JPH0966656A - 孔版印刷装置 - Google Patents
孔版印刷装置Info
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- JPH0966656A JPH0966656A JP22361995A JP22361995A JPH0966656A JP H0966656 A JPH0966656 A JP H0966656A JP 22361995 A JP22361995 A JP 22361995A JP 22361995 A JP22361995 A JP 22361995A JP H0966656 A JPH0966656 A JP H0966656A
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- Japan
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- master
- plate cylinder
- cylinder
- plate
- paper
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 薄肉化されて強度が低下したマスタを使用す
る場合でもシワの発生を抑制できる孔版印刷装置を提供
する。 【解決手段】 圧胴8の周速度V2を版胴2の周速度V1
より僅かに大きくし、周速度増加分V3に基づく用紙搬
送力で、給紙部の負荷等によってマスタ35に作用しよ
うとする引張り力F(マスタ35におけるシワ発生の原
因)を打ち消す。
る場合でもシワの発生を抑制できる孔版印刷装置を提供
する。 【解決手段】 圧胴8の周速度V2を版胴2の周速度V1
より僅かに大きくし、周速度増加分V3に基づく用紙搬
送力で、給紙部の負荷等によってマスタ35に作用しよ
うとする引張り力F(マスタ35におけるシワ発生の原
因)を打ち消す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィ
ルムを有するマスタを加熱穿孔して製版し、製版後のマ
スタを多孔性の円筒状版胴に巻着して印刷を行う孔版印
刷装置に関し、特に薄肉のマスタを用いる製排版一体の
タイプに好適な孔版印刷装置に関する。
ルムを有するマスタを加熱穿孔して製版し、製版後のマ
スタを多孔性の円筒状版胴に巻着して印刷を行う孔版印
刷装置に関し、特に薄肉のマスタを用いる製排版一体の
タイプに好適な孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の印刷装置は、従来より、感熱デ
ジタル孔版印刷装置として知られている。これは、概
略、内方にインキ供給手段を有する円筒状で且つ多孔性
の版胴の外周面に、加熱穿孔して製版したマスタを巻着
し、かかる状態で用紙を版胴に対して接離自在に設けら
れた圧胴で版胴に押圧し、版胴の開孔部を通ってマスタ
の穿孔部から滲み出たインキを用紙に転移させる構成と
なっている。詳しく説明すると、版胴は、多孔性の支持
円筒体に樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを
複数層巻装した複合構成となっており、駆動源で回転駆
動されるようになっている。インキ供給手段から供給さ
れたインキは、厳密には連通する支持円筒体自体の開孔
部とメッシュスクリーンの開孔部を通ることになる。マ
スタとしては、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは大体1〜
2μm程度のものが一般的に用いられる)に、多孔質支
持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と
合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造
のものが用いられている。マスタの製版は、ロール状態
から繰り出されたマスタを、プラテンローラで押圧して
マスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触
させた状態でサーマルヘッドを主走査方向に作動させ、
搬送手段でマスタを副走査方向に移動させながら行われ
る。搬送手段で版胴に送り込まれたマスタは版胴が一体
に有するクランパで先端を挟持されながら版胴表面に巻
着され、製版が完了するとカッタ装置によりカットされ
るようになっている。
ジタル孔版印刷装置として知られている。これは、概
略、内方にインキ供給手段を有する円筒状で且つ多孔性
の版胴の外周面に、加熱穿孔して製版したマスタを巻着
し、かかる状態で用紙を版胴に対して接離自在に設けら
れた圧胴で版胴に押圧し、版胴の開孔部を通ってマスタ
の穿孔部から滲み出たインキを用紙に転移させる構成と
なっている。詳しく説明すると、版胴は、多孔性の支持
円筒体に樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを
複数層巻装した複合構成となっており、駆動源で回転駆
動されるようになっている。インキ供給手段から供給さ
れたインキは、厳密には連通する支持円筒体自体の開孔
部とメッシュスクリーンの開孔部を通ることになる。マ
スタとしては、熱可塑性樹脂フィルム(厚みは大体1〜
2μm程度のものが一般的に用いられる)に、多孔質支
持体としての和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と
合成繊維を混抄したものを貼り合わせたラミネート構造
のものが用いられている。マスタの製版は、ロール状態
から繰り出されたマスタを、プラテンローラで押圧して
マスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触
させた状態でサーマルヘッドを主走査方向に作動させ、
搬送手段でマスタを副走査方向に移動させながら行われ
る。搬送手段で版胴に送り込まれたマスタは版胴が一体
に有するクランパで先端を挟持されながら版胴表面に巻
着され、製版が完了するとカッタ装置によりカットされ
るようになっている。
【0003】このように、この種の孔版印刷装置では、
インキが多孔質支持体としての和紙繊維等の間を通過し
て最終的にフィルムの穿孔部より印刷用紙に転移するの
であるが、マスタの穿孔部において、支持体繊維が複雑
に絡みあって塊となっていたり、太い繊維が横切ってい
る場合には、画像のベタ部が抜けたり、あるいは細線や
文字等が切れたり又はかすれたりする、いわゆる繊維目
と呼ばれる現象が発生し、印刷画像の品質を低下させて
しまうという問題があった。そこで、このような繊維目
の発生を低減すべく、原因である多孔質支持体としての
和紙繊維等を除去してマスタを実質的にフィルムのみと
したり、あるいは、多孔質支持体の層を薄くするなどの
試みがなされている。
インキが多孔質支持体としての和紙繊維等の間を通過し
て最終的にフィルムの穿孔部より印刷用紙に転移するの
であるが、マスタの穿孔部において、支持体繊維が複雑
に絡みあって塊となっていたり、太い繊維が横切ってい
る場合には、画像のベタ部が抜けたり、あるいは細線や
文字等が切れたり又はかすれたりする、いわゆる繊維目
と呼ばれる現象が発生し、印刷画像の品質を低下させて
しまうという問題があった。そこで、このような繊維目
の発生を低減すべく、原因である多孔質支持体としての
和紙繊維等を除去してマスタを実質的にフィルムのみと
したり、あるいは、多孔質支持体の層を薄くするなどの
試みがなされている。
【0004】しかしながら、従来の孔版印刷装置におけ
るマスタは、上述のように、ロール状態から繰り出され
て製版後カットされ、最終的に長尺の単葉シートとして
版胴に巻着される搬送形態をとるため、搬送に耐え得る
マスタの腰力、すなわち剛性が存在することが前提とな
っており、多孔質支持体としての和紙繊維等によってこ
の剛性が担われていた。従って、マスタをフィルムのみ
としたり、あるいは、多孔質支持体の層を薄くするなど
の対策は反面マスタの腰力低下を招き、搬送が不安定と
なってマスタのジャムが多発することとなるため、従来
の孔版印刷装置において上記繊維目低減対策を適用する
ことは困難であった。そこで、このような不具合を解決
するものとして、例えば特公平5−70595号公報に
は、版胴周壁に近接して設けられるとともに版胴と相対
的に回動可能な着排版ユニットを有し、供給ロールより
マスタを供給するとともに巻取りながら排版を行う、い
わゆる製排版一体型の孔版印刷装置が提案されている。
この製排版一体型の搬送形態では、マスタが連続シート
として存在するため、搬送に必要なマスタ自体の腰力は
要求されない。
るマスタは、上述のように、ロール状態から繰り出され
て製版後カットされ、最終的に長尺の単葉シートとして
版胴に巻着される搬送形態をとるため、搬送に耐え得る
マスタの腰力、すなわち剛性が存在することが前提とな
っており、多孔質支持体としての和紙繊維等によってこ
の剛性が担われていた。従って、マスタをフィルムのみ
としたり、あるいは、多孔質支持体の層を薄くするなど
の対策は反面マスタの腰力低下を招き、搬送が不安定と
なってマスタのジャムが多発することとなるため、従来
の孔版印刷装置において上記繊維目低減対策を適用する
ことは困難であった。そこで、このような不具合を解決
するものとして、例えば特公平5−70595号公報に
は、版胴周壁に近接して設けられるとともに版胴と相対
的に回動可能な着排版ユニットを有し、供給ロールより
マスタを供給するとともに巻取りながら排版を行う、い
わゆる製排版一体型の孔版印刷装置が提案されている。
この製排版一体型の搬送形態では、マスタが連続シート
として存在するため、搬送に必要なマスタ自体の腰力は
要求されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の孔
版印刷装置においては、その構成上、分離給紙部より用
紙を引き出す時の負荷とか、あるいは押圧手段としての
プレスローラ等を回転させる負荷等によって版胴に巻着
されたマスタに引張り力が作用するが、従来のマスタは
多孔質支持体の層が厚く、この支持体にフィルムが貼着
されているので、フィルムが伸びようとしても多孔質支
持体で抑えられ、マスタが伸びたり、あるいはシワが発
生してしまうことが防止されていた。しかしながら、多
孔質支持体を薄くしたり、あるいはフィルムのみとする
マスタの場合は、マスタの剛性が著しく低下してしまう
ため、引張り力が作用すると、版胴のインキの粘着力に
打ち勝って伸びが発生し易く、側縁部が中央に寄せられ
てシワが発生したりしていた。また、版胴にマスタを巻
着するときには、僅かではあるが張力を作用させて弛み
が無いようにするため、マスタの張力が不均一な場合に
は、マスタに縦方向(版胴の周方向)の弛みが発生し易
くなり、マスタ巻着後の版付け動作で押圧手段によって
押圧されたときにマスタの側縁方向(版胴の軸方向)の
移動が追いつかずに弛み部分が潰されてシワが発生して
しまうという問題があった。すなわち、前後方向(版胴
の周方向)は版胴と押圧手段としてのプレスローラ間で
しごかれて伸ばされるため弛みが潰されてシワになって
しまうことは無いが、側縁方向は押圧手段で側部も抑え
られながら伸ばされるため、非画像部がインキの粘着力
で移動し難い場合には、画像部分の伸びが行き場がなく
なって潰され、シワになってしまうのである。このよう
に、繊維目の低減策の欠点(マスタの腰力の低下)を解
消する搬送形態(製排版一体型)が提案されたものの、
実際使用において、マスタの薄肉化に起因する新たな問
題が出てきたのである。
版印刷装置においては、その構成上、分離給紙部より用
紙を引き出す時の負荷とか、あるいは押圧手段としての
プレスローラ等を回転させる負荷等によって版胴に巻着
されたマスタに引張り力が作用するが、従来のマスタは
多孔質支持体の層が厚く、この支持体にフィルムが貼着
されているので、フィルムが伸びようとしても多孔質支
持体で抑えられ、マスタが伸びたり、あるいはシワが発
生してしまうことが防止されていた。しかしながら、多
孔質支持体を薄くしたり、あるいはフィルムのみとする
マスタの場合は、マスタの剛性が著しく低下してしまう
ため、引張り力が作用すると、版胴のインキの粘着力に
打ち勝って伸びが発生し易く、側縁部が中央に寄せられ
てシワが発生したりしていた。また、版胴にマスタを巻
着するときには、僅かではあるが張力を作用させて弛み
が無いようにするため、マスタの張力が不均一な場合に
は、マスタに縦方向(版胴の周方向)の弛みが発生し易
くなり、マスタ巻着後の版付け動作で押圧手段によって
押圧されたときにマスタの側縁方向(版胴の軸方向)の
移動が追いつかずに弛み部分が潰されてシワが発生して
しまうという問題があった。すなわち、前後方向(版胴
の周方向)は版胴と押圧手段としてのプレスローラ間で
しごかれて伸ばされるため弛みが潰されてシワになって
しまうことは無いが、側縁方向は押圧手段で側部も抑え
られながら伸ばされるため、非画像部がインキの粘着力
で移動し難い場合には、画像部分の伸びが行き場がなく
なって潰され、シワになってしまうのである。このよう
に、繊維目の低減策の欠点(マスタの腰力の低下)を解
消する搬送形態(製排版一体型)が提案されたものの、
実際使用において、マスタの薄肉化に起因する新たな問
題が出てきたのである。
【0006】本発明は、フィルムのみのマスタや多孔質
支持体の薄いマスタを巻着して印刷する場合においても
マスタの伸びによるシワの発生を防止して良好な印刷物
を得ることができる孔版印刷装置の提供を、その目的と
する。
支持体の薄いマスタを巻着して印刷する場合においても
マスタの伸びによるシワの発生を防止して良好な印刷物
を得ることができる孔版印刷装置の提供を、その目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、版胴に用紙を
押圧するとともに版胴との間で用紙に搬送力を付与して
いる圧胴の存在に着目し、用紙に対する圧胴の搬送力で
マスタに作用する引張り力を相殺する、という考えに立
っている。具体的には、請求項1記載の発明では、内方
にインキ供給手段を有して回転駆動される円筒状で多孔
性の版胴と、この版胴に接離自在に設けられるとともに
当該版胴と反対方向に回転駆動される圧胴とが備えら
れ、前記版胴にその外周面に加熱穿孔された製版済みの
マスタを巻着した状態で前記圧胴で用紙を押圧し、前記
マスタの穿孔部から滲み出たインキを用紙に転移させて
印刷を行う孔版印刷装置において、前記圧胴の周速度を
前記版胴の周速度より僅かに速する、という構成を採っ
ている。
押圧するとともに版胴との間で用紙に搬送力を付与して
いる圧胴の存在に着目し、用紙に対する圧胴の搬送力で
マスタに作用する引張り力を相殺する、という考えに立
っている。具体的には、請求項1記載の発明では、内方
にインキ供給手段を有して回転駆動される円筒状で多孔
性の版胴と、この版胴に接離自在に設けられるとともに
当該版胴と反対方向に回転駆動される圧胴とが備えら
れ、前記版胴にその外周面に加熱穿孔された製版済みの
マスタを巻着した状態で前記圧胴で用紙を押圧し、前記
マスタの穿孔部から滲み出たインキを用紙に転移させて
印刷を行う孔版印刷装置において、前記圧胴の周速度を
前記版胴の周速度より僅かに速する、という構成を採っ
ている。
【0008】また、本発明は、圧胴自体にマスタの側縁
方向の弛みを是正する機能を持たせる、という考えに立
っている。具体的には、請求項2記載の発明では、内方
にインキ供給手段を有して回転駆動される円筒状で多孔
性の版胴と、この版胴に接離自在に設けられるとともに
当該版胴と反対方向に回転駆動される圧胴とが備えら
れ、前記版胴にその外周面に加熱穿孔された製版済みの
マスタを巻着した状態で前記圧胴で用紙を押圧し、前記
マスタの穿孔部から滲み出たインキを用紙に転移させて
印刷を行う孔版印刷装置において、前記圧胴に、前記版
胴に巻着されたマスタと接触して当該マスタの側縁を外
方向に付勢する付勢手段を設ける、という構成を採って
いる。
方向の弛みを是正する機能を持たせる、という考えに立
っている。具体的には、請求項2記載の発明では、内方
にインキ供給手段を有して回転駆動される円筒状で多孔
性の版胴と、この版胴に接離自在に設けられるとともに
当該版胴と反対方向に回転駆動される圧胴とが備えら
れ、前記版胴にその外周面に加熱穿孔された製版済みの
マスタを巻着した状態で前記圧胴で用紙を押圧し、前記
マスタの穿孔部から滲み出たインキを用紙に転移させて
印刷を行う孔版印刷装置において、前記圧胴に、前記版
胴に巻着されたマスタと接触して当該マスタの側縁を外
方向に付勢する付勢手段を設ける、という構成を採って
いる。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
構成において、前記圧胴に、前記版胴に巻着されたマス
タと接触して当該マスタの側縁を外方向に付勢する付勢
手段が設けられている、という構成を採っている。
構成において、前記圧胴に、前記版胴に巻着されたマス
タと接触して当該マスタの側縁を外方向に付勢する付勢
手段が設けられている、という構成を採っている。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例(製排版一体型への
適用例)を図1乃至図5に基づいて説明する。この実施
例で示す孔版印刷装置は、図1に示すように、概略、マ
スタが巻着される版胴2と、この版胴2に対して係脱自
在な製排版ユニット4と、版胴2に印刷用紙6を押圧す
る圧胴8と、この圧胴8に印刷用紙6を搬送するレジス
トローラ対10と、印刷用紙6を排紙する吸着搬送手段
12とから主に構成されている。図1中、符号14は剥
離ファン、符号16は用紙検出センサをそれぞれ示す。
適用例)を図1乃至図5に基づいて説明する。この実施
例で示す孔版印刷装置は、図1に示すように、概略、マ
スタが巻着される版胴2と、この版胴2に対して係脱自
在な製排版ユニット4と、版胴2に印刷用紙6を押圧す
る圧胴8と、この圧胴8に印刷用紙6を搬送するレジス
トローラ対10と、印刷用紙6を排紙する吸着搬送手段
12とから主に構成されている。図1中、符号14は剥
離ファン、符号16は用紙検出センサをそれぞれ示す。
【0011】版胴2は、図面上明示していないが、多孔
性支持円筒体と、この多孔性支持円筒体の外周面を覆う
複数層巻装された樹脂あるいは金属網体のメッシュスク
リーンとからなる複合構造を有しており、全体としても
多孔性の円筒形状に形成されている。版胴2は、インキ
パイプ20を支軸に回転自在に支持された図示しないフ
ランジに固着されており、図示しない駆動モータにより
時計回り方向に回転駆動されるようになっている。イン
キパイプ20は図示しない側板に支持されている。版胴
2の内部にはインキ供給手段18が備えられている。
性支持円筒体と、この多孔性支持円筒体の外周面を覆う
複数層巻装された樹脂あるいは金属網体のメッシュスク
リーンとからなる複合構造を有しており、全体としても
多孔性の円筒形状に形成されている。版胴2は、インキ
パイプ20を支軸に回転自在に支持された図示しないフ
ランジに固着されており、図示しない駆動モータにより
時計回り方向に回転駆動されるようになっている。イン
キパイプ20は図示しない側板に支持されている。版胴
2の内部にはインキ供給手段18が備えられている。
【0012】インキ供給手段18は、上述のインキパイ
プ20と、このインキパイプ20に固設された図示しな
い側板により軸部を回転自在に支持されたインキローラ
22と、このインキローラ22との間に僅かに隙間を設
けて配設されたドクターローラ24とから構成されてい
る。インキローラ22は、図示しない駆動伝達手段(ギ
ヤあるいはベルト等)により版胴2と同期して同じ方向
に回転駆動されるようになっており、その表面部は、押
圧手段が接触する時の衝撃音を低減するために、耐油性
ニトリルゴム、フッ素ゴム、あるいは樹脂等の弾性体で
形成されている。版胴2の外部に設けられたインキパッ
ク等から図示しないインキ供給装置によりインキが吸引
され、インキパイプ20に供給される。この後、インキ
はインキパイプ20に形成された供給穴から流出し、イ
ンキローラ22とドクターローラ24との間に形成され
た楔状空間としてのインキ溜まり部26に溜まる。イン
キ溜まり部26に溜まったインキ28は、ドクターロー
ラ24で厚みを均一にされてインキローラ22の外表面
に供給され、インキローラ22を介して版胴2の内周面
に供給される。
プ20と、このインキパイプ20に固設された図示しな
い側板により軸部を回転自在に支持されたインキローラ
22と、このインキローラ22との間に僅かに隙間を設
けて配設されたドクターローラ24とから構成されてい
る。インキローラ22は、図示しない駆動伝達手段(ギ
ヤあるいはベルト等)により版胴2と同期して同じ方向
に回転駆動されるようになっており、その表面部は、押
圧手段が接触する時の衝撃音を低減するために、耐油性
ニトリルゴム、フッ素ゴム、あるいは樹脂等の弾性体で
形成されている。版胴2の外部に設けられたインキパッ
ク等から図示しないインキ供給装置によりインキが吸引
され、インキパイプ20に供給される。この後、インキ
はインキパイプ20に形成された供給穴から流出し、イ
ンキローラ22とドクターローラ24との間に形成され
た楔状空間としてのインキ溜まり部26に溜まる。イン
キ溜まり部26に溜まったインキ28は、ドクターロー
ラ24で厚みを均一にされてインキローラ22の外表面
に供給され、インキローラ22を介して版胴2の内周面
に供給される。
【0013】製排版ユニット4は、概略、版胴2が固着
された図示しないフランジに近接して設けられた二点鎖
線で表示の支持アーム対30と、この支持アーム対30
の版胴外周面側に設けられたプラテンローラ32、マス
タロール34、排版軸36及びプラテンローラ32の上
部に設けられたサーマルヘッド38とから構成されてい
る。
された図示しないフランジに近接して設けられた二点鎖
線で表示の支持アーム対30と、この支持アーム対30
の版胴外周面側に設けられたプラテンローラ32、マス
タロール34、排版軸36及びプラテンローラ32の上
部に設けられたサーマルヘッド38とから構成されてい
る。
【0014】支持アーム対30は、インキパイプ20を
中心軸として回転自在に支持され、図示しない係止手段
により上記フランジに連結されたり、解除されたりする
ようになっている。プラテンローラ32は、版胴2の表
面との間に隙間を設けて回転自在に軸支されており、軸
端には図2に二点鎖線で示すようにプラテンローラギヤ
40が固定されている。マスタロール34は、マスタ3
5の一端をマスタロール軸42に貼着されてロール状に
巻成されたもので、図示しない保持手段により図示しな
い軸受部を保持されて回転自在に設けられているととも
に、支持アーム対30に対して着脱自在に設けられてい
る。この例で使用するマスタ35は、繊維目の低減対策
に沿った、フィルムのみか或いは多孔質支持体の薄いも
のである。
中心軸として回転自在に支持され、図示しない係止手段
により上記フランジに連結されたり、解除されたりする
ようになっている。プラテンローラ32は、版胴2の表
面との間に隙間を設けて回転自在に軸支されており、軸
端には図2に二点鎖線で示すようにプラテンローラギヤ
40が固定されている。マスタロール34は、マスタ3
5の一端をマスタロール軸42に貼着されてロール状に
巻成されたもので、図示しない保持手段により図示しな
い軸受部を保持されて回転自在に設けられているととも
に、支持アーム対30に対して着脱自在に設けられてい
る。この例で使用するマスタ35は、繊維目の低減対策
に沿った、フィルムのみか或いは多孔質支持体の薄いも
のである。
【0015】排版軸36にはマスタ35の他端がマスタ
ロール軸42と同様に貼着されており、両端部にはマス
タ35の側縁に近接または当接する位置にマスタ側縁よ
り滲み出したインキを吸収する吸収部材44が挿入され
て設けられている。排版軸36は図示しない軸受部を保
持手段で保持され、軸端には回転力を伝達される排版軸
ギヤ46が固定されている。排版軸36を支持している
図示しない軸受部は支持アーム対30に対して着脱自在
に設けられており、また、排版軸36は当該軸受部に組
み込まれた一方向クラッチによって反時計回り方向にの
み回転可能となっている。また、プラテンローラ32及
び排版軸36にはそれぞれプラテンモータ48(ステッ
ピングモータ)と排版モータ50が図示しない接離手段
で接離し、各モータに固定されているプラテンモータギ
ヤ52、排版モータギヤ54が上記軸端に固定されてい
るプラテンローラギヤ40、排版軸ギヤ46と噛合して
回転力を伝達するように構成されている。
ロール軸42と同様に貼着されており、両端部にはマス
タ35の側縁に近接または当接する位置にマスタ側縁よ
り滲み出したインキを吸収する吸収部材44が挿入され
て設けられている。排版軸36は図示しない軸受部を保
持手段で保持され、軸端には回転力を伝達される排版軸
ギヤ46が固定されている。排版軸36を支持している
図示しない軸受部は支持アーム対30に対して着脱自在
に設けられており、また、排版軸36は当該軸受部に組
み込まれた一方向クラッチによって反時計回り方向にの
み回転可能となっている。また、プラテンローラ32及
び排版軸36にはそれぞれプラテンモータ48(ステッ
ピングモータ)と排版モータ50が図示しない接離手段
で接離し、各モータに固定されているプラテンモータギ
ヤ52、排版モータギヤ54が上記軸端に固定されてい
るプラテンローラギヤ40、排版軸ギヤ46と噛合して
回転力を伝達するように構成されている。
【0016】サーマルヘッド38は図示しない接離手段
によりプラテンローラ32に接離自在になっており、図
示しない付勢手段(スプリング等)でプラテンローラ3
2にマスタ35を押圧する。マスタ35は、プラテンロ
ーラ32と版胴2の表面を覆うように装着されている。
これらの版胴2、製排版ユニット4、インキ供給手段1
8によって、本体に対して着脱自在な版胴ユニットが構
成されている。
によりプラテンローラ32に接離自在になっており、図
示しない付勢手段(スプリング等)でプラテンローラ3
2にマスタ35を押圧する。マスタ35は、プラテンロ
ーラ32と版胴2の表面を覆うように装着されている。
これらの版胴2、製排版ユニット4、インキ供給手段1
8によって、本体に対して着脱自在な版胴ユニットが構
成されている。
【0017】圧胴8は、図示しない本体側板に支持され
て揺動する偏芯軸56を中心軸にして回転自在に支持さ
れているとともに、周面の一部に凹部58を有する形状
に形成されている。圧胴8は版胴2より僅かに大きい外
径を有しており、版胴2より速い周速度で版胴2とは互
いに逆方向に同期して回転する。また、圧胴8は、印刷
用紙6が給送された時に選択的に版胴2に当接し、印刷
用紙6を版胴2に押圧するようになっている。圧胴8の
凹部58には、圧胴軸線に平行に印刷用紙6の先端を挟
持する開閉自在なクワエ爪60が設けられており、この
クワエ爪60は図示しないカム、カムフォロア等の強制
的に開閉させる開閉手段により所定位置で開閉される。
圧胴8の側部には、図3に示すように、版胴2に巻着さ
れたマスタ35の側縁部に対応する位置(両側)をもっ
てマスタ35を側縁外方向(版胴2の軸線方向)に付勢
する付勢手段62が設けられている。付勢手段62は、
マスタ35と接触した場合にマスタ35との接触位置が
軸線外方向に移動するように変形して付勢する弾性体
〔硬度10〜30度(JIS A)程度のゴムや樹脂
等〕で形成されている。また、付勢手段62の表面は平
滑に形成され、僅かな粘着性が付加されている。この例
で示す付勢手段62は、テーパを有するリング状に形成
されており、圧胴8の両側小径部8aに短径側から嵌合
して固着されている。
て揺動する偏芯軸56を中心軸にして回転自在に支持さ
れているとともに、周面の一部に凹部58を有する形状
に形成されている。圧胴8は版胴2より僅かに大きい外
径を有しており、版胴2より速い周速度で版胴2とは互
いに逆方向に同期して回転する。また、圧胴8は、印刷
用紙6が給送された時に選択的に版胴2に当接し、印刷
用紙6を版胴2に押圧するようになっている。圧胴8の
凹部58には、圧胴軸線に平行に印刷用紙6の先端を挟
持する開閉自在なクワエ爪60が設けられており、この
クワエ爪60は図示しないカム、カムフォロア等の強制
的に開閉させる開閉手段により所定位置で開閉される。
圧胴8の側部には、図3に示すように、版胴2に巻着さ
れたマスタ35の側縁部に対応する位置(両側)をもっ
てマスタ35を側縁外方向(版胴2の軸線方向)に付勢
する付勢手段62が設けられている。付勢手段62は、
マスタ35と接触した場合にマスタ35との接触位置が
軸線外方向に移動するように変形して付勢する弾性体
〔硬度10〜30度(JIS A)程度のゴムや樹脂
等〕で形成されている。また、付勢手段62の表面は平
滑に形成され、僅かな粘着性が付加されている。この例
で示す付勢手段62は、テーパを有するリング状に形成
されており、圧胴8の両側小径部8aに短径側から嵌合
して固着されている。
【0018】レジストローラ対10は図示しない本体側
板に回転自在に支持されており、図示しない給紙部より
分離給送される印刷用紙6をタイミングを取って圧胴8
とクワエ爪60との間に搬送するようになっている。
板に回転自在に支持されており、図示しない給紙部より
分離給送される印刷用紙6をタイミングを取って圧胴8
とクワエ爪60との間に搬送するようになっている。
【0019】吸着搬送手段12は、圧胴8に近接して印
刷用紙6を剥離する排紙爪64と、図示しない本体側板
に回転自在に支持された前方排紙ローラ66及び後方排
紙ローラ68と、前方排紙ローラ66と後方排紙ローラ
68間に張設された排紙ベルト70と、吸着ファン72
とから構成されている。排紙ベルト70は版胴2の周速
度より速い速度に設定され、図示しない駆動手段によっ
て矢印方向に駆動される。吸着搬送手段12の上部に配
設された剥離ファン14は、版胴2と圧胴8との間に送
風し、版胴2からの印刷用紙6の剥離を助勢するもので
ある。
刷用紙6を剥離する排紙爪64と、図示しない本体側板
に回転自在に支持された前方排紙ローラ66及び後方排
紙ローラ68と、前方排紙ローラ66と後方排紙ローラ
68間に張設された排紙ベルト70と、吸着ファン72
とから構成されている。排紙ベルト70は版胴2の周速
度より速い速度に設定され、図示しない駆動手段によっ
て矢印方向に駆動される。吸着搬送手段12の上部に配
設された剥離ファン14は、版胴2と圧胴8との間に送
風し、版胴2からの印刷用紙6の剥離を助勢するもので
ある。
【0020】次に、本実施例に係る孔版印刷装置の動作
を説明する。図示しない原稿読み取り部に原稿がセット
され、スタート信号が出される(スタートボタン等が押
される等)と、版胴2は図示しない駆動モータにより回
転し、図1の位置で停止する。版胴2が停止すると、サ
ーマルヘッド38が移動してプラテンローラ32に当接
し、マスタ35をプラテンローラ32に押圧する。ま
た、プラテンモータ48及び排版モータ50も移動し、
プラテンローラギヤ40とプラテンモータギヤ52、排
版軸ギヤ46と排版モータギヤ54が噛み合った位置で
停止する。同時に図示しない版胴2のフランジと支持ア
ーム対30との連結が解除され、給版(製版)待機状態
となる。
を説明する。図示しない原稿読み取り部に原稿がセット
され、スタート信号が出される(スタートボタン等が押
される等)と、版胴2は図示しない駆動モータにより回
転し、図1の位置で停止する。版胴2が停止すると、サ
ーマルヘッド38が移動してプラテンローラ32に当接
し、マスタ35をプラテンローラ32に押圧する。ま
た、プラテンモータ48及び排版モータ50も移動し、
プラテンローラギヤ40とプラテンモータギヤ52、排
版軸ギヤ46と排版モータギヤ54が噛み合った位置で
停止する。同時に図示しない版胴2のフランジと支持ア
ーム対30との連結が解除され、給版(製版)待機状態
となる。
【0021】原稿が原稿読み取り部に送出され、プラテ
ンモータ48、排版モータ50が回転を開始して版胴2
が回転するとともに、マスタ35がマスタロール34よ
り繰り出される。版胴2の開孔部始端と対応する位置よ
り画像の濃淡がCCD等で電気信号に変換され、A/D
変換器、製版制御装置等を経由してサーマルヘッド38
の発熱素子にパルス状に通電される。これに伴ってサー
マルヘッド38が主走査方向に作動するとともにマスタ
35が副走査方向に搬送され、加熱穿孔による製版が版
胴2の開孔部始端に対応する位置から行われる。同時
に、マスタ35の使用済み部分は排版軸36により巻き
取られ、排版ロールとして巻成される。排版軸36に使
用済みマスタ35に付着して巻き取られるインキは、巻
き取られたマスタ35の間より滲み出て吸収部材44に
吸収される。版胴2の開孔部終端に対応する位置がプラ
テンモータ48のステップ数より判断され、製版が完了
する。図示しない版胴回転検知センサにより版胴2の初
期位置復帰(1回転)が完了したと判断されると、サー
マルヘッド38、プラテンモータ48、排版モータ50
が退避位置に復帰するとともに、版胴2の図示しないフ
ランジと支持アーム対30とが連結され、版胴2と一体
に回転する初期状態になる。
ンモータ48、排版モータ50が回転を開始して版胴2
が回転するとともに、マスタ35がマスタロール34よ
り繰り出される。版胴2の開孔部始端と対応する位置よ
り画像の濃淡がCCD等で電気信号に変換され、A/D
変換器、製版制御装置等を経由してサーマルヘッド38
の発熱素子にパルス状に通電される。これに伴ってサー
マルヘッド38が主走査方向に作動するとともにマスタ
35が副走査方向に搬送され、加熱穿孔による製版が版
胴2の開孔部始端に対応する位置から行われる。同時
に、マスタ35の使用済み部分は排版軸36により巻き
取られ、排版ロールとして巻成される。排版軸36に使
用済みマスタ35に付着して巻き取られるインキは、巻
き取られたマスタ35の間より滲み出て吸収部材44に
吸収される。版胴2の開孔部終端に対応する位置がプラ
テンモータ48のステップ数より判断され、製版が完了
する。図示しない版胴回転検知センサにより版胴2の初
期位置復帰(1回転)が完了したと判断されると、サー
マルヘッド38、プラテンモータ48、排版モータ50
が退避位置に復帰するとともに、版胴2の図示しないフ
ランジと支持アーム対30とが連結され、版胴2と一体
に回転する初期状態になる。
【0022】版胴2へのマスタ巻着が完了すると、図示
しない給紙装置より印刷用紙6が一枚分離給送され、レ
ジストローラ対10でタイミングを取られて圧胴8のク
ワエ爪60の間に挿入される。印刷用紙6は先端をクワ
エ爪60で挟持されながら版胴2との間に搬送される。
用紙検出センサ16により印刷用紙6の給送が検知され
ると、圧胴8の偏芯軸56が反時計回りに揺動する。こ
れによって圧胴8が上昇し、図4に示すように、印刷用
紙6を版胴2に連続的に押し付けるとともに圧胴8の両
端部に設けられた付勢手段62がマスタ35に接触す
る。印刷用紙6が版胴2に押し付けられると、インキ供
給手段18によって供給されたインキは、版胴2の開孔
部を通ってマスタ35の穿孔部から滲み出し、印刷用紙
6に転移する。この場合、図1中に模式的に示すよう
に、圧胴8の周速度V2は版胴2の周速度V1より僅かに
速い(速度差V3)ので、給紙部の負荷等によってマス
タ35に引張り力F(マスタ35にシワを発生させる原
因)が作用しても、周速度増加分V3に基づく用紙搬送
力で引張り力Fが打ち消され、これによってマスタ35
は強度が著しく低い構造であるにも拘わらず伸びは生じ
ない。従って、マスタ35の側縁部が中央に寄せられて
シワが発生する等の不具合が防止される。周速度の増加
量(V3)は、インキの転移ずれを来さない範囲で設定
されるもので、実際上、版胴2の周速度の0.5〜2%
程度増が望ましい。
しない給紙装置より印刷用紙6が一枚分離給送され、レ
ジストローラ対10でタイミングを取られて圧胴8のク
ワエ爪60の間に挿入される。印刷用紙6は先端をクワ
エ爪60で挟持されながら版胴2との間に搬送される。
用紙検出センサ16により印刷用紙6の給送が検知され
ると、圧胴8の偏芯軸56が反時計回りに揺動する。こ
れによって圧胴8が上昇し、図4に示すように、印刷用
紙6を版胴2に連続的に押し付けるとともに圧胴8の両
端部に設けられた付勢手段62がマスタ35に接触す
る。印刷用紙6が版胴2に押し付けられると、インキ供
給手段18によって供給されたインキは、版胴2の開孔
部を通ってマスタ35の穿孔部から滲み出し、印刷用紙
6に転移する。この場合、図1中に模式的に示すよう
に、圧胴8の周速度V2は版胴2の周速度V1より僅かに
速い(速度差V3)ので、給紙部の負荷等によってマス
タ35に引張り力F(マスタ35にシワを発生させる原
因)が作用しても、周速度増加分V3に基づく用紙搬送
力で引張り力Fが打ち消され、これによってマスタ35
は強度が著しく低い構造であるにも拘わらず伸びは生じ
ない。従って、マスタ35の側縁部が中央に寄せられて
シワが発生する等の不具合が防止される。周速度の増加
量(V3)は、インキの転移ずれを来さない範囲で設定
されるもので、実際上、版胴2の周速度の0.5〜2%
程度増が望ましい。
【0023】一方、マスタ35と接触した付勢手段62
は、図5に示すように、マスタ35を常時押圧しながら
マスタ35の側縁外方向へ接触位置がΔWずれた位置に
変形する。これによって、印刷動作中、マスタ35には
側縁外方向(版胴2の軸方向)へ引き延ばす力T(イン
キの粘着力より大きい)が働く。従って、弛みを無くす
ためにマスタ35に前後方向(版胴2の周方向)に掛け
られた張力が不均一な場合でも、マスタ35は力Tによ
って常時側縁外方向へ引き延ばされるので、シワは生じ
ない。
は、図5に示すように、マスタ35を常時押圧しながら
マスタ35の側縁外方向へ接触位置がΔWずれた位置に
変形する。これによって、印刷動作中、マスタ35には
側縁外方向(版胴2の軸方向)へ引き延ばす力T(イン
キの粘着力より大きい)が働く。従って、弛みを無くす
ためにマスタ35に前後方向(版胴2の周方向)に掛け
られた張力が不均一な場合でも、マスタ35は力Tによ
って常時側縁外方向へ引き延ばされるので、シワは生じ
ない。
【0024】印刷の進行に伴って、印刷用紙6の先端が
所定位置でクワエ爪60より開放されるとともに、排紙
爪64及び剥離ファン14で剥離され、印刷用紙6は吸
着搬送手段12によって図示しない排紙トレイに排出さ
れる。マスタ35にインキを充填する版付けとともにマ
スタ35の伸張が行われ、圧胴8が離間して初期状態に
復帰し、印刷待機状態となる。
所定位置でクワエ爪60より開放されるとともに、排紙
爪64及び剥離ファン14で剥離され、印刷用紙6は吸
着搬送手段12によって図示しない排紙トレイに排出さ
れる。マスタ35にインキを充填する版付けとともにマ
スタ35の伸張が行われ、圧胴8が離間して初期状態に
復帰し、印刷待機状態となる。
【0025】上記実施例では付勢手段62の機能が圧胴
8による押圧時のみ発現する構成を示したが、圧胴8が
離間した状態でも常時マスタ35を側縁外方向へ引き延
ばす力Tが作用するようにしてもよい。また、給紙部の
負荷等によって引張り力が作用した場合のシワ発生防止
機能と、マスタ35の側縁方向のシワ是正機能との2つ
の機能を兼ね備えた例を示したが、いずれか一方の機能
のみを有する構成でもよく、これらの場合でも従来例に
比べて品質向上に大きく寄与できるものである。
8による押圧時のみ発現する構成を示したが、圧胴8が
離間した状態でも常時マスタ35を側縁外方向へ引き延
ばす力Tが作用するようにしてもよい。また、給紙部の
負荷等によって引張り力が作用した場合のシワ発生防止
機能と、マスタ35の側縁方向のシワ是正機能との2つ
の機能を兼ね備えた例を示したが、いずれか一方の機能
のみを有する構成でもよく、これらの場合でも従来例に
比べて品質向上に大きく寄与できるものである。
【0026】図6は付勢手段62の変形例を示すもので
ある。この例で示す圧胴74は、軸方向全体に亘って等
径の筒状に形成されており、付勢手段76も圧胴74の
周面部全体を覆う筒状に形成されている。付勢手段76
は両端部に前記実施例と同一機能を呈するフレア部76
aを有している。この例の場合、圧胴74の軸方向全体
に亘って弾性面が存在するので、側縁方向のシワ是正機
能に加え、版胴2への押圧時の衝撃緩和並びに印刷用紙
6との接触緩和が得られるので印刷時の騒音を低減する
ことができる。
ある。この例で示す圧胴74は、軸方向全体に亘って等
径の筒状に形成されており、付勢手段76も圧胴74の
周面部全体を覆う筒状に形成されている。付勢手段76
は両端部に前記実施例と同一機能を呈するフレア部76
aを有している。この例の場合、圧胴74の軸方向全体
に亘って弾性面が存在するので、側縁方向のシワ是正機
能に加え、版胴2への押圧時の衝撃緩和並びに印刷用紙
6との接触緩和が得られるので印刷時の騒音を低減する
ことができる。
【0027】図7は圧胴8の変形例を示すものである。
この例で示す圧胴78は上記付勢手段62と同様の素材
で小径のプレスロ−ラ形状に形成されており、両端部に
は付勢手段62と同等の機能を発揮するテーパ付リング
状の付勢手段80が一体成形されている。この例の場
合、図6で示した例と同等の機能を得ることができると
ともに、一体成形による製造の有利性を有する。
この例で示す圧胴78は上記付勢手段62と同様の素材
で小径のプレスロ−ラ形状に形成されており、両端部に
は付勢手段62と同等の機能を発揮するテーパ付リング
状の付勢手段80が一体成形されている。この例の場
合、図6で示した例と同等の機能を得ることができると
ともに、一体成形による製造の有利性を有する。
【0028】図8は付勢手段62の変形例を示すもので
ある。この例で示す付勢手段82は、付勢手段62が単
一素材からなる構成であるのに対し、例えば板バネ84
と、この板バネ84の外方端に固着された弾性体86と
からなる複合構成としている。このように構成しても付
勢手段62と同等の機能を得ることができる。
ある。この例で示す付勢手段82は、付勢手段62が単
一素材からなる構成であるのに対し、例えば板バネ84
と、この板バネ84の外方端に固着された弾性体86と
からなる複合構成としている。このように構成しても付
勢手段62と同等の機能を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、版胴と逆
方向に回転する圧胴の周速度を版胴の周速度より僅かに
速くする構成としたので、圧胴の周速度増加分で給紙部
の負荷で遅れようとする用紙の負荷を打ち消すことによ
ってマスタに引張り力が作用しないようにすることがで
き、フィルムのみあるいは多孔質支持体を薄くした強度
の低いマスタを使用した場合でも伸びによるシワの発生
を抑えることができる。
方向に回転する圧胴の周速度を版胴の周速度より僅かに
速くする構成としたので、圧胴の周速度増加分で給紙部
の負荷で遅れようとする用紙の負荷を打ち消すことによ
ってマスタに引張り力が作用しないようにすることがで
き、フィルムのみあるいは多孔質支持体を薄くした強度
の低いマスタを使用した場合でも伸びによるシワの発生
を抑えることができる。
【0030】請求項2記載の発明によれば、マスタの側
縁部と対応する圧胴の両側にマスタの側縁部を外方向に
付勢する付勢手段を設ける構成としたので、マスタの張
力が不均一な場合に発生する縦方向の弛みを防止するこ
とができるとともに、押圧時における画像部分の伸びを
側縁外方へ強制的に逃がすことができ、よってシワの発
生を抑えることができる。
縁部と対応する圧胴の両側にマスタの側縁部を外方向に
付勢する付勢手段を設ける構成としたので、マスタの張
力が不均一な場合に発生する縦方向の弛みを防止するこ
とができるとともに、押圧時における画像部分の伸びを
側縁外方へ強制的に逃がすことができ、よってシワの発
生を抑えることができる。
【0031】請求項3記載の発明によれば、周速度の増
加分によるシワ抑制機能と、付勢手段によるシワ抑制機
能とが併存する構成であるので、シワの発生を一層抑え
ることができ、印刷物の高品質化を実現できる。
加分によるシワ抑制機能と、付勢手段によるシワ抑制機
能とが併存する構成であるので、シワの発生を一層抑え
ることができ、印刷物の高品質化を実現できる。
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷装置の概要側
面図である。
面図である。
【図2】製排版ユニット部分の拡大図である。
【図3】圧胴の要部断面図である。
【図4】版胴と圧胴の押圧状態を示す正面図である。
【図5】付勢手段の変形状態を示す要部拡大図である。
【図6】付勢手段の変形例を示す要部断面図である。
【図7】圧胴と一体型の付勢手段の変形例を示す一部切
欠の側面図である。
欠の側面図である。
【図8】付勢手段の別の変形例を示す要部断面図であ
る。
る。
2 版胴 6 用紙としての印刷用紙 8,74,78 圧胴 18 インキ供給手段 35 マスタ 62,76,80,82 付勢手段 V1 版胴の周速度 V2 圧胴の周速度
Claims (3)
- 【請求項1】内方にインキ供給手段を有して回転駆動さ
れる円筒状で多孔性の版胴と、この版胴に接離自在に設
けられるとともに当該版胴と反対方向に回転駆動される
圧胴とが備えられ、前記版胴にその外周面に加熱穿孔さ
れた製版済みのマスタを巻着した状態で前記圧胴で用紙
を押圧し、前記マスタの穿孔部から滲み出たインキを用
紙に転移させて印刷を行う孔版印刷装置において、 前記圧胴の周速度を前記版胴の周速度より僅かに速くし
たことを特徴とする孔版印刷装置。 - 【請求項2】内方にインキ供給手段を有して回転駆動さ
れる円筒状で多孔性の版胴と、この版胴に接離自在に設
けられるとともに当該版胴と反対方向に回転駆動される
圧胴とが備えられ、前記版胴にその外周面に加熱穿孔さ
れた製版済みのマスタを巻着した状態で前記圧胴で用紙
を押圧し、前記マスタの穿孔部から滲み出たインキを用
紙に転移させて印刷を行う孔版印刷装置において、 前記圧胴に、前記版胴に巻着されたマスタと接触して当
該マスタの側縁を外方向に付勢する付勢手段を設けたこ
とを特徴とする孔版印刷装置。 - 【請求項3】前記圧胴に、前記版胴に巻着されたマスタ
と接触して当該マスタの側縁を外方向に付勢する付勢手
段が設けられている請求項1記載の孔版印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22361995A JP3473799B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 孔版印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22361995A JP3473799B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 孔版印刷装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0966656A true JPH0966656A (ja) | 1997-03-11 |
JP3473799B2 JP3473799B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=16801048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22361995A Expired - Lifetime JP3473799B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 孔版印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3473799B2 (ja) |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP22361995A patent/JP3473799B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3473799B2 (ja) | 2003-12-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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