JPH0952853A - アルコールの製造方法 - Google Patents

アルコールの製造方法

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JPH0952853A
JPH0952853A JP8067090A JP6709096A JPH0952853A JP H0952853 A JPH0952853 A JP H0952853A JP 8067090 A JP8067090 A JP 8067090A JP 6709096 A JP6709096 A JP 6709096A JP H0952853 A JPH0952853 A JP H0952853A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】脂肪酸エステルを原料として水素化触媒存
在下、接触還元反応によりアルコールを製造する方法に
おいて、原料である脂肪酸エステルに、脂肪酸を原料混
合物(脂肪酸エステルと脂肪酸との混合物)中0.1〜
30重量%となる量含有させることを特徴とするアルコ
ールの製造方法。 【効果】本発明の製造方法によれば、副生する炭化水素
及びエーテル体が少ない、高品質で高純度のアルコール
を製造することができる。また、含有させる脂肪酸もア
ルコールとなるため、副生物や含有させる化合物を除去
するための後工程を省略することができる。さらに、本
発明の製造方法によると触媒の活性劣化を引き起こさな
いため、工業的に非常に有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪酸を含む脂肪
酸エステルを水素化触媒存在下、接触還元反応を行わせ
てアルコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコール、とりわけ高級アルコールは
一般的に、天然油脂、脂肪酸、脂肪酸エステルを原料と
する接触還元反応によって製造されている。このような
製造方法においては、従来より副生物の生成や触媒の寿
命といった点についての問題点があった。一般的に行わ
れる接触還元反応の反応条件は、水素化触媒の存在下、
水素圧250〜300bar、温度200℃以上という
ものであるため、過度の反応が起こりがちである。その
結果副生物が生成し、アルコールの品質の低下を招くと
いう問題がある。また脂肪酸エステルを原料とする還元
反応は発熱反応であるため、例えば反応器として反応塔
を用いたとき、反応塔内の温度は入口温度よりも高くな
り、より副生物の生成を促進する。
【0003】副生物の問題を改善するための方法とし
て、脂肪酸エステルの接触還元において、不活性成分を
循環ガス中あるいは原料中に添加することによって副生
物の生成を改善するというものがある。例えば、ドイツ
特許DE−2613226号公報に開示されている方法
は、循環水素中に不活性ガスを3〜30体積%添加させ
ることにより炭化水素の生成を抑制するものであり、ド
イツ特許DBP−1005497号公報に開示されてい
る方法は、脂肪酸エステルに低級アルコールを25〜3
00モル%添加して炭化水素の生成を抑制するものであ
る。しかしながらこれらの方法は、不活性ガスや低級ア
ルコール等の不活性成分の昇温・冷却に伴うエネルギー
のロスがあることや、反応終了後に製品と添加物との分
離工程が必要であることから製造コストが上がり、経済
的ではない。
【0004】成形した触媒を塔内に固定化して用いる固
定床反応器で接触還元反応を連続で行う場合、触媒寿命
を長く維持することが重要で、触媒寿命は設備能力およ
び生産性を大きく左右する因子である。塔内温度を見か
け上等温に維持して反応させることにより、反応初期に
おける製品アルコール中に含まれる炭化水素やエーテル
体のような副生物は低く抑えられるが、反応熱や原料中
の不純物により長時間の運転中に触媒活性が劣化してく
るため、反応率を維持するためには反応温度を上げてい
く操作を行う必要がある。反応温度を上げていくと、先
に述べた副生物の量は増加する傾向にある。触媒の最終
的な寿命は反応率、不純物及び副生物の量で決定される
ため、見かけ上、等温反応にて反応を行った場合におい
ても、過度の反応により副生した炭化水素やエーテル体
によって製品アルコールの品質は次第に劣化し、高品質
のアルコールを長時間連続して得ることは困難である。
また、粉末触媒を用いた流動床反応器においても、水素
化還元反応の入口温度が高くかつ反応熱により塔内は更
に高温になる為、多くの副生物の生成が起き、これを減
少させることは困難である。
【0005】そこで、イギリス特許GB−225028
7号公報に開示されている方法は、脂肪酸エステルに水
を1〜1.8重量%添加して触媒活性の復元あるいは維
持を行うものであり、WO−9406738号公報に開
示されている方法は、脂肪酸エステルに不活性水素キャ
リアを添加して触媒活性の向上を行うものである。しか
しながらこれらの方法は、水、不活性水素キャリア等の
不活性成分の昇温・冷却に伴うエネルギーのロスがある
ことや、反応終了後に製品と添加物との分離工程が必要
であることから製造コストが上がり、経済的ではない。
【0006】また、脂肪酸の水素化還元においては、触
媒が脂肪酸によって激しい攻撃を受け、著しい触媒活性
の低下が起こる。これを回避するため、脂肪酸を直接還
元するのではなく脂肪酸エステルに一旦変換した後、こ
れを水素化還元することによってアルコールを製造して
いる。このような工程を経ずに、脂肪酸を直接水素化を
行うための耐酸性触媒の開発がドイツ特許DE−370
6658号公報、DE−3933138号公報に開示さ
れている。しかしながら耐酸性触媒であっても触媒の活
性劣化の問題は依然として残っており、改善の必要があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、脂肪酸エステルを原料として水素化触媒存在下、接
触還元反応によりアルコールを製造する方法において、
製品の後処理を行うことなく、エネルギーのロスをする
ことなく、かつ触媒の活性劣化を引き起こさない、極め
て高品質で高純度のアルコールを製造する方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討の結果、脂肪酸エステルを原料として水素化触媒存
在下、接触還元反応によりアルコールを製造する方法に
おいて、原料である脂肪酸エステルに脂肪酸を含有させ
ることにより、上記の課題を解決できることを見出し、
本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明の要旨は、(1) 脂肪酸
エステルを原料として水素化触媒存在下、接触還元反応
によりアルコールを製造する方法において、原料である
脂肪酸エステルに、脂肪酸を原料混合物(脂肪酸エステ
ルと脂肪酸との混合物)中0.1〜30重量%となる量
含有させることを特徴とするアルコールの製造方法、
(2) 脂肪酸の含有量が原料混合物中0.1〜5重
量%である前記(1)記載の製造方法、(3) 水素
と、原料と脂肪酸との混合物(原料混合物)中のアシル
基のモル比(水素分子:アシル基)が5:1〜500:
1となるように水素と原料混合物を連続的に供給しつ
つ、水素圧20〜300bar、反応温度130〜30
0℃で接触還元反応を行う前記(1)又は(2)記載の
製造方法、(4) 水素化触媒が銅含有水素化触媒で
ある前記(1)〜(3)いずれか記載の製造方法、
(5) 原料である脂肪酸エステル並びに含有させる
脂肪酸が、椰子油、パーム油、又はパーム核油由来のも
のである前記(1)〜(4)いずれか記載の製造方法、
に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法において、原料
として用いられる脂肪酸エステルとしては特に限定され
るものではなく、アルコールの原料として通常用いられ
る公知の物が使用できる。例えばエステルのアルコール
部分の炭素数が1以上であって、エステルの脂肪酸部分
が直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和であって、エステル
分子中にエステル結合を1以上含むものが挙げられる。
さらには脂環式カルボン酸エステル及び芳香族カルボン
酸エステルも挙げられる。
【0011】上記のエステルのアルコール部分としては
特に限定されるものではなく、例えばメタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブ
タノール、2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカ
ンジオール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等が挙げられる。
【0012】また、上記エステルの脂肪酸部分としては
特に限定されるものではなく、例えばギ酸、酢酸、カプ
ロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、オレイン酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、
セバシン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、フ
タル酸等が挙げられる。
【0013】上記のような脂肪酸エステルの具体例とし
ては、例えばカプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カ
プリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチ
ル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、カプロ
ン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、ラ
ウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エ
チル、ステアリン酸エチル等が挙げられ、更には椰子
油、パーム油、パーム核油、大豆油、菜種油、綿実油、
オリーブ油、牛脂、魚油等に由来する脂肪酸のメチルエ
ステル、エチルエステル、トリグリセライド等も挙げら
れる。特に椰子油、パーム油、パーム核油に由来する脂
肪酸エステルが好ましい。これらの脂肪酸エステルは単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0014】また原料に含有させる脂肪酸としては特に
限定されるものではないが、上記の脂肪酸エステルを構
成する脂肪酸及び脂肪酸トリグリセライドを構成する脂
肪酸等が挙げられる。具体的には、ギ酸、酢酸、カプロ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、オレイン酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、
セバシン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、フ
タル酸等が挙げられ、好ましくはカプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙
げられる。特に椰子油、パーム油、パーム核油に由来す
るラウリン酸を含んだ脂肪酸は、触媒活性が大きく向上
するため好ましい。これらの脂肪酸は単独で用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。従って本発明に
おいては、原料である脂肪酸エステル並びに含有させる
脂肪酸は、椰子油、パーム油、又はパーム核油由来のも
のが好適である。
【0015】上記脂肪酸は、接触還元反応の際に所定量
が存在しておればよく、脂肪酸の添加の形態については
限定されるものではない。例えば、脂肪酸エステルに脂
肪酸を接触還元反応の前に添加することにより、所定量
の脂肪酸を含有させることができる。脂肪酸を出発原料
として合成した脂肪酸エステルを使用する場合、反応工
程を制御又は精製工程を調整することにより所定の脂肪
酸量に調整できる。また、不純物の除去工程などの接触
還元反応の前工程で所定量の脂肪酸を生成させることに
より、含有量の調整を行うこともできる。
【0016】本発明において用いられる水素化触媒は通
常水素化に用いられる公知のものでよく、特に限定され
るものではない。例えば銅、レニウム、コバルト、貴金
属等を主成分とした触媒が挙げられる。これらのうち、
アルコールの選択的水素化の観点から銅含有水素化触媒
が好ましい。銅含有水素化触媒としては、具体的にはC
u−Cr、Cu−Zn、Cu−Si、Cu−Fe−A
l、Cu−Zn−Ti等が挙げられる。また、その形態
については特に限定されるものではなく、反応器の形式
によって粉末、顆粒、錠剤等の形態から適宜選択すれば
良い。
【0017】次に、本発明の製造方法について具体的に
説明する。本発明においては、アルコールは接触還元反
応により製造される。本発明の製造方法に用いる反応器
としては、接触還元反応が可能なものであれば特に限定
されるものではなく、通常用いられる公知のものでよ
い。例えば触媒を流体で流動化させて接触還元反応を行
う流動床反応器、触媒層全体が重力で徐々に落下する間
に流体を供給することで接触還元反応を行う移動床反応
器、及び触媒を充填固定化し流体を供給することで接触
還元反応を行う固定床反応器等が挙げられる。
【0018】原料の脂肪酸エステルに脂肪酸を含有させ
る量としては、脂肪酸の含有量が原料混合物中0.1〜
30重量%であることがよく、0.1〜10重量%であ
ることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより
好ましい。副生物の生成を抑制する観点から、脂肪酸の
含有量が原料混合物中0.1重量%以上であることがよ
く、触媒の活性劣化を抑える観点から30重量%以下が
よい。特に、脂肪酸の含有量が原料混合物中0.1〜5
重量%であれば触媒活性の向上も生じるため好ましく、
0.2〜4重量%では、さらに触媒活性の大きな向上が
認められるためより好ましい。
【0019】接触還元反応の際の水素の供給量としては
特に限定されるものではなく、通常行われる公知の程度
であれば所望の効果が達成される。また、この際の水素
圧としては特に限定されるものではなく、通常行われる
公知の程度であれば所望の効果が達成される。さらにこ
の際の反応温度としては特に限定されるものではなく、
通常行われる公知の程度であれば所望の効果が達成され
る。しかしながら、水素の供給量としては水素と原料混
合物中のアシル基のモル比(水素分子:アシル基)を
5:1〜500:1とし、水素圧を20〜300bar
とし、かつ反応温度を130〜300℃として、水素と
原料混合物を連続的に反応器に供給して接触還元反応を
行うことが好ましい。
【0020】また、水素の供給量としては、上記のモル
比が10:1〜400:1とすることがより好ましく、
20:1〜300:1とすることが特に好ましい。水素
圧としては、25〜280barとすることがより好ま
しく、30〜250barとすることが特に好ましい。
反応温度としては、160〜270℃とすることがより
好ましく、180〜250℃とすることが特に好まし
い。ここで、反応速度を維持する観点から、上記モル比
は5:1以上が好ましく、水素ガス量の増大による設備
が大きくなることによるコストの増加を抑える観点から
500:1以下が好ましい。また、アルコールへの反応
速度を維持する観点から、水素圧は20bar以上が好
ましく、高圧力による設備のコストアップを抑える観点
から300bar以下が好ましい。さらに、反応速度を
維持する観点から、反応温度は130℃以上が好まし
く、反応のアルコール選択性を良好にする観点から30
0℃以下が好ましい。
【0021】本発明の製造方法によって得られるアルコ
ールは炭化水素やエーテル体の生成が少ない、良好な品
質のものである。さらに、本発明の製造方法によると触
媒の寿命が長くなるため、工業的に非常に有利である。
【0022】上記の脂肪酸エステルや脂肪酸は、接触還
元反応を行う前に不純物を取り除けば、その反応の際の
触媒活性の低下が抑制され、特に接触還元反応に固定床
反応器を用いた場合、触媒の活性寿命が飛躍的に延び
る。従って、不純物を除去する工程を接触還元反応の前
工程とすることは、さらに好ましい態様である。不純物
を取り除く方法としては、例えばガードリアクターを用
いる方法がある。この方法は触媒を用いて化学反応によ
って不純物の除去を行う方法である。触媒としては、銅
系またはニッケル系の触媒が用いられる。反応器として
はどのような反応器を用いてもよく、例えば流動床反応
器、移動床反応器または固定床反応器等が挙げられる。
脂肪酸エステル及び脂肪酸中に多く含まれる、硫黄分に
代表される不純物は、ガードリアクターを介して脱不純
物処理を行うことによってその大部分を除去することが
可能である。また、不純物を取り除く他の方法として
は、蒸留、抽出等による脱硫黄、脱窒素、脱燐および脱
ハロゲン処理等が挙げられる。これらの方法は単独で行
ってもよく、複数を組み合わせて行ってもよい。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0024】実施例1 内径25mmφ、高さ2mの反応塔にCu−Cr触媒
(日揮化学製N202D)を充填し還元活性化した。そ
の後、ラウリン酸を0.1重量%含むパーム核油脂肪酸
メチルを、原料混合物中のアシル基に対して30モル倍
の水素流通下、230℃、200bar、原料混合物の
液空間速度1.0(時間-1)の条件で水素化し、アルコ
ールを得た。
【0025】本実施例及び以下の実施例等において、鹸
化価、酸価、ヒドロキシル価、活性劣化率、及び触媒活
性比は次のようにして測定した。 鹸化価:JIS K0070によって測定を行い、試料
1gを鹸化するのに要する水酸化カリウムの量(mg)
で示した。 酸価:JIS K0070によって測定を行い、試料1
g中の脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量
(mg)で示した。 ヒドロキシル価:JIS K0070によって測定を行
い、試料1gをアセチル化した時に結合した酢酸を中和
するのに要する水酸化カリウムの量(mg)で示した。 活性劣化率:初期活性を基準とした相対値の低下率
(%)を、原料混合物通液量を触媒重量で除した値で除
した時の割合〔%/(kg原料混合物/kg触媒)〕で
示した。 触媒活性比:原料の鹸化価をSV0 、反応物の鹸化価を
SV、反応平衡時の鹸化価をSVeとして、触媒活性を
下記の式で求めた。なお、SVeは反応条件下での反応
平衡状態における反応生成物の組成での、生成アルコー
ルと原料脂肪酸エステルとの反応で得られるワックスエ
ステルの重量分率を、原料混合物が全量ワックスエステ
ルになった場合の鹸化価にかけ合わせた値として求めた
ものである。また、反応平衡状態での組成はムッツァー
ルらの式(K.M.K.Muttzall and P.J.v.d.Berg,Chem.Rea
ct.Engng.,Proceedings of the 4th European Symposiu
m,1968,p.277,Pergamon Press,1971参照)を用いて求め
た。 触媒活性=ln((SV0 −SVe)/(SV−SVe)) そして活性比は、脂肪酸含有量が0重量%のときの活性
に対する比で示した。なお、実施例1〜4、7〜10、
及び比較例1〜3ではSVe=2.1とした。
【0026】また、副生物である炭化水素及びエーテル
体は、サンプルをキャピラリー・ガスクロマトグラフィ
ーにより分析して定量した。
【0027】実施例2 原料混合物中のラウリン酸含量を4.5重量%とする以
外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0028】実施例3 原料混合物中のラウリン酸含量を9.8重量%とする以
外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0029】実施例4 原料混合物中のラウリン酸含量を26重量%とする以外
は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0030】比較例1 原料混合物中のラウリン酸含量を0.05重量%とする
以外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0031】比較例2 原料混合物中のラウリン酸含量を54重量%とする以外
は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0032】比較例3 原料混合物中に脂肪酸を全く含有させずに実施例1と同
様の処理を行い、アルコールを得た。
【0033】実施例5 ラウリン酸を0.3重量%含むパーム核油脂肪酸メチル
を、原料混合物中のアシル基に対して100モル倍の水
素流通下、230℃、50bar、原料混合物の液空間
速度0.5(時間-1)の条件で水素化し、アルコールを
得た。なお、反応器及び触媒に関しては実施例1と同様
であった。
【0034】比較例4 原料混合物中のラウリン酸の含有量を0.05重量%と
する以外は、実施例5と同様にしてアルコールを得た。
【0035】比較例5 原料混合物中に脂肪酸を全く含有させずに実施例5と同
様の処理を行い、アルコールを得た。
【0036】実施例6 ラウリン酸を0.3重量%含むパーム核油脂肪酸トリグ
リセライドを、原料混合物中のアシル基に対して80モ
ル倍の水素流通下、220℃、230bar、原料混合
物の液空間速度0.5(時間-1)の条件で水素化し、ア
ルコールを得た。なお、反応器及び触媒に関しては実施
例1と同様であった。
【0037】比較例6 原料混合物中のラウリン酸の含有量を0.05重量%と
する以外は、実施例6と同様にしてアルコールを得た。
【0038】比較例7 原料混合物中に脂肪酸を全く含有させずに実施例6と同
様の処理を行い、アルコールを得た。
【0039】実施例7 原料混合物中のラウリン酸の含有量を0.5重量%とす
る以外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0040】実施例8 原料混合物中のラウリン酸の含有量を1.0重量%とす
る以外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0041】実施例9 原料混合物中のラウリン酸の含有量を2.4重量%とす
る以外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0042】実施例10 原料混合物中のラウリン酸の含有量を0.2重量%とす
る以外は、実施例1と同様にしてアルコールを得た。
【0043】上記実施例及び比較例における原料混合
物、反応生成物等の分析結果、反応条件を表1、表2に
示す。また図1に示すグラフは、上記実施例等から得ら
れたデータに基づいて含有脂肪酸量と触媒活性比との関
係を示したものである。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1及び表2より、次のことが分かった。
本発明の製造方法によって得られたアルコールは、対応
する比較例において得られたアルコールと比較して、い
ずれも副生する炭化水素及びエーテル体が少ない良好な
品質のものであった。さらには、反応生成物中の酸価が
低いことから、反応終了後に製品と脂肪酸との分離工程
が必要でないことが分かった。さらに、実施例の活性劣
化率は、脂肪酸を添加していない比較例の活性劣化率と
比較しても顕著な差はみられなかった。したがって、本
発明の製造方法は触媒の活性劣化を引き起こさない、優
れた方法であることが分かった。その上、表1及び図1
より脂肪酸の含有量が0.1〜5重量%の範囲内である
実施例2、7〜10では触媒活性比が高くなっており、
触媒の活性を向上させていることが分かった。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、副生する炭
化水素及びエーテル体が少ない、高品質で高純度のアル
コールを製造することができる。また、含有させる脂肪
酸もアルコールとなるため、副生物や含有させる化合物
を除去するための後工程を省略することができる。さら
に、本発明の製造方法によると触媒の活性劣化を引き起
こさないため、工業的に非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、含有脂肪酸量と触媒活性比との関係を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 301X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸エステルを原料として水素化触媒
    存在下、接触還元反応によりアルコールを製造する方法
    において、原料である脂肪酸エステルに、脂肪酸を原料
    混合物(脂肪酸エステルと脂肪酸との混合物)中0.1
    〜30重量%となる量含有させることを特徴とするアル
    コールの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸の含有量が原料混合物中0.1〜
    5重量%である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水素と、原料と脂肪酸との混合物(原料
    混合物)中のアシル基のモル比(水素分子:アシル基)
    が5:1〜500:1となるように水素と原料混合物を
    連続的に供給しつつ、水素圧20〜300bar、反応
    温度130〜300℃で接触還元反応を行う請求項1又
    は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水素化触媒が銅含有水素化触媒である請
    求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 原料である脂肪酸エステル並びに含有さ
    せる脂肪酸が、椰子油、パーム油、又はパーム核油由来
    のものである請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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