JPH0952954A - ポリオルガノシロキサンの製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンの製造方法

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JPH0952954A
JPH0952954A JP22609395A JP22609395A JPH0952954A JP H0952954 A JPH0952954 A JP H0952954A JP 22609395 A JP22609395 A JP 22609395A JP 22609395 A JP22609395 A JP 22609395A JP H0952954 A JPH0952954 A JP H0952954A
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昭 柳ケ瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合時および重合後のエマルションの安定性
を改良し、さらに得られるポリオルガノシロキサンの粒
子径を小さくせしめ得るポリオルガノシロキサンの製造
方法を提供する。 【解決手段】 ケイ素原子の量を基準として50モル%
以上99モル%以下の環状シロキサンオリゴマーおよび
1モル%以上50モル%以下のアルコキシシランからな
るオルガノシランの混合物を、酸性乳化剤を存在させた
水性媒体中で乳化重合させてポリオルガノシロキサンを
製造するに際し、揮発性物質を反応系から留去しつつ重
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオルガノシロ
キサンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシロキサンは、耐熱性、撥
水性および耐候性などに優れる重合体として、さまざま
な分野に利用されている。中でも乳化重合によって得ら
れたポリオルガノシロキサンは、その微粒子としての特
徴を生かして、樹脂の耐衝撃性改質剤、塗料などの分野
に利用されている。
【0003】ポリオルガノシロキサンの乳化重合は、例
えばアルキルスルホン酸などの酸性乳化剤を用い、環状
ジメチルシロサンオリゴマーを水中に強制乳化した後に
加熱することによって、容易に進行することが知られて
いる。
【0004】また、より小さい粒子径を有するポリオル
ガノシロキサンの製造方法も提案されており、例えば特
公平4−71097号公報には水と重合触媒からなる重
合媒質に、ジオルガノシロキサン、界面活性剤および水
からなるエマルション前駆体を添加し、0.15μm以
下のマイクロエマルションを得る方法が開示されてい
る。
【0005】ポリオルガノシロキサンの原料として、環
状オルガノシロキサンオリゴマー以外にアルコキシシラ
ンを用いることも知られており、さらに、これら混合し
て用いることも知られている。アルコキシシランを原料
の一部として用いて得たポリオルガノシロキサンは、用
いるアルコキシシランの種類によって、さまざまの性能
を備えたものとすることができ、例えばビニル重合性官
能基含有のアルコキシシランを共重合したポリオルガノ
シロキサンは、その後で任意のビニル重合性単量体と共
重合することができ、乳化重合によって得られたこのよ
うな共重合体は、そのままエマルション塗料用樹脂とし
て用いたり、さらにその外層にビニル重合性単量体をグ
ラフトして耐衝撃性改質剤として用いることができる。
【0006】しかしながら、オルガノシロキサン環状オ
リゴマーを主原料とし、アルコキシシラン類を共重合成
分として用いるオルガノシロキサンの乳化重合において
は、アルコキシシラン類の使用量が増すにしたがって重
合時や重合後のエマルションの安定性が低下し、重合方
法やエマルションとしての利用方法に制限が加えられた
りして、得られるポリオルガノシロキサンの粒子径を小
さくすることが難しいという問題点が残されていた。
【0007】例えば塗料用エマルションの製造において
は、塗膜の透明性を良好にするために全シロキサン成分
に対して1モル%以上のラジカル重合性官能基含有アル
コキシシランを共重合することが有効であり、さらに、
多量のラジカル重合性官能基含有アルコキシシランを共
重合することにより塗膜の硬度や透明性が改善されるも
のの、得られるエマルションの粒子径が大きくなるため
に塗膜の光沢が低下するという問題を生じる。
【0008】また、ポリオルガノシロキサンの重合を、
塊状重合や溶液重合などの乳化重合以外の方法で行った
上で、強力な剪断によって水中に強制乳化する方法も提
案されている。例えば特開平4−89813号公報に
は、ラジカル重合性官能基を側鎖に有するポリシロキサ
ンを合成した後で薄膜蒸留によりオリゴマー成分を除去
し、次いで、ノニオン系乳化剤を用いてポリシロキサン
成分を水中に乳化分散させる方法が開示されており、こ
れにアクリル系単量体などをグラフト重合して得られる
エマルションは、建材用の塗料に利用できることが示さ
れている。
【0009】しかしながら、ポリシロキサンを剪断力に
よって水中に分散させることは重合前のシロキサンオリ
ゴマーを分散させるのに比べて難しく、このような方法
においては、例えばポリシロキサンの分子量が大きくな
ると粘度が上昇するため、より強力な剪断力を発生させ
うる特殊な装置が必要になったり、ポリシロキサンは、
架橋されておらず、直鎖状でなければならないというよ
うな制約を伴う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オルガノシ
ロキサン環状オリゴマーを主原料とし、そしてアルコキ
シシラン類を共重合成分としてポリオルガノシロキサン
を乳化重合により製造するに際し、重合時や重合後のエ
マルションの安定性を改良し、さらに、得られるポリオ
ルガノシロキサンの粒子径を小さくせしめ得る経済的な
方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、鋭意検討した結果、下記に示す製造方法を用
いることにより、上記の課題が解決されることを見い出
し本発明に到った。
【0012】すなわち、本発明は、ケイ素原子の量を基
準として50モル%以上99モル%以下の環状シロキサ
ンオリゴマーおよび1モル%以上50モル%以下のアル
コキシシランからなるオルガノシランの混合物を、酸性
乳化剤を存在させた水性媒体中で乳化重合させてポリオ
ルガノシロキサンを製造するに際し、揮発性物質を反応
系から留去しつつ重合を行うことを特徴とするポリオル
ガノシロキサンの製造方法にある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる環状シロキサ
ンオリゴマーは、特に限定されないが、コストおよび重
合性の点から重合度が3〜7のジメチルシロキサンの環
状オリゴマー混合物の使用が好適である。
【0014】また、本発明で用いられるアルコキシシラ
ンとしては、例えばテトラアルコキシシラン、アルキル
トリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン
等の2〜4個のアルコキシ基を有するシラン化合物;ビ
ニル重合性官能基を含有するジまたはトリアルコキシシ
ラン、およびカルボキシル基、アミド基または水酸基含
有アルコキシシランなどの官能基含有シラン化合物が挙
げられる。
【0015】特に、ビニル重合性官能基含有アルコキシ
シランは、ポリシロキサンに対するビニル重合性単量体
の共重合を可能にせしめるグラフト交叉剤として有用で
あり、好ましい例としては、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0016】環状シロキサンオリゴマーとアルコキシシ
ランとの使用割合は、ケイ素原子の量を基準にして環状
シロキサンオリゴマーが50モル%以上99モル%以
下、アルコキシシランが1モル%以上50モル%以下と
なる範囲である。環状シロキサンオリゴマーの使用量が
50モル%未満の場合には、比較的高価なアルコキシシ
ランの使用量が多くなって経済的でなくなる。また、ア
ルコキシシランの使用量がケイ素原子の量を基準として
1モル%未満の場合には、本発明の方法におけるエマル
ションの安定化効果が得られない。本発明のエマルショ
ンの安定化効果は、アルコキシシランの使用量が1モル
%以上のときに得られるが、3モル%以上の場合にその
効果が明確となり、5モル%以上の場合にその効果が顕
著となる。
【0017】環状シロキサンオリゴマーとアルコキシシ
ランの合計量と、水との比率は任意に選択できるが、重
量比で5:5〜1:9の範囲が好ましい。本発明の効果
は、特に重量比で5:5〜1:9の範囲の時に顕著とな
る。
【0018】本発明に使用する酸性乳化剤は、その分子
中に、例えばスルホン酸基のようなシロキサンの開環重
合および重縮合を可能にせしめる酸基を含有し、かつ例
えばアルキル基やアルキルフェニル基のような疎水基を
有するものならばいかなるものでも良く、アルキルスル
ホン酸やアルキルベンゼンスルホン酸などを好適に用い
ることができるが、特に好ましい酸性乳化剤の例として
はドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
【0019】酸性乳化剤の使用量は、特に制限されない
が、重合を素早く進行させるためには、シラン化合物の
総量に対して1重量%以上であることが好ましく、粒子
径を特に小さくする必要がある場合には、3重量%以上
であることが好ましい。
【0020】なお、本発明の方法においては、必要に応
じて酸性乳化剤以外の乳化剤を併用することも可能であ
るが、併用する乳化剤としては、イオン性乳化剤が好ま
しく、大量の非イオン性界面活性剤を併用すると、重合
速度を低下させる場合がある。
【0021】本発明の方法における、環状シロキサンオ
リゴマーとオルガノシランとの重合は、酸性乳化剤の存
在下で行われるが、オルガノシラン混合物の少なくとも
一部分を予め水性媒体中に乳化分散させた後、使用する
オルガノシラン混合物に対して1重量%以上の酸性乳化
剤を含有する水性媒体中に滴下して重合することが好ま
しい。
【0022】シロキサンの重合温度は、特に限定されな
いが、少なくとも一度は60℃以上の熱履歴を受けるこ
とが好ましく、さらに好ましくは75℃以上である。
【0023】得られるシロキサン重合体エマルションの
粒子径は、原料の予備分散の度合い、乳化剤量、重合温
度および原料の供給方法によって制御できる。より小さ
い粒子径を有するエマルションは、原料と水を乳化剤の
存在下でホモジナイザーなどの高シェア発生装置により
予備乳化するか、原料または予備乳化液を水中に滴下す
るか、乳化剤を増量するか、重合温度を上昇させるかの
いずれかの方法あるいはこれらの方法を適宜組み合わせ
ることにより得ることができる。
【0024】シロキサンの重合に要する時間は、重合条
件によって変化するが、通常は0.5時間以上1ケ月以
下である。シロキサンの重合を60℃以上で行う場合の
加熱重合時間は、通常0.5時間以上16時間以下であ
る。
【0025】酸性乳化剤の存在下で重合されたシロキサ
ン重合体中には実質的に未反応のアルコキシシランが残
存しない。
【0026】本発明の方法においては、シロキサンの重
合反応時に揮発性物質の少なくとも一部分を反応系から
留去しつつ重合を行うことが必要である。これは、理由
は明らかでないが、水とともに揮発性物質を全量還流さ
せるのに比べて、揮発性物質の少なくとも一部分を反応
系から留去した場合には著しくエマルションの安定性が
向上し、かつ得られるポリシロキサンの粒子径を小さく
できるという顕著な効果が得られるためである。
【0027】本発明における揮発性物質は、水および水
以外の揮発性物質で構成される。水以外の揮発性物質と
して、アルコキシシランから副生したアルコールがある
が、副生量の10%に満たない量を除去した場合にも本
発明の効果が顕著に得られる。また、副生アルコールの
除去だけではなく、水、アルコール以外の揮発性物質の
除去によっても本発明の効果が顕著に得られる。
【0028】本発明の方法で除去される水以外の揮発性
物質は、アルコールなどの水溶性の高い成分と、それ以
外の水溶性の低い成分から構成されることが多く、本発
明の効果が得られる揮発性物質の留去量は、原料の組成
や留出管の形式によっても変動するが、本発明の効果
は、水以外の揮発性物質の留去量が使用したシラン化合
物の総量に対して0.1重量%以上である場合に明確と
なり、0.2重量%以上である場合に顕著となる。
【0029】揮発性物質を除去する方法については、特
に制限されず、揮発性物質を除去する頻度は、適宜に選
択できるが、本発明の効果を確実に得る上では、重合反
応操作中に連続的に揮発分を除去することが好ましい。
揮発性物質を留去する装置の形式も特に制限されない
が、留出管の最上部あるいは分岐点に至る管内温度は少
なくとも30℃以上に保つことが好ましい。さらに好ま
しくは、留出管の管内温度は50℃以上である。留出管
の管内温度の好ましい値は留出管の内径や長さおよび窒
素ガスフローや空気フローなどによって強制的に与えら
れた容器内の気流の有無によっても変化する。
【0030】留出管の温度が高すぎる場合には、水分の
留去も促進されるため、重合中の反応系の固形分濃度の
上昇を制御しきれなくなる恐れがある。重合温度が高い
場合には、留出管の温度に上限を設けることが好まし
く、特に80℃を超える重合温度の場合は、留出管の温
度を80℃以下に保つことが好ましい。
【0031】重合温度および留出管の管内温度からみた
本発明の好ましい実施態様の一つは、60℃以上の温度
でポリシロキサンの乳化重合を行い、30℃以上の管内
温度を有する留出管から使用したアルコキシシランの量
に対して0.1重量%以上の水以外の揮発分を留去する
ことである。
【0032】本発明の方法において、エマルションの粒
子径は特に限定されるものではないが、粒子径0.1μ
m以下程度のエマルションの製造に特に適したものであ
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳しく説明する。なお、例中の「部」は「重量
部」、「%」は「重量%」を表わす。
【0034】〔実施例1〕 ジメチルサイクリックス 80部、 (環状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7量体混合物) γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 20部、 水 300部、 および ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.7部、 をホモミキサーで予備混合した後に、ホモジナイザーに
より200kg/cm2の圧力で剪断し、強制乳化して
シリコーンエマルションを得た。
【0035】次いで、 水 100部、 および ドデシルベンゼンスルホン酸(酸性乳化剤) 10部、 を撹拌機、留出管、加熱ジャケットおよび滴下ポンプを
備えたフラスコに仕込み、フラスコ内の温度を80〜8
8℃に保ちながら4時間かけて上記のシリコーンエマル
ションを滴下した。さらに、1時間加熱、撹拌を続けた
後、得られたエマルションを室温まで冷却し、水酸化ナ
トリウムで中和してシリコーンポリマーエマルションを
得た。留出管の内部温度は約50℃であった。
【0036】重合反応中に、留去された揮発性物質を氷
冷されたトラップに回収したところ、トラップ管には下
記の揮発性物質が捕集されていた。 水:約1部 メタノール:0.2部(計算されるメタノール副生量の
約3%) 水、メタノール以外の液体:0.3部(原料の総量に対
して0.3%) 得られたシリコーンポリマーエマルションの性能の評価
結果を表1に示す。
【0037】〔実施例2〕実施例1において、仕込み組
成と滴下時間を表1の如くに変更する以外は、実施例1
と同様な操作を行って、シリコーンポリマーエマルショ
ンを得た。なお、重合反応中において、留出管より留去
し、回収された揮発性物質は、以下に示すものであっ
た。 水:約1部 メタノール:0.4部(計算されるメタノール副生量の
約3%) 水、メタノール以外の液体:0.4部(原料の総量に対
して0.4%) 得られたシリコーンポリマーエマルションの性能の評価
結果を表1に示す。
【0038】〔比較例1〕実施例1において、仕込み組
成を表1の如くに変更する以外は、実施例1と同様な操
作を行ってシリコーンポリマーエマルションを得た。な
お、重合反応中において、留出管より留出し、回収され
た揮発性物質は、以下に示すものであった。 水:約1部 メタノール:0部 水、メタノール以外の液体:0.05部(原料の総量に
対して0.05%) 得られたシリコーンポリマーエマルションの性能の評価
結果を表1に示す。
【0039】〔比較例2〕実施例1において、留出管の
代りに氷冷の還流冷却管を用いた以外は、実施例1と同
様にしてシリコーンポリマーエマルションを得た。得ら
れたシリコーンポリマーエマルションの性能の評価結果
を表1に示す。
【0040】〔比較例3〕実施例2において、留出管の
代りに氷冷の還流冷却管を用いた以外は、実施例2と同
様にしてシリコーンポリマーエマルションを得た。得ら
れたシリコーンポリマーエマルションの性能の評価結果
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】〔実施例3〕実施例1で得られたシリコー
ンポリマーエマルションを、撹拌機、コンデンサー、加
熱ジャケットおよび不活性ガス導入孔を備えたフラスコ
に仕込み、窒素雰囲気下で下記の重合原料を加えて10
分間撹拌した。
【0043】 重合原料: 水 330部 メタクリル酸メチル 200部 アクリル酸n−ブチル 140部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 20部 メタクリル酸 20部 N−ブトキシメチルアクリルアミド 20部 クメンハイドロパーオキサイド 2部
【0044】次いで、上記の重合反応物の温度を65℃
に上げ、EDTA0.012部、ロンガリット2.4部
および酸化第一鉄0.004部を水20部に溶解した水
溶液を添加して重合を開始した。重合は3時間で完結
し、重合反応液を室温まで冷却してシリコーン・アクリ
ル複合ポリマーエマルションを得た。得られたエマルシ
ョンは、塗装に適した粘度を有し、バーコーターにより
試験鋼板上に塗布、室温乾燥したところ、平滑で透明な
塗膜が得られた。さらに、この塗膜を150℃で25分
間加熱したところ、平滑、かつ透明で強靱な塗膜が得ら
れた。塗膜の60°グロス値(光沢)は90であり、ま
た、塗膜の鉛筆硬度は2Bであった。
【0045】〔実施例4〕実施例2で得られたシリコー
ンポリマーエマルションを用いる以外は、実施例3と同
様の操作を行って、シリコーン・アクリル複合ポリマー
エマルションを得た。得られたエマルションは、塗装に
適した粘度を有し、バーコーターにより試験鋼板上に塗
布、室温乾燥したところ、平滑で透明な塗膜が得られ
た。さらに、この塗膜を150℃で25分間加熱したと
ころ、平滑、かつ透明で強靱な塗膜が得られた。塗膜の
60°グロス値(光沢)は90であり、また、塗膜の鉛
筆硬度はFであった。
【0046】〔比較例4〕比較例3で得られたシリコー
ンポリマーエマルションを用いる以外は、実施例3と同
様な操作を繰り返して行った。しかし、用いたシリコー
ンポリマーエマルションは重合中不安定であり、重合が
完結する前に凝固が起り、シリコーン・アクリル複合ポ
リマーエマルションを得ることができなかった。
【0047】〔比較例5〕比較例1で得られたシリコー
ンポリマーエマルションを用いる以外は、実施例3と同
様にしてシリコーン・アクリル複合ポリマーエマルショ
ンを得た。得られたエマルションは、塗装に適した粘度
を有し、バーコーターにより試験鋼板上に塗布、室温乾
燥したところ、平滑であるが白濁した不透明な塗膜が得
られた。さらに、この塗膜を150℃で25分間加熱し
たところ、平滑であるが白濁した不透明である強靱な塗
膜が得られた。塗膜の60°グロス値(光沢)は80で
あり、また、塗膜の鉛筆硬度は6Bであった。
【0048】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、大量のアル
コキシシランを用いた場合にでもアルコキシシランを使
用しない場合と同程度の小粒子径のポリシロキサンエマ
ルションを得ることができる。さらに、本発明の製造方
法によれば、重合時や重合後においてもエマルションが
安定しており、このために、乳化共重合によりシリコー
ンとビニル単量体とからなる複合ポリマーエマルション
を安定して製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素原子の量を基準として50モル%
    以上99モル%以下の環状シロキサンオリゴマーおよび
    1モル%以上50モル%以下のアルコキシシランからな
    るオルガノシランの混合物を、酸性乳化剤を存在させた
    水性媒体中で乳化重合させてポリオルガノシロキサンを
    製造するに際し、揮発性物質を反応系から留去しつつ重
    合を行うことを特徴とするポリオルガノシロキサンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 アルコキシシランが、テトラエトキシシ
    ラン、ビニル重合性官能基含有ジアルコキシシランおよ
    びビニル重合性官能基含有トリアルコキシシランからな
    る群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリオルガノシロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸性乳化剤が、アルキルスルホン酸およ
    びアルキルフェニルスルホン酸からなる群より選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリオルガノシロキサンの製造方法。
  4. 【請求項4】 反応系から留去する揮発性物質が、水お
    よび水以外の揮発性物質からなり、留去する水以外の揮
    発性物質の総量が、使用するシラン化合物の量に対し
    0.1重量%以上であることを特徴とする請求項1記載
    のポリオルガノシロキサンの製造方法。
  5. 【請求項5】 オルガノシラン混合物の少なくとも一部
    を予め水性媒体中に乳化分散させた後、使用するオルガ
    ノシラン混合物に対して1重量%以上の酸性乳化剤を含
    有する水溶液中に滴下して重合することを特徴とする請
    求項1記載のポリオルガノシロキサンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6339127B1 (en) * 1998-02-13 2002-01-15 Kaneka Corporation Aqueous emulsion containing silicone rubber particles and process for preparing the same
JPWO2005053626A1 (ja) * 2003-12-05 2008-04-17 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 毛髪化粧料組成物

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