JPH0958249A - ダンパ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般公差の精度でもって軸受け部と回転軸と
の隙間からの空気漏れ、作動音の発生の防止を可能にす
ると共に、ダンパの回動を円滑化するための潤滑剤の塗
布を不要とすることにより、コストの削減を図る。 【解決手段】 ダンパ１１を構成するドア部１２の少な
くとも周縁部と、同じくダンパ１１を構成する回転軸１
３のうち軸受け部１７の挿入孔１８に挿入する部分とに
弾性のシール部材１４を被覆し、このうち回転軸１３に
設けられたシール部材１４に全周にかけて外側に突出す
る凸状部１５を形成し、この凸状部１５を前記挿入孔１
８の内面に線状接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ダンパ装置、特
に車両用空調装置のモードドア等として用いるに適した
ダンパ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来において、車両用空調装置のモード
ドアとしては、例えば実公平２−３６０２４号公報に示
されるダンパ装置が公知となっている。かかるダンパ装
置は、回転軸２の周面から対称方向に平板状のドア部３
ａ，３ｂが設けられたダンパ（ドア本体１）を備えたバ
タフライ式のものである。そして、当該ダンパ（ドア本
体１）のドア部３ａ，３ｂの外側周縁に沿って例えばウ
レタン等から成るシール部材９ａ、９ｂが取付けられて
いる。また、ダンパ（ドア本体１）は、回転軸２の両端
部を空気ダクト４に形成された挿入孔５ａ，５ｂに挿入
することにより空気ダクト４に軸支されている。これに
より、ダンパ装置は、ダンパ（ドア本体１）が回動して
空気ダクト４に形成された開口部周囲にドア部３ａ，３
ｂのシール部材９ａ，９ｂが密着することにより閉塞時
のシールをおこなうことができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に示された発明に係るダンパ装置では、回転軸を挿入
孔に直接に挿入すると想定されるので、ダンパ（ドア本
体）の回転軸と空気ダクトの挿入孔との隙間から空気が
漏れるのを防止し、また回転軸と連結したレバーを動か
したときに作動音が生ずるのを防止するために、回転軸
の外径及び挿入孔の内径の寸法精度を厳密にして回転軸
と挿入孔の内面との密接性を高める必要がある。このた
め、かかるダンパ装置は、その回転軸等の部品成形用の
型に高い精密性を要するのでその成形コストが高くなる
といった不具合を有していた。

【０００４】また、上記公報に示された発明に係るダン
パ装置では、上述した様にダンパ（ドア本体）の回転軸
と空気ダクトの挿入孔の内面との密接性を高めるために
クリアランスを小さくしているが、ダンパ（ドア本体）
の回動を円滑に行わせるために回転軸にグリース等の潤
滑剤を塗布しなければならず、その潤滑剤分コストが高
く付くという不都合も有していた。

【０００５】そこで、本発明は、一般公差の精度でもっ
て軸受け部と回転軸との隙間からの空気漏れ、作動音の
発生の防止を可能とすると共に、ダンパの回動を円滑化
するための潤滑剤の塗布を不要とすることにより、コス
トの削減を図ったダンパ装置を提供することを目的とし
たものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明に係るダンパ装置は、ドア部とかかるドア
部が回動する場合に軸心となる回転軸とを備えて成るダ
ンパが、軸受け部に形成された挿入孔に前記回転軸を挿
入して回転自在に支持されているダンパ装置において、
前記ドア部の少なくとも周縁部と前記回転軸の前記挿入
孔に挿入する部分とに弾性のシール部材を被覆し、この
うち回転軸に設けられたシール部材に全周にかけて外側
に突出する凸状部を形成し、この凸状部を前記挿入孔の
内面に線状接触させるようにしたものとなっている（請
求項１）。尚、前記凸状部は、前記回転軸の軸方向に所
定の間隔をあけて複数設けられたフランジ状のものであ
っても（請求項２）、蛇腹状に形成されているものであ
っても良い（請求項３）。

【０００７】これにより、回転軸は、かかる回転軸を被
覆するシール部材の凸状部にて軸受け部の挿入孔の内面
と接するので、回転軸の外径と軸受け部の挿入孔の内径
とを一致させる必要がなく、ある程度の公差を有してい
ても回転軸と軸受け部との間からの空気漏れの防止を図
れると共に、ガタツキが抑えられるので作動音の発生の
防止を図れる。また、シール部材は弾性であり、且つ前
記回転軸に設けられたシール部材の凸状部と挿入孔の内
面とは線状接触であるため、回転軸と挿入孔との摩擦係
数は小さいので、回転軸は円滑に回動でき、グリース等
の潤滑剤の塗布を不要とできる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。

【０００９】図１において、本発明に係るダンパ装置を
用いた空調ユニット１が示されている。

【００１０】この空調ユニット１は、図示しない送風ユ
ニットの後流側に位置するもので、開口部２を介して前
記送風ユニットと接続している。かかる空調ユニット１
のユニットケース３内には、前記開口部２よりも後流側
にエバポレータ４、ヒータコア５がこの順で設けられて
いると共に、かかるエバポレータ４とヒータコア５との
間にはヒータコア５を通過する空気とバイパスする空気
との割合を調整するエアミックスドア６が配されてい
る。更に、ヒータコア５の後流側には温調された空気を
吹き出すベント吹出口７、デフロスト吹出口８、及びフ
ット吹出口９が設けられている。そして、各吹出口７乃
至９の手前側には、ダンパ１０乃至１２と軸受け部（図
１では示さず）とで構成されたダンパ装置が配置されて
いる。

【００１１】このダンパ装置のうちデフロスト吹出口８
に配置されたものを例にとって説明すると、このダンパ
装置で用いられるダンパ１１は、図２で特に示される様
にいわゆるバタフライ型といわれるもので、平板状のド
ア部１２と、このドア部１２の両側部１２ａの略中央か
ら対称的に外方向に突設し、かかるドア部１２が回動す
る場合に軸心となる回転軸１３とを備えた構成となって
いる。尚、回転軸１３は、図示しないがダンパの回動機
構の一部であるカムと連結している。

【００１２】そして、前記ドア部１２の少なくとも周縁
部には、ウレタン等の合成樹脂で形成された弾性のシー
ル部材１４が被覆しており、これによりユニットケース
３から突設したシート部（図示せず）と当接した場合に
その気密性が高められている。尚、前記シール部材１４
は、ドア部１２の全体を被覆するものであっても良い。

【００１３】また、前記シール部材１４は、下記する軸
受け部１７の挿入孔１８に挿入可能な外径を有する厚み
でもって回転軸１３の全体をも被覆しているもので、か
かる部位のシール部材１４には、その全周において２つ
のフラン状の凸状部１５，１５が所定の間隔をあけて突
出している。尚、シール部材１４は、回転軸１３が挿入
孔１８に挿入される部分のみに設けることとし、例えば
軸受け部１７の挿入孔１８からケース外側に突出した部
分には設けないようにしても良い。

【００１４】軸受け部１７は、デフロスト吹出口近傍に
おいて前記ユニットケース３の側壁に突出形成されてい
るもので、その中心部には挿入孔１８が形成されてい
る。尚、挿入孔１８の内径は、凸状部１５の頂部が回転
軸１３を挿入する際に若干引き掛かる程度の大きさを有
しているのが望ましい。

【００１５】しかるに、以上の構成によれば、図３に示
される様に回転軸１３を挿入孔１８に挿入した場合に
は、シール部材１４に形成された凸状部１５が、シール
部材１４の全周において挿入孔１８の内面に圧接するの
で、回転軸１３及びシール部材１４と挿入孔１８の内面
との間に隙間があっても凸状部１５によりその隙間が閉
塞されて、空気の漏れやガタツキによる作動音の発生を
防止できる。また、凸状部１５は、挿入孔１８の内面と
線状接触するだけなので、回転軸１４と軸受け部１７と
の摩擦係数が小さく、回転軸１４は円滑に回動できる。

【００１６】尚、これまでの説明において、凸状部の形
状は回転軸の軸方向に所定の間隔をあけて２つ形成され
たフランジ状のものとして説明し、また図示してきた
が、必ずしもこれに限定されず３つ以上であっても良
く、また蛇腹状に形成されたものであっても良い。

【００１７】また、この凸状部が形成されるダンパをバ
タフライ型のものとして説明してきたがそれのみに限定
されず、図１で示されるダンパ１０，１１及びエアミッ
クスドア６の様に、ドア部の一方端に回転軸が設けられ
たダンパであっても良い。

【００１８】更には、使用される箇所も空調ユニット等
に限定されず回転軸とこの回転軸を受ける軸受け部とを
備えたあらゆる装置について使用できる。

【００１９】

【発明の効果】以上により、本発明によれば、回転軸を
被覆するシール部材に設けられた凸状部にて、軸受け部
の挿入孔の内面と接触するため、回転軸及び軸受け部の
寸法にある程度の公差を有してていても回転軸と軸受け
部との間からの空気漏れを図れると共に、ガタツキが抑
えられるので作動音の発生の防止を図ることができる。
このため、回転軸等の部品成形用の型等の寸法をさほど
精密にする必要がなくなる。また、シール部材は弾性で
あると共にこのシール部材に設けた凸状部は挿入孔の内
面と線状接触した構成となっているので、回転軸は円滑
に回動でき、グリース等の潤滑剤の塗布は不要となる。
よって、ダンパ装置は、そのコストを削減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この発明に係るダンパ装置が用いられ
る空調装置の構成を示した説明図である。

【図２】図２は、同上のダンパ装置において、ドア本体
を軸受けに挿入する状態を示した斜視図である。

【図３】図３は、同上のダンパ装置において、ドア本体
を軸受けに挿入した状態を示した断面図である。

【符号の説明】

１１ ダンパ １２ ドア部 １３ 回転軸 １４ シール部材 １５ 凸状部 １７ 軸受け部 １８ 挿入孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドア部とかかるドア部が回動する場合に
   軸心となる回転軸とを備えて成るダンパが、軸受け部に
   形成された挿入孔に前記回転軸を挿入して回転自在に支
   持されているダンパ装置において、 前記ドア部の少なくとも周縁部と前記回転軸の前記挿入
   孔に挿入する部分とに弾性のシール部材を被覆し、この
   うち回転軸に設けられたシール部材に全周にかけて外側
   に突出する凸状部を形成し、この凸状部を前記挿入孔の
   内面に線状接触させるようにしたことを特徴とするダン
   パ装置。
2. 【請求項２】 前記凸状部は、前記回転軸の軸方向に所
   定の間隔をあけて複数設けられたフランジ状のものであ
   ることを特徴とする請求項１に記載のダンパ装置。
3. 【請求項３】 前記凸状部は、蛇腹状に形成されている
   ものであることを特徴とする請求項１に記載のダンパ装
   置。