JPH10157083A - 孔版印刷装置、孔版印刷装置における圧胴のクリーニング方法及びクリーニング装置 - Google Patents

孔版印刷装置、孔版印刷装置における圧胴のクリーニング方法及びクリーニング装置

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JPH10157083A
JPH10157083A JP31758196A JP31758196A JPH10157083A JP H10157083 A JPH10157083 A JP H10157083A JP 31758196 A JP31758196 A JP 31758196A JP 31758196 A JP31758196 A JP 31758196A JP H10157083 A JPH10157083 A JP H10157083A
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ink
cylinder
paper
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JP31758196A
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Eiji Okawa
英治 大川
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外周面部に製版済みマスタを装着した状態で回
転する円筒状の版胴と、給紙手段によって1枚ずつ搬送
されてくる印刷用紙を前記版胴に押圧しつつ回転する筒
状の圧胴を有し、この押圧状態のもと、インキ供給手段
からのインキを印刷用紙に転移させて印刷を行なう孔版
印刷装置において、圧胴の簡易なクリーニング手段を提
供すること。 【解決手段】圧胴(20A)の少なくとも表面部につい
て、インキをはじく性質の材料(シリコンゴム層20−
2)を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置、孔
版印刷装置における圧胴のクリーニング方法及びクリー
ニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】外周面部に製版済みマスタを装着した状
態で回転する円筒状の版胴と、給紙手段によって1枚ず
つ搬送されてくる印刷用紙を前記版胴に押圧しつつ回転
する筒状の圧胴を有し、この押圧状態のもと、インキ供
給手段からのインキを印刷用紙に転移させて印刷を行な
う孔版印刷装置がある。
【0003】かかる孔版印刷装置では、図11に示すよ
うに圧胴200とマスタ10が巻き付けられた版胴10
0との間に、印刷用紙がない状態のもとでの版胴100
と圧胴200との接触があると、版胴100上のインキ
が圧胴200に直接付着して符号14で示すように圧胴
200の周面を汚し、圧胴200に巻着される印刷用紙
の裏面をインキで汚してしまう。かかる事態を避けるた
めに、圧胴200を給紙のタイミングに合わせて版胴1
00に対して接離動作させる接離手段が設けられてい
る。
【0004】しかし、給紙手段から送り出される過程で
印刷用紙がジャムした場合にも接離手段が通常どおりに
動作すると、印刷用紙が圧胴200上にないにも拘ら
ず、圧胴200が版胴100に押圧させられることか
ら、マスタ10のインキが圧胴200の周面に転写され
て汚される事態を生ずる。同様のことは、マスタの給排
版のジャムにおいても生じ得る。このマスタの給排版の
ジャム時には、圧胴200上に印刷用紙はなく、また、
マスタがジャムしているのであるから版胴100の周面
にマスタがなく、よって、版胴100周面のインキが圧
胴200の周面に転写されて圧胴200がインキで汚
れ、この汚れがさらに印刷用紙に転写されるので、印刷
されたものが使えないという問題が発生する。
【0005】このような問題の対処として、図12に示
すように孔版印刷装置の外装部に圧胴を外部から手動で
回転するためのノブ301を設けておき、版胴100を
窓300を介して外部へ取り出した上で、窓300より
手を入れかつ、他方の手でノブ301を回転させながら
ウエス等によって圧胴200の周面に転写されたインキ
を拭き取ることが行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような拭
き取り方式では、次の問題がある。
【0007】内部に可動部分を有する機械装置の内部
に、窓300より手を差し込むことは、オペレータにと
って不安であるし、安全性を高めるための付帯装置を設
ければコストを押し上げてしまう。 作業に際してオペレータの手が汚れてしまう。 クリーニング後に圧胴200の位置を版胴100を引
き抜いた位置に戻す必要があり、面倒である。 圧胴200に対するインキの拭き残しがあると、再
度、版胴100の脱着作業を行なわねばならず、煩雑で
ある。
【0008】なお、上記のほか、圧胴200にクリーニ
ングローラ等を押し付けて圧胴200をクリーニングす
る方法もあるが(特開平8−90893号、特開平8−
118774号参照)、これらの方法ではクリーニング
ローラ等の機構が必要となりコストアップするほか、ク
リーナーも必要であり、更に、一定の時期ごとのクリー
ナーの交換作業が発生して面倒であり、また、廃液(ク
リーナー)の処理についても配慮しなければならず、関
連した多くの問題を生ずる。
【0009】この発明は、比較的コストをかけずに簡単
な作業により安全、確実に上記の問題を解消することの
できる、孔版印刷装置、孔版印刷装置における圧胴のク
リーニング方法及びクリーニング装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、以下の構成とした。 (1)外周面部に製版済みマスタを装着した状態で回転
する円筒状の版胴と、給紙手段によって1枚ずつ搬送さ
れてくる印刷用紙を前記版胴に押圧しつつ回転する筒状
の圧胴を有し、この押圧状態のもと、インキ供給手段か
らのインキを印刷用紙に転移させて印刷を行なう孔版印
刷装置において、前記圧胴の少なくとも表面部につい
て、インキをはじく性質の材料を用いることとした(請
求項1)。
【0011】(2)(1)記載の材料としてシリコンゴ
ムを用いた(請求項2)。
【0012】(3)(1)記載の材料として四フッ化エ
チレン樹脂を用いた(請求項3)。
【0013】(4)(1)又は(2)又は(3)記載の
孔版印刷装置において、用紙を介して前記圧胴を前記版
胴に押圧させる過程を通じて、前記圧胴表面の汚れを前
記用紙に転写させて前記圧胴表面の汚れを除去すること
とした(請求項4)。
【0014】(5)(1)又は(2)又は(3)又は
(4)記載の孔版印刷装置において、用紙を介して前記
圧胴を前記版胴に押圧させる過程を通じて、前記圧胴表
面の汚れを前記用紙に転写させて前記圧胴表面の汚れを
除去するクリーニング制御手段を有することを特徴とす
る、孔版印刷装置における圧胴のクリーニング装置(請
求項5)。
【0015】(6)(5)記載の孔版印刷装置におい
て、前記圧胴の汚れを自動検知する圧胴の汚れの自動検
知手段を設け、この自動検知手段の出力情報により前記
クリーニング制御手段を作動させることとした(請求項
6)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図を参照
しながら詳細に説明する。 (一)孔版印刷装置の全体概略 孔版印刷装置の全体概略を示した。図9において、版胴
1は多孔構造の円筒体を有し、この円筒体の外周にはメ
ッシュスクリーンが巻着されている。この版胴1の外周
部には、版胴1の軸線と平行に回転自在なマスタクラン
パ12が設けられている。このマスタクランパ12は図
示されない開閉装置により駆動力を伝達されて、所定位
置にて開閉される。
【0017】マスタ10aは、版胴1の右側にある製版
書き込み装置19の中にあるサーマルヘッド17により
原稿の情報を基に穿孔された後、版胴1に向けて送り出
され版胴1に巻装される。この巻装に際しては、先ず、
マスタクランパ12がマスタ10aの一端を挾持し、次
いで、マスタ10aの他端側が版胴1の外周面に巻装さ
れていく。
【0018】ここで、製版書き込み装置19内の製版手
段の構成及び製版動作について説明する。符号10aは
ロール状に巻かれたマスタ、符号17はマスタ10aを
穿孔し製版するサーマルヘッド、符号9はマスタ10a
をサーマルヘッド17の発熱素子部に押しつけながら搬
送するプラテンローラ、符号4はマスタ10aを切断す
るためのカッタ、符号5はマスタ10aの先端を版胴1
のクランパ12へ案内するための給版ローラをそれぞれ
示す。
【0019】この製版書き込み装置19において、図示
を省略したスキャナーから送られてきた画像信号に基づ
いてサーマルヘッド17はマスタ10aを穿孔し製版す
る。製版されたマスタ10aは、所定の位置で開いて待
機している版胴1のクランパ12にその先端を係止され
る。係止されると版胴1が矢印の向きに回転を始め、製
版されたマスタ10aを外周に巻き付けていく。マスタ
10aの送り量はプラテンローラ9を駆動するパルスモ
ータ6によってコントロールされ、一定量の送りが完了
すれば、カッタ駆動モータ7が偏芯カム8を回転させて
カッタ4を動かし、マスタ10aを切断する。版胴1が
製版済みのマスタ10aを外周に巻き付け完了すること
で製版給版が完了する。
【0020】版胴1の左側には、すでに版胴1に巻着さ
れている使用済みマスタを剥離し、格納するための排版
装置18がある。製版、給版が完了後、版胴1は図示し
ない駆動装置により時計回りの向きに回転させられる。
版胴1の内部には、該版胴1と同方向に同期して回転す
るインキローラ13と、このインキローラ13の外周面
と僅かに隙間を設けてドクターローラ15が配置されて
おり、これらのローラによりインキ溜り16のインキ1
4をインキローラ13の外周面に供給する。
【0021】インキ14は軸パイプ11の穴より楔状空
間のインキ溜り16に供給される。さらに、インキロー
ラ13の外周面に供給されたインキは、版胴1の内周面
とインキローラ13の外周面との間に設けられた僅かな
隙間を介して版胴内周面に供給される。版胴1の下方に
は、圧胴20を支持する軸23が、支点軸24を中心に
回転自在なアーム25に支持されている。圧胴20はア
ーム25の揺動に応じて版胴1に対して接離自在であ
る。圧胴20はその径を版胴1の直径と略等しく形成さ
れ、版胴1との押圧位置が回転毎に同じになるような回
転比で回転される。この回転は無端ベルトとの連結によ
り与えられる。回転の向きは、図9で反時計回りの向き
である。
【0022】圧胴20は、版胴1上のマスタクランパ1
2との衝突を避けるために、外周の一部を切り落した如
き形状、つまり、外径部より内側に平坦部を設けた、所
謂D型形状をしている。この平坦部には、印刷用紙3の
先端を圧胴20に保持するくわえ爪21が回転自在に設
けてある。くわえ爪21は、図示されないカムにより所
定のタイミングで開き、印刷用紙3をくわえた後、閉じ
て圧胴20に印刷用紙3を保持し、排紙爪29の位置に
至ると再び開き、印刷用紙3を解放して印刷用紙3を排
紙搬送装置35に送り出す。
【0023】圧胴20は印刷用紙3の搬送ミス時の対処
として、また、製版時に版胴1に圧胴20が圧接されな
いように、版胴1と同期して回転するカム(図示なし)
により所定のタイミングで版胴1より圧胴20を離すよ
うにしている。
【0024】搬送ミスがない場合には、再び、印刷用紙
3を保持した圧胴20が印圧スプリング26により版胴
1の外周面に押圧されることとなる。搬送ミス等が発生
した場合には、圧胴20は版胴1に押圧されず、図示し
ない印圧解除装置により圧解除される。印刷後(インキ
塗布後)の印刷用紙3の先端部はくわえ爪21の解放に
より自由となり、圧胴20の外周近傍に設けられた排紙
爪29により剥離されていき、排紙搬送装置35を介し
て排紙台36に送り出される。
【0025】版胴1の右下方には、多数の印刷用紙3を
積載することのできるエレベータ方式の給紙台31と、
圧胴20に印刷用紙3を給送する給紙装置が設けられて
いる。この給紙台31は図示されない駆動装置により、
積載された印刷用紙3の最上位が、常に呼出しローラ3
0に適切な範囲(印刷用紙3が搬送可能な範囲)の押圧
力で接触する状態を保持しつつ、昇降する。
【0026】給紙装置は、回転自在に支持された給紙ロ
ーラ32と、呼出しローラ30を有している。これらの
ローラは無端ベルトにより連結されていて、同期して回
転される。給紙ローラ32の下方には、印刷用紙3の重
送を防止する分離ローラ34が圧接している。さらに、
用紙搬送方向前方には回転自在に支持された一対のフィ
ードローラ33と、印刷用紙3をフィードローラニップ
部に案内する一対のガイド板38が設けられている。
【0027】給紙ローラ32は、版胴1と同期して回転
する図示しないカムと、このカムに係合するカムフォロ
ワを有する扇形ギヤ、ワンウェイクラッチが組み込まれ
た給紙ローラギヤにより、時計回りの向きに回転され
る。フィードローラ33も同様に、版胴1と同期して回
転する図示しないカムと、このカムに係合するカムフォ
ロワを有する扇形ギヤ、ワンウエイクラッチが組み込ま
れたフィードローラギヤなどにより、フィードローラ下
方側が反時計回りの向きに回転される。フィードローラ
33の用紙送り速度は、印刷ドラム装置の周速と同じに
設定されている。
【0028】用紙の搬送手順について説明する。図9に
おいて、給紙ローラ32、呼出しローラ30の回転によ
り給紙された印刷用紙3は、給紙ローラ32と分離ロー
ラ34部分で重送が防止され、最上位の1枚だけがフィ
ードローラ33に送られる。この印刷用紙3の先端がフ
ィードローラ33間のニップ部に衝突するが、さらに搬
送を続けると上方に所定量のわん曲たるみが形成され
る。このわん曲たるみが形成された時点で、給紙ローラ
32と呼出しローラ30の回転が停止される。
【0029】その後、カムにより所定のタイミングでフ
ィードローラ33が回転し、印刷用紙3のわん曲たるみ
が消滅し、ワンウェイクラッチが組み込まれて用紙搬送
方向に回転可能な給紙ローラ32と呼出しローラ30
も、印刷用紙3の搬送によって従動回転させられつつ、
印刷用紙3は圧胴20に向けて搬送される。このタイミ
ングに合わせ、圧胴20中のくわえ爪21は開き、くわ
え爪21は印刷用紙3をくわえてから閉じ、圧胴20に
印刷用紙3が保持されたまま圧胴20は回転し、版胴1
と圧胴20とのニップ部に印刷用紙3が送り込まれる。
【0030】前記したように、版胴1と圧胴20とのニ
ップ部は、緊縮性の印圧スプリング26の力により加圧
されており、印刷用紙3は版胴1の外周面に押圧され
る。この押圧の際にインキローラ13により、版胴1の
外周面に取り付けられているマスタ10aの穿孔部を通
過してきたインキ14が印刷用紙3上に転写される。イ
ンキ14が転写された印刷用紙3は、圧胴20が回転し
て排紙爪29の手前でくわえ爪21が開くことにより排
紙爪29に乗り上げて剥離されつつ、排紙搬送装置35
によって排紙台36上に搬送積載されて印刷を終了す
る。
【0031】(二)請求項1〜3記載の発明の例 この発明は、例えば図9に示す孔版印刷装置において、
印刷用紙3が給紙台31からガイド板38までの経路の
途中でジャムした場合や、マスタ10aの給排版時での
ジャムにより、誤って版胴1に圧胴20が直接圧接させ
られたときに、版胴側のインキが圧胴に転写され、圧胴
20が汚れることを未然に防止し、或いは汚れの除去を
容易にした圧胴1の構成に関する。
【0032】例1.図1により説明する。図1(a)は
圧胴の部分断面正面図、図1(b)は圧胴の横断面図で
ある。これらの図において、圧胴の本体部20−1は従
来のものと変わらず、この例ではアルミニウムの押出し
成型による筒状体として構成されている。この本体部2
0−1の中心部には軸23を支持するための支持部が形
成されている。この本体部20−1の外周にはシリコン
ゴム層20−2が形成され、外形研磨されて、圧胴20
Aが構成されている。なお、この場合、ゴム層にシリコ
ンゴムを加硫成形するだけなので製造コストが安価で、
しかも加工性がよい。
【0033】このように、この例では圧胴20Aの外周
面部はシリコンゴム層20−2により構成されている。
シリコンゴムはインキをはじく性質を有するので、圧胴
20が直接、版胴1に接触することがあっても、圧胴2
0に対するインキの転写が起こりにくく、転写が生じて
もその除去はきわめて容易である。なお、以下の例でも
同様であるが、ゴム層は印刷用紙3を版胴1に対して転
写が良好になされるように一様に押圧するのに有効であ
る。
【0034】例2.図2により説明する。本体部20−
1の構成は、前記図1におけると同じであるので、同じ
符号を付している。この例では、本体部20−1の外周
にNBR(ニトリルゴム)層20−3を形成して外形研
磨し、さらに、このNBR層20−3の外周面に四フッ
化エチレン樹脂のテープ20−4を接着した構成とし、
これら本体部20−1、NBR層20−3、四フッ化エ
チレン樹脂のテープ20−4を以って圧胴20Bを構成
している。四フッ化エチレン樹脂はインキをはじく性質
を有するので、圧胴20が直接、版胴1に接触すること
があっても、圧胴20に対するインキの転写が起こりに
くく、転写が生じてもその除去はきわめて容易である。
【0035】例3.図3により説明する。本体部20−
1の構成は、前記図1におけると同じであるので、同じ
符号を付している。この例では、本体部20−1の外周
にフッ素ゴム層20−5を形成して外形を研磨し、さら
に、このフッ素ゴム層20−5の外周面を四フッ化エチ
レン樹脂20−6によりコーティングした構成とし、こ
れら本体部20−1、フッ素ゴム層20−5、コーティ
ングされた四フッ化エチレン樹脂20−6を以って圧胴
20Cを構成している。
【0036】例4.図4により説明する。本体部20−
1の構成は、前記図1におけると同じであるので、同じ
符号を付している。この例では、本体部20−1の外周
に両面接着テープ20−7を介してシリブラン(シリコ
ンゴムによるブランケットゴムシートの商品名:(株)
金陽社製)のシート20−8を貼り付けた構成としてい
る。これら本体部20−1、両面接着テープ20−7、
シート20−8を以って圧胴20Dを構成している。
【0037】(三)請求項4記載の発明の例 前記例1〜例4の各圧胴および従来の圧胴におけるイン
キの除去特性を調べるため、これら各圧胴にインキを付
着させた後、印刷用紙3を通紙して、何枚印刷すると印
刷用紙3の裏面にインキが付着しなくなるか、の実験を
行なった。実験の手順は次のとおりである。 1.全ベタ製版したマスタを版胴1に巻いて、通紙せず
に例1〜例4における圧胴20A,20B,20C,2
0D及び従来の圧胴20をそれぞれ用い、これらの圧胴
にそれぞれ直接印刷してこれらの圧胴にインキを付着さ
せる。 2.版胴1に穿孔されていない未製版のマスタを巻いて
通紙印刷する。これにより、印刷用紙3の裏面に各圧胴
のインキが転写されて排紙台36に排紙されることとな
る。 3.各版胴から印刷用紙3の裏面に転写されたインキの
濃度をマクベス濃度計により測定し、汚れていない状
態、つまり、濃度が0になる印刷枚数を調べる。
【0038】このようにして調べた結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】この表1の結果からわかるように、前記例
1〜例4における圧胴を用いて、印刷用紙3の通紙過程
を通じて圧胴のクリーニングを実行したところ、従来の
ニトリルゴムによる圧胴の場合に比べて、1/2以下の
少ない枚数でクリーニングできることがわかる。なお、
表1の他にも、圧胴の外周面にセロハンのテープを貼り
付け、或いは、ポリエステルのテープをゴム表面に接着
した圧胴について、同様の実験を行なったが、従来の圧
胴と変わらない結果を得ている。このように、圧胴の周
面に前記例1〜例4で述べた如き処理をすることで、ま
た、前記実験の手順で述べたようなクリーニング方法を
採用することで、コスト負担を殆どかけずに、簡単な操
作で圧胴のクリーニングを行なうことができる。
【0041】これら、インキの除去特性を調べる実験で
は、圧胴をクリーニングするのに印刷用紙3をそのまま
クリーニング用の用紙として使用したが、このような通
紙によるクリーニングに用いる用紙としては、印刷用紙
の他に、印刷用紙の裏紙、つまり、一度印刷用紙の表
面にインキ(画像)をのせて印刷した印刷済みの用紙で
あって画像面の裏面を使用することとする用紙や、ク
リーニング専用の用紙、例えば、イソプロピルアルコー
ル等を染み込ませた薄いフェルト等でできたクリーニン
グシート、その他のクリーニング用の用紙、等用いる
こともできる。
【0042】圧胴に付着したインキがクリーニングされ
ることなく長時間放置されてインキが乾燥した状態で圧
胴にこびりついたような場合にこれが重なると圧胴表面
の平坦性が損なわれて印字欠けが発生したりして印刷品
質を損なうが、このような場合に、上記のイソプロピ
ルアルコールを染み込ませたクリーニングシートをクリ
ーニングに用いると良好なクリーニング性能を発揮して
汚れを速やかに除去できる。
【0043】請求項4〜6記載の発明に用いる用紙は、
上記の用紙を包含するものとする。以下に説明す
る各例において、単に用紙というときも同様に上記
の用紙を包含する。具体的に上記中のどの用紙
を選択するかは、状況により適宜決めればよい。
【0044】(四)請求項5、6記載の発明の例 例1.この例は請求項6記載の発明に対応する。前記例
1〜4におけるように表面部についてインキをはじく性
質の材料を備えた孔版印刷装置において、動作形態とし
て圧胴のクリーニングモードを設け、通紙により自動的
に圧胴のクリーニングを実行させるようにしたものであ
る。クリーニングを自動的に実行するために、本例で
は、クリーニング制御手段と、印刷された用紙の裏面の
汚れの度合いを常時監視することにより、圧胴の汚れを
間接的に検知する圧胴の汚れの自動検知手段としての汚
れ検知センサS6を設けている。クリーニング制御手段
は、圧胴の汚れの自動検知手段としての汚れ検知センサ
S6からの出力情報により、該用紙の裏面に汚れがある
と判断したら、クリーニングモードに切り換えて用紙の
通紙により以下に述べる圧胴のクリーニングを実行す
る。
【0045】この場合、クリーニングに用いる用紙が給
紙台31上から供給される印刷用紙をそのままクリーニ
ングに使用するのでなく、クリーニング用として予め用
意された裏紙などに取り替えた上でクリーニングモード
を実行する場合、汚れ発生時において印刷に供されてい
た印刷用紙とクリーニング用に取替えられた用紙とでサ
イズに違いがあると、特に、クリーニング用紙のサイズ
が小さい場合には、クリーニング残しを生ずるのでこれ
を未然に防止するため、用紙サイズの一致、不一致を確
認して用紙サイズを合致させてからクリーニングを行な
うように手順をふむこととしている。
【0046】印刷用紙のサイズ検出のための手段とし
て、図5において、給紙台31には用紙サイズ検出用の
センサS1、S2、S3、S4、S5が、各用紙のサイ
ズ検出に適した部位、つまり、葉書、B5横、A4横、
B5縦、A4縦、B4縦、A3縦の各用紙サイズに対応
する要所に配置している。このようなセンサS1〜S5
の配置により、用紙サイズに応じて図6に示すようなセ
ンサ出力の組合せを得、給紙台31上にセットされてい
る印刷用紙のサイズを判別することができる。一方、図
9において、排紙搬送装置35を構成するベルトの下部
には、圧胴から転写された用紙の裏面の汚れの有無を検
知する汚れ検知センサS6を配置している。
【0047】クリーニング制御手段は図7に示すよう
に、CPU40、RAM41,ROM42、I/O4
3、モード設定キー44、用紙の不一致告知手段46、
用紙サイズ検知センサ群47等により構成されている。
【0048】モード設定キー44は、当該孔版印刷装置
の操作パネルに設けられている。印刷に際しては、孔版
印刷装置に原稿がセットされると共に、操作パネルのテ
ンキーにて印刷枚数がセットされる。しかる後、印刷が
実行されるが、この印刷の途中で、用紙がジャムした
り、或いは、給排版ジャムが発生することがある。その
場合には、ジャム処理後、再び印刷に入るが、その際
に、このモード設定キー44をオンすることにより、図
8に示したようなクリーニングモードが実行される。
【0049】汚れ検知センサS6は、図9に示したよう
に排紙搬送装置35に設けられていて、用紙の裏面を検
知して用紙の汚れの有無にかかる情報をI/O43を介
してCPU40に出力する。汚れ告知手段45は警告用
のブザー或いは操作パネル上の表示からなる。
【0050】用紙の不一致告知手段46は、警告用のブ
ザー或いは操作パネル上の表示からなり、クリーニング
モード時において、給紙台31上に現在、載置されてい
る用紙のサイズがそれまでの印刷に供されていた印刷用
紙のサイズと異なるときに、警告音或いは表示により、
用紙の不一致を表示する。
【0051】用紙サイズ検知センサ群47は前記図5に
おいて説明したように給紙台31に配置されたセンサS
1〜センサS5の総称であり、これらのセンサによる検
知情報はI/O43を介してCPU40に入力され、情
報の組み合わせによって、給紙台31に現在載置されて
いる用紙のサイズが判別される。
【0052】クリーニングモードについて説明する。図
8に示したクリーニングモードのフローは、前述したよ
うに、孔版印刷装置において原稿がセットされるととも
に、テンキーにより所要の印刷枚数がセットされて印刷
が実行されたとき、この印刷の途中で何らかの理由によ
り用紙にジャムが発生し、或いは給排版ジャムが発生し
たときに、これらのジャム処理が行なわれた後に、印刷
を再び開始する際にモード設定キー44をオンすること
により実行されるモードである。
【0053】ステップP1において、スタートキーをオ
ンすることにより、このモードは開始される。ステップ
P2において通常の印刷プロセスが実行される。ステッ
プP3において、印刷された用紙の裏面が汚れ検知セン
サS6により検知される。ステップP4において、ステ
ップP3における検知出力に基づいて用紙裏面の汚れの
有無が判断される。汚れがないと判断されれば、ステッ
プP5に進みセット枚数の印刷が終了しているかどうか
が判断され、セット枚数の印刷が終了していなければス
テップP6にて印刷カウンタを1減算してステップP2
に進むし、セット枚数の印刷が終了していれば、ステッ
プP7にて印刷を終了する。
【0054】ステップP4において、用紙の裏面に汚れ
が有ると判断された場合には、ステップP8に進み印刷
を停止してステップP9に進み、汚れ告知手段45によ
りブザー或いは、操作パネル上の表示手段によって汚れ
が発生していることをオペレータに告知する。この告知
は給紙台31に載置されている印刷用紙をクリーニング
用のものに取替えることを促すためのものである。
【0055】ステップP10では、給紙台31に現在載
置されている用紙のサイズが、印刷に供されていた印刷
用紙のサイズと一致しているかどうか検知する。不一致
ならば、ステップP11に進み、用紙の不一致告知手段
46により用紙の不一致をブザー音或いは操作パネルの
表示により告知する。この告知によりクリーニング用の
用紙が印刷時のサイズと同じものに取り替えられれば、
ステップP10で用紙サイズが一致していると判断され
るので、ステップP12にてクリーニングプロセスが実
行される。このクリーニングプロセスは、用いられる紙
が印刷用の用紙でなく、クリーニング用の用紙である点
を除いて、通常の印刷プロセスと同じである。
【0056】ステップP12において印刷されたクリー
ニング用紙の裏面は、汚れ検知センサS6により検知さ
れ、ステップP13において汚れの有無が判断される。
汚れがあると判断されれば、再度ステップP12に進ん
でクリーニングプロセスが実行される。こうして汚れが
検知されなくなるまでステップP12とステップP13
とが実行され、汚れがないと判断されるとステップP1
4に進み、排紙台36に送り出された汚れ用紙の除去が
行なわれる。ステップP14にて汚れ用紙の除去が済ん
だら、ステップP15においてスタートキーをオンする
ことで、ステップP2に進み、通常の印刷が実行され
る。
【0057】ここでは、汚れ検知センサS6からの出力
により用紙の裏面の汚れの有無を判断して汚れが検知さ
れなくなるまでクリーニングプロセスを実行する説明を
したが、汚れが全く無くなるほどの品質を望まなけれ
ば、汚れ検知センサS6により用紙の裏面を検知したと
きに、汚れを除去するための用紙の通紙数を、モード設
定キー44をオンにしてクリーニングモードにした後
に、操作パネルのテンキーによりオペレータが任意に設
定して、その設定枚数の通紙が終わるとクリーニングモ
ードも終わるようなモードを設定することもできる。さ
らに、版胴及び圧胴を共に任意の回数、正逆転を繰り返
させて1枚の用紙で複数回のクリーニングを行ない、こ
のようなプロセスを任意の数枚の用紙に対して行なうよ
うにする制御を行なうこともできる。このように、1枚
の用紙を反復使用するようにした場合には、最小限度の
用紙消費枚数で圧胴表面の汚れを除去することができ
る。
【0058】例2.この例は請求項5記載の発明に対応
する。本例では、前記例1のように圧胴の汚れの自動検
知手段である汚れ検知センサS6からの出力情報によら
ずにクリーニング制御手段を機能させる。従って、前記
例1における孔版印刷装置において汚れ検知センサS6
からの出力情報を用いないようにモードを切り換えても
実施できるし、汚れ検知センサS6を有しない孔版印刷
装置において実施できる。例えば、前記例1におけるよ
うに汚れ検知センサS6を有する孔版印刷装置の場合、
マスタの給排版におけるジャム時の後に印刷を再開した
ときに、印刷用紙の裏面の汚れの程度が小さく、汚れ検
知センサS6で検知されないような場合でも、ユーザに
よっては、印刷品質上、そのような程度の小さい汚れで
も許されないとする場合がある。その場合には、オペレ
ータの目視による検査が必要となる。このときには、図
7に示したモード設定キー44により、「逐次クリーニ
ングモード」に設定する。
【0059】この「逐次クリーニングモード」では、予
め定められた枚数の用紙の送りがなされて圧胴のクリー
ニングが実行される。具体的には、スタートキーを押す
度に1枚の用紙が送られるように設定することができる
し、或いは、テンキーで指定した枚数分の連続送りが実
行されるようにすることもできる。また、前記例1で述
べたように、版胴及び圧胴を共に任意の回数、正逆転を
繰り返させて1枚の用紙で複数回のクリーニングを行な
い、このようなプロセスを任意の数枚の用紙に対して行
なうようにすることもできる。
【0060】(五)孔版印刷装置の他の例 孔版印刷装置をインキの供給手段に関して分類すると、
前記図9に即して説明したようにインキ供給手段を版胴
の内部に有するタイプの他に、版胴の外部に有するタイ
プのものもある。本願発明は、これら何れのタイプのイ
ンキ供給手段に対しても適用できる。
【0061】そこで、版胴の外部にインキ供給手段を有
するタイプの孔版印刷装置の概要を図10により説明す
る。図10において、版胴1−1は外表面が無垢の開口
部がない円筒部材であり、印刷工程実行時には矢印の向
きに回転し、マスタを排出するときには矢印の向きと反
対の向きに回転する。
【0062】版胴1−1の表面には、一部に有底凹部1
−1Bが形成されていて、この有底凹部1−1Bを除い
た周面にマスタが巻き付けられるようになっている。有
底凹部1−1Bは平坦面を備え、この平坦面にはマスタ
の先端を把持するためのクランパ1−1Cが配置されて
いる。この把持されたマスタの先端以外の範囲は、後述
するインキ供給手段であるインキ供給機構から供給され
て版胴1−1の周面に付着しているインキの粘着力によ
って版胴周面に密着するようになっている。
【0063】版胴1−1について矢印で示す回転の向き
に沿って、図示するように、回転方向の上流側から製版
書き込み装置19−1、インキ供給機構22、圧胴20
がそれぞれ配置されている。なお、圧胴20及びこれに
付帯する部材の構成、また、給紙手段としての呼出しロ
ーラ30、給紙台31、給紙ローラ32、フィードロー
ラ33、分離ローラ34、ガイド板38等の構成、さら
に、排紙爪29、排紙搬送装置35、排紙台36、汚れ
検知センサS6等については、前記図9に則して説明し
た構成と同じであるので、説明を省略する。
【0064】製版装置19−1は、芯材に対してロール
状に巻かれて順次繰り出し可能なマスタ10bに対して
原稿情報に応じた穿孔処理を行なうことで製版を実行す
るためのものであり、サーマルヘッド17−1、プラテ
ンローラ9−1、搬送ローラ対27−1、裁断装置であ
るカッタ4−1及びマスタガイド28−1が備えられて
いる。
【0065】マスタ10bは、1〜2μm程度の厚さを
有するポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに対して
多孔質弾性体からなる多孔性支持体を貼り付けてラミネ
ート構造としたものが用いられる。ロールから繰り出さ
れたマスタ10bは、サーマルヘッド17−1に対して
プラテンローラ9−1によって押圧され、サーマルヘッ
ド17−1の発熱素子が選択的に発熱させられることに
より主走査方向及び副走査方向の領域で厚さ方向に貫通
する孔が穿たれる。サーマルヘッド17−1は、図示し
ない製版穿孔制御部からの駆動信号を用いた通電制御に
より発熱素子の主走査方向で発熱位置が選択されてマス
タ10bの穿孔処理が行なわれる。
【0066】プラテンローラ9−1は、図示しないステ
ッピングモータ等を駆動源として備え、段階的な回転を
行なうことによってマスタ10bを給送する。プラテン
ローラ9−1の下流側には、搬送ローラ対27−1が配
置されている。搬送ローラ対27−1はトルクリミッタ
を介して上記ステッピングモータに連動することがで
き、プラテンローラ9−1により設定されるマスタの搬
送速度よりも僅かに速い搬送速度で送る。これにより、
マスタ10bは、プラテンローラ9−1と搬送ローラ対
27−1との速度差によって弛みやしわ等の発生が抑止
される。穿孔処理を終了したマスタ10bは、カッタ4
−1により必要長さに裁断され、版胴1−1の接線方向
に給送されてクランパ1−1Cにより先端を把持固定さ
れる。
【0067】インキ供給機構22について説明する。イ
ンキ供給機構22は、版胴1−1の外周面から接離可能
に設けられている。インキ供給機構22は、版胴1−1
の外周面と当接するインキローラ13−1と、ブレード
13−2と、インキローラ13−1との間に間隔をもっ
て配置されたドクターローラ13−3とを主要部として
構成されている。インキローラ13−1は、インキ供給
管13−4の下方に位置する金属ローラであり、図示し
ない歯車やベルト等の駆動力伝達手段によって回転力が
伝達され、版胴1−1の周速度と同期した速度で回転す
るようになっている。
【0068】ドクターローラ13−3によって担持量を
規制され、均一層状にインキを担持されたインキローラ
13−1は、版胴1−1の外表面に巻装されているマス
タ10bの外側から接触してインキを供給する。
【0069】インキローラ13−1とドクターローラ1
3−3との間の間隔によって設定されるインキローラ1
3−1上でのインキの担持量は、版胴1−1とマスタ1
0bとの対向面間の隙間及びマスタ10bの穿孔部を含
めた空間内に充填できる量に多少の余裕を見込んだ量に
設定されている。上記空間内に充填される量は、1枚の
印刷用紙に画像を印刷できる量に相当させてある。イン
キローラ13−1とドクターローラ13−3とで構成さ
れる楔状空間部はインキ溜り16−1であり、この部分
には、インキ供給管13−4に形成されている吐出部か
ら滴下するインキが溜まるようになっている。
【0070】インキ供給機構22にはブレード13−2
が設けられており、マスタ10bの外側から供給された
インキのうちでマスタ10bの穿孔部以外(非画像部)
に付着しているインキを除去するようになっている。こ
の場合の穿孔部以外とは、主に孔版マスタ10bの表面
が該当しており、表面に付着しているインキが除去され
ると、これにより、インキローラ13−1から供給され
るインキはマスタ10bの穿孔部及び版胴1−1の外表
面部とその面に対向するマスタ10bの面とで構成され
る空間にのみ充填されることとなる。
【0071】マスタ10bの穿孔部を含めた上記空間に
充填されるインキの量は、1枚の印刷用紙への印刷が行
なえる量に相当させてある。
【0072】印刷に際して、製版されたマスタ10bは
製版書き込み装置19−1から繰り出され、サーマルヘ
ッド17−1とプラテンローラ9−1とが当接している
位置に達することで加熱溶融穿孔処理が実行され、穿孔
が形成されたマスタ10bがプラテンローラ9−1の回
転量に基づいて版胴1−1に向けて給送され、先端がク
ランパ1−1Cに達した時点でクランパ1−1Cにより
先端を把持されて固定される。
【0073】版胴1−1は、マスタ10bの先端を把持
した時点から回転を始め、その周面にマスタ10bが巻
装され、所定量送られた後、カッタ4−1で裁断されて
巻装が完了する。なお、マスタ10bの先端把持に先立
ち、版胴1−1に対してインキ供給機構22のインキロ
ーラ13−1によって均一膜厚でインキが塗布され、こ
のインキをマスタ10bの先端以外の領域の粘着に用い
る。このように、版胴1−1の回転に伴い先端以外の領
域がインキで塗布されて表面が粘着性を帯びるので、印
刷中におけるマスタ10bのずれが防止される。マスタ
の巻装が終わると版胴1−1の回転が停止し、次いで、
印刷処理が実行される。
【0074】印刷処理に際しては、版胴1−1の表面に
位置するマスタ10bにインキ供給機構22のインキロ
ーラ13−1が当接すると共に、インキ供給管13−4
からインキが供給される。これにより、インキ溜り16
−1に溜るインキは、ドクターローラ13−3によって
インキローラ13−1の表面での担持量が規定され、マ
スタ10bの表面から穿孔部を介して版胴1−1の表面
とマスタ10bの対向面との間の空間内にインキが押し
込まれて供給される。
【0075】インキローラ13−1を通過したマスタ1
0bの表面には、インキローラ13−1から供給された
にも拘らず上記空間内に充填されなかったインキが表面
に付着している。この付着しているインキは、インキ供
給機構22に装置されているブレード13−2によって
除去される。この除去されたインキは、インキローラ1
3−1とブレード13−2との対向位置にある隙間を通
過してインキ溜り16−1に回収される。
【0076】このようにしてマスタ10bに対するイン
キの供給が行なわれると、給紙手段のフィードローラ3
3から繰り出された印刷用紙3がマスタの転写領域と整
合し得る所定のタイミングをもって回転を開始した圧胴
のくわえ爪21に向けて給送される。このとき、圧胴2
0は版胴1−1から離間している。給送された印刷用紙
3は圧胴20のくわえ爪21に先端部を把持されて圧胴
20の周面に巻装される。
【0077】アーム25の揺動によって版胴1−1とタ
イミングを合わせて圧胴20が版胴1−1に圧接する
と、印刷用紙3はマスタ10bの表面に圧胴20により
押圧される。印刷用紙3は、圧胴20により押圧される
と、マスタ10bの多孔質支持体からなる多孔性支持体
が圧縮変形して前記空間の体積が縮小されることから該
空間内に充填されているインキがマスタ10bの穿孔部
から外側に向けて吐出される。これにより、印刷用紙3
にインキが転移し、画像の転写が行なわれる。
【0078】一方、印刷用紙3が圧胴20との対向位置
を外れ始めることにより、圧胴20による押圧が解除さ
れるので、マスタ10bの多孔性支持体は元の厚さを有
する形状に復帰し始める。この復帰に伴い、上記空間は
負圧傾向となり、印刷用紙3に過剰に付着しているイン
キを吸い戻す。インキが転写された印刷用紙3は、圧胴
20が回転して排紙爪29の手前でくわえ爪21が開く
ことにより排紙爪29に乗り上げて剥離されつつ、排紙
搬送装置35によって排紙台36上に搬送積載されて印
刷を終了する。
【0079】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、圧
胴の外周面はインキをはじく性質を有するので、版胴か
らのインキの転写自体がされにくくなり、また、転写が
生じたとしても通紙に伴う圧胴による版胴への用紙の押
しつけ動作により簡単にインキの汚れを除去できる。
【0080】請求項4に記載の発明によれば、既存の孔
版印刷装置の操作により、簡単に圧胴のインキ汚れを除
去できるので、オペレータの作業負担が軽減され、ま
た、手作業の必要がなくなることから安全性を高めるた
めの付帯装置に要するコストアップも生じない。
【0081】請求項5記載の発明によれば、通常の印刷
動作に準じた通紙工程により圧胴のインキ汚れを除去す
ることができる。
【0082】請求項6記載の発明によれば、通常の印刷
動作に準じた通紙工程により自動的に圧胴のインキ汚れ
を除去することができ、圧胴クリーニングの作業性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は圧胴の部分断面正面図、図(b)
は圧胴の直径方向の断面図である。
【図2】圧胴の部分断面正面図である。
【図3】圧胴の部分断面正面図である。
【図4】圧胴の部分断面正面図である。
【図5】センサの配置を説明した給紙台の平面図であ
る。
【図6】センサ出力と用紙サイズとの関係を説明した表
である。
【図7】クリーニング制御手段のブロック図である。
【図8】クリーニングモード時におけるクリーニングの
手順を説明したフローチャートである。
【図9】インキ供給手段を版胴の内部に有するタイプの
孔版印刷装置の例を説明した図である。
【図10】インキ供給手段を版胴の外部に有するタイプ
の孔版印刷装置の例を説明した図である。
【図11】圧胴がインキで汚れた様子を説明した図であ
る。
【図12】圧胴の従来のクリーニングに際しての孔版印
刷装置の分解状態を説明した図である。
【符号の説明】
20、20A、20B、20C、20D 圧胴 20−2 シリコンゴム層 20−4 四フッ化エチレン樹脂のテープ 20−6 四フッ化エチレン樹脂 20−8 シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面部に製版済みマスタを装着した状態
    で回転する円筒状の版胴と、給紙手段によって1枚ずつ
    搬送されてくる印刷用紙を前記版胴に押圧しつつ回転す
    る筒状の圧胴を有し、この押圧状態のもと、インキ供給
    手段からのインキを印刷用紙に転移させて印刷を行なう
    孔版印刷装置において、 前記圧胴の少なくとも表面部について、インキをはじく
    性質の材料を用いたことを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の材料がシリコンゴムである
    ことを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の材料が四フッ化エチレン樹
    脂であることを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は請求項2又は請求項3記載の
    孔版印刷装置において、用紙を介して前記圧胴を前記版
    胴に押圧させる過程を通じて、前記圧胴表面の汚れを前
    記用紙に転写させて前記圧胴表面の汚れを除去すること
    を特徴とする、孔版印刷装置における圧胴のクリーニン
    グ方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2又は請求項3又は請
    求4記載の孔版印刷装置において、用紙を介して前記圧
    胴を前記版胴に押圧させる過程を通じて、前記圧胴表面
    の汚れを前記用紙に転写させて前記圧胴表面の汚れを除
    去するクリーニング制御手段を有することを特徴とす
    る、孔版印刷装置における圧胴のクリーニング装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の孔版印刷装置において、前
    記圧胴の汚れを自動検知する圧胴の汚れの自動検知手段
    を設け、この自動検知手段の出力情報により前記クリー
    ニング制御手段を作動させることを特徴とする、孔版印
    刷装置における圧胴のクリーニング装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6736560B2 (en) 1999-06-09 2004-05-18 Tohoku Ricoh Co., Ltd. Printer
JP2005112569A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 Tohoku Ricoh Co Ltd 両面印刷装置
JP2005125716A (ja) * 2003-10-27 2005-05-19 Tohoku Ricoh Co Ltd 両面印刷装置
JP2005186566A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版式両面印刷装置
JP2008105272A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置

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