JP3908819B2 - フロンの回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロンの回収方法に関し、詳しくは、半導体製造装置等から排出されるフロン含有排ガス中のフロンを回収する方法であって、特に、窒素ガス等からなるベースガス中に、フッ化物,二酸化炭素,窒素酸化物等の不純物と共に数%含まれているフロンを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体の製造工程、特にクリーニング工程やアルミニウムの精練工程からは、フロンを含むガスが排出されている。これらのフロンは、ベースガス、通常は窒素ガスを主体とするガス中に数%の割合で含まれていることが多く、また、二酸化炭素や窒素酸化物等も含まれていることが多い。
【0003】
近年、フロンは、オゾン層の破壊や地球温暖化の原因物質の一つとされているため、上記排ガスを大気に放出する前にフロンを捕捉して分解することが望まれているが、フロンは化学的に極めて安定であり、分解するためには1000℃程度の高温で処理する必要がある。例えば、現在、半導体製造装置から排出されるフロン含有ガスを処理するための方法としては、1000℃近くに加熱した酸化カルシウム(CaO)や酸化鉄(FeO2 )にフロンを接触させて分解する加熱接触分解方式、あるいは、加熱したケイ素(Si)にフロンを接触させて四フッ化ケイ素(SiF4 )を生成させ(直接燃焼方式)、次いで、この四フッ化ケイ素を塩基性化合物と反応させて除去する方法が行われている。
【0004】
しかし、上記加熱接触分解方式や直接燃焼方式では、反応効率が低いために処理コストが高く、また、廃棄物も多量に発生するという不都合があった。さらに、設備的にも、高温に対する安全対策を施す必要があった。
【0005】
そこで本発明は、高温に加熱する必要がなく、簡単な装置構成で実施することができ、低コストでフロンを回収できるとともに、回収したフロンを再利用することも可能なフロンの回収方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のフロンの回収方法は、半導体製造工程から排出される窒素からなるベースガス中にフロンを含むフロン含有ガスからフロンを回収する方法において、前記フロン含有ガス中に含まれている不純物であるフッ化物を、金属水酸化物又は金属酸化物の内の1種以上を主成分とする除去剤で除去し、次いで、フロンをほとんど吸着せずに、窒素を選択的あるいは優先的に吸着するCaA型ゼオライトで窒素を吸着除去した後、濃縮したフロンを吸着する吸着剤に吸着させることを特徴としている。
【0009】
本発明方法は、前述のように、フロン含有ガス中に含まれている不純物であるフッ化物を除去する不純物除去工程と、フロン含有排ガスのベースガスである窒素を吸着除去するベースガス除去工程と、フロンを選択的に回収するフロン回収工程とにより行われる。なお、処理するフロン含有ガス中に固形不純物や塵埃等が含まれている場合は、前記不純物の除去処理を行う前に、フィルター等を使用してこれらの固形不純物を除去しておくことが好ましい。
【0010】
不純物除去工程は、フロン回収工程におけるフロンの回収操作に影響を与える不純物をあらかじめ除去するために行うもので、この不純物除去工程を行うことにより、フロン回収工程におけるフロンの回収効率を大幅に向上させることができる。
【0011】
半導体製造工程中のクリーニング工程から排出される排ガスには、回収対象となるフロン以外にフッ化物(フロンは除く)や二酸化炭素、酸化窒素、水分等が不純物として含まれているが、これらの不純物は、カルシウム,ナトリウム,マグネシウム等の金属水酸化物若しくは鉄,銅,ケイ素,アルミニウム等の金属酸化物の内の1種以上を主成分とする除去剤に物理的に吸着させて除去する。なお、化学的に反応させて分解することにより除去することもできる。
【0012】
前記ベースガス除去工程は、ベースガスの種類によって適宜な方法を選択することができる。一般的に、半導体製造工程からのフロン含有ガスは、窒素ガスがベースガスとなっていることから、通常のベースガス除去工程は、窒素ガスを吸着除去する工程となる。窒素ガスを吸着除去する方法としては、フロンはほとんど吸着せずに、窒素ガスを選択的あるいは優先的に吸着する吸着剤、特に、細孔径が4〜5オングストロームのCaA型ゼオライトを用いることにより容易に行うことができる。
【0013】
上記ベースガス除去工程におけるベースガスの吸着除去操作は、通常の圧力変動吸着分離法や温度変動吸着分離法に行うことができ、ベースガスを吸着した吸着剤は、ベースガスの脱着操作を行うことにより、半永久的に使用することができる。
【0015】
フロン回収工程は、吸着法や膜分離法,蒸留法,冷却液化法により行うことができるが、フロンを吸脱着可能な吸着剤にフロンを吸着させる吸着法を採用することにより、容易にかつ効率よく行うことができる。この吸着剤としては、細孔径10オングストローム以上のNaX型ゼオライトや、平均細孔径5〜15オングストローム,比表面積1100〜1250m2 /g,全細孔容積0.85〜0.96cc/gの活性炭、比表面積が1200〜1500m2 /gの繊維状活性炭等を使用することができる。
【0016】
上記吸着剤へのフロンの吸着は、室温から−50℃の比較的低温下で、常圧から10kg/cm2 の比較的高圧下の条件で行うことができ、吸着したフロンの脱着は、200℃程度に加熱し、常圧から200Torr程度に減圧することにより行うことができる。吸着剤から脱着させたフロンは、そのまま再利用することも可能であり、所望の純度に精製する工程に導入してもよく、冷却液化して貯蔵することもできる。
【0017】
このように、半導体製造工程から排出される排ガス中のフロンを回収するにあたり、SiF4 やHF等のフッ化物,二酸化炭素,窒素酸化物等の不純物を排ガス中から除去してからフロンの回収工程を行うことにより、不純物の影響を排除して効率よくフロンを回収することができる。また、排ガスの主成分である窒素からなるベースガスを除去してフロンを濃縮した後にフロンの回収工程を行うことにより、フロンの回収効率を更に向上させることができる。特に、吸着剤によってフロンを回収する場合は、あらかじめ不純物を除去しておくことにより、吸着剤へのフロンの吸着量が増大し、吸着効率が向上するとともに、吸着剤の劣化を防止することができる。
【0018】
【実施例】
参考例1
フロン116(C2 F6 )を5%、フッ化水素(HF)を1%含む窒素ガスを毎分0.85リットルの流量で、ソーダライム(Ca(OH)2 70%,NaOH10%,H2 O20%)を500g充填した充填層に通し、不純物であるHFを除去した後、400gの活性炭(比表面積1100m2 /g,細孔容積0.85cc/g)を高さ40cmに充填した吸着層に導入した。
【0019】
前記充填層の出口ガスと吸着層の出口ガスとを、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製GC−8A)にて分析したところ、充填層出口のHF及び吸着層出口のC2 F6 は、それぞれ検出されなかった。吸着層の破過までの時間は6時間だった。前記吸着層の活性炭を200℃に加熱するとともに、窒素ガスを毎分80ccの流量で流してフロンを脱着させたところ、吸着量の99%のC2 F6 を回収することができた。この吸着操作と脱着操作とを繰り返して行ったが、活性炭の吸脱着性能は低下しなかった。
【0020】
参考比較例
ソーダライム充填層を省略した以外は参考例1と同様に操作を行った。その結果、活性炭層が破過するまでの時間が3.5時間に短縮され、活性炭からの脱着ガス中には10%のHFが含まれていた。さらに、吸着操作と脱着操作とを繰り返して行うと、活性炭のガス吸着量が次第に減少していった。
【0021】
参考例2
フロン14(CF4 )を5%、SiF4 を1%含む窒素ガスを、酸化鉄(FeO3 70%,Al2 O3 30%)350gを充填した充填層に通してSiF4 を除去した後、細孔径10オングストロームのNaX型ゼオライト300gを充填した吸着層に導入した。
【0022】
参考例1と同様に、ガスクロマトグラフィーにより充填層出口のSiF4 及び吸着層出口のCF4 を測定したが、両者共それぞれ検出されなかった。吸着操作終了後、ゼオライトを200℃に加熱するとともに200Torrに減圧してフロンを脱着させたところ、脱着ガスのCF4 濃度は、99.9%であった。
【0023】
参考例3
プラズマCVD装置から排出されたC2 F6 含有ガスをフィルターに通して固形不純物を除去した後、ソーダライムを500g充填した充填層に通し、不純物を除去した。次いで、細孔径10オングストロームのNaX型ゼオライトを300g充填した吸着層に導入してゼオライトにフロンを吸着させ、実施例2と同様の脱着操作を行うことにより、97%以上の濃度のC2 F6 を回収することができた。
【0024】
実施例1
C2 F6 を5%、SiF4 を1%含む窒素ガスを、ソーダライムを1500g充填したソーダライム充填層に通し、続けてゼオライト5Aを1000g充填したゼオライト充填層に毎分17リットルの流量で通すことにより、ソーダライム充填層でSiF4 を、ゼオライト充填層で窒素をそれぞれ除去した。なお、ゼオライト充填層は、3塔切換え式とした。
【0025】
次に、比表面積1250m2 /g,細孔容積0.96cc/gの活性炭400gを充填した吸着層に毎分0.85リットルの流量で導入し、活性炭にフロンを吸着させた。このときの吸着層の破過までの時間は15時間であった。脱着操作は、活性炭を200℃に加熱し、200Torrに減圧することにより行った。その結果、98%以上のC2 F6 を回収することができた。また、同じ吸着層を2個用意し、吸着と脱着を交互に繰り返して行ったところ、連続してフロンを回収することができ、回収率はほとんど変化しなかった。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフロンの回収方法によれば、極めて簡単な操作で効率よくフロンの回収を行うことができ、回収したフロンの再利用も可能となる。
Claims (1)
- 半導体製造工程から排出される窒素からなるベースガス中にフロンを含むフロン含有ガスからフロンを回収する方法において、前記フロン含有ガス中に含まれている不純物であるフッ化物を、金属水酸化物又は金属酸化物の内の1種以上を主成分とする除去剤で除去し、次いで、フロンをほとんど吸着せずに、窒素を選択的あるいは優先的に吸着するCaA型ゼオライトで窒素を吸着除去した後、濃縮したフロンを吸着する吸着剤に吸着させることを特徴とするフロンの回収方法。
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