JPH0956779A - 医療用容器の口部構造 - Google Patents

医療用容器の口部構造

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JPH0956779A
JPH0956779A JP7239128A JP23912895A JPH0956779A JP H0956779 A JPH0956779 A JP H0956779A JP 7239128 A JP7239128 A JP 7239128A JP 23912895 A JP23912895 A JP 23912895A JP H0956779 A JPH0956779 A JP H0956779A
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container
needle
mouth
mouth structure
container body
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JP7239128A
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English (en)
Inventor
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
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Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排出口等で連通針を操作する際に、できる限
り無菌的操作を維持して院内感染などが極力防止できる
医療用容器の口部構造を提供。 【構成】 投与液が充填されてなる容器本体に設けら
れ、投与液を投与するための排出口或いは他の薬剤を上
記容器本体に混注するための混注口の口部構造におい
て、上記容器本体に液密に取り付けられるか或いは一体
形成される筒状口部材と、上記口部材の開口を液密に密
封する弾性栓体と、上記口部材に取り付けられ上記弾性
栓体を上記口部材に止置く止め部材とからなり、上記口
部材或は止め部材に固着されるか或いは一体形成され、
上記弾性栓体の外表面を囲み且つ内部が使用時まで無菌
的に維持される無菌収容部を有すると共に、上記無菌収
容部内に収容され、上記弾性栓体に刺針したときに上記
容器本体内に連通する連通針を有し、上記連通針は、該
連通針の刺針部が上記弾性栓体の外表面に形成された嵌
合穴に嵌入して設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、点滴注射などに用いら
れる輸液バックなどの医療用容器の口部構造に関するも
のであり、より詳細には、患者への輸液等の投与におい
て院内感染の危惧がほとんどない医療用容器の口部構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に点滴注射に用いられる輸液等のバ
ック、コンテナ等の医療用容器は、点滴の際に輸液を取
り出す排出口を備えている。また治療上、ビタミン剤等
の他の薬剤を注射器により、容器本体内に混注させる場
合があり、かかる場合は予め容器本体に排出口とほぼ同
様な構成の混注口を設置して混注口から注射器を介して
容器本体内に混入する。更に、使用の際に他の薬剤を混
合して点滴を行う医療用容器においては、上記排出口の
他に薬剤容器(バイアル)との混注口(又は接続口)を
有したものがある。そして、予め薬剤容器が接続可能な
状態で提供されたもの、いわゆる薬剤キットも提供され
ている。
【0003】従来の医療用容器の排出口又は混注口は、
容器本体に熱シールにより取り付けられる筒状の樹脂口
部材と、口部材の開口を液密に閉じるゴム栓体と、ゴム
栓体を口部材に完全に固定するためのリング状の止め部
材とからなる。そして、筒状の口部材とリング状の止め
部材とは共に汎用樹脂の成形物であり、これらは、熱溶
着或いは接着剤などにより固着される。また、容器本体
内から輸液を取り出す際、或いは薬剤を混注する際に
は、連通針をゴム栓体に刺針することにより行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
医療用容器の口部構造では以下の問題がある。従来、病
院内での点滴などの操作は、先ず輸液セットの連通針を
排出口のゴム栓体に刺針し、点滴筒及びクレンメなどを
調整した後、静脈針を患者に刺針して行う。このような
操作の際には、できる限り無菌的な条件を維持して操作
することが望ましい。しかし、連通針は外気とどうして
も接触し、汚染を受けることがある。このよな汚染は院
内感染の原因となる。また、輸液の際には、ビタミン剤
その他の薬剤を混注或は、混合して使用する場合があ
る。従来、混注の際には薬剤を注射器に充填し、注射器
を介して容器本体に混注される。このため、注射器に薬
剤を充填する際に、操作ミスから薬剤の汚染を生じる場
合がある。汚染された薬剤が容器本体内に混注される
と、結局、容器本体の全体が汚染され、院内感染の原因
となる。このような汚染などは、ビタミン剤等の混注だ
けでなく、薬剤キットなどの場合にも考えられる。
【0005】従って、本発明の目的は、排出口等で連通
針を操作する際に、できる限り無菌的操作を維持して院
内感染などが極力防止できる医療用容器の口部構造を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、投与液が充填
されてなる容器本体に設けられ、投与液を投与するため
の排出口或いは他の薬剤を上記容器本体に混注するため
の混注口の口部構造において、上記容器本体に液密に取
り付けられるか或いは一体形成される筒状口部材と、上
記口部材の開口を液密に密封する弾性栓体と、上記口部
材に取り付けられ上記弾性栓体を上記口部材に止置く止
め部材とからなり、上記口部材或は止め部材に固着され
るか或いは一体形成され、上記弾性栓体の外表面を囲み
且つ内部が使用時まで無菌的に維持される無菌収容部を
有すると共に、上記無菌収容部内に収容され、上記弾性
栓体に刺針したときに上記容器本体内に連通する連通針
を有し、上記連通針は、該連通針の刺針部が上記弾性栓
体の外表面に形成された嵌合穴に嵌入して設けられてい
ることを特徴とする医療用容器の口部構造を提供するこ
とにより、上記目的を達成したものである。
【0007】本発明に係る医療用容器の口部構造におい
て、上記連通針が上記弾性栓体に刺針した際の過剰差し
込みを防止する抑制部が上記連通針に形成され、上記抑
制部は、上記埋設した刺針部除く部分の容器本体内への
侵入を防止するように設けられていることを特徴とする
ことにより、連通針の操作において、外気に晒された刺
針部が容器本体内に入らないため、確実な無菌的操作を
達成することができる。本発明に係る医療用容器の口部
構造において、上記弾性栓体の嵌合穴は、該弾性栓体の
外表面から突設される筒状部により形成されることを特
徴とすることにより、刺針部を無菌的に長く覆うことが
できる。本発明に係る医療用容器の口部構造において、
上記無菌収容部には上記連通針と共に、静脈針からなる
輸液具が設けられることを特徴とするとすることによ
り、できる限り無菌的状態を維持して静脈注射ができ、
院内感染を極力防止することができる。
【0008】本発明に係る医療用容器の口部構造におい
て、上記無菌収容部には、上記連通針と接続された除菌
フィルタが設けられていることを特徴とすることによ
り、容器本体内の汚染や汚染物質の体内への投与が防止
される。本発明に係る医療用容器の口部構造において、
上記無菌的収容部の開放端に、水蒸気ガスの透過が可能
なシール部材が一部又は全部に設けられていることを特
徴とすることにより、収容部内の高圧蒸気滅菌ができ、
連通針及び嵌合穴で覆われた刺針部を確実に滅菌するこ
とができる。
【0009】
【作用】上記医療用容器の口部構造にあっては、無菌収
容部が形成されることにより、輸液用具、輸液セットの
連通針等を無菌的に収容することができる。そして、医
療現場での使用の際には無菌収容部を開放するが、容器
本体と連通するための連通針の刺針部は、弾性栓体の嵌
合穴内にあるため外気に晒されるおそれがない。このた
め、操作時に連通針の汚染がなく院内感染などが極力防
止できる。また、容器本体への刺針部の過剰な差し込み
を防止することにより、連通針のうちの外気に晒された
部分が容器本体内に入ることはない。このため、刺針部
による容器本体内の汚染のおそれは全くない。
【0010】また、上記連通針と共に、除菌フィルタな
どを収容することにより、薬剤を注射器等で混注する場
合、その薬剤は汚染を受けていても、除菌フィルタが細
菌などを除去してから容器本体内に流入するため、混注
薬剤などで容器本体内を汚染するおそれがない。また、
排出口等に除菌フィルタを設けた場合は、容器本体内が
汚染されていても、除菌フィルタにより点滴液に汚染物
が混入してくることはない。このため、輸液などの操作
において院内感染などが極力防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の口部構造の
好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図
1は本発明に係る医療用容器の口部構造の第一実施例の
断面図、図2は第一実施例における口部構造の要部断面
図、図3は第一実施例における医療用容器の使用の際の
断面図、図4は図3における第一実施例の口部構造の使
用の際の要部断面図である。
【0012】図1乃至図4に示す如く、本実施例の医療
用容器の口部構造1は、輸液3が充填されてなる容器本
体2に設けられ、輸液3を投与するための排出口の口部
構造である。そして、口部構造1は、容器本体2に一体
形成される筒状排出口部4と、排出口部4の開口を液密
に密封するゴム栓5と、排出口部4に取り付けられゴム
栓5を排出口部4に止置く止め部材6とからなり、止め
部材6と一体形成され、ゴム栓5の外表面5Aを囲み且
つ内部が使用時まで無菌的に維持される無菌収容部7を
有し、また無菌収容部7内に収容され、ゴム栓5に刺針
したときに容器本体2内に連通する連通針11を有する
と共に、連通針11は、連通針の刺針部11Aがゴム栓
5の外表面5Aに形成された嵌合穴8に嵌入して設けら
れている。
【0013】本実施例に係る医療用容器の口部構造1を
更に詳しく説明すると、容器本体2は樹脂のブロー成形
容器であり、排出口部4が一体形成されている。容器本
体2の樹脂には、直鎖状低密度ポリエチレンが使用さ
れ、容器壁は可撓性があり非定容性容器である。直鎖状
低密度ポリエチレンは、汎用プラスチックであるため経
済的であると共に、オレフィン系樹脂で可塑剤を含ま
ず、また特殊な官能基がないので輸液3に悪影響を与え
ない。また、ブロー成形であるため、排出口部4を容器
本体2と共に一体形成することができる利点がある。
【0014】排出口部4はゴム栓5の受け及び熱溶着用
のフランジ部が形成され、フランジ部8には止め部材6
が熱容着により固着される。固着よりゴム栓5は止め部
材6から押圧付勢され、排出口部4を液密に閉じる。こ
の場合、排出口部4のフランジ部は大きく形成され、超
音波シール機のアンビルに容易に支持されるため、止め
部材6の超音波溶着が容易にできる。一方、止め部材6
の熱溶着部が筒状無菌収容部7の内側にあるフランジ部
9に形成され、超音波シール機のホーン等の挿入が容易
にできる。このため、止め部材6のフランジ部9を十分
に延在させて無菌収容部7が一体形成され、その結果、
無菌収容部7はゴム栓5の大きさ、形状に拘わらず内容
量を大きくすることができる。このため、後述の輸液セ
ットなどのかさばるものの無菌収容も十分に可能となっ
ている。
【0015】無菌収容部7は、筒状で所定の長さに形成
され、収容部7の端部開口7Aにはシール材10が液密
に貼付けられる。シール材10は水蒸気ガス透過性のそ
れ自体公知のシートで形成され、高圧蒸気滅菌時に水蒸
気ガスが透過して収容部7内が高圧蒸気により滅菌され
る。従って、収容部7内は高圧蒸気滅菌により、内部が
滅菌され且つシール材10の液密な封止により無菌状態
に維持される無菌収容部となる。その製造上、容器本体
2内の輸液3と共に、無菌収容部内7が高圧蒸気滅菌さ
れ、高圧蒸気滅菌は、日本薬局方の高圧蒸気滅菌方法に
基づいて行われ、高圧蒸気滅菌には一般的なオートクレ
ーブが使用され、オートクレーブ内は、例えば、不活性
ガスで置換した後に100乃至130℃の温度で行う。
また、無菌収容部7はその使用時に開放されることか
ら、シール材10は端部開口7Aから剥離可能である。
更に、このよな剥離が無くても易開封可能な手段が設け
られる。即ち、無菌収容部7はその側壁に切れ込み7B
が形成され、切れ込み7Bでの切り取り開封が可能とな
っている。尚、ゴム栓5は、排出口部4の開口を液密に
密封する弾性部材であり、かかる開口の密封が可能であ
る限り、熱可塑性エラストマーからなる栓体であっても
よく、またシリコンゴム栓体等の非腐食性のものを用い
ても良い。止め部材6は、リング状の樹脂成形物で、排
出口部4の樹脂との熱溶着時における相溶性の関係から
同一の樹脂が使用される。
【0016】無菌収容部7内には輸液セット(又は輸液
具)が収容され、輸液セットは、連通針11、除菌フィ
ルタ12、点滴筒15、導管17、クレンメ18、タコ
管19、及び静脈針20とからなる。輸液セットの連通
針11は、除菌フィルタ12のハウジングと一体形成さ
れる。連通針11の刺針部11Aはゴム栓5の外表面5
Aに形成された嵌合穴8に液密に挿入される。図2及び
図4に示す如く、連通針11には膨張径の抑制部11B
が形成され、使用の際の刺針部11Aの容器本体2内へ
の突き出し長さ(B)が刺針部11Aの嵌合穴8への挿
入長さ(A)より短くなるように、抑制部11Bは突き
出しを抑制している。従って、刺針部11Aの内、無菌
収容部7の開封後に外気と晒された部分は、容器本体2
内に侵入しないようになっている。
【0017】連通針11と一体形成されたハウジング内
には、下流側ハウジング13と共に除菌フィルタ12が
配せられ、除菌フィルタ12は図示しないが支持ネット
に支持されている。除菌フィルタ12はメンブレンフィ
ルタからなるが、一般的なスクリーンタイプ、デプスタ
イプ、アニソトロピックタイプ等の一般フィルタ等も使
用できる。またフィルタ12の膜の孔径は、0.6μm
以下、好ましくは0.45μm以下、更に好ましくは
0.22μm以下である。上記範囲内の孔径であれば、
細菌の通過をほぼ完全に阻止し、更に0.45μm以下
では細菌の破片等の毒性成分の除去ができ、0.22μ
m以下では破片等の毒性成分を殆ど除去しうる。除菌フ
ィルタ12は親水性であり、本実施例においては、親水
化処理したポリビニリデンフロライドが用いられ、輸液
3中の溶質物の付着をさけている。除菌フィルタ12は
本実施例の素材のものに限ることは無く、例えば、酢酸
セルロース、セルロースエステル、硝酸セルロース、再
生セルロース等セルロース系膜、ナイロン等を中心とし
たポリアミド系膜、粉末或は分散媒中のフッ化エチレン
系樹脂等から製造されるテフロン系膜、ポリスチレン、
フタル酸等からなるビニル系膜、結晶性ポリプロピレン
等を融解押出し急速延伸等して得られるポリオレフィン
系膜、アクリル系膜、ポリカーボネート系膜、塩化ビニ
リデン系膜等を挙げることができる。
【0018】点滴筒15は、その一端が下流側ハウジン
グ13の外周面に固着され、下流側ハウジング13の流
出口14は点滴筒15のチャンバ16内に配される。ま
た、点滴筒15は、ポリプロピレンにポリプロピレンエ
ラストマーをブレンドした射出成形物からなり、その壁
は可撓性及び透明性を有している。従って、透明な点滴
筒15により、点滴中に流出口14からの輸液3の落下
が確認可能となっており、また可撓性のある点滴筒15
により、チャンバ16を収縮復元させて、チャンバ16
内に一定の点滴輸液3を貯留させておくことができる。
尚、点滴筒15は、樹脂成形物である必要はないが、樹
脂成形物であれば、一回捨ての輸液セットにおいては焼
却上好ましい。また、樹脂成形物はプロピレン樹脂等に
限ることはなく、輸液3を確認しうる透明性とチャンバ
16のある程度の収縮復元が可能な可撓性がある成形物
であれば、その他の汎用樹脂成形物でも良い。
【0019】点滴筒15の他端には導管17が連通接続
され、導管17は流量調整用のローラクレンメ18が取
り付けられる。また導管17は更にはタコ管19に接続
され、タコ管19の先端にはテーパ状の針取り付け部が
形成される。針取り付け部には静脈針20が取り付けら
れ、静脈針20にはプロテクタが取り付けられ、プロテ
クタは針先の保護及び使用まで外気に触れないようにし
ている。従って、このような輸液セットは、除菌フィル
タ12を通過した輸液3の流量が点滴筒15内の流出口
14で直ぐに確認及び観察され、除菌フィルタ12が点
滴速度の律速段階に達しないように注意をしてクレンメ
18が正確に調整される。
【0020】このような本実施例に係る医療用容器の口
部構造1においては、以下の作用効果が見られる。先
ず、第一に無菌収容部7は使用時に開放され、連通針1
1は外気に晒され汚染の可能性が生じる。しかし、本実
施例の口部構造1においては容器本体2内に刺針される
刺針部11Aが無菌状態で嵌合されたゴム栓5の嵌合穴
8に覆われているため、その操作において外気に晒され
ることはない。更に、連通針11に抑制部11Bが形成
されるため、刺針部11Aの内の外気に触れた部分が容
器本体2内に入ることはない。従って、連通針11を容
器本体2に連通させる操作は全く無菌的に行われ、院内
感染などが極力防止される。
【0021】また第二に、除菌フィルタ12を設けたこ
とにより、容器本体2内が薬剤など混注操作によって汚
染を受けた場合でも、除菌フィルタ12で汚染菌が除去
された後に患者に投与される。このため、患者に輸液3
と共に汚染菌が入ることはない。従って、薬剤などが容
器本体2の輸液3に混注された場合でも、患者の院内感
染などが確実に防止される。
【0022】本実施例の口部構造1は、その構造的特徴
からも以下の作用効果がある。無菌収容部7は、止め部
材6のフランジ部を外側に延在させて形成した筒状部材
であるため、ゴム栓5の径とは無関係に無菌収容部7を
大きくすることができる。このため、無菌収容部7に比
較的かさばりのある輸液セットなどの収容も可能とな
り、一層の無菌的操作が達成できる。またかかる場合
に、止め部材6と排出口部4との熱溶着を各フランジ部
に設定して超音波シールとすることが容易にできるため
製造上の利便がある。更に、シール材10に水蒸気ガス
透過性のシール材を用いたので、高圧蒸気滅菌が可能で
あり、収容された連通針11、特に、ゴム栓5の嵌合穴
8に嵌入された刺針部11Aを確実に滅菌するため、容
器本体2の滅菌と同時に無菌収容部7内の収容物の滅菌
が確実且つ簡単にできる。
【0023】尚、本実施例では、低密度ポリエチレンを
樹脂容器に用いたが、容器はガラス容器でも良い。しか
し、医療用容器としての廃棄処分を考慮すると、容器は
樹脂容器であることが望ましい。また、本実施例では容
器成形にブロー成形物を用いた。これは排出口部4など
を一体形成できる点で製造上望ましい。しかし、容器は
ブロー成形物である必要はなく、例えば、押出延伸シー
ト或いはフィルムを2枚重ねて裁断し、所定の周縁を熱
溶着シールした容器成形物や、インフレーション成形し
た筒状シートを所定の位置で裁断して、所定部分の熱溶
着シールした容器成形物であっても良い。本実施例で
は、直鎖状低密度ポリエチレンからなる容器を用いた。
成形可能な樹脂容器であれば、かかる樹脂に限ることは
なく、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、軟質ポリエス
テル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等の可撓性に富んだ材料
を用いることができる。但し容器本体2内には、薬剤の
溶解液、混合薬液、輸液等の薬液3が収容されるため、
なかでも、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン
系樹脂は、耐薬品性に優れ、溶解液中への溶出物も少な
く、廉価であり経済性に優れているので好ましい。
【0024】本実施例では、排出口部4を容器本体2に
一体形成して設けたが、本発明では一体形成で必ずしも
設ける必要はなく別体の部材としても良い。また、止め
部材6と無菌収容部7とを一体形成したが、これについ
ても別体の部材としても良い。本実施例では、無菌収容
部7内の滅菌を高圧蒸気滅菌とした。しかし、本発明で
は、蒸気滅菌に限る必要はなく、γ線や電子線などの照
射滅菌、又はエチレンオキサイドなどの化学ガス滅菌に
より滅菌処理を行っても良い。尚、本実施例では連通針
11に除菌フィルタ12を設けたが、本発明において薬
剤などが混注されない場合は特に必要とされない。
【0025】次に、図5〜図7に従って本発明に係る医
療用容器の口部構造の第二実施例を詳しく説明する。図
5は第二実施例における医療用容器の口部構造の半断面
図、図6は第二実施例における医療用容器の口部構造の
分解半断面図、図7は第二実施例における口部構造の使
用時の半断面図である。
【0026】図5〜図7に示す如く、第二実施例の医療
用容器の口部構造21は、輸液3が充填されてなる容器
本体22に設けられ、他の薬剤を容器本体22に混注す
るための混注口の口部構造である。そして、口部構造2
1は、容器本体22に液密に取り付けられる筒状口部材
23と、口部材23の開口を液密に密封するゴム栓24
と、口部材23に取り付けられゴム栓24を口部材23
に止置く止め部材25とからなり、口部材23と一体形
成され、ゴム栓24の外表面24Aを囲み且つ内部が使
用時まで無菌的に維持される無菌収容部26を有し、ま
た無菌収容部26内に収容され、ゴム栓24を刺針した
ときに容器本体2内に連通する連通針27を有し、連通
針27は、連通針の刺針部27Aがゴム栓24の外表面
24Aに形成された嵌合穴28に嵌入して設けられてい
る。
【0027】また、嵌合穴28は、ゴム栓の外表面24
Aから突設された筒状部29により形成される。更に、
連通針27は第一実施例と同様に、除菌フィルタ31の
ハウジング部30が一体形成され、無菌収容部26内に
連通針27及び除菌フィルタ31が設けられた構造とな
っている。
【0028】図5〜図6に従って本実施例の口部構造2
1を更に説明すると、容器本体22は、押出し延伸成形
した直鎖状低密度ポリエチレンシートを所定の大きさに
裁断し、2枚重ねた後に、その周縁を熱溶着シールして
形成したものである。シール部22Aが形成される際
に、そのシールと共に、排出口部材34、及び混注口の
口部材23が容器本体22に液密に取り付けられる。混
注口の口部材23には、ゴム栓24の受け部が設けら
れ、更にフランジ部が延在されて無菌収容部26が形成
される。無菌収容部26には第一実施例1と同様のシー
ル材10が開口端部に剥離可能に貼り付けられ、無菌収
容部26は高圧蒸気滅菌により内部が滅菌され、シール
材10を剥離しない限り無菌が維持される。
【0029】ゴム栓24はリング状の止め部材25に止
置きされ、止め部材25は超音波溶着により口部材23
に固着される。ゴム栓24はその外表面24Aが無菌収
容部26内に配され、外表面24Aには筒状部29が突
設して形成される。筒状部29はその内部が連通針の刺
針部27Aにおける嵌合穴28となっており、刺針部2
7Aのほぼ全体は嵌合穴28に覆われている。一方、連
通針27には除菌フィルタ31のハウジング部30が一
体に形成され、刺針部27Aに比べて大径なハウジング
部30は図7に示す如く抑制部となっている。即ち、刺
針部27Aが容器本体22内に押し込まれたとき、筒状
部29は拠れて縮み、ハウジング部30がゴム栓の外表
面27Aに近接する。そして、かかる近接時、筒状部2
9の圧縮応力による反力を受け、刺針部27Aが過剰に
押し込まれることが防止される。ハウジング部30及び
下流側ハウジング32には、第一実施例に使用した同様
な除菌フィルタ31が配せられ、下流側ハウジング32
には、注射器の射出口との接続口33が形成される。
【0030】このような構成の医療用容器の口部構造1
にあっては、図示しないが輸液セットなどの連通針が排
出口部材34内のゴム栓に刺針され点滴が開始される。
この場合、点滴中などにビタミン剤、治療に必要とされ
る抗生物質などを投与するとき、その混注薬36は混注
口から容器本体22内に注射器37を介して混注され
る。混注の際先ず、注射器37内に必要とされる混注薬
36が充填され、注射器37の射出口がシール部材10
を破封し、ハウジング32の接続口33に接続される。
かかる接続と同時に注射器37をゴム栓24に向けて強
く押し込み、ハウジング30、32を収容部26の内壁
に案内させ、連通針27の刺針部27Aを正確にゴム栓
24に貫通させる。連通針27は上述したように大径な
ハウジング部30の抑制を受けて過剰な差し込みが防止
される。この結果、連通針27が外気と触れる部分は全
く容器本体22内に侵入しない。また、筒状部28に嵌
合穴27が形成されるため、刺針部27Aの大半を覆う
ことができ、しかも、刺針部27Aを長く覆うために第
一実施例のようにゴム栓を肉厚にする必要がない。従っ
て、第一実施例と同様に連通針27を刺針する際には、
汚染などの心配が全くなく、注射器からの混注液36が
除菌フィルタ31を通過する限り、混注液が細菌汚染を
受けていても容器本体22内が汚染されるおそれはな
い。
【0031】図8は本発明に係る医療用容器の口部構造
の第三実施例の断面図であり、第二実施例の混注口部の
別の態様を示すものである。即ち、第三実施例の医療用
容器の口部構造41は、バイアルなどが接続される接続
口(又は広義には混注口)の口部構造である。口部構造
41は、容器本体42に液密に固着シールされる接続口
部材43、ゴム栓44、止め部材45及び無菌収容部材
46とからなる。接続口部材43の開口にはゴム栓44
が設けられ、また接続口部材43のフランジ部には止め
部材45及び無菌収容部材46が熱溶着により固着して
取り付けられる。また、無菌収容部材46の開口端には
第一実施例及び第二実施例と同様なシール材10が貼付
けられ、無菌収容部材46内は、高圧蒸気滅菌後、無菌
的に維持しされる。また無菌収容部材46内には両頭刺
針部型連通針47が配せられ、連通針47の刺針部47
Aはゴム栓44に形成された嵌合穴48に一部埋設され
る。また、連通針47の他の刺針部47Bはシール材1
0の剥離後、図示しない薬剤容器、例えばバイアルのゴ
ム栓に刺針される。従って、容器本体42内の溶解液
は、一部バイアル内に流入し、バイアル内の薬剤を溶解
混合し、再び容器本体42内に混合液を戻すことによ
り、薬剤投与液が無菌的に容器本体42内に調整され
る。このような口部構造41においても、その連通針4
7の刺針時にできる限り、無菌的な操作がなされ、第一
実施例と同様な作用効果を生ずる。尚、上記実施例で
は、薬剤容器であるバイアルをホルダ内等に保持して、
容器本体に一体として取り付けた薬剤キットであっても
良い。上記第三実施例では、無菌収容部材46を口部材
43に熱溶着したが、止め部材45に熱溶着させても良
い。
【0032】上記第一〜第三実施例では、容器本体内の
投与液を輸液用に用いたが、これに限らず、経口等から
直接腸などに投与される投与液であっても良い。また、
上記第一、第二、第三実施例の熱溶着に超音波溶着を用
いたが、これに限る必要はなく、かかる部材同士の固着
を接着剤を用いて固着しても良い。但し、熱溶着するこ
とが最も望ましい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の医療用容器
の口部構造は、上記容器本体に液密に取り付けられるか
或いは一体形成される筒状口部材と、上記口部材の開口
を液密に密封する弾性栓体と、上記口部材に取り付けら
れ上記弾性栓体を上記口部材に止置く止め部材とからな
り、上記口部材或は止め部材に固着されるか或いは一体
形成され、上記弾性栓体の外表面を囲み且つ内部が使用
時まで無菌的に維持される無菌収容部を有すると共に、
上記無菌収容部内に収容され、上記弾性栓体に刺針した
ときに上記容器本体内に連通する連通針を有し、上記連
通針は、該連通針の刺針部が上記弾性栓体の外表面に形
成された嵌合穴に嵌入して設けられているので、排出口
等で連通針を操作する際に、できる限り無菌的操作を維
持して院内感染などが極力防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例における医療用容器の口部構造の断
面図である。
【図2】第一実施例における医療用容器の口部構造の要
部断面図である。
【図3】第一実施例における口部構造の使用時の断面図
である。
【図4】第一実施例における口部構造の使用時の要部断
面図である。
【図5】第二実施例における医療用容器の口部構造の半
断面図である。
【図6】第二実施例における口部構造の分解半断面図で
ある。
【図7】第二実施例における口部構造の使用時の半断面
図である。
【図8】第三実施例における医療用容器の口部構造の断
面図である。
【符号の説明】
1、21、41 医療用容器の口部構造 2、22、42 容器本体 3 輸液 4 排出口部 5 ゴム栓体 6 止め部材 7 無菌収容部 8 嵌合穴 9 フランジ部 10 シール材 11 連通針 11A 刺針部 11B 抑制部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投与液が充填されてなる容器本体に設け
    られ、投与液を投与するための排出口或いは他の薬剤を
    上記容器本体に混注するための混注口の口部構造におい
    て、 上記容器本体に液密に取り付けられるか或いは一体形成
    される筒状口部材と、上記口部材の開口を液密に密封す
    る弾性栓体と、上記口部材に取り付けられ上記弾性栓体
    を上記口部材に止置く止め部材とからなり、 上記口部材或は止め部材に固着されるか或いは一体形成
    され、上記弾性栓体の外表面を囲み且つ内部が使用時ま
    で無菌的に維持される無菌収容部を有すると共に、上記
    無菌収容部内に収容され、上記弾性栓体に刺針したとき
    に上記容器本体内に連通する連通針を有し、 上記連通針は、該連通針の刺針部が上記弾性栓体の外表
    面に形成された嵌合穴に嵌入して設けられていることを
    特徴とする医療用容器の口部構造。
  2. 【請求項2】 上記連通針が上記弾性栓体に刺針した際
    の過剰差し込みを防止する抑制部が上記連通針に形成さ
    れ、上記抑制部は、上記嵌入した刺針部以外の部分が上
    記容器本体内に侵入することを防止するように設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の口部構造。
  3. 【請求項3】 上記弾性栓体の嵌合穴は、該弾性栓体の
    外表面から突設される筒状部により形成されることを特
    徴とする請求項1又は2記載の口部構造。
  4. 【請求項4】 上記無菌収容部には上記連通針と共に、
    静脈針からなる輸液具が設けられることを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の口部構造。
  5. 【請求項5】 上記無菌収容部に水蒸気ガス透過の可能
    なシール材を一部に設けることを特徴とする請求項1〜
    4の何れかに記載の口部構造。
  6. 【請求項6】 上記無菌収容部に、上記連通針と接続さ
    れた除菌フィルタが設けられることを特徴とする請求項
    1〜5の何れかに記載の口部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022188106A (ja) * 2011-01-17 2022-12-20 アクティヴァックス, インコーポレイテッド カートリッジ

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