JPH0967354A - 保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法 - Google Patents

保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法

Info

Publication number
JPH0967354A
JPH0967354A JP7225595A JP22559595A JPH0967354A JP H0967354 A JPH0967354 A JP H0967354A JP 7225595 A JP7225595 A JP 7225595A JP 22559595 A JP22559595 A JP 22559595A JP H0967354 A JPH0967354 A JP H0967354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
hydroxyl group
reaction
acid derivative
acetic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7225595A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Koyanagi
信一郎 小柳
Shozo Tsuchiya
正三 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP7225595A priority Critical patent/JPH0967354A/ja
Publication of JPH0967354A publication Critical patent/JPH0967354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】穏和な条件下で、アミノ基及び水酸基を同一分
子内に有する化合物を原料として、アミノ基はそのまま
残し、水酸基のみが選択的に保護されたチアゾール酢酸
誘導体を高収率で得る。 【解決手段】アミノ基及び水酸基を有する化合物、例え
ば2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキ
シイミノ酢酸エチルを、強塩基、例えばカリウムt−ブ
トキシドの存在下に、ハロゲン化アラルキルまたは酸ハ
ロゲン化物、例えば塩化トリフェニルメチルと反応させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、保護水酸基を含有
するチアゾール酢酸誘導体の製造方法、詳しくは、水酸
基を有するチアゾール酢酸誘導体を、ハロゲン化アラル
キルまたは酸ハロゲン化物と反応させて、保護水酸基を
含有するチアゾール酢酸誘導体を工業的に有利に製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−ヒドロキシイミノ酢酸エステルは、医薬品製造の原
料として有用であり、例えば、このもののアミノ基また
は水酸基を保護基で保護した後、セフェム系等の抗生物
質を製造する際の原料として使用される。
【0003】しかして、このような水酸基を有するチア
ゾール酢酸誘導体における、その水酸基を保護する方法
としては、本発明者らの出願である特開平7−9736
8号公報における方法が既に知られている。即ち、2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミ
ノ酢酸エチル等に、これに対して当モル量以上の強塩基
つまり水素化ナトリウム等を加え、次いで同じく当モル
量以上のハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物つ
まり塩化トリフェニルメチル等を加えて反応させる方法
である。ここで、該公報の実施例では、強塩基は具体的
にはハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物に対し
て当モル量使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうした反
応においては、目的化合物の他に水酸基及びアミノ基の
両方が保護された下記一般式(III)
【0005】
【化3】
【0006】(但し、R1及びR2は上記式(II)と同じ
である。)で示されるような化合物が副生し、目的物の
収量や純度が低下する問題があった。
【0007】本発明者らの上記の技術は、選択的に水酸
基を保護する方法として有用であるが、更に選択率を上
げることが望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を考慮して鋭意検討した。その結果、チアゾール酢酸誘
導体の反応において、上記の如く、強塩基とハロゲン化
アラルキルまたは酸ハロゲン化物とを等モル量、或いは
強塩基をハロゲン化アラルキル等に対して少なく使用し
たものでは、上記副生物が著しく多くなることを発見し
た。これは、上記一般式(II)で示されるチアゾール酢
酸誘導体において、R2で示される基の脱離が生じ、そ
れが原因となり該チアゾール酢酸誘導体が不均化を起こ
し、上記副生物へと移行していくためと推測される。そ
してこの知見から、かかるチアゾール酢酸誘導体の反応
では、強塩基の使用量をハロゲン化アラルキルまたは酸
ハロゲン化物に対して過剰とすれば該化合物は安定に存
在し、上記の課題が解決できることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(a)一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】(但し、R1はカルボキシル基の保護基で
ある。)で示される化合物と(b)ハロゲン化アラルキ
ルまたは酸ハロゲン化物とを、(b)ハロゲン化アラル
キルまたは酸ハロゲン化物に対し1.01〜3倍モル量
の強塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般
式(II)
【0012】
【化5】
【0013】(但し、R1は上記式(I)と同じであ
り、R2はハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物
からハロゲン原子を除いた残基である。)で示される保
護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法で
ある。
【0014】また、本発明は、上記製造方法において、
反応を水と相溶する有機溶媒中で実施し、反応液からの
一般式(II)で示される保護水酸基を含有するチアゾー
ル酢酸誘導体の単離を、貧溶媒として水を使用した晶析
により実施することを特徴とする保護水酸基を含有する
チアゾール酢酸誘導体の製造方法をも提供するものであ
る。
【0015】上記式(I)において、R1で示されるカ
ルボキシル基の保護基は、エステル、活性エステル等の
カルボン酸誘導体を形成し、脱離可能な基であれば何等
差し支えない。例えば、アルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基、置換されていても良いアリール基またはN
−置換スクシンイミド基等を挙げることができる。これ
らの基をより具体的に説明すると、例えば、アルキル基
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭
素数が1〜4の低級アルキル基が好適であり、アルケニ
ル基はプロペニル基、アリル基、ヘキセニル基等の炭素
数が3〜6の基が好適であり、アラルキル基はベンジル
基、p−メトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等
の炭素数が7〜19の基が好適であり、置換されていて
もよいアリール基はフェニル基、トリル基、キシリル
基、p−ニトロフェニル基等の炭素数が6〜8の基が好
適であり、N−置換スクシンイミド基はN−ヒドロキシ
スクシンイミド基が好適である。中でも脱離の容易さ、
及び取扱いの容易さを考慮すると、アルキル基を好適に
採用することができる。
【0016】本発明において、ハロゲン化アラルキルま
たは酸ハロゲン化物は公知の化合物を何等制限なく採用
できる。これらの化合物におけるハロゲン原子としては
フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好適である。ハロゲ
ン化アラルキルは、アラルキル基に上記ハロゲン原子が
結合した化合物であり、酸ハロゲン化物は、カルボン酸
及びスルホン酸の水酸基を上記ハロゲン原子で置換した
化合物である。
【0017】これらの化合物を具体的に例示すると、ハ
ロゲン化アラルキルは、例えば塩化ベンジル、臭化ベン
ジル、塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチ
ル等を挙げることができ、酸ハロゲン化物は、例えばフ
ッ化アセチル、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化クロ
ロアセチル、塩化ジクロロアセチル、塩化トリクロロア
セチル、塩化ピバロイル、塩化メトキシカルボニル、塩
化トリクロロエトキシカルボニル、塩化メトキシアセチ
ル、塩化ベンジロキシカルボニル、塩化p−ニトロベン
ジロキシカルボニル、塩化4−エトキシ−1−ナフトキ
シカルボニル、塩化フェニルアセチル、塩化9−フルオ
レニルメトキシカルボニル、塩化ビニロキシカルボニ
ル、塩化アリロキシカルボニル、塩化フェニルスルホニ
ルエトキシカルボニル、塩化トリフェニルホスフィノエ
トキシカルボニル、フッ化ベンゾイル、塩化ベンゾイ
ル、臭化ベンゾイル、塩化p−フェニルベンゾイル、塩
化トリメチルベンゾイル、塩化ナフトイル、フッ化メタ
ンスルホニル、塩化メタンスルホニル、塩化エタンスル
ホニル、フッ化ベンゼンスルホニル、塩化ベンゼンスル
ホニル、フッ化p−トルエンスルホニル、塩化p−トル
エンスルホニル、フッ化ニトロベンゼンスルホニル、塩
化ニトロベンゼンスルホニル等を挙げることができる。
【0018】上記のハロゲン化アラルキルまたは酸ハロ
ゲン化物の、前記一般式(I)で示される化合物に対す
る使用量は、特に制限されるものではない。ただ、あま
り過剰に使用すると経済的に有利でなく、反応後のこれ
らの化合物または処理行程においてこれらが変化した化
合物の除去等の手間を考えると、原料に対して3倍モル
当量までの範囲であることが好ましく、更には2倍モル
当量までの範囲であることが好ましい。
【0019】本発明では、以上の一般式(I)で示され
る化合物とハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物
とを、強塩基の存在下で反応させ、前記一般式(II)で
示される保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体を
製造する。
【0020】ここで、一般式(II)において、R2は、
ハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物からハロゲ
ン原子を除いた残基を示す。この一般式(II)で示され
る化合物を具体的に例示すると、例えば、2−(2−ア
ミノ−4−チアゾリル)−2−ベンジロキシイミノ酢
酸、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−トリフ
ェニルメトキシイミノ酢酸、2−(2−アミノ−4−チ
アゾリル)−2−アセトキシイミノ酢酸、2−(2−ア
ミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシカルボニルオキ
シイミノ酢酸、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−ベンジロキシカルボニルオキシイミノ酢酸、2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ベンゾイルオキ
シイミノ酢酸等のメチルエステル、エチルエステル、t
−ブチルエステル、アリルエステル、ベンジルエステ
ル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル等を挙げる
ことができる。
【0021】なお、上記式(II)において、オキシイミ
ノ基に関して理論的にシン及びアンチの両異性体が存在
し得るが、本発明においては両者とも同様に用いること
ができる。
【0022】本発明において好適に使用することができ
る強塩基としては無機、有機を問わず電離定数の大きい
公知の塩基を何等制限なく採用することができる。例え
ば、該強塩基を共役塩基とする酸のpKaが15以上の
塩基が好適である。具体的には、有機強塩基としては、
例えばアルキル金属、金属アルコキシド、アセチリド、
有機金属アミド等を挙げることができ、無機強塩基とし
ては、例えば金属水素化物、金属水酸化物、無機金属ア
ミド等を挙げることができる。
【0023】本発明において好適に採用し得る強塩基を
より具体的に例示すると、有機強塩基としては、メチル
リチウム、n−ブチルリチウム、フェニルリチウム等の
アルキル金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブト
キシド、ナトリウムフェノキシド等の金属アルコキシ
ド;リチウムアセチリド、ナトリウムアセチリド等のア
セチリド;リチウムジ−i−プロピルアミド等の有機金
属アミドが好適である。また、無機強塩基としては、水
素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の
金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
金属水酸化物;ナトリウムアミド等の無機金属アミドが
好適である。
【0024】上記強塩基の中でも、カリウムt−ブトキ
シド等の金属アルコキシドを用いた場合は目的物の選択
率が高く、特に好適である。
【0025】ここで、上記強塩基の配合順序は、前記一
般式(I)で示される化合物とハロゲン化アラルキル等
との混合前に配合してもよいし、これらの混合後に配合
してもどちらでもよい。
【0026】本発明における最大の特徴は、上記反応に
際し、強塩基の使用量を、ハロゲン化アラルキルまたは
酸ハロゲン化物に対して1.01〜3倍モル当量用いる
ことにある。それにより、上記一般式(III)で示され
るような副生物の生成が抑制され、目的とするチアゾー
ル酢酸誘導体の収量が大きく向上する。
【0027】ここで、上記強塩基の使用量が1.01倍
モル当量より少ないときには、R2で示される基の脱離
が起こり始め、更に上記式(III)で示される副生物が
生成し、好ましくない。逆に3倍モル当量より多いとき
には、CO21で示されるカルボキシル基の脱離が起こ
り始め好ましくない。R2で示される基、及びCO21
で示される基を損なうことなく効率的に晶析を行うため
には上記強塩基の使用量が1.05〜2倍モル当量であ
ることがより好ましい。
【0028】本発明における反応は、有機溶媒中でも或
いは無溶媒でも進行するが、反応混合物を均一に撹拌す
るためには、有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。
用い得る溶媒としては特に制限されず、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプ
タン等の脂肪族炭化水素類;アセトニトリル等のニトリ
ル類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等の
エステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン等のアミド類;クロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;或
いはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の
カーボネート類等を使用することができる。また、メタ
ノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−
2−プロパノール等のアルコール類も本反応の溶媒とし
て同様に用いることができるが、アルコールはプロトン
性溶媒であるので、好適には3級アルコールを使用する
ことが好ましい。
【0029】上記有機溶媒の中でも、1,4−ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類を使用した場合
は目的物の収率及び選択率が高く、特に好適に採用する
ことができる。
【0030】これらの有機溶媒は、単一で使用してもよ
く、また2種類以上の混合溶媒で使用しても全く差し支
えない。また、水と相溶する有機溶媒は、水と混合した
状態で使用してもよい。使用する有機溶媒の量としては
特に制限されないが、あまり少ないと撹拌に影響を及ぼ
し、あまり多いと生産効率が下がるため、有機溶媒中で
の一般式(I)で示される化合物の濃度が0.1〜50
重量%、好ましくは0.5〜40重量%、更に好ましく
は1〜30重量%の範囲になるように有機溶媒を使用す
るのが好ましい。
【0031】本発明における反応温度は特に制限されな
いが、あまり温度が低いと系全体が凝固したり、反応速
度が小さくなり、逆に温度が高いと副生物の生成または
生成物の着色等が起こるため、通常、系の凝固点〜80
℃の範囲、好ましくは0〜50℃の範囲で行うのがよ
い。
【0032】反応は常圧、加圧、減圧のいずれの場合も
実行可能であり、反応に要する時間は反応温度、溶媒、
用いる酸の種類によっても異なるが、通常は、0.1〜
30時間の反応で十分である。
【0033】このようにして、上記一般式(I)で示さ
れる化合物を、ハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン
化物と反応させて、上記式(II)で示される水酸基のみ
が保護されたチアゾール酢酸誘導体を、高収率に工業的
に有利に製造することができる。
【0034】なお、本発明においては、上記反応を水と
相溶性のある有機溶液中で実施した場合には、反応液か
らの一般式(II)で示されるチアゾール酢酸誘導体の単
離は、貧溶媒として水を使用した晶析により実施するの
が好ましい。その場合、前記反応時において、強塩基を
ハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物に対して特
定の範囲で使用する本発明の効果が更に良好に発揮され
る。
【0035】即ち、該強塩基の使用量が本発明の範囲よ
り少なかったり多すぎたりした場合、反応中において副
生物の生成量が増加することは前記した通りであるが、
この現象は、かかる水を使用した晶析操作中においても
顕著に発生し、目的物はこの晶析操作中にもかなり分解
減少する。ところが、前記強塩基の使用量で反応を実施
した場合には、高収率で得られた該一般式(II)で示さ
れるチアゾール酢酸誘導体は、反応液をそのままこの晶
析に供しても、R1やR2の基が脱離することなく良好に
保持され単離される。
【0036】ここで、晶析に際する水の使用量は、該チ
アゾール酢酸誘導体化合物及び有機溶媒の種類によって
も異なるが、有機溶媒/水(容積比)が0.01〜10
0の範囲、更には0.1〜10の範囲から選択するのが
好ましい。
【0037】なお、析出したチアゾール酢酸誘導体は、
固液分離することによって容易に分離することができ
る。このような固液分離方法としては、公知の方法が特
に制限なく採用され、例えば、自然ろ過、加圧ろ過、減
圧ろ過等のろ過方法、デカンテーション、或いは遠心分
離等の方法が挙げられる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、上記一般式(I)で示
される化合物、即ち、2−(2−アミノ−4−チアゾリ
ル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸エステルにおいて、穏
和な条件下、良好な反応速度で且つ高収率、高選択率
で、その水酸基のみを保護基で保護することができる。
本発明で得られる保護された水酸基を有するチアゾール
酢酸誘導体は、セフェム系抗生物質等の医薬品製造の中
間体として有用であり、本発明は工業的に極めて有用で
ある。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例を掲げて本発明を説
明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものでは
ない。
【0040】実施例1 温度計を供えた1000mlの四つ口コルベンに、2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミ
ノ酢酸エチル21.52g(0.10mol)及びテト
ラヒドロフラン250mlを加えた。これに、氷冷下フ
ェニルリチウム(シクロヘキサン−エーテル溶液)83
ml(0.15mol)を加え、攪拌した後、塩化トリ
フェニルメチル27.88g(0.10mol)を加え
た。氷浴を取り除いた後、撹拌を続けた。室温で15時
間撹拌した後、高速液体クロマトグラフィー(以後HP
LCと略称する)で定量したところ、92.79%の収
率(収量42.46g)で目的物の2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−トリフェニルメトキシイミノ酢
酸エチルが生成していた。この時、副生物である2−
(2−トリフェニルメチルアミノ−4−チアゾリル)−
2−トリフェニルメトキシイミノ酢酸エチルは5.95
%生成していた。この反応液に水125mlを加えて室
温で1時間撹拌し、結晶を析出させた。その後、反応液
を吸引ろ過し、水、メタノールで洗浄した。結晶を真空
乾燥して目的物36.09gを得た。ここで、反応液中
の目的物に対する晶析後の収量を晶析収率として求める
と、85.00%であった。
【0041】比較例1 実施例1において、フェニルリチウムを塩化トリフェニ
ルメチルに対して等モル量用いた以外は実施例1と同様
に反応を行った。反応後の反応液をHPLCで分析、定
量したところ、89.01%の収率(収量40.73
g)で目的物が生成していた。この時、副生物は10.
30%生成していた。この後同様に操作し、目的物3
0.32gを得た(晶析収率74.44%)。
【0042】実施例2 温度計を供えた1000mlの四つ口コルベンに、2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミ
ノ酢酸エチル21.52g(0.10mol)、テトラ
ヒドロフラン250ml及び塩化トリフェニルメチル2
7.88g(0.10mol)を加えた。この混合物
に、氷冷下カリウムt−ブトキシド12.34g(0.
11mol)を加え、氷浴を取り除いた後、撹拌を続け
た。室温で15時間撹拌した後、HPLCで定量したと
ころ、94.69%の収率(収量43.33g)で2−
(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−トリフェニルメ
トキシイミノ酢酸エチルが生成していた。この時、副生
物である2−(2−トリフェニルメチルアミノ−4−チ
アゾリル)−2−トリフェニルメトキシイミノ酢酸エチ
ルは4.92%生成していた。この反応液に水125m
lを加えて室温で1時間撹拌し、結晶を析出させた。そ
の後、反応液を吸引ろ過し、水、メタノールで洗浄し
た。結晶を真空乾燥して目的物37.29gを得た(晶
析収率86.06%)。
【0043】比較例2 実施例2において、カリウムt−ブトキシドを塩化トリ
フェニルメチルに対して等モル量用いた以外は実施例2
と同様に反応を行った。反応後の反応液をHPLCで分
析、定量したところ、83.15%の収率(収量38.
05g)で目的物が生成していた。この時、副生物は1
5.19%生成していた。この後同様に操作し、目的物
26.81gを得た(晶析収率70.46%)。
【0044】比較例3 実施例2において、カリウムt−ブトキシドを塩化トリ
フェニルメチルに対して4倍モル当量用いた以外は実施
例2と同様に反応を行った。反応後の反応液をHPLC
で分析、定量したところ、34.79%の収率(収量1
5.92g)で目的物が生成していた。この時、副生物
は36.91%生成しており、目的物のエステル部分が
脱離した2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ト
リフェニルメトキシイミノ酢酸ナトリウムは22.48
%生成していた。
【0045】実施例3〜7 表1に示す強塩基を使用して実施例2と同様に操作し、
その結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】実施例8〜12 表2に示すハロゲン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物
を使用して実施例2と同様に操作し、その結果を表2に
示した。
【0048】
【表2】
【0049】実施例13〜16 表3に示すチアゾール酢酸誘導体を使用して実施例2と
同様に操作し、その結果を表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】実施例17〜20 実施例2において、塩化トリフェニルメチルに対するカ
リウムt−ブトキシドの量として表4に示す量を採用し
た以外は実施例2と同様に操作し、その結果を表4に示
した。
【0052】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(I) 【化1】 (但し、R1はカルボキシル基の保護基である。)で示
    される化合物と(b)ハロゲン化アラルキルまたは酸ハ
    ロゲン化物とを、(b)ハロゲン化アラルキルまたは酸
    ハロゲン化物に対し1.01〜3倍モル量の強塩基の存
    在下に反応させることを特徴とする、一般式(II) 【化2】 (但し、R1は上記式(I)と同じであり、R2はハロゲ
    ン化アラルキルまたは酸ハロゲン化物からハロゲン原子
    を除いた残基である。)で示される保護水酸基を含有す
    るチアゾール酢酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】反応を水と相溶する有機溶媒中で実施し、
    反応液からの一般式(II)で示される保護水酸基を含有
    するチアゾール酢酸誘導体の単離を、貧溶媒として水を
    使用した晶析により実施することを特徴とする請求項1
    記載の保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製
    造方法。
JP7225595A 1995-09-01 1995-09-01 保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法 Pending JPH0967354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7225595A JPH0967354A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7225595A JPH0967354A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0967354A true JPH0967354A (ja) 1997-03-11

Family

ID=16831792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7225595A Pending JPH0967354A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0967354A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011029596A1 (en) 2009-09-11 2011-03-17 Lonza Ltd Process for preparing 2-aminothiazol-4-yl-acetic acid derivates

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011029596A1 (en) 2009-09-11 2011-03-17 Lonza Ltd Process for preparing 2-aminothiazol-4-yl-acetic acid derivates

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100223384B1 (ko) 삼중수화된 세픽시미(cefixime)의 제조방법
EP0930292B1 (en) Process for preparing beta-amino-alpha-hydroxy acid derivatives
US6825345B2 (en) Process for purification of a cephalosporin derivative
US6835829B2 (en) Purification process
CA2043817A1 (en) Process and intermediates for beta-lactams having aminothiazole (iminooxyacetic acid) acetic acid sidechains
JPH0967354A (ja) 保護水酸基を含有するチアゾール酢酸誘導体の製造方法
JP4022070B2 (ja) 新規チアゾール化合物およびその製造方法
JP2002179658A (ja) N−[1−(s)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル]−l−アラニンn−カルボキシアンハイドライドの製造方法及びその製造方法で使用する化合物
JPH0797368A (ja) 保護水酸基含有複素環化合物の製造方法
EP1061082B1 (en) Process for the preparation of beta-hydroxy esters
JPH0967353A (ja) 保護水酸基含有チアゾール酢酸誘導体の製造方法
JP3396068B2 (ja) 保護された水酸基を有する複素環化合物の製造方法
JPH08259550A (ja) 保護された水酸基を有するチアゾール誘導体の製造方法
EP1071659A1 (en) Improved process for the manufacture of n-(1-cyanoalkyl)-2-phenoxypropionamide derivatives
JP3518817B2 (ja) 2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−アセトキシイミノ酢酸またはその誘導体の製造方法
JP2002179612A (ja) 2,3−ジブロモ琥珀酸類の製造方法
JP2845789B2 (ja) アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法
EP0102687B1 (en) Process for the preparation of a 4-halo-2-hydroxyimino-acetoacetic acid ester
JPH0641066A (ja) ピロール誘導体の製造方法
JP3181826B2 (ja) 2−アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法
JPH08176128A (ja) チアゾール酢酸の製造方法
JPH069646A (ja) エキソメチレンセファム類の調製方法
JP3396066B2 (ja) 保護アミノ基含有複素環化合物の製造方法
JPH08295680A (ja) アミノチアゾール酢酸誘導体の製造方法
JP2001081083A (ja) N−炭化水素オキシカルボニルアラニルアミノチアゾール酢酸エステル誘導体の製造方法