JPH095U - パッキング容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器を、その液密性を犠牲にすることなく、
開封可能にすること。 【解決手段】 ブランクの壁部を折りたたんでシールす
ることによりパッキング容器の端部密封部が形成され、
その密封部はシールフィン１０を有する。シールフィン
１０を形成する壁部は互いにシールされており、また、
シールフィン１０の長手方向に沿って弱化線即ち引裂き
指示部１５が設けられている。引裂き指示部の下方部分
におけるシールフィン１０の壁部のシールはシール低減
接着剤を介して行われており、従って、引裂き指示部の
上方のシール性が引裂き指示部の下方部分のそれよりも
大きくなっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、リッジルーフ型（いわゆるゲーブルトップパッケージ）のパッキン グ容器に関するものである。この種のパッキング容器は、所定の折曲げ線パター ンを有する比較的剛性でありかつ折曲げ可能な材料または厚紙材からなる平坦な ほぼ矩形状のブランクから形成され、前記ブランクが筒状に形成され、筒状の一 端に所定の底部閉止部が与えられ、前記筒状の他端が、前記パッキング容器の端 部に形成され上部にシールフィンを有するベローズ折りにより封止されていて、 そのシールフィンの下のベローズ折りの封止部は、４つの矩形の端面を有し、２ つの端面は好ましくは互いに傾斜しており、他の２つの端面は３つの三角形状の 面に分割されているとともに、前記シールフィンの下で折込まれており、また、 前記シールフィンは、シール処理によって互いに接合された４つの材料層からほ ぼ形成されている。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

上述のタイプのパッキング容器においては、容器を液密にし、かつ開封可能に することに問題があった。現在まではこれらの相反する要求を満たすことは不可 能であった。容器を開封可能にするには、少なからず液密性を犠牲にしなければ ならなかった。 従って、公知のパッキング容器のこれらの問題を解決し、開封容易性を確保し つつ十分に液密であるパッキング容器を提供する必要がある。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

本考案によると、壁部が折りたたまれ、かつシールされ、容器の端部密封部を 形成するパッキング容器において、フィンがその長手方向にそって延びる弱化線 を有しており、前記フィンを形成する壁部が互いにシールされ、前記弱化線の直 下の部分における壁部のシールがシール低減接着剤を介して行われていて、前記 弱化線の上方のシール性が前記弱化線の直下の部分よりも大きくなっていること を特徴とするパッキング容器が提供される。

【０００４】 また、本明細書は、容器を形成するように折りたたまれ、かつシールされるブ ランクにおいて、前記ブランクが、折りたたみかつシールしてフィンを形成する ように横手方向に延びた長尺材をその一端に有していて、前記長尺材の中で前記 長尺材に沿って延びた弱化線が形成されており、また、シール低減接着剤が前記 ブランクの内面の、前記弱化線の下方部に施されていることを特徴とするブラン クを開示する。

【０００５】 好ましくは、１つのベローズ折りの上部のシールフィンに、材料層を弱める引 裂き指示部が、シールフィンの上線と下線との間を好ましくは平行に延びる線に 沿って形成されており、また、引裂き指示部の下方の部分で互いに隣接する材料 層の内面の間のシールがシール低減接着剤を介して行われていて、そのシールが 前記引裂き指示部の上部の材料層間のシールに比べて実質的に弱いかまたは無視 できるほどに小さくされる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。 図２に示すパッキング容器は、両面をプラスチックで被覆した厚紙、すなわち 比較的剛性のかつ折曲げ可能な材料からなるほぼ矩形のブランクから構成されて いる。パッキング容器の上部を形成するブランクの一部を示す図１に示すように 折曲げ及び引裂き指示パターンが形成されている。図１に示すように折曲げ線パ ターンが形成されたあとに、例えば、いわゆる重ね合わせ部においてブランクの ２つの長手縁部をシールすることによりブランクが筒状（図２）に形成される。 図１において重ね合わせ部を形成する重ね合わせラグは符号１ａで示されている 。形成された筒部の一端には容器の底部が形成されるが、この部分は本考案にお いては重要でないので詳細な説明は省略する。

【０００７】 パッキング容器の筒部は、側縁線４、底縁線５及び上部境界線６によって画定 される４つの側壁３により構成されている。ブランク、すなわち筒部の上端には 更に折曲げ線６の上方に、平行に延びた折曲げ線７及び逆Ｙ字状の折曲げ線８ａ ，８ｂ，８ｃが形成されている。その結果、パッキング容器の上端部はいわゆる ベローズ折りにより閉じられており、ベローズ折りはその上部にシールフィン１ ０を有しており、パッキング容器の上端部９（図３）にフィン１０が形成されて いる。すなわち、端部９から形成されているシールフィンの下方のクロージャー 部は、４つの矩形の端面１１，１１，１２，１２を有しており２つの端面１１は 傾斜しており端面１２は３つの三角形状の面１３ａ，１３ｂ，１３ｃに分割され ており、いわゆるベローズ折りを形成している（その１つが図３）のＢで示され ている。従って、シールフィンは、シーリング処理により互いに接合される４つ の材料層からほぼ形成されることになり、図３に示す形状を有する。ブランクの 両面が例えばポリエチレン等のプラスチック層でコーティングされている場合、 シール部は例えば熱シール処理によりシールされ、このため折りたたんで完成さ れたパッキング容器のシールフィン１０の材料層は従来のパッキング装置の熱シ ール部材により互いに押圧される。その結果互いに対抗する熱シール面上のプラ スチックコーティングは溶融し液密シールを形成する。

【０００８】 本考案によると、材料層を弱める引裂き指示部１５はシールフィン１０の上線 １０ａと下線１０ｂとの間で好ましくは、これらの線と平行な線に沿って形成さ れたベローズ折りＢ上に配設されている。引裂き指示部１５は、図１に示すよう に容器の全幅をほぼ２つ分に相当する長さのミシン目１５Ｐにより形成されてい る。折曲げ線８ｃに対称なベローズ折りによりパッキング容器を密封するとき、 ミシン目１５Ｐの異なる部分が互いに一致するようになされており、引裂き指示 部１５はシールフィン１０の前端１０ｃからほぼフィンの中央まで延在すること になる（図３）。

【０００９】 好ましくは、ミシン目１５は、中心の厚紙層がプラスチック材によりコーティ ングされる前に中心の厚紙層に例えば他の層すなわちアルミニウム箔とともに形 成される。この処理の利点としては、ミシン目（穴またはスロット状）がプラス チック層によりカバーされるのでパッキング材が液密になることである。

【００１０】 図３に示すパッキング容器は図５に示す注ぎ口の形状を有する開口１６を形成 するようにベローズ折りＢを開放することにより開封される。この開封方法とし て消費者の指が開封可能なベローズ折りＢに指をあて両サイド外側に容器を引裂 き、その結果ミシン目１５が破壊されミシン目１５の下のシールフィン１０が開 放されるが、ミシン目の上部は開放されないまま保持され図４の状態となる。ひ きつづき、シールフィン１０の開放された部分は互いに押しつけられてその間の シールは破壊されベローズ折りＢは外側にふくらみ、図５に示す注ぎ口状の開口 １６を形成する。

【００１１】 図４に示すように平らな折曲げられたベローズ部Ｂを形成している内面１７〜 ２０の間のシールを破壊しやすくするため、ひきつづきベローズ折りをふくらま せやすくするため、これらの連続した内面は、本考案においては、図１に示すブ ランクの対応する部分の前処理によりそのシール性を低減させてある。これらの 前処理は図１においてハッチング部Ｃに対応しておりミシン目（１５Ｐまたは１ ５）と上部折曲げ線７との間の端部９の一部を包含しており、図面においては符 号１７から２０で示されている。これらのシール低減前処理は、例えばポリシロ キサンラバー等の珪質コンパウンドからなるシールまたはそれ自体公知であるワ ックス材のシールを弱めるコーティング材（シール低減接着剤）によりプラスチ ック層を被覆する処理を含んでいる。

【００１２】 本考案によると、シールフィン１０においてミシン目１５より下の内面全体の シール性を低減することが好ましい。すなわち開口１６を形成するシール１０の 内面１７〜２０ばかりでなく開放されたベローズ折部Ｂの上方の矩形端面１２の 外側面２１及び２２の２つの面のシール性を低減することが好ましい。その結果 、容器を開封するとき図２に示す状態にベローズ折りを開放することが容易とな る。

【００１３】 本考案によると、シールフィン１０に形成されたミシン目１５と、その下の部 分Ｃに引離し可能にシールされた内面１７〜２０のシールの低減効果との組合せ により、容易に開放できかつ液密性に信頼がおける相反する特徴を満足する容器 が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】パッキング容器の上部を形成する矩形ブランク
の一部を示す図である。

【図２】図１に示されたブランクから形成された密封さ
れていない状態のパッキング容器を示す図である。

【図３】パッキング容器の上部が密封された状態を示す
図である。

【図４】開放過程のパッキング容器を示す図である。

【図５】完全に開放されたパッキング容器を示す図であ
る。

【符号の説明】

３ 側壁 ４ 側縁部 ５ 底縁部 ６ 上部境界線 ７、８ａ，８ｂ，８ｃ 折曲げ線 ９ 上端部 １０ シールフィン １１，１２ 矩形端面 １５ 引裂き指示線（部） １５Ｐ ミシン目 １６ 開口 １７，１８，１９，２０ 内面 ２１，２２ 外面

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁部が折りたたまれ、かつシールされ、
   容器の端部密封部を形成するパッキング容器において、
   フィンがその長手方向にそって延びる弱化線を有してお
   り、前記フィンを形成する壁部が互いにシールされ、前
   記弱化線の直下の部分における壁部のシールがシール低
   減接着剤を介して行われていて、前記弱化線の上方のシ
   ール性が前記弱化線の直下の部分よりも大きくなってい
   ることを特徴とするパッキング容器。
2. 【請求項２】 請求項１記載のパッキング容器におい
   て、前記容器がほぼ矩形の横断面を有していることを特
   徴とするパッキング容器。
3. 【請求項３】 請求項２記載のパッキング容器におい
   て、前記フィンが、開放された容器の上部の対抗する２
   辺を互いに合わせ、かつ他の２辺を前記対抗する２辺の
   間に折込んだ構成になっていることを特徴とするパッキ
   ング容器。
4. 【請求項４】 請求項３記載のパッキング容器におい
   て、前記端部密封部が４つの矩形面から形成され、密封
   部を形成する際に対抗する２面が互いに斜めに傾いてお
   り他の２面がそれぞれ３つの三角形面に分割されている
   とともに前記対抗する２面の間に折込まれ、４つの矩形
   パネルの上端部で前記フィンが形成されていることを特
   徴とするパッキング容器。
5. 【請求項５】 請求項４記載のパッキング容器におい
   て、壁部の接触する内面と内面との間のシールと壁部の
   接触する外面と外面との間のシールが前記フィンにおけ
   る弱化線より下方では低減されていることを特徴とする
   パッキング容器。
6. 【請求項６】 請求項１から５までのいずれか１項に記
   載のパッキング容器において、前記弱化線が前記容器の
   壁部の厚さの一部にわたって延びたミシン目の線であ
   り、壁部の厚さの残りの部分は液密であることを特徴と
   するパッキング容器。