JPH0959085A - 単結晶成長方法および単結晶成長装置 - Google Patents

単結晶成長方法および単結晶成長装置

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JPH0959085A
JPH0959085A JP23602795A JP23602795A JPH0959085A JP H0959085 A JPH0959085 A JP H0959085A JP 23602795 A JP23602795 A JP 23602795A JP 23602795 A JP23602795 A JP 23602795A JP H0959085 A JPH0959085 A JP H0959085A
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篤人 岡本
Naohiro Sugiyama
尚宏 杉山
Toshihiko Tani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長手方向、径方向の均一性が高く、かつ高品
質な単結晶を成長させる方法および装置を提供する。 【解決手段】 上記種結晶3の端面に対向して、かつ該
端面と平行に熱輻射体5を配置する。種結晶3上に成長
する単結晶の成長端面と、対向する熱輻射体5表面との
距離が常に一定となるように、種結晶3を上方へ移動さ
せつつ単結晶の成長を行う。熱輻射体5にて種結晶3を
均一に加熱し、しかも成長端面と熱輻射体5との距離を
一定に保つことで、成長端面の面内温度を均一かつ一定
にし、均質な単結晶を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素等の単結
晶を成長させるための単結晶成長方法および装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素単結晶は半導体デバイスの基板
用として有用であり、その成長方法として、従来より昇
華再結晶法が知られている。昇華再結晶方法は、黒鉛製
容器内に、原料となる炭化珪素粉末と種結晶を対向して
配し、炭化珪素粉末を加熱昇華させて種結晶上に炭化珪
素を再結晶させるものである。
【0003】ところが、上記方法では、容器内に長手方
向、径方向の温度勾配が生じる。また、単結晶の成長中
に、炭化珪素粉末が炭化し、あるいは容器を構成する黒
鉛が珪素含有ガス種と反応して不均一に荒らされる。そ
の結果、種結晶の受ける輻射熱に面内分布が生じて、生
成する単結晶の品質が不均一になるおそれがある。
【0004】この改良として、例えば、特開平6−29
8594号公報には、原料を収容するるつぼと種結晶の
支持部材をそれぞれ独立に上下および回転動可能にし
て、原料の温度と種結晶の温度およびその温度差を単結
晶成長中に調整可能とした単結晶成長装置が提案されて
いる。また、特開平5−208900号公報では、容器
内をガス反応によって炭化珪素を生成する反応室と単結
晶を成長させる結晶成長室に分ける一方、結晶成長条件
に合わせて種結晶支持具を上下回転動可能とした成長装
置が開示されている。特開平5−319996号公報の
成長装置は、容器を支持する支持体を加熱する装置を有
し、支持体を介して容器を加熱して、成長中に容器内の
温度勾配を制御するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によっても、生成する単結晶の品質を均質にすること
は容易ではない。特に、単結晶の成長面において径方向
に温度分布が生じると、例えばドーパントをドープする
場合にドーパント濃度が径方向でばらつく等、面内均一
性の高い、高品質な単結晶を得ることは難しかった。
【0006】しかして、本発明の目的は、単結晶の径方
向におけるドーパント濃度等の不均一を解消し、長手方
向、径方向の均一性が高く、かつ高品質な単結晶を成長
させる方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実情
に鑑みて鋭意検討を行い、単結晶となる原料のガスを種
結晶に供給し、該種結晶上に単結晶を成長させる方法に
おいて、上記種結晶の端面に対向して、かつ該端面と平
行に熱輻射体を配置し、上記種結晶の端面上に成長する
単結晶の成長端面とこれに対向する上記熱輻射体表面と
の距離が一定となるように、上記熱輻射体に対し上記種
結晶を相対移動させつつ単結晶の成長を行うことで、単
結晶の成長面における面内温度分布を均一に、かつ一定
に保持できることを見出した(請求項1)。
【0008】具体的には、上記単結晶の成長端面と上記
熱輻射体との距離を5〜50mmの範囲でかつ一定に保
ちつつ成長を行うことが望ましい(請求項2)。また、
上記単結晶より上記熱輻射体を高温とし、かつ上記単結
晶の成長端面の温度T1 (℃)と上記熱輻射体表面の温
度T2 (℃)との差(T2 −T1 )(℃)が、0℃<
(T2 −T1 )≦20℃となるようにすることが望まし
い(請求項3)。
【0009】上記方法を実現するための装置としては、
図1に示すように、容器H内に配した種結晶3に単結晶
となる原料のガスを供給して、上記種結晶3上に単結晶
を成長させる装置であって、上記種結晶3を表面に有す
る単結晶成長基板1と、上記種結晶3の端面に対向し
て、かつ該端面と平行に配置した熱輻射体5と、単結晶
となる原料のガスを上記容器H内に供給する原料ガス供
給手段H1と、上記単結晶成長基板1を単結晶の成長方
向に相対移動可能とする移動手段42とを備えた単結晶
成長装置が好適に用いられる(請求項4)。
【0010】上記熱輻射体5は、好適にはグラファイト
よりなり(請求項5)、また、その内部にこれを直接ま
たは輻射により加熱する手段61を有している(請求項
6)。
【0011】
【発明の実施の形態】図1には、本発明に基づいて炭化
珪素単結晶を成長させるために使用される単結晶成長装
置の一例を示す。図1において、単結晶成長装置は、両
端閉鎖の筒状体よりなるグラファイト製の反応容器Hを
有し、該容器H内には、単結晶成長基板1が配設してあ
る。単結晶成長基板1は、グラファイト製の種結晶貼付
体2の下面全面に炭化珪素種結晶3を貼付保持してな
り、上記貼付体2の上端面には支持棒4が固定されてい
る。該支持棒4は容器1上面を貫通して延び、容器H外
に設けた回転駆動装置41、移動手段たる上下駆動装置
42に連結している。しかして、これら駆動装置41、
42を駆動することにより上記種結晶3を上下および回
転駆動可能である。
【0012】上記種結晶3は、成長すべき単結晶の種結
晶となるもので、例えば、アチソン法または昇華法によ
り製造した炭化珪素単結晶を、上記貼付体2の径に合わ
せて加工しウエハ状としたものが使用される。ドーパン
トをドーピングすることによりn型炭化珪素単結晶を製
造する場合には、所望の単結晶と同一多形でしかも
【外1】 を単結晶成長面とすると、n型ドーパントとしての窒素
を効率的に取り込みやすく、また、p型炭化珪素単結晶
を製造する場合には、所望の単結晶と同一多形でしかも
SiC(0001)Si面を単結晶成長面とすると、p
型ドーパントとしてのアルミニウム、ボロンを効率的に
取り込みやすく、従って不純物補償の少ない高品質な単
結晶を得ることができる。
【0013】上記種結晶3の下方には、これと対向して
熱輻射体5が配設してある。該輻射体5は上端閉鎖の中
空円筒体で、その上端面を輻射部51とし、該輻射部5
1表面が上記種結晶3の端面と平行になるように設置さ
れる。なお、種結晶の端面は、単結晶が成長する面(単
結晶の成長方向に向いた面)である。上記輻射体5の材
料としては、熱伝導率が高く、汚染物質を発生しない材
料、例えば高純度グラファイト等が挙げられる。上記輻
射体5の大きさは、輻射体5となる円筒体の内径L2が
上記種結晶3の外径L1より大きいことが望ましい。具
体的には、例えば、種結晶3として外径L1=φ50m
mのウエハを用いる場合、輻射体5の内径L2はφ50
mm以上、好ましくはφ60mm以上とするのがよい。
また、種結晶3として外径L1=φ75mmのウエハを
用いる場合には、輻射体5の内径L2はφ75mm以
上、好ましくはφ90mm以上とするのがよい。
【0014】上記輻射体5の内部には、輻射によりこれ
を加熱するための抵抗加熱装置61が設置してあり、外
部より延びる電流導入端子62に接続されている。上記
輻射部51裏面と加熱装置61の距離lは、1〜50m
m、好ましくは10〜20mmとするのがよい。上記加
熱装置61の発熱体材料としては、例えばグラファイト
等が挙げられる。発熱体の配置形状は特に制限されない
が、例えばら旋(渦巻き)状、複数の同心円状、複数を
一方向に平行に配置した形状、左右に蛇行した形状等、
種々の形状が採用可能である。この加熱装置61の輻射
熱により、距離lだけ離れた上記輻射体5が加熱され、
熱伝導によって種結晶3に対向する輻射部51が均一に
加熱される。
【0015】上記輻射部51の裏面には、下方より延び
る棒状の温度検出器7が貼付け固定してあって、該裏面
の温度T2´を検出可能となしてある。また、上記輻射
体5の下端部は、回転駆動装置52に連結してある。し
かして、単結晶成長中に上記輻射体5を回転させること
が可能で、対向する単結晶成長面に与える輻射熱をより
面内均一なものとすることができる。
【0016】上記容器1の外周囲には、これを取り囲む
ように、抵抗加熱装置63が設けてある。これにより上
記容器1全体が加熱され、上記種結晶3を含む単結晶成
長基板1が加熱される。一方、単結晶成長基板1の上記
貼付体2に固定される上記支持棒4は、温度検出器を兼
ねており、上記貼付体2の裏面温度T1´を検出するよ
うになしてある。
【0017】上記温度検出器7および温度検出器を兼ね
る上記支持棒4は、例えば、二色赤外線放射温度計や熱
電対等からなり、これら検出値に基づいて、後述する方
法により、上記種結晶3の成長端面の温度T1および上
記輻射部51の表面温度T2を制御することができる。
なお、上記加熱装置63と上記加熱装置61はそれぞれ
独立に温度制御可能で、上記検出温度を基に上記種結晶
3および上記輻射体5の温度を制御することができる。
【0018】なお、本実施例では、上記加熱装置63を
抵抗加熱法による加熱としたが、これに限るものではな
く、例えば高周波加熱法を用いてももちろんよい。
【0019】上記容器1の下端部側壁には、原料ガス供
給手段たる原料ガス導入管H1が接続してあり、図2に
示すように、上記原料ガス導入管H1は、上記容器Hと
黒鉛フェルト製の断熱材(図示せず)で分離された原料
供給室8に連通している。該原料供給室8内には、炭化
珪素単結晶となる原料81が収容され、これを原料供給
室8周囲に設けた加熱装置82で加熱昇華させることに
より炭化珪素となる原料ガス(昇華ガス)を生成し、拡
散または輸送ガス(例えばアルゴン等の不活性ガス)に
よって上記ガス導入管H1を通して上記容器H内に導か
れるようになしてある。上記原料供給室8の下端部に
は、不活性ガスを原料供給室8内に導くための導入路8
3が設けてある。
【0020】上記容器1の下端部の上記原料ガス導入管
H1に対向する側壁には、ドープガス導入管H2が接続
され、黒鉛フェルト製の断熱材(図示せず)で上記容器
Hと分離されるドープ原料供給室9に連通している。該
ドープ原料供給室9内には、ドープ原料91が収容さ
れ、ドープ原料供給室9周囲に設けた加熱装置92で加
熱することにより、ドープ原料ガスが拡散または輸送ガ
ス(例えばアルゴン等の不活性ガスおよび窒素ガス)に
よって上記ドープガス導入管H2を通して上記容器H内
に導かれるようになしてある。上記ドープ原料供給室9
の下端部には、不活性ガスおよび窒素ガスをドープ原料
供給室9内に導くための導入路93が設けてある。な
お、結晶中にドーパントをドープする方法としては、必
ずしも原料とドープガスの供給をガス導入管H1,H2
の別々の管を用いて行う必要はなく、導入路83を用い
てドーパントを含むガスを導入したり、ドーパント含有
炭化珪素原料やドーパントを含む原料と炭化珪素原料の
混合物を用いてガス導入管H1のみを用いてドープする
ことも可能である。アンドープの単結晶を作製する場合
には、上記ドープガス導入管H2は閉じるか、または原
料ガスの組成比を調整するためのシリコン蒸気の導入路
として用いることができる。
【0021】上記容器Hの上端部両側壁には、ガス排気
管H3が接続されている(図1)。該ガス排気管H3
は、種結晶貼付体2と種結晶3(および成長結晶)の側
面にガス流を発生させるためと未反応ガスを含む排ガス
を容器外に排除するために設けられている。
【0022】なお、本実施例では、ガスを容器Hの側壁
より吸排気する構造としたが、これに限定されるもので
はなく、容器Hの上下端面または側面のいずれに設けて
もよく、ノズル型、広口型等を適宜組み合わせて採用で
きる。また、本実施例では上面に種結晶、下面に熱輻射
体を配置した縦型の単結晶製造装置としたが、上面に熱
輻射体、下面に種結晶を配置した縦型でも、さらには横
型としてももちろんよく、同様の効果が得られる。
【0023】次に、上記装置を用いてアンドープの炭化
珪素単結晶を成長させる方法について説明する。まず、
上記容器H内を真空にし、上記加熱装置63にて容器H
内を所定温度に上昇する。その後、不活性ガス、例えば
アルゴンガスを流入させて所定圧に保ち、上記種結晶3
の成長面の温度T1(℃)と、上記輻射部51表面の温
度T2(℃)を目標温度まで上昇させる。この目標温度
は所望する結晶多形により選択する。例えば6H形の場
合、2100≦T1≦2300℃の温度範囲で成長させ
るのがよい。同時に、上記原料ガス供給室8の温度を加
熱装置82にて上昇させ、炭化珪素単結晶となる原料ガ
スを生成する。減圧は40〜100分かけてゆっくり行
い、雰囲気圧力p(Torr)を0.5≦p≦20To
rr、望ましくは1≦p≦10Torrに設定して単結
晶を成長させる。
【0024】上記種結晶3の成長面(単結晶成長中は、
成長した単結晶の成長端面)の温度T1は、直接測定で
きないため、温度検出体を兼ねる上記支持棒4にて上記
貼付体2の裏面温度T1´を検出し、予め測定しておい
た温度校正曲線に基づいて上記種結晶3の成長面の温度
T1を求めればよい。同様に、上記輻射部51表面の温
度T2についても、温度検出体7にて上記輻射部51の
裏面温度T2´を検出し、予め測定しておいた温度校正
曲線に基づいて上記種結晶3の成長面の温度T2を求め
ることができる。
【0025】単結晶の成長は、上記種結晶3の成長面
(単結晶成長中は、成長した単結晶の成長端面)と、上
記輻射部51表面との距離Lが常に一定になるようにし
て成長を行う。このため、種結晶貼付体2の上記支持棒
4を、上記上下駆動装置42にて、成長速度と等しい移
動速度で図の上方に移動させる。距離Lは5〜50mm
に設定するのがよく、距離Lが5mmに満たないと、単
結晶周辺は排気の流れがあるため、成長面の中央部と周
辺部で蒸気圧に差が現れ、成長面が単一の結晶面で覆わ
れない。逆に距離Lが50mmを越えると、容器H側壁
からの輻射熱と上記輻射体5からの輻射熱との相互作用
で、成長面の温度分布が不均一となり、1つの成長面で
長手方向に成長できなくなる。なお、上記支持棒4の移
動速度は、ある成長条件で例えば1時間成長させ、その
成長量から決定すればよい。
【0026】本発明では、上記種結晶3の温度を上記輻
射体5の温度より低くして成長を行い、具体的には、上
記種結晶3の端面(単結晶が成長した場合は単結晶の成
長端面)の温度T1(℃)と、上記輻射体5表面の温度
T2(℃)の温度差(T2−T1)(℃)は0℃<(T
2−T1)≦20℃に設定する。T1とT2の温度差が
ないと成長量が小さく、さらに輻射体5に炭化珪素が堆
積し、成長面が受ける輻射熱が不均一となる。逆に(T
2−T1)が20℃を越えると、容器H側壁からの輻射
熱と上記輻射体5からの輻射熱との相互作用で、成長面
の温度分布が不均一となり、1つの成長面で長手方向に
成長できなくなる。
【0027】また、回転駆動装置41、52を駆動して
種結晶3、輻射体5を回転させながら成長を行う。これ
により、輻射体5が均一に加熱されて径方向の温度勾配
を小さくでき、さらに、種結晶3の径L1は輻射体5の
内径L2より小さく設定してあるので、種結晶3の成長
面が受ける輻射熱は面内均一なものとなる。また、種結
晶3自体を回転させることで、単結晶の成長端面におけ
る面内温度分布がより均一になる。このように、本発明
では単結晶の成長端面が常に一定温度に保たれるので、
生成する単結晶は長手方向、径方向に均質でかつ高品質
なものとなる。
【0028】原料供給室8から容器H内へ原料ガスの供
給は、自然拡散、または成長速度を大きくしたい場合に
は不活性ガス等の輸送ガスを用い、原料ガス導入管H1
を介して原料ガスを容器H内へ供給する。原料粉末温
度、雰囲気圧力、輸送ガス流量は、生産性、結晶の品質
を考慮して選択される。特に、成長速度が0.5〜1m
m/hrになるように調整することによって、高品質で
しかも大型の単結晶が得られる。
【0029】単結晶にドーパントをドーピングする場合
には、n型単結晶であればドーパントとしての窒素等の
ガスまたは該窒素等の化合物のガスを、p型単結晶であ
ればアルミニウム、ボロン等のガスまたは該アルミニウ
ム、ボロン等の化合物のガスを、ドープ原料供給室9よ
り上記ドープガス導入管H2を介して容器H内へ供給し
ながら成長を行う。この時、n型単結晶を製造する場合
には、種結晶として
【外2】 を、p型単結晶を製造する場合には、(0001)Si
面を用いる。これにより、各ドーパントを結晶中に効果
的に取り込みやすくなり、また成長する単結晶の成長端
面が1つの結晶面で形成されるため、ドーパント濃度の
面内均一性が高くなる。このように、所望の導電性を得
るために種結晶の極性(Si/C面)を規定すること
で、低抵抗でしかも均一性が高い高品質なnまたはp型
単結晶を再現性よく製造することができる。
【0030】本発明において、原料ガスとしては、例え
ば炭化珪素単結晶を成長させる場合、上記のような炭化
珪素となる原料の昇華ガス、あるいは炭素と珪素とを含
有するガス等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
(実施例1)本発明の効果を確認するため、上記図1、
2に示した装置を用い、上述した方法に従って炭化珪素
単結晶の24時間成長実験を行った。種結晶3として、
昇華法にて作製した直径50mmの6H型炭化珪素単結
【外3】 を用いた。この種結晶3を貼付体2に貼付て単結晶成長
基板1とし、これを、種結晶3の端面と輻射体5の輻射
部51表面との距離Lが10mmとなるように容器H内
に配した。図略の真空排気系にて上記容器H内を真空に
し、加熱装置63にて容器H内を1800℃まで上昇し
た。その後、アルゴンガスを流入させながら約500T
orrに保ち、上記種結晶3の端面の温度T1を225
0℃、輻射部51の表面温度T2を2260℃まで上昇
させた。同時に、原料ガス供給室8およびドープ原料ガ
ス供給室9内の温度を、加熱装置82、92にて上昇さ
せた。
【0032】次いで、容器H内をゆっくり減圧して雰囲
気圧力を1Torrに設定し、炭化珪素の原料ガスを原
料ガス導入管H1から、ドーパントガスとして窒素ガス
をドープ原料ガス導入管H2から容器H内に導入し、上
記種結晶3上に単結晶を24時間成長させた。この時、
種結晶3上の単結晶の成長端面と輻射部51表面との距
離Lが、常に10mmを保つように上下駆動装置42を
制御し、種結晶3を単結晶の成長速度(0.8mm/h
r)と同じ速度で上方へ移動させた。同時に回転駆動装
置41、52を駆動して種結晶3、輻射体5を回転させ
ながら成長を行った。
【0033】上記種結晶3、輻射体5の温度制御には温
度校正方法を用いた。まず、上記貼付体2の裏面温度T
1´、上記輻射部51の裏面温度T2´を検出し、図
3、4に示す温度校正曲線を用いて、種結晶3の端面
(単結晶が成長した場合には単結晶の成長端面)の温度
T1、輻射部51の表面温度T2を求めた。そして、こ
れを基に、単結晶成長端面の温度T1が2250℃、輻
射部51の表面温度T2が2260℃となるように加熱
装置61、63を制御した。なお、図3、4に示す温度
校正曲線は、貼付体2の厚さ10mm、輻射部51の厚
さ15mmの時のものである。
【0034】(比較例1)次に、比較のため、容器H内
に上記輻射体5を設置せず、種結晶3に対向する容器H
底部に炭化珪素原料粉末を配した従来装置を用い、単結
晶の24時間成長試験を行った。実施例1と同じ種結晶
3を用い、種結晶3の成長面の温度を2230℃、原料
粉末表面の温度を2295℃に設定し、ドーパント、雰
囲気圧力等の条件は上記実施例1と同様とした。単結晶
の成長速度は約0.6mm/hrであった。
【0035】実施例1によって得られた単結晶の模式図
を図5(a)、(b)に、比較例1によって得られた単
結晶の模式図を図6に示す。図を比較して明らかなよう
に、実施例1による単結晶Sは柱状体(高さ19mm)
で、種結晶3表面に均一に結晶が堆積したものであるの
に対し、比較例1による単結晶Sは略球状で(高さ15
mm)、中央部S1のドーパント濃度が周辺部S2に比
べて高い、不均一なものであった。
【0036】図7、8には、上記実施例1、比較例1で
得られた単結晶の可視光域の吸収スペクトルをそれぞれ
示す。図には、単結晶の中心部の吸収スペクトルと中心
部から20mm離れた周辺部の吸収スペクトルを示し、
図中、約2.0eV近傍のピークの大きさは、成長した
単結晶のドーパント濃度を示している。図8に見られる
ように比較例1の単結晶では、約2.0eV近傍のピー
クの大きさが異なっており、ドーパント濃度が同一面内
でばらついていることがわかる。これに対し、実施例1
の単結晶では、上記ピークの大きさが一致しており、単
結晶の径方向でドーパント濃度が均一であることがわか
る。
【0037】なお、上記成長実験に先だって、輻射部5
1表面の温度T2を測定してみたところ、上記貼付体2
の裏面温度T1´=2200℃、輻射部51の裏面温度
T2´=2210℃の時、図9に示すように、輻射部5
1の中央部(中心からの距離0mm)と周縁部(中心か
らの距離25mm)の温度差は5℃以内であった。この
ように、本発明によれば、輻射体5表面を均一に加熱
し、これに対向する種結晶の面内温度を一定に保持し
て、長手方向、径方向に均一、かつ高品質な単結晶を得
ることができる。
【0038】上記実施例では、炭化珪素の単結晶成長に
本発明装置および方法を適用した例について説明した
が、本発明は、昇華法等の高温にて気相を介して単結晶
成長させることができる単結晶(例えば炭化珪素以外に
CdS,CdSe,ZnS等がある)であればいずれの
単結晶の成長にも適用可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、単結晶
成長中または成長毎に生じる温度変動や、面内温度の不
均一をなくすことができ、長手方向、径方向に均一性が
高くしかも高品質な単結晶を再現性よく製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶成長装置の一例を示す、反応容
器の全体断面図である。
【図2】本発明の単結晶成長装置の全体構成を示す断面
図である。
【図3】本発明実施例にて使用した種結晶端面温度の温
度較正曲線図である。
【図4】本発明実施例にて使用した輻射体表面温度の温
度較正曲線図である。
【図5】実施例1で得られた単結晶の模式図で、(a)
は縦断面図、(b)は(a)のVb−Vb線断面図であ
る。
【図6】比較例1で得られた単結晶の模式図で、(a)
は縦断面図、(b)は(a)のVIb−VIb線断面図であ
る。
【図7】実施例1で得られた単結晶の可視光域の吸収ス
ペクトルを示す線図である。
【図8】比較例1で得られた単結晶の可視光域の吸収ス
ペクトルを示す線図である。
【図9】本発明実施例における輻射体の表面温度分布を
示す線図である。
【符号の説明】
H 反応容器(容器) H1 原料ガス導入管(原料ガス供給手段) H2 ドープ原料ガス導入管 H3 ガス排気管 1 単結晶成長基板 2 貼付体 3 種結晶 4 支持棒(温度検出体を兼ねる) 41 回転駆動装置 42 上下駆動装置(移動手段) 5 熱輻射体 51 輻射部 52 回転駆動装置 61、63 加熱装置 7 温度検出体 8 原料供給室 9 ドープ原料供給室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶となる原料のガスを種結晶に供給
    し、該種結晶上に単結晶を成長させる方法において、上
    記種結晶の端面に対向して、かつ該端面と平行に熱輻射
    体を配置し、上記種結晶の端面上に成長する単結晶の成
    長端面とこれに対向する上記熱輻射体表面との距離が一
    定となるように、上記熱輻射体に対し上記種結晶を相対
    移動させつつ単結晶の成長を行うことを特徴とする単結
    晶成長方法。
  2. 【請求項2】 上記単結晶の成長端面と上記熱輻射体と
    の距離を5〜50mmの範囲でかつ一定に保ちつつ成長
    を行う請求項1記載の単結晶成長方法。
  3. 【請求項3】 上記単結晶より上記熱輻射体を高温と
    し、かつ上記単結晶の成長端面の温度T1 (℃)と上記
    熱輻射体表面の温度T2 (℃)との差(T2 −T1 )
    (℃)を、0℃<(T2 −T1 )≦20℃とした請求項
    1ないし2記載の単結晶成長方法。
  4. 【請求項4】 容器内に配した種結晶に単結晶となる原
    料のガスを供給して、上記種結晶上に単結晶を成長させ
    る装置において、上記種結晶を表面に有する単結晶成長
    基板と、上記種結晶の端面に対向して、かつ該端面と平
    行に配置した熱輻射体と、単結晶となる原料のガスを上
    記容器内に供給する原料ガス供給手段と、上記単結晶成
    長基板を単結晶の成長方向に相対移動可能とする移動手
    段とを備えることを特徴とする単結晶成長装置。
  5. 【請求項5】 上記熱輻射体がグラファイトよりなる請
    求項4記載の単結晶成長装置。
  6. 【請求項6】 上記熱輻射体が内部にこれを直接または
    輻射により加熱する手段を有する請求項4または5記載
    の単結晶成長装置。
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