JPH0955887A - 光電変換装置およびこれを用いた固体撮像装置 - Google Patents

光電変換装置およびこれを用いた固体撮像装置

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JPH0955887A
JPH0955887A JP7229683A JP22968395A JPH0955887A JP H0955887 A JPH0955887 A JP H0955887A JP 7229683 A JP7229683 A JP 7229683A JP 22968395 A JP22968395 A JP 22968395A JP H0955887 A JPH0955887 A JP H0955887A
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JP7229683A
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English (en)
Inventor
Juichi Yoneyama
寿一 米山
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換装置およびこれを用いた固体撮像装
置において、固定パターン雑音の除去率を高めかつラン
ダム雑音をも低減し高品質の出力信号を得る。 【解決手段】 入射光を光電変換して得た電荷を蓄積し
増幅して電流として出力する光電流増幅手段(PX)
と、所定のバイアス電流を流通させる定電流手段(Q
C)と、前記光電流増幅手段と前記定電流手段との間に
挿入された電流調節用増幅素子(QB)を含む電流調節
手段(CBC)とを用いて光電変換装置を構成する。光
電流増幅手段の蓄積電荷をリセットした直後の暗電流ま
たは入射光に応じて蓄積された信号電流のいずれか一方
を読み出し、読み出した電流が前記定電流手段の所定の
バイアス電流(IB)と等しくなるように電流調節手段
の電流調節用増幅素子のバイアス状態を設定しかつホー
ルドさせる。その後、他方の電流を読み出して電流調節
手段と定電流手段との接続点より信号電流を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換装置およ
びこれを用いた固体撮像装置に関し、特に固定パターン
雑音成分の除去率を高めて高品質の光電変換信号を生成
可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は増幅型固体撮像素子を使用した従
来例の固体撮像装置の概略構成を示す。図6では、説明
のために4つの画素が、2行2列のマトリクス状に配置
された場合の構成を示しており、ここでは、画素として
光電変換部を備えたMOS型静電誘導トランジスタ(M
OS SIT(以下、単に「SITトランジスタ」とい
う。))S101 ,S102 ,S201 ,S202 を使用し、ソ
ースフォロワによる信号読出し方式を用いている。
【0003】各SITトランジスタS101 ,S102 ,S
201 ,S202 のソースは、マトリクス配置の各列毎に垂
直ソースライン(垂直読出し線)2a,2bに共通に接
続されており、ドレインには、電源電圧VDSが共通に
接続されている。また、各SITトランジスタS101 ,
S102 ,S201 ,S202 のゲート電極は、マトリクス配
置の各行毎に垂直走査回路4によって走査されるクロッ
クライン20a,20bに共通接続され、前記垂直走査
回路4から送出される電圧駆動パルスφG1,φG2に
よって行単位で駆動されるようになっている。
【0004】前記垂直ソースライン2aと2bは、一端
側において、各列毎に光信号出力転送用MOSトランジ
スタTS1 ,TS2 及び暗出力転送用MOSトランジス
タTD1 ,TD2 を介して光信号出力蓄積用コンデンサ
CS1 ,CS2 及び暗出力蓄積用コンデンサCD1 、C
D2 に接続されている。これら蓄積用コンデンサ(CS
1 ,CS2 ,CD1 ,CD2 )は、水平読出し選択用M
OSトランジスタTHS1,THS2,THD1,THD2を経
て信号出力線(水平読出し線)16a及び暗出力線(水
平読出し線)16bに接続されている。
【0005】なお、一般に、前記信号出力線16a及び
暗出力線16bには、寄生容量CHS,CHDが存在する。
また、この信号出力線16a及び暗出力線16bの一端
側には、バッファアンプ17a,17bが接続されてい
る。
【0006】また、前記信号出力線16a及び暗出力線
16bの他端側には、残留する映像信号をリセットする
水平読出しリセット用MOSトランジスタTRHS,TR
HDのドレインが接続されている。これらの水平読出しリ
セット用MOSトランジスタTRHS,TRHDのゲート電
極に端子18およびクロックライン18aを介して図示
しない駆動パルス発生回路から送出される駆動パルスφ
RSHが供給され、該駆動パルスφRSHに応じて前記
水平読出しリセット用MOSトランジスタTRHS,TR
HDがオンオフするようになっている。
【0007】前記読出し選択用MOSトランジスタTH
S1,THD1のゲート電極は水平走査回路6の水平選択信
号ライン19aに、また前記水平読出し選択用MOSト
ランジスタTHS2,THD2のゲート電極は水平走査回路
6の水平選択信号ライン19bにそれぞれ共通接続さ
れ、該水平走査回路6から送出される駆動パルスφH
1,φH2によって水平読出しが制御されるようになっ
ている。
【0008】前記光信号出力転送用MOSトランジスタ
TS1 ,TS2 の各ゲート電極には端子14および光信
号用クロックライン14aを介して図示しない駆動パル
ス発生回路から送出される駆動パルスφTSが供給され
ている。また、前記暗出力転送用MOSトランジスタT
D1 ,TD2 の各ゲート電極には端子15および暗出力
用クロックライン15aを介して図示しない駆動パルス
発生回路から送出される駆動パルスφTDが供給されて
いる。これらの駆動パルスφTS,φTDによって、前
記光信号出力転送用MOSトランジスタTS1 ,TS2
及び暗出力転送用MOSトランジスタTD1 ,TD2 が
各々予め定められた順序で交互に動作するようになって
いる。
【0009】前記垂直ソースライン2a及び2bは、他
端側において、各列毎にリセット用MOSトランジスタ
TRV1,TRV2のドレインと、定電流源22a,22b
とに接続されている。各リセット用MOSトランジスタ
TRV1,TRV2のソースは接地され、各定電流源22
a,22bには電源電圧VCが供給されている。
【0010】なお、前記リセット用MOSトランジスタ
TRV1,TRV2のゲート電極は端子21およびクロック
ライン21aを介して図示しない駆動パルス発生回路に
接続されており、該駆動パルス発生回路から送出される
駆動パルスφRSVが、前記リセット用MOSトランジ
スタTRV1,TRV2のゲート電極に供給されると、これ
らのリセット用MOSトランジスタTRV1,TRV2が動
作して、前記垂直ソースライン2a,2b及び光信号出
力蓄積用コンデンサCS1 ,CS2 及び暗出力蓄積用コ
ンデンサCD1 ,CD2 のリセットを行なうようになっ
ている。
【0011】次に、図7に示すタイミングチャートを参
照しながら、図6に示した従来の固体撮像装置の動作に
ついて説明する。先ず、図7に示すように、期間t11に
おいて、駆動パルスφTSをハイレベルにする。この結
果、既にハイレベルとなっている駆動パルスφRSVに
よって導通状態にされているリセット用MOSトランジ
スタTRV1,TRV2と同様に、光信号出力転送用MOS
トランジスタTS1 ,TS2 も導通状態とされる。
【0012】この結果、これらのリセット用MOSトラ
ンジスタTRV1,TRV2及び光信号出力転送用MOSト
ランジスタTS1 ,TS2 が導通し、光信号出力蓄積用
コンデンサCS1 ,CS2 に残留する信号電荷が垂直ソ
ースライン2a,2bを介してリセット用MOSトラン
ジスタTRV1,TRV2のソースから排出され、これらの
光信号出力蓄積用コンデンサCS1 ,CS2 は接地レベ
ルにリセット(初期化)される。なお、この時、SIT
トランジスタS101 ,S102 ,S201 ,S202のゲート
は、光電変換部によって光電変換された電荷が蓄積され
る状態となっている。
【0013】次に、期間t12において、駆動パルスφR
SVをローレベルにしてリセット用MOSトランジスタ
TRV1,TRV2を遮断状態にするとともに、駆動パルス
φG1の電圧を読出しレベルVG2 にして第1行目のS
ITトランジスタS101 ,S102 を読出し状態にする。
【0014】この結果、SITトランジスタS101 ,S
102 がソースフォロワ動作を行い、該SITトランジス
タS101 ,S102 のゲートに蓄積された電荷が垂直ソー
スライン2a,2bに読み出されるとともに、既にハイ
レベルとなっている駆動パルスφTSにより導通状態に
ある光信号出力転送用MOSトランジスタTS1 ,TS
2 を介して、前記電荷(映像信号)が光信号出力蓄積用
コンデンサCS1 ,CS2 に蓄積される。なお、この映
像信号には、暗成分(VD)と光信号成分(VS)とを
合わせた成分が含まれており、以下、この映像信号を
「合成電圧信号(VD+VS)」と称す。
【0015】次に、期間t13において、駆動パルスφT
Sをローレベルにして、光信号出力転送用MOSトラン
ジスタTS1 ,TS2 を遮断状態にする。この結果、前
記合成電圧信号(VD+VS)が、前記光信号出力蓄積
用コンデンサCS1 ,CS2に保持されたままの状態と
なる。
【0016】また、この時(期間t13)、駆動パルスφ
G1の電圧を設定レベルVG1 にして、第1行目のSI
TトランジスタS101 ,S102 の読出し動作を停止す
る。また、駆動パルスφRSVをハイレベルにして、リ
セット用MOSトランジスタTRV1,TRV2を導通状態
にする。この結果、垂直ソースライン2a,2bが接地
される。
【0017】次に、期間t14において、駆動パルスφG
1の電圧をリセットレベルVG3 にする。この結果、既
にハイレベルとなって導通状態とされているリセット用
MOSトランジスタTRV1,TRV2によって、第1行目
のSITトランジスタS101,S102 のソースは接地さ
れ、このSITトランジスタのゲート電極下には強反転
層が形成される。このことによりゲートに蓄積されてい
た電荷は排出され、リセット(初期化)が行われる。な
お、第1行目のSITトランジスタS101 ,S102 のリ
セットが行なわれた後、駆動パルスφG1の電圧を設定
レベルVG1 にして、第1行目のSITトランジスタS
101 ,S102 の動作を停止する。
【0018】次に、期間t15において、駆動パルスφT
Dをハイレベルにして、暗出力転送用MOSトランジス
タTD1 ,TD2 を導通状態にする。この結果、既にハ
イレベルとなって導通状態とされているリセット用MO
SトランジスタTRV1,TRV2と暗出力転送用MOSト
ランジスタTD1 ,TD2 が導通し、暗出力蓄積用コン
デンサCD1 ,CD2 に残留する信号電荷が垂直ソース
ライン2a,2bを介してリセット用MOSトランジス
タTRV1,TRV2のソースから排出され、この暗出力蓄
積用コンデンサCD1 ,CD2 は接地レベルにリセット
(初期化)される。
【0019】次に、期間t16において、駆動パルスφR
SVをローレベルにして、リセット用MOSトランジス
タTRV1,TRV2を遮断状態にするとともに、駆動パル
スφG1の電圧を読出しレベルVG2 にして第1行目の
SITトランジスタS101 ,S102 を読出し状態にす
る。
【0020】この結果、SITトランジスタS101 ,S
102 がソースフォロワ動作を行い、SITトランジスタ
S101 ,S102 のリセット後の映像信号が、垂直ソース
ライン2a,2bに読み出され、既にハイレベルとなっ
ている駆動パルスφTDにより導通状態にある暗出力転
送用MOSトランジスタTD1 ,TD2 を介して、前記
映像信号が暗出力蓄積用コンデンサCD1 ,CD2 に蓄
積される。なお、この映像信号には、暗成分(D)のみ
が含まれており、以下、この映像信号を「暗電圧信号V
D」と称す。
【0021】次に、期間t16の終了時において、前記駆
動パルスφG1が設定レベルVG1に、駆動パルスφT
Dがローレベルにされるとともに、駆動パルスφRSV
がハイレベルにされる。この結果、第1行目のSITト
ランジスタS101 ,S102 が、再び光入射による電荷を
ゲートに蓄積する状態にされるとともに、暗出力蓄積用
コンデンサCD1 ,CD2 が遮断状態にされ、該暗出力
蓄積用コンデンサCD1 ,CD2 に前記暗電圧信号VD
が保持された状態のままにされる。また、リセット用M
OSトランジスタTRV1,TRV2は導通状態とされる。
【0022】次に、期間t17において、先ず、水平走査
回路6から水平読出し選択用MOSトランジスタTHS
1,THD1のゲート電極に駆動パルスφH1が印加され
る。この結果、水平読出し選択用MOSトランジスタT
HS1,THD1が動作し、光信号出力蓄積用コンデンサC
S1 に蓄積された合成電圧信号(VD+VS)は信号出
力線16aに、又暗出力蓄積用コンデンサCD1 に蓄積
された暗電圧信号VDは暗出力線16bに、それぞれ読
み出され、バッファアンプ17a及び17bを介して出
力端子VOに出力される。
【0023】なお、一般的に、信号出力線16a及び暗
出力線16bには寄生容量CHS,CHDが存在するため、
合成電圧信号(VD+VS)が信号出力線16aに、又
暗電圧信号VDが暗出力線16bに読み出されたとき、
それぞれの電圧信号((VD+VS),VD)の一部が
これら寄生容量CHS,CHDに保持され、前記信号出力線
16a及び暗出力線16bに残留する。そのため、水平
読出しリセット用MOSトランジスタTRHS,TRHDに
駆動パルスφRSHを印加して、前記信号出力線16a
及び暗出力線16bの各々に残留する電圧信号((VD
+VS),VD)を排出し、前記信号出力線16a及び
暗出力線16bを接地レベルにリセット(初期化)す
る。
【0024】次に、再び水平走査回路6から水平読出し
選択用MOSトランジスタTHS2,THD2のゲート電極
に駆動パルスφH2が印加される。この結果、水平読出
し選択用MOSトランジスタTHS2,THD2が動作し、
光信号出力蓄積用コンデンサCS2 0に蓄積された合成
電圧信号(VD+VS)は信号出力線16aに、又暗出
力蓄積用コンデンサCD2 に蓄積された暗電圧信号VD
は暗出力線16bに、それぞれ読み出され、バッファア
ンプ17a及び17bを介して出力端子VOに出力され
る。
【0025】そして、水平読出しリセット用MOSトラ
ンジスタTRHS,TRHDに駆動パルスφRSHを印加し
て、前記信号出力線16a及び暗出力線16bに残留す
る電圧信号((VD+VS)、VD)を排出し、前記信
号出力線16a及び暗出力線16bを接地レベルにリセ
ット(初期化)する。
【0026】以上のように、期間t17においては、水平
走査回路6から送出される駆動パルス(φH1,φH
2)と駆動パルスφRSHを順次交互にハイレベル,ロ
ーレベルにして、水平読出し選択用MOSトランジスタ
THS1,THD1,THS2,THD2を動作させ、光信号出
力蓄積用コンデンサCS1 ,CS2 及び暗出力蓄積用コ
ンデンサCD1 ,CD2 の各々に蓄積された電圧信号
(VD+VS),VD)を信号出力線16a,暗出力線
16b及びバッファアンプ17a,17bを介して出力
端子VOに出力し、その後に、水平読出しリセット用M
OSトランジスタTRHS,TRHDを動作させ、前記信号
出力線16a及び暗出力線16bをリセット(初期化)
している。
【0027】なお、出力端子VOとバッファアンプ17
a及び17bの間には、減算処理アンプ17cが設けら
れている。これは、信号出力線16aには合成電圧信号
(VS+VD)が読み出され、又暗出力線16bには暗
電圧信号VDが読み出されるため、これらを減算処理
((VS+VD)−VD)することによって、真の映像
信号(光電圧信号VS)のみを抽出するためである。
【0028】以上の動作を第2行目のSITトランジス
タS201 ,S202 について、同様に行なうことにより
(t21〜t27),いわゆるラスタースキャンが行なわれ
る。
【0029】このようなソースフォロワによる読み出し
動作を行なう固体撮像装置では、電荷をソースフォロワ
アンプで増幅して読み出すためS/N比が高く、映像信
号のリニアリティが良くなる。また、固定パターンノイ
ズ(FPN)の主原因である画素(SITトランジスタ
S101 ,S102 ,S201 ,S202 )毎のしきい値のばら
つきが、暗電圧信号VDを記憶しておき(CD1 ,CD
2 )、合成電圧信号(VS+VD)との差を取ることに
より簡単に除去できるという利点を有している。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の固体撮像装置においては、トランジスタS101 ,S
102 ,S201 ,S202 )によって増幅した電荷を電圧と
して、そのまま水平読出し線(16a,16b)に読出
していたため、以下に示すような問題点が生じている。
【0031】第1に、増幅した電荷(映像信号)の読出
し動作に時間がかかるという問題点がある。これは、水
平読出し線に寄生容量(CHS,CHD)が存在するため、
映像信号(合成電圧信号(VD+VS)、暗電圧信号
(VD))を出力線に読み出す際に、前記寄生容量を充
電しなければならず、更にその後に、該寄生容量をリセ
ットしなければならないため、このリセット動作の時間
だけ読出し動作速度が遅くなるのである。
【0032】第2に、合成電圧信号(VD+VS)と、
暗電圧信号( VD)とをそれぞれ別々に出力するために
水平読出し線(16a,16b)が2系統(2本)設け
られているが、このためにバッファアンプ(17a,1
7b)を2つ設けなければならず、高価になるのみなら
ず、実効的なランダム雑音が、2倍になるという問題
点が生じている。但し、記号は平方根を表わすものと
する。
【0033】第3に、従来の固体撮像装置においては、
水平読出し線(16a,16b)に寄生容量(CHS,C
HD)が存在するため、この寄生容量による電荷分配によ
って、信号線に読み出される映像信号(合成電圧信号
(VD+VS)、暗電圧信号(VD))の電圧が低下し
てしまうという問題点がある。
【0034】第4に、従来の固体撮像装置に設けられて
いるバッファアンプ(17a,17b)は、一般的にコ
ンデンサ(CS1 ,CS2 ,CD1 ,CD2 )に蓄積さ
れた電荷(映像信号)が減衰しないようにするため、入
力インピーダンスは高く設計されている。即ち、従来の
固体撮像装置に備えられているバッファアンプ(17
a,17b)は、映像信号のS/N比を良好にするため
に、入力インピーダンスは高くされている。
【0035】しかし、バッファアンプは、その入力イン
ピーダンスを高くすると外部からの誘導ノイズを受け易
くなり、結果的に映像信号のS/N比が悪くなり易いと
いう問題点が生じる。
【0036】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、光電変換装置および該光電変換装置を用いた
固体撮像装置において、簡単な回路構成により固定パタ
ーン雑音が極めて的確に除去できるようにし、高品質の
光電変換装置信号を得ることを目的とする。
【0037】また、本発明の別の目的は、上述の光電変
換装置および固体撮像装置において、光電変換信号およ
び映像信号を高速度で読出し可能とすることである。
【0038】本発明のさらに別の目的は、上述のような
光電変換装置および固体撮像装置において、回路雑音お
よび誘導雑音を低減し、以て光電変換信号および映像信
号の信号対雑音比を容易に改善できるようにすることに
ある。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わる光電変換装置では、入射光を光電変
換して得た電荷を蓄積し増幅して電流として出力する光
電流増幅手段と、所定のバイアス電流を流通させる定電
流手段と、前記光電流増幅手段と前記定電流手段との間
に挿入された電流調節用増幅素子を含み、前記光電流増
幅手段の出力電流をサンプルしかつサンプルした時の前
記光電流増幅手段の出力電流が前記定電流手段のバイア
ス電流に等しくなるよう該電流調節用増幅素子のバイア
ス状態を調整しかつ保持するサンプル・ホールド機能を
有する電流調節手段とを設け、前記光電流増幅手段の蓄
積電荷をリセットした直後の暗電流、または入射光に応
じて蓄積された信号電流のどちらか一方を読み出して、
その読み出した電流が前記定電流手段の前記所定のバイ
アス電流と等しくなるように前記電流調節手段の電流調
節用増幅素子のバイアス状態をホールドさせ、その後他
方の電流を読み出して前記電流調節手段と前記定電流手
段との接続点より信号電流を取り出すよう構成する。
【0040】また、前記光電流増幅手段は、光電変換素
子と、増幅素子と、前記光電変換素子で検出および蓄積
された電荷を前記増幅素子の制御電極へ転送する転送素
子と、前記増幅素子の制御電極の電荷をリセットするス
イッチ素子とを具備し、該スイッチ素子によって前記制
御電極の電荷をリセットした直後の前記増幅素子の出力
を前記暗電流として読み出し、前記光電変換素子で検出
された電荷を前記転送素子を通じて前記増幅素子の制御
電極へ転送した後の出力を前記信号電流として読み出す
よう構成することもできる。
【0041】さらに、前記電流調節手段は、前記光電流
増幅手段と前記定電流手段との間に挿入された電流調節
用増幅素子と、一端が該電流調節用増幅素子の制御電極
に接続され他端が接地された容量と、前記電流調節用増
幅素子の電流出力用電極と制御電極との間に接続された
サンプルスイッチ素子とを具備し、前記サンプルスイッ
チ素子がオンの時前記サンプル動作を行ない、前記サン
プルスイッチ素子がオフの時前記ホールド動作を行なう
よう構成すると好都合である。
【0042】また、本発明によれば、行および列方向に
2次元マトリクス状に配列され、各々入射光に応じた電
荷を蓄積し増幅して電流信号として出力する光電流増幅
手段からなる複数の画素と、前記画素を前記マトリクス
配列の各行毎に共通に順次列方向に走査して各画素から
の電流信号を列毎に取り出すための複数の垂直読出し線
と、前記複数の垂直読出し線からの信号を順次行方向に
走査して各行毎の時系列的な信号を順次取り出すための
水平読出し線とを備えた固体撮像素子において、各々の
垂直読出し線に対応して設けられ所定のバイアス電流を
流通させる複数の定電流回路と、各々の垂直読出し線と
対応する前記定電流回路との間に挿入された電流調節用
増幅素子を含み所定のサンプル指示信号に応じて前記垂
直読出し線の出力電流が前記定電流回路で定められる所
定のバイアス電流に等しくなるよう該電流調節用増幅素
子のバイアス状態を調節しかつ保持する複数の電流調節
回路と、各々前記電流調節回路と前記定電流回路との接
続部の電流信号を前記各垂直読出し線毎に順次前記水平
読出し線に出力する水平読出しスイッチ素子を有する複
数の水平読出しスイッチ回路とを設けた構成とする。
【0043】この場合、前記各々の水平読出しスイッチ
回路は、前記水平読出しスイッチ素子と相補的にオンと
され、非読出し時に前記垂直読出し線の電流を流すため
の第2のスイッチ素子を具備すると好都合である。
【0044】また、前記各々の垂直読出し線と前記水平
読出しスイッチ回路との間に接続され、前記電流調節回
路がサンプル動作を行っている間にオフとなって、サン
プル動作の間に前記垂直読出し線の出力電流が前記水平
読出し回路に流れ出すことを防止する複数の読出しスイ
ッチを設けることもできる。
【0045】また、前記各々の画素は、光電変換素子
と、増幅素子と、前記光電変換素子で検出および蓄積さ
れた電荷を前記増幅素子の制御電極へ転送する転送素子
と、前記増幅素子の制御電極の電荷をリセットするスイ
ッチ素子とを具備し、前記制御電極の電荷をリセットし
た直後の前記増幅素子の出力を前記暗電流として読出
し、前記光電変換素子で検出された電荷を前記転送素子
を通じて前記増幅素子の制御電極へ転送した後の出力を
前記信号電流として読出すものとすることもできる。
【0046】さらに、前記電流調節手段は、前記画素の
出力と前記定電流回路との間に接続された前記電流調節
用増幅素子と、一端が該電流調節用増幅素子の制御電極
に接続され他端が接地された容量と、前記電流調節用増
幅素子の電流出力用電極と制御電極との間に接続された
サンプルスイッチ素子とを具備しており、前記サンプル
スイッチ素子がオンの時前記サンプル動作を行ない、前
記サンプルスイッチ素子がオフの時前記ホールド動作を
行なうよう構成すると好都合である。
【0047】
【作用】上記構成に係わる光電変換装置においては、例
えばまず前記光電流増幅手段の蓄積電荷をリセットした
直後の前記光電流増幅手段の出力電流即ち暗電流を前記
電流調節手段を介して定電流手段に流通させる。これに
よって、光電流増幅手段から電流調節手段を通り定電流
手段に流れる電流は該定電流手段によって規制される所
定のバイアス電流となる。この状態では、電流調節手段
における光電流増幅手段と定電流手段との間に挿入され
た増幅素子にも定電流手段によって規制される所定のバ
イアス電流が流れ、したがって該増幅素子のバイアス状
態が該増幅素子に前記所定のバイアス電流が流れる状態
に自動的に設定される。電流調節手段はこの状態での増
幅素子のバイアス状態をホールドする機能を有している
から、増幅素子のバイアス状態、例えば増幅素子がFE
Tである場合はそのゲート電圧、をホールドする。
【0048】次に、前記光電流増幅手段によって入射光
を光電変換して得た電荷を蓄積し増幅して電流として出
力する。この時の出力電流は入射光に応じて蓄積された
電荷による信号電流と前記暗電流とが合成されたものと
なる。この合成出力電流は前記電流調節手段の増幅素子
を通り前記定電流手段へと流れ込むが、定電流手段は前
述のように所定のバイアス電流のみを流通させる。この
所定のバイアス電流は光電流増幅手段の蓄積電荷をリセ
ットした直後の暗電流と等しい。したがって、前記電流
調節手段と前記定電流手段との接続点より取り出した信
号電流は、前記合成出力電流から前記暗電流を減算した
ものとなり、暗電流が除去された入射光に対応する信号
電流が得られる。即ち、上記構成により暗電流の影響が
完全に除去された信号電流が得られる。
【0049】なお、予め前記光電流増幅手段によって入
射光に応じて蓄積された信号電流を読出し、この読出し
電流が前記定電流手段の所定のバイアス電圧と等しくな
るように電流調節手段の増幅素子のバイアス状態をホー
ルドさせ、その後前記光電流増幅手段の蓄積電荷をリセ
ットした直後の暗電流を読出して電流調節手段と定電流
手段との接続点より信号電流を取り出すことも可能であ
る。この場合は、上述の場合と信号電流の極性が逆にな
るが得られる信号電流は暗電流の影響を除去したものが
得られることは上述の場合と同様である。
【0050】前記光電流増幅手段はフォトダイオードの
ような光電変換素子と、FETのような前記増幅素子
と、光電変換素子で検出および蓄積された電荷を増幅素
子の制御電極へ転送する転送素子と、前記増幅素子の制
御電極の電荷をリセットするスイッチ素子とを設けて構
成することもできる。この場合は前記スイッチ素子によ
って増幅素子の制御電極の電荷をリセットすることがで
き、このリセットの直後の増幅素子の出力を前記暗電流
として読出せばよい。また、前記光電変換素子で検出さ
れた電荷を前記転送素子をサンプリングパルスなどによ
ってオンとして増幅素子の制御電極へ転送することがで
き、この場合の増幅素子の出力は前記信号電流として読
み出すことができる。このような構成により比較的簡単
な装置構成によりかつ特殊な素子を用いることなく光電
流増幅手段を実現することができる。
【0051】さらに、前記電流調節手段は、光電流増幅
手段と定電流手段との間に挿入された前記電流調節用増
幅素子と、一端が前記電流調節用増幅素子の制御電極に
接続され他端が接地された容量と、前記電流調節用増幅
素子の電流出力用電極と制御電極との間に接続されたサ
ンプルスイッチ素子とを設けて構成した場合には、該サ
ンプルスイッチ素子がオンの時に前記サンプル動作、即
ち光電流増幅手段の出力電流をサンプルして該出力電流
が定電流手段の所定のバイアス電流に等しくなるよう前
記電流調節用増幅素子のバイアス状態を設定し、前記サ
ンプルスイッチ素子がオフの時に前記容量によって電流
調節用増幅素子の制御電極の電位を保持するホールド動
作を行なうことができる。これによって、サンプルスイ
ッチ素子のオンオフ制御をそれぞれ所望のタイミングで
行なうことによって光電流増幅手段の暗電流の検出およ
び暗電流の打ち消しを極めて容易にかつ的確に行なうこ
とが可能になる。
【0052】次に、上述の構成を有する固体撮像装置に
おいては、例えば予め各行毎にあるいは全ての行に対し
て画素の蓄積電荷をリセットした直後の暗電流を各行毎
に共通に順次列方向に走査して複数の垂直読出し線に各
画素からの暗電流を読み出す。この暗電流は各列毎の電
流調節回路を通りそれぞれの定電流回路に流れる。これ
によって各垂直読出し線に対応する電流調節回路が選択
された行の各列の画素の暗電流がそれぞれの定電流回路
の所定のバイアス電流と等しくなるよう前記電流調節用
増幅素子のバイアス状態を設定しかつ保持する。
【0053】次に、選択された行の各画素の入射光に応
じた電荷を蓄積し増幅して得られた電流信号が各列の光
電流増幅手段即ち画素からそれぞれの垂直読出し線に出
力される。各垂直読出し線の出力電流は入射光に対応す
る信号電流と前記暗電流とが合成された電流であり、し
かも暗電流はそれぞれの列の定電流回路の前記所定のバ
イアス電流と等しいから、各列の電流調節回路と定電流
回路との接続部の電流信号を前記水平読出しスイッチ回
路によって順次水平読出し線に出力する。これによっ
て、水平読出し線からは各行毎に順次各列の画素の暗電
流の補正が行なわれた信号電流が出力される。
【0054】このような構成および動作によって各画素
の暗電流成分が適確に補正された高品質の画像信号が得
られる。また、水平読出し線には1つの増幅回路を接続
するだけでよいから、従来のように2つの回路を使用す
るものに比較して増幅回路から発生する雑音が低減で
き、かつ装置構成も簡略化される。また、出力信号を電
力信号として取り出す電流動作を行なうことができるか
ら、水平読出し線のリセットが不要となり、動作速度が
向上する。さらに、電流動作の場合は出力増幅回路を低
インピーダンスとすることができ、誘導雑音などの低減
を図ることができる。
【0055】上記固体撮像装置においては、上記各々の
水平読出しスイッチ回路に、前記水平読出しスイッチ素
子と相補的にオンとされ、非読出し時に前記垂直読出し
線の電流を流すための第2のスイッチ素子を設けると好
都合であり、この場合は水平読出しスイッチ素子で選択
された画素以外の画素からの電流を第2のスイッチ素子
を介して何らかのバイアス電源に逃がすことにより、非
読出し画素の増幅素子の出力が飽和するのを防止するこ
とができ、的確な読出し動作を可能にする。
【0056】また、各垂直読出し線と前記水平読出しス
イッチ回路との間に読出しスイッチを設け、前記電流調
節回路がサンプル動作を行っている間にオフとなって、
サンプル動作の間に前記垂直読出し線の出力電流が前記
水平読出し回路に流れ出すことを防止するように構成す
ることができる。これによって、電流調節回路がホール
ド動作を行なっている読出し可能期間に垂直読出し線の
電流を水平スイッチ回路に的確に導くことができ、暗電
流の補正が行なわれた信号電流を確実に読み出すことが
可能になる。
【0057】また、前記各々の画素は、前述の光電変換
装置の場合と同様に、光電変換素子、増幅素子、転送素
子およびスイッチ素子によって構成することができ、特
殊な素子を使用することなく高性能の画素を実現するこ
とができる。
【0058】さらに、前記電流調節手段も、前記光電変
換装置の場合と同様に、前記電流調節用増幅素子、容量
およびサンプルスイッチ素子によって構成することがで
き、サンプルスイッチ素子のオンオフ動作により的確に
サンプル動作およびホールド動作を行なうことが可能に
なる。
【0059】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につき
説明する。図1は、本発明の1実施例に係わる光電変換
装置の概略の構成を示す。同図の光電変換装置は、例え
ば固体撮像装置に使用された時画素となる光電流増幅部
PXと、定電流回路QCと、前記光電流増幅部PXと前
記定電流回路QCとの間に接続された電流調節回路CB
Cと、該電流調節回路CBCと前記定電流回路QCとの
接続点と出力端子OUTとの間に主電流回路が接続され
た出力用スイッチ素子QOを備えている。
【0060】光電流増幅部PXは、フォトダイオードP
D、例えばNチャネル電界効果トランジスタ(FET)
からなる増幅素子QA、転送素子QT、およびプリチャ
ージ素子QPによって構成される。
【0061】フォトダイオードPDはカソードが電源V
DDに接続され逆バイアス電圧が印加された状態となっ
ており、光電変換機能および変換された電荷を蓄積する
機能を有している。フォトダイオードPDのアノードは
転送素子QTを構成するPMOSトランジスタのソース
電極に接続されている。
【0062】転送素子QTを構成するPMOSトランジ
スタのドレインは増幅素子QAのゲートに接続されかつ
またプリチャージ素子QPのソースに接続されている。
転送素子QTのゲートは転送パルスφTを受ける。転送
素子QTはフォトダイオードPDの電荷を増幅素子QA
のゲートに転送する素子として動作する。プリチャージ
素子QPのドレインは所定のプリチャージ電圧VPに接
続されている。プリチャージ素子QPはPMOSトラン
ジスタからなり、そのゲートに印加される駆動パルスφ
RGによってオンとされ増幅素子QAのゲートをプリチ
ャージする。増幅素子QAはここではNチャネルFET
であり、ゲート電圧に対応したソース電流が流れるソー
スフォロワとして動作する。増幅素子QAのドレインは
電源VDDに接続され、ソースは電流調節回路CBCに
接続されている。
【0063】電流調節回路CBCは、電流調節用増幅素
子QB、サンプルホールド用スイッチ素子QSおよび容
量CDを有している。電流調節用増幅素子QBのソース
は前記光電流増幅部の増幅素子QAのソースに接続され
ている。電流調節用増幅素子QBのゲートは容量CDを
介して接地されている。電流調節用増幅素子QBはここ
ではPMOSトランジスタである。
【0064】サンプルホールド用スイッチ素子QSはN
MOSトランジスタからなり、そのドレインは前記電流
調節用増幅素子QBのドレインに、ソースは前記電流調
節用増幅素子QBのゲートに接続されている。サンプル
ホールド用スイッチ素子QSのゲートには後に述べるサ
ンプルホールドパルスφSHが供給される。
【0065】定電流回路QCは、ここではNMOSトラ
ンジスタからなり、そのドレインは前記電流調節回路C
BCの電流調節用トランジスタQBのドレインに、かつ
出力素子QOのドレインに接続されている。定電流回路
QCのNMOSトランジスタのソースは定電位側の電源
VSSに接続され、ゲートは所定のバイアス電源VCに
接続され定電流回路QCに一定の電流が流れるよう構成
されている。
【0066】出力用スイッチ素子QOはここではNMO
Sトランジスタであり、ドレインが前記電流調節回路C
BCの電流調節用増幅素子QBのドレインに接続され、
ソースが出力端子OUTに接続され、ゲートは読出し用
パルスφOSを受ける。
【0067】図1の光電変換装置においては、まず光電
流増幅部PXにおいて、駆動パルスφRGを低レベルに
してプリチャージ素子QPをオンにすると、増幅素子Q
Aのゲートはプリチャージ電圧VPにバイアスされる。
次に、駆動パルスφRGを高レベルにしてプリチャージ
素子QPをオフにしても、増幅素子QAのゲートはゲー
ト寄生容量の効果でVPに保持される。これを画素のリ
セットと称するが、このリセット時にプリチャージ素子
QPの熱雑音がリセット雑音、いわゆるKTC雑音,と
して増幅素子QAのゲートに加算される。即ち、増幅素
子QAのゲート電圧VGDは次式で表わされる。
【数1】VGD=VP+VN ただし、VN=(KT/C)1/2
【0068】この場合、Kはボルツマン定数であり、T
は絶対温度を表わし、Cはゲート容量である。このよう
に画素のリセットを行なった直後の増幅素子QAのソー
スに流れる電流を暗電流といい,ここではIDとする。
【0069】電流調節回路CBCのサンプルホールド用
スイッチ素子QSをオンにした状態で、前記光電流増幅
部PXの増幅素子QAより暗電流IDを流すと、この暗
電流IDは電流調節用増幅素子QBを通り定電流回路Q
Cに流れる。この場合、負帰還作用によって電流調節用
増幅素子QBのゲート電圧はそのドレインに定電流回路
QCで決定される所定のバイアス電流IBが流れるよう
に、即ち暗電流IDがバイアス電流IBに等しくなる用
に自動的に調節されて平衡状態になる。そして、この平
衡状態での電流調節用増幅素子QBのゲート電圧が容量
CDに充電される。
【0070】この負帰還作用について具体的に説明する
と、出力用スイッチ素子QOがオフであるものとする
と、増幅素子QAより流れる暗電流IDが定電流回路Q
Cで定められた所定のバイアス電流IBより大きくなろ
うとすると、定電流回路QCのトランジスタのドレイン
電圧が上昇する。この電圧上昇分はサンプルスイッチ素
子QSを介して電流調節用トランジスタQBのゲート電
圧に伝達され、該ゲート電圧を上昇させる。これによっ
て、電流調節用増幅素子QBのインピーダンスが上昇
し、即ちカットオフ状態により近い方向に制御され、増
幅素子QAから流れる暗電流IDを低減する。逆に増幅
素子QAから流れる暗電流IDが定電流回路QCで定め
られた所定のバイアス電流IBより小さい場合には、定
電流回路QCのトランジスタのドレイン電圧が低くな
り、電流調節用増幅素子QBのゲート電圧も低下する。
これによって電流調節用増幅素子QBの内部インピーダ
ンスが低下する方向、即ちよりオン状態に近くなる方
向、に制御され暗電流IDが増大する。このようにし
て、暗電流IDがバイアス電流IBに等しくなるように
自動的に調整されるとともに、その時の電流調節用増幅
素子QBのゲート電圧が容量CDによってホールドされ
る。この状態で、スイッチ素子QSをオフにして、ホー
ルド状態としても電流調節用増幅素子QBのゲート電圧
は変化せず該増幅素子QBには定電流IBが流れ続け
る。
【0071】以上のようにして、電流調節回路CBCを
ホールド状態にした後に転送素子QTを転送パルスφT
によってオンにすると、フォトダイオードPDに蓄積さ
れていた電荷は増幅素子QAのゲートに転送される。こ
れによって増幅素子QAのゲート電圧VGSは次のよう
になる。
【数2】VGS=VGD+VSIG VSIG=QSIG/CG
【0072】この場合、QSIGは信号電荷の量を表わ
し、CGは増幅素子QAのゲート容量を示す。数式2か
ら明らかなように、増幅素子QAのゲート電圧は前記暗
電圧VGDに信号電圧VSIGが加算されたものとな
る。
【0073】このとき、増幅素子QAはソースフォロア
として動作し、電流調整用増幅素子QBはゲートが前述
のように容量CDによってホールドされた一定電圧とな
っているから、ゲート接地増幅回路として動作する。こ
のため電流調節用増幅素子QBのドレイン電流は、定電
流回路QCのバイアス電流IBに信号電流ISIGが加
算された値になる。この電流を定電流回路QCすなわち
バイアス電流発生回路に加えて、電流調節回路CBCと
定電流回路QCとの接続点から出力電流を取り出すとバ
イアス電流IBに等しい暗電流は定電流回路QCに吸収
されて差し引かれ信号成分だけが出力される。すなわ
ち、出力用スイッチ素子QOを読出し用パルスφOSに
よってオンとして電流調節回路CBCと定電流回路QC
との接続点から電流を取り出すと、出力端子OUTには
暗電流による成分が除去され入射光の大きさに対応する
信号電流が出力される。
【0074】次に、図2を参照して以上のような光電変
換装置における暗電流の打ち消し動作につきさらに詳細
に説明する。図2の(a)に示すように、一般にMOS
トランジスタでは、ゲート電圧をVG、ソース電圧をV
S、ゲート−ソース間のしきい値電圧をVTとするとド
レイン電流IDは次式で表わされる。
【数3】ID=β(VG−VS−VT) なお、この式においてβは所定の比例係数である。
【0075】図2の(b)は、図1の光電変換装置の主
要部の等価回路を示す。図2の(b)において、トラン
ジスタQAは図1の増幅素子QAであり、トランジスタ
QBは電流調節回路CBCの電流調整用増幅素子QBで
あり、これらは共に同じ参照符号で示されている。ま
た、図1の定電流回路QCは、図2(b)では定電流源
QCとして示されている。また、図1のサンプルホール
ド用スイッチ素子QSはスイッチS1により、出力用ス
イッチ素子QOは図2ではスイッチS2で表わされてい
る。トランジスタQBのゲートとグランドなどの基準電
位との間に接続されたCDは前記図1の電流調節回路C
BCの容量CDと同じである。
【0076】また、図2(b)において、トランジスタ
QAのドレインに流れる電流をID1 、トランジスタQ
Bのドレインに流れる電流をID2 、定電流源QCに流
れ込む電流をIBとしている。また、トランジスタQA
のソースとトランジスタQBのソースとの接続点の電位
をVA、トランジスタQBのゲート電圧をVBとする。
以上の仮定の下に、トランジスタQAのドレイン電流I
D1 およびトランジスタQBのドレイン電流ID2 を求
めると次のようになる。
【数4】ID1 =β1 (VD−VA−VT1 )
【数5】ID2 =β2 (VA−VB−VT2 )
【0077】この場合、VT1 およびVT2 はそれぞれ
トランジスタQAおよびQBのしきい値電圧であり、β
1 ,β2 はそれぞれトランジスタQAおよびQBの所定
の比例係数である。
【0078】ID1 =ID2 であるから、前記数式4お
よび数式5から次式が得られる。
【数6】β1 (VD−VA−VT1 )=β2 (VA−
VB−VT2 )
【0079】これを解くとVBが次のように求められ
る。
【数7】VB=(β1 /β2 )(VD−VA−VT
1 )−(VA+VT2 )
【0080】暗電流の読み出しを行なう場合には、ID
1 =IBであるから、前記数式4を使用して次式が得ら
れる。
【数8】β1 (VD−VA−VT1 )=IB
【0081】これを変形すると次式が得られる。
【数9】VA=VD−VT1 −(IB/β1 )
【0082】この数式9を前記数式7に代入すると次式
が得られる。
【数10】 VB=(β1 /β2 )[VD−{VD−VT1 −(IB/β1 )} −VT1 ]−[{VD−VT1 −(IB/β1 )}+VT2 ] ={1/(β1 )+1/(β2 )}IB−VD+VT1 −VT2
【0083】このようにして得られた数式10で表わさ
れる電圧VBが容量CDに充電されることになる。
【0084】次に、転送素子QT(図1)をオンにして
フォトダイオードPD(図1)に蓄積されていた電荷を
トランジスタQAのゲートに転送した場合には、各トラ
ンジスタQAおよびQBのドレイン電流IDS1 および
IDS2 はそれぞれ次のように表わされる。
【数11】 IDS1 =β1 (VP+VD−VAS−VT1 )
【数12】IDS2 =β2 (VAS−VB+VT2 )
【0085】この場合、トランジスタQAのゲート電圧
は前記暗電流の読み出しの場合のゲート電圧VDに入射
光に対応した信号成分VPを加算した値VP+VDとな
っているが、トランジスタQBのゲート電圧VBは暗電
流読出し時に容量CDに充電された電圧を保持している
から変わっていない。またVASはトランジスタQAの
ソースとトランジスタQBとのソースとの接続点Aの電
圧を示している。
【0086】この場合もトランジスタQAとQBのドレ
イン電流は等しいから、前記数式11および数式12か
らIDS1 =IDS2 とすると次式が得られる。
【数13】β1 (VP+VD−VAS−VT1 )=
β2 (VAS−VB+VT2 )
【0087】この式よりノードAの電圧VASを求める
と次のようになる。
【数14】VAS={β1 (VP+VD−VT1 )+
β2 (VB−VT2 )}/(β1 +β2 )
【0088】また、数式14を前記数式11に代入して
トランジスタQAのドレイン電流IDS1 を求めると次
のようになる。
【数15】 IDS1 =β1 [VD+VP−{β1 (VD+VP−VT1 ) +β2 (VB−VT2 )}/(β1 +β2 )−VT1 ] =[β1 ・β2 /(β1 +β2 )] ・{VP+(VD−VB−VT1 +VT2 )}
【0089】このようにして得られた数式15に前記数
式10のVBを代入すると次式が得られる。
【数16】 IDS1 =[β1 ・β2 /(β1 +β2 )][VP+VD−VT1 +VT2 −{(1/β1 +1/β2 )IB−VD+VT1 −VT2 }] =[β1 ・β2 /(β1 +β2 )] ・[VP+(1/β1 +1/β2 )IB] =B{VP+IB・1/B} ただし、B=β1 ・β2 /(β1 +β2 )
【0090】 このとき、1/β1 +1/β2 =1/B
【0091】出力電流Ioutは、トランジスタQBと
定電流源QCとの接続点よりスイッチS2をオンとして
取り出されるから次のようになる。
【数17】 Iout=IDS1 −IB =B・VP+2VP・(B・IB)
【0092】この数式17から明らかなように、出力電
流Ioutは暗電流読出し時のトランジスタQAのゲー
ト電圧VDの成分は除去されており、したがって暗電流
の補正が完全に行なわれていることを示している。ま
た、固定パターン雑音の主な原因となるしきい値電圧V
T1 ,TT2 の成分も除去されており、各トランジスタ
QA,QBのしきい値電圧のばらつきの影響が完全に打
ち消されて除去されている。
【0093】図3は、図1の光電変換装置を使用した固
体撮像装置の回路構成を示す。図3においては、説明の
簡略化のため2画素×2画素の固体撮像装置の例を示し
ている。また、図3において、図1と同じ構成要素には
同じ参照符号を使用している。
【0094】各々の画素PX11,PX12,PX2
1,PX22は、それぞれ図1の光電流増幅部PXと同
じ要素から構成されかつ各要素の内部接続も図1と同じ
である。各画素PX11,PX21の増幅素子QAのソ
ースは垂直読出し線2aに接続され、また画素PX1
2,PX22の増幅素子QAのソースは共に垂直読出し
線2bに接続されている。各画素PX11,…,PX2
2の増幅素子QAのドレインは電源電圧VDDに共通に
接続されている。また、同じ行の画素の転送素子QTの
ゲートはそれぞれ一緒に接続されて垂直駆動回路24の
対応する行の転送パルス(φT)出力に接続されてい
る。さらに、各画素PX11,…,PX22のプリチャ
ージ素子QPのゲートは共通に接続されプリチャージ用
制御信号φRGを受けるよう構成されている。
【0095】前記垂直読出し線22a,22bには、そ
れぞれ図1のものと同じ構成を有する電流調節回路CB
Cが接続されている。各々の垂直読出し線22a,22
bに接続された電流調節回路CBCの構成要素および内
部接続は図1の電流調節回路CBCと同じである。各電
流調節回路CBCのサンプルホールド用スイッチ素子Q
Sのゲートは共にサンプルホールドパルスφSHを受け
るよう接続されている。
【0096】各電流調節回路CBCの電流調節用増幅素
子QBのドレインは各列ごとに設けられた定電流回路Q
CのMOSトランジスタのドレインに接続され、かつさ
らにそれぞれの列ごとに設けられた出力用スイッチ素子
QOのドレインにそれぞれ接続されている。出力用スイ
ッチ素子QOのゲートは共通に読出し用パルスφOSを
受けるよう接続されている。
【0097】各列の出力用スイッチ素子QOのソース
は、水平読出し用スイッチ素子QHおよびシャント用ス
イッチ素子QXのドレインに接続され、これら各スイッ
チ素子QHおよびQXのソースはそれぞれ水平読出し線
26およびグランドなどのバイアス電源VRに接続され
たバイアス電源線28に接続されている。水平読出し線
26およびバイアス電源線28は出力増幅器30の、例
えば、非反転入力および反転入力にそれぞれ接続されて
いる。
【0098】また、各列の水平読出し用スイッチ素子Q
Hおよびシャント用スイッチ素子QXのゲートにはそれ
ぞれ、水平駆動回路32からの水平駆動パルスφHおよ
び該パルスφHをインバータ34にて反転した反転水平
駆動パルスが供給されている。したがって、スイッチ素
子QHとQXとは相補的に動作する。
【0099】次に、図4のタイミング図を参照して図3
の固体撮像装置の動作を説明する。
【0100】(1)期間T1 は画素のリセット期間であ
り、制御パルス信号φRGにより全画素のプリチャージ
素子QPをオンにする。このとき、垂直駆動回路24は
選択行の画素の駆動信号φRD1 を例えば高レベルの電
圧VPHとし、非選択行の駆動信号φRD2 の電位を例
えば低レベルの電圧VPLとする。したがって、選択さ
れた行の画素、例えばPX11,PX12、のプリチャ
ージ素子QPのドレイン、したがって増幅素子QAのゲ
ートはVPHとなり、非選択行の画素、例えばPX2
1,PX22、の増幅素子QAのゲートはVPLにバイ
アスされる。
【0101】その後、駆動信号φRGを高レベルにして
各プリチャージ素子QPをオフにしても、図示しない寄
生容量の効果で、選択画素のゲート電圧はVPH、非選
択画素のゲート電圧はVPLにバイアスされたまま保持
される。このバイアス電圧は、選択画素の増幅素子QA
はオンになって暗電流が流れるが、非選択画素の増幅素
子QAのゲートは深くバイアスされてカットオフとなる
ように設定されている。
【0102】したがって、このような選択行の画素の暗
電流が各列ごとにそれぞれの電流調節回路CBCに加え
られる。この暗電流は前述のようにリセット雑音電流を
含んだものである。このように暗電流を電流調節回路に
加え、サンプルホールド用スイッチ素子QSをオンにし
ておくと、前述のように各列の選択行の画素の暗電流I
Dがそれぞれの列の定電流回路のバイアス電流IBに等
しくなるように自動バイアスされる。なお、暗電流ID
およびバイアス電流IBは各列ごとに多少のばらつきが
あってもよい。
【0103】(2)期間T2 はホールド期間であり、サ
ンプルホールドパルスφSHにより各列の電流調節回路
のサンプルホールド用スイッチ素子QSをオン状態から
オフ状態にして、各電流調節回路CBCにバイアス電流
IBをホールドさせる。このとき、読出し用パルスφO
Sは、サンプルホールドパルスφSHと相補的に動作し
ており、電流調節回路CBCのホールド時には読出し用
MOSトランジスタQOはオンになって出力側に接続さ
れる。
【0104】(3)期間T3 は転送期間であり、選択画
素、例えばPX11,PX12、に対して垂直駆動回路
24より転送パルスφT1 を加えてフォトダイオードP
Dの信号電荷をそれぞれの増幅素子QAのゲートに転送
する。そして、選択行の画素の増幅素子の出力をそれぞ
れの列の電流調節回路CBCに加えると、前述のように
電流調節回路CBCの出力電流は信号分だけ増加する
が、暗電流成分は各列の定電流回路のトランジスタQC
に吸収される。したがって、出力側に流れる電流は映像
信号成分だけになる。
【0105】(4)期間T4 は水平読出し期間であり、
水平駆動回路32より順次各列の水平読出し用スイッチ
素子QHを走査して映像信号電流を読み出す。例えば水
平読出しパルスφH1 を高レベルにすると、垂直信号線
22aに対応する水平読出し用スイッチ素子QHがオン
となり、前述の映像信号電流が水平読出し線26に流
れ、増幅器30によって増幅されて出力電圧VOとして
出力される。なお、水平読出し用スイッチ素子QHで選
択された画素以外はシャント用スイッチ素子QXをオン
として各列の出力電流をバイアス電源VRに逃がすこと
により、非選択列の画素の増幅素子の出力が飽和するの
を防止している。以上のようにして、順次各行および列
の画素を選択して各画素の入射光に対応する映像信号を
増幅器30から出力する。
【0106】以上のように本発明の読出し方式では、水
平読出し線の電位が増幅器30の仮想接地作用(イマー
ジナリーショート)により、常に一定の電圧VRに維持
されている。よって、水平読出し線は電位の変動が無
い。即ち、水平読出し線には寄生容量に充放電される電
荷は無い。このため、従来技術では、各垂直読出し線か
ら出力電流を読み出すたびに行っていた水平読出し線の
寄生容量のリセットが不要となり、高速化が可能とな
る。
【0107】なお、各画素の増幅素子としては、上記実
施例のMOS型などの電界効果トランジスタに限定され
るものではなく、他の形式のMOSトランジスタやバイ
ポーラトランジスタであっても、ゲートやベースなどの
制御電極の電圧でドレインやコレクタなどの出力電流が
制御できる素子であれば問題なく適用でき、またそれら
を混在使用してもよい。
【0108】図5は、SITを画素として使用した本発
明の他の実施例の固体撮像装置の構成を示す。図5の装
置では、図3の画素PX11,…,PX22の代わりに
SIT S11,S12,S21,S22を使用してい
る。図5の装置において、垂直駆動回路34および画素
マトリクス部分より図面上方に示されている、電流調節
回路CBC、定電流回路QC、水平駆動回路32、その
他は図3のものと同じでよい。
【0109】各SITトランジスタS11,S12,S
21,S22のソースは各列ごとにそれぞれの垂直読出
し線22a,22bに共通に接続されており、ドレイン
は電源電圧VDDが共通に接続されている。また、各S
ITトランジスタS11,…,S22のゲートは、各行
ごとに垂直駆動回路34によって走査されるクロックラ
イン36a,36bにそれぞれ共通接続され、垂直駆動
回路34から供給される電圧駆動パルスφV1 ,φV2
によって行単位で駆動されるようになっている。
【0110】前記垂直読出し線22a,22bの一端
は、前述のように、それぞれの電流調節回路CBCの電
流調節用増幅素子QBのソースに接続されている。
【0111】また、垂直読出し線22a,22bの他端
側はそれぞれの列ごとにリセット用MOSトランジスタ
TRを介して電源VSSに接続されている。各リセット
用トランジスタTRのゲートは共通のリセットパルスφ
RVによって制御される。
【0112】図5の固体撮像装置においても、前記図3
の固体撮像装置の場合と同様に、垂直駆動回路34によ
って選択された行の行ライン、例えば36a、に駆動パ
ルス、例えばφV1 、を印加して選択行のSIT、例え
ばS11,S12、をオンとして各SITのソースから
垂直読出し線22a,22bに映像信号を出力する。
【0113】ただし、SITの場合には、電荷蓄積部と
増幅部とが分離されていないので前記図3の固体撮像装
置のように先に暗電流を読み出して、その直後に信号電
荷を増幅素子に転送して信号電流を読み出すことは困難
である。このため、図5の撮像装置では、読出しの順序
としては従来例と同様に、合成信号電流を先に読み出し
て電流調節回路CBCに記憶させ、続いて画素のリセッ
ト後の暗電流を読み出す。
【0114】すなわち各電流調節回路CBCにおいて、
合成信号電流が定電流回路QCのバイアス電流IBと等
しくなるように容量CDによって電流調節用増幅素子Q
Bのゲート電圧を保持する。この状態で、画素のリセッ
トを行ない暗電流を読み出せば、出力電流の極性は逆に
なるが固定パターン雑音の除去された信号成分を同様に
取り出すことができる。なお、各SITのリセットは、
周知のように、リセット用トランジスタTRを駆動パル
スφRVによってオンとした後、SITのゲートに所定
のリセットレベルの電圧を印加することによって行なう
ことができる。図5の装置のその他の動作は図3に関し
て前述したのと同様に行なわれる。
【0115】なお、本発明に係わる固体撮像装置の画素
としては、上述のような各種FET、MOSトランジス
タ、SITの他にAMI、CMDやBASISなどの固
体撮像装置の増幅部も使用できる。ただし、電荷蓄積部
と増幅部が分離されていない画素を使用する場合は、前
述のように先に暗電流を読み出して、その直後に信号電
荷を増幅素子に転送して信号電流を読み出すことは困難
であるから、合成信号電流を先に読み出して電流調節回
路に記憶させ、続いて画素のリセット後の暗電流を読み
出す。
【0116】なお、上記実施例では、単一の光電変換装
置および2次元の画素マトリクスを有する固体撮像装置
につき説明したが、本発明はこれらの場合に限定され
ず、例えば1次元のラインセンサに適用しても同様に固
定パターン雑音およびランダム雑音の低減に効果がある
ことは明かである。
【0117】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、簡単な
回路構成で固定パターン雑音をほぼ完全に除去すること
が可能になり、きわめて高品質の光電変換信号または映
像出力信号を得ることが可能になる。
【0118】また、図6に示された固体撮像装置などの
従来の固体撮像装置では出力増幅回路が2つ必要であっ
たが、本発明では読出し用の増幅回路が1つで済むの
で、増幅回路から発生する雑音が従来の1/2に低減
する。また、ハードウェア構成が簡単になりかつコスト
も低下する。
【0119】さらに、従来の電圧処理を使用する固体撮
像装置の場合には、水平読出し線のリセットを行なう必
要があるため、動作速度の低下を招いていたが、本発明
のように読出し信号を電流処理する場合には水平読出し
線のリセット動作が不要であり、したがって動作速度が
向上する。
【0120】さらに、従来の装置のように電圧処理を行
なう場合には、読出し用の増幅器として高入力インピー
ダンスの増幅回路が必要であったため誘導雑音の影響を
受け易かったが、本発明では、電流動作のため読出し用
の増幅回路は低入力インピーダンスのものが使用でき
る。したがって、誘導雑音、いわゆるクロストーク雑音
が軽減され、より高品質の出力信号が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる光電変換装置の概略
の構成を示す電気回路図である。
【図2】図1の光電変換装置における暗電流の打ち消し
動作を説明するための等価回路図である。
【図3】本発明の一実施例に係わる固体撮像装置の概略
の構成を示す電気回路図である。
【図4】図3の装置の動作を説明するためのタイミング
図である。
【図5】本発明の別の実施例に係わる固体撮像装置の概
略の構成を示す電気回路図である。
【図6】従来の固体撮像装置の概略の構成を示す電気回
路図である。
【図7】図6の装置の動作を説明するためのタイミング
図である。
【符号の説明】
PD フォトダイオード QA 増幅素子 QT 転送素子 QP プリチャージ素子 PX 光電流増幅部または画素 CBC 電流調節回路 QB 電流調節用増幅素子 QS サンプルホールド用スイッチ素子 CD サンプルホールド用容量 QC 定電流素子 QO 出力用スイッチ素子 PX11,PX12,PX21,PX22 画素 22a,22b 垂直読出し線 24 垂直駆動回路 26 水平読出し線 28 バイアス電源線 30 読出し用増幅器 32 水平駆動回路 34 インバータ QH 水平読出し用スイッチ素子 QX シャント用スイッチ素子 S11,S12,S21,S22 画素用SIT TR リセット用トランジスタ 34 垂直駆動回路 36a,36b クロックライン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を光電変換して得た電荷を蓄積し
    増幅して電流として出力する光電流増幅手段と、 所定のバイアス電流を流通させる定電流手段と、 前記光電流増幅手段と前記定電流手段との間に挿入され
    た電流調節用増幅素子を含み、前記光電流増幅手段の出
    力電流をサンプルしかつサンプルした時の前記光電流増
    幅手段の出力電流が前記定電流手段のバイアス電流に等
    しくなるよう該電流調節用増幅素子のバイアス状態を調
    整しかつ保持するサンプル・ホールド機能を有する電流
    調節手段と、 を具備し、前記光電流増幅手段の蓄積電荷をリセットし
    た直後の暗電流、または入射光に応じて蓄積された信号
    電流のどちらか一方を読み出して、その読み出した電流
    が前記定電流手段の前記所定のバイアス電流と等しくな
    るように前記電流調節手段の電流調節用増幅素子のバイ
    アス状態をホールドさせ、その後他方の電流を読み出し
    て前記電流調節手段と前記定電流手段との接続点より信
    号電流を取り出すことを特徴とする光電変換装置。
  2. 【請求項2】 前記光電流増幅手段は、光電変換素子
    と、増幅素子と、前記光電変換素子で検出および蓄積さ
    れた電荷を前記増幅素子の制御電極へ転送する転送素子
    と、前記増幅素子の制御電極の電荷をリセットするスイ
    ッチ素子とを具備し、該スイッチ素子によって前記制御
    電極の電荷をリセットした直後の前記増幅素子の出力を
    前記暗電流として読み出し、前記光電変換素子で検出さ
    れた電荷を前記転送素子を通じて前記増幅素子の制御電
    極へ転送した後の出力を前記信号電流として読み出すこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記電流調節手段は、前記光電流増幅手
    段と前記定電流手段との間に挿入された電流調節用増幅
    素子と、一端が該電流調節用増幅素子の制御電極に接続
    され他端が接地された容量と、前記電流調節用増幅素子
    の電流出力用電極と制御電極との間に接続されたサンプ
    ルスイッチ素子とを具備しており、前記サンプルスイッ
    チ素子がオンの時前記サンプル動作を行ない、前記サン
    プルスイッチ素子がオフの時前記ホールド動作を行なう
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装
    置。
  4. 【請求項4】 行および列方向に2次元マトリクス状に
    配列され、各々入射光に応じた電荷を蓄積し増幅して電
    流信号として出力する光電流増幅手段からなる複数の画
    素と、 前記画素を前記マトリクス配列の各行毎に共通に順次列
    方向に走査して各画素からの電流信号を列毎に取り出す
    ための複数の垂直読出し線と、 前記複数の垂直読出し線からの信号を順次行方向に走査
    して各行毎の時系列的な信号を順次取り出すための水平
    読出し線と、を備えた固体撮像素子であって、 各々の垂直読出し線に対応して設けられ、所定のバイア
    ス電流を流通させる複数の定電流回路と、 各々の垂直読出し線と対応する前記定電流回路との間に
    挿入された電流調節用増幅素子を含み、所定のサンプル
    指示信号に応じて前記垂直読出し線の出力電流が前記定
    電流回路で定められる所定のバイアス電流に等しくなる
    よう該電流調節用増幅素子のバイアス状態を調節しかつ
    保持する複数の電流調節回路と、 各々前記電流調節回路と前記定電流回路との接続部の電
    流信号を前記各垂直読出し線毎に順次前記水平読出し線
    に出力する水平読出しスイッチ素子を有する複数の水平
    読出しスイッチ回路と、 を具備することを特徴とする固体撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記各々の水平読出しスイッチ回路は、
    前記水平読出しスイッチ素子と相補的にオンとされ、非
    読出し時に前記垂直読出し線の電流を流すための第2の
    スイッチ素子を具備することを特徴とする請求項4に記
    載の固体撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記各々の垂直読出し線と前記水平読出
    しスイッチ回路との間に接続され、電流調節回路が前記
    サンプル動作を行なっている間にオフになって、前記サ
    ンプル動作の間に前記垂直読出し線の出力電流が前記水
    平読出し回路に流れ出すことを防止する複数の読出しス
    イッチを具備することを特徴とする請求項4または5に
    記載の固体撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記各々の画素は、光電変換素子と、増
    幅素子と、前記光電変換素子で検出および蓄積された電
    荷を前記増幅素子の制御電極へ転送する転送素子と、前
    記増幅素子の制御電極の電荷をリセットするスイッチ素
    子とを具備し、前記制御電極の電荷をリセットした直後
    の前記増幅素子の出力を前記暗電流として読出し、前記
    光電変換素子で検出された電荷を前記転送素子を通じて
    前記増幅素子の制御電極へ転送した後の出力を前記信号
    電流として読出すことを特徴とする請求項4に記載の固
    体撮像装置。
  8. 【請求項8】 前記電流調節手段は、前記画素の出力と
    前記定電流回路との間に接続された前記電流調節用増幅
    素子と、一端が該電流調節用増幅素子の制御電極に接続
    され他端が接地された容量と、前記電流調節用増幅素子
    の電流出力用電極と制御電極との間に接続されたサンプ
    ルスイッチ素子とを具備しており、前記サンプルスイッ
    チ素子がオンの時前記サンプル動作を行ない、前記サン
    プルスイッチ素子がオフの時前記ホールド動作を行なう
    ことを特徴とする請求項7に記載の固体撮像装置。
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