JP2003525911A - プロドラッグに対する内皮細胞の感受性を高める方法 - Google Patents

プロドラッグに対する内皮細胞の感受性を高める方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は本発明は抗癌療法に関する。より具体的には、本発明は、プロドラッグに対する内皮細胞の感受性を高める方法、組換えウイルスベクター、および腫瘍の血管新生を阻害する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は抗癌療法に関する。より具体的には、本発明は、プロドラッグに対す
る内皮細胞の感受性を高める方法、組換えウイルスベクター、および腫瘍の血管
新生を阻害する方法に関する。
【0002】 (背景技術) 癌を原因とする死亡は世界中で毎年6百万例に近い。癌に冒された患者のおよ
そ半分は、腫瘍が原発部位に限局しているために、外科手術または放射線療法に
よって治すことができる。残りの癌には血液腫瘍および転移した腫瘍が含まれる
。これらの癌タイプのうち、化学療法によって治すことができるものの割合は現
時点ではわずか(5〜10%)であり、残りは化学療法に対して抵抗性であるか
、治療の過程で抵抗性を獲得する。
【0003】 血管新生は、既存の血管から「出芽」することによって新しい血管の形成をも
たらす多段階過程である。血管新生は数多くの生理学的事象に(正常な事象にも
病的な事象にも)関与している。正常な状態では、血管新生は創傷治癒、黄体形
成および胚発生に関与する。しかし血管新生は固形腫瘍、転移、糖尿病性網膜症
、乾癬などの様々な病的状態および慢性関節リウマチなどの炎症関連疾患でも重
要な役割を果たす。特に、最小サイズを超える固形腫瘍の増殖は、酸素、栄養素
および成長因子を供給する新しい血管の形成に決定的に依存するが、血管新生は
続発部位における転移の形成にとっても重要である。
【0004】 初期の研究で、摘出灌流器官に移植された腫瘍は直径数ミリメートルを超えて
成長することはできないことが見いだされた。しかしドナーマウスに再移植する
と、腫瘍は1cm3を越えて急速に成長し、その宿主を殺してしまった。腫瘍は
マウス体内では血管化され、灌流器官では血管化されなかった。これらの研究に
基づいて「固形腫瘍は血管新生依存的であり」、「血管新生阻害は癌と戦う際の
治療方法になりうる」という仮説が立てられた。
【0005】 血管新生は一般に三期に分割することができる。第一に、塩基性繊維芽細胞増
殖因子(bFGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)などの血管新生刺激因
子が腫瘍細胞から放出される。第二に、これらの血管新生シグナルが、内皮細胞
の増殖、タンパク質分解酵素および細胞外マトリックス(ECM)分子の分泌、
ならびにECMおよび腫瘍の血管浸潤を引き起す接着分子の発現の変化を誘発す
る。第三に、血管芽が管腔構造を形成することによって成熟し始め、環状に融合
することにより、新しい血管での血液循環を促進する。
【0006】 正常な生理学的状態において、血管内皮細胞は70kgのヒトで約1000m 2 に及ぶ単層を形成する。これらの細胞は数百日以上の平均代謝回転時間を持つ
。しかし、血管新生化腫瘍における血管新生中は、内皮細胞は骨髄前駆細胞並み
の速さで(すなわち数日程度の代謝回転時間で)増殖することができる。
【0007】 腫瘍の血管系を破壊することができれば、酸素および栄養の永続的な欠乏によ
って腫瘍細胞を飢餓状態にし、最終的には死滅させることができると考えられる
【0008】 この点で、内皮細胞に特異的にターゲティングされる適切な調節要素に遺伝子
が結合している発現系を利用すれば、内皮に対する治療薬の特異的送達が可能に
なることが示唆されている。内皮細胞特異的な遺伝子発現を制御するプロモータ
ー要素については既に記載がある。
【0009】 例えばWO97/17359にはVEGF受容体の新規プロモーターが記載さ
れており、WO98/24892にはVE−カドヘリン受容体の新規プロモータ
ーが記載されている。当技術分野では他のプロモーターも知られている。
【0010】 しかし、先行技術で腫瘍細胞を攻撃するために提案されている発現系はいずれ
も毒性物質の発現を目的とするものであり、例えばシュードモナス外毒素A、ジ
フテリア毒素および腫瘍壊死因子αなど、細菌、植物または動物由来の毒性タン
パク質が数多く提案されている(例えばWO97/17359の24〜25頁を
参照されたい)。
【0011】 最後に、プロドラッグに対する細胞の感受性を高める方法は、これまでにも記
載されていることを述べておく。例えばWO99/39740には、脂質による
遺伝子および化合物の送達を用いる方法が開示されている。しかし内皮細胞のみ
を標的とする細胞感作方法はこれまで一度も記載されたことがない。
【0012】 (発明の概要) 先行技術の発現系とは対照的に、本発明は、より一層安全な発現系の提供を目
的とする。上述した技術のように、毒性物質が望まない部位で発現するという危
険を冒して毒性物質を発現させるのではなく、成長中の固形腫瘍および転移の成
長を処置するために増殖性内皮細胞を標的とする手段であって、無害な物質だけ
を前記特定部位でのみ発現させる手段を提供することが、本発明の目的である。
【0013】 本発明によれば、無害な薬物代謝酵素をコードする遺伝子を組み込むことがで
きる遺伝子改変ウイルスで内皮細胞だけを処置し、次にそれらの内皮細胞内での
み細胞毒性薬に変換される無毒性プロドラッグによる処置を行うことからなる二
段階処置で、腫瘍および転移を攻撃する。
【0014】 この処置によって腫瘍関連内皮細胞は破壊され、腫瘍細胞は休止状態に保たれ
るか殺滅される。この方法により、微小転移巣または残存腫瘍組織の再成長が効
果的に阻害される。
【0015】 本発明の方法には、従来の化学療法に関連して見られた重篤な全身性副作用(
毒性)がないばかりでなく、本発明の方法では内皮細胞における毒性物質の発現
も回避される。毒性物質はプロドラッグが投与されるまで生成しない。さらに毒
性物質は内皮細胞内でのみ生成する。したがって本発明の方法により、既知の腫
瘍攻撃法よりもさらに高い安全性レベルが得られる。
【0016】 したがって本発明は、その第一の態様として、プロドラッグに対する内皮細胞
の感受性を高める方法であって、 (i)作動可能な形で結合した (a)プロドラッグ代謝遺伝子、すなわち前記プロドラッグの(細胞毒性)
薬物への変換を促進する酵素をコードするヌクレオチド配列と、 (b)前記内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択
的に促進することができるプロモーターと を含むポリヌクレオチドを、前記内皮細胞にトランスフェクトする工程、 および (ii)前記プロドラッグを前記内皮細胞に送達する工程 を含み、かつ前記内皮細胞の前記(細胞毒性)薬物に対する感受性が前記プロ
ドラッグに対する感受性よりも高い方法を提供する。
【0017】 もう一つの態様として、本発明は、作動可能な形で結合したプロモーターとプ
ロドラッグ代謝遺伝子とを含む組換えウイルスベクターであって、プロモーター
が内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択的に促進する
能力を持つことを特徴とする組換えウイルスベクターを提供する。
【0018】 第三の態様として、本発明は、対象における腫瘍誘導血管新生を阻害する方法
であって、 (i)作動可能な形で結合した (a)プロドラッグ代謝遺伝子、すなわちプロドラッグの(細胞毒性)薬物
への変換を促進する酵素をコードするヌクレオチド配列と、 (b)内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択的に
促進することができるプロモーターと を含む、内皮細胞への形質導入能を持つ組換えウイルスベクターを、前記対象
に導入する工程、 および (ii)前記対象に前記プロドラッグを導入する工程 を含み、かつ前記内皮細胞の前記(細胞毒性)薬物に対する感受性が前記プロ
ドラッグに対する感受性よりも高い方法を提供する。
【0019】 本発明の他の目的は、以下の詳細な説明および実施例から当業者には明らかに
なるだろう。
【0020】 (発明の詳細な説明) 細胞感作方法 本発明は、その第一の態様として、プロドラッグに対する内皮細胞の感受性を
高める方法であって、 (i)作動可能な形で結合した (a)プロドラッグ代謝遺伝子、すなわち前記プロドラッグの(細胞毒性)
薬物への変換を促進する酵素をコードするヌクレオチド配列と、 (b)前記内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択
的に促進することができるプロモーターと を含むポリヌクレオチド(ベクター)を、前記内皮細胞にトランスフェクトす
る工程、 および (ii)前記プロドラッグを前記内皮細胞に送達する工程 を含み、かつ前記内皮細胞の前記(細胞毒性)薬物に対する感受性が前記プロ
ドラッグに対する感受性よりも高い方法を提供する。
【0021】 「作動可能な形で結合」という用語は、プロドラッグ代謝遺伝子とプロモータ
ーとが、コードされた酵素の発現が可能になるような形で連結されていることを
意味する。ベクターの各要素の向きおよび位置は、コードポリヌクレオチドの制
御および発現に関して作動可能な形で結合しているという要件が満たされる限り
、特に限定されない。
【0022】 本明細書において「感受性を高める(感作)」という用語は、感作前には細胞
が感受性を示さないかまたは低い感受性しか示さなかったある化合物(すなわち
プロドラッグ)に対する前記細胞の感受性を増大させ、その化合物に対してより
高い反応性を示すようにする能力を指す。「感受性を高める」という用語は、特
に、感作前には非致命的であった物質への曝露によって細胞死が起こるような形
で細胞の感受性を増大させることを包含する。
【0023】 好ましい一実施形態では、プロドラッグはイホスファミド[Keizer H
Jら「10日間持続静脈内注入としてのイホスファミド処置」J.Cancer
Res.Clin.Oncol. 1995,121,297〜302参照]
であり、プロドラッグ代謝遺伝子はCYP2B1[Kedzie KMら「機能
的にユニークなチトクロムP450IIB1の分子基盤」J.Biol.Che
m. 1991,266,22515〜22521およびFuji−Kuriy
ama Yら「チトクロムP450の一次構造:ラット肝由来のフェノバルビタ
ール誘導性チトクロムP450 cDNAのコードヌクレオチド配列」Proc
.Natl.Acad.Sci. USA 1982,79,2793〜279
7参照]である。無毒性プロドラッグであるイホスファミドを投与すると、内皮
細胞によって発現されるCYP2B1酵素はイホスファミドを細胞毒性代謝産物
に代謝することができる。腫瘍部位では、代謝産物であるホスホルアミドマスタ
ード(DNAをアルキル化する)およびアクロレイン(タンパク質をアルキル化
する)が高濃度に達し、内皮細胞を根絶する。酸素および栄養の永続的な欠乏は
腫瘍細胞を飢餓状態にし、最終的には死滅させる。
【0024】 もう一つの好ましい実施形態では、プロドラッグはガンシクロビル[Mart
in LAら「自殺遺伝子による直接的細胞殺滅」Cancer Metast
asis Rev. 1996,15,301〜316参照]であり、プロドラ
ッグ代謝遺伝子は単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子で
ある。無毒性プロドラッグであるガンシクロビルを投与すると、内皮細胞によっ
て発現されるチミジンキナーゼは、内皮細胞を死滅させる有毒な三リン酸型に、
ガンシクロビルを代謝することができる。
【0025】 さらにもう一つの好ましい実施形態では、プロドラッグは6−チオキサンチン
であり、プロドラッグ代謝遺伝子は大腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシル
トランスフェラーゼ(大腸菌xgpt)6ptである。
【0026】 さらにもう一つの好ましい実施形態では、プロドラッグは5−フルオロシトシ
ン[Martin LAら「自殺遺伝子による直接的細胞殺滅」Cancer
Metastasis Rev. 1996,15,301〜316参照]であ
り、プロドラッグ代謝遺伝子はシトシンデアミダーゼである。無毒性プロドラッ
グである5−フルオロシトシンを投与すると、内皮細胞によって発現されるシト
シンデアミナーゼはは、内皮細胞に対して毒性を示す5−フルオロウラシルに、
5−フルオロシトシンを代謝することができる。
【0027】 さらに本発明は細胞特異的プロモーターの使用による内皮細胞の組織特異的タ
ーゲティングを包含する。
【0028】 本発明のウイルスベクター系(遺伝子導入系)は、例えば「Current
Protocols in Molecular Biology」[Ausu
belら編「Current Protocols in Molecular
Biology」Wiley and Sons Inc.]に記載されてい
るような、当業者に知られた方法によって製造することができる。
【0029】 内皮細胞における選択的な遺伝子導入および遺伝子発現は転写ターゲティング
法(transcriptional targeting)によって達成され
ている。この転写ターゲティング法では、組織特異的な転写調節要素(プロモー
ター)を使って、それらの調節要素と相互作用する転写因子を発現させる内皮細
胞に、自殺遺伝子の発現が限定される。
【0030】 好ましい一実施形態では、プロモーターは、ビトロネクチン受容体αサブユニ
ット(αv)遺伝子プロモーターである[Donahue JPら「インテグリ
ンαv遺伝子:プロモーター領域の同定および特徴づけ」Biochemica
and Biophysica Acta 1994,1219,228〜2
32参照]。ビトロネクチン受容体αサブユニット(αv)は、内皮細胞によっ
て多様に発現される受容体と結合する。インテグリンαvの発現は血管新生に付
随して起こる。血管新生中は浸潤性内皮上でのαv発現量が増加する。本発明に
よれば、αvプロモーターの制御下にあるアデノウイルスベクターまたは複製欠
損レトロウイルスベクターをインビボで適用することにより、主として、血管新
生過程に関与する増殖性内皮細胞で、高レベルの遺伝子産物が誘導される。
【0031】 もう一つの好ましい実施形態では、プロモーターは血管内皮増殖因子(VEG
F)受容体遺伝子プロモーターである。VEGF受容体は、腫瘍によって誘導さ
れる増殖性内皮細胞中でアップレギュレートされる。本発明によれば、VEGF
受容体遺伝子プロモーターの制御下にあるアデノウイルスベクターまたは複製欠
損レトロウイルスベクターをインビボで適用することにより、主として、血管新
生過程に関与する増殖性内皮細胞で、高レベルの遺伝子発現が誘導される。
【0032】 第三の好ましい実施形態では、プロモーターはβ3インテグリン遺伝子プロモ
ーターである。 β3インテグリンは増殖性浸潤性内皮細胞内でアップレギュレートされる。本発
明によれば、β3インテグリンのβ3サブユニット遺伝子のプロモーターの制御
下にあるアデノウイルスベクターまたは複製欠損レトロウイルスベクターをイン
ビボで適用することにより、主として、血管新生過程に関与する増殖性浸潤性内
皮細胞で、高レベルの遺伝子産物が誘導される。
【0033】 第四の好ましい実施形態では、プロモーターは血管内皮カドヘリン(VE−カ
ドヘリン)遺伝子プロモーターである。VE−カドヘリンインテグリンは増殖性
内皮細胞中でアップレギュレートされる。本発明によれば、VE−カドヘリン遺
伝子プロモーターの制御下にあるアデノウイルスベクターまたは複製欠損レトロ
ウイルスベクターをインビボで適用することにより、主として、血管新生過程に
関与する内皮細胞で、高レベルの遺伝子産物が誘導される。
【0034】 血管新生の発生時にはアンジオポエチン2の局所的発現が内皮細胞中で起こる
。第五の好ましい実施形態では、プロモーターはアンジオポエチン2遺伝子プロ
モーターである。アンジオポエチン2は増殖性内皮細胞中でアップレギュレート
される。本発明によれば、アンジオポエチン2プロモーターの制御下にあるアデ
ノウイルスまたは複製欠損レトロウイルスをインビボで適用することにより、主
として、血管新生過程に関与する内皮細胞で、高レベルの遺伝子産物が誘導され
る。
【0035】 組換えウイルスベクター もう一つの態様として、本発明は、作動可能な形で結合したプロモーターとプ
ロドラッグ代謝遺伝子とを含む組換えウイルスベクターであって、プロモーター
が内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択的に促進する
能力を持つことを特徴とする組換えウイルスベクターを提供する。
【0036】 遺伝子導入ベクターとして有用なウイルスにはパポバウイルス、アデノウイル
ス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスおよびレトロ
ウイルスなどがある。
【0037】 レトロウイルスはコアタンパク質およびRNAを取り囲むタンパク質エンベロ
ープからなっている。RNAは、ゲノムに隣接するプロモーターおよびエンハン
サー領域を含む2つの末端反復配列(LTR)、CAP部位およびポリアデニル
化シグナルを含む転写調節シグナル、ならびにenv遺伝子(エンベロープタン
パク質をコードしている)、gag遺伝子(ウイルスコアタンパク質をコードし
ている)およびpol遺伝子(逆転写酵素をコードしている)を含む構造遺伝子
をコードし、さらにパッケージングシグナルpsiもコードしている。
【0038】 ヒト患者用のレトロウイルスベクターは複製欠損性でなければならない。これ
により、標的組織における感染性レトロウイルス粒子のさらなる産生が防止され
る。その代わりに、複製欠損ベクターは、標的細胞ゲノムに安定に組み込まれた
「捕獲(captive)」導入遺伝子になる。通例、複製欠損ベクターではg
ag、envおよびpol遺伝子が(残りのウイルスゲノムの大半と共に)欠失
している。異種DNAは欠失したウイルス遺伝子の代わりに挿入される。異種遺
伝子は内因性異種プロモーター(標的細胞内で活性な別の異種プロモーター)の
制御下にあってもよいし、レトロウイルス5’LTRの制御下にあってもよい(
ウイルスLTRは多様な組織で活性である)。通例、レトロウイルスベクターは
約7〜8kbの導入遺伝子収容能力を持っている。
【0039】 本発明の好ましいウイルスベクターはアデノウイルスベクター、アデノ随伴ウ
イルスベクター、および複製欠損レトロウイルスベクターである。
【0040】 好適なベクターには、単純疱疹ウイルス系ベクター、例えばpHSV1[Ge
llerら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 1990
,87,8950〜8954];レトロウイルスベクター、例えばMFG[Ja
ffeeら,Cancer Res. 1993,53,2221〜2226]
、特にLN、LNSX、LNCX、LXSNなどのモロニーレトロウイルスベク
ター[MillerおよびRosman,Biotechniques 198
9,7,980〜989]およびセムリキ森林ウイルス(「SFV」)ベクター
;ワクシニアウイルスベクター、例えばMVA[SutterおよびMoss,
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 1992,89,1
0847〜10851];アデノウイルスベクター、例えばpJM17[Ali
ら,Gene Therapy 1994,1,367〜384、Berker
,Biotechniques 1988,6,616〜624、Wandおよ
びFiner,Nature Medicine 1996,2,714〜71
6];アデノ随伴ウイルスベクター、例えばAAV/neo[Mura−Cac
hoら,J.Immunother. 1992,11,231〜237];レ
ンチウイルスベクター[Zuffereyら, Nature Biotech
nology 1997,15,871〜875];pET11a、pET3a
、pET11d、pET3d、pET22d、およびpET12a(Novag
enから入手可能);プラスミドAH5(SV40起点とアデノウイルス主要後
期プロモーターとを含む);pRC/CMV(In Vitrogenから入手
可能);pCMU II[Paaboら,EMBO J. 1986,5,19
21〜1927];pZipNeo SV[Cepkoら,Cell 1984
,37,1053〜1062];pSR−alpha(DNAX(カリフォルニ
ア州パロアルト)から入手可能);pBK−CMV(Stratagene(カ
リフォルニア州ラホーヤ)から入手可能);pCDNA3(In Vitrog
en(カリフォルニア州カールスバッド)から入手可能);およびpCDNA1
(In Vitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手可能)
などがあるが、これらに限るわけではない。
【0041】 好ましい一実施形態では、プロモーターはビトロネクチン受容体αサブユニッ
ト(αv)遺伝子プロモーターである。
【0042】 別の好ましい実施形態では、プロモーターは血管内皮増殖因子(VEGF)受
容体遺伝子プロモーターである。
【0043】 第三の好ましい実施形態では、プロモーターはβ3インテグリン遺伝子プロモ
ーターである。
【0044】 第四の好ましい実施形態では、プロモーターは血管内皮カドヘリン(VE−カ
ドヘリン)遺伝子プロモーターである。
【0045】 第五の好ましい実施形態では、プロモーターはアンジオポエチン2遺伝子プロ
モーターである。
【0046】 好ましい一実施形態では、プロドラッグはイホスファミドであり、プロドラッ
グ代謝遺伝子はCYP2B1である。
【0047】 別の好ましい実施形態では、プロドラッグはガンシクロビルであり、プロドラ
ッグ代謝遺伝子は単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子で
ある。
【0048】 さらに別の好ましい実施形態では、プロドラッグは6−チオキサンチンであり
、プロドラッグ代謝遺伝子は大腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシルトラン
スフェラーゼ(大腸菌xgpt)6ptである。
【0049】 さらにもう一つの好ましい実施形態では、プロドラッグは5−フルオロシトシ
ンであり、プロドラッグ代謝遺伝子はシトシンデアミダーゼである。
【0050】 血管新生阻害方法 第三の態様として、本発明は、対象における腫瘍の血管新生を阻害する方法で
あって、 (i)作動可能な形で結合した (a)プロドラッグ代謝遺伝子、すなわちプロドラッグの(細胞毒性)薬物
への変換を促進する酵素をコードするヌクレオチド配列と、 (b)内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択的に
促進することができるプロモーターと を含む、内皮細胞への形質導入能を持つ組換えウイルスベクターを、前記対象
に導入する工程、 および (ii)前記対象に前記プロドラッグを導入する工程 を含み、かつ前記内皮細胞の前記(細胞毒性)薬物に対する感受性が前記プロ
ドラッグに対する感受性よりも高い方法を提供する。
【0051】 ウイルスベクターとしては特に、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイル
スベクター、または複製欠損レトロウイルスベクターを挙げることができる。
【0052】 好ましい一実施形態では、プロモーターはビトロネクチン受容体αサブユニッ
ト(αv)遺伝子プロモーターである。
【0053】 別の好ましい実施形態では、プロモーターは血管内皮増殖因子(VEGF)受
容体遺伝子プロモーターである。
【0054】 第三の好ましい実施形態では、プロモーターはβ3インテグリン遺伝子プロモ
ーターである。
【0055】 第四の好ましい実施形態では、プロモーターは血管内皮カドヘリン(VE−カ
ドヘリン)遺伝子プロモーターである。
【0056】 第五の好ましい実施形態では、プロモーターはアンジオポエチン2遺伝子プロ
モーターである。
【0057】 好ましい一実施形態では、プロドラッグはイホスファミドであり、プロドラッ
グ代謝遺伝子はCYP2B1である。
【0058】 別の好ましい実施形態では、プロドラッグはガンシクロビルであり、プロドラ
ッグ代謝遺伝子は単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子で
ある。
【0059】 さらに別の好ましい実施形態では、プロドラッグは6−チオキサンチンであり
、プロドラッグ代謝遺伝子は大腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシルトラン
スフェラーゼ(大腸菌xgpt)6ptである。
【0060】 さらにもう一つの好ましい実施形態では、プロドラッグは5−フルオロシトシ
ンであり、プロドラッグ代謝遺伝子はシトシンデアミダーゼである。
【0061】 治療方法 別の態様として、本発明は、ヒトを含む生きた動物体の疾患または障害または
状態であって血管新生阻害に反応するものを処置または軽減する方法を提供する
【0062】 より好ましい一実施形態として、本発明は、ヒトを含む生きた動物体の疾患ま
たは障害または状態であって増殖性内皮細胞の阻害に反応するもの(例えば固形
腫瘍成長、転移、糖尿病性網膜症、乾癬、黄斑変性症、ならびに慢性関節リウマ
チ、潰瘍性大腸炎および変形性関節症などの炎症関連疾患などであるが、これら
に限るわけではない)を処置する遺伝子プロドラッグ活性化治療の方法を提供す
る。
【0063】 添付の図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。
【0064】 (実施例) 以下の実施例に関して本発明をさらに詳しく説明するが、以下の実施例は決し
て本願発明の範囲を限定するものではない。
【0065】 この実施例では本発明方法の原理を証拠立てるために計画されたインビトロ研
究について説明する。この研究はヒト臍静脈上皮(HUVEC)細胞を使って行
う。この実施例の場合、プロドラッグはイホスファミドであり、プロドラッグ代
謝遺伝子はチトクロムP450 2B1(CYP2B1)遺伝子である。
【0066】 第一段階では、アデノウイルスによる遺伝子導入を目的とする、CYP2B1
遺伝子を発現させるアデノウイルスベクターの構築、試験および検証について説
明し、第二段階では、増殖に対する作用(生物活性)の解析方法を説明する。
【0067】 アデノウイルスCYP2B1遺伝子の構築、試験および検証 CYP2B1遺伝子を含有するプラスミドpc3/2B1(図1A参照)を制
限酵素SpeIおよびSmaIで消化し、1584bpの2B1断片をアガロー
スゲルから精製した。CMVプロモーターを含有するベクターpCMVmAB(
図1B参照)を制限酵素SpeIおよびEcoRVで消化し、6645bpの線
状pCMV10断片をアガロースゲルから精製した。このベクターと、プラスミ
ドpc3/2B1由来のCYP2B1インサートとを、1:1〜1:3および1
:5のモル比で連結することにより、CYP2B1およびCMVプロモーターお
よびアデノウイルス構造遺伝子を含有するウイルスベクターpCMVcyp2B
1を得た(図1C参照)。
【0068】 別途、精製工程数を最小限に抑えることによって成功率を増加させるために、
pc3/2B1をPvuIIおよびNdeIで追加消化することによって、干渉
する主鎖平滑末端/SpeI断片を破壊し、プラスミドpCMVmABをBgl
IIおよびSanDIで追加消化することによって、SpeI/EcoRV m
ABインサートを破壊した。このDNA断片混合物を精製カラムを使って精製し
、上記と同じ比率で連結した。
【0069】 10cm2ウェルに入った細胞密度約200,000細胞/cm2のヒト胚網膜
芽細胞(HER911細胞)[Watzlikら,Gene Therapy
2000,7(1),70〜74]に、トランスフェクション試薬Fugene
6(Rocheから入手可能)を使って、0.8μgのシャトルベクターpJM
17[Aliら,Gene Therapy 1994,1,367〜384;
Berker,Biotechniques 1988,6,616〜624;
WandおよびFiner,Nature Medicine 1996,2,
714〜716]と0.1/0.2/0.4μgのPVUI線状化プラスミドp
CMVcyp2B1とをトランスフェクトした。
【0070】 トランスフェクションの10日後に、上記クローンをトランスフェクトした細
胞上に、8つの組換えプラークが現れた。これらのプラークを拾い、CMVプロ
モーターを含有するアデノウイルス5型ベクター(Ad5CMV)用のユニバー
サルプライマー: Cmv−フォワード:5’−aactgctcctcagtggatgttg
−3’、および Cmv−リバース:5’−tctagcagcacgccatagtgac−
3’ によるPCRで、CYP2B1インサートについて検査した。
【0071】 プラークの1つ(Ad5CMV−C2B1)を、まず10cm2ウェル、次に7
5cm2組織培養フラスコ、そして最後に500cm2組織培養フラスコ(5本)
で増幅させた。
【0072】 これら最終増幅工程の細胞溶解物から、塩化セシウム密度勾配超遠心分離工程
とその後の透析とによって、アデノウイルスを精製した。
【0073】 ウイルスは小分けして−80℃で保存した。
【0074】 HER911細胞およびアガロース重層法を用いて4×1010PFU/mlと
いうウイルス価が決定された。
【0075】 全ての工程で、得られた組換えウイルスゲノムを、Ad5CMV用のユニバー
サルプライマーによるPCRで、CYP2B1インサートについて検査した。
【0076】 導入遺伝子の発現を調べるために、ウイルス産生細胞から得た細胞溶解物をウ
ェスタンブロット解析にかけた。
【0077】 機能的バイオアッセイ CYP2B1導入遺伝子の生物活性を調べるために、以下のプロトコールに従
って、ヒト臍静脈上皮(HUVEC)細胞[Jaffeら,J.Clin.In
vest. 1973,52,2745〜2746]を両ウイルスクローンに感
染させ、プロドラッグであるホロキサン(Holoxan)(イホスファミド)
で処理した。
【0078】 2日目に、0〜2×108PFU/mlの濃度で2時間にわたって、HUVE
C細胞をAd5C2B1に感染させた。
【0079】 3日目に細胞を40,000細胞/ウェルの密度で播種した(一部のウェルは
継代培養せず、4日目の細胞抽出物および培地収集のためにとっておいた)。
【0080】 4日目に、イホスファミドを0〜0.5mMの濃度で加えた。HUVEC細胞
は、ゼラチンコート組織培養皿上、10%(vol/vol)ヒト血清、10%
(v/v)熱不活化ウシ新生仔血清(Biowhitakker)、5U/mL
のヘパリン(Leo Pharma BV)、150mg/mLの粗製EC増殖
因子(TNO−PG(ライデン))、100U/mLのペニシリンおよび100
mg/mLのストレプトマイシン(Biowhitakker)を添加した培地
199(Biowhitakker)で生育させた。細胞は5%(v/v)CO 2 を含む湿潤雰囲気下に37℃で生育させた。
【0081】 8日目にクリスタルバイオレット染色および光学密度の測定によって細胞数を
決定した。
【0082】 ウイルス感染およびプロドラッグ処置の効果を定量するために、細胞数を上述
のように決定した。
【0083】 結果を下記表1に示す。この結果から、最大濃度0.5nMのイホスファミド
で処置したCYP2B1トランスフェクト内皮細胞では、賦形剤で処置した非ト
ランスフェクト細胞と比較して約80%阻害されたことがわかる。
【0084】 [表1] 内皮細胞増殖 細胞数とウイルス濃度(トランスフェクション)[0、1.25×107、2
.5×107、5×107、1×108および2×108PFU/ml]およびプロ
ドラッグ(イホスファミド)濃度[0、0.0625、0.125、0.25お
よび0.5mM]との関係 ┌─────────────────┬────────────────┐ │ 細胞数 │ イホスファミド濃度(mM) │ │ │ │ ├─────┬─────┬─────┼─────┬─────┬────┤ │ ウイルス濃度 │ 0 │ 0.0625 │ 0.125 │ 0.25 │ 0.50 │ │(PUF/ml) │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │ 0 │ 140000 │ 152000 │ 151600 │ 152500 │ 116000 │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │1.25×107 │ 110000 │ 98000 │ 110000 │ 102000 │ 85000 │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │2.5×107 │ 80000 │ 88000 │ 85000 │ 79200 │ 56000 │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │ 5×107 │ 94000 │ 87000 │ 85000 │ 75000 │ 55000 │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │ 1×108 │ 78000 │ 80500 │ 63600 │ 66000 │ 38500 │ │ │ │ │ │ │ │ ├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │ 2×108 │ 73000 │ 60000 │ 54000 │ 53000 │ 30000 │ │ │ │ │ │ │ │ └─────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘
【図面の簡単な説明】
【図1A】 CYP2B1遺伝子を含有するプラスミドpc3/2B1の地図を示す。
【図1B】 CMVプロモーターを含有するベクターpCMVmABの地図を示す。
【図1C】CYP2B1遺伝子とCMVプロモーターとを含有するウイルス
ベクターpCMVcyp2B1の地図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/00 C12N 7/00 15/09 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 DA03 DA20 EA02 FA02 GA11 HA20 4B065 AA26Y AA95X AA95Y AA97X AB01 AC20 BA02 CA44 4C084 AA13 BA35 CA53 CA56 MA05 NA14 NA15 ZB261 4C086 AA01 AA02 EA16 NA14 ZB26 4C087 AA01 AA02 AA03 BB65 BC83 NA14 NA15 ZB26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロドラッグに対する内皮細胞の感受性を高める方法であっ
    て、 (i)作動可能な形で結合した (a)プロドラッグ代謝遺伝子、すなわち前記プロドラッグの(細胞毒性)
    薬物への変換を促進する酵素をコードするヌクレオチド配列と、 (b)前記内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択
    的に促進することができるプロモーターと を含むポリヌクレオチドを、前記内皮細胞にトランスフェクトする工程、 および (ii)前記プロドラッグを前記内皮細胞に送達する工程 を含み、かつ前記内皮細胞の前記(細胞毒性)薬物に対する感受性が前記プロ
    ドラッグに対する感受性よりも高い方法。
  2. 【請求項2】 前記プロモーターが、 ビトロネクチン受容体αサブユニット(αv)遺伝子プロモーター、 血管内皮増殖因子(VEGF)受容体遺伝子プロモーター、 β3インテグリン遺伝子プロモーター、 血管内皮カドヘリン(VE−カドヘリン)遺伝子プロモーター、または アンジオポエチン2遺伝子プロモーターである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 プロドラッグがイホスファミドであり、かつプロドラッグ代
    謝遺伝子がCYP2B1であるか、 プロドラッグがガンシクロビルであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が単純疱
    疹ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子であるか、 プロドラッグが6−チオキサンチンであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が大
    腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(大腸菌xgpt
    )6ptであるか、または プロドラッグが5−フルオロシトシンであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が
    シトシンデアミダーゼである、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 【請求項4】 作動可能な形で結合したプロモーターとプロドラッグ代謝遺
    伝子とを含む組換えウイルスベクターであって、プロモーターが内皮細胞におけ
    るプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択的に促進する能力を持つことを
    特徴とする組換えウイルスベクター。
  5. 【請求項5】 前記プロモーターが、 ビトロネクチン受容体αサブユニット(αv)遺伝子プロモーター、 血管内皮増殖因子(VEGF)受容体遺伝子プロモーター、 β3インテグリン遺伝子プロモーター、 血管内皮カドヘリン(VE−カドヘリン)遺伝子プロモーター、または アンジオポエチン2遺伝子プロモーターである、請求項4に記載の組換えウイ
    ルスベクター。
  6. 【請求項6】 プロドラッグがイホスファミドであり、かつプロドラッグ代
    謝遺伝子がCYP2B1であるか、 プロドラッグがガンシクロビルであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が単純疱
    疹ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子であるか、 プロドラッグが6−チオキサンチンであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が大
    腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(大腸菌xgpt
    )6ptであるか、または プロドラッグが5−フルオロシトシンであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が
    シトシンデアミダーゼである、請求項4に記載の組換えウイルスベクター。
  7. 【請求項7】 アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターまた
    は複製欠損レトロウイルスベクターである、請求項4から6のいずれか一項に記
    載の組換えウイルスベクター。
  8. 【請求項8】 対象における腫瘍の血管新生を阻害する方法であって、 (i)作動可能な形で結合した (a)プロドラッグ代謝遺伝子、すなわちプロドラッグの(細胞毒性)薬物
    への変換を促進する酵素をコードするヌクレオチド配列と、 (b)内皮細胞におけるプロドラッグ代謝遺伝子の転写(発現)を選択的に
    促進することができるプロモーターと を含む、内皮細胞への形質導入能を持つ組換えウイルスベクターを、前記対象
    に導入する工程、 および (ii)前記対象に前記プロドラッグを導入する工程 を含み、かつ前記内皮細胞の前記(細胞毒性)薬物に対する感受性が前記プロ
    ドラッグに対する感受性よりも高い方法。
  9. 【請求項9】 前記プロモーターが、 ビトロネクチン受容体αサブユニット(αv)遺伝子プロモーター、 血管内皮増殖因子(VEGF)受容体遺伝子プロモーター、 β3インテグリン遺伝子プロモーター、 血管内皮カドヘリン(VE−カドヘリン)遺伝子プロモーター、または アンジオポエチン2遺伝子プロモーターである、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 プロドラッグがイホスファミドであり、かつプロドラッグ
    代謝遺伝子がCYP2B1であるか、 プロドラッグがガンシクロビルであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が単純疱
    疹ウイルスチミジンキナーゼ(HSV−tk)遺伝子であるか、 プロドラッグが6−チオキサンチンであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が大
    腸菌キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(大腸菌xgpt
    )6ptであるか、または プロドラッグが5−フルオロシトシンであり、かつプロドラッグ代謝遺伝子が
    シトシンデアミダーゼである、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、アデノ随伴
    ウイルスベクター、または複製欠損レトロウイルスベクターである、請求項8か
    ら10のいずれか一項に記載の方法。
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