを特徴とするトラックベルト
    の横剛性部材用複合材料。
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