JPH09511405A - レトロウイルスベクターハイブリッド及びその遺伝子転移のための使用 - Google Patents

レトロウイルスベクターハイブリッド及びその遺伝子転移のための使用

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JPH09511405A JP8509149A JP50914996A JPH09511405A JP H09511405 A JPH09511405 A JP H09511405A JP 8509149 A JP8509149 A JP 8509149A JP 50914996 A JP50914996 A JP 50914996A JP H09511405 A JPH09511405 A JP H09511405A
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Abstract

(57)【要約】 a)リーダー領域内にU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてMESVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、b)3′-LTRにおけるU3及びR領域としてフレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのU3及びR領域を含むことを特徴とし、造血幹細胞における効果的な遺伝子転移に特に適した複製欠損レトロウイルスベクターハイブリッド。

Description

【発明の詳細な説明】 レトロウイルスベクターハイブリッド及びその遺伝子転移のための使用 本発明は、レトロウイルスベクターハイブリッド、及びその遺伝子転移、特に 造血幹細胞(ES)内への遺伝子転移のための使用に関する。 複製欠損を伴うレトロウイルスベクターは、ヒト血液形成系の細胞への遺伝子 転移及び遺伝子療法の適用において、現在標準となっている(A.D.Miller(1992) (1),R.C.Mulligan(1993)(2),R.Vile and S.J.Russel.(1994)(3))。それらの主 な利点は: −その感染が、それにより転移されたベクター及びDNA配列の、分裂活性細胞の 宿主ゲノム内への安定な一体化を導くこと −その宿主ゲノム内への一体化の数が感染条件により制御され得ること −レトロウイルス遺伝子転移の安全な態様が十分に調査されており;ヒトへの多 数の適用において合併症はほとんどおきていないことである。 レトロウイルスベクターの最もよく言われる利点であるそれらの高遺伝子転移 能は、血液形成系への適用に部分的にのみ適用される。遅く成熟した血液形成前 駆細胞のみに、好ましくは、Molonyネズミ肉腫ウイルス(MoMuSV)に基づく慣用 的ベクターが感染する;これらのベクターが感染した前駆体細胞の30〜95%は、 最初のサイレンシング(Silencing)機構(4)のため転移した遺伝子を発現しな いか又は不適当な発現を示す;更に、生体内での長い滞留期間の後、レトロウイ ルスにより制御される遺伝子発現は、第2のサイレンシ ングのため機能しないところまで最初に発現する細胞の高割合において弱められ る(Palmer et al.(1991)(5),Brenner et al.(1993)(6))。 胚の癌細胞(造血幹細胞の骨髄(非リンパ)誘導体)のような胚細胞において 、ウイルスは実際に一体化されるが、その一体化されたプロウイルスの発現は阻 止されることが示されている。 MoMuSVの変異体及び誘導体は、Stocking et al.(1993)(21)から周知であり、 それはこのような細胞においてレトロウイルス遺伝子発現を改良するのに用いら れ得る。このようなハイブリッドはLTRにおいて、特にU3領域における点変異 により得られる。例えば、ECF-1レプレッサーの結合はMoMuLVの−345における点 変異により削減され得る。SP-1のための結合部位を形成する点変異(例えば−16 6における点変異(S.Mcknight and R.Tijan(1986)(16)))が同じように有利であ る。LTR領域の外側に変異を導入することも更に有利である。5′-LTRの直接の 下流に隣接する18bp領域が反対制御因子(NRE;サイレンサー(silencer)結合因 子)であることが示されている。この因子における点変異はレトロウイルスの転 写が改良されることを可能にする(ネズミ胚幹細胞ウイルス、MESV;M.Grez et al.(1990)(22))。 本発明の目的は、特に造血幹細胞及びその骨髄(非リンパ)誘導体においてレ トロウイルス遺伝子発現を更に改良するために用いられ得るレトロウイルスベク ターハイブリッドを提供することである。 本発明は、 a)U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位として、リーダーペプチド内 にMESV及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位を含み、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としてフレンド(Friend)ネズミ白血病ウイ ルス(F-MuLV)からのU3及びR領域を含む ことを特徴とするレトロウイルスベクターハイブリッドに関する。 本発明に従うベクターハイブリッドは、好ましくは、リーダー領域としてMESV のリーダー領域を含む。本発明の更なる実施形態において、U5領域及び/又は 好ましくはtRNAプライマー結合部位もMoMuSV由来である。 本発明に従うベクターハイブリッドは、好ましくは、3′-LTRとしてフレンド ネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのLTRも含み、これによりMoMuLV及びMESV からのU3及びR領域に加えてF-MuLVからのU5領域も含む。 ベクターハイブリッドは、複製欠損及び複製能をもつものであり得る。 複製欠損ベクターは、レトロウイルス遺伝子機能(gag,env,pol)を含まず、 それにより独立してウイルス粒子を形成することができないベクターとして理解 される。しかしながら、ベクターは、パッケージング機能(psi)を通常含む、感 染性レトロウイルス粒子を形成するために、遺伝子機能gag,env及びpolを(エ ピソームとして又はゲノム内に一体化された)安定な形態において含むパッケー ジング細胞系は、本発明に従う複製欠損DNAベクターが移入される。gag及びenv 機能のためウイルス粒子内にパッケージされたRNA転写物が形成される。これら のウイルス粒子は、それらの中に含まれるRNAゲノムがレトロウイルス遺伝子機 能を有さないため複製欠損である。 複製することができるレトロウイルスベクターハイブリッドは、遺伝子領域ga g,pol及びenvを含む。これらの遺伝子領域は、いずれかの要求されるレトロウ イルスから得られる。唯一env領域の選 択のみが感染する細胞に依存する。しかしながら、このような方法は、当業者に 周知である。この様に、複製することができるエコトロピック、ゼノトロピック 、アンホトロピック又はデュアルトロピックウイルスを作ることができる。 これ及びベクターウイルス粒子及びヘルパー細胞の作製に基づく更なる詳細は M.Kriegler,Gene Ttansfer and Expression,A Laboratory Manual,W.H.Freem an & Co.,New York(1990),47〜55及び161〜164(31)に記載される。この出版物 は、本適用の開示の目的物である。 本発明の要旨内のサイレンサー蛋白質は、例えば造血幹細胞からの細胞の(例 えば変異細胞由来の)核蛋白質であって、好ましくは5′-LTR直後であるMoMuLV 及びMoMuSVの最初の450bp、好ましくは最初の18bpに結合し、プロウイルスのシ ス制御との相互作用によりレトロウイルスの転写を阻害するものとして理解され る。 MESVのリーダー領域は、短い直接の末端の繰返し(R)、U5領域及びtRNAプ ライマー結合部位を含むMESVの5′-LTRに直ちに隣接する配列並びにパッケージ ング領域(Ψ)からの配列の合計として理解される。最大において、リーダーペ プチドは、Rから翻訳開始までをウイルス内に含む完全な配列からなり得る。し かしながら、Rに加えて端を切りとったリーダー領域を用いることが好ましく、 U5は好ましくは5′-LTR領域の端の下流の約最初の450塩基からなる。U5領 域及びtRNAプライマー結合部位がMESVから排他的又は主要な程度まで得られ、リ ーダー配列の他の部分がMoMuLV又はMoMuSVから得られることも好ましい。適切な MESV領域は、図(図1〜5)のKpnI(約550)〜BalI(約729)に示される。 MESVのリーダー領域は、サイレンサー蛋白質の結合を削減又は防止する点変異 が挿入されたMoMuLV又はMoMuSVのリーダー領域(MoMu LV及びPCMVのU3、U5及びRの配列、(22)及び(23)を参照のこと)に相当 する。MoMuLV及びPCMVと比較して、MESVのリーダー領域は5′-LTRに直接隣接す る18bp領域内に5つの点変異を含む(C.Stocking et al.(1993)(21))。これは 、感染した細胞からの核蛋白質の阻害結合能を激的に削減し、ベクターハイブリ ッド中に含まれる遺伝子の発現を相当に改良する(R.Petersen et al.,Mol.Cel l.Biol.11(1991)1213〜1221(8))。これらの点変異のかわりに、(好ましく は5′-LTR領域の端から下流の最初の450塩基内、特に好ましくは18bp領域内の )リーダー領域内の他の(少くとも1つの)点変異も、例えばリーダー領域への サイレンサー蛋白質の阻害的結合を削減又は防止するのに適している。これによ り、先に言及される配列番号:1に記載される配列に加えて、本発明の要旨内の MESVのリーダー領域も配列番号:1のこのセクションに本質的に対応する配列と しても理解され、tRNA結合部位及びpsi機能を含み、そして移入のために選択さ れた細胞からのサイレンサー蛋白質の阻害的結合が削減又は防止される様に点変 異により修飾される。 点変異がリーダー領域へのサイレンサー蛋白質の結合を防ぐのに適するか否か を確認するために、LTR、検査されるべきリーダー領域及び好ましくはCAT遺伝子 であるインジケーター遺伝子を含むプラスミドを作製することが普通である。検 査されるべき細胞にこのプラスミドを移入させ、CAT活性は、好ましくは48時間 後に決定される(過渡的移入)。CAT活性が明らかにあるなら、その点変異はこ れらの細胞におけるサイレンサー蛋白質の結合を防ぐのに適している(P.Artelt et al.(1991)(32))。 過渡的移入実験は、シス制御配列が特に初期の多能性骨髄細胞において遺伝子 発現に阻害効果を与える(初期のサイレンシング)MoMuSVのリーダー配列内に位 置する。ネズミ胚幹細胞ウイルス(MESV (22))のリーダー配列によるこの領域の置換は、骨髄幹細胞における阻害効果を 完全に止める。MESVのリーダー配列は内因性マウスレトロウイルスdl-587rev(23 )から初めに得られ、胚幹細胞に見られるMoMuSVリーダーのサイレンシングを止 めるためにMESV内に導入された(22)。5′-LTRの3′に直ちに位置したレトロ ウイルスのプライマー結合部位(PBS)の変異は、サイレンシングを止めるために 決定的である。 F-MuLV群のレトロウイルスは当業者に周知であり、例えばD.Linnemeyer et al .(1981)(7),J.Friel et al.(1990)(9),S.P.Clark and T.W.Mak(1982)(10), L,Wolff et al.(1985)(11),R.K.Bestwick et al.(1984)(12),W.Koch et al .(1984)(13)及びA.Adachi et al.(1984)(14)に記載される。考察はW.Ostertag et al.(1987)(15)に与えられる。悪性組織肉腫ウイルス(MHSV)(9)、SFFVp Lil ly-Steeves(10)、SFFVa(11)、Rauscher SFFV(12)、F-MuLV c157(13)及びフレン ドミンク細胞病巣形成ウイルス(F-MCFV FrNx(14)、F-MCFV pFM548(13))が好ま しくは用いられる。 本発明によれば、ゲノムベクターRNAの配列はU3領域内の先に記載のフレン ドウイルス科の3′-LTR領域に高範囲の配列相同性を有する3′-LTR配列として 適する。SFFVpのLTR配列は、配列番号:1(ヌクレオチド1707〜2283)に記載さ れる。 本発明に従う利点は、ヒト及びマウスの多数の代表的細胞系におけるレポータ ー遺伝子構成物の過度的移入において示される。驚くことに、MESVのリーダー配 列(好ましくはtRNA結合部位)と組み合わせられたフレンドネズミ白血病ウイル ス(F-MuLV)のマウスレトロウイルスのU3配列が骨髄幹細胞及び前駆体細胞に おける特に有効な遺伝子発現を可能にすることが判明した。本発明に従うベクタ ーハイブリッドでの遺伝子発現の増加はMoMuSVと比較して10倍超で ある。これは、顆粒球、マクロファージ及び赤血球の比較的遅い前駆体細体並び に早期の多能性前駆体及び骨髄システムの幹細胞でさえも適用される。本発明に 従うベクターハイブリッドは特にMoMuSV-LTRが最初のサイレンシングの促進を示 す未成熟の多能性骨髄細胞の場合、有効な遺伝子発現を可能にする。その活性は リンパ系及び繊維芽細胞においても高い。 そのLTR配列が配列番号:1(bp2654〜3230)に記載される赤血球増加症誘導 性脾臓病巣形成ウイルスSFFVp(7))、及び悪性組織肉腫ウイルス(MHSV(9)、LTR 配列番号:4、bp1707〜2324)が特に好ましい。これらのウイルスのU3領域に おいて、SFFVp Lilly-Steeves(10)、SFFVa(11)、Rauscher SFFV(12)、F-MuLV c1 57(13)及びフレンド−ミンク細胞病巣形成ウイルス(F-MCFV FrNx(14)、F-MCFV pFM548(13))のようなフレンドウイルス科の他の代表的ウイルスに対して高範囲 の配列相同性がある。これら及び類似したフレンド関連レイトロウイルスは、U 3領域の配列相同性のためSFFVp及びMHSVと類似した発現パターンを有する。 U3のエンハンサー領域(転写開始の5′側上の340〜140ヌクレオチド(10))に おける変異は、本発明に従うベクターによる骨髄幹細胞及び前駆体細胞において 、遺伝子発現のMoMuSVと比較して大きく増加することが特に有利である。(F-MC FV FrNxに類似した)SFFVp及びMHSVにおけるいわゆる直接的繰返し因子の部分的 複製が、重要なものである。骨髄細胞において効果的な遺伝子発現を導く転写因 子のための結合部位がここに位置し得る。 SFFVp及びMHSV並びにフレンドMCFVは、直接的繰返しの5′に直接転写因子Sp I(16)のための結合部位を有する。SpIは遺伝子発現においてかなりの増加を 通常導く周りの転写因子と多重に相互作用することができる。MoMuSV誘導体骨髄 増殖性肉腫ウイルス(MPSV (17),(18))及びPCC4-細胞通過MPSV(PCMV(19))の場合、U3領域におけるSpI 結合部位の存在も、胚幹細胞(20)及びおそらく血液幹細胞(21)もMoMuSV-LTR のサイレンシングの停止のために必要である。SFFVp、MHSV及びフレンド−MCFウ イルスのSpI結合部位も同様の機能を有する。 本発明の更なる実施形態において、レトロウイルスベクターハイブリッドは3 ′-LTRにおけるU3及びR領域としてMPSVからのU3及びR領域を含む。MPSVは LTR(21)において点変異によりMoMuSV及びMoMuLVから異なる。この場合、A(-38 1)は削除され、次の置換:C→T,−345;T→A,−326;T→A;−249及び A→C,−166が行われる((21)に従う番号)。この場合、レトロウイルスベク ターハイブリッドは、U5領域及びtRNAプライマー結合部位としてリーダー領域 内にU5領域及びMESVのtRNAプライマー結合部位を含む。(以下MPEVとも呼 ばれる)このようなMPSV/MESVハイブリッドベクターはMoMuLVに基づくベクター と比較してかなりの利点を有し、体の遺伝子療法において多くの適用のために大 きな重要性があることが判明した。 いずれかの要求されるU3及びR領域が5′-LTRにおいて用いられ得る。それ は、ウイルスの一体化の後、3′-LTRからのU3は、レトロウイルスの生活環の 完了後の5′-LTR位置においても標的細胞内に複製され、遺伝子発現をおこすか らである。U3及びR領域は例えばMPSV,PCMV及びMESVのような例えばMoMuLV又 はMoMuSV誘導体から得られる。F-MuLVからの5′-LTRも5′-LTRとして適してい る。 本発明に従うベクターハイブリッドは、骨髄幹細胞及び前駆体細胞のレトロウ イルスのトランスダクションの後に高い組織特異的発現を示す。それゆえ、これ らのベクターは、MoMuSVベクターと比較 して骨髄幹細胞及び前駆体細胞において遺伝子転移効果をかなり増加させる可能 性がある。本発明に従うベクターは、MoMuSVベクターより骨髄細胞においてサイ レンシング過程がかなり少い可能性を更に有する。骨髄細胞におけるこれらのベ クターの高くかつ可能なだけ規則正しく持続的な遺伝子発現が、ヒトの血液形成 系への多くの遺伝子転移プロトコルの成功的適用のための基礎を形成し得る。実 施例に記載される構成物は、ベクターにより転移されたcDNAは他の遺伝子により 異なることなく置換され得る様に作製される。 発現の組織特異性は、慣用的なMoMuSVベクターの場合に観察される骨髄系にお ける最初のサイレンシングを止めるのに適切である。これは骨髄細胞における機 能的遺伝子転移比率においてかなりの増加を導く。高い機能的遺伝子転移比率は 、骨髄系へのほとんどの遺伝子転移/遺伝子療法の適用において要求されるので 、これは本発明に従う構成物の一般的に利用できる利点である。 フレンドウイルス関連U3領域は、生体内遺伝子発現の持続性のためにマウス の骨髄系においても選択される。第2のサイレンシングはMoMuSVベクターでより もかなり低い程度にこれらのベクターでおこった。MESV配列のための置換による 阻害的リーダー配列の排除は、この点における更なる利点の1つである。これは 、レトロウイルスにより転移される配列の持続的(可能なら生きている間の)発 現が骨髄系(遺伝子マーカー研究、代謝欠損の相関関係)において要求される全 ての遺伝子転移/遺伝子療法の適用のために重要なものである。 この目的のために本発明に従うベクターハイブリッドは、ウイルスと異種であ る少くとも1つの遺伝子を含み、真核生物細胞において発現され得る。このよう な遺伝子は、例えば多重薬物耐性遺伝子(MDR遺伝子)、neoR遺伝子のような抗生 物質耐性遺伝子、LNGFR 遺伝子、セレブロシダーゼ遺伝子又は単純ヘルペスTK遺伝子である。好ましい実 施形態において、いくつか及び好ましくは2又は3の異種遺伝子もベクターハイ ブリッド内に含まれる。これらの分離した遺伝子の発現を可能にするために、第 2又は第3の遺伝子の前にプロモーター、(好ましくはSF7Vpからの)サイレン シング部位又は内部リボソームエントリー部位(好ましくはポリオウイルスから のIRES(I.R.Ghattas et al.(1991)(26))を挿入することが好都合である。 フィブロブラストイドパッケージング細胞系における高ウイルスタイターの産 生は、骨髄細胞において遺伝子転移のために用いられることが意図されるレトロ ウイルスベクターのための更に重要な要求である。以下に列記される全ての構成 物の例の場合において、繊維芽細胞のレトロウイルスパッケージング細胞系おけ るフレンド関連U3領域の活性は、細胞培養上清のml当り105〜106ベクター転移 レトロウイルス粒子の要求されるタイターを産生するのに適する。 従って、本発明の目的物は、活性な外来遺伝子を含むレトロウイルスで形質導 入された真核細胞の産生のための方法であって、前記真核細胞が、そのゲノムが 、 a)リーダー領域としてのMESV又はMoMuSVのリーダー領域と、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス(F- MuLV)からのU3及びR領域と、 c)前記外来遺伝子と、 を含む複製欠損したレトロウイルスベクターウイルスで形質導入されることを特 徴とする方法でもある。 F-MuLVからのLTRは、好ましくは3′-LTRとして用いられ、そのうえ前記U3 及びR領域を含む。 本発明の更なる目的物は、そのゲノムが a)リーダー領域としてMESV及び/又はMoMuSVのリーダー領域と、 b)3′-LTRにおけるU3及びR領域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス (F-MuLV)からのU3及びR領域と、 を含む複製欠損レトロウイルスベクターウイルスで真核生物を形質導入するこ とにより得られうるレトロウイルスで形質導入された真核生物である。 このベクターは、真核細胞において発現され得る1又はいくつか(3まで)の 外来遺伝子を任意に含む。哺乳動物細胞は、好ましくは造血細胞であり、特に造 血幹細胞が真核細胞として好ましくは用いられる。 F-MuLVからのLTRは、3′-LTRとして好ましくは用いられ、それは前記U3及 びR領域を含む。 活性外来遺伝子は、外から細胞内に導入され、ゲノム内への一体化の後、この 細胞内で発現される(活性である)遺伝子として理解される。外来遺伝子は、細 胞ゲノム内に存在しないゲノム(例えば neoR、LNGFRレセプター(D.Johnson et al.(1986)(33))のような抗生物質耐性遺伝子、セレブロシダーゼ遺伝子又は単 純ヘルペスTK遺伝子)又はゲノム内に存在するがそこで発現されないか、又は多 重薬物耐性(MDR)遺伝子のような不適切な程度までのみ発現される遺伝子であり 得る。 本発明の更なる目的物は、ゲノムとしてレトロウイルスRNAを含む複製欠損感 染性ウイルス粒子であって、前記ゲノムが、パッケージング機能及びtRNA結合部 位を含むMESVからのリーダー領域を含み、真核細胞内で発現され得、その3′端 においてフレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)を含むが活性なgag,env及び pol配列は含 まないウイルスのための異種遺伝子を含むことを特徴とするウイルス粒子である 。 本発明の更なる目的物は、リーダー領域としてのMESVのリーダー領域及び3′ -LTRとしてのフレンドネズミ白血病ウイルスを含むベクターハイブリッドと共に ヘルパー機能gag,env及びpolを有する真核ヘルパー細胞の移入、(例えば細胞 のポリメラーゼによる)前記細胞内でのウイルスゲノムとしてのベクターハイブ リッドのDNAに相当するRNAの産生、前記細胞内に形成された複製欠損の空のウイ ルスエンベロープ内への前記RNAのパッケージング、並びに前記ウイルスゲノム を含む感染性ウイルス粒子の単離による複製欠損感染性ウイルス粒子の産生のた めの方法である。 本発明の更なる目的物は、生体外又は生体内遺伝子療法のための医薬剤の製造 のための、リーダー領域としてのMESVのリーダー領域並びに3′-LTRにおけるU 3及びR領域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのU3及び R領域を含む本発明に従う複製欠損レトロウイルスベクターハイブリッドの使用 である。 ベクターハイブリッドは、U5領域及び/又はtRNA結合部位としてのリーダー 領域内のMESV又はMoMuLV/MoMuSVのU5領域及び/又はtRNA結合部位を含む本発 明に従う方法及び使用にも適する。 適用の範囲 I.骨髄幹細胞及び前駆細胞がレトロウイルスのための標的集団である全ての 体の遺伝子転移/遺伝子療法個々のプロトコルにおいて、異なるcDNAがベクター 内に一体化される。例は −遺伝子マーカー研究(1):neoR又は短縮神経成長因子レセプターのような 選択可能マーカー遺伝子は、検査される病気/療法の条件下で生物内の標識され た細胞集団の運命を監視するために転移 される。SFFVp U3及びMHSV U3(MESVリーダー)の制御下にneoRを有するneoRベ クターpSF1N及びpMN1Nは、neoR−転移Maloneyベクターと比較してマウス幹細胞 系FDCPmixのモデル系における機能的遺伝子転移比率のかなりの増加を示す。そ れらは、ヒト骨髄幹細胞におけるneoR転移に適している。 −高投与量化学療法(28)の副作用に対する骨髄の保護:MDR1又はアルキルト ランスフェラーゼのような化学療法耐性を媒介する遺伝子が転移される。最適化 フレンドウイルス関連ベクターによる高転移比率及び発現は、骨髄抑制的副作用 を防ぎ、最終的に化学療法の第2の腫瘍の誘導も防ぐ。 −代謝の病気の相関関係:単一遺伝子の遺伝病の場合、欠損遺伝子の完全な複 製が、骨髄幹細胞内へのレトロウイルスの遺伝子転移の手段により導入される。 適用は、例えばその遺伝子欠損が骨髄系に影響を与える遺伝病(フルラー症候群 のような蓄積症;M.Gaucher(29))の場合に考えられる。: II.複製−コンピテントフレンド関連レトロウイルスのクローニング 初期の骨髄幹細胞及び前駆細胞に対するそれらの広範囲の宿主のため、本発明 に従うウイルスはこれらの細胞中の挿入変異誘発に特に十分に適している。挿入 変異誘発は、骨髄系の生理的成長制御において重要な機能を有する遺伝子がクロ ーンされるのを可能にする。 挿入変異誘発としてレトロウイルスを用いる原理は、概にいくつか記載されて いる(Review:Kung et al.(1991)(34))。レトロウイルスはゲノム内に不特異的 にDNA配列と一体化し、この過程において、遺伝子を活性又は不活性化する。複 製可能なレトロウイルスは極めて高い効率で組織に感染し、それゆえ一体化によ る変異を形 成する可能性を増加させる。このような変異は、かわりに変異した細胞の退化を 導き得る。即ち腫瘍が形成される。 調節遺伝子の同定のためのマウス(通常新生マウス;それらは効果的に機能す る免疫系をまだ有さず、それゆえレトロウイルスに対して極めてセンシティブで あるからである)での生体内実験において、これらにレトロウイルスを感染させ 、約3ケ月の潜在期の後、(ウイルスタイプによる)特定の腫瘍を発見し検査す ることが可能である。クローンレトロウイルスの一体化部位の分析は、その活性 化又は不活性化が改良又は退化された表現型の細胞を導き得る遺伝子を表わす。 これは、リガンド、レセプター、シグナルトランスデューサー及び転写因子のた めの遺伝子のような大量の異なる遺伝子型が発見されるのを可能にする。特定の ウイルスにより形成され見いだされる腫瘍タイプと活性化/不活性化遺伝子との 間の高い相関関係があることが需要である(例えば、フレンド−MuLVにより誘導 された赤白血病細胞の場合、約80%の腫瘍はFli-1座における一体化及び転写因 子PU-1遺伝子の転写の活性化を示す。トランスジェニックマウスにオンコジーン (例えばmyc)のエストロピックな発現を感染させ、腫瘍形成を観察することによ り相互作用するオンコジーンを同定することが可能であった。かなり短い潜在期 間の後、第2の変異により腫瘍が形成された(例えばpim-1遺伝子における“第2 ヒット”))。 しかしながら、先のレトロウイルス構成物を用いて可能性のある遺伝子のいく つかを同定することが可能であるだけである。この細胞の活性化/不活性化及び 付随した表現型の改良の試みで同定され得る遺伝子の範囲は特定の細胞型のため に用いられるレトロウイルスの特異性に大きく依存する。これにより先に用いら れるレトロウイルスは、造血細胞及び胚幹細胞において極めて低い感染性を示す のみである(例えば報告:Stocking et al.(1983)(21))。これはいくつかの理 因による;これは、第1にレトロウイルスのLTRにおける転写調節因子(Stockin g et al.(1985)(18))、第2にウイルスの複製に必要である細胞及びウイルス の蛋白質の間の蛋白質相互作用のためでもある。 複製−コンピテントレトロウイルスは、全体の細胞集団の完全な感染を、そし て変異を形成するかなり高い可能性を導く感染によりレトロウイルスを産生する 新しい細胞を作る。同様の効果は、標的細胞系とのレトロウイルスパッケージン グ系の複雑かつ時間のかかる同時培養によってのみ達成され得る。 フレンド関連複製−コンピテントウイルスは、更に、血液幹細胞に対する感染 性の更なる改良も有する強制通過変異体を作るのに用いられ得る。これらのウイ ルスのレトロウイルスの構造蛋白質における変異は、骨髄細胞内への遺伝子転移 のための最適化パッケージング細胞系を産生するのに用いられ得る。これらのウ イルスのシス制御配列における変異は、血液幹細胞遺伝子転移のためのレトロウ イルスベクターを更に最適化するのに用いられ得る。 本発明の更なる目的物は、MESVの制御因子(リーダー領域)並びに任意に3′ -LTRにおけるU3及びR領域としてフレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)か らのU3及びR領域と組み合わされたMoMuLV又はMoMuSVを含む複製することがで きるエコトロピック、セツトロピック、アンホトロピック又はデュアルトロピッ クレトロウイルスであり、これは結果としてネズミ(生体内及び試験管内)又は ヒト(試験管内)前駆細胞により効果的に感染して変異を誘発することができる 。レトロウイルスは、好ましくは、3′-LTRとしてF-MuLVからのLTRを含む。 両方の構成物の組合せは、慣用的に複製可能なレトロウイルスで 検出され得ない遺伝子を同定するのに用いられ得る新しい質からなるレトロウイ ルス挿入変異誘発を導く。それらは、各々の感染した細胞が新しいウイルスのた めの産生細胞となるので極めて高いタイターで産生され得、ほぼ100%感染比率 となる。選択のためにレトロウイルスベクターにおいて用いられるネオマイシン 耐性遺伝子はそれらの中から削除され得る。これはneoRがサイレンサーとして機 能して(Artelt et al.(1991)(32))、結果として改良された挿入比率を導くの で、LTRプロモーターのより高い転写を導く。 ネズミ及びヒト造血細胞及び胚幹細胞は、本発明に従うレトロウイルスにより 高めて効果的に試験管内に感染され得、変異体はゲノム内への挿入に産生され得 る(遺伝子の活性化又は不活性化)。それゆえ、生体内実験の場合も本発明に従 うウイルスが早期の造血細胞及び胚細胞により高い効率で感染し、ゲノム内への 一体化により遺伝子を活性化又は不活性化するだろうことが予想される。 遺伝子活性化はいくつかの方法でおこり得る。これにより遺伝子の上流の一体 化が3′-LTRプロモーターの転写制御下でそれを活性化することができる。遺伝 子活性化を導き得る負の制御因子の結合部位も不活性され得る。挿入がイントロ ンの上流及びそれの中の多くの塩基を直接読み飛ばすか又はそのエンハンサー効 果のいずれかにより完了した後に5′-LTRプロモーターが遺伝子を活性化し得る ことを証明するいくつかの例(Kung et al.(1991)(34))がある。 遺伝子内の又はそれに伴うプロモーター/エンハンサー領域内の一体化も、対 応する遺伝子の不活性化を導く。 細胞の制御のために重要である遺伝子が影響を受けるなら、細胞が退化する、 即ち腫瘍が形成され得ることが可能である。本発明に従うウイルスは、それゆえ 他の遺伝子、例えばこのような細胞タイプにおいて複製しないか又は極めて少し だけ複製する慣用的ウイル スにより見い出され得るものと異なる造血又は極幹細胞の細胞制御に含まれる遺 伝子を見つけるのに用いられ得る。 本発明に従う複製−コンピテントウイルスは、以下の様な例について試験管内 にも用いられる。 因子依存性前骨髄球細胞系を、レトロウイルス挿入変異誘発により因子非依存 的に作った。即ち成長因子遺伝子をレトロウイルス一体化により活性化した。MP SVベクターを産生するパッケージング系と共に標的細胞系を培養することにより レトロウイルス感染を行った。この試験管内の試みは、本発明に従う構成物を用 いることによりより効果的に行われ得る。更に、ネズミ又はヒト胚及び造血幹細 胞は、本発明に従うウイルスを用いる先の研究にも用いられ得る。 更なる適用は、例えば前駆細胞においてより高い感染効果を有するウイルスを 産生することができる遺伝子療法のための改良されたベクターウイルスパッケー ジング系を形成する目的を有する実験においてである。これらの細胞において、 レトロウイルスの感染/複製を妨害するいくつかのブロックがある。本発明に従 う構成物の使用は、転写ブロックが既に除去された複製可能野生型MoMuLV又はAM 4070を超える利点を有する。感染効果における改良はそれゆえウイルス蛋白質に おける対応する特異に帰する。 本発明に従う構成物の更なる適用は、胚幹細胞における1又はいくつかの遺伝 子の挿入不活性化により“ノック・アウト”マウスを形成することである。 本発明は、以下の実施例、図面及び配列プロトコルにより更に解明される。 配列プロトコルは以下を示す: 配列番号:1 pSF1の配列 配列番号:2 pSF2の配列 配列番号:3 pSF3の配列 配列番号:4 pMH1の配列 配列番号:5 pSF-MDRの配列 配列番号:6 pMP-MDRの配列 (その配列のプロウイルスの部分のみを各々の場合に示す) 図1A pSF-MDRのプラスミドマップを示す。 (制限部位のより正確な詳細) 図1B pSF-MDRのプラスミドマップを示す。 (制限部位のより正確な詳細) 図2A pSF1の制限マップを示す。 図2B pSF1Nの制限マップを示す。このベクターは、そのneoR遺伝子が多重ク ローニング部位(MCS)内に挿入されるpSF1に対応する。 図3A pSF2の制限マップを示す。 図3B そのneoR遺伝子の一体化後のpSF2に対応するpSF2Nの制限マップを示す 。 図4A pSF3の制限マップを示す。 図4B そのneoR遺伝子の一体化後のpSF3に対応するpSF3Nの制限マップを示す 。 図5A pMH1制限マップを示す。 図5B neoR遺伝子の一体化後のpMH1対応するpMH1Nの制限マップを示す。 図6 ベクターpSF-MDR1形成のためのスキームを示す。 図7 ベクターpSF1N,pSF2N,pSF3N及びpMH1Nの形成のためのスキームを示す 。 図8 標準的なMoMuLVベクターと比較したFMEV及びMPEV-mdr1ベクターによる 骨髄細胞の保護を示す。(繊維芽細胞タイタ ー及びクローニング効果について修正された)平均相対形質導入頻度を示す。種 々のベクター間の繊維芽細胞タイターは3倍未満で種々である。A:細胞系K-56 2、B:細胞系TF-1。 図9 pMP-MDRの制限マップを示す。 実施例1 a)構造の記載 表1は、本発明に従う構成物のクローニングストラテシンを示す。 I.pSF-MDR(図1,6、表1、配列番号:5) このベクターをenv領域の一部分及び3′LTRの完全なU3領域をSFFVp配列に より置きかえるMESVベクターR224(ベースpVC19)に基づいてクローンした。ベク ターpSF5+3(例えば図6)をこの様に得た。第2のステップにおいて、MDR1を コードする(pMDR2000XS(25)からの)cDNAを多重クローニング部位内に挿入し た(NotI, XbaI,BamHI,Hind3)。 II.pSF1N,pSF2N,pSF3N,pMH1N(図2〜5,7、表1) これらのプラスミドの骨格は、5′LTRのXbaI切断部位と3′LTR内のKpnI切 断部位との間で主要な欠失が行われるMESVベクターR224に基づく。その相補的配 列を、3つのフラグメント連結反応の手段により挿入した;ベースベクターpSF1 ,pSF2,pSF3N及びpMH1が生ずる(形成スキーム及びクローニングストラテジー 、図7、表1、配列番号:1〜4に記載される配列)。3つの連結反応のために 用いられるフラグメントを、更にベクターを最適化するために単純な修飾が行わ れ得る補助的構成物(形成スキームを参照、図6)から得る。タイターを最適化 するために他のフレンド関連レトロ ウイルスの類似配列により、又はリーダーの先に記載の修飾によりSFFVp又はMHS V U3領域を置換することも考えられる。構成物の例pSF1N,pSF2N,pSF3N,pMH1N を(R229からの)neoRcDNAの挿入後に得た。この構成物例は、転移されるべき遺伝 子の交換のために用いられ得る単一の制限切断部位と共にポリリンカーを有する 。これらの切断部位において、SFFVpのスプライスアクセプター又はいわゆる内 部リボソームエントリー部位をIRES(I.R,Ghattas et al.(1991)(26))のよ うな必要であり得る第2の遺伝子発現のための制御配列を挿入することが更に可 能である。 (3′-LTR内の)U3及びRのような構造物例中のフレンド関連領域も、レト ロウイルスの生活環の完了後に5′-LTR位置にコピーされ、その後標的細胞内で 遺伝子発現される。その構成物例は、レトロウイルス遺伝子転移及びレトロウイ ルス遺伝子発現のために必要な全てのシス制御因子を含む。SFFVp(又はMHSV)、M ESV及びMoMuSVの特性はこれらの構成物において組合わせられる。停止コドンを 形成するためのレトロウイルスのgag蛋白質のための開始コドンの点変異(A.D.M iller and G.J.Rosman(1990)(27)及び余分なenv配列(27)の欠失は、pSF1N,pS F2N,pSF3N,pMH1Nにおける安全関連修飾として一体化される。 実施例2 慣用的モロニー(Moloney)ベクターと比較して増加する機能的遺伝子転移比率 多重薬剤耐性1(MDR1)遺伝子は、一連の臨床的に重要な細胞静止剤に対する 耐性を媒介する膜内に位置する流出ポンプ(P−糖蛋白質)をコードする(I.Pas tan et al.(1988)(25)))。耐性の範囲 はP−糖蛋白質の発現のレベルに密接に関連する。骨髄球性幹細胞がレトロウイ ルスのMDR1転移により細胞静止に対してうまく耐性が与えられるなら、これは腫 瘍化学療法において副作用比率を低くするのに大きく寄与し得るだろう。 本実験において、K562細胞(ATCC CLL 243)及びTF-1細胞(ヒト骨髄始原細胞 系)にSFFV-LTR(MESVリーダー及びMPSV/MESVハイブリッドベクターpMP-MDRで 構成物pSF-MDRから生ずるウイルスSF-MDR)の制御下でMDR1を発現するレトロウ イルスのベクターを感染させた。 TF1細胞系を、T.Kitamura et al.(1989)(30)により記載されるように赤白血 病細胞と共に患者から得た。細胞を、(20%胎児ウシ血清、1mMピルビン酸ナト リウム、4mMグルタミン及び20U/ml組換えGM-CSFから補給された)RPMI培地中 で培養し続ける。 K562細胞及びTF1細胞に、MD Anderson Cancer Center,Houston,TexasのA.D eisseroth教授の指導の下、臨床的遺伝子転移プロトコルに用いられるモロニー( Moloney)−MDR1ベクター(構成物pVMDRから生ずるウイルスV-MDR)を同一混合物中 で感染させた。表2に見られ得るように、K562の場合のSF-MDRは、細胞静止剤が 投与される時に増殖するコロニーの数により測定されるようにVMDRと比較して遺 伝子転移比率の20倍増加を導く(K562について約10倍のLD50)。 骨髄細胞における機能的遺伝子転移比率の増加は、形質導入された細胞におけ る遺伝子発現の平均的増加の発現である。これは、その成功が遺伝子発現のレベ ルにも依存する遺伝子転移の適用において重要である(適用の例:高投与量化学 療法における骨髄の保護を参照のこと)。細胞が、先に記載の実験(SFMDR又はV- MDRでのヒト骨髄細胞の感染)における極めて高い投与量の細胞静止剤(TF1に ついて約20倍のLD50)と共に培養されるなら、SF-MDRに感染した細胞のみがコロ ニーを形成することができる(表2)。 細胞にアンホトロピックパッケージング細胞系のレトロウイルスの上清を感染 させた。繊維芽細胞のタイターは本実験の時において両方のベクターについて約 2×104/mlであった。ベクター/標的細胞の比率は感染の間1未満であった。 感染後24時間に、5×104細胞をコルヒチンを含む軟質寒天培地中で培養した。 寒天クローニングの8日目に測定を行った。選択のないクローニング効果は両細 胞系について約15%であった。本実験は重複して行った。 そのU3領域がMoMuLV由来であり、そのリーダーかMESV由来であるベクターの ためのベクターpV-MDRのものに同様の結果が得られる。 MDR1系において、MESVリーダーを有する構成物は、慣用的MoMuSVベクターと比 較して少し減少したタイターを有する。これは、MESVのパッキング領域における 変異のためであり得る。MESV及びMoMuSVのリーダー配列はシス−阻害性配列が同 時排除されているレトロウイルスのパッケージング細胞系における改良されたパ ッケージング 機能のためより高タイターでベクターを産生する能力を有する。これは、構成物 例pSF2N及びpSF3Nをクローニングする時に計数した。 注意:プロウイルスベクターは、対応するプラスミドpSF-MDR,pMP-MDR等からそ れらを区別するため例えばSF-MDR,MP-MDR等に示される。 実施例3 本発明に従うフレンド/MESVベクター構成物に基づいて複製することができる 挿入変異誘発ベクターの構造 複製することができるアンホトロピックフレンド/MESVベクターの構成物例を 、フレンド/MESVベクターpSF1及びpSF3内へのレトロウイルスの複製に必要なga g-pol-env遺伝子をクローニングすることにより挿入変異誘発のために作製した (図2A及び4Aを参照のこと)。 これのために、pAM(Miller et al.(1985)(35))からの全体の7.2kb gag-pol-e nv遺伝子カセットを“エキスパンド・ロング・テンプレートPCRシステム”(Boeh ringer Mannheim,W.M.Barns(1994)(36)も参照のこと(36))の助けにより増幅し てpSF1及びpSF3内に組み込んだ。 pAMはエコトロピックMoMuLVベクターpMLV-K(gag-pol〜SalI切断部位)から、 及びアンホトロピックウイルス4070Aベクターp4070A(SalI切断部位及びenvamph otropic からのpol)からの融合構成物を表す。上部PCRプライマーを(pstI切断部 位に直接隣接する)gag開始コドンの60bp上流に置き、下部PCRプライマーをenva mphotropic 遺伝子の端に直接置いた。7.2kb gag-pol-envamphotropicPCR増幅物 を、オーバーハングを除去するためにPstI及びHindIIIで切断され、クレノウ酵 素で処理されているベクターpSF1及びpS F3内に、未切断、即ち平滑断端で組み込んだ(Sambrook et al.(1989)(37))。 結果として生ずるベクターをpSF1-AM,pSF3-AMと名づけ、これは主に次の構造で ある:5′-LTRMESV-PBS(-)MESV-gag-pol-env-amphotropic-3′-LTRSFFV(pSF1-A M)and5′-LTRMESV-PBS(-)MUSV-gag-pol-envamphotropic-3′-LTR-SFFV(pSF3-AM )。 ヒト又はネズミ細胞内に移入させた後、それらは、造血幹細胞及び始原細胞内 の挿入変異に用いられ得る複製−コンピテントレトロウイルス(PCR)を形成する ことができる。 実施例4 本発明に従うMPSV/MESVベクター構成物に基づく複製することができる挿入変 異誘発ベクターの作製 ベクターMoMuLV-TAT(Hilberg,F.et al.Prog.Natl.Acad.Sci.USA 84( 1987)5232〜5236(38))において、Nhe-I-KpnIフラグメントをMPSVの対応するL TRフラグメント(−416〜+31)により置換した。その結果生ずるベクターをMP- CATと名づけた。このプラスミドはレトロウイルスのLTRフラグメントの制御下で クロロアンフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)を発現することによりレポー ター遺伝子プラスミドとして用いられ得る。 ベクターP50-MをMPSV/MESVベースベクターとして用いる。このベクターは、 3′-LTR内にMPSV-U3を含む。それは、dl587revの537bp長のリーダーフラグメン トを含むp5Gneoの誘導体である(Grez M.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 7(1990),9202〜9206(39),Colicelli J.及びGoff S.P.,J.Virol.57(1987) 37〜45(40))。p5GneoのNeoR-envコーディング領域をp Bluescript KS(Stratagen e)からのポリリンカーにより置換し、gagのAUGを点変異により破壊した。mdr-1 cDNAをSacI/SspIフラグメントとしてpMDR2000XS(塩基対−138〜+3878)か ら切断した(Cherm C.et al.,Cell 47(1986)381〜389(41))。p BluescriptII KS内にサブクローニング した後、cDNAをBamHIフラグメントとして単離し、p50-Mを挿入した。この様に 作製されたベクターをpMP-MDRと名づける。p-MDR,pMP-MDRの配列を図9及び配 列番号:6に示す。
【手続補正書】 【提出日】1997年3月17日 【補正内容】 請求の範囲 1.a)U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてリーダー領域内に MESV及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位を含み、 b)3′-LTRにおけるU3及びR領域としてフレンドネズミ白血病ウイルス( F-MuLV)からのU3及びR領域を含む ことを特徴とするレトロウイルスベクターハイブリッド。 2.活性外来遺伝子を含むレトロウイルスで形質導入された真核細胞を産生す るための方法であって、そのゲノムが、 a)リーダー領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてMESV 又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としてフレンドネズミ白血病ウイルス(F-Mu LV)からのU3及びR領域と、 c)前記外来遺伝子と、 を含むレトロウイルスのベクターウイルスで真核細胞が形質導入されることを特 徴とする方法。 3.レトロウイルスで形質導入された真核細胞であって、そのゲノムが、 a)リーダー領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてMESV 及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス(F- MuLV)からのU3及びR領域と、 を含むレトロウイルスのベクターウイルスで前記真核細胞を形質導入すること により得られうることを特徴とする真核細胞。 4.そのゲノムとしてレトロウイルスのRNAを含む複製欠損感染性ウイルス粒 子であって、前記ゲノムが、U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位として のMESV及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、パッ ケージング機能と、前記ウイルスに対して異種であり真核細胞内で発現され得る 遺伝子と、を含み、フレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのU3及びR を含むが3′端において活性gag,env及びpol配列を含まないことを特徴とする ウイルス粒子。 5.a)リーダー領域におけるU5領域及びtRNAプライマー結合部位としての MESVのU5領域及びtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTRにおけるU3及びR領域としての骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV )からのU3及びR領域と、 を含むことを特徴とするレトロウイルスベクターハイブリッド。 6.そのゲノムとしてレトロウイルスのRNAを含む複製欠損感染性ウイルス粒 子であって、前記ゲノムが、U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位として のMESVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、パッケージング機能と 、前記ウイルスに対して異種であり真核細胞内で発現され得る遺伝子と、を含み 、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)からのU3及びRを含むが3′端において活 性gag,env及びpol配列を含まないことを特徴とするウイルス粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 オスタータグ,ボルファム ドイツ連邦共和国,デー−22397 ハンブ ルク,カケンハネルベク 147

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてリーダー領域内に MESV及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位を含み、 b)3′-LTRにおけるU3及びR領域としてフレンドネズミ白血病ウイルス( F-MuLV)からのU3及びR領域を含む ことを特徴とするレトロウイルスベクターハイブリッド。 2.3′-LTRとしてF-MuLVからのLTRを含むことを特徴とする請求項1に記載 のレトロウイルスベクターハイブリッド。 3.リーダー領域としてMESVのリーダー領域を含むことを特徴とする請求項1 又は2に記載のベクターハイブリッド。 4.悪性組織肉腫ウイルス(MHSV),SFFVp Lilly-Steeves,SFFVa,Rauscher SFFV,F-MuLV c157又はフレンド−ミンク細胞病巣形成ウイルス(F-MCFV FrNx ,F-MCFV pFM548の)3′-LTRが用いられることを特徴とする請求項1〜3のい ずれかに記載のベクターハイブリッド。 5.MPSV,MESV又はPCMVからのU3及びR領域が5′-LTRにおけるU3及びR 領域として用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベクタ ーハイブリッド。 6.フレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのLTRが5′-LTRとして用 いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 7.配列番号:1からのbp142〜657が5′-LTRとして用いられ、及び/又は配 列番号:1からの1707〜2283が3′-LTRとして用いられることを特徴とする請求 項1〜6のいずれかに記載のベクターハイブリッド。 8.前記ウイルスと異種である少くとも1の遺伝子を含み、真核細胞内で発現 され得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のベクターハイブリッ ド。 9.多重薬剤耐性遺伝子(MDR遺伝子)、neoR遺伝子のような抗生物質耐性遺 伝子、LNGFR遺伝子、セレプロシダーゼ遺伝子又は単純ヘルペスTK遺伝子を異種 遺伝子として含むことを特徴とする請求項8に記載のベクターハイブリッド。 10.ベクターハイブリッドpSF1,pSF2,pSF3,pHM1。 11.請求項1〜10のいずれかに記載の複製欠損ベクターハイブリッド。 12.請求項1〜7のいずれかに記載の複製コンピテントベクターハイブリッド 。 13.活性外来遺伝子を含むレトロウイルスで形質導入された真核細胞を産生す るための方法であって、そのゲノムが、 a)リーダー領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてMESV 又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としてフレンドネズミ白血病ウイルス(F-Mu LV)からのU3及びR領域と、 c)前記外来遺伝子と、 を含むレトロウイルスのベクターウイルスで真核細胞が形質導入されることを特 徴とする方法。 14.前記レトロウイルスのベクターウイルスが3′-LTRとしてF-MuLVからのLT Rを含むことを特徴とする請求項12に記載の産生するための方法。 15.前記MESVのリーダー領域がリーダー領域として用いられることを特徴とす る請求項12又は14に記載の方法。 16.複製欠損のレトロウイルスのベクターウイルスが用いられることを特徴と する請求項12〜15のいずれかに記載の方法。 17.レトロウイルスで形質導入された真核細胞であって、そのゲノムが、 a)リーダー領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてMESV 及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス(F- MuLV)からのU3及びR領域と、 を含むレトロウイルスのベクターウイルスで前記真核細胞を形質導入すること により得られうることを特徴とする真核細胞。 18.前記レトロウイルスのベクターウイルスがそのゲノム内に3′-LTRとして F-MuLVからのLTRを含むことを特徴とする請求項17に記載の細胞。 19.MESVのリーダー領域がリーダー領域として用いられることを特徴とする請 求項17又は18に記載の細胞。 20.複製欠損のレトロウイルスのベクターウイルスが用いられることを特徴と する請求項17〜19のいずれかに記載の細胞。 21.造血幹細胞が真核細胞として用いられることを特徴とする請求項13〜16の いずれかに記載の方法。 22.そのゲノムとしてレトロウイルスのRNAを含む複製欠損感染性ウイルス粒 子であって、前記ゲノムが、U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位として のMESV及び/又はMoMuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、パッ ケージング機能と、前記ウイルスに対して異種であり真核細胞内で発現され得る 遺伝子と、を含み、フレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのU3及びR を含むが3′端において活性gag,env及びpol配列を含まないこと を特徴とするウイルス粒子。 23.複製欠損感染性ウイルス粒子を産生するための方法であって、リーダー領 域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてのMESV及び/又はMoMu SVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、3′-LTR内のU3及びR領 域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのU3及びR領域と、 を含むベクターハイブリッドを、ヘルパー機能gag,env及びpolを有する真核ヘ ルパー細胞に移入するステップと、前記細胞内でウイルスゲノムとしてベクター ハイブリッドのDNAに対応するRNAを産生するステップと、前記細胞内に形成され た複製欠損の空のウイルスエンベロープ内にウイルスゲノムをパッケージングす るステップと、前記ウイルスゲノムを含む前記感染性ウイルス粒子を単離するス テップと、によることを特徴とする方法。 24.F-MuLVからのLTRが3′-LTRとして用いられることを特徴とする請求項23 に記載の方法。 25.MESVのリーダー領域がリーダー領域として用いられることを特徴とする請 求項23又は24に記載の方法。 26.生体外又は生体内遺伝子療法のための医薬剤を製造するための、リーダー 領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてのMESV及び/又はMo MuSVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、3′-LTR内のU3及びR 領域としてのフレンドネズミ白血病ウイルス(F-MuLV)からのU3及びR領域と 、を含む複製欠損レトロウイルスベクターハイブリッドの使用。 27.F-MuLVからのLTRが3′-LTRとして用いられることを特徴とする請求項26 に記載のベクターハイブリッドの使用。 28.MESVのリーダー領域がリーダー領域として用いられることを特徴とする請 求項26又は27に記載の使用。 29.a)リーダー領域におけるU5領域及びtRNAプライマー結合部位としての MESVのU5領域及びtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTRにおけるU3及びR領域としての骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV )からのU3及びR領域と、 を含むことを特徴とするレトロウイルスベクターハイブリッド。 30.活性外来遺伝子を含むレトロウイルスで形質導入された真核細胞を産生す るための方法であって、前記真核細胞が、そのゲノムが、 a)リーダー領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてのME SVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、 b)3′-LTR内のU3及びR領域としての骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)か らのU3及びR領域と、 c)前記外来遺伝子と、 を含むレトロウイルスベクターで形質導入されることを特徴とする方法。 30.そのゲノムとしてレトロウイルスのRNAを含む複製欠損感染性ウイルス粒 子であって、前記ゲノムが、U5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位として のMESVのU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位と、パッケージング機能と 、前記ウイルスに対して異種であり真核細胞内で発現され得る遺伝子と、を含み 、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)からのU3及びRを含むが3′端において活 性gag,env及びpol配列を含まないことを特徴とするウイルス粒子。 31.生体外又は生体内遺伝子療法のための医薬剤を製造するための、リーダー 領域内のU5領域及び/又はtRNAプライマー結合部位としてのMESVのU5領域及 び/又はtRNAプライマー結合部位と、3′-LTR内のU3及びR領域としての骨髄 増殖性肉腫ウイルス(MPSV )からのU3及びR領域と、を含む複製欠損レトロウイルスベクターハイブリッ ドの使用。
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