JPH0959423A - 塩化ビニル壁紙の塩化ビニル層を基紙から分離する方法および装置 - Google Patents

塩化ビニル壁紙の塩化ビニル層を基紙から分離する方法および装置

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JPH0959423A
JPH0959423A JP22156395A JP22156395A JPH0959423A JP H0959423 A JPH0959423 A JP H0959423A JP 22156395 A JP22156395 A JP 22156395A JP 22156395 A JP22156395 A JP 22156395A JP H0959423 A JPH0959423 A JP H0959423A
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Yasuyuki Yamaji
安之 山地
Takehiko Yoshida
健彦 吉田
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Nittetsu Mining Co Ltd
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Nittetsu Mining Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塩化ビニル壁紙の塩化ビニル層を基紙から効率
よく、しかも両者を互いの混入が少なくなるように分離
することができる方法と装置を提供する。 【解決手段】塩化ビニルを溶解せずに膨潤させる有機溶
剤に塩化ビニル壁紙を浸漬することにより塩化ビニル層
を膨潤させる。次いで、膨潤した塩化ビニル層をブラシ
ロールやブレードを用いて基紙から機械的に掻き取る。
回収した塩化ビニルや基紙はそれぞれ再利用が容易にな
る。基紙に浸透している有機溶剤は、加熱蒸発させるこ
とにより容易に回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塩化ビニル壁紙
の不良品を処理するための技術に関し、さらに詳しく
は、塩化ビニル壁紙不良品の塩化ビニル層を基紙から効
率よく分離して、それぞれの素材を再生利用するための
方法、およびこの方法を実施するための装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル壁紙の製造工場や加工工場か
ら発生する不良品は、焼却処分が困難であるため、主と
して埋め立て処分されている。焼却処分ができない理由
は、焼却により塩化ビニルが熱分解して塩化水素ガスが
発生し、排気中に塩化水素ガスが混入すると大気汚染を
生じ、さらには焼却炉内での燃焼時に高温を発生するた
め焼却炉内壁を傷めるからである。
【0003】製造中に発生した廃棄塩化ビニル壁紙の再
生利用方法としては、例えば特開平5−147035号
がある。この方法は裏打紙(基紙)の付いたままの塩化
ビニル壁紙にEVA樹脂を添加して加熱混練し、これを
塩化ビニル壁紙の樹脂層として再生利用するものであ
る。しかしながらこの方法は、塩化ビニル壁紙を塩化ビ
ニル層と基紙に分離して、それぞれの素材の再利用を図
るこの発明の目的とは相違するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】塩化ビニル壁紙の不良
品を処分して、塩化ビニル層と基紙のそれぞれの素材を
再生利用するためには、塩化ビニル層と基紙を分離して
それぞれ回収することが要求される。さらには塩化ビニ
ル層と基紙を互いの混入ができるだけ少なくなるように
分離回収することがそれぞれの素材の再利用を容易にす
る。しかしながら、塩化ビニル壁紙の塩化ビニル層は基
紙に食い込んでいるため、塩化ビニル層を基紙から引き
剥がすことが難しく、両者を互いの混入が少なくなるよ
うに分離回収することは極めて困難となる。
【0005】そこでこの発明は、塩化ビニル壁紙の塩化
ビニル層を基紙から効率よく、しかも両者を互いの混入
が少なくなるように分離することができる方法と装置を
提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による塩化ビニ
ル壁紙の塩化ビニル層を基紙から分離する方法は、塩化
ビニル層と基紙とからなる塩化ビニル壁紙を、塩化ビニ
ルを溶解せずに膨潤させる有機溶剤に浸漬して塩化ビニ
ル層を膨潤させた後、膨潤した塩化ビニル層を基紙から
機械的に掻き取ることを特徴とするものである。
【0007】さらにこの発明による塩化ビニル壁紙の塩
化ビニル層を基紙から分離する装置は、塩化ビニルを溶
解せずに膨潤させる有機溶剤を収容した塩化ビニル膨潤
槽と、膨潤した塩化ビニル層を掻き取る装置と、塩化ビ
ニル層を掻き取った後の基紙を前記有機溶剤の沸点以上
に加熱して基紙から有機溶剤を蒸発させる溶剤除去装置
と、前記塩化ビニル膨潤槽、塩化ビニル層掻き取り装置
および溶剤除去装置を収容する密閉室と、前記溶剤除去
装置内の有機溶剤蒸気を密閉室外に導いて回収する溶剤
回収装置、塩化ビニル壁紙を前記密閉室内の塩化ビニル
膨潤槽および塩化ビニル層掻き取り装置に順次通過さ
せ、さらに塩化ビニル層掻き取り後の基紙を溶剤除去装
置に通過させる搬送手段とからなることを特徴とするも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】塩化ビニルを溶解せずに膨潤させ
る有機溶剤としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサノン等の芳香族炭化水素類;アセト
ン、エチルメチルケトン、ジメチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類;クロロホルム、四塩化炭素、トリクロル
エチレン等のハロゲン化炭化水素類;二硫化炭素等が挙
げられる。
【0009】これらの有機溶剤の中には、単独では塩化
ビニルを効果的に膨潤させないものもあるが、塩化ビニ
ルの適切な膨潤状態が得られるように2種類以上を適宜
混合することによって、塩化ビニルの膨潤作用を調整す
ることができる。
【0010】塩化ビニル壁紙を有機溶剤に浸漬する時間
は数秒から数分、好ましくは約10秒から1分程度とす
る。有機溶剤に浸漬することにより、塩化ビニル壁紙の
塩化ビニル層が膨潤され、基紙との接着力が弱まる結
果、次工程での塩化ビニル層の掻き取りにより効果的に
基紙から掻き取ることができるようになる。
【0011】膨潤されて基紙との接着力が弱まった塩化
ビニル層は、機械的に基紙から掻き取ることにより容易
に分離することができ、掻き取った塩化ビニル層中には
基紙の混入をきわめて少なくできる。
【0012】機械的掻き取り手段としては、例えばワイ
ヤーや化学繊維等のブラシロール、ブレード、表面を粗
らしたローラー等が挙げられる。
【0013】この発明の装置を図1に示した実施例を参
照して説明する。この装置は、塩化ビニルを溶解せずに
膨潤させる有機溶剤を収容した塩化ビニル膨潤槽10
と、膨潤した塩化ビニル層を掻き取る装置20と、塩化
ビニル層を掻き取った後の基紙を有機溶剤の沸点以上に
加熱して基紙から有機溶剤を蒸発させる溶剤除去装置3
0とからなっている。図示の例は、不良品の塩化ビニル
壁紙ロール1を処理して塩化ビニル層2を基紙3から分
離し、基紙3を回収基紙巻取ロール4に連続的に巻き取
る例を示しており、回収基紙巻取ロール4の回転駆動装
置(図示せず)を壁紙および基紙の搬送手段としてい
る。
【0014】ロールから巻き解かれた塩化ビニル壁紙は
先ず塩化ビニル膨潤槽10を通過する。この膨潤槽10
では有機溶剤中に壁紙が浸漬されて塩化ビニル層2の膨
潤がなされるため、塩化ビニル層2が適切に膨潤するよ
うな浸漬時間がとれる速度で壁紙を搬送する必要があ
る。
【0015】塩化ビニル膨潤槽10を通過した壁紙は、
次いで塩化ビニル層掻き取り装置20へ送られ、膨潤し
た塩化ビニル層2は、ワイヤーを周囲に突出せしめたブ
ラシロール21により基紙3から掻き取られる。図示の
例では、ブラシロール21と接触する壁紙の基紙側から
圧着ロール22で圧着し、ブラシロール21と塩化ビニ
ル層2との接触を良好にして確実な掻き取りができるよ
うにしている。ブラシロール21で掻き取られた塩化ビ
ニル層2は下方に設置した回収塩化ビニル溜め23に落
下させて回収する。
【0016】塩化ビニル層を掻き取った後の基紙3aに
は塩化ビニル膨潤槽10の有機溶剤が浸透しているた
め、溶剤除去装置30に送られ、ここで有機溶剤の沸点
以上に加熱して有機溶剤を基紙3aから蒸発させる。使
用する有機溶剤には有害なものがあり、その蒸気の揮散
を防止するために、塩化ビニル膨潤槽10と塩化ビニル
掻き取り装置20と溶剤除去装置30は密閉室40内に
収容する。また、溶剤除去装置30内の有機溶剤蒸気は
密閉室40外へ導いて溶剤回収装置31により回収す
る。さらに、塩化ビニル膨潤槽10から出て塩化ビニル
掻き取り装置20さらには溶剤除去装置30へ搬送され
る壁紙や基紙には有機溶剤が浸透しているため、搬送中
にこの溶剤が揮発して密閉室40内に揮散する。密閉室
40のかような溶剤蒸気は、密閉室40内に設置した溶
剤蒸気吸引装置32により密閉室外の溶剤回収装置31
へ導かれる。
【0017】このようにして回収された塩化ビニル層掻
き取り屑には基紙の繊維の混入が少なく、また回収され
た基紙にも塩化ビニル層の残留が少ないため、回収塩化
ビニルや回収基紙の再利用を容易に行うことができる。
さらに、使用した有機溶剤も回収、再利用が可能にな
る。
【0018】
【実施例】表1に示した各種の有機溶剤に塩化ビニル壁
紙の小片をそれぞれ30秒間浸漬した後、金属板からな
るブレードを用いて塩化ビニル層を掻き取り、その時の
掻き取り易さを比較した。結果を表1に併記する。表か
らわかるように、塩化ビニルを膨潤させない有機溶剤を
用いた場合だけでなく、塩化ビニルを溶解する有機溶剤
を用いた場合も、塩化ビニル層の掻き取りが良好に行え
ないことがわかる。
【0019】 [表1] 有 機 溶 剤 除 去 の 難 易 アセトンのみ 容易 実 クロロホルムのみ 容易 二硫化炭素のみ やや容易 施 アセトン/トルエン混合[3/7] 容易 メチルイソブチルケトン/トルエン[2/8] 容易 例 シクロヘキサノン/ベンゼン[3/7] 容易 酢酸ブチル/ベンゼン[2/8] 容易 クロロホルム/トルエン[4/6] 容易 ベンゼンのみ やや難(膨潤程度弱い) 比 メチルイソブチルケトンのみ 困難(表面が溶解) シクロヘキサノンのみ 困難(表面が溶解) 較 エチルアルコールのみ 困難(膨潤しない) 酢酸のみ 困難(膨潤しない) 例 ジクロルエタンのみ 困難(表面が溶解) テトラハイドロフランのみ 困難(表面が溶解)。
【0020】なお、表中の除去の難易は以下のように評
価した。 容易: 1回の掻き取りにより、基紙面が完全に露出す
る。 やや容易: 1回の掻き取りにより、基紙面に塩化ビニ
ル層が若干残る。 やや難: 2〜3回の掻き取りにより、基紙面が露出す
る。 困難: 掻き取っても塩化ビニル層が剥がれない。
【0021】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、この発明
によれば、塩化ビニルを溶解せずに膨潤させる有機溶剤
に塩化ビニル壁紙を浸漬させた後、膨潤した塩化ビニル
層を基紙から機械的に掻き取ることによって、塩化ビニ
ル層を基紙から効率よく、しかも両者を互いの混入が少
なくなるように分離することができる。
【0022】その結果、回収した塩化ビニルや基紙はそ
れぞれ再利用が容易になり、また使用した有機溶剤も簡
単な加熱手段で蒸発させ、回収、再利用を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置の実施例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1: 不良品塩化ビニル壁紙ロール 2: 塩化ビニル層 3: 基紙 3a: 塩化ビニル層を掻き取った後の基紙 4: 回収基紙巻取ロール 10: 塩化ビニル膨潤槽 20: 塩化ビニル掻き取り装置 30: 溶剤除去装置 31: 溶剤回収装置 40: 密閉室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル層と基紙とからなる塩化ビニ
    ル壁紙を、塩化ビニルを溶解せずに膨潤させる有機溶剤
    に浸漬して塩化ビニル層を膨潤させた後、膨潤した塩化
    ビニル層を基紙から機械的に掻き取ることを特徴とする
    塩化ビニル壁紙の塩化ビニル層を基紙から分離する方
    法。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル層を掻き取った後の基紙を前
    記有機溶剤の沸点以上に加熱して、基紙から有機溶剤を
    蒸発させて回収することを特徴とする請求項1記載の塩
    化ビニル壁紙の塩化ビニル層を基紙から分離する方法。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル層と基紙とからなる塩化ビニ
    ル壁紙の塩化ビニル層を基紙から分離する装置であっ
    て、塩化ビニルを溶解せずに膨潤させる有機溶剤を収容
    した塩化ビニル膨潤槽と、膨潤した塩化ビニル層を掻き
    取る装置と、塩化ビニル層を掻き取った後の基紙を前記
    有機溶剤の沸点以上に加熱して基紙から有機溶剤を蒸発
    させる溶剤除去装置と、前記塩化ビニル膨潤槽、塩化ビ
    ニル層掻き取り装置および溶剤除去装置を収容する密閉
    室と、前記溶剤除去装置内の有機溶剤蒸気を密閉室外に
    導いて回収する溶剤回収装置と、塩化ビニル壁紙を前記
    密閉室内の塩化ビニル膨潤槽および塩化ビニル層掻き取
    り装置に順次通過させ、さらに塩化ビニル層掻き取り後
    の基紙を溶剤除去装置に通過させる搬送手段とからなる
    ことを特徴とする塩化ビニル壁紙の塩化ビニル層を基紙
    から分離する装置。
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