JP2974583B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2974583B2 JP6282141A JP28214194A JP2974583B2 JP 2974583 B2 JP2974583 B2 JP 2974583B2 JP 6282141 A JP6282141 A JP 6282141A JP 28214194 A JP28214194 A JP 28214194A JP 2974583 B2 JP2974583 B2 JP 2974583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパワーMOSFETや絶
縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)等のM
OS複合デバイス等の絶縁ゲート型半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】パワーMOSFETに加え、近年IGB
T,MOS制御サイリスタ(MCT),MOSアシステ
ッド・ゲート・トリガード・サイリスタ(MAGT),
エミッタ・スイッチド・サイリスタ(EST)等のMO
S複合デバイスが、大電力用デバイスとして開発されて
いる。これらは電圧駆動型のパワーデバイスであり、使
いやすいこともありシステム側からの要求も多く、これ
らに答える形としても急速に開発が進められている。
【0003】IGBTは、上部にMOSFET構造、下
部にバイポーラトランジスタ構造を備えた複合構造とと
らえることもできる。この構造及び基本動作は、特開昭
57−120369号公報、特開平3−218643号
公報等に記載されている。従来、IGBTは大型電力素
子として大電流化をはかるため、図14(a)に示され
る様に、ペレット基板11上に複数のIGBTセル(ユ
ニットセル)を集合した中・小型IGBT素子を1セグ
メントとして、複数個のセグメント301,302,
…,316を放射状に配置した構造が提案されている。
大電流用パワーデバイスの製造方法における共通の、し
かも重要な問題は、4インチ,5インチ,6インチ…と
いった大面積のペレット上に1個でもダストが落下すれ
ば、ペレット全体が死んでしまう危険性を有している点
である。この点LSI,ULSIでは不良の発生した部
分のみをダイソート、ダイシングにより削除すればよ
く、したがって、多少の歩留りが悪くても製品化が可能
といえるが、1ペレット1素子の構造では1ペレットに
付100%の歩留りが要求されることとなる。したがっ
て図14(a)に示すように複数のセグメント301,
302,…,316等に分割し、不良セグメントのみを
分離し、歩留100%という要求から回避しているので
ある。各セグメント301,302,…,316には、
同図(b)に示される様に、複数の開孔部21を有する
ポリシリコンゲート電極層22が各々形成されている。
それらセグメント301,302,…,316毎に独立
したポリシリコンゲート電極層22はペレット基板11
の中心部に達するように形成されており、その中心部に
設けられるAl等からなるゲート電極取出し部13に接
続される。上述した特開昭57−120364号公報等
の記載を基に、従来のnチャンネル型IGBTについて
説明する。図15は、図14(b)におけるX−X′断
面を示し、エミッタ電極層23と圧接されるエミッタ圧
接板39、及びコレクタ電極層38と圧接されるコレク
タ圧接板40をそれぞれ接続した状態を示す図である。
図15において、pコレクタ領域32の上に低不純
物濃度の高抵抗nベース領域31が形成されてい
る。nベース領域31の表面にはDSA(Double D
iffusion Self Align )法等により、その表面が露出す
るようにpベース領域35が形成されている。pベース
領域35の底部にはp領域33が形成されている。
更に、このpベース領域35中にその表面が露出するよ
うにnエミッタ領域36を形成する。そして、pベ
ース領域35の表面にはSiOなどの薄い絶縁膜
(ゲート酸化膜)34を介してポリシリコンゲート電極
層22が設けられている。このポリシリコンゲート電極
層22は、隣接するpベース領域35相互の間を跨ぎ、
隣接するpベース領域内のそれぞれのnエミッタ領
域36まで達するようにnベース領域31の上部に
配置されている。nエミッタ領域36とpベース領
域35とを表面で短絡するように金属エミッタ電極23
が設けられ、ポリシリコンゲート電極層22に接続して
金属のゲート電極取出し部13、pコレクタ領域3
2に接続して金属コレクタ電極層38がそれぞれ設けら
れている。
【0004】次にIGBTの動作原理について説明す
る。IGBTのターンオンは、金属エミッタ電極層23
が接地され、金属コレクタ電極層38に正電圧が印加さ
れた状態でゲート電極端子取出し部13を介してポリシ
リコンゲート電極層22に金属エミッタ電極層23に対
して正電圧を印加することにより実現される。ポリシリ
コンゲート電極層22に正電圧が印加されると、MOS
FET同様pベース領域35の表面に反転チャネルが形
成されnエミッタ領域36から反転チャネルを通し
てnベース領域31内に電子が注入される。これに
対し、pコレクタ領域32からnベース領域3
1内にホールの注入が起こり、pコレクタ領域32
とnベース領域31のpn接合は順バイアス状態と
なり、nベース領域31が伝導度変調を起こし、素子
を導通状態に導く。IGBTのオン状態は、以上のよう
に高抵抗であるnベース領域31が伝導度変調によ
り、その抵抗成分が極めて小さくなるため、nベー
ス領域31の不純物密度が低く、厚さの厚い高耐圧素子
であってもオン抵抗のきわめて小さい特性が得られる。
一方、IGBTのターンオフは、ポリシリコンゲート電
極層22に金属エミッタ電極23に対して負電圧を印加
することにより実現される。ポリシリコンゲート電極層
22に負電圧が印加されると、反転チャネルは消滅し、
エミッタ領域36からの電子の流入は止まる。し
かし、nベース領域31内には依然として電子が存
在する。nベース領域31内に蓄積したホールの大
部分はpベース領域35を通り、エミッタ電極23へ流
入するが一部はnベース領域31内に存在する電子
と再結合して消滅する。nベース領域31内に蓄積
したホールがすべて消滅した時点で素子は阻止状態とな
り、ターンオフが完了する。
【0005】不良セグメントの分離方法を図16を参照
して説明する。不良セグメント305は、動作しないよ
うにするため、図中の丸印部分のポリシリコンゲート電
極層22をドライエッチング法等により切断する。しか
しながら、ドライエッチングによる切断であると、不良
セグメント305の位置に合わせたフォトレジスト等の
マスクパターンを形成してポリシリコンゲート電極層2
2をエッチングするため、マスク合わせ工程などが余分
に必要となり複雑である。
【0006】これらの従来のnチャンネル型IGBTの
一般的な製造方法は以下のようである。まず、厚さ約1
50μm、不純物密度約1018〜1020cm−3
p型シリコン半導体基板32は、pコレクタ領域3
2として用いられる。この半導体基板32に半導体層3
1を気相成長させ、これをnベース領域31とす
る。あるいは厚さ250〜300μm、抵抗率50〜2
00Ωcmのn基板31の裏面から1018〜5×
1019cm−3のp型拡散層を深さ30μm程度形成
してpコレクタ領域32とする。この様にして、p
−n構造のウエハを形成する。次ぎに、n
ベース領域31の表面にSiOなどの絶縁膜34を
形成し、更に、この上にポリシリコンゲート電極層22
を形成する。その際、ポリシリコンゲート電極層22
は、図14の如く、フォトリソグラフィーおよびRIE
等を用いて各セグメント301,302,…,316毎
ごとに分割し、さらに各セグメントにおいて開孔部21
を設ける。それら開孔部21より、pボディ領域3
3、pベース領域35及びnエミッタ領域36をイオン
注入法等の不純物拡散にて順次形成する。なお、別の方
法としては、絶縁膜34、およびポリシリコンゲート電
極層22を形成する前に、フォトリソグラフィーを用い
てpベース35、pボディ領域35を形成してもよ
い。またpボディ領域35のみ絶縁膜34形成前に
形成し、pベース領域35はポリシリコンゲート電極層
22の開孔部21を介して形成してもよい。表面上に酸
化膜37を形成後、酸化膜37を選択的に開孔し、nエ
ミッタ領域36及びp領域33に接続するようにエ
ミッタ電極層23を形成すると共に、ポリシリコンゲー
ト電極層22に接続するようにゲート電極端子取出し部
13を形成する。更に、裏面pコレクタ層32上に
コレクタ電極層38を形成する。
【0007】次に、各セグメント301,302,…,
316毎にIGBTの特性チェックを行う。その際、特
性不良の発見されたセグメントはそのセグメントが動作
しないように後述するような方法により分離する。その
後、エミッタ電極に圧接緩衝用に厚いメタルを形成し、
エミッタ電極層23上にドーナツ状のエミッタ圧接板3
9、コレクタ電極層38上にコレクタ圧接板40を両側
から圧接する。
【0008】この圧接工程により各セグメント301〜
306のエミッタ電極は共通電極となり、1個のIGB
T素子として動作することとなる。ゲート電極端子は、
エミッタ圧接板39のゲート端子取出し用窓部を介して
取り出し、IGBTが完成する。
【0009】また、このような構造のIGBTである
と、不良セグメントの分離をした場合、不良箇所(図1
6中の×印部分)はセグメント内の一部分であるにもか
かわらず、1つのセグメント全体が動作することができ
ない。また、1つのセグメントがペレット内に占める割
合は大きく、上記不良セグメントの分離方法であると、
実際に動作するセグメントの有効な面積の効率が悪くな
る。そのため、ペレット面積を増大する必要があり、小
さいペレット面積で大電流を流すことが困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
IGBTでは、放射状に配置された複数のセグメントの
各セグメント毎にポリシリコンゲート電極層を分割して
形成し、それら全てのセグメントのそれぞれのポリシリ
コンゲート電極層をペレットの中心部にまで引伸ばして
ペレットの中心部のゲート電極端子取出し部に接続させ
た構造である。このような構造であると、 (1)セグメント内の1セルが不良箇所であっても、ゲ
ート電極端子取出し部近傍のポリシリコンゲート電極層
を切断して、その1セルを含むセグメント全体が動作し
ないような不良セグメント分離方法を用いることにな
る。そのため、ペレット内のセグメントの集積度の効率
が悪く、IGBTの大電流化を図るには、ペレット面積
を増大する必要があるという問題点があった。また図1
4,図16から容易に理解されることであるが、従来技
術においては、セグメント301,302,…,316
の1ケ当りの面積が比較的大きく、このことは、それだ
け故障・不良の発生確率が高いということで、しかも故
障・不良が発生した場合は無効となる面積が大きくなる
という相乗的な欠点を有していた。
【0011】(2)更に、ポリシリコンゲート電極層の
切断が困難であり、たとえばドライエッチング法を用い
ると、プロセスが複雑となり手間がかかるという問題点
があった。
【0012】上記問題点を鑑み、本発明はセグメントの
集積度の効率を向上させ、かつ実際に動作するセグメン
トの有効面積を増大せしめペレット面積の増大を抑制し
得る大電流用半導体装置およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】本発明の他の目的は、不良セグメントの分
離を容易にし得ると共に不良箇所を簡単に特定すること
が可能な大電流用型半導体装置およびその製造方法を提
供することである。
【0014】本発明のさらに他の目的はペレット内に不
良セグメントが発生した場合、他のセグメントを傷つけ
たり、特性を悪化させることなく、不良セグメントのみ
を簡単に分離できる大電流用半導体装置およびその製造
方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴に係
る半導体装置は、複数個の第1の主電極領域に接続され
た第1の主電極層、この第1の主電極層に対向した第2
の主電極層、および第1及び第2の主電極層間を流れる
主電流を制御するためのゲート電極層とからなる単位構
造をセグメントとし、複数個のこのセグメントをペレッ
ト基板上に配列した電力用半導体装置に関する。ここ
で、「第1の主電極層」とは、絶縁ゲート型バイポーラ
トランジスタ(IGBT)においては、エミッタ電極層
及びコレクタ電極層のいずれか一方、ベース抵抗制御サ
イリスタ(BRT)に、MOS制御サイリスタ(MC
T),MOS制御静電誘導サイリスタ(MCSIT
H)、又はMOSアシステッド・ゲート・トリガード・
サイリスタ(MAGT)等においては、アノード電極層
及びカソード電極層のいずれか一方の電極層を意味し、
「第2の主電極層」は「第1の主電極層」とはならない
他の電極層の意である。即ち、本発明の第1の特徴はペ
レット基板上に配置されたゲート電極端子取り出し部
と、このゲート電極端子取り出し部に接続された所定の
線幅を有する複数本の連結用導電層と、この連結用導電
層のそれぞれに接続された複数本のセグメント用導電層
と、このセグメント用導電層のそれぞれに、一対一に対
応して接続され、且つ他のセグメントとは空間的に独立
して配置されたゲート電極層と、ゲート電極層のそれぞ
れの内部となる位置に配置された第1の主電極層とを少
なくとも有する半導体装置であることである。
【0015】例えば、ペレット基板上に全部でl個(l
=m・n個)のセグメントが配置されているすれば、こ
れらをm個のグループに分け、各グループにつき、n個
のセグメントが、それぞれn本のセグメント用導電層を
介して、そのグループの連結用導電層に接続されてい
る。全部で、m本の連結用導電層をペレット基板上に配
置することにより、m個のグループがそのペレット基板
上に均等に配置されることになる。そして、1本の連結
用導電層に並列接続されているn個のセグメントによ
り、1つの「セグメントユニット」が定義される。従っ
て、m本の連結用導電層により、m個のセグメントユニ
ットがペレット基板上に配置されることになる。
【0016】本発明の第1の特徴において、好ましく
は、ゲート電極端子取り出し部を、ペレット基板の中央
部に配置し、複数本(m本)の連結用導電層を、このゲ
ート電極端子取り出し部からそれぞれ放射状に、且つ直
線的に周辺部に向かって延びるように構成するればよ
い。
【0017】この結果、ペレット基板全体としてみれ
ば、l=m・n個のセグメントは、異なる半径を有した
同心円上に配列される。またm本の放射状連結用導電層
に対応して、m個のセグメントユニットが放射状に配置
されることとなる。
【0018】なお、異なる種類(2種類以上)のセグメ
ントユニットを、ペレット基板上に混在させて配置する
ことも可能である。この場合、異なる種類(2種類以
上)のセグメントユニットを構成するそれぞれのセグメ
ントの数は互いに異なっても良い。つまり、異なる種類
(2種類以上)のセグメントユニットのそれぞれの数を
,m,m,…とし、その各セグメントユ
ニットを構成するそれぞれのセグメントの数をn
,n,…とすれば、セグメントの総数lは、
一般的には、 l=m ・n+m・n +m ・n +…… となる。例えば、n =3個のセグメントが1本の連
結用導電層接続されたセグメントユニットとn =2
個のセグメントが1本の連結用導電層接続されたセグメ
ントユニットとの2種類のセグメントユニットが配置さ
れ、n =3個のセグメントからなるセグメントユニ
ットがそれぞれm =16本の連結用導電層に接続さ
れ、n =2個のセグメントからなるセグメントユニ
ットがそれぞれm=16本の連結用導電層に接続さ
れるとすれば、ペレット基板上には全体で、l=80個
のセグメントが規則的に配置されることになる。
【0019】連結用導電層に接続されるセグメントの最
大数が3ならば、同心円状配列では、3列の同心円が出
来、連結用導電層に接続されるセグメントの最大数が
4,5,…ならば、4列,5列,…の同心円が出来るこ
とは容易に理解できるであろう。また1本の連結用導電
層の片側にn =3個のセグメントを接続し、もう一
方にn =2個のセグメントを接続し、1本の連結用
導電層にn=5個のセグメントが接続されたセグメント
ユニットを構成することも可能である。
【0020】また、本発明の第1の特徴において、好ま
しくは、複数本(m本)の連結用導電層は、各連結用導
電層からこの連結用導電層に対してそれぞれ垂直方向に
分岐する複数個(n個)の分岐配線部を具備し、この複
数個(n個)の分岐配線部を介してのみ、複数個(n
個)のセグメント用導電層と各連結用導電層とが、それ
ぞれ互いに電気的に接続され流ようにすればよい。
【0021】現実には、大電流動作を可能とするため
に、ペレット基板の面積が大面積となると、製造技術上
の問題から、特性不良なセグメントが含まれる確率が次
第に増大する。従って、本発明の第1の特徴において、
複数本の連結用導電層は、各連結用導電層から垂直方向
に分岐する複数個の短かな分岐配線部を具備し、この複
数個の短かな分岐配線部を介して、複数個のセグメント
のうち特性良好なセグメントに接続されたセグメント用
導電層と連結用導電層とを連続的に形成し、複数個のセ
グメントのうち特性不良なセグメントに接続されたセグ
メント用導電層は、分岐配線部において連結用導電層と
電気的に分離して配置し、特性不良なセグメントのみに
おいて、ゲート電極層と第1の主電極層とを短絡するこ
とが好ましい。
【0022】このように、構成すれば、ペレット基板が
大面積になった場合の全セグメントのうち、特性不良な
セグメントをペレット基板から簡単に分離できる。
【0023】或いは、複数本の連結用導電層と、各連結
用導電層から垂直方向に分岐する複数個の矩形の分岐配
線部と、絶縁体からなる分離部を介して、それぞれの端
部が分岐配線部に最近接位置となるように配置された複
数本のセグメント用導電層とが、第1層金属層によりそ
れぞれ形成された半導体装置において、複数個のセグメ
ントのうち特性良好なセグメントに接続されたセグメン
ト用導電層は、分離部の上部に局所的に配置された第2
層金属層により、セグメント用導電層と連結用導電層と
が互いに橋渡しされ、電気的に接続され、複数個のセグ
メントのうち特性不良なセグメントに接続されたセグメ
ント用導電層は、分離部により連結用導電層と電気的に
分離され、特性不良なセグメントのみにおいて、ゲート
電極層と第1の主電極層とが第2層金属層により短絡さ
れているように構成しても良い。このようにしても、ペ
レット基板が大面積になった場合の全セグメントのう
ち、特性不良なセグメントをペレット基板から簡単に分
離できる。
【0024】また、本発明の第1の特徴において、複数
個のセグメントは、それぞれ実質的に同じ面積で、同じ
形状であることが好ましい。
【0025】さらに、本発明の第1の特徴において、第
1の主電極層は、矩形形状であり、セグメント用導電層
は、「コの字」形状等の完全に閉じない形状で、第1の
主電極層の周りに配置されていることが好ましい。
【0026】さらに、本発明の第1の特徴において、ゲ
ート電極層は、ポリシリコンゲート電極層であり、セグ
メント用導電層がこのポリシリコンゲート電極層の周辺
部において、コンタクト孔を介して、ゲート電極層に電
気的に接続していることが好ましい。
【0027】さらに、本発明の第1の特徴において、セ
グメント用導電層は、連結用導電層とは一定距離離間し
て互いに平行に配置された配線パターン部を有すること
が好ましい。この一定距離は、例えば、20μm乃至1
00μm程度に選べばよい。さらに、本発明の第1の特
徴において、セグメント用導電層は、連結用導電層と互
いに平行に配置された2辺と、連結用導電層とは、直交
方向に配置された1辺とからなるコの字形状であること
が好ましい。
【0028】さらに、本発明の第1の特徴において、連
結用導電層の下部、分岐配線部の下部、及び分岐配線部
近傍のセグメント用導電層の下部には、ポリシリコンゲ
ート電極層が配置されていないようにしておけば、分岐
配線部若しくは分岐配線部近傍のセグメント用導電層を
1回のエッチング作業により分離出きるので、好まし
い。
【0029】なお、本発明の第1の特徴に係る電力用半
導体装置としては、IGBTの他、ベース抵抗制御サイ
リスタ(BRT)に、MOS制御サイリスタ(MC
T),MOS制御静電誘導サイリスタ(MCSIT
H)、又はMOSアシステッド・ゲート・トリガード・
サイリスタ(MAGT)のいずれかに適用可能である。
【0030】本発明の第2の特徴は、(イ)第1導電型
高不純物密度の第2の主電極領域の上部に、第2導電型
低不純物密度の第1のベース領域が配置された構造にお
いて、この第1のベース領域の表面の複数のセグメント
領域の内部に、複数の第1導電型の第2のベース領域を
形成する工程と、(ロ)この複数の第2のベース領域の
相互の間に位置する、この第1のベース領域の表面、お
よびこの第2のベース領域の表面の上部にゲート絶縁膜
を形成する工程と、(ハ)このゲート絶縁膜の上部に、
ポリシリコン層を堆積し、このポリシリコン層が複数の
セグメント領域内にのみ残留するように、周辺部が矩形
で、内部に複数の開口部を有した形状にパターニング
し、互いに空間的に分離された複数のポリシリコンゲー
ト電極層を形成する工程と、(ニ)ポリシリコンゲート
電極層に形成された開口部を利用して、複数の第2のベ
ース領域のそれぞれの内部に第2導電型高不純物密度の
第1主電極領域を形成する工程と、(ホ)このポリシリ
コンゲート電極層を含んでこの第1のベース領域の表面
に形成された層間絶縁膜を形成する工程と、(へ)ポリ
シリコンゲート電極層の周辺部及び、第1主電極領域の
上部の層間絶縁膜を除去し、コンタクト孔を開口する工
程と、(ト)層間絶縁膜の上部に導電層を堆積し、この
導電層をパターニングして、同一線幅で直線状に延びる
複数本の連結用導電層と、この連結用導電層のそれぞれ
に複数個形成された分岐配線部と、この分岐配線部にそ
れぞれ接続され、且つポリシリコンゲート電極層にコン
タクト孔を介して接続された複数本のセグメント用導電
層と、コンタクト孔を介して第1主電極領域に接続され
た第1の主電極層とをそれぞれ形成する工程と、(チ)
セグメント領域毎に、第1主電極領域とセグメント用導
電層との間の電気的特性を測定する工程と、(リ)この
測定する工程により、不良と判定されたセグメント領域
のセグメント用導電層と連結用導電層の間を分岐配線部
において、切断・分離する工程とを少なくとも含む半導
体装置の製造方法であることである。
【0031】ここで、(イ)の第1導電型高不純物密度
の第2の主電極領域の上部に、第2導電型低不純物密度
の第1のベース領域が配置された構造は、第2導電型低
不純物密度の第1のベース領域となる半導体基板の裏面
に、第1導電型高不純物密度の第2の主電極領域を積層
成長する方法等を用いればよい。
【0032】本発明の第3の特徴は、(イ)第1導電型
高不純物密度の第2の主電極領域の上部に、第2導電型
低不純物密度の第1のベース領域が配置された構造にお
いて、この第1のベース領域の表面の複数のセグメント
領域の内部に、複数の第1導電型の第2のベース領域を
形成する工程と、(ロ)この複数の第2のベース領域の
相互の間に位置する、この第1のベース領域の表面、お
よびこの第2のベース領域の表面の上部にゲート絶縁膜
を形成する工程と、(ハ)このゲート絶縁膜の上部に、
ポリシリコン層を堆積し、このポリシリコン層が複数の
セグメント領域内にのみ残留するように、周辺部が矩形
で、内部に複数の開口部を有した形状にパターニング
し、互いに空間的に分離された複数のポリシリコンゲー
ト電極層を形成する工程と、(ニ)ポリシリコンゲート
電極層に形成された開口部を利用して、複数の第2のベ
ース領域のそれぞれの内部に第2導電型高不純物密度の
第1主電極領域を形成する工程と、(ホ)このポリシリ
コンゲート電極層を含んでこの第1のベース領域の表面
に形成された層間絶縁膜を形成する工程と、(へ)ポリ
シリコンゲート電極層の周辺部及び、第1主電極領域の
上部の層間絶縁膜を除去し、コンタクト孔を開口する工
程と、(ト)層間絶縁膜の上部に第1層金属層を堆積
し、この第1層金属層をパターニングして、同一線幅で
直線状に延びる複数本の連結用導電層と、この連結用導
電層のそれぞれに複数個形成された分岐配線部と、この
分岐配線部の先端に絶縁体からなる分離部を介して最近
接に配置され、且つポリシリコンゲート電極層にコンタ
クト孔を介して接続された複数本のセグメント用導電層
と、コンタクト孔を介して第1主電極領域に接続された
第1の主電極層とをそれぞれ形成する工程と、(チ)セ
グメント領域毎に、第1主電極領域とセグメント用導電
層との間の電気的特性を測定する工程と、(リ)測定す
る工程により、所定の規定値を満足すると判定されたセ
グメントに接続されたセグメント用導電層のみと連結用
導電層とを、分離部の上部に選択的に形成された第2層
金属層を用いて接続する工程とを少なくとも含むことを
特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0033】ここで、(イ)の第1導電型高不純物密度
の第2の主電極領域の上部に、第2導電型低不純物密度
の第1のベース領域が配置された構造は、第2導電型低
不純物密度の第1のベース領域となる半導体基板の裏面
に、第1導電型高不純物密度の第2の主電極領域を積層
成長する方法等を用いればよい。
【0034】本発明の第3の特徴において、第2層金属
層を用いて接続する工程は、第1層金属層上、及び露出
した層間絶縁膜上の全面に第2層金属層を堆積するステ
ップと、この堆積するステップの後に、第2層金属層を
フォトリソグラフィーを用いてパターニングするステッ
プとから構成することが好ましい。このフォトリソグラ
フィーは同一レチクルマスクパターンを用いた逐次移動
式縮小露光法であり電気的特性が所定の規定値を満足す
るセグメントに対しては正規の露光座標で、所定の規定
値を満足しないセグメントに対しては正規の露光座標か
ら所定の寸法をずらした座標で行なえばよい。
【0035】また、本発明の第3の特徴に係る第2層金
属層を用いて接続する工程において、電気的特性が所定
の規定値を満足しないセグメントに対しては、さらに第
2の主電極領域とセグメント用導電層とを短絡すること
が好ましい。
【0036】
【作用】本発明の第1の特徴に係る半導体装置によれ
ば、各セグメントのゲート電極層に一対一に対応して接
続されたセグメント用導電層を、複数本(n本)ずつ所
定の線幅を有する1本の連結用導電層に接続して、1個
のセグメントユニットを構成している。そして、複数本
(m本)の連結用導電層を、ゲート電極端子取り出し部
に接続して、m個のセグメントユニットからなる電力用
半導体装置を構成している。つまり、各セグメントユニ
ット毎に、この中に含まれる各セグメントのポリシリコ
ンゲート電極層をセグメント用導電層を介して、そのセ
グメントユニットの連結用導電層により連結している。
このような複数個(m個)のセグメントユニットを、ゲ
ート電極端子取出部に対し適正に配置するとともに、セ
グメントユニットおよびこのセグメントユニットの内部
構造を構成する複数(n個)のセグメントの大きさを調
整することにより、ペレット基板上の無効領域が調整で
きる。従って、電力用半導体装置を構成する単位構造で
あるセグメントの実効的な集積度を向上できる。
【0037】特に、本発明の第1の特徴に係る半導体装
置の構造を採用することにより、特定の連結用導電層に
接続される複数の(n個の)セグメントの内の1個が不
良であれば、この不良セグメントのみを簡単に分離し、
全体としての動作できる。即ち、特定のセグメントユニ
ット内に不良セグメントが発見されれば、この不良セグ
メントのみを、その特定のセグメントユニットの連結用
導電層から分離することにより、同一のセグメントユニ
ット内に含まれる他のセグメント、即ち,正常なセグメ
ントを無効とすることなく、有効に使用することができ
る。更に、この不良セグメントのゲート電極層と第1の
主電極層(たとえば、IGBTであれば、エミッタ電極
層)を短絡することにより、確実に動作しないようにす
ることができる。従って、大幅にセグメントの集積度の
効率を向上することができ、ペレット面積を増大するこ
となく大電流を制御することが可能である。さらに従来
技術を説明する図14と本発明に係る図1とを比較すれ
ば明らかなように、それぞれのセグメントの面積は、本
発明の第1の特徴の半導体装置においては、極めて小さ
な面積を選択し設計することが可能となる。このため単
一セグメント当りの故障・不良の発生の確率が小さく、
また故障・不良が発生してもその無効となる面積が小さ
くて済むという二重の利点を有している。
【0038】本発明の第1の特徴において、連結用導電
層の下部、分岐配線部の下部及び分岐配線部近傍のセグ
メント用導電層の下部には、ポリシリコンゲート電極層
を配置しない構造とすることにより、不良セグメントを
分離するための、切断すべき導電層は金属配線層で良く
なるので、分離工程が簡単になる。即ち、単層のポリシ
リコンゲート電極層のみの構造、若しくはポリシリコン
ゲート電極層と金属配線層との2層構造の場合とは異な
り、単層の金属配線層のみの構造とすることにより、不
良セグメントをウェットエッチング、あるいは機械的手
法により簡単に切断することができる。従って、大面積
を有した大電流用のIGBTやMCT等が高歩留りで製
造できる。つまり、従来のポリシリコンゲート電極層、
若しくはポリシリコンゲート電極層/金属配線層の2層
構造を切断する場合は、通常、フォトリソグラフィーを
用い、さらにドライエッチングによって切断していた
が、単層構造の金属層であれば、目視等によりエッチン
グ液を滴下する方法等により簡単に切断できる。
【0039】本発明の第1の特徴において、複数本の連
結用導電層と、各連結用導電層から垂直方向に分岐する
複数個の矩形の分岐配線部と、絶縁体からなる分離部を
介して、それぞれの端部が分岐配線部の最近接位置とな
るように配置された複数本のセグメント用導電層とを、
それぞれ第1層金属層で構成しておき、第2層金属層を
分離部の上部に局所的に配置することにより、セグメン
ト用導電層と連結用導電層とを電気的に接続すれば、不
良セグメントを分離するために配線をウェットエッチン
グや、機械的手法によって切断する工程が不要となり、
簡単に不良セグメントの分離ができる。しかも不良セグ
メント分離工程時に、他の良好な特性を有したセグメン
トを傷付けたり、特性を悪化させるということもない。
したがって大面積を有した大電流用のIGBTやMCT
等の電力用半導体装置がきわめて簡単に、かつ高歩留り
で製造可能となる。このため、分離部(不良セグメント
分離部分)の寸法(切断しろ)はフォトリソグラフィー
で決めることができ、0.7〜1μm程度に、極めて小
さくできるので、セグメントの集積度が増大し、かつパ
ターンの微細化が可能となる。したがって高速、低オン
抵抗の半導体装置が簡単に製造できる。
【0040】本発明の第2の特徴に係る半導体装置の製
造方法によれば、セグメント領域毎に、第1主電極領域
とセグメント用導電層との間の電気的特性を測定する工
程により、それぞれのセグメントユニットの内部におい
て、特性が良好なセグメントと不良なセグメントを分類
することが出来る。そして、この測定する工程により、
不良と判定されたセグメント領域のセグメント用導電層
と連結用導電層の間を分岐配線部において、簡単に切断
・分離出来る。そして、ポリシリコン層を複数のセグメ
ント領域内にのみ残留するようにパターニングしている
ので、連結用導電層の下部、分岐配線部の下部及び分岐
配線部近傍のセグメント用導電層の下部には、ポリシリ
コンゲート電極層が配置されない構造なっている。従っ
て、不良セグメントを分離するための「切断・分離する
工程」においては、切断すべき導電層は金属配線層で良
くなるので、切断・分離工程が簡単になる。即ち、単層
のポリシリコンゲート電極層のみの構造、若しくはポリ
シリコンゲート電極層と金属配線層との2層構造の場合
とは異なり、分岐配線部を単層の金属配線層のみの構造
とすることにより、不良セグメントをウェットエッチン
グ、あるいは機械的手法により簡単に切断・分離するこ
とができる。従って、大面積を有した大電流用のIGB
TやMCT等が高歩留りで製造できる。つまり、従来の
ポリシリコンゲート電極層、若しくはポリシリコンゲー
ト電極層/金属配線層の2層構造を切断・分離する場合
は、通常、フォトリソグラフィーを用い、さらにドライ
エッチングによって切断していたが、単層構造の金属層
であれば、目視等によりエッチング液を滴下する方法等
により簡単に切断・分離できる。
【0041】本発明の第3の特徴に係る半導体装置の製
造方法によれば、連結用導電層と、連結用導電層に形成
された分岐配線部と、分岐配線部の先端に分離部を介し
て最近接に配置されたセグメント用導電層とを第1層金
属層により形成している。そして、セグメント領域毎
に、第1主電極領域とセグメント用導電層との間の電気
的特性を測定する工程により、それぞれのセグメントユ
ニットの内部において、特性が良好なセグメントと不良
なセグメントを分類し、この測定する工程により、所定
の規定値を満足すると判定されたセグメントに接続され
たセグメント用導電層のみと連結用導電層とを、分離部
の上部に選択的に形成された第2層金属層を用いて接続
することが出来る。このため、本発明の第3の特徴に係
る半導体装置の製造方法によれば、不良セグメントを分
離するために、ウェットエッチングや、機械的手法によ
って切断する工程が不要で、簡単且つ正確に不良セグメ
ントの分離ができる。しかも不良セグメント分離工程時
に、他の良好な特性を有したセグメントを傷付けたり、
特性を悪化させるということもない。したがって大面積
を有した大電流用のIGBTやMCT等のMOS複合半
導体装置がきわめて簡単に、かつ高歩留りで製造可能と
なる。
【0042】さらに、本発明の第3の特徴において、第
2層金属層を用いて接続する工程を、第1層金属層上、
及び露出した層間絶縁膜上の全面に第2層金属層を堆積
するステップと、この堆積するステップの後に、第2層
金属層をフォトリソグラフィーを用いてパターニングす
るステップとから、構成すれば、分離部(不良セグメン
ト分離部分)の寸法(「切断しろ」)はフォトリソグラ
フィーの精度で決めることができ、0.7〜1μm程度
の「切断しろ」は容易に実現できる。周知のように、フ
ォトリソグラフィーの精度は、極めて高く、微細なパタ
ーンが加工できるので、セグメントの集積度が増大し、
かつパターンの微細化が可能となる。したがって高速、
低オン抵抗の半導体装置が簡単に製造できる。
【0043】
【実施例】以下、本発明による実施例を図面を参照して
説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係るIGB
Tのペレット内のセグメントの配置を示す上面図であ
る。まず、IGBTのペレット内のセグメントの配置を
説明する。図1によれば、IGBTのペレット基板11
上に複数のセグメント12は例えば3列の同心円の円周
状に配置されており、ゲート電極端子取出し部13はペ
レット基板11の中心部に配置される。セグメントは4
列,5列,6列…の同心円状に配列してもよく、必要と
される電流値等に応じて選べばよい。それらセグメント
12の各ゲート電極層は、後述する手段によりゲート電
極端子取出し部13に接続される。
【0044】次に、セグメント12とゲート電極端子取
出し部13との接続を図2を参照して説明する。図2は
放射方向に並ぶ3つのセグメント12(図1中の点線で
示したセグメントユニット2の部分)を詳細に示してい
る。図2に示すように、本発明の第1の実施例に係るI
GBTは、ペレット基板11上に配置されたゲート電極
端子取り出し部13と、このゲート電極端子取り出し部
13に接続された所定の線幅を有する複数本の連結用導
電層242と、この連結用導電層242のそれぞれに接
続された複数本のセグメント用導電層241と、このセ
グメント用導電層241のそれぞれに、一対一に対応し
て接続され、且つ他のセグメントとは空間的に独立して
配置されたゲート電極層22と、ゲート電極層22のそ
れぞれの内部となる位置に配置された第1の主電極層
(エミッタ電極層)とを少なくとも有している。各セグ
メント12は、複数の開孔部21を有するポリシリコン
ゲート電極層(図2の点線により囲まれた部分)22
と、それらポリシリコンゲート電極層22上に酸化膜を
介して設けられたエミッタ電極層(左上がりの斜線部
分)23とを有する。各セグメントのポリシリコンゲー
ト電極層22は、各セグメント内に設けられたセグメン
ト用導電層(以下セグメント用金属ゲート電極層とい
う)241に接続され、それら各セグメント用金属ゲー
ト電極層241は連結用導電層(以下連結用金属ゲート
電極層という)242によりゲート電極端子取出し部1
3に接続される。
【0045】このように、本発明の第1の実施例では、
ポリシリコンゲート電極層22を各セグメントのみに形
成し、各セグメントからゲート電極端子取出し部13へ
配線層として、セグメント用金属ゲート電極層241お
よび連結用金属ゲート電極層242を用いている。その
際、1個または複数個のセグメントを島状の1単位(セ
グメントユニット2)とし、そのセグメントユニット2
毎に1本の連結用金属ゲート電極層242を用いてゲー
ト電極端子取出し部13に接続している。したがって、
このセグメントユニット2をゲート電極端子取出し部1
3に対して適正に配置するとともに、セグメントユニッ
トの大きさ、セグメントの大きさを調整することによ
り、無効領域を削減できる。
【0046】更に、図3を参照して、ポリシリコンゲー
ト電極層22とセグメント用金属ゲート電極層241お
よび連結用金属電極層242との接続を詳細に説明す
る。図3(a)は図2中のA−A′の断面図であり、図
3(b)は図2中のB−B′の断面図である。但し、半
導体基板の表面側のみを示している。図3(a)によれ
ば、n型半導体基板31に設けられたp領域3
3と、p領域33に設けられたnエミッタ領域36
と、セグメント領域に設けられるポリシリコンゲート電
極層22と、nエミッタ領域36上に形成されたエミッ
タ電極層23と、ポリシリコンゲート電極層22上の酸
化膜37を選択的に開孔し、ポリシリコンゲート電極層
22と接続するセグメント用金属ゲート電極層241
と、セグメント用金属ゲート電極層241に一体に形成
された連結用金属ゲート電極層242とからなる。ま
た、図3(b)によれば、セグメント領域にポリシリコ
ンゲート電極層22が設けられ、ポリシリコンゲート電
極層22およびその上の酸化膜37に開孔部を選択的に
設けて、nエミッタ領域36及びpボディ領域33
に接続されるエミッタ電極層23が設けられている。更
に、ポリシリコンゲート電極層22の上部の酸化膜37
の開口部を介してセグメント用金属ゲート電極層241
が接続されている。
【0047】次に、図4を参照して、本発明の第1の実
施例に係るIGBTの断面構造及びその製造方法を併せ
て説明する。図4は図3(b)と同様の断面を示し、エ
ミッタ圧接板39及びコレクタ圧接板40を接続した状
態を示している。まず、第1のベース領域となるn
型半導体基板31の裏面に裏面pコレクタ層(第2
の主電極領域)32を形成する。次にフォトリソグラフ
ィーを用いて、酸化膜あるいはフォトレジストをマスク
として11を加速電圧35−50keV,ドーズ
量2−3×1015cm−2で、第1のベース領域(n
型半導体基板)31にイオン注入し、その後120
0℃,12時間程度のアニールにより第1のベース領域
(n型半導体基板)31の表面に、pボディ領
域33を形成する。さらに、11を加速電圧45
−60keV,ドーズ量1−3×1014cm−2等の
条件でイオン注入し、1100℃で10時間アニール
し、第1のベース領域(n型半導体基板)31の表
面に、pベース領域(第2のベース領域)35を形成す
る。なお、pボディ領域33の形成を省略し、pベ
ース領域35のイオン注入のドーズ量を増し、深めに第
1のベース領域(n型半導体基板)31の表面に、p
ベース領域(第2のベース領域)35を形成してもよ
い。さらに、n型半導体基板(第1のベース領域)
31の表面上に厚さ70−100nmのゲート酸化膜
(ゲート絶縁膜)34を熱酸化法等により形成し、その
上に厚さ350−600nmのポリシリコンゲート電極
層22をCVD法等により堆積形成する。その際、ポリ
シリコンゲート電極層22は、図2に示すように各セグ
メント毎に分割配置され、それぞれが複数の開孔部21
を有するように、フォトリソグラフィーおよびRIE等
を用いてパターン形成される。それら開孔部21を介し
て、すなわちポリシリコンゲート電極22をマスクとし
て用いて自己整合的にnエミッタ領域(第1主電極領
域)36をイオン注入等によりn型不純物を選択拡散し
て順次形成する。このときポリシリコンにも75As
がイオン注入され、いわゆるドープド・ポリシリコ
ン(DOPOS)となる。このイオン注入のとき、pベ
ースの中央部はフォトリソグラフィーを用いて酸化膜、
又はフォトレジストでマスクをしておく。イオン注入
は、たとえば75Asを加速電圧40−50ke
V,ドーズ量2−6×1015cm−2程度で行ない、
その後1000℃,20分間くらいアニールをすればよ
い。この後、表面上に酸化膜(層間絶縁膜)37を形成
後、酸化膜37を選択的に開孔し、nエミッタ領域3
6、pベース領域35及びpボディ領域33に接続
するようにエミッタ電極層23を形成する。ポリシリコ
ンゲート電極層22上の酸化膜37を選択的に開孔した
後、ポリシリコンゲート電極層22と接続するセグメン
ト用金属ゲート電極層241を形成する。更に、裏面p
コレクタ層32上にコレクタ電極層38を形成す
る。その後、IGBTの特性チェックを行う。次に、こ
のIGBTの特性チェックの方法を説明する。まず、1
本の連結用金属ゲート電極層242により連結された複
数個のセグメントの集合体を1単位(セグメントユニッ
ト2)として、各セグメントユニット2毎に動作チェッ
クを行う。次に、正常に動作しないセグメントユニット
2がある場合、そのセグメントユニット2を構成する各
セグメント毎に動作チェックを行う。それにより、不良
セグメントを発見することができる。尚、各セグメント
ユニット2毎の動作チェックを省略し、直接それぞれの
セグメント毎に動作チェックを行うこともできるが、大
面積となりセグメントの数が数百〜数千になった場合は
セグメントユニット毎に先ず行うことが高効率であるこ
とは容易に理解できるであろう。
【0048】このような特性チェックの結果、例えば、
図5に示されるように、ペレット内に不良セグメント
(斜線部分)12aが数箇所発見されたとする。その
際、不良セグメント12aの分離は、図6に示されるよ
うに、セグメント用金属ゲート電極層241と連結用金
属ゲート電極層242との接続部分(丸印部分)にエッ
チング液を滴下して切断・分離する。次に、セグメント
用金属ゲート電極層242とエミッタ電極層23とをゲ
ート・エミッタ短絡部25で導電物質により接続し、ゲ
ートとエミッタとを短絡して、不良セグメント12aが
動作しないようにする。導電物質としては例えば、銀ペ
ーストを用いて、セグメント用金属ゲート電極層241
とエミッタ電極層23とを接続することができる。ま
た、ゲート・エミッタ短絡部25は、図中に示される部
分に限定されることなく、セグメント用金属ゲート電極
層241とエミッタ電極層23とが接続可能な部分であ
ればよい。尚、上記距離Lを20−100μm程度とす
ることにより、ウェットエッチングを容易に行うことが
できる。距離Lはペレット内におけるセグメントの集積
度を悪化させない範囲で大きく設定することが望まし
い。次に、この不良セグメントの分離が終了したペレッ
トに、エミッタ電極23上にドーナツ状のエミッタ圧接
板39、コレクタ電極層38上にコレクタ圧接板40を
両側から圧接すればIGBTが完成する。
【0049】本発明のIGBTによれば、不良セグメン
ト12aのみを切断することができるため、ペレット内
の無効部分を最小限に抑えることができる。それによ
り、IGBTの大電流化を小さなペレット面積により達
成することができる。また、各セグメント12内に設け
られるポリシリコンゲート電極層22をエミッタ電極層
23を取り囲む周辺部までの大きさに形成し、ポリシリ
コンゲート電極層22とセグメント用金属ゲート電極層
241をエミッタ電極層23の周辺部で接続する。その
結果、セグメントのターンオン時のゲートへのバイアス
が均一になり、ターンオン・タイムのセグメント内バラ
ツキを小さくすることができる。更に、ゲート電極端子
取出し部13と各セグメント12とは、連結用金属ゲー
ト電極層242で接続されているため、ゲートバイアス
のバラツキをペレット内の各セグメント12間において
小さくすることができる。その結果、ターンオン・ター
ンオフ時の電流集中が抑制され、安定した素子特性を得
ることができる。尚、セグメント用及び連結用金属ゲー
ト電極層241,242はAl層若しくは、Al層とT
i等の高融点金属層との2層構造とすることが可能であ
る。上記2層構造とした場合、切断の際に用いるエッチ
ング液は、各材質に最適なものを用いて段階的にエッチ
ングする。
【0050】次に図7を用いて本発明の第2の実施例に
係るベース抵抗制御サイリスタ(BRT)について説明
する。BRTセルは、図7に示される様に、まず、第2
導電型低不純物密度の第1のベース領域としてのn
型半導体基板31表面に、不純物を拡散して、第1導電
型の第2のベース領域としてのpベース領域35及びp
ダイバータ(diverter)領域73を形成する。pベース
領域(第2のベース領域)35にnエミッタ領域(第1
主電極領域)36を不純物を拡散して形成する。さらに
型半導体基板31の裏面には順次積層成長させて
バッファ層75及び裏面pアノード層(第1
導電型高不純物密度の第2の主電極領域)76を形成す
る。pベース領域35及びpダイバータ領域73上にゲ
ート酸化膜(ゲート絶縁膜)34を形成し、このゲート
酸化膜34上にポリシリコンゲート電極層22を形成す
る。ポリシリコンゲート電極層22を被覆するように酸
化膜37を形成し、その酸化膜37の開孔部を介してp
ダイバータ領域73とnエミッタ領域36とに電気的に
接続するカソード電極層80を形成する。さらに、裏面
アノード層76にアノード電極層81を形成す
る。BRTのターンオンはポリシリコンゲート電極層2
2を正バイアスにしてnチャンネルMOSFETを導通
し、IGBTと同様にオンさせる。オフは負電圧をポリ
シリコンゲート電極22に印加し、pベース領域35と
pダイバータ領域73との間のpチャンネルMOSFE
Tを導通(ショート)させて、ターンオフする。このよ
うなBRTセルを複数個含むセグメントを形成し、その
セグメントを複数個連結して1単位(セグメントユニッ
ト)として、ペレット内に配置する。その際、各セグメ
ント内のゲート電極としてポリシリコンからなるポリシ
リコンゲート電極層を形成し、それらポリシリコンゲー
ト電極層をセグメント用金属ゲート電極層を介しゲート
電極引出し部への引出し電極である、例えばAlからな
る連結用金属ゲート電極層へ連絡し、各セグメントユニ
ットを構成する。その後、本発明の第1の実施例の場合
と同様に各セグメントユニット2、および各セグメント
毎の動作チェックを行ない、不良セグメントを分離し、
その後カソード圧接板139およびアノード圧接板14
1を両側から圧接すれば図7に示すBRTが完成する。
【0051】図8は本発明の第3の実施例に係るMOS
制御サイリスタ(MCT)の断面図である。MCTセル
は、図8に示される様に、まず、第2導電型低不純物密
度の第1のベース領域としてのn型半導体基板の裏
面にnバッファ層75、pアノード層(第1導
電型高不純物密度の第2の主電極領域)76を形成す
る。次に、このn型半導体基板31の表面にp型不
純物を拡散してpベース領域(第1導電型の第2のベー
ス領域)35を形成する。pベース領域35の中にn
エミッタ領域(第2導電型高不純物密度の第1主電
極領域)36と、nエミッタ領域よりも浅いnベー
ス領域55を形成する。さらにnベース領域55とn
エミッタ領域36の界面近傍にpショート領域
56を形成する。pベース領域35、nベース領域5
5、及びn型半導体基板31の表面上にゲート酸化
膜(ゲート絶縁膜)34を形成し、このゲート酸化膜3
4上にポリシリコンゲート電極層22を形成する。ポリ
シリコンゲート電極層22を被覆するように酸化膜37
を形成し、pショート領域55とnエミッタ領
域36とを電気的に接続するカソード電極層80を形成
する。さらに、裏面pアノード層76にアノード電
極層81を形成する。このようなMCTセルを複数個含
むセグメントを形成し、そのセグメントを複数個連結し
て1セグメントユニットとして、ペレット内に配置す
る。その際、各セグメント内のゲート電極としてポリシ
リコンからなるポリシリコンゲート電極層22を形成
し、それらポリシリコンゲート電極層22をセグメント
用金属ゲート電極層241を介してゲート電極引出し部
への引出し電極である、例えばAl等の金属からなる連
結用金属ゲート電極層に連結し、セグメントユニットを
構成する。その後、本発明の第1および第2の実施例の
場合と同様に、各セグメントユニットおよび各セグメン
ト毎の動作チェックを行ない、不良セグメントを分離
し、その後カソード圧接板139およびアノード圧接板
141を両側から圧接すれば図8に示すMCTが完成す
る。図8においてnベース領域55とn型半導体基
板の間にpベース領域35の表面をチャンネルとするn
チャンネルMOSFETが形成され、ゲートに正電位を
印加することにより、nチャンネルMOSFETが導通
し、n型半導体基板31に電子が注入されることに
よりMCTがターンオンする。これによりpアノー
ド層76からも正孔の注入が生じ大量の導通電流が流れ
ることとなる。MCTのターンオフはpショート領
域56とpベース領域35との間にnベース領域55の
表面をチャンネルとするpチャンネルMOSFETのゲ
ートに負電圧を印加することによりn型半導体基板
中の正孔を引き抜きターンオフする。
【0052】図9は本発明の第4の実施例に係るSIサ
イリスタ(静電誘導サイリスタ)を主サイリスタとした
MOS複合半導体素子であるMCSITH(MOS制御
SIサイリスタ)の断面図である。図9において、n
領域61、p領域76、p領域63及びn
−−領域65はそれぞれSIサイリスタ1のカソード領
域、アノード層、ゲート領域及びチャンネル領域であ
る。n領域61とp領域63との間にチャンネル
領域65より高不純物密度のnウェル領域64が形成さ
れ、このnウェル領域64の内部にpMOSトランジス
タのpドレイン領域62が形成され、p領域6
3がpMOSトランジスタのソース領域となっている。
nウェル領域64の表面は、pMOSトランジスタがデ
ィプリーション型(ノーマリオン型)となるようにチャ
ンネルドープ等が施されている。ポリシリコンゲート電
極層22は、pMOSトランジスタのゲート電極とであ
るが、同時に、SIサイリスタのpゲート領域63
の上部に形成されたターンオン用のコンデンサの一方の
電極としても機能する。即ち、ポリシリコンゲート電極
層22と酸化膜等の絶縁膜34とSIサイリスタのp
ゲート領域63とでコンデンサが形成されている。
このコンデンサの容量値が大きい程SIサイリスタのタ
ーンオン時間が短くなるが、あまり大きくするとSIサ
イリスタのゲートに蓄積された容量が増大し、ターンオ
フ時間が長くなる。従って、このコンデンサの容量に
は、ターンオン時間及びターンオフ時間を共に短くする
ための最適値が存在し、それはSIサイリスタのゲート
領域自身の有する容量(ゲート・カソード間容量
GK)の10〜80倍程度が良い。従って、p
ート拡散領域63の上部の絶縁膜として用いる薄い酸化
膜34の厚みは、100nm以下の値、望ましくは7〜
20nmの厚みが良い。Al等の金属から成るカソード
電極層80は、nカソード領域61とpドレイ
ン領域62とを接続している。Al等から成るアノード
電極層81はpアノード層76に接している。n
−−領域65の不純物密度は1011〜1013cm
−3程度の低不純物密度とし、nウェル領域64の不純
物密度を1016cm−3程度とすれば、SIサイリス
タをノーマリオフ型としてゲート長Lが2μm以下のp
MOSトランジスタを構成しても、pMOSトランジス
タのソース・ドレイン間にパンチスルー電流は流れな
い。nウェル領域64の不純物密度を1018cm−3
程度とすれば、サブミクロンゲート長のpMOSトラン
ジスタを構成できるので、オン抵抗が極めて低減され、
しかもpMOSトランジスタのパンチスルー電流による
リーク電流は小さくなる。p領域76,62,63
の不純物密度は1018〜1020cm−3であり、n
カソード領域61の不純物密度は1018〜10
21cm−3である。このようなMCSITHセルを複
数個含むセグメントを形成し、そのセグメントを複数個
連結して1セグメントユニットとしてペレット内に配置
する。その際、各セグメントのポリシリコンゲート電極
層22は図9に示すようにセグメント用金属ゲート電極
層241に接続され、本発明の第1の実施例で示した図
2と同様に、セグメント用金属ゲート電極層241は連
結用金属ゲート電極層242に接続され、また各セグメ
ントは連結されてセグメントユニットが形成され、ペレ
ット中央部のゲート電極取出し部13に導かれる。な
お、本発明の第1〜第3の実施例においても同様ではあ
るが、より高速動作させるためにはポリシリコンゲート
電極層22をWSi やTiSi 等の高融点金属の
シリサイド膜、もしくはW,Mo,Co等の高融点金
属、あるいは、これらを用いたポリサイド膜とすること
が望ましいことは勿論である。本発明の第4の実施例に
おいても、カソード圧接板139、アノード圧接板14
1を両側から圧接する前に、各セグメントユニット毎、
各セグメント毎の動作チェックを行ない、不良セグメン
トは図6と同様に切断・分離し、その後、最終組み立て
工程を行う。MCSITHの基礎となるSIサイリスタ
は静電誘導効果で動作する、すなわち電圧駆動型のデバ
イスであるため、電流集中が生じにくいので大面積化が
容易である。したがって、本発明のリダンダンシー技術
を併用することにより、さらにペレットの大型化が容易
となり、5インチペレット、6インチペレット等の大電
流用MCSITHが容易に製造できる。
【0053】本発明の第4の実施例において、SIサイ
リスタのターンオンを行うには、ポリシリコンゲート電
極層22に正の電圧を印加してpゲート領域63の
上部に接続されたコンデンサを介してn−−チャンネル
領域65中に形成される電位障壁の高さを容量結合(静
電誘導効果)で下げ、nカソード領域61から電子
が注入されるようにする。注入された電子はn−−チャ
ンネル領域65とpアノード層76との界面近傍に蓄
積され、その結果、アノード電極層81側のn−−チャ
ンネル領域65中に形成されるホールに対する電位障壁
が消滅し、アノード層76からホールの注入が起こり、
このホールがnカソード領域61からの電子の注入
をさらに促進し、SIサイリスタはターンオンする。こ
の時、ディプリーション型のpMOSトランジスタは、
ポリシリコンゲート電極層22に正の電圧が印加される
ために、遮断状態になる。一方、ポリシリコンゲート電
極22に印加する電圧を零ボルトとすると、pMOSト
ランジスタは導通状態となり、pゲート領域63を
介してホールがカソード電極層80側に引き抜かれ、n
カソード領域61の前面の電子に対する電位障壁が
高くなり、SIサイリスタはターンオフする。このよう
に単一の矩形パルスをポリシリコンゲート電極に印加す
ることにより、大電流のオン・オフが可能なMCSIT
Hが動作する。
【0054】なお、MCSITHとは異なる構造である
がMOS−SIT(静電誘導トランジスタ)とバイポー
ラトランジスタとのMOS複合デバイスとしてMOSフ
ィールド制御サイリスタ(FCT)にも本発明を適用で
きる。MOS−FCTはディプリィーションモード・サ
イリスタ(DMT)のサイリスタのpベースをなくした
構造に似ているといえるが、米国電子通信学会(IEE
E)のアイ・イー・デー・エム・テクニカルダイジェス
ト(IEDM Tech.Digest)1989年の第293頁等
に詳細に記載されている。
【0055】図10に本発明の第5の実施例に係るIG
BTの不良セグメント分離工程前の概略上面図、図11
に本発明の第5の実施例のIGBTの不良セグメント分
離後の概略上面図を示す。本発明の第5の実施例に係る
IGBTの製造工程は本発明の第1の実施例とほぼ同様
であるが、本発明の第1の実施例とは、ゲート配線方法
と不良セグメントの分離方法が異なる。本発明の第1の
実施例では、各セグメント用金属ゲート電極層241と
セグメントユニットの連結用金属電極層242は単一の
金属層として接続されていた。本発明の第5の実施例で
は、図10に示すようにセグメント用金属電極層241
と連結用金属ゲート電極層242は前もって、絶縁体か
らなる分離部29により分離されて形成されている。セ
グメント用および連結用金属ゲート電極層241,24
2は、たとえばTiを400nm,Alを4μm堆積し
た多層金属層あるいはAl−Cu−Si等のようなAl
合金膜とすればよい。そして、各セグメント毎でIGB
Tの特性チェックを行い、特性の良好なセグメントは図
11に示すようにセグメント用金属ゲート電極層241
と連結用金属電極層242とをAl等の圧接緩衝用金属
を兼ねた第2金属層130で接続する。一方、不良セグ
メント部分についてはセグメント用金属電極層241と
エミッタ電極層23aを第2金属層131にて短絡し、
セグメント用金属ゲート電極層241と連結用金属ゲー
ト電極層242は接続せず不良セグメントが動作しない
ようにする。
【0056】このセグメント用金属ゲート電極層241
と連結用金属電極層242との接続、セグメント用金属
ゲート電極層241とエミッタ電極層23の短絡は次の
ような工程で行う。まず、各セグメントのIGBTの特
性測定後、良品セグメントと不良セグメントの位置を明
確にする。次に圧接緩衝用の第2金属層のパターニング
用のマスクを各セグメントが接続又は短絡できるように
準備する。例えば厚さ5〜10μmのAl等の第2金属
層用の金属膜を蒸着後、このマスクを用いてフォトリソ
グラフィー工程を行い分離部29の上の接続配線130
及びセグメント用金属ゲート電極層241とエミッタ電
極層23の上の短絡配線131とエミッタ電極層23を
形成する。この場合、マスクは接続・短絡配線130,
131とエミッタ電極層23の両方が同時にできるもの
でもよいし、それぞれを別々に行うもののどちらでもよ
い。なお、第1層金属層としてTi/Al/Mo,Al
−Si/Mo,Al−Si−Cu/Mo等の複合膜を用
い、第2層金属層としてAl,Al−Si,Al−Si
−Cuのいずれかを用いれば第1層金属層と第2層金属
層の接触が良好となる。第2金属層のパターン形成が終
了した後、たとえば420℃〜450℃で真空中、水素
ガス(H )中、あるいは不活性ガス中で10〜20
分間シンタリングを行なう。そして、この後エミッタ電
極層23及びゲート電極端子取出部13のみ露出させ、
他の表面は絶縁膜又はポリイミド膜などで被膜し、中央
部にゲート電極端子取出部13を開孔したエミッタ圧接
板39をエミッタ電極層23側に、裏面全面を圧接する
形状のコレクタ圧接板40を、コレクタ電極層38側に
圧接し、素子を組み立てる。
【0057】本発明の第5の実施例に係るIGBTの不
良セグメント分離方法によれば、不良セグメントの分離
のための切断しろは極めて小さくできる。たとえば顕微
鏡下、あるいは目視にてエッチング液滴下によるウェッ
トエッチング、あるいは機械的手法による配線の切断の
ためには20〜100μmの切断しろが必要となるが、
本発明の第5の実施例に記載した方法によれば切断しろ
は0.7〜1μm程度に設定することも可能となる。し
たがって、パターンの微細化および高集積化が可能とな
り、大電流用の高速かつ低オン抵抗、低導通ロスの半導
体装置が極めて容易に製造でき、その歩留りも高いもの
となる。
【0058】次に、本発明の第6の実施例に係るIGB
Tの不良セグメント分離工程前の概略上面図を図12
に、その不良セグメント分離後の概略上面図を図13に
示す。本発明の第6の実施例も本発明の第5の実施例と
同様各セグメントIGBTの特性測定後、良品セグメン
トと不良セグメントの位置を明確にする。そして、第2
金属層を蒸着後、例えば、ステッパーで良品セグメント
の領域については、セグメント用金属電極層241、連
結用金属ゲート電極層242およびエミッタ電極層23
の上部の第2金属層138が正常にパターニングされる
よう正規の座標で露光し、不良セグメント領域について
はエミッタ電極層23aの上部の第2金属層137によ
りセグメント用金属ゲート電極層241とエミッタ電極
層23aが短絡され、セグメント用金属電極層241と
連結用金属ゲート電極層242とは接続されないようパ
ターンの座標をずらして逐次移動露光しパターニングす
る。この場合は、不良セグメントを指定して、ステッパ
ーのコントローラに入力するだけで、半自動的に不良セ
グメントの分離のパターン形成が可能となる。そしてこ
の後、本発明の第1、第5の実施例と同様絶縁膜を形成
し、図4と同様にエミッタ圧接板39をエミッタ電極層
23側に、コレクタ圧接板40をコレクタ電極層39に
圧接して素子を組立てる。
【0059】なお、以上の実施例ではnチャンネル型I
GBT等のnチャンネル型半導体装置について説明した
が、導電型を逆にしpチャンネル型としてもよいことは
勿論である。なお、本発明の実施例では、IGBT,B
RT,FCT、およびMCSITHについて説明した
が、これ以外の絶縁ゲート型半導体装置、例えばパワー
MOSFET,UMOSFET,VMOSFET,MA
GT、DMT、あるいはその他のMOSサイリスタ、M
OSGTO等に適用可能であることも勿論である。例え
ばMAGTはプロシーディング・オブ・ザ・アイエスピ
ーエスデー(Proc.ISPSD)の1990年の第277頁等
に詳細に記載されているように、電流駆動用のベースと
MOSゲートの二つの制御端子をもつMOS複合デバイ
スであるが、本発明が適用できることは容易に理解され
るであろう。またSiデバイスに限定する必要はなく、
SiCでパワーMOSデバイスを構成すれば、特に60
0℃以上での高温においても動作可能な、大面積・大電
流のパワーデバイスが実現される。また、GaAs−G
aAlAsヘテロ接合による絶縁ゲート構造の半導体装
置やInPの表面に形成したSiO膜によるMOS
半導体装置等他の絶縁ゲート型半導体装置に適用できる
ことはもちろんである。特に化合物半導体装置ではTi
/Pt/Au,Ti/Ni/Au−Ge/Au等の複雑
な、しかもAuのようなエッチングの困難な金属を含む
多層金属配線が用いられるので本発明の第5、第6の実
施例に示した技術は、それらの金属配線の切断をそれぞ
れのエッチング液を用意して、何度も繰り返して行う必
要もないので、不良セグメントの分離を極めて容易に行
うことができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、複数個のセグメントの
集合からなるセグメントユニットを1単位として、その
単位毎に設けた1本の連結用金属ゲート電極層を用い
て、各セグメントのポリシリコンゲート電極層をゲート
電極端子取出し部に接続させた構造である。ペレット内
のセグメントの配置は、セグメントユニットおよびセグ
メントの大きさを調整して適正に配置される。従ってペ
レット内の無効面積が削減され実効的な集積度が向上す
る。不良セグメントがある場合でも、その不良セグメン
トのみをセグメント用金属ゲート電極層241と連結用
金属電極層242との間で切断すればよく、ペレット内
の無効部分を最小限に抑えることができる。従って、チ
ップ面積を増大させることなく、大電流化を図ることと
同時に単位チップ面積(ペレット面積)当りのオン抵抗
や導通ロスを低減できる。更に、ターンオン・オフ時の
電流の均一化が図れる。
【0061】本発明によれば、セグメントの面積は必要
に応じて小さく選定し、設計することが可能となるの
で、単位セグメント当りの不良・故障の確率は小さくな
る。しかも不良・故障の発生した場合は、その部分を分
離したことによる損失面積も小さく、二重の利点を有し
ている。
【0062】本発明によれば、不良セグメントの分離と
いったリダンダンシー技術が簡単にできるため、500
Aクラスから1000Aクラス以上といった大面積の絶
縁ゲート型半導体装置の製造が容易となり、生産性が増
大する。本発明によれば不良セグメント分離工程時に、
他の良品セグメントを傷つけるといったことも生じず、
簡単かつ短時間で不良セグメントの分離が可能となる。
【0063】本発明によれば、ペレット上の金属配線層
を多層配線とした場合でも簡単に不良セグメントの分離
ができる。例えば、MOS構造で良く用いられる、Al
スパイクを防止するためにAlの下地にTi等のバリア
メタルを形成した場合においても、異った金属用にそれ
ぞれ異なった金属エッチング液を用意して長時間の手間
のかかるエッチングを行わなくてもよくなるので、生産
性が向上し最終製品としての歩留りが向上する。またP
t等のエッチングの困難なバリアメタルを使っても簡単
に不良セグメントの分離ができるので生産性が向上す
る。
【0064】本発明によれば、不良セグメントの分離の
ための切断しろは極めて小さくできる。たとえば顕微鏡
下、あるいは目視にてエッチング液滴下によるウェット
エッチング、あるいは機械的手法による配線の切断のた
めには20〜100μmの切断しろが必要となるが、本
発明の第5および第6の実施例に記載した方法によれば
切断しろは0.7〜1μm程度に設定することも可能と
なる。したがって、パターンの微細化および高集積化が
可能となり、大電流用の高速かつ低オン抵抗、低導通ロ
スの半導体装置が極めて容易に製造でき、その歩留りも
高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るIGBTのペレッ
ト内のセグメントの配置を示す上面図である。
【図2】図1中の点線部分(セグメントユニット2)を
詳細に示す上面図である。
【図3】図2中のA−A′を示す断面図(a)、図2中
のB−B′を示す断面図(b)である。但し、半導体基
板の表面側のみを示している。
【図4】図3(b)を更に詳細に示し、エミッタ圧接板
及びコレクタ圧接板を圧接した断面図である。
【図5】ペレット内の不良セグメント(斜線部分)を示
す上面図である。
【図6】図5内の点線部分の一部を示す上面図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係るBRTの断面図で
ある。
【図8】本発明の第3の実施例に係るMCTの断面図で
ある。
【図9】本発明の第4の実施例に係るMCSITHの断
面図である。
【図10】本発明の第5の実施例に係るIGBTの製造
工程途中の平面図である。
【図11】本発明の第5の実施例に係るIGBTの不良
セグメント分離後の平面図である。
【図12】本発明の第6の実施例に係るIGBTの製造
工程の途中を表わす平面図である。
【図13】本発明の第6の実施例に係るIGBTの不良
セグメント分離後の平面図である。
【図14】従来のIGBTのペレット内のセグメントの
配置を示す上面図(a)と、セグメントのポリシリコン
ゲート電極層を拡大した上面図(b)である。
【図15】図14中のX−X′断面を示す断面図であ
る。但しエミッタ圧接板及びコレクタ圧接板を接続した
状態を示す。
【図16】従来のIGBTのペレット内の不良セグメン
トの切断・分離方法を示す上面図である。
【符号の説明】
2 セグメントユニット 11 ペレット基板 12,301,302,…,316 セグメント 12a 不良セグメント 13 ゲート電極端子取出し部 21 開孔部 22 ポリシリコンゲート電極層 23 エミッタ電極層 23a 不良セグメントのエミッタ電極層 24 金属ゲート電極層 25 ゲート・エミッタ短絡部 29 分離部 31 n型半導体基板(nベース領域) 32 裏面pコレクタ層 33 p領域(pボディ領域) 34 ゲート酸化膜 35 pベース領域 36 nエミッタ領域 37 酸化膜 38 コレクタ電極層 39 エミッタ圧接板 40 コレクタ圧接板 55 nベース領域 56 pショート領域 61 nカソード領域 62 pドレイン領域 63 p埋め込みゲート領域 64 nウェル領域 65 n−−チャンネル領域 73 pダイバータ 75 nバッファ層 76 pアノード層 80 カソード電極層 81 アノード電極層 130,131,137,138 第2金属層 139 カソード圧接板 141 アノード圧接板 241 セグメント用導電層(セグメント用金属ゲート
電極層) 242 連結用導電層(連結用金属ゲート電極層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/74 M 601A 601C (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/336 H01L 29/74 H01L 29/749 H01L 29/78

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の第1の主電極領域に接続された
    第1の主電極層、該第1の主電極層に対向した第2の主
    電極層、および前記第1及び第2の主電極層間を流れる
    主電流を制御するためのゲート電極層とからなる単位構
    造をセグメントとし、複数個の該セグメントをペレット
    基板上に配列した電力用半導体装置であって、 前記ペレット基板上に配置されたゲート電極端子取り出
    し部と、 該ゲート電極端子取り出し部に接続された所定の線幅を
    有する複数本の連結用導電層と、 該連結用導電層のそれぞれに接続された複数本のセグメ
    ント用導電層と、 該セグメント用導電層のそれぞれに、一対一に対応して
    接続され、且つ他のセグメントとは空間的に独立して配
    置された前記ゲート電極層と、 前記ゲート電極層のそれぞれの内部となる位置に配置さ
    れた前記第1の主電極層とを少なくとも有することを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲート電極端子取り出し部は、前記
    ペレット基板の中央部に配置され、前記複数本の連結用
    導電層は、前記ゲート電極端子取り出し部からそれぞれ
    放射状に、且つ直線的に周辺部に向かって延びることを
    特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記複数本の連結用導電層は、各連結用
    導電層から該各連結用導電層に対してそれぞれ垂直方向
    に分岐する複数個の分岐配線部を具備し、該複数個の分
    岐配線部を介してのみ、前記複数個のセグメント用導電
    層と前記各連結用導電層とが、それぞれ互いに電気的に
    接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記複数本の連結用導電層は、各連結用
    導電層から垂直方向に分岐する複数個の短かな分岐配線
    部を具備し、該複数個の短かな分岐配線部を介して、前
    記複数個のセグメントのうち特性良好なセグメントに接
    続された前記セグメント用導電層と前記連結用導電層と
    が連続的に形成され、 前記複数個のセグメントのうち特性不良なセグメントに
    接続された前記セグメント用導電層は、前記分岐配線部
    において前記連結用導電層と電気的に分離されて配置さ
    れ、前記特性不良なセグメントのみにおいて、前記セグ
    メント用導電層と前記第1の主電極層とが短絡されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 第1層金属層からなる前記複数本の連結
    用導電層と、 前記第1層金属層からなり、各連結用導電層から垂直方
    向に分岐する複数個の矩形の分岐配線部と、 絶縁体からなる分離部を介して、それぞれの端部が前記
    分岐配線部の最近接位置となるように配置され、且つ前
    記第1層金属層からなる複数本のセグメント用導電層
    と、 前記セグメント用導電層と前記連結用導電層とを電気的
    に接続すべく前記分離部の上部に局所的に配置された第
    2層金属層とから少なくとも構成されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記複数本の連結用導電層と、各連結用
    導電層から垂直方向に分岐する複数個の矩形の分岐配線
    部と、絶縁体からなる分離部を介して、それぞれの端部
    が前記分岐配線部に最近接位置となるように配置された
    複数本のセグメント用導電層とが、第1層金属層により
    それぞれ形成された半導体装置において、 前記複数個のセグメントのうち特性良好なセグメントに
    接続された前記セグメント用導電層は、前記分離部の上
    部に局所的に配置された第2層金属層により、前記セグ
    メント用導電層と前記連結用導電層とが互いに橋渡しさ
    れ、電気的に接続され、 前記複数個のセグメントのうち特性不良なセグメントに
    接続された前記セグメント用導電層は、前記分離部によ
    り前記連結用導電層と電気的に分離され、前記特性不良
    なセグメントのみにおいて、前記セグメント用導電層と
    前記第1の主電極層とが前記第2層金属層により短絡さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載半導体装
    置。
  7. 【請求項7】 前記複数個のセグメントは、それぞれ実
    質的に同じ面積で、同じ形状であることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか1項記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の主電極層は、矩形形状であ
    り、前記セグメント用導電層は、完全に閉じない形状
    で、前記第1の主電極層の周りに配置されていることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の半導体
    装置。
  9. 【請求項9】 前記ゲート電極層は、ポリシリコンゲー
    ト電極層であり、前記セグメント用導電層が該ポリシリ
    コンゲート電極層の周辺部において、コンタクト孔を介
    して、前記ゲート電極層に電気的に接続していることを
    特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の半導体
    装置。
  10. 【請求項10】 前記セグメント用導電層は、前記連結
    用導電層とは一定距離離間して互いに平行に配置された
    配線パターン部を有することを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれか1項記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記一定距離は、20μm乃至100
    μmであることを特徴とする請求項10記載の半導体装
    置。
  12. 【請求項12】 前記分岐配線部とセグメント用導電層
    との間の前記分離部の長さは0.7μm乃至1μmであ
    ることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項記
    載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記セグメント用導電層は、前記連結
    用導電層と互いに平行に配置された2辺と、前記連結用
    導電層とは、直交方向に配置された1辺とからなるコの
    字形状であることを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れか1項記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】 前記連結用導電層の下部、前記分岐配
    線部の下部及び前記分岐配線部近傍の前記セグメント用
    導電層の下部には、前記ポリシリコンゲート電極層が配
    置されていないことを特徴とする請求項9乃至13のい
    ずれか1項の半導体装置。
  15. 【請求項15】 前記電力用半導体装置は,BRT,M
    CT,MCSITH、又はMAGTのいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項記載の
    半導体装置。
  16. 【請求項16】 (イ)第1導電型高不純物密度の第2
    の主電極領域の上部に、第2導電型低不純物密度の第1
    のベース領域が配置された構造において、該第1のベー
    ス領域の表面の複数のセグメント領域の内部に、複数の
    第1導電型の第2のベース領域を形成する工程と、 (ロ)該複数の第2のベース領域の相互の間に位置す
    る、該第1のベース領域の表面、および該第2のベース
    領域の表面の上部にゲート絶縁膜を形成する工程と、 (ハ)該ゲート絶縁膜の上部に、ポリシリコン層を堆積
    し、該ポリシリコン層が前記複数のセグメント領域内に
    のみ残留するように、周辺部が矩形で、内部に複数の開
    口部を有した形状にパターニングし、互いに空間的に分
    離された複数のポリシリコンゲート電極層を形成する工
    程と、 (ニ)前記ポリシリコンゲート電極層に形成された前記
    開口部を利用して、前記複数の第2のベース領域のそれ
    ぞれの内部に第2導電型高不純物密度の第1主電極領域
    を形成する工程と、 (ホ)該ポリシリコンゲート電極層を含んで該第1のベ
    ース領域の表面に形成された層間絶縁膜を形成する工程
    と、 (へ)前記ポリシリコンゲート電極層の周辺部及び、前
    記第1主電極領域の上部の前記層間絶縁膜を除去し、コ
    ンタクト孔を開口する工程と、 (ト)前記層間絶縁膜の上部に導電層を堆積し、該導電
    層をパターニングして、 同一線幅で直線状に延びる複数本の連結用導電層と、該
    連結用導電層のそれぞれに複数個形成された分岐配線部
    と、該分岐配線部にそれぞれ接続され、且つポリシリコ
    ンゲート電極層に前記コンタクト孔を介して接続された
    複数本のセグメント用導電層と、前記コンタクト孔を介
    して前記第1主電極領域に接続された第1の主電極層と
    をそれぞれ形成する工程と、 (チ)前記セグメント領域毎に、前記第1主電極領域と
    前記セグメント用導電層との間の電気的特性を測定する
    工程と、 (リ)該測定する工程により、不良と判定されたセグメ
    ント領域の前記セグメント用導電層と前記連結用導電層
    の間を前記分岐配線部において、切断・分離する工程と
    を少なくとも含むことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 (イ)第1導電型高不純物密度の第2
    の主電極領域の上部に、第2導電型低不純物密度の第1
    のベース領域が配置された構造において、該第1のベー
    ス領域の表面の複数のセグメント領域の内部に、複数の
    第1導電型の第2のベース領域を形成する工程と、 (ロ)該複数の第2のベース領域の相互の間に位置す
    る、該第1のベース領域の表面、および該第2のベース
    領域の表面の上部にゲート絶縁膜を形成する工程と、 (ハ)該ゲート絶縁膜の上部に、ポリシリコン層を堆積
    し、該ポリシリコン層が前記複数のセグメント領域内に
    のみ残留するように、周辺部が矩形で、内部に複数の開
    口部を有した形状にパターニングし、互いに空間的に分
    離された複数のポリシリコンゲート電極層を形成する工
    程と、 (ニ)前記ポリシリコンゲート電極層に形成された前記
    開口部を利用して、前記複数の第2のベース領域のそれ
    ぞれの内部に第2導電型高不純物密度の第1主電極領域
    を形成する工程と、 (ホ)該ポリシリコンゲート電極層を含んで該第1のベ
    ース領域の表面に形成された層間絶縁膜を形成する工程
    と、 (へ)前記ポリシリコンゲート電極層の周辺部及び、前
    記第1主電極領域の上部の前記層間絶縁膜を除去し、コ
    ンタクト孔を開口する工程と、 (ト)前記層間絶縁膜の上部に第1層金属層を堆積し、
    該第1層金属層をパターニングして、同一線幅で直線状
    に延びる複数本の連結用導電層と、該連結用導電層のそ
    れぞれに複数個形成された分岐配線部と、該分岐配線部
    の先端に絶縁体からなる分離部を介して最近接に配置さ
    れ、且つポリシリコンゲート電極層に前記コンタクト孔
    を介して接続された複数本のセグメント用導電層と、前
    記コンタクト孔を介して前記第1主電極領域に接続され
    た第1の主電極層とをそれぞれ形成する工程と、 (チ)前記セグメント領域毎に、前記第1主電極領域と
    前記セグメント用導電層との間の電気的特性を測定する
    工程と、 (リ)前記測定する工程により、所定の規定値を満足す
    ると判定されたセグメントに接続されたセグメント用導
    電層のみと前記連結用導電層とを、前記分離部の上部に
    選択的に形成された第2層金属層を用いて接続する工程
    とを少なくとも含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記第2層金属層を用いて接続する工
    程は、 前記第1層金属層上、及び露出した前記層間絶縁膜上の
    全面に前記第2層金属層を堆積するステップと、 該堆積するステップの後に、前記第2層金属層をフォト
    リソグラフィーを用いてパターニングするステップとか
    らなることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記フォトリソグラフィーは同一レチ
    クルマスクパターンを用いた逐次移動式縮小露光法であ
    り電気的特性が所定の規定値を満足するセグメントに対
    しては正規の露光座標で、所定の規定値を満足しないセ
    グメントに対しては正規の露光座標から所定の寸法をず
    らした座標で行なうことを特徴とする請求項18に記載
    の半導体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第2層金属層を用いて接続する工
    程において、電気的特性が所定の規定値を満足しないセ
    グメントに対しては、さらに前記第1の主電極領域と前
    記セグメント用導電層とを短絡することを特徴とする請
    求項17に記載の半導体装置の製造方法。
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