JPH0964350A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH0964350A
JPH0964350A JP21449495A JP21449495A JPH0964350A JP H0964350 A JPH0964350 A JP H0964350A JP 21449495 A JP21449495 A JP 21449495A JP 21449495 A JP21449495 A JP 21449495A JP H0964350 A JPH0964350 A JP H0964350A
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Hidetoshi Nakanishi
英俊 中西
Akira Yanagisawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IGBT等の大電流、大電力用絶縁ゲート型
半導体装置において、ゲート電極端子取出部近傍のセグ
メントの特性と、他のセグメントの特性のバラツキをな
くし、ペレット全体としての耐圧の劣化を防止する。 【解決手段】 ゲート電極端子取出部直下のp+ 領域を
各セグメントを構成するp+ 領域とは分離・独立した一
体の領域として形成し、さらにこのp+ 領域には独自に
金属電極を設け、圧接板により主電極と電気的に接続す
る。ゲート電極端子取出部に隣接したセグメントも、ゲ
ート電極端子取出部から遠いセグメントも同一寸法で設
計できるようになり、各セグメントの特性が均一化し、
かつp+ 領域から延びる空乏層が均一化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はIGBT(Insu
lated Gate Bipolar Transe
stor)等のMOS複合デバイスあるいはパワーMO
SFET等の電力用絶縁ゲート型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パワーMOSFETに加え、近年IGB
T,MCT(MOS Controlled Thyr
istor),MAGT(MOS Assisted
Gate Triggered Thyristo
r),EST(Emitter Switched T
hyistor)等のMOS複合半導体素子が、大電力
用デバイスとして開発されている。これらは電圧駆動型
のパワーデバイスであり、使いやすいこともありシステ
ム側からの要求も多く、これらに答える形としても急速
に開発が進められている。
【0003】IGBTは、上部にMOSFET構造、下
部にバイポーラトランジスタ構造を備えた複合構造とと
らえることもできる。この構造及び基本動作は、特開昭
57−120369号公報、特開平3−218643号
公報等に記載されている。従来、IGBTは大型電力素
子として大電流化をはかるため、図7に示される様に、
ペレット基板11上に複数のIGBTセル(ユニットセ
ル)を集合した中・小型IGBT素子を1セグメントと
して、複数個のセグメント12を放射・同心円状に配置
した構造等が提案されている。図8は図7のAで示した
ペレット内セグメントの拡大図である。図8においてポ
リシリコンゲート電極層22ごとに分割されたセグメン
トが、各セグメントのセグメント用金属ゲート電極層2
41からペレット中央部のゲート端子取出部13まで連
結用金属ゲート電極層242で配線されている。図7の
ペレット中央部のゲート端子取出部13はゲート端子を
接地させるためたとえば直径1mm程度の大きさであ
る。
【0004】図9は、図8におけるX−X断面を示し、
金属エミッタ電極層23と圧接されるエミッタ圧接板3
9、及び金属コレクタ電極層38と圧接されるコレクタ
圧接板40をそれぞれ接続した状態を示す図である。図
9において、p+ コレクタ領域32の上に低不純物濃度
の高抵抗n- ベース領域31が形成されている。n-
ース領域31の表面にはDSA(Double Dif
fusion Self Align)法等により、そ
の表面が露出するようにp- ベース領域35が紙面に垂
直方向に延びる独立したストライプとして形成されてい
る。図8の平面図には一つのセグメント12に6つの開
口部21が示されている。そして、この6つの開口部の
下部に6つのp- ベース領域35のストライプが、それ
ぞれ独立したパターンとして形成されている。p- ベー
ス領域35の底部にはp+ 領域33が、各セグメント
に、6つの独立した領域としてストライプ状に形成され
ている。更に、このp- ベース領域35中にその表面が
露出するようにn+ エミッタ領域36が紙面に垂直なス
トライプとして形成されている。そして、p- ベース領
域35の表面にはSiO2 などの薄い絶縁膜(ゲート酸
化膜)34を介してポリシリコンゲート電極層22が設
けられている。このポリシリコンゲート電極層22は、
隣接するpベース領域35相互の間を跨ぎ、隣接するp
ベース領域内のそれぞれのn+ エミッタ領域36まで達
するようにn- ベース領域31の上部に配置されてい
る。n+ エミッタ領域36とpベース領域35とを表面
で短絡するように金属エミッタ電極層23が設けられ、
ポリシリコンゲート電極層22に接続して金属のゲート
電極取出部13、p+ コレクタ領域32に接続して金属
コレクタ電極層38がそれぞれ設けられている。そし
て、ペレットの耐圧を維持するためにゲート電極端子取
出部13直下に形成されているp+ 領域333は、ゲー
ト電極端子取出部13に隣接したセグメント22のうち
の6つストライプ状のp+ 領域33のうちの最もゲート
電極端子取出部に近いp+ 領域33に対応する。図7の
ペレット全体図を見ればわかるようにゲート電極端子取
出部13に隣接したセグメントは32個あるので、32
個のp+ 領域333がペレット中央部方向に独立した領
域としてそれぞれ延びている。そして、それぞれのp+
領域333はそれぞれコンタクトホールを有し、このコ
ンタクトホールを介して、ゲート電極端子取出部13近
傍のセグメントのエミッタ電極23に接地されている。
【0005】次にIGBTの動作原理について説明す
る。IGBTのターンオンは、金属エミッタ電極層23
が接地され、金属コレクタ電極層38に正電圧が印加さ
れた状態でゲート電極端子取出部13を介してポリシリ
コンゲート電極層22に金属エミッタ電極層23に対し
て正電圧を印加することにより実現される。ポリシリコ
ンゲート電極層22に正電圧が印加されると、MOSF
ET同様pベース領域35の表面に反転チャネルが形成
されn+ エミッタ領域36から反転チャネルを通してn
- ベース領域31内に電子が注入される。これに対し、
+ コレクタ領域32からn- ベース領域31内にホー
ルの注入が起こり、p+ コレクタ領域32とn- ベース
領域31のpn接合は順バイアス状態となり、n- ベー
ス領域31が伝導度変調を起こし、素子を導通状態に導
く。IGBTのオン状態は、以上のように高抵抗である
- ベース領域31が伝導度変調により、その抵抗成分
が極めて小さくなるため、n- ベース領域31の不純物
密度が低く、厚さの厚い高耐圧素子であってもオン抵抗
の極めて小さい特性が得られる。一方、IGBTのター
ンオフは、ポリシリコンゲート電極層22に金属エミッ
タ電極23に対して負電圧を印加すること、あるいはポ
リシリコンゲート電極層22への印加バイアスをOVと
することにより実現される。ポリシリコンゲート電極層
22に負電圧(又はOVバイアス)が印加されると、反
転チャネルは消滅し、n+ エミッタ領域36からの電子
の流入は止まる。しかし、n- ベース領域31内には依
然として電子が存在する。n- ベース領域31内に蓄積
したホールの大部分はpベース領域35を通り、エミッ
タ電極23へ流入するが一部はn- ベース領域31内に
存在する電子と再結合して消滅する。n- ベース領域3
1内に蓄積したホールがすべて消滅した時点で素子は阻
止状態となり、ターンオフが完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のIGBTにおいてはペレットの耐圧を維持するために
ゲート電極端子取出部13直下に形成されているp+
域333は、ゲート電極端子取出部13近傍のセグメン
トのエミッタ電極23に接地されている。しかしなが
ら、このようにゲート電極端子取出部13直下のp+
域333をゲート電極端子取出部13近傍のセグメント
の金属エミッタ電極層23と共通にすると、ゲート電極
端子取出部13近傍のセグメントの特性が、他のセグメ
ントと耐圧特性やオン、オフ特性が異なることとなるた
め、ペレット内で各セグメントの特性が不均一になり電
流バランスが悪くなり電流集中が起こるという問題点が
あった。
【0007】また、ゲート電極端子取出部13近傍の複
数(図7のペレットでは32個)のセグメント12から
それぞれp+ 領域333は延びているため、IGBTの
ゲート・コレクタ間に所定の電圧が印加され、図10に
示すようにp+ 領域333,33から空乏層301が拡
がっている場合に、供給されるアクセプターの量がセグ
メント単位で異なり、空乏層301の拡がりが不均一に
なり、空乏層の最も拡がりにくい部分で耐電圧が低下
し、ペレット全体の耐圧が低下していた。すなわち、ペ
レット中央部のゲート電極端子取出部近傍のセグメント
のp+ 領域333はゲート電極端子取出部直下まで延び
ており他のセグメントのp+ 領域33よりもp+ 領域の
面積が大きく形成されていることに起因する問題が生じ
ていた。つまり、従来の大電流用IGBTはゲート電極
端子取出部13に隣接するセグメントのp+ 領域333
の面積が他のセグメントのp+ 領域33よりも面積が広
い分だけ耐圧が大きくなる傾向があった。オン特性、オ
フ特性についても、セグメントを構成するp+ 領域が広
いため、横方向へ電子と正孔が拡がりやすく、他のセグ
メントよりオン特性が悪くなる傾向があった。そのた
め、ゲート電極端子取出部近傍のセグメントと他のセグ
メントのスイッチング特性および耐圧特性が不均一にな
り、ペレット内の電流がゲート端子取出部から遠いセグ
メントに集中し破壊が発生するという問題があった。
【0008】又、従来のIGBTは、上述したように、
複数(32個)のp+ 領域333が独立した領域として
ゲート電極端子取出部13の下部に形成されており、そ
れぞれのp+ 領域333のコンタクトホールを介してエ
ミッタ電極32に接地されている。したがって、もしこ
のうちの一つのp+ 領域333のコンタクトが不良とな
れば、そのp+ 領域333はフローティング状態となる
ため、空乏層301が均一に拡がらず、耐圧が低下する
という問題が生じていた。
【0009】上記問題点に鑑み、本発明の目的はゲート
端子取出部13直下のp+ 領域の電位を各セグメントの
それぞれの特性の位置による特性の変動や、バラツキに
よる変動に関係なく安定させ、ペレット全体としての耐
圧特性の劣化を防止することである。
【0010】また、本発明の他の目的はゲート電極端子
取出部13近傍のセグメントと他のセグメントとのスイ
ッチング特性や耐圧特性のバラツキを無くし大電力用半
導体装置の特性を良好にするものである。
【0011】本発明のさらに他の目的はゲート電極端子
取出部13下部のp+ 領域の接地を確実に行ない耐圧を
向上させることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明による半導体装置は図7に示すような所定
の形状のペレット基板上に設けられた大電流、大電力用
の絶縁ゲート型半導体装置であって、ペレット基板上に
設けられた複数のMOS複合半導体素子からなるユニッ
トセルを集合したセグメント12を複数具備し、MOS
複合半導体素子は第1および第2の主電極領域およびゲ
ート電極層とを少なくとも有し、各セグメント12のゲ
ート電極層22は図1に示すように所定の導電層24
1,242を介して、ペレット基板の表面の一部に設け
られらたゲート電極端子取出し部13に接続される構造
を基本とする。本発明の第1の特徴は図2および図3に
示すようにペレット基板は第1導電型低不純物密度のベ
ース領域31を具備し、ゲート電極端子取出し部13の
下部のベース領域31の表面に形成される第2導電型高
不純物密度の第1の半導体領域335が、各セグメント
を構成する第2導電型高不純物密度の第2の半導体領域
33とは分離独立し、単一の領域として形成されている
ことである。図1の場合は6つのユニットセルにより1
つのセグメント12が構成されている。図2においては
- ベース領域の上部にp+ 領域335および33が紙
面に垂直方向に延びる独立したストライプとして形成さ
れ、p+ 領域33の上部には第1の主電極領域となるn
+ エミッタ領域がp+ 領域33と平行にストライプ状に
形成されている。n- ベース領域31の下部には第2の
主電極領域となるp+ コレクタ領域32が形成されてい
る。
【0013】また、本発明の第2の特徴は図2に示すよ
うに、第1の特徴に加えて、第1の半導体領域335と
第2の半導体領域33との間の第1導電型のベース領域
31の表面に、第2導電型高不純物密度の分離領域33
4がさらに形成されていることである。
【0014】本発明の第3の特徴は、第1の半導体領域
335の上部には図3に示すように絶縁膜371が形成
され、絶縁膜371の上部の一部にゲート電極端子取出
し部13が形成され、絶縁膜371の他の一部に開孔部
(コンタクトホール)が形成され、この開孔部を介し
て、第1の半導体領域335と接する金属電極層231
が形成されていることである。金属電極層231は、各
セグメントの主電極金属23とは独立の金属パターンと
して形成されている。
【0015】本発明の第4の特徴は、第3の特徴におけ
る金属電極層231は、ゲート電極端子取出し部13の
周辺に、複数個形成されていることである。
【0016】本発明の第5の特徴は、図3に示すように
絶縁ゲート型半導体装置は圧接型組立て構造からなり、
金属電極層231は、第1の主電極領域36の上部に形
成された主電極金属層23と、圧接板39を介して電気
的に接続されていることである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
に係るIGBTの平面図で、ゲート電極端子取出部近傍
の一部のセグメントについて示すものである。また図2
は図1のX−X方向断面図で、図3は図2に対応した圧
接構造の組立断面図である。本発明の第1の実施の形態
に係るIGBTのペレットの全体図は、従来技術の説明
で用いた図7と同様であり、ここでは図示を省略する。
すなわち、図7と同様に、IGBTのペレット基板11
上に複数のセグメント12が、例えば3列の同心円の円
周状に配置されており、ゲート電極端子取出し部13は
ペレット基板11の中心部に形成されているものとす
る。セグメントは4列,5列,6列…の同心円状に配列
してもよく、必要とされる電流値等に応じて選べばよ
い。それらセグメント12の各セグメント用金属ゲート
電極層241は、図1に示すように連結用金属ゲート電
極層242により電極端子取出し部13に接続されてい
る。図1において各セグメント12は、複数(6個)の
開孔部21を有するポリシリコンゲート電極層(図1の
点線により囲まれた部分)22と、それらポリシリコン
ゲート電極層22上に酸化膜を介して設けられたエミッ
タ電極層(左上がりの斜線部分)23とを有する。各セ
グメントのポリシリコンゲート電極層22は、各セグメ
ント内に設けられたセグメント用金属ゲート電極層24
1に接続され、それら各セグメント用金属ゲート電極層
241は連結用金属ゲート電極層242によりゲート電
極端子取出し部13に接続されている。なお、図1にお
いてポリシリコンゲート電極層22とセグメント用金属
ゲート電極層241とを接続するためのコンタクトホー
ル等は図示を省略している。また、セグメントの数が数
百〜数万と大きくなるときは、複数個のセグメントを島
状の1単位とし、その島状の1単位毎に、1本の連結用
金属ゲート電極層242に接続するようにしてもよい。
【0018】図2において、p+ コレクタ領域32の上
に低不純物濃度の高抵抗n- ベース領域31が形成され
ている。n- ベース領域31の表面にはDSA法等によ
り、その表面が露出するようにセグメントを構成するユ
ニットセルのp- ベース領域35が紙面に垂直方向に延
び、平面ターンとしては独立した領域として形成されて
いる。p- ベース領域35の底部にはストライプ状のp
+ 領域33が独立したパターンとして形成されている。
すなわち1つのセグメントに6つの独立したストライプ
状のp+ 領域33が形成されている。更に、このp-
ース領域35中にその表面が露出するようにn+ エミッ
タ領域36のストライプパターンがp-ベース領域35
およびp+ 領域33と平行に形成されている。そして、
- ベース領域35の表面にはSiO2 などの薄い絶縁
膜(ゲート酸化膜)34を介してポリシリコンゲート電
極層22が設けられている。このポリシリコンゲート電
極層22は、隣接するpベース領域35相互の間を跨
ぎ、隣接するpベース領域内のそれぞれのn+ エミッタ
領域36まで達するようにn- ベース領域31の上部に
配置されている。n+ エミッタ領域36とpベース領域
35とを表面で短絡するように金属エミッタ電極層23
が設けられ、p+ コレクタ領域32に接続して金属コレ
クタ電極層38がそれぞれ設けられている。
【0019】図2および図3に示した本発明の第1の実
施の形態の構造では、ゲート電極端子取出部直下のp+
領域335はセグメントを構成するユニットセルのp+
領域33と分離して形成され、エミッタ接地電極231
がセグメントの金属エミッタ電極層23と分離され単独
で形成されている。さらに各セグメントのp- ベース領
域35、p+ 領域33とp+ 領域335との間にはp+
分離領域334が形成されている。p+ 分離領域334
は電気的にフローティング状態の領域である。そして、
図3に示すように組立時にエミッタ圧接板39でセグメ
ントの金属エミッタ電極層23と同様に圧接され、エミ
ッタと同電位になることになる。
【0020】本発明の第1の実施の形態に係るIGBT
の主なる動作原理は従来のIGBTとほぼ同様である
が、ゲート・コレクタ間に所定の電圧が印加されたとき
の空乏層の拡がりが従来の技術において説明したIGB
Tの場合と異なる。従来の技術におけるIGBTのペレ
ット中央部付近の空乏層の拡がりを図10に示したが、
これに対応した本発明の第1の実施の形態のIGBTに
おける場合の空乏層の拡がりを図4に示す。従来の技術
では、ゲート電極端子取出部13直下のp+ 領域333
が各セグメント側からゲート電極端子取出部13の下部
に延びており、各セグメント単位で分離された複数(3
2個)の独立領域として形成され、ゲート電極端子取出
部13の直下の空乏層301はゲート・コレクタ間電圧
が印加され拡がることにより空乏層同士がピンチオフ
し、全体がつながる。これに対して、本発明の第1の実
施の形態の構造ではゲート電極端子取出部13直下のp
+ 領域335は各セグメントと分離され、ゲート電極端
子取出部13直下で1つのp+領域335を形成してい
る。そのため、ゲート電極端子取出部13直下の空乏層
301は図4に示すように均一に拡がる。このとき、セ
グメント部の空乏層301は各セグメントとともに同様
に均一に拡がる。
【0021】従来の電力用IGBTにおいてはペレット
を構成している多数のセグメントのうちの一部セグメン
トの空乏層の拡がりに異状があるとペレット自体の空乏
層の拡がりに影響し、耐圧特性が劣化していたが、本発
明の第1の実施の形態の構造では一部のセグメントの空
乏層の拡がりの異常の影響を受けずに空乏層が均一に拡
がり良好な耐圧特性を得られることになる。また、従来
の電力用IGBTのゲート電極端子取出部13近傍のセ
グメントは、p+ 領域333がゲート電極端子取出部1
3直下まで延びており他のセグメントのp+ 領域33と
は構造が異なっていた。そのため、他のセグメントより
もp+ 領域が広いため耐圧が大きくなる傾向があった。
オン特性、オフ特性についても、セグメントを構成する
+ 領域が広いため、横方向に電子と正孔が拡がりやす
く、他のセグメントよりオン特性が悪くなる傾向があっ
た。そのため、ペレット中央部のゲート電極端子取出部
近傍のセグメントとペレット中央部以外の、他のセグメ
ントの特性が不均一になり、ペレット内の電流がゲート
端子取出部から遠いセグメントに集中することとなり、
電流集中の生じたセグメントにおいて破壊が発生してい
た。これに対し本発明の第1の実施の形態の構造では、
ゲート端子取出部近傍のセグメントのp+ 領域33とゲ
ート電極端子取出部直下のp+ 領域335は分離されて
いるため、ゲート電極端子取出部13近傍のセグメント
と他のセグメントは同様な構造になり特性も同等にな
る。そのため、電流はペレットを均一に流れることにな
る。また、本発明の第1の実施の形態の構造では、ゲー
ト電極端子取出部13直下のp+領域335は共通の一
つの領域であり、しかもゲート電極端子取出部13周辺
に複数のエミッタ接地電極231を有しているため、一
か所の電極でエミッタ電極板と接地されるのみで共通の
+ 領域全体の接地として有効に動作する。このため、
従来複数(たとえば32個)のp+ 領域が独立したパタ
ーンとしてゲート電極端子取出部13直下に形成されて
おり、それぞれのp+ 領域のコンタクト電極である全部
(32個)の電極とエミッタ電極板との完全な接地が必
要であったのに対し、本発明の第1の実施の形態の方
が、はるかに耐圧特性および製造歩留まりが向上するこ
とになる。さらに、図1〜図3に示した構造のゲート端
子取出部直下のp+ 領域335の周辺部分にはポリシリ
コン電極22によるセルフアライン工程により浅いp-
領域354が、各セグメントのユニットセルのp- ベー
ス領域35と同時に形成されるため、所定の動作電圧印
加時の空乏層は、各セグメント部分の空乏層と同様に均
一に拡がる。以上のように、本発明の第1の実施の形態
に示した構造により大電力IGBTのペレット内の特性
の不均一性が解消し、素子の歩留りが向上することにな
る。
【0022】次に、図3を参照して、本発明の第1の実
施の形態に係るIGBTの製造方法を説明する。まず、
比抵抗50Ω−cm〜60Ω−cmの厚さ150〜60
0μmのCZ又はFZ法によるn- 型半導体基板31の
裏面に不純物密度1×1018〜1×1020cm-3の裏面
+ コレクタ層32を拡散深さ5〜30μmで形成す
る。次にフォトリソグラフィーを用いて、酸化膜あるい
はフォトレジストをマスクとして11+ を加速電圧Vac
=35−50keV,ドーズ量Φ=2−3×1015cm
-2でイオン注入し、その後1200℃、3時間程度のア
ニールによりp+領域33,335,p+ 分離領域33
4を形成する。さらに、n- 型半導体基板31の表面上
に厚さ50−100nmのゲート酸化膜34を熱酸化法
等により形成し、その上に厚さ350−600nmのポ
リシリコンゲート電極層22をCVD法等により堆積形
成する。その際、ポリシリコンゲート電極層22は、図
1に示すように各セグメント12毎に分割配置され、そ
れぞれが複数の開孔部21を有するように、フォトリソ
グラフィーおよびRIE等を用いてパターン形成され
る。1つの開孔部21が1つのユニットセルに対応する
こととなる。それら開孔部21を介して、すなわちポリ
シリコンゲート電極22をマスクとして用いて11+
イオン注入し自己整合的(セルフアライメント)にp-
ベース領域35およびp- 領域354を形成する。たと
えば11+ を加速電圧Vac=40−60keV、ドーズ
量Φ=0.1−5×1014cm-2でイオン注入すればよ
い。この段階ではポリシリコンゲート電極は比較的低不
純物密度のp- にドーピングされる。その後、ペレット
の全面をCVD酸化膜、あるいはフォトレジストでカバ
ーし、次にn+ エミッタ領域36の形成のためのマスク
パターンをフォトリソグラフィーを用いて形成する。な
お、n+ エミッタ領域36の両外側の寸法はポリシリコ
ンゲート電極22により自己整合的に決定される。n+
エミッタ領域36のための、イオン注入は、たとえば75
As+ を加速電圧Vac=40−50keV、ドーズ量Φ
=1−6×1015cm-2程度で行い、その後1000
℃、20分間くらいアニールをすればよい。このイオン
注入により、前にp- にドーピングされたポリシリコン
ゲート電極22はn+ にドーピングされる。この後、表
面上に酸化膜37を形成後、酸化膜37の一部を選択的
に開孔し、n+ エミッタ領域36、p- ベース領域35
及びp+ 領域33に接続するようにエミッタ電極層23
を形成する。この時同時にp+ 領域335に接続するよ
うにエミッタ接地電極231も形成する。ポリシリコン
ゲート電極層22上の酸化膜37を選択的に開孔した
後、ポリシリコンゲート電極層22と接続するセグメン
ト用金属ゲート電極層241および連結用金属電極層2
42を形成する。更に、エミッタ接地電極231および
エミッタ電極23上にドーナツ状のエミッタ圧接板3
9、コレクタ電極層38上にコレクタ圧接板40を両側
から圧接すれば本発明の第1の実施の形態に係るIGB
Tが完成する。
【0023】本発明の第1の実施の形態においてはIG
BTについて説明したが、本発明はIGBTと同様なバ
イポーラMOS複合半導体素子であるMCT(MOS
Controlled Thyristor)等にも適
用できることは当然である。図5は本発明の第2の実施
の形態に係るMCTの断面図である。MCTセルは、図
5に示される様に、まず、n- 型半導体基板の裏面にn
+ バッファ層75、p+ アノード層76を形成する。次
に、このn- 型半導体基板31の表面にp型不純物を拡
散してp- ベース領域35を形成する。p- ベース領域
35の中にn+エミッタ領域36と、n+ エミッタ領域
よりも浅いnベース領域55を形成する。さらにnベー
ス領域55とn+ エミッタ領域36の界面近傍にp+
ョート領域56を形成する。pベース領域35、nベー
ス領域55、及びn- 型半導体基板31の表面上にゲー
ト酸化膜34を形成し、このゲート酸化膜34上にポリ
シリコンゲート電極層22を形成する。ポリシリコンゲ
ート電極層22を被覆するように酸化膜37を形成し、
+ ショート領域55とn+ エミッタ領域36とを電気
的に接続するカソード電極層80を形成する。さらに、
裏面p+ アノード層76にアノード電極層81を形成す
る。このようなMCTセルを複数個含むセグメントを形
成し、そのセグメントを複数個ペレット内に配置する。
各セグメントのポリシリコンゲート電極層22はセグメ
ント用金属ゲート電極層241および連結用金属ゲート
電極層242を介してゲート電極端子取出部13へ接続
されている。セグメントの数が多い時は、複数個のセグ
メントを島状の1単位として、その1単位毎に、1本の
連結用金属ゲート電極層242に接続するようにしても
よい。図5に示すように、ゲート電極端子取出部13の
下のp+ 領域335は、各セグメントのp- ベース領域
35と分離して形成され、さらにカソード接地電極80
1が各セグメントのカソード電極層80と分離され、単
独形成されている。さらに各セグメントのp- ベース領
域35とゲート電極端子取出部13直下のp+ 領域33
5の間にはp+ 分離領域334が形成されてれいる。図
5に示すように、組立時に、カソード接地電極801は
カソード圧接板139により、セグメントのカソード電
極層80と同時に圧接され、p+ 領域335はn+ エミ
ッタ領域36と同電位になるように構成される。またア
ノード電極層81にはアノード圧接板141を圧接す
る。図5に示すMCTはnベース領域55とn- 型半導
体基板の間にpベース領域35の表面をチャンネルとす
るnチャンネルMOSFETが形成されており、ゲート
に正電位を印加することにより、nチャンネルMOSF
ETが導通し、n- 型半導体基板31に電子が注入され
ることによりMCTがターンオンする。これによりp+
アノード層76からも正孔の注入が生じ大量の導通電流
が流れることとなる。MCTのターンオフはp+ ショー
ト領域56とpベース領域35との間にnベース領域5
5の表面をチャンネルとするpチャンネルMOSFET
のゲートに負電圧を印加することによりn- 型半導体基
板中の正孔を引き抜きターンオフする。
【0024】本発明の第2の実施の形態に係るMCT
は、ゲート電極端子取出部13直下のp+ 領域335
が、各セグメントのp- ベース領域35と分離され、か
つゲート電極端子取出部13の下で、1つの領域を形成
している。したがって、ゲート電極端子取出部直下の空
乏層は均一に拡がり、また各セグメント部における空乏
層も均一に拡がる。またゲート電極端子取出部13に隣
接するセグメントのp- ベース領域も、ゲート電極端子
取出部13から遠いセグメントのp- ベース領域も同一
の寸法で設計できるので、ペレット中央部とペレット周
辺部のセグメントとで耐圧が異なることもなくなり、全
体として耐圧が向上することとなる。さらに、ペレット
中央部とペレット周辺部のセグメントを同一の寸法で設
計できるので、ターンオン特性、ターンオフ特性のバラ
ツキも生じない。したがってペレット内における電流集
中も発生しにくくなり、耐圧が向上する。
【0025】図6は本発明の第3の実施の形態に係るS
Iサイリスタ(静電誘導サイリスタ)・MOS複合半導
体素子であるMCSITH(MOS制御SIサイリス
タ)の断面図である。図6において、n+ 領域61、p
+ 領域76、p+ 領域63及びn--領域(又はi領域)
65はそれぞれSIサイリスタ1のカソード領域、アノ
ード層、ゲート領域及びチャンネル領域である。n+
域61とp+ 領域63との間にチャンネル領域65より
高不純物密度のnウェル領域64が形成され、このnウ
ェル領域64の内部にpMOSトランジスタのp+ ドレ
イン領域62が形成され、p+ 領域63がpMOSトラ
ンジスタのソース領域となっている。nウェル領域64
の表面は、pMOSトランジスタがディプリーション型
(ノーマリオン型)となるようにチャンネルドープ等が
施されている。ポリシリコンゲート電極層22は、pM
OSトランジスタのゲート電極とであるが、同時に、S
Iサイリスタのp+ ゲート領域63の上部に形成された
ターンオン用のコンデンサの一方の電極としても機能す
る。即ち、ポリシリコンゲート電極層22と酸化膜等の
絶縁膜34とSIサイリスタのp+ ゲート領域63とで
コンデンサが形成されている。
【0026】また図6に示すようにゲート電極端子取出
部13の下のp+ 領域635は、各セグメントのp+
ート領域63と分離して形成され、さらにカソード接地
電極801が各セグメントのカソード電極層80と分離
され、単独形成されている。さらに各セグメントのp+
ゲート領域63とゲート電極端子取出部13直下のp+
領域635の間にはp+ 分離領域634が形成されてい
る。各セグメントのp+ ゲート領域63の上部の絶縁膜
として用いる薄い酸化膜34の厚みは、100nm以下
の値、望ましくは7〜20nmの厚みが良い。Al等の
金属から成る各セグメントのカソード電極層80は、n
+ カソード領域61とp+ ドレイン領域62とを接続し
ている。またゲート電極端子取出部13直下のp+ 領域
635からはカソード接地電極801が、各セグメント
のカソード電極80とは独立に形成されている。Al等
からなるアノード電極層81はp+ アノード層76に接
している。n--領域(又はi領域)65の不純物密度は
1011〜1013cm-2程度の低不純物密度とし、nウェ
ル領域64の不純物密度を1016cm-3程度とすれば、
SIサイリスタをノーマリオフ型としてゲート長Lが2
μm以下のpMOSトランジスタを構成しても、pMO
Sトランジスタのソース・ドレイン間にパンチスルー電
流は流れない。nウェル領域64の不純物密度を1018
cm-3程度とすれば、サブミクロンゲート長のpMOS
トランジスタを構成できるので、オン抵抗が極めて低減
され、しかもpMOSトランジスタのパンチスルー電流
によるリーク電流は小さくなる。p+ 領域76,62,
63の不純物密度は1018〜1020cm-3であり、n+
カソード領域61の不純物密度は1018〜1021cm-3
である。このようなMCSITHセルを複数個含むセグ
メントを形成し、そのセグメントを複数個ペレット内に
配置する。その際、各セグメントのポリシリコンゲート
電極層22は本発明の第1の実施の形態の図1に示すと
同様にセグメント用金属ゲート電極241および連結用
金属ゲート電極層242を介してペレット中央部のゲー
ト電極取出部13に導かれる。なお、本発明の第1およ
び第2の実施の形態においても同様ではあるが、より高
速動作させるためにはポリシリコンゲート電極層22を
WSi2 やTiSi2 等の高融点金属のシリサイド膜、
若しくはW,Mo,Co等の高融点金属、あるいは、こ
れらを用いたポリサイド膜とすることが望ましいことは
勿論である。本発明の第3の実施の形態に係るMCSI
THのカソード接地電極801は図6に示すように、組
立時に、カソード圧接板139により、セグメントのカ
ソード電極層80と同時に圧接され、p+ 領域635が
+ エミッタ領域36と同電位になるように構成され
る。またアノード電極層81にはアノード圧接板141
を圧接する。図6に示すMCSITHのターンオンは、
ポリシリコンゲート電極層22に正の電圧を印加してp
+ ゲート領域63の上部に接続されたコンデンサを介し
てn--チャンネル領域65中に形成される電位障壁の高
さを容量結合(静電誘導効果)で下げ、n+ カソード領
域61から電子が注入されるようにする。注入された電
子はn--領域からなるチャンネル領域(以下n--チャン
ネル領域という)65とp+ アノード層76との界面近
傍に蓄積され、その結果、アノード電極層81側のn--
チャンネル領域65中に形成されるホールに対する電位
障壁が消滅し、アノード層76からホールの注入が起こ
り、このホールがn+ カソード領域61からの電子の注
入をさらに促進し、SIサイリスタはターンオンする。
この時、ディプリーション型のpMOSトランジスタ
は、ポリシリコンゲート電極層22に正の電圧が印加さ
れるために、遮断状態になる。一方、ポリシリコンゲー
ト電極22に印加する電圧を零ボルトとすると、pMO
Sトランジスタは導通状態となり、p+ ゲート領域63
を介してホールがカソード電極層80側に引き抜かれ、
+ カソード領域61の前面の電子に対する電位障壁が
高くなり、SIサイリスタはターンオフする。このよう
に、本発明の第3の実施の形態に係るMCSITHでは
単一の矩形パルスをポリシリコンゲート電極に印加する
ことにより、大電流のオン・オフが可能となる。
【0027】本発明の第3の実施の形態に係るMCSI
THは、ゲート電極端子取出部13の直下のp+ 領域6
35が、各セグメントのp+ ゲート領域63と分離さ
れ、かつゲート電極端子取出部13の下で、1つの領域
を形成している。したがって、ゲート電極端子取出部直
下の空乏層は均一に拡がり、また各セグメント部におけ
る空乏層も均一に拡がる。またゲート電極端子取出部1
3に隣接するセグメントのユニットセルのp+ ゲート領
域63も、ゲート電極端子取出部13から遠いセグメン
トのユニットセルのp+ ゲート領域63も同一の寸法で
設計できるので、ペレット中央部とペレット周辺部のセ
グメントで耐圧が異なることもなくなり、全体として耐
圧が向上することとなる。さらに、ペレット中央部とペ
レット周辺部のセグメントのユニットセルを同一の寸法
で設計できるので、ターンオン特性、ターンオフ特性の
バラツキも生じない。したがってペレット内における電
流集中も発生しにくくなり、耐圧が向上する。
【0028】なお、MCSITHとは異なる構造である
がMOS−SIT(静電誘導トランジスタ)とバイポー
ラトランジスタとのMOS複合半導体素子としてMOS
−FCT(Field−Conrrolled−Thy
ristor)にも本発明を適用できる。MOS−FC
TはDMT(Depletion Mode−Thyr
istor)のサイリスタのpベースをなくした構造に
似ているといえるが、米国電子通信学会(IEEE)の
アイ・イー・デー・エム・テクニカルダイジェスト(I
EDM Tech.Digest)1989年の第29
3頁等に詳細に記載されている。
【0029】なお、以上の実施の形態ではnチャンネル
型IGBT等のnチャンネル型半導体装置について説明
したが、導電型を逆にしpチャンネル型としてもよいこ
とは勿論である。なお、本発明の実施の形態では、IG
BT,MCT,およびMCSITHについて説明した
が、これ以外の絶縁ゲート型半導体装置、例えばBRT
(Base Resistance Controll
ed Thyristor),EST(Emitter
Switched Thyristor),パワーM
OSFET,UMOSFET,VMOSFET,MAG
T(MOS Assisted Gate Trigg
erde Thyristor)、DMT,あるいはそ
の他のMOSサイリスタ、MOSGTO等に適用可能で
あることも勿論である。例えばMAGTはプロシーディ
ング・オブザ・アイエスピーエスデー(Proc.IS
PSD)の1990年の第277頁等に詳細に記載され
ているように、電流駆動用のベースとMOSゲートの二
つの制御端子をもつMOS複合半導体素子であるが、本
発明が適用できることは容易に理解されるであろう。ま
たSiデバイスに限定する必要はなく、SiCでパワー
MOSデバイスを構成すれば、特に600℃以上の高温
においても動作可能な、大面積・大電流のパワーデバイ
スが実現される。また、GaAs−GaAlAsヘテロ
接合による絶縁ゲート構造の半導体装置やInPの表面
に形成したSiO2 膜によるMOS半導体装置等他の絶
縁ゲート型半導体装置に適用できることも、もちろんで
ある。
【0030】
【発明の効果】本発明によればゲート電極端子取出部直
下のp+ 領域,p- 領域を各セグメントのp+ 領域、p
- 領域と分離し、1つの独立かつ共通のp+ 領域,p-
領域として形成しているため、ゲート電極端子取出部直
下の空乏層の拡がりは均一になる。そして、従来のセグ
メントの空乏層の拡がりに異状があるとペレット自体の
空乏層の拡がりに影響し、耐圧特性が劣化していたが、
本発明の構造ではセグメントの影響を受けずに空乏層が
拡がり良好な耐圧特性を得られることになる。
【0031】また本発明によれば、ペレット中央部のゲ
ート電極端子取出部に隣接したセグメントも、ペレット
の周辺部のセグメントも同一寸法で設計すればよいの
で、耐圧特性、ターンオン特性、ターンオフ特性も同等
になる。そのため、電流はペレットを均一に流れること
になる。また、本発明によれば、ゲート電極端子取出部
直下の共通p+ 領域335,635はゲート電極端子取
出部周辺に複数(たとえば32個等)のエミッタとの接
地電極を有することとなるが、そのうちの一か所の電極
でエミッタ電極板と接地されるのみで共通p+ 領域の接
地が有効に動作する。このため、従来ゲート電極端子取
出部下部に32個等、複数のp+ 領域が形成され、その
それぞれのp+ 領域が独立に全部、エミッタ電極板との
接地が必要であった場合に対しコンタクト不良等の問題
も発生せず、しかもペレット全体としての耐圧特性の歩
留りが向上することになる。
【0032】さらに、本発明によれば、ゲート電極端子
取出部直下のp+ 領域335の周辺部分はポリシリコン
電極によるセルファラインによりp- ベース領域354
を形成することができ、各セグメントと同一構造にでき
るため、耐電圧印加時の空乏層はセグメント部分と同様
に均一に拡がる。
【0033】以上のように、本発明によれば大電力IG
BT等の電力用絶縁ゲート型半導体装置のペレット内の
特性の不均一が解消し、素子の歩留りが向上する事にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るIGBTの平
面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るIGBTの断
面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るIGBTの組
立断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るIGBTの空
乏層の拡がりを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るMCTの組立
断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るMCSITH
の組立断面図である。
【図7】従来のIGBTのペレット全体の上面図であ
る。
【図8】従来のIGBTのセグメントの平面図である。
【図9】従来のIGBTのペレット中央部付近の組立断
面図である。
【図10】従来のIGBTの空乏層の拡がりを示す図で
ある。
【符号の説明】
11 ペレット基板 12 セグメント 13 ゲート電極端子取出部 21 開孔部 22 ポリシリコンゲート電極層 23 金属エミッタ電極層 31 n- ベース領域 32 p+ コレクタ領域 33 p+ 領域 34 ゲート酸化膜 35 p- ベース領域 36 n+ エミッタ領域 37,371 酸化膜 38 金属コレクタ電極層 39 エミッタ圧接板 40 コレクタ圧接板 55 nベース領域 56 p+ ショート領域 61 n+ カソード領域 62 p+ ドレイン領域 63 p+ 埋め込みゲート領域 64 nウェル領域 65 n--チャンネル領域 75 n+ バッファ層 76 p+ アノード層 80 カソード電極層 81 アノード電極層 139 カソード圧接板 141 アノード圧接板 231 エミッタ接地電極 241 セグメント用金属ゲート電極層 242 連結用金属ゲート電極層 333,335,635 p+ 領域 334,634 p+ 分離領域 353,354 p- 領域 801 カソード接地電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9055−4M H01L 29/78 652R 9055−4M 658B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOS複合半導体素子のユニットセルの
    複数個の集合からなるセグメントを所定のペレット基板
    上に配置し、該MOS複合半導体素子は第1および第2
    の主電極領域およびゲート電極層とを少なくとも有し、
    該セグメントは複数個配列され、該各セグメントのゲー
    ト電極層は所定の導電層を介して、該ペレット基板の表
    面の一部に設けられらたゲート電極端子取出し部に接続
    される絶縁ゲート型半導体装置であって、 該ペレット基板は第1導電型低不純物密度のベース領域
    を具備し、 該ゲート電極端子取出し部の下部の該ベース領域の表面
    に第2導電型高不純物密度の第1の半導体領域が、該各
    セグメントを構成する第2導電型高不純物密度の第2の
    半導体領域とは分離独立し、単一の領域として形成され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の半導体領域との間
    の前記ベース領域の表面に、第2導電型高不純物密度の
    分離領域が、さらに形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体領域の上部には絶縁膜
    が形成され、該絶縁膜の上部の一部に前記ゲート電極端
    子取出し部が形成され、該絶縁膜の他の一部に開孔部が
    形成され、該開孔部を介して、前記第1の半導体領域と
    接する金属電極層が形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記金属電極層は前記ゲート電極端子取
    出し部の周辺に、複数個形成されたことを特徴とする請
    求項3記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁ゲート型半導体装置は圧接型組
    立て構造からなり、前記金属電極層は前記第1の主電極
    領域の上部に形成された主電極金属層と、圧接板を介し
    て電気的に接続されることを特徴とする請求項3記載の
    半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AT401682B (de) * 1995-01-23 1996-11-25 Vaillant Gmbh Gasbefeuerter kombinations-umlaufwasserheizer
KR100694379B1 (ko) * 2003-09-30 2007-03-12 로무 가부시키가이샤 D/a 변환 회로, 유기 el 구동 회로 및 유기 el디스플레이 장치
JP2018110231A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 3−5 パワー エレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング3−5 Power Electronics GmbH Igbt半導体構造

Cited By (4)

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KR100694379B1 (ko) * 2003-09-30 2007-03-12 로무 가부시키가이샤 D/a 변환 회로, 유기 el 구동 회로 및 유기 el디스플레이 장치
JP2018110231A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 3−5 パワー エレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング3−5 Power Electronics GmbH Igbt半導体構造
JP2021005740A (ja) * 2016-12-28 2021-01-14 3−5 パワー エレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング3−5 Power Electronics GmbH Igbt半導体構造

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