JPH0962796A - 媒体搬送装置 - Google Patents

媒体搬送装置

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JPH0962796A
JPH0962796A JP7220153A JP22015395A JPH0962796A JP H0962796 A JPH0962796 A JP H0962796A JP 7220153 A JP7220153 A JP 7220153A JP 22015395 A JP22015395 A JP 22015395A JP H0962796 A JPH0962796 A JP H0962796A
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drive
drive roller
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rollers
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望 渡部
Kenji Hirasawa
賢司 平沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面駆動方式の媒体搬送装置では、駆動力伝
達系のロス、ローラの摩耗度やローラ製造上の個体差に
よるローラ径の相違等によって各搬送ローラ対の間で磁
気カードの搬送速度にバラツキが生じて、搬送速度の変
動が生じてカードの記録再生が不可となる。 【解決手段】 駆動手段19によって該駆動手段と一体
的に駆動される主駆動ローラ7Aと、駆動手段19との
間に介在させた伸縮性ベルト232を介して連結される
副駆動ローラ7Bとによって、記録媒体Cを挟持して搬
送する少なくとも一組の駆動ローラ対7を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体を挟持す
る駆動ローラ対が、駆動手段により駆動される両面駆動
方式の媒体搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気信号が記録再生可能な記録媒体、例
えば、磁気カードを搬送して磁気ヘッド等の情報記録再
生ヘッドにより同カードに対して磁気信号の記録再生を
行なう媒体搬送装置は、既に様々な分野で利用されてい
る。このような媒体搬送装置には、カードの搬送力アッ
プを図る目的から駆動ローラ対の双方を駆動する両面駆
動方式がある。この両面駆動方式の媒体搬送装置では、
対向する駆動ローラがそれぞれ駆動手段で駆動されて、
媒体搬送路に挿入された磁気カードを両方のローラで挟
持して搬送している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した両面駆動方式
の媒体搬送装置での問題点は、対向する駆動ローラ対の
周速差による不具合が現れ易いということである。例え
ば駆動ローラの径を同一径に形成して同一回転数で駆動
する場合でも、駆動ローラの周速、すなわちローラ自身
の変形を含んだ外径でのローラ表面速度または媒体搬送
速度は、駆動力伝達系のロス、ローラの摩耗度やローラ
製造上の個体差によるローラ径の相違等によって、実際
には同じ周速とするのは難しく、どちらのローラが早い
のか遅いかが不明である。このような状態の駆動ローラ
対でのカード搬送では、カードが何方の駆動ローラに支
配されて搬送されるのか分からず、カードの安定走行が
難しく、特に磁気ヘッド近傍での搬送速度の乱れはカー
ドの記録再生不可の原因となってしまう。本発明の目的
は、記録媒体を安定して搬送できる媒体搬送装置を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明では、駆動手段によって該駆動手段と一体的に駆動
される主駆動ローラと、上記駆動手段との間に介在させ
た伸縮性ベルトを介して連結される副駆動ローラとによ
って、記録媒体を挟持して搬送する少なくとも一組の駆
動ローラ対を構成した。請求項2記載の発明では、上記
副駆動ローラを上記主駆動ローラに対して移動可能とす
るとともに、上記副駆動ローラの移動により上記記録媒
体への押圧力を付与する押圧移動手段を備えた。請求項
3記載の発明では、上記主駆動ローラ及び副駆動ローラ
の直径を略同一径とし、かつ同じ押圧力が付与されたと
きに同一変形量となるように構成した。
【0005】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図1に符号1で示す媒体搬送装置は、媒体搬送路
2上に挿入される記録媒体としての磁気カードCを第1
駆動ローラ対6、第2駆動ローラ対7、第3駆動ローラ
対8で挟持して搬送し、媒体搬送路2に臨んで配置され
た情報記録再生ヘッドとしての磁気ヘッド4、5により
磁気情報としての記録再生信号の授受を行なうものであ
る。
【0006】媒体搬送路2は、図2に示すように、互い
に対向して並列されたフレーム1A、1Bの間に形成さ
れている。媒体搬送路2の挿入口2aには、カード検出
手段9、10が媒体搬送路2を介して対向配置されてい
る。カード検出手段9、10は、挿入される磁気カード
Cの磁気信号の有無により磁気カードであるか否かを検
知するもので、ここでは、駆動手段の駆動源となる駆動
モータ11の起動や媒体搬送路2内に進退自在な図示し
ない周知のシャッター機構の開閉動作のトリガーの1つ
となっている。
【0007】第1、第2、第3の各駆動ローラ対6、
7、8は、図1、図2に示すように、媒体搬送路2の下
方に配置された主駆動ローラ6A、7A、8Aと、媒体
搬送路2の上方に配置された副駆動ローラ6B、7B、
8Bとからそれぞれ構成されている。主駆動ローラ6
A、7A、8A及び副駆動ローラ6B、7B、8Bは、
その外周にゴム層を有するゴムローラであって、後述す
る駆動手段によりそれぞれ個別に駆動される両面駆動方
式となっている。
【0008】主駆動ローラ6A、7A、8Aは、フレー
ム1Aとフレーム1Cとに一対の軸受18a、18b、
18cを介して支持された駆動軸12、13、14にそ
れぞれ固定されている。駆動軸12、13、14には、
主駆動側の駆動手段19を構成するベルトプーリ19
1、192、193が設けられている。ベルトプーリ1
91、193は駆動軸12、14に対して軸受207A
を介して回転自在に支持され、ベルトプーリ192は駆
動軸13に固定されている(図3は一方のみを示す)。
ベルトプーリ191、192、193には、歯付駆動ベ
ルト190が掛けられている。歯付駆動ベルト190に
は、ベルトプーリ192の両側に回転自在に配置したテ
ンションプーリ21a、21b及びテンションプーリ2
2によってテンションが与えられており、駆動手段19
による主駆動ローラ6A、7A、8Aへの駆動力の伝達
ロス防止措置を採られている。
【0009】駆動軸12、14には、副駆動側の駆動手
段20を構成する歯車201、202が固定されてい
る。歯車201、202のスリーブ201a、202a
には、半径方向に延出するピン201b、202bがそ
れぞれ駆動軸12、14を貫通して設けられている。ピ
ン202bは、ベルトプーリ193に設けた軸方向に延
出する突部193aの回転範囲内に配置されており、同
プーリ193の回転により突部193aと係合可能とな
っている。
【0010】駆動軸12の最外端には、手動で駆動軸1
2を回転させるツマミ39が固定されている。歯車20
1とフレーム1Aの間には、歯車203が軸受207B
を介して回転自在に支持されている。歯車203には、
図4に示すように、ベルトプーリ191から突出する突
起191aが挿入される開口203aと、歯車201の
ピン201bと係合可能な突部203bが形成されてい
る。ピン201bは、突部203bの回動範囲内に配置
されている。
【0011】つまり、歯車203は、ベルトプーリ19
1と一体回転可能となっているとともに、回転して突部
203bとピン201bとが係合すると歯車201を一
体回転させて主駆動ローラ6Aを回転駆動するようにな
っている。また、歯車202は、ベルトプーリ193が
回転して突部193aとピン202bとが係合すると回
転して主駆動ローラ8Aを回転駆動するようになってい
る。このピン201b、202bが待機片を、突部20
3b、193aが可動片を成し、それぞれローラを一定
範囲で空転させる係合手段200A、200Bを構成し
ている。
【0012】駆動軸13には、大径プーリ194が固定
されていて、この大径プーリ194には、無端状のタイ
ミングベルト196aが駆動モータ11の出力軸11A
に固定された小径プーリ195との間で巻きかけられて
いる。
【0013】副駆動ローラ6B、8Bは、図3に示すよ
うに、フレーム1Aとフレーム1Cに一対の軸受18
d、18eを介して支持された駆動軸15、17にそれ
ぞれ固定され、副駆動ローラ7Bは、押圧移動手段3に
支持された駆動軸16に固定されている。駆動軸12,
15及び駆動軸14,17は、主駆動ローラ6Aと副駆
動ローラ6B、主駆動ローラ8Aと副駆動ローラ8Bの
周面がそれぞれ変形しない程度に接触する固定軸間とさ
れている。
【0014】駆動軸15、17には、歯車201、20
2と噛合する歯車204、205がそれぞれ固定されて
いる。駆動軸15には、図4にも示すように、歯車20
4とフレーム1Aの間に駆動手段20と駆動力緩衝手段
23の双方の一部を構成する歯車206を有する第1プ
ーリ231が軸受208A、208Bを介して回転自在
に支持されている。歯車206は、主駆動側の歯車20
3と噛合するようになっている。
【0015】駆動軸16には、第2プーリ233が固定
されている。この第2プーリ233と歯付プーリ231
には、2本の円周溝231a、233aがそれぞれ形成
されていて、各溝には、2本の丸ベルト232が掛け渡
されている。丸ベルト232は、伸縮性のあるもので、
主駆動ローラ7Aと副駆動ローラ7Bとの回転差が発生
すると、第1プーリ231と第2プーリ233に対して
丸ベルト232が伸縮するように、その伸縮力を設定さ
れている。つまり、この丸ベルト232は、ベルト駆動
手段20で副主駆動ローラ7Bに伝達される駆動力を緩
衝して、カードCから第2搬送ローラ対7に入力される
過負荷時に主駆動ローラ7Aに対して副主駆動ローラ7
Bを従させるようになっている。ここでは、丸ベルト2
32を用いているが、これに限定することは無く、例え
ば伸縮性の平ベルトであっても良い。この場合、平ベル
トを巻きかけるプーリに丸ベルト232を用いる場合の
ような円周溝を設けなくて済む。
【0016】次に、押圧移動手段3について説明する。
押圧移動手段3は、副駆動ローラ7Bを主駆動ローラ7
Aに対して移動自在に支持すると共に押圧付勢するもの
で、図3、図5、図6に示すように、駆動軸16を支持
するパッドアーム30と、圧縮コイルバネ32とを備え
ている。パッドアーム30は、断面コの字型をしてカー
ド搬送方向(矢印A方向)に向かって延出している。パ
ッドアーム30の基端301は、カード挿入口2a側に
配置されていて、フレーム1A、1Cに軸31によって
揺動自在に支持されている。パッドアーム30の自由端
302には、側面30a、30bに軸受37、38を介
して駆動軸16が回転自在に支持されている。駆動軸1
6は、同軸の直径よりも大きくフレーム1Aに設けた開
口1Eから媒体搬送路2外に突出していて、移動時にお
けるフレーム1Aとの干渉防止構造を採られている。
【0017】駆動軸16の上方に位置するパッドアーム
30には、アームガイド軸33がスペーサ36を介して
上方に向かって貫通配置されている。アームガイド軸3
3の上端側には、図6に示すようにねじ部33aが形成
されている。このねじ部33aは、フレーム1Aに形成
されたパッドフレーム1Dに螺合しており、パッドアー
ム30の自由端302側を移動可能に釣支している。ね
じ部33aには、パッドフレーム1Dの上方側から緩み
止め用のロックナット35が螺合されている。
【0018】パッドフレーム1Dの下面1Daとパッド
アーム30の上面30cの間には、圧縮コイルバネ32
がアームガイド軸33を囲むように配置されており、駆
動軸16を下方に向かって付勢してカードCに対する押
圧力を出している。また、アームガイド軸33の先端に
は、溝33bが形成されていて、この溝33bに図5に
示すように、工具40を挿入して回転させることで、主
駆動ローラ7Aと副駆動ローラ7Bとの間隔の調整を可
能している。
【0019】カードCと磁気ヘッド4、5について説明
する。本実施例における磁気カードCには、図11
(a)に示す磁気ストライプC1aがカード上面や下面
に設けられたクレジットカード等に代表される厚カード
C1と、図11(b)に示す磁気ストライプC2aがカ
ード下面に設けられたプレペイドカード等に代表される
薄カードC2とが用いられる。磁気ヘッド4は厚カード
C1に対応し、磁気ヘッド5は厚カードC1と薄カード
C2の両方に対応するもので、それぞれカードC1、C
2の磁気ストライプC1a、C2aと接触することで磁
気記録信号の授受を行なう。磁気ヘッド4は、図示しな
い押圧手段によって磁気ヘッド5に向かって付勢されて
いる。また、磁気ヘッド4、5は、第2駆動ローラ対7
の近傍に軸方向にずれて配置されている。すなわち、第
1及び第3駆動ローラ対6,8は、磁気ヘッド4,5に
対して搬送方向前後に配置されている。第2駆動ローラ
対7近傍の媒体搬送路2Aは図5に示すように、カード
厚さ方向に対する幅が狭められている。この幅は、厚カ
ードC1の厚さよりも僅かに大きく設定されていて、磁
気ヘッド4、5部に対して磁気カードCができるだけ直
交して当接できるように構成されている。
【0020】このような構成の媒体搬送装置1の動作を
説明する。磁気カードCがカード挿入口2aに挿入され
てカード検出手段9または10によって磁気信号が検出
されると、駆動モータ11が起動してここでは磁気カー
ドCをカード搬送方向Aに搬送すべく、図1において時
計回り方向に回転駆動し、同時に図示しないシャッター
部材が媒体搬送路2から退避する。駆動モータ11の回
転は、タイミングベルト196を介して大径プーリ19
4に伝達され、駆動軸13が回転して主駆動ローラ7A
が回転駆動する。
【0021】駆動軸13の回転は、歯付ベルト190を
介してベルトプーリ191、193に伝達される。ベル
トプーリ191が回転すると、図4に示すように、歯車
203、歯車206と一体の第1プーリ231、丸ベル
ト232を介して図3に示す第2プーリ233から駆動
軸16に伝達されて副駆動ローラ7Bが回転駆動する。
歯車203が回転して突部203bがピン201bに係
合すると、歯車201が回転して駆動軸12が回転する
と共に、歯車201、歯車204を介して駆動軸15が
回転し、主駆動歯車6Aと副駆動ローラ6Bが回転駆動
する。
【0022】ベルトプーリ193が回転して突部193
aがピン202bに係合すると、歯車202が回転して
駆動軸12が回転すると共に、同歯車202、歯車20
5を介して駆動軸17が回転し、主駆動ローラ8Aと副
駆動ローラ8Bが回転駆動して、第1、第2、第3駆動
ローラ対6、7、8がそれぞれ駆動状態となる。挿入さ
れた磁気カードCは、これら第1、第2、第3駆動ロー
ラ対6、7、8の順に挟持されて媒体搬送路2内を搬送
され、その途中、カードの種類(厚カードC1、薄カー
ドC2)により磁気ヘッド4、5の何れか一方で磁気記
録信号の授受が行なわれる。
【0023】第1駆動ローラ対6から第2駆動ローラ対
7まで磁気カードCが搬送されると、図5に示すよう
に、軸31を中心にパッドアーム30が圧縮コイルバネ
32の付勢力に抗して矢印B方向に向かって揺動し、副
駆動ローラ7Bが2点鎖線で示すように持ち上げられ
る。主駆動ローラ7Aと副駆動ローラ7Bとは、同じ実
効硬度であり、かつ副駆動ローラ7Bが上方に変位する
ので、厚さの異なる厚カードC1や薄カードC2が搬送
された場合でも各カードに対する主駆動ローラ7Aと副
駆動ローラ7Bの周速は同一となって磁気ヘッド4、5
部通過時の搬送速度が安定する。従って、両面駆動方式
であり、かつ厚さの異なる磁気カードCを搬送する媒体
搬送装置1における磁気カードCの記録再生を安定して
行なうことができる。
【0024】搬送される磁気カードCからの負荷が、主
駆動ローラ7Aよりも副駆動ローラ7Bに対して多くか
かると、例えば、副駆動ローラ7Bの周速が、主駆動ロ
ーラ7Aの周速よりも早くなると、図7に示すように副
駆動ローラ7Bに第1駆動ローラ対6の副駆動ローラ6
Bから駆動力を伝達している丸ベルト232が第1プー
リ231、第2プーリ233に対して伸縮して副駆動ロ
ーラ7Bにかかる駆動力が低減し、周速差が吸収され
る。
【0025】一方、主駆動ローラ7Aへは、歯付駆動ベ
ルト190で駆動力が伝達されるので、丸ベルト232
よりもスリップしにくくなる。つまり、主駆動ローラ7
Aに対する駆動力が、副駆動ローラ7Bに対する駆動力
よりも大きくなる。よって、第2駆動ローラ対7に挟持
されたカードCは、駆動力の大きい主駆動ローラ7Aに
支配されて搬送されることになり、主駆動ローラ7Aと
副駆動ローラ7B間に周速差が発生した場合でも磁気カ
ードCを安定して搬送することができ、同カードCの記
録再生不良を低減することができる。
【0026】次に、第1駆動ローラ対6、第2駆動ロー
ラ対7、第3駆動ローラ対8の関係について説明する。
主駆動ローラ6A、7A、8Aと副駆動ローラ6B、7
B、8Bは、それぞれ磁気カードCを搬送前において、
各々のローラ周面が同一平面線O上に位置するように配
置されている。第1及び第3駆動ローラ対6、8の各副
駆動ローラ6B、8Bは、対向する主駆動ローラ6A,
8Aよりも同じ押圧力が与えられたときのローラ全体の
変形量が大きく、すなわち、実効硬度が低く設定されて
いる。また、主駆動ローラ6A、7A、8Aと副駆動ロ
ーラ7Bは、副駆動ローラ6B,8Bよりも同じ押圧力
が与えられたときのローラ全体の変形量が小さく、すな
わち、実効硬度が高く設定されている。これら各ローラ
の関係を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】このようなローラ関係に設定すると、副駆
動ローラ6B、8Bは、副駆動ローラ7B及び主駆動ロ
ーラ6A、7A、8Aに比べて実効硬度が低く設定さ
れ、かつ駆動軸12と15、駆動軸14と17は、それ
ぞれフレーム1Aに対して固定軸間となっているので、
カードCの種類にかかわらず図9に示すように、対向す
る主駆動ローラ6A、8Aよりも多く変形する。よっ
て、第1、第3駆動ローラ対6、8は、副駆動ローラ6
B、8Bと主駆動ローラ6A、8Aとの間に周速差が生
じた場合、副駆動ローラ6B、8Bの変形によってその
周速差が吸収されるので、磁気カードCの搬送速度が安
定する。また、一方の駆動ローラ(ここでは、副駆動ロ
ーラ6B,8B)を主駆動ローラ6A,8Aに押圧機構
等で付勢しなくとも副駆動ローラ6B,8Bの変形によ
りカードCに対してパッド圧を与えることができるの
で、部品点数の増加や装置の複雑化を防止でき、装置の
大型化を抑えることができる。
【0029】上述した実施例では、主駆動ローラ6A、
7A、8Aと副駆動ローラ6B、7B、8Bの変形量
(実効硬度)に差を設けているが、表2に示すように、
各駆動ローラ対の直径に予め差をつけても良い。なお、
ここでの主及副駆動ローラのそれぞれの変形量(実効硬
度)は、表1に示す条件とする。
【0030】
【表2】
【0031】例えば、図8に示す主駆動ローラ7Aの直
径Y1に対して、主駆動ローラ6A、8Aの直径X1、
Z1を小さく設定し、主駆動ローラ7Aの直径Y1と副
駆動ローラ7Bの直径Y2を同一に設定し、主駆動ロー
ラ6A、8Aの周速を、主駆動ローラ7Aの周速よりも
遅く設定する。この場合、各駆動軸は同一回転数で回転
するものとする。すると、搬送される磁気カードCが第
1、第3駆動ローラ対6、8から第2駆動ローラ対7に
受け渡される時に、主駆動ローラ7Aの周速に支配され
て搬送され、磁気ヘッド4、5に対して一定の搬送速度
で搬送される。従って、第1及び第3駆動ローラ対6,
8で磁気カードCの搬送速度が変動してもこのカードC
の記録再生を安定して行なうことができる。
【0032】上述したローラ径の条件に、主駆動ローラ
6A、8Aの直径X1、Z1に対して副駆動ローラ6
B、8Bの直径X2、Z2を僅かに径大に設定し、ロー
ラ間に磁気カードCが挿入してローラが変形した時に主
駆動ローラ6A、8Aの直径X1、Z1と同一径となる
ように設定する。このように設定すると、主駆動ローラ
6A、7A、8Aと副駆動ローラ6B、7B、8Bが駆
動されて、磁気カードCが図9に示すように、第1及び
第3駆動ローラ対6に挟持されると、副駆動ローラ6B
がつぶれて、主駆動ローラ6Aと副駆動ローラ6Bとの
周速差が吸収され、磁気カードCが一定の搬送速度で第
2駆動ローラ対7に向かって搬送される。
【0033】第3駆動ローラ対8に磁気カードCが挟持
されると、副駆動ローラ8Bがつぶれて、第1駆動ロー
ラ対6同様、主駆動ローラ8Aと副駆動ローラ8Bとの
周速差が吸収される。よって、磁気カードCが第3駆動
ローラ対8側から挿入された場合や同カードを往復搬送
させる場合、カードCが一定の速度で第2駆動ローラ対
7に搬送される。
【0034】磁気カードCが第1駆動ローラ対6から第
2駆動ローラ対7に図10に示すように搬送されて挟持
されると、第2駆動ローラ対7の方が、ローラ径の関係
から周速が早く設定されることになるので、このカード
Cは第1駆動ローラ対6から第2駆動ローラ対7に引っ
張られるようにして受け渡され、第2駆動ローラ対7の
周速に支配されて搬送される。このように、ローラ径を
設定することにより媒体搬送路2上でのカード搬送速度
が安定するので、磁気カードCの記録再生を安定して行
なうことができる。
【0035】主駆動ローラ7Aと副駆動ローラ7Bと
は、同一実効硬度で同一径に設定されているので、パッ
ド圧が与えられたときにも同様に変形する。また、主駆
動ローラ6A,8Aは、主駆動ローラ7Aと副駆動ロー
ラ7Bと同一実効硬度に構成され、副駆動ローラ6Bと
副駆動ローラ8Bとは主駆動ローラ6A,8Aの実効硬
度よりも低く(変形し易く)設定されている。従って、
温度等の環境が変化した場合であっても、第1及び第3
駆動ローラ対6,8と第2駆動ローラ対7とのローラ変
形量の差が、同様に変動することになり、経時的に見て
も磁気カードCの搬送が安定して記録再生不良を低減す
ることができる。このことは、媒体搬送装置1の耐久性
の向上につながる。
【0036】加えて、第2駆動ローラ対7よりも周速の
遅い第1駆動ローラ対6と第3駆動ローラ対8には、係
合手段200A,200Bが設けられているので、磁気
カードCが第1駆動ローラ対6あるいは第3駆動ローラ
8から第2駆動ローラ7に向かって搬送されて第2駆動
ローラに突入すると、このカードCには、駆動する主駆
動ローラ7Aと副駆動ローラ7Bによって上下方向から
駆動力が与えられる。すると、第1駆動ローラ対の主及
び副駆動ローラ6A,6Bと第3駆動ローラ対の主及び
副駆動ローラ8A,8Bが駆動軸12、15と14、1
7の回転よりも早く回転して突部203bとピン201
b及び突部193aとピン202bとのそれぞれの係合
が一時解除される。つまり、第1駆動ローラ対6と第3
駆動ローラ対8とが駆動手段19,20に対して空転す
ることになる。
【0037】よって、第1駆動ローラ対6あるいは第3
駆動ローラ対8が第2駆動ローラ対7に従動する形とな
り、磁気カードCには第2駆動ローラ対7の駆動力だけ
が伝達される。従って、このカードCは、磁気ヘッド
4,5近傍を搬送されるときには、第1及び第3駆動ロ
ーラ対6,8の搬送力の干渉を受けずに第2駆動ローラ
7の周速に応じた搬送速度で搬送されるので、磁気カー
ドCの搬送速度変動が低減されて搬送速度が安定し、記
録再生不良が低減する。
【0038】また、各駆動ローラ対6,7,8のローラ
が温度等の影響を受けてローラ径等が変化した場合であ
っても、第2駆動ローラ対7の周速がたえず他の駆動ロ
ーラ対6,8よりも早い周速となるように設定し、且つ
第1及び第3駆動ローラ対6,8に係合手段200A,
200Bを設けることで、各搬送ローラ対6,7,8の
ギャップをゼロとできる。よって、搬送される磁気カー
ドCの厚さが異なって、同カードCに各搬送ローラ対
6,7,8の変形によって十分な搬送力を与えることが
できると共に、磁気ヘッド4、5近傍では、係合手段2
00A,200Bの作用により第1、第3搬送ローラ対
6,8の搬送速度の影響を受けずに第2搬送ローラ7の
周速に対応する搬送速度で搬送できる。よって、磁気ヘ
ッド4,5による記録再生を安定して行なうことが可能
となる。
【0039】本実施例では、第2搬送ローラ対7の周速
を他の搬送ローラ対6,8の周速よりも早くするため
に、図8に示すように、主駆動ローラ6A、8Aの径X
2,Z2を主駆動ローラ7Aの径Y2よりも小径に設定
しているが、これに限定するものではない。例えば、第
1、第3搬送ローラ対6,8への駆動手段19,20に
おけるギア比を変更して第1、第3搬送ローラ対6,8
の周速を第2搬送ローラ対7の周速よりも遅くしたり、
あるいは、各搬送ローラ対6,7,8のローラ径を同一
とし、第1、第3搬送ローラ対6,8と第2搬送ローラ
対7とを回転数の異なる個別な駆動モータを備える駆動
手段で駆動して、第1、第3搬送ローラ対6,8の周速
よりも第2搬送ローラ対7の周速を早く設定しても良
い。これらの場合においても、第2搬送ローラ対7の主
駆動ローラ7Aと副駆動ローラ7Bの実効硬度は、他の
搬送ローラ対の主及び副駆動ローラの実施硬度よりも高
く設定してローラ変形量を少なく保ち、第2搬送ローラ
対7の周速を安定させることが重要である。
【0040】実施例は、主駆動ローラ6A、7A、8A
は媒体搬送路2の上方に、副駆動ローラ6B、7B、8
Bは媒体搬送路2の下方に配置した例で説明したが、こ
れに限定するものではなく、主及び副駆動ローラを上下
逆様に配置しても構わない。要は、磁気カードCを両面
から挟持して駆動力を与える両面駆動方式の搬送ローラ
対にはすべて適用されるものである。また、この実施例
中における媒体搬送装置1は、一方向搬送方式(矢印A
方向)であるが、駆動源に正逆回転可能なモータを用い
て、磁気カードCを媒体搬送路2上で往復搬送させる方
式の媒体搬送装置に適用することでも構わない。
【0041】なお、本発明の記録媒体として、実施例で
は磁気カードCを挙げて説明したが、磁気カードだけに
限定するものではなく、磁気カードにICチップを設け
た磁気ICカードや、光学情報を記録再生できる板状の
記録媒体であっても無論構わない。本発明の情報記録再
生ヘッドとして実施例では磁気ヘッド4,5を用いてい
るが、上述したカードに対応させて、光や光磁気信号を
記録再生できるヘッド、あるいはIC接点等のヘッドで
あっても良い。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、主駆動ロ
ーラと副駆動ローラとに周速差が生じた場合には、副駆
動ローラへの駆動力が伸縮性ベルトによって逃がされて
主駆動ローラと副駆動ローラとの周速差が吸収され、両
ローラに挟持されて搬送される記録媒体を安定して搬送
することができる。請求項2記載の発明によれば、押圧
移動手段によって記録媒体に掛かる押圧力を一定にする
ことができるので、より安定した記録媒体の搬送が可能
となる。また、押圧移動手段により副駆動ローラが変位
移動自在に支持されるので、薄い記録媒体でも厚い記録
媒体にも対応することができる。請求項3記載の発明に
よれば、主駆動ローラと副駆動ローラの媒体搬送時の周
速が一定となるので、さらに安定して記録媒体を搬送す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す媒体搬送装置の概略構
成図である。
【図2】主駆動ローラとその駆動手段の構成を示す平面
視図である。
【図3】副駆動ローラとその駆動手段、及び押圧移動手
段と駆動力緩衝手段の概略構成を示す平面視図である。
【図4】駆動力緩衝手段の構成を示す正面図である。
【図5】押圧移動手段の構成を示す側面図である。
【図6】押圧移動手段の構成を示す一部破断正面図であ
る。
【図7】駆動力緩衝手段の作用を示す拡大図である。
【図8】主駆動ローラと副駆動ローラの関係を示す説明
図である。
【図9】第1、第3駆動ローラ対への記録媒体の進入状
態を示す側面図である。
【図10】第1駆動ローラ対から第2駆動ローラ対への
記録媒体の移動状態を示す側面図である。
【図11】本発明に適用される記録媒体の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 媒体搬送装置 3 押圧移動手段 7 駆動ローラ対 7A 主駆動ローラ 7B 副駆動ローラ 19,20 駆動手段 232 伸縮ベルト C 記録媒体 Y1 副駆動ローラの直径 Y2 主駆動ローラの直径

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動手段によって該駆動手段と一体的に駆
    動される主駆動ローラと、 上記駆動手段との間に介在させた伸縮性ベルトを介して
    連結される副駆動ローラとによって、記録媒体を挟持し
    て搬送する少なくとも一組の駆動ローラ対を構成したこ
    とを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 【請求項2】上記副駆動ローラを上記主駆動ローラに対
    して移動可能とするとともに、上記副駆動ローラの移動
    により上記記録媒体への押圧力を付与する押圧移動手段
    を備えた請求項1記載の媒体搬送装置。
  3. 【請求項3】上記主駆動ローラ及び副駆動ローラの直径
    を略同一径とし、かつ同じ押圧力が付与されたときに同
    一変形量となるように構成した請求項1または2記載の
    媒体搬送装置。
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