JPH0839954A - 感熱孔版マスター - Google Patents

感熱孔版マスター

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JPH0839954A
JPH0839954A JP14557895A JP14557895A JPH0839954A JP H0839954 A JPH0839954 A JP H0839954A JP 14557895 A JP14557895 A JP 14557895A JP 14557895 A JP14557895 A JP 14557895A JP H0839954 A JPH0839954 A JP H0839954A
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JP
Japan
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heat
wax
fibers
adhesive
sensitive stencil
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Pending
Application number
JP14557895A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tateishi
比呂志 立石
Masayasu Nonogaki
正康 野々垣
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製版時に支持体から製版部への脱離物の発生
が防止されることで、孔版印刷物にみられがちなベタ埋
まり、細線切れなどの現象が生じることなく、多部数の
良質の印刷物が得られる感熱孔版マスターを提供する。 【構成】 多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接
着剤で貼り合わせた感熱孔版マスターに於いて、該多孔
性支持体の表面からワックスピック試験(JISP81
29による)のワックス番号6で脱離物が生じないこと
を特徴とする前記多孔性支持体に好ましくは薄葉紙が用
いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱孔版マスターに関
し、詳しくは、特定な多孔性支持体に熱可塑性樹脂フィ
ルムを接着させた感熱孔版マスターに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に感熱孔版マスターは、熱可塑性フ
ィルムとインキ透過性の多孔性支持体(多孔性薄葉紙あ
るいはメッシュ状シート等)とを接着剤で貼り合わせ
(以下ラミネート工程とする)、必要に応じて、熱可塑
性フィルム上にサーマルヘッドの発熱素子との融着およ
び帯電を防止するためのスティック防止層を設けたもの
である。多孔性支持体としては、比較的低コストで、イ
ンキの透過性に優れ、原稿に忠実な印刷ができることが
要求される。このような要求に対し、天然繊維、特にコ
ウゾ、ミツマタ、雁皮、マニラ麻、亜麻等の靭皮繊維よ
りなる多孔性薄葉紙が用いられている。また、印刷耐久
性に優れた多孔性薄葉紙の要求に対し、ポリエステル、
ビニロン、アクリルなどの合成繊維を前記天然繊維に混
抄した多孔性薄葉紙、あるいは前記合成繊維よりなる多
孔性薄葉紙が用いられている。さらに、前記多孔性薄葉
紙にウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂加工を施した
多孔性薄葉紙も知られている。
【0003】ところが、従来の感熱孔版マスターを用い
製版印刷して得られる孔版印刷物には、ベタ埋まりの悪
いものや、細線切れ等の不具合が製版時点で現われるば
かりでなく、多部数の印刷物は得られにくい、といった
ことが指摘されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは孔版印刷
方式の実施でみられる上記のような不都合の生じる原因
を調べた。その結果、本発明者らは(1)多孔性支持体
と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り合わせてなる
感熱孔版マスターを製版した場合、多孔性支持体表面よ
りプラテンローラーといった製版部分への繊維の離脱や
付着堆積が発生し、また(2)この感熱孔版マスターは
その製造過程のうちラミネート工程に於いて、比較的高
い粘度の接着剤を従来の多孔性支持体に塗布する際に、
多孔性支持体から表面構成物または繊維が脱離し接着剤
へ混入し、更に接着剤中で前記脱離した表面構成物また
は繊維が凝集し、その凝集物が接着剤と共に熱可塑性樹
脂フィルムと多孔性支持体との接着面に密着すること、
及び前記凝集物が接着剤と共に熱可塑性樹脂フィルムと
多孔性支持体との接着面に密着するばかりでなく、接着
剤中への凝集物の蓄積が進むと接着剤の物性が著しく変
化しラミネートが出来なくなることを見い出した。そし
て、製版部への繊維の離脱等のため、更にこれと接着剤
と共に熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体との接着面
に密着した前記凝集物が感熱孔版マスターの熱穿孔性を
悪くしたりインキの透過性を阻害することが加わって、
一層ベタ埋まりの悪化、細線の切れ、といった印刷画像
上での不都合が生じさせていることをつきとめた。
【0005】もっとも、特開平1−271293号公報
には、和紙(多孔性支持体)の表面強度の測定をセロフ
ァンテープにより行なって、これと印刷耐久性との関連
を模索していることが記載されている。しかし、ここに
は接着剤への和紙繊維の脱離の有無に関しては何等触れ
られていない。
【0006】従って、本発明の目的は、多孔性支持体を
選択することによって、前記のベタ埋まり悪化、細線の
切れ、といった印刷画像上での不都合が生じにくく、良
好な多部数の印刷物が得られる感熱孔版マスターを提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、多孔性
支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り合せた
感熱孔版マスターに於いて、該多孔性支持体の表面から
ワックスピック試験(JIS P8129による)のワ
ックス番号6で脱離物が生じないことを特徴としてい
る。本発明の第二は、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィ
ルムとを接着剤で貼り合わせる感熱孔版マスターに於い
て、前記第一に加えて該多孔性支持体が該接着剤側の表
面からワックスピック試験(JIS P8129によ
る)のワックス番号4で脱離物が生じないものであるこ
とを特徴としている。また、本発明の第三は、前記第
一、第二において多孔性支持体が薄葉紙であることを特
徴としている。
【0008】ここで言う「ワックスピック試験(JIS P
8129による)した時、ワックス番号4あるいは6では実
質的な繊維の脱離がない」状態とは、ワックスピック試
験(JIS P 8129による)用ワックス番号4あるいは6の
ものをアルコールランプで充分に熱し、端部が溶融した
状態で本発明に用いる多孔性支持体上に静置し、15分
間冷却した後すばやく剥離したとき、ワックスの剥離面
に多孔性支持体からの繊維が離脱した量が平均1本/c
2(測定サンプル数20とし最大値と最小値をのぞい
た18このデータで計算)以下であることを意味する。
【0009】この試験方法は、特開平1−271293
号公報に記載されている、セロファンテープでの表面強
度測定方法で評価しているごく表面のみの測定と異な
る。具体的な相違点は、溶融したワックスが和紙の内部
にまで浸透し内部の離脱し易い繊維をはぎ取る事が出来
る点である。従って、ワックス番号4にて試験を行う場
合には、実際に接着剤をロールコートにて塗布する場合
の、和紙内部の繊維をはぎ取る事と同様の現象であるの
で、実際の製造工程での結果ときわめて良い対応がとれ
るし、また、ワックス番号6にて試験を行う場合は、更
に強い力、例えばプラテンローラーによる圧力などに匹
敵し、感熱孔版マスターを製版する場合のストレスと良
い対応がとれる。
【0010】以下の本発明をさらに詳細に説明する。い
ま、感熱孔版マスターの多孔質支持体において、ワック
スピック試験(JISP 8129による)のワックス番号6で
実質上表面から脱離物が無い場合、その感熱孔版マスタ
ーを製版すると、多孔性支持体表面よりプラテンローラ
ーといった製版部分への繊維の離脱及び付着堆積が発生
しないため、感熱孔版マスターの熱穿孔性は時間経過に
よって変化しないことから優れたものとなり、常にベタ
埋まり及び細線の再現性の良い感熱孔版マスター用支持
体として提供される。また、多孔性支持体のワックスピ
ック試験(JIS P 8129による)のワックス番号4で実質
上表面からの脱離物がない場合、その多孔性支持体と熱
可塑性樹脂フィルムのラミネート工程に於いては、多孔
性支持体表面よりの接着剤中への繊維など多孔性支持体
表面構成物の混入が発生しないため、感熱孔版マスター
の熱穿孔性、インキ透過性は優れたものとなり、ベタ埋
まりおよび細線の再現性の良い感熱孔版マスター用多孔
性支持体として提供される。
【0011】従って、本発明に係る多孔性支持体は、印
刷時に使用するインキが良好に透過できるものであっ
て、例えば坪量5〜15g/m2程度で、繊維径が0.
1〜30μmの天然繊維及び/または合成繊維からなる
薄葉紙、#50〜#400好ましくは#150〜#40
0のメッシュシート、多孔性合成樹脂膜等が適宜使用さ
れるが、好ましくは薄葉紙である。
【0012】天然繊維としては、木材、木綿、コウゾ、
ミツマタ、雁皮、マニラ麻、亜麻、ワラ、バガス等の繊
維が挙げられる。中でも、コウゾ、ミツマタ、雁皮、マ
ニラ麻、亜麻等の靭皮繊維が湿潤強度が高いため印刷耐
久性に優れる。合成繊維または再生繊維としては、ポリ
エステル繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、レー
ヨン繊維等が挙げられる。中でもポリエステル繊維、ビ
ニロン繊維が好ましい。
【0013】繊度は10デニール以下、好ましくは4デ
ニール以下、さらに好ましくは0.5デニール以下がよ
い。繊維長は10mm以下が好ましいが、繊維のアスペ
クト比にして、550を越えることが好ましい。天然繊
維に合成繊維を混抄する場合、湿潤強度は強くなるが表
面強度が弱くなる傾向があるので、合成繊維の比率は7
0重量%以下であることが好ましい。但し、合成繊維1
00%の場合においては10%以上のバインダー繊維を
混抄紙、バインダー繊維の融点以上の温度でキャレンダ
ーを行うことが好ましい。
【0014】薄葉紙の表面強度を強くする手段として
は、繊維の長さを長くする、接触による摩擦を強くす
る、繊維の絡み合いを多く複雑にするの三つがある。そ
して、それらの達成手段には次の及びがあげら
れる。 繊維同士の絡みつきをより強くするために、繊維長を
長くしたり、合成繊維または再生繊維に捲縮加工をす
る。抄紙機として、傾斜短網方式あるいは短縮方式のも
のを用いる。 紙力補強剤の添加をする。 バインダー繊維の混抄、及びバインダー剤の添加・塗
布をする。 熱または常温キャレンダー加工をする。
【0015】の合成繊維または再生繊維に捲縮加工を
施す手段としては、乾式法あるいは湿式法と呼ばれてい
る公知の方法を用いれば良い。乾式法とは、繊維の可塑
性を利用し、繊維を2枚のギヤーの間を通したり、ロー
ラーで箱の中に押しつけて機械的に捲縮を起こす方法で
あり、合成繊維に主として用いられる。湿式法とは、繊
維の製造工程に於いて化学的に繊維に歪を与える方法で
あり、再生繊維に主として用いられる。例えばレーヨン
繊維では、ビスコースを低酸性の第一浴で紡糸し、次い
で高温の微酸性の第二浴中で引き延ばし、切断後に水ま
たは熱水で捲縮を生じさせる方法がとられる。また、特
殊な紡糸口金を用いて複数の原液から1本の繊維を紡糸
して捲縮を生じさせる方法もある。
【0016】の手段としては、エポキシ化ポリアミド
ポリアミン樹脂、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂、
CMC、エピクロルヒドリンなどの紙力補強剤が用いら
れる。紙力補強剤の塗布量(固形分)は繊維質により幾
分左右されるが0.5〜5.0g/m2好ましくは0.
5〜3.5g/m2程度である。
【0017】の手段としては、未延伸ポリエステル樹
脂などのバインダー繊維、あるいは、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂などのバインダー剤を用い、
加熱、加圧等により繊維どうしを結着させる方法が用い
られる。これらバインダー繊維あるいはバインダー剤の
添加量(固形分)は薄葉紙全体の2〜40重量%好まし
くは5〜30重量%程度である。
【0018】またの手段としては、キャレンダー加工
の時加熱するのがよく、それによって繊維同士の結束力
が強まる。なお、常温でのキャレンダー加工も有効であ
る。更に、条件として、ラミネート時の接着剤塗布面を
チルドロールに接した状態で行うことが好ましい。
【0019】これら及びの手段は、それぞれ単
独の手段では一般的に用いられている条件では十分とい
えない場合には、それぞれがより強い条件で実施しても
良いが、2つ以上の手段を組み合わせて実施する方が良
好な結果を得られやすい。更に具体的に述べれば、天然
繊維100%でない(混抄タイプ)の場合においては、
繊維状あるいは塗布物などの加熱溶融可能な樹脂成分を
薄葉紙全体の10重量%以上含んでいる構成の場合、加
熱キャレンダーを行えば前記の条件で本発明の物性は達
成可能となるし、同様に水に膨潤する樹脂成分を薄葉紙
全体の10重量%以上含んでいる場合も単なるキャレン
ダーをおこなえば、前記の条件で本発明の物性は達成可
能となる。もちろん加熱溶融可能な樹脂と水に膨潤する
樹脂を組み合わせても良い。また、天然繊維100%の
場合においても、樹脂加工を施すことによって、混抄タ
イプと同様の加熱溶融可能な樹脂及び/又は水に膨潤す
る樹脂の組成量であれば加熱キャレンダーあるいはキャ
レンダーを行えば本発明の物性は達成可能となる。抄紙
機は、円網方式、長網方式、短網方式、傾斜短網方式な
どが用いられる。特に傾斜短網方式、あるいは短網方式
の抄紙機が好ましい。これらは、繊維同士のからみつき
をより強くする方式であるからである。
【0020】一方、多孔性支持体に接着される熱可塑性
樹脂フィルムとしては、押出法、流延法等により形成さ
れた一般的な熱可塑性樹脂フィルムであればよく、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート、ポリエチレンα、β−ビス(2−クロルフェ
ノキシ)エタン−4,4−ジカルボキシレート、ポリカ
ーボネート等のポリエステル系、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジ
エン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレ
フィン系、ポリヘキサメチレンアジペート(ナイロン6
6)、ポリε−カプロラクタム(ナイロン6)、ナイロ
ン610等のポリアミド系、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のハロゲン化ポ
リマー系、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル等のビニルポリマー系、ポリアセタール、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエー
テル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドおよび
それらの共重合体や混合物等が挙げられる。
【0021】これら熱可塑性樹脂フィルムにあっては穿
孔感度が高いものが特に有効であり、そのためにはフィ
ルムを構成している熱可塑性樹脂が実質的に非晶質から
結晶化度15%までの範囲のものがよい。より好ましく
は該フィルムが実質的に非晶質なものである。ここで、
実質的に非晶質なフィルムとは、例えばDSC法で結晶
融解の吸熱ピークがほとんどみられないものである。結
晶化度が高いと結晶融解のためのエネルギーにサーマル
ヘッドからのエネルギーが消費されてしまい熱穿孔性が
劣ることになる。上記結晶化度はX線法によって決定さ
れるが、DSC法で結晶融解ピークの面積比でもとめて
もよい。実質的に非晶質なフィルムには、原料自体がほ
ぼ非晶質なものを使用したフィルムと、原料は結晶性を
持つがフィルム加工法(急冷法等)等により結晶化度を
抑制することにより得られたフィルムがある。このよう
な低結晶化度タイプの熱可塑性フィルムを用いることに
より、サーマルヘッドの印加エネルギーが微量であって
も結晶融解のためのエネルギーとしてのエネルギーロス
が少なくなり熱穿孔性が良好になる。
【0022】本発明に用いる熱可塑性樹脂フィルムの厚
みは好ましくは0.1〜30μm、より好ましくは0.
3〜10μmである。厚すぎると穿孔が得にくくなる。
また、溶融開始温度としては、50℃〜300℃、好ま
しくは70℃〜290℃である。溶融開始温度が低すぎ
るとフィルムの製造が困難になるばかりでなく、感熱孔
版マスターとしての場合に保存性が劣ることになる。逆
に溶融開始温度が高すぎると、熱穿孔のために必要なエ
ネルギーが大きくなりすぎてしまい、穿孔が得にくい。
【0023】本発明においての多孔性支持体と熱可塑性
樹脂フィルムとの接着方法は、接着剤をマルチロールコ
ーティング、リバースロールコーティング、グラビアコ
ーティング、オフセットグラビアコーティング、キスコ
ーティング、ロータリースクリーンコーティング等の手
段にて多孔性支持体の表面に適量の接着剤を塗布し、そ
の後熱可塑性樹脂フィルムと圧着し、接着剤を乾燥ある
いは硬化させる。
【0024】接着剤としては、例えば、ウレタン系樹
脂、ジイソシアネートとポリエーテルジオールとの反応
プレポリマー、活性水素含有樹脂とポリイソシアネート
との混合接着剤、紫外線、電子線硬化接着剤などがあ
る。多孔性支持体への塗布時の接着剤の粘度としては、
200cps以上3000cps以下が好ましく、さら
に好ましくは300cps以上1500cps以下であ
る。200cpsよりも低い粘度であると充分な接着性
が得られにくく、部分的なラミネート不良が発生し画像
再現性が悪化したり、あるいは多孔性支持体に浸透し過
ぎてラミネーターのロールを汚す場合がある。逆に、3
000cpsよりも粘度が高いと多孔性支持体の開口部
を接着剤が塞ぎ印刷物に白抜けが発生したり、多孔性支
持体でも表面強度が不足するようになり、例えば、薄葉
紙からの繊維の脱離による不都合が発生する。接着時に
おける接着剤の温度が高すぎると、接着剤がフィルムと
接触した時、近年特に用いられるようになった高い熱穿
孔性を有するのフィルムでは熱収縮が発生し易く、フィ
ルム面にしわが発生する事もある。従って、塗布時の接
着剤の温度は30〜150℃くらいが適当である。接着
剤の塗布量としては0.03〜5.0g/m2、好まし
くは0.05〜1.5g/m2、さらに好ましくは0.
1〜1.0g/m2である。
【0025】スティック防止剤層としては、脂肪酸金属
塩、リン酸エステル型界面活性剤、シリコーンオイル等
の流動性潤滑剤、パーフロロアルキル基を有するフッ素
化合物などを均一に塗布する方法があげられる。塗布量
としては0.001〜2g/m2、好ましくは0.00
5〜1g/m2である。
【0026】感熱孔版マスターには帯電防止効果をもた
せておくのが望ましく、その方法としては、可塑性樹脂
フィルム及び/または多孔性支持体に、帯電防止剤を塗
布あるいは含有する方法がある。帯電防止剤の代表的な
ものとしては有機スルホン酸金属塩またはポリアルキレ
ンオキシド、カルボン酸塩、第4級アンモニウム塩、ア
ルキルリン酸エステルなどの一般的な帯電防止剤があげ
られる。帯電防止剤の塗布量は0.001〜2.0g/
2、好ましくは0.005〜0.5g/m2である。ま
た帯電防止剤は前記スティック防止層に用いる材料と混
合し塗布しても良い。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれによって限定されるもので
はない。ここでの部は重量基準である。なお、ベタ埋ま
り、細線の再現性については目視により、ベタ埋まりの
場合は、ベタの中に白い点あるいは線があるかないかで
善し悪しを判断し、細線の再現性は、1ドットラインの
中に線の切れがあるかないかで善し悪しを判断した。
【0028】実施例1 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈して叩解
して得たマニラ麻繊維90部に対し、繊度0.8デニー
ル、平均長さ5mm、捲縮数3.5個/センチ、捲縮度
9%のポリエステル繊維10部を混合し、これを紙料と
してヤンキー式円網抄紙機により坪量11g/m2の薄
葉紙を得た。これにグラビアロールコーティング方法に
て、ウレタン樹脂のプレポリマーエマルジョン水溶液を
固形分塗布量が約1.0g/m2になるように塗布し
た。さらにオフラインでキャレンダーをロール表面温度
90℃、線圧6kg/cmにて行い、厚み約35μmの
薄葉紙Iを得た。この薄葉紙Iの表面強度は、ワックス
ピック試験(JIS P 8129による)用ワックスの番号4の
ものをアルコールランプで充分に熱し、端部が溶融した
状態で薄葉紙I上に静置し、15分間冷却した後すばや
く剥離したとき、ワックスの剥離面に薄葉紙Iからの繊
維が離脱した量で平均0.83本/cm2あった。
【0029】続いて、この薄葉紙Iに接着剤としてポリ
エーテル系ウレタン接着剤をリバースロールコーティン
グ方法にて、固形分塗布量0.3g/m2(接着剤温度
80℃、粘度920cps/80℃)塗布した後、厚み
約1.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
ラミネートした。その後、フィルム面にバーコーティン
グ方法にて、熱融着防止層としてのリン酸エステル系界
面活性剤(ガファックRL210、東邦化学工業(株)
製 m.p.=54℃)と、さらに帯電防止剤としての
第4級アンモニウム塩ドデシルトリメチルアンモニウム
クロライド[C1225N(CH33Cl]とを1:1の
重量比で混合し、これを固形分塗布量が約0.05g/
2になるように塗布し、本発明の感熱孔版マスターI
を得た。この感熱孔版マスターIの支持体部の表面強度
は、前記ワックスピック試験のワックス番号6におい
て、0.72本/cm2であった。
【0030】この様して得られた感熱孔版マスターI
を、(株)リコー製の感熱孔版製版印刷装置「プリポート
VT−3820」にて製版、印刷に供したところ、良質
の孔版印刷物が多数枚得られ、本発明の感熱孔版マスタ
ーは画像再現性、特にベタ埋まり及び細線の再現性にす
ぐれ、また耐刷性に優れているのが確かめられた。
【0031】実施例2 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈し、叩解
して得たマニラ麻繊維を紙料としてヤンキー式傾斜短網
抄紙機により坪量11g/m2の薄葉紙を得た。これに
グラビアロールコーティング方法にて、ウレタン樹脂を
固形分塗布量1.0g/m2塗布した。さらにオフライ
ンでキャレンダーをロール表面温度90℃、線圧5kg
/cmにて行い、厚み約40μmの薄葉紙IIを得た。こ
の薄葉紙IIの表面強度は、ワックスピック試験(JIS P
8129による)用ワックスの番号4のもので平均0.78
本/cm2であった。その後の加工は、実施例1と同様
にし、感熱孔版マスターIIを得た。この感熱孔版マスタ
ーIIの支持体部の表面強度は、前記ワックスピック試験
のワックス番号6に於いて、0.61本/cm2であっ
た。この様して得られた感熱孔版マスターIIを(株)リコ
ー製の感熱孔版製版印刷装置「プリポートVT−382
0」にて製版、印刷に供したところ、実施例1と同様良
好な結果が得られた。
【0032】実施例3 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈して叩解
して得たマニラ麻繊維60部に対し、繊度0.1デニー
ル、平均長さ4mmのポリエステル繊維20部、繊度
0.3デニール、平均長さ6mmのビニロン繊維20部
を混合し、これを紙料としてヤンキー式円網抄紙機によ
り坪量10g/m2の薄葉紙を得た。これにグラビアロ
ールコーティング方法にて、ビスコース水溶液を固形分
塗布量3.5g/m2塗布し厚み約38μmの薄葉紙III
を得た。この薄葉紙IIIの表面強度は、ワックスピック
試験(JIS P 8129による)用ワックスの番号4のものを
アルコールランプで充分に熱し、端部が溶融した状態で
薄葉紙5上に静置し、15分間冷却した後すばやく剥離
したとき、ワックスの剥離面に薄葉紙IIIからの繊維が
離脱した量で平均0.67本/cm2であった。
【0033】この薄葉紙IIIに接着剤として塩素化ポリ
プロピレン接着剤のトルエン溶液をリバースロールコー
ティング方法にて、固形分塗布量0.6g/m2(接着
剤温度25℃、粘度600cps/25℃)塗布した
後、厚み約1.5μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムをラミネートした。その後、フィルム面にバーコ
ーティング方法にて、熱融着防止層としてのリン酸エス
テル系界面活性剤(ガファック RL210、東邦化学
工業(株)製 m.p.=54℃)と帯電防止剤として
の第4級アンモニウム塩ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド[C1225N(CH33 Cl]とを1:
1の重量比で混合し、これを固形分塗布量が約0.05
g/m2になるように塗布し、本発明の感熱孔版マスタ
ーIIIを得た。この感熱孔版マスターIIIの支持体部の表
面強度は、前記ワックスピック試験のワックス番号6に
於いて、0.56本/cm2であった。
【0034】この様して得られた感熱孔版マスターIII
を、(株)リコー製の感熱孔版製版印刷装置「プリポート
VT−3820」にて製版、印刷に供したところ、実施
例1と同様良好な結果が得られた。
【0035】実施例4 繊度0.1デニール、平均長さ3mm、ポリエチレンテ
レフタレート(以下「PET」という)繊維50部と繊
度0.2デニール、平均長さ3mm、PETのバインダ
ー繊維(結晶化度が低いもの)50部とを混合し、これ
を紙料としてヤンキー式短網抄紙機により坪料8g/m
2の薄葉紙を得た。これにオフラインでキャレンダーを
ロール表面温度230℃、線圧6kg/cmにて行い、
厚み約23μmの薄葉紙IVを得た。この薄葉紙IVの表面
強度は、ワックスピック試験(JIS P 8129による)用ワ
ックスの番号4のものをアルコールランプで充分に熱
し、端部が溶融した状態で薄葉紙IV上に静置し、15分
間冷却した後すばやく剥離したとき、ワックスの剥離面
に薄葉紙IVからの繊維が離脱した量で平均0.50本/
cm2であった。この薄葉紙IVに接着剤としてポリエー
テル系ウレタン接着剤をリバースロールコーティング方
法にて、塗布量0.3g/m2(接着剤温度80℃、粘
度920cps/80℃)塗布し、厚み約1.5μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし
た。その後、フィルム面にバーコーティング方法にて、
熱融着防止層としてリン酸エステル系界面活性剤(ガフ
ァック RL210、東邦化学工業(株)製 mp.5
4℃)とさらに耐熱防止剤として第4級アンモニウム塩
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド[C1225
N(CH33Cl]を1:1の重量比で固形分塗布量
0.05g/m2になるように塗布し、本発明の感熱孔
版マスターIVを得た。この感熱孔版マスターIVの支持体
部の表面強度は、前記ワックスピック試験のワックス番
号6に於いて、0.44本/cm2であった。この様し
て得られた感熱孔版マスターIVを、(株)リコー製感熱
孔版製版印刷装置プリポートVT−3820にて、製
版、印刷したところ、画像再現性に優れ、耐刷性も問題
のない結果となった。
【0036】実施例5 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈して叩解
して得たマニラ麻繊維90部に対し、繊度0.8デニー
ル、平均長さ5mm、撹縮数3.5個/センチ、撹縮度
9%のポリエステル繊維10部を混合し、これを紙料と
してヤンキー式傾斜短網抄紙機により坪量11g/m2
の薄葉紙を得た。これにグラビアロールコーティング方
法にて、ウレタン樹脂のプレポリマーエマルジョン水溶
液を固形分塗布量1.0g/m2塗布した。さらにオフ
ラインでキャレンダーをロール表面温度90℃、線圧6
kg/cmにて行い、厚み約35μmの薄葉紙Vを得
た。この薄葉紙Vの表面強度は、ワックスピック試験
(JIS P 8129による)用ワックスの番号4のものをアル
コールランプで充分に熱し、端部が溶融した状態で薄葉
紙V上に静置し、15分間冷却した後すばやく剥離した
とき、ワックスの剥離面に薄葉紙Vからの繊維が離脱し
た量で平均0.66本/cmであった。その後の加工
は、実施例1と同様にし、本発明の感熱孔版マスターV
を得た。この感熱孔版マスターVの支持体部の表面強度
は、前記ワックスピック試験のワックス番号6に於い
て、0.61本/cm2であった。この様して得られた
感熱孔版マスターVを、(株)リコー製感熱孔版製版印
刷装置プリポートVT−3820にて製版、印刷したと
ころ、画像再現性に優れ、耐刷性も問題のない結果とな
った。
【0037】実施例6 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈して叩解
して得たマニラ麻繊維60部に対し、繊度0.1デニー
ル、平均長さ4mmのポリエステル繊維20部、繊度
0.3デニール、平均長さ6mmのビニロン繊維に20
部を混合し、これを紙料としてヤンキー式短網抄紙機に
より坪量10g/m2の薄葉紙を得た。これにグラビア
ロールコーティング方法にて、ビスコース水溶液を固形
分塗布量3.5g/m2塗布し厚み約38μmの薄葉紙V
Iを得た。この薄葉紙VIの表面強度は、ワックスピック
試験(JIS P 8129による)用ワックスの番号4のものを
アルコールランプで充分に熱し、端部が溶融した状態で
薄葉紙VI上に静置し、15分間冷却した後すばやく剥離
したとき、ワックスの剥離面に薄葉紙VIからの繊維が離
脱した量で平均0.50本/cm2であった。その後の
加工は、実施例3と同様にし、本発明の感熱孔版マスタ
ーVIを得た。この感熱孔版マスターVIの支持体部の表面
強度は、前記ワックスピック試験のワックス番号6に於
いて、0.44本/cm2であった。この様して得られ
感熱孔版マスターVIを、(株)リコー製感熱孔版製版印
刷装置プリポートVT−3820にて製版、印刷したと
ころ、画像再現性に優れ、耐刷性も問題のない結果とな
った。
【0038】実施例7 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈して叩解
して得たマニラ麻繊維60部に対し、繊度0.1デニー
ル、平均長さ4mmのポリエステル繊維20部、繊度
0.3デニール、平均長さ6mmのビニロン繊維20部
を混合し、これを紙料としてヤンキー式短網抄紙機によ
り坪量10g/m2の薄葉紙を得た。これにグラビアロ
ールコーティング方法にて、メチルメタアクリレート5
0部、ブチルメタアクリレート45部、ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート5部の共重合体からなるエマルジョ
ンを固形分塗布量1.0g/m2塗布した。さらにオフ
ラインでキャレンダーをロール表面温度90℃、線圧6
kg/cmにて行い、厚み約36μmの薄葉紙VIIを得
た。この薄葉紙VIIの表面強度は、ワックスピック試験
(JIS P 8129による)用ワックスの番号4のものをアル
コールランプで充分に熱し、端部が溶融した状態で薄葉
紙VII上に静置し、15分間冷却した後すばやく剥離し
たとき、ワックスの剥離面に薄葉紙VIIからの繊維が離
脱した量で平均0.61本/cm3であった。この後の
加工は、実施例3と同様にし、本発明の感熱孔版マスタ
ーVIIを得た。この感熱孔版マスターVIIの支持体部の表
面強度は、前記ワックスピック試験のワックス番号6に
於いて、0.56本/cm2であった。この様して得ら
れた感熱孔版マスターVIIを、(株)リコー製感熱孔版
製版印刷装置プリポートVT−3820にて製版、印刷
したところ、画像再現性に優れ、耐刷性も問題のない結
果となった。
【0039】実施例8 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈して叩解
して得たマニラ麻繊維60部に対し、繊度0.1デニー
ル、平均長さ4mmのポリエステル繊維20部、繊度
0.3デニール、平均長さ6mmのビニロン繊維20部
を混合し、これを紙料としてヤンキー式短網抄紙機によ
り坪量10g/m2の薄葉紙を得た。これをグラビアロ
ールコーティング方法にて、エポキシ化ポリアミドポリ
アミン樹脂溶液と、CMC溶液を固形分比7対3となる
ように混合し、この溶液を固形分塗布量1.0g/m2
塗布した。さらにオフラインでキャレンダーをロール表
面温度90℃、線圧6kg/cmにて行い、厚み約37
μmの薄葉紙VIIIを得た。この薄葉紙VIIIの表面強度
は、ワックスピック試験(JIS P 8129による)用ワック
スの番号4のものをアルコールランプで充分に熱し、端
部が溶融した状態で薄葉紙VIII上に静置し、15分間冷
却した後すばやく剥離したとき、ワックスの剥離面に薄
葉紙VIIIからの繊維が離脱した量で平均0.50本/c
2であった。その後の加工は、実施例3と同様にし、
本発明の感熱孔版マスターVIIIを得た。この感熱孔版マ
スターVIIIの支持体部の表面強度は、前記ワックスピッ
ク試験のワックス番号6に於いて、0.44本/cm2
であった。この様して得られた感熱孔版マスターVIII
を、(株)リコー製感熱孔版製版印刷装置プリポートV
T−3820にて製版、印刷したところ、画像再現性に
優れ、耐刷性も問題のない結果となった。
【0040】比較例1 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈し、叩解
して得たマニラ麻繊維60部に対し、繊度0.5デニー
ル、平均長さ3mmのポリエステル繊維40部を混合
し、これを紙料としてヤンキー式円網抄紙機により坪量
12g/m2、厚み約45μmの薄葉紙を得た。これに
ウレタン樹脂のプレポリマーエマルジョン水溶液を固形
分塗布量が約1.0g/m2になるようグラビアコート
し、薄葉紙IXを得た。この薄葉紙IXの表面強度は、ワッ
クスピック試験(JIS P 8129による)用ワックスの番号
4のもので平均10本/cm2であった。その後の加工
は、実施例1と同様にし、感熱孔版マスターIXを得た。
この時の、薄葉紙IX表面と接する接着剤塗工用ロール上
の接着剤には脱離した繊維が多数含まれていた。更に、
長時間ラミネートを続けると接着剤中に脱離繊維が蓄積
し、接着剤の付着不良によるラミネート不良が発生し
た。この様して得られた感熱孔版マスターIXを(株)リコ
ー製の感熱孔版製版印刷装置「プリポートVT−382
0」にて製版、印刷に供したところ、細線の再現性に劣
り、ベタ画像にも多数の白抜けが発生していた。更に2
50版製版した後、プラテンローラーを観察したとこ
ろ、マスターより脱離した支持体繊維が多数堆積してい
た。また、この影響により、1版目の画像よりベタの埋
まり及び細線の再現性が劣っていた。
【0041】比較例2 比較例1と同じ薄葉紙IXに、接着剤として塩素化ポリプ
ロピレン接着剤のトルエン溶液をリバースロールコーテ
ィング方法にて、固形分塗布量が約0.6g/m2(接
着剤温度25℃、粘度600cps/25℃)塗布し、
厚み約1.5μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムをラミネートした。その後、フィルム面にバーコーテ
ィング方法にて、熱融着防止層としてのリン酸エステル
系界面活性剤(ガファック RL210、東邦化学工業
(株)製 m.p.=54℃)と、帯電防止剤としての
第4級アンモニウム塩ドデシルトリメチルアンモニウム
クロライド[C1225N(CH33 Cl]とを1:1
の重量比で混合し、これを固形分塗布量が約0.05g
/m2になるように塗布し、本発明の感熱孔版マスター
Xを得た。この時の、薄葉紙IX表面と接する接着剤塗工
用ロール上の接着剤には脱離した繊維が多数含まれてい
た。この様して得られた感熱孔版マスターXを、(株)リ
コー製の感熱孔版製版印刷装置「プリポートVT−38
20」にて製版、印刷に供したところ、細線の再現性に
劣り、ベタ画像にも多数の白抜けが発生していた。更に
250版製版した後、プラテンローラーを観察したとこ
ろ、マスターより脱離した支持体繊維が多数堆積してい
た。また、この影響により、1版目の画像よりベタの埋
まり及び細線の再現性が劣っていた。
【0042】比較例3 マニラ麻をアルカリ蒸解し、洗浄後、水で希釈し、叩解
して得たマニラ麻繊維60部に対し、繊度1.5デニー
ル、平均長さ5mmのビスコースレーヨン繊維20部、
繊度2.3デニール、平均長さ5mmのポリエステル繊
維20部を混合し、これにエポキシ化ポリアミドポリア
ミン樹脂を(マニラ麻に対して)2%となるように水溶
液にして添加し、これを紙料としてヤンキー式円網抄紙
機により坪量12g/m2、厚み約43μmの薄葉紙を
得た。これにウレタン樹脂のプレポリマーエマルジョン
水溶液を固形分塗布量が約2.5g/m2になるよう含
浸コートし、薄葉紙XIを得た。この薄葉紙XIの表面強度
は、ワックスピック試験(JIS P 8129)用ワックスの番
号4のもので平均7本/cm2であった。その後の加工
は、実施例1と同様にし、感熱孔版マスターXIを得た。
この時の、薄葉紙XI表面と接する接着剤塗工用ロール上
の接着剤には脱離した繊維が多数含まれていた。この様
して得られた感熱孔版マスターXIを、(株)リコー製の感
熱孔版製版印刷装置「プリポートVT−3820」にて
製版、印刷に供したところ、細線の再現性に劣り、ベタ
画像にも多数の白抜けが発生していた。更に250版製
版した後、プラテンローラーを観察したところ、マスタ
ーより脱離した支持体繊維が多数堆積していた。また、
この影響により、1版目の画像よりベタの埋まり及び細
線の再現性が劣っていた。
【0043】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、製版部への支
持体からの脱離物が発生しないことで、脱離物によって
生じる製版時のベタ埋まりの悪化及び細線の再現性の悪
化がない。請求項2の発明によれば、多孔性支持体に接
着剤を介して熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせた際
に、多孔性支持体からその表面構成物又は繊維が脱離し
接着剤に混入するようなことがないので、印刷時のベタ
埋まり、細線の切れ、といった不都合は生じない。請求
項3の発明によれば、より良好な感熱孔版マスターが得
られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムと
    を接着剤で貼り合せた感熱孔版マスターに於いて、該多
    孔性支持体の表面からワックスピック試験(JIS P
    8129による)のワックス番号6で脱離物が生じない
    ことを特徴とする感熱孔版マスター。
  2. 【請求項2】 多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムと
    を接着剤で貼り合わせる感熱孔版マスターに於いて、該
    多孔性支持体は該接着剤側の表面からワックスピック試
    験(JIS P8129による)のワックス番号4で脱
    離物が生じないものであることを特徴とする請求項1記
    載の感熱孔版マスター。
  3. 【請求項3】 前記多孔性支持体が薄葉紙である請求項
    1記載の感熱孔版マスター。
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JP13396194 1994-05-25
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