JPH0654533U - 開放可能の弱密封性パック容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 液体を内容物とするパック容器で、閉鎖頂部
が液密で、開け易いパック容器に関する。 【構成】 パック容器２は側壁３，４より成る容器本体
を有し、容器本体には任意の底部閉鎖材５が設けられ、
頂部がベロー状折りたたみとヒート・シーリングにより
閉ざされて、注ぎ口の形態の開口２５に展開可能な切り
妻屋根型の頂部閉鎖部を形成する。この展開を容易にす
べく、熱で互いに密封した表面部分（区域Ｃ，Ｄ）は頂
部閉鎖部の展開可能部分の区域内でシールを弱める成分
を被覆され、この成分は熱可塑性プラスチック、好まし
くはポリエチレンの分散水溶液をベースとし、カルボキ
シメチル・セルローズ、好ましくはカルボキシメチル・
セルローズナトリウムにより改質されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液体を内容物とするパック容器に関する。 このパック容器は、全体または一部が熱可塑性プラスチックで被覆された厚紙 の未加工物で造られていて、この厚紙には、未加工物の折り目形成を容易にする 折り目線パターンが付けられており、この厚紙が折り曲げられることによってチ ューブ状の容器ボディが形成され、この容器ボディの一方の端部は任意の閉鎖底 部をなし、他方の端部はベロー状に折りたたんで閉じられる閉鎖頂部を形成して おり、この閉鎖頂部は、未加工物の折り曲げ可能な縁部区域から成るシーリング ・フィンの下方に、縁部区域に続く４つの長方形の頂部閉鎖パネルを有し、その うちの２つは互いに対向位置に来、好ましくは互いのほうに傾き合うようにされ るのに対し、他の２つはそれぞれ３つの３角形のパネルに分けられ、シーリング ・フィンの下方で折り曲げられ、そのさい、２つの中央パネルの先端が互いに向 き合わされて、ベロー状のひだが形成され、更に、シーリング・フィンの大部分 は縁部区域から成る４つの材料層を有しており、熱可塑性プラスチックを被覆さ れた対向位置にあるフィン表面が、加圧と同時に熱供給することにより密封シー ルされて互いに接合され、しかも、そのさい、ベロー状のひだをつけられた頂部 閉鎖パネルの１つが、前記ベロー状ひだ上方のシーリング・フィン区域内の材料 層を接合しているシールをはがして開けることによって、注ぎ口の形状の開口と なる形式のものである。

【０００２】

【従来の技術】

この形式の、ベロー状に折込まれた開放可能の閉鎖頂部をもつパック容器は、 たとえば、牛乳や類似の日用飲料などの液体内容物を入れるのに用いられるもの で、周知の、返還不要の消費者用パック容器である。容器の前記閉鎖頂部は、棟 状に直立しているか、または多少の差はあれ扁平の形状をもっている。これらの パッケージは、高性能の現代式のパック機械で造られるのが通例であり、この機 械はパッケージを形成し、充填し、閉鎖して完成させる。これらの消費者用パッ ケージは、廉価で、配送や取扱いが容易で、かなり開けやすく、望むときに内容 物を容易に得ることができなければならない。

【０００３】 たとえば牛乳用の多くの返還不要のパッケージは、紙または厚紙の剛性キャリ ア層から成っている。この紙または厚紙は、少なくとも片面が熱可塑性プラスチ ック材料により被覆されている。この被覆により、必要な液密性その他の所望の バリヤ特性、たとえば気密性がパッケージに与えられる。同時に、この被覆は、 堅くて長もちのするシール結合を可能にし、プラスチック材料の組合せ層が、熱 せられると同時に互いに加圧され、その結果、プラスチック層表面が融けて接合 される。この種のパッケージの大部分のものは、取扱い中に水分を含んだ媒体と 接触する危険があるので、パッケージの外側にもプラスチック層の被覆を施し、 繊維質のキャリア層に水分が浸入するのを防止する。水分が浸入すれば機械的剛 性が損われ、パッケージが軟化し扱いにくくなるからである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ここに開示する形式のパック容器に関わる課題は、つねに、閉鎖頂部が十二分 に堅く液密で、同時に開けやすくなるように、この頂部を改造し、密封すること にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この課題は、本考案によれば、次のようにすることにより解決された。すなわ ち、シールをはがして開けられるシーリング・フィン区域内の、向き合ったプラ スチック表面が、少なくとも部分的にシールを弱める成分でおおわれるようにし たのである。この成分は、熱可塑性プラスチック、特にポリエチレンの分散水様 液をベースとし、この熱可塑性プラスチックをカルボキシメチル・セルローズ、 特にカルボキシメチル・セルローズナトリウムにより改質ないし変態させたもの である。これらの成分は、食料品のパック容器には特に有用である。健康に害が ないからである。更に、これらの成分は、実上等しい密度をもっているので、安 定的な分散液をつくるのが極めて容易であり、このため、パック材料に被覆する のも容易である。更にまた、分散媒体として水が用いられることから、従来の水 をベースとしない成分より、環境に対する危険や処理中の火災の危険も低減する 。この成分の、シールを弱める能力は、カルボキシメチル・セルローズの分量に 左右され、きわめて広い限界内で変化するが、本考案によれば、十分にシールを 弱める作用が達成される。言いかえると、このシールは、一方では、通例の処理 のさいにパック容器がさらされる機械応力に十分耐えうる強さをもち、他方では 、容器を開ける場合には容易に開けられるだけの十分な弱さを有している。この 場合のカルボキシメチル・セルローズ濃度は、成分の総乾燥物質重量の６０％か ら９５％の範囲、特に８５％であり、これに応じてポリエチレンの分量は４０％ から５％の範囲、特に１５％である。

【０００６】

【実施例】

次に、添付図面を参照して本考案の実施例を説明する。 容器２を製造するさい、前記ベロー状のひだが容易に造れるようにするため、 未加工物１は適当な折目線パターンを付けてある。図示の実施例の場合は、一方 では、２本の水平の折り目８，９を有し、他方では頂部縁７から始まる４本の垂 直の折り目１０，１１，１２，１３を有している。これらの垂直の折り目１０， １１，１２，１３は水平の折り目８，９と直交し、未加工物１の上部に４つの結 合された長方形の頂部閉鎖パネル１４，１５，１６，１７を形成する。これらの パネル１４，１５，１６，１７は、頂部が未加工物の頂部縁７と水平の折り目８ との間の縁部区域１８に続いている。縁部区域１８は、折りたたみ可能な部分１ ８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１８ｄから成り、完成容器２（図２）のシーリング・フ ィン１９となる閉鎖頂部６を形成する。頂部閉鎖パネル１４，１５，１６，１７ は、更に、下方へは、言いかえると下方の水平の折り目９の下には、容器の側壁 ３，４を形成する側壁パネル３’，４’が続いている。側壁３，４は、更に、底 部を形成する折りたたみパネルに続いてゆく。これらの底部パネルは、容器２の 閉鎖底部５を形成する相応の折り目パターンにより輪郭づけられている。

【０００７】 頂部閉鎖パネル１６は、３つの小さな３角形のパネル１６ａ，１６ｂ，１６ｃ に分割される。中央の３角形パネル１６ｂの先端２９は上方の水平の折り目１８ 上にあり、垂直の折り目１２と１３との中央に位置している。これに対して、頂 部閉鎖パネル１６に続く縁部区域１８は、２つの小部分１８ｃ’と１８ｃ”とに 分割され、これらの小部分１８ｃ’，１８ｃ”は、先端２９から始まる垂直の折 り目２０に沿って互いに折り合わされる。長方形の頂部閉鎖パネル１４も、同じ ように、３つの３角形の小パネル１４ａ，１４ｂ，１４ｃに分割され、中央のパ ネル１４ｂの先端２１は上方の折り目８上にあり、垂直の折り目１０と１１との 中央に位置している。他方、パネル１４に続く縁部区域１８ａは２つの小部分１ ８ａ’と１８ａ”に分けられている。これら小部分１８ａ’，１８ａ”は先端２ １から始まる垂直の折り目２２に沿って互いに折り合わされる。

【０００８】 図２に示した本考案による容器２の製造のさいには、平らな未加工物１が、垂 直の折り目１０，１１，１２，１３に沿って折り曲げられ、チューブ状の容器ボ ディが形成される。オーバラップ・ラグ２４が、垂直の折り目１０と未加工物の 横縁２３との間に設けられており、未加工物の隣接側壁を形成するパネル３’の 内側と協働してシールを生ぜしめる。容器ボディの下方部分には、任意の閉鎖底 部５が、未加工物１の下部に設けられた適宜な折り目に沿って折りたたまれるこ とによって形成される。底部が閉鎖されると、所望の内容物、たとえば牛乳が充 填される。容器ボディの他端、つまり頂部は、そのあとでベロー状に折りたたま れ、棟状の閉鎖頂部６（図２）が形成される。頂部６は、未加工物１の折りたた まれた縁部区域１８のシーリング・フィン１９の下方に、縁部区域１８に続く４ つの長方形端部パネル１４，１５，１６，１７を有している。端部パネル１５と １７とは、互いのほうに傾き合っており、他の２つの端部パネル１４，１６とは シーリング・フィン１９の下に折り込まれる。２つの中央パネル１４ｂ，１６ｂ のそれぞれ先端２１，２９は互いのほうに傾き合ってベロー状のひだを形成する 。そのひだの１つが図２の矢印（Ｂ）で示されている。シーリング・フィン１９ には、縁部区域１８を形成する材料層１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１８ｄの４つが 含まれることになり、これらの層が、加圧と同時に熱供給されるいわゆるヒート ・シーリングにより互いにシールされる。

【０００９】 容器２を開く場合は、図３、図４に示した手順で開く。この手順は、互いに折 り合わされている部分１８ｃ’と１８ｃ”とを、指、つまり親指で図３の位置へ 押しはがし、次いで、ベロー状の頂部閉鎖パネル１６を押し拡げて、注ぎ口状の 開口２５を生じさせることができる。

【００１０】 このパネル１６の押し拡げを容易にするために、ベロー状ひだ（Ｂ）を形成す る縁部区域１８の部分（Ｂ’）の一定個所（シャドーを付けた区域）（Ｃ，Ｄ， Ｅ，Ｆ）に被覆が施されている。この被覆は、本考案によれば、シールを弱める 成分として、８５％のカルボキシメチル・セルローズナトリウムと１５％のポリ エチレンを含んでいる。

【００１１】 図１に示した位置にコーティングすることによって、図１のシャドー部分（Ｃ ，Ｄ，Ｅ，Ｆ）にコーティングを施さなかった場合より、ほぼ２５％だけシール 作用を弱くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるパック容器を製造するための未加
工物の略示図。

【図２】未加工物から造られたパック容器の密封状態を
示した図。

【図３】パック容器を開ける手順を示した図。

【図４】パック容器の開封状態を示した図。

【符号の説明】

１ 未加工物 ２ 完成コンテナ Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆ シールを弱めるコーティングを施した
部分

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体を内容物とするパック容器（２）で
   あって、全体または一部が熱可塑性プラスチックで被覆
   された紙または厚紙の未加工物（１）で造られ、この紙
   または厚紙には折目が造りやすいように折り目パターン
   が付されており、この紙または厚紙を折曲げることによ
   ってチューブ状の容器ボディが形成され、この容器ボデ
   ィの一方の端部は任意の閉鎖底部（５）をなし、他方の
   端部は、ベロー状に折りたたんで閉じられる閉鎖頂部
   （６）を形成しており、この閉鎖頂部（６）は、未加工
   物の折曲げ可能な縁部区域（１８）から成るシーリング
   ・フィン（１９）の下方に、縁部区域に続く４つの長方
   形の頂部閉鎖パネル（１４，１５，１６，１７）を有し
   ており、そのうちの２つは互いに対向する位置にあり、
   好ましくは互いのほうに傾けられるのに対し、他の２つ
   （１４，１６）は、それぞれ３つの３角形のパネルに分
   けられ（１４ａ，１４ｂ，１４ｃ／１６ａ，１６ｂ，１
   ６ｃ）、２つの中央パネル（１４ｂ，１６ｂ）の先端
   （２１，２９）を互いに向き合わせてシーリング・フィ
   ン（１９）の下方に折り込まれてベロー状の折り目
   （Ｂ）を形成し、シーリング・フィン（１９）の大部分
   は縁部区域から成る４つの材料層を有しており、熱可塑
   性プラスチックを被覆された対向位置にあるフィン表面
   は、加圧と同時に熱供給することにより作られる密封シ
   ールで互いに接合され、ベロー状のひだをつけられた頂
   部閉鎖パネル（１６）の１つが、前記ベロー状ひだ上方
   のシーリング・フィン区域内の材料層を接合しているシ
   ールを裂き開くことによって、注ぎ口の形状の取り出し
   開口（２５）に開けることができるパック容器におい
   て、前記熱可塑性プラスチックを被覆された互いに向き
   合った表面は、裂き開くための前記シーリング・フィン
   区域に、少なくとも部分的にシールを弱める成分が付加
   されていて、前記成分が熱可塑性プラスチック、好まし
   くはポリエチレンを含有しており、この熱可塑性プラス
   チックがカルボキシメチル・セルローズ、好ましくはカ
   ルボキシメチル・セルローズナトリウムにより改質され
   ていることを特徴とするパック容器。
2. 【請求項２】 請求項１記載のパック容器において、前
   記成分が該成分の乾燥総物質量の６０％から９５％の、
   とりわけ８５％の割合のカルボキシメチル・セルローズ
   ナトリウムと、これに相応して４０％から５％の、とり
   わけ１５％の割合のポリエチレンとを含有するパック容
   器。