JPH0950967A - 被処理体の支持ボート - Google Patents

被処理体の支持ボート

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JPH0950967A
JPH0950967A JP15335696A JP15335696A JPH0950967A JP H0950967 A JPH0950967 A JP H0950967A JP 15335696 A JP15335696 A JP 15335696A JP 15335696 A JP15335696 A JP 15335696A JP H0950967 A JPH0950967 A JP H0950967A
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JP
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wafer
support boat
support
wafers
boat
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Application number
JP15335696A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Ishii
勝利 石井
Isao Hagino
勲 萩野
Mitsuo Mizukami
光雄 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Tokyo Electron Tohoku Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Tokyo Electron Tohoku Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理体の周縁部を平面度の高い面で受ける
ことにより自重を分散させてスリップの発生を抑制する
ことができる被処理体の支持ボートを提供する。 【解決手段】 複数の被処理体Wを支持して縦型熱処理
装置12内へ搬入・搬出させる被処理体の支持ボート2
4において、筒体状の支持ボート本体38と、前記支持
ボート本体の一側に形成されて前記被処理体を搬入・搬
出させる搬出入口46と、前記支持ボート本体の内壁面
に多段に形成された前記被処理体の載置棚44とを有
し、前記載置棚は、前記被処理体の周縁部の多くの部分
を支持すべく円弧状に形成されると共に、前記被処理体
と接触する載置面の平面度を0.1mm以下に設定する
ように構成する。これにより、被処理体の周縁部を微視
的に見て略完全に面接触で支持することができ、被処理
体の自重を効果的に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等を
載置保持して縦型熱処理装置内へ導入する被処理体の支
持ボートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路を形成するため
には、半導体ウエハに、酸化膜の形成、不純物の拡散、
CVDによる薄膜の形成等の各種の熱処理を施すが、こ
の熱処理を行なうために、主として縦型熱処理装置が用
いられている。この種の縦型熱処理装置においては、ス
ループットを向上させるために、一度に多数枚のウエハ
に熱処理を施すことが行われるが、そのための治具とし
て支持ボートが用いられる。
【0003】図7は従来の支持ボートを示す側面図、図
8は図7中のI−I線矢視断面図である。この支持ボー
ト2は、天井板4と底板6との間に3枚の支柱8A,8
B,8Cを掛け渡して構成されている。各支柱8A,8
B,8Cには、長さ方向に沿って所定のピッチで載置溝
10が形成されており、この溝10に厚さ数mm程度の
薄い半導体ウエハWの周縁部を3点で支持させてウエハ
Wを保持するようになっている。この載置溝10は、処
理炉の大きさにもよるが、一般的には、例えば150個
形成されており、製品ウエハ以外のダミーウエハも含め
て一度に150枚のウエハWを処理できるようになって
いる。この支持ボート2の材質は、処理温度にもよる
が、高温耐性に優れる石英或いはSiC(シリコンカー
バイト)等が使用される。処理時には、例えば800℃
位の温度になされた処理炉内へ支持ボート2に載置した
ウエハWを導入し、例えば5℃/分程度の昇温速度で1
200℃程度まで昇温することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、6インチウ
エハのようにウエハの重さが比較的軽い場合には、あま
り問題は生じなかったのであるが、ウエハの大口径化に
ともなって例えば8インチウエハのようにサイズが大き
くなると、その自重もかなり大きくなる。この場合、上
述のような3点支持の支持ボートでは、その支持部分に
ウエハの自重が集中する結果、昇温により耐久性が劣化
しているウエハに熱応力により結晶欠陥、すなわちスリ
ップが発生して歩留まりが低下するという問題が多発し
ている。このようなスリップの発生は、上記した理由の
他に、ウエハサイズが大きくなることに起因して、特
に、昇温時におけるウエハ中心部と周辺部との温度差が
大きくなり、この温度差による熱ストレスも原因の一つ
となっている。
【0005】そこで、このような問題点を解決するため
に、例えば特開平5−129214号公報に示すように
円筒部の内面にウエハ周縁部を支持するための長い溝を
形成し、ウエハの周辺部の大部分を支持するようにして
ウエハの自重を分散させるようにしたウエハボートが提
案されており、これにより熱応力によるスリップを抑制
する試みがなされている。
【0006】しかしながら、この場合には、ウエハ周辺
部が直接接触することになる溝の載置面の平面度が十分
に管理されていないことから、一見、ウエハの自重を面
で受けるようにも見受けられるが、微視的に見ると、溝
の載置面に大きなうねりが生じていることから、ウエハ
周辺部は、面ではなく、多点で支持されているような状
態となり、従って、ウエハ自重の分散が必ずしも十分で
はなく、上記したスリップの発生を十分に抑制できてい
ないのが実情であった。
【0007】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、被処理体の周縁部を平面度の高い面で受ける
ことにより自重を確実に分散させてスリップの発生を抑
制することができる被処理体の支持ボートを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、複数の被処理体を支持して縦型熱処理
装置内へ搬入・搬出させる被処理体の支持ボートにおい
て、筒体状の支持ボート本体と、前記支持ボート本体の
一側に形成されて前記被処理体を搬入・搬出させる搬出
入口と、前記支持ボート本体の内壁面に多段に形成され
た前記被処理体の載置棚とを有し、前記載置棚は、前記
被処理体の周縁部の多くの部分を支持すべく円弧状に形
成されると共に、前記被処理体と接触する載置面の平面
度を0.1mm以下に設定するように構成したものであ
る。
【0009】本発明は、以上のように構成したので、支
持ボート本体に多段に形成された載置棚の載置面は、そ
の平面度が高く、0.1mm以下に設定されているの
で、この載置面と被処理体の周縁部とは微視的に見る
と、点接触ではなく略面接触に近い接触状態となり、被
処理体の自重を効果的に分散させることができる。従っ
て、特に結晶欠陥などのスリップが発生し易い昇温時に
おいても、熱ストレスを分散させて、スリップの発生を
効果的に抑制することが可能となる。
【0010】このような、支持ボートの材質としては、
処理温度にもよるが、処理温度が1000℃程度の場合
には、石英を用いることができるが、これよりも高い1
200℃〜1300℃程度の場合には、耐熱性に特に優
れるSiC(シリコンカーバイト)を用いることができ
る。また、支持ボート本体に、例えば縦長の応力緩和孔
を設けておくことにより、支持ボート加工時の応力を緩
和できるので、破損を防止でき、また、処理時には、こ
の応力緩和孔が処理ガスの流入孔としても機能し、良好
な成膜処理等を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る被処理体の
支持ボートの一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る被処理体の支持ボートを用いる縦型
熱処理装置を示す概略構成図、図2は本発明に係る被処
理体の支持ボートを示す概略斜視図、図3は図2に示す
支持ボートの側面図、図4は図3中のII−II線矢視
断面図である。まず、図1を参照して、縦型熱処理装置
12について説明すると、この処理装置12は、例えば
石英等の耐熱性部材よりなる円筒体状の処理容器14を
有しており、この容器内の上部には処理ガスを導入する
ガス導入ノズル16が配置されると共に、下部には容器
内雰囲気を排出する排気ノズル18が設けられる。
【0012】この処理容器14の外周には、これを囲む
ようにして加熱ヒータ20が配置されており、容器内を
加熱するようになっている。そして、この加熱ヒータ2
0の外周を断熱材22で被って外部への熱放散を抑制す
るようになっており、これにより加熱炉が構成される。
図示例においては、処理容器14は1重管として構成さ
れるが、内筒と外筒を有する2重管構造のものも採用す
ることができる。処理容器14の下端は開口されてお
り、下方より、この容器14内に本発明に係る被処理体
の支持ボート24が挿脱される。
【0013】この支持ボート24は、処理容器14の下
方に配置されたボートエレベータ26上に起立させて載
置されており、このボートエレベータ26はボールネジ
等よりなる昇降手段28により上下移動可能になされて
いる。そして、ボートエレベータ26に設けた蓋部30
により処理容器14の下端開口部を気密に密閉すること
により容器内を密封するようになっている。支持ボート
24に対向させて、被処理体としての半導体ウエハWを
移載するためのウエハ移載機構32が設けられている。
このウエハ移載機構32は、屈伸可能になされた多関節
の移載アーム34と、これを支持ボート24の高さ方向
に沿って上下移動させる、例えばボールネジよりなるエ
レベータ機構36とにより構成されており、図示しない
ウエハカセットと支持ボート24との間で未処理のウエ
ハ或いは処理済みのウエハの移載を行うようになってい
る。
【0014】次に、本発明の支持ボート24の構成につ
いて説明する。尚、図2においては、理解を容易にする
ために載置棚のピッチを大きく記載している。図2乃至
図4に示すようにこの支持ボート24は、円筒体状の部
材を切削加工することにより形成される支持ボート本体
38を有しており、この上下端には、それぞれ中央部が
開口された天井板40と底板42が取り付けられてい
る。これらの支持ボート本体38、天井板40、底板4
2は、石英、或いは石英よりも耐熱性に優れたSiC
(シリコンカーバイト)を用いることができる。
【0015】支持ボート本体38の内壁面には、例えば
ダイヤモンドカッターによる溝加工により多段に形成さ
れた載置棚44が設けられており、この載置棚44にウ
エハWの周縁部を載置して支持させるようになってい
る。具体的には、載置棚44を形成する溝の幅L1
は、、3〜7mm程度に設定され、棚44の厚みL2
は、2〜4mm程度に設定され、全部で例えば150個
程度の棚が形成される。載置棚44のボート周方向にお
ける長さはできるだけ長くして、ウエハWの周縁部と接
触する面積をできるだけ多く設定する。そのために、支
持ボート本体の側面には、必要最小限の孔しか形成して
いない。
【0016】支持ボート本体の前面側(図4中の左側)
には、ウエハWを搬出入させるため、或いは移載アーム
34の先端を侵入可能とするために幅約120mm程度
の縦長の搬出入口46を形成し、この反対側の側壁に
は、移載アーム34の突き抜けを許容するために幅約9
0mm程度の縦長の突抜孔48が設けられる。更に、搬
出入口46と突抜孔48の間の両側側壁には、加工時の
応力を緩和するために幅約30mm程度の縦長の応力緩
和孔50、50が設けられる。この応力緩和孔50は、
後述するように最終的に削り取られることなく残留する
支柱52A,52Bの略中央に設けるのが好ましい。
【0017】加工に際しては、まず、円筒状の支持ボー
ト本体に対してウォータージェット等の切断機により、
上記した縦長の搬出入口46、突抜孔48及び応力緩和
孔50、50を予め切断加工しておき、そして、最も幅
広な搬出入口46を介して回転するダイヤモンドカッタ
ーを内部に侵入させ、支持ボート本体の内壁面に前述し
た溝加工を施すことにより載置棚44を形成する。これ
により、図4に示すようにボート周方向に沿って4つに
分割された載置棚44を形成することが可能となる。図
中、斜線に示す部分はカットすることなく残留させた部
分であり、これにより4本の支柱52を形成する。
【0018】搬出入口46側の支柱52A,52Aの間
隔は、ウエハWの出入を許容するためにこの直径よりも
僅かに大きくなるような間隔までカッターで削り込み、
ウエハWの搬出入時に干渉しないように設定する。例え
ば支柱52A,52Aの両端間の距離L5は、例えば8
インチ(200mm)のウエハの収容を許容する場合に
は、これよりも僅かに大きい205mm程度に設定す
る。また、搬出入口側の両載置棚44、44の先端は、
可能な限り搬出入口46側へ延ばして、ウエハWの周縁
部をできるだけ長い距離に沿って支持するようになって
いる。
【0019】特に、本発明においては4ブロックに分割
された載置棚44の載置面44Aの平面度は、1の載置
面全体を通じて0.1mm以下となるように非常に高く
設定されている。これにより微視的な意味においてもウ
エハ周縁部と載置面44Aとの実質的な面接触を確保し
ており、ウエハの自重を多点ではなく、円弧状に形成さ
れた載置面44Aの全平面で分散させて受けるようにな
っている。支柱52A,52Bが残留する部分の載置面
44Aの幅L3は、約8mm程度に設定されるのに対し
て、適正載置時にはウエハ周縁部の半径方向における長
さ5mmが載置面44Aと接触するような寸法に設定さ
れており、約3mm程度の載置誤差を許容するようにな
っている。
【0020】そして、天井板40及び底板42の搬出入
口側には平坦になされた切欠き54が設けられており、
この支持ボート24を水平状態にして平面に置いた時な
どにこれが転動することを防止している。また、支持ボ
ート本体の切削加工が終了したならが、支持ボート本体
や加工表面に発生しているポーラス等を埋め込むため
に、支持ボート全体に、CVD操作によりSiCの緻密
な成膜を厚さ50μm〜100μm程度施す。この成膜
の厚さは、最大100μm程度と非常に薄いことから平
面度が0.1mm以下の載置面44Aの平面度に影響を
与えることはない。
【0021】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、図1に示すようにウエハ
搬送機構32を用いて、図示しないウエハカセット内の
未処理の半導体ウエハWを支持ボート24に収容して保
持させる。この支持ボート24には、ダミーウエハも含
めて最大150枚のウエハを保持させることができる。
支持ボート24へのウエハの収容が終了したならば、昇
降手段28を駆動することによりボートエレベータ26
を上昇させて支持ボート24を処理容器14内に導入
し、この下端開口部を蓋部30により密閉する。
【0022】処理容器14は、予め例えば800℃程度
に加熱されており、支持ボート導入後、プロセス温度、
例えば1200℃程度まで例えば5℃/分の割合で昇温
させる。これと同時に、内部を所定の圧力まで真空引き
し、内部がプロセス圧程度に達し、且つプロセス温度に
達したならば、処理ガスを内部に供給しながら、所定の
熱処理、例えばCVD処理により、ウエハ表面に成膜等
を施す。
【0023】ここで、ウエハWの昇温にともなってこの
材質が弱くなり、且つウエハの自重によりウエハ表面に
結晶欠陥、すなわちスリップが発生する恐れが生ずる
が、本発明においては、ウエハ周縁部を、円弧状に形成
された載置棚44により支持させているので、ウエハ周
縁部の多くの部分で荷重を受けるようになり、ウエハの
自重が分散されることになって、その分、ウエハに加わ
る熱応力を緩和させることができるので、スリップの発
生を抑制することができる。
【0024】特に、本発明においては、ウエハ周縁部と
直接接触することになる載置面44Aの平面度を0.1
mm以下に設定しているので、微視的に見ても略確実に
ウエハ周縁部を面で受けることができ、従って、ウエハ
の自重を効果的に分散させることができ、例えば8イン
チウエハなどのようにウエハの自重が従来のウエハと比
較してかなり重くなったような場合には、特に、スリッ
プ発生の抑制効果を発揮させることができる。図5
(A)は従来の支持ボート(特開平5−129214号
公報)におけるウエハ周縁部の支持状態の展開図を模式
的に示した図であり、図5(B)は本発明の支持ボート
におけるウエハ周縁部の支持状態の展開図を模式的に示
した図である。
【0025】図5(A)に示す従来装置では、ウエハW
をあたかも面で支持しているように見えるが、平面度が
十分に管理されていないために載置面56に僅かなうね
りがあり、これがために微視的に見るとウエハは多点で
支持された状態となり、従って、特に8インチウエハの
ようにウエハ自重が大きい場合には荷重の分散が十分で
はなく、スリップの発生を十分に抑制することはできな
かった。
【0026】これに対して、図5(B)に示す本発明の
支持ボートの載置棚44の載置面44Aは、平面度が
0.1以下に低く管理されているのでうねりがほとんど
なく、従って、ウエハ周縁部を実質的に面で支持させる
ことができる。従って、ウエハの自重を十分に分散させ
ることができるので、スリップの発生を十分に抑制する
ことが可能となる。尚、載置面の平面度を0.1mmよ
りも大きく設定した場合には、スリップ発生の抑制効果
は十分ではなかった。
【0027】ここで、載置面の平面度とスリップの発生
との関係を調べた試験について説明する。8インチウエ
ハを150枚収容可能な試験用の支持ボートを試作し
た。この試験用の支持ボートは、図2に示す支持ボート
と同様な形状である。また、この支持ボートは、上述の
如く、シリコンカーバイト製の円筒体を切削加工した
後、その表面にシリコンカーバイトをCVDにより成膜
した。ただし、載置棚である支持部の載置面の平面度を
場所に応じて異ならせた。すなわち、支持ボートの上か
ら24番目及び126番目の支持部の載置面の平面度を
0.3mmより以上(0.3mmは含まず)に設定し、
一方、75番目及び133番目の支持部の載置面の平面
度を0.1mm以下に設定した。
【0028】このような試験用の支持ボートに、8イン
チウエハをその主面を支持部の載置面側に向けて載置し
た。この後、支持ボートを縦型熱処理炉に導入し、表1
に示すR1及びR2の昇降温速度R/R(℃/分)でウ
エハに対して熱処理を行った。その後、支持ボートの上
から24,75,126及び133番目のウエハ位置の
支持部に載置したウエハの主面に発生した最長スリップ
長さ(slip line max length)を
測定した、この結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2中において、NDは測定可能なスリッ
プが認められなかったことを示す。表2から明らかなよ
うに、平面度が0.3mmより以上(0.3mmは含ま
ず)の載置面を有する支持部(24番目及び126番
目)に載置したウエハには、RUN1及びRUN2のい
ずれにおいても最長スリップ長さが30mmを越えて発
生した。これに対して、平面度が0.1mm以下の載置
面を有する支持部(75番目及び133番目)に載置し
たウエハに関しては、RUN1では、75番目のウエハ
位置の支持部に載置したウエハには測定可能なスリップ
が認められなかった。また、133番目のウエハ位置の
支部部に載置したウエハでは最長スリップ長さが10m
mであった。
【0032】RUN2では、75番目及び133番目の
支持部に載置したウエハの最長スリップ長さは、それぞ
れ、3mm及び10mmであった。以上のように、平面
度が0.1mm以下の場合には、平面度が0.3mmよ
り以上(0.3mmは含まず)の場合に比べて、最長ス
リップ長さが大幅に低減されることが確認された。この
テストでは、ウエハの主面を載置面側に向けて載置し
た。従って、実際の熱処理でウエハが受けるよりも厳し
い条件で試験を行った。よって、このテストの結果は、
平面度を0.1mm以下に設定した載置面を有する本実
施形態のボートが、ウエハに対してより厳しい条件下で
熱処理を行った場合にも、ウエハの主面にスリップが発
生するのを防止することができることを証明している。
【0033】また、本実施例では、支持ボート本体38
に応力緩和孔50やアーム先端の突き抜けを許容する突
抜孔48を縦方向に沿って形成しているので、切削加工
時に加工ストレスによりこれが破損することを防止でき
るのみならず、熱処理時には、これらの孔が処理ガスの
流入を促進させる機能も発揮するので、成膜等の熱処理
をウエハに対して均一に施すことが可能となる。また、
支持ボート本体38の天井板40及び底板42には、開
口部を形成して熱容量を小さくしているので、ここに余
分な熱が蓄積されることがなくなり、上下端側に位置す
るウエハが他の部分と比較して過度に加熱されることを
防止することが可能となる。
【0034】尚、上記実施例では、支持ボートの加工時
の応力を緩和するために一対の応力緩和孔50、50を
設けた場合について説明したが、ウエハ周縁部との接触
面積をより大きく設定するためには、この応力緩和孔を
なくすようにしてもよい。図6(A)はこのような応力
緩和孔をなくして突抜孔48とウエハ搬出入口46のみ
を設けた場合の載置面44A,44Aの形状を示してい
る。この例では、図4に示す場合よりも、加工時の困難
性は増すが、載置面の面積及び長さをより大きく設定し
ており、スリップ発生の抑制効果を更に高めることがで
きる。
【0035】更に、図6(B)は載置アーム先端の突抜
孔もなくした場合の載置面の形状を示しており、この場
合には、載置面の面積及び長さを更に大きく設定するこ
とができ、スリップ発生の抑制効果を一層高めることが
できる。尚、この場合には、移載アームとしては、先端
突き抜けタイプでない移載アームを用いればよい。ま
た、図6(A),(B)に示す各載置面においても載置
面の平面度は0.1mm以下に設定されているのは勿論
である。尚、上記実施例では、縦型熱処理装置として、
成膜処理装置を例にとって説明したが、これに限定され
ず、他の熱処理装置、例えば熱拡散装置、エッチング装
置、アッシング装置、熱酸化装置等にも適用することが
できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の被処理体
の支持ボートによれば、次のように優れた作用効果を発
揮することができる。被処理体の周縁部を、平面度が
0.1mm以下となる高い平面度の載置面で支持するよ
うにしたので、微視的に見て被処理体の周縁部を確実に
面接触で受けることができる。従って、被処理体の自重
を確実に分散させて受けることができるので、大口径化
にともなって被処理体の自重が重くなっても、熱応力等
によるスリップの発生を確実に阻止することができ、製
品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被処理体の支持ボートを用いる縦
型熱処理装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る被処理体の支持ボートを示す概略
斜視図である。
【図3】図2に示す支持ボートの側面図である。
【図4】図3中のII−II線矢視断面図である。
【図5】従来装置と本発明装置における被処理体の周縁
部の支持部の展開状態を示す展開図である。
【図6】本発明の支持ボートの載置面の変形例を示す図
である。
【図7】従来の支持ボートを示す側面図である。
【図8】図7中のI−I線矢視断面図である。
【符号の説明】
12 縦型熱処理装置 14 処理容器 20 加熱ヒータ 24 支持ボート 26 ボートエレベータ 32 ウエハ移載機構 38 支持ボート本体 40 天井板 42 底板 44 載置棚 46 搬出入口 48 突抜孔 50 応力緩和孔 52A,52B 支柱 W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B65D 85/86 0333−3E B65D 85/38 R (72)発明者 萩野 勲 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内 (72)発明者 水上 光雄 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被処理体を支持して縦型熱処理装
    置内へ搬入・搬出させる被処理体の支持ボートにおい
    て、筒体状の支持ボート本体と、前記支持ボート本体の
    一側に形成されて前記被処理体を搬入・搬出させる搬出
    入口と、前記支持ボート本体の内壁面に多段に形成され
    た前記被処理体の載置棚とを有し、前記載置棚は、前記
    被処理体の周縁部の多くの部分を支持すべく円弧状に形
    成されると共に、前記被処理体と接触する載置面の平面
    度を0.1mm以下に設定するように構成したことを特
    徴とする被処理体の支持ボート。
  2. 【請求項2】 前記支持ボート本体の支柱部分の略中央
    には、加工時の応力を緩和させると共に処理時の処理ガ
    スの流入を促進させる応力緩和孔を形成するように構成
    したことを特徴とする請求項1記載の被処理体の支持ボ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記支持ボート本体は、SiCよりなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の被処理体の支
    持ボート。
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