JPH0966677A - 保護層付与材料 - Google Patents

保護層付与材料

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JPH0966677A
JPH0966677A JP7225416A JP22541695A JPH0966677A JP H0966677 A JPH0966677 A JP H0966677A JP 7225416 A JP7225416 A JP 7225416A JP 22541695 A JP22541695 A JP 22541695A JP H0966677 A JPH0966677 A JP H0966677A
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protective layer
layer
resin
acrylate
providing material
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JP7225416A
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Tomoyoshi Tateishi
朋美 立石
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被保護層付与材料に使用前にブロッキングを
生じないで、耐久性、特に耐摩擦性に優れた保護層を被
保護層付与材料の表面に形成できる。 【解決手段】 支持体の上に硬化して樹脂になりうる放
射線硬化性化合物を含有した層を剥離可能に設けた保護
層付与材料において、有機及び/または無機の微粒子を
含有させた保護層付与材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保護層付与材料に関
し、更に詳しくは画像等の記録を有する被保護層付与材
料に優れた耐摩擦性等の耐久性を与え、更に画像等に優
れた発色性や光沢性を与えることができる保護層付与材
料及びこれを用いた保護層付与方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、免許証類、身分証明証、会員証、
名刺等のIDカードが普及するようになり、熱転写型I
Dカードの利用が行なわれている。特に熱移行性の色素
を用いる、いわゆる昇華型熱転写方式はフルカラーの画
像が容易に形成できることから、IDカードの作成には
有効な方法である。特開平6−286350号公報には
画像が保護されたIDカードが記載されている。前述し
たIDカードは、磁気等で認識する箇所が設けられてお
り、この箇所を認識させる時機械に擦り付けたりするの
で、耐摩擦性が要求されるが、顔写真や文字や数字等の
画像は耐久性、特に耐摩擦性が劣っているために、記録
部及び/または記録していない部分等が損傷し、情報を
読み取れない。この様な問題点を解決する方法として
は、画像面に熱硬化性樹脂塗料や放射線硬化性樹脂塗料
を塗布及び硬化させる方法もあるが、これらの方法は塗
料中の溶剤が画像を浸し変褐色させる恐れがあったり、
均一な塗布膜を形成しにくかったり、塗布後のままの状
態で保存する必要があったり、塗布液の使用前後にゴミ
等が付着してしまう。又、熱転写方式では保護層を画像
面に熱転写(熱融着)させる方法もあるが、これらの方
法では保護層の厚みが薄くなり、耐久性、特に耐摩擦性
を十分満足できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記従来技術の問題点を解決し、かつ、保護層が被保
護層付与材料の端面に支持体から余分にくっついてしま
う、いわゆるバリの生じない保護層付与材料を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体の上に硬化して樹脂になりうる放射線硬化性化合
物を含有した層を剥離可能に設けた保護層付与材料にお
いて、有機及び/または無機の微粒子を含有することを
特徴とする保護層付与材料によって達成されることを見
だした。被保護層付与材料とは、傷付き易い材料や、擦
れ易い材料、光、熱、圧力、空気(酸素等の気体等)、
溶剤(水、アルコール等)からの表面に対する影響を避
けたい材料等で、表面の保護や補強をした材料である。
例えば、写真やプリントやテレホンカードやIDカード
等のような各種記録材料、、各種プラスチック製品(ケ
ース、棚等)、各種雑貨品(靴、本、鉛筆等)、各種布
製品(靴、衣類等)、各種金属製品(看板、鉄板等)、
各種陶器(茶碗、タイル等)等がある。各種記録材料と
しては、写真記録材料、印刷材料、昇華型熱転写記録材
料、溶融型熱転写記録材料、熱転写記録材料、インクジ
ェット材料、感熱材料、製版印刷材料等が挙げられる。
中でも、昇華型熱転写記録材料が好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の保護層付与材料に
ついて説明する。本発明の保護層付与材料は、予め画像
等の情報を記録された被保護層付与材料及び/または未
記録の被保護層付与材料と、熱及び/または圧力によっ
て、被保護層付与材料と硬化性保護層付与層を重ね合
し、それから、硬化性保護層付与層を硬化し、保護層付
与材料の支持体から保護層を剥離することによって画像
面上に保護層を形成する。
【0006】本発明の保護層付与材料の支持体としては
従来知られている支持体のいずれもが使用できる。一般
的な具体例を下記に挙げる。まず、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リカーボネート、セルロースエステル、アセチルセルロ
ース、弗素ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、
ポリオレフィン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリプロピレン、ポリスルフォン、セロファン、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、ポリエステル、ポリスチレン、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、
アイオノマー、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルイミド、ポリアクリレート、ポリメ
チルメタクリレート等の樹脂フィルム、各種のプラスチ
ックフイルムまたはシートが使用される。更に、原紙
(非塗工紙)及び上質紙、アート紙、コート紙、キャス
トコート紙、バライタ紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂、
またはエマルション含浸紙、合成ゴムラテックス含浸
紙、合成樹脂脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリ
オレフィンコート紙(特にポリエチレンで両側を被覆し
た紙)等の塗工紙も使用できる。合成紙(ポリオレフィ
ン系、ポリスチレン系等の合成紙)や布等も使用するこ
とができる。上記支持体の樹脂フィルムは単独で用いて
も良いし、任意の組合せによる積層体も使用できる。こ
れらの支持体の厚みは、一般に2〜360μmの範囲で
あることが好ましく、5〜100μmの範囲であること
が更に好ましいが、支持体の材質によって取扱上の最適
値が異なるため、上記範囲に制限されるものではない。
また、必要に応じて剥離性を向上させる為の下塗り層を
付与してもよい。上記支持体のうちでは、処理温度およ
び処理圧力に耐えることのできるものが好ましく、紙、
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステル、
ポリカーボネイト、ポリアミド等のフィルムが好まし
い。なかでも、ポリエチレンテレフタレート及びポリエ
チレンナフタレートのフィルムが特に好ましい。
【0007】本発明に用いられる様な有機及び/または
無機の微粒子(以下マット剤と略す。)は写真技術分野
に於いてよく知られており、親水性有機コロイドバイン
ダー中に分散可能な有機及び/または無機材料の不連続
固体粒子であると定義できる。無機のマット剤の例とし
ては酸化物(例えば二酸化珪素、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、酸化アルミニウム等)、アルカリ土類金属塩
(例えば硫酸塩や炭酸塩であり、具体的には硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム等)、画像を形成しないハロゲン化銀粒子(塩化銀や
臭化銀等で更にハロゲン成分としてヨウ素原子がわずか
ながら加わっていてもよい)やガラス等である。なかで
も二酸化珪素が好ましい。そして、有機のマット剤とし
ては例えば澱粉、セルロースエステル(例えば、セルロ
ースアセテートプロピオネート等)、セルロースエーテ
ル(例えばエチルセルロース等)、合成樹脂等が挙げら
れる。合成樹脂の例としては水不溶または難溶性合成ポ
リマーであり、例えばアルキル(メタ)アクリレート、
アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ベン
ゾグアナミン樹脂やメラミン−ホルムアルデヒドの縮合
体、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニ
トリル、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン)、
スチレン等の単独もしくは組み合わせ、またはこれらと
アクリル酸、メタクリル酸、α,β─不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
の組み合わせを単量体成分とするポリマーを用いること
ができる。なかでもポリメチルメタアクリレートや、ポ
リエチレン、下記構造式のベンゾグアナミン樹脂やメラ
ミン−ホルムアルデヒドの縮合体が特に好ましく用いら
れる。
【0008】
【化1】
【0009】ベンゾグアナミン樹脂やメラミン−ホルム
アルデヒドの縮合体の商品としては、日本触媒(株)社
製エポスターGP−50、GP−70、GP−90、
S、S12、M30、MS、L15、ポリメチルメタア
クリレートの商品としては、綜研化学工業製MR−2
G、MR−7G、MR−13G、MR−20G、MR−
40G、MR−90、ポリエチレンの商品としては製鉄
化学製フロービーズCL−2080、LE−1080等
を挙げることができる。
【0010】これらのマット剤の平均粒子サイズは約
0.1〜20μm位が適当で、好ましくは0.1〜5μ
m、更に好ましくは0.1〜3μmである。また、これ
らのマット剤の塗布量は0.0001〜0.1g/m2
位が適当で、好ましくは0.0002〜0.05g/m
2 、更に好ましくは0.0005〜0.02g/m2
ある。
【0011】本発明の放射線硬化性化合物とは、放射線
の照射によって付加重合性または開環重合性を有し樹脂
になる化合物である。付加重合性を有する化合物として
はエチレン性不飽和結合を有する化合物、開環重合性を
有する化合物としてはエポキシ基を有する化合物等が挙
げられる。
【0012】本発明に使用することができる放射線硬化
性化合物とは、炭素−炭素不飽和結合を一個以上有する
エチレン性不飽和基を有する化合物であって、具体的に
は、アクリル酸およびその塩、アクリル酸エステル類、
アクリルアミド類、メタクリル酸およびその塩、メタク
リル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン
酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、ス
チレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−
ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類
およびそれらの誘導体等がある。具体的には、アクリロ
イル基、メタクリロイル基、エタクリロイル基、アクリ
ルアミド基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオ
エーテル基等を含む化合物のことである。上記放射線硬
化性化合物は、単独で使用しても二種以上を併用しても
よい。また、エポキシ環を一個もしくは二個以上有する
化合物、例えばグリシジルアクリレートなどであっても
よい。更には、これらの化合物は単量体もしくはオリゴ
マー、高分子量体であってもよい。以下、放射線硬化性
化合物のうち、代表的なものを例示するが、これによっ
て限定されるものではない。
【0013】(a)ポリエステルアクリレート、ポリエ
ステルメタクリレート 例えば、東亜合成化学工業(株)の商品名でいえは、ア
ロニックスM−5300、M−5400、M−550
0、M−5600、M−5700、M−6100、M−
6200、M−6300、M−6500、M−710
0、M−8030、M−8060、M−8100、大阪
有機化学工業(株)の商品名でいえばビスコート70
0、3700、日本化薬(株)の商品名でいえばカヤラ
ッドHX−220、HX−620等が挙げられる。
【0014】(b)エポキシアクリレート、エポキシメ
タクリレート 例えば、新中村化学(株)の商品名でいえばNKエステ
ルEA−800、EPM−800、大阪有機化学工業
(株)の商品名でいえばビスコート600、540、サ
ンノプコ(株)の商品名でいえばフォトマー3016、
3082等が挙げられる。
【0015】(c)ウレタンアクリレート、ウレタンメ
タクリレート 例えば、東亜合成化学工業(株)の商品名でいえばアロ
ニックスM−1100、M−1200、M−1210、
M−1250、M−1260、M−1300、M−13
10、大阪有機化学工業(株)の商品名でいえばビスコ
ート812、823、832、新中村化学(株)の商品
名でいえばNKエステルU−4HA、U−108A、U
−122A、U−200AX、U−340AX、U−1
084A、U−4HA、U−6HA、U−324A、U
−A−100、U−401A、U−1301A、U−6
01BA、U−1001BA、U−423A、U−41
2TXA、U−423TXA、U−0108B等が挙げ
られる。
【0016】(d)単官能アクリレート、単官能メタク
リレート 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エトキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、フルフリルアクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、
トリシクロデカニルオキシアクリレート、ノニルフェニ
ルオキシエチルアクリレート、1,3−ジオキソランア
クリレート、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等が挙
げられる。エチレンオキシド変性フェノキシ化りん酸ア
クリレート、エチレンオキシド変性ブトキシ化りん酸ア
クリレート、この他に東亜合成化学工業(株)の商品名
でいえばアロニックスM−101、M−102、M−1
11、M−113、M−114、M−117、M−12
0、M−152、M−154等、新中村化学(株)商品
名でいえばMKエステルM−20G、M−40G、M−
90G、M−230GCB−1、SA、S、トポレン
M、MKエステルAMP−18G、AMP−20G、A
MP−60G、AM−90G、A−SA、LA等が挙げ
られる。
【0017】(e)多官能アクリレート、多官能メタク
リレート、多官能オリゴマー 例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ブタンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
ブタンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメ
チロールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
メタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート、イソシアヌル酸ジアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、イソシアヌル酸トリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキシ
ド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロ
ピレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、プロピレンオキシド変性ジペンタエリスリトー
ルポリアクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエ
リスリトールポリアクリレート、ポリオキシアルキレン
化ビスフェノールAのジメタクリレート、ポリオキシエ
チレン化ビスフェノールAのジアクリレート、2−(2
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロ
キシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリ
レート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチ
ル)−5,5−ジヒドロキシメチル−1,3−ジオキサ
ントリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピ
レンオキサイド付加物のトリアクリレート、ジペンタエ
リスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサアクリレ
ート、ヒドロキシポリエーテルのポリアクリレート等が
あげられる。
【0018】東亜合成化学工業(株)の商品名でアロニ
ックスM−210、M−215、M−220、M−23
0、M−233、M−240、M−245、M−30
5、M−309、M−310、M−315、M−32
0、M−325、M−330、M−400、TO−45
8、TO−747、TO−755、THIC.TA2、
日本化薬(株)の商品名でいえばカヤラッドTC−11
0S、TC−120S、HDDA、NPGDA、TPG
DA、PEG400DA、MANDA、HX−220、
HX−620、R−551、R−712、R−604、
R−167、TPA−320、TPA−330、PET
−30、カヤラッドD−310、D−330、カヤラッ
ドDPHA、カヤラッドDPCA−20、DPCA−3
0、DPCA−60、DPCA−120、新中村化学
(株)の商品名でいえばNKエステル1G、2G、3
G、4G、5G、14G、23G、BG、HD、NP
G、APG−400、APG−700、A−BPE−
4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−
3、A−TMM−3L、A−TMMT、9PG、70
1、BPE−100、BPE−200、BPE−50
0、BPE−1300、A−200、A−400、A−
600、A−HD、A−NPG、APG−200、A−
BPE−10、701−A、A−BPP−3等が挙げら
れる。
【0019】(f)その他 例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニル
ピロリドン等が挙げられる。特に、ポリオールの不飽和
エステル類、例えば、エチレンジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、グリセロールトリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アクリロイ
ルモルフォリン等のモノマーを挙げることができる。こ
れらは、分子内に不飽和結合が二個以上あってもよい。
【0020】本発明の放射線硬化性化合物の開環重合性
を有する化合物として、エポキシ基を有する化合物の具
体例を挙げる。 (a)エポキシ基含有のグリシジルエーテル 例えば、共栄社化学(株)の商品名でいえばエポライト
M−1230、40E、200E、400E、70P、
200P、400P、1500NP、1600、80M
F、100MF、4000、3002、FR−1500
等を挙げることができる。
【0021】好ましい本発明の放射線硬化性化合物は、
多官能の単量体またはオリゴマーまたは高分子量体であ
って、分子鎖の末端あるいは側鎖にアクリレート基を有
するポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ
エーテル、ポリカーボネートのプレポリマー等である。
特に好ましくは、アクリレート基を有するポリエステル
(ペンタエリスリトールアクリレート等)、アクリレー
ト基を有するポリウレタン(新中村化学(株)の商品
名、NKエステルU−108A、U−1001BA)で
ある。
【0022】本発明の放射線硬化性組成物中には光反応
開始剤を用いることが出来る。光重合開始剤の例として
は、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類(ジクロロア
セトフェノン、トリクロロアセトフェノン等)、ベンゾ
イン類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベンジ
ル、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケ
タール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾ
化合物等等を挙げることができる。これらの詳細につい
ては「紫外線硬化システム」(1989年、総合技術セ
ンター)第63頁〜第147頁等に記載されている。好
ましい光反応開始剤としては、ベンゾフェノン類、アセ
トフェノン類が用いられる。具体的化合物例としては、
日本チバガイギー(株)社製イルガキュア184、イル
ガキュア651、イルガキュア1174等が挙げられ
る。開環重合用の重合開始剤として、カチオン重合開始
剤を挙げることができる。カチオン重合開始剤の例とし
ては、芳香族オニウム塩、周期表第VIa族元素のスル
ホニウム塩を挙げることができる。芳香族オニウム塩と
しては、具体的には、周期表第Va族元素の塩、例えば
スルホニウム塩(例えばヘキサフルオロリン酸トリフェ
ニルフェナシルホスホニウム等)、周期表第VIa族元
素の塩、例えばスルホニウム塩(例えばテトラフルオロ
ホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン
酸トリフェニルホスホニウム、ヘキサフルオロリン酸ト
リス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウムおよび
ヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウム
等)、及び周期表第VIIa族元素の塩、例えばヨード
ニウム塩(例えば塩化ジフェニルヨードニウム等)を挙
げることができる。このような芳香族オニウム塩をカチ
オン重合開始剤に用いる場合、放射線硬化性化合物とし
てはエポキシ系の化合物が好ましい。これは、米国特許
第4,058,401号、同第4,069,055号、
同第4,101,513号及び同第4,161,478
号明細書に詳細に記述されている。
【0023】周期表第VIa族元素のスルホニウム塩と
しては、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスル
ホニウムを挙げられる。このような重合開始剤の含有量
は、放射線硬化性化合物100重量部あたり0.5〜3
0重量部が好ましく、特に2〜20重量部が好ましい。
放射線硬化性化合物100重量部あたり0.5重量部未
満の場合は紫外線を照射したときに硬化速度が極端に遅
くなる等の理由で好ましくない。
【0024】本発明の保護層付与材料の放射線硬化性化
合物組成物はバインダーを含んでいてもよい。バインダ
ーとしては放射線硬化性化合物組成物と相溶しても非相
溶でもよく、一般に膜を形成しうる種々の樹脂を用いる
ことができる。好ましくは、被保護層付与材料と接着性
の良好な樹脂を用いる。バインダーと放射線硬化性化合
物組成物とを適当な溶剤中に溶解または分散させて塗工
液を調製し、前記した支持体の一方の面に、例えば約2
〜100μm、好ましくは5〜40μmの乾燥膜厚にな
る塗布量で塗布乾燥して保護層を形成することによって
得られる。このようなバインダー樹脂は、例えば放射線
硬化性化合物組成物100重量部当たり約20〜600
重量部の割合で使用するのが好ましい。本発明におい
て、上記の放射線硬化性化合物組成物およびバインダー
樹脂を溶解または分散するための溶剤としては、従来公
知の溶剤が自由に使用できる。
【0025】又、上記バインダー樹脂としては、このよ
うな目的に従来公知であるバインダー樹脂のいずれも使
用することができ、通常耐熱性が高いものが選択され
る。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系
樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリアクリル
アミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリル)、ポリ
ビニルピロリドンを初めとするビニル系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン、ポリフ
ェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例えばメチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、セルロースアセテート水素フタレート、酢酸セ
ルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セル
ロースアセテートブチレート、セルローストリアセテー
ト)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルブチラールなどの部分ケン化ポ
リビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン誘導体、ク
マロン−インデン樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)など
が用いられる。
【0026】具体的には、バインダー樹脂のポリマーと
しては次のような樹脂が挙げられる。 (イ)エステル結合を有するもの。 テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等のジカルボン
酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、
カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プルピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等の
縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタ
クリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル
酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン
アクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂
等。具体的には特開昭59─101395号、同63─
7971号、同63─7972号、同63─7973
号、同60─294862号各公報に記載のものを挙げ
ることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイ
ロン290、バイロン200、バイロン280、バイロ
ン300、バイロン103、バイロンGK−140、バ
イロンGK−130、花王製のATR−2009、AT
R−2010、ユニチカ製のエリーテルUE3500、
UE3210、XA−8153、日本合成化学製のポリ
エスターTP−220、R−188等が使用できる。
【0027】(ロ)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 (ハ)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂等。 (ニ)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (ホ)スルホン結合を有するもの。 ポリスルホン樹脂等。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、スチレン─無水マレイン酸樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリ
ロニトリル樹脂等。 (ト)その他 ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル
をケン化し、ポリビニルアルコールとし、これにブチル
アルデヒドを反応させて合成される。市販品として、電
気化学工業(株)製、積水化学(株)製等のものが知ら
れている。本発明に用いるポリビニルブチラールとして
は、ポリビニルブチラール含有量が70重量%以上、平
均重合度500以上のものが好ましく、更に好ましくは
平均重合度1000以上である。市販の商品としては電
気化学工業(株)製デンカブチラール3000−1、4
000−2、5000A、6000C、積水化学(株)
製エスレックBL−1、BL−2、BL−3、BL−
S、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−
S、BH−3、BX−1、BX−7等が優れている。
【0028】上記のような合成樹脂に加えて、これらの
混合物あるいは共重合体等も使用できる。具体的な共重
合体としては、ポリ酢酸ビニル−ポリ塩化ビニル共重合
樹脂を挙げることができる。また、アクリル樹脂やメタ
クリル樹脂も挙げられる。アクリル樹脂としては、市販
の商品名では、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールSE
−5437、SE−5102、SE−5377、SE−
5649、SE−5466、SE−5482、HR−1
69、124、HR−1127、HR−116、HR−
113、HR−148、HR−131、HR−470、
HR−634、HR−606、HR−607、LR−1
065、574、143、396、637、162、4
69、216、BR−50、BR−52、BR−60、
BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、B
R−79、BR−80、BR−83、BR−85、BR
−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−
95、BR−100、BR−101、BR−102、B
R−105、BR−106、BR−107、BR−10
8、BR−112、BR−113、BR−115、BR
−116、BR−117、BR−118等を挙げること
ができる。
【0029】本発明に用いられる水溶性バインダーとし
ては公知の種々の水溶性及び/または水分散性ポリマー
を使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有す
る水溶性のポリマーが好ましく、中でもポリビニルアル
コール類やゼラチン類が特に好ましい。水溶性バインダ
ーの分子量は1×103 〜1×106 が適当であり、特
に1×104 〜2×105 が好ましい。塗布量は本発明
の無機の固体微粒子1重量部に対し、0〜50重量部が
適当であり、0〜30重量部が好ましい。
【0030】本発明は被保護層付与材料としては記録材
料が好ましく、記録材料として例えば昇華型熱転写記録
材料の場合は、本発明の保護層付与材料を構成するバイ
ンダーとしては、昇華型記録材料の受像材料に用いたバ
インダーと構造及び/又は組成の似たバインダーを使用
するのが好ましい。具体的には昇華型熱転写記録材料の
受像材料のバインダーがポリエステル系、ポリビニルア
ルコール系、ポリカーボネート系、ポリアクリル系等の
場合は、本発明の保護層付与材料のバインダーも、ポリ
エステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネー
ト系、ポリアクリル系等が好ましく、本発明の保護層付
与材料の放射線硬化性化合物としては、ラジカル重合の
場合、ウレタンアクリレート系、アクリル系、メタクリ
ル系等が好ましく、カチオン重合の場合、エポキシ基含
有のグリシジルエーテル系が好ましい組合わせとして挙
げることができる。
【0031】本発明の剥離可能に設けた放射線硬化性化
合物を含有する硬化性保護層は2層以上の層で構成して
もよい。その場合、支持体に近い方の層は保護層を形成
した時には最外層になるので、本発明のマット剤は支持
体に近い方の層に用いるのが好ましい。また、支持体に
近い方の層は、ガラス転位点の高い合成樹脂を用いた
り、硬膜剤等を用いて膜面が傷つきにくい構成にするこ
とが望ましい。また、支持体に近い方の層には剥離層を
設けてもよい。剥離層としては、硬化性保護層の構成に
従い、任意の材料を剥離可能に設けることができ、本発
明のマット剤も用いることができる。支持体に遠い方の
層は本発明のマット剤は使用量を必要最小限にして用い
るのが好ましい。また、支持体に遠い方の層は、ガラス
転位点のより低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤
は使用しないで保護層を付与したい材料との接着性を向
上する構成にして、その上に硬化性保護層を保護し、保
護層の付与時には剥離してしまうフィルムを設け、表面
のベタツキ、他の物質との接着、自他の材料とのブロッ
キング等の故障を防止する構成にしてもよい。また、支
持体に遠い方の層はガラス転位点のより高い合成樹脂を
用いたり、高沸点有機溶剤及び/またはマット剤の使用
量を必要最小限にするかもしくは使用しないで保護層を
付与したい材料との接着性を低下しない範囲で表面のベ
タツキ、他の物質との接着、自他の材料とのブロッキン
グ等の故障を防止する最適点を設計した構成することが
望ましい。また、放射線硬化性化合物の硬さや、相対す
る保護層を付与したい材料との接着性を向上させるため
に、含有量を変えた構成にするのが好ましい。
【0032】本発明の用いる放射線硬化性化合物を含有
する硬化性保護層は硬膜剤によって硬化されていてもよ
い。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合には、特開昭
61−199997号、同58−215398号各公報
等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエステル
樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使用が
好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第4,
678,739号明細書第41欄、特開昭59−116
655号、同62−245261号、同61−1894
2号各公報等に記載の硬膜剤が使用に適している。より
具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド
等)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニル
スルホン系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニル
スルホニルアセタミド)エタン等)、N−メチロール系
硬膜剤(ジメチロール尿素等)、あるいは高分子硬膜剤
(特開昭62−234157号各公報等に記載の化合
物)が挙げられる。
【0033】本発明における放射線硬化性化合物組成物
中には酸化防止剤、帯電防止剤、分散剤、安定剤、顔
料、滑剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるこ
とができる。放射線硬化性化合物組成物中には、硬化を
阻害しても実用上差し支えのない範囲で褪色防止剤を用
いてもよい。褪色防止剤としては、例えば酸化防止剤、
紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯体がある。酸化
防止剤としては、例えばクロマン系化合物、クマラン系
化合物、フェノール系化合物(例えばヒンダードフェノ
ール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘
導体、スピロインダン系化合物がある。また、特開昭6
1−159644号公報記載の化合物も有効である。
【0034】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3,533,794号明細書
等)、4−チアゾリドン系化合物(米国特許3,35
2,681号明細書等)、ベンゾフェノン系化合物(特
開昭56−2784号公報等)、その他の特開昭54−
48535号、同62−136641号、同61−88
256号各公報等に記載の化合物がある。また、特開昭
62−260152号公報記載の紫外線吸収性ポリマー
も有効である。金属錯体としては、米国特許第4,24
1,155号明細書、同第4,245,018号明細書
第3〜36欄、同第4,254,195号明細書第3〜
8欄、特開昭62−174741号、同61−8825
6号各公報(27)〜(29)ページ、特開平1−75
568号、特開昭63−199248号各公報等に記載
されている化合物がある。
【0035】有用な褪色防止剤の例は特開昭62−21
5272号公報(125)〜(137)ページに記載さ
れている。保護層付与材料の放射線硬化性化合物組成物
中、硬化を阻害しないように予め保護層付与材料より、
保護層が付与される前に被保護層付与材料に含有させて
おいてもよいし、褪色防止剤供与材料等から転写させる
等の方法で外部から被保護層付与材料に供給するように
してもよい。上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯
体はこれら同士を組み合わせて使用してもよい。
【0036】保護層付与材料の放射線硬化性化合物組成
物中の構成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改
良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を
使用することができる。非イオン性界面活性剤、アニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤を用いることができる。これらの具体例は特開昭62
−173463号、同62−183457号各公報等に
記載されている。また、離型剤、褪色防止剤、紫外線吸
収剤、蛍光増白剤、その他の疎水性化合物を水溶性バイ
ンダー中に分散する際には、分散助剤として界面活性剤
を用いるのが好ましい。この目的のためには、上記の界
面活性剤の他に、特開昭59−157636号公報の3
7〜38ページに記載の界面活性剤が特に好ましく用い
られる。
【0037】保護層付与材料には、スベリ性改良、帯電
防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ま
せてもよい。有機フルオロ化合物の代表例としては、特
公昭57−9053号公報第8〜17欄、特開昭61−
20944号、同62−135826号各公報等に記載
されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油等のオ
イル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂等
の固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が
挙げられる。
【0038】本発明において、保護層付与材料は保護層
の支持体に近い層及び/または剥離層中に離型剤を含有
させてもよい。離型剤としては、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、シリコン系樹脂の微粉末、フッ素
系樹脂の微粉末等の固形あるいはワックス状物質:フッ
素系、リン酸エステル系等の界面活性剤:パラフィン
系、シリコーン系、フッ素系のオイル類等、従来公知の
離型剤がいずれも使用できる。シリコーンオイルとして
は、無変性のもの以外にカルボキシ変性、アミノ変性、
エポキシ変性、ポリエーテル変性、アルキル変性等の変
性シリコーンオイルを単独あるいは2種以上併用して用
いることができる。その例としては、信越シリコーン
(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜
18B頁に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げるこ
とができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合
は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイ
ソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリ
コーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散し
て用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例
えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−371
0)あるいはエポキシ変性シリコーンオイル(例えば信
越シリコーン(株)製:商品名KF−100T)が有効
である。
【0039】本発明において保護層付与材料は、支持体
や保護層、剥離層、接着層等の各層間に中間層を有して
もよい。中間層は構成する材質により、クッション層、
色素等の拡散防止層のいずれか又はこれらの2つ以上の
機能を備えた層であり、場合によっては接着剤の役目も
兼ねている。色素等の拡散防止層は、特に熱移行性色素
が支持体に拡散するのを防止する役目を果たすものであ
る。この拡散防止層を構成するバインダーとしては、水
溶性でも有機溶剤可溶性でもよいが、水溶性のバインダ
ーが好ましく、その例としては前述の保護層付与材料の
バインダー、またはゼラチン等が好ましい。
【0040】本発明において、保護層付与材料を構成す
る保護層、クッション層、拡散防止層、接着層等には、
シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウ
ム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リトボン、酸化チタ
ン、アルミナ等の微粉末を含有させてもよい。
【0041】本発明の保護層付与材料の保護層の支持体
への塗布方法は、保護層形成用塗工液を、ダブルロール
コータ、スリットコータ、エアナイフコータ、ワイヤー
バーコータ、スライドホッパー、スプレーコーチィン
グ、ブレードコータ、ドクターコータ、スクイズコー
タ、リバースロールコータ、トランスファーロールコー
タ、エクストロージョンコータ、カーテンコータ、ダイ
コータ、グラビアロールによる塗工法、押し出し塗布
法、ロール塗布法等の公知の方法を用いて塗布すること
ができる。本発明の被保護層付与材料と保護層付与材料
を重ね合わせる方法としては、熱及び/又は圧力を用い
る。熱及び/又は圧力は、一般の熱ヒートローラー、ラ
ミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッ
ド、レーザー等を用いることができる。
【0042】本発明の硬化性保護層の硬化方法について
一般的な例を挙げるが、以下に限定されない。電子線照
射を用いる場合は、透過力、硬化力の面から加速電圧が
100〜1000KVであり、より好ましくは100〜
300KVの電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量
が0.5〜20Mradになるようにすることが好まし
い。加速電圧、あるいは電子線照射量がこの範囲より低
いと電子線の透過力が低過ぎて支持体の内部まで十分な
硬化が行われず、またこの範囲より大き過ぎるとエネル
ギー効率が悪化するばかりでなく、支持体の強度低下や
樹脂、添加剤の分解等品質上好ましくない影響が現れ
る。電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテ
ンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニ
ングタイプ等のいずれでもよい。なお、電子線照射に際
しては酸素濃度が高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げら
れるため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガス
による置換を行い、酸素濃度を600ppm以下、好ま
しくは400ppm以下に抑制した雰囲気中で照射する
ことが好ましい。
【0043】紫外線照射の場合は、80W/cm以上の
ランプを用いることが好ましい。例えば、低圧水銀灯、
中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等があ
り、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。熱に
よって硬化する場合は、一般の熱ヒートローラー、ラミ
ネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド、
レーザー等を用いることができる。
【0044】前述したレーザー光として、例えば、アル
ゴンやクリプトンのようなイオンガスレーザー、銅、金
及びカドミウムのような金属蒸気レーザー、ルビーやY
AGのような固体レーザー、または750〜870nm
の赤外域で放出するガリウム−ヒ素のような半導体レー
ザー等のレーザーが使用できる。しかしながら実際的に
は、小型、低コスト、安定性、信頼性、耐久性及び変調
の容易さの点で半導体レーザーが有効である。レーザー
を用いるシステムでは、保護層付与材料はレーザー光を
強く吸収する材料を含有することが好ましい。熱転写色
素供与材料にレーザー光を照射すると、この吸収性材料
が光エネルギーを熱エネルギーに変換し、すぐ近くの放
射線硬化性化合物にその熱を伝達し、硬化される温度ま
で加熱される。この吸収性材料は放射線硬化性化合物の
被保護層付与材料との接着面に層を成して存在し、及び
/または放射線硬化性化合物と混合される。レーザービ
ームは保護層付与面の形状を表す電気信号で変調され、
必要ある領域の保護層のみが加熱、硬化されて保護層を
形成する。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、発明の主旨を越えない限り、以下の具体例に
限定されるものではない。
【0046】(実施例)被保護層付与材料の作製:(1)〜(6) 熱転写色素供与材料(1)の作成 片面に熱硬化アクリル樹脂からなる耐熱滑性層を設けた
厚さ6μm、幅50mmのポリエステルフィルムを支持
体とし、この支持体の耐熱滑性層を設けた側と反対側の
面に、墨版用グラビアインクにて10mm長の検知マー
クと下記組成の色素供与層形成用インク組成物を乾燥後
の塗布量が1.2g/m2 となるように長さ100mm
で面順次に塗布して色素供与材料(1)を作成した。
【0047】熱転写色素供与層塗布用インク組成物 イエロー層用インク組成物 色素(下記化合物1) 3 (g) ポリビニルブチラール(デンカブチラール5000A 電気化学工業製商品名) 3 (g) シリコーンオイル(信越化学製商品名KF−96) 0.05ml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート(武田薬品製商品名タケネートD110N)0.05ml
【0048】化合物1
【化2】
【0049】マゼンタ層用インク組成物 色素(下記化合物2) 3 (g) ポリビニルブチラール(デンカブチラール5000A 電気化学工業製) 3 (g) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) 0.05ml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート(武田薬品製タケネートD110N) 0.05ml
【0050】化合物2
【化3】
【0051】シアン層用インク組成物 色素(下記化合物3) 3 (g) ポリビニルブチラール(デンカブチラール5000A 電気化学工業製) 3 (g) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) 0.05ml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート(武田薬品製タケネートD110N) 0.05ml
【0052】化合物3
【化4】
【0053】色素受像材料(1)の作成 厚み100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフイ
ルム上に下記組成の色素受像層塗布液組成物をワイヤー
バーコーティング法により乾燥後の厚さが8μmとなる
ように塗布して熱転写色素受像材料(1)を作製した。
サンプルサイズは85mm×54mmにカットした。
【0054】色素受像材料塗布用組成物 ポリビニルブチラール樹脂 (エスレックBLS:積水化学工業製商品名) 100g ポリイソシアネート(タケネートD110N:武田薬品製) 10g メチルエチルケトン 400ml トルエン 100ml
【0055】色素受像材料(2)の作成 サンプルサイズ85mm×54mmで厚み760μmの
積層型塩化ビニルカード上に色素受像材料(1)と同じ
色素受像層塗布液組成物をワイヤーバーコーティング法
により乾燥後の厚さが8μmとなるように塗布して熱転
写色素受像材料(2)を作製した。上記のようにして得
られた色素供与材料(1)と色素受像材料(1)〜
(2)を各々色素供与層と受像層が接するように重ね合
わせて、熱転写色素供与材料の支持体側から、サーマル
ヘッドを用い、出力0.3w/ドット、ドット密度12
ドット/mmの条件でパルス巾を2〜15msec、で階段的
に変化させて顔写真像を印字して、被保護層付与材料
(1)〜(2)を形成した。
【0056】保護層付与材料の作成:(1)〜(4) 厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレートフイル
ム上に下記組成の保護層付与層塗布液組成物を表−1に
示されるようにワイヤーバーコーティング法により乾燥
後の厚さが22μmとなるように塗布して熱転写色素受
像材料(1)〜(4)(材料No.1〜4)を作製し
た。サンプルサイズは100mm×60mmにカットし
た。
【0057】保護層付与層塗布用組成物 ポリメタクリル樹脂(三菱レイヨン製商品名 ダイヤナールBR−87) 54g ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製エスレックBLS) 6g 放射線硬化性化合物(表−1中に記載) x g 反応開始剤(表−1中に記載) y g 無機及び/または有機の微粒子(表−1中に記載) z g メチルエチルケトン 450ml トルエン 50ml
【0058】
【表1】
【0059】作製した保護層付与材料(1)〜(4)と
被保護層付与材料(1)〜(2)を保護層を付与する面
と保護層を170℃、9kg重/m2 、1mm/秒のラ
ミネーターを通して重ね合わせ、保護層付与材料の支持
体を剥離し、その後、50mmの距離から400Wの水
銀灯を用いて、5秒間照射した。また、作製した保護層
付与材料(1)〜(4)と被保護層付与材料(1)〜
(2)を保護層を付与する面と保護層を170℃、10
kg重/m2 、10mm/秒のラミネーターを通して重
ね合わせ、その後、50mmの距離から400Wの水銀
灯を用いて、5秒間照射した。このとき得られた材料を
下記表−2に示した。
【0060】比較例1、2 厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレートフイル
ム上に下記組成の保護層付与層塗布液組成物をワイヤー
バーコーティング法により乾燥後の厚さが22μmとな
るように塗布して比較用の保護層付与材料(5)〜
(6)を作製した。サンプルサイズは100mm×60
mmにカットした。
【0061】保護層付与層塗布用組成物 ポリメタクリル樹脂(三菱レイヨン製商品名 ダイヤナールBR−87) 54g ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業製エスレックBLS) 6g 放射線硬化性化合物(表−1中に記載) x g 反応開始剤(表−1中に記載) y g メチルエチルケトン 450ml トルエン 50ml
【0062】得られた材料の使用前の保存性について巻
芯直径3cmでロール状に巻き、35℃70%で1週間
保存した。その時、ブロッキングを発生したものを×、
起こさなかったものを○とした。また得られた材料の保
護層の耐摩擦性について、JIS K6718−198
3に記載されているように先端半径0.1mm、頂角6
0°のサファイア針を用いて、加重量を100〜300
gに変動させ、移動スピード5mm/秒の条件で表面硬
さ試験機を用いて試験し、目視にて確認した。200g
以上で傷の付いたものを○、150〜200gで傷の付
いたものを△、100〜150gで傷の付いたものを×
とした。結果は下記表−2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】表−2に示されるように、本発明の保護層
付与材料を用いると、簡便な操作で生産性に優れ、更
に、耐久性、特に耐摩擦性に優れた保護層をブロッキン
グを生じないで被保護層付与材料の表面に形成できる。
なお、No.13及び14は市販品で塩ビ/ポリメチル
メタクリレートを非相溶に混ぜて調製したものである。
【0065】
【発明の効果】本発明の保護層付与材料を用いると、耐
久性、特に耐摩擦性に優れた保護層をブロッキングを生
じないで被保護層付与材料の表面に形成することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の上に硬化して樹脂になりうる放
    射線硬化性化合物を含有した層を剥離可能に設けた保護
    層付与材料において、有機及び/または無機の微粒子を
    含有することを特徴とする保護層付与材料。
JP7225416A 1995-09-01 1995-09-01 保護層付与材料 Pending JPH0966677A (ja)

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JP7225416A JPH0966677A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 保護層付与材料

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JPH0966677A true JPH0966677A (ja) 1997-03-11

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JP7225416A Pending JPH0966677A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 保護層付与材料

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3418782B1 (en) * 2016-12-26 2023-05-03 LG Chem, Ltd. Polarizer protection film, polarizing plate comprising the same, liquid crystal display comprising the polarizing plate, and coating composition for polarizer protecting film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3418782B1 (en) * 2016-12-26 2023-05-03 LG Chem, Ltd. Polarizer protection film, polarizing plate comprising the same, liquid crystal display comprising the polarizing plate, and coating composition for polarizer protecting film

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