JPH0958145A - 感熱孔版用原紙及びその製造方法 - Google Patents

感熱孔版用原紙及びその製造方法

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JPH0958145A
JPH0958145A JP23591295A JP23591295A JPH0958145A JP H0958145 A JPH0958145 A JP H0958145A JP 23591295 A JP23591295 A JP 23591295A JP 23591295 A JP23591295 A JP 23591295A JP H0958145 A JPH0958145 A JP H0958145A
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JP
Japan
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porous support
heat
thermoplastic film
sensitive stencil
stencil sheet
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Application number
JP23591295A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Mochizuki
史彦 望月
Takashi Koremura
高志 惟村
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Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
Original Assignee
Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体とが接着剤
を介して積層されている感熱孔版用原紙において、サー
マルヘッドとの密着性不良による白抜け防止、繊維目状
の白抜け防止、インキ裏移り防止、印刷開始一枚目から
良好な画像を得ることが可能な感熱孔版用原紙を提供す
る。 【構成】 熱可塑性樹脂と多孔性支持体を貼り合わせた
後の、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との接点の増加
がない状態のものを、カレンダー処理により厚さ方向に
3〜30%圧縮することで、熱可塑性フィルムと多孔性
支持体の接点が少なく、熱可塑性フィルム面の表面平滑
性が高く、多孔性支持体厚みが薄く、多孔性支持体密度
が低い感熱孔版用原紙を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性フィルムと多
孔性支持体を接着剤を介して貼り合わせた感熱孔版用原
紙及びその製造方法に関する。更に詳しくは、解像度が
高く良好な印刷画像が得られ、印刷物裏面へのインキ裏
移りが無く、一枚目より良好な印刷物が得られる高感度
感熱孔版用原紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線、サーマルヘッド等の手段を用い
て原紙を穿孔製版し、これらを印刷用の版として使用す
る印刷方式は、孔版印刷と呼ばれ、簡便な印刷方式とし
て広く普及している。これらの穿孔方式の中で、サーマ
ルヘッドを使用したデジタル穿孔方式は、地汚れの発生
が少ないこと、文字や図形のデジタル処理が可能なこ
と、簡便なことなどの理由により、現在では穿孔方式の
主流となり大部分を占めるようになっている。また近
年、小さな文字から写真のハーフトーンまで解像度の高
い高品質印刷への要求が高まり、微小化、高精細化され
たサーマルヘッドを用いた孔版印刷用製版印刷機や、該
サーマルヘッドの長寿命化をはかるため低エネルギー製
版化が進められた孔版印刷用製版印刷機が主流となりつ
つある。サーマルヘッドを用いた孔版印刷用の版である
感熱孔版用原紙も、この低エネルギー化製版に対応しな
がら、前記したサーマルヘッドの微小化、高精細化に対
応した高感度化の検討がなされている。例えば、熱可塑
性フィルムと多孔質支持体を貼り合わせた構成の感熱孔
版用原紙を高感度化する方法としては、厚さが薄く(例
えば2μ以下)、しかも低融点で、熱収縮率の高い高感
度熱可塑性フィルムの使用が挙げられる。このような高
感度熱可塑性フィルムを使用した高感度感熱孔版用原紙
は、高精細なサーマルヘッドや低エネルギーのサーマル
ヘッドに対しても容易に穿孔する。しかしながら、これ
らの高感度熱可塑性フィルムを用いても高感度熱可塑性
フィルムが多孔性支持体表面の凹凸に沿って貼り合わさ
れると、感熱孔版用原紙の高感度熱可塑性フィルム面が
凹凸になり、製版時にサーマルヘッドと感熱孔版用原紙
の密着性が悪く、サーマルヘッドと密着していない部分
の画像が白く抜けてしまう欠点があった。逆に、サーマ
ルヘッドと密着している部分は、熱可塑性フィルムが高
感度であるため低エネルギー製版でも十分な穿孔性が得
られ、この穿孔部より必要以上の印刷インキが通り抜け
印刷されるため、この印刷物を重ね合わせた時に、印刷
面の過剰の印刷インキが重ねられた印刷用紙の裏面に転
写してしまう、いわゆる裏移り問題が発生するという欠
点もあった。上記した熱可塑性フィルム面の凹凸を無く
し、感熱孔版用原紙の表面平滑性を高める手段として、
多孔性支持体にカレンダーを掛け、多孔性支持体表面の
凹凸を少なくする方法が知られている。この方法であれ
ば、多孔性支持体の凹凸に沿って貼り合わされても、多
孔性支持体の凹凸自体が少なく平滑であるため感熱孔版
用原紙表面も平滑になりサーマルヘッドとの密着性も良
い。また、多孔性支持体がカレンダー掛けにより潰され
高密度になることから、印刷インキの通りを抑制でき上
記した裏移り問題の発生も無い。しかしながら、このカ
レンダー処理された多孔性支持体を用いた場合には、カ
レンダー掛けにより潰された太く平坦な高密度に分布し
た多孔性支持体表面の繊維に沿って、熱可塑性フィルム
が貼り合わされるため、接着面積の広い繊維状の接着部
分が非常に多く形成された状態となり、製版時に、この
接着部分の熱可塑性フィルムは穿孔されず、繊維に沿っ
た状態で残った熱可塑性フィルムが印刷時に印刷インキ
の通過を妨げ、繊維目状の白抜けとなって印刷画像に現
れるという欠点があった。
【0003】このように特別な多孔性支持体を用いるこ
となく感熱孔版用原紙の表面平滑性を高め良好な画質を
得る手段として、例えば鏡面ロールに熱可塑性フィルム
を密着させた状態で多孔性支持体とラミネートする方法
(特公平3−52354)が知られている。しかしなが
ら、熱可塑性フィルム表面の凹凸による白抜けは、この
方法により改善できるものの、上記した裏移り問題及び
繊維目状の白抜けは、使用される多孔性支持体の物性に
左右され、この両方の問題を同時に解決することは出来
なかった。例えば、低密度の多孔性支持体を用いた場合
には、熱可塑性フィルムと多孔性支持体の接点が少な
く、繊維目状の白抜けは無くなるが、低密度の多孔性支
持体を用いているため、印刷インキの通りが良すぎて、
裏移り問題が発生する。また、高密度の多孔性支持体を
用いると、印刷インキの通りが抑制され裏移り問題は解
消されるものの、上記したカレンダー処理を行った多孔
性支持体を用いた場合と同様に、熱可塑性フィルムと多
孔性支持体の接点が多くなり、この接点部分で繊維目状
の白抜けが発生するという欠点があった。
【0004】このように、繊維目状の白抜けとインキ裏
移り問題は相反しており、この両方の品質を満足させる
ことは非常に困難であったが、この両方の品質を満足さ
せる手段として密度の異なる紙層を抄き合わせた多孔性
支持体を用いる方法が知られている。(特開平1−26
7094)この方法であれば、熱可塑性フィルムと接着
する面の多孔性支持体の密度が低密度で接点が少なくな
り、繊維目状の白抜けは発生せず、逆に、熱可塑性フィ
ルムと接していない方の多孔性支持体密度が高い為、印
刷インキの通りを抑制することが可能であり、裏移り問
題が解消される。しかしながら、熱可塑性フィルム面と
貼り合わされる多孔性支持体表面が低密度であることか
ら、この面の多孔性支持体の表面平滑性は低く、熱可塑
性フィルム表面の凹凸による白抜けの解消は出来なかっ
た。また、密度の異なる和紙を抄き合わせるため、多孔
性支持体が、高坪量、高厚みになることは避けられず、
その結果、非常に多くの印刷インキがこの高坪量、高密
度の多孔性支持体に保持され、印刷後、感熱孔版用原紙
を排版する過程において、過剰な印刷インキを同時に排
版してしまい、インキ消費量が増加したり、印刷開始時
に高坪量、高密度の多孔性支持体への印刷インキの浸透
に時間がかかり、良好な画像を得る為には、多数枚捨て
印刷を行い十分印刷インキを多孔性支持体に浸透させる
必要があるという欠点があった。
【0005】また熱可塑性フィルムと多孔性支持体を接
着剤を介して貼り合わせる感熱孔版用原紙の製造におい
て、熱可塑性フィルムと多孔性支持体を特定の接着剤で
接着させる際に、プレスローラー等により、2kg/c
2 以上の圧力で接着面を均一に加圧させ、多孔性支持
体を接着剤の層に埋込むように圧着させることが、特公
平5−27556号公報に記載されている。この方法
は、多孔性支持体を接着剤の層に埋込むように圧着する
ものであるから、接着剤が未硬化の状態すなわち流動性
の高い状態であると考察される。この流動性の高い状態
の接着剤を介して行うと熱可塑性フィルムと多孔性支持
体の接点が増大する傾向が進み、その結果得られる感熱
孔版用原紙としては接点部分での繊維目状の白抜け等の
問題が発生しやすくなる。
【0006】
【発明が解決しようする課題】上記したように、孔版印
刷分野における課題として、 1) 感熱孔版用原紙の熱可塑性フィルム面の凹凸を無
くし、サーマルヘッドとの密着性不良による白抜けを無
くすこと 2) 熱可塑性フィルムと多孔性支持体の過剰の接点に
よる繊維目状の白抜けを無くすこと 3) 多孔性支持体の印刷インキの通りが良すぎるため
に、過剰の印刷インキが印刷され、この印刷物を重ね合
わせた時に、過剰の印刷インキが印刷物裏面に転写する
インキ裏移り問題の解消 4) 印刷開始一枚目より良好な画像が得られること 等が上げられるが、互いに相反する項目が多く、これら
の課題全てを満足させることは、非常に困難であった。
本発明は、これらの課題全てを満足させた感熱孔版用原
紙を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、熱可塑性フィルムと多孔性支持体とを接着剤を介し
て貼り合わせた後、例えば溶剤に希釈した接着剤を用い
て貼り合わせ場合には、乾燥設備を通し溶剤を揮発させ
接着剤を硬化したもの(熱可塑性フィルムと多孔性支持
体との接点の増加がない状態としたもの)を、カレンダ
ー処理を行うことにより、熱可塑性フィルムと多孔性支
持体の接点は貼り合わせ時と変わらず、熱可塑性フィル
ム面の表面平滑性が高く、多孔性支持体厚みが薄いもの
となり、多孔性支持体密度を低くすることができ、上記
の課題全てを満足させる感熱孔版用原紙が得られること
を見いだした。
【0008】すなわち本発明は、以下の1〜3のとおり
である。 1.熱可塑性フィルムと多孔性支持体とが接着剤を介し
て積層されている感熱孔版用原紙において、熱可塑性フ
ィルムと多孔性支持体を貼り合わせた後の熱可塑性フィ
ルムと多孔性支持体との接点の増加がない状態のもの
を、カレンダー処理により厚さ方向に3〜30%圧縮し
た感熱孔版用原紙。 2.熱可塑性フィルムとの貼り合わせ面の平滑度が王研
式平滑度計による測定で1〜7秒である多孔性支持体を
用いることを特徴とした請求項1記載の感熱孔版用原
紙。 3.熱可塑性フィルムと多孔性支持体を接着剤を介して
貼り合わせた構成からなる感熱孔版用原紙の製造方法に
おいて、熱可塑性フィルムと多孔性支持体を貼り合わ
せ、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との接点の増加が
ない状態にした後、少なくとも一対の加圧されたロール
間に通すカレンダー処理を行うことを特徴とした感熱孔
版用原紙の製造方法。
【0009】以下に、本発明を更に詳しく説明する。本
発明における,熱可塑性フィルムとは、製版時の加熱に
より穿孔、収縮するものであり、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニリデ
ンフィルム等が挙げられる。これらの中で、本発明に用
いる熱可塑性フィルムとしては、薄膜化したときの強度
が優れる点よりポリエステルフィルムが望ましい。ま
た、熱可塑性フィルムには、帯電防止剤、スティック防
止剤等の処理があらかじめなされてもよい。
【0010】多孔性支持体は、熱可塑性フィルムを支持
し、印刷時にインキが通過できる様な構成を持つもので
あり、例えば、木材パルプ、麻、みつまた、こうぞのよ
うな天然繊維、及びレーヨン、ビニロン、ナイロン、ポ
リエステル、ポリフェニレンサルファイト、アクリロニ
トリルなどのような化学繊維を、単独または混合して湿
式あるいは乾式でシート状にしたものである。多孔性支
持体の坪量については特に限定されるものでは無いが、
インキ消費量、あるいは強度、取扱性の点より坪量は、
5〜20g/m2 程度が適当である。
【0011】また、王研式平滑度計により測定された平
滑度が1〜7秒の多孔性支持体を熱可塑性フィルムとの
貼り合わせに用いれば、該多孔性支持体と熱可塑性フィ
ルムの接点が少なくなり、低エネルギー製版時において
も繊維目状の白抜けの無い良好な印刷画像が得られる。
この多孔性支持体の王研式平滑度が、7秒以上である
と、熱可塑性フィルムと多孔性支持体の接点が多くな
り、低エネルギー製版時において繊維目状の白抜けが発
生し易くなる。逆に、1秒以下であると、熱可塑性フィ
ルムと多孔性支持体の接点が少なくなりすぎ、十分な接
着強度が得られず、印刷時の印圧もしくは揃断力に耐え
る事が出来ず、印刷時に多孔性支持体と熱可塑性フィル
ムの剥がれが生じる。
【0012】接着剤としては、印刷時の印圧もしくは揃
断力に耐えられる程度の接着力が熱可塑性フィルムと多
孔性支持体の間で得られるものであれば良く、従来より
公知の酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が使用
できる。
【0013】次に、本発明は、熱可塑性フィルムと多孔
性支持体を貼り合わせた後の熱可塑性フィルムと多孔性
支持体との接点の増加がない状態のものをカレンダー処
理する。熱可塑性フィルムと多孔性支持体との接点とは
接着剤により介された接着部分を指す。その接点の増加
がない状態とは、接着剤が乾燥又は硬化された状態であ
り、さらに後述のカレンダー処理を行っても接着部分の
数や点面積の増加がほとんどない状態を指し、例えば、
溶剤に希釈した接着剤を用いて溶液のまま貼り合わせを
行う場合には、貼り合わせ後、乾燥設備を通し溶剤を揮
発させた後のもの等が挙げられる。接点が増加する状態
でカレンダー処理を行った場合には、カレンダー処理の
加圧により接点が増加し、この接点部分が穿孔されず繊
維目状の白抜けが発生する。
【0014】本発明におけるカレンダー処理とは、少な
くとも一対の加圧されたロール間に感熱孔版用原紙を通
すものであり、従来より主に製紙業界で原紙もしくは塗
工された紙の平滑性と外観を向上させる手段として用い
られているカレンダー方法が使用できるが、一対のロー
ル間の加圧力は、カレンダー処理の対象が、フィルムラ
ミネート品であること及び感熱孔版用原紙が一般的にカ
レンダー処理される原紙と比べ非常に低坪量、低厚み、
低密度であることから、製紙業界で一般的に行われてい
る加圧力よりも低く設定することができる。カレンダー
処理に用いられる一対のロールとしては、両方とも金属
ロールであるもの、金属ロールと樹脂ロールの組み合わ
せ、金属ロールとゴムロールの組み合わせ等が挙げら
れ、十分な平滑性が得られない場合には、加圧されたロ
ール間の数を増やして、感熱孔版用原紙を加圧されたロ
ール間に二回以上通すことも可能である。このように二
回以上感熱孔版用原紙を通す場合のロール種類も特に限
定はされない。但し、低エネルギー製版用の感熱孔版用
原紙や非常に高画質が要求される場合等に使用する感熱
孔版用原紙を製造する場合には、一対のロールの少なく
とも一方を金属ロールとし、感熱孔版用原紙の熱可塑性
フィルム面側が常に該金属ロールに接するようカレンダ
ー処理を行うことが好ましい。これは、樹脂ロール表面
やゴムロール表面と比較し、金属ロール表面が平滑であ
り熱可塑性フィルム面の平滑性を上げる効果が高いため
である。尚、本発明のカレンダー処理は、熱可塑性フィ
ルムが熱収縮しない程度の温度範囲内であれば、カレン
ダー処理に、加温したロールを用いることも可能であ
る。また、印刷インキの通りを抑制し裏移り問題を解消
することを主目的とし、多孔性支持体をカレンダー処理
により効率良く潰したい場合には、カレンダー処理を行
う前に、多孔性支持体に水分を付与するための調湿工程
を設けても良い。
【0015】ここで、一対のロール間の加圧力は、使用
するロール材質、通過するカレンダー数により異なり、
特に限定されないが、本発明の目的を達成するには感熱
孔版用原紙を厚み方向に圧縮することが必要条件であ
り、少なくとも感熱孔版用原紙を厚み方向に圧縮するこ
とができる程度の加圧力に設定される。更に、低エネル
ギー製版への対応や高品質印刷が要求される場合には、
感熱孔版用原紙の厚み方向の圧縮率が3〜30%の範囲
になるよう設定される。この感熱孔版用原紙の厚み方向
の圧縮率は、カレンダー処理前及び処理後の感熱孔版用
原紙をそれぞれ5枚重ねし、JIS式紙厚測定器(CI
TIZEN WATCH CO.製)にて測定した測定
値を以下の式にあてはめ算出する。
【0016】
【式1】
【0017】上記の方法により算出された圧縮率が、3
%より低い場合、感熱孔版用原紙の熱可塑性フィルム面
の凹凸の減少が不十分であり、低エネルギー製版時にサ
ーマルヘッドとの接触不良による白抜けが発生し易くな
るうえ、カレンダー処理前の感熱孔版用原紙と比べ、裏
移り、印刷開始枚数及びインキ消費量の改善効果も少な
い。逆に圧縮率が30%を超えてしまうと、感熱孔版用
原紙の剛度が低くなりすぎ製版印刷機上での搬送トラブ
ルが発生し易くなる。
【0018】本発明の感熱孔版用原紙は、熱可塑性フィ
ルムや接着剤等の熱融着によるサーマルヘッドへのかす
の固着を防止するための熱融着防止層を設けてもよい。
例えば、界面活性剤、シリコーン系離型剤、滑剤等が用
いられる。好ましくは、ロール状に巻かれた時に多孔質
支持体へ転移することなく長期間その性質を保持できる
ものが有効である。また、必要に応じて、熱融着防止層
の中に帯電防止剤を添加しても良い。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例における製版印刷及び評価は、以下の方
法で行った。 (1)製版: サーマルヘッドの1ドットあたりの製版
エネルギーを可変できる画像試験機(株式会社大倉電機
製:サーマルヘッド印字装置TH−PMD)を用いて製
版を行った。 (2)印刷: 前記した製版条件で製版された感熱孔版
用原紙を用いて感熱孔版用印刷機(理想科学工業株式会
社製:リソグラフAP7000)にて、印刷スピード1
00枚/分で印刷した。 (3)画像評価: 1)白抜け評価は、前記した製版機の
1ドットあたりのエネルギーを0.09mJ/dot及
び0.06mJ/dotに設定し製版を行い、この製版
した感熱孔版用原紙を前記した印刷機にて印刷した10
枚目の印刷画像のサーマルヘッドとの密着性不良による
白抜けの有無を評価した。ここでサーマルヘッドとの密
着性不良による白抜けとは、主にハーフトーン階調部に
見られる点状の白点のことであり、後述する繊維目状の
白抜けと区別して評価した。 2)繊維目状の白抜けは、前記した白抜け評価と同様の方
法で得られた10枚目の印刷画像の黒べた部の繊維目状
の白抜けの有無を評価した。 (4)印刷開始枚数: 前記した製版機にて1ドット当
たりの製版エネルギーを0.09mJ/dotに設定し
製版した感熱孔版用原紙を前記した印刷機を用いて印刷
し、印刷開始より何枚目から良好な画像が得られるか調
べた。 (5)裏移り評価: 前記した印刷開始枚数評価と同条
件で製版し、この製版した感熱孔版用原紙を前記した印
刷方式にて100枚印刷を行い、この印刷物を100枚
重ね、印刷物の印刷面裏側に印刷インキが転写している
か調べた。 (6)排版時インキ消費量: 前記した裏移り評価にて
100枚印刷した後、感熱孔版用原紙を排版した時に感
熱孔版用原紙に付着しているインキ重量を測定した。
【0020】実施例1 熱可塑性樹脂フィルムとして、厚さ1.8μmのポリエ
ステルフィルムを用いて、このポリエステルフィルムに 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 11.2重量% ポリイソシアネート 3.8重量% 酢酸エチル 34.7重量% MEK 50.3重量% から成る接着剤をグラビアロールを用いて、乾燥後約
0.5g/m2 になるよう塗布し、マニラ麻100%か
ら成る、王研式平滑度5.0秒の多孔性支持体と貼り合
わせ、乾燥機を通した後、感熱孔版用原紙の圧縮率が
8.0%になるよう加圧設定した金属ロールと金属ロー
ルの間に通し、この感熱孔版用原紙の熱可塑性フィルム
側にシリコーンオイルを塗布し感熱孔版用原紙を得た。
この感熱孔版用原紙は、カレンダー処理前の厚みが38
μm、カレンダー処理後の厚みが35μmで圧縮率7.
9%であった。。この感熱孔版用原紙を実際に製版印刷
し、評価した結果を表1に示した。
【0021】実施例2 王研式平滑度4.5秒、麻80%、ポリエステル繊維2
0%から成る多孔性支持体に、下記の配合の二液型無溶
剤型接着剤をダイコーターを用いて、約0.7g/m2
になるよう塗布し、 主剤 ポリエーテルウレタン 75.0% 硬化剤 ポリエーテル 25.0% 厚さ1.6μmのポリエステルと2kg/cm2の圧力
で圧着した後、熱可塑性フィルム側にシリコーンオイル
から成る熱融着防止層を設けて巻取った。この巻取りを
40℃48時間エージングした後、感熱孔版用原紙が約
16%圧縮されるよう加圧設定した金属ロールと樹脂ロ
ールの間に金属ロール面に熱可塑性フィルム面が接する
ように通してカレンダー処理を行い、そのままスリット
して感熱孔版用原紙を作製した。この感熱孔版用原紙
は、カレンダー処理前の厚みが44μm、カレンダー処
理後の厚みが37μmで、圧縮率15.9%であった。
この感熱孔版用原紙を実際に製版印刷し評価した結果を
表1に示した。
【0022】実施例3 厚さ1.6μmのポリエステルフィルムを用いて、この
ポリエステルフィルムに ポリエステル系樹脂 14.4重量% ポリイソシアネート 0.4重量% 酢酸エチル 25.4重量% トルエン 59.2重量% からなる接着剤を、乾燥後約1.0g/m2 になるよう
グラビアロールを用いて塗布し、ポリエステル繊維10
0%から成る王研式平滑度6.5秒の多孔性支持体と貼
り合わせ、乾燥機を通した後、この熱可塑性樹脂フィル
ム側にシリコーンオイルから成る熱融着防止層を設け、
その後、感熱孔版用原紙の圧縮率が30%になるように
加圧設定された二つの金属ロールとゴムロール間に、常
に金属ロール面に熱可塑性フィルム面側が接するように
通し、感熱孔版用原紙を得た。この感熱孔版用原紙は、
カレンダー処理前の厚みが60μm、カレンダー処理後
の厚みが48μmであり、圧縮率30.0%であっ
た。。この感熱孔版用原紙を実際に製版印刷し、評価し
た結果を表1に示した。
【0023】比較例1 カレンダー処理を除いた他は、実施例1と同様の方法で
得られた感熱孔版用原紙を製版印刷した結果を表1に示
した。
【0024】比較例2 カレンダー処理による感熱孔版用原紙の圧縮率が33.
0%になるよう加圧設定した他は実施例1と同様の方法
で感熱孔版用原紙を得た。この感熱孔版用原紙は、カレ
ンダー処理前の厚み38μm、カレンダー処理後の厚み
25.0μmで圧縮率34.2%であった。この感熱孔
版用原紙を製版印刷した結果を表1に示した。
【0025】比較例3 カレンダー処理を除いた他は、実施例2と同様の方法で
得られた感熱孔版用原紙を製版印刷した結果を表1に示
した。
【0026】比較例4 多孔性支持体とポリエステルフィルムを圧着するとき
に、感熱孔版用原紙が16%圧縮するよう加圧設定し圧
着とカレンダー処理を同時に行った他は実施例2の方法
と同様の方法で感熱孔版用原紙を得た。この感熱孔版用
原紙は、カレンダー処理前の厚みが44μm、カレンダ
ー処理後の厚みが37μmで、圧縮率15.9%であっ
た。この感熱孔版用原紙を実際に製版印刷し評価した結
果を表1に示した。
【0027】比較例5 カレンダー処理を除いた他は、実施例3と同様の方法で
得られた感熱孔版用原紙を製版印刷した結果を表1に示
した。
【0028】比較例6 カレンダー処理による感熱孔版用原紙の圧縮率が2.0
%になるよう加圧設定した他は実施例3と同様の方法で
感熱孔版用原紙を得た。この感熱孔版用原紙は、カレン
ダー処理前の厚み60μm、カレンダー処理後の厚み5
9μm、圧縮率1.7%であった。この感熱孔版用原紙
を製版印刷した結果を表1に示した。
【0029】
【表1】 評価レベル ◎:最も良い、○:良い、△:実用上問題有り、×:最も悪い
【0030】
【発明の効果】本発明の感熱孔版用原紙は、熱可塑性フ
ィルムと多孔性支持体の接点が少ない状態で、感熱孔版
用原紙の熱可塑性フィルム表面の平滑性を高くするもの
であるから、サーマルヘッドとの接触性が良く、白抜け
の無い良好な印刷画像が得られ、カレンダー処理の厚み
方向への圧縮により多孔性支持体の厚みが薄くなり、印
刷開始一枚目から良好な印刷物が得られ、インキ消費量
も少なくなり、更に、厚みが薄くなったため多孔性支持
体の密度が高くなり、印刷時の過剰のインキ通過を抑制
するため、印刷物を重ね合わせた時の印刷物裏面へのイ
ンキ裏移りの無いものである。更に、本発明における感
熱孔版用原紙を用いれば、低エネルギー製版時にも印刷
開始枚数一枚目から白抜けの無い良好な印刷画像が得ら
れ、インキ消費量も少なく、更に印刷物を重ね合わせた
時の印刷物裏面へのインキ裏移りも無くすことができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体とが接
    着剤を介して積層されている感熱孔版用原紙において、
    熱可塑性フィルムと多孔性支持体を貼り合わせた後の熱
    可塑性フィルムと多孔性支持体との接点の増加がない状
    態のものを、カレンダー処理により厚さ方向に3〜30
    %圧縮した感熱孔版用原紙。
  2. 【請求項2】 熱可塑性フィルムとの貼り合わせ面の平
    滑度が王研式平滑度計による測定で1〜7秒である多孔
    性支持体を用いることを特徴とした請求項1記載の感熱
    孔版用原紙。
  3. 【請求項3】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体を接着
    剤を介して貼り合わせた構成からなる感熱孔版用原紙の
    製造方法において、熱可塑性フィルムと多孔性支持体を
    貼り合わせ、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との接点
    の増加がない状態にした後、少なくとも一対の加圧され
    たロール間に通すカレンダー処理を行うことを特徴とし
    た感熱孔版用原紙の製造方法。
JP23591295A 1995-08-23 1995-08-23 感熱孔版用原紙及びその製造方法 Pending JPH0958145A (ja)

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