JPH09508416A - Hivプロテアーゼ阻害剤および中間体 - Google Patents

Hivプロテアーゼ阻害剤および中間体

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JPH09508416A JP7520585A JP52058595A JPH09508416A JP H09508416 A JPH09508416 A JP H09508416A JP 7520585 A JP7520585 A JP 7520585A JP 52058595 A JP52058595 A JP 52058595A JP H09508416 A JPH09508416 A JP H09508416A
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ホルンバック、ウィリアム・ヨーゼフ
マンロー、ジョン・エドウィン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤を製造するための中間体を提供する。酵素、HIVプロテアーゼは、HIVウイルス複製の阻害に対して生育可能な標的を表すことから、HIV感染を治療する、および/または予防するための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 HIVプロテアーゼ阻害剤および中間体発明の背景 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と名付けられたレトロウイルスは、後天性免疫 不全症候群(AIDS)と呼ばれる複雑な疾患の誘因物質であって、レトロウイル スのレンチウイルス科の一員である。M.A.Gonda,F.Wong−Staal,R.C .Gallo、「Sequence Homology and Morphological Similarity of HTL V III And Visna Virus,A Pathogenic Lentivirus」、Science、22 7、173(1985);P.Sonigo,N.Alizonら、「Nucleotide Sequenc e of the Visna Lentivirus:Relationship to the AIDS Virus」、Ce ll、42、369(1985)。複雑な疾患であるAIDSには、免疫系の進行 性破壊および中枢並びに末梢神経系の変性が含まれる。HIVウイルスは、LA V、HTLV−IIIもしくはARVとして以前から知られていたか、または呼ば れていた。 レトロウイルス複製の一般的特徴は、前駆体ポリタンパクがウイルスによって コードされたプロテアーゼにより翻訳後プロセシングを受けて、ウイルスの集合 および機能に必要な成熟ウイルスのタンパク質を生ずることである。このプロセ シングの妨害は、正常なる感染ウイルスの産生を防ぐらしい。プロセシングを受 けていない構造タンパク質もまた、ヒトの患者から単離された非感染性HIV株 のクローンにおいて観察されている。それらの結果は、HIVプロテアーゼの阻 害がAIDSの治療もしくは予防および/またはHIVによる感染の治療もしく は予防に関して利用可能な方法を表すことを示唆する。 HIVゲノムは、gagおよびpolとして知られている構造タンパク質前駆体をコ ードし、この前駆体がプロセシングされて、プロテアーゼ、逆転写酵素およびエ ンドヌクレアーゼ/インテグラーゼを与える。そのプロテアーゼはさらに、gag およびgag−polポリタンパクを開裂して、ウイルスのコアの成熟構造タンパク質 を産する。 プロセシングされて、レトロウイルスプロテアーゼ、逆転写酵素およびエンド ヌクレアーゼ/インテグラーゼを生ずる構造タンパク質前駆体を用いてのHIV の調節に対して、多大な努力が払われている。例えば、現在使用されている治療 剤のAZTは、ウイルス逆転写酵素の阻害剤である。H.Mitsuya,NS.Brode r、「Inhibition of the In Vitro Infectivity in Cytopathic Effects of HTLV III」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83、1911(198 6)。 HIVプロテアーゼ阻害剤に対してもまた、研究努力が払われてきた。例えば 、欧州特許出願(EPA)第361 341号;EPA第346 847号;EPA 第402 646号;およびEPA第337 714号は全て、HIVプロテアー ゼ阻害剤として有用であると言われている化合物を開示している。 あいにく、既知のHIVプロテアーゼ阻害剤の多くは、毒性問題、バイオアベ イラビリティーの欠如またはインビボにおける短い半減期に困惑している。特に 、該疾患の慢性的性質から、経口バイオアベイラビリティーがHIVプロテアー ゼ阻害剤の必要な特性であると考えられる。しかし、ペプチドおよびペプチド模 倣物は、経口では吸収され得ないことで有名である。従って、プロテアーゼ阻害 剤と関連のある認識された治療の可能性、またここまで拡大された研究努力にも かかわらず、利用可能な治療剤は未だ現れていない。 本発明は、HIVプロテアーゼを阻害することにより、HIVの複製を阻害し て、HIV感染の治療および/または予防を与える化合物を提供する。 本発明は、HIVプロテアーゼを阻害する一連の新規化合物を製造するのに有 用である中間体を提供する。これらの中間体を用いて製造した化合物は、強力な HIVプロテアーゼ阻害活性を保持しながら、以前のHIVプロテアーゼ阻害剤 に比べて、望ましい生物学的性質を有する。従って、これらのHIVプロテアー ゼ阻害剤は、HIV感染細胞、HIV感染を受けやすい細胞、またはそのことで 困っている霊長類動物においてHIV複製を阻害することから、HIV感染を治 療する、および/または予防するのに有用となることを約束する。 他の目的、特徴および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から当業者に 明らかとなるであろう。発明の要約 本発明は、式(I): [式中、 R0およびR1は独立して、水素、C1−C6アルキル、またはヒドロキシ(C1− C6)アルキルであり; R2は水素、アミノ保護基、または式: の基であり; R3は−(CH2i−R3aであり; iは0、1、2、3、または4であり; R3aはアリール、−O−アリール、または−S−アリールであり; R4は水素またはアミノ保護基であり; a、c、およびeは各々独立して、0、1または2であり; bおよびdは各々独立して、0または1であり; R5は−CH2−、−CHR5x−、または−CR5x5x−であり; R6は−CH2−、−CHR6x−、または−CR6x6x−であり; R7は−CH2−、−CHR7x−、または−CR7x7x−であり; R5x、R6x、およびR7xは各々、ハロ、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、 ハロ(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ(C1−C6)アルキル、C1−C6アルコキシ 、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルチオ(C1−C6)アルキル、アミノ、 またはシアノよりなる群から独立して選択され; XおよびYは独立して、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−、−NH −、または−N(R9)−であり;および R9はC1−C6アルキル、アリール(C1−C6)アルキル、アリール、また はアシルである; ただし、 bおよびdが両方とも0とはなり得ず; a、b、c、d、およびeの総和が2、3、4、または5でなくてはならず; R5が−CR5x5x−ならば、R6は−CH2−または−CHR6x−でなくては ならず;またR7は−CH2−または−CHR7x−でなくてはならず; R6が−CR6x6x−ならば、R5は−CH2−または−CHR5x−でなくては ならず;またR7は−CH2−または−CHR7x−でなくてはならず; R7が−CR7x7x−ならば、R5は−CH2−または−CHR5x−でなくては ならず;またR6は−CH2−または−CHR6x−でなくてはならない] の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩を提供する。発明の詳細な説明 本発明は、HIVプロテアーゼ阻害剤を製造するのに有用である、上記の式( I)の新規化合物を提供する。 本明細書中で述べる温度は全て、セルシウス温度(℃)である。本明細書中で使 用する測定単位は全て、体積単位である液体を除いては、重量単位である。 「C1−C6アルキル」という用語は、1個〜6個の炭素原子を有する直鎖状ま たは分枝鎖状のアルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルキル基には、メチル、 エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチ ル、ペンチル、neo−ペンチル、ヘキシル等が含まれる。 「ハロ」という用語は、クロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨードを表す。 「ハロ(C1−C6)アルキル」という用語は、1個、2個、または3個のハロ原 子が結合した、1個〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル 鎖を表す。典型的なハロ(C1−C6)アルキル基には、クロロメチル、トリフルオ ロメチル、2−クロロエチル、3−ブロモプロピル、2−フルオロイソプロピル 、4−クロロブチル、2,3−ジブロモペンチル等が含まれる。 「ヒドロキシ(C1−C6)アルキル」という用語は、ヒドロキシ基が結合した、 1個〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を表す。典型 的なヒドロキシ(C1−C6)アルキル基には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシ エチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピル、4−ヒドロキ シブチル、2−ヒドロキシペンチル等が含まれる。 「C1−C6アルキルチオ」という用語は、硫黄原子に結合した、1個〜6個の 炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を表す。典型的なC1−C6 アルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ オ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチ オ等が含まれる。 「C1−C6アルキルチオ(C1−C6)アルキル」という用語は、C1−C6アルキ ルチオ部分が結合した、1個〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の C1−C6アルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルキルチオ(C1−C6)アルキル 基には、メチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピルチオエチル、イソプロ ピルチオメチル、ブチルチオペンチル、sec−ブチルチオメチル、ヘキシルチオ プロピル等が含まれる。 「C1−C6アルコキシ」という用語は、酸素原子に結合した、1個〜6個の炭 素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を表す。典型的なC1−C6ア ルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ 、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等が含まれる。「C1 −C6アルコキシ」という用語には、その定義範囲内に、「C1−C4アルコキシ 」という用語が含まれる。 「アリール」は、場合により、ハロ、ヒドロキシ、またはC1−C4アルコキシ で置換されていることあるフェニルまたはナフチル環を表す。 「アリール(C1−C6)アルキル」という用語は、アリール基が結合した、1個 〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル鎖を表す。典型的な アリール(C1−C6)アルキル基には、フェニルメチル、2−ナフチ−1−イルエ チル、3−ナフチ−2−イルプロピル、2−フェニルイソプロピル、4−ナフチ −1−イルブチル、3−フェニルペンチル等が含まれる。 「アシル」という用語は、カルボニル部分に結合した、C1−C6アルキルまた はアリール基を表す。典型的なアシル基には、ホルミル、アセチル、プロパノイ ル、ブタノイル、フェニルカルボニル、2−メチルフェニルカルボニル、5−ク ロロ−ナフチ−1−イルカルボニル、ナフチ−2−イルカルボニル等が含まれる 。 本明細書中で使用する「アミノ保護基」という用語は、化合物上の他の官能基 を反応させる間、アミノ官能性を遮断する、または保護するために一般的に使用 されるアミノ基の置換基を示す。そのようなアミノ保護基の例には、ホルミル、 トリチル、ベンジル、フタルイミド、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブ ロモアセチル、ヨードアセチル;もしくはベンジルオキシカルボニル、4−フェ ニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニル、4−メ トキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4 −クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2 −クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニ ル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニ ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニ ル、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエチ− 1−イルオキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロピ−1−イルオキシカルボ ニル、2−フェニルプロピ−2−イルオキシカルボニル、2−(p-トルイル)プロ ピ−2−イルオキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−メチ ルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1 −メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキ シカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(メ チルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)エトキシ カルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(「FMOC」)、2−(トリメチ ルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリ ルメチル)プロペ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンゾイソオキサリルメ トキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリ クロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポキシカルボニル、シダロ プロピルメトキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシカルボニル、 イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニル等といったよ うなウレタン型保護基;またはベンゾイルメチルスルホニル、2−ニトロフェニ ルスルフェニル、ジフェニルホスフィンオキシドおよび類似のアミノ保護基が含 まれる。 誘導体化アミノ基が中間体分子の他の位置での後の反応条件に安定であり、か つ他のいずれかのアミノ保護基を含む分子の残りの部分を破壊することなく適当 な時点で選択的に取り除くことができる限り、使用するアミノ保護基の種類は重 要ではない。好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシカルボニル(t−Boc)および ベンジルオキシカルボニル(CbZ)である。先の用語で示される基のさらなる例 は、J.W.Barton、「Protective Groupsin Organic Chemistry」、J.G. W.McOmie編、Plenum Press、New York、N.Y.、1973、第2章、お よびT.W.Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and sons、New York、N.Y、1981、第7章で記載されている。 本発明の化合物は、以下の式: において星印で示した、少なくとも3つの不斉中心を有する。これらの不斉中心 の結果として、本発明の化合物は、ジアステレオマーの混合物、ラセミ混合物と して、また個々のエナンチオマーとして存在し得る。不斉型、個々の異性体およ びそれらの組合せは全て、本発明の範囲内である。 好ましい立体化学配置は、 である。 上述の通り、本発明には、式(I)で定義される化合物の薬学上許容され得る 塩が含まれる。本発明の化合物は、十分に酸性の官能基、十分に塩基性の官能基 、または両方の官能基を有し得ることから、多くの無機塩基、および無機酸並び に有機酸のいずれとも反応して、薬学上許容され得る塩を形成する。 本明細書中で使用する「薬学上許容され得る塩」という用語は、生体系に対し て実質的には全く毒性のない、先の式の化合物の塩を示す。典型的な薬学上許容 され得る塩には、本発明の化合物を無機酸もしくは有機酸、または無機塩基と反 応させることにより製造される塩が含まれる。そのような塩は、酸付加塩および 塩基付加塩として知られている。 酸付加塩を形成するために一般的に使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ 化水素酸、硫酸、リン酸等といったような無機酸、およびp−トルエンスルホン 酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク 酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等といったような有機酸である。 そのような薬学上許容され得る塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜 硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸 塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカ ン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘ プタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリ ン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、 ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩 、ジニトロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩 、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン 酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコー ル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン− 1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩等である。好 ましい薬学上許容され得る酸付加塩は、塩酸並びに臭化水素酸といったような無 機酸と形成される酸付加塩、およびマレイン酸並びにメタンスルホン酸といった ような有機酸と形成される酸付加塩である。 塩基付加塩には、アンモニウムまたはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の 水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等といったような、無機塩基から誘導される塩基付 加塩が含まれる。従って、本発明の塩を製造する際に有用な塩基には、水酸化ナ トリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等 が含まれる。カリウム塩およびナトリウム塩の形が特に好ましい。 塩が全体として薬理学上許容され得る限り、また対イオンが塩全体に望ましく ない特性を与えない限り、本発明のあらゆる塩の一部を形成する個々の対イオン は重要ではないことを認識すべきである。 本発明の好ましい化合物は、式(IA): の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩である。 これらの好ましい化合物のうち、 a、b、c、d、およびeの総和が3または4であり; R0およびR1が独立して、水素またはC1−C6アルキルであり; R5x、R6x、およびR7xが各々、ハロまたはC1−C6アルキルよりなる群 から独立して選択され;および XおよびYが独立して、−S−、−O−、または−NH−である; 式(IA)の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩がさらに好ましい。 これらの好ましい化合物のうち、 R2が水素、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、または 式: の基であり; bおよびdのうち一方が0であり; R3が−CH2−R3aであり; R3aがアリールまたは−S−アリールであり;および R4が水素である; 化合物または薬学上許容され得るそれらの塩が特に好ましい。 最も好ましい化合物は、 N−t−ブチル−オクタヒドロ−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリ ジン−(6S)−カルボキシアミド; N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−フェニル−3 S−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[ 3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド; N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−フェニル−3 S−アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)− カルボキシアミド; N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−チオフェニル −3R−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チ エノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド; N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−チオフェニル −3R−アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S )−カルボキシアミド; または前述の最も好ましい化合物のいずれかの薬学上許容され得る塩である。 アミド合成で一般的に使用される標準的なカップリング反応を利用し、式(I B): [式中、R0、R1、R3、R4、R5、R6、R7、a、b、c、d、およびeは、 式(I)で先に定義した通りである] の化合物を使用して、HIVプロテアーゼ阻害剤を製造することができる。 このカップリング反応は、非プロトン性溶媒または溶媒の混合物中、適当に置 換されている式(IB)のアミンを、適当に置換されているカルボン酸反応物の Z−COOH[式中、Zは以下に定義する]と反応させることにより行う。その 反応は、促進剤の存在下または不存在下に、好ましくは促進剤の存在下に、また カップリング試薬の存在下に行う。この反応についての典型的な非プロトン性溶 媒は、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミド、またはそのような溶媒 の混合物である。その反応は、約−30℃〜約25℃の温度で行う。そのアミン 反応物は、通例、等モル量ないし僅かに過剰のカップリング試薬の存在下、カル ボン酸反応物と等モルの割合で使用する。典型的なカップリング試薬には、ジシ クロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびN,N'−ジエチルカルボジイミドと いったようなカルボジイミド;カルボニルジイミダゾールのようなイミダゾール ;さらにはまたビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン塩化物(B OP−Cl)またはN−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキ ノリン(EEDQ)といったような試薬が含まれる。この反応に関して好ましいカ ップリング試薬はDCCである。この反応には、促進剤が含まれるのが好ましい 。好ましい促進剤は、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O) である。 反応が完了したら、所望ならば、当業界で既知の手順により、化合物を単離す ることができ、例えば、化合物を結晶化した後、濾過により集めるか、または反 応溶媒を抽出、蒸発またはデカンテーションにより除去することができる。所望 ならば、結晶化、またはシリカゲルもしくはアルミナといったような固体の担体 でのクロマトグラフィーといったような一般的技術により、その化合物をさらに 精製することができる。 式(I)の化合物は、反応式I: [式中、 R4、R3、R0、R1、R5、X、R6、Y、R7、a、b、c、d、およびeは 、式(I)に関して先に定義した通りであり; RAはアミノ保護基であり;および 先の反応1−3における二環式環上のQは、例えば、b、bまたはdが0であ る場合に、各々、RaおよびRc、RaおよびRa、またはReおよびRc等の間の二 重結合の存在を表す] で示される手順に従って製造することができる。 先の反応式Iは、反応1−3(または1−5)を順次行うことにより達成される 。反応が完了したら、所望ならば、当業界で既知の手順により、中間体化合物を 単離することができ、例えば、化合物を結晶化した後、濾過により集めるか、ま たは反応溶媒を抽出、蒸発またはデカンテーションにより除去することができる 。所望ならば、反応式の次の工程を行う前に、結晶化、またはシリカゲルもしく はアルミナのような固体の担体でのクロマトグラフィーといったような一般的技 術により、その中間体化合物をさらに精製することができる。 反応I.1は、一般的には、例えば、DCC、またはイソブチルのような混合 無水物を使用して、カルボン酸部分を活性化した後、式NR01[式中、R0お よびR1は、式(I)に関して先に定義した通りである]を有する第一級または 第二級アミンと反応させることにより行う。その反応は、一般的には、無極性非 プロトン性溶媒または溶媒の混合物中、酸スカベンジャーの存在下または不存在 下に約−20℃〜約25℃の温度で行って、対応するアミドを得る。この反応に 適当な溶媒には、エーテルおよび塩素化炭化水素、好ましくはジエチルエーテル 、トリクロロエタン、または塩化メチレンが含まれる。好ましくは、この反応は 、第三級アミン、好ましくはトリエチルアミンのような酸スカベンジャーの存在 下に行うのが好ましい。この反応により得られたアミドは、単離するか、または 反応2で示したように、さらに反応させることができる。 反応I.2は、一般的には、Comprehensive Organic Synthesis、「Hetero atom Manipulation」、Barry M.Trost編、第6巻、736頁−746頁、( 1 991)で詳述されている手順を利用して、反応I.1から得られた化合物を反 応させることにより行う。通例、適当に置換されている単環式環を、酸の存在下 、ホルムアルデヒドまたはトリクロロアセトアルデヒドといったようなアルデヒ ドと反応させる。その酸は、溶媒として使用することができる。典型的な酸には 、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が含まれる。場合により 、その反応混合物に共溶媒を加えてもよい。使用する共溶媒が進行中の反応に対 して不活性である限り、またその反応物が十分に可溶化されて、所望の反応を生 ずる限り、共溶媒の選択は重要ではない。この反応についての典型的な溶媒には 、塩化メチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素等といったようなハロゲン化溶 媒が含まれる。あるいはまた、アルデヒド等価物、例えば、ジメトキシメタンお よび適当な酸を使用することができる。 反応I.3では、先に示した通り、反応I.2から単離した化合物を還元して、 飽和複素環式化合物を与える。接触水素化が好ましい還元方法である。典型的な 触媒には、パラジウム触媒、ロジウム触媒(例えば、アルミナ上のロジウム)、レ ニウム触媒等が含まれる。好ましい触媒には、炭素上のパラジウムが含まれる。 この反応に適当な溶媒には、C1−C4アルコール、テトラヒドロフラン、アルコ ール中の酢酸、酢酸エチル等が含まれる。好ましい溶媒はエタノールである。そ の反応は、一般的には、約500〜約4000psiの水素雰囲気下、約25℃〜 約150℃の温度で行う。好ましくは、その反応は、約2000〜約3000ps iの水素雰囲気下、約50℃〜約100℃の温度で行う。触媒は、通例、反応物 と等量の割合から反応物の12倍過剰(重量で)までの範囲量で、好ましくは基質 に比べて約6倍〜10倍過剰(重量で)の触媒を使用する。 反応I.4およびI.5を利用して、 R2 であり; R3およびRAが先に定義した通りである; 式(I)の化合物を製造することができる。 反応I.4は、当業界で既知の手順および方法を利用する標準的なアミノ脱保 護反応であって、対応するアミンを得た後、これを上記反応I.5で使用する。 化学的な脱保護方法が好ましい。例えば、I.3から単離した化合物は、非プロ トン性溶媒または溶媒の混合物中、ヨウ化トリメチルシリル(TMSI)を使用し て、約10℃〜60℃の温度で、好ましくは約20℃〜40℃の温度で脱保護す ることができる。典型的な溶媒には、塩化メチレン、アセトニトリル、トリクロ ロエタン等が含まれる。 反応I.5では、アルコール溶媒中、以下の反応A.5で製造したエポキシドを 、反応I.4から単離した化合物と、約20℃〜100℃の温度で反応させる。 使用する溶媒が進行中の反応に対して不活性である限り、またその反応物が十分 に可溶化されて、所望の反応を生ずる限り、溶媒の選択は重要ではない。この反 応についての典型的な溶媒には、アルコール、好ましくはイソプロパノールまた はエタノールが含まれる。その反応は、約65℃の温度で行うのが好ましい。 場合により、反応I.5から単離した化合物を脱保護して、R4が水素である式 (IB)の化合物を与えることができる。 反応式A: [式中、 RAはアミノ保護基であり; R3は、式(I)に関して定義した通りであり;および Gはハロである] を利用して、反応I.5で使用するエポキシドを合成することができる。 先の反応式Aは、反応1−5を順次行うことにより達成される。反応が完了し たら、所望ならば、当業界で既知の手順により、中間体化合物を単離することが でき、例えば、化合物を結晶化した後、濾過により集めるか、または反応溶媒を 抽出、蒸発またはデカンテーションにより除去することができる。所望ならば、 反応式の次の工程を行う前に、結晶化、またはシリカゲルもしくはアルミナのよ うな固体の担体でのクロマトグラフィーといったような一般的技術により、その 中間体化合物をさらに精製することができる。 反応A.1は、当業界で既知の条件下、構造: を有するアミノ保護カルボン酸反応物を対応する混合無水物に活性化する、すな わち、転換することにより行う。例えば、好ましくは酸スカベンジャーの存在下 、アミノ保護カルボン酸反応物を、イソブチルクロロホルメートのようなC1− C6アルキルクロロホルメートと反応させることができる。好ましい酸スカベン ジャーは、トリアルキルアミン、好ましくはトリエチルアミンである。その反応 は、一般的には、酢酸エチルのような非プロトン性溶媒中で行う。使用する溶媒 が進行中の反応に対して不活性である限り、またその反応物が十分に可溶化され て、所望の反応を生ずる限り、溶媒の選択は重要ではない。その結果得られた混 合無水反応物を、さらに単離または精製することなく、反応A.2で使用するの が好ましい。 反応A.2は、二工程で達成される。まず最初に、エーテル溶媒、好ましくは ジエチルエーテル相で覆った水酸化ナトリウム溶液を、大過剰のN−メチル−N −ニトロ−N−ニトロソグアニジンと反応させて、ジアゾメタン反応物を形成す る。水酸化ナトリウムは、約4〜6mol/Lの水酸化ナトリウムを含む水溶液と して使用するのが好ましい。この反応が実質的に完了したら、有機相を、水酸化 カリウムのような乾燥剤で乾燥する。次いで、この溶液を、先の反応A.1から 得られた混合無水物と反応させて、対応するα−ジアゾカルボニル化合物を形成 する。ジアゾメタン反応物を、単離または精製することなく、この反応で使用す るのが好ましい。その反応は、一般的には、約−50℃〜約−10℃、好ましく は約−20℃の温度で行う。 反応A.3では、ジエチルエーテルのような非プロトン性溶媒中、反応A.2で 製造したα−ジアゾカルボニル化合物を、式H−G[式中、Gはハロである]の 酸と反応させて、α−ハロカルボニル化合物を形成する。好ましい酸反応物は 塩酸であり、これはα−クロロカルボニル化合物を与える。その反応は、一般的 には、約−30℃〜約0℃の温度で行う。使用する溶媒が進行中の反応に対して 不活性である限り、またその反応物が十分に可溶化されて、所望の反応を生ずる 限り、溶媒の選択は重要ではない。その酸反応物は、一般的には、反応が実質的 に完了したように思われるまで、無水ガスの形態で少しずつ増やしながら加える 。その反応は、薄層クロマトグラフィーによりモニターすることができる。 反応A.4では、当業界で既知の標準的な条件を利用して、反応A.3で製造し た化合物上のカルボニル部分を還元して、対応するα−クロロヒドロキシ化合物 を形成する。例えば、溶媒の混合物中、反応A.3で製造した化合物を還元剤と 一緒にする。典型的な還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチ ウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ジイソブチルアルミニウム、および水素化ビス (2−メトキシ−エトキシ)アルミニウムナトリウムが含まれる。好ましい還元剤 は、水素化ホウ素ナトリウムである。典型的な溶媒混合物には、テトラヒドロフ ラン/水のようなプロトン性および非プロトン性混合物が含まれる。使用する溶 媒が進行中の反応に対して不活性である限り、またその反応物が十分に可溶化さ れて、所望の反応を生ずる限り、溶媒の選択は重要ではない。その反応は、一般 的には、約−10℃〜約10℃、好ましくは約0℃の温度で行う。 反応A.5では、当業界で既知の標準的な条件下、反応A.4で製造したα−ク ロロヒドロキシ化合物を強塩基で処理して、対応するエポキシド(これを先の反 応I.5で使用する)を形成する。例えば、エタノールのようなアルコール溶媒中 、α−クロロヒドロキシ化合物を水酸化カリウム/エタノール混合物と反応させ ることができる。その反応は、一般的には、0℃から溶媒の還流温度までの温度 で行う。好ましくは、その反応は室温で行う。 上述の通り、式Z−COOHの化合物はカルボン酸反応物を表し、これは本出 願で提供する中間体と結合させることができる。 典型的には、Zは、 [式中、 aは1、2、3、4、または5であり; bは1または2であり; cは1または2であり; dは1、2、3、または4であり; R2は各々独立して、水素、ヒドロキシ、チオール、ハロ、アミノ、C1−C4 アルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、C1−C6 アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、ハロ(C1−C4)アルキ ル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、C1−C6アルキルチオ(C1−C6)アルキル 、C1−C4アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アルキルカル バモイル、C1−C4アルキルスルホニル、N,N−ジ(C1−C4)アルキルカルバ モイル、またはC1−C4アルキルスルホニルアミノであり; A1およびA2は独立して、−CH2−または−N(R8)−であり; A3およびA4は独立して、−CH−または−N−であり; A5およびA6は独立して、−CH2−または−N(R9)−であり; A7およびA8は独立して、−CH−または−N−であり; R8は水素またはC1−C4アルキルであり;および R9は水素またはC1−C4アルキルである] のような、適当に置換されている環式化合物または薬学上許容され得るそれらの 塩を表す。 これらの置換基のうち、Zは、 [式中、 R2は水素、メチル、エチル、プロピル、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、ま たはアミノであり;および aは2である] または薬学上許容され得るそれらの塩であるのが好ましい。 反応Iで使用する、カルボン酸反応物であるZ−COOHは、市販されていな いものまで、既知の手順を利用して製造することができる。とりわけ、この反応 物は、市販されているアリールまたは複素環式化合物のさらなる置換および/ま たは酸化により製造することができる。例えば、当業界で既知の手順を利用して 、式Z−CH3のアリールまたは複素環式化合物を酸化することができる。具体 的には、水またはジフェニルエーテルといったような相互不活性溶媒中、式Z− CH3の化合物を、二酸化セレンまたは過マンガン酸カリウムといったような酸 化剤と、約0℃〜200℃の温度で反応させることができる。 式Z−COOHの化合物を製造するための第二の方法は、適当に置換されてい るカルボキシル化アリールまたは複素環式基をカルボキシ保護基で保護した後、 当業界で既知の手順を利用して、そのアリールまたは複素環式基をさらに置換す ることを伴う。次いで、当業界で既知の手順を利用して、カルボキシ保護基を取 り除いて、所望のカルボン酸反応物であるZ−COOHを得る。 本明細書中で使用する「カルボキシ保護基」という用語は、化合物上の他の官 能基を反応させる間、カルボキシ官能性を遮断する、または保護するために一般 的に使用されるカルボキシ基の置換基を示す。そのようなカルボキシ保護基の例 には、メチル、p−ニトロベンジル、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル 、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメ トキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3, 4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'−ジメトキシベンズヒ ドリル、2,2',4,4'−テトラメトキシベンズヒドリル、t−ブチル、t−アミ ル、トリチル、4−メトキシトリチル、4,4'−ジメトキシトリチル、4,4', 4"−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロピ−2−イル、トリメチルシリ ル、t−ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、β −(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p-トルエンスルホニルエチル、4−ニ トロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1−(トリメチルシリル メチル)プロペ−1−エン−3−イルおよび類似の部分が含まれる。カルボキシ 基を保護する好ましい方法は、カルボキシ部分をアミド部分に転換した後、その アミドを加水分解して戻し、所望のカルボキシ置換基を与えることを含む。これ らの基のさらなる例は、E.Haslam、「Protective Groups in Organic Che mistry」、J.G.W.McOmie編、Plenum Press、New York、N.Y.、19 73、第5章、およびT.W.Greene、「Protective Groups in Organic Sy nthesis」、John Wiley and Sons、New York、N.Y.、1981、第5章 に見い出される。 カルボキシ部分を保護するための好ましい手順は、カルボキシ部分の酸活性化 、続いてアミド形成を伴う。例えば、好ましくは酸スカベンジャーの存在下、カ ルボキシ部分をハロゲン化アシル、無水アシル、アシルイミダゾール等に転換し て、活性化カルボキシ部分を形成することができる。典型的には、市販されてい る酸塩化物を使用して、さらなる酸活性化を不要にする。好ましい酸スカベンジ ャーは、トリアルキルアミン、好ましくはトリエチルアミンである。その反応は 、一 般的には、ジエチルエーテル、塩化メチレン等といったような非プロトン性溶媒 中で行う。好ましい溶媒は塩化メチレンである。使用する溶媒が進行中の反応に 対して不活性である限り、またその反応物が十分に可溶化されて、所望の反応を 生ずる限り、溶媒の選択は重要ではない。次いで、非プロトン性溶媒中、活性化 カルボキシ部分をアミン(R'−NH2)、例えば、アニリンと反応させて、アミド 反応物であるZ−C(O)NH−R'を与えた後、既知の手順に従って、これをさ らに置換することができる。 複素環式またはアリール基であるZのオルト脱プロトン化により、アミド反応 物であるZ−C(O)NH−R'をさらに置換して、対応するアニオンを与えた後 、ハロゲン化アルキルのような種々の試薬、または臭素のようなハロゲン化剤と 反応させることができる。通例、場合により、テトラメチルエチレンジアミン( TMEDA)のような金属配位物質の存在下、アミド反応物に比べて、2当量の 、n−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムといったような強塩基を使用し て、アミド反応物を2回脱プロトン化する。その反応は、一般的には、非プロト ン性溶媒、好ましくはジエチルエーテルのようなエーテル、テトラヒドロフラン 等の中、約−78℃〜約25℃の温度で行う。 次いで、当業界で既知の手順を利用して、その結果得られた化合物を加水分解 し、所望の置換カルボン酸反応物であるZ−COOHを与えることができる。例 えば、適当な加水分解は、アミド反応物を強い無機酸、有機酸、または無機酸/ 有機酸混合物に約100℃〜約160℃の温度でさらすことを伴う。この反応で 使用することができる典型的な酸には、臭化水素酸、酢酸、塩酸等が含まれる。 場合により、封管を使用して、反応速度を促進することができる。 置換カルボン酸反応物であるZ−COOHを製造するための第三の方法は、ア ニリンのジアゾ化、続いてその結果得られたジアゾニウム塩のクエンチングを伴 う。具体的には、亜硝酸との反応により、アニリン反応物のアミノ部分をジアゾ ニウム塩に転換する。亜硝酸ナトリウムを、塩酸または硫酸といったような強酸 の水溶液で処理することにより、亜硝酸を系中で製造することができる。この反 応は、一般的には、5℃以下で行う。次いで、適当な試薬との反応により、その ジアゾニウム塩をクエンチして、所望の置換芳香族系を与える。代表的なクエン チング試薬には、水、シアン化物、ハロゲン化物、水性硫酸等が含まれる。一般 的には、その反応を加熱すると、所望の反応が促進されるであろう。 アリールまたは複素環式環上の所望の置換物を製造するのに利用することので きる、当業界で知られている種々の反応がある。例えば、March,J.、「Advan ced Organic Chemistry」、第3版、Wi1ey、1985の第11章および第1 3章に概要が示されている種々の芳香族求電子および求核置換反応がある。 さらに、適当に置換されているアリールまたは複素環式化合物をカルボキシル 化することにより、式Z−COOHの化合物を製造することができる。そのカル ボキシル化は、多くの異なった試薬を使用して達成することができる。例えば、 フリーデル−クラフツ触媒の存在下、アリールまたは複素環式試薬を、ホスゲン 、塩化オキサリル、塩酸尿素、またはN,N−ジエチルカルバモイル塩化物と反 応させることができる。この方法の変化法は、アリールまたは複素環式試薬を、 チオールクロロギ酸アルキル(RSCOCl)または塩化カルバモイル(H2NCO Cl)と反応させて、各々、アミドおよびチオールエステルを与えることを伴う。 次いで、そのアミドおよびチオールエステルを加水分解して、所望のカルボキシ 基を与えることができる。March、491。 フリーデル−クラフツ触媒の例には、臭化アルミニウム(AlBr3)、塩化アルミ ニウム(AlCl3)、塩化鉄(III)(FeCl3)、三塩化ホウ素(BCl3)、三フッ化ホ ウ素(BF3)等といったようなルイス酸が含まれる。March,J.、「Advanced Organic Chemistry」、第3版、Wiley、1985;Olah、「Friedel−Cra fts and Related Reactions」、Interscience、New York、1963−19 65;およびOlah、「Friedel−Crafts Chemistry」、Wiley、New York 、1973もまた参照。 さらに、Bradford,L.ら、J.Chem.Soc.、1947、437頁に開示され ているスクラウプ反応を利用して、適当に置換されているアニリンをグリセロー ルと反応させることにより、キノリンカルボン酸反応物を製造することができる 。例えば、60−75%硫酸水溶液中、m−ニトロベンゼンスルホン酸またはm− ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムといったような酸化剤の存在下に、3−ア ミノ安息香酸をグリセロールと反応させて、所望のカルボキシ−置換キノリンを 与えることができる。その反応は、一般的には、約35℃から還流温度までの温 度で1〜6時間、好ましくは約50℃から還流温度までの温度で2〜4時間行う 。 次いで、当業界で既知の手順を利用して、その結果得られた反応物を還元、す なわち水素化することができる。例えば、March、700を参照。好ましい手順 は、例えば、触媒の存在下、キノリンカルボン酸反応物を水素ガスと合わせるこ とによる、接触水素化を伴う。好ましい触媒は、炭素上のパラジウムである。こ の反応での使用に適当な典型的な溶媒には、酢酸エチルのような有機溶媒がいず れも含まれる。使用する溶媒が進行中の反応に対して不活性である限り、溶媒の 選択は重要ではない。その反応は、通例、約25℃〜約100℃の範囲内の温度 で行った場合、約1〜24時間後には実質的に完了する。 上述の通り、全ての不斉型、個々の異性体およびそれらの組合わせが、本発明 の一部と考えられる。そのような異性体は、上記の手順により、ラセミ混合物を 分割することにより、またはジアステレオマーを分離することにより、それらの 各々の前駆体から製造することができる。分割は、分割剤の存在下、クロマトグ ラフィーにより、または繰返し結晶化により、または当業界で知られているこれ らの技術の幾つかの組合わせにより行うことができる。分割に関するさらなる詳 細は、Jacquesら、Enantiomers,Racemates,and Resolutions、John Wiley & Sons、1981に見い出すことができる。 本発明の化合物の合成における初期開始物質として使用する化合物は知られて おり、市販されていないものまで、当業者により一般的に使用される標準的な手 順により容易に合成される。 本発明の薬学上許容され得る塩は、一般的には、式(I)の化合物を、等モル もしくは過剰量の酸または塩基と反応させることにより形成する。その反応物は 、通例、酸付加塩に関してはジエチルエーテルもしくはベンゼン、または塩基付 加塩に関しては水もしくはアルコールといったような、相互溶媒中で合わせる。 塩は、通常、約1時間〜約10日以内に溶液から沈殿析出して、濾過または他の 従 来法により単離することができる。 以下の製造例および実施例により、本発明の具体的な態様をさらに説明する。 しかし、これらの実施例は、単に説明を目的として包含されるものであって、本 発明の範囲を幾つかの態様に制限しようと意図するものではなく、またそのよう に構成されるべきものではないことを理解すべきである。 以下の製造例および実施例では、融点、核磁気共鳴スペクトル、電子衝突質量 スペクトル、電界脱離質量スペクトル、高速原子衝撃質量スペクトル、赤外スペ クトル、紫外スペクトル、元素分析、高性能液体クロマトグラフィー、および薄 層クロマトグラフィーといった用語を各々、「m.p.」、「NMR」、「EIMS 」、「MS(FD)」、「MS(FAB)」、「IR」、「UV」、「分析」、「H PLC」、および「TLC」と略す。さらに、IRスペクトルに関して列記する 吸収最大は、重要なものだけであって、観察された全ての最大ではない。 NMRスペクトルに関して、以下の略語を使用する:「s」は一重線であり、 「d」は二重線であり、「dd」は二重線のダブレットであり、「t」は三重線で あり、「q」は四重線であり、「m」は多重線であり、「dm」は多重線のダブレ ットであって、「br.s」、「br.d」、「br.t」、および「br.m」は各々、広 幅の一重線、二重線、三重線、および多重線である。「J」は、結合定数をヘル ツ(Hz)で示す。特にことわらない限り、NMRデータは、被験化合物の遊離塩 基を示す。 eral Electric QE−300 300MHz装置によって得た。化学シフトは、 デルタ(δ)値(テトラメチル−シランからのppm)で表す。MS(FD)スペクトル は、炭素デンドライド放射体を使用するVarian−MAT 731分光計によって 測定した。EIMSスペクトルは、Consolidated Electrodynamics Corpora tion製のCEC 21−110装置によって得た。MS(FAB)スペクトルは、 VG ZAB−3分光計によって得た。IRスペクトルは、Perkin-Elmer 28 1装置によって得た。UVスペクトルは、Cary 118装置によって得た。TL Cは、E.Merckシリカゲルプレートで行った。融点は補正していない。 実施例 1 A.(Z)−2−メチル−4−チエニリデン−5(4H)−オキサゾロン N−アセチル−グリシン70.6g(602mmol)、2−チオフェン−カルボキ シアルデヒド(Aldrich)100g(892mmol)、無水酢酸142.3ml(154g 、1.51mol)、および酢酸ナトリウム36.6g(446mmol)の混合物を、蒸気 浴で約1時間加熱した。その結果得られた反応混合物を室温まで冷却した後、冷 凍機中に一晩置いて、固形物質を得た。この固形物質を冷水250mlに懸濁させ た後、ブフナー漏斗に通して濾過し、冷水で洗浄した。その結果得られた固形物 質を減圧下に乾燥状態となるまで減量して、所望の化合物65g(56%)を得た 。 B.(Z)−2−アセトアミド−3−(2−チエニル)−プロペン酸 水240mlおよびアセトン620ml中の実施例1Aの副題の化合物65gの溶 液を還流温度まで約4時間加熱した。その結果得られた反応混合物を冷却した後 、減圧下に濃縮して、固形物質を得た。この固形物質を水100mlおよびメタノ ール250mlに再び溶解した(還流温度まで加熱して、その固形物質の大半を溶 解した)後、熱時濾過した。濾液を冷却した結果、結晶の形成が起こり、これを ブフナー漏斗に通して濾過することにより集め、水で洗浄し、減圧下に乾燥状態 となるまで減量して、標記化合物55gを得た。この化合物をさらに精製するこ となく使用した。 C.(S)−2−アセトアミド−3−(2−チエニル)−プロパン酸 アルゴン下、(+)−2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1 ,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタン3.92gをトルエン800ml中のクロ ロ(1,5−シクロオクタジエン)−ロジウム I 二量体1.76gに加えることに より、予備形成触媒を形成した。その結果得られた混合物をアルゴン下に約20 分間撹拌した。その間に、水素化容器中で、エタノール2500ml中の実施例1 Bの副題の化合物152g(720mmol)を水素ガス20psi下に約20分間振盪 した。次いで、窒素下、予備形成触媒をその水素化容器に加えた。その結果得 られた反応混合物を水素ガス20psi下に50℃で約16時間反応させた。その 反応混合物を減圧下に濃縮して、褐色の固形物質を得、これを、炭酸カリウム1 00gを含む水700mlで処理した。その結果得られた混合物をセライトに通し て濾過し、水で洗浄して、濾液をジエチルエーテルと合わせた。その結果得られ た相を分離して、水相を5N 塩酸で酸性とし、塩化メチレン1000mlで重相 した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、黄褐色の 固形物質を得、これを熱酢酸エチル900mlから再び結晶化することにより精製 して、所望の副題の化合物109g(71%)を得た。 D.N−ベンジルオキシカルボニル−β−チエニル−L−アラニン 5N 塩酸100ml中の実施例 1Cから得られた副題の化合物9.03g(42 .4mmol)の溶液を還流温度まで2時間加熱した。その結果得られた反応混合物を 0℃まで冷却して、3.6M 炭酸カリウム溶液100mlを加えることにより塩基 性とした。次いで、この混合物にジオキサン150mlを加えた後、ジオキサン中 のカルボベンジルオキシクロリド6.0ml(42.4mmol)を加えた。TLC(42 /7/7/9、EtOAc/CH3CN/H2O/AcOH)により示して、反応が実 質的に完了したら、その反応混合物を濃縮した後、ジエチルエーテル100mlで 洗浄した。その結果得られた相を分離し、水相を5N 塩酸でpH<2まで酸性と して、塩化メチレンで抽出した後、これを硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減 圧下に濃縮して、標記化合物10.85g(84%)を得た。 [α]D(CDCl3)=37.2°(22℃で)。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.37(m,5H); 7.18(d,J=4Hz,1H);6.95(m,1H); 6.83(m,1H);5.35(d,J=8Hz,1H); 5.15(s,2H);4.7(m,1H); および3.4(m,2H)。 実施例 2 N−(ベンジルオキシカルボニル)β−チエニル−D,L−アラニン 水75mlおよびジオキサン60ml中のβ−チエニル−D,L−アラニン3.0g (16.9mmol)の混合物に、無水炭酸カリウム5.6g(40.6mmol)を加えた後 、カルボベンジルオキシクロリド2.85ml(20mmol)を加えた。その結果得ら れた混合物を迅速に約1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(21/7/7 /9、EtOAc/AcOH/CH3CN/H2O)により示して、反応が実質的に完 了したら、その反応混合物を濃縮した。その結果得られた相を分離して、水相を ジエチルエーテル75mlで洗浄した後、塩化メチレン150mlで重相した。その 結果得られた混合物を、迅速に撹拌しながら、5N 塩酸を使用してpH=2.0 まで酸性とした。次いで相を分離し、有機相を硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾 燥し、濾過し、濃縮して、所望の化合物5.05g(98%)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.37(m,5H); 7.18(d,J=4Hz,1H);6.95(m,1H); 6.83(m,1H);5.35(d,J=8Hz,1H); 5.15(s,2H);4.7(m,1H); および3.4(m,2H)。 実施例 3 A.N−カルボベンジルオキシ−β−チエニル− L−アラニン−t−ブチルアミド テトラヒドロフラン120ml中の実施例 1Dの副題の化合物8.06g(26. 4mmol)の冷たい(0℃)混合物に、N−メチルモルホリン4.23mlを加えた後、 イソブチルクロロホルメート4.04mlを徐々に加えて、約15分後、t−ブチル アミン3.74mlを加えた。その結果得られた反応混合物を室温まで温めて、約 2時間反応させた後、減圧下に濃縮して、残留物を得た。この残留物を酢酸エチ ルに再び溶解して、水、1N 塩酸溶液、および飽和重炭酸ナトリウム溶液で続 けて洗浄した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して 、 油状物質とした。この油状物質を熱ヘキサン100mlから再び結晶化して、油状 物質を得、これを放置して凝固させた後、乾燥して、固形物質9.25g(97% )を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.37(s,5H); 7.2(d,J=4Hz,1H); 6.95(dd,J=4Hz,8Hz,1H); 6.87(d,J=4Hz,1H);5.52(m,2H); 5.12(s,2H);4.27(m,1H);3.27(m,2H); および1.23(s,9H)。 B.N−t−ブチル−5−ベンジルオキシカルボニル−(4,5,6,7)− テトラヒドロ−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド 1,1,2−トリクロロエタン12ml中の実施例 3Aの副題の化合物500mg( 1.39mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸2mlを加えた後、ジメトキシメタン2 mlを加えた。その結果得られた反応混合物を約15分間還流した。TLCにより 示して、反応が実質的に完了したら、その反応混合物を水30mlおよび塩化メチ レン40ml中の炭酸カリウム3.5gの混合物に注ぎ入れた。その結果得られた 相を分離して、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、 油状物質を得た。この油状物質を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2;塩 化メチレン中の3%酢酸エチルの溶離液)を利用して精製し、所望の化合物35 7mg(69%)を得た。1 H NMR(300MHz、d6DMSO):δ 7.35(m,7H); 6.83(m,1H);5.15(m,2H);4.98(m,1H); 4.35(m,2H);3.10(m,2H); および1.10(s,9H)。 MS : m/e 372(M+)。 C.N−t−ブチル−5−ベンジルオキシカルボニル−オクタヒドロ− (3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド 高圧水素化容器に、テトラヒドロフラン1100mlおよびエタノール525ml 中の実施例 3Bの副題の化合物10.5g(28.2mmol)および5% 炭素上のパ ラジウム105gを入れた。その結果得られた反応混合物を水素(3000psi) 下に80℃で24時間置いた。その反応混合物を冷却し、濾過して、触媒を取り 除いた後、その触媒をクロロホルム中の20% メタノールで洗浄した。その結 果得られた有機部分を合わせ、減圧下に濃縮して、粗製の油状物質を得た。この 油状物質を塩化メチレンに再び溶解して、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2 ;塩化メチレン中の2% メタノールの溶離液[小規模では、2% メタノール を含むヘキサン中の1:2のジエチルエーテルの溶離液])を利用して精製し、 所望のシス異性体を(主に)得たが、これには少量の微量異性体が通り抜けて混入 していた。この混合物を、メタノール1.5ml/ジエチルエーテル20ml/ヘキ サン120mlの混合物から再び結晶化して、結晶を得、これを濾過し、冷ヘキサ ンで洗浄し、減圧下に乾燥して、シス異性体2.54g(24%)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.37(s,5H); 6.0および5.5(br.s,1H);5.18(br.s,2H); 4.22(m,2H);3.40(m,1H);2.87(m,3H); 2.48(m,1H);2.15(m,2H);1.70(m,1H); および1.15(br.s,9H)。 MS : m/e 377(M++1)。 D.N−t−ブチル−オクタヒドロ−(3aR,7aS)− チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド 1:1のアセトニトリル/塩化メチレン溶液12ml中の実施例 3Cの副題の 化合物2.41g(6.4mmol)の混合物に、ヨウ化トリメチルシリル1.9mlを加 えた。約10分後、さらにヨウ化トリメチルシリル0.94mlを加えた後、10 分後、もう一度ヨウ化トリメチルシリル0.48mlを加えた。その結果得られた 混合物を約30分間反応させた。TLC(塩化メチレン中の5% 酢酸エチル)に より示して、反応が実質的に完了したら、その反応混合物をジエチルエーテル3 0ml、水40mlおよび1N 塩酸溶液6mlで希釈した。その結果得られた相を分 離し、有機相を0.1N 塩酸溶液15mlで洗浄した。合わせた水性部分を、飽和 重炭酸ナトリウム溶液を加えることによりpH 8に調節した。その結果得られた 溶液から、所望の化合物を、塩化メチレン200mlを使用して抽出した後、これ を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、副題の化合物1.3g( 84%)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 6.43(s,1H); 3.22(m,2H);2.95(m,4H);2.17(m,3H); 2.0(m,1H);1.55(m,2H); および1.32(s,9H)。 [α]D(EtOH)=−179.1°(22℃で) 実施例 4 (±)−N−t−ブチル−オクタヒドロ−(3aR*,7aS*)− チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S*)−カルボキシアミド 実施例2から得られた標記化合物を使用し、実質的には、実施例 3A−Dに 詳述した手順に従って、標記化合物を製造した。 実施例 5 N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−フェニル− 3S−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−ブチル]− (3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド エタノール3ml中に1S−[(1'S−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ −2'−フェニルエチル]オキシラン145mg(0.487mmol)および実施例4か ら得られた副題の化合物118mg(0.487mmol)を含む溶液を65℃まで加熱 して、約20時間反応させた。その結果得られた混合物を減圧下に濃縮して、粗 製物質を得た。この物質を、ラジアルクロマトグラフィー(200ミクロンのプ レート;クロロホルム中の1% メタノールの溶離液)を利用して精製し、ジアス テレオマーを分離して、標記化合物98mg(36%)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.25(m,10H); 6.05(m,1H);5.13(m,1H);5.02(s,2H); 3.97(m,1H);3.80(m,1H);3.37(m,1H); 3.22(m,2H);2.95(m,4H);2.70(m,2H); 2.58(m,1H);2.43(m,1H);2.32(m,1H); 2.10(m,3H);1.90(m,1H); および1.30(s,9H)。 MS : m/e 540(M+)。 さらに、その反応混合物から、もう一方のジアステレオマー109mg(41%)を 単離した。 実施例 6 N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−フェニル− 3S−アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン− (6S)−カルボキシアミド 実施例 5の標記化合物85mg(0.158mmol)、1:1のアセトニトリル/塩 化メチレン混合物中のヨウ化トリメチルシリル101μl(71mmol)を使用し、 実質的には、実施例 3Dに詳述した手順に従って、所望の副題の化合物を製造 して、白色の固形物質64mg(定量的)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.28(m,5H); 6.38(s,1H);3.75(m,1H);3.32(m,2H); 3.12(m,1H);2.93(m,2H);2.78(m,2H); 2.58(m,3H);2.38(m,1H);2.12(m,5H); 1.83(m,2H);および1.35(s,9H)。 実施例 7 N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−チオフェニル− 3R−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)− チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミド エタノール30ml中に1S−[(1'R−N−(ベンジルオキシカルボニル)アミ ノ−2'−(フェニルチオ)エチル]オキシラン1.45g(4.4mmol)および実施例 3Dから得られた副題の化合物1.07g(4.4mmol)を含む溶液を65℃まで 加熱して、約60時間反応させた。その結果得られた混合物を減圧下に濃縮して 、泡状物質を得た。この泡状物質を、ラジアルクロマトグラフィー(4000ミ クロンのプレート;塩化メチレン中の1% メタノールの溶離液)を利用して精製 し、所望の標記化合物1.8gを得た。混合画分を合わせて、混合ジアステレオ マー326mgを得、これを再び、ラジアルクロマトグラフィー(2000ミクロ ンのプレート;塩化メチレン中の1% メタノールの溶離液)を利用して精製し、 所望の化合物228mgをさらに得た。 全収量:2.03g(80.5%)。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.30(m,10H); 5.80(m,2H);5.08(AB,2H); 3.95(m,2H);3.42(m,2H);3.17(m,3H); 2.90(m,2H);2.67(m,1H);2.58(m,1H); 2.48(m,1H);2.35(m,2H);1.98(m,4H); および1.30(s,9H)。 実施例 8 N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−チオフェニル− 3R−アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン− (6S)−カルボキシアミド 実施例 7の副題の化合物1.8g(3.15mmol)、1:1のアセトニトリル/ 塩化メチレン混合物20ml中のヨウ化トリメチルシリル2.1mlを使用し、実質 的には、実施例 3Dに詳述した手順に従って、所望の標記化合物を製造して、 白色の固形物質1.18g(86%)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.38(m,2H); 7.28(m,2H);7.20(m,1H);6.23(s,2H); 3.65(s,1H);3.28(m,3H);2.90(m,4H); 2.70(m,2H);2.58(m,1H);2.43(m,1H); 2.34(m,1H);2.05(m,4H);1.80(m,3H); および1.32(s,9H)。 IR(CHCl3):3430;3005;2973;1670;1514; 1456;1366;および1090cm-l。 MS : m/e 437(M+)。 上述の通り、本発明の化合物は、強力なHIVプロテアーゼ阻害剤である。本 発明の化合物はまた、改良された薬理学特性を有するHIVプロテアーゼ阻害剤 を製造するための中間体としても有用である。 例えば、以下の実施例 9および10では、合成して試験したHIVプロテア ーゼ阻害剤を提供する。 実施例 9 N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ− 3R−N(2'−メチル−3'−ヒドロキシフェニルカルボニル)アミノ− 4−フェニルチオ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン− (6S)−カルボキシアミド テトラヒドロフラン2ml中に実施例 8から得られた標記化合物40mg(0.9 14mmol)、2−メチル−3−カルボキシ−フェノール14mg(0.093mmol)お よびヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O)12.6mg(0.0 93mmol)を含む冷たい(−10℃)溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(D CC)18.7mg(0.093mmol)を加えた。その反応混合物を室温まで温めて、 約60時間反応させた。TLCにより示して、反応が実質的に完了したら、その 反応混合物をジエチルエーテル2mlで希釈した後、小さな綿栓に通してろ過した 。その結果得られた濾液から、所望の化合物を、ラジアルクロマトグラフィー( 2000ミクロンのプレート;塩化メチレン中の3% メタノールの溶離液)を利 用して単離し、標記化合物44mg(85%)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.42(m,2H); 7.25(m,3H);7.07(m,3H); 6.80(d,J=8Hz,1H);5.80(s,1H); 5.50(s,1H);4.42(m,1H);4.07(m,1H); 3.88(m,1H);3.63(m,1H);3.45(m,1H); 3.22(m,2H);2.92(m,2H);2.85(s,3H); 2.64(m,1H);2.51(m,2H);2.38(m,1H); 2.30(s,3H);2.08(m,2H);1.92(m,2H); および1.12(s,9H)。 実施例 10 N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ− 3R−N(2'−メチル−3'−ヒドロキシフェニルカルボニル)アミノ− 4−フェニルチオ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン− (6S)−カルボキシアミドメタンスルホン酸塩 2:1の塩化メチレン/アセトニトリル混合物6ml中の実施例 9の標記化合 物330mg(0.577mmol)の溶液に、メタンスルホン酸37.5μl(0.577m mol)をシリンジで加えた。反応が実質的に完了したら、その反応混合物を減圧下 に濃縮した後、塩化メチレン、ジエチルエーテルおよびヘキサンに再び溶解した 。その結果得られた混合物を減圧下に濃縮して、固形物質を得た。この固形物質 をヘキサンに懸濁させ、音波処理した後、濃縮して、所望の標記化合物385mg (定量的)を得た。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ 7.42(m,2H); 7.25(m,3H);7.07(m,3H); 6.80(d,J=8Hz,1H);5.80(s,1H); 5.50(s,1H);4.42(m,1H);4.07(m,1H); 3.88(m,1H);3.63(m,1H);3.45(m,1H); 3.22(m,2H);2.92(m,2H);2.85(s,3H); 2.64(m,1H);2.51(m,2H);2.38(m,1H); 2.30(s,3H);2.08(m,2H);1.92(m,2H); および1.12(s,9H)。 上述の通り、式(I)の化合物は、HIVプロテアーゼ阻害剤として、またH IVプロテアーゼ阻害剤を製造するのに有用である。これらの化合物は、次の2 つのアッセイを利用してアッセイすることができる:(1)酵素阻害アッセイ、 および(2)抗ウイルス性細胞培養アッセイ。これらのアッセイおよび結果とし て得られたデータを以下に与える。 蛍光HIV−1プロテアーゼ阻害剤アッセイを行って、本発明の化合物がHI Vプロテアーゼを阻害する能力を実証した。このアッセイは、公開された欧州特 許出願(EPA)第0 526 009号(この欧州特許に記載されている内容は本 発明の一部をなす)に詳細に記載されている。このアッセイを利用して、先に製 造した多くの化合物をHIVプロテアーゼ阻害活性に関してアッセイした。 酵素の50%を阻害する試験化合物の濃度(IC50)を以下の表1に報告する。 そのアッセイは、濃度が0.16ng/ml未満では、化合物を試験することができ ない。従って、幾つかの値を[指定した]濃度での阻害(%)として与える(すな わち、IC74(0.16)は、該化合物が0.16ng/mlで酵素の74%を阻害する 能力を表す)。 さらに、本出願に記載する化合物は、Weislow,O.S.、J.of National C ancer Institute、81(8)、577頁−586頁(1989年4月19日) (この文献に記載されている内容は本発明の一部をなす)に記載されている抗ウ イルス性細胞培養アッセイを利用して試験することができる。 このアッセイは、細胞培養培地におけるHIV−感染細胞の生育力を、試験化 合物の存在下における、そのような細胞の生育力と比較する。次いで、細胞の生 育力をウイルス阻害の指標として利用し、ウイルスの90%を阻害するのに必要 な試験化合物の濃度を測定する。このアッセイは、HIV感染の溶菌作用に対し て感受性の強いセルラインを使用して行う。 具体的には、このアッセイは、テトラゾリウム試薬である2,3−ビス[2−メ トキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル]−5−[(フェニルアミノ)カルボニル ]−2H−テトラゾリウム水酸化物(XTT)の代謝還元を利用する。生育可能な 細胞の存在下、テトラゾリウム試薬であるXTTが還元されて、XTTホルマザ ンを与えるが、これは比色定量(450nmで)を利用して定量することができる。 色原体シグナルの強度は、XTTホルマザンの濃度に直接比例することから、生 育可能な細胞の量を測定することができる。 このアッセイを利用して、先の実施例 9および10で製造した化合物を試験 した。酵素の90%を阻害する試験化合物の濃度(IC90)を以下の表2に報告す る。 当業界では標準的である手順を利用して、実施例 10で製造した化合物をま た、薬物動態分析にかけた。具体的には、これらの特性をラットにおける以下の 静脈内および経口投与で研究した。i.v.投与に関しては該化合物を尾部静脈か ら注入したが、経口投与に関しては該化合物を飼料で与えた。時間に対する濃度 のプロットを使用し、曲線下面積(AUC)を台形法を利用して計算した。各々の 用量の大きさに関して適当に標準化して、経口AUCを静脈内AUCと比較する ことにより、経口バイオアベイラビリティーを計算した。実施例 10に関する 薬物動態データを図に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 31/55 9454−4C A61K 31/55 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT, LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK ,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(I): [式中、 R0およびR1は独立して、水素、C1−C6アルキル、またはヒドロキシ(C1− C6)アルキルであり; R2は水素、アミノ保護基、または式: の基であり; R3は−(CH2)i−R3aであり; iは0、1、2、3、または4であり; R3aはアリール、−O−アリール、または−S−アリールであり; R4は水素またはアミノ保護基であり; a、c、およびeは各々独立して、0、1または2であり; bおよびdは各々独立して、0または1であり; R5は−CH2−、−CHR5x−、または−CR5x5x−であり; R6は−CH2−、−CHR6x−、または−CR6x6x−であり; R7は−CH2−、−CHR7x−、または−CR7x7x−であり; R5x、R6x、およびR7xは各々、ハロ、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、 ハロ(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ(C1−C6)アルキル、C1−C6アルコキシ 、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルチオ(C1−C6)アルキル、アミノ、 またはシアノよりなる群から独立して選択され; XおよびYは独立して、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−、−NH −、または−N(R9)−であり;および R9はC1−C6アルキル、アリール(C1−C6)アルキル、アリール、また はアシルである; ただし、 bおよびdが両方とも0とはなり得ず; a、b、c、d、およびeの総和が2、3、4、または5でなくてはならず; R5が−CR5x5x−ならば、R6は−CH2−または−CHR6x−でなくては ならず;またR7は−CH2−または−CHR7x−でなくてはならず; R6が−CR6x6x−ならば、R5は−CH2−または−CHR5x−でなくては ならず;またR7は−CH2−または−CHR7x−でなくてはならず; R7が−CR7x7x−ならば、R5は−CH2−または−CHR5x−でなくては ならず;またR6は−CH2−または−CHR6x−でなくてはならない] の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩。 2.式(IA): で示される請求項1に記載の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩。 3.a、b、c、d、およびeの総和が3または4であり; R0およびR1が独立して、水素またはC1−C6アルキルであり; R5x、R6x、およびR7xが各々、ハロまたはC1−C6アルキルよりなる群 から独立して選択され;および XおよびYが独立して、−S−、−O−、または−NH−である; 請求項2に記載の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩。 4.R2が水素、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、または 式: の基であり; bおよびdのうち一方が0であり; R3が−CH2−R3aであり; R3aがアリールまたは−S−アリールであり;および R4が水素である; 請求項3に記載の化合物または薬学上許容され得るそれらの塩。 5.N−t−ブチル−オクタヒドロ−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジ ン−(6S)−カルボキシアミドである、請求項4に記載の化合物または薬学上許 容され得るその塩。 6.N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−フェニル−3 S−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[ 3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミドである、請求項4に記載の化合 物または薬学上許容され得る塩。 7.N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−フェニル−3 S−アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カ ルボキシアミドである、請求項4に記載の化合物または薬学上許容され得る塩。 8.N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−チオフェニル −3R−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエ ノ[3,2−c]ピリジン−(6S)−カルボキシアミドである、請求項4に記載の化 合物または薬学上許容され得る塩。 9.N−t−ブチル−オクタヒドロ−5[2R−ヒドロキシ−4−チオフェニル −3R−アミノ−ブチル]−(3aR,7aS)−チエノ[3,2−c]ピリジン−(6S) −カルボキシアミドである、請求項4に記載の化合物または薬学上許容され得る 塩。
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