【発明の詳細な説明】治療に有用なキノキサリン誘導体
本発明は、治療に有用なキノキサリン誘導体に関する。
L−グルタミン酸は、脳における生理的役割が、その内の3つが選択的作動薬
NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)、AMPA(2−アミノ−3−ヒ
ドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン酸)およびカイニン酸
塩にちなんで命名された4つの受容体との相互作用に関連する興奮性アミノ酸系
伝達物質である。4番目の受容体は、栄養代謝受容体と呼ばれる。グルタミン酸
のための結合部位に加え、NMDA受容体は、解離性麻酔薬(例えば、ケタミン
)、ポリアミン類(例えば、スペルミン)、グリシンおよび特定の金属イオン(
例えば、Mg2+、Zn2+)のための高親和性結合部位を有する。NMDA受容体
は、活性化させるためにグリシンを結合するという絶対要件を有することから、
グリシン拮抗薬は、機能的NMDA拮抗薬として作用することができる。
脳梗塞の部位における、例えば、無酸素症は、NMDA受容体の過剰刺激をも
たらし神経細胞の変性および死に帰する異常に高濃度のグルタミン酸を放出させ
る。従って、インビトロおよびインビボにおけるグルタミン酸の神経毒の影響を
遮断することが示されてきたNMDA受容体拮抗薬は、NMDA受容体の活性化
が重要であると考えられる病的症状の治療および/または予防に有用であるかも
しれない。このような症状の例としては、老年痴呆およびアルツハイマー病を含
む神経変性疾患ならびに脳卒中、一過性虚血発作、手術時虚血および脳または脊
髄に対する外傷性頭部損傷のような出来事から発生するものが挙げられる。網膜
および黄班変性のように末梢神経機能が損なわれる症状にも有用であるかもしれ
ない。
更に、NMDA拮抗薬は、抗けいれん及び抗不安活性を有することが示されて
きた、従って、てんかん及び不安を治療するのに用いることができる。疼痛の治
療にも有用であるかもしれない。
また、NMDA拮抗薬は、身体的に依存した動物のアルコール離脱の影響を弱
める(K.A.Grant 等,J.Pharm.Exp.Ther.(1992),260,1017)、従って、
NMDA拮抗薬は、飲酒癖の治療に有用であるかもしれない。
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオンの種々の誘導体が、
NMDA(グリシン部位)拮抗薬として述べられてきた(EP−A−04595
61
およびEP−A−0481676参照)が、一方、WO−A−91/13878
およびJP−A−3220124は、1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−
ジオン類をグルタミン酸拮抗薬として述べている。WO−A−94/00124
は、脳卒中および関連疾患の治療に効用があるグリシン結合部位に高親和性を有
する1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオン類(6,7−ジクロロ−5
−ニトロ−1,4ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオンを含む)について述べ
ている。
本発明によれば、一般式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩(本明細
書では、共に゛本発明の化合物゛と称する)が提供される
{ここで、
Aは、NまたはCHを表し;
R1およびR2は、独立に、C1-4アルキル、ハロまたはCF3を表し;
R3は、C1-4アルキル(C3-7シクロアルキルまたはアリールにより任意に置換
された)、C3-7シクロアルキル、CF3またはアリールを表し;
R4は、H、C3-7シクロアルキルまたはC1-6アルキル[OH、C1-4アルコキシ
、アリール(C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロおよびCF3から独立に選
ばれる3個までの置換基により任意に置換された)、ヘテロシクリル(C1-4ア
ルキル、C1-4アルコキシ、OH、ハロ、CF3およびオキソから独立に選ばれる
3個までの置換基により任意に置換された並びに任意にベンゾが縮合した)、C2-6
アルケニル、C2-6アルキニル、C2-6アルカノイル、CO2H,C1-4アルコ
キシカルボニル、NH2、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ、
NHSO2CF3、CONR5R6、NHCONR5R6またはO(CH2)nNR5R6
により任意に置換された]を表し;
R5およびR6は、独立にHまたはC1-4アルキルを表すか又はそれらが結合して
いる窒素原子と共にピロリジノ、ピペリジノまたはモルホリノ基を表し;
nは、2、3または4を表す}。
薬学的に許容される塩としては、存在してもよい酸性または塩基性基の塩(例
えば、カルボン酸基のナトリウム塩およびアミノ基の塩酸塩)が挙げられる。
好ましくは、Aは、Nを表す。
゛ハロ゛は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。好ましい基は
、フルオロ、クロロおよびブロモである。
R1およびR2が独立に表す好ましい基は、ハロおよびC1-4アルキルである。
例えば、これらは両方とも塩素を表しても良いし又は、一方が塩素を表し、他方
がメチルもしくはエチルを表してもよい。
゛アリール゛は、ナフチルまたは更に詳しくはフェニルのような芳香族炭化水素
を意味する。
好ましくは、R3は、C1-4アルキル、更に好ましくはメチルを表す。
゛ヘテロシクリル゛とは、O、SおよびNからそれぞれ選ばれる1個以上のヘテ
ロ原子を含有する芳香族または非芳香族の複素環式基を意味する。これは、窒素
または更に好ましくは炭素原子によりC1−C6アルキル基に結合することができ
る。名前を挙げることのできるヘテロシクリル基は、ピリジニル、イミダゾリル
、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリ
ル、チエニル、イソオキサゾリルおよびチアゾリルである。縮合ベンゼン環を有
するヘテロシクリル基としてはベンゾイミダゾリルが挙げられる。
好ましくは、R4は、OHまたはCO2Hにより置換されたC1-6アルキルを表
し、更に好ましくは、CH2CH2OHまたはCH2CO2Hを表す。
アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニルおよびアルカノイル基は、適
切である場合、直鎖または分枝鎖であってもよい。
R4内のOまたはN原子が一個の炭素原子を介してAに結合している一般式I
の化合物は、薬物化合物として用いるには十分に安定ではないかもしれない。こ
のような不安定な化合物のいずれも本発明の一部を成さない。
ある場合には、本発明の化合物は、互変異性体として存在することができ、こ
のような互変異性体のすべてが、分離しているいないにかかわわず、本発明の範
囲内に含まれる。更に、不斉中心を含む化合物は、鏡像異性体およびジアステレ
オ異性
体として存在することができ、本発明には、分離した個々の異性体および異性体
の混合物が含まれる。
特に、Aおよび1,4−ジヒドロ−2,3−ジオキソキノキサリン環間の結合
の回転が束縛されるかもしれず、アトロプ異性が生じるかもしれない。好ましく
は、AがNを表す場合、下記の一般式IAに示すように、R4は、一般式Iの紙
面より上に位置し、SO2R3は、紙面より下に位置する:
この結合の立体化学的帰属は、例えば、R1がClを表す場合、(R)であり、
R1がメチルを表す場合、(S)である。
光学異性体(アトロプ異性体を含む)は、ジアステレオマー誘導体の分別結晶
[例えば、実施例80(b)参照]のような従来技法を用いて分離することがで
きる。
更に、一般式IIの化合物
(ここで、AおよびR1-4は、上記で定義した通りであり、P1およびP2は、芳
香族環に結合したヒドロキシ基の保護基である)から保護基を除去し、所望であ
るか又は必要である場合、その結果できた化合物を薬学的に許容される塩に変換
するか又はその逆にすることから成る、本発明の化合物の製法が提供される。P1
およびP2が表してもよい保護基としては、ベンジルおよびC1-6アルキル、特
にメチルが挙げられる。これらの保護基は、従来の脱保護法(T W Greeneおよび
P G M Wutsによる'Protective Groups in Organic Synthesis'、John Wileyおよ
びSons Inc,1991参照)を用いて除去することができる。例えば、これらがメチ
ルを表す場合、希塩
酸水(例えば、2モル)を用いた酸加水分解により除去することができる。反応
は、代表的には、好ましくは還流下、希塩酸水とジオキサンまたはアセトンのよ
うな適切な有機溶媒との混合物中の一般式IIの化合物を、反応が完了するまで
例えば2から48時間加熱することにより実施する。本発明の化合物は、次いで
、従来法により単離および精製することができる。
上記で定義した通りの一般式IIの化合物は、本発明の更なる態様を成す。
R4が水素以外である一般式IIの化合物は、カリウムt−ブトキシドのよう
な塩基の存在下、R4がHである一般式IIの相当する化合物と一般式R4aの適
切なハロゲン化物(ここで、Xは、Cl、BrまたはIであり、R4aは、Hを表
すことができないことを除いては上記で定義した通りのR4と同じ意味を有する
)との反応により調製することができる。代表的には、ジメチルホルムアミドの
ような適切な有機溶媒中の一般式IIの化合物(R4は、Hを表す)の溶液に塩
基を加える。数分間攪拌後、ハロゲン化物R4Xを加え、混合物を約室温で数時
間攪拌する[例えば、実施例7(a)参照]。所望の中間物質は、次いで、従来
法により単離精製することができる。
更に、一般式IIの化合物は、従来法を用いて一般式IIの他の化合物から調
製することができる。例えば、AがCHであり、R4がアリルである化合物は、
オゾン分解続いて還元によりR4が2−ヒドロキシエチルである化合物に変換す
ることができる。また、AがCHであり、R4がアリルである一般式IIの化合
物は、R4がHである一般式IIの相当する化合物から炭酸ジアリルとの反応に
より調製することができる(例えば、実施例93参照)。
AがNである場合、上記のアルキル化手法の代替法としてミツノブ(Mitsunob
u)反応を用いることができる。これは、一般式R4aOHのアルコール(R4aは
、上記で定義した通りである)とアゾジカルボン酸ジエチル、トリフェニルホス
フィンおよび、R4がHである一般式IIの化合物との反応を含む。反応は、代
表的には、適切な有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、約室温で攪拌しな
がら、例えば6−12時間行う[例えば、実施例49(a)参照]。
また、R4がヒドロキシにより置換されたC1−C6アルキル基である一般式I
Iの化合物は、例えば水素化ジイソブチルアルミニウムで還元するか又はハロゲ
ン化ア
ルキルマグネシウムと反応させるかのいずれかであるアルカノイルアルキル誘導
体の形成を含む調製例8から10の方法または類似の方法により調製することが
できる。
R4が水素であり、AがNである一般式IIの化合物は、ピリジン(例えば、
調製例5参照)またはトリエチルアミンのような酸受容体の存在下、適切な有機
溶媒、例えば、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中で、適切な塩化スル
ホニルR3SO2Clまたは一般式(R3SO2)2Oの無水物(ここで、R3は、上
記で定義した通りである)を用い、一般式IIIの相当するキノキサリン
(ここで、R1、R2、P1およびP2は、上記で定義した通りである)のスルホニ
ル化により調製することができる。いくつかの出発物質と共に大過剰のスルホニ
ル塩化物または無水物を用いるならば、ジ−スルホニル化又はある程度のジ−ス
ルホニル化が起こる。この状況では、R3SO2−置換基の1つを、ジ−スルホニ
ル化生成物と水性水酸化ナトリウムとの反応(例えば、調製例3参照)により除
去することができる。一般式IIIの化合物は、調製例1および2で具体的に説
明したような従来技法により調製することができる。
R4が水素であり、AがCHである一般式IIの化合物は、一般式IVの化合
物
(ここで、R1、R2、P1およびP2は、上記で定義した通りである)と一般式N
aSR3のチオラート(ここで、R3は、上記で定義した通りである)との反応、
続いて3−クロロ過安息香酸のような過酸を用いた酸化により調製することがで
きる(例えば、調製例29参照)。一般式IVの化合物は、従来技法により調製
することができる(例えば、調製例28参照)。
本発明の化合物の合成において、鋭敏な官能基を保護し、次いでそれらを脱保
護することが必要または望ましい。このような操作の方法は、当業者等に公知で
あり、上記の'Protective Groups in Organic Synthesis'に述べられている。
本発明の化合物は、動物(ヒトを含む)における薬理学的活性を有することか
ら有用である。特に、これらの化合物は、神経変性疾患(老年痴呆、アルツハイ
マー病ならびに脳卒中、一過性虚血発作、手術時虚血および脳または脊髄に対す
る外傷性頭部損傷のような出来事から発生するものを含む)、けいれん、疼痛お
よび不安の治療または予防に有用である。脳卒中の治療は、特に興味深い。
従って、本発明の別の態様によれば、抗不安、抗けいれん、鎮痛または神経保
護治療法であって、このような治療を必要とする患者への本発明の化合物の投与
を含んで成る治療法が提供される。また、医薬品としての本発明の化合物の用途
および、抗不安薬、抗けいれん薬、鎮痛薬または神経保護医薬の製造における本
発明の化合物の使用法も提供される。
本発明の化合物の生物学的活性は、以下に提示した試験で示すことができる:
(a)NMDA受容体のグリシン部位への結合親和性
これは、Brit J Pharm(1991),104,74 に述べられているようにラットの脳膜
から選択的グリシン部位放射性リガンドを置換する化合物の能力を調査すること
により測定することができる。この方法の変法では、十分洗浄した膜蛋白を、ト
リス−酢酸緩衝液(pH7.4)を用い[3H]−L−689,560と共に9
0分間インキュベートする。ある範囲の試験化合物濃度を用い、放射性リガンド
の置換を用いてIC50(50%阻害濃度)値を得る。
(b)AMPA受容体への結合親和性
ラットの脳膜から放射性リガンド[3H]−AMPAを置換する化合物の能力
を調査することにより測定することができる。膜ホモジネートを、種々の濃度の
試験化合物の存在下または非存在下で放射性リガンド(10nM)と共に4℃で
45分間インキュベートする。遊離および結合放射性リガンドをすばやい濾過に
より分離し、放射能を、液体シンチレーション計数により測定する。
(c)機能的インビトロNMDA拮抗作用
これは、J Med Chem,(1990),33,789およびBrit J Pharm(1985),84,381に
述べられた方法と同様の、NMDAにより誘導されるラット皮質スライス中の減
極を阻害する化合物の能力により示される。この手法の変法では、NMDAの標
準濃度に対する応答を、ある範囲の濃度の試験化合物の存在下で測定し、得られ
た結果を用いてIC50(50%阻害濃度)値を得る。
(d)インビボにおけるNMDA拮抗作用
これは、Brit J Pharm Proceedings Supplement(1992),107,58P に述べられ
た方法の変法により、NMDAが誘発するマウスの狂走を阻害する化合物の能力
により示すことができる。このモデルでは、NMDA(60mg/kg静脈注射
)の投与に先立ち、マウス群を種々の投与量の試験化合物で処理する。狂走開始
の潜時を記録し、この行動のある無しを用いてED50を決定する。プロビット法
を用いて、マウスの50%が、NMDA投与の10分後までに狂走を示すことの
できない投与量を推定する。
(e)皮質が広げるうつ病の遮断
また、化合物のインビボの活性は、麻酔をかけたラットにおいて電気的に開始
した皮質が広げるうつ病の伝播を遮断するその能力を測定することにより示すこ
とができる。従って、雄性のラットに麻酔をかけ、脳の活性を記録するために2
つのガラスの微小電極を右壁皮質に0.5−1mmの深さに挿入する。更に、二
極刺激電極を微小電極の前の硬膜上におく。硬膜を、次いで、10分間隔で刺激
し、広がるうつ病の波長を微小電極により検出し、増幅し、チャートレコーダー
を用いて示す。試験化合物をそのナトリウム塩または塩酸塩(可能な場合)とし
て水に溶解し、種々の投与量で静脈注射により投与して広がるうつ病の伝播を遮
断する最小量を測定する。
本発明の化合物は、経口および静脈投与を含む種々の従来の投与経路により、
治療を必要とする患者に投与することができる。化合物は、胃腸管を通じた吸収
の可能性を有し、従って、徐放性処方物による投与も可能である。
一般に、治療に効果的な経口投与量は、0.1から100mg/治療しようと
する患者の体重kgの範囲にありそうであり、好ましくは1から10mg/kg
であり、静脈投与量は、0.01−10mg/治療しようとする患者の体重kg
の範囲にありそうであり、好ましくは0.1−5mg/kgである。必要な場合
、化合物
は、0.01−1mg/kg/時間の範囲の投与量で静脈内注入によっても投与
することができる。実際には、医師が、個々の患者に最も適した実際の投与量を
決定し、それは、特定の患者の年齢、体重および応答と共に変化する。上記の投
与量は、平均の場合の例であるが、当然、より高い又はより低い投与量範囲が有
益である個々の場合があってもよく、このようなものも本発明の範囲内に入る。
本発明の化合物は、単独で投与することができるが、通常、意図する投与経路
および標準製薬慣習に関して選ばれた医薬担体と混合して投与する。例えば、経
口投与は、デンプンもしくは乳糖のような医薬品添加物を含有する錠剤、単独も
しくは医薬品添加物との混合物のいずれかのカプセル剤の形態、または着香剤も
しくは着色剤を含有するエリキシル剤もしくは懸濁剤の形態であってもよい。化
合物は、非経口的に、例えば、経静脈、経筋肉内または皮下的に注射することが
できる。非経口投与には、化合物の適切な塩の滅菌水溶液の形態で最良に用いら
れ、溶液は、血液と等張にするための塩のような他の物質を含有することができ
る。
従って、更に、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合し
て本発明の化合物を含んで成る医薬処方物が提供される。
本発明の化合物は、従来技術の化合物に比し、より効能があり、より可溶性で
あり、より選択的[例えば、NMDA(グリシン部位)受容体の効能ある拮抗薬
であるが、AMPA受容体にはほとんど又は全く親和性がない]であり、より毒
性がすくなく、または他のより望ましい性質を有するという有利性がある。
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。中間化合物は、以下の調製例
で述べる通りに調製することができる。
融点は、ガラスの毛管内のブッチ(Buchi)装置を用いて測定しており、未補正
である。分光学的データは、Perkin-Elmer 983(赤外線)、Fisons Trio 1000(
質量分析計、担体として水性メタノール中の酢酸アンモニウムを用いたサーモス
プレー)、ならびにBruker AC300およびVarian Unity 300 NMR装置(両方とも30
0 MHz)により記録し、所与の構造と一致した。E.Merck,Darmstadtから入手し
たKieselgel 60(230−400メッシュ)上でカラムクロマトグラフィーを達
成した。E.Merckから入手したKieselgel 60 F254プレートを、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)に用い、化合物を、紫外線またはクロロ白金酸/沃化カリウ
ム溶液を用
いて可視化した。化合物を水和物として分析した場合、水の存在は、プロトンN
MRスペクトルにおける水のために増強されたピークで明白である。化合物の純
度を、分析用TLCおよびプロトンNMR(300MHz)を用いて慎重に評価
し、後者の技法を用いて溶媒和した試料中の溶媒の量を算定した。多段階列にお
ける中間物質の純度および構造を、プロトンNMRにより分光学的に確認した。
プロトンNMRシフトは、テトラメチルシランからの下流磁場百万分率で示す。
当業者等になじみのある略号、例えば、Me(メチル)、Et(エチル)、A
c(アセチル)、h(時間)、m(シリカゲルに関連して−メッシュ)を、実施
例および調製例で用いた。
実施例1
N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)エタンスルホンアミド
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)エタン
スルホンアミド(調製例4)(100mg、0.273ミリモル)、2Mの塩酸
(2ml)およびジオキサン(4ml)の混合物を2.5時間還流加熱し、冷ま
し、減圧下で濃縮した。固形残渣を水に懸濁し、濾別し、水およびエーテルで洗
浄して標記化合物(90mg、98%)を融点297℃(分解)の白色固形物と
して得た。分析%
:測定値:C,33.97; H,2.97; N,11.68.CH10H9Cl2N3O4S.H2Oから得た
理論値:C,33.72; H,3.11; N,11.79%.
実施例2−6
表1に示した以下の実例を、相当する2,3−ジメトキシキノキサリン誘導体
(調製例3、5から7および12)を用い実施例1の方法により調製した。
実施例7
N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)−N−(メチル)−エタンスルホンアミド
(a)カリウムtert−ブトキシド(67.5mg、1.1ミリモル)を、乾
燥ジメチルホルムアミド(3ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメ
トキシキノキサリン−5−イル)エタンスルホンアミド(調製例4)(200m
g、0.55ミリモル)の攪拌溶液に20℃の窒素下で加えた。5分後、沃化メ
チル(38μl、1.1ミリモル)を加え、混合物を20℃で2時間攪拌した。
混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチルおよび水に分配し、合わせた有機抽出物を
希釈水性水酸化ナトリウムで洗浄した。溶液を乾燥し(MgSO4)、減圧下で
濃縮した。残分をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタンで溶出する)
により精製してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)−N−(メチル)エタンスルホンアミド(150mg、79%)を得た
。 1H NMR
(300MHz,CDCl3): δ= 1.51(3H,t,J7Hz),3.35(3H,s),3.37(2H,q,
J7Hz),4.14(3H,s),4.20(3H,s),7.92(1H,s).m/z(サーモスプレー)380(
MH+).
(b)N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−N−(メチル)エタンスルホンアミド(150mg、0.39ミリモル)、)
、2Mの塩酸(4ml)およびジオキサン(8ml)の混合物を16時間還流加
熱し、
冷まし、減圧下で濃縮した。固形残渣を水に懸濁し、濾別し、水およびエーテル
で洗浄して標記化合物(140mg、99%)を融点>300℃の白色固形物と
して得た。分析%
:測定値:C,37.69; H,3.09; N,11.84.C11H11Cl2N3O4Sから得た理論
値:C,37.51; H,3.15; N,11.93%.
実施例8−48
表2に示した以下の実例を、相当する2,3−ジメトキシキノキサリン誘導体
(調製例3、4、6、7、11、12、13および14)および適切なハロゲン
化アルキル[即ち、沃化メチル、沃化エチル、臭化n−ブチル、塩化3−(N,
N−ジメチルアミノ)プロピル、塩化ベンジル、臭化フェネチル、臭化2−プロ
ピル、臭化2−メトキシエチル、臭化アリル、臭化シクロペンチル、塩化2−(
モルホリノ)エチル、塩化4−ピコリル、臭化2−ヒドロキシエチル、臭化n−
プロピル、塩化2−ピコリル、臭化3−ヒドロキシプロピル、クロロアセトン、
臭化プロパルギルおよび2−(ブロモメチル)−6−メトキシピリジン(調製例
22の化合物)]を用い実施例7の方法により調製した。
あるいは、実施例17の化合物は、以下のように調製することができる:
(RS)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソ キノキサリン−5−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミ ド
a)アセトン(2.5L)中の炭酸カリウム(25.81g、0.187モル)
、2−ブロモエタノール(13.26ml、0.187モル)およびN−(6,
7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンア
ミド(調製例3)(55.0g、0.156モル)の混合物を20時間還流加熱
し、冷
まし、減圧下でアセトンを除去した。残分をジクロロメタンおよび1Mの水酸化
ナトリウムに分配した。有機相を、次いで、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃
縮し、残渣を、メタノールからの3回の再結晶により精製して(RS)−N−(
6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−(2−
ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド(43.7g、70%)を融点240
−242℃の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,39.35; H,3.78; N,10.55.C13H15N3O5Cl2から得た理論値
:C,39.41; H,3.82; N,10.61%.
b)(RS)−N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド(11.41g
、0.029モル)および2Mの塩酸(300ml)の混合物を181/2時間還
流加熱し、次いで、氷浴で冷却した。固形物を濾別し、水で洗浄して標記化合物
(9.65g、91%)を融点272−274℃の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,35.82; H,3.04; N,11.37.C11H11N3O5Cl2Sから得た理論
値:C,35.88; H,3.01; N,11.41%.
実施例49 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(3−ピリジルメチル)メタンスルホンアミド塩酸塩
(a)乾燥テトラヒドロフラン(12ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,
3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド(200mg、
0.57ミリモル−調製例3参照)、3−(ヒドロキシメチル)ピリジン(55
μl、0.57ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(149mg、0.5
7ミリモル)の攪拌溶液に、窒素下、23℃でアゾジカルボン酸ジエチル(90
μl、0.57ミリモル)を加えた。8時間後、溶媒を減圧下で除去し、残分を
、フラッシュクロマトグラフィー(エーテル/メタノールで勾配溶出)により精
製してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−N−(3−ピリジルメチル)メタンスルホンアミド(145mg、57%)を
融点217℃(分解)の白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 3.18(3H,s),4.10(3H,s),4.14(3H,s),4.95(2H
,s),7.17(1H,dd,J4および6Hz),7.68(1H,dt,J2および6Hz),7.90(1H,s
),8.41(1H,d,J2Hz),8.48(1H,dd,J2および4Hz).m/z(サーモスプレー)
443(MH+).
(b)N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−N−(3−ピリジルメチル)−メタンスルホンアミド(130mg、0.29
3ミリモル)、2Mの塩酸(2ml)およびジオキサン(4ml)の混合物を2
.5時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮した。残分を水(1ml)に懸濁し
、濾別し、水およびエーテルで洗浄して標記化合物(120mg、98%)を融
点234−235℃(分解)の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,39.67; H,3.06; N,12.20; S,7.05.C15H12Cl2N4O4S.HCl
から得た理論値:C,39.88; H,2.90; N,12.40; S,7.10%.
実施例50−65
表3に示した以下の実例を、相当する2,3−ジメトキシキノキサリン誘導体
(調製例3および4)ならびに適切なアルコール(商業的に入手可能および/ま
たは調製例15−19で調製した通りである。調製例15−19のトリチル保護
基は、最後の酸加水分解工程で同時に除去される)を用い実施例49の方法によ
り調製した。
実施例66
(RS),(RS)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3− ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタンス ルホンアミド
標記化合物を、(RS)−N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノ
キサリン−5−イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタンスルホンアミド
(調製例9)から実施例1の方法により調製し、融点291−292℃(水から
)の白色固形物81%(ジアステレオ異性体の混合物)を得た。分析%
:測定値:C,37.77; H,3.15; N,10.63. C12H13Cl2N3O5Sから算定した
理論値:C,3771; H,3.43; N,10.99%.
実施例67
N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン −5−イル)−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)メタンスルホンア ミド
標記化合物を、N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−
5−イル)−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)メタンスルホンアミ
ド(調製例10)から実施例1の方法により調製し、融点252−253℃(分
解)の白色固形物83%を得た。分析%
:測定値:C,39.32; H,3.71; N,10.55. C13H15Cl2N3O5Sから算定した
理論値:C,39.40; H,3.81; N,10.60%.
実施例68
N−(1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2,3−
ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−エチルメタンスルホンアミド
(a)アセトン中のN−(3−アミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−
2−メトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド(調製例20、7
3mg、0.2ミリモル)および炭酸カリウム無水塩(33mg、0.24ミリ
モル)の混合物を、20分間還流攪拌した。ヨードエタン(32μl、0.4ミ
リモル)を加え、混合物を更に2時間加熱した。更なるヨードエタン(32μl
、0.4ミリモル)を加え、加熱を更に4時間継続した。混合物を減圧下で濃縮
し、残分を水および酢酸エチルに分配した。有機溶液を乾燥し(MgSO4)、
減圧下で濃縮し、残分をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタ
ノールで勾配溶出)により精製してN−(3−アミノ−6−クロロ−7−トリフ
ルオロメチル−2−メトキシキノキサリン−5−イル)−N−エチル−メタンス
ルホンアミド(75mg、96%)を白色固形物として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ = 1.16(3H,t,J7Hz),3.20(3H,s),3.86(2H,m),
4.16(3H,s),5.50(2H,br s),8.06(1H,s).
m/z(サーモスプレー)399(MH+).
(b)N−(3−アミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2−メトキシ
キノキサリン−5−イル)−N−エチル−メタンスルホンアミド(上記工程(a
)、
70mg、0.18ミリモル)、2Mの塩酸(3ml)およびジオキサン(6m
l)の混合物を2時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮した。残分を水に懸濁
し、濾過し、固形物を水で洗浄した。乾燥後、標記化合物(33mg、48%)
を融点>300℃の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,37.61; H,2.73; N,10.80. C12H11ClF3N3O4Sから算定し
た理論値:C,37.36; H,2.87; N,10.89%.
実施例69
N−(1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル
−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−
(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド
上記実施例68の方法により、標記化合物を、ヨードエタンの代わりに2−ブ
ロモエタノールを用いて調製した。これは、融点292−294℃の白色固形物
(40mg、2工程で44%の収率)として得た。分析%
:測定値:C,36.17; H,2.73; N,10.26. C12H11ClF3N3O5Sから算定し
た理論値:C,35.88; H,2.76; N,10.46%.
実施例70
(RS)−N−(カルボキシメチル)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−
ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N
−(メトキシカルボニルメチル)メタンスルホンアミド(調製例21、3.17
g、7.48ミリモル)、2Mの塩酸(80ml)およびジオキサン(80ml
)の混合物を18時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮して融点271℃(分
解)の黄色固形物(2.85g、100%)を得た。分析%
:測定値:C,33.98; H,2.64; N,10.50. C11H9Cl2N3O6S.1/2H2Oから算
定した理論値:C,33.77; H,2.58; N,10.74%.
実施例71
(RS)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキ ノキサリン−5−イル)−N−(メトキシカルボニルメチル)メタンスルホンア ミド
塩化水素ガスで飽和した乾燥メタノール(100ml)中のN−(カルボキシ
メチル)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノ
キサリン−5−イル)メタンスルホンアミド(調製例70、2.85g、7.4
6ミリモル)の溶液を3時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮して融点301
℃(分解)の黄色固形物(2.838g、96%)を得た。分析%
:測定値:C,36.29; H,2.60; N,10.49. C12H11Cl2N3O6Sから算定した
理論値:C,36.38; H,2.80; N,10.61%.
実施例72 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(N′−メチルカルバモイルメチル)メタンスルホンアミド
N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)−N−(メトキシカルボニルメチル)メタンスルホンアミド(実施
例71から得た、150mg、0.38ミリモル)、エタノール(3ml)およ
びメチルアミン(エタノール中の33%溶液、3ml)の混合物を、密閉容器内
で、75℃で1時間、次いで90℃で1.5時間加熱した。混合物を冷まし、過
剰の2Mの塩酸に徐々に注ぎいれた。白色の沈殿を濾別し、乾燥して融点289
℃の標記化合物(107mg、72%)を得た。分析%
:測定値:C,36.24; H,2.99; N,13.98. C12H12Cl2N4O5Sから算定した
理論値:C,36.47; H,3.06; N,14.18%.
以下の表4に示した化合物を、メチルアミンの代わりに適切なアミンを用い、
実施例72の方法により実施例71の化合物から調製した。
実施例79
(RS),(RS)−N−(1−カロボキシエチル)−N−(1,4−
ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−
イル)メタンスルホンアミド
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N
−(1−メトキシカルボニル−1−エチル)−メタンスルホンアミドの2種の異
性体の1:1の混合物(調製例23、1.40g、32ミリモル)、2Mの塩酸
(40ml)およびジオキサン(40ml)を、オートクレーブ内で、130℃
で48時間および150℃で24時間加熱した。混合物を冷まし、減圧下で低容
量に濃縮し、固形物を濾別し、エーテルで洗浄した。生成物を1Mの水性水酸化
ナトリウム(40ml)に溶解し、2Mの塩酸の添加(pH3に)により再沈殿
させた。白色固形物を濾別し、真空で乾燥して標記化合物(1.13g、89%
)を融点282℃(分解)のジアステレオマーの混合物として得た。分析%
:測定値:C,33.68; H,3.17; N,9.61. C12H11Cl2N3O6S.O.5H2Oから算
定した理論値:C,34.06; H,3.33; N,9.93%.
実施例80
(R)−および(S)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−
2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(2−
ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド
(a)(RS)−N−(カルボキシメチル)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7 −ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
(i)アセトン(1.75L)中の炭酸カリウム(42.37g、0.3モル)
、メチルプロモアセテート(48.4ml、0.51モル)およびN−(6,7
−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミ
ド(調製例3)(90g、0.256モル)の混合物を、81/2時間還流加熱し
、冷まし、減圧下でアセトンを除去した。残分を水(1.5L)と共に1/4時間
攪拌し、濾過し、固形物を、水、次いで、エーテルで洗浄して(RS)−N−(
6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−(メト
キシカルボニルメチル)メタンスルホンアミド(108g、100%)を得た。分析%
:測定値:C,39.51; H,3.52; N,9.89. C14H15Cl2N3O6Sから算定した理
論値:C,39.63; H,3.56; N,9.90%.
(ii)上記(i)から得た(RS)−N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメ
トキシキノキサリン−5−イル)−N−(メトキシカルボニルメチル)メタンス
ルホンアミド、2Mの塩酸(1L)およびジオキサン(1L)の混合物を、18
時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮した。固形残分を水(1.5L)に懸濁
し、濾別し、水およびエーテルで洗浄して副題の化合物(95g、92%)を融
点271℃(分解)の白色粉末として得た。分析%
:測定値:C,33.98; H,2.64; N,10.50. C11H9Cl2N3O6S.1/2H2Oから算
定した理論値:C,33.77; H,2.58; N,10.74%.
(b)(R)−N−(カルボキシメチル)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7− ジ クロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミドおよ び(S)−N−(カルボキシメチル)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジク ロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
エタノール(300ml)中のキニン(25.48g、0.078モル)を、
エタノール(2.1L)中の(RS)−N−(カルボキシメチル)−N−(1,
4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)
メタンスルホンアミド(工程(a)から得た、30g、0.078モル)の還流
溶液に加えた。還流で1/2時間後、懸濁液を熱濾過し、固形物をエタノールで洗
浄して(S)立体化学の副題の化合物をそのキニン塩(23.2g、41.3%
)として得た。
[α]25 D=−125.7(c=0.07、MeOH).
濾液を攪拌しながら室温に冷まし、更に1時間放置し、次いで、濾過して(R
)立体化化学の副題の化合物をそのキニン塩(19.1g、34%)として得た
。
[α]25 D=−98.7°(c=0.15、MeOH).
キニン塩を個別に水(1.3L)に懸濁し、激しく攪拌しながら濃塩酸(22
ml)で処理し、濾過後、副題の化合物2種を得た。
(R)立体化学の副題の化合物を、融点>218℃(分解)の白色固形物(9
.8g、95%)として得た。
[α]25 D=+19.4°(c=0.18、MeOH).分析%
:測定値:C,33.51; H,2.32; N,10.46. C11H9Cl2N3O6S.1/2H2Oから算
定した理論値:C,33.77; H,2.58; N,10.74%.
(S)立体化学の副題の化合物を、白色固形物(11.9g、95%)として
得た。
(c)(R)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソ キノキサリン−5−イル)−N−(メトキシカルボニルメチル)メタンスルホン アミド
塩化水素ガスで飽和した(R)−N−(カルボキシメチル)−N−(1,4−
ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)メタ
ンスルホンアミド(工程(b)から得た、20.34g、0.053モル)およ
びメタノール(266ml)の混合物を、室温で18時間攪拌し、蒸発乾固し、
残分をメタノール(300ml)に懸濁した。1/2時間攪拌後、固形物を濾別し
て副題の化合物を融点290℃(分解)の単一のアトロプ異性体(17.5g、
83%)として得た。
[α]25 D=−1.7°(c=0.12、MeOH).1
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ = 3.1(3H,s),3.75(3H,s),4.5(1H,d),4.85(1
H,d),7.35(1H,s),10.8(1H,br s),12.2(1H,br s).m/z(サーモスプレー)
396(MH)+.
(d)(R)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソ キノキサリン−5−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミ ド
水素化アルミニウムリチウム(39.4ml、THF中の1モル、39.4ミ
リモル)を、テトラヒドロフラン(590ml)中の(R)−N−(1,4−ジ
ヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−
(メトキシカルボニルメチル)メタンスルホンアミド(工程(c)から得た、9
.75g、24.6ミリモル)に加え、氷浴で0−5℃に冷却した。1/4時間後
、更なる水素化アルミニウムリチウム(2.4ml、2.46ミリモル)を加え
、混合物を更に1/2時間攪拌し、テトラヒドロフラン(60ml)中のメタノー
ル(20ml)を加えた。
混合物を減圧下で蒸発乾固し、残分を酢酸エチルおよび2Mの塩酸に分配した
。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残分を、勾配溶
出(CH2Cl2:10%AcOHを含有するMeOH 100:0→95:5)
を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して初めの標記化合物を融点
293−294℃の単一のアトロプ異性体(6.0g、66%)として得た。
[α]25 D=+49.0(c=0.1、1Mの水性水酸化ナトリウム).分析%
:測定値:C,35.89; H,2.83; N,11.42. C11H11Cl2N3O5Sから算定した
理論値:C,35.88; H,3.01; N,11.41.
(e)(S)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソ キノキサリン−5−イル)−N−(メトキシカルボニルメチル)メタンスルホン アミド
副題の化合物を、工程(c)の方法により(S)−N−カルボキシメチル−N
−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5
−イル)メタンスルホンアミド(工程(b))から調製し、収率78%の白色固
形物として得た。1
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ = 3.30(3H,s),3.75(3H,s),4.32(1H,d),4.85
(1H,d),7.35(1H,s),10.85(1H,s),12.60(1H,s).m/z(サーモスプレー)3
96(MH+).
(f)(S)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソ キノキサリン−5−イル−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド
二番目の標記化合物を、工程(d)の方法により(S)−N−(1,4−ジヒ
ドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(
メトキシカルボニルメチル)−メタンスルホンアミド(工程(e))から調製し
、融点>300℃の収率60%の白色固形物として得た。
[α]25 D=−45.0(c=0.1、1Mの水性水酸化ナトリウム).1
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ = 3.21(5H,m),3.65(1H,m),4.03(1H,m),6.02
(1H,br s),7.32(1H,s),11.00(1H,br s),12.12(1H,br s)m/z(サーモスプ
レー)369(MH+).
実施例81
(RS),(RS)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−
ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(1−メトキシカルボニルエチル)
メタンスルホンアミド
塩化水素ガスで飽和したメタノール(100ml)中のN−(1−カルボキシ
エチル)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノ
キサリン−5−イル)メタンスルホンアミド(実施例79から得た、1g、2.
53ミリモル)を、室温で24時間、次いで60℃で8時間攪拌した。固形物を
濾別して標記化合物をジアステレオマー(431mg、42%)の混合物として
得た。 1H NMR
(300MHz,DMSO-d6):δ = 1.70(3H,d),3.17(3H,s),3.77(3H,s),4.75
(1H,q),7.39(1H,s),11.46(1H,s),12.20(1H,s).m/z(サーモスプレー)4
13,415(MNH4 +).
実施例82
(RS),(RS)−N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−
ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(1−(N′−メチルカルバモイル
)エチル)メタンスルホンアミド
エタノール(6ml)中の33%メチルアミン中のN−(1,4−ジヒドロ−
6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(1−メ
トキシカルボニルエチル)メタンスルホンアミド(実施例81から得た、110
mg、0.27ミリモル)を、密閉容器内で100℃で5時間加熱し、冷却し、
2Mの塩酸(400ml)を加えた。その結果できた固形物を濾別し、1Mの水
酸化ナトリウムに溶解し、2Mの塩酸で沈殿させ、濾別して標記化合物を融点2
50℃(分解)のジアステレオマー(63mg、57%)の混合物として得た。分析%
:測定値:C,37.98; H,3.37; N,13.19. C13H14Cl2N4O5Sから算定した
理論値:C,37.66; H,3.55; N,13.51.
実施例83
N−(1,4−ジヒドロ−7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジオキソキノ
キサリン−5−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド
(a)N−(7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)メタンスルホンアミド(調製例25)を、実施例17(a)の方法によ
りN−(7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イ
ル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミドに変換した。生成物
を、融点209−210℃の白色固形物(91%収率)として得た。1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 3.18(3H,s),3.32(1H,m),3.50(1H,m),3.74(2
H,m),4.08(1H,m),4.14(3H,s),4.20(3H,s),7.90(1H,d,J8Hz).m/z(
サーモスプレー)380(MH+).
(b)N−(7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−メタンスルホンアミド[工程(a)
から得た]を、実施例17(b)の方法によりN−(1,4−ジヒドロ−7−ク
ロロ−6−フルオロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(2−
ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミドに変換した。生成物を、融点298−
300℃の白色固形物(86%)として得た。分析%
:測定値:C,37.44; H,3.00; N,11.79. C11H11ClFN3O5Sから算定した
理論値:C,37.56; H,3.15; N,11.95%.
実施例84
N−(1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジオキソキノ
キサリン−5−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド
(a)N−(6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)メタンスルホンアミド(調製例26)を、実施例17(a)の方法によ
りN−(6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イ
ル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−メタンスルホンアミドに変換した。生成
物を、白色固形物(68%収率)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 3.26(3H,s),3.50から4.10(4H,m),4.16(3H,s)
,4.20(3H,s),7.60(1H,d,J10Hz).m/z(サーモスプレー)380,382(MH+).
(b)N−(6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)メタンスルホンアミド[工程(a)か
ら得た]を、実施例17(b)の方法によりN−(1,4−ジヒドロ−6−クロ
ロ−7−フルオロ−2,3−ジオキソキノキサリン−5−イル)−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)メタンスルホンアミドに変換した。生成物を、融点290−2
91℃の白色固形物(75%収率)として得た。分析%
:測定値:C,37.62; H,3.10; N,11.88. C11H11ClFN3O5Sから算定した
理論値:C,37.56; H,3.15; N,11.95%.
実施例85 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(2−アミノエチル)メタンスルホンアミド
標記化合物を、N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシ−キノキサリン
−5−イル)−N−(2−アミノエチル)メタンスルホンアミド(調製例27、
40mg、0.101ミリモル)から実施例7(b)の方法により調製し、融点
>300℃の白色固形物(18mg、48%)として得た。分析%
:測定値:C,31.85; H,3.74; N,13.15. C11H12Cl2N4O4S.HCl.2/5H2O.1
/10CH2Cl2から算定した理論値:C,31.79; H,3.36; N,13.36%.
実施例86 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(2−フタルイミドエチル)メタンスルホンアミド
標記化合物を、N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−
5−イル)−N−(2−フタルイミドエチル)−メタンスルホンアミド(調製例
27(a)から得た、150mg、0.285ミリモル)から実施例85の方法
により融点>300℃の白色固形物(131mg、92%)として調製した。
1H NMR(300MHz,d6-DMSO):δ = 3.25(3H,s),3.70 - 3.82(2H,m),3.91 -
4.07(2H,m),7.25(1H,s),7.80(4H,s),11.09(1H,s),12.15(1H,s).m/z(
サーモスプレー)497(MH+).
実施例87 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(2−(N′−トリフルオロメタンスルホニル)
アミノエチル)メタンスルホンアミド
(a)トリエチルアミン(13μl、8mg、0.139ミリモル)、次いで、
無水トリフルオロメタンスルホン酸(23μl、39mg、0.139ミリモル
)を、ジクロロメタン(1.5ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジ
メトキシキノキサリン−5−イル)−N−(2−アミノエチル)−メタンスルホ
ンアミド(調製例27から得た、50mg、0.126ミリモル)の攪拌溶液に
窒素下−78℃で滴下した。混合物を30分間攪拌し、次いで、室温に温めた。
混合物を、水、飽和重炭酸ナトリウム溶液および食塩水で洗浄し、次いで、乾燥
した(MgSO4)。減圧下での濃縮によりN−(6,7−ジクロロ−2,3−
ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−(2−(N′−トリフルオロメタン
スルホニル)アミノエチル)メタンスルホンアミドを淡黄色の固形物(50mg
、75%)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 3.20(3H,s),3.20 - 3.30(1H,m),3.52 -3.62(1
H,m),3.86 - 3.96(1H,m),4.04 - 4.17(1H,m),4.18(3H,s),4.23(3H,s)
,8.00(1H,s).m/z(サーモスプレー)527(MH+).
(b)標記化合物を、N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−N−(2−(N′−トリフルオロメタンスルホニル)アミノエ
チル)メタンスルホンアミド[工程(a)から得た]から実施例7(b)の方法
により融点203.8−207.7℃の固形物(60%)として調製した。分析%
:測定値:C,29.13; H,2.77; N,9.96. C12H11N4S2O6Cl2F3.H2O.3/10E
t2Oから算定した理論値:C,29.39; H,2.99; N,10.38.
実施例88 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(2−[メチルアミノカルボニル]アミノエチル)
メタンスルホンアミド
(a)メチルイソシアナート(8.2μl、8.0mg、0.14ミリモル)を
、ジクロロメタン(2ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシ
キノキサリン−5−イル)−N−(2−アミノエチル)−メタンスルホンアミド
(調製例27から得た、50mg、0.127ミリモル)溶液に、窒素下、室温
で加えた。30分後、混合物を、減圧下で濃縮した。残分を酢酸エチルに溶解し
、減圧下で濃縮してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン
−5−イル)−N−(2−[メチルアミノカルボニル]アミノエチル)メタンス
ルホンアミドを淡黄色の泡状物質(52mg、91%)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 2.74(3H,d,J2Hz),3.18(3H,s),3.36(2H,
m),3.92(2H,m),4.15(3H,s),4.17(3H,s),4.2(1H,br s),5.14(1H,br s)
,7.96(1H,s).m/z(サーモスプレー)452(MH+).
(b)標記化合物を、N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−N−(2−[メチルアミノカルボニル]アミノエチル)メタン
スルホンアミド[工程(a)から得た]から実施例7(b)の方法により淡黄色
の泡状物質(60%)として調製した。分析%
:測定値:C,32.90; H,3.90; N,14.50. C13H15N5O5Cl2S.21/2H2Oから
算定した理論値:C,33.27; H,4.30; N,14.92%.1
H NMR(300MHz,d6-DMSO):δ =2.43(3H,s),3.21(3H,s),3.59 - 3.65(2H,m)
,3.75 - 3.86(2H,m),7.40(1H,s),10.60(1H,s),12.11(1H,s).
実施例89 N−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン−
5−イル)−N−(5−テトラゾリルメチル)メタンスルホンアミド
(a)クロロアセトニトリル(233μl、279mg、3.69ミリモル)を
、窒素下、アセトン(50ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメト
キシキノキサリン−5−イル)メタン−スルホンアミド(調製例3から得た、1
.00g、2.84ミリモル)および炭酸カリウム(0.47g、3.41ミリ
モル)の還流混合物に加えた。混合物を18時間還流し、次いで、冷まし、酢酸
エチル(500ml)および水(500ml)に分配した。有機相を乾燥し(M
gSO4)、減
圧下で濃縮した。残分を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0−1
00%酢酸エチル、次いで、ジクロロメタン中の5%メタノールで溶出)により
精製してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル
)−N−(シアノメチル)メタンスルホンアミドをオフホワイトの固形物(60
0mg、54%)として得た。1
H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ = 3.31(3H,s),4.07(3H,s),4.08(3H,s),4.84
(1H,d,J= 19Hz),5.10(1H,d,J= 19Hz),8.11(1H,s).
(b)トルエン(10ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシ
キノキサリン−5−イル)−N−(シアノメチル)メタンスルホンアミド(10
0mg、0.256ミリモル)およびアジ化トリブチル錫(170mg、0.5
12ミリモル)(Synthesis,1976,329)の混合物を18時間還流加熱した。冷却
後、混合物を減圧下で濃縮し、残分を、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロ
ロメタンから90:10:1のジクロロメタン:メタノール:アンモニアの勾配
溶出)により精製してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−N−(5−テトラゾリルメチル)メタンスルホンアミドをオフ
ホワイトの固形物(78mg、70%)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 3.30(3H,s),4.14(3H,s),4.18(3H,s),5.12(1
H,d,J16Hz),5.31(1H,d,J16Hz),7.99(1H,s).m/z(サーモスプレー)434
(MH+).
(c)標記化合物を、エーテルの代わりに水でこねたことを除いては実施例7(
b)の方法により、N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン
−5−イル)−N−(5−テトラゾリルメチル)−メタンスルホンアミドから調
製して融点>300℃の白色固形物(66%)を得た。分析%
:測定値:C,32.79; H,2.15; N,23.25.
C11H9N7O4Cl2S.1/10ジオキサンから算定した理論値:C,32.99; H,2.38; N,23.
62%.
実施例90
(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)メチル メチル スルホン
(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メチル
メチル スルホン(80mg、0.228ミリモル)(調製例29)、2Mの塩
酸(1ml)およびジオキサン(3ml)の混合物を3時間還流加熱し、減圧下
で濃縮した。残分を水で希釈し、得られた白色固形物を濾過により集め、水およ
びエーテルで洗浄し、60℃の減圧下で乾燥して標記化合物(58mg、79%
)を融点>300℃の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,37.35; H,2.35; N,8.44.
C10H8N2O4Cl2Sから算定した理論値:C,37.17; H,2.50; N,8.67%.
実施例91
(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)メチル エチル スルホン
標記化合物を、(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−
イル)メチル エチル スルホン(調製例30)から実施例90の方法により調製
し、融点>300℃の白色固形物(65%)として得た。分析%
:測定値:C,39.21; H,2.99; N,8.25; S,9.70. C11H10N2O4Cl2Sから
算定した理論値:C,39.18; H,2.99; N,8.31; S,9.51%.
実施例92
(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)メチル ベンジル スルホン
標記化合物を、(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−
イル)メチル ベンジル スルホン(調製例31)から実施例90の方法により調
製し、融点>300℃の白色固形物(92%)として得た。分析%
:測定値:C,48.30; H,3.12; N,6.65.
C16H12N2O4Cl2S 0.2ジオキサンから算定した理論値:C,48.40; H,3.29; N,6.7
2%.
実施例93
1−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)3−ブテニル メチル スルホン
(a)乾燥テトラヒドロフラン(0.8ml)中の(6,7−ジクロロ−2,3
−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メチル メチル スルホン(50mg、0
.142ミリモル)(調製例29)および炭酸ジアリル(41μl、40mg、
0.285ミリモル)の溶液を、乾燥テトラヒドロフラン(0.6ml)中のト
リス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0).クロロホルムアダクツ(
7.4mg、0.007ミリモル)および1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ
)エタン(11.
3mg、0.028ミリモル)の混合物に、窒素下、室温でカニューレを介して
加えた。混合物を、室温で5分間、次いで、還流で2時間攪拌した。混合物を冷
まし、ジクロロメタンで希釈し、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマト
グラフィー(3:1のヘキサン:酢酸エチルで溶出)により精製して1−(6,
7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−3−ブテニル
メチル スルホンをジアステレオ異性体の混合物(1H NMRにより約20:1
)の白色泡状物質(29mg、52%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =(主要なジアステレオ異性体のみ)2.93(3H,s),3.3
6(1H,m),3.84(1H,m),4.16(3H,s),4.25(3H,s),5.00(2H,m),5.45(1H,m
),5.60(1H,m),7.96(1H,s).m/z(サーモスプレー)391(MH+).
(b)1−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−3−ブテニル メチル スルホン(工程(a)から得た、27mg、0.069
ミリモル)、2Mの塩酸(0.5ml)およびジオキサン(1ml)の混合物を
、90℃で15時間温め、冷まし、減圧下で濃縮した。残分をエーテルおよび数
滴のメタノールと共に超音波処理し、その結果できた白色固形物を濾過により集
め、エーテルで洗浄し、乾燥して標記化合物(17mg、68%)を融点270
.5−272℃の白色粉末として得た。分析%
:測定値:C,42.98; H,3.35; N,7.45. C13H12N2Cl2O4Sから算定した
理論値:C,42.99; H,3.33; N,7.71%.
実施例94
1−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)−3−ヒドロキシプロピル メチル スルホン
(a)−78℃の乾燥ジクロロメタン(1.3ml)中の1−(6,7−ジクロ
ロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−3−ブテニル メチル スル
ホン(50mg、0.128ミリモル)[実施例93(a)]の溶液に、青色が
現れるまでオゾンを吹き込んだ。混合物を5分間攪拌し、次いで、酸素、次に窒
素気流で置換した。メタノール(1.3ml)を加え、水素化硼素ナトリウム(
12mg、0.319ミリモル)を2回に分けて加える前に混合物を−78℃で
平衡にした。混合物を5分間攪拌し、次いで、室温に温めた。混合物を2Mの塩
酸(20ml)に注ぎいれ、ジクロロメタン(2x20ml)で抽出した。合わ
せた抽出物を食塩水(20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃
縮した。残分をフラッシュクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル
で溶出)により精製して1−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサ
リン−5−イル)−3−ヒドロキシプロピル メチル スルホン(35.6mg、
70%)を白色泡状物質として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 2.96(3H,s),3.05(2H,m),3.51(1H,m),3.87(1
H,m),4.15(3H,s),4.22(3H,s),5.18(1H,dd,J6,8Hz),7.98(1H,s)m/z
(サーモスプレー)395(MH+).
(b)1−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−3−ヒドロキシプロピル メチル スルホン(工程(a))(32.4mg、0
.082ミリモル)、2Mの塩酸(0.5ml)およびジオキサン(1ml)の
混合物を、16時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮した。残分をエーテルと
共に超音波処理し、その結果できた固形物を濾過により集め、エーテルで洗浄し
、60℃の減圧下で乾燥して標記化合物(24.7mg、82%)を融点267
−269℃の淡黄色固形物として得た。分析%
:測定値:C,39.12; H,3.21; N,7.81. C12H12N2Cl2O5Sから算定した
理論
値:C,39.25; H,3.29; N,7.63%.
実施例95
1−(1,4−ジヒドロ−6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソキノキサリン
−5−イル)−4−ヒドロキシブチル メチル スルホン
テトラヒドロフラン中の9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(0.5M、
1.07ml、0.537ミリモル)溶液を、窒素下、室温で1−(6,7−ジ
クロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−3−ブテニル メチル
スルホン(実施例93(a))(200mg、0.511ミリモル)の攪拌溶液
に加えた。混合物を20時間攪拌し、次いで、N−酸化トリメチルアミン(11
9mg、1.58ミリモル)を少しづつ加えた。混合物を、室温で2時間、次い
で還流で30分間攪拌し、冷まし、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマ
トグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル、次いで、ニートな酢酸エチルで
溶出)により精製して1−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−4−ヒドロキシブチル メチル スルホン(120mg、57%
)をジアステレオ異性体の混合物(1H NMRにより)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3):δ =(主要なジアステレオ異性体のみ)1.29(1H,m),1.4
0(1H,m),2.66(1H,m),2.89(3H,s),3.26(1H,m),3.65(2H,m),4.15(3H,s
),4.22(3H,s),5.42(1H,dd,J6,8Hz),7.98(1H,s).m/z(サーモスプレー
)409(MH+).
(b)標記化合物を、1−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−4−ヒドロキシブチル メチル スルホン(工程(a)、92m
g、0.225ミリモル)から実施例94(b)の方法ならびにエーテル、メタ
ノールおよびジイソプロピルエーテルの混合物を用いた超音波処理により調製し
て融点306−307.5℃の淡灰色固形物(43mg、53%)(1H NMR
によるいずれかの単一のジアステレオ異性体)を得た。分析%
:測定値:C,41.06; H,3.76; N,7.26. C13H14Cl2N2O5Sから算定した
理論値:C,40.96; H,3.70; N,7.35%.
1H NMR(300MHz,d6-DMSO):δ = 1.15(1H,m),1.32(1H,m),2.20(1H,m),2.37
(1H,m),3.30(5H,不明瞭,m),5.32(1H,dd,J6,8Hz),7.38(1H,s),10.31(
1H,s),12.12(1H,s).
実施例96
いくつかの実施例の化合物のNMDA受容体のグリシン部位への結合親和性を
上記試験(a)で測定し、以下の実施例:1、8、17、29、40、56、7
0、80(b)(初めの化合物)および80(d)の化合物を含むものが50n
M未満のIC50を有することが分かった。
合成中間物質の調製
調製例1 5−アミノ−6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン
(a)6,7−ジクロロ−1,4−ジヒドロ−5−ニトロキノキサリン−2,3
−ジオン(WO−A−94/00124の実施例1、84g、0.34モル)、
塩化
チオニル(840ml)およびジメチルホルムアミド(0.5ml)の混合物を
3時間還流加熱し、冷まし、減圧下で濃縮した。酢酸エチル(300ml)を加
え、減圧下で除去し、次いで、石油エーテル(沸点100−120℃)で続けた
。固形残分を石油エーテル(沸点100−120℃)から再結晶化して2,3,
6,7−テトラクロロ−5−ニトロ−キノキサリン(78g、73%)を淡黄色
固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 8.6(1H,s).
(b)塩化錫(II)二水塩(346.3g、1.54モル)を、酢酸エチル(
1.8L)中の上記(a)から得た生成物(96.2g、0.31モル)の溶液
に加えた。混合物を4時間還流加熱し、冷まし、過剰の水性飽和重炭酸ナトリウ
ムに注意深く注ぎいれた。混合物を、゛セライト゛(商標)を介して濾過し、酢酸
エチルで十分洗浄した。濾過ケーキを更なる酢酸エチルに浸して柔らかくし、固
形材料を濾別した。合わせた酢酸エチル溶液を乾燥し(MgSO4)、減圧下で
濃縮して5−アミノ−2,3,6,7−テトラクロロキノキサリン(73.4g
、84%)を黄色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =5.45(2H,br,s),7.47(1H,s).m/z(サーモスプ
レー)385(MH+).
(c)ナトリウムメトキシド溶液(メタノール中の25%溶液、274ml、1
.28モル)を、乾燥メタノール(1L)中の5−アミノ−2,3,6,7−テ
トラクロロキノキサリン(72.4g、0.256モル)の懸濁液に加え、その
結果できた混合物を30分間還流加熱した。混合物を冷まし、減圧下で濃縮し、
残分を、水および酢酸エチルに分配した(合計8L)。有機溶液を乾燥し(Mg
SO4)、減圧下で濃縮した。粗生成物を、メタノールと共にこね、続いてジク
ロロメタン(2L)に溶解し濾過することにより精製した。濾液を減圧下で濃縮
して標記化合物を黄色固形物(55.0g、79%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =4.13(3H,s),4.14(3H,s),5.07(2H,brs),7.26(
1H,s).m/z(サーモスプレー)274(MH+).
調製例2 5−アミノ−2,3−ジメトキシ−6,7−ジメチルキノキサリン
(a)1,4−ジヒドロ−6,7−ジメチルキノキサリン−2,3−ジオン(1
0.0g、52.6ミリモル−J.Liebigs Ann.Chem.,1982,754-761参照)を
、0℃で濃硝酸(密度、1.42gcm-3、100ml)に10分にわたって少
しづつ加えた。5分後、冷浴を取り除き、必要に応じて冷浴を用いて混合物を2
0℃で7時間攪拌した。溶液を氷水に注ぎいれ、その結果できた固形物を濾別し
、75℃の真空で乾燥して1,4−ジヒドロ−6,7−ジメチル−5−ニトロキ
ノキサリン−2,3−ジオン(7.44g、60%)を融点280−290℃(
分解)(ジメチルホルムアミド/水から)の淡黄色固形物として得た。 1H-NMR
(300MHz,DMSO-d6):δ = 2.08(3H,s),2.25(3H,s),7.06(1H,s),11.7
0(1H,br,s),12.06(1H,br,s).νmax(KBr)3185,1703,1533,1400,1355
cm-1.m/z(サーモスプレー)253(MNH4 +).
(b)1,4−ジヒドロ−6,7−ジメチル−5−ニトロキノキサリン−2,3
−ジオン(工程(a)から得た、7.44g、31.6ミリモル)、塩化チオニ
ル(69.2ml、0.949モル)およびジメチルホルムアミド(0.25m
l、3.16ミリモル)の混合物を、3時間還流加熱し、冷まし、氷および水(
1.2L)の激しく攪拌する混合物に15分にわたって徐々に加えた。その結果
できた沈
殿を濾別し、80℃の真空で乾燥して2,3−ジクロロ−6,7−ジメチル−5
−ニトロキノキサリン(8.34g、97%)を融点133−134℃の淡いオ
レンジ色の固形物として得た。 1H-NMR
(300MHz,DMSO-d6):δ = 2.38(3H,s),2.54(3H,s),8.12(1H,s).νma x
(KBr)1537,1388,1377,1269,1163 cm-1.m/z(サーモスプレー)289(MNH4 +
).
(c)酢酸エチル(300ml)中の2,3−ジクロロ−6,7−ジメチル−5
−ニトロキノキサリン(工程(b)から得た、8.33g、30.6ミリモル)
および塩化第一錫二水塩(34.54g、153ミリモル)の混合物を11時間
還流加熱した。更なる量の塩化第一錫二水塩(13.82g、61.2ミリモル
)を加え、混合物を2時間加熱し、冷まし、酢酸エチル(500ml)で希釈し
た。混合物を、飽和水性重炭酸ナトリウム(200ml)に加え、濾過し、濾過
ケーキを酢酸エチルで十分洗浄した。有機層を分離し、飽和水性重炭酸ナトリウ
ム(3x100ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残
分をフラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタンで勾配溶出)
により精製して5−アミノ−2,3−ジクロロ−6,7−ジメチルキノキサリン
(6.15g、83%)を融点178−180℃のオレンジ色の固形物として得
た。 1H-NMR
(300MHz,DMSO-d6):δ = 2.38(3H,s),2.54(3H,s),8.12(1H,s).νma x
(KBr)3475,1613,1267,1178 cm-1.m/z(サーモスプレー)242(MNH4 +).
(d)ナトリウムメトキシド(メタノール中の25%溶液、13.9ml、61
ミリモル)を、窒素下、0℃で、乾燥テトラヒドロフラン(250ml)中の5
−アミノ−2,3−ジクロロ−6,7−ジメチルキノキサリン(工程(c)から
得た、6.15g、25.4ミリモル)の攪拌溶液に12分にわたって加えた。
混合物を、0℃で20分間、室温で72時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(7
50ml)で希釈し、水(2x250ml)および食塩水(250ml)で洗浄
し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマトグラ
フィー(ヘキサン/ジクロロメタンで勾配溶出)により精製して標記化合物を融
点166−167℃の白色固形物(4.55g、77%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =2.32(3H,s),2.35(3H,s),4.14(3H,s),
4.15(3H,s),5.06(2H,br,s),7.06(1H,s).νmax(KBr)3540,2950,1600
,1535,1395,1335,1240 cm-1.m/z(サーモスプレー)234(MH+).
調製例3
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
メタンスルホンアミド
(a)乾燥ジクロロメタン(150ml)中の5−アミノ−6,7−ジクロロ−
2,3−ジメトキシキノキサリン(調製例1参照)(10.0g、36.5ミリ
モル)、無水メタンスルホン酸(31.8g、183ミリモル)およびピリジン
(14.8ml、183ミリモル)の混合物を20℃で16時間攪拌した。溶媒
を減圧下で除去し、残分を、水(5ml)およびテトラヒドロフラン(50ml
)の混合物に溶解した。10分間攪拌後、溶液を、酢酸エチルおよび2Mの塩酸
に分配した。合わせた有機溶液を、飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥し
(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン
/ジクロロメタンで勾配溶出)による残分の精製により、6,7−ジクロロ−5
−ジ(メタンスルホニル)アミノ−2,3−ジメトキシキノキサリンを融点24
0−244℃のオフホワイトの固形物(12.3g、78%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =3.62(6H,s),4.16(3H,s),4.18(3H,s),8.02(1
H,s).m/z(サーモスプレー)430,432(MH+).
(b)水性水酸化ナトリウム(1M、145ml、145ミリモル)を、6,7
−
ジクロロ−5−ジ(メタンスルホニル)アミノ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン(工程(a)から得た、12.28g、28.6ミリモル)の懸濁液に加え、
混合物を室温で16時間攪拌した。その結果できたオレンジ色の溶液を2Mの塩
酸で処理し(pH3に)沈殿した固形物を濾別し、水およびエーテルで洗浄し、
80℃の真空で乾燥してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサ
リン−5−イル)メタンスルホンアミド(8.46g、84%)を融点225−
227℃の白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =3.42(3H,s),4.15(3H,s),4.20(3H,s),7.15(1H
,br,s),8.02(1H,s).m/z(サーモスプレー)352(MH+).
調製例4
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
エタンスルホンアミド
標記化合物を、調製例3(a)および(b)の方法により無水エタンスルホン
酸[J Am Chem Soc,76,1222(1954)]および5−アミノ−6,7−ジクロロ−2
,3−ジメトキシキノキサリンを用いて調製し、融点174−176℃の淡黄色
固形物(47%収率)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 1.38(3H,t,J7Hz),3.56(2H,q,J7Hz),
4.13(3H,s),4.20(3H,s),6.97(1H,br s),7.85(1H,s).m/z(サーモスプレ
ー)366(MH+).
この場合、工程(a)は、生成物の混合物に帰し、これを調製例3の工程(b
)の通りに処理した。
調製例5
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−
ベンゼンスルホンアミド
乾燥ジクロロメタン(30ml)中の5−アミノ−6,7−ジクロロ−2,3
−ジメトキシキノキサリン(調製例1)(548mg、2.0ミリモル)、塩化
ベンゼンスルホニル(1.28ml、10ミリモル)およびピリジン(0.8m
l、10ミリモル)の混合物を、100時間還流で攪拌した。混合物を酢酸エチ
ル/水に注ぎいれ、白色固形物を濾別し、水、酢酸エチル、次いでエーテルで洗
浄し、80℃の真空で乾燥して融点292−293℃の標記化合物(250mg
、30%)を得た。 1H-NMR
(300MHz,DMSO-d6):δ = 3.53(3H,s),4.02(3H,s),7.48(2H,J8Hz),
7.63(3H,m),8.00(1H,s),10.22(1H,br,s).m/z(サーモスプレー)414(MH+
).
調製例6
N−(2,3−ジメトキシ−6,7−ジメチルキノキサリン−5−イル)−
メタンスルホンアミド
乾燥テトラヒドロフラン(1ml)中の5−アミノ−2,3−ジメトキシ−6
,7−ジメチルキノキサリン(調製例2から得た)(50mg、0.214ミリ
モル)、無水メタンスルホン酸(187mg、1.07ミリモル)およびピリジ
ン(87ml、1.07ミリモル)の混合物を、20℃で2.7時間攪拌した。
水(0.3ml)を加え、混合物を40分間攪拌した。混合物を酢酸エチル(1
5ml)および2Mの塩酸(5ml)に分配した。有機溶液を飽和水性重炭酸ナ
トリウム(5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して標記化
合物(63mg、94%)を融点219℃の白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ =2.46(3H,s),2.55(3H,s),2.87(3H,s),4.16(6H
,s),7.00(1H,br,s),7.57(1H,s).νmax(KBr)3545,1480,1160 cm-1.m
/z(サーモスプレー)312(MH+).分析%
:測定値:C,50.02; H,5.48; N,13.35; S,10.51. C13H17N3SO1から
算定した理論値:C,50.15; H,5.50; N,13.50; S,10.30%.
調製例7
N−(2,3−ジメトキシ−6,7−ジメチルキノキサリン−5−イル)−
エタンスルホンアミド
乾燥テトラヒドロフラン(1ml)中の5−アミノ−2,3−ジメトキシ−6
,7−ジメチルキノキサリン(調製例2から得た)(50mg、0.214ミリ
モル)、塩化エタンスルホニル(138mg、1.07ミリモル)およびピリジ
ン(87μl、1.07ミリモル)の混合物を、20℃で3.5時間攪拌した。
更なる量の塩化エタンスルホニル(138mg、1.07ミリモル)およびピリ
ジン(87ml、1.07ミリモル)を加え、混合物を更に4日間攪拌した。水
(0.6ml)を加え、混合物を40分間攪拌した。混合物を酢酸エチル(15
ml)および2Mの塩酸(5ml)に分配した。有機溶液を、水(5ml)、飽
和水性重炭
酸ナトリウム(5ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して標
記化合物(67mg、96%)を融点201−203℃の麦わら色の固形物とし
て得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 1.35(3H,t,J7Hz),2.44(3H,s),2.54(3H,s)
,3.03(2H,q,J7Hz),4.15(3H,s),4.16(3H,s),6.96(1H,br,s),7.56(1H
,s).νmax(KBr)3250,2940,1480,1323,1239,1157 cm-1.m/z(サーモス
プレー)326(MH+).分析%
:測定値:C,51.88; H,6.02; N,12.43. C14H19N3SO4.0.15酢酸エチル
から算定した理論値:C,51.79; H,6.01; N,12.41%.
調製例8
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−N−(2−オキソプロピル)メタンスルホンアミド
カリウムt−ブトキシド(246mg、2.2ミリモル)を、20℃の窒素下
、乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3
−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド(702mg、2
.0ミリモル、調製例3参照)の攪拌溶液に加えた。クロロアセトン(175m
l、2.2ミリモル)を加え、混合物を4時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮
し、残分を1Mの水性水酸化ナトリウムおよび酢酸エチルに分配した。有機抽出
物を合わせ、食塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮して白色固
形物を得、これをエーテルと共にこね、濾過し、乾燥して融点247−248℃
の標記化合物(720mg、88%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 2.23(3H,s),3.42(3H,s),4.17(3H,s),4.23(3
H,s),4.45(1H,d,J18Hz),4.74(1H,d,J18Hz),7.95(1H,s).m/z(サー
モスプレー)408(MH+).
調製例9
(RS)−N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−
イル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタンスルホンアミド
水素化ジイソブチルアルミニウム(ジクロロメタン中の1.0M、1.0ml
、1.0ミリモル)を、20℃の窒素下で、乾燥ジクロロメタン(10ml)中
のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N
−(2−オキソプロピル)−メタンスルホンアミド(204mg、0.5ミリモ
ル−調製例8)の攪拌溶液に滴下した。4時間後、飽和水性塩化アンモニウム(
2ml)を加え、混合物を、゛Arbocel゛(商標)濾過助剤を介して濾過す
る前に15分間攪拌した。濾過ケーキをジクロロメタンで洗浄し、濾液を乾燥し
(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。残分を、フラッシュクロマトグラフィー(
ヘキサン/エーテルで勾配溶出)により精製して標記化合物(182mg、89
%)を融点176−177℃の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,40.67; H,4.07; N,10.06. C14H17Cl2N3O5Sから算定した
理論値:C,40.99; H,4.18; N,10.24%.
調製例10
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)メタンスルホンアミド
臭化メチルマグネシウム(1.4ml、ジ−n−ブチルエーテル中の1M、1
.4ミリモル)を、5℃の窒素下で、乾燥テトラヒドロフラン(10ml)中の
N−
(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−(2
−オキソプロピル)メタンスルホンアミド(143mg、0.35ミリモル、調
製例8参照)の溶液に滴下した。混合物を徐々に室温に温め5時間攪拌した。飽
和水性塩化アンモニウム(1ml)を加え、テトラヒドロフランを減圧下で除去
した。残分を水および酢酸エチルに分配した(3回)。合わせた抽出物を乾燥し
(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、残分を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘ
キサン/エーテルで勾配溶出)により精製して標記化合物(105mg、75%
)を融点160℃の由色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 0.97(3H,s),1.30(3H,s),3.22(3H,s),3.56(1
H,s),3.79(1H,d,J15Hz),3.96(1H,d,J15Hz),4.14(3H,s),4.19(3H,s
),7.96(1H,s).m/z(サーモスプレー)424(MH+).
調製例11
N−(6,7−ジブロモ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−
イル)−メタンスルホンアミド
(a)1,4−ジヒドロ−6,7−ジブロモ−5−ニトロキノキサリン−2,3
−ジオン(WO−A−94/00124、実施例33参照)を調製例1(a)の
方法により6,7−ジブロモ−2,3−ジクロロ−5−ニトロキノキサリンに変
換した。生成物を融点126−128℃(ヘキサンから)のオフホワイトの固形
物(72%
収率)として得た。 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 8.50(1H,s).
(b)上記(a)から得た中間物質を、調製例1(b)の方法により5−アミノ
−6,7−ジブロモ−2,3−ジクロロキノキサリンに変換した。生成物を(フ
ラッシュクロマトグラフィーによる精製後)融点108−110℃の黄色固形物
(61%収率)として得た。 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 5.55(2H,br s),7.6
8(1H,s).
(c)上記(b)から得た中間物質を、調製例1(c)の方法により5−アミノ
−6,7−ジブロモ−2,3−ジメトキシキノキサリンに変換した。生成物を(
フラッシュクロマトグラフィーによる精製後)融点148−150℃の黄色固形
物(59%収率)として得た。 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 4.13(6H,s),5.20
(2H,br s),7.51(1H,s).m/z(サーモスプレー)364(MH+).
(d)上記(c)から得た中間物質を、調製例3(a)の方法により(フラッシ
ュクロマトグラフィーによる精製後)融点204−206の淡黄色固形物として
の6,7−ジブロモ−5−ジ(メタンスルホニル)アミノ−2,3−ジメトキシ
キノキサリン(85%収率)に変換した。 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 3.61(6H
,s),4.15(3H,s),4.19(3H,s),8.20(1H,s).m/z(サーモスプレー)520(MH+
).
(e)上記(d)から得た中間物質を、調製例3(b)の方法によりN−(6,
7−ジブロモ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−メタンスルホン
アミドに変換した。生成物を融点186−187℃の淡黄色固形物(86%収率
)として得た。 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ = 3.45(3H,s),4.16(3H,s),4.21(
3H,s),7.08(1H,br,s),8.09(1H,s).m/z(サーモスプレー)442(MH+).
調製例12
N−(2,3−ジメトキシ−6,7−ジメチルキノキサリン−5−イル)−ト リフルオロメタンスルホンアミド
無水トリフルオロメタンスルホン酸(126ml、0.75ミリモル)を、窒
素下、−50℃で、乾燥ジクロロメタン(15ml)中の5−アミノ−2,3−
ジメトキシ−6,7−ジメチルキノキサリン(調製例2)(170mg、0.7
3ミリモル)およびトリエチルアミン(112ml、0.81ミリモル)の溶液
に滴下した。混合物を−30℃で2時間攪拌し、水に注ぎいれ、ジクロロメタン
で3回抽出した。生成物を、次いで、1Mの水性水酸化ナトリウムを用いてジク
ロロメタンから抽出した。水相を、過剰の2Mの塩酸で酸性にし、生成物をジク
ロロメタン中に抽出した(3回)。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、減
圧下で濃縮して白色固形物(260mg、98%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 2.44(3H,s),2.49(3H,s),4.14(3H,s),4.15(3
H,s),7.13(1H,br s),7.61(1H,s).m/z(サーモスプレー)366(MH+).
調製例13 N−(6−クロロ−7−エチル−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル) メタンスルホンアミドおよびN−(7−クロロ−6−エチル−2,3−ジメトキ シキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
(a)1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−エチルベンゼン
5−クロロ−4−エチル−2−ニトロアニリン(Sigma-Aldrich Library of R
are Chemicals より供給、2.62g、13.1ミリモル)、塩化錫(II)二
水塩(14.7g、65.3ミリモル)および酢酸エチル(130ml)の混合
物を22時間還流下で加熱した。混合物を冷まし、1Mの水性水酸化ナトリウム
(500ml)および酢酸エチル(500ml)に分配した。水相を酢酸エチル
(250ml)で抽出し、合わせた有機溶液を飽和水性塩化ナトリウム(100
ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して白色固形物(2.7
0g、>100%)を得、これを更に精製することなく直接用いた。
1H NMR(300MHz,CDCL):δ =1.19(3H,t,J7Hz),2.63(2H,q,J7Hz),3.30(4H
,br s),6.57(1H,s),6.70(1H,s).
(b)1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−エチルキノキサリン−2,3−ジオ ン
1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−エチルベンセン((a)から得た、2.
7
0g、約13ミリモル)、蓚酸(1.65g、18.3ミリモル)および4Mの
塩酸(66ml)の混合物を4.6時間還流加熱し、冷まし、濾過により灰色固
形物を集め、水で洗浄した。固形物を50℃の真空で乾燥して融点>315℃の
標記化合物(2.34g、80%)を得た。分析%
:測定値:C,53.60; H,3.87; N,12.40. C10H9ClN2O2から算定した理
論値:C,53.47; H,4.04; N,12.47%.1H NMR
(300MHz,DMSO-d6)δ = 1.17(3H,t,J7Hz),2.66(2H,q,J7Hz),7.05
(1H,s),7.14(1H,s),11.78(1H,br s),11.82(1H,br s).
(c)1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−エチル−5−ニトロキノキサリン− 2,3−ジオンおよび1,4−ジヒドロ−7−クロロ−6−エチル−5−ニトロ キノキサリン−2,3−ジオン
1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−エチルキノキサリン−2,3−ジオン(
(b)から得た、2.34g、10.4ミリモル)を、室温で、激しく攪拌する
濃硝酸(20ml)に少量づつ10分にわたって加えた。混合物を、次いで、4
0℃で12時間加熱し、冷まし、氷水に注ぎ入れた。形成した黄色固形物を濾別
し、水で洗浄し、乾燥して標記化合物(2.55g、91%)を混合物(1.7
:1の比率)として得た。1H NMR
(300MHz,DMSO-d6)δ = 1.09 - 1.19(3H,m),2.56(1.3H,q,J7Hz),2.
71(0.7H,q,J7Hz),7.19(0.4H,s),7.29(0.6H,s),11.95 - 12.15(2H,br m
).m/z(サーモスプレー)287(MNH4 +).
(d)2,3,7−トリクロロ−6−エチル−5−ニトロキノキサリンおよび2 ,3,6−トリクロロ−7−エチル−5−ニトロキノキサリン
上記(c)から得たキノキサリン(2.75g、11ミリモル)、塩化チオニ
ル(28.6ml、0.305モル)およびN,N−ジメチルホルムアミド(8
5μl、1.0ミリモル)の混合物を、窒素下で24時間還流加熱した。溶液を
冷まし、攪拌氷−水(600ml)に慎重に滴下した。1時間後、ベージュ色の
固形物を濾別し、水で洗浄し、真空で乾燥して標記化合物(2.26g、67%
)の混合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン
=3:1で溶出)による混合物の精製により、特徴づけの目的で少量の2種の異
性体を単離した。
初めに溶出した異性体は、融点106−109℃であった。分析%
:測定値:C,39.21; H,1.99; N,13.71. C10H6Cl3N3O2から算定した理
論値:C,39.18; H,1.97;N,13.71%. 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ = 1.41(3H,t,J7Hz),3.06(2H,q,J7Hz),8.02(
1H,s).
m/z(サーモスプレー)323(MH+).
二番目の異性体は、融点88−92℃であった。分析%
:測定値 C,39.06; H,1.87; N,13.85% 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.35(3H,t,J8Hz),2.98(2H,q,J8Hz),8.19(1
H,s).
m/z(サーモスプレー)323(MH+).
(e)5−アミノ−2,3,7−トリクロロ−6−エチルキノキサリンおよび5 −アミノ−2,3,6−トリクロロ−7−エチルキノキサリン
上記(d)から得たキノキサリン(200mg、0.652ミリモル)、塩化
錫(II)二水塩(1.03g、4.57ミリモル)および酢酸エチル(6.5
ml)の混合物を4時間還流加熱し、冷まし、酢酸エチルで希釈した。溶液を1
0%水性炭酸ナトリウム(25ml)で洗浄した。水層を酢酸エチル(2x25
ml)で抽出し、合わせた有機溶液を、10%水性炭酸ナトリウム(2x25m
l)、飽和水性塩化ナトリウム(25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、
減圧下で濃縮して標記化合物を1:1の比率でオレンジ色の固形物(174mg
、91%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.25(1.5H,t,J8Hz),1.37(1.5H,t,J8Hz),2.
84 - 2.98(2H,m),5.05(1H,br s),5.28(1H,br s),7.22(0.5H,s),7.43(0.
5H,s).
(f)5−アミノ−6−クロロ−7−エチル−2,3−ジメトキシキノキサリン および5−アミノ−7−クロロ−6−エチル−2,3−ジメトキシキノキサリン
無水テトラヒドロフラン(6ml)中の上記(e)から得たトリクロロキノキ
サリン(169mg、0.611ミリモル)の混合物を、攪拌しながら0℃でナ
トリウムメトキシド(0.84ml、メタノール中の25%溶液、1.47ミリ
モル)
の溶液で処理した。3.5時間後、溶液を酢酸エチルで希釈し、水(2x10m
l)、飽和水性塩化ナトリウム(10ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、
減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル19
:1で溶出)による精製により二つの画分を得た。
初めに溶出した化合物、5−アミノ−6−クロロ−7−エチル−2,3−ジメ
トキシキノキサリン(42mg、26%)を白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.32(3H,t,J8Hz),2.87(2H,q,J7Hz),4.18(6
H,s),4.90(2H,br s),7.08(1H,s).
二番目に溶出した化合物、5−アミノ−7−クロロ−6−エチル−2,3−ジ
メトキシ−キノキサリン(57mg、35%)を淡緑色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.14(3H,t,J7Hz),2.84(2H,q,J7Hz),4.12(3
H,s),4.14(3H,s),4.70(2H,br s),7.22(1H,s).
(g)N−(6−クロロ−7−エチル−2,3−ジメトキシキノキサリン−5− イル)メタンスルホンアミド
無水メタンスルホン酸(671mg、3.85ミリモル)を、無水テトラヒド
ロフラン(7.7ml)中の5−アミノ−6−クロロ−7−エチル−2,3−ジ
メトキシキノキサリン(207mg、0.77ミリモル)および無水ピリジン(
305mg、3.85ミリモル)の攪拌溶液に室温で加えた。72時間後、水(
3ml)を加え、混合物を更に60分間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し
、2Mの塩酸(50ml)、水(50ml)、飽和水性重炭酸ナトリウム(50
ml)および飽和水性塩化ナトリウム(50ml)で洗浄した。有機相を乾燥し
(MgSO4)、減圧下で濃縮して標記化合物(206mg、77%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.37(3H,t,J8Hz),2.89 - 3.00(2H,m),3.39(3
H,s),4.16(3H,s),4.19(3H,s),7.01(1H,s),7.60(1H,s).m/z(サーモス
プレー)346(MH+).
(h)N−(7−クロロ−6−エチル−2,3−ジメトキシキノキサリン−5− イル)メタンスルホンアミド
5−アミノ−7−クロロ−6−エチル−2,3−ジメトキシキノキサリンを、
上記工程(g)の方法によりメタンスルホンアミド誘導体に変換した。生成物を
4
7%収率で得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.25(3H,t,J8Hz),3.00(3H,s),3.28(2H,q,
J7Hz),4.17(3H,s),4.27(3H,s),6.87(1H,s),7.83(1H,s).
m/z(サーモスプレー)346(MH+).
調製例14 N−(6−クロロ−2,3−ジメトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)
メタンスルホンアミドおよびN−(7−クロロ−2,3−ジメトキシ−6−
メチルキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
下記に記載した以下の化合物を、調製例13で調製した6−クロロ−7−エチ
ルおよび7−クロロ−6−エチル誘導体と同様の方法で得た。
1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−メチルキノキサリン−2,3−ジオンを
、1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−メチルベンゼン(Maybridge Chemicals
により供給)から融点>330℃の暗灰色固形物として得た。分析%
:測定値:C,51.58; H,2.98; N,13.27; C9H7ClN2O2から算定した理論
値C,51.32; H,3.35; N,13.30%.
1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−メチル−5−ニトロキノキサリン−2,
3−ジオンおよび1,4−ジヒドロ−7−クロロ−6−メチル−5−ニトロキノ
キサリン−2,3−ジオンを、黄色固形物(1:2の比率)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.23(2H,s),2.35(1H,s),7.19(0.3H,s),7.30(
0.7H,s),11.9 - 12.25(2H,br m).
2,3,7−トリクロロ−6−メチル−5−ニトロキノキサリンおよび2,3
,6−トリクロロ−7−メチル−5−ニトロ−キノキサリンを、麦わら色の粉末
として得、特徴づけ目的のため困難ではあったが分離することができた。フラッ
シュクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタンで勾配溶出)により、初め
に6−メチル−7−クロロ異性体を融点164−165℃の白色固形物として得
た。分析%
:測定値:C,36.76; H,1.37; N,14.43. C9H4Cl3N3O2から算定した理
論値:C,36.96; H,1.38; N,14.37%.
二番目に溶出した異性体(7−メチル−6−クロロ)は融点121−122℃の
麦わら色の固形物であった。分析%
:測定値:C,39.78; H,2.02; N,13.23. C9H4Cl3N3O2.0.22ヘキサンか
ら算定した理論値:C,39.80; H,2.29; N,13.49%.
5−アミノ−2,3,7−トリクロロ−6−メチルキノキサリンおよび5−ア
ミノ−2,3,6−トリクロロ−7−メチルキノキサリンを、褐色の固形物とし
て得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.41(2H,s),2.55(1H,s),5.03(1.3H,br s),5.
08(0.7H,br s),7.23(0.3H,s),7.44(0.7H,s).
5−アミノ−7−クロロ−2,3−ジメトキシ−6−メチルキノキサリンおよ
び5−アミノ−6−クロロ−2,3−ジメトキシ−7−メチルキノキサリンを、
ヘキサン/酢酸エチル=1:1、続いてジクロロメタンで溶出するシリカゲル上
の反復カラムクロマトグラフィーにより分離した。
初めに溶出した化合物、6−クロロ−7−メチル異性体を、融点169−170
℃のオフホワイトの固形物として得た。分析%
:測定値:C,53.80; H,5.16; N,16.18. C11H12ClN3O2.0.15ヘキサン
から算定した理論値:C,53.61; H,5.33; N,15.76%.
二番目に溶出した化合物、7−クロロ−6−メチル異性体を、融点181−18
2℃のオレンジ色の固形物として得た。分析%
:測定値:C,52.55; H,4.72; N,16.61. C11H12ClN3O2.0.05ヘキサン
から算定した理論値:C,52.61; H,4.96; N,16.29%.
N−(6−クロロ−2,3−ジメトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル
)メタンスルホンアミドを、融点198℃の白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.58(3H,s),3.38(3H,s),4.15(3H,s),4.18(3H
,s),7.00(1H,br s),7.60(1H,s).
m/z(サーモスプレー)332(MH+).νmax(KBr)3230,2950,1480 1150 cm-1.
N−(7−クロロ−2,3−ジメトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル
)
メタンスルホンアミドを、融点228−229℃の白色固形物として得た。分析%
:測定値:C,43.51; H,3.98; N,12.60. C12H14ClN3O1Sから算定した
理論値:C,43.44; H,4.25; N,12.60%.
調製例15 4−ヒドロキシメチル−2−(トリフェニルメチル)−1,2,3−トリアゾー ル
(a)1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチル[J Org Chem 4 1
,1041(1976)](1.00g、7.09ミリモル)を、窒素下、室温で、無水テ
トラヒドロフラン(100ml)中の水素化ナトリウム(234mg、80%油
分散液、7.80ミリモル)の攪拌懸濁液に加えた。20分後、混合物を0℃に
冷却し、塩化トリチル(2.17g、7.80ミリモル)を加えた。混合物を0
℃で4時間攪拌した。水(100ml)を加え、テトラヒドロフランを減圧下で
除去した。残った混合物を酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を乾燥
し(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して固形物を得、これを、ヘキサン中
の5−30%酢酸エチルで溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ
ーにより精製した。初めに溶出した生成物を、暫定的に1−(トリフェニルメチ
ル)−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルとして同定し、白色固
形物(600mg、21%)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3)δ = 3.92(3H,s),7.11(6H,m),7.32(9H,m),
8.15(1H,s).
二番目に溶出した生成物を、暫定的に2−(トリフェニルメチル)−1,2,
3−トリアゾール−4−カルボン酸メチルとして同定し、白色固形物(500m
g、18%)として得た。1
H NMR(300MHz,CDCl3)δ = 3.94(3H,s),7.11(6H,m),7.36(9H,m),8.02(
1H,s).
(b)水素化アルミニウムリチウム(1.04ml、テトラヒドロフラン中の1
M、1.04ミリモル)の溶液を、窒素下、0℃で、無水テトラヒドロフラン(
30ml)中の2−(トリフェニルメチル)−1,2,3−トリアゾール−4−
カルボン酸メチル(工程(a)から得た、500mg、1.38ミリモル)の攪
拌溶液に滴下した。混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで、水(2ml)、15
%水性水酸化ナトリウム(4ml)および次に更なる水(4ml)を加えた。そ
の結果できた懸濁液をArbocel濾過助剤を介して濾過し、濾液を乾燥し(MgS
O4)、減圧下で濃縮した。残分をジクロロメタン(150ml)および水(1
50ml)に分配した。ジクロロメタン層を水(600ml)で洗浄し、次いで
、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮したところ白色固形物(401mg、8
5%)としての標記化合物が残った。1
H NMR(300MHz,CDCl3)δ = 2.05(1H,t,J7Hz),4.81(2H,d,J7Hz),7.12
(6H,m),7.35(9H,m),7.47(1H,s).
調製例16 4−ヒドロキシメチル−5−メチル−1−(トリフェニルメチル)イミダゾール
(a)水素化ナトリウム(900mg、80%油分散液、30ミリモル)を、窒
素下、室温で、乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中の4−メチル−イミダ
ゾール−5−カルボン酸エチル(3.85g、25ミリモル)の攪拌溶液に5分
にわた
って小分けして加えた。10分後、塩化トリチル(8.36g、30ミリモル)
を一度に加えた。1時間後、混合物を酢酸エチル(500ml)で希釈し、水(
200ml)で洗浄した。洗浄物を酢酸エチル(2x75ml)で抽出し、合わ
せた有機溶液を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残分を、フラッシュ
クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルで勾配溶出)により精製して5−メ
チル−1−(トリフェニルメチル)イミダゾール−4−カルボン酸エチル(1.
01g、10%)を白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.38(3H,t,J6Hz),1.83(3H,s),4.36(2H,q
,J6Hz),7.14(6H,m),7.35(10H,m).
(b)水素化アルミニウムリチウム(7.65ml、テトラヒドロフラン中の1
M、7.65ミリモル)の溶液を、窒素下、0℃で、1分にわたって無水テトラ
ヒドロフラン(50ml)中の5−メチル−1−(トリフェニルメチル)イミダ
ゾール−4−カルボン酸エチル(1.01g、2.55ミリモル)の攪拌懸濁液
に滴下した。30分後、水(300μl)、続いて水性水酸化ナトリウム(1M
、300μl)および水(900μl)を慎重に加えた。懸濁液をArbocel濾過
助剤を用いて濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(2x30ml)で洗浄
した。濾液を減圧下で濃縮し、残分を、沸騰しているメタノール(50ml)に
溶解した。ジクロロメタン(200ml)および無水硫酸マグネシウムを加え、
混合物を、Arbocel濾過助剤を介して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して白色固
形物(325mg、36%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.47(3H,s),4.05(2H,s),7.14(6H,m),7.35(
10H,m).
調製例17
4−ヒドロキシメチル−1−(トリフェニルメチル)ピラゾール
(a)1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(1.50g、10.7ミリモ
ル)を、窒素下、室温で、無水テトラヒドロフラン(100ml)中の水素化ナ
トリウム(353mg、80%油分散液、11.8ミリモル)の攪拌懸濁液に小
分けして加えた。20分後、混合物を0℃に冷却し、塩化トリチル(3.28g
、11.8ミリモル)を加えた。混合物を0℃で4時間攪拌し、一晩室温に温め
た。混合物を、次いで、50℃で3時間加熱し、更なる量の水素化ナトリウム(
321mg、10.7ミリモル)および塩化トリチル(1.0g、3.59ミリ
モル)を加えた。混合物を50℃で2時間加熱し、冷却し、水(50ml)で処
理し、減圧下で濃縮した。生成物を酢酸エチル(200ml)中に抽出し、溶液
を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残分を、フラッシュクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチルで勾配溶出)により精製して1−(トリフェニル
メチル)−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(2.273g、56%)を白色
固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.31(3H,t,J7Hz),4.27(2H,q,J7Hz),7.13
(6H,m),7.32(9H,m),7.94(1H,s),8.02(1H,s).
(b)水素化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中の1M溶液、4.4
5ml、4.45ミリモル)を、窒素下、0℃で、無水テトラヒドロフラン(3
00ml)中の1−(トリフェニルメチル)−ピラゾール−4−カルボン酸エチ
ル(2.27g、5.93ミリモル)の攪拌溶液に滴下した。1時間後、混合物
を、水(3ml)、15%水性水酸化ナトリウム(3ml)および水(6ml)
で連続して処理した。混合物をArbocel濾過助剤を介して濾過し、濾液を乾燥し
(MgSO4)、減圧下で濃縮して4−ヒトドキシメチル−1−(トリフェニル
メチル)ピラゾール(1.746g、86%)を白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.43(1H,br s),4.35(2H,s),7.16(6H,m),7.
26(9H,m),7.37(1H,s),7.68(1H,s).
調製例18 3−ヒドロキシメチル−1−(トリフェニルメチル)−1,2,4−トリアゾー ル
トリエチルアミン(1.13ml、8.08ミリモル)を、0℃で、乾燥ジク
ロロメタン(8ml)中の3−ヒドロキシメチル−1H−1,2,4−トリアゾ
ール[J Am Chem Soc,77,1538(1955)](400mg、4.04ミリモル)の懸
濁液に加えた。無水テトラヒドロフラン中の塩化トリチル(1.24g、4.4
4ミリモル)の溶液を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。混合物を、水(7
5ml)およびジクロロメタン(75ml)に分配した。有機層を乾燥し(Mg
SO4)、減圧下で濃縮して標記化合物(1.547g、>100%)を得、こ
れを精製することなく用いた。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.77(2H,s),7.13(6H,m),7.32(9H,m),7.95(
1H,s).
調製例19
3−(ヒドロキシメチル)−1−(トリフェニルメチル)ピラゾール
この化合物を、上記調製例18の方法を用い、3−(ヒドロキシメチル)−1
H−ピラゾール[J.Am.Chem.Soc,71,3996,(1949)]、塩化トリチルおよびト
リメチルアミンから調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチルで勾配溶出)により精製して白色固形物(1.428g、6
0%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.14(1H,t,J5Hz),4.67(2H,dd,J2および5H
z),6.22(1H,d,J2Hz),7.16(6H,m),7.30(10H,m).
m/z(サーモスプレー)341(MH+).
調製例20
N−(3−アミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2−
メトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
(a)1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−トリフルオロメチル ベンゼン
水(700ml)中の亜二チオン酸ナトリウム(51.0g、293ミリモル
)の溶液を、室温でメタノール(700ml)中の5−クロロ−4−トリフルオ
ロメチル−2−ニトロアニリン[Khim Geterotsikl Soedin,1136(1976)](23
.5g、97.7ミリモル)および重炭酸カリウム(51.0g)の攪拌混合物
に加えた。30分後、混合物を減圧下で濃縮し、残分を、ジクロロメタンおよび
水に分配した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して
オレンジ色の固形物(13.3g、65%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 3.37(2H,br s),3.70(2H,br s),6.78(1H,s)
,6.98(1H,s).
(b)1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−トリフルオロメチルキノキサリン− 2,3−ジオン
1,2−ジアミノ−4−クロロ−5−トリフルオロメチルベンゼン(13.4
g、63.6ミリモル)および蓚酸ジエチル(100ml)の混合物を、攪拌し
ながら窒素下で5時間還流加熱した。冷却後、形成した固形物を濾別し、エーテ
ルで十分洗浄して淡いオレンジ色の固形物(14.5g、86%)を得た。分析%
:測定値:C,40.93; H,1.35; N,10.43. C9H4ClF3N2O2から算定した理
論値:C,40.85; H,1.52; N,10.59%.
(c)1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−5−ニトロキ ノキサリン−2,3−ジオンおよび1,4−ジヒドロ−7−クロロ−6−トリフ ルオロメチル−5−ニトロキノキサリン−2,3−ジオン
1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−トリフルオロメチルキノキサリン−2,
3−ジオン(工程(b)から得た、14.06g、53.1ミリモル)を、0℃
で、攪拌発煙硝酸(100ml)に小分けして加えた。添加が終了した後、混合
物を30分にわたって20℃に温め、その結果できた溶液を氷冷水上に注ぎ、沈
殿した固形物を濾別し、水で洗浄し、乾燥して淡いオレンジ色の固形物(15.
06g、92%)を異性体の2:1の混合物として得た。 1H NMR
(300MHz,DMSO-d6)δ = 7.42(1Hマイナー,s),7.62(1Hメジャー,s),12
.33(1Hメジャー,1Hマイナー,br s),12.51(1Hメジャー,1Hマイナー,
br s).
(d)2,3,6−トリクロロ−7−トリフルオロメチル−5−ニトロキノキサ リンおよび2,3,7−トリクロロ−6−トリフルオロメチル−5−ニトロキノ キサリン
上記(c)から得たキノキサリンジオン(14.7g、47.5ミリモル)、
塩化チオニル(140ml)および乾燥ジメチルホルムアミド(1.4ml)の
混合物を30分間加熱還流し、冷まし、氷冷水に滴下した。形成した固形物を酢
酸エチル中に抽出し、溶液を、飽和水性重炭酸ナトリウムで1回および水で2回
洗浄した。溶液を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して黄色油状物質(17
.9g、100%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 8.33(1Hマイナー,s),8.58(1Hメジャー,s).
(e)6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2,3−ジメトキシ−5−ニトロ キノキサリンおよび7−クロロ−6−トリフルオロメチル−2,3−ジメトキシ −5−ニトロキノキサリン
水素化ナトリウム(0.95g、80%油分散液、31.7ミリモル)を、室
温で、無水メタノール(125ml)中の上記(d)から得たトリクロロキノキ
サリンの混合物(5.0g、14.4ミリモル)の攪拌溶液に小分けして加えた
。18時間後、混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、その結果できた固形物を
濾別し、水で洗浄し、乾燥して白色固形物(4.4g、90%)を異性体の2:
1の混合物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.10(3Hマイナー,s),4.15(3Hメジャー,s),4.
20(3Hメジャー,3Hマイナー,s),8.00(1Hマイナー,s),8.25(1Hメジャー,s)
.
(f)3−アミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2−メトキシ−5− ニトロキノキサリンおよび3−アミノ−7−クロロ−6−トリフルオロメチル− 2−メトキシ−5−ニトロキノキサリン
上記(e)から得たジメトキシキノキサリン異性体(0.5g、1.5ミリモ
ル)および飽和メタノール性アンモニア(7ml)の混合物を、100℃で4時
間密閉加圧容器内で加熱した。混合物を冷まし、水に注ぎ入れ、酢酸エチルで3
回抽
出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。同じ規模
で反応を繰り返し、粗生成物を合わせ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=3:1で溶出)により精製した。初めに溶出した化合物は、オ
フホワイトの固形物として得られた6−クロロ−7−トリフルオロメチル異性体
(590mg、61%)であった。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.08(3H,s),7.88(1H,br s),8.08(1H,s),8.
43(1H,br.,s).
二番目に溶出した化合物は、オフホワイトの固形物として得られた7−クロロ−
6−トリフルオロメチル異性体(205mg、21%)であった。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.12(3H,s),5.65(2H,br.,s),7.80(1H,s).
(g)3,5−ジアミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2−メトキシ キノキサリン
ヒドラジン水化物(0.34ml、7.0ミリモル)を、窒素下、還流で、懸
濁した炭素担持10%ルテニウム(55mg)を含有するエタノール(25ml
)中の3−アミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2−メトキシ−5−
ニトロキノキサリン(0.55g、1.7ミリモル)の攪拌溶液に加えた。20
分後、更なるヒドラジン水化物(0.17ml、3.4ミリモル)を加え、混合
物を30分間還流で攪拌し、次いで、室温で一晩静置した。混合物をArbocel濾
過助剤を介して濾過し、濾過ケーキをエタノールおよびジクロロメタンで洗浄し
た。濾液を減圧下で濃縮して標記化合物(0.50g、100%)をオフホワイ
トの固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.13(3H,s),5.08(2H,br s),5.30(2H,br s)
,7.47(1H,s).
(h)N−(3−アミノ−6−クロロ−7−トリフルオロメチル−2−メトキシ キノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミド
無水メタンスルホン酸(2.9g、16.6ミリモル)を、窒素下、室温で、
無水テトラヒドロフラン中の3,5−ジアミノ−6−クロロ−2−メトキシ−7
−トリフルオロメチルキノキサリン(0.48g、1.64ミリモル)およびピ
リジン
(1.34ml、16.6ミリモル)の攪拌溶液に加えた。18時間後、混合物
を減圧下で濃縮し、水で希釈し、生成物を酢酸エチル中に抽出した(3回)。合
わせた有機溶液を、2Mの塩酸、飽和水性重炭酸ナトリウムおよび飽和水性塩化
ナトリウムで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して黄色固形物(0
.9g)を得た。この物質を、50℃で2時間エタノール(20ml)中のエチ
ルアミンの25%溶液に懸濁した。混合物を、減圧下で濃縮し、酢酸エチルおよ
び2Mの塩酸に分配した。抽出液を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。
残分をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン、次いで、ジクロロメタ
ン/メタノール=99:1および最後にジクロロメタン/メタノール=98:2
で溶出)により精製した。生成物を含有する画分を減圧下で濃縮し、酢酸エチル
に溶解し、2Mの塩酸で抽出した。酸性溶液を飽和水性重炭酸ナトリウムの添加
により塩基性(pH8)にし、生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機溶液を、
乾燥し(MgSO4)、濃縮して標記化合物(0.25g、41%)を白色固形
物として得た。 1H NMR
(300MHZ,DMSO-d6)δ = 3.29(3H,s),4.07(3H,s),7.70(2H,br s),
7.90(1H,s),9.35(1H,s).
m/z(サーモスプレー)371(MH+).
調製例21
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
−N−(メトキシカルボニルメチル)−メタンスルホンアミド
無水炭酸カリウム(1.60g、11.2ミリモル)を、攪拌しながら、アセ
トン(70ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−メタンスルホンアミド(調製例3参照、3.0g、9.4ミリ
モル)の懸濁液に加えた。混合物を15分間還流加熱し、冷まし、ブロモ酢酸メ
チル(1.8ml、18.7ミリモル)を加えた。混合物を、次いで、2時間還
流加熱し、冷
まし、酢酸エチル(300ml)で希釈し、水(2x100ml)で洗浄した。
有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチルで勾配溶出)により精製して標記化合物を白
色固形物(3.177g、80%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 3.44(3H,s),3.71(3H,s),4.14(3H,s),4.20(
3H,s),4.37(1H,d,J18Hz),4.71(1H,d,J18Hz),7.95(1H,s).
m/z(サーモスプレー)424(MH+).
調製例22 N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−
[(6−メトキシピリジン−2−イル)メチル]−メタンスルホンアミド
この化合物を、ブロモ酢酸メチルの代わりに2−(ブロモメチル)−6−メト
キシピリジン[Synth commun,24,1367(1994)参照]を用い、上記調製例21の方
法により調製した。化合物を白色固形物(299mg、84%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 3.38(3H,s),3.68(3H,s),4.07(3H,s),4.15(
3H,s),4.85(1H,d,J14Hz),4.99(1H,d,J14Hz),6.58(1H,d,J8Hz),6.
73(1H,d,J7Hz),7.40(1H,dd,J8および7Hz),7.92(1H,s).
m/z(サーモスプレー)473(MH+).
調製例23 N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−
(1−メトキシカルボニルエチル)−メタンスルホンアミド
この化合物を、ブロモ酢酸メチルの代わりに2−ブロモプロパン酸メチルを用
い、上記調製例21の方法により調製した。生成物を2種のジアステレオマーの
混合物として得、これを、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ルで勾配溶出)により分離することができた。初めの異性体を白色固形物として
得た(1.456g、57%)(Rf.0.63、ヘキサン/酢酸エチル=1:
1)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.11(3H,d,J7Hz),3.36(3H,s),3.82(3H,s)
,4.15(3H,s),4.18(3H,s),5.10(1H,q,J7Hz),7.96(1H,s).m/z(サーモ
スプレー)438(MH+).
二番目の異性体を白色固形物として得た(0.75g、29%)(Rf.0.4
5、ヘキサン/酢酸エチル=1:1)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.26(3H,d,J7Hz),3.36(3H,s),3.61(3H,s)
,4.15(3H,s),4.21(3H,s),4.98(1H,q,J7Hz),7.97(1H,s).m/z(サーモ
スプレー)438(MH+).
調製例24 5−アミノ−7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリンおよ
び5−アミノ−6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン
(a)1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−フルオロキノキサリン−2,3−ジ
オン(WO94/00124、実施例17参照)(0.200g、0.93ミリ
モル)を、室温で発煙硝酸(密度、1.5g.cm-3、5ml)に小分けして加
えた。30分後、混合物を水(50ml)に加えた。その結果できた固形物を濾
別し、真空で乾燥して1,4−ジヒドロ−6−クロロ−7−フルオロ−5−ニト
ロキノキサリン−2,3−ジオンおよび1,4−ジヒドロ−7−クロロ−6−フ
ルオロ−5−ニトロキノキサリン−2,3−ジオン(0.095g、39%)の
6:1の混合物を淡いオレンジ色の固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,DMSO-d6)δ = 7.24(1Hメジャー,d,J10Hz),7.39(1Hマイナ
ー,d,J8Hz),12.17(1Hメジャー,1Hマイナー.br s),12.29(1Hメジャー,1H
マイナー,br s).
m/z(サーモスプレー)277,279(MNH4 +).
(b)上記(a)から得た中間物質の混合物を、調製例1(a)の方法により2
,3,6−トリクロロ−7−フロオロ−5−ニトロキノキサリンおよび2,3,
7−トリクロロ−6−フロオロ−5−ニトロキノキサリンの6:1の混合物に変
換した。生成物の混合物を淡黄色固形物(92%収率)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 7.90(1Hメジャー,d,J10Hz),8.28(1Hマイナー
,d,J8Hz).
(c)上記(b)から得た中間物質の混合物を、調製例1(b)の方法により5
−アミノ−2,3,6−トリクロロ−7−フロオロキノキサリンおよび5−アミ
ノ−2,3,7−トリクロロ−6−フロオロキノキサリンの6:1の混合物に変
換した。生成物の混合物を黄色固形物(100%収率)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.92(2Hマイナー,br s),5.45(2Hメジャー,br
s),7.08(1Hメジャー,d,J10Hz),7.38(1Hマイナーd,J8Hz).m/z(サーモス
プレー)267(MH+).
(d)上記(c)から得た中間物質の混合物を、調製例1(c)の方法により5
−アミノ−6−クロロ−7−フロオロ−2,3−ジメトキシキノキサリンおよび
5−アミノ−7−クロロ−6−フロオロ−2,3−ジメトキシキノキサリンの混
合物に変換した。生成物の混合物を、フラッシュクロマトグラフィー(トルエン
で溶出)
により分離して5−アミノ−6−クロロ−7−フロオロ−2,3−ジメトキシキ
ノキサリンを融点199−200℃の白色固形物(27%収率)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.15(6H,s),5.04(2H,br s),6.90(1H,d,J1
0Hz).
m/z(サーモスプレー)258,260(MH+).
5−アミノ−7−クロロ−6−フロオロ−2,3−ジメトキシキノキサリンを
融点198−199℃の白色固形物(6%収率)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.14(3H,s),4.18(3H,s),4.62(2H,br s),7.
40(1H,d,J8Hz).
m/z(サーモスプレー)258,260(MH+).
調製例25 N−(7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル
)メタンスルホンアミド
無水メタンスルホン酸(0.55g、3.16ミリモル)およびピリジン(2
55μl、3.15ミリモル)を、窒素下、室温で、ジクロロメタン(15ml
)中の5−アミノ−7−クロロ−6−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン(調製例24参照)(0.274g、1.06ミリモル)の攪拌懸濁液に加え
た。混合物を、室温で一晩攪拌し、濃縮乾固し、テトラヒドロフラン(30ml
)に懸濁した。反応混合物を、氷冷しながら1Mの水酸化ナトリウム(5.3m
l、5.3ミリモル)で処理し、続いて5℃で1.5時間攪拌した。反応混合物
を、2Mの塩酸でpH2に酸性にし、濃縮し、水およびジクロロメタンに分配し
た。層を分離し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機物を乾燥
し(MgSO4)、濃縮して淡黄色固形物を得た。THF(30ml)に懸濁し
、5℃で1Mの水酸化ナトリウム(5.3ml、5.3ミリモル)で処理し、続
いて室温で2時間攪拌した。
反応混合物を、2Mの塩酸でpH2に酸性にし、少容量に濃縮し、水で希釈し、
濾過した。濾液を、水および冷ジエチルエーテルで洗浄して融点227−228
℃の白色固形物(0.32g、90%)を得た。 1H NMR
(300MHz,DMSO-d6)δ = 3.12(3H,s),4.04(3H,s),4.12(3H,s),7.9
0(1H,d,J8Hz),9.50(1H,s).
m/z(サーモスプレー)336,338(MH+).
調製例26 N−(6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル
)メタンスルホンアミド
5−アミノ−6−クロロ−7−フルオロ−2,3−ジメトキシキノキサリン(
調製例24参照)を、調製例25の方法によりN−(6−クロロ−7−フルオロ
−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)メタンスルホンアミドに変換し
た。生成物を白色固形物(30%収率)として得た。 1H NMR
(300MHz,DMSO-d6)δ = 3.16(3H,s),4.04(3H,s),4.12(3H,s),7.7
2(1H,d,J10Hz),9.60(1H,s).
m/z(サーモスプレー)336,338(MH+).
調製例27 N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−
(2−アミノエチル)メタンスルホンアミド
(a)N−(2−ブロモエチル)フタルイミド(1.73g、6.81ミリモ
ル)を、アセトン(100ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメト
キシ−キノキサリン−5−イル)−メタンスルホンアミド(調製例3、2.00
g、5.68ミリモル)および炭酸カリウム(1.88g、13.63ミリモル
)の還流混合物に窒素下で加えた。48時間後、更なるN−(2−ブロモエチル
)フタルイミド(1.73g、6.81ミリモル)を加え、還流を18時間継続
した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮し、残分をジクロロメタンに溶解した。そ
の結果できた溶液を1Nの水酸化ナトリウム溶液、水および食塩水で2回洗浄し
、次いで、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチルで溶出)により精製してN−(6,7−ジ
クロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)−N−(2−フタルイミ
ドエチル)メタンスルホンアミドを淡黄色固形物(2.55g、85%)として
得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 3.25(3H,s),3.64(2H,t,J8Hz),3.90 -4.02(
2H,m),4.12(3H,s),4.17(3H,s),7.65 - 7.80(3H,m),7.82 -7.92(2H,m)
.
m/z(サーモスプレー)525(MH+).
(b)IMS(工業用メチル化酒精)中のメチルアミンの33%溶液(1.77
ml、19.03ミリモル)を、ゴムの隔膜を取り付けた窒素充填フラスコ内の
ジクロロメタン(38ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシ
キノキサリン−5−イル)−N−(2−フタルイミドエチル)メタンスルホンア
ミド(2.00g、3.81ミリモル)の攪拌溶液に加えた。混合物を72時間
攪拌し、次いで、更にIMS中の33%メチルアミン溶液(1.77ml、19
.03ミリモル)を加えた。混合物を18時間攪拌し、次いで、減圧下で濃縮し
た。残分をジクロロメタンに溶解し、10%水性クエン酸で2回抽出した。有機
相を減圧下で濃縮してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリ
ン−5−イル)−N−(N′−([2−メチルアミノカルボニル]ベンゾイル)
アミノエチル)メタンスルホンアミドを固形物(996mg、49%)として得
た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.92(3H,d,J5Hz),3.20(3H,s),3.45 -3.62(
2H,m),3.97(3H,s),3.98 - 4.10(2H,m),4.13(3H,s),6.60(1H,br d),7.
44(1H,m),7.60(1H,m),7.72(1H,m),7.83(1H,m),7.95(1H,s).
m/z(サーモスプレー)556(MH+).
(c)ヒドラジン水化物(26μl、26mg、0.531ミリモル)を、ジク
ロロメタン(5ml)中のN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキ
サリン−5−イル)−N−(N′−([2−メチルアミノカルボニル]ベンゾイ
ル)アミノエチル)メタンスルホンアミド(283mg、0.531ミリモル)
の溶液に滴下し、混合物を4時間還流した。メタノール(1ml)を加え、還流
を18時間継続した。冷却後、混合物を減圧下で濃縮した。残分を酢酸エチルに
溶解し、10%クエン酸で抽出した。水層を固形炭酸カリウムでpH8に調整し
、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、減
圧下で濃縮してN−(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5
−イル)−N−(2−アミノエチル)メタンスルホンアミドを淡黄色固形物(1
38mg、66%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.70 - 2.88(2H,m),3.11(3H,s),3.79(2H,t
,J8Hz),4.17(3H,s),4.20(3H,s),7.95(1H,s).
m/z(サーモスプレー)395(MH+).
調製例28
5−ブロモメチル−6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン
(a)乾燥テトラヒドロフラン(400ml)中の2,4,5−トリクロロニト
ロベンゼン(Jpn.Kokai Tokyo Koho JP 81,169,651(1980),Chem.Abstr.1981
,96,162307q)(103g、0.46モル)およびクロロ酢酸t−ブチル(79
ml、0.55モル)の溶液を、−40℃の温度を維持しながら窒素下で、乾燥
テトラヒドロフラン(800ml)中のカリウムt−ブトキシド(128g、1
.14モル)の溶液に攪拌しながら30分にわたって滴下した。添加が完了した
後、その結果できた暗青色溶液を更に30分間攪拌した。混合物を0.5Mの塩
酸(2L)に注ぎ入れ、生成物を酢酸エチル(2.5Lおよび1L)中に抽出し
た。合わせた有機溶液を乾燥し(MgSO4)、シリカゲル(70−200m、
200g)上に蒸着させた。このシリカゲルをシリカゲルクロマトグラフィーカ
ラム(800g)の一番上に供し、生成物を、ヘキサン/酢酸エチル勾配を用い
て溶出した。生成物含有画分を合わせ、蒸発させて黄色固形物を得、これをヘキ
サンでこねて2−ニトロ−3,5,
6−トリクロロフェニル酢酸t−ブチル(91.8g、59%)を白色固形物と
して得た。
測定値:C,42.32; H,3.50; N,4.03 C12H12Cl3NO4から算定した理論値:C,4
2.32; H,3.55; N,4.11%. 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.42(9H,s),3.73(2H,s),7.60(1H,s)m/z(サ
ーモスプレー)357(MNH4 +).
(b)2−メトキシエタノール(360ml)中の2−ニトロ−3,5,6−ト
リクロロフェニル酢酸t−ブチル(工程(a)から得た、123g、0.361
モル)および飽和アンモニア水(300ml)の混合物を、オートクレーブ内で
150℃で72時間加熱した。その結果できた粘稠な黒色混合物を、水(1L)
および酢酸エチル(1L)で希釈し、Arbocel濾過助剤を介して濾過した。暗赤
色濾液を分離し、水層を酢酸エチル(2x1L)で抽出した。合わせた有機溶液
を食塩水(1L)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、シリカゲル(70−200
m、200g)上に蒸着させた。このシリカゲルを、シリカゲル(40−60m
、800g)を充填したクロマトグラフィーカラムの一番上に供した。ヘキサン
/酢酸エチル(98:2−92:8)を用いた溶出により、5−アミノ−3,6
−ジクロロ−2−ニトロトルエン(14%)が混ざった3−アミノ−5,6−ジ
クロロ−2−ニトロトルエン(Eur.Pat.385,850)を鮮やかなオ
レンジ色の固形物(39.7g)として得た。この混合物を更に精製することな
く次の工程に用いた。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.48(3H,s),4.80(2H,s),6.82(1H,s).
(c)水(1L)中の亜二チオン酸ナトリウム(94g、0.54モル)溶液を
、メタノール(1L)中の3−アミノ−5,6−ジクロロ−2−ニトロトルエン
(工程(b)から得た、39.7g、0.18モル)および重炭酸カリウム(9
4g、0.94ミリモル)の攪拌混合物に室温で加えた。30分後、混合物を減
圧下で濃縮し、その結果できた懸濁液を酢酸エチルで抽出した(合計700ml
)。抽出物を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して2,3−ジアミノ−5,
6−ジクロロトルエン(26.1g、2工程にわたり38%)を褐色固形物とし
て得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.28(3H,s),3.36(2H,br s),3.42(2H,br s)
,6.72(1H,s).
(d)塩酸(4M、900ml)中の2,3−ジアミノ−5,6−ジクロロトル
エン(工程(c)から得た、21.6g、0.137モル)および蓚酸(18.
45g、0.206モル)の混合物を6時間還流加熱し、冷まし、濾過した。暗
褐色固形物をジエチルエーテルに懸濁し、濾過し、更なるエーテルで洗浄して6
,7−ジクロロ−5−メチル−キノキサリン−2,3−ジオン(22.06g、
66%)を得た。 1H NMR
(300MHz,DMSO)δ = 2.40(3H,s),7.14(1H,s),11.37(1H,s),11.94(1
H,s).
(e)6,7−ジクロロ−5−メチルキノキサリン−2,3−ジオン(工程(d
)から得た、22.06、90ミリモル)、塩化チオニル(300ml)および
ジメチルホルムアミド(1ml)の混合物を3時間還流加熱し、冷まし、氷冷水
に徐々に注ぎ入れた。その結果できた暗黄色沈殿物を濾別して5−メチル−2,
3,6,7−テトラクロロキノキサリン(24.42g、96%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.85(3H,s),8.02(1H,s).
(f)ナトリウムメトキシド(38ml、メタノール中の25%溶液、175ミ
リモル)の溶液を、20℃で、乾燥テトラヒドロフラン(200ml)中の5−
メチル−2,3,6,7−テトラクロロキノキサリン(工程(e)から得た、2
1g、74ミリモル)の溶液に10分にわたって加えた。穏やかな発熱反応に続
いて沈殿を形成した。1時間後、混合物を酢酸エチル(3L)で希釈し、水(1
L)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して6,7−ジクロロ−2
,3−ジメトキシ−5−メチルキノキサリン(20.3g、100%)を得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.75(3H,s),4.15(3H,s),4.18(3H,s),7.78(
1H,s).
m/z(サーモスプレー)273(MH+).
(g)6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシ−5−メチルキノキサリン(工程
(f)から得た、22.0g、80.5ミリモル)、N−ブロモスクシンイミド
(17.2g、96.6ミリモル)およびα、α−アゾイソブチロニトリル(1
.3g、8.0ミリモル)の混合物を、1,1,1−トリクロロエタン(400
ml)中で、500Wの太陽灯照射下で4時間還流加熱した。混合物を冷まし、
シリ
カゲル(50g、60−230m)を加え、溶媒を減圧下で除去した。残分を、
シリカゲルクロマトグラフィーカラムの一番上に供し、ヘキサン/酢酸エチル勾
配を用いて生成物を溶出した。生成物をヘキサンでこねて5−ブロモメチル−6
,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン(25.3g、87%)をふ
わふわした白色固形物として得た。測定値:C,37.72; H,2.40; N,7.40; C11
H9BrCl2N2O2から算定した理論値:C,37.53; H,2.58; N,7.96%. 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.15(3H,s),4.22(3H,s),5.20(2H,s),7.89(
1H,s).
調製例29
(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
メチル メチル スルホン
(a)メタンチオール酸ナトリウム(22mg、0.312ミリモル)を、窒素
下、室温で、乾燥ジメチルホルムアミド(5ml)中の5−ブロモメチル−6,
7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン(調製例28参照)(100m
g、0.284ミリモル)の攪拌溶液に加えた。混合物を10分間攪拌し、次い
で、食塩水で反応停止し、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた抽出物を乾
燥し(MgS
O4)、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキ
サン:ジクロロメタンで溶出)により精製して6,7−ジクロロ−2,3−ジメ
トキシ−5−メチルチオメチルキノキサリン(79mg、87%)を融点143
−5℃の白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.10(3H,s),4.12(3H,s),4.15(3H,s),4.39(
2H,s),7.81(1H,s).
m/z(サーモスプレー)319(MH+).
(b)3−クロロ過安息香酸(50%、1.904g、5.52ミリモル)を、
窒素下、室温で、乾燥ジクロロメタン(30ml)中の6,7−ジクロロ−2,
3−ジメトキシ−5−メチルチオメチルキノキサリン(工程(a)から得た、8
00mg、2.51ミリモル)の攪拌溶液に小分けして加えた。混合物を30分
間攪拌し、次いで、10%亜硫酸ナトリウム水溶液で反応停止し、有機層を分離
した。ジクロロメタン溶液を10%炭酸カリウム水溶液で洗浄し、乾燥し(Mg
SO4)、減圧下で濃縮して(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシ−キノキ
サリン−5−イル)メチルメチルスルホン(980mg、>100%いくらかの
ジクロロメタンを含有)を融点161−3℃の白色固形物として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 2.92(3H,s),4.13(3H,s),4.19(3H,s),5.16(
2H,s),7.94(1H,s).
m/z(サーモスプレー)351(MH+).
調製例30
(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
メチル エチル スルホン
標記化合物を、エタンチオール酸ナトリウムを用い調製例29(a)および(
b)の方法により調製例28の化合物から調製し、融点150−2℃のオフホワ
イトの固形物(2工程で31%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 1.43(3H,t,J8Hz),3.08(2H,q,J8Hz),4.16
(3H,s),4.21(3H,s),5.14(2H,s),7.96(1H,s).
m/z(サーモスプレー)365(MH+).
調製例31
(6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン−5−イル)
メチル ベンジル スルホン
(a)炭酸カリウム(108mg、0.781ミリモル)続いてベンジルメルカ
プタン(92μl、97mg、0.781ミリモル)を、窒素下、室温で、乾燥
ジメチルホルムアミド(10ml)中の5−ブロモメチル−6,7−ジクロロ−
2,3−メトキシキノキサリン(調製例28)(250mg、0.71ミリモル
)の攪拌溶液に加えた。混合物を30分間攪拌し、次いで、食塩水および酢酸エ
チルに分配した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた
抽出物を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残分をフラッシュクロマト
グラフィー(3:1次いで2:1のヘキサン:ジクロロメタンで溶出)により精
製して5−ベンジルチオメチル−6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキ
サリン(268mg、96%)を融点121−122℃の白色固形物として得た
。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 3.86(2H,s),4.00(3H,s),4.14(3H,s),4.43(
2H,s),7.25(5H,m),7.80(1H,s).
m/z(サーモスプレー)395(MH+).
(b)標記化合物を、調製例29(b)の方法により5−ベンジルチオメチル−
6,7−ジクロロ−2,3−ジメトキシキノキサリン(工程(a))から調製し
、融点185−7℃の白色固形物(93%)として得た。 1H NMR
(300MHz,CDCl3)δ = 4.03(3H,s),4.12(3H,s),4.35(2H,s),5.12(2H
,s),7.40(5H,m),7.93(1H,s).
m/z(サーモスプレー)427(MH+).
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(72)発明者 ストビエ,アラン
イギリス国ケント州サンドウィッチ ラム
ズゲイト・ロード(番地なし) ファイザ
ー・セントラル・リサーチ内