JPH09504518A - 負の選択マーカーおよびサイトカインをコード化する遺伝子を用いる腫瘍細胞の遺伝子転換による腫瘍の治療 - Google Patents

負の選択マーカーおよびサイトカインをコード化する遺伝子を用いる腫瘍細胞の遺伝子転換による腫瘍の治療

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JPH09504518A
JPH09504518A JP7510988A JP51098895A JPH09504518A JP H09504518 A JPH09504518 A JP H09504518A JP 7510988 A JP7510988 A JP 7510988A JP 51098895 A JP51098895 A JP 51098895A JP H09504518 A JPH09504518 A JP H09504518A
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Abstract

(57)【要約】 宿主にある一つの腫瘍を治療する一つの方法であって、一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬をコード化する第1核酸配列、および腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、もしくは破壊をもたらす一つの作用薬をコード化する第2核酸配列を含む少なくとも1個の発現ベクターを宿主に投与することよりなり、ここでそのような作用薬は相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬ではないことを特徴とする方法。腫瘍は次いで相互作用薬で治療される。望ましくは第1核酸配列は(単純性ヘルペスウイルスチミジンキナーゼのような)負の選択マーカーをコード化し、また第2核酸配列は(インターロイキン−2のような)サイトカインをコード化し、また第1および第2核酸配列は第1および第2ウイルスベクターに含まれ、そのそれぞれが第1生産者細胞系および第2生産者細胞系に別々に含まれる。生産者細胞系は腫瘍に投与され、これにより生産者細胞系で生成されるウイルス粒子が腫瘍細胞に感染する。ガンシクロビルのような相互作用薬の宿主への投与により、腫瘍細胞は殺される。

Description

【発明の詳細な説明】 負の選択マーカーおよびサイトカインをコード化する遺伝子を用いる腫瘍細胞 の遺伝子転換による腫瘍の治療 この出願は1992年5月1日に受理されその全体が引用例としてここにとり 込まれている出願番号07/877,591号を部分継承するものである。 この発明は腫瘍の治療に関する。より詳細には、この発明は、相互作用薬に対 する感受性を腫瘍細胞に与える作用薬をコード化するDNA(RNA)およびサ イトカインをコード化するDNA(RNA)を用いる(例えば卵巣癌のような) 腫瘍の治療に関する。 卵巣癌はアメリカ合衆国において年間約19,000人の新規の診断症例で全 体として70%の死亡率である婦人科悪性腫瘍から死に至るもっとも一般的な原 因である。患者の2/3以上が、疾病の進行段階にあり、これに対して開腹が行 われ腫瘍が一部除去された後で全身化学療法が支持されている(ヤング、他、「 卵巣の癌」、ディヴァイタ、他、編、癌の原理と腫瘍学の実際、ジェイ,ビー. リピンコット社、フィラデルフィア、1226−1254ページ(1993年) )。患者の約80%はシスプラチンベースの化学療法を用いる初期治療に応答す るが、その内、約10乃至20%だけが永続性の完全緩解を経験するにすぎない (ヤング、他、1993年)。天然製品であるパクリタクセル(Paclitaxel)は 抗療性あるいは再発 性疾病を持つ患者の21%から50%の他覚応答割合を提供する(タクソール臨 床ブロシャー癌治療部門17、NCI(1983年);マクガイア、他、内科 学年報 、第3巻、4号、273−279ページ(1989年);シグペン、他、ASCO紀要 、9巻、156ページ(1990年);アインジッグ、他、AAC R紀要 、31巻、187ページ(1990年)、サロシー、他、ASCO紀要、 2巻、226ページ(1992年))。このような応答割合があったにも拘らず 、初期治療後再発性あるいは抗療性疾病の患者は一様に致死的な結果を持つこと になる。 卵巣癌はかなりユニークな自然発達を有している。疾病の進行段階にある患者 でさえ、長期間にわたり、その疾病を彼等の腹部に閉じ込めている。癌はしばし ば腹部に局在化し、腸および尿管の閉塞で患者に大きな困難を与える。その結果 腹腔内治療が化学治療薬を腹腔に局所投与することで開発されてきた(マイヤー 、腫瘍学セミナー、2巻、275−284ページ(1984年))。これらの療 法は適度な成功を収めたに過ぎなかった。というのはそれがもともと望まれた毒 性減少プロフィールを提供しなかったためである。 遺伝子転移は他の疾病の中でもとりわけ癌の治療に見込みのある手段としてあ る期間認識されてきた。癌治療のための遺伝子転移についての初期の応用は、抗 腫瘍免疫応答を増強することに焦点をあてる間接的なアプローチであった。かく して例えば免疫細胞の細胞毒性を増加し、あるいはその増殖を高めるために努力 が払われた。 一つのアプローチにおいて、腫瘍細胞はサイトカイン遺伝子を用いて試験管内 で修飾され患者自身の癌に対し患者を免疫化する試みで患者に再導入された。動 物研究では、IL−4遺伝子はテッパー、他、細胞57巻:503ページ(1 989年)により腫瘍に導入され、IL−2遺伝子は、フィアロン、他、細胞60巻 :397ページ(1990年)、およびガンズバッヒャー、他、実験医学 ジャーナル172巻:1217ページ(1990年)、により、ガンマーイン ターフェロン遺伝子はガンズバッヒャー、他、癌研究50巻:7820ページ (1990年)により、また、TNF遺伝子はアッシャー、他、免疫学ジャーナ 146巻:3227ページ(1991年)によりそれぞれ腫瘍に導入された 。動物研究のそれぞれは再移植に対する遺伝子変更腫瘍の拒絶反応を示し、また これら研究においてマウスは同一腫瘍を用いる次の再挑戦に対して免疫であった 。 エッゼディン、他、新生物学者3巻:608−14ページ(1991年)は 腫瘍を治療する試みとして試験管内レトロウイルスベクター媒介遺伝子転移の使 用について報告した。より詳細には、マウスレトロウイルスベクターが、単純性 ヘルペスウイルス1から得るチミジンキナーゼ遺伝子([「HSV−1 tk遺 伝子」)をC6ラット神経膠腫誘導細胞系に試験管内で導入するのに使用された 、レトロウイルスベクターをとり上げた細胞は抗ウイルス剤ガンシクロビルに感 作され、培地内でガンシクロビルに曝された時には優先的に殺された。 エッゼディン、他は、基本的にすべての感染細胞を殺すが未 感染細胞は殺さないための試験管内条件を明確に規定する方法を使用することが できた。加えてC6細胞は腫瘍を形成するためにヌードマウスに皮下で導入され 、腫瘍を持つマウスはガンシクロビルで治療された。ガンシクロビルはHSV− 1 tk発現C6細胞により形成された腫瘍の成長を阻害したが、HSV−1 tk陰性C6細胞により形成された腫瘍には影響しなかった。 エッゼディン、他はかくして、試験管内レトロウイルス遺伝子転移が細胞を細 胞障害剤に感作させるのに使用することができ、次いで細胞がヌードマウスで腫 瘍として増殖する時にそれが細胞を殺すのに使用出来ることを示した。著者はし かしながらHSV−1 tk遺伝子を原位置の腫瘍細胞に導入する実際的な方法 を示さなかった。エッゼディン、他はまた腫瘍内ですべての細胞以下がtk遺伝 子をとり上げ、毒性を確認するのに十分な水準で遺伝子を発現し、その結果とし てガンシクロビルに曝されることで細胞が殺されるという腫瘍緩解の前提条件で あるすべての新形成腫瘍性細胞を拒絶する方法を示さなかった。 ショート、他、神経科学研究ジャーナル27巻:427−33ページ(19 90年)は、レトロウイルスパッケージング細胞系を腫瘍に移植することにより 、遺伝子を腫瘍細胞に受渡しすることについて述べている。パッケージング細胞 系は複製欠損レトロウイルスベクターを生産したが、ここでMoMLV LTR プロモーターオペレーターがレトロウイルスベクター増殖のマーカーとして役立 つβ−ガラクトシダーゼの発現を駆 動するために使用された。パッケージング細胞系が腫瘍に移植された時、β−ガ ラクトシダーゼの原位置発現が通常の組織にではなく、パッケージング細胞およ び増殖腫瘍細胞にのみ見られた。 腫瘍細胞に対する明らかな優先的選択にも拘らず、生産者細胞から腫瘍細胞へ のレトロウイルスベクターの増殖は、ショート、他、によれば相対的に不十分で あり、腫瘍内の細胞のある画分のみが感染された。更に、無細胞レトロウイルス 粒子がパッケージング細胞系よりも直接腫瘍に導入された時には、事実上ガラク トシダーゼの発現は観察されなかった。ショート、他は、パッケージング細胞系 が「キラー」あるいは「サプレッサー」遺伝子を腫瘍細胞に運ぶかもしれないが 、腫瘍全細胞への直接遺伝子形質導入にもとづく治療効用に必要とされるものよ りもはるかに低い感染効率が観察されたと考えた。 単純性ヘルペスチミジンキナーセの腫瘍細胞への生体内レトロウイルス媒介転 移は抗ウイルス剤ガンシクロビルに対する感受性を与えるが、この転移により固 化脳腫瘍を治療する新規なアプローチが記述されている(カルヴァー、他、科学 、256巻、1550−1552ページ(1992年);ラム、他、癌研究、5 3巻、83−88ページ(1993年))。ガンシクロビルは形質導入腫瘍細胞 により優先的にリン酸化され、DNA合成に干渉する。遺伝子転移は腫瘍細胞を 単純性ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子を運ぶマウスレトロウイルスベクターに 感染させ、この遺伝子を宿主細胞のゲノムに組込むことで達成される。これらの ベクターは腫瘍塊に注射されるマウス ベクター生産者細胞で連続的に生産される。レトロウイルスはDNAを活発に合 成する細胞(すなわち複製細胞)のみを感染させるために、腫瘍細胞の優先的形 質導入が達成される。このアプローチは現在臨床試験で評価されている(オール ドフィールド、他、ヒト遺伝子療法、4巻、39−69ページ(1993年)) 。 1993年3月4日公開されたPCT出願番号WO93/04167は、脳腫 瘍細胞を殺すために治療遺伝子をその細胞に転移させると称する方法を開示する 。このような方法では、選択マーカーおよびその複製に必要とされる少なくとも 1個の遺伝子を含むレトロウイルスは、レトロウイルスに対応するプロウイルス DNAの生産者細胞ゲノムへの組込みが修飾レトロウイルスの生成をもたらすよ うに生産者細胞に導入され、そこではレトロウイルスの複製に必要とされる少な くとも1個の遺伝子が治療遺伝子あるいは遺伝子群により代替される。生産者細 胞は次いで修飾レトロウイルスが生産者細胞のゲノムの一部としてとり込まれる ように選択される。生産者細胞は次いで腫瘍細胞を修飾レトロウイルスで感染さ せるために分割腫瘍細胞に近接して移植され、これにより治療遺伝子あるいは遺 伝子群を腫瘍細胞に転移させる。細胞は次いで腫瘍細胞に転移された治療遺伝子 により代謝されるある物質を、細胞を殺す代謝物に投与することにより殺される 。治療遺伝子は単純性ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子であり、腫瘍細胞を殺す 単純性ヘルペスチミジンキナーゼで代謝される物質はガンシクロビルあるいはア シクロビルであることが出来る。引用されたPCT出願は (i)HSV tk遺伝子およびG418耐性遺伝子を運んだ複製欠損レトロウ イルスがG418選択を経て神経膠腫細胞系に試験管内で安定的に形質導入出来 たこと、(ii)形質転換細胞内のウイルスtk遺伝子が対照神経膠腫細胞よりも 約20倍以上のものガンシクロビル感受性を細胞に与えたこと、および、(iii )ラット脳に移植された時腫瘍を形成したある神経膠腫腫瘍細胞が、マーカー遺 伝子を使ってレトロウイルスベクターを生産した生産者細胞系を腫瘍が注射され た時に同じくβ−ガラクトシダーゼマーカーを発現したことを示すのみである。 記載された実験のベクターはtk遺伝子を運ばなかったし、また化学療法剤の全 身投与もなかった。かくして問題のPCT出願は腫瘍細胞がそのような作用薬に 対し生体内で感受性を与えられ得ることを示してはいない。 マルツーザ、他による欧州特許出願番号476,953は同様の結果を開示す る。この公開情報は更に腫瘍細胞内でHSV tk遺伝子あるいはβ−ガラクト シダーゼ遺伝子を発現する複製欠損レトロウイルスベクターも記述する。ベクタ ーは試験管内で神経膠腫細胞に形質移入され、HSV tk活性を発現する安定 細胞系は形質移入細胞からクローンされた。細胞系は次いでラットに移植され、 生成する腫瘍は対照神経膠腫細胞腫瘍よりもガンシクロビル感受性の高いことが 発見された。これら公開情報のようにその結果はHSV tk活性を発現する細 胞をガンシクロビルが殺すことを示した。更にこの出願はリポーター遺伝子を含 む複製欠損レトロウイルスベクターをラット脳にある神経膠腫細胞に運ぶために 生産者細胞を使用するこ とを開示する。しかし腫瘍細胞の10%のみが形質導入された。 前記の他の文献と同じように、マルツーザの出願は、ベクターが治療効果を達 成するために腫瘍にある細胞全体に増殖するものでなければならないと仮定する 。しかしそれは原位置の腫瘍のこの結果を果す方法を提議しない。 この問題に対する解はアメリカ合衆国出願番号07/877,591(以下「 ’591出願」)に記述されている。’591出願で説明されているように、「 第三者効果」が生体内で腫瘍に生じることが出来、これにより例えば原位置腫瘍 に投与される感作遺伝子はある腫瘍細胞に相互作用薬の効果に対する感受性を与 える。もっともそのような細胞は形質転換されなかったものであった。生産者細 胞を原位置腫瘍に顕微注射により投与されたウイルスtk感作遺伝子は、第三者 効果により、ウイルスtkを発現するために形質導入されない腫瘍細胞にガンシ クロビル感受性を与える。’591出願はこの効果がこれまで予測され得なかっ た方法で感作遺伝子の治療効果を根本的に増加することを教える。 遺伝子転移治療における第三者効果とその用途は、’591出願で十分に検討 される。そこで記されたように、抗腫瘍療法が感作細胞に加えて免疫システムを 刺激しあるいは活性化する遺伝子の投与により強化され、それにより腫瘍内で殺 される腫瘍性細胞の全体の割合を増加させる。’591出願で開示される免疫応 答増強遺伝子の中では、必ずしもそれに限定されないがIL−1からIL−12 までを含むサイトカインがあり、ま たある種のMHC決定因子などのような免疫同時活性化シグナル分子がある。 ’591出願はこの点についてIL−2が特に望ましいサイトカインであるこ とを開示する。’591出願はIL−2活性が感作遺伝子の抗腫瘍効果を増加さ せる特定の機構に限定するものではない。それにも拘らずIL−2およびその他 の免疫応答増強遺伝子が免疫系を刺激あるいは活性化することにより治療効果を 改善するであろうということを仮説として取上げている。 この出願の発明者は中でもIL−2遺伝子が免疫系活性なしで卵巣癌細胞をモ デルシステムとして使用し、感作遺伝子の作用を増強するということを驚くべき ことに発見した。以下に開示されるように試験管内実験でのIL−2遺伝子は、 HSV tk発現ベクターの形質導入に際し卵巣腫瘍細胞系の細胞のガンシクロ ビル感受性を相乗強化した。加えてIL−2および感作遺伝子の相乗効果がヌー ドマウスの移植卵巣細胞腫瘍内で免疫系の不在下で生体内で見られた。またHS V tkに対するIL−2/繊維肉腫細胞腫瘍のガンシクロビル媒介遺伝子療法 の相乗効果が、免疫系を通じて作用しない機構により少なくとも部分的に含まれ ることにより無傷免疫系を用いて動物で示された。 いずれの理論的類推にも限定されることなく、HSV tkに対するインター ロイキン−2/卵巣細胞腫瘍に対するガンシクロビル媒介遺伝子療法の相乗効果 がサイトカインの抗腫瘍活性についての異常で認識されていない機構を示してい る。 宿主にある腫瘍の治療方法を提供することはこの発明の一つの目的であり、そ れによりチミジンキナーゼとサイトカインの間での相乗殺腫瘍効果が達成される 。 この発明の一つの見地に従って、宿主にある腫瘍を治療する一つの方法が提供 される。腫瘍は第三者効果に感受性である。この方法は第三者効果を高める。宿 主はヒトあるいは非ヒト動物宿主であってもよい。この方法は第1核酸配列、お よび第2核酸配列を投与することよりなる。第1核酸配列は腫瘍細胞が一つの相 互作用薬に感受性を与えられるように一つの作用薬をコード化する。すなわち腫 瘍細胞の成長はこの相互作用薬の投与により阻害され、妨げられ、あるいは破壊 される。第2核酸配列は、腫瘍の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊をもたらすが 、腫瘍細胞に一つの相互作用薬に対する感受性を与えない一つの作用薬をコード 化する。第1核酸配列および第2核酸配列を腫瘍に投与すると、腫瘍は次いで一 つの相互作用薬で治療される。相互作用薬の治療効果は、腫瘍細胞の成長の阻害 、妨げ、あるいは破壊をもたらす(が相互作用薬ではない)作用薬により高めら れ、またそのような効果は宿主の免疫系とは独立した効果である。 ここで使用される「核酸配列」という用語は一つのDNAあるいは一つのRN A分子を意味し、完全あるいは部分遺伝子配列を含み、また同じくポリヌクレオ チドを含む。このような用語は隣接するペントースの3′および5′炭素の間の ホスホジエステル結合により一つが他のものに結合されたデオキシリボヌクレオ チドあるいはリボヌクレオチドの線形シリーズを含 む。 第1および第2核酸配列は少なくとも1個の発現ベクターに含まれる。ここで 使用される「発現ベクター」は第1およびもしくは第2核酸配列を含み、そのよ うな配列の発現を提供出来る何らかの遺伝子構築物を意味する。 一つの実施例において、第1核酸配列は第1発現ベクターに含まれ、また第2 核酸配列は第2発現ベクターに含まれる。発現ベクターは細胞を形質移入し、第 1およびもしくは第2核酸配列を生体内で発現出来るいずれかの発現ベクターで あることが出来る。このような発現ベクターは、必ずしもそれに限定されないが 、真核ベクター、原核ベクター(例えば細菌プラスミドなど)、およびウイルス ベクターを含む。更にベクターはリポソーム内に含まれる。 一つの実施例において、第1および第2発現ベクターはウイルスベクターであ る。使用されるウイルスベクターは、必ずしもそれに限定されないが、レトロウ イルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連性ウイルスベクター、お よびヘルペスウイルスベクターである。望ましくは、ウイルスベクターはレトロ ウイルスベクターである。 望ましい実施例において、第1パッケージング細胞系は第1ウイルスベクター で形質導入され、第1ウイルスベクターは第1ウイルスベクターを含む第1生産 者細胞系を形成するために腫瘍細胞が一つの相互作用薬に対する感受性を与えら れるように一つに作用薬をコード化する第1核酸配列を含む。第2パッケージン グ細胞系もまた第2ウイルスベクターで形質導入さ れ、この第2ウイルスベクターは、腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊 をもたらす一つの作用薬をコード化する第2核酸配列を含み、ここでこの作用薬 は一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬ではなく、 第2ウイルスベクターを含む第2生産者細胞系を形成するものである。生産者細 胞系は次いで腫瘍に投与され、これにより生産者細胞系は腫瘍細胞を形質導入出 来るウイルスベクター粒子を生成する。 望ましい実施例において、第1および第2ウイルスベクターはレトロウイルス ベクターである。使用されるレトロウイルスベクターの例は、必ずしもそれに限 定されないが、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、および以下 のレトロウイルスより誘導されるベクター、つまりラウス肉腫ウイルス、ハーベ イ肉腫ウイルス、鳥類白血症ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫 ウイルス、および乳癌ウイルスである。望ましくは、レトロウイルスベクターは 感染性ではあるが非複製コンピテントレトロウイルスである。しかし複製コンピ テントレトロウイルスも使用出来る。 レトロウイルスベクターはレトロウイルス媒介遺伝子転移を真核細胞に媒介す る作用薬として有用である。一般にレトロウイルスベクターは、ウイルスの構造 遺伝子をコード化する多数の配列が欠失され、対象となる遺伝子(群)により代 替されるように構築される。しばしば構造遺伝子(すなわちgag、pol、お よびenv)は既知の遺伝子操作技術を使ってレトロウイルスバックボーンから 除去される。これは適切な制限エ ンドヌクレアーゼあるいは、ある場合にはBal 31エキソヌクレアーゼを用 いての消化を含み、パッケージングシグナルの適切な部分を含む断片を生成する 。 これらの新しい遺伝子は各種周知の方法によりこれらのベクター内にとり込ま れる。多分もっとも直接的な構築方法は、レトロウイルスの構造遺伝子が単一の 遺伝子により代替され、それが長末端反復(LTR)内でウイルス調節配列の制 御の下で転写される方法である。レトロウイルスベクターは更に1個以上の遺伝 子を標的細胞に導入出来るものとして構築されてきた。通常そのようなベクター において、1個の遺伝子はウイルスLTRの調節配列の下にあり、一方第2の遺 伝子はスプライスメッセージから離れて、あるいはそれ自身の内部プロモーター の調節の下にある。 ウイルスバックボーンのウイルス成分を最小にするように努力が向けられ、と りわけパッケージング細胞内でベクターとパッケージング欠損ヘルパーウイルス の間の組換えの機会を減小する努力が払われた。パッケージング欠損ヘルパーウ イルスはベクター自身から欠失されたレトロウイルスの構造遺伝子を提供するの に必要である。 一つの実施例において、レトロウイルスベクターは、ベンダー、他、ウイルス 学ジャーナル 、61巻:1639−1649ページ(1987年)に記載されて いるようにベクターおよびパッケージングシステムの間の相同性を絶対最小値に まで減少させる一連の欠失および置換を含むN2ベクター(アーメンターノ、他 、ウイルス学ジャーナル、61巻: 1647−1650ページ)にもとづく一連のベクターの一つである。これらの 変化はウイルスタンパク質が発現される尤度も減少させた。これらベクターの最 初のLNL−XHCにおいて、部位指向突然変異によりgagの天然ATG出発 コドンがTAGに変更され、これによりその点から先の意図しないタンパク質合 成が排除された。モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)から5′から 真正gag出発まで一つの読み取り枠が存在し、それはも一つのグリコシル化タ ンパク質(pPr80gag)の発現を可能にする。モロニーマウス肉腫ウイルス (MoMuSV)はフレームシフトおよびグリコシル化部位欠失を含むこの5′ 領域での変更を有し、pPr80gagのアミノ末端の潜在的発現を未然に防ぐ。 従ってベクターLN6が作られ、それはLNL−XHCの変化したATGおよび MoMuSVの5′部分の両方をとり込んだ。LNベクターシリーズの5′構造 はかくして、レトロウイルス読み取り枠の発現の可能性、およびそれに続く遺伝 子形質導入標的細胞内でのウイルス抗原の生産を除去する。パッケージング欠損 ヘルパーウイルスでのオーバーラップを減少させる最終変更において、ミラーは LNベクターの3′LTRの直前にある余分のenv配列を除去した(ミラー、 他、バイオテクニク、7巻:980−990ページ、1989年)。 遺伝子療法の適用のために何らかの遺伝子転換により満足させられねばならな い最高の要求は安全性である。安全性はベクターゲノム構造と、感染性ベクター の生産に利用されるパッケージングシステムと一緒の組合せから誘導される。ミ ラー、 他は一つのパッケージングシステムを作るためにレトロウイルス構造タンパク質 を発現させるためのPPAM3プラスミド(パッケージング欠損ヘルパーゲノム )とLNベクターシリーズとの組合せを展開させ、このベクターパッケージング 欠損ヘルパーゲノム(すなわちpPAM3を伴うLN)との間の組換えの殆どす べての部位の排除を通じて最小に減少させられる。 一つの実施例において、レトロウイルスベクターはベクターのLNシリーズの モロニーマウス白血病ウイルスで、前記記載のものであり、また更に、ベンダー 、他(1987年)およびミラー、他(1989年)にも記述されている。この ようなベクターはマウス肉腫ウイルスから誘導されるパッケージングシグナルの 一部、および、突然変異gag開始コドンを持つ。ここで使用される「突然変異 (された)」という用語は、gagタンパク質あるいは断片もしくはその切形が 発現されないように、gag開始コドンが欠失あるいは変化されたことを意味す る。 も一つの実施例において、レトロウイルスベクターは4個のクローニングある いは制限酵素認識部位を含み、ここで少なくとも2個の部位は10,000塩基 対で1回以下の真核細胞の平均出現頻度を持ち、つまり制限製品は少なくとも1 0,000塩基対の平均DNAサイズを持つ。望ましいクローニング部位は、N otI、SnaBI、SalI、およびXhoIよりなるグループから選択され る。望ましい実施例において、レトロウイルスベクターはこれらのクロー ニング部位のそれぞれを持つ。このようなベクターは更に1992年7月23日 に受理されたアメリカ合衆国特許出願番号919,062に説明されており、そ の全体がここで引用例としてとり込まれている。 このようなクローニング部位を含むレトロウイルスベクターが使用される時、 シャトルクローニングベクターもまた提供され、これはレトロウイルスベクター に位置するNotI、SnaBI、SalI、およびXhoIよりなるグループ から選択される少なくとも2個のクローニング部位と適合する少なくとも2個の クローニング部位を含む。シャトルクローニングベクターは更にシャトルクロー ニングベクターからレトロウイルスベクターに転移することの出来る少なくとも 1個の望ましい遺伝子を含む。 シャトルクローニングベクターは、クローニングあるいは制限酵素認識部位を 含む1個もしくはそれ以上のリンカーと結合される基本的「バックボーン」ベク ターあるいは断片から構築することが出来る。クローニング部位に含まれるもの は前記の適合性、あるいは相補性クローニング部位である。シャトルベクターの 制限部位に対応する末端を持つ遺伝子およびもしくはプロモーターは、従来既知 の技術を通じてシャトルベクターに連結することが出来る。 シャトルクローニングベクターは原核システムにあるDNA配列を増幅するの に使用することが出来る。シャトルクローニングベクターは、一般に原核システ ム、またはとりわけ細菌で使用されるプラスミドから調製することが出来る。か くして例 えば、シャトルクローニングベクターは、pBR322;pUC18、などのプ ラスミドから誘導することが出来る。 ベクターは1個もしくは2個以上のプロモーターを含む。使用されるプロモー ターは必ずしもそれに限定されないが、レトロウイルスLTR;SV40プロモ ーター;およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターでミラー、他 、バイオテクニク、7巻、9号、980−990ページ(1989年)に記載の もの、あるいはその他のプロモーター(例えば、必ずしもそれに限定されないが 、ヒストン、pol III、およびβ−アクチンプロモーターなどを含む真核 細胞プロモーターのような細胞系プロモーター)を含む。使用される他のウイル スプロモーターは必ずしもそれに限定されないが、アデノウイルスプロモーター 、TKプロモーター、およびB19パルボウイルスプロモーターである。適切な プロモーターの選択はここに含まれる教訓から従来の既知の技術に習熟した人達 にとっては明白であろう。 ベクターは次いで生産者細胞系を形成するためにパッケージング細胞系を形質 導入するのに使用することが出来る。形質移入され得るパッケージング細胞の例 は、必ずしもそれに限定されないが、PE501、PA317、ψ−2、ψ−A M、PA12、T19−14X、VT−19−17−H2、ψCRE、ψCRI P、GP+E−86、GP+envAm12、およびDAN細胞系でミラー、 ト遺伝子療法 、1巻、5−14ページ(1990年)に記載の通りであり、その 全体が引用例としてここにとり込まれる。腫瘍細胞が一つの相互作 用薬に対する感受性を与えられ、また一つの作用薬をコード化する核酸配列の発 現に際し、腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊をもたらすことの出来る 作用薬でこの作用薬が一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える作用 薬ではないような作用薬をコード化する第1および第2核酸配列を含む第1およ び第2ベクターは、従来の周知の何らかの手段を通じてパッケージング細胞を形 質導入することが出来る。このような手段は必ずしもそれに限定されないが、電 気穿孔法、リポソームの使用、およびリン酸カルシウム沈殿である。 第1および第2生産者細胞系は次いで腫瘍の成長を阻害し、妨げ、あるいは破 壊するのに有効な量で腫瘍に直接あるいは隣接して投与される。一般に第1およ び第2生産者細胞は宿主に許容される大きさの量で投与される。一般に第1およ び第2生産者細胞系は、宿主の重量の約1×106細胞/kgから約1×108細 胞/kgまでの量で投与される。投与される生産者細胞の正確な量は、必ずしも それに限定されないが、腫瘍のタイプ、腫瘍の位置、および腫瘍のサイズを含む 各種の要素に依存する。ある場合には生産者細胞の反復投与が必要とされる。 一般に第1および第2生産者細胞系は、第1および第2生産者細胞系により生 成されるベクター粒子が腫瘍細胞を形質導入出来るように腫瘍に投与される。第 1および第2生産者細胞系は腫瘍に直接あるいは隣接して投与されるか、あるい は第1および第2生産者細胞により生成されるベクター粒子を腫瘍細胞までトラ ベルし形質導入することを可能にする全身経路で投与 される。例えば生産者細胞系は中枢神経系の腫瘍を治療するために血流(すなわ ち静脈内投与):あるいは脳脊髄液に注射することが出来る。生産者細胞は更に 腹腔内、皮下、あるいは筋肉内で投与することも出来る。投与の正確な方式は治 療される腫瘍のタイプに依存する。 生産者細胞は患者への投与に適した調剤許容担体と併用して投与することが出 来る。担体は例えば食塩水あるいは緩衝液もしくは他の等モル溶液のような液状 担体である。 第1および第2生産者細胞の腫瘍への投与に際し、生産者細胞はウイルスベク ター粒子を生成する。ウイルスベクター粒子は次いで周囲の腫瘍細胞を形質導入 する。腫瘍細胞、とりわけ癌性腫瘍細胞は、一般に活発に細胞を複製するため、 レトロウイルスベクター粒子は正常細胞に対向する腫瘍細胞に優先的あるいは排 他的にとり込まれまた発現される。 この発明は(レトロウイルスベクターのような)第1発現ベクターに含まれる 第1核酸配列、および(同じくレトロウイルスベクターであり得る)第2発現ベ クターに含まれる第2核酸配列と関連して説明されてきたし、またそれにより、 そのベクターが第1および第2核酸配列を含む第1および第2ウイルスベクター 粒子を生成する第1および第2生産者細胞系に含まれるけれども、第1核酸配列 および第2核酸配列が(一つのレトロウイルスベクターのような)一つの発現ベ クターに含まれることも出来るということもこの発明の範囲内で考慮された。ベ クターは次いでパッケージング細胞系に形質導入され、第1および第2核酸配列 を含むウイルスベクター粒子を生成する生産 者細胞系を形成する。このようなウイルスベクター粒子は生産者細胞の腫瘍への 投与に際し生産者細胞系により生成され、それによって第1および第2核酸配列 を含むこのようなウイルスベクター粒子が腫瘍細胞を形質導入し、また腫瘍細胞 は第1および第2核酸配列によりコード化されるタンパク質を発現する。 第1核酸配列および第2核酸配列がそれぞれ第1および第2発現ベクターに含 まれるということがこの発明の範囲内にあることも考慮されるものである。第1 および第2発現ベクター(第1および第2レトロウイルスベクターであってもよ い)は次いで単一パッケージング細胞系に形質導入されて一つの生産者細胞系を 形成し、これが第1および第2核酸配列をそれぞれ含む第1および第2ウイルス ベクター粒子を生成する。第1および第2ウイルスベクター粒子は、生産者細胞 の腫瘍への投与に際し腫瘍細胞を形質導入し、腫瘍細胞は第1および第2核酸配 列によりコード化されるタンパク質を発現する。 この発明に従って治療される腫瘍は悪性および非悪性腫瘍を含む。 治療される悪性(初期および転移性を含む)腫瘍は、必ずしもそれに限定され ないが、副腎;膀胱;胸部;頸部;内分泌腺(甲状腺、下垂体、および膵臓を含 む);結腸;直腸;心臓:造血組織;腎臓;肝臓;肺;筋;神経系;脳;眼;口 腔;咽頭;喉頭;卵巣;陰茎;前立腺;皮膚(黒色腫を含む);睾丸;胸腺;お よび子宮に生じる悪性腫瘍を含む。 この発明に従って、腫瘍細胞に相互作用薬に対する感受性を 与える作用薬は負の選択マーカーであり、すなわち化学治療薬あるいは相互作用 薬と併用して腫瘍細胞の成長を阻害し、妨げ、あるいは破壊する一つの物質であ る。 かくして負の選択マーカーを用いて腫瘍細胞の形質導入をする際に、一つの相 互作用薬がヒト宿主に投与される。相互作用薬は腫瘍の成長を阻害し、妨げ、あ るいは破壊するために負の選択マーカーと相互作用する。 使用される負の選択マーカーは、必ずしもそれに限定されないが、単純性ヘル ペスウイルスチミジンキナーゼ、サイトメガロウイルスチミジンキナーゼ、およ び水痘−帯状庖疹ウイルスチミジンキナーゼなどのチミジンキナーゼ;およびシ トシンデアミナーゼである。 一つの実施例において、負の選択マーカーは、単純性ヘルペスウイルスチミジ ンキナーゼ、サイトメガロウイルスチミジンキナーゼ、および水痘−帯状庖疹ウ イルスチミジンキナーゼよりなるグループから選択される一つのウイルスチミジ ンキナーゼである。このようなウイルスチミジンキナーゼが使用される時相互作 用薬あるいは化学療法薬は望ましくはヌクレオチド類似体、例えばガンシクロビ ルおよびアシクロビルよりなるグループから選択されるものである。そのような 相互作用薬は基質としてのウイルスチミジンキナーゼにより効果的に利用され、 その相互作用薬はかくしてウイルスチミジンキナーゼを発現する腫瘍細胞のDN Aに致死的にとり込まれ、その結果腫瘍細胞の死を結果することになる。 も一つの実施例において、負の選択マーカーはシトシンデア ミナーゼである。シトシンデアミナーゼが負の選択マーカーである場合には、望 ましい相互作用薬は5−フルオロシトシンである。シトシンデアミナーゼは5− フルオロシトシンを5−フルオロウラシルに転換し、後者は非常に細胞障害効果 を持つ。かくしてシトシンデアミナーゼ遺伝子を発現する腫瘍細胞は5−フルオ ロシトシンを5−フルオロウラシルに転換し、死滅させられる。使用されるも一 つの相互作用薬は1−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨード ウラシル(FIAU)である。 相互作用薬は形質導入腫瘍細胞の成長を阻害し、妨げ、あるいは破壊するのに 有効な量で投与される。例えば、相互作用薬は患者に対する全体の毒性に依存し 、1日当り宿主の体重の5mgから10mg/kgの量で投与することが出来る 。相互作用薬は、例えば静脈内投与により、非経口投与により、腹腔内投与によ り、あるいは筋肉内投与によるなど望ましくは全身投与される。 生産者細胞あるいは負の選択マーカーを含む他の発現媒体が生体内で腫瘍に投 与される場合には、「第三者効果」が生じる。すなわち負の選択マーカーをコー ド化する核酸配列でもともと形質導入されなかった腫瘍細胞が相互作用薬の投与 で殺される。「第三者効果」は1992年5月1日受理されたアメリカ合衆国特 許出願番号07/877,519で開示され、それは引用例としてここにとり込 まれる。この発明の範囲はいずれかの理論的類推で制限されるものではないが、 形質転換腫瘍細胞は、相互作用薬に対し細胞外的に作用するか、もしくは隣接 する非形質転換腫瘍細胞によりとり上げられるび漫性形態の負の選択マーカーを 生産し続け、それが次いで相互作用薬の作用に感受性に富むようになる。負の選 択マーカーおよび相互作用薬の一方もしくは両方が腫瘍細胞の間で連通すること も可能である。 一つの実施例において、腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊をもたら す作用薬であって、ここでこの作用薬が腫瘍細胞に相互作用薬に対する感受性を 与える作用薬ではなく、またそのような作用薬が第2核酸配列によりコード化さ れる作用薬はサイトカインである。一つの実施例において、サイトカインはイン ターロイキンである。使用される他のサイトカインはインターフェロンおよびG M−CSFなどのようなコロニー刺激因子を含む。第2核酸配列によりコード化 されるインターロイキンは、必ずしもそれに限定されないが、インターロイキン −1、インターロイキン−1β、インターロイキン−2、インターロイキン−3 、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、イン ターロイキン−7、インターロイキン−8、インターロイキン−9、インターロ イキン−10、インターロイキン−11、およびインターロイキン−12を含む 。一つの実施例において、インターロイキンはインターロイキン−2である。 この発明の範囲はいずれの理論的類推により制限されるものではないが、サイ トカインをコード化する遺伝子を含む発現ベクター(レトロウイルスベクター粒 子など)の腫瘍への投与は、腫瘍細胞によるサイトカイン(例えばインターロイ キン−2など)の発現を可能にする。サイトカインの発現は、腫瘍に対する免疫 系を活性化させ、負の選択マーカーの第三者効果により殺されなかった残存腫瘍 細胞の根絶を助ける。 加えて、出願人はサイトカイン(インターロイキン−2など)が負の選択マー カー(単純性ヘルペスチミジンキナーゼなど)の第三者効果を高めることを思い がけなく発見した。かくしてサイトカインと負の選択マーカーとの間の相互作用 により提供される相乗効果が存在する。 望ましい実施例において、第1パッケージング細胞系は、単純性ヘルペスチミ ジンキナーゼ遺伝子を含む前記記載のもののような第1レトロウイルスベクター で形質導入される。第2パッケージング細胞系はインターロイキン−2を含む前 記記載のもののようなレトロウイルスベクターで形質導入される。形質導入パッ ケージング細胞系(生産者細胞)は許容出来る調剤担体でまた腫瘍の成長を阻害 し、妨げ、あるいは破壊するのに有効な量で腫瘍に生体内投与される。生産者細 胞の腫瘍への投与に際し、生産者細胞は負の選択マーカーをコード化する遺伝子 を含むウイルス粒子の第1グループ、およびサイトカインをコード化する遺伝子 を含むウイルス粒子の第2グループとを生成する。このウイルス粒子の2個のグ ループは腫瘍細胞を形質導入する。宿主は次いでガンシクロビル、あるいは1− 2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル−5−ヨードウラシ ル(FIAU)などの作用薬を与えられ、それが単純性ヘルペスウイルスチミジ ンキナーゼと相互作用し、形質導入腫瘍細胞を殺す。前記の通り「第三者効果」 も起こり、そ れにより非形質導入腫瘍細胞もまた殺される。加えて、形質導入腫瘍細胞による インターロイキン−2の発現は、腫瘍に対する免疫応答を刺激し、ベクター粒子 で形質導入されずまた単純性ヘルペスチミジンキナーゼ第三者効果の結果として 殺されなかったこれらの腫瘍細胞を殺すのに役立つ。 この発明の方法は、標的腫瘍が身体の特定の領域で延長された期間にわたり局 在化する場合、例えば、延長された期間腹部に局在化して留まる傾向のある卵巣 癌などのような場合に特に有用であり、また黒色腫、腎臓癌、膿腫癌、肝臓腫瘍 、および頭部と頸部の癌にも有用である。卵巣癌細胞が腹部に局在化して留まる ために、生産者細胞は腹腔内で投与される。生産者細胞のこのような注射は、体 内のウイルスの望ましくない増殖を最小にするし、とりわけ複製コンピテントレ トロウイルス細胞が連続して生産されるこのようなベクターが使用される場合に は有効である。 体内の大抵の細胞は両栄養性レトロウイルスベクターのためのレセプターを発 現するために、腫瘍の局所環境から逃れるいすれのベクター粒子も直ちに他の細 胞と結合する。しかし大抵の細胞はサイクル内にはなく、従ってベクターにより 運ばれる遺伝子とは結合せず、またそれが含むいずれの遺伝子も発現しない。か くして被曝の際にサイクルにある潜在的標的細胞の割合は小さく、また正常組織 に対する全身毒性効果も最小になるであろう。 更にも一つのこの発明の見地に従って、宿主にある腫瘍の治療方法が提供され る。腫瘍は第三者効果に対して感受性であ る。この方法は第三者効果を高め、一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞 に与える第1作用薬をコード化する一つの核酸配列を腫瘍に投与することよりな る。第2作用薬が次いで腫瘍に投与される。第2作用薬は腫瘍細胞の成長の阻害 、妨げ、あるいは破壊をもたらす。第2作用薬は、一つの相互作用薬に対する感 受性を腫瘍細胞に与える作用薬ではない。第2作用薬は宿主の免疫系には依存し ない独自の効果により、相互作用薬の治療効果を高める。腫瘍は次いで相互作用 薬で治療される。 一つの実施例において第1作用薬をコード化する核酸配列が前記のもののよう なウイルスベクターである発現ベクターに含まれる。ウイルスベクターは一つの 生産者細胞系に含まれ、この細胞系は腫瘍の細胞を形質転換するのに有効な量で ウイルスを生産するために腫瘍に投与される。ウイルスベクターは前記記載の通 りレトロウイルスベクターであり、前記記載の量で投与される。 も一つの実施例において、第1作用薬は前記記載のものから選択される一つの 負の選択マーカーであり、前記記載の量で投与される。まだも一つの実施例では 、第2作用薬はサイトカインであり、前記記載のものから選択されるものである 。 この発明はここで次の実施例と関連して説明される。しかしこの発明の範囲は それにより限定されるものではない。 実施例1 A.pG1TkSvNaの構築 以下はpG1TkSvNaの構築を説明し、その概略図は図 6で示される。このベクターはレトロウイルスブロモーターおよび細菌遺伝子、 SV40プロモーターで駆動されるネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(N eoR)により調節される単純性ヘルペスウイルスIから得られるチミジンキナ ーゼ(hTK)を含んでいる。hTK遺伝子はアシクロビルおよびガンシクロビ ルに対する感受性をDNA類似体に与え、一方NeoR遺伝子製品はネオマイシ ン類似体、G418に対する耐性を与える。 pG1TkSvNaを作るために、3段階のクローニング戦略が使用された。 まず単純性ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子(Tk)がG1プラスミドバックボ ーンにクローンされてpG1Tkを生成した。第2に、NeoR遺伝子(Na) がプラスミドpSvBgにクローンされ、pSvNaを作り出した。最後にSv NaがpSvNaから切除され、pG1Tkに結合されてpG1TkSvNaを 生成した。 プラスミドpG1TkSvNaはプラスミドpG1から誘導された(図3)。 プラスミドpG1はpLNSXから構築され(パーマー、他、血液、73巻、4 38−445ページ)、ここで引用例としてとり込まれた。プラスミドpG1の 構築戦略は図1で示される。5′モロニーマウス肉腫ウイルス(MoMuSV) LTRを含む1.6キロベースEcoRI断片、および3′LTRを含む3.0 キロベースEcoRI/C1aI断片、細菌性複製起点およびアンピシリン耐性 遺伝子はそれぞれ分離された。7個のユニーククローニング部位を含むリンカー がそれ自身にEcoRI/C1aI断片を閉じ 込めるために使用され、かくしてプラスミドpG0を生成した。プラスミドpG 0は5′LTRを含む1.6キロベースEcoRI断片をpG0のユニークEc oRI部位に挿入することでベクタープラスミドpG1を生成するために使用さ れた(図3)。かくしてpG1(図3)はレトロウイルスベクターバックボーン よりなり、それはMoMuSVから誘導される5′部分、真正ATG出発コドン がTAGに突然変異されるgagの短部分(ベンダー、他、1987年)、5′ から3′までの間にEcoRI、NotI、SnaBI、SalI、BamHI 、XhoI、HindII、ApaI、およびClaIの各部位を含む54塩基 対多重クローニング部位(MCS)、更に7764から7813塩基対のMoM uSVの3′部分(ヴァン ビヴァレン、他、コールド スプリング ハーバー 、2巻、567ページ、1985年に記載された数)で構成され、これらの文献 は引用例としてここにとり込まれている(図2)。MCSは、pG1プラスミド neor遺伝子、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、ヒグロマイシンr遺伝子、および SV40プロモーターの非切断制限酵素のスクリーンにもとづき最大数のユニー ク挿入部位を生成するように設計された。 pBgを構築するために(図4)、β−ガラクトシダーゼをコード化する3. 0キロベースBamHI/EcoRIlacZ断片がpMC1821から分離さ れた(ファルマチア)。この断片はβ−ガラクトシダーゼ読み取り枠の5′およ び3′最末端を欠いている。完全読み取り枠を修復し、 lacZ遺伝子の各末端に制限部位を加えるリンカーが合成され、BamHI/ EcoRI lacZ断片に結合された。5′リンカーの構造は以下の通りであ った:5′−1/2NdeI−SphI−NotI−SnaBI−SalI−S acII−AccI−NruI−BgIII−III27塩基対リポソーム結合 シグナルーコザックコンセンサス配列/NcoI−lacZ読み取り枠の最初の 21塩基対−1/2BamHI−3′。3′リンカーの構造は以下の通りであっ た:5′−1/2突然変異EcoRI−lacZ読み取り枠の最後の55塩基対 −XhoI−HindIII−SmaI−1/2EcoRI−3′。リンカー内 の制限部位が選ばれたが、それは制限部位がネオマイシン耐性遺伝子、β−ガラ クトシダーゼ遺伝子、ヒグロマイシン耐性遺伝子、あるいはSV40プロモータ ーには存在していないためであった。27塩基対リポソーム結合シグナルは5′ リンカーに含まれていたが、それはmRNAの安定性を高めるもとの考えられる (ハーゲンビュッヒレ、他、細胞、13巻:551−563ページ、1978年 、およびローレンスならびにジャクソン、分子生物学ジャーナル、162巻:3 17−334ページ、1982年)。この二つとも引用例としてここにとり込ま れている。コザックコンセンサス配列(5'-GCCGCCACCATGG-3')はmRNA翻訳の 開始をシグナルするために示され(コザック、核酸研究、12巻:857−87 2ページ、1984年)引用例としてここにとり込まれている。コザックコンセ ンサス配列はATG翻訳開始コドンをマークするNcoI部位を含む。 pBR322(ボリヴァール、他、遺伝子、2巻:95ページ、1977年) はNdeIおよびEcoRIで消化され、アンピシリン耐性遺伝子および細菌性 複製起点を含む2.1キロベース断片が分離された。前記の結合された5′リン カー−lacZ−3′リンカーDNAがpBgを生成するためにpBR322N deI/EcoRIベクターに結合された。pBgはシャトルプラスミドとして 有用であるが、それはlacZ遺伝子が切除され、も一つの遺伝子がlacZ遺 伝子の5′および3′末端に存在するいずれかの制限部位に挿入出来るためであ る。これらの制限部位はpG1プラスミド内で反復されるために、シャトルプラ スミド構築物内で代替するlacZ遺伝子あるいは遺伝子群は容易にpG1に移 ることが出来る。 単純性ヘルペスウイルスタイプIチミジンキナーゼ遺伝子(ジェンバンク、ア クセス番号V00467、引用例としてここに取り込まれる)を含有する1.7 4キロベースBglII/PvuII断片がpX1プラスミド(ヒューバーマン 、他、指数細胞研究、153巻、347−362ページ(1984年)、引用例 としてここにとり込まれる)から切除され、DNAポリメラーゼIの大型(クレ ノウ)断片で平滑化され、プラスミドpG1Tkを形成するためにpG1多重ク ローニング部位のユニークSnaBI部位に挿入された(図5)。 プラスミドpSV2Neoから得られる339塩基対PvuII/HindI II SV40初期プロモーター断片(サザン、他、分子および応用遺伝子学ジ ャーナル 、1巻: 327−341ページ(1982年))が次いでプラスミドpSvBgを生成す るためにユニークNruI部位にあるpBgに挿入された(図5)。pSvBg プラスミドはlacZ遺伝子を除去するためにBglII/XhoIで消化され 、その末端はクレノウ断片を使って平滑化された。ネオマイシン耐性遺伝子のコ ード配列を含む852塩基対EcoRI/AsuII断片がpN2(アーメンタ ーノ、他、ウイルス学ジャーナル、61巻、1647−1650ページ(198 7年))から除去され、クレノウ断片で平滑化され前記の通り生成された2.5 キロベース平滑BgilII/XhoI断片に結合され、pSvNaを生じた。 SV40プロモーター/ネオマイシン耐性遺伝子カセットが次いで1191塩基 対SalI/HindIII断片としてpSvNaから除去された。pG1Tk プラスミドは次いでSalI/HindIIIで消化され、pG1TkSvNa を生成するためにSV40/neor断片で結合された(図6)。 B.生産者細胞系の生成 生産者細胞系はベクタープラスミドおよびパッケージング細胞から作られた。 PA317/G1TkSvNa生産者細胞は、従来の臨床関連レトロウイルスベ クター生産者細胞を作るのに使用されたものと同じ技術により作られた。ベクタ ープラスミドpG1TkSvNa DNAは環境栄養性パッケージング細胞系、 PE501に形質移入された。PE501形質移入細胞から得た上澄みは、次い で両栄養性パッケージング細胞系(PA317)に形質移入するために使用され た。形質移入生 産者細胞のクローンが次いでNeoR遺伝子を含むクローンを選別するためにG 418含有培地で成育された。クローンは次にレトロウイルスベクター生産のた めに滴定された。いくつかのクローンが、次いで更に検査のために選択され、最 後に一つのクローンが臨床用に選択された。 5×105PE501細胞(ミラー、他、バイオテクニク、7巻、980−9 90ページ(1989年)、引用例としてここにとり込まれている)が皿当り1 0%の胎仔ウシ血清(HGD10)で補充された高グルコースダルベッコ修飾必 須培地(DMEM)成育培地10mlを入れた100mm皿で平板培養された。 細胞は37℃、5%、CO2/空気で一晩保温された。 プラスミドpG1TkSvNaは次いで次のような処置によりDNA50μg を用いるリン酸カルシウム沈澱によりPE501に形質移入された。 DNA50μg、10×CaCl2 50μl、および無菌H2O 450μl がポリプロピレン管15ml内でDNA50μg、2×BBS 0.05ml( N−N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタン−スルホン酸50 mM、NaCl 280mM、Na2HPO4 1.5mM、およびpH6.95 のヘペス50mMを含有する)を含むCaCl2溶液0.25Mを産出するため に混合された。DNA溶液は次いで室温で約20分から1時間放置された。皿は 次いで35℃で3%CO2/大気で一晩保温された。 一晩保温された後、最適沈澱物を持つ培養皿が次いで選択さ れた。皿は次に塩および塩溶液を除去するためにPBSで洗浄された。HGD1 0培地10mlが次いで皿に加えられ、この皿は37℃で5%大気で約48時間 保温された。 48時間後に上澄みが形質移入細胞から採取された。皿はPBS 5mlです すぎ洗いされた。PBSが次いで除去され、細胞はトリプシン−EDTAで除去 された。細胞の連続希釈液が次いでHGD 10およびG418 0.8mg/ mlを含む培地の6個の100mm皿に接種された。 細胞の6個の皿は毎日検査された。培地は死亡細胞を除去するために必要に応 じて交換された。生きた細胞あるいはコロニーは、コロニーがクローンされるの に十分である(つまりコロニーが裸眼で見る)ような大きさに成長するようにさ れた。PE501細胞のこのようなコロニーから得られるPE501環境栄養性 含有上澄みは約5乃至10mlの量で採取され、低温管に置かれ、液体窒素で− 70℃で凍結された。 PA317細胞(ミラー、他、分子細胞生物学、6巻:2895−2902ペ ージ(1986年))は次いでグルコース4.5g/l、グルタミン補足剤、お よび胎仔ウシ血清(FBS)10%を含むダルベッコ修飾必須培地で100mm 平板当り5×104細胞濃度で平板培養された。 PE501上澄みは次いで解凍され、ポリブレン8μg/mlが上澄みに加え られた。培地はPA317細胞の平板から吸引され、ウイルス上澄みの7乃至8 mlが加えられ一晩保温された。 PE501上澄みは次いで除去され、細胞は新鮮なFBS 10%で約18−20時間再肥育された。1日後、培地はFBS 10%および G418(800μg/ml)で交換された。平板は次いでモニターされ、培地 は必要に応じて瀕死あるいは死滅細胞を取り除くために新鮮FBS 10%およ びG418で交換された。平板はG418耐性コロニーの外観を見るため少なく とも10乃至14日間モニターされた。 クローニングリングがすべての選択されたコロニーの周りに置かれた。細胞は トリプシン化され、HGD10 5mlにヒポキサンチンアミノプテリンチミジ ン(HAT)1Xの加えられた6個のウエル皿でウエルで培養された。 もしクローンが密集に成長したなら、それはトリプシン化され100ml皿で 保温された。100ml皿のクローンが密集に近づくと、その両栄養性ベクター 含有上澄みは除去され、細胞をペレット化してとり出すために5分間、1,20 0乃至1,500rpmで遠心分離された。 上澄みは6個の冷凍小びん(1ml/小びん)にアリコートされ、液体窒素に 貯蔵された。PBS 5mlが皿に加えられ、細胞はすすぎ洗いされ、HGD1 0を再補給され、DMSO 10%の1mlアリコートで液体窒素で凍結された 。レトロウイルスベクターの最高力価を持つものを決定するために異なったクロ ーンがモニターされた。 生産者細胞系PA317/G1TkSvNa.53と指名された最高力価をも クローンがマスター細胞バンクを生産するために使用された。 C.pG1Tk1SvNaの調製 プラスミドpG1Tk1SvNa(図8)は、図7で示される図形表示に従っ て調製された。それはpG1TkSvNa(図6)から部分読み取り枠を除去し て調製された。 pSPTK5′の生成: プラスミドpG1NaSvTkから得たDNAが制限酵素BgIIIおよびS maIで消化され、1163塩基対(bp)ヘルペスチミシンキナーゼ(TK) 断片がアガロースゲル電気泳動により分画され、分離された。この断片はTK5 ′未翻訳領域の56塩基対およびTK翻訳読み取り枠の1107塩基対を含んで いる。1163塩基対TK断片はプラスミドベクターpSP73(プロメガ コ ーポレイション,マジソン,ウイスコンシン)に結合されたが、後者は既に制限 酵素BgIIIおよびSmaIで消化されていた。生成する結合プラスミド構築 物はpSPTK5′と名付けられたがそれはこのプラスミドがTK読み取り枠の 5′部分は含むが、読み取り枠の最後の21塩基対および翻訳終止コドンを欠い ているためである。 TK読み取り枠のPCR: pG1NaSvTkプラスミドDNAはそれをBgIIIで消化することによ り線形化された。線形化pG1NaSvTkはポリメラーゼ連鎖反応(PCR) の鋳型として使用され、このPCRはTK読み取り枠の最初の17塩基対を含む 正プライマー(5'-GCACCATGGCTTCGTACCCCTGC-3')、およびXhoI部位の相補配 列、TK翻訳終止コドン、またTK読み取り枠の最後の19塩基対を含む逆プラ イマー(5'-CCTGCATCGATTCTCGAGTC AGTTAGCCTCCCCCATCTCC-3')を用いるPCRであった。PCR30サイクルが以下 のように行われた:94℃で1分間、および60℃で2分間、更に72℃の延長 サイクルで7分間が最終であった。PCR裂品はアガロースゲルで分画され、全 長TK読み取り枠を含む予期された1215塩基対断片が分離された。この分離 断片は制限酵素PstIおよびXhoIで消化され、消化製品はアガロースゲル で分画され、また420塩基対断片が分離された。この断片は、TK読み取り枠 のアミノ酸249−250をコード化するヌクレオチドにあるPstI部位から 、TGA翻訳終止コドンのすぐ下流にあるXhoI部位まで延びる。 pSPTK1の生成: pSPTK5′はPstIで消化され、pSP73ベクターおよびTK読み取 り枠の5′部分を含む3993塩基対断片は続くアガロースゲル電気泳動で分離 された。この3393塩基対断片はTK読み取り枠(前記)の3′末端を含むP CR生成420塩基対PstI/XhoI断片に結合された。結合プラスミドD NAは大腸菌DK5αコンピテント細胞(ジブコ/BRL、ゲイザースバーク, メリーランド)に形質転換され、またアンピシリン耐性コロニーから得られるD NAは制限酵素消化によりスクリーンされた。全長TK読み取り枠を含むものと 見られるプラスミドは、pSPTK1と名付けられた。いくつかのpSPTK1 クローンから得られるDNAはPstI部位からXhoI部位に到るまでの領域 (PCRにより生成された領域)においてジデオキシ配列された。pSPTK1 クロー ン#4は、この領域で予期されたTK配列に適合することが判明し、pG1Tk 1SvNaの構築に使用された。 pG1Tk1SvNaの生成: pSPTK1 DNAはBglIIで消化され、5′張出し末端は大腸菌DN AポリメラーゼIのデオキシメクレオチドおよびクレノウ断片で消化DNAの培 養により修復された。DNAは次いでTK5′未翻訳領域の56塩基対および全 長TK読み取り枠を持つ1225塩基対断片を生成するためにXhoI消化され た。この平滑/XhoI断片は、SnaBIおよびSalIで消化されたpG1 XSvNa DNAに結合された。 pG1XSvNaを構築するために、1.2キロベースSvNa断片が、Sa lIおよびHindIIIでpSvNa(前記パートA)から切除された。この 断片はSalIおよびHindIIIで消化されたpG1に結合された。結合プ ラスミドはpG1XSvNaと名付けられ、ここで「X」は多重クローニング領 域の一つを示している。 pG1XSvNaおよびTK結合から得たDNA製品はDH5αに形質転換さ れ、アンピシリン耐性コロニーから得たDNAは前記の通りスクリーンされた。 診断用制限酵素消化によるTK断片を含むように見られるプラスミドはpG1T k1SvNaと名付けられた(図8)。クローン#2は5′−LTRの初めから 3′−LTRの末端までジデオキシ配列化され、また無傷読み取り枠を含むこと が発見された。 pG1Tk1SvNaは前記記載の方法(前記パートB)に よりPA317と組合せて生産者細胞を生産するために使用された。このような 生産者細胞系は生産者細胞系PA317/pG1SvNa.7と指定された。 D.pG1I2SvNaの構築 pG1がHindIIIおよびSalIで切断された。pLNSXからのSV4 0プロモーター、およびpN2からのneor遺伝子を含むpSvNa(図9) もまたHindIIIおよびSalIで切断され、SV40プロモーターおよび β−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むHindIII−SalI断片はpG1XS vNaを形成するためにHindIII/SalI消化pG1に結合された(図 10)。 pG1XSvNaはSnaBI部位で切断され、インターロイキン−2リーダ ー配列、およびコザック領域、オリゴマーを加えたインターロイキン−2分泌シ グナル、および除去された3′未翻訳領域を使ってATCCから得る成熟インタ ーロイキン−2コード配列を含むBglII−ClaI制限断片がpG1I2S vNaを形成するために切断pG1XSvNaに結合された(図11)。 pG1I2SvNaは前記パートBで説明された方法でPA317と組合せて 一つの生産者細胞系を生産するために使用された。この生産者細胞系は以下で時 々PA317/G1I2SvNa.5として引用される。 E.pG1I2GSvNaの構築 pG1XSvNaはSnaBI部位で切断され、インターロイキン−2リーダ ー配列、コザック領域、およびロッシュ インターロイキン−2遺伝子を鋳型として用いるPCR生成完全コード配列を含 むBg1II−HindIII制限断片がpG1I2GSvNa.11を形成す るために切断pG1XSvNaに結合された(図12)。 pG1I2GSvNaは前記パートBで説明された方法によりPA317と組 合せて一つの生産者細胞系を生産するために使用された。この生産者細胞系は以 下でPA317/G1I2GSvNaとして時々引用される。 F.単純性ヘルペスチミジンキナーゼ生産者細胞およびもしくはインターロイキ ン−2生産者細胞の胸腺欠損マウスへの投与 68匹の胸腺欠損メスマウスが15−30×106OVCAR−3卵巣癌細胞 をハンクスBSS溶液1mlあるいは1.5mlで腹腔内に注射された。マウス は次いで4グループに分割された。Aグループはマウス19匹を含み、各マウス は10×106PA317/G1TkSvNa.53生産者細胞を、OVCAR −3細胞注射7日後に腹腔内に受けた。Bグループは15匹のマウスを含み、各 マウスは10×106PA317/G1I2SvNa.5生産者細胞をOVCA R−3細胞注射7日後に腹腔内に受けた。Cグループは18匹のマウスを含み、 各マウスは10×106PA317/G1I2SvNa.5生産者細胞の注射を OVCAR−3細胞注射の7日後に腹腔内で受けた。Dグループは16匹のマウ スを含み、各マウスは2×106PA317/G1TkSvNa.53生産者細 胞および2×106PA317/G1I2Sv Na生産者細胞をOVCAR−3細胞注射7日後に腹腔内注射で受けた。生産者 細胞注射7日後に、Aグループの9匹のマウス、Bグループの6匹のマウス、C グループの13匹のマウス、およびDグループの11匹のマウスがガンシクロビ ル(GCV)を5mg/kgの量で1日2回14日間腹腔内で受けた。他のマウ スは治療を受けなかった。次いですべてのマウスが腫瘍の成長を評価された。各 グループの無腫瘍マウス数が以下の表Iで示される。 表Iで示されるように、2×106単純性ヘルペスチミジンキナーゼ生産者細 胞および2×106インターロイキン−2生産者細胞が与えられガンシクロビル で治療されたマウス11匹の9匹が、腫瘍のない状態で見出された。これに反し て、10×106単純性ヘルペスチミジンキナーゼ生産者細胞が与えられガンシ クロビルで治療されたマウス9匹の内5匹のみが腫瘍のない状態で見出された。 この結果は単純性ヘルペスチミジンキナーゼとインターロイキン−2の間に相乗 殺腫瘍効果があることを示している。この相乗作用はこの実験に使用されたヌー ドマウスが免疫不全であるということは予期していなかった。インターロイキン −2は単純性ヘルペスチミジンキナーゼの第三者効果を突然に増加させ、第三者 効果によるこのような増加は免疫系の活性を必要としない。 実施例2 30匹のC57BL黒色で生後6−8週のマウスがそれぞれ2×105形質導 入MCA205繊維肉腫細胞の皮下注射を受けた。マウスは各グループが10匹 の3グループに分割された。IグループはpG1TkSvNaから生成されたベ クター粒子で形質導入されたMCA205細胞を受けた。IIグループはpG1 I2SvNaから生成されたベクター粒子で形質導入されたMCA205細胞を 受けた。IIIグループはpG1TkSvNaから生成されたベクター粒子で形 質導入された1×105MCA205細胞およびpG1I2SvNaで形質導入 された1×105MAC205細胞を受けた。マウスがMCA205細胞で注射 された5日後、各グループの5匹のマウスは毎日ガンシクロビル(GCV)5m g/kgを腹腔内で受け治療された。腫瘍退行の平均時間が記録された。その結 果は以下の表IIで与えられる。 ガンシクロビル治療を受けなかった動物では、インターロイキン−2遺伝子で 形質導入された腫瘍の平均サイズは、単純性ヘルペスチミジンキナーゼ遺伝子で 形質導入された腫瘍よりも32%小さいものであった。ガンシクロビル治療を受 けたすべ ての動物はその腫瘍が完全に分解した。単純性ヘルペスチミジンキナーゼおよび インターロイキンの両方で腫瘍を形質導入された動物は、腫瘍の完全な分解まで の時間を著しく減少させた。かくして組合わさった2個の遺伝子は、ガンシクロ ビル治療でより急速な腫瘍破壊を誘発した。加えて、ガンシクロビルの投与に際 しインターロイキン−2のみで形質導入された腫瘍の完全な腫瘍退行という事実 についての一つの可能な説明は、インターロイキン−2などのサイトカインが腫 瘍細胞にある内因性チミジンキナーゼ遺伝子の発現を活性化する、ということで あった。この誘発は驚くほど大きいものに違いない。と言うのは内因性酵素が基 質としてのガンシクロビルを、全然と言う訳ではなくともかなりの程度使用出来 ないためである。 実施例3 ヒトOVCAR−3細胞は、pG1TkSvNaあるいはpG1I2SvNa のいずれかより生成されたベクター粒子で形質導入され、G418 1.0mg /mlで7−14日選択された。G418選択で生き残った細胞はこの実施例で 形質導入腫瘍細胞として使用された。 第1日に、OVCAR−3細胞がマイクロタイタ平板のウエルに胎仔ウシ血清 10%を有する全量で100μlのRPMI1640に加えられた。各ウエルは 異なった割合(パーセントでの)の野生型OVCAR−3細胞:pG1TkSv Naから生成されたベクター粒子で形質導入されたOVCAR−3細胞;および pG1I2SvNaから生成されたベクター粒子で形質導入されたOVCAR− 3細胞を有していた。第2日に は、100μlのガンシクロビルが2.5μg/ml、5.1μg/mlあるい は12.5μg/mlの濃度で各ウエルに加えられた。細胞は44乃至48時間 恒温器で37℃、5%CO2で培養された。次いで0.5μCiの3H−チミジン が平板の各ウエルに20μlの量で加えられた。4乃至8時間後、細胞が収穫さ れ、放射能が分当りカウント(cpm)で測定された。cpmは本検定において 増殖率に直接比例する。増殖割合の減少が各ウエルでされた。その結果は下記の 表IIIで示される。 前記表で示されるように、この検定においてインターロイキン−2およびガン シクロビルは単純性ヘルペスチミジンキナーゼ効果のみとほぼ匹敵する第三者効 果を誘発する。単純性ヘルペスチミジンキナーゼおよびインターロイキン−2形 質導入細胞が一緒に培養されると、第三者効果は相乗強化される。これが示唆す ることは、単純性ヘルペスチミジンキナーゼおよびインターロイキン−2の生体 相乗作用が単に免疫応答を増強するということでなく、説明し難い機構を含み 、それによりイン ターロイキン−2が直接あるいは間接的にガンシクロビルに対する抗腫瘍応答に 影響するということである。このような機構は免疫系の活性を含まない。 実施例4 実施例3の手法がA375黒色腫細胞に関して繰返された。野生型および形質 導入細胞の各種の割合を含む各ウエルにおいて細胞増殖の減少パーセントが以下 の表IVで示される。 実施例5 実施例3の手法が786−0腎臓癌細胞に関連して繰返された。野生型および 形質導入細胞の各種の割合を含む各ウエルにおいて細胞増殖の減少パーセントが 以下の表Vで示される。 実施例6 15人の女性で、すべてが18才およびそれ以上の年令で腹腔に局在化した再 発性あるいは進行性上皮卵巣癌を患っておりまたこの疾病の標準の治療に失敗し た人達のそれぞれが腹腔内テンクホーフカテーテルを与えられる。カテーテルの 設置の少なくとも2日後に、各患者は治療サイクルを開始する。このサイクルは 各患者にPA317/G1Tk1SvNa.7生産者細胞およびPA317/G 1I2GSvNa.11生産者細胞をテンクホーフカテーテルを通じて4時間以 上にわたり投与することにより開始される。投与される液全体の量は1および4 リットルの間であり、生産者細胞は約2×106細胞/mlから約10×106細 胞/mlまでの濃度で50:50の細胞混合物として投与される。治療サイクル 当りの生産者細胞の全 数は約1×1010細胞数である。 患者が生産者細胞を受けて14日後に、各患者はガンシクロビルを毎日5mg /kgの静脈内用量で14日間受ける。ガンシクロビル治療の14日の期間を終 えた後、患者は7日間治療無しの期間を受け治療サイクルを終結する。ガンシク ロビル治療のない7日目の終りに、治療サイクルが繰返される。 この明細書で引用されるすべての特許、公開公報(公開された特許出願を含む )、およびデータベースエントリーの開示は、あたかもこのような個別の特許、 公開情報、データベースエントリーが特異的かつ個別に引用例としてとり込まれ るよう指示されたかのように、同じ範囲でその全体が引用例として特異的にとり 込まれている。 しかしこの発明の範囲は前記の特異的な実施例に限定されるものではない。こ の発明は特に説明されたもの以外にも実施することが出来、しかもなお以下の特 許請求の範囲内にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9051−4C A61K 37/04 ADU C12N 5/10 9162−4B C12N 15/00 ZNAA 15/09 ZNA 9281−4B 5/00 B (72)発明者 ブレーズ,マイケル,アール. アメリカ合衆国,20854 メリーランド, ロックヴィル,ランカシャー ドライブ 1986

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.宿主にある一つの腫瘍を治療する一つの方法であって、ここで前記腫瘍は: (a)前記腫瘍に第1核酸配列を投与し、前記第1核酸配列は、一つの相互作用 薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬をコード化し、 (b)前記腫瘍に第2核酸配列を投与し、前記第2核酸配列は腫瘍細胞の成長の 阻害、妨げ、あるいは破壊をもたらす一つの作用薬をコード化し、ここで前記作 用薬は一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬ではな く、ここで腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊をもたらし、またここで 前記作用薬が一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬 ではない前記作用薬は、前記宿主の負疫系とは関係なく一つの作用により前記相 互作用薬の治療効果を高め、また (c)前記腫瘍を前記相互作用薬を用いて治療する、ことよりなる第三者効果を 高めることで、前記腫瘍が前記第三者効果に感受性であることを特徴とする方法 。 2.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記第1核酸配列および前記 第2核酸配列が少くとも一つの発現ベクターに含まれることを特徴とする方法。 3.請求の範囲第2項記載の方法であって、ここで前記少くとも一つの発現ベク ターが前記第1核酸配列を含む一つの第1発現ベクターであり、また前記第2核 酸配列を含む一つの第2発現ベクターであることを特徴とする方法。 4.請求の範囲第3項記載の方法であって、ここで前記第1発現ベクターおよび 前記第2発現ベクターのいずれもがウイルスベクターであり、また前記第1ウイ ルスベクターが第1生産者細胞系に含まれ、前記第2ウイルスベクターが第2生 産者細胞系に含まれ、ここで前記第1生産者細胞系および前記第2生産者細胞系 は腫瘍に投与され、またここで前記第1生産者細胞系は第1ウイルスを産出し、 第2生産者細胞系は第2ウイルスを産出し、ここで前記第1ウイルスおよび前記 第2ウイルスが前記腫瘍の細胞を形質転換するのに有効な量で投与されることを 特徴とする方法。 5.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記第1核酸配列が負の選択 マーカーをコード化することを特徴とする方法。 6.請求の範囲第5項記載の方法であって、ここで負の選択マーカーが単純性ヘ ルペスウイルスチミジンキナーゼ、サイトメガロウイルスチミジンキナーゼ、お よび水痘−帯状庖疹ウイルスチミジンキナーゼよりなるグループから選択される ことを特徴とする方法。 7.請求の範囲第6項記載の方法であって、ここで前記相互作用薬がガンシクロ ビルおよびアシクロビルよりなることを特徴とする方法。 8.請求の範囲第7項記載の方法であって、前記相互作用薬がガンシクロビルで あることを特徴とする方法。 9.請求の範囲第1項記載の方法であって、前記第2核酸配列がサイトカインを コード化することを特徴とする方法。 10.請求の範囲第9項記載の方法であって、前記サイトカインがインターロイ キンであることを特徴とする方法。 11.請求の範囲第10項記載の方法であって、ここで前記インターロイキンが 、インターロイキン−1,インターロイキン−1β,インターロイキン−2,イ ンターロイキン−3,インターロイキン−4,インターロイキン−5,インター ロイキン−6,インターロイキン−7,インターロイキン−8,インターロイキ ン−9,インターロイキン−10,インターロイキン−11、およびインターロ イキン−12よりなるクラスから選択されることを特徴とする方法。 12.請求の範囲第11項記載の方法であって、前記インターロイキンがインタ ーロイキン−2であることを特徴とする方法。 13.請求の範囲第4項記載の方法であって、前記第1ウイルスベクターおよび 前記第2ウイルスベクターがレトロウイルスベクターであることを特徴とする方 法。 14.請求の範囲第4項記載の方法であって、ここで前記第1生産者細胞系が宿 主の体重の約1×106細胞/Kgから約1×108細胞/Kgの量で投与される ことを特徴とする方法。 15.請求の範囲第4項記載の方法であって、ここで前記第2生産者細胞系が宿 主の体重の約1×106細胞/Kgから約1×108細胞/Kgの量で投与される ことを特徴とする方法。 16.請求の範囲第7項記載の方法であって、ここで前記相互 作用薬が1日当り宿主体重の約5mg/Kgから約10mg/Kgの量で投与さ れることを特徴とする方法。 17.請求の範囲第1項記載の方法であって、前記腫瘍が卵巣癌であることを特 徴とする方法。 18.第1ウイルスベクターを含む第1生産者細胞、および第2ウイルスベクタ ーを含む第2生産者細胞よりなる一つの組成物であって、 前記第1ウイルスベクターは一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与 える一つの作用薬をコード化する第1核酸配列を含み、 前記第2ウイルスベクターは、腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊を もたらす一つの作用薬をコード化する第2核酸配列を含み、ここで前記作用薬は 一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬ではなく、こ こで腫瘍細胞の成長、妨げ、あるいは破壊をもたらす前記作用薬であって、前記 作用薬は一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍細胞に与える一つの作用薬では ない前記作用薬は、免疫系とは無関係な一つの作用によって前記相互作用薬の治 療効果を高める、 ことを特徴とする一つの組成物。 19.請求の範囲第18項記載の組成物であって、ここで前記第1核酸配列が負 の選択マーカーをコード化することを特徴とする組成物。 20.請求の範囲第19項記載の組成物であって、前記負の選択マーカーが単純 性ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ、サイ トメガロウイルスチミジンキナーゼ、および水痘−帯状庖疹ウイルスチミジンキ ナーゼよりなるグループから選択されることを特徴とする組成物。 21.請求の範囲第18項記載の方法であって、前記第2核酸配列がサイトカイ ンをコード化することを特徴とする組成物。 22.請求の範囲第21項記載の方法であって、前記サイトカインがインターロ イキンであることを特徴とする組成物。 23.請求の範囲第22項記載の組成物であって、前記インターロイキンが、イ ンターロイキン−1,インターロイキン−1β,インターロイキン−2,インタ ーロイキン−3,インターロイキン−4,インターロイキン−5,インターロイ キン−6,インターロイキン−7,インターロイキン−8,インターロイキン− 9,インターロイキン−10,インターロイキン−11、およびインターロイキ ン−12よりなるクラスから選択されることを特徴とする組成物。 24.請求の範囲第23項記載の組成物であって、前記インターロイキンがイン ターロイキン−2であることを特徴とする組成物。 25.請求の範囲第18項記載の組成物であって、前記第1ウイルスベクターお よび前記第2ウイルスベクターのそれぞれがレトロウイルスベクターであること を特徴とする組成物。 26.宿主にある腫瘍を治療する一つの方法であって、ここで前記腫瘍が、 (a)一つの核酸配列を前記腫瘍に投与し、前記核酸配列は一つの相互作用薬に 対する感受性を腫瘍細胞に与える第1作用薬 をコード化し、 (b)腫瘍細胞の成長の阻害、妨げ、あるいは破壊をもたらす第2作用薬を前記 腫瘍に投与し、ここで前記第2作用薬は一つの相互作用薬に対する感受性を腫瘍 細胞に与える一つの作用薬ではなく、ここで前記第2作用薬は前記宿主の免疫系 とは無関係の一つの作用により前記相互作用薬の治療効果を高め、また、 (c)前記腫瘍を前記相互作用薬で治療する、ことよりなる一つの第三者効果を 高めることにより、前記腫瘍が前記第三者効果に感受性になることを特徴とする 一つの方法。 27.請求の範囲第26項記載の方法であって、ここで前記第1作用薬をコード 化する前記核酸配列が一つの発現ベクターに含まれることを特徴とする方法。 28.請求の範囲第27項記載の方法であって、ここで前記発現ベクターが一つ のウイルスベクターであり、前記ウイルスベクターが一つの生産者細胞系に含ま れ、前記生産者細胞系は腫瘍に投与され、前記生産者細胞系は一つのウイルスを 生産し、前記ウイルスは前記腫瘍の細胞を形質転換するのに有効な量で生産され ることを特徴とする方法。 29.請求の範囲第26項記載の方法であって、前記第1作用薬が負の選択マー カーであることを特徴とする方法。 30.請求の範囲第29項記載の方法であって、ここで前記負の選択マーカーが 、単純性ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ、サイトメガロウイルスチミジンキ ナーゼ、および水痘−帯 状庖疹ウイルスチミジンキナーゼよりなるグループから選択されることを特徴と する方法。 31.請求の範囲第30項記載の方法であって、前記相互作用薬がガンシクロビ ルおよびアシクロビルよりなるグループから選択されることを特徴とする方法。 32.請求の範囲第31項記載の方法であって、前記相互作用薬がガンシンクロ ビルであることを特徴とする方法。 33.請求の範囲第26項記載の方法であって、前記第2作用薬がサイトカイン であることを特徴とする方法。 34.請求の範囲第33項記載の方法であって、前記サイトカインがインターロ イキンであることを特徴とする方法。 35.請求の範囲第34項記載の方法であって、ここで前記インターロイキンが 、インターロイキン−1、インターロイキン−1β、インターロイキン−2、イ ンターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インター ロイキン−6、インターロイキン−7、インターロイキン−8、インターロイキ ン−9、インターロイキン−10、インターロイキン−11、およびインターロ イキン−12よりなるクラスから選択されることを特徴とする方法。 36.請求の範囲第35項記載の方法であって、前記インターロイキンがインタ ーロイキン−2であることを特徴とする方法。 37.請求の範囲第28項記載の方法であって、前記ウイルスベクターがレトロ ウイルスベクターであることを特徴とする方法。 38.請求の範囲第28項記載の方法であって、ここで前記生産者細胞系が宿主 の体重の約1×106細胞/kgから約1×108細胞/kgの量で投与されるこ とを特徴とする方法。 39.請求の範囲第31項記載の方法であって、ここで前記相互作用薬が1日当 り宿主体重の約5mg/kgから約10mg/kgの量で投与されることを特徴 とする方法。 40.請求の範囲第26項記載の方法であって、前記腫瘍が卵巣癌であることを 特徴とする方法。
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