JP2000500986A - レトロウイルスベクターおよび遺伝子治療におけるその用途 - Google Patents

レトロウイルスベクターおよび遺伝子治療におけるその用途

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Abstract

(57)【要約】 複製欠損性レトロウイルスベクタープロデューサー細胞をin vivoで、あるいは再移植用にin vitroで作製するためのDNA配列。該レトロウイルスベクターは少なくとも1つの異種遺伝子を含んでなり、該ベクターが感染し導入された標的細胞によりレトロウイルス構造タンパク質が発現されないように、機能的なenvおよびgal-pol遺伝子は、該べクター中に存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 レトロウイルスベクターおよび遺伝子治療におけるその用途 本発明は、レトロウイルスベクターをコードするDNA配列と、レトロウイル スベクター粒子をコードするDNA配列の組とに関する。本発明はまた、該レト ロウイルスベクターと該ベクターを含有するレトロウイルスベクター粒子とを産 生しうる、該配列を含有するプロデューサー細胞、ならびに該プロデューサー細 胞の製造法に関する。本発明はさらに、遺伝子治療用製剤中での該DNA配列お よびプロデューサー細胞の使用、ならびに該DNA配列およびプロデューサー細 胞を使用する遺伝子治療の実施方法に関する。 緒言および従来技術 患者の細胞へ治療用核酸を送達することにより、多数の疾患の治療が可能であ る。これは、遺伝子治療と呼ばれている(LeverおよびGoodfellow 1995;Culve r1995;Ledley 1995で詳細に概説されている)。遺伝子治療を行なうには、患者 の細胞へ遺伝子を送達する方法、およびそれに加えて、いずれかの治療用遺伝子 の有効な産生を保証する方法がなければならない。遺伝子送達を行なうには、2 つの一般的なアプローチ、すなわち、非ウイルス性送達およびウイルス媒介性遺 伝子送達がある。最も特徴づけられているウイルス媒介性遺伝子送達系は、複製 欠損性レトロウイルスを使用して、患者の細胞内に遺伝子を安定に導入するもの である。非ウイルス性送達の主な欠点は、DNAが最初の標的細胞内に限局し、 短命であり、慢性疾患の場合には、そのDNAでの治療を繰返す必要があること である。レトロウイルスベクターの主な欠点は、細胞への導入をex vivoで行い 、その導入細胞集団を患者へ再導入するか、レトロウイルスベクター粒子を放出 するように操作された細胞系を移植しなければ、効率的な遺伝子導入が達成され ないことである。これらの方法は、かなり高度の外科手法および細胞の操作を必 要とする。また、患者の細胞へのレトロウイルスベクター粒子の導入は非効率的 である。 本発明の分野に含まれる種々の公知技術を、以下に更に詳しく説明する。 1.複数の別々の(separate)DNA配列からのレトロウイルスベクターの製造 同じ細胞内へ共導入された別々のDNA配列上のレトロウイルスベクターの成 分を別々に発現させることにより、治療用遺伝子を保持する欠損レトロウイルス ゲノムを保持するレトロウイルス粒子が得られることが公知である (例えば、Mi ller 1992 に概説されている)。この細胞はプロデューサー細胞と呼ばれている 。プロデューサー細胞を作製するためには、2つの一般的な方法がある。1つの 方法では、レトロウイルスのGag、PolおよびEnvタンパク質をコードする配列 を細胞内へ導入し、細胞ゲノム内に安定に組込み、パッケージング細胞系と呼ば れる安定な細胞系を得る。ついで、トランスフェクションまたは形質導入により レトロウイルスベクターゲノムをパッケージング細胞系に導入して、レトロウイ ルスベクター粒子の産生に必要なDNA配列のすべてを有する安定な細胞系を作 製する。第2のアプローチは、レトロウイルスベクター粒子の産生に必要なそれ らの異なる3つのDNA配列(すなわち、envコード配列、gag-polコード配列お よび欠損レトロウイルスゲノム)を、一過性トランスフェクションによリ細胞内 へ同時に導入するものであり、この方法は、一過性三重(triple)トランスフェ クションと呼ばれている (Landau & Littman 1992;Pear ら 1993)。この三 重トランスフェクション法は、既に最適化されている(Soneokaら1995;Finer ら 1994)。WO 94/29438には、このような複数DNAの一過性トランスフェク ション法を用いてin vitroでプロデューサー細胞を製造することが記載されてお り、また、患者から取り出されたいずれかの系統のヒト細胞にレトロウイルス粒 子を導入するために、これらのプロデューサー細胞をin vitroで使用することが 記載されている。WO 94/19478には、1以上のレトロウイルスプラスミドをパ ッケージング細胞系内に一過性にトランスフェクトした後で高力価のレトロウイ ルスストックを得るために新規細胞系を使用することが記載されている。また、 これには、レトロウイルスをin vitroで標的細胞へ導入することのみが記載され ている。プロデューサー細胞から標的細胞へin vitroでレトロウイルスを導入す ることは共生培養(cocultivation)と呼ばれており、それは、レトロウイルスをi n vitroで細胞内へ導入するための十分に確立された方法である。 2.in vivoでのDNA媒介性遺伝子送達 裸のDNAを使用して、あるいは非ウイルス送達系と一緒になったDNAを使 用してヒトまたは動物の多種多様な細胞内へ遺伝子を送達することは、既に十分 に記載されている(Ledley 1995 に概説されている)。最も簡単な方法は、裸の DNAを組織内に注入し、その部位で該DNAを細胞の一部に取込ませ、該DN Aに含有されている遺伝子を発現させて、これらの細胞内でタンパク質を産生さ せることを含むものである(Dubensky ら 1984;Wolffe ら 1990)。 DNAは、バイオリスチック(biolistics)により送達することができる。この 方法では、金属粒子をDNAで被覆し、それを高圧装置により細胞内へ高速で射 入する(例えば、Yang ら 1990)。細胞内への取込みを最適化する化学試薬(例 えば、ボリリシン)、またはウイルス粒子の成分(例えば、アデノウイルス粒子 またはペントンタンパク質)、または特異的なコグネイト(cognate)受容体に対 するリガンドにDNAを結合させることができる。DNAをリポソーム内に封入 したり、カチオン性脂質との複合体を形成させることができる(例えば、Hydeら1 993)。これらの非ウイルス法によりDNAをどのようにして送達するかに無関係 に重要な特徴は、最初にトランスフェクトされた細胞から他の細胞へDNAが全 く導入されないことである(ただし、細胞分裂後の娘細胞への導入はおそらく例 外となる)。さらに、導入された遺伝子が標的細胞内に永久に維持される保証が ない。 3.レトロウイルス媒介性遺伝子送達 欠損レトロウイルスベクターを使用して標的細胞へ遺伝子を送達することは、 文献に十分に記載されている(Morgan および Anderson 1993に概説されている )。欠損レトロウイルスを使用して、体内から摘出された細胞への導入を行なっ たり(ex vivo遺伝子送達)、あるいは欠損レトロウイルスをin situで組織へ送達 することができる(in vivo遺伝子送達)。該ベクターがDNAを細胞内へ導入す ると、DNAは宿主細胞ゲノム内に安定に組込まれ、その部位で発現されて、そ れが含有するいずれかの治療用遺伝子を産生する。レトロウイルスベクター媒介 性遺伝子導入は、最初の標的細胞だけに影響を及ぼす一工程の事象であるため、 治療用遺伝子が広く分散することはない。in vivo遺伝子送達は広く用いられて いないが、これは、遺伝子送達が非効率的であるからであり、その主な理由は、 このようにして送達されたレトロウイルス粒子が治療部位から急速に消散してし まい、細胞がウイルス粒子に長期的に曝露されないことにある。例えば、レトロ ウイルスベクター粒子を、グリア腫瘍を担持するラットの脳内に注入したところ 、レトロウイルス粒子の半減期が短い(2〜4時間)ため、このベクターが導入 された細胞は、ごくわずかしかなかった(Short ら 1990)。 4.標的組織内へのプロデューサー細胞の移植 in vitroで作製したプロデューサー細胞は、in situで組織内に移植できると 報告されている(Short ら 1990)。プロデューサー細胞がレトロウイルスベクタ ー粒子を放出し、ついで該粒子が近傍の細胞に導入される。この方法では、プロ デューサー細胞の作製は、レトロウイルス成分を特定するDNA配列で該細胞を in vitroで安定に形質転換することにより行なう。該細胞をin vitroで培養し、 ついで患者に外科的に移植する。プロデューサー細胞は外来性であり、免疫系に よる破壊のため短命である可能性がある。 治療用遺伝子を患者に導入するための改良された方法および手段が必要とされ ていることは明らかである。非ウイルス性DNA送達により患者の細胞内へDN Aを安定に導入でき、非ウイルス性DNA送達の有効性が改善できるなら、遺伝 子治療は有意に簡略化されるであろう。 WO 96/17053には、ベクターの複製に不可欠な遺伝子のコード領域に作動可 能に結合した調節配列のおかげで組織特異的複製が可能なアデノウイルスベクタ ーが記載されている。該ベクターを使用して、ポリヌクレオチドを組織内にinvi voで分布させることができる。 WO95/22617には、ベクターゲノムが env 遺伝子の代わりに治療的に活性な 遺伝子を含有すること以外は野生型ゲノムと同一であるレトロウイルス送達系が 記載されている。env遺伝子を標的細胞内に導入することにより、レトロウイル スベクター粒子をin situで産生させうると示唆されている。 本発明 本発明は、1つの態様において、複製欠損性レトロウイルスベクターを含有す る複製欠損性レトロウイルスベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞へ患 者内の細胞を変換するための該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードする DNA配列であって、該レトロウイルスベクターが少なくとも1つの異種遺伝子 を含んでなり、該ベクターが機能的なenvまたはgag-pol遺伝子のいずれをも含有 しておらず、該DNA配列が非レトロウイルス手段により患者に投与するのに適 した形態であり該細胞に取込まれうることを特徴とするDNA配列を提供する。 また、本発明は、複製欠損性レトロウイルスベクター粒子を産生しうるプロデ ューサー細胞へ患者内の細胞を変換するための一組のDNA配列であって、該配 列の組が、前記DNA配列と、該プロデューサー細胞による感染性レトロウイル スベクター粒子の産生のためのパッケージング成分EnvおよびGag-Polをコー ドするDNA配列とを含んでなり、該DNA配列の組が、非レトロウイルス手段 により患者に投与するのに適した形態であって、かつ該細胞に取込まれうること を特徴とする一組のDNA配列を提供する。 本発明は、もう1つの態様において、感染性レトロウイルスベクター粒子中に 複製欠損性レトロウイルスベクターを産生しうるプロデューサー細胞であって、 該プロデューサー細胞が、該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードするD NA配列を含んでなり、該ベクターが、少なくとも1つの異種遺伝子を含んでな るが機能的なenvまたはgag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該プロデュ ーサー細胞が、患者内に導入し遺伝子治療で使用するのに適した新鮮な細胞であ ることを特徴とするプロデューサー細胞を提供する。 本発明は、さらにもう1つの態様において、複製欠損性レトロウイルスベクタ ーを産生しうるプロデューサー細胞の製造法であって、該ベクターが、少なくと も1つの治療的に活性な遺伝子を含んでなるが機能的なenvまたはgag-pol遺伝子 のいずれをも含有しておらず、該製造法が、該複製欠損性レトロウイルスベクタ ーをコードするDNA配列を新鮮な哺乳動物細胞内に導入して、遺伝子治療で使 用するのに適したプロデューサー細胞を得ることを含むことを特徴とする製造法 を提供する。 以下に更に詳しく説明するとおり、新鮮な哺乳動物細胞をプロデューサー細胞 へ変換するのは、in vivoまたはin vitroのいずれで行なってもよい。in vitro の場合には、プロデューサー細胞は、患者への移植に適したものであり、好まし くは、それを再移植しようとする患者からの細胞である。 本発明のもう1つの態様は、本明細書中に記載のプロデューサー細胞、または DNA配列もしくは一組の配列を患者内へ導入することを含んでなる、該患者に おいて遺伝子治療を実施する方法、および遺伝子治療に使用する製剤中での、該 プロデューサー細胞およびDNA配列の使用を提供する。 本発明の種々の態様のプロデューサー細胞は、治療的に活性な遺伝子に意図さ れる標的細胞型の細胞であることが特に好ましい。これにより、外来性の細胞を 患者の標的領域内へ導入する必要がなくなる。 あるいはその一方で、該プロデューサー細胞は、治療的に活性な遺伝子を標的 細胞へ送達する能力を有する細胞であってもよい。マクロファージや腫瘍浸潤性 リンパ球などの免疫系細胞をプロデューサー細胞へ変換することが可能であり、 この場合には、これをin vitroで行なう必要があるであろう。これらの移動性プ ロデューサー細胞は、患者に再導入されると、器官または組織に浸潤し、そのプ ロデューサー細胞からのレトロウイルスベクター粒子がそれらの器官または組織 に感染するであろう。 本発明で用いる「新鮮な哺乳動物細胞」なる語は、天然状態にあるか又は可能 な限り天然状態に近い哺乳動物細胞を意昧する。in vitroで長期にわたり培養し た細胞(細胞系を含む)は、新鮮な細胞とはみなさない。生物から取り出された 、本発明で新鮮な細胞と称する細胞は、それが、生物の組織から直接調製された 細胞の初代培養中にあり、かつ継代培養されていないという意昧において、通常 は初代細胞である。 複製欠損性レトロウイルスベクターがレトロウイルスベクター粒子のいずれの 構造成分をもコードしていないことが、本発明の重要な特徴である。したがって 、該ベクターは、Env および Gag-Polをコードする構造遺伝子の不在下で、 治療的に活性な遺伝子を標的細胞ゲノム内に挿入することを可能にする。このた め、標的細胞内でのウイルス成分の発現に関連した問題(例えば、それらの成分 に対する望ましくない免疫応答)が回避される。例えば、他の外来遺伝子の産物 に対する細胞傷害性T細胞の応答が回避される。 したがって、複製欠損性レトロウイルスゲノムを有するレトロウイルスベクタ ー粒子を産生させるための本発明の一組のDNA配列は、 (i) 1以上の治療的に活性な遺伝子と、機能に不可欠な他の成分(例えば、 プライマー結合部位、組込み部位、パッケージングシグナル)とを含む、該べク ターゲノムをコードするDNA構築物、 (ii) Gag-PolおよびEnvを、好ましくは別々の構築物としてコードするD NA構築物、 を含んでなる。 当業者には明らかな通り、前記(i)および(ii)の構築においては、組換え による自己増殖性ウイルス(replication competent virus)の産生を避けるため の安全性に対する考慮事項が適用され、それを考慮することになる。 本発明のプロデューサー細胞を作製するのに使用する前記の種々のDNA構築 物は別々の発現ベクター上に存在していてもよいし、あるいは、該ベクターゲノ ムが別々の転写単位中にコードされている場合には、該DNA構築物は単一の発 現べクター上に存在していてもよい。発現ベクターは、通常はプラスミドである 。好ましくは、レトロウイルスベクターをコードするDNA構築物と必要なパッ ケージング成分とを患者に同時に投与するか、あるいは、in vitroでプロデュー サー細胞に変換される細胞へ同時に送達する。したがって、それらのすべての要 素を単一の発現ベクター上に組込むのがより簡便かもしれない。 したがって、本発明は、治療用産物の長期的な発現が達成されるように患者/ 動物の組織へ遺伝子を直接送達する方法を得るための2つの技術の組合せを含む 。本発明の本質は、まず、非ウイルス性DNA送達により、DNA配列の組合せ を患者の細胞内に導入することにある。該レトロウイルス粒子のゲノムである、 該ベクター自体をコードするDNA配列は、機能的なenvおよびgag-pol遺伝子を 欠いており、そのため該ベクターは安全かつ実用的である。好ましい方法では、 患者から細胞を取り出す必要がない。しかしながら、記載している方法は、体内 から取り出された後に再移植される細胞または組織または器官に適用することが できる。そのようなDNA配列の組合せの場合、それらは、発現されると、複製 欠損性レトロウイルスベクターゲノムの産生と、そのゲノムをパッケージングし てレトロウイルスベクター粒子を与えるのに必要なタンパク質成分の産生とを特 定(specify)する。該レトロウイルスベクター粒子が放出されると、ウイルス媒 介 性遺伝子送達の過程により、該粒子が別の細胞に付着し、それに侵入し、その結 果、欠損レトロウイルスゲノムを細胞内に送達し、その細胞内で該ゲノムが、粒 子に結合している逆転写酵素により複製され、それらの細胞のゲノム内に組込ま れるようになる。DNA分子の組合せを最初に受容した細胞は、該細胞が生存す る限り、あるいは該DNAが存続する限り、レトロウイルスベクター粒子を分泌 し続ける。これにより、レトロウイルスベクター粒子が細胞に導入される機会が 拡大する。該レトロウイルスベクター粒子は、導入された細胞内で発現される治 療用遺伝子を含有する。したがって、本発明は、DNA配列の適当な組合せの直 接送達により、標的組織内でレトロウイルスベクタープロデューサー細胞を樹立 することを含む。 発明の詳細 注射、バイオリスチック(biolistic)送達、担体媒介性送達を含む適当な非レ トロウイルス法により、DNAを細胞へ送達する。そのような公知方法のいくつ かは、既に前記で説明した。DNA配列を細胞へin vivoで送達するための好ま しい送達方法は、リポソーム媒介性送達である。in vivo送達にどのような方法 を用いるとしても、該DNA配列は、患者に投与するための製剤学上許容されう る製剤の形で提供される必要があろう。別々の分子上の、あるいは複数の異なる 配列を保持する単一分子上の複数の異なるDNA配列を、ヒト/動物細胞へ送達 する。これらのDNA配列は、レトロウイルスベクター[例えばHIT系(Son eokaら 1995)および kat 系(Finer ら 1994)]の成分をコードする。該DNA 配列は、レトロウイルスのEnvタンパク質およびレトロウイルスのGag-Polタ ンパク質をコードするのに加えて、1以上の治療用遺伝子を含有するように操作 された複製欠損性レトロウイルスゲノムをコードする。また、追加的な配列を含 めることも可能である。例えば、1つまたはすべての分子上にHSV Tkなどの 自殺遺伝子(suicide gene)を含めて、トランスフェクトおよび形質導入された細 胞をアシクロビルなどの薬物での処理により破壊できるようにすることが可能で あろう(Plautz ら 1991)。DNA配列のそのような組合せはベクター産生系( VPS:vector production system)と称される。VPSは、必ずしもHIT、ka tなどの三プラスミド系に限定されるものではなく、任意のレトロウイルスベク タ ー系を含むことが可能である。成分は、必ずしも天然のレトロウイルス成分であ る必要はない。例えば、env遺伝子は、レトロウイルスベクター粒子を或る特定 の細胞型に標的化させるエンベロープタンパク質を特定するように操作すること ができる。該べクターゲノムは、特別の特性(例えば、組織特異的発現、調節さ れた発現)をベクターに付与する遺伝子発現シグナルを含有するように操作する ことができる。gag-pol遺伝子は、感染および組換えに影響を及ぼすように、例 えば、非分裂細胞のゲノムヘDNAを送達するように、あるいは染色体中の或る 特定の部位へDNAを標的化するように操作することができる。VPSを受容す る細胞は、in situレトロウイルス工場(factory)(ISRF)と称され、それは本 質的には、患者自身の細胞の1つから作製されたレトロウイルスベクタープロデ ューサー細胞である。患者から取り出した細胞を使用して、それをin vitroで作 製する場合には、ISRFは、患者に投与するための製剤学上許容されうる製剤 として提供される必要があろう。ISRFは、VPSが存続する限り該細胞から 放出されるレトロウイルス粒子を産生し、これは、数週から数ヶ月、あるいは例 外的に数年のオーダーに及ぶことがある(Wolffら 1992)。欠損レトロウイルス 粒子は、標的細胞集団(TCP)と称される隣接細胞に導入され、安定に組込ま れたプロウイルスとしてそれらの細胞へ治療用遺伝子を送達する。TCPは、新 たなウイルスを産生しない。また、ISRFは、VPSから治療用遺伝子を発現 する。記載されている非ウイルスDNA送達とウイルス媒介性遺伝子送達とのこ の組合せにより、患者の細胞の集団全体に治療用遺伝子を安全に分散させること が可能になる。 本発明は、体内の患者の細胞と体内から取り出された組織内の患者の細胞との 両方においてISRFを産生させることに関して多数の利点を有する。 利点 i)患者において 1.ウイルス粒子が局所的に濃縮されているため、レトロウイルスベクターを 患者内の標的細胞へ送達する効率が増加している。 2.細胞がウイルスに曝露される時間が長くなっているため、レトロウイルス ベクターの送達効率が増加している。このことは、細胞周期の種々の段階の細胞 が、レトロウイルスの感染に最適な周期相に入る機会を有することを意味する。 これらの細胞は、レトロウイルス粒子の1回量投与の治療における標的としては 利用できないであろう。 3.ISRFを作製すれば、実験室で作製したプロデューサー細胞を移植する 必要がなくなる。そのようなプロデューサー細胞は患者の細胞と異なるものであ り、ヒト以外に由来することさえある。これらの細胞は、体内のほとんどの移植 部位から急速に消散してしまうため、その有用性は限られたものになる。 4.ISRFを作製することにより、非ウイルス性遺伝子治療法の効率が劇的 に増加する。これらの方法では、本来、治療用遺伝子の発現が一過性であるため 、DNAでの頻繁な複数の反復治療が必要である。ISRFは治療用遺伝子を細 胞に分散させ、この細胞は、該細胞の寿命の間、その産物を産生し続けるであろ う。したがって、いずれにせよ幾つかのTCPの場合には、治療を頻繁に繰返す 必要がない。 5.ISRFを作製すれば、患者の組織を外科的に取り出し、再移植前にそれ にレトロウイルスベクターを導入する必要がなくなる。この後者の方法では、治 療用遺伝子を他の細胞に更に分散させることが不可能である。それは技術的に複 雑であり、該細胞を再移植前にin vitroでの相当高度な操作に付さなくてはなら ない 6.腫瘍の治療に適用する場合には、ISRFを作製すれば、大多数の腫瘍細 胞内で治療用遺伝子の発現を得る可能性が高くなり、それにより腫瘍の消散の可 能性が高くなる。 7.ISRF技術は種々の治療用途を有する。その具体例としては、以下のも のが挙げられるが、それらに限定されるものではない: i)嚢胞性線維症(CF):VPSを肺組織内へ、例えばリポソーム媒介性 DNA送達により導入する。それにより樹立されるISRFは、適当な治療用遺 伝子(例えば、CFTR(嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンスレギュレーター(c onductance regulator))を肺組織全体に分散させる。これにより、CFの肺症 状の軽減の延長がもたらされる。 ii)パーキンソン病:VPSをバイオリスチック送達により脳内の細胞中へ 、外科的に露出された小さな領域全体に導入する。それにより樹立される ISRFは、レトロウイルスベクターを特定の細胞(例えば、グリア細胞ま たはアストロサイト)へ送達して、適当な治療用遺伝子(例えば、チロシ ンヒドロキシラーゼおよびドーパデカルボキシラーゼ)を送達する。 iii)アルツハイマー病:VPSを脳内の細胞中に導入する。それにより樹 立されるISRFは、適当な治療用遺伝子(例えば、神経成長因子)を送達する 。 iv)腫瘍:VPSを腫瘍内に送達する。それにより樹立されるISRFは、 レトロウイルスベクターを周囲の腫瘍細胞へ送達して、適当な治療用遺伝子(例 えば、HSVチミジンキナーゼ(Tk)または外来性組織適合抗原)を送達する 。 ii)ex vivoの患者の組織において 前記利点i)の1〜4は、ISRFのex vivo適用にも当てはまる。 1.患者の細胞へレトロウイルスベクター粒子をex vivoで直接導入するため には、高力価レトロウイルスベクターの大規模な産生が必要であり、そのような 導入は、導入細胞の長期にわたる細胞培養および遺伝的選択が必要となるため、 それほど効率的でないことが多い。。もう1つのアプローチは、患者の細胞とinv itroで既に作製されたプロデューサー細胞系との共生培養である。この場合には 、患者の細胞を再移植する前に、プロデューサー細胞から標的細胞を分離する必 要があるかもしれない。本発明は、患者の細胞をプロデューサー細胞へ直接変換 するための方法を記載する。ついでレトロウイルスベクター粒子を、本発明でI SRFと称するプロデューサー細胞から他の患者細胞内へ導入し、最小限の操作 で該器官/組織/細胞を再移植することができる。したがって、ISRFを作製 すれば、遺伝子治療のいずれのex vivo法においても、患者以外の細胞と共生培 養を行なったりレトロウイルスベクター粒子で細胞を処理する必要がなくなる。 つぎに、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。 実施例 実施例1 Hela細胞単層中でのISRFの構築 Hela細胞を60cm皿中にプレーティングし、80%コンフルエントまで増殖さ せる。標準的なリン酸カルシウム沈殿法によりHela細胞中に導入するために、p HIT456、pHIT111およびpHIT60を含むプラスミドDNAを調製し、Son eokaら 1995 に詳細に記載されている拡張重層法(extended overlay method) により細胞内に導入する。pHIT456は、Hela細胞への感染を可能にする両種 指向性レトロウイルスエンベロープ遺伝子を含有しており、pHIT111は、lac Z遺伝子を含有する欠損レトロウイルスゲノムであり、pHIT60は、MLV ga g-pol遺伝子を含有している。これらのプラスミドの共発現により、lacZ 遺伝 子を標的細胞に導入しうるレトロウイルスベクター粒子が産生される。これを形 態 A と称することとする。簡単に説明すれば、各プラスミド 10μg をリン 酸カルシウムと共に共沈させ、得られた沈殿物をHela細胞単層上に配置する。 24時間後、培地を除き、新鮮な培地と交換する。同型の(replicate)皿を2 4時間間隔で作製し、該細胞を固定し、X-galで染色して、β−ガラクトシダー ゼの発現を検出する(Sanes ら 1986)。対照実験では、レトロウイルスベクター プラスミドpHIT111の代わりにプラスミドpKV469を10μg使用する。pK V469は、CMV−IEプロモーターを介してlacZ遺伝子を発現する単純な真核 細胞発現ベクターである。この三プラスミド形態では、レトロウイルスベクター 粒子は産出されない。これを形態Bと称することとする。 β−ガラクトシダーゼを発現している細胞は、X-galで青色に染色される。24 時間後、両方の形態においてベクタープラスミドpHIT111およびpKV469 か らβ−ガラクトシダーゼが発現される。それらの細胞を計数すると、各形態で同 様の数が認められる。48時間後に、どちらの場合においても青色細胞の数が増 加する。形態 B では、これは細胞分裂によるものであり、隣接して対になって いる(ダブレット)青色細胞が観察される。形態 A でも、細胞数が増加するが 、これは、ダブレット細胞の増加と単一細胞の増加との両方を含み、青色細胞の フォーカスの出現も含む。それらのフォーカスは、細胞分裂による遺伝子導入に 起因するとは考えられない2個を上回る細胞を含む。該フォーカスが出現したの は、もとの細胞から放出されたウイルスが隣接細胞に感染したためである。形態 Aでの青色細胞の増加は、48時間後に、より顕著となり、多細胞のフォーカ スと単一細胞の数の増加とが生じる。この染色パターンは、DNAをHela細胞 内へ 最初にトランスフェクトした後に1回以上のレトロウイルス導入が生じたことを 示している。形態 A では、ISRFがHela細胞単層内で樹立され、lacZ遺伝 子が標的細胞集団全体に分散される。形態Bでは、β−ガラクトシダーゼの発現 は、最初にトランスフェクトされた細胞とそれらの後代のいくつかとに限局され る。この実験は、標準的な共生培養実験の場合のように新鮮な細胞を加えなくて も、単純な均一細胞集団内でレトロウイルスの導入が反復して生じうることを立 証するものである。 実施例2 マウスの肺組織全体へのlacZ遺伝子の分散 前記の形態 A および形態 B のプラスミドの組を、Altonら(1993)に記載さ れているカチオン性リポソームDOTAPまたはDOTMA/DOPE(1プラ スミド当たり10〜50μg使用)と複合体形成させる。DNAを含有するリポ ソームをEdinburgh CFトランスジェニックマウス(Dorin ら 1992)の肺内 に、ジェットネブライザー(jet nebuliser)(Alton ら 1993)を使用して導入す る。2日後にマウスを犠牲にし、上皮細胞を肺洗浄により収穫する。4日目およ び14日目に、これを同型マウスについて繰返す。14日目に、肺を切片化し、 肺組織中のβ−ガラクトシダーゼの存在に関して該切片を染色する。形態 A で は、青色細胞数が形態 B の場合より有意に多くなるまで増加し、組織学的切片 においては、青色細胞のフォーカスが形態 A では認められるが、形態 B では 認められない。ISRFは形態Aで樹立しており、lacZ遺伝子が肺組織全体に分 散している。 実施例3 マウスの肝臓全体へのlacZ遺伝子の分散 マウスを部分的肝切除に付す。形態 A および B のプラスミドを、1μmの 金粒子の存在下でリン酸カルシウムにより沈殿させる。バイオリスチック送達装 置を使用して、金粒子を細胞へ送達する。2、4および14日後に、動物を犠牲 にし、肝臓の切片をX-galで染色する。形態 A においてのみ、肝臓内でフォー カスおよび分散した青色細胞が認められる。 実施例4 マウスの結腸全体へのlacZ遺伝子の分散 形態 A および B のプラスミドを、カチオン性リポソームと複合体形成させ 、これらを点滴により結腸へ送達する。2、4および6日後に、動物を犠牲にし 、結腸の組織学的切片をX-galで染色する。結腸上皮中にフォーカスおよび分散 した青色細胞が認められる。 実施例5 マウスの脳へのlacZ遺伝子の分散 マウスの脳内へ頭蓋中の外科的な穴から形態 A および B のプラスミドを導 入する。バイオリスチック送達装置を使用して、DNAを送達する。4日後およ び4週間後にマウスを犠牲にする。形態 A においてのみ、フォーカスおよび分 散した青色細胞が認められる。 実施例6 培養中のヒトHT1080細胞を使用するISRF Soneokaら(1995)に記載されているとおり、リン酸カルシウム沈殿法により 三プラスミドコトランスフェクションを行なった。プラスミドpHIT60(MuL Vgag-pol発現プラスミド)、pHIT456(両種指向性env発現プラスミド)およ びpHIT111(lacZ遺伝子を含有するプロウイルスDNA構築物)を、二組の5 個の10cm皿中のHT1080細胞内にコトランスフェクトした。最初の場合では、 これらの細胞を5日間維持した。毎日、一方の組からの1個の皿を固定し、X-ga lで染色し、他方の組からの1個の皿を集め溶解して、比色アッセイによりβ− ガラクトシダーゼ活性を測定した。陰性対照として、HT1080細胞にpHIT60 、pHIT123(同種指向性env発現プラスミド)およびpHIT111をトランスフ ェクトし、前記の両種指向性産生体の場合と同じアッセイを行なった。5個の1 0cm皿のもう1つの組には模擬(mock)トランスフェクトし、毎日1個の皿を集め て、血球計算盤を使用して細胞数を計数することにより細胞増殖を監視した。得 られた結果を表1に示す。両種指向性ウイルスを産生するHT1080細胞は、1日 後にlacZ発現細胞とβ−ガラクトシダーゼ活性との増加を示し、それらのレベル は、その後5日目まで維持された。lacZ発現細胞およびβ−ガラクトシダーゼ活 性の両方の増加は、細胞数の増加のみに起因するのではないであろう。なぜなら 、2日目の後には有意な細胞増殖が何ら認められず、同種指向性ウイルスを産 生するHT1080細胞が、lacZ発現細胞の数の減少を示したからである(表1) 。これらの実験では、ウイルスの導入を促進するためのポリブレンは使用しなか った。ポリブレンを使用せずにトランスフェクション後48時間の標準時間(1 日目)に得られた力価は比較的低く、同種指向性および両種指向性のどちらのウ イルスについてもNIH3T3細胞上で約103LFU/mlであり、両種指向性ウイ ルスについてのHT1080細胞上でも同じであった。したがって、培地5mlを含有 する1個の10cm皿では、5×103個までの導入可能な粒子が、周囲のHT108 0細胞に広がりうる懸濁液中にあると結論づけることができる。 細胞を14日間維持すること以外は、この手順を繰返した。トランスフェクト された細胞を、5日目および10日目に1:5の比で継代した。この場合もまた 、細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性が1日目の後で増加し、その後維持された点 で、両種指向性ウイルスを産生するHT1080細胞で同様の現象が観察された(表 2)。12日目に、活性の有意な増加が観察された(表2)。この段階では感染性 ウイルスが全く産生されていなかったため(表2)、この増加は、レトロウイル スベクターの広がりによるものではなく、lacZ遺伝子を保持する細胞の増殖に よるものである可能性が高かった。同種指向性ウイルスを産生するHT1080細胞 のβ−ガラクトシダーゼ活性は、14日間の全体にわたりベースラインレベルの ままであったが、このことは、両種指向性ウイルスにより導入されたlacZ遺伝 子が維持され安定に発現されたことを示唆している。 1日目の後と、おそらく第2の実験における5日目および10日目の細胞の継 代後とを除くほかは、どちらの実験の経過においても、有意な細胞増殖は生じな かったようである(表1および2)。リン酸カルシウムトランスフェクションに より何らかの毒性が生じるようであるため、約80%コンフルエントの時点で細 胞をトランスフェクトした。該トランスフェクションからの細胞の回収は、1日 目と2日目との間の細胞の増殖を説明するものであるかもしれない。2日目まで に、該細胞はコンフルエントに近づいていたため、細胞増殖は検出できなかった 。MuLVの性質は、感染が生じるためには細胞が活性に分裂している状態にあ ることを要するが、3日目以降に得られたウイルス力価が低いことは(表2)、 2日目以降の細胞の増殖が有意なものでなかったことを示唆している。 これらのデータを総合すれば、有用なレトロウイルスベクターを細胞集団全体 に広げる有効な手段としてin situレトロウイルス工場が使用可能であることが 示される。a 記載されているとおりに三プラスミドコトランスフェクションを行なった。 b 1日目は、トランスフェクション後48時間に相当する。 c 細胞を固定しX-galで染色した。40倍の倍率で青色細胞数を計数し、10 視 野の平均を記録した。 d 全タンパク質抽出物100μgを使用し、吸光度をOD420で測定した。 e 血球計算盤を使用して、10cm皿中の細胞の合計数を測定した。 f 適用不可。 a 記載されているとおりに三プラスミドコトランスフェクションを行なった。 両種指向性:pHIT60、pHIT456、pHIT111;同種指向性:pHIT60、pH IT123、pHIT111。 b 1日目は、トランスフェクション後48時間に相当する。5日目および10 日目に1:5の比で細胞を分割した。 c 全タンパク質抽出物30μgを使用し、吸光度をOD420で測定した。 d 各10cm皿から上清を集め、0.45μmフィルターで濾過し、ポリブレンの不 存在下でNIH3T3細胞またはHT1080細胞のいずれかへウイルス上清を加える ことにより力価を得た。48時間後に細胞をX-gal染色し、1ml当たりのlacZ 形成単位(LFU/ml)で力価を得た。 e 模擬トランスフェクションされた10cm皿からの細胞の合計数を、血球計算 盤を使用して計数した。 f 適用不可。 g 実施せず。 参照文献 A1ton,E.et al 1993 Nature Genet 5,135 Doin,J.R.et al 1992.Trans.Res.1.101. Dubensky,T.W.1984.Proc.Natl.Acad.Sci.81,7529 Finer M.et al.1994.Blood,83,43. Hyde,S.C 1993,Nature 362,250 Landau,N.R.& Littman,D.1992.J.Virol.66,5110 Led1ey,F.D.1995.Hum.Gene Ther.6,1129. Lever and Goodfellow 1995;Br.Med Bull.,51,1-242; Miller.A.D.1992.Curr.Topics in Microbiol and lmmunol.158,1-24 Morgan and Anderson.1993.Annual Review of Biochem.,62,192 Pear W.S.et al 1993.Proc.Natl.Acad.Sci.90.8392 P1autz G.et al.1991 New Biol.7,709 Sanes,J.R.,et al.1986 EMPO J.,53133. Short M.P.et al 1990.J.Neuroscience Res.27.427 Soneoka Y.et al.1995.Nuc1.Acids Res.23,628 Wolff,J.A.1990.Science,247,1465. Yang,N.S.et al 1990,Proc.Natl.Acad.Sci,87.9568.
【手続補正書】 【提出日】1999年1月7日(1999.1.7) 【補正内容】 (1)本願請求の範囲を別紙のとおり補正する。 (2)本願明細書第8頁第10行と第11行の間に以下の文章を補充する。 「以下に本発明を要約する。 (1)複製欠損性レトロウイルスベクターを含有する複製欠損性レトロウイルス ベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞へと患者の細胞を変換するための 該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列であって、該レト ロウイルスベクターが少なくとも1つの異種遺伝子を含んでなり、該ベクターが 機能的な env またはgag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該DNA配列 が非レトロウイルス手段により患者に投与するのに適した形態であり該細胞に取 込まれうることを特徴とするDNA配列。 (2)複製欠損性レトロウイルスベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞 へと患者の細胞を変換するための一組のDNA配列であって、該配列の組が、請 求項1に記載のDNA配列と、該プロデューサー細胞による感染性レトロウイル スベクター粒子の産生のためのパッケージング成分EnvおよびGag-Polをコー ドするDNA配列とを含んでなり、該DNA配列の組が、非レトロウイルス手段 により患者に投与するのに適した形態であり該細胞に取込まれうることを特徴と する一組のDNA配列。 (3)前記の少なくとも1つの異種遺伝子が、少なくとも1つの治療的に活性な 遺伝子を含む、前記(1)または(2)に記載のDNA配列。 (4)治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞型の患者細胞を変換 するための、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のDNA配列。 (5)1以上のプラスミド中に存在する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載 のDNA配列。 (6)感染性レトロウイルスベクター粒子中に複製欠損性レトロウイルスベクタ ーを産生しうるプロデューサー細胞であって、該プロデューサー細胞が、該複製 欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列を含んでなり、該ベクタ ーが、少なくとも1つの異種遺伝子を含んでなるが機能的なenvまたはgag-pol遺 伝子のいずれをも含有しておらず、該プロデューサー細胞が、患者内に導入し遺 伝子治療で使用するのに適した新鮮な細胞であることを特徴とするプロデューサ ー細胞。 (7)前記べクター中の少なくとも1つの異種遺伝子が、少なくとも1つの治療 的に活性な遺伝子を含む、前記(6)に記載のプロデューサー細胞。 (8)前記細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞型の細 胞である、前記(7)に記載のプロデューサー細胞。 (9)前記細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞へ前記 ベクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、前記(7)に記載のプロデ ューサー細胞。 (10)前記プロデューサー細胞が由来する患者内へ再移殖するための、前記( 6)〜(9)のいずれかに記載のプロデューサー細胞。 (11)複製欠損性レトロウイルスベクターを産生しうるプロデューサー細胞の 製造法であって、該ベクターが、少なくとも1つの治療的に活性な遺伝子を含ん でなるが機能的なenvまたはgag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該製造 法が、該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列を新鮮な哺 乳動物細胞内に導入して、遺伝子治療で使用するのに適したプロデューサー細胞 を得ることを含むことを特徴とする製造法。 (12)前記(11)に記載のDNA配列とパッケージング成分EnvおよびGag -PolをコードするDNA配列とを含む一組のDNA配列を、前記細胞内へ導入 する、前記(11)に記載の製造法。 (13)前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容さ せようとする標的細胞型の細胞である、前記(11)または(12)に記載の製 造法。 (14)前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとす る標的細胞へ前記べクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、前記(1 1)または(12)に記載の製造法。 (15)前記の新鮮な細胞が患者の細胞であり、該細胞を患者内でinvivoでプロ デューサー細胞へ変換する、前記(11)〜(13)のいずれかに記載の製造法 。 (16)前記のDNA配列または一組のDNA配列を、前記の新鮮な細胞内へin vitroで導入する、前記(11)〜(14)のいずれかに記載の製造法。 (17)前記の新鮮な細胞が患者由来であり、得られたプロデューサー細胞を次 に該患者内へ再移植する、前記(16)に記載の製造法。 (18)前記(6)〜(10)のいずれかに記載のプロデューサー細胞を患者内 へ導入することを含んでなる、該患者において遺伝子治療を実施する方法。 (19)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のDNA配列または一組の配列を 非レトロウイルス手段により患者内へ導入することを含んでなる、該患者におい て遺伝子治療を実施する方法。 (20)遺伝子治療に使用する製剤中での、前記(6)〜前記(10)のいずれ かに記載のプロデューサー細胞の使用。 (21)遺伝子治療に使用する製剤中での、前記(1)〜(5)のいずれかに記 載のDNA配列または一組のDNA配列の使用。」 請求の範囲 被験者内で複製欠損性レトロウイルスベクターを産生する方法であって、 該複製欠損性レトロウイルスベクターがその被験者内の細胞に送達するための少 なくとも1つの治療的に活性な遺伝子を含むがenv、gagおよびpol遺伝子を含有 しておらず、該方法が該患者内のプロデューサー細胞内で、該複製欠損性レトロ ウイルスベクターを産生することが可能な、 (i) 少なくとも1つの治療的に活性な遺伝子とレトロウイルス機能に不可欠 な残りの成分とを含むDNA構築物、および (ii) Gag−PolおよびEnvをコードするlつまたは複数のDNA構築 を含む一組のDNA配列を、該構築物(i)がパッケージングされ該細胞に送達さ れるように、発現することを含み、ならびに該細胞がプロデューサー細胞ではな いことを特徴とする方法。 前記DNA構築物(i)が、機能的なenvまたはgaglpol遺伝子のいずれをも 含有していないベクターによってプロデューサー細胞に送達される、請求項1に 記載の方法。 前記DNA配列が1つまたはそれ以上のプラスミド中に存在する、請求項 1または2に記載の方法。 前記レトロウイルス機能に不可欠な成分がプライマー結合部位、組込み部 位およびパッケージングシグナルのいずれか1つ以上である、請求項1〜3のい ずれか1項に記載の方法。 .複製欠損性レトロウイルスベクターを含有する複製欠損性レトロウイルス ベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞へと患者の細胞を変換するための 該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列であって、該レト ロウイルスベクターが少なくとも1つの異種遺伝子を含み、該ベクターが機能的 なenvまたは機能的 gag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該DNA配列が非レトロウイル ス手段により患者に投与するのに適した形態であって該細胞に取込み可能であり 且つ治療に使用するためのものであり、該患者細胞が該プロデューサー細胞に変 換されること を特徴とするDNA配列。 .複製欠損性レトロウイルスベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞 へと患者の細胞を変換するための一組のDNA配列であって、該配列の組が、請 求項に記載のDNA配列と、該プロデューサー細胞による感染性レトロウイル スベクター粒子の産生のためのパッケージング成分EnvおよびGag-Polをコー ドするDNA配列とを含んでなり、該DNA配列の組が、非レトロウイルス手段 により患者に投与するのに適した形態であって該細胞に取込み可能であり且つ治 療に使用するためのものであり、該患者細胞が該プロデューサー細胞に変換され ことを特徴とする一組のDNA配列。 .前記の少なくとも1つの異種遺伝子が、少なくとも1つの治療的に活性な 遺伝子を含む、請求項または請求項に記載のDNA配列。 治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞型の患者細胞を変換 するための 、請求項5〜7のいずれか1項に記載のDNA配列。 . 1以上のプラスミド中に存在する、請求項5〜8のいずれか1項に記載 のDNA配列。 10.感染性レトロウイルスベクター粒子中に複製欠損性レトロウイルスベク ターを産生しうる且つ患者内に存在させて治療に使用するためのプロデューサー 細胞であって、該プロデューサー細胞が該複製欠損性レトロウイルスベクター パッケージング成分EnvおよびGag-Pol をコードする一組のDNA配列を含み 、該べクターが少なくとも1つの異種遺伝子を含むが機能的なenvまたは機能的 gag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該プロデューサー細胞が患者内 に導入し遺伝子治療で使用するのに適した新鮮な細胞であることを特徴とするプ ロデューサー細胞。 11.前記べクター中の少なくとも1つの異種遺伝子が、少なくとも1つの治 療的に活性な遺伝子を含む、請求項10に記載のプロデューサー細胞。 12.前記細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞型の 細胞である、請求項11に記載のプロデューサー細胞。 13.前記細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞へ前 記ベクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、請求項12に記載のプロ デューサー細胞。 14. プロデューサー細胞が由来する患者内へ再移殖するための、請求項 0〜13 のいずれか1項に記載のプロデューサー細胞。 15感染性レトロウイルス粒子中に複製欠損性レトロウイルスベクターを産 生しうる且つ患者内に存在させるプロデューサー細胞を製造するためのインビト 方法であって、該ベクターが、少なくとも1つの治療的に活性な遺伝子を含む が機能的なenvまたは機能的なgag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該方 法が、該複製欠損性レトロウイルスベクターとパッケージング成分EnvおよびG ag- Pol をコードする一組のDNA配列を新鮮な哺乳動物細胞内にインビトロで 導入して、遺伝子治療で使用するのに適したプロデューサー細胞を得ることを含 むことを特徴とする方法。 16.前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとす る標的細胞型の細胞である、請求項15に記載の方法。 17.前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとす る標的細胞へ前記ベクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、請求項 に記載の方法。 18.前記の新鮮な細胞が遺伝子治療によって治療を受ける患者に由来する細 である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。19.遺伝子治療に使用する製剤の製造における、請求項10〜14のいずれ か1項に記載のプロデューサー細胞の使用。 20.遺伝子治療に使用する製剤の製造における、請求項5〜9のいずれか1 項に記載のDNA配列または一組のDNA配列の使用。21患者内でプロデューサー細胞をインビボ産生するための方法であって、該 プロデューサー細胞が感染性レトロウイルス粒子中に複製欠損性レトロウイルス ベクターを産生することが可能であり、該ベクターが少なくとも1つの治療的に 活性な遺伝子を含むが機能的なenvまたは機能的なgag-pol遺伝子のいずれをも含 有しておらず、該方法が、複製欠損性レトロウイルスベクターとパッケージング 成分EnvおよびGag-Polをコードする一組のDNA配列を患者の少なくとも1 つの細胞にインビボで導入してプロデューサー細胞を付与することを含み、該患 者細胞が該プロデューサー細胞に変換されることを特徴とする方法。 22前記プロデューサー細胞が治療的に活性な遺伝子を受容させようとする 標的細胞型の細胞である、請求項21に記載の方法。 23前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとす る標的細胞へ前記ベクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、請求項2 2に記載の方法。 24.請求項10〜14のいずれか1項に記載のプロデューサー細胞を患者内 へ導入することを含んでなる、該患者において遺伝子治療を実施する方法。25.請求項6〜9のいずれか1項に記載の一組のDNA配列を非レトロウイ ルス手段により患者に導入し、該患者の細胞をプロデューサー細胞に変換するこ とを含んでなる、該患者において遺伝子治療を実施するための方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 キングスマン,スーザン,メアリー イギリス国 オーエックス5 2エスエフ オクソン,イスリップ,ミドル ストリ ート,グレイストーンズ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.複製欠損性レトロウイルスベクターを含有する複製欠損性レトロウイルス ベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞へと患者の細胞を変換するための 該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列であって、該レト ロウイルスベクターが少なくとも1つの異種遺伝子を含んでなり、該ベクターが 機能的なenvまたはgag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該DNA配列が 非レトロウイルス手段により患者に投与するのに適した形態であり該細胞に取込 まれうることを特徴とするDNA配列。 2.複製欠損性レトロウイルスベクター粒子を産生しうるプロデューサー細胞 へと患者の細胞を変換するための一組のDNA配列であって、該配列の組が、請 求項1に記載のDNA配列と、該プロデューサー細胞による感染性レトロウイル スベクター粒子の産生のためのパッケージング成分Env および Gag-Polをコ ードするDNA配列とを含んでなり、該DNA配列の組が、非レトロウイルス手 段により患者に投与するのに適した形態であり該細胞に取込まれうることを特徴 とする一組のDNA配列。 3.前記の少なくとも1つの異種遺伝子が、少なくとも1つの治療的に活性な 遺伝子を含む、請求項1または請求項2に記載のDNA配列。 4.変換される患者の細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標 的細胞型の細胞である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNA配列。 5.1以上のプラスミド中に存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の DNA配列。 6.感染性レトロウイルスベクター粒子中に複製欠損性レトロウイルスベクタ ーを産生しうるプロデューサー細胞であって、該プロデューサー細胞が、該複製 欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列を含んでなり、該ベクタ ーが、少なくとも1つの異種遺伝子を含んでなるが機能的なenvまたはgag-pol遺 伝子のいずれをも含有しておらず、該プロデューサー細胞が、患者内に導入し遺 伝子治療で使用するのに適した新鮮な細胞であることを特徴とするプロデューサ ー細胞。 7.前記べクター中の少なくとも1つの異種遺伝子が、少なくとも1つの治療 的に活性な遺伝子を含む、請求項6に記載のプロデューサー細胞。 8.前記細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞型の細 胞である、請求項7に記載のプロデューサー細胞。 9.前記細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする標的細胞へ前記 べクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、請求項7に記載のプロデュ ーサー細胞。 10.前記プロデューサー細胞が由来する患者内へ再移殖するための、請求項6 〜9のいずれか1項に記載のプロデューサー細胞。 11.複製欠損性レトロウイルスベクターを産生しうるプロデューサー細胞の製 造法であって、該べクターが、少なくとも1つの治療的に活性な遺伝子を含んで なるが機能的なenvまたはgag-pol遺伝子のいずれをも含有しておらず、該製造法 が、該複製欠損性レトロウイルスベクターをコードするDNA配列を新鮮な哺乳 動物細胞内に導入して、遺伝子治療で使用するのに適したプロデューサー細胞を 得ることを含むことを特徴とする製造法。 12.請求項11に記載のDNA配列とパッケージング成分EnvおよびGag-Pol をコードするDNA配列とを含む一組のDNA配列を、前記細胞内へ導入する、 請求項11に記載の製造法。 13.前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする 標的細胞型の細胞である、請求項11または請求項12に記載の製造法。 14.前記プロデューサー細胞が、治療的に活性な遺伝子を受容させようとする 標的細胞へ前記べクターを送達する能力を有する免疫系細胞である、請求項11ま たは請求項12に記載の製造法。 15.前記の新鮮な細胞が患者の細胞であり、該細胞を患者内でin vivoでプロ デューサー細胞へ変換する、請求項11〜13のいずれか1項に記載の製造法。 16.前記のDNA配列または一組のDNA配列を、前記の新鮮な細胞内へinvi troで導入する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の製造法。 17.前記の新鮮な細胞が患者由来であり、得られたプロデューサー細胞を次に 該患者内へ再移植する、請求項16に記載の製造法。 18.請求項6〜10のいずれか1項に記載のプロデューサー細胞を患者内へ導入 することを含んでなる、該患者において遺伝子治療を実施する方法。 19.請求項1〜5のいずれか1項に記載のDNA配列または一組の配列を非レ トロウイルス手段により患者内へ導入することを含んでなる、該患者において遺 伝子治療を実施する方法。 20.遺伝子治療に使用する製剤中での、請求項6〜10のいずれか1項に記載の プロデューサー細胞の使用。 21.遺伝子治療に使用する製剤中での、請求項1〜5のいずれか1項に記載の DNA配列または一組のDNA配列の使用。
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