JPH0957060A - 廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方法 - Google Patents
廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方法Info
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Abstract
大気中に排出するための及び吸着剤層内の異常な温度上
昇を抑制し、吸着装置内の温度を均一化するための「廃
棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方法」を
提供すること。 【解決手段】 A)吸着装置として内筒及び外筒からなる
2重円筒型の吸着装置を使用し、B)内筒に冷却用の水を
満たし、外筒に吸着剤を充填して吸着剤層を形成し、C)
吸着剤として4〜100オングストロ−ムの孔径をもつ合成
ゼオライト及び/又は疏水性シリカゲルを用い、D)これ
をガス状炭化水素でプレコ−トした後、E)吸着・脱着の
操作を行わしめ、かつ、F)吸着・脱着のSwing Time(切
り換え時間)を1〜15分に短縮し、しかも、G)脱着時に、
バ−ジしながら同時に真空を併用する手段を採用するこ
と。
Description
るガス状炭化水素の処理・回収方法に関し、特に、光化
学スモッグの原因物質の一つであるガス状炭化水素の濃
度を1VOL%以下にして大気中に排出するための上記方
法、及び、吸着剤層内の異常な温度上昇を抑制し、吸着
装置内の温度を均一化するための上記方法に関する。
化水素の除去・回収には、安価で入手が容易な活性炭が
重用されてきた。(なお、活性炭は、1g当たり約3,00
0m2の比表面積を有し、その吸着性能の良さは他に類を
みない。)
使用される例から明らかなように、熱伝導率が低い上に
燃え易い可燃物であり、一方、ガス状炭化水素の吸着熱
は、約20KCAL/MOLであるところから、しばしば発火、
爆発事故を起こす。例えば「災害の研究」第23巻(1992)
の“活性炭の事故事例と発火危険評価”に詳述されてい
るように、発火事故は吸着層内の局部加熱による蓄熱発
火が大部分を占めるものであって、しかも、この蓄熱発
火は最初に温度が上昇し始める箇所が特定できないた
め、発火の初期検知が極めて難しいものである。
設備設置指針」によれば、(1)吸着装置の入口での可燃
性蒸気は、爆発下限値以下の濃度とするなどの安全上支
障のない濃度(又は対策)が施されていること、更に、
(2)可燃性炭化水素を脱着回収する処理装置は、水蒸気
又は不燃性ガスを用いて回収するものであること、と規
定されている。
としては、吸着塔で処理する廃棄ガス中のガス状炭化水
素濃度を約1VOL%以下の希薄な状態にすることであ
る。(従って、廃棄ガス中のガス状炭化水素濃度が濃い
場合、空気で希釈することになる。) このように廃棄ガス中のガス状炭化水素濃度を約1VOL
%以下にして処理することで、活性炭層内におけるガス
状炭化水素の吸着量を減らし、その吸着熱の発生を抑え
ることにより、発火事故を未然に防止する方法が従来か
ら採用されている。
点(軽質)の炭化水素ベ−パ−と同時に塗料ミストのよう
な高沸点(重質)の炭化水素ベ−パ−を含む排ガスを処理
する場合、特公昭54-4707号公報に記載されているよう
に、吸着能を阻害する恐れのある高沸点の炭化水素ベ−
パ−を予め孔径の大きな活性炭に吸着させて除去し、そ
の活性炭上に孔径の小さな活性炭を重ねて充填し、ここ
で軽質の炭化水素ベ−パ−を吸着させる方法が知られて
いる。
後の活性炭に残留した場合、度々の加熱,冷却により、
また、処理する廃棄ガス中の含有酸素による酸化,重合
等の反応により、活性炭表面の触媒的機能とあいまって
爆発や発火の原因となる。このため、前掲の公報に記載
されている方法では、孔径の大きな活性炭に吸着させた
高沸点の炭化水素ベ−パ−の脱着に際して、不燃性であ
るスチ−ムを充分な量使用して長時間かけてパ−ジし、
残留物を極力減少させなければならないが、幸いにして
孔径が大きい活性炭ほど吸着し易く、脱着もし易いこと
から、有効な方法であるといえる。
7年4月25日発行)によれば、吸着塔の標準的操作条件
は、活性炭を使用する炭化水素系溶剤回収の場合、吸
着,脱着のサイクル(切り換え)が水平型吸着塔で0.5〜2
時間、垂直型吸着塔で2〜6時間と記載されており、ま
た、シリカゲルの場合、4〜20時間と記載されている。
なお、工業的装置では、概ねこの範囲で操作されてい
る。
用した従来のガス状炭化水素含有廃棄ガスの処理・回収
方法では、前記したとおり、しばしば発火、爆発事故を
起こし、危険を伴うものである。
前記したとおり、廃棄ガスに空気を混合し該廃棄ガス中
のガス状炭化水素濃度を約1VOL%以下の希薄な状態に
することが有効な手段であるが、廃棄ガスにわざわざ空
気で薄めることは不経済であり、しかも空気の混合によ
る被処理ガスの増加量に比例して、吸着塔やそれに付属
する装置なども大きくしなければならないという欠点を
有している。
も、発火や爆発事故を起こし易い活性炭を用いる方法で
あり、同じく危険を伴うものである。
明者等は、本願出願前に、廃棄ガス中のガス状炭化水素
を処理・回収する手段として、活性炭を使用しない方法
であって、多成分系炭化水素を構成する各単一分子のそ
れぞれの大きさに合わせた孔径をもつ合成ゼオライト及
び/又は疏水性シリカゲルを混合ないしは多層に組み合
わせて使用する方法を提案している(以下“先願発明”
という。特願平7−152706号明細書参照)。
う“クリ−ンなガス”として大気中に排出することがで
き、 ・廃棄ガス中のガス状炭化水素の吸着量、ひいては吸着
熱をコントロ−ルし、吸着層全体の熱分布を一様にして
吸着熱による急激なロ−カルヒ−テイングを防止するこ
とができる、 ことを技術的課題(目的)とするものである。
(合成ゼオライト及び/又は疏水性シリカゲル)の吸着孔
径を被吸着分子に合わせた」構成からなる先願発明に係
る商業規模のプラントを使用し、入口ガス中のガス状炭
化水素濃度が42VOL%という高濃度のガスを処理したと
ころ、上記目的を達成し得ることが実証できた。
で上記高濃度のガスを処理したところ、このプラントか
ら大気に排出されるガス中の炭化水素濃度が1VOL%以
下250PPMまで低下し、クリ−ンなガスとして大気中に排
出することができた。また、この運転中において、多少
の温度上昇が認められたが、急激なロ−カルヒ−テイン
グが認められず、しかも、パ−ジ排ガス中のガス状炭化
水素を同質の液体炭化水素で洗浄することにより、99%
以上の高い回収効率を得ることに成功した。
法が予期した以上の成功を納めた原因を詳細に検討し、
かつ、先願発明の実機による運転経験を踏まえて更に鋭
意研究を進めた結果、先願発明に比しより一層吸着装置
の安全性に万全を期す本発明を完成したものである。
発明であって、その技術的課題(目的)は、 ・光化学スモッグの原因物質の一つであるガス状炭化水
素の濃度を1VOL%以下にして大気中に排出するための
“廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方
法”であって、 ・吸着剤層内の異常な温度上昇を抑制し、吸着装置内の
温度を均一化し、先願発明に比しより一層の安全性をは
かる“廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収
方法” を提供することにある。
に、 ・吸着装置として、冷却水循環用内筒及び吸着剤充填用
外筒からなる2重円筒型の吸着装置を用いる点、 ・吸着剤として、孔径:4〜100オングストロ−ムの合成
ゼオライト及び/又は疏水性シリカゲルを用いる点、 ・ガス状炭化水素でプレコ−トした上記吸着剤を用いる
点、 ・吸着・脱着の切り換え時間を1〜15分とする点、 ・脱着時に、パ−ジしながら同時に真空を併用する点、 を特徴とし、これにより前記した目的とする“廃棄ガス
に含まれるガス状炭化水素の処理・回収方法”を提供す
るものである。
の吸着装置を用いて廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素
を処理・回収する方法において、(1) 前記吸着装置とし
て、冷却水循環用内筒及び吸着剤充填用外筒からなる2
重円筒型の吸着装置を用い、(2) 該吸着剤充填用外筒内
に、孔径:4〜100オングストロ−ムの合成ゼオライト及
び/又は疏水性シリカゲルの単独又は混合物を充填し
た、ガス状炭化水素でプレコ−トしてなる吸着剤層を形
成し、(3) 該吸着剤層に対する吸着・脱着の切り換え時
間を1〜15分とし、かつ、(4) 脱着時に、該吸着剤層か
ら排出されるクリ−ンなガスの一部及び/又は空気でパ
−ジしながら同時に真空を併用し、(5) 該パ−ジ排ガス
からガス状炭化水素を回収する、ことを特徴とする廃棄
ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方法。」を
要旨とする。
すると、本発明において、特に「冷却水循環用内筒及び
吸着剤充填用外筒からなる2重円筒型の吸着装置」を用
いる理由は、吸着層内の発熱量を奪うための冷却面積を
最大限にとれる構造であることに加え、本発明で使用す
る吸着剤(合成ゼオライト及び/又は疏水性シリカゲル)
の熱伝導率が極めて低いため、急速に熱を外に移動させ
るには、吸着層の厚みに制限を加える必要があるためで
ある。
4〜100オングストロ−ムの合成ゼオライト及び/又は疏
水性シリカゲルであり、孔径及びその分布が活性炭並み
であればよく、それぞれを単層,多層,混合層の何れの
充填方法でも使用することができる。
び/又は疏水性シリカゲルを“ガス状炭化水素でプレコ
−トする”理由は、本発明で比較的大きな吸着孔を有す
る吸着剤をも使用するため、廃棄ガス中のガス状炭化水
素を構成する各分子の径の大小を問わず、多成分系のガ
ス状炭化水素全部が吸着されるので、この吸着に伴う大
量の吸着熱による異常な温度上昇を避けるべく、その吸
着量に制限を加えるためである。
は、吸着剤を吸着塔に充填する前に、或いは、充填した
後にガス状炭化水素を主成分とするガスをスプレ−等の
方法でチャ−ジすればよい。
換え時間(Swing Time)を1〜15分とすることを特徴とす
る。特に3〜10分が好ましく、5分程度が最適である。
なお、工業的装置における標準的操作条件としてのSwin
g Timeは、前記したとおり、シリカゲルの使用の場合で
は4〜20時間の範囲で操作されているが、本発明では、1
〜15分と短時間で切り換えることを特徴としている。
1〜15分とした理由は、ガス状炭化水素の吸着量に制限
を加え、この吸着熱による異常な温度上昇を抑制すると
共に、通常汎用される冷却のための工業用水を使用する
だけで、吸着剤層で発生する熱を速やかに除去し、吸着
剤層の温度を大気温度より若干高い程度にコントロ−ル
するためである。
るものであるが、この操作条件で吸着工程を終えて脱着
工程に切り替えた時に、即ち脱着時に「パ−ジしながら
同時に真空を併用する」という手段を組み合わせた点を
特徴とする。短い吸着時間に合わせて短時間のうちに脱
着工程を終了させるためには、(a)脱着塔の温度を高め
て真空を併用するか、(b)パ−ジガスの量を増やして真
空を併用するか、或いは、(c)両者を兼用するか、何れ
かの手段が考えられる。
を採用した場合、吸着工程に切り替えた時に吸着塔を冷
却しなければならず、スチ−ムが簡単に入手できる場所
であればよいが、電熱を使用して脱着塔を加熱するのは
経済的ではない。また、冷却・加熱を1〜15分の範囲内
でサイクルで行わせることは勿論不可能ではないけれど
も、これでは熱の移動がスム−スに行われず、所望効果
が得られるかどうかに疑問が残る。なお、切り替え時間
として、従来の操作条件である30分以上数時間に亘る場
合ではこの問題が生じない。
リンの油槽所やガソリンスタンド”のようにスチ−ムが
容易に入手でき難い場所においては、廃棄ガスからガス
状炭化水素を処理・回収する場合において、1〜15分と
いう短時間の切り替え時間に加えて、脱着手段として
「パ−ジガスと真空の併用」が望ましいことを見いだし
て本発明を完成したものである。即ち、脱着時に、脱着
塔を加温することなしに脱着を速やかに遂行させるため
には、パ−ジ量を必要以上に増やし、かつ高真空で運転
するのが有効であることを見いだして本発明を完成した
ものである。
−ジ排ガス中のガス状炭化水素濃度が薄くなるが、この
濃度が約50%以上であれば、後工程で同温度より30〜50
℃低い同質の液体炭化水素に吸収させることにより(吸
収法)、或いは、深冷して液化させることにより(深冷
法)、ガス状炭化水素の回収作業に支障はきたさない。
吸着能力はSwing Timeが長い程多量に吸着する。即ちSw
ing Timeに比例するが、吸着剤層内の発熱量をコントロ
−ルする煩わしさや局部加熱の危険性を考えれば、運転
条件を適切に選定して回避するのが望ましい。
であって、具体的には、ガス状炭化水素回収装置からの
未液化ないし未凝縮のガス状炭化水素を再び吸着塔に戻
す手段を採用し、これによって、このガスが大気に放散
されることなく、寧ろ徐々にガス状炭化水素が吸着塔内
に蓄積されることになる。その結果、吸着剤層における
該濃度が高まり、脱着に都合のよい濃度水準に達するこ
とになる。そこで、運転上は局部加熱を起こさせないよ
うに注意しながら、この濃度水準に合わせて吸着・脱着
のSwing Timeを適切に設定したのが本発明である。
50%以下になると、回収装置で吸収しなかったり、液化
しなかったりする問題が生じる。この問題を解決するた
め、本発明では、カスケ−ト方式による濃縮吸着塔(ア
ダプタ−)を併設することが極めて有効な手段であり、
この併設は、パ−ジ排ガス中のガス状炭化水素濃度が約
50%以下の場合の本発明の好ましい実施態様である。
は、ガス状炭化水素の回収に先立って、アダプタ−を用
い、真空ポンプで吸引されたパ−ジ排ガス中の希薄なガ
ス状炭化水素を濃縮する手段を採用することである。ア
ダプタ−で処理するパ−ジ排ガス量は、吸着塔で処理す
る廃棄ガス量に比べれば遥かに少なく、例えば小さな塔
2本を交互に使うようにしても経済的なデメリットは殆
どない。
度上昇、特に局部加熱を避けるための手段としては、本
発明者等が先に出願した特願平7-23377号明細書に記載
の方法、或いは、先願発明による吸着孔を変えた吸着剤
を混合又は多層に充填する方法等が有効であるが、本体
である吸着塔に比べて小さい濃縮吸着塔を使用し、そし
て、本発明の実施に際して、蓄熱剤を使うのも一方法で
あり、好ましい方法である。
着剤中に均等に分散混合し、吸着熱をこの中に蓄えさせ
ることによって、熱の分散を図る方法である。上記のよ
うな金属細粒にかえて、セラミックスやスラグ、或い
は、煉瓦などの細粒を用いることもできるが、吸熱と放
熱のバランスが短時間のうちに繰り返され得る金属細粒
に比べると、効果がやや劣るので好ましくない。
プタ−)からの排出ガスは、本体である吸着塔の入口に
戻すので、このアダプタ−がたとえ破過しても大気に放
散されることはない。一方、アダプタ−から濃縮された
ガス状炭化水素を脱着するには、破過する迄の時間が比
較的長く、また、短時間で脱着する必要がないので、時
間をかけて脱着すればよい。また、この脱着時に高真空
とすれば、パ−ジガスを使用しないで単に吸引するだけ
で脱着することができ、これは、本発明の好ましい実施
態様である。ここで脱着されたパ−ジ排ガスは、濃度が
濃いので、前述の吸収法或いは深冷法で効率的に処理・
回収することができる。
り、(A) 吸着装置として、内筒及び外筒からなる2重円
筒型の吸着装置を使用し、(B) 内筒に冷却用の水を満た
し、外筒に吸着剤を充填して吸着剤層を形成し、(C) 吸
着剤として、4〜100オングストロ−ムの孔径をもつ合成
ゼオライト及び/又は疏水性シリカゲルを用い、これを
ガス状炭化水素でプレコ−トした後、吸着・脱着の操作
を行わしめ、かつ、重要な運転要因の一つである吸着・
脱着のSwing Time(切り換え時間)を1〜15分に短縮し、
しかも、(D) 脱着時に、バ−ジしながら同時に真空を併
用する、ことを特徴とする。
(D)を組み合わせることによって、特に、吸着剤に対す
るガス状炭化水素の吸着量を低い水準にコントロ−ル
し、吸着剤層内の異常な温度上昇を抑制して吸着装置内
の温度の均一化に成功したものである。即ち、この時の
吸着剤層内温度は、外気温度よりも若干高い程度の温度
にとどまるものであり、先願発明に比し、より一層吸着
装置の安全性を確保できることを確認した。
PSA法やPTSA法を適用することができ、その他V
SA法、VTSA法なども適用することができ、これら
の適用も本発明に包含されるものである。また、本発明
は、ガソリンベ−パ−含有廃棄ガスの処理、回収に好適
であるが、その他ベンゼン、アセトン、メタノ−ルなど
の低沸点のガス状炭化水素を含む廃棄ガスにも適用で
き、これらへの適用も本発明に包含されるものである。
て説明する。なお、図1は、本発明の一実施例であるガ
ス状炭化水素の処理・回収方法を説明するフロ−シ−ト
図である。
うに、冷却水循環用内筒2a,3a、吸着剤充填用外筒
2b,3bから構成される2重円筒型の吸着塔2及び吸
着塔3を用いて廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素を処
理・回収する方法に係る例である。そして、本実施例1
では、吸着剤として約30オングストロ−ムの孔径を持つ
疏水性シリカゲル「富士シリシア化学社製の“CARIACT-
Q3”(商品名)」を吸着塔2,3の外筒2b,3bに充填
し、予めn−ペンタンを吹き込むことにより、プレコ−
トした状態にして実施に供した。
説明すると、廃棄ガス発生源1から発生した廃棄ガス
(約40VOL%のガソリンベ−パ−を含む廃棄ガス)をブ
ロア−(図示せず)又は自圧で、廃棄ガス送気管11,11’
より吸着塔2,3に送気する。吸着工程を終えた処理済
み廃棄ガスは、吸着塔2(脱着工程に切り換えた後は吸
着塔3)の頂部から、排出管12(または排出管12’)を介
して、1VOL%以下のガソリンベ−パ−を含む空気(クリ
−ンなガス)として大気中に放出する。
後記の脱着工程とを交互に切り換えながら運転するが、
この切り換え時間(Swing Time)を5分程度とした。
着工程に切り換えた後は吸着塔3)に、パ−ジ用ガス送
気管13’(または同13)を介して、パ−ジ用ガスを送気
し、真空ポンプ4で吸引することにより脱着させる。な
お、本実施例1では、パ−ジ用ガスとして吸着運転時に
頂部から排出されるクリ−ンなガスの一部を使用し、真
空ポンプ4は、約25TORRで運転した。
スは、送気管14’(または同14)を介してガソリン回収器
5に送気し、分配管6を通して液体ガソリンと接触さ
せ、液体(ガソリン吸収液)としてパ−ジ排ガス中のガソ
リンベ−パ−を回収する。このガソリン回収器5には、
液体ガソリンの液面を検出するための液面計7が取り付
けられている。なお、この回収器5としては、向流接触
型の充填塔でも段塔でも作用効果は同じであり、また、
冷媒による深冷液化器を用いても同様であり、いずれも
使用することができる。
僅かのガソリンベ−パ−が残存するので、返送管15を介
して再度廃棄ガス管11に戻し、廃棄ガス発生源1からの
廃棄ガスと一緒にして吸着処理を行う。また、吸着塔
2,3内の吸着剤層を冷却するため、図示してないが、
内筒2a,3aに冷却水が循環させており、また、この
冷却水の補給や圧力を一定に保つために調整槽(図示せ
ず)が設けられている。
脱着の切り換え時間が5分程度の短時間であるため、ガ
ス状炭化水素の吸着量が2%に過ぎず、その結果局部加
熱が避けられており、運転期間中、吸着塔2(同3)の上
から下迄ほぼ均一な温度(約40℃)に保たれていた。ま
た、本実施例1によれば、排出管12(同12’)から大気中
に放出される排出ガス中のガソリンベ−パ−濃度は、実
質的に0%であった。
1において、吸着工程を終えた後の吸着塔2(同3)から
脱着時に取り出されるパ−ジ排ガス中のガソリンベ−パ
−の濃度が希薄な場合に限って、濃縮吸着塔(アダプタ
−)8を作動させた例である。この濃縮吸着塔(アダプタ
−)8は、吸着塔2(同3)と同様な操作を行うが、濃縮
吸着塔8には、吸着剤の約50%のアルミ製顆粒(図示せ
ず)を均一に混合して成る吸着剤層を用いている。ま
た、濃縮吸着塔(アダプタ−)8からの排出ガスは、返戻
管16を介して、返送管15に戻すように構成されている。
ガソリン回収に先立って、濃縮吸着塔(アダプタ−)8に
よりパ−ジ排ガス中のガソリンベ−パ−を濃縮している
ので、パ−ジ排ガス中のガソリンベ−パ−の濃度が希薄
であってもガソリン回収が効率的に行うことができる利
点を有する。
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
前記した本発明の要旨の範囲内で種々の変更、変形が可
能である。
着装置として、内筒及び外筒からなる2重円筒型の吸着
装置を使用し、(B) 内筒に冷却用の水を満たし、外筒に
吸着剤を充填して吸着剤層を形成し、(C) 吸着剤とし
て、4〜100オングストロ−ムの孔径をもつ合成ゼオライ
ト及び/又は疏水性シリカゲルを用い、これをガス状炭
化水素でプレコ−トした後、吸着・脱着の操作を行わし
め、かつ、重要な運転要因の一つである吸着・脱着のSw
ing Time(切り換え時間)を1〜15分に短縮し、しかも、
(D) 脱着時に、バ−ジしながら同時に真空を併用する、
ことを特徴とし、この(A)〜(D)の組み合わせより、 ・ガス状炭化水素濃度の如何にかかわらず、ガス状炭化
水素を含む廃棄ガスを処理し、大気中に排出するクリ−
ンなガス中の残存炭化水素を1VOL%以下にすることが
容易にでき、かつ、 ・前記吸着剤に対するガス状炭化水素の吸着量を低い水
準にコントロ−ルし、吸着剤層内の異常な温度上昇を抑
制して吸着装置内の温度を均一化することができ、吸着
装置の安全性に万全を期することができる、 という顕著な効果が生じる。
るガス状炭化水素の処理において、従来からわが国で用
いられてきた吸収法や膜法では、到底達成できなかった
「米国の環境保護局( EPA)が定めた1VOL%以下の規
制値」を完全にクリヤ−できるのみならず、更に厳しく
この数値を半分以下にすることを発表したEPAの措置
に対しても、充分対応できる成績を得たものである。
・回収装置のフロ−シ−トを示す図。
Claims (6)
- 【請求項1】 単塔式ないしは多塔式の吸着装置を用い
て廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素を処理・回収する
方法において、(1) 前記吸着装置として、冷却水循環用
内筒及び吸着剤充填用外筒からなる2重円筒型の吸着装
置を用い、(2) 該吸着剤充填用外筒内に、孔径:4〜100
オングストロ−ムの合成ゼオライト及び/又は疏水性シ
リカゲルの単独又は混合物を充填した、ガス状炭化水素
でプレコ−トしてなる吸着剤層を形成し、(3) 該吸着剤
層に対する吸着・脱着の切り換え時間を1〜15分とし、
かつ、(4) 脱着時に、該吸着剤層から排出されるクリ−
ンなガスの一部及び/又は空気でパ−ジしながら同時に
真空を併用し、(5) 該パ−ジ排ガスからガス状炭化水素
を回収する、ことを特徴とする廃棄ガスに含まれるガス
状炭化水素の処理・回収方法。 - 【請求項2】 前記(2)のプレコ−トしてなる吸着剤層
は、前記外筒に充填する前又は充填した後にガス状炭化
水素でプレコ−トして形成することを特徴とする請求項
1に記載の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・
回収方法。 - 【請求項3】 前記パ−ジ排ガスからガス状炭化水素を
回収するに先立って、カスケ−ド方式による濃縮吸着塔
(アダプタ−)を介して、パ−ジ排出ガス中のガス状炭化
水素の濃度を濃縮することを特徴とする請求項1に記載
の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方
法。 - 【請求項4】 前記パ−ジ排ガスからガス状炭化水素を
回収する手段として、廃棄ガスに含まれるガス状炭化水
素と同質の液体炭化水素を用いて洗浄し、該液体炭化水
素にガス状炭化水素を吸収せしめることを特徴とする請
求項1又は3に記載の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水
素の処理・回収方法。 - 【請求項5】 前記パ−ジ排ガスからガス状炭化水素を
回収する手段として、パ−ジ排ガスを深冷してガス状炭
化水素を液化せしめることを特徴とする請求項1又は3
に記載の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回
収方法。 - 【請求項6】 前記吸着層から大気に放散されるクリ−
ンなガス中の炭化水素濃度を1VOL%以下にすることを
特徴とする請求項1に記載の廃棄ガスに含まれるガス状
炭化水素の処理・回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7270754A JP2766793B2 (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1995
- 1995-08-29 JP JP7270754A patent/JP2766793B2/ja not_active Expired - Lifetime
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