JPH09509843A - 目的とするタンパク質の産生を目的とする二種類の発現カセットの併用 - Google Patents

目的とするタンパク質の産生を目的とする二種類の発現カセットの併用

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JPH09509843A
JPH09509843A JP7523271A JP52327195A JPH09509843A JP H09509843 A JPH09509843 A JP H09509843A JP 7523271 A JP7523271 A JP 7523271A JP 52327195 A JP52327195 A JP 52327195A JP H09509843 A JPH09509843 A JP H09509843A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、二個の発現カセットの併用であって、その一方が、チアミンにより調節可能なプロモーター領域によって制御された有用なDNAフラグメントを発現するためのものであり、他方が活性化遺伝子を発現するためのものであり、また本発明を行うのに用いられる宿主細胞に関する。本発明は、発現カセットにおいて、有用なADNフラグメントがpho-4 Schizosaccharomyces pombe 遺伝子から誘導されるプロモーター領域によって制御されているもの、並びにこのような発現カセットを含んでなるベクターおよび細胞にも関する。有用なタンパク質の新規な産生法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 目的とするタンパク質の産生を目的とする二種類の発現カセットの併用 本発明は、バイオテクノロジーの分野、特に真核細胞、取り分けSchizosaccha romyces 属の酵母で商業上または治療上重要な異種タンパク質の産生に対してな される改良に関する。本発明は、第一に、チアミンによって調節可能なプロモー ター領域を活性化することができる領域をコードする遺伝子の使用であって、こ のチアミンは目的のタンパク質の発現を制御し、第二に、目的のタンパク質をコ ードするDNAフラグメントをSchizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から単離 されまたは誘導されたプロモーター領域の制御下に置く発現カセットに関する。 この数年間に、真核細胞において目的のタンパク質を産生させる多数の発現カ セットが文献に記載されている。これらのカセットは、特に問題の細胞において 機能するプロモーター領域を含んでいる。概して、プロモーター領域は遺伝子の 5′隣接領域に配置されそれらの制御下に置かれたDNAフラグメントの転写を 行うことができる要素のセットを含んでいる。プロモーター領域は、宿主細胞で 機能する各種起源の要素の集合体からなることもでき、例えば、特に下記のよう なものがある。 − TATAボックスおよび転写開始部位を含んでなる最小プロモーター領域。 これは転写の正確な開始に必要と思われるが、それ自身では有効な転写を提 供することができない。 − TATAボックスの上流に配置された領域であり、構成上(constitutively) (培養条件とは無関係の、細胞サイクルを通して一定の転写水準)または調 節上(活性化物質の存在下での転写の活性化および/または抑制物質の存在 下での転写の抑制ができるいわゆる調節領域)のいずれの場合も、それらの 起源となる遺伝子に従って,有効な水準の転写を行うことができるもの。 目的のタンパク質を多量に得ることが所望な場合には、通常は強力で構成性(c onstitutive)のプロモーター領域を用いて、目的とするタンパク質をコードする DNAフラグメント、例えばSaccharomyces cerevisiae PGK(3−ホスホグリセ レートキナーゼ)遺伝子(Hitzeman ら、1983,Science,219,620-625)およびSc hizosaccharomyces pombe adh(アルコールデヒドロゲナーゼ)遺伝子(Russel およびHall、1983,J.Biol.Chem.,258,143-149)の発現を制御する。 しかしながら、強力で構成性のプロモーター領域の使用は、宿主サイクルに対 してある程度の毒性を示す目的のタンパク質の産生には不適である。事実上、有 毒なタンパク質が産生されることにより細胞の生長が影響を受け、自然突然変異 の選択という危険性が生じ、産生水準が喪失しまたは著しく減少する。極端な場 合には、細胞の生存率が影響を受けることもある。 これらの理由から、培養条件または細胞の発育相に従って目的とするタンパク 質の産生を変化させることができる自由度のある、調節可能なプロモーター領域 を有することが有利なことがある。概して、このようなプロモーター領域は調節 可能な遺伝子から単離されまたは誘導される。 ここ数年に亙り、多数の調節可能な遺伝子が多数の真核細胞、特にSchizosacc haromyces pombe で明らかに示されてきた。多種多様の機構がこれらの遺伝子の 調節を支配している。調節可能なSchizosaccharomyces pombe 遺伝子の例として は、温度と共に発現が増加する熱ショック遺伝子(Galloら、1991,Mol.Cell.B iol.,11,281-288)、および転写がグルコースの存在下で抑制され、グルコース 欠乏の条件下では誘発される酵素フルクトースビホスファターゼ(fbp)をコー ドする遺伝子(Hoffman および Winston,1989,Gene,84,473-479)を挙げる ことができる。この範疇の他の遺伝子としては、チアミンによって調節可能な遺 伝子、すなわちpho4(YangおよびSchweingruber,1990,Curr.Genet.,18, 269-272)nmt1(Maundrell,1990,J.Biol.Chem.,265,10857-10864)、および thi2(Zurlinden およびSchweingruber,1992,Gene,117,141-143)遺伝子であ って、その発現がチアミンにより転写水準で調節され、更に正確にはチアミンの 存在下で抑制され、その非存在下では誘発または抑制解除されるものが挙げられ る。 今般チアミンに対する応答に関与するpho4遺伝子のプロモーター領域の調節領 域が特性決定され、Schizosaccharomyces で目的のタンパク質の産生のための調 節可能な発現カセットが完成された。培養が酵母の増殖だけを目指すときには、 このような発現カセットを収容している酵母をチアミンを補充した培地で培養す る。目的とするタンパク質を産生させるため培養を開始したならば直ちに、酵母 をチアミンを欠く培地に移す。これによって、これらの領域をヒルジン(hirudin )のLys 47変異体をコードするDNAフラグメントの上流に置くと、チアミンの 非存在下では効果的な発現が行われ、少なくとも、adh 遺伝子の強力なプロモー ター領域を用いて検出された発現と同等の発現が行われる。更に、CFTR(嚢 胞性繊維症トランスメンブラン調節物質)タンパク質を発現させる目的でそれら をカセットに使用することにより、Schizosaccharomyces pombe では毒性を有し ているにも拘らず組換え技術によってこのタンパク質を産生することができた。 誘発条件下(チアミンの非存在下)でチアミンにより調節可能な遺伝子の発現 に作用する賦活生成物をコードするSchizosaccharomyces pombe 遺伝子もまた今 般見いだされた。特に、チアミンにより調節可能なプロモーター領域の制御下に 置かれた目的とするタンパク質をコードするDNAフラグメントの多数のコピー をも含んでなるSchzosaccharomyces pombe菌株のマルチコピーベクターへの導入 および形質転換によるこの遺伝子を増幅すると、培養条件により、特にチアミン の非存在下で、目的とするタンパク質の産生水準を改良することができるであろ う。 従来は、チアミンを酵母培地に加える。これが省略できると、経費が少なくて 済み、またそれらの生存率にはほとんどまたは全く影響しない。これらの異なる 基準は、工業的規模で産生の条件を満足しており、本発明の利点を示している。 従って、本発明の主題は、目的とするタンパク質を産生するため、 (a) 発現に必要な要素の制御下に置かれた目的とするタンパク質をコードす る第一のDNAフラグメントを含む第一の発現カセットであって、前記要素が、 特に第一のチアミンによって調節可能なプロモーター領域を含んでなるものであ るものと、 (b) 第二のプロモーター領域を含んでなる発現に必要な要素の制御下に置か れた、チアミンにより調節可能な遺伝子を賦活する生成物をコードする第二のD NAフラグメントを含む第二の発現カセットであって、該第二の発現カセットは 、(i)マルチコピーベクター中に、または(ii)細胞ゲノム中に挿入されてなり、( ii)の場合には、第二のプロモーター領域は賦活生成物をコードするDNAフラ グメントとは異種であることを特徴とするものであるものと を組合せて使用することである。 上記のように、本発明は、真核細胞、特にSchizosaccharomyces 菌株、最も具 体的には、pombe 種の菌株において、目的とするタンパク質のチアミンにより調 節される産生に適用された。 本発明のためには、第一のDNAフラグメントは真核または原核生物からまた はウイルスから得ることができる。これは、当該技術分野で用いられる任意の技 術、例えばクローニング、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、または化学合成に よって単離することができる。更に、これは、(i)目的の細胞内タンパク質、(ii )宿主である酵母の表面に存在する目的の膜タンパク質、または(iii)培地に分泌 された目的のタンパク質をコードすることもできる。従って、これは、分泌 シグナルをコードする配列などの適当な追加要素を含むこともできる。このよう な要素は、当業者には知られている。 更に、第一のDNAフラグメントは、天然に見られるような天然タンパク質の 全部または一部に相当する目的とするタンパク質をコードしていてもよい。また 、コードされたタンパク質はキメラタンパク質であることもでき、例えば多種多 様な起源のポリペプチドを融合することにより、または改良されおよび/または 修飾された生物学的特性を示す突然変異体から生じるものであることもできる。 このような突然変異体は分子生物学的な技術によって得ることができる。本発明 のため目的とするタンパク質には、更に具体的には次のようなものを挙げること ができる。 − サイトカイン、特にインターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因 子(CSF)および生長因子、 − 凝固防止剤、好ましくはヒルジン、特に欧州特許出願EP332,523号 明細書に記載のヒルジン変異体、最も具体的には変異体HV2 Lys 47、 − トリプシンおよびリボヌクレアーゼのような酵素、 − α1−アンチトリプシン、アンチトロンビンIII およびウイルスプロテアー ゼ阻害剤のような酵素阻害剤、 − イオンチャンネルに関与するタンパク質、例えば配列がRiordan ら(1989, Science,245,1066-1073)に記載されているCFTRタンパク質、 − 癌の開始または進行を阻害することができるタンパク質、例えばp53 および Rb遺伝子のような主要抑制遺伝子の発現生成物、および − ウイルスの感染またはその展開を阻害することができるタンパク質、例えば これらのウイルスの抗原性エピトープまたは天然のウイルスタンパク質と競 合することができるウイルスタンパク質の変更した変異体。 これらの例は制限的なものでないことは当然である。 概して、問題の細胞で機能しかつチアミンにより調節可能であるプロモーター 領域は、第一のDNAフラグメントの発現に用いられる。このプロモーター領域 は上記のようなチアミンによって調節可能な遺伝子の5′隣接領域から単離され る。これは、天然のプロモーター領域に関して1種類以上のヌクレオチドの突然 変異、欠失および/または付加によって修飾されることがあることは当然であり 、但しこれらの修飾はその調節の能力を余り損なわない。概していえば、このよ うなプロモーター領域の全部または一部を、本発明として用いることができる。 従って、チアミンによって調節することができる調節領域およびこの調節可能な 遺伝子と相同のTATAボックスを含んでなるチアミンにより調節可能な遺伝子 のプロモーター領域を用いることができる。 もう一つの態様によれば、チアミンにより調節可能な遺伝子から得られ、任意 の起源のTATAボックスを含んでなる最小プロモーター領域の上流に置かれ、 問題の細胞中の第一のDNAフラグメントの転写を正確に開始することができる 調節領域を用いることが可能である。このような最小プロモーター領域は当業者 に知られている。Schizosaccharomyces pombe adh およびCMV (サイトメガロウ イルス)IEI 遺伝子の最小プロモーター領域を、例として挙げることができる(B oshart ら、1985,Cell,41,521-530)。 「調節領域」とは、大きさが変動可能であり、チアミンによって調節すること ができる、すなわちチアミンの非存在下では、チアミンの存在下におけるよりも 著しく高い水準で制御されるDNAフラグメントの発現を誘発することができる ヌクレオチド配列を表わす。調節領域は、特に、調節に関与する1種類以上の賦 活および/または抑制要素を含んでいる。 チアミンによって調節するには単一の調節領域で十分であるが、数種類の調節 領域をタンデムに用いて、発現の水準を増加させようとすることも可能である。 本発明による使用によれば、1〜25の調節領域、有利には1〜7、好ましくは 1〜4の調節領域を特に用いることができる。また、このまたはこれらの調節領 域をTATAボックスに対してセンス(sense)または逆配向で、最小プロモータ ー領域の上流に挿入することもできる。好ましくは、この調節領域はTATAボ ックスの直ぐ上流に、すなわち1〜35bp、有利には1〜20bp、好ましく は1〜10bp、最も好ましくは1〜6bpの距離で置く。 Schizosaccharomyces pombe nmt1またはpho4遺伝子から生じるプロモーター領 域を用いるのが最も好ましい。 本発明においては、Schizosaccharomyce pombe pho4 遺伝子から得られる第一 のプロモーター領域を用いるのが好ましい。ここで、本発明者らはTATAボッ クスの直ぐ上流に配置された40bpの調節領域を特定した。従って、有利な態 様によれば、本発明で用いられる調節領域は、配列番号2に示され、位置+60 3のヌクレオチドで始まり位置+642のヌクレオチドで終わる配列の少なくと も17個のヌクレオチドを含んでなる。本発明は、このような配列とストリンジ ェントな条件下でハイブリダイゼーションすることができる任意の配列、ならび にその相補配列も包含する。本発明のための調節領域は更に大きくすることがで き、またpho4遺伝子のプロモーター領域から更に配列を含むことができることは 当然である。 非制限的な例として、配列番号2に示され、 位置+603のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ る、 位置+593のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ る、 位置+544のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ る、 位置+496のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ る、 位置+444のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ る、 位置+255のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ る、または 位置+1のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わる、 配列を有する調節領域を用いることも可能である。 特に有利な構成は、Schizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から得られる調節 領域とSchizosaccharomyces pombe adh 遺伝子から得られる最小プロモーター領 域とを組合せたものである。後者の領域は、Russelら(1983年、前掲)に公 表された配列に相当し、ヌクレオチド−119と−12との間に含まれる。これ は、公表された配列に対して修飾(1種類以上のヌクレオチドの突然変異、欠失 および/または付加)を含むことができることは自明であり、但し、これらの修 飾は転写を開始する能力を著しく損なうことはない。 また、本発明で用いられる第一の発現カセットは、更に、第一のDNAフラグ メントの発現に寄与する他の要素、特にSchizosaccharomyces pombe arg3遺伝子 などの転写終止配列(Van Huffel ら、1992,Eur.J.Biochem.,205,33-43)、 ならびに問題の細胞中で機能する転写エンハンサー、例えばCMV IE1 遺伝子のエ ンハンサーを含むこともできる。 本発明で用いられる第二の発現カセットは、チアミンにより調節可能なプロモ ーター領域の制御下に置かれた第一のDNAフラグメントの発現を活性化するこ とができる賦活生成物をコードする。「賦活生成物」という用語は、チアミンに よる調節に関与する調節領域と直接、または細胞因子を介して間接的に相互作用 することができるポリペプチドを表わす。賦活生成物は、転写水準で作用するも のであるのが好ましい。各種の真核細胞から単離され、チアミンにより調節可能 な遺伝子の発現を活性化する生成物をコードする様々な遺伝子または遺伝子の部 分を、本発明において用いることができる。このような賦活遺伝子は、当該技術 分野における任意の従来の技術により、特に例2として記載の手法により、チア ミンの非存在下で通常誘発される遺伝子の発現の抑制解除の非存在を示す突然変 異細胞を補足することによって得ることができる。 しかしながら、Schizosaccharomyces pombe から得られ、位置+1のアミノ酸 から始まり、位置+775のアミノ酸で終わる配列番号1に示される配列を有す る賦活生成物をコードする遺伝子、または上記賦活生成物の機能性変異体を用い るのが最も好ましい。「機能性変異体」とは、チアミンにより調節可能な遺伝子 の発現に賦活作用を有するポリペプチドを意味するものと理解される。このよう な機能性変異体は1種類以上のアミノ酸残基の突然変異、欠失、置換および/ま たは付加によって得ることができる。これらの修飾は、分子生物学の標準的手法 に従って行うことができる。これによって得られる変異体の機能は、例2に記載 の手法に従って、これらの変異体のそれぞれをコードするDNAフラグメントを 形質転換して突然変異株とし、適当な酵素活性の回復による抑制解除を測定する ことによって確かめることができる。 本発明による使用は、第二の発現カセットが自律複製ベクターに含まれる場合 を含み、この場合には、第二のDNAフラグメントはそれ自身のプロモーター領 域または上記のDNAフラグメントとは異種の第二のプロモーター領域のいずれ かの制御下にあることができる。もう一つの変異体によれば、第二の発現カセッ トを宿主細胞のゲノムに挿入するのであり、但し、第二のDNAフラグメントは 、このDNAフラグメントとは異種の第二のプロモーター領域の制御下に置かれ るのである。 第二の異種プロモーター領域に関しては、これは宿主細胞で機能を有する場合 には構成性または調節可能でありかつ任意の起源のものでよい。このようなプロ モーター領域は、当業者の能力によって選択される。Schizosaccharomyces pomb e adh およびfbp 遺伝子およびCMV IE1 遺伝子のプロモーター領域を挙げること ができる。 しかしながら、本発明で用いられる第一のプロモーター領域と同じ種類の第二 のチアミンにより調節可能なプロモーター領域を用いるのが有利であることがあ る。 上記のように、第二の発現カセットは、上記のような第二のDNAフラグメン トの発現に必要な他の要素を含むことができる。 更に、好ましい変異体であって、第二の発現カセットの1個以上のコピーが発 現ベクターに挿入されているものによれば、マルチコピー発現ベクター、特に、 具体的には第一の発現カセットの1個以上のコピーを含んでなるベクターが用い られる。本発明で用いられる第二の発現カセットの挿入は、実際の第一の発現カ セットの外側で行うのが好ましい。また、このようなベクターは、その複製を行 う要素、すなわちSchizosaccharomyces pombe ars1 origin 源、場合によっては Escherichia coli ori origin 源のような複製源を含むことができる。また、こ れは、Saccharomyces cerevisiae URA3 またはLEU2遺伝子、Schizosaccharomyce s pombe ura4またはleu1遺伝子、または抗生物質耐性遺伝子のような選択可能な 遺伝子を含むこともできる。宿主細胞に20〜500個のコピー、有利には25 〜400個のコピー、好ましくは50〜300個のコピーで存在するマルチコピ ーベクターを用いるのが最も好ましい。 本発明において、第一および第二の発現カセットが、200:1、有利には2 5:1、好ましくは10:1、最も好ましくは1:1のコピー数比に従って宿主 細胞に存在する。 本発明は、本発明による使用において用いられる宿主細胞にも及び、具体的に は下記の菌株から選択される酵母にも及ぶ。Schizosaccharomyces pombe、 Schizosaccharomyces sloofiae、Schizosaccharomyces malidevorans、Schizosa ccharomyces octosporus、及びHasegawaea japonicus。多くのこれらの菌株は、 AFRC(Agriculture and Food Research Council、ノーフォーク、英国)また はATCC(ロックビル、マサチューセッツ州、米国)から入手可能である。 本発明は、発現に必要な要素の制御下に置かれた目的のタンパク質をコードす るDNAフラグメントを含んでなる第三の発現カセットにも関し、上記の要素は Schizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から得られるチアミンにより調節可能な プロモーター領域を含んでなる。このようなプロモーター領域は上記に定義され ている。 本発明は、 (i) 本発明による第三の発現カセットを含んでなる発現ベクター、および (ii)本発明による第三の発現カセットまたは発現ベクターを含んでなる宿主 細胞。有利にはSchizosaccharomyces 属、pombe 種の酵母細胞が具体的には最も 好ましい。 最後に、本発明は、本発明による宿主細胞、特にSchizosaccharomyces pombe 細胞による目的のタンパク質の産生法において、 − この宿主細胞をチアミンの非存在下にて適当な培地で培養し、そして − 目的のタンパク質を回収する 方法にも関する。 本発明においては、目的のタンパク質を培地に直接、または従来の技術に従っ て細胞を溶解した後に、回収することができる。更に、このタンパク質を、当業 者に知られている標準的な手法を適用することによって、例えば、指針として、 クロマトグラフィまたは免疫精製によって精製することができる。 下記の実施例により、本発明の他の特徴および利点を明らかにすることができ るであろう。これらの実施例を、下記の図に関して例示する。 第1図は、チアミンにより調節可能なプロモーター領域(pTG2734 およびpTG273 5)の制御下に置かれた、構成性(pTG1757)または非機能性(pTG1758)のHV2 Lys 4 7をコードするDNAフラグメントを発現するためのカセットを図示したもので ある。 第2図は、pho4プロモーターおよびpho4プロモーターを活性化することができる 賦活遺伝子(ACT)の制御下に置かれたヒルジン(HV2)のLys 47変異体の発現のため の第一のカセット、並びに複製源(ars)および選択可能なマーカー(amp および 選択)をコードする遺伝子を含む発現ベクターを図示したものである。 第3図は、pho4遺伝子の調節領域(UAS)の欠失のためのベクター(pTG4734〜pTG47 38)、およびコントロールベクター(PTG2735:完全なpho4調節領域;pTG1758:adh 最小プロモーター領域;およびpTG4766:5′配列の30bpおよびSa1I部位を補 足したadh 最小プロモーター領域)を図示したものである。チアミンを欠くまた は含む(-thiまたは+thi)培地で培養した後ヒルジン(HV2)を産生し、分泌する これらのベクターの能力を、省略形態(+または−)で示す。 下記の構築は、Maniatisら(1989年、Laboratory Manual 、Cold Spring Harbor Laboratory Press、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク州 )に詳記されている遺伝子工学および分子クローニングの一般的技術に従って行 う。細菌性プラスミドを用いる総てのクローニング段階は、E.coli 菌株5Kに移 すことによって行う。 様々なベクターをSchizosaccharomyces pombe 菌株に導入するため、酢酸リチ ウム法(Itoら、1983,J.Bacteriol.,153,163-168)を用いる。しかしながら、 任意の他の標準的手法を用いることもできる。実施例1: 変異体HV2 Lys 47をコードする遺伝子がSchizosaccharomyces pomb e pho4遺伝子から誘導されるプロモーター領域の制御下に置かれている発現ベク ターの構築 A. HV2 Lys 47遺伝子がSchizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から単離された プロモーター領域の制御下に置かれているベクターpTG2734 プラスミドpEVp11(Russell およびNurse,1986,Cell,45,145-153)は 700bpのSphI-EcoRIフラグメントの形態のSchizosaccharomyces pombe adh 遺伝子のプロモーター領域を含み、EcoRI 部位は開始ATG の59bp上流のadh 遺伝子の5′領域に配置されている。これを酵素EcoRI およびHindIII で消化し 、一本鎖オリゴヌクレオチドOTG2781 およびOTG2782 (それぞれ、配列番号3お よび4に記載されている)の組換えによって得られる合成フラグメントを導入し 、開始ATG の11bpまで上流のadh プロモーター領域を補足し、適当な制限部 位を作成して次のクローニング段階を容易にする。pTG1702 を生成させ、これに Schizosaccharomyces pombe 主要酸性ホスファターゼ(pho 1)の分泌シグナルを コードする配列をadh プロモーター領域の下流に挿入する。このために、オリゴ ヌクレオチドOTG2872 およびOTG2873(配列番号5および6)の組換えによって 得られる合成DNAフラグメントを、BamHI およびSacIであらかじめ消化したpT G1702 に連結する。pTG1716が得られる。 後者をヒルジンのLys 47変異体(HV2 Lys 47)をコードするDNA配列を 挿入することによって修飾する。pTG1716 をMluIおよびHindIII で消化した 後、一方はMluIおよびAccI突出末端を有しかつオリゴヌクレオチドOTG2874 およ びOTG2875 (それぞれ、配列番号7および8に記載されている)の組換えによっ て生じる合成フラグメントに、他方はベクターpTG2974 から単離したAccI-HindI IIフラグメントに連結した。後者は、特にHV2 Lys 47をコードするDNAフラグ メントを有している。 発現カセットは、HV2 Lys 47遺伝子の3′末端において、Schizosaccharo myces pombe arg3遺伝子の3′領域に相当する転写終止配列を導入すること によって補足される。0.92kbのHpaI-ClaI フラグメントをpCVH3(Van Huf fel ら、1992,Eur.J.Biochem.,205,33-43)から単離した後、DNAポリメ ラーゼのクレノウフラグメントで処理する。このフラグメントは、Schizosaccha romyces pombe arg3遺伝子の最後のコドンに続いて、転写終止配列を含む。これ をHindIII で消化したpTG1702に挿入し、その末端はDNAポリメラーゼのクレ ノウフラグメントで処理することによってブラント末端となっており、pTG1746 を得る。 pTG1746 をXbaIで消化し、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントで 処理した後、BamHI で消化する。転写終止配列を含むフラグメントをEcoRIで消 化したベクターpDW230に導入して、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメント で処理した後、BamHI で消化する。pTG1751 を得る。 ベクターpDW230は、文献(Weilguny ら、1991,Gene,99,47-54)に記載の pDW232に類似している。これらはいずれもpDW230を生じるpGEM3 のNacI部位にar s1源を有するフラグメントの導入によりこの部位が塩基2862まで欠失したこ とを除き、Schizosaccharomyces pombe(ars1 origin)および Schizosaccharomyces pombe ura4遺伝子において選択可能なマーカーとして機能 する複製源を挿入したpGEM3 から誘導される。 adh プロモーター領域の次にpho1分泌シグナルをコードする配列およびHV 2 Lys 47を含むSphI-SacI フラグメントを、pATG1722から単離する。次に、これ を、pTG1751 と同じ部位の間でサブクローンする。これによりpTG1757を生じ、H V2 Lys 47の発現はadh プロモーター領域によって制御されるので、構成性であ る(第1図)。 また、Schizosaccharomyces pombe pho4遺伝子のプロモーター領域は、ク ローンpSp4B(Yang およびSchweingruber,1990,Current Genet.,18,269-272 )から、プライマーとしてSphI部位を含むOTG3569 (配列番号9)およ びBamHI 部位を備えたOTG3239 (配列番号10)を用いてPCR(ポリメラーゼ 連鎖反応)によって得られる。 このようにして生成したSphI-BamHIフラグメントをpTG1757 のadh プロモ ーター領域を有するSphI-BamHIフラグメントの代わりに用いて、pTG2734 を得る (第1図)。 B. 「pho4-adh」ハイブリッドプロモーター領域を含むHV2 Lys 47の発現のため のベクターの構築、およびチアミンによる調節に関与するpho4遺伝子の領域の特 定 TATAボックスの上流に配置されたSchizosaccharomyces pombe pho4遺 伝子の5′隣接配列を含む642bpのフラグメントを、PCRによりベクター pTG2734 から単離する。プライマーOTG3569 (配列番号9)およびOTG3210 (配 列番号11)を用いる。 このようにして得られたSphI-NcoI のPCRフラグメントを、同じ酵素で 消化したpTG1757 に導入してpTG2735 を得る(第1図)。 チアミンによる調節に関与するpho4遺伝子の調節領域を配置するため、多 数のPCRフラグメントをpTG2734 および下記のプライマーの一つと組合せた上 記のプライマーOTG3210 から生成させた(第1表を参照されたい)。 生成したそれぞれのSphI-NcoI フラグメントを、同じ酵素で処理したベク ターpTG1757 に上記の方法でサブクローンする。これらのフラグメントの構成、 第3図に示される通りである。 最後に、SphIおよびNcoI末端を備え、オリゴヌクレオチドOTG4924 および OTG4925 (配列番号17および18)の組換えにより得られるDNAフラグメン トをpTG1757 に導入することによって、ベクターpTG5701 を生成させる。従って 、pTG5701 では、HV2 Lys 47の発現はadh 遺伝子のTATAボックスの前のpho4 遺伝子の40bpの調節領域の制御下に置かれる。 C. 「pho4-adh」ハイブリッドプロモーター領域を含み、pho4調節領域がadh 遺 伝子のTATAボックスに対してアンチセンス配向であるHV2 Lys 47の発現のた めのベクターの構築 ベクターpTG4734 をSphIおよびNcoIで消化した後、T4 DNAポリメラ ーゼで処理し、次いで再連結する。pho4遺伝子の50bpの調節領域のコピーを 含み、源のpTG4734 のベクター、従ってadh 遺伝子のTATAボックスに対して 逆配向であるクローンを、従来の方法による配列決定によって明らかにする。 D. タンデムの数種類の50bpのpho4調節領域を含む「pho4-adh」ハイブリッ ドプロモーター領域を含んでなるHV2 Lys 47の発現のめたのベクターの構築 両端にBglI制限部位を備えたpho4遺伝子の50bpの調節領域に相当する DNAフラグメントを、オリゴヌクレオチドOTG5296およびOTG5297 (配列番号 19および20)の組換えによって生成させる。2種類のオリゴヌクレオチドの 再ハイブリダイゼーションの段階の後に連結段階を行い、次いでT4 DNAポ リメラーゼによる処理を行う。次に、反応混合物を、あらかじめSphIおよびNcoI で消化し、T4 DNAポリメラーゼで処理したベクターpTG1757 (相当するフ ラグメントの代替物として)に連結する。pho4からの50bpの「単位」の数お よびそれらの配向は、得られたクローンにおけ る配列決定によって確かめる。この方法で、adh 遺伝子のTATAボックスに対 してアンチセンス配向である50bpの調節領域のそれぞれ1、2および3コピ ーを含んでなるpTG8607 、pTG8608 およびpTG8609 が生成する。実施例2 更にSchizosaccharomyces pombe の活性化遺伝子を含むHV2 Lys 47遺 伝子の発現のためのベクターの構築 A. Schizosaccharomyces pombe の活性化遺伝子のクローニング チアミンにより調節可能な遺伝子の発現を活性化することができる賦活生 成物をコードする遺伝子を、チアミンの非存在下でpho4遺伝子の発現の抑制解除 を示さないSchizosaccharomyces pombe の突然変異株から相補性によって単離す る。Sau3A で部分消化したゲノムフラグメントを、野生型Schizosaccharomyces pombe 株から単離する。これらを、ベクターpUR19(Barbet ら、1992,Gene,11 4,59-66)のBamHI 部位にクローニングした後、突然変異株thil-23 ura4 D18 p ho1-44(Schweingruber ら、1992,Genetics,130,445-449)に導入する。 形質転換体を選択して、ウラシルと5−(2−ヒドロキシエチル)−4− メチルチアゾール(ZurlindenおよびSchweingruber,1992,Gene,117,141-143) プロトトロフィ(prototrophy)を行う。14個の形質転換体が得られ、それらの プラスミドDNAをMorenoら(1991年)、Methods in Enzymology,194,79 5-823 に記載のプロトコールに従って単離する。次に、DNAを、標準的方法(M aniatisら、1982,Molecular cloning: a laboratory manual,Cold Spring Har ber Laboratory,コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク州)に従ってEs cherichia coli中で増幅する。4個の形質転換体は4kbのインサートを有し、 これは上記の突然変異株中に形質転換した後に、抑制解除の不在を無くすること ができる。これにより、Schweingruber ら(1986,J.Biol.Chem.,261,15877- 15882)に記載された手法によって 測定したチアミンを欠く培地中での酸性ホスファターゼ活性の回復を表わす。従 って、4kbのインサートは、チアミンにより調節可能な遺伝子nmt1およびpho4 の発現を活性化する遺伝子を含むと思われる。 インサートの大半の配列は、当業者に知られている従来の手法に従って決 定される。これらのデーターにより、配列が配列番号1(SEQ ID NO: 1)に報告されている775個の残基のオープン・リーディング・フレームを例 示することができる。 B. Schizosaccharomyces pombe の活性化遺伝子およびpho4遺伝子から生じるプ ロモーター領域の制御下のHV2 Lys 47の発現のカセットの併用 SphI-EcoRIフラグメントを4kbのインサートを含んでなるプラスミドpU R19 から単離して、T4 DNAポリメラーゼで処理した後、pho4プロモーター と適当な選択可能なマーカーとによって制御される発現カセットを含むSchizosa ccharomyces マルチコピー複製発現ベクターに導入する。この型のベクターを、 第2図に示す。 C. Schizosaccharomyces pombe の活性化遺伝子およびnmt1遺伝子から生じるプ ロモーター領域の制御下のHV2 Lys 47の発現のカセットの併用 188bpのPCRフラグメントを、従来の手法によってSchizosaccharo myces pombe 株から単離したゲノムDNAから生成させる。オリゴヌクレオチド OTG5217 およびOTG3028 (それぞれ、配列番号21および22に記載)を用いる 。このようにして生成したSphIおよびBamHIフラグメントを、ベクターpTG1757 の同じ部位の間に導入する。ベクターpTG5774 を得る。 賦活生成物をコードするDNAフラグメントを、特にnmt1プロモーターに よって制御される発現カセットを含むSchizosaccharomyces マルチコピー複製ベ クターに挿入する。実施例3 用いたプラスミドによるHV2 Lys 47の産生 実施例1および2の発現ベクターをSchizosaccharomyces 株に導入し、ヒルジ ンをコードするDNAフラグメントの発現の程度を、下記の方法に従って評価す る。 Schizosaccharomyces pombe の菌株、例えばAFRCで2036の番号で入手 可能な菌株D18 を、上記の発現ベクターを用いて形質転換する。ベクターpTG175 8 (第1図)で同時に形質転換し、adh 遺伝子の最小プロモーター領域にまで減 少した切断型プロモーター領域を含む同じ菌株を、負のコントロールとして用い る。発現の正のコントロールは、adh 遺伝子のプロモーター領域の制御下でHV2 Lys 47の構成性発現を行うことができるpTG1757 からなっている。 形質転換した菌株を、グルコース、および特にチアミンを最終濃度が0.00 2g/リットル(thi+培地)で含んでなるビタミンの混合物2%を補足したKapp eli 培地で培養する。培養物の600nmのOD(光学濃度)が1〜2になった ならば、培養物を上記の組成のthi+培地中、またはグルコースおよびチアミンを 欠くビタミンの混合物2%を補足したKappeli 培地(thi-培地)中でのODが約0 .05まで希釈する。培養物の一部を指数生長相中および生長の終了時に定期的 に採取する(OD600nm、7〜9) 採取したそれぞれの試料について、培地に分泌されたヒルジンの量を測定する 。総ての従来法によってヒルジンを分析することが可能であるが、Kochら(1993 ,Analytical Biochemistry,214,301-312)に記載のELISA法であって、モ ノクローナル抗体の対MATG102 およびMATG106 および上記文献に記載の方法で滴 定したヒルジンを用いる方法が用いられる。更に、ヒルジンの発現の水準を、Sc hizosaccharomyces pombe 細胞から単離したmRNAのノーザンブロット法によ って評価することもできる。具体的にはHV2 Lys 47をコードする配列とハイブリ ッドすることができるプローブ、例えばpTG1757 のAccI-SacI フラグメントから 得 られるプローブが用いられる。しかしながら、オリゴヌクレオチドのような他の プローブを用いることができる。 第2表には、表記したプラスミドのそれぞれを用いかつ培地がチアミンを含む かまたは含まないか(thi+ またはthi-)によって形質転換されたSchizosaccharom yces pombe によって分泌されるヒルジンの水準がまとめられている(第3図も 参照されたい)。 ノーザンブロット法によるHV2 Lys 47 mRNAの量の概算値により、これら の結果が確かめられる。 また、mRNAがpTG8607、pTG8608 またはpTG8609 で形質転換し、チアミン の存在下で培養したSchizosaccharomyces pombe 細胞に存在するmRNAをノー ザンブロット法で分析するときには、ハイブリダイゼーションシグナルは全く検 出することができない。対照的に、細胞をチアミンを欠く培地で培養するときに は、HV2 Lys 47 mRNAの量の大きな増加が認められる。ハイブリダイゼーシ ョンシグナルの強度は、50bpのpho4配列のコピーの数と相関している。 これらの結果は、チアミンの存在下では、目的の遺伝子の発現が抑制されるが 、チアミンの非存在下では、強力な誘発が認められ、培地に分泌されたヒルジン が多量に存在することを示している。 更に、これらのこれらの実験により、最小と見なされ、Schizosaccharomyces pombe pho4のプロモーター領域内部にありかつチアミンによる調節に関与する調 節領域を同定することが可能である。この40〜50bpの領域はTATAボッ クスの上流に配置され、独立してこのような調節(チアミンの存在下での抑制お よびチアミンの非存在下での抑制解除)を行うのに十分である。この領域が、T ATAボックスに対してその配向とは無関係に機能するということは予想外のこ とである。 最後に、TATAボックスの上流にこの最小領域の数個のコピーが存在するこ とは、発現の水準に相乗効果を有し、この効果はこの領域のコピーの数と相関す ると思われる。実施例4 「pho4-adh」ハイブリッドプロモーター領域の制御下におけるCFT Rタンパク質の発現のベクターの構築 p ポリ III-I*(Latheら、Gene,1987,57,193-201)から得られ、アミノ酸配 列がRiordan ら(1989年、上記文献)に開示されているヒトCFTRタンパ ク質をコードスルホン酸配列の挿入によって修飾されたベクターpTG5960 を酵素 AvaIおよびXhoIで消化する。CFTRタンパク質をコードするヌクレオチド配列 を含んでなるAvaI-XhoI フラグメントをDNAポリメラーゼの大きなクレノウフ ラグメントで処理し、SacIおよびBamHI で消化してT4 DNAポリメラーゼで 処理したSchizosaccharomyces pombe 発現ベクターpTG2735 に挿入する。pTG599 9 が生成する。 AvaI-XhoI-クレノウフラグメントを同時に、BamHI で消化してDNAポリメラ ーゼの大きなクレノウフラグメントで処理したベクターpTG1702 に導入して、pT G1753 (Schizosaccharomyces pombe adh 遺伝子のプロモーター領域の制御下で のCFTR遺伝子の構成性発現)を得る。 Schizosaccharomyces pombe D18 をpTG1753 で形質転換した後、形質転換体は CFTRタンパク質を全く産生しない。制限マッピングによる分析では、形質転 換体から単離されたプラスミドが、例えばCFTR配列で転位していることを示 している。これらの結果は、CFTRタンパク質の発現は恐らく細胞にとって有 毒であることを示唆している。 上記のプロトコールに従ってpTG5999 をSchizosaccharomyces pombe 菌株D18 を導入した後、形質転換体をチアミンの存在下または非存在下で培養する。培養 の進行と共に細胞の一部を採取し、CFTRタンパク質の産生をウェスターンブ ロット法(Dalemans ら、1992,Experimental Cell Research,201,235-240)に よって測定する。thi+培地に置かれた培養物ではシグナルは見られず(チアミン の存在による発現の抑制)、チアミンの非存在下で生じた培養物では予想した分 子質量のバンドが検出される。 これらの結果は、pho4遺伝子から得られるプロモーター領域は有毒なタンパク 質の産生に有用であることを示している。実施例5 TATAボックスに対してチアミンによる調節に関与するpho4遺伝子 の50bpの領域の位置の影響 活性化および抑制の機能にはこの領域がTATAボックスに近いことが必要で あるかどうかを決定するため、これをadh TATAボックスから更に離れた2つ の他の位置でクローニングした。 プラスミドpTG6726 は、pTG4734 を制限酵素NcoIで消化し、ファージT4 D NAポリメラーゼで処理し、連結することによって得られる。これらの条件下で は、pho4の50bpの単位が、adh 遺伝子のTATAボックスから10bpによ って分離される。 ベクターpTG5786 は、pTG4734 から単離されpho4の50bpの単位を有するSp hI-NcoI フラグメントを、T4 DNAポリメラーゼで処理した後にpTG4766 の SalI部位にクローニングすることによって得られる。結果として、連結後はadh TATAボックスから50bp単位を分離する距離は40pbである。プラスミ ドpTG4766 は、adh TATAボックスの上流に30pbのSalI部位を導入するこ とによってpTG1757 から誘導される。この修飾は、adh プロモーターの活性に全 く影響せず、(PTG4766 において生成した)SalI部位の上流に配置された配列の 欠失はプロモーター活性を阻害する(pTG1758 に匹敵する挙動)。 最後に、ベクターpTG5787 を、pho4の50bpの単位を逆配合でクローニング することを除き、同様な方法で構築した。この場合には、TATAボックス空の 距離は36bpである。 プラスミドpTG6729、pTG5786 およびpTG5787 をD18 酵母に導入した。チアミ ンの存在下または非存在下にて培養した後、これらの異なる形質転換体によって 合成された転写体をノーザン・ブロット法によって分析した。チアミンの非存在 下でpTG6729 で形質転換した菌株に存在する転写体の量は、プラスミドpTG4734 を有する菌株で得られたものより少ないが、チアミンの存在下では抑制は保存さ れる。プラスミドpTG5786 およびpTG5787 で形質転換した菌株に関しては、転写 の効率は培養条件とは無関係に相当なものであり(+ または- チアミン)、これ は、チアミンの非存在下でpTG4734 を有する菌株で測定したものと類似している 。 従って、adh TATAボックスに対して10bpだけ50bp単位を離すと、 転写を活性化する能力が減少するが、チアミンによっては抑制を改質しない。対 照的に、この単位がTATAボックスから40bpの距離であるときには、その 活性化特性は全く損なわれないままであるが、これは転写を抑制することが不可 能になる。 チアミンによる抑制を効果的にするには、pho4遺伝子の50bpの調節領域と TATAボックスとが近いことが必要であることは明らかである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年1月26日 【補正内容】 請求の範囲 1. 1. 目的とするタンパク質を産生するため、 (a) 発現に必要な要素の制御下に置かれた目的とするタンパク質をコードす る第一のDNAフラグメントを含む第一の発現カセットであって、前記要素が、 特に第一のチアミンによって調節可能なプロモーター領域を含んでなるものであ るものと、 (b) 第二のプロモーター領域を含んでなる発現に必要な要素の制御下に置か れたチアミンにより調節可能な遺伝子を賦活する生成物をコードする第二のDN Aフラグメントを含む第二の発現カセットであって、該第二の発現カセットが、 (i)マルチコピーベクター中に、または(ii)細胞ゲノム中に挿入されてなり、(ii )の場合には、第二のプロモーター領域は賦活生成物をコードするDNAフラグ メントとは異種であることを特徴とするものであるものと の組合わせての使用。 2. 上記第一の発現カセットおよび上記第二の発現カセットが、コピー数の 比が200:1、有利には25:1、好ましくは10:1、最も好ましくは1: 1で存在する、請求の範囲第1項に記載の使用。 3. 第二のDNAフラグメントが、配列番号1に示される配列を有し、位置 +1のアミノ酸で開始し、位置+775のアミノ酸で終わる配列を有する賦活生 成物またはこの賦活生成物の機能上の変異体をコードする、請求の範囲第1項ま たは第2項に記載の使用。 4. 上記の第二のプロモーター領域が上記賦活生成物をコードする上記DN Aフラグメントに対して異種であり、チアミンによって調節可能なものである、 請求の範囲第1〜3項のいずれか1項に記載の使用。 5. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 がSchizosaccharomyces pombe pho4およびnmt1遺伝子からなる群から選択される 遺伝子から得られる、請求の範囲第4項に記載の使用。 6. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 がSchizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から得られる、請求の範囲第5項に記 載の使用。 7. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 が、チアミンにより調節される少なくとも1個の調節領域を含み、上記調節領域 が最小プロモーター領域の上流に置かれてなる、請求の範囲第4〜6項のいずれ か1項に記載の使用。 8. 上記調節領域が、最小プロモーター領域のTATAボックスの直ぐ上流 に置かれてなる、請求の範囲第7項に記載の使用。 9. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 が1〜25個、有利には1〜7個、好ましくは1〜4個の調節領域を含む、請求 の範囲第7項または第8項に記載の使用。 10. 1個以上の調節領域が、上記の最終プロモーター領域に対してセンス またはアンチセンス配向である、請求の範囲第7〜9項のいずれか1項に記載の 使用。 11. 1個以上の調節領域がSchizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から得 られる、請求の範囲第7〜10項のいずれか1項に記載の使用。 12. 調節領域が、配列番号2に示され、位置+617のヌクレオチドで開 始し、位置+642のヌクレオチドで終わる配列の少なくとも17個のヌクレオ チドを含む、請求の範囲第11項に記載の使用。 13. 調節領域が、配列番号2に示され、 位置+603のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+593のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+544のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+496のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+444のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+255のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、または 位置+1のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わるも のである、請求の範囲第12項に記載の使用。 14. 最小プロモーター領域がSchizosaccharomyces pombe adh 遺伝子から 得られる、請求の範囲第7〜13項のいずれか1項に記載の使用。 15. 上記の第二の発現カセットをマルチコピー発現ベクターに挿入する、 請求の範囲第1〜14項のいずれか1項に記載の使用。 16. 上記の第二の発現カセットを特に上記の発現カセットを含むマルチコ ピー発現ベクターに挿入する、請求の範囲第15項に記載の使用。 17. 上記の第二の発現カセットの1以上のコピーを宿主細胞のゲノムに挿 入し、上記の宿主細胞が、特に宿主細胞のゲノム中またはマルチコピーベクター 中に挿入された上記の第一の発現カセットの1以上のコピーを含む、請求の範囲 第1〜14項のいずれか1項に記載の使用。 18. 請求の範囲第1〜17項のいずれか1項に記載の第一のカセットおよ び第二のカセットからなることを特徴とする、宿主細胞。 19. Schizosaccharomyces pombe、Schizosaccharomyces sloofiae、Schiz osaccharomyces malidevorans、Schizosaccharomyces octosporus、および[sic] Hasegawaea japonicus株である、請求の範囲第18項に記載の宿主細胞。 20. 発現に必要な要素の制御下に置かれた、目的とするタンパク質をコー ドするDNAフラグメントを含んでなる発現カセットにおいて、上記要素がSchi zosaccharomyces pombe pho4遺伝子から得られるチアミンにより調節可能なプロ モーター領域を含むことを特徴とする、発現カセット。 21. 上記プロモーター領域が、請求の範囲第6〜14項のいずれか1項に によって定義された通りのものである、請求の範囲第20項に記載の発現カセッ ト。 22. 請求の範囲第20項または第21項に記載の発現カセットを含む、発 現ベクター。 23. 請求の範囲第20項または第21項に記載の発現カセット、または請 求の範囲第22項に記載の発現ベクターを含んでなる、宿主細胞。 24. 請求の範囲第18項、第19項または第23項のいずれか1項に記載 の宿主細胞による目的とするタンパク質の産生法において、 上記宿主細胞をチアミンの非存在下にて適当な培地で培養し、 目的とする上記タンパク質を回収することを特徴とする、方法。 25. 宿主細胞がSchizosaccharomyces pombe 株である、請求の範囲第24 項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI (C12P 21/02 C12R 1:645)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 目的とするタンパク質を産生するため、 (a) 発現に必要な要素の制御下に置かれた目的とするタンパク質をコードす る第一のDNAフラグメントを含む第一の発現カセットであって、前記要素が、 特に第一のチアミンによって調節可能なプロモーター領域を含んでなるものであ るものと、 (b) 第二のプロモーター領域を含んでなる発現に必要な要素の制御下に置か れたチアミンにより調節可能な遺伝子を賦活する生成物をコードする第二のDN Aフラグメントを含む第二の発現カセットであって、該第二の発現カセットが、 (i)マルチコピーベクター中に、または(ii)細胞ゲノム中に挿入されてなり、(ii )の場合には、第二のプロモーター領域は賦活生成物をコードするDNAフラグ メントとは異種であることを特徴とするものであるものと の組合わせて使用。 2. 上記第一の発現カセットおよび上記第二の発現カセットが、コピー数の 比が200:1、有利には25:1、好ましくは10:1、最も好ましくは1: 1で存在する、請求の範囲第1項に記載の使用。 3. 第二のDNAフラグメントが、配列番号1に示される配列を有し、位置 +1のアミノ酸で開始し、位置+775のアミノ酸で終わる配列を有する賦活生 成物またはこの賦活生成物の機能上の変異体をコードする、請求の範囲第1項ま たは第2項に記載の使用。 4. 上記の第二のプロモーター領域が上記賦活生成物をコードする上記DN Aフラグメントに対して異種であり、チアミンによって調節可能なものである、 請求の範囲第1〜3項のいずれか1項に記載の使用。 5. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 がSchizosaccharomyces pombe pho4およびnmt1遺伝子からなる群から選択される 遺伝子由来のものである、請求の範囲第4項に記載の使用。 6. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 がSchizosaccharomyces pombe pho4遺伝子由来のものである、請求の範囲第5項 に記載の使用。 7. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 が、チアミンにより調節される少なくとも1個の調節領域を含み、上記調節領域 が最小プロモーター領域の上流に置かれてなる、請求の範囲第4〜6項のいずれ か1項に記載の使用。 8. 上記調節領域が、最小プロモーター領域のTATAボックスの直ぐ上流 に置かれてなる、請求の範囲第7項に記載の使用。 9. 第一および/または第二のチアミンにより調節可能なプロモーター領域 が1〜25個、有利には1〜7個、好ましくは1〜4個の調節領域を含む、請求 の範囲第7項または第8項に記載の使用。 10. 1個以上の調節領域が、上記の最終プロモーター領域に対してセンス またはアンチセンス配向である、請求の範囲第7〜9項のいずれか1項に記載の 使用。 11. 1個以上の調節領域がSchizosaccharomyces pombe pho4遺伝子から得 られる、請求の範囲第7〜10項のいずれか1項に記載の使用。 12. 調節領域が、配列番号2に示され、位置+617のヌクレオチドで開 始し、位置+642のヌクレオチドで終わる配列の少なくとも17個のヌクレオ チドを含む、請求の範囲第11項に記載の使用。 13. 調節領域が、配列番号2に示され、 位置+603のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+593のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+544のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+496のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+444のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、 位置+255のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わ るもの、または 位置+1のヌクレオチドで始まり、位置+642のヌクレオチドで終わるも のである、請求の範囲第12項に記載の使用。 14. 最小プロモーター領域がSchizosaccharomyces pombe adh 遺伝子由来 のものである、請求の範囲第4〜13項のいずれか1項に記載の使用。 15. 上記の第二の発現カセットをマルチコピー発現ベクターに挿入する、 請求の範囲第1〜14項のいずれか1項に記載の使用。 16. 上記の第二の発現カセットを特に上記の発現カセットを含むマルチコ ピー発現ベクターに挿入する、請求の範囲第15項に記載の使用。 17. 上記の第二の発現カセットの1以上のコピーを宿主細胞のゲノムに挿 入し、上記の宿主細胞が、特に宿主細胞のゲノム中またはマルチコピーベクター 中に挿入された上記の第一の発現カセットの1以上のコピーを含む、請求の範囲 第1〜14項のいずれか1項に記載の使用。 18. 請求の範囲第1〜17項のいずれか1項に記載の使用を用いる、宿主 細胞。 19. Schizosaccharomyces pombe、Schizosaccharomyces sloofiae、Schiz osaccharomyces malidevorans、Schizosaccharomyces octosporus、および[sic] Hasegawaea japonicus株である、請求の範囲第18項に記載の宿主細胞。 20. 発現に必要な要素の制御下に置かれた、目的とするタンパク質をコー ドするDNAフラグメントを含んでなる発現カセットにおいて、上記要素がSchi zosaccharomyces pombe pho4遺伝子由来のものチアミンにより調節可能なプロモ ーター領域を含むことを特徴とする、発現カセット。 21. 上記プロモーター領域が、請求の範囲第6〜14項のいずれか1項に によって定義された通りのものである、請求の範囲第20項に記載の発現カセッ ト。 22. 請求の範囲第20項または第21項に記載の発現カセットを含む、発 現ベクター。 23. 請求の範囲第20項または第21項に記載の発現カセット、または請 求の範囲第22項に記載の発現ベクターを含んでなる、宿主細胞。 24. 請求の範囲第18項、第19項または第23項のいずれか1項に記載 の宿主細胞による目的とするタンパク質の産生法において、 上記宿主細胞をチアミンの非存在下にて適当な培地で培養し、 目的とする上記タンパク質を回収することを特徴とする、方法。 25. 宿主細胞がSchizosaccharomyces pombe 株である、請求の範囲第24 項に記載の方法。
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