JP2001287390A - 熱転写記録方法及び、それを用いる熱転写記録用プリンタ - Google Patents

熱転写記録方法及び、それを用いる熱転写記録用プリンタ

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JP2001287390A
JP2001287390A JP2000103309A JP2000103309A JP2001287390A JP 2001287390 A JP2001287390 A JP 2001287390A JP 2000103309 A JP2000103309 A JP 2000103309A JP 2000103309 A JP2000103309 A JP 2000103309A JP 2001287390 A JP2001287390 A JP 2001287390A
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Yorihiro Yamatani
自広 山谷
Shigeru Mano
茂 間野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像耐光性、表面光沢度に優れ、且つ、熱転
写時の受像層の保護層の接着性や連続印画適性が良好な
熱転写記録方法及び熱転写記録用プリンタを提供する。 【解決手段】 支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体を
含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、支
持体B上に、該染料前駆体と反応して染料を形成し得る
染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受
像層とを対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで
像様に加熱し、該染料前駆体を該受像層に転写させて画
像を形成した後、該受像シート上の画像形成領域に、保
護層を設ける熱転写記録方法において、サーマルヘッド
の温度が、常にピーク温度の1/3以上になるように調
整することを特徴とする熱転写記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱転写により画
像を記録する熱転写記録方法及び熱転写記録用プリンタ
に関し、詳しくは、所望の表面性を得つつ、画像耐久性
に優れた熱転写記録方法及びそれに用いる熱転写記録用
プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーまたはモノクロの画像の形
成技術として、加熱により拡散移行する性質を有する熱
拡散性染料と、バインダーを含有する染料層を設けた熱
転写シートを、染料染着性のバインダーを含有する受像
層を設けた受像シートと対向させて、サーマルヘッドや
レーザー等の加熱手段を用いて、受像層に熱拡散性染料
を画像様に転写して画像を形成する技術が知られてい
る。
【0003】このような感熱転写記録においては、染料
層に用いられる熱拡散性染料が重要な役割を持つが、従
来の熱拡散性染料では、得られた画像の耐久性(例え
ば、耐光性、耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等)が未だ、
十分ではないという問題点があった。
【0004】上記の問題点を改良する手段の一つとし
て、熱転写により染料層中の化合物と受像層中の化合物
を反応させることにより画像を形成する、反応型の染料
を用いた画像形成方法が提案されている。
【0005】ここで、染料層側に含有させる化合物を染
料前駆体、受像層中に含有させる化合物を染料定着体と
定義した場合、例えば、特開平9−327976号、米
国特許第4,880,769号、同第5,534,47
9号等には、染料前駆体として脱プロトン化されたカチ
オン色素を、染料定着体として前記カチオン色素をプロ
トン化し得る有機ポリマー酸またはオリゴマー酸等を用
い、熱転写によりカチオン色素を再プロトン化させ、画
像を形成する方法が提案されている。
【0006】又、特開平5−221151号には、染料
前駆体として反応基を有する特定構造の色素を、染料定
着体としては活性水素化合物を用い、熱転写によりそれ
らを反応させることにより画像を形成する方法が提案さ
れている。更に、特開昭59−78893号、同59−
109394号、同60−2398号等には、染料前駆
体としてキレート化可能な熱拡散性染料(以下、ポスト
キレート染料と呼ぶこともある)を、染料定着体として
金属イオン含有化合物(以下、メタルソースと呼ぶこと
もある)を含有させ、熱転写によりそれらを反応させて
金属キレート染料を形成させることにより、画像を形成
する方法が開示されている。
【0007】上記記載のような反応型の染料(以下、染
料前駆体を、簡便に染料と呼ぶことがある。本発明にか
かる部分において特に断りのない限り染料は染料前駆体
を指す)を用いて画像を形成する場合、当然その反応率
が高いほど定着性が向上することから、反応型の染料で
形成した画像に対し、ヒートローラ、ヒートプレス、熱
風、遠赤外線、サーマルヘッド等の加熱手段を用いる再
加熱処理を施すことにより、さらに画像保存性は向上す
る。
【0008】例えば、キレート化率を高める方法とし
て、ポストキレート染料転写後の画像を、さらに加熱処
理する画像形成方法が特開平4−89292号等に提案
されている。又、特定構造の色素と活性水素化合物の反
応によって得られた画像を再加熱処理する方法が特開平
10−138646に提案されている。サーマルヘッド
やヒートローラ、ヒートプレスの様な、直接画像に接し
て加熱する手段を用いる場合は、画像表面を破壊した
り、あるいは熱源への染料の汚染を防ぐために、例え
ば、非転写性の樹脂層を設けたシート材料などを介して
再加熱処理が行われている。
【0009】また、別の保存性改良手段として、受像シ
ートの画像形成面上に、熱転写性の保護層を有する保護
層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドやヒートロ
ーラ等の加熱手段を用いて該保護層を転写させることに
よって、画像形成面上に保護層を設ける方法が知られて
いる。
【0010】上記に記載の画像上に保護層を設ける技術
を適用すると、画像の耐摩擦性、耐薬品性、耐溶剤性等
を向上させることが出来る。又、保護層中に、紫外線吸
収剤を添加して画像の耐光性を向上させたり、保護層中
に蛍光増白剤などを添加して、偽造を防止したり或いは
印画物の白色度を向上させるといった特殊な機能を保護
層に付与することも出来る。さらには反応型の染料を用
いて画像形成する場合は、保護層を設けるのと同時に、
再加熱処理も施されることになるため、更なる保存性の
向上が期待できる。
【0011】しかしながら、非転写性の樹脂層を介して
画像形成面に再加熱処理を施したり、或いは保護層を熱
転写しながら画像形成面に再可熱処理を施す場合、非反
応型の染料を用いて画像形成する場合に比べ、画像保存
性を満足するレベルまで再加熱処理を行うには、多くの
熱エネルギーを必要とし、その結果、受像層、及び/ま
たは保護層が熱により荒らされるため、最終的に得られ
る画像の光沢性が低下するということが起こる。
【0012】もっとも、用途によっては、そのような光
沢性の低い、従来で言うマット調に近い画像が要望され
るものもあり、その場合は特に問題はないのであるが、
熱転写記録は、近年、銀塩写真の置き換えとしての用途
でも使われており、その場合は銀塩写真に近い光沢をも
った画像が要望されることも多い。
【0013】しかし、反応型の染料を用いて画像を形成
する熱転写記録方法においては、熱により染料を拡散さ
せると同時に染料を定着させる反応を完結させるため、
比較的大きな熱エネルギーで再加熱処理を施す必要があ
り、染料の反応性に起因する高画質、高画像保存性、画
像耐久性と、高光沢を両立することは困難であった。
【0014】よって、上記のような問題点の克服が要望
されていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、画像
耐光性、表面光沢度に優れ、且つ、熱転写時の受像層の
保護層の接着性や連続印画適性が良好な熱転写記録方法
及び、それに用いる熱転写記録用プリンタを提供するこ
とである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜7によって達成された。
【0017】1.支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体
を含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、
支持体B上に、該染料前駆体と反応して染料を形成し得
る染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該
受像層とを対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド
で像様に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層
に転写させて画像を形成した後、該受像シート上に画像
形成された領域に、該サーマルヘッドによって熱転写性
の保護層を設ける熱転写記録方法において、該保護層を
転写する際のサーマルヘッドの抵抗体表面の温度が、常
にピーク温度の1/3以上になるように通電時間間隔を
調整することを特徴とする熱転写記録方法。
【0018】2.支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体
を含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、
支持体B上に、該染料前駆体と反応して染料を形成し得
る染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該
受像層とを対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド
で像様に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層
に転写させて画像を形成した後、該受像シート上に画像
形成された領域に、該サーマルヘッドによって熱転写性
の保護層を設ける熱転写記録方法において、該保護層が
転写する際のサーマルヘッドの1ドットあたりの印加エ
ネルギーが、該染料前駆体の転写時において最高濃度を
印画する時の印加エネルギーに対して、80〜120%
であることを特徴とする熱転写記録方法。
【0019】3.支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体
を含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、
支持体B上に、該染料前駆体と反応し染料を形成し得る
染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受
像層を対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで像
様に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層に転
写させて画像を形成した後、更に、サーマルヘッドによ
って、支持体B上に設けられた非転写性の樹脂層を介し
て、該受像シート上の画像形成面に再加熱処理を施す熱
転写記録方法において、該再加熱処理を施す際の該サー
マルヘッドの抵抗体表面の温度が、常にピーク温度の1
/3以上になるように通電時間間隔を調整することを特
徴とする熱転写記録方法。
【0020】4.支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体
を含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、
支持体B上に、該染料前駆体と反応し染料を形成し得る
染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受
像層を対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで像
様に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層に転
写させて画像を形成した後、更に、サーマルヘッドによ
って、支持体B上に設けられた非転写性の樹脂層を介し
て、該受像シート上の画像形成面に再加熱処理を施す熱
転写記録方法において、該再加熱処理を施す際のサーマ
ルヘッドの1ドットあたりの印加エネルギーが該染料前
駆体の転写時において最高濃度を印画する時の印加エネ
ルギーに対し80〜120%であることを特徴とする熱
転写記録方法。
【0021】5.染料層に、染料前駆体としてキレート
化可能な熱拡散染料が含有されており、且つ、受像層に
染料定着体として該染料前駆体とキレート反応しうる金
属イオン含有化合物が含有されていることを特徴とする
前記1〜4のいずれか1項に記載の熱転写記録方法。
【0022】6.同一プリンタにおいて、前記1に記載
の熱転写記録方法及び前記2に記載の熱転写記録方法か
ら選ばれる少なくとも一つの方法を選択することを特徴
とする熱転写記録用プリンタ。
【0023】7.同一プリンタにおいて、前記3に記載
の熱転写記録方法及び前記4に記載の熱転写記録方法か
ら選ばれる少なくとも一つの方法を選択することを特徴
とする熱転写記録用プリンタ。
【0024】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明は、反応型の熱拡散性染料を含有する熱転写シート
と、受像シートを対向するように重ね合わせ、サーマル
ヘッドで再加熱処理を施して画像を形成するに際し、受
像シートの受像層表面にあえて凹凸をつけて光沢度を落
としたマット調の画像を得ること、又、その凹凸が生じ
ないようにしつつ反応を完結させながら高光沢の画像を
得るという2つの点について、再加熱手段としてのサー
マルヘッドの条件に着目し、これらについて鋭意検討し
た結果なされたものである。
【0025】即ち、本発明において、光沢度を高める方
法とは、サーマルヘッドの条件において、その条件を特
定した再加熱処理を施して画像表面の凹凸を均すことに
より光沢度が向上するという知見のもと、サーマルヘッ
ドの抵抗体による受像層表面及び/または保護層表面へ
の熱分布にあまり差を生じないよう、均一に近い熱分布
となるようにサーマルヘッドで加圧しながら印加するこ
とが最良の方法であることを見出しなされたものであ
り、その具体的手段として、再加熱処理(保護層転写処
理も含む)におけるサーマルヘッドの抵抗体表面の温度
が常にピーク温度の1/3以上になるように非通電時間
間隔を調整することで達成された。
【0026】この手段を用いて、サーマルヘッド抵抗体
表面の温度が、ピーク温度と降下温度の差がなるべく少
なくなるように通電を行う、即ち、印画の1ライン中に
エネルギー印加パルスを適度な時間間隔に配分すること
により、サーマルヘッドの抵抗体表面が上昇し続けるこ
ともなく、且つ、あるレベル以下の温度に降温すること
もないようにすることで、受像層表面及び/または保護
層表面が受ける被転写温度の高低差を少なくすることが
可能となり、再加熱処理時において画像表面の凹凸は均
一化され、その効果として画像表面の光沢度は高まる。
従って、再加熱処理の際、高エネルギーを印加しても画
像表面の光沢度が喪失しないという効果が得られる。こ
の方法では、非通電時間間隔を、抵抗体表面の温度がピ
ーク温度の1/3以下となる前に通電すればよく、その
間隔は適宜設定されればよい。
【0027】本発明においては、サーマルヘッドの抵抗
体表面の温度が常にピーク時の1/2以上になるように
に非通電時間間隔を調整にすることがより好ましい。
【0028】本発明において、サーマルヘッドの抵抗体
表面のピーク温度とは、具体的には、300〜600℃
の範囲で調整される。
【0029】一方、光沢をあえて落とし、いわゆるマッ
ト調に近い画像を所望する場合は、前述のように、染料
を熱転写するときと同様の方法で、反応が充分完結する
ように再加熱処理(保護層転写処理を含む)を施せばよ
い。具体的には、印加エネルギーを、染料転写時におい
て最高濃度を印画する時のそれに対し80〜120%に
することで、充分に反応を完結させることができ、再加
熱処理後の画像の耐久性を向上させることができる。
尚、保護層転写を伴う再加熱処理の場合、従来の保護層
転写よりも高いエネルギーを与えているので、保護層は
当然ながら転写しているのはいうまでもない。なおここ
で、印加エネルギーの比較の定義として、複数色の染料
を転写し、各色の印加エネルギーが異なる場合は、最も
高いものに対する比較とする。80%より低い場合は、
反応が充分完結していない可能性があり、特に保護層を
転写する場合はそちらにも熱エネルギーを奪われるため
その可能性が高い。又、120%よりも大きいと、反応
は充分完結されているが、サーマルヘッドの負荷が大き
くなり、連続印画や高温環境での印画の際に、問題が生
じる可能性がある。
【0030】次に、本発明に係る熱転写シートについて
説明する。本発明に係る支持体としては、従来の熱転写
シートに使用されている物と同じ支持体をそのまま用い
ることが出来、特に限定されない。好ましい支持体の具
体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィ
ン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテ
ルサルフォン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、ポリエチ
レン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペン
テン、アイオノマー等のプラスチックの延伸或いは未延
伸フィルムや、これらの材料を積層したものなどが挙げ
られる。
【0031】支持体の厚さは、強度、熱伝導性、耐熱性
等が適切になるように材料に応じて適宜選択することが
出来るが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく
用いられる。上記のごとき支持体は、この表面に形成す
る染料層との密着が乏しい場合には、その表面にプライ
マー処理や、コロナ処理を施すことが好ましい。
【0032】本発明において、支持体の一方の面に設け
る染料層に含有させる熱拡散性染料としては、良好な画
像保存性を得る観点から、反応型の染料が用いられる。
【0033】本発明に係る反応型の染料とは、前述のご
とく、染料層側に含有させた染料前駆体と受像層側に含
有させた染料定着体を熱転写により反応させることによ
って画像を形成させるような染料を示す。具体的には、
前述のものも含め公知の反応型の染料を用いることが可
能であるが、本発明においては画像保存性に特に優れる
という観点から、ポストキレート染料と、メタルソース
の組み合わせを用いることが好ましい。
【0034】ポストキレート染料としては、熱転写が可
能であれば特に制限はなく、公知の各種の化合物を適宜
に選定して使用することができる。具体的には、例えば
特開昭59−78893号、同59−109349号、
特開平4−89292号、同4−94974号、同4−
97894号等に記載されているシアン染料、マゼンタ
染料、イエロー染料などを使用することができる。
【0035】上記染料の中でも、メタルソースと2座の
キレートを形成することができるメチン染料を使用する
ことが本発明の目的をより効果的に発現するので好まし
い。そのような染料として、下記一般式(1)で表され
る染料が挙げられる。
【0036】
【化1】
【0037】式中、Xは少なくとも2座のキレート形成
可能な基または原子を有する原子群を表し、Yは芳香族
性炭素環または複素環を形成するに必要な原子群を表
し、R 1、R2及びR3は各々、水素原子、ハロゲン原子
または1価の置換基を表す。nは0、1または2を表
す。Yは好ましくは5〜6員の芳香族性炭素環または複
素環を形成する原子群であり、該環上には更に置換基を
有してもよい。
【0038】X=として特に好ましくは下記一般式
(2)で表されるものである。
【0039】
【化2】
【0040】式中、Zは少なくとも一つのキレート化可
能な窒素原子を含む基で置換された芳香族性含窒素複素
環を形成するに必要な原子群を表す。
【0041】上記の芳香族性炭素環、複素環の具体例と
しては、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、フラン、チ
オフェン、チアゾール、イミダゾール、ナフタレン等の
各環が挙げられる。これらの環は、更に他の炭素環(ベ
ンゼン環など)や複素環(ピリジン環など)と宿合環を
形成してもよい。
【0042】又、環上の置換基としてはアルキル基、ア
リール基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、
アシルアミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられ、そ
れらの基は更に置換されてもよい。
【0043】R1、R2及びR3で表されるハロゲン原子
としてはフッ素原子、塩素原子等が、又、1価の置換基
としてはアルキル基、アルコキシル基、シアノ基、アル
コキシカルボニル基等が挙げられる。
【0044】X=としては下記一般式(3)〜(6)で
表されるものが特に好ましい。
【0045】
【化3】
【0046】式中、R4及びR5は各々、水素原子、ハロ
ゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)または
1価の置換基(アルキル基、アリール基、アシル基、ア
ミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アルコ
キシル基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基
等)を表す。
【0047】以下に、具体的化合物例を示すが、本発明
はこれらに限定されない。
【0048】
【化4】
【0049】
【化5】
【0050】
【化6】
【0051】
【化7】
【0052】本発明に用いられるポストキレート染料の
添加量は、通常、染料固形分1m2に対し、0.1g〜
20gが好ましく、更に0.2g〜5gがより好まし
い。
【0053】染料層に用いられるバインダー樹脂は、セ
ルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール
系、ポリビニルピロリドン系等の水溶性ポリマー、アク
リル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボ
ネイト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロ
ース、ニトロセルロース等の有機溶媒に可溶のポリマー
が有る。これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアセタールあるいはセルロ
ース系樹脂が好ましい。有機溶剤に可溶のポリマーを用
いる場合、1種または2種以上を有機溶媒に溶解して用
いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用してもよ
い。バインダー樹脂の使用量としては、支持体1m2
たり0.1g〜50gが好ましい。
【0054】又、受像層との離型性を向上させるため
に、離型剤を添加、あるいは離型層を設けてもよい。離
型剤としては、反応硬化型シリコーン、燐酸エステル系
界面活性剤、フッ素化合物等を用いることが出来る。離
型剤の使用量は、含有させる層の固形分に対し、0.5
〜40質量%が好ましい。又、離型層を設ける場合、バ
インダーは上記染料層に用いられるものと同様のものが
使用可能である。
【0055】支持体の、染料層を設けた面とは反対側の
面に、耐熱性を付与するための背面層を設けることも好
ましい。
【0056】背面層に使用されるバインダー樹脂は、例
えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酪酸セルロース、硝化綿等のセル
ロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、ア
クリロニトリル/スチレン共重合体等のアクリル系樹
脂、ポリアミド樹脂、ビニルトルエン樹脂、クマロンイ
ンデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコーン編成ウレタン樹脂、フッ素変性ウレタン樹脂
等が挙げられる。
【0057】また、これらの樹脂は混合して用いても良
い。背面層の耐熱性をより高めるために、前記の樹脂の
うち、水酸基などの反応性基を有している樹脂を使用
し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して架橋
樹脂層としてもよい。さらに、サーマルヘッドのような
加熱手段との滑り性を向上させるために、背面層に固形
あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて、耐熱滑性を
もたせてもよい。離型剤または滑剤としては、例えばポ
リエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワッ
クス類、高級脂肪族アルコール、オレガノポリシロキサ
ン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両
性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活
性剤、有機カルボン酸及びその誘導体、フッ素系樹脂、
シリコーン系樹脂、タルク、シリカ、硫化モリブデン等
の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層
への滑剤の好ましい添加量は、背面層の全固形分に対
し、5〜50質量%であり、特に好ましくは10〜30
質量%である。背面層の厚みは、塗布乾燥後で0.1〜
10μm程度が好ましい。
【0058】本発明に用いられる保護層は、前記染料層
と同一面上に、いわゆる面順次で設けることも出来る。
保護層を単独で、保護層転写シートとして用いる場合
は、支持体や背面層は上述したものと同様のものを用い
ることが出来る。
【0059】本発明において、熱転写性の保護層は、支
持体上に非転写性の離型層を介して設けることが好まし
い。
【0060】非転写性離型層は上記プライマー層等を介
して設けても、また介すことなく設けても良い。
【0061】非転写性離型層は、支持体と非転写性離型
層との間の接着力を、非転写性離型層と熱転写性保護層
との間に接着力よりも常に充分高くし、且つ、熱を印加
する前の非転写性離型層と熱転写性保護層との間の接着
力が、熱印加後のそれに対し高くなるようにする目的
で、(1)樹脂バインダーと共に、平均粒子径が40n
m以下の無機微粒子を30〜80質量%含有している
か、(2)アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸共
重合体、その誘導体、或いはそれらの混合物を合計20
質量%以上の割合で含有しているか、或いは(3)アイ
オノマーを20質量%以上の割合で含有している、こと
が好ましい。非転写性離型層には、必要に応じて他の添
加物が含有されていてもよい。
【0062】無機微粒子としては、例えば、無水シリ
カ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子や、酸化錫、酸
化亜鉛、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物を使用するこ
とが出来る。無機微粒子の粒子径は、40nm以下とす
ることが好ましい。40nmを越えると、離型層表面の
凹凸に起因して熱転写性保護層の表面の凹凸も大きくな
り、その結果保護層の透明性が低下してしまい好ましく
ない。
【0063】無機微粒子と混合する樹脂バインダーは特
に制限されず、混合可能なあらゆる樹脂を用いることが
出来る。例えば、各種ケン化度のポリビニルアルコール
樹脂(PVA);ポリビニルアセタール樹脂;ポリビニ
ルブチラール樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド系樹
脂;酢酸セルロース、アルキルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等の
セルロース系樹脂;ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げ
られる。
【0064】無機微粒子と樹脂バインダーを主体とする
他の配合成分との配合比(無機微粒子/他の配合成分)
は、質量比で30/70以上、80/20以下の範囲と
することが好ましい。配合比が30/70未満になる
と、無機微粒子の効果が不十分となり、一方80/20
を越えると離型層が完全な膜とならず、支持体と保護層
が直接触れる部分が生じてしまう。
【0065】アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸
共重合体またはその誘導体としては、例えば、アルキル
ビニルエーテル部分のアルキル基がメチル基或いはエチ
ル基であるもの、無水マレイン酸部分が部分的にまたは
完全にアルコール(例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタ
ノール等)とのハーフエステルとなったものを用いるこ
とができる。
【0066】離型層は、アルキルビニルエーテル・無水
マレイン酸共重合体、その誘導体、或いはそれらの混合
物だけで形成しても良いが、離型層と保護層の間の剥離
力を調整する目的で、他の樹脂または微粒子をさらに加
えても良い。その場合、離型層には、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、その誘導体、或いは
それらの混合物が20質量%以上含有されているのが望
ましい。含有量が20質量%未満になると、アルキルビ
ニルエーテル・無水マレイン酸共重合体またはその誘導
体の効果が十分に得られなくなる。
【0067】アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸
共重合体またはその誘導体に配合される樹脂または微粒
子としては、混合可能で、被膜形成時に高い膜透明性が
得られるもので有れば特に限定されず、あらゆる材料を
用いることが出来る。例えば、前述の無機微粒子及び無
機微粒子と混合可能な樹脂バインダーは好ましく用いら
れる。
【0068】アイオノマーとしては、例えば、サーリン
A(デュポン社製)や、ケミパールSシリーズ(三井石
油化学社製)等を使用することができる。また、アイオ
ノマーには、例えば、前述の無機微粒子、無機微粒子と
混合可能な樹脂バインダー、或いはその他の樹脂や微粒
子をさらに加えることが出来る。
【0069】非転写性離型層を形成するには、上記
(1)乃至(3)いずれかの成分を所定の配合割合で含
有する塗布液を調製し、かかる塗布液を、グラビアコー
ト法、グラビアリバースコート法のような公知の技術で
支持体上に塗布し、塗布層を乾燥させる。非転写性離型
層の厚みは、通常、乾燥後の厚みで0.1〜2μm程度
とする。
【0070】非転写性離型層を介して、あるいは介さず
に支持体上に積層される熱転写性保護層は、多層構造を
とっていてもよいし、単層構造をとっていてもよい。多
層構造をとる場合には、画像に各種の耐久性を付与する
ための主体となる主保護層の他、熱転写性保護層と印画
物の受像面との接着性を高めるために、熱転写性保護層
の最表面に配置される接着層や、補助的な保護層や、保
護層本来の機能以外の機能を付加するための層(例えば
偽造防止層、ホログラム層等)が設けられてもよい。主
保護層とその他の層の順序は任意であるが、通常は、転
写後に主保護層が受像面の最表面となるように、接着層
と主保護層との間に他の層を配置する。
【0071】多層構造の熱転写性保護層の一層をなす主
保護層、または単層構造の熱転写性保護層は、従来から
保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成
することができる。保護層形成用樹脂としては、例え
ば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら
の各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂
の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等
が挙げられる。
【0072】電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層
は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射
線硬化性樹脂としては公知のものを使用することがで
き、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマ
ーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じ
て光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合
架橋させたものを使用することができる。
【0073】紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印
画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮
断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可
塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結
合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的
には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレー
ト系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性
の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えば
ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、
アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポ
キシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入した
ものを例示することができる。
【0074】上記のごとき単層構造の熱転写性保護層ま
たは多層構造の熱転写性保護層中に設けられた主保護層
は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5
〜10μm程度の厚さに形成する。
【0075】熱転写性保護層の最表面には接着層が形成
されていても良い。接着層は、例えばアクリル樹脂、塩
化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂のような加熱時接着性の良好な樹脂で形成すること
ができる。また、上記樹脂に加え、上述した電離放射線
硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂などを必要に応じて混合
してもよい。接着層の厚さは、通常0.1〜5μmとす
る。
【0076】非転写性離型層上あるいは支持体上に熱転
写性保護層を形成するには、例えば、保護層形成用樹脂
を含有する保護層用塗布液、熱接着性樹脂を含有する接
着層用塗布液、その他必要に応じて付加される層を形成
するための塗布液をあらかじめ調製し、それらを所定の
順序で非転写性離型層上あるいは支持体上に塗布し、乾
燥させる。各塗布液は従来公知の方法で塗布すればよ
い。また、各層の間には適切なプライマー層を設けても
良い。
【0077】本発明に用いられる非転写性の樹脂層は、
前記染料層と同一面上に、いわゆる面順次で設けること
も出来る。非転写性樹脂層を単独でシートとして用いる
場合は、支持体や背面層は上述したものと同様のものを
用いることが出来る。
【0078】非転写性樹脂層に用いられるバインダー樹
脂は、染料層に用いたバインダー樹脂と同様のものを用
いることができる。
【0079】非転写性樹脂層を、染料層と面順次に設け
る場合には、樹脂層に微粒子を含有することが好まし
い。これは塗布後ロール状態で保存した際に、背面層に
染料がわずかながら移行し、製品形態で小巻にした時
に、この背面層に移行した染料が、非転写性樹脂層へ再
転写するという、いわゆるキックバックという現象が生
じるのを防止する目的で行われる。キックバックが生じ
ると、樹脂層へ再転写した染料が、印画時受像面を着色
することになり、画質を著しく損なう。微粒子として
は、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機体質願
用の他に、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂微粒子、あるいはワッ
クス粒子等が使用できる。これら微粒子の粒径は、好ま
しくは0.1〜50μmとする。0.1μm以下では樹
脂層表面の凹凸が少なすぎて,キックバックに対する効
果がなく、また50μm以上では印画後の画像表面を荒
らしてしまい、画質を損なう。上記微粒子の好ましい添
加量としては、樹脂層全固形分に対し1〜50質量%で
あり、特に好ましくは5〜30質量%である。1%以下
では樹脂層表面の凹凸が少なすぎてキックバックに対す
る効果が少なく、また50%以上では印画後の画像表面
を荒らしてしまい、画質を損なう。
【0080】本発明において、再加熱処理時に反応型染
料の反応を完結させるための目的として、樹脂層中に染
料定着体を含有させるか、あるいは染料定着体を含有さ
せた層を設けても良い。染料定着体を含有させた層を設
ける場合のバインダーは染料層に用いたバインダー樹脂
と同様のものを用いることができる。染料前駆体として
ポストキレート染料を用いた場合、染料定着体としてメ
タルソースを含有させることが好ましい。
【0081】メタルソースとしては、金属イオンの無機
または有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有機酸
の塩及び錯体が好ましい。金属としては、周期表の第1
〜10族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、
中でも、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、
Mo、Ni、Sn、Ti及びZnが好ましく、特にN
i、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。メタルソー
スの具体例としては、Ni2+、Cu2+、Cr2+、Co2+
及びZn2+と酢酸やステアリン酸等の脂肪族の塩、或い
は安息香酸、サルチル酸等の芳香族カルボン酸の塩等が
挙げられる。また、下記一般式(7)で表される錯体が
受像層中に安定かつ添加でき、且つ、実質的に無色であ
る為に特に好ましい。
【0082】 一般式(7) [M(Q1)X(Q2)Y(Q3)Z]P+(L-)P 一般式(7)中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+
Cu2+、Cr2+、Co 2+またはZn2+を表す。Q1、Q2
及びQ3は各々、Mで表される金属イオンと配位結合可
能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なって
いてもよい。
【0083】これらの配位化合物としては、例えばキレ
ート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物
から選択することができる。L-は有機アニオン基を表
し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキ
ルベンゼンスルホン酸アニオン等を挙げることができ
る。Xは1、2または3を表し、Yは1、2または0を
表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式
(7)で表される錯体が4座配位か、6座配位かによっ
て決定されるか、或いはQ1、Q2、Q3の配位子の数に
よって決定される。Pは1または2を表す。この種のメ
タルソースの具体例としては、米国特許第4,987,
049号に例示されたもの、或いは特開平9−3942
3号に例示された化合物No.1〜99などを挙げるこ
とができる。
【0084】メタルソースの添加量は、樹脂層全固形分
(染料定着体含有層として設けた場合はそれを含める)
に対し0.01〜1質量%が好ましく、特に好ましくは
0.05〜0.5質量%である。0.01質量%より少
ないと、添加する効果が少なく、また1質量%より多い
と、上述したキックバックの発生がより顕著になる。
【0085】又、受像層と非熱転写性樹脂層との離型性
を向上させるために、離型剤を添加、あるいは離型層を
設けてもよい。離型剤としては、反応硬化型シリコー
ン、燐酸エステル系界面活性剤、フッ素化合物等を用い
ることが出来る。離型剤の使用量は、含有させる層の固
形分に対し、0.5〜40質量%が好ましい。又、離型
層を設ける場合、バインダーは上記染料層に用いられる
ものと同様のものが使用可能である。
【0086】本発明に係る受像シートは、支持体の一方
の面に受像層を設けた構成である。また、支持体の他方
の面に、裏面層を設けることもできる。
【0087】支持体は、受像層を保持するという役割を
有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過
熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強
度を有することが好ましい。
【0088】このような支持体の材料は特に限定され
ず、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸
紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、
キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエ
マルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹
脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエ
ステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウ
レタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース
誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオ
ロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキ
サフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げら
れ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加え
て成膜した白色不透明フィルムあるいは発泡させた発泡
シートも使用でき、特に限定されない。
【0089】また、上記支持体の任意の組み合わせによ
る積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セ
ルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラ
スチックフィルムとの合成紙が挙げられる。これらの支
持体の厚みは任意でよく、通常10〜300μm程度で
ある。
【0090】より高い印字感度を有すると共に、濃度ム
ラや白抜けのない高画質を得るためには、微細空隙を有
する層を存在させることが好ましい。微細空隙を有する
層としては、内部に微細空隙を有するプラスチックフィ
ルムや合成紙を用いることが出来る。また、各種支持体
の上に、各種の塗工方式で微細空隙を有する層を形成で
きる。微細空隙を有するプラスチックフィルムまたは合
成紙としては、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを
主体として、それに無機顔料及び/またはポリプロピレ
ンと非相溶なポリマーをブレンドし、これらをボイド
(空隙)形成開始剤として用い、これらの混合物を延
伸、成膜したプラスチックフィルムまたは合成紙が好ま
しい。これらがポリエステル等を主体としたものの場合
には、その粘弾性的あるいは熱的性質から、クッション
性、及び断熱性が、ポリプロピレンを主体としたものに
比較して劣るため、印字感度に劣り、かる濃度ムラなど
も生じやすい。
【0091】これらの点を考慮すると、プラスチックフ
ィルム及び合成紙の20℃における弾性率は5×108
Pa〜1×1010Paが好ましい。また、これらのプラ
スチックフィルムや合成紙は、通常2軸延伸により成膜
されたものであるが故に、これらは加熱により収縮す
る。これらを110℃下で60秒放置した場合の収縮率
は0.5〜2.5%である。上述のプラスチックフィル
ムや合成紙は、それ自体が、微細空隙を含む層の単層で
合っても良いし、複数の層構成であっても良い。
【0092】複数の層構成の場合には、その構成する全
ての層に微細空隙を含有しても良いし、微細空隙が存在
しない層が含有しても良い。このプラスチックフィルム
や合成紙には、必要に応じて隠蔽剤として、白色顔料を
混入させてもよい。又、白色性を増すために、蛍光増白
剤等の添加剤を含有させても良い。微細空隙を有する層
は、30〜80μmの厚みが好ましい。
【0093】微細空隙を有する層としては、支持体の上
にコーティング法によって微細空隙を有する層を形成す
ることも可能である。使用するプラスチック樹脂として
は、ポリエステル、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の公
知の樹脂を単独或いは複数をブレンドして使用すること
ができる。支持体は、上述した各種紙、合成紙、不織
布、プラスチックフィルム等を用いることができる。
【0094】又、必要に応じて、受像層を設ける側とは
反対側の支持体の面に、カール防止の目的として、ポリ
ビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネイト等の樹脂や合成紙
の層を設けることが出来る。貼り合わせ方法としては、
例えば、ドライラミネーション、ノンソルベント(ホッ
トメルト)ラミネーション、ECラミネーション法等の
公知の積層方法が使用できるが、好ましい方法はドライ
ラミネーション及びノンソルベントラミネーション法で
ある。ノンソルベントラミネーション法に好適な接着剤
としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケネート
720L等が挙げられ、ドライラミネーションに好適な
接着剤としては、例えば、武田薬品工業(株)製のタケ
ラックA969/タケネートA−5(3/1)、昭和高
分子(株)製の、ポリゾール PSA SE−140
0、ビニロール PSA AV−6200シリーズ等が
挙げられる。これらの接着剤の使用量としては、固形分
で約1〜8g/m2好ましくは2〜6g/m2の範囲であ
る。
【0095】上述したような、プラスチックフィルムと
合成紙、或いはそれら同士、或いは各種紙とプラスチッ
クフィルムや合成紙、等を積層する場合、接着層により
貼り合わせることが出来る。
【0096】上記支持体とその上に設ける層との密着性
が乏しい場合には、支持体の表面に各種プライマー処理
やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0097】受像層は支持体の一方の面に、染料定着体
とバインダー樹脂と、必要に応じて離型剤等の各種添加
剤から構成されている。染料前駆体としてポストキレー
ト染料を用いた場合、染料定着体としてメタルソースを
含有させる。メタルソースは、上述した非転写性樹脂層
で使用するものが同様に使用できる。メタルソースの添
加量は、通常、受像層固形分に対し10〜60質量%が
好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
【0098】バインダー樹脂は公知のものを用いること
ができ、染料が染着しやすいものを用いることが好まし
い。具体的にはポリプロピレン等のポリオレフィン樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン
化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなど
のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エ
チレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モ
ノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネイ
ト、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等
の単体、または混合物を用いることができ、これらの中
でもポリエステル系樹脂、及びビニル系樹脂が好まし
い。
【0099】上記受像層は、染料層との熱融着を防止す
るために、離型剤を添加することが好ましい。離型剤と
しては、燐酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物、シリ
コーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)等を使用
することができるが、この中でもシリコーンオイルが好
ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコー
ンを始め各種の変性シリコーンを用いることができる。
具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリ
コーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコ
ーン、ウレタン変性シリコーン等を用い、これらをブレ
ンドしたり、各種の反応を用いて重合させて用いること
もできる。離型剤は1種もしくは2種以上のものが使用
される。また、離型剤の添加量は、受像層形成用樹脂1
00質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。こ
の添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シートと受
像シートの受像層との融着もしくは印画感度低下などの
問題が生じる場合がある。尚、これらの離型剤は受像層
に添加せず、受像層上に別途離型層として設けても良
い。
【0100】以上の受像層は、支持体上に、バインダー
樹脂と染料定着体に、必要に応じて離型剤等の添加剤を
加え、水または有機溶剤などの溶媒に溶解または分散さ
せた塗布液を、バーコーター、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーテ
ィング法などの通常の方法で塗布し、乾燥して形成する
ことができる。後述するバリアー層、中間層、裏面層の
形成手段も、上記の受像層の場合と同様の方法で行われ
る。又、受像層は、上記のように支持体上に直接塗布液
を塗布し、乾燥して形成するだけでなく、別の支持体に
受像層を予め形成してあるものから、支持体上に受像層
を転写形成してもよい。なお、上記の別の支持体は、同
様の材料が使用できる。受像層の厚さは、塗布乾燥後の
膜厚で、0.1〜10μm程度が好ましい。
【0101】受像層と支持体との間には、少なくとも1
層以上の中間層を設けても良い。中間層は、接着層(プ
ライマー層)、バリアー層、紫外線吸収層、発泡層、帯
電防止層等、受像層と支持体の間に設ける層すべてを意
味し、公知のものは、必要に応じていずれも使用でき
る。さらに、支持体のギラツキ感やムラを隠蔽するため
に、中間層に酸化チタン等の白色顔料を添加すると、支
持体の選択の自由度が広がるので好ましい。中間層樹脂
と白色顔料との含有量は、樹脂固形分100質量部に対
し、白色顔料固形分30〜300質量部が好ましいが、
隠蔽性を高めるには100〜300質量部の範囲で用い
ることがさらに好ましい。
【0102】中間層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、或いは官能基を有する熱可塑性樹脂を、各種の添
加剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることが
できる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、
変性ポリオレフィン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポ
リカーボネイト、アイオノマー、単官能及び/または多
官能水酸基含有のプレポリマーをイソシアネート等で硬
化させた樹脂等を使用することが出来る。
【0103】また、支持体の、受像層とは反対側の面
に、受像シートの機械搬送性向上、帯電防止、筆記性付
与などのために、裏面層を設けることも出来る。搬送性
向上のためには、バインダー樹脂に有機または無機のフ
ィラーを適量添加するか、ポリオレフィン樹脂、セルロ
ース樹脂のような滑性の高い樹脂を用いることが好まし
い。また、帯電防止機能を得るためには、アクリル樹脂
のような導電性樹脂や導電性フィラーからなる層を、さ
らには脂肪酸エステル、硫酸エステル、燐酸エステル、
アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸
類、エチレンオキサイド付加類などの、帯電防止剤を添
加した層を形成しても良い。
【0104】帯電防止剤の使用量は、帯電防止剤を添加
する層、及び、帯電防止剤の種類によって異なるが、い
ずれの場合にも受像シートの表面電気抵抗値が1013Ω
/cm2以下が好ましい。1013Ω/cm2より大きい場
合には、静電密着により、受像シート同志が貼りつき、
給紙トラブルの原因となる。量的には0.01〜3.0
g/m2の使用量が好ましい。帯電防止剤の使用量が
0.01g/m2以下では、帯電防止効果が不十分であ
り、一方、3.0g/m2以上では多すぎて不経済であ
り、またべたつきなどの問題が発生する場合がある。
【0105】筆記性を付与させる筆記層は、水性ペン、
ボールペン、万年筆、鉛筆等による筆記性を付与した
層、または印刷インキ、インクジェットインキ、熱溶融
転写インキ、トナーなどの印刷、印字適性を持たせた層
である。又、受像シートをハガキとして使用する場合な
どに、筆記層に切手の接着性を持たせることが出来る。
筆記層は、バインダー樹脂と無機フィラーを主成分に構
成する。バインダー樹脂として、例えば、アクリル酸エ
ステル、飽和ポリエステル、酢酸ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール
等が使用できる。無機フィラーとしては、シリカ、クレ
ー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げら
れる。筆記層は、受像シートの全面に設けても良いし、
部分的に形成しても良い。筆記層の形成手段は従来公知
の印刷塗工手段でよい。筆記層の厚さは、乾燥時で0.
5〜20g/m2程度である。
【0106】本発明に係る受像シートは、プリンタに枚
葉で供給されてもロール形態で供給されても良い。枚葉
供給とは、例えば、受像シートを一定サイズにカット
し、50枚程度を1セットとしてカセットに入れ、プリ
ンタに装着して使用される形態を指す。又、ロール形態
とは、その形でプリンタに受像シートを供給し、印画後
所望のサイズに切断して使用する形態のことである。特
に後者は、2枚差し等の給紙不良や排出不良等の搬送系
のトラブルが解消される他、印画可能枚数の大容量化に
も対応することが出来るため好ましい。
【0107】ロール形態で受像シートを供給する場合、
特に、上述したようなハガキ仕様にした場合や、ラベル
やシールタイプの受像シートを用いる場合は、裏面側に
形成された郵便番号枠等のデザインマークや、シールの
ハーフカットの位置に対して切断位置を合わせるため
に、検知マークを裏面側に設けることが出来る。
【0108】検知マークの色や形状は、プリンタの検知
器によって検知可能で有ればよく、固定されるものでは
ない。形状は、四角形でも、丸型や直線、バーコード等
が挙げられる。又、検知マークは受像シートの幅全体に
渡って形成しても良いし、一部でもよい。検知マークの
色は、黒、茶色、その他の色など、検知器に依って決め
られ限定されない。検知マークの形成方法は、グラビア
印刷やオフセット印刷で形成したり、裏面に粘着剤月の
着色フィルムを貼り付けることも出来特に限定されな
い。
【0109】検知マークを印刷で形成する場合、着色剤
や、反射率をコントロールする吸収剤(例えば赤外線吸
収剤等)を、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に分散したイ
ンキにより形成することが出来る。具体的には、着色剤
は、カーボンブラック、四三酸化鉄等の無機顔料やアニ
リンブラック等の有機顔料が使用できる。吸収剤として
は、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン
系、ナフトキノン系、アントラキノン系、アミニウム
系、ジオチール金属錯塩系、ジインモニウム系、トリフ
ェニルメタン系、クロニックメチン系、アズレニオウム
系、ビリリウム系等の有機材料が挙げられる。
【0110】検知マークのバインダー樹脂としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエス
テル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、アイオ
ノマー等の熱可塑性樹脂或いは、単官能及び/または多
官能水酸基含有のプレポリマーに分散しイソシアネート
等で硬化させた樹脂等を使用することが出来る。上記の
着色剤や吸収剤と、バインダーを用い、適宜分散剤(例
えば脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル等の非イオン系界面活性剤、アルキルアミン塩等の
陽イオン性界面活性剤等)を用い、溶媒に分散ないし溶
解させた検知マーク塗工液により、好ましくはグラビア
印刷で検知マークを形成することが出来る。
【0111】次に、本発明の熱転写記録方法の一例を図
1、図2を用いて説明する。透明保護層、或いは非転写
性樹脂層が熱転写シートの染料層と面順次に供給される
場合の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の1実施例である熱転写シートを示す図で
ある。図1(a)では、支持体3の同一平面上にイエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)染料層2が面
順次に設けられ、CとYとの間に、透明保護層、或いは
非転写性樹脂層が設けられている。尚、図1では、各々
の層の間に隙間を取っていないが、熱転写記録装置の制
御方法に併せて適宜隙間を設けても良い。又、各層の頭
出しを制度良く行なうために、検知マークを熱転写シー
トに設けることが好ましく、設け方については特に限定
されることはない。図1(a)は、支持体の同一平面上
に染料層と透明保護層、或いは非転写性樹脂層を設けた
が、もちろん図1(b)に示すように、別個の支持体に
それぞれを設けても良いことは言うまでもない。尚、染
料層の定義であるが、反応型の染料を用いた場合、染料
層に含有されている染料自身は反応前の化合物であり厳
密にいえばY、M、C染料とは言えないが、Y、M、C
画像を最終的に形成する為の層という意味で、便宜上同
様に表現する。
【0112】本発明に用いられる熱転写記録装置とし
て、例えば、図2に示すような装置を用いることができ
る。図2において、10は熱転写シート供給ロール、1
5は熱転写シート、11は使用された熱転写シート15
を巻き取る巻取ロール、12はサーマルヘッド、13は
プラテンローラ、14はサーマルヘッド12とプラテン
ローラ13との間に挿入された受像シートである。
【0113】図2(a)に示す熱転写記録装置を用い、
熱転写シートとして例えば図1(a)に示す熱転写シー
トを用いて画像を形成するには、まず、熱転写シートの
Y染料を含有する領域2Yと受像シートの受像層とを重
ね合わせ、サーマルヘッドの熱印加により該領域の染料
層中のY染料を画像データにしたがって受像シートに移
行させてY画像を形成し、次いでこのY画像の上にM染
料を含有する領域2Mの染料層から同様にしてM染料を
画像様に移行させ、次いでこの転写画像の上にC染料を
含有する領域2Cの染料層から同様にしてC染料を画像
様に移行させ、最後にこの画像の全面に透明保護層、或
いは非転写性樹脂層1により保護層転写もしくは再加熱
処理を行い、画像の形成を完了する。
【0114】図2(b)は、熱転写シートを図1(b)
の態様にした場合である。この場合、まず染料転写用の
装置において、熱転写シートのY染料を含有する領域2
Yと受像シートの受像層とを重ね合わせ、サーマルヘッ
ドの熱印加により該領域の染料層中のY染料を画像デー
タにしたがって受像シートに移行させてY画像を形成
し、次いでこのY画像の上にM染料を含有する領域2M
の染料層から同様にしてM染料を画像様に移行させ、次
いでこの転写画像の上にC染料を含有する領域2Cの染
料層から同様にしてC染料を画像様に移行させ、染料転
写画像を形成し、最後に再加熱処理用装置を用いて、こ
の画像の全面に透明保護層、或いは非転写性樹脂層1に
より保護層転写もしくは再加熱処理を行い、画像の形成
を完了する。
【0115】また、図2(c)は、熱転写シートを各色
別個にし、各々対応する装置で記録する場合である。こ
の場合、まずY転写用装置で、Y熱転写シート上の染料
を画像データにしたがって受像シートに移行させてY画
像を形成し、次にM転写用装置で、このY画像の上にM
熱転写シート上の染料を同様にして画像様に移行させ、
次にC転写用装置で、この画像上にC熱転写シート上の
染料を画像データにしたがって受像シートに移行させ
て、最後に図2(b)の場合と同様に再加熱処理用装置
を用いて、この画像の全面に透明保護層、或いは非転写
性樹脂層1により、保護層転写または再加熱処理を行
い、画像の形成を完了する。
【0116】本発明においては、光沢調とマット調の制
御を同一プリンタ内で選択可能にすると、1機種で所望
の表面性の印画物が得られるため好ましい。選択の方法
は特に限定されない。例えば、熱転写記録装置内に本発
明の光沢調とマット調に対応する制御データを保持して
おき、オペレータの簡単な操作で選択された制御データ
を読み出して、そのデータに従い制御部をコントロール
してもよいし、プリンタにパソコンが接続されている場
合は、パソコン側に制御データを保持しておき、オペレ
ータの簡単な操作で選択された制御データをプリンタに
送りだしても良い。
【0117】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。尚、文中で部また
は%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0118】実施例1 《受像シート用支持体1の作製》多孔質PETシートA
として、下記の1層目、2層目及び3層目を300℃で
同時に押出し機より押し出し、ステンレスベルト上に3
層からなるシートを形成したのち、冷却固化させた。こ
のフィルムを115℃に加熱されたロールで搬送しなが
ら搬送方向に3倍延伸した。続いてフィルムの両端をク
リップで持ちながら搬送方向と直角の方向に3倍延伸し
た。その後200℃で熱固定を行い、室温まで除冷して
1層目が8μm、2層目が35μm、3層目が8μmで
比重が0.7のフィルム状の多孔質PETシートAを作
製した。
【0119】 (多孔質PETシートAの組成) 1層目及び3層目の組成 PET 2層目の組成 PET 90部 PET−PTMG(PETの重合時にPETとPTMG (分子量4000のポリテトラメチレングリコール)が質量比1:1 になるようにPTMGが添加されて製造されたもの) 1部 シンジオクタチックスチレン(出光石油化学株製:ザレックS10) 6部 上記のように作製されたPETシートの両面をコロナ放
電処理した。次に、坪量130g/m2、厚み110μ
mの上質紙の片面に多孔質PETシートAを、もう一方
の面に、両面をコロナ処理した厚み25μmのPETシ
ートを、ポリゾールPSA SE−1400(昭和高分
子(株)製)を接着剤として140℃のラミネーターを
通して貼合し、受像シート用支持体1を作製した。
【0120】《受像シート用支持体2の作製》坪量13
0g/m2、厚み110μmの上質紙の両面に、厚さ6
0μmの合成紙(王子油化合成紙(株)製、YUPO
FPG#60)を、ポリゾールPSASE−1400
(昭和高分子(株)製)を接着剤として140℃のラミ
ネーターを通して貼合し、受像シート用支持体2を作製
した。
【0121】《受像シート1の作製》受像シート用支持
体1の多孔質PETシート面に、下記組成の下引層を塗
布し、120度で1分間乾燥させた。次に、その上に、
下記組成の受像層、乾燥時の塗布量が2.5g/m2
なるように塗布し、130℃で2分間乾燥させた。
【0122】次に、反対側のPET面上に、下記組成の
筆記層を形成し、152mm幅にスリットしてロール状
受像シート1を得た。
【0123】 (下引形成用塗工液) アクリル系エマルジョン(日本カーバイド(株)製、ニカゾールA−08) 35%水溶液 5.7部 純水 94.0部 (受像層塗工液組成) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂(電気化学(株)製、#1000GK) 42.0部 メタルソース(MS−1) 18.0部 エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、KF−393) 0.7部 アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、KS−343) 0.3部 メチルエチルケトン 20.0部 トルエン 20.0部 MS−1:Ni2+[C715COC(COOCH3)=C(CH3)O−]3 (筆記層塗工液) ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、#3000−1) 30.0部 ナイロンフィラー(神東塗料(株)製、MW−330) 5.0部 シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア250) 60.0部 キレート剤(松本製薬(株)製、オルガテックスTC−750) 5.0部 トルエン/IPA 400.0部 IPA:isoプロピルアルコール 《受像シート2の作製》受像シート用支持体2の片面
に、下記組成の下引層を塗布し、120度で1分間乾燥
させた。次に、その上に、上記組成の受像層、乾燥時の
塗布量が2.5g/m2になるように塗布し、130℃
で2分間乾燥させた。
【0124】次に、反対側の面上に、上記組成の筆記層
を形成し、152mm幅にスリットしてロール状受像シ
ート2を得た。
【0125】 (下引形成用塗工液) ポリオール変性塩素化ポリオレフィン (東洋化成工業(株)製、ハードレンB−13) 10.0部 メチルエチルケトン 90.0部 《受像シート3の作製》受像シート用支持体2の片面
に、下記組成の下引層を塗布し、120度で1分間乾燥
させた。次に、その上に、上記組成の受像層を乾燥時の
塗布量が2.5g/m2になるように塗布し、130℃
で2分間乾燥させ、それをA4サイズに裁断して枚葉状
の受像シート3を得た。
【0126】《熱転写シート用支持体の作製》厚さ6μ
mのPETフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)製、
K−203E−6F)の片面側に、ウレタン系樹脂から
なる厚さ0.5μmのプライマー層を設け、他面(背
面)に、耐熱滑性層として、厚さ1μmのシリコーン樹
脂層を設け、熱転写シート用支持体とした。
【0127】《熱転写シート1の作製》熱転写シート用
支持体上に、下記組成の、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)各染料層、及び非転写性樹脂層
を、面順次に形成した熱転写シート1を作製した。
【0128】 (Y染料層塗工液) ポストキレート色素 例示化合物(26) 1.0部 ポリビニールブチラール(電気化学工業(株)製、KY−24) 5.5部 ウレタン変性シリコーン樹脂 (大日精化(株)製、ダイアロマーSP−2105) 1.5部 メチルエチルケトン 80.0部 酢酸ブチル 10.0部 (M染料層塗工液) ポストキレート色素 例示化合物(25) 1.0部 ポリビニールブチラール(電気化学工業(株)製、KY−24) 5.5部 ウレタン変性シリコーン樹脂 (大日精化(株)製、ダイアロマーSP−2105) 1.5部 メチルエチルケトン 80.0部 酢酸ブチル 10.0部 (C染料層塗工液) ポストキレート色素 例示化合物(28) 1.0部 ポリビニールブチラール(電気化学工業(株)製、KY−24) 5.5部 ウレタン変性シリコーン樹脂 (大日精化(株)製、ダイアロマーSP−2105) 1.5部 メチルエチルケトン 80.0部 酢酸ブチル 10.0部 (非転写性樹脂層塗工液) ポリビニールブチラール(電気化学工業(株)製、KY−24) 9.9部 メタルソース(MS−1) 0.1部 メチルエチルケトン 80.0部 酢酸ブチル 10.0部 《熱転写シート2の作製》熱転写シート用支持体上に、
上記組成の、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)の各染料層、及び、支持体から順に、下記組成の
離型層、転写性透明保護層、接着層の3層積層からなる
透明保護層を、左記の順番通りに形成した熱転写シート
2を作製した。離型層はグラビアコート法で、乾燥後の
塗布量が0.4g/m2になるように、転写性透明保護
層はグラビアコート法で、乾燥後の塗布量が2.0g/
2になるように、接着層はグラビアコート法で、乾燥
後の塗布量が1.0g/m2になるように形成した。
【0129】 (離型層用塗工液) 無機微粒子(日産化学(株)製、コロイダルシリカ) 10.0部 ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製) 8.0部 水 50.0部 エタノール 40.0部 (転写性透明保護層用塗工液) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、#1000A) 15.0部 反応性紫外線吸収剤を反応結合させた共重合樹脂 (BASFジャパン(株)製、UVA635L) 20.0部 メチルエチルケトン 50.0部 トルエン 50.0部 (接着層用塗工液) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、#1000A) 20.0部 マイクロシリカ 1.0部 メチルエチルケトン 40.0部 トルエン 40.0部 《画像試料1の作製》抵抗体形状がスクエア(主走査方
向長80μm×副走査方向長120μm)、300dp
i(dpiとは2.54cmあたりの画素密度を表す)
ラインヘッドのサーマルヘッドを担持したサーマルプリ
ンタ装置(1ヘッド面順次、A6サイズ)内に、受像シ
ート1の受像層部と熱転写シート1の染料層部を重ね合
わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧
接しながら、5〜80mJ/mm2の印加エネルギー範
囲で順次増加させるイエロー、マゼンタ、シアン、ニュ
ートラル(前記3色重ね)ステップパターンを、送り速
度10msec/line、1ライン当たりの送り長さ
を85μmで、染料層の背面側から加熱して受像層上に
染料を転写させた。次いで、同じサーマルヘッドとプラ
テンロールで、同じ1ライン当たりの送り長さの条件
で、非転写性処理層を介して染料転写した受像シートを
圧接し、印加エネルギー80mJ/mm2、パルス条件
を、抵抗体表面の温度がピーク温度に対し±50%の範
囲になるように設定して再加熱処理を行った。パルス形
状を図3(a)に示す。
【0130】図3(a)は、再加熱処理時におけるサー
マルヘッドのパルス形状を示す図である。縦軸は印加電
圧(V)、横軸は時間である。1周期を幅A、幅A×1
/2、幅A×1/3の順にパルス形状を設定し、サーマ
ルヘッドの抵抗体表面の温度がピーク温度に対し±50
%の範囲となるよう非通電時間間隔Bを設定した。各パ
ルスは更に短時間のパルスを組み合わせて構成しても良
い。
【0131】《画像試料2の作製》抵抗体表面の温度が
ピーク温度に対し±35%の範囲になるように設定した
他は画像試料1と同様の方法で画像試料2を作製した。
【0132】《画像試料3の作製》抵抗体表面の温度が
ピーク温度に対し±20%の範囲になるように設定した
他は画像試料1と同様の方法で画像試料3を作製した。
【0133】《画像試料4〜8の作製》画像試料1と同
じ熱転写シート、受像シート、サーマルプリンタ装置を
用いた。染料転写までは画像試料1と同様の方法で行
い、その後、同じサーマルヘッドとプラテンロールで、
同じ1ライン当たりの送り長さの条件で、非転写性処理
層を介して染料転写した受像シートを圧接し、印加エネ
ルギーを表1の如く変化させ、パルス条件は、染料転写
時と同様にして、再加熱処理を行った。パルス形状を図
3(b)に示す。
【0134】図3(b)は、再加熱処理時におけるサー
マルヘッドのパルス形状を示す図である。縦軸は印加電
圧(V)、横軸は時間である。1周期は幅C(幅B)の
パルス形状のON,OFFから構成される。幅Dは、サ
ーマルヘッドの抵抗体表面の温度が、次の周期における
染料非転写のデータの部分を抵抗体の余熱で染料が転写
してしまうのを防止する温度まで十分降温されるよう
に、設定した。各パルスは更に短時間のパルスを組み合
わせて構成しても良い。
【0135】得られた画像試料1〜8について、下記評
価を行った。 《画像耐光性》各画像試料の、Y,M,C各濃度1.0
付近の部分をそれぞれキセノンフェードメーター(スガ
試験機(株)製、WEL−6X−HC−Ec、サンプル
表面照度70000ルクス)に14日間暴露した後と暴
露前の濃度から、濃度の残存率を求めた。濃度の測定に
はX−Rite310TR(X−Rite社製)を用い
た。反応型染料の反応の度合いが高いほど、残存率は高
くなる。評価は下記4段階で行った。
【0136】 ◎:85〜100% ○:70〜85%未満 △:55〜70%未満 ×:55%未満 残存率は70%以上が実用可である。
【0137】《表面光沢度》日本電色工業社製VGS−
1001DPを用いて、測定角60度での反射率を測定
した。
【0138】《連続印画適性》べた黒画像(Y、M、C
とも80mJ/mm2で重ねうちしたもの)を23℃5
5%RHの環境下で100枚連続して出力したときの印
画物の状態や熱転写シート、受像シートへの影響を目視
評価した。結果を表1に示す。
【0139】
【表1】
【0140】表1から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は画像耐光性、表面光沢度が良好であり、且つ、連
続印画適性にも優れた効果を示していることが明かであ
る。
【0141】実施例2 《画像試料11の作製》抵抗体形状がスクエア(主走査
方向長80μm×副走査方向長120μm)、300d
piラインヘッドのサーマルヘッドを担持したサーマル
プリンタ装置(1ヘッド面順次、A6サイズ)内に、受
像シート1の受像層部と熱転写シート2の染料層部を重
ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロール
で圧接しながら、5〜80mJ/mm2の印加エネルギ
ー範囲で順次増加させるイエロー、マゼンタ、シアン、
ニュートラル(前記3色重ね)ステップパターンを、送
り速度10msec/line、1ライン当たりの送り
長さを85μmで、染料層の背面側から加熱して受像層
上に染料を転写させた。次いで、同じサーマルヘッドと
プラテンロールで、同じ1ライン当たりの送り長さの条
件で、透明保護層を介して染料転写した受像シートを圧
接し、印加エネルギー80mJ/mm2、パルス条件
を、抵抗体表面の温度がピーク温度に対し±50%の範
囲になるように設定して保護層転写を行った。
【0142】パルス形状は画像試料1と同様に、図3
(a)の通りである。 《画像試料12の作製》抵抗体表面の温度がピーク温度
に対し±35%の範囲になるように設定した他は画像試
料1と同様の方法で画像試料12を作製した。
【0143】《画像試料13の作製》抵抗体表面の温度
がピーク温度に対し±20%の範囲になるように設定し
た他は画像試料1と同様の方法で画像試料13を作製し
た。
【0144】《画像試料14〜18の作製》画像試料1
と同じ熱転写シート、受像シート、サーマルプリンタ装
置を用いた。染料転写までは画像試料1と同様の方法で
行い、その後、同じサーマルヘッドとプラテンロール
で、同じ1ライン当たりの送り長さの条件で、非転写性
処理層を介して染料転写した受像シートを圧接し、印加
エネルギーを表1の如く変化させ、パルス条件は、染料
転写時と同様にして、保護層転写を行った。
【0145】パルス形状は画像試料2と同様図3(b)
の通りである。得られた画像試料11〜18について、
実施例1と同様の評価に加え、下記評価を行った。
【0146】《保護層接着性》得られた画像試料の保護
層上に、碁盤目テープ剥離試験を行い、下記の規準で評
価した。尚、評価規準の数値は、100等分となるよう
にカットされた保護層のテープ剥離後でも脱落しなかっ
た残存個数である。
【0147】 ◎:100個(全く剥離しない) ○:90〜99個 △:70〜89個 ×:0〜69個 実用的には△が下限である。結果を表2に示す。
【0148】
【表2】
【0149】表2から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は画像耐光性、表面光沢度、保護層接着性が良好で
あり、且つ、連続印画適性も優れていることが明らかで
ある。
【0150】実施例3 《画像試料21〜28の作製》受像シートを2、熱転写
シートを1を用いた他は、実施例1と同様にして、画像
試料21〜28を作製、評価した。結果を表3に示す。
【0151】
【表3】
【0152】表3から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は画像耐光性、表面光沢度が良好であり、且つ、連
続印画適性も優れていることが明らかである。
【0153】実施例4 《画像試料31〜38の作製》受像シートを2、熱転写
シートを2を用いた他は、実施例2と同様にして、画像
試料31〜38を作製、評価した。
【0154】結果を表4に示す。
【0155】
【表4】
【0156】表4から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は画像耐光性、表面光沢度、保護層接着性が良好で
あり、且つ、連続印画適性も優れていることが明らかで
ある。
【0157】実施例5 《画像試料41〜48の作製》受像シートを3、熱転写
シートを1を用いた他は、実施例1と同様にして、画像
試料41〜48を作製、評価した。結果を表5に示す。
【0158】
【表5】
【0159】表5から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は画像耐光性、表面光沢度が良好であり、且つ、連
続印画適性も優れていることが明らかである。
【0160】実施例6 《画像試料51〜58の作製》受像シートを3、熱転写
シートを2を用いた他は、実施例2と同様にして、画像
試料51〜58を作製、評価した。結果を表6に示す。
【0161】
【表6】
【0162】表6から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は画像耐光性、表面光沢度、保護層接着性が良好で
あり、且つ、連続印画適性も優れていることが明らかで
ある。
【0163】実施例7 昇華型熱転写プリンタCHC−S1045(神鋼電機
(株)製)の、印画制御を司るROMに、画像試料1の
制御条件(光沢モード)と、画像試料4の制御条件(光
沢無しモード)を書き込み、前面のスイッチの操作によ
りそれらを選択できるようにした。光沢モードを選択す
ることで、光沢度70〜85の印画物を、光沢無しモー
ドを選択することで、光沢度40〜55の印画物を得る
ことが出来た。
【0164】実施例8 昇華型熱転写プリンタCHC−S1045(神鋼電機
(株)製)用のPhotoshop(Adobe(株)
製)プラグインを作製し、且つ、プリンタの印画制御を
司るROMに、画像試料1の制御条件(光沢モード)
と、画像試料4の制御条件(光沢無しモード)を書き込
み、プラグインのダイアログ上で、それらを選択できる
ようにした。光沢モードの選択により、光沢度70〜8
5の印画物を、光沢無しモードの選択により、光沢度4
0〜55の印画物を得ることが出来た。
【0165】
【発明の効果】本発明により、画像耐光性、表面光沢度
に優れ、且つ、熱転写時の受像層の保護層の接着性や連
続印画適性が良好な熱転写記録方法及び、それに用いる
熱転写記録用プリンタを提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明に用いられる熱転写
シートの一例を示す模式的断面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、各々本発明に用い
られる熱転写記録装置の一例を示す。
【図3】(a)、(b)は各々、再加熱処理時における
サーマルヘッドのパルス形状の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 熱転写保護層または非転写性樹脂層 2Y イエロー染料を含有する領域 2M マゼンタ染料を含有する領域 2C シアン染料を含有する領域 3 インクシート支持体 V 印可電圧 A 通電時間間隔を示すパルス幅 A/2 Aの1/2の通電時間間隔 A/3 Aの1/3の通電時間間隔 B 非通電時間間隔 C 通電時間間隔を示すパルス幅 D 非通電時間間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C065 AA01 AB03 AC04 AF01 AF02 CJ02 CJ03 CJ08 CZ03 2C066 AA18 AC01 AD05 CA05 CA07 CA21 2H111 AA09 AA10 AA27 AA33 AA49 AA52 BA03 BA38 BA74 CA03 CA33 CA41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体を
    含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、支
    持体B上に、該染料前駆体と反応して染料を形成し得る
    染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受
    像層とを対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで
    像様に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層に
    転写させて画像を形成した後、該受像シート上に画像形
    成された領域に、該サーマルヘッドによって熱転写性の
    保護層を設ける熱転写記録方法において、該保護層を転
    写する際のサーマルヘッドの抵抗体表面の温度が、常に
    ピーク温度の1/3以上になるように通電時間間隔を調
    整することを特徴とする熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】 支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体を
    含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、支
    持体B上に、該染料前駆体と反応して染料を形成し得る
    染料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受
    像層とを対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで
    像様に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層に
    転写させて画像を形成した後、該受像シート上に画像形
    成された領域に、該サーマルヘッドによって熱転写性の
    保護層を設ける熱転写記録方法において、該保護層が転
    写する際のサーマルヘッドの1ドットあたりの印加エネ
    ルギーが、該染料前駆体の転写時において最高濃度を印
    画する時の印加エネルギーに対して、80〜120%で
    あることを特徴とする熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】 支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体を
    含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、支
    持体B上に、該染料前駆体と反応し染料を形成し得る染
    料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受像
    層を対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで像様
    に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層に転写
    させて画像を形成した後、更に、サーマルヘッドによっ
    て、支持体B上に設けられた非転写性の樹脂層を介し
    て、該受像シート上の画像形成面に再加熱処理を施す熱
    転写記録方法において、該再加熱処理を施す際の該サー
    マルヘッドの抵抗体表面の温度が、常にピーク温度の1
    /3以上になるように通電時間間隔を調整することを特
    徴とする熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】 支持体A上に、熱拡散性の染料前駆体を
    含有する染料層を有する熱転写シートの該染料層と、支
    持体B上に、該染料前駆体と反応し染料を形成し得る染
    料定着体を含有する受像層を有する受像シートの該受像
    層を対向するように重ね合わせ、サーマルヘッドで像様
    に加熱することにより、該染料前駆体を該受像層に転写
    させて画像を形成した後、更に、サーマルヘッドによっ
    て、支持体B上に設けられた非転写性の樹脂層を介し
    て、該受像シート上の画像形成面に再加熱処理を施す熱
    転写記録方法において、該再加熱処理を施す際のサーマ
    ルヘッドの1ドットあたりの印加エネルギーが該染料前
    駆体の転写時において最高濃度を印画する時の印加エネ
    ルギーに対し80〜120%であることを特徴とする熱
    転写記録方法。
  5. 【請求項5】 染料層に、染料前駆体としてキレート化
    可能な熱拡散染料が含有されており、且つ、受像層に染
    料定着体として該染料前駆体とキレート反応しうる金属
    イオン含有化合物が含有されていることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写記録方法。
  6. 【請求項6】 同一プリンタにおいて、請求項1に記載
    の熱転写記録方法及び請求項2に記載の熱転写記録方法
    から選ばれる少なくとも一つの方法を選択することを特
    徴とする熱転写記録用プリンタ。
  7. 【請求項7】 同一プリンタにおいて、請求項3に記載
    の熱転写記録方法及び請求項4に記載の熱転写記録方法
    から選ばれる少なくとも一つの方法を選択することを特
    徴とする熱転写記録用プリンタ。
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