【発明の詳細な説明】
中間体および製造のための方法
発明の背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と呼ばれるレトロウイルスは、後天性免疫不
全症候群(AIDS)と名付けられた複雑な疾患の原因体であり、レトロウイル
スのレンティウイルスファミリーの一員である。M.A.ゴンダ、F.ウォング
−スタール、R.C.ガロ、「HTLVIIIおよび病原性レンティウイルス、ヴ
ィスナウイルスの配列相同性および形態学的類似性」、Science、227、17
3、(1985);P.ソニゴ、N.アリゾン等、「ヴィスナレンティウイルス
のヌクレオチド配列:AIDSウイルスとの関係」、Cell、42、369、(1
985)。この複雑な疾患AIDSは、免疫系の進行性破壊ならびに中枢および
末梢神経系の変性を含む。HIVウイルスはかつてLAV、HTLV−IIIまた
はARVとして知られ、またはそのように呼称されていた。
レトロウイルス複製に共通する特徴は、ウイルスの組み立ておよび機能に必要
とされる成熟ウイルス蛋白を生成するための、ウイルスによりコードされるプロ
テアーゼによる前駆体ポリ蛋白の翻訳後プロセシングである。このプロセシング
の妨害は、正常な感染性ウイルスの産生を防止するようである。プロセシングさ
れていない構造蛋白もまた、人間の患者から分離された非感染性HIV株のクロ
ーン中に観察されている。この結果は、HIVプロテアーゼの阻害はAIDSの
処置もしくは防止および/またはHIVによる感染の処置もしくは防止のための
実行可能な方法であることを示唆するものである。
HIVゲノムは、gagおよびpolとして知られる構造蛋白前駆体をコードしてお
り、これらはプロセシングされてプロテアーゼ、逆転写酵素およびエンドヌクレ
アーゼ/インテグラーゼを与える。このプロテアーゼはさらにgagおよびgag-pol
ポリ蛋白を開裂させてウイルスのコアの成熟構造蛋白を生成させる。
プロセシングされてレトロウイルスプロテアーゼ、逆転写酵素およびエンドヌ
クレアーゼ/インテグラーゼを産む構造蛋白前駆体によってHIVを制御するこ
とに向けて多大な努力が払われている。例えば、現在使用されている治療薬AZ
Tは、ウイルスの逆転写酵素のインヒビターである。H.ミツヤ、NS.ブロー
ダー、「HTLVIIIの細胞変性作用におけるインビトロ感染性の阻害」、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、83、1911(1986)。
HIVプロテアーゼインヒビターに対しても研究努力が向けられてきた。例え
ば、欧州特許出願(EPA)361341;EPA346847;EPA402
646;およびEPA337714は全て、HIVプロテアーゼインヒビターと
して有用であるとされる化合物を開示している。
都合の悪いことに、既知のHIVプロテアーゼインヒビターの多くは、毒性の
問題、バイオアベイラビリティーの欠如または短いインビボ半減期という問題が
ある。特に、この疾患の慢性性のため、経口のバイオアベイラビリティーはHI
Vプロテアーゼインヒビターの必要な性格であると信じられている。しかしなが
ら、ペプチドおよびペプチド類似体は経口吸収され得ないことがよく知られてい
る。よって、プロテアーゼインヒビターに治療薬としての可能性があることがわ
かっており、且つこれまで研究努力が費やされてきたにも拘わらず、利用可能な
治療物質は今なお現れていない。
したがって、本発明の第一の目的は、HIV感染および/またはその結果とし
ての後天性免疫不全症候群(AIDS)の処置または防止に有用な、新規なHI
Vプロテアーゼインヒビターを提供することである。
本発明のさらなる目的は、HIV感染の処置もしくは防止および/またはAI
DSの処置もしくは防止において価値のある治療用組成物を提供することである
。
さらに別の目的は、HIV感染および/またはAIDSの処置または防止のた
めの方法を提供することである。
その他の目的、特徴および利点は、以下の記載および請求項から、当業者にと
って明らかとなるであろう。
発明の要約
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1型(HIV−1)または2型(
H
IV−2)によりコードされているプロテアーゼを阻害する、下の式Iの化合物
および薬学上許容し得るその塩に関するものである。これらの化合物は、HIV
による感染の処置または防止、および、それによりもたらされる後天性免疫不全
症候群(AIDS)の処置または防止に有用である。本発明に係る化合物、それ
らの薬学上許容し得る塩、および薬学上許容し得る組成物は、単独で、または他
の抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗生物質またはワクチンと組み合わせて使用する
ことができる。AIDSを処置または防止する方法、HIV感染を処置または防
止する方法およびHIV複製を阻害する方法が開示される。
本発明は、式I
[式中、
Zは、構造:
[式中、
aは1、2、3、4、または5であり;
bは1、または2であり;
cは1、または2であり;
dは1、2、3、または4であり;
各R2は、個別に、水素、ヒドロキシ、チオール、ハロ、アミノ、C1−C4ア
ルキルアミノ、ジ(C1−C4)アルキルアミノ、ニトロ、カルボキシ、C1−C6
アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、ハロ(C1−C4)アル
キル、ヒドロキシ(C1−C4)アルキル、C1−C6アルキルチオ(C1−C6)ア
ルキル、C1−C4アルコキシカルポニル、カルバモイル、N−(C1−C4)アル
キルカルバモイル、C1−C4アルキルスルホニル、N,N−ジ(C1−C4)アル
キルカルバモイル、またはC1−C4アルキルスルホニルアミノであり;
A1およびA2は個別に−CH2−または−N(R8)−であり;
A3およびA4は個別に−CH−または−N−であり;
A5およびA6は個別に−CH2−または−N(R9)−であり;
A7およびA8は個別に−CH−または−N−であり;
R8は水素またはC1−C4アルキルであり;
R9は水素またはC1−C4アルキルである]
を有する基であり;
R1はアリール、または−S−アリールであり;
Xは、構造:
[式中、
Rは水素、C1−C4アルキル、または−CH2−ピリジルであり;
R3は、構造:
1)−C(O)NR4R4、
2)
または、
3)
を有する基であり、
pは4または5であり;
R4は各々それが出現する度に独立して、水素、C1−C6アルキルまたはヒド
ロキシ(C1−C4)アルキルであり;そして、
R5およびR6は水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、
またはヒドロキシ(C1−C4)アルキルから個別に選ばれる]
を有する基であり、但し、
(1)A1およびA2のうち1個は−N(R8)−でなければならず;
(2)A1およびA2が共に−N(R8)−であることはできず;
(3)A3およびA4が共に−N−であることはできず;
(4)A5およびA6のうち1個は−N(R9)−でなければならず;
(5)A5およびA6が共に−N(R9)−であることはできず;
(6)A7およびA8が共に−N−であることはできない]
で示される化合物またはその薬学上許容し得る塩の有効量を投与することからな
る、HIVに感染した細胞、HIV感染を受け易い細胞またはHIV複製の阻害
を必要とする霊長類においてHIV複製を阻害し、それによりHIV感染および
/またはAIDSを処置または防止する方法に関するものである。
さらに本発明は、式Iの化合物、またはその薬学上許容し得る塩[ここでR1
、ZおよびXは、上記式Iに定義の通りである]に関するものである。
本発明はさらに、式Iの化合物またはその薬学上許容し得る塩をそのための薬
学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせてなる薬用製剤を提供す
る。
本発明はさらに、式II
[式中、
R1はアリール、または−S−アリールであり;
R10は水素またはアミノ保護基であり;
R0はC1−C4アルキルまたは−CH2−ピリジルであり;
R3は、構造:
1)−C(O)NR4R4、
2)
または、
3)
を有する基であり、
pは4または5であり;
R4は各々それが出現する度に独立して、水素、C1−C6アルキルまたはヒド
ロキシ(C1−C4)アルキルであり;そして、
R5およびR6は水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、
またはヒドロキシ(C1−C4)アルキルから個別に選ばれる]
で示される化合物またはその薬学上許容し得る塩を生成させる方法であって、
(a)式
で示される化合物を還元してピペラジン化合物を得;
(b)このピペラジン化合物をアルキル化して、式
で示される化合物を得;次いで、
(c)工程(b)のピペラジン化合物を、式
[式中、Rbはアミノ保護基である]
で示されるエポキシドと、アルコール性溶媒中、約20℃から100℃までの温
度で反応させて、R10がアミノ保護基である式IIの化合物を形成させ;そして、
(d)所望によりアミノ保護基を除去して、R10が水素である式IIの化合物を
形成させる、
ことからなる方法を提供する。
本発明はまた、式II
[式中、
R1はアリール、または−S−アリールであり;
R10は水素またはアミノ保護基であり;
R0はC1−C4アルキルまたは−CH2−ピリジルであり;
R3は、構造:
1)−C(O)NR4R4、
2)
または、
3)
を有する基であり、
pは4または5であり;
R4は各々それが出現する度に独立して、水素、C1−C6アルキルまたはヒド
ロキシ(C1−C4)アルキルであり;そして、
R5およびR6は水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、
またはヒドロキシ(C1−C4)アルキルから個別に選ばれる]
で示される有用な中間体またはその薬学上許容し得る塩を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、HIV感染および/またはAIDSの処置および/または防止に有
用な、上記式Iで示される新たな化合物を提供する。
本明細書中に記載されている温度は全て摂氏(℃)である。本明細書中に用い
られている測定の単位は全て、容量単位である液体を除いて重量単位である。
「C1−C6アルキル」という語は、1ないし6個の炭素原子を有する直鎖また
は分枝アルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルキル基は、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペ
ンチル、ネオ−ペンチル、ヘキシル等を包含する。「C1−C6アルキル」という
語はその定義内に「C1−C4アルキル」という語を包含する。
「ハロ」という語はクロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。
「ハロ(C1−C4)アルキル」という語は、1−3個のハロゲン原子がそれに
結合した、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。
典型的なハロ(C1−C4)アルキル基は、クロロメチル、2−ブロモエチル、1
−クロロイソプロピル、3−フルオロプロピル、2,3−ジブロモブチル、3−
クロロイソブチル、ヨード−t−ブチル、トリフルオロメチル等を包含する。
「ヒドロキシ(C1−C4)アルキル」という語は、ヒドロキシ基がそれに結合
した、1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。典型
的なヒドロキシ(C1−C4)アルキル基は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシ
エチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピル、4−ヒドロキ
シブチル等を包含する。
「C1−C6アルキルチオ」という語は、硫黄原子に結合した1ないし6個の炭
素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルキルチ
オ基は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチ
オ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等を包
含する。
「C1−C4アルキルアミノ」という語は、アミノ基に結合した1ないし4個の
炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。典型的なC1−C4アルキル
アミノ基は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ等を包含する。
「ジ(C1−C4)アルキルアミノ」という語は、共通するアミノ基に結合した
1ないし4個の炭素原子を各々が有する、2個の直鎖または分枝アルキル鎖を表
す。典型的なジ(C1−C4)アルキルアミノ基は、ジメチルアミノ、エチルメチ
ルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、ブチルメチルア
ミノ、sec−ブチルエチルアミノ等を包含する。
「C1−C6アルコキシ」という語は、酸素原子に結合した1ないし6個の炭素
原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。典型的なC1−C6アルコキシ基
は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブ
トキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等を包含する。「C1−C6アル
コキシ」という語はその定義の中に「C1−C4アルコキシ」という語を包含する
。
「C1−C4アルコキシカルボニル」という語は、カルボニル原子団に結合した
1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルコキシ鎖を表す。典型的な
C1−C4アルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等を
包含する。
「N−(C1−C4)アルキルカルバモイル」という語は、カルバモイル原子団
の窒素原子に結合した1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル
鎖を表す。典型的なN−(C1−C4)アルキルカルバモイル基は、N−メチルカ
ルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプ
ロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、およびN−t−ブチルカルバモ
イル等を包含する。
「N,N−ジ(C1−C4)アルキルカルバモイル」という語は、カルバモイル
原子団の窒素原子に結合した1ないし4個の炭素原子を各々が有する、2個の直
鎖または分枝アルキル鎖を表す。典型的なN,N−ジ(C1−C4)アルキルカル
バモイル基は、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−エチルメチルカルバモイ
ル、N,N−メチルプロピルカルバモイル、N,N−エチルイソプロピルカルバ
モイル、N,N−ブチルメチルカルバモイル、N,N−sec−ブチルエチルカル
バモイル等を包含する。
「C1−C4アルキルスルホニル」という語は、スルホニル原子団に結合した1
ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。典型的なC1
−C4アルキルスルホニル基は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピ
ルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec−ブチルス
ルホニル、t−ブチルスルホニル等を包含する。
「C1−C4アルキルスルホニルアミノ」という語は、スルホニルアミノ原子団
に結合した1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を表す。
典型的なC1−C4アルキルスルホニルアミノ基は、メチルスルホニルアミノ、エ
チルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルア
ミノ、ブチルスルホニルアミノ、sec−ブチルスルホニルアミノ、t−ブチル
スルホニルアミノ等を包含する。
「アリール」という語は、所望によりハロ、ヒドロキシ、またはC1−C4アル
コキシにより置換されているフェニルまたはナフチル環を表す。
本明細書中使用される「アミノ保護基」という語は、その化合物上の他の官能
基を反応させる間、アミノ官能性を遮断または保護するのに一般的に使用される
アミノ基の置換基を意味する。このようなアミノ保護基の例には、ホルミル、ト
リチル、フタルイミド、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル
、ヨードアセチル;またはウレタン型遮断基、例えばベンジルオキシカルボニル
、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニ
ル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカル
ボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカル
ボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキ
シカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキ
シカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキ
シカルボニル、2−(4−キセニル)イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフ
ェニルエト−1−イルオキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロプ−1−イル
オキシカルボニル、2−フェニルプロプ−2−イルカルボニル、2−(p−トル
イル)
プロプ−2−イルオキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1−
メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル
、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニル
オキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2−
(メチルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)エ
トキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(「FMOC」)、2−(
トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリ
メチルシリルメチル)プロポ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンズイソキ
サリルメトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2
,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポキシカルボニ
ル、シクロプロピルメトキシカルボニル、4−(デシルオキシ)ベンジルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボニル
等;またはベンゾイルメチルスルホニル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィンオキシド等のアミノ保護基が包含される。使用されるアミノ
保護基の種類は、誘導体化されたアミノ基が、その中間体分子の他の位置におけ
るその後の反応の条件に対して安定である限り、重要でなく、また、他の任意の
アミノ保護基を含む当該分子の残りの部分を乱すことなく、適当な時点で選択的
に除去することができる。好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシカルボニル(
t−Boc)およびベンジルオキシカルボニル(CbZ)である。上記の語によ
って示される基のさらなる例は、J.W.バートン、「プロテクティヴ・グルー
プス・イン・オーガニック・ケミストリー」、J.G.W.マコーミー編、プレ
ナム・プレス、ニューヨーク、N.Y.、1973、2章、およびT.W.グリ
ーン、「プロテクティヴ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス」、ジ
ョン・ウィレイ・アンド・サンズ、ニューヨーク、N.Y.、1981、7章に
より記載されている。
本発明に係る化合物は、下の式中、星印により示される少なくとも2個の不斉
中心を持っている:
これらの不斉中心の結果として、本発明に係る化合物は、ジアステレオマーの混
合物、ラセミ混合物、および個々のエナンチオマーとして存在し得る。全ての非
対称型、個々の異性体およびそれらの組み合わせは本発明の範囲内にある。
上に述べたように、本発明は、式Iにより定義される化合物の薬学上許容し得
る塩を包含する。本発明に係る化合物は、十分酸性な、十分塩基性な、またはそ
の両方の官能基を有することができ、したがって幾つかの無機塩基、ならびに無
機および有機酸の任意のものと反応して薬学上許容し得る塩を形成することがで
きる。
本明細書中使用される「薬学上許容し得る塩」という語は、生きている生物に
対して実質上非毒性である、上の式で示される化合物の塩を指す。典型的な薬学
上許容し得る塩は、本発明に係る化合物と鉱酸もしくは有機酸または無機塩基と
の反応により製造される塩を包含する。このような塩は、酸付加塩および塩基付
加塩として知られている。
酸付加塩を形成するために一般に使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、沃化水
素酸、硫酸、燐酸等のような無機酸、および、p−トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、蓚酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、琥珀酸、クエン酸、
安息香酸、酢酸等のような有機酸である。
このような薬学上許容し得る塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫
酸塩、重亜硫酸塩、燐酸塩、燐酸一水素塩、燐酸二水素塩、メタ燐酸塩、ピロ燐
酸塩、塩化物、臭化物、沃化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリ
ル酸塩、アクリル酸塩、蟻酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プ
ロピオール酸塩、蓚酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩
、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二
酸
塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、
ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシ
レンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩
、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メ
タンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナ
フタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩等である。好ましい薬学上許容し得
る酸付加塩は、塩酸および臭化水素酸のような鉱酸を用いて形成されたもの、な
らびにマレイン酸およびメタンスルホン酸のような有機酸を用いて形成されたも
のである。
塩基付加塩は、水酸化、炭酸、重炭酸アンモニウムまたはアルカリもしくはア
ルカリ土類金属等のような無機塩基から誘導されたものが包含される。したがっ
て、本発明に係る塩の製造に有用なこのような塩基は、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
リウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を包含する。カ
リウムおよびナトリウム塩型は特に好ましい。
その塩が全体として薬理学上許容され得、且つその対イオンが全体としてのそ
の塩にとって望ましくない性質を付与しない限り、本発明に係る任意の塩の一部
を形成する特定の対イオンは、重要な性質を持つものではないということが理解
されるべきである。
本発明に係る好ましい化合物は、
Zが、構造:
を有する基であり,
R2が水素、ヒドロキシ、C1−C4アルキル、ハロ、アミノ、ニトロ、または
トリフルオロメチルであり;
aが1、2、または3であり;
cが1であり;そして、
R3が−C(O)NR4R4である、式Iの化合物、
またはその薬学上許容し得る塩である。
これらの好ましい化合物のうち、より好ましいのは、
Zが
であり;
R2が水素、メチル、エチル、プロピル、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、ま
たはアミノであり;
Xが
Rが−CH2−ピリジルであり;
R1がフェニルまたは−S−フェニルであり;そして、
R3が-C(O)NH(R4)である化合物、
またはその薬学上許容し得る塩である。
これらの好ましい化合物の中でも特に好ましいのは、
Zが
であり;
R2aがメチル、エチル、またはプロピルであり;
R2bが水素、ヒドロキシ、またはアミノであり;
R2cが水素、ヒドロキシ、またはアミノであり;
Xが
であり;そして、
R3が−C(O)NH(t−ブチル)である化合物、
またはその薬学上許容し得る塩である。
最も好ましい化合物は、
[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒド
ロキシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2"−プロピ
ル−3"−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−
t−ブチルカルボキサミド;
[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒド
ロキシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2"−メ
チル−3"−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N
−t−ブチルカルボキサミド;
[2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェ
ニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(3"−ヒドロキシ−2"−メ
チルフェニル)ペンチル]−4−ピリド−3"−イルメチルピペラジン−2−N
−t−ブチルカルボキサミド;
[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ
キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(1",2",
3",4"−テトラヒドロキノリン−5"−イル)ペンチル]デカヒドロイソキノ
リン−3−N−t−ブチルカルボキサミド;
[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒド
ロキシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2"−メチル
−3"−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t
−ブチルカルボキサミド;
[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒド
ロキシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2"−エチル
−3"−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t
−ブチルカルボキサミド;
または上記の最も好ましい化合物のいずれかの薬学上許容し得る塩である。
式Iの化合物は、以下の反応Iに従って製造することができる。
[式中、R1、XおよびZは、上の式Iで定義された通りである]
反応Iは、アミドの合成に一般的に用いられる標準的結合反応であり、これは
、式IAで示される適当に置換されたアミンを、非プロトン性溶媒または溶媒の
混合物中で、式IBで示される適当に置換されたカルボン酸反応体と反応させる
ことにより実施する。この反応は、促進剤の存在下または不在下、好ましくは促
進剤の存在下で、そして結合試薬の存在下で実施する。この反応のための典型的
な非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミド、また
はこのような溶媒の混合物である。反応は約−30℃から約25℃までの温度で
実施する。アミン反応体は一般に、等モル量ないし僅かに過剰の結合試薬の存在
下に、カルボン酸反応体に対して等モルの比率で使用する。典型的な結合試薬は
、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびN,N'−ジエチルカルボ
ジイミドのようなカルボジイミド類;カルボニルジイミダゾールのようなイミダ
ゾール類;ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(
BOP−Cl)またはN−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒド
ロキノリン(EEDQ)のような試薬を包含する。この反応のための好ましい結
合試薬はDCCである。好ましくはこの反応に促進剤を含めるが、好ましい促進
剤はヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O)である。
反応が完結したならば、当該化合物は、所望により、当分野で知られる方法に
より単離することができ、例えば、該化合物は、結晶化し次いで濾過により集め
、または、反応溶媒を抽出、蒸発またはデカンテーションにより除去することが
できる。化合物は所望により、結晶化またはシリカゲルもしくはアルミナのよう
な固体支持体上のクロマトグラフィーといった一般的技術によってさらに精製す
ることができる。
式IAで示される出発物質は、反応式Aで示される方法に従って製造すること
ができる。
[式中、
R1、およびXは前記と同意義であり;
Rbはアミノ保護基であり;そして、
Gはハロである]
上の反応式Aは、反応1−7を順に実施することにより達成される。反応が完
結したならば、中間体化合物は、所望により、当分野で知られる方法により分離
することができ、例えば、化合物は、結晶化し次いで濾過により集め、または反
応溶媒を抽出、蒸発またはデカンテーションにより除去することができる。中間
体化合物は所望により、結晶化またはシリカゲルもしくはアルミナのような固体
支持体上のクロマトグラフィーといった一般的技術によって、反応式の次工程を
実施する前にさらに精製することができる。
反応A.1は、構造:
を有するアミノ保護カルボン酸反応体を当分野で知られる条件の下で、対応する
混合酸無水物に活性化、即ち変換することにより、実施する。例えば、このアミ
ノ保護カルボン酸反応体は、好ましくは酸捕捉剤の存在下で、クロロ蟻酸C1−
C6アルキル、例えばクロロ蟻酸イソブチルと反応させることができる。好まし
い酸捕捉剤はトリアルキルアミン類、好ましくはトリエチルアミンである。反応
は典型的には酢酸エチルのような非プロトン性溶媒中で実施する。使用される溶
媒が進行中の反応に対して不活性であり、且つ反応体が所望の反応を遂げるに十
分可溶化される限り、溶媒の選択は重要ではない。得られた混合酸無水物反応体
は、好ましくはさらなる単離または精製を行うことなく反応A.2に使用する。
反応A.2は二段階で達成される。まず、エーテル溶媒、好ましくはジエチル
エーテルの相で被覆した水酸化ナトリウムの溶液を、大過剰のN−メチル−N−
ニトロ−N−ニトロソグアニジンと反応させてジアゾメタン反応体を形成させる
。水酸化ナトリウムは好ましくは約4ないし6mol/リットルの水酸化ナトリ
ウムを有する水溶液として使用する。この反応が実質上完結したならば、有機層
を水酸化カリウムのような乾燥剤で乾燥する。次いでこの溶液を、上記反応A.
1からの混合酸無水物と反応させ、対応するα−ジアゾカルボニル化合物を形成
させる。ジアゾメタン反応体は、好ましくは単離または精製することなくこの反
応に使用する。この反応は典型的には約−50℃から約−10℃まで、好ましく
は約−20℃の温度で実施する。
反応A.3においては、反応A.2で製造されたα−ジアゾカルボニル化合物を
、ジエチルエーテルのような非プロトン性溶媒中で、Gがハロである式H−Gで
示される酸と反応させ、α−ハロカルボニル化合物を形成させる。好ましい酸反
応体は、対応するα−クロロカルボニル化合物を提供する塩酸である。この反応
は典型的には約−30℃から約0℃までの温度で実施する。使用される溶媒が進
行中の反応に対して不活性であり、且つ反応体が所望の反応を遂げるに十分可溶
化される限り、溶媒の選択は重要ではない。酸反応体は典型的には、反応が実質
上完結するまで、少量ずつ増加させる無水の気体の形で添加する。反応は薄層ク
ロマトグラフィーにより監視することができる。
反応A.4においては、反応A.3で製造された化合物上のカルボニル部分を、
当分野で既知の標準的条件を用いて還元し、対応するα−クロロヒドロキシ化合
物を形成させる。例えば、反応A.3で製造された化合物を、溶媒混合物中で還
元剤と合する。典型的な還元剤には、水素化硼素ナトリウム、水素化硼素リチウ
ム、水素化硼素亜鉛、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、およびナトリウムビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリドが包含される。好ましい還元
剤は水素化硼素ナトリウムである。典型的な溶媒混合物は、テトラヒドロフラン
/水のようなプロトン性および非プロトン性混合物を包含する。使用される溶媒
が進行中の反応に対して不活性であり、且つ反応体が所望の反応を遂げるに十分
可溶化される限り、溶媒の選択は重要ではない。この反応は典型的には約−10
℃から約10℃まで、好ましくは約0℃の温度で実施する。
反応A.5においては、反応A.4で製造されたα−クロロヒドロキシ化合物を
当分野で既知の標準的条件の下に強塩基で処理して、対応するエポキシドを形成
させる。例えば、α−クロロヒドロキシ化合物はエタノールのようなアルコール
性溶媒中で水酸化カリウム/エタノール混合物と反応させることができる。この
反応は典型的には約0℃から大体溶媒の灌流温度までの温度で実施する。好まし
くはこの反応は室温で実施する。
反応A.6においては、反応A.5で製造されたエポキシドを、アルコール性溶
媒中、約20℃から100℃までの温度でヘテロ環反応体H−Xと反応させる。
使用される溶媒が進行中の反応に対して不活性であり、且つ反応体が所望の反応
を遂げるに十分可溶化される限り、溶媒の選択は重要ではない。この反応のため
の典型的な溶媒は、アルコール類、好ましくはイソプロパノールまたはエタノー
ルを包含する。反応は好ましくは約80℃の温度で実施する。
反応A.7は、上の反応Iで使用される対応するアミンを与える、当分野で既
知の操作および方法を用いる標準的なアミノ脱保護反応である。このアミンは精
製せずに反応させることができるが、好ましくは最初に精製する。
R1が−S−アリールである式IAの化合物は、まず、アミノ保護セリンを非
プロトン性溶媒中、約−80℃から0℃までの温度でトリフェニルホスフィンお
よびジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)と反応させて対応するβ−ラ
クトンを形成させることによって製造する。この反応は典型的にはテトラヒドロ
フランのようなエーテル中、約−80℃から−50℃までの温度で実施する。次
に、このラクトンを構造−S−アリールを有する適当に置換されたチオアニオン
と反応させることにより、ラクトン環を開環して構造:
を有する化合物を得る。このチオアニオン化合物は好ましくは、対応するチオー
ルを強塩基、例えば水素化ナトリウムまたは水素化カリウムと反応させることに
より形成させる。この反応は典型的には非プロトン性溶媒中約0℃から約40℃
までの温度で、そして窒素のような不活性雰囲気下に実施する。この反応のため
の典型的な溶媒はエーテル、好ましくはテトラヒドロフランを包含する。
別法として、R1が−S−アリールである式IAの化合物は、フォタキ、JA
CS、85、1123(1963)、およびN.A.ササキ等、Tetrahedron Le
tters、28巻6069頁(1987)に詳説される方法を用いて製造すること
もできる。例えば、この化合物は、二重に保護されたセリン(カルボキシ保護お
よびアミノ保護)を、塩化メチレンのような非プロトン性溶媒中、ジメチルアミ
ノピリジン(DMAP)およびピリジンのような酸捕捉剤の存在下に、トルエン
スルホニルクロリドと反応させて対応するトルエンスルホナートを形成させ、次
いでこれを、構造−S−アリールを有する適当に置換されたチオアニオンと反応
させることにより、製造することができる。このチオアニオン化合物は、好まし
くは対応するチオールを上記のような強塩基と反応させることにより形成させる
。カルボキシ保護基は、得られる二重に保護されたアリールチオアラニンから、
当分野で既知の条件を用いて除去することができる。
反応A.6で用いられる式H−Xで示されるヘテロ環反応体は、当分野で既知
の操作および方法を用いて製造することができる。例えば、このヘテロ環反応体
は、典型的には、対応するアミノ保護アミノ酸から酸活性化とこれに続くアルキ
ルアミンによる処理によって製造された。この反応は典型的にはN−メチルモル
ホリンのような酸捕捉剤の存在下で実施する。次いで、標準的化学的脱保護技術
を用いたアミノ保護基の除去が所望のヘテロ環反応体を与える。詳細には、以下
の方法:
1)アミノ保護(t−Boc);
2)酸活性化/t−ブチルアミンとの反応;
3)接触水素化;
4)アミノ脱保護、
により、2S−1,2,3,4−テトラヒドロ−3−イソキノリンカルボン酸を
用いて[3S−(3R*,4aR*,8aR*)]−デカヒドロイソキノリン−3
−N−t−ブチルカルボキサミドを製造した。
ピペラジン反応体は、当分野で既知の方法、好ましくは接触水素化を用いて、
適当に置換されたピラジン化合物を対応するピペラジン化合物に変換することに
より製造することができる。例えばこの水素化は、ピラジン反応体を、非プロト
ン性溶媒中約0℃から約60℃までの温度で水素雰囲気下に触媒と合することに
より、達成することができる。好適な触媒は、炭素上パラジウム、白金金属、酸
化白金等を包含する。好ましい触媒は酸化金である。この反応のための典型的な
溶媒は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン
およびジメチルホルムアミドの混合物を包含する。
得られたピペラジン反応体上の窒素原子は、当分野で既知の方法を用いてアル
キル化することができる。例えば、このピペラジン反応体は、ハロ(C1−C4)
アルキル、またはハロメチルピリジン、例えば沃化メチルまたはクロロメチルピ
リジンと反応させることができる。好ましいハロ置換基はクロロ、ブロモおよび
ヨードを包含する。この反応は、相互に不活性な溶媒中、酸捕捉剤の存在下に約
0℃から60℃までの温度で実施する。好ましい酸捕捉剤は炭酸カリウムである
。典型的な溶媒はプロトン性および非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリルお
よび水の混合物を包含する。使用される溶媒が進行中の反応に対して不活性であ
り、且つ反応体が所望の反応を遂げるに十分可溶化される限り、溶媒の選択は重
要ではない。
別法として、アルキル化されたピペラジン反応体を還元的アミノ化を用いて製
造することもできる。例えば、上で製造されたピペラジン反応体を、還元剤およ
び酸の存在下でアルデヒド(例えば3−ピリジンカルボン酸アルデヒド、エタノ
ール、プロパノール)またはケトンと反応させることができる。この反応は典型
的にはメタノール、エタノールまたはイソプロパノールのようなアルコール性溶
媒中で実施する。典型的な還元剤は、水素化硼素ナトリウム、シアン化水素化硼
素リチウム、シアン化水素化硼素ナトリウム等を包含する。好ましい還元剤はシ
アン化水素化硼素ナトリウムである。典型的な酸には、塩酸、硫酸、メタンスル
ホン酸、または酢酸のような任意のプロトン性酸が包含される。好ましい酸は酢
酸である。
反応Iで用いられる、カルボン酸反応体Z−COOHは、市販品で得られない
範囲まで既知の方法を用いて製造することができる。より詳細には、この反応体
は、入手し得る市販のアリールまたはヘテロ環化合物のさらなる置換および/ま
たは酸化によって製造することができる。例えば、式Z−CH3で示されるアリ
ールまたはヘテロ環化合物は、当分野で既知の方法を用いて酸化することができ
る。詳細には、式Z−CH3の化合物は、水またはジフェニルエーテルのような
相互に不活性な溶媒中、約0℃から200℃までの温度で、二酸化セレニウムま
たは過マンガン酸カリウムのような酸化剤と反応させることができる。
式Z−COOHの化合物を製造する第二の方法は、適当に置換されたカルボキ
シル化アリールまたはヘテロ環をカルボキシ保護基で保護し、次いでこのアリー
ルまたはヘテロ環基を当分野で既知の方法を用いてさらに置換することを含む。
次にこのカルボキシ保護基を、当分野で既知の方法を用いて除去し、所望のカル
ボン酸反応体Z−COOHを得ることができる。
本明細書中使用される「カルボキシ保護基」という語は、当該化合物の他の官
能基を反応させる間、そのカルボキシ官能性を遮断または保護するために一般的
に用いられるカルボキシ基の置換基を指す。このようなカルボキシ保護基の例に
は、メチル、p−ニトロベンジル、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル
、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−ト
リメトキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル
、3,4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'−ジメトキシ
ベンズヒドリル、2,2',4,4'−テトラメトキシベンズヒドリル、t−ブチ
ル、t−アミル、トリチル、4−メトキシトリチル、4,4'−ジメトキシ−ト
リチ
ル、4,4',4"−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロプ−2−イル、ト
リメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2−トリク
ロロエチル、β−(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p−トルエンスル
ホニルエチル、4−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1
−(トリメチルシリルメチル)プロプ−1−エン−3−イル等の原子団が包含さ
れる。カルボキシ基を保護する好ましい方法は、そのカルボキシ基をアミド基に
変換し、次いでアミドを元に加水分解して所望のカルボキシ置換基を得ることを
含む。これらの基のさらなる例は、E.ハスラム、「プロテクティヴ・グループ
ス・イン・オーガニック・ケミストリー」、J.G.W.マコーミー編、プレナ
ム・プレス、ニューヨーク、N.Y.、1973、5章、および、T.W.グリ
ーン、「プロテクティヴ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス」、ジ
ョン・ウィレイ・アンド・サンズ、ニューヨーク、N.Y.、1981、5章に
見いだされる。
カルボキシ部分を保護する好ましい方法は、カルボキシ基の酸活性化とこれに
続くアミドの形成を含む。例えば、カルボキシ基は、好ましくは酸捕捉剤の存在
下に、ハロゲン化アシル、アシル無水物、アシルイミダゾール等に変換されて、
活性化されたカルボキシ基を形成することができる。さらなる酸活性化の必要性
を回避する市販の入手し得る酸塩化物が典型的に使用される。好ましい酸捕捉剤
はトリアルキルアミン類、好ましくはトリエチルアミンである。反応は典型的に
は、ジエチルエーテル、塩化メチレンなどのような非プロトン性溶媒中で実施す
る。好ましい溶媒は塩化メチレンである。使用される溶媒が進行中の反応に対し
て不活性であり、且つ反応体が所望の反応を遂げるに十分可溶化される限り、溶
媒の選択は重要ではない。次に、活性化されたカルボキシ基を、非プロトン性溶
媒中で、アミンR11−NH2、例えばアニリンと反応させ、アミド反応体Z−C
(O)NH−R11を得、次いでこれを既知の方法に従ってさらに置換することが
できる。
アミド反応体Z−C(O)NH−R11を、ヘテロ環またはアリール基Zのオル
ト脱プロトン化によりさらに置換して対応するアニオンを得、続いてハロゲン化
アルキルのような様々な試薬または臭素のようなハロゲン化剤と反応させること
ができる。アミド反応体は一般に、所望によりテトラメチルエチレンジアミン(
TMEDA)のような金属配位剤の存在下で、アミド反応体に対して2当量の強
塩基、例えばn−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムを用いて2回脱
プロトン化される。この反応は典型的には非プロトン性溶媒、好ましくはジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のようなエーテル中、約−78℃から約25
℃までの温度で実施する。
得られた化合物を次に、当分野で既知の方法を用いて加水分解し、所望の、置
換されたカルボン酸反応体Z−COOHを得ることができる。例えば、好適な加
水分解は、アミド反応体を、約100℃から約160℃までの温度で、強い鉱酸
、有機酸、または鉱酸/有機混合物に暴露させることを含む。この反応に使用で
きる典型的な酸には、臭化水素酸、酢酸、塩酸等が包含される。反応速度を加速
するため、所望により封管を用いることができる。
置換されたカルボン酸反応体Z−COOHを製造する第三の方法は、アニリン
のジアゾ化とこれに続く得られたジアゾニウム塩のクエンチングを含む。詳細に
は、アニリン反応体のアミノ基を亜硝酸との反応によりジアゾニウム塩に変換す
る。亜硝酸は、亜硝酸ナトリウムを塩酸、または硫酸のような強酸の水溶液で処
理することにより、インサイトゥで生成させることができる。この反応は、典型
的には5℃未満で実施する。次にジアゾニウム塩を、適当な試薬との反応により
クエンチングして所望の置換芳香系を得る。代表的なクエンチング試薬は、水、
シアン化物、ハロゲン化物、水性硫酸等を包含する。典型的には、所望の反応を
容易にするため、この反応を加熱する。
アリールまたはヘテロ環上に所望の置換をもたらすために使用できる、当分野
で知られる様々な反応が存在する。例えば、J.マーチ、「アドヴァンスト・オ
ーガニック・ケミストリー」第3版、ウィレイ、1985、の11および13章
には、様々な芳香族親電子および求核置換反応が概説されている。
加えて、式Z−COOHで示される化合物は、適当に置換されたヘテロ環化合
物のアリールをカルボキシ化することにより製造することができる。このカルボ
キシ化は幾つかの異なった試薬を用いて達成することができる。例えば、アリー
ルまたはヘテロ環試薬は、フリーデル−クラフツ触媒の存在下に、ホスゲン、塩
化オキサリル、塩酸尿素、またはN,N−ジエチルカルバモイルクロリドと反応
させることができる。この方法の変法は、アリールまたはヘテロ環試薬をチオク
ロロ蟻酸アルキル(RSCOCl)、またはカルバモイルクロリド(H2NCO
Cl)と反応させてそれぞれアミドおよびチオールエステルを得ることを含む。
次いでこのアミドおよびチオールエステルを加水分解して所望のカルボキシ基を
得る。マーチ、491。
フリーデル−クラフツ触媒の例は、臭化アルミニウム(AlBr3)、塩化ア
ルミニウム(AlCl3)、塩化鉄(III)(FeCl3)、三塩化硼素(BCl3)、
三弗化硼素(BF3)等のようなルイス酸を包含する。J.マーチ、「アドヴァ
ンスト・オーガニック・ケミストリー」第3版、ウィレイ、1985;オラー、
「フリーデル−クラフツおよび関連反応」、インターサイエンス、ニューヨーク
、1963−1965;およびオラー、「フリーデル−クラフツ化学」、ウィレ
イ、ニューヨーク、1973、をも参照されたい。
さらに、キノリンカルボン酸反応体は、適当に置換されたアニリンを、L.ブ
ラッドフォード等、J.Chem.Soc.、1947、437頁に開示されるスクラウプ
反応を用いてグリセロールと反応させることによって製造することができる。例
えば、3−アミノ安息香酸を60−75%硫酸水溶液中、m−ニトロベンゼンス
ルホン酸またはm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムのような酸化剤の存在
下にグリセロールと反応させて、所望のカルボキシ置換キノリンを得ることがで
きる。この反応は、典型的には約35℃から灌流温度までの温度で1ないし6時
間、好ましくは約50℃ないし灌流温度で2ないし4時間実施する。
次に、得られた反応体を、当分野で既知の方法を用いて還元または水素化する
ことができる。例えば、マーチ、700、を参照されたい。好ましい方法は、例
えばキノリンカルボン酸反応体を触媒の存在下で気体水素と合することによる、
接触水素化を含む。好ましい触媒は炭素上パラジウムである。この反応における
使用に好適な典型的な溶媒は、酢酸エチルのような任意の有機溶媒を包含する。
用いられる溶媒が進行中の反応に対して不活性である限り、溶媒の選択は重要で
はない。反応は一般に、約25℃から約100℃までの温度範囲で行う時、約1
ないし24時間後に実質上完結する。
上に記載されるように、全ての非対称形、個々の異性体およびそれらの組み合
わせはこの発明の一部と考えられる。このような異性体は、上記の方法、ラセミ
混合物の分割、またはジアステレオマーの分離によってそれぞれの前駆体から製
造することができる。分割は、分離剤の存在下に、クロマトグラフィーまたは反
復結晶化または当分野で知られるこれらの技術の組み合わせによって実施するこ
とができる。分割に関するさらなる詳細は、ジャック等、エナンチオマーズ、ラ
セメイツ、アンド・レゾルーションズ、ジョン・ウィレイ・アンド・サンズ、1
981、に見いだすことができる。
本発明に係る化合物の合成の際、最初の出発物質として使用される化合物は既
知であり、当業者により一般的に使用される標準法によって、市販品で入手でき
ない範囲まで容易に合成される。
本発明に係る薬学上許容し得る塩は、典型的には、式Iの化合物を、等モルま
たは過剰量の酸または塩基と反応させることによって形成される。反応体は一般
に、酸付加塩のためにはジエチルエーテルまたはベンゼン、または塩基付加塩の
ためには水またはアルコールといった相互溶媒中で合する。塩は通常約1時間な
いし約10日間以内に溶液から沈澱し、濾過またはその他の常法により分離する
ことができる。
以下の製造例および実施例は本発明の個々の態様をさらに例示するものである
。しかしながら、これらの例は例示目的のためにのみ記載するものであり、いか
なる点においても本発明の範囲を限定する意図はなく、またそのように解しては
ならないことが理解されるべきである。
以下の製造例および実施例において、融点、核磁気共鳴スペクトル、電子衝撃
質量スペクトル、電解脱離質量スペクトル、高速原子衝撃質量スペクトル、赤外
スペクトル、紫外スペクトル、元素分析、高速液体クロマトグラフィー、および
薄層クロマトグラフィーという語はそれぞれ、「m.p.」、「NMR」、「E
IMS」、「MS(FD)」、「MS(FAB)」、「IR」、「UV」、「分
析」、「HPLC」、および「TLC」と略記する。また、IRスペクトルにつ
いて列挙された吸収極大は興味深いもののみであって、観察された極大の全てで
はない。
NMRスペクトルに関連して以下の略語を使用する:「s」は一重線、「d」
は二重線、「dd」は二重線の二重線、「t」は三重線、「q」は四重線、「m
」は多重糾、「dm」は多重線の二重線、そして「br.s」、「br.d」、
「br.t」、および「br.m」はそれぞれ広幅な一重線、二重線、三重線、
および多重線である。[J」は結合定数をヘルツ(Hz)で示すものである。別
途記載の無い限り、NMRデータは対象化合物の遊離塩基を指す。
NMRスペクトルは、ブリュッカー・Corp.270MHz装置またはジェ
ネラル・エレクトリックQE−300 300MHz装置で得られた。化学シフ
トはデルタ(δ)値(テトラメチルシランからの百万分率ダウンフィールド)で
表現する。MS(FD)スペクトルは、カーボンデンドライト放出体を用いるヴ
ァリアン−MAT731分光計で取得した。EIMSスペクトルは、コンソリデ
イティド・エレクトロダイナミクス・コーポレーションのCEC21−110装
置で取得した。MS(FAB)スペクトルはVG ZAB−3分光計で取得した
。IRスペクトルはパーキン−エルマー281装置で取得した。UVスペクトル
はキャリー118装置で取得した。TLCはE.メルクのシリカゲルプレート上
で実施した。融点は補正されていない。
製造例1 A.[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[3'−N−( ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2'−ヒドロキシ−4'−フェニル]ブチル デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
無水エタノール中の[1'S−(1'R*,1R*)]−1−[1'−N−(ベン
ジルオキシカルボニル)アミノ−2'−(フェニル)エチル]オキシランおよび
[3S−(3R*,4aR*,8aR*)]−デカヒドロイソキノリン−3−N−t
−ブチルカルボキシアミドの溶液を80℃に一晩加熱した。反応混合物を減圧下
で濃縮乾燥して残留物を得た。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(塩
化メチレン中の10〜50%酢酸エチルのグラジェント溶出液)を用いて精製し
、灰白色の泡状物6.47gを得た。
収率:75%
B.[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[3'−アミノ −2'−ピドロキシ−4'−フェニル]ブチルデカヒドロイソキノリン−3−N− t−ブチルカルボキシアミド
無水エタノール200mL中の製造例1Aの標題の化合物6.37g(11.
91mmol)と炭素上担持の10%パラジウム1.2gの懸濁液を急速に撹拌し、
水素雰囲気下に置いた。約48時間後、反応混合物をセライトで濾過し、減圧下
で濃縮乾燥し、所望の標題の化合物5.09gを得た。この化合物はそれ以上精
製せずに使用した。
製造例2 A.2R−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−3−ナフト−2−イルチオ プロパン酸
テトラヒドロフラン30mL中のナフタレン−2−チオール1.28g(8.
00mmol)の溶液に60%水素化ナトリウム1.77g(8.16mmol)を窒素
下でゆっくりと加えた。約15分間撹拌した後、テトラヒドロフラン20mL中
のN(ベンジルオキシカルボニル)セリン−β−ラクトンの溶液をゆっくりと加
えた。反応混合物を室温で約1時間反応させた後、減圧濃縮して残留物を得た。
この残留物を酢酸エチルに溶解し、0.5N重硫酸ナトリウムおよび飽和ブライ
ン溶液で順次に洗浄した。生じた層を分離し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥
し、濾過した後、減圧濃縮して残留物を得た。この残留物をフラッシュクロマト
グラフィーを用いて精製し、淡黄色の固体2.08gを得た。
収率:68%
元素分析(C20H19NO4S):
計算値:C,66.12;H,5.02;N,3.67;
実測値:C,66.22;H,5.04;N,3.86B.3R−1−ジアゾ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)ア ミノ−4−(ナフト−2−イルチオ)ブタン
酢酸エチル230mL中の製造例2Aの標題化合物15.38g(40.3mmol
)の冷却溶液(−30℃)にトリエチルアミン5.62mL(40.3mmol)を
、窒素下でシリンジによりゆっくりと加えた。次いで、得られた溶液にイソブチ
ルクロロホルメート7.84mL(60.5mmol)をシリンジにより加えた。セ
パレートフラスコ中でN(メチル)−N(ニトロ)−N(ニトロソ)グアニジン
10gをジエチルエーテル170mLと5N 水酸化ナトリウム170mLの2層
混合物に注意しながら加えると大量のガスが発生した。この反応が実質的に完結
したら、水層から有機相を水酸化カリウム上に傾斜し、乾燥した。このジアゾメ
タン形成および添加を同量のジエチルエーテルと水酸化ナトリウムおよびN(メ
チル)−N(ニトロ)−N(ニトロソ)グアニジン30gを用いて繰り返した。
次いで、得られたジアゾメタン反応物を上記で製造した混合無水物に加え、反応
混合物を低温(−30℃)で約20分間反応させた。TLCに示されるが如く反
応が実質的に完結したら、パスツールピペットを用いて溶液に窒素を通じて過剰
のジアゾメタンを除き、溶液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をフ
ラッシュクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン中の10%酢酸エチル)を
用いて精製し黄色の油状物13.62gを得た。
収率:83%
C.3R−1−クロロ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)ア ミノ−4−(ナフト−2−イルチオ)ブタン
無水塩化水素(気体)をジエチルエーテル230mL中の製造例2Bの標題化合
物13.62g(33.59mmol)の冷却溶液(−20℃)中に短時間(約2秒
間)通気し、気体を発生させた。この操作を塩酸を過剰に加えないように注意し
ながら繰り返した。TLCにより示されるが如く、反応が実質的に完結したら、
溶液を減圧濃縮して残留物を得た。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー
(溶出液:塩化メチレン中の10%酢酸エチル)を用いて、淡黄褐色の固体12
.05gを得た。
収率:87%
元素分析(C22H20NO3SCl):
計算値:C,63.84;H,4.87;N,3.38;
実測値:C,64.12;H,4.95;N,3.54D.[3R−(3R*,4S*)]−1−クロロ−2−ヒドロキシ−3−N−(ベ ンジルオキシカルボニル)アミノ−4−(ナフト−2−イルチオ)ブタン
テトラヒドロフラン10mLおよび水1mL中の製造例2Cの標題化合物530m
g(1.28mmol)の冷却溶液(0℃)にホウ水素化ナトリウム73mg(1.9
2mmol)を加えた。TLCにより示されるが如く、反応が実質的に完結したら、
飽和塩化アンモニウム水溶液10mLおよび5N塩酸溶液500μLを用いて溶液
をpH3に調整した。得られた溶液を塩化メチレンで2回抽出し、有機層を集め
、水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮して残留物を
得た。この残留物をラジアルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン)を用
いて精製し、黄褐色の固体212mgを得た。
収率:40%
元素分析(C22H22NO3ClS):
計算値:C,63.53;H,5.33;N,3.37;
実測値:C,63.72;H,5.60;N,3.64E.[1'R−(1'R*,1S*)]−1−[(1'−N−(ベンジルオキシカル ボニル)アミノ−2'−(ナフト−2−イルチオ)エチル]オキシラン
エタノール1mL中の水酸化カリウム31mg(0.55mmol)の溶液を1:2
エタノール/酢酸エチル溶液6mL中の製造例2Dの標題化合物190mg(0.
46mmol)の溶液に加えた。TLCにより示されるが如く、反応が実質的に完結
したら、反応混合物を水/塩化メチレン混合物中へ注いだ。生じた層を分離し、
有機層を水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥して濾過した後、減圧下で濃縮して残
留物を得た。この残留物をラジアルクロマトグラフィー(溶出液:塩化メチレン
中の10%酢酸エチル)を用いて精製し、淡黄褐色の固体172mgを得た。
収率:99%
元素分析(C22H21NO3S):
計算値:C,69.63;H,5.58;N,3.69;
実測値:C,69.41;H,5.53;N,3.64F.[2S−(2R*,2'R*,3'S*)]−1−[(2'−ヒドロキシ−3'− (N−ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4'−(ナフト−2−イルチオ)ブ チル]ピペリジン−2−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
イソプロパノール25mL中の製造例2Eの標題化合物0.51g(1.34m
mol)および製造例4Cの標題化合物0.26g(1.41mmol)の溶液を55
℃に約48時間加熱した。得られた反応混合物を冷却した後、減圧下で濃縮し粗
製物を得た。この粗製物をラジアルクロマトグラフィー(4mmプレート:溶出液
:塩化メチレン中の10%アセトン)を用いて精製し、白色泡状物104mgを
得た。
収率:14%
G.[2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[(2'−ヒドロキシ−3'− アミノ−4'−(ナフト−2−イルチオ)ブチル]ピペリジン−2−N−(t− ブチル)カルボキシアミド
酢酸中の30%臭化水素酸10mL中の製造例2Fの標題化合物1.05g(
0.18mmol)を含む溶液を約1時間反応させた。得られた反応混合物を濃縮し
、トルエンと3回共沸させ、ジエチルアミンおよび水酸化アンモニウムをそれぞ
れ4.5mL含むメタノール中に再溶解した後、減圧下で濃縮して残留物を得た
。この残留物をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:1%酢酸
を含む塩化メチレン中の3%メタノール)を用いて精製し、白色泡状物64mg
を得た。
収率:80%
製造例3 A.2S−N−(ベンジルオキシカルボニル)−2−ピロリジンカルボキシレー トペンタフルオロフェニルエステル
テトラヒドロフラン450mL中の2S−N(ベンジルオキシカルボニル)−
2−ピロリジンカルボン酸30g(0.12mol)およびペンタフルオロフェノ
ール25.8g(0.14mol)の冷却溶液(0℃)に1−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)27.7g(0.14mol)
を一度に加え、次いで塩化メチレン150mLを加えた。得られた反応混合物を
室温に温め、約4時間反応させた。TLCにより示されるが如く、反応が実質的
に完結したら、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物を酢酸
エチル500mL中に溶解し、水、炭酸カリウム、1N 塩酸およびブラインで順
次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後減圧下で濃縮乾燥して固体
を得た。この固体をヘキサンに再溶解して、炭酸カリウムで洗浄し、硫酸ナトリ
ウム上で乾燥して濾過し、減圧下で濃縮乾燥して所望の標題の化合物45.95
gを得た。
収率:92%
B.2S−N−(ベンジルオキシカルボニル)ピロリジン−2−N(t−ブチル )カルボキシアミド
無水塩化メチレン100mL中の製造例3Aの標題化合物45.90g(0.
111mmol)の冷却溶液(0℃)にt−ブチルアミン100mL(0.952mmo
l)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温に温め、約1時間反応させた後、塩
化メチレン1000mLで希釈し、次いで1N 炭酸カリウム、1N 塩酸、1N
た後カリウムおよびブラインで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した後、
ヘキサン中の50%酢酸エチルを用いてプラグ濾過して所望の化合物37.74
gを得、これをさらに精製することなく使用した。
C.2S−ピロリジン−2−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
製造例3Bの標題化合物(2.71g,8.9mmol)をエタノール200mL
中の炭素上担持の10%パラジウム500mgおよび水素ガス(1気圧)を用い
て脱保護した。
収率:1.53g(100%)
D.[2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[3'−N(ベンジルオキシカ ルボニル)アミノ−2'−ヒドロキシ−4'−フェニルブチル]ピロリジン−2− N−(t−ブチル)カルボキシアミド
メタノール10mL中に製造例3Cの標題化合物122mg(0.72mmol)お
よび[1S−(1R*,1'R*)]−1−[(1'−N−(ベンジルオキシカルボ
ニル)アミノ−2'−フェニル)エチル]オキシラン200mg(0.68mmol)
を含む溶液を一晩撹拌した。TLCにより示されるが如く、反応が実質的に完結
したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。所望の化合物をカラムクロマトグラフ
ィー(グラジェント溶出液:塩化メチレン中の2〜4%メタノール)を用いて精
製し、透明の非晶質の固体232.2mgを得た。
収率:55%
E.[2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[3'−アミノ−2'−ヒドロ キシ−4'−フェニルブチル]ピロリジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミ ド
製造例3Dの標題化合物(222mg,0.47mmol)をエタノール15mL
中の10%の炭素上パラジウム67mgおよび水素ガス(1気圧)を用いて実質
的に製造例1Bに詳述の如く脱保護した。所望の化合物をカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液:0.75%水酸化アンモニウムを含む塩化メチレン中の10%イ
ソプロパノール)用いて精製し、灰白色の固体80mgを得た。
収率:51%
製造例4
A.2S−N−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボン酸
水15mL中の炭酸ナトリウム1.64gの溶液をジオキサン50mL中の2S
−ピペリジンカルボン酸2.0g(15.5mol)の冷却溶液(0℃)に加えた。約1
0分後、ジ−t−ブチルジカーボネート3.7g(17.0mol)をこの混合物に加
えた。得られた反応混合物を約6時間反応させ、始めの体積の4分の1に濃縮し
た後、1M 硫酸水素ナトリウムおよび酢酸エチルを用いてpH2に酸性化した。
生じた層を分離し、有機層を飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、濾過した後、減圧下で濃縮乾燥して白色の結晶性の固体2.67gを得た
。
収率:75%
元素分析(C27H37N3O4):
計算値:C,57.63;H,8.35;N,6.11;
実測値:C,57.90;H,8.35;N,6.19B.2S−N−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−2−カルボキシレート ペンタフルオロフェニルエステル
テトラヒドロフラン50mL中の製造例4Aの標題化合物2.53g(11.
03mol)およびペンタフェニル安息香酸2.34g(12.7mol)の冷却溶液
(0℃)にEDC2.42g(12.7mol)を加えた。得られた反応混合物を
室温に温め、約2時間反応させた。次いで、この混合物を減圧下で濃縮して固体
を得た。この固体を塩化メチレンに再溶解し、炭酸カリウムおよびブラインで順
次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮乾燥して静
置により固化する透明の油状物3.85gを得た。
収率:88%
C.2S−N−(t−ブトキシカルボニル)ピペリジン−2−N−t−ブチルカ ルボキシアミド
塩化メチレン200mL中の製造例4Bの標題化合物3.8g(9.6mmol)
の冷却溶液(0℃)にt−ブチルアミン2.53mL(24.0mmol)をゆっく
りと加えた。反応混合物を約4時間反応させた後、減圧下で濃縮して残留物を得
た。この残留物を塩化メチレン中に再溶解した後、1M 炭酸カリウムおよびブ
ラインで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後、カラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン中の10〜20%酢酸エチルのグラジェント溶出液)を
使用して精製し、白色固体2.52gを得た。
収率:92%
元素分析(C15H28N2O3):
計算値:C,63.35;H,9.92:N,9.85;
実測値:C,63.10;H,9.66;N,9.92
D.2S−ピペリジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミド
塩化メチレン25mL中の製造例4Cの標題化合物1.0g(3.5mol)およ
びトリフルオロ酢酸3.5mLを含む溶液を室温で約2時間撹拌した。この反応
混合物を濃縮し、トルエンと1回共沸させた。次いで、得られた反応混合物を塩
化メチレンと重炭酸ナトリウムの間に分配した。生じた層を分離し、有機層を硫
酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固して標題の化合物641m
gを得た。
収率:99%
E.[2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−N−[3'−(N−ベンジルオキシ カルボニル)アミノ−2'−ヒドロキシ−4'−フェニル]ブチル ピペリジン− 2−N−t−ブチルカルボキシアミド
イソブロパノール10mL中に製造例4Dの標題化合物195mg(1.06mm
ol)および[1S−(1R*,1'R*)]−1−[(1'−N(ベジルオキシカル
ボニル)アミノ−2'−フェニル)エチル]オキシラン300mg(1.01mmol
)を含む溶液を55℃に約48時間撹拌した。TLCにより示されるが如く、反
応が実質的に完結したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。所望の化合物をカラ
ムクロマトグラフィー(塩化メチレン中の1〜5%イソプロパノールのグラジェ
ント溶出液)を用いて精製した。
収量:395mg(81%)
F.[2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−N−[3'−アミノ−2'−ヒドロ キシ−4'−フェニル]ブチルピペリジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミ ド
製造例4Eの標題化合物(371mg,0.77mmol)をエタノール20mL中
の10%の炭素上パラジウム110mgおよび水素ガスを用いて実質的に製造例
1Bに詳述の如く脱保護して白色の泡状物260mgを得た。
収率:97%
製造例5
A.ピラジン−2−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
テトラヒドロフラン600mLおよびジメチルホルムアミド100mL中のピラ
ジン−2−カルボン酸50g(0.403mol)のスラリーにカルボニルジイミ
ダゾール65.9g(0.407mol)を加えた。得られた反応混合物を50℃
にて気体の発生が起こるまで反応させた。反応混合物を冷却した後、t−ブチル
アミン73.5g(1.00mol)をゆっくりと加えた。反応混合物を約30分
間反応させ、減圧下で濃縮し、塩化メチレン500mL中に再溶解した後、水、
塩酸(pH2)、飽和重炭酸ナトリウム、水、1M 水酸化カリウム、およびブラ
インで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して白色固体68.5g
を得た。
収率:95%
B.(+/−)−ピペラジン−2−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
エタノール186mL中の製造例5Aの標題化合物68.5g(0.382mol
)、酸化白金70g(0.308mol)の混合物を水素雰囲気下(60psi)
で40℃にて一晩加熱した。得られた粗製物を濾過し、濾液を濃縮して白色固体
65gを得た。
収率:95%
C.(+/−)−4−(ピリド−3'−イルメチル)ピペラジン−2−N−(t −ブチル)カルボキシアミド
水とアセトニトリルの1:1の混合物160mL中の製造例5Bの標題化合物
5.0g(0.027mol)の溶液に炭酸カリウム18.65g(0.135mol
)を加えた。得られた反応混合物を3−クロロメチルピリジン塩酸塩4.43g
(0.027mol)の添加の間激しく撹拌し、一晩反応させた。得られた反応混
合物を減圧下で濃縮し、クロロホルム中の20%イルプロパノール溶液中でスラ
リーとし、水およびブラインで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過
した後、濃縮して残留物を得た。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(
溶出液:1%水酸化アンモニウムを含む塩化メチレン中の5%メタノール)を使
用して精製し、透明の黄色の油状物1.34gを得た。
収率:18%
D.[2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−( N−ベンジルオキシカルボニル)アミノ−4'−フェニルブチル]−4−(ピリ ド−3''−イルメチル)ピペラジン−2−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
イソプロパノール12mL中に[1S−(1R*,1'R*)]−1−[(1'−
N−ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2'−フェニル)エチル]オキシラン
0.377g(1.27mmol)および製造例5Cの標題化合物0.350g(1.
27mmol)を含む溶液を45℃で約48時間反応させた。反応混合物を冷却した
後、減圧下で濃縮して粗製物を得た。この物質をラジアルクロマトグラフィー(
6mmプレート;塩化メチレン中の5〜10%イソプロパノールのグラジェント溶
出液)を用いて精製し、異性体A 120mgおよび異性体B 68mgを得た。
収率:全体で26%
異性体A:
E.[2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−ア ミノ−4'−フェニル]ブチル−4−(ピリド−3''−イルメチル)ピペラジン −2−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
製造例5D(異性体A)の標題化合物0.062g(0.11mmol)を含む溶
液を酢酸中の30%臭化水素酸の溶液1.5mL中で約90分間撹拌した。得ら
れた混合物を濃縮してトルエンと3回共沸させ、ジエチルアミンおよび水酸化ア
ンモニウムを各1mLずつ含むメタノール中に再溶解し、減圧下で濃縮して残留
物を得た。この残留物をラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;1%水酸
化アンモニウムを含む塩化メチレン中の15〜25%メタノールのグラジェント
溶出液)を用いて精製し、白色固体13mgを得た。
収率:28%
製造例6 A.[2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[3'−N−ベンジルオキシカ ルボニル)アミノ−2'−ヒドロキシ−4'−フェニルチオブチル]−4−[ピリ ド−3''−イルメチル]ピペラジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミド[異 性体B]
イソブロパノール15mL中の[1S−(1R*,1'S*)]−1−[1'−N
−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2'−(フェニルチオ)エチル]オキ
シラン596mg(1.81mmol)および製造例5Cの標題化合物500mg(1
81mmol)の溶液を43℃に約48時間加熱した。反応をTLC(1%水酸化ア
ンモニウムを含む塩化メチレン中の10%イソプロパノール;異性体A Rf=0
.7;異性体B Rf=0.6)を用いて監視した。反応が実質的に完結したら、
反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をラジアルクロマトグ
ラフィー(6mmプレート;1%水酸化アンモニウムを含む塩化メチレン中の5〜
15%イソプロパノールのグラジェント溶出液)を用いて精製して淡黄褐色の泡
状物として異性体A 200mgを得、灰白色の泡状物(異性体B)119mgを
得た。
異性体A:
収率:18%
元素分析(C33H43N5O4S):
計算値:C,65.42;H,7.15;N,11.56
実測値:C,65.38;H,7.27;N,11.36
異性体B:
収率:11%
高分解能質量分析(FAB)(C33H44N5O4S):
計算値: 606.3114;
実測値: 606.3141B.[2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−ア ミノ−4'−フェニルチオブチル]−4−[ピリド−3''−イルメチル]ピペラ ジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミド
酢酸中の30%臭化水素酸5mL中の製造例6Aから得た異性体B110mg(
0.18mmol)の溶液を室温で約1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し
て残留物を得た。この残留物を水酸化アンモニウム4mLに再溶解した。得られ
た溶液をクロロホルム中の10%イソプロパノール溶液10mLで4回抽出した
。集めた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して減圧下で濃縮して残留物
を得た。この残留物をラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;1%水酸化
アンモニウムを含む塩化メチレン中の10〜30%メタノールのグラジェント溶
出液)を用いて精製して淡黄色の泡状物65mgを得た。
収率:72%
製造例7 A.[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[3'−N −(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2'−ヒドロキシ−4'−(ナフト−2 −イルチオ)]ブチルデカヒドロイソキノリン−3−N−(t−ブチル)カルボ キシアミド
エタノール5mL中に製造例5Eの標題の中間体165mg(0.40mmol)お
よび3−(1−N(t−ブチル)アミノ−1−オキシメチル)オクタヒドロ−(
2H)−イソキノリン94mg(0.43mmol)を含む溶液を調製した。得られ
た反応混合物を80℃に約19時間反応させた。次いでこの溶液を室温に冷却し
、減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をラジアルクロマトグラフィー(
溶出液:塩化メチレン中の10%酢酸エチル)を用いて精製して灰白色の泡状物
103mgを得た。
収率:42%
元素分析(C35H47N3O4S):
計算値:C,69.98;H,7.67;N,6.80;
実測値:C,69.86;H,7.78;N,6.58B.[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[3'−ア ミノ−2'−ヒドロキシ−4'−(ナフト−2−イルチオ)]ブチルデカヒドロイ ソキノリン−3−N−(t−ブチル)カルボキシアミド
酢酸中の38%臭化水素酸水溶液1mLおよび製造例7Aの標題の中間体50
mg(0.081mmol)を含む溶液を調製した。得られた反応混合物を室温で約
1時間反応させた後、減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物をトルエンで
スラリーとした後、減圧下で濃縮して所望の標題の中間体61mgを得た。この
化合物は精製することなく粗製のまま実施例9で使用した。
製造例8 A.2R−2−N(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−3−フェニルチオプロ パン酸
所望の標題の化合物は、テトラヒドロフラン450mL中のチオフェノール1
3.1mL(127mmol)、60%水素化ナトリウム溶液4.6g(117mmol)
およびL−N(ベンジルオキシカルボニル)セリンβ−ラクトン25.6g(1
16mmol)を使用し、実質的に製造例2Aに詳述の手順に従って製造して残留物
を得た。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(4:1塩化メチレン/酢
酸エチル混合物中の0〜2%酢酸のグラジェント溶出液)を用いて精製し白色の
固体27.9gを得た。
収率:72%
元素分析(C17H17NO4S):
計算値:C,61.61;H,5.17;N,4.23
実測値:C,61.69;H,5.22;N,4.47B.3S−1−ジアゾ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)ア ミノ−4−フェニルチオブタン
所望の標題化合物は、製造例8Aの標題化合物12.1g(37mmol)、トリ
エチルアミン5.09mL(37mmol)、イソブチルクロロホルメート7.13
mL(55mmol)ジアゾメタン溶液146mmolを用い、実質的に製造例2Bに詳
述の手順に従って製造して残留物を得た。ジアゾメタン溶液はジエチルエーテル
100mL、5N 水酸化ナトリウム溶液150mLおよびN(メチル)−N(ニ
トロ)−N(ニトロソ)−グアニジン21g(146mmol)を用いて製造例2B
に記載の如く製造した。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチ
レン中の0〜5%酢酸エチルのグラジェント溶出液)を用いて精製し、黄色の油
状物を得た。
収率:73%
C.3R−1−クロロ−2−オキソ−3−N−(ベンジルオキシカルボニル)ア ミノ−4−フェニルチオブタン
所望の標題化合物は、ジエチルエーテル400mL中の製造例8Bの標題化合
物22.3g(63mmol)および少量の塩酸(気体)を用い、実質的に製造例2
Cに詳述の手順に従って製造し、白色の固体21gを得た。この固体はこれ以上
精製することなく使用した。
元素分析(C18H18NO3SCl):
計算値:C,59.42;H,4.99;N,3.85;
実測値:C,59.57;H,5.09;N,4.13D.[2S−(2R*,3S*)]−1−クロロ−2−ヒドロキシ−3−N−(ベ ンジルオキシカルボニル)アミノ−4−フェニルチオブタン
所望の標題の化合物は、テトラヒドロフラン300mL中の製造例8Cの標題
化合物21g(58mmol)、ホウ水素化ナトリウム2.4g(63mmol)を用い
、実質的に製造例2Dに詳述の手順に従って製造し、残留物を得た。この残留物
をフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン中の0〜2%メタノールのグラ
ジェント溶出液)の後、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の0〜
2%酢酸エチルのグラジェント溶出液)を用いて精製し、次いで−78℃にて塩
化メチレンから再結晶して標題の化合物8.3gを得た。
収率:39%
元素分析(C18H20NO3SCl):
計算値:C,59.09;H,5.51;N,3.83
実測値:C,59.03;H,5.50;N,3.96E.[1'R−(1'R*,1S*)]−1−[(1'−N−(ベンジルオキシカル ボニル)アミノ−2'−フェニルチオ)エチルオキシラン
エタノール400mL中の製造例8Dの標題化合物8.3g(23mmol)、水
酸化カリウム1.4g(25mmol)を用い、実質的に製造例2Eに詳述の手順に
従って製造し、残留物を得た。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(塩
化メチレン中の0〜2%酢酸エチルのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白
色の固体6.4gを得た。
収率:85%
元素分析(C32H45N3O4S):
計算値:C,65.63;H,5.81;N,4.25;
実測値:C,65.48;H,5.82;N,4.29F.[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[3'−N −(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−2'−ヒドロキシ−4'−(フェニル) チオ]ブチルデカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
所望の標題の化合物は、エタノール300mL中に製造例8Eの標題化合物6
.3g(19mmol)、[3S−(3R*,4aR*,8aR*)]デカヒドロイソ
キノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド5g(21mmol)を用い、実質
的に製造例2Fに詳述の手順に従って製造し、残留物を得た。この残留物をフラ
ッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン中の0〜20%酢酸エチルのグラジェ
ント溶出液)を用いて精製し、白色の固体4.3gを得た。
収率:40%
元素分析(C32H45N3O4S):
計算値:C,67.69;H,7.99;N,7.40
実測値:C,67.64;H,8.20;N,7.45G.[3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[3'−ア ミノ−2'−ヒドロキシ−4'−(フェニル)チオ]ブチルデカヒドロイソキノリ ン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
酢酸溶液中の30%臭化水素酸40mLおよび製造例8Fの標題化合物1g(
1.8mmol)を用い、粗製物をメタノール30mL中に溶解すること以外は実質
的に製造例2Gに詳述の手順に従って製造した。得られた溶液にジエチルアミン
2mLおよび濃水酸化アンモニウム2mLを加え、この混合物を減圧下で濃縮して
残留物を得た。この残留物を水および酢酸エチルに再溶解した。生じた層を分離
して有機層を重炭酸ナトリウム水溶液およびブラインで順次に洗浄し、硫酸ナト
リウム上で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮乾燥して残留物を得た。この残留
物をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の0〜10%メタノールの
グラジェント溶出液(クロロホルム1000mLに水酸化アンモニウム3滴を含
む))を用いて精製し、白色の泡状物0.54gを得た。
収率:71%
製造例9
A.3−メトキシ−N−フェニルベンズアミド
トリエチルアミン30.7mL中のアニリン13.4mL(147mmol)の溶液
を塩化メチレン中に3−メトキシベンゾイルクロリド25.1g(147mmol)
を含む溶液にゆっくりと加えた。得られた反応混合物を約30分間反応させた後
、1N 重炭酸ナトリウムで希釈した。生じた層を分離し、有機層を水、1M 水
酸化ナトリウムおよびブラインで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾
過した後、減圧下で濃縮乾燥して灰白色の固体31.6gを得た。
収率:95%
B.3−メトキシ−2−メチル−N−フェニルベンズアミド
無水テトラヒドロフラン70mL中の製造例9Aの標題化合物4.54g(2
0mmol)およびTMEDA5.11g(44mmol)の冷却溶液(−70℃)にヘ
キサン中のn−ブチルリチウムの1.56M 溶液26.9mLを加えた。得られ
た反応混合物を−15℃に温め、約45分間撹拌して黄色のスラリーを得た。次
いでこのスラリーを−70℃に再冷却し、ヨウ化メチル2.89g(20mmol)
を加えて白色の沈殿を形成させた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、飽和塩
化アンモニウムでクエンチしてジエチルエーテルで希釈した。生じた層を分離し
、有機相を飽和塩化アンモニウム、水、飽和重炭酸ナトリウムおよびブライン溶
液で順次に洗浄した。次いで有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して
白色固体を得、これを2:1酢酸エチル/ヘキサン溶液からの再結晶により精製
して針状結晶4.00gを得た。
収率:99%
元素分析(C15H15NO2):
計算値:C,74.67;H,6.27;N,5.80;
実測値:C,74.65;H,6.29;N,5.82
C.3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸
酢酸中の製造例9Bの標題化合物1.21g(5.00mmol)および5N 塩
酸35mLおよび臭化水素酸の30%溶液20mLを還流温度に24時間加熱した
。冷却した後、反応混合物を酢酸エチル100mLおよび水100mLで希釈した
。生じた層を分離し、有機層を水で1回洗浄した後、0.5N 水酸化ナトリウ
ムを用いてpH11に塩基性化した。生じた層を分離し、水層を5N 塩酸を用い
てpH1に再び酸性化した。次いで所望の化合物を酢酸エチルを用いてこの水層
から抽出した。次いで、酢酸エチル抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥し、濾過した後、濃縮して残留物を得た後、ヘキサンから2回濃縮して白
色の固体750mgを得た。
収率:98%
元素分析(C8H8O3):
計算値:C,63.15;H,5.30
実測値:C,63.18;H,5.21
別法として、所望の標題の化合物は、硝酸ナトリウム22.6g(0.33mo
l)を水400mL中の3−アミノ−2−メチル安息香酸45g(0.30mol)
および濃硫酸106g(58mL,1.08mol)の冷却溶液(−10℃)に少量
ずつ、温度を7℃以下に維持しながら加えることにより製造した。得られた反応
混合物を−10℃で約30分間撹拌し、水1.2L中の濃硫酸240mLの溶液
に注ぎ、80℃にゆっくりと加熱した(40〜60℃の温度で大量の気体の発生
が起こる)。気体の発生が止まったら、反応混合物を室温に冷却し、標題の化合
物を酢酸エチル(600mL)で5回抽出した。集めた有機相を飽和炭酸ナトリ
ウム水溶液500mLと混合した。生じた層を分離し、水層を濃塩酸を用いてpH
2に酸性化した。次いで、標題の化合物を酢酸エチル(500mL)を用いて抽
出し、集めた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した
後、減圧下で濃縮して粗製物を得た。この粗製物を酢酸エチル/クロロホルム混
合物からの2回の再結晶により精製して淡橙色の粉末23.2gを得た。
収率:52%
製造例10
A.2−エチル−3−メトキシ−N−フェニルベンズアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン50mL中の1.56M n−ブチル
リチウム13.5mL(21mmol)、製造例9Aの標題化合物2.27g(10
.0mmol)、TMEDA2.56g(22.0mmol)およびヨウ化エチル1.5
6g(10.0mmol)を使用し、実質的に製造例9Bに詳述の手順に従って製造
した。得られた粗製物を酢酸エチル/ヘキサンの3:1溶液からの再結晶によっ
て精製し針状結晶1.57gを得た。
収率:62%
元素分析(C16H17NO2):
計算値:C,75.27;H,6.71;N,5.49;
実測値:C,75.39;H,6.72;N,5.43
B.2−エチル−3−ヒドロキシ安息香酸
製造例10Aの標題化合物180mg(0.71mmol)、5N 塩酸3mL、お
よび臭化水素酸/酢酸の30%溶液3mLを含む溶液を封管中155℃で20時
間加熱した。冷却した後、反応混合物を酢酸エチルと水で希釈した。生じた層を
分離し、有機層を水で1回抽出した後、0.5N 水酸化ナトリウムを用いてpH
11に塩基性化した。生じた層を分離し水層を5N 塩酸を用いてpH1に再び酸
性化した。次いで、所望の化合物を酢酸エチルを用いてこの水層から抽出した。
酢酸エチル抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後
、濃縮して淡赤色の固体103mgを得た。
収率:88%
製造例11
A.2−フルオロ−3−メトキシ−N−フェニルベンズアミド
所望の標題化合物は、テトラヒドロフラン5mL中のN−フルオロベンゼンス
ルホンイミド3.15g(10.0mmol)の溶液を無水テトラヒドロフラン50
mL中の1.56M n−ブチルリチウム13.5mL(21.0mmol)、製造例
9Aの標題化合物2.27g(10.0mmol)およびTMEDA2.56g(2
2.0mmol)を含む溶液に加えることにより、実質的に製造例9Bに詳述の手順
に従って製造した。得られた粗製物を酢酸エチル/ヘキサンの2:1溶液から2
回再結晶した後、さらにラジアルクロマトグラフィー(6mm、塩化メチレン中の
0.5%酢酸エチル)を用いて精製し、灰白色の固体540mgを得た。
収率:22%
B.2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸
標題化合物は、製造例11Aの標題化合物225mg(1.02mmol)、5N
塩酸3mLおよび酢酸中の臭化水素酸の30%溶液5mLの溶液を用い、実質的に
製造例9Cに詳述の手順に従って製造し、白色の固体134mgを得た。
収率:86%
製造例12
A.4−N−(フェニル)カルバモイルピリジン
トリエチルアミン104.5mL(750mmol)中のアニリン22.8mL(2
50mmol)の溶液をクロロホルム500mL中の4−クロロホルミルピリジニウ
ム塩酸塩44.5g(250mmol)の溶液にゆっくりと加えた。得られた反応混
合物を一晩撹拌した後2時間還流した。冷却した後、反応混合物を水600mL
で希釈し沈殿を形成させた。イソプロパノール200mLをこの混合物に加えた
後、生じた層を分離し有機層を0.1N 水酸化ナトリウム、水、次いでブライ
ンで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した後、70℃にて減圧下
で濃縮し褐色を帯びた白色の固体を得た。この固体を酢酸エチル200mLで洗
浄し、所望の標題の化合物38.9gを得た。
収率:78%
B.4−N−(フェニル)カルバモイルピリジンN−オキシド
氷酢酸60mL中の製造例12Aの標題化合物19.8g(100mmol)の熱
溶液(85〜90℃)に過酸化水素51mLを防爆シールド下でゆっくりと加え
た。得られた反応混合物を90℃で約4時間反応させ、室温に冷却しイソプロパ
ノールおよびクロロホルムの混合物約60mL中に希釈した後、pH12に塩基性
化した。生じた層を分離し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して減圧
下で濃縮して淡黄色の固体を得た。この固体を塩化メチレン250mL中に取り
、濃縮乾燥して灰白色の固体15.95gを得た。
収率:75%
C.2−クロロ−4−N−(フェニル)カルバモイルピリジン
オキシ塩化リン27mL(289mmol)中の5塩化リン20.2g(97.0m
mol)の溶液に製造例12Bの標題化合物14.4g(67.2mmol)を加えた
。得られた反応混合物をゆっくりと130℃に加熱して約40分間反応させた。
反応混合物を室温に冷却した後減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物を水
80mLに再び溶解した後、炭酸カリウム水溶液80mLで希釈して黄色の沈殿を
形成した。この沈殿を濾過により単離し、熱エタノール250mL中に溶解した
後、加熱濾過して暗黄色の溶液を得た。この溶液を減圧下で約160mLに濃縮
した後、水約50〜60mLを加える前に再び加熱濾過した。得られた溶液を冷
却して所望の化合物を再結晶により単離し、淡黄色および白色の針状結晶8.0
gを得た。
収率:51%
D.2−メトキシ−4−N−(フェニル)カルバモイルピリジン
メタノール30mL中の製造例12Cの標題化合物4.09g(18.0mmol)
のスラリーにナトリウムメトキシド2.92g(42.0mmol)を加えた。得ら
れた反応混合物を約18時間還流し、冷却し、減圧下で濃縮して固体を得た。こ
の固体を水洗し、冷却ベンゼンで摩砕して固体1.8gを得た。この固体の分析
により、反応は完結していないことが分かったので、さらにナトリウムメトキシ
ド10.01g(144mmol)をメタノール中のこの固体に加えた。得られた反
応混合物をメタノール中で15時間還流し、同様にして固体300mgを得た。
この固体をカラムクロマトグラフィー(2mmプレート;溶出液:ヘキサン中の4
0%酢酸エチル)を用いて精製した後、熱ヘキサンから再結晶して所望の化合物
140mgを得た。
収率:3%
E.2−メトキシ−3−メチル−4−N−(フェニル)カルバモイルピリジン
標題の化合物は、テトラヒドロフラン2mL中の製造例12Dの標題化合物2
60mg(1.17mmol)、TMEDA404μL(2.68mmol)、n−ブチル
リチウム1.78mL(2.68mmol)およびヨウ化メチル329μL(5.61
mmol)を用いて製造例9Bに詳述の手順に実質的に従って製造した。粗製物をラ
ジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;溶出液:ヘキサン中の40%酢酸エ
チル)を用いて精製した後、熱ヘキサンからの再結晶により所望の化合物140
mgを得た。
F.3−メチル−2−ピリドン−4−カルボン酸
5N 塩酸(水溶液)4mL中の製造例12Eの標題化合物150mg(0.5
98mmol)のスラリーを約5時間還流した。冷却した後、反応混合物を減圧下で
濃縮して黄色の油状物を得た。この油状物を水15mL中に溶解し得られた溶液
を水酸化カリウムを用いてpH8に調整した後、トルエン10mLで溶解した。生
じた層を分離し、水層を5N 塩酸溶液を用いてpH3.5に酸性化した後、減圧
下で濃縮して黄色の固体を得た。この固体を熱エタノール2mL中でスラリーと
し、綿栓で濾過した。次いで濾液を減圧下で濃縮乾燥して固体130mgを得た
。この固体を加熱した酢酸エチル中の10%酢酸5mLで洗浄して固体17mgを
得、次いでエタノール中で再結晶して所望の標題化合物6.8mgを得た。
収率:6%
製造例13
2,6−ジクロロ−3−ヒドロキシ安息香酸
塩素ガス(20g,282mmol)を窒素下でゆっくりとメタノール100mL
中の3−ヒドロキシ安息香酸20g(145mmol)の冷却溶液(−70℃)中に
通気すると、温度が約−5℃に上昇した。反応混合物を再び冷却し、約30分後
、塩素ガスを窒素でフラッシュアウトした。次いで、反応混合物を室温に温め、
水100mLで希釈した。所望の標題の化合物を再結晶により単離して白色の固
体を得た。この固体を水90mLからの再結晶の後、アセトン10mLを含むベン
ゼン250mLからの再結晶により精製して所望の標題化合物4.8gを得た。
収率:16%
製造例14
2−クロロ−3−ヒドロキシ安息香酸
塩素ガス(10.3g,147mmol)を窒素下で−60℃以下の温度に維持し
ながらゆっくりとメタノール100mL中の3−ヒドロキシ安息香酸20g(1
45mmol)の冷却溶液中に通気した。約30分後、塩素ガスを窒素で除き、反応
混合物を室温に温め、水100mLで希釈した。所望の標題の化合物を再結晶に
より単離して白色の固体を得た。この固体を水50mLからの再結晶の後、アセ
トン10mLを含むベンゼン130mLからの再結晶により精製して所望の標題化
合物を得た。
製造例15
A.2−メチル−3−メトキシベンゾエートメチルエステル
アセトン8mL中の製造例9Cの標題化合物306mg(2.00mmol)、ヨウ
化メチル1.06mL(20.0mmol)および炭酸カリウム1.38g(10.
0mmol)のスラリーを約3時間還流した。反応が完結していなかったので、ヨウ
化メチル2mL(37.7mmol)、炭酸カリウム2g(14.5mmol)およびア
セトン10mLを反応混合物にさらに加えた。混合物を約16時間還流した後、
この混合物を濾過した。次いで濾液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留
物を酢酸エチルに溶解し、水洗した後、減圧下で濃縮乾燥して所望の生成物が8
8%の物質188mgを得た。
B.2−メチル−3−メトキシ安息香酸
水1mL中の水酸化リチウム116mg(4.86mmol)の溶液をテトラヒドロ
フラン3mL中の製造例15Aの標題化合物175mg(0.97mmol)の溶液に
加えた。得られた反応混合物を急速に撹拌した。TLCにより示されるが如く、
反応が実質的に完結したら、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得た。この
残留物をヘキサン10mL、水25mLおよび1N 水酸化ナトリウム3mLで再び
溶解した。生じた層を分離し、水層を酢酸エチルで希釈した後、1M 塩酸を用
いてpH1に酸性化した。生じた層を分離し、酢酸エチルの層をブラインで洗浄
し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾燥して所望の標題の化
合物73mgを得た。
製造例16
A.2−ブチル−3−メトキシ−N−フェニルベンズアミド
所望の標題の化合物は、ヘキサン(18.04mmol)中の1.51M n−ブ
チルリチウム11.95mL、無水テトラヒドロフラン30mL中の製造例9Aの
標題化合物1.95g(8.95mmol)、TMEDA2.19g(18.89mm
ol)およびヨウ化ブチル1.60g(9.45mmol)を用いて、製造例9Bに詳
述の手順に実質的に従って製造した。得られた粗製物は、ラジアルクロマトグラ
フィー(4mmプレート;溶出液:ヘキサン中の15%酢酸エチル)を用いて精製
して無色透明の油状物83mgを得た。
収率:3.5%
B.2−ブチル−3−ヒドロキシ安息香酸
所望の標題化合物は、5N 塩酸2mL中の製造例16Aの標題化合物80mg
(0.28mmol)、および酢酸中の30%臭化水素酸2mLを用いて実質的に製
造例10Bに詳述の手順に従って製造して、粗製物44mgを得、これはこれ以
上精製することなく使用した。
収率:60%(1H NMRによる)
製造例17
A.3−メトキシ−2−プロピル−N−フェニルベンズアミド
所望の標題化合物は、テトラヒドロフラン30mL中の製造例9Aの標題化合
物2.5g(11.0mmol)、TMEDA2.81g(24.2mmol)、n−ブ
チルリチウム15.23mL(23.13mmol)および臭化アリル1.33g(
11.0mmol)を用いて実質的に製造例9Bに詳述の手順に従って製造し、粗製
物2.5gを得た。この粗製物を炭素上担持の10%パラジウム0.5gの存在
下で無水エタノール30mL中に溶解し、得られた混合物を水素雰囲気下で約1
2時間反応させた。次いで混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮して
橙
色の油状物を得た。この油状物をラジアルクロマトグラフィー(6mmプレート;
溶出液:ヘキサン中の10%酢酸エチル)を用いて精製し、白色の泡状物438
mgを得た。
収率:15%
B.3−ヒドロキシ−2−プロピル安息香酸
所望の標題化合物は、5N 塩酸7mL中の製造例17Aの標題化合物438m
g(1.62mmol)および酢酸中の30%臭化水素酸7mLを用いて実質的に製造
例10Bに詳述の手順に従って製造し、黄褐色の固体を得た。この固体を熱トル
エンからの再結晶により精製し、黄褐色の固体84mgを得た。
収率:29%
製造例18
A.2−イソプロパノール−3−メトキシベンゾニトリル
ジエチルエーテル75mL中のマグネシウム2.76g(0.115mmol)の
混合物にヨウ化イソプロピル24.31g(0.143mol)をゆっくりと加え
た。得られた反応混合物をマグネシウムがすべて消費されるまで反応させた。次
いで、ジエチルエーテル75mL中の2,3−ジメトキシベンゾニトリル15.
0g(0.92mol)の溶液を90分間かけて加えた。得られた反応混合物を室
温で一晩反応させた後、4時間還流した。次いで得られた反応混合物を0℃に冷
却し、上層を飽和塩化アンモニウムと氷中に傾斜した。生じた層を分離し、有機
層を希水酸化ナトリウム溶液、水、および希塩酸溶液で順次に洗浄し、硫酸ナト
リウム上で乾燥し、濾過した後、濃縮して橙色の油状物を得た。この油状物を減
圧下で蒸留(5インチVigreuxカラム;0.2mmHg)して橙色の油状物
6.25gを得た。
収率:39%
B.3−ヒドロキシ−2−イソプロピル安息香酸
所望の標題の化合物は、5N 塩酸および酢酸中の30%臭化水素酸2mL中の
製造例18Aの標題化合物330mg(1.88mmol)を用いて実質的に製造例
10Bに詳述の手順に従って製造した。粗製物をラジアルクロマトグラフィー(
2mmプレート;溶出液:1%酢酸を含む塩化メチレン中の3%メタノール)を用
いて精製し、ばら色の固体125mgを得た。
収率:37%
元素分析(C10H12O3):
計算値:C,66.65;H,6.71;
実測値:C,66.53;H,6.84
製造例19
3−メチルイソニコチン酸
ジフェニルエーテル100mL中の3,4−ルチジン10.7g(0.1mol)
の加熱溶液(155℃)に二酸化セレン18g(0.16mol)を少しずつ入れ
た。約20分後、反応物を185℃に加熱して約30分間反応させた。冷却した
後、反応混合物を水で希釈して濾過した。濾液をクロロホルムで抽出した後、ク
ロロホルム抽出物を減圧下で濃縮して淡褐色の固体6.0gを得た。
収率:44%
製造例20
5−キノリンカルボン酸
m−アミノ安息香酸15g(0.1mol)、m−ニトロベンゼンスルホネート
27g(0.13mol)およびグリセリン25g(0.4mol)を含む溶液に70
%硫酸125gを加えた。得られた反応混合物を約2時間半還流し、水125m
Lで希釈し、水酸化アンモニウムを用いてpH9に塩基性化し、木炭5gと共に一
晩撹拌した後に濾過した。濾液を木炭5gと共に煮沸し、濾過し、次いで50℃
に冷却して氷酢酸(15mL)でpH5に酸性化し、濾過して褐色の固体を得た
。この固体を酢酸10mLを含む水300mL中で煮沸し、加熱濾過して粗製物を
得た。この粗製物を沸騰酢酸からの再結晶を用いて精製し、淡褐色の固体6.1
gを得た。
収率:32%
製造例21
1,2,3,4−テトラヒドロ−5−キノリンカルボン酸
エタノール100mL中に製造例20の標題化合物1.03g(5.95mmol
)、アンモニウムホルメート1.87g(29.77mmol)を含む溶液を窒素で
10分間パージした。この溶液にパラジウムブラック0.5gを加え、得られた
反応混合物を65℃に加熱した。約3時間後、反応混合物を濾過し、得られた濾
液を減圧下で濃縮して残留物を得た。この残留物を水(pH4)とクロロホルム
中の10%イソプロパノールのと間に分配した。生じた層を分離し、有機層を水
(pH=4)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して粗製物を
得た。この粗製物をラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;1%酢酸を含
む塩化メチレン中の5〜10%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製
し、黄褐色の固体87mgを得た。
収率:8%
元素分析(C10H11NO2):
計算値:C,67.78;H,6.26;N,7.90;
実測値:C,67.96;H,6.10;N,7.88
製造例22
A.3−アミノ−2−メチルベンゾエートメチルエステル
メタノール400mL中の3−アミノ−2−メチル安息香酸10g(66.2m
mol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物20gの溶液を一晩還流した後、
酢酸エチルと1M 炭酸カリウムの混合物で希釈した。生じた層を冷却して分離
した。次いで、有機層を1M 炭酸カリウム、ブラインで順次に洗浄し、硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、濾過した後、濃縮して橙色の油状物9.23gを得た。
収率:85%
B.3−N−(メチルスルホニル)アミノ−2−メチルベンゾエートメチルエス テル
無水塩化メチレン50mL中の製造例22Aの標題化合物1.07g(6.4
8mmol)の冷却溶液(0℃)にメチルスルホン酸無水物1.18g(6.80mm
ol)を加えた。得られた反応混合物を室温で一晩反応させた後、塩化メチレン1
00mLで希釈し、重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し濾過し、濃縮し、ヘキサンに再溶解した後、再び濃縮して残留物を得た。次
いで、この残留物をヘキサン中で3回粉末にして減圧下で濃縮乾燥してピンク色
の固体1.46gを得た。次いでこの固体を30%ヘキサン/50%酢酸エチル
/20%メタノール混合物20mLを用いて再結晶した。
収率:57%
元素分析(C10H13NO4S):
計算値:C,49.37;H,5.39;N,5.76;
実測値:C,49.15;H,5.54;N,5.80
C.3−N−(メチルスルホニル)アミノ−2−メチル安息香酸
所望の標題の化合物は、テトラヒドロフラン20mLおよび水8mL中の製造例
22Bの標題化合物400mg(1.64mmol)および水酸化リチウム118mg
(4.93mmol)を用いて実質的に製造例15Bに詳述の手順に従って製造し、
白色の固体206mgを得た。
収率:55%
実施例1 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−フルオロ −3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t −ブチルカルボキシアミド
無水テトラヒドロフラン3mL中に製造例1Bの標題化合物80mg(0.20
mmol)、製造例11Bの標題化合物31mg(0.20mmol)、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール水和物(HOBT・H2O)27mg(0.20mmol)を含む
冷却溶液(−10℃)に1,3−ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)4
1mg(0.20mmol)を加えた。反応混合物を室員で36時間撹拌した後、減
圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルに再溶解し、セライトで濾過し、
飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで順次に洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥
し、濾過して濃縮した。粗製物をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;
塩化メチレン中の2〜5%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、
白色の泡状物79mgを得た。
収率:73%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C31H43N3O4F):
計算値: 540.3238;
実測値: 540.3228
実施例2 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−クロロ− 3''−イル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキ シアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、2−クロロニコチン酸31mg(0.20mmol)、D
CC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.20mmol)
をを用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジア
ルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の0〜5%メタノールの
グラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物58mgを得た。
収率:54%
元素分析(C30H41N4O3Cl):
計算値:C,66.59;H,7.64;N,10.35;Cl,6.55;
実測値:C,66.60;H,7.58;N,10.17;Cl,6.84
実施例3 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−エチル− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、製造例10Bの標題化合物35mg(0.21mmol)
、DCC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.20mmo
l)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジ
アルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の3〜5%メタノール
のグラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物71mgを得た。
収率:65%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C33H48N3O4):
計算値: 550.3645;
実測値: 550.3664
実施例4 [2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル−3''−ヒドロキシ フェニル)ペンチル]ピロリジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例3Eの標題化合物
55mg(0.16mmol)、製造例9Bの標題化合物25mg(0.16mmol)、
DCC33mg(0.16mmol)およびHOBT・H2O22mg(0.16mmol
)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジア
ルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の4〜8%メタノールの
グラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の固体52mgを得た。
収率:69%
元素分析(C27H37N3O4):
計算値:C,69.35;H,7.98;N,8.99
実測値:C,69.54;H,8.10;N,9.19
実施例5 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(ピリド−3''− イル−N−オキシジル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチ ルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、ニコチン酸N−オキシド28mg(0.20mmol)、
DCC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.20mmol)
を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジアル
クロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の5〜10%メタノールの
グラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物81mgを得た。
収率:76%
実施例6 [2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル−3''−ヒドロキシ フェニル)ペンチル]ピペリジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン5mL中の製造例4Fの標題化合物
100mg(0.29mmol)、製造例9Bの標題化合物44mg(0.29mmol)
、DCC59mg(0.29mmol)およびHOBT・H2O39mg(0.29mmol
)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジア
ルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の1.5〜7%メタノー
ルのグラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物57mgを得た。
収率:41%
元素分析(C28H39N3O4):
計算値:C,69.83;H,8.16;N,8.72
実測値:C,69.84;H,8.46;N,8.50
実施例7 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3''−フルオロフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブ チルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、3−フルオロ−2−メチル安息香酸31mg(0.20m
mol)、DCC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.20
mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラ
ジアルクロマトグラフィー(1mmプレー;塩化メチレン中の1.5〜3%メタノ
ールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物40mgを得た。
収率:37%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C32H45N3O3F):
計算値: 538.3445;
実測値: 538.3469
実施例8 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−クロロ− 3'',5''−ジヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3− N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例1Bの標題化合物
100mg(0.25mmol)、2−クロロ−3,5−ジヒドロキシ安息香酸47
mg(0.25mmol)、DCC51mg(0.25mmol)およびHOBT・H2O
34mg(0.25mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造
した。粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;塩化メチレン中
の2〜10%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の固体4
7mgを得た。
収率:33%
元素分析(C31H42N3O5Cl):
計算値:C,65.08;H,7.40;N,7.34;
実測値:C,65.30;H,7.35;N,7.43
実施例9 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3'',5''−ジアミノフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N− t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mLおよびジメチルホルムアミド
0.5mL中の製造例1Bの標題化合物100mg(0.25mmol)、3,5−ジ
アミノ−2−メチル安息香酸41mg(0.25mmol)、DCC51mg(0.2
5mmol)およびHOBT・H2O34mg(0.25mmol)を用いて実質的に実施
例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(
1mmプレート;塩化メチレン中の1〜10%メタノールのグラジェント溶出液)
を用いて精製し、淡橙色の泡状物30mgを得た。
収率:22%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C32H48N5O3):
計算値: 550.3757;
実測値: 550.3762
実施例10 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3'',5''−ジニトロフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N− t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
100mg(0.25mmol)、3,5−ジニトロ−2−メチル安息香酸56mg(
0.25mmol)、DCC51mg(0.25mmol)およびHOBT・H2O34m
g(0.25mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。
粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の0〜
3%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物61m
gを得た。
収率:41%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C32H44N5O7):
計算値: 610.3241;
実測値: 610.3240
実施例11 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−クロロ− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン4mL中の製造例1Bの標題化合物
116mg(0.29mmol)、製造例14の標題化合物50mg(0.29mmol)
、DCC60mg(0.29mmol)およびHOBT・H2O39mg(0.29mmol
)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジア
ルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の2.5〜5%メタノー
ルのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の固体83mgを得た。
収率:51%
元素分析(C31H42N3O4Cl):
計算値:C,66.95;H,7.61;N,7.56;
実測値:C,66.76;H,7.72;N,7.69
実施例12 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン6mLおよび無水ジメチルホルムア
ミド0.2mL中の製造例1Bの標題化合物261mg(0.65mmol)、製造例
9Bの標題化合物100mg(0.65mmol)、DCC134mg(0.65mmol
)およびHOBT・H2O88mg(0.65mmol)を用いて実質的に実施例1に
詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(2mmプ
レート;塩化メチレン中の1〜5%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて
精製し、白色の固体304mgを得た。
収率:87%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C32H46N3O4):
計算値: 536.3488;
実測値: 536.3488
実施例13 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3''−メトキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブ チルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、製造例15Bの標題化合物33mg(0.20mmol)
、DCC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.20mmo
l)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を、ラジ
アルクロマトグラフィー(2mmプレート;溶出液:塩化メチレン中の2.5%メ
タノール)を用いて精製し、白色の固体93mgを得た。
収率:84%
元素分析(C33H47N3O4):
計算値:C,72.10;H,8.62;N,7.64;
実測値:C,71.84;H,8.49;N,7.67
実施例14 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2'',3''−ジ クロロフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカル ボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、2,3−ジクロロ安息香酸38mg(0.20mmol)
、DCC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.20m
mol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物をラジ
アルクロマトグラフィー(2mmプレート;塩化メチレン中の2.5〜5%メタノ
ールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物95mgを得た。
収率:84%
実施例15 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−トリフル オロメチルフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチル カルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
80mg(0.20mmol)、2−トリフルオロメチル安息香酸38mg(0.20
mmol)、DCC41mg(0.20mmol)およびHOBT・H2O27mg(0.
20mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物を
ラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;塩化メチレン中の2.5〜5%メ
タノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物72mgを得た
。
収率:63%
元素分析(C32H42N3O3F3):
計算値:C,67.00;H,7.38;N,7.32;
実測値:C,67.11;H,7.09;N,7.10
実施例16 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−オキソ− 3''−メチル−ピリド−4''−イル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3− N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン1.3mL中の製造例1Bの標題化
合物14.7mg(0.037mmol)、製造例12Fの標題化合物5.6mg(0
.037mmol)、DCC7.6mg(0.037mmol)およびHOBT・H2O4
.9mg(0.037mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製
造した。粗製物をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:塩化メ
チレン中の10%メタノール)を用いて精製し、白色の固体6.5mgを得た。
収率:34%
実施例17 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2'',6''−ジ クロロ−3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3− N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例1Bの標題化合物
48mg(0.12mmol)、製造例13の標題化合物25mg(0.12mmol)、
DCC2.5mg(0.12mmol)およびHOBT・H2O16mg(0.12mmo
l)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。粗製物をラジア
ルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の2〜5%メタノールの
グラジェント溶出液)を用いて精製し、所望の標題の化合物14mgを得た。
収率:34%
実施例18 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3''−メトキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブ チルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン3mL中の製造例1Bの標題化合物
100mg(0.25mmol)、3−アミノ−2−メチル安息香酸38mg(0.2
5mmol)、HOBT・H2O34mg(0.25mmol)およびDCC52mg(0.
25mmol)を用いて、反応をトリエチルアミン76mg(0.75mmol)の存在
下で行うこと以外は実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた
物質を、ラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;塩化メチレン中の2〜5
%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物78mg
を得た。
収率:58%
実施例19 [2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(3''−ヒドロキシ−2''−メ チルフェニル)ペンチル]−4−ピリド−3''−イルメチルピペリジン−2−N −t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例6Bの標題化合物
50mg(0.11mmol)、製造例9Cの標題化合物16mg(0.11mmol)、
HOBT・H2O14mg(0.11mmol)およびDCC22mg(0.11mmol
)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた物質をラ
ジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の5〜10%メタノ
ールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物35mgを得た。
収率:55%
実施例20 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−イソプロ ピル−3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N −t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン8mL中の製造例1Bの標題化合物
55mg(0.137mmol)、製造例18Bの標題化合物24.7mg(0.13
7mmol)、DCC28.25mg(0.137mmol)およびHOBT・H2O18
.
5mg(0.137mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造
した。得られた粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液
:塩化メチレン中の3%メタノール)を用いて精製し、白色の泡状物46mgを
得た。
収率:60%
元素分析(C34H49N30O4):
計算値:C,72.43;H,8.76;N,7.45
実測値:C,72.13;H,8.85;N,7.30
実施例21 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−ブチル− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン10mL中の製造例1Bの標題化合
物91mg(0.227mmol)、製造例16Bの標題化合物44mg(0.227
mmol)、DCC46.7mg(0.227mmol)およびHOBT・H2O30.6
mg(0.227mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造し
た。得られた粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチ
レン中の4〜7%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡
状物72mgを得た。
収率:55%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C35H51N3O4):
計算値: 578.3958;
実測値: 578.3962
実施例22 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−プロピル −3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t −ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン4mL中の製造例1Bの標題化合物
67mg(0.167mmol)、製造例17Bの標題化合物30mg(0.167mm
ol)、DCC34mg(0.167mmol)およびHOBT・H2O23mg(0.
167mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られ
た粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:塩化メチレ
ン中の3%メタノール)を用いて精製し、白色の泡状物75mgを得た。
収率:80%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C34H50N3O4):
計算値: 564.3801;
実測値: 564.3789
実施例23 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチ ル−3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N− t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン4mL中の製造例8Gの標題化合物70
mg(0.16mmol)、製造例9Cの標題化合物24.6mg(0.16mmol)、
DCC33mg(0.16mmol)およびHOBT・H2O22mg(0.16mmol
)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた粗製物を
、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:塩化メチレン中の3%
メタノール)を用いて精製し、白色の泡状物54mgを得た。
収率:60%
高分解能質量分析(FAB)(C32H46N3O4S):
計算値: 568.3209;
実測値: 568.3182
実施例24 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−(ナフト−2−イルチオメチル)−4'−アザ−5'−オキソ−5'− (2''−メチル−3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリ ン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン4mL中の製造例7Bの標題化合物70
mg(0.145mmol)、製造例9Cの標題化合物22mg(0.145mmol)、
DCC29mg(0.145mmol)およびHOBT・H2O19mg(0.145m
mol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた粗製
物を、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン中の5〜15%アセトンの
グラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物65mgを得た。
収率:73%
元素分析(C34H49N3O4):
計算値:C,69.98;H,7.67;N,6.80
実測値:C,69.92;H,7.72;N,6.75
実施例25 [2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−(ナフ ト−2−イルチオメチル)−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]ピペリジン−2−N−t−ブチルカルボ キシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン2mL中の製造例2Gの標題化合物28
mg(0.065mmol)、製造例9Cの標題化合物10mg(0.065mmol)、
DCC13.5mg(0.065mmol)およびHOBT・H2O9mg(0.06
5mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた粗
製物を、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:塩化メチレン中
の2%メタノール)を用いて精製し、白色の泡状物23mgを得た。
収率:63%
高分解能質量分析(FAB)(C32H42N3O4S):
計算値: 564.2896;
実測値: 564.2916
実施例26 [2S−(2R*,2'S*,3'R*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル−3''−ヒドロキシ フェニル)ペンチル]−4−(ピリド−3''−イルメチル)ピペラジン−2−N −t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン5mL中の製造例5Eの標題化合物65
mg(0.148mmol)、製造例9Cの標題化合物22.5mg(0.148mmol
)、DCC30.5mg(0.148mmol)およびHOBT・H2O20mg(0
.148mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得ら
れた粗製物を、ラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:塩化メチ
レン中の3%メタノール)を用いて精製し、白色の泡状物64mgを得た。
収率:75%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C33H44N5O4):
計算値: 574.3393;
実測値: 574.3373
実施例27 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−エチル− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミドモノメシラート塩
無水塩化メチレン2mL中の実施例3の標題化合物35.1mg(0.064mm
ol)の冷却溶液(0℃)に塩化メチレン中のメタンスルホン酸の0.5M 溶液
134μL(0.067mmol)を滴加した。得られた反応物を減圧下(0.2〜
0.1Torr)で濃縮乾燥して淡黄色の泡状物38mg(粗製)を得た。
収率:90%
実施例28 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'R*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチル− 3''−ヒドロキシフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミドモノメシラート塩
標題の化合物は、無水塩化メチレン5mL中の実施例13の標題化合物125
mg(0.23mmol)、および塩化メチレン中のメタンスルホン酸の1.0M 溶
液240μL(0.24mmol)を用いて、実質的に実施例27に詳述の手順に従
って製造し、灰白色の泡状物136mg(粗製)を得た。
収率:95%
実施例29 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(2''−メチ ルフェニル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキ シアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン2.5mL中の製造例8Gの標題化合物
15mg(0.034mmol)、o−トルイル酸4.7mg(0.034mmol)、D
CC7.13mg(0.034mmol)およびHOBT・H2O4.7mg(0.0
34mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた
物質をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;溶出液:塩化メチレン中の
10%アセトン)を用いて精製し、白色の泡状物16mgを得た。
収率:84%
高分解能質量分析(FAB):m/e(C32H46N3O3S):
計算値: 552.3260;
実測値: 552.3272
実施例30 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−[3''−メチ ル−ピリド−4''−イル)]ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t− ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン1.5mLおよびジメチルホルムアミド
1mL中の製造例8Gの標題化合物15mg(0.034mmol)、製造例19の標
題化合物6.69mg(0.048mmol)、DCC7.13mg(0.034mmol
)およびHOBT・H2O4.7mg(0.034mmol)を用いて実質的に実施例
1に詳述の手順に従って製造した。得られた物質をラジアルクロマトグラフィー
(1mmプレート;塩化メチレン中の3〜5%のグラジェント溶出液)を用いて精
製し、白色の泡状物10mgを得た。
収率:52%
高分解能質量分析(FAB)(C31H45N4O3S):
計算値: 553.3212;
実測値: 553.3222
実施例31 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(キノリン− 5''−イル)ペンチル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキ シアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン2mL中の製造例8Gの標題化合物15
mg(0.034mmol)、製造例20の標題化合物6.0mg(0.034mmol)
、DCC7.13mg(0.034mmol)およびHOBT・H2O4.7mg(0
.034mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得ら
れた物質をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の3〜
5%のグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物15mgを得た。
収率:74%
高分解能質量分析(FAB)(C34H45N4O3S):
計算値: 589.3212;
実測値: 589.3237
実施例32 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(1'',2'' ,3'',4''−テトラヒドロキノリン−5''−イル)ペンチル]デカヒドロイソ キノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン2mL中の製造例8Gの標題化合物18
mg(0.04mmol)、製造例21の標題化合物7.38mg(0.04mmol)、
DCC8.56mg(0.04mmol)およびHOBT・H2O5.61mg(0.
04mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた
物質をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の3〜5%
メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の泡状物12mgを得
た。
収率:50%
高分解能質量分析(FAB)(C34H49N4O3S):
計算値: 593.3525;
実測値: 593.3552
実施例33 [2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(1'',2'',3'',4''−テ トラヒドロキノリン−5''−イル)ペンチル]−4−(ピリド−3'''−イルメ チル)ピペラジン−2−N−t−ブチルカルボキシアミド
無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例6Bの標題化合物45mg(0.10
mmol)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−カルボン酸18mg(0
.10mmol)、トリエチルアミン30mg(0.30mmol)、およびHOBT・
H2O14mg(0.10mmol)の冷却溶液(−10℃)にDCC22mg(0.
11mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で約24時間撹拌した後、減圧
下で濃縮して残留物を得た。この残留物を酢酸エチルに再溶解し、セライトで濾
過した。次いで、濾液を飽和重炭酸ナトリウム(2回)、ブラインで順次に抽出
し、
硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。粗製物をラジアルクロ
マトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の2.5〜5%メタノールのグ
ラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の泡状物33mgを得た。
収率:62%
実施例34 [2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(キノリン−5''−イル)ペン チル]−4−(ピリド−3'''−イルメチル)ピペラジン−2−N−t−ブチル カルボキシアミド
標題の化合物を実施例33の化合物から単離した。
収量:13mgの灰白色の泡状物
実施例35 [2S−(2R*,2'S*,3'S*)]−1−[2'−ヒドロキシ−3'−フェニ ルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−(3''−メチル−ピリド−4''
−イル)ペンチル]−4−(ピリド−3'''−イルメチル)ピペラジン−2−N −t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、トリエチルアミン62mL含むテトラヒドロフラン中の製造
例19の標題化合物20.3mg(0.148mmol)、製造例19の標題化合物
70mg(0.148mmol)、DCC31mg(0.148mmol)およびHOBT
・H2O20mg(0.148mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従
って製造した。得られた物質をラジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;塩
化メチレン中の2.5〜15%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製
し、白色の泡状物48mgを得た。
収率:55%
実施例36 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキン−5'−[2''−メチル− 3''−N−(メチルスルホニル)アミノ−ペンチル)]ペンチル]デカヒドロイ ソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例1Bの標題化合物
70mg(0.17mmol)、製造例22の標題化合物40mg(0.17mmol)、
DCC35mg(0.17mmol)およびHOBT・H2O23mg(0.17mmol
)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得られた物質をラ
ジアルクロマトグラフィー(2mmプレート;塩化メチレン中の1〜5%メタノー
ルのグラジェント溶出液)を用いて精製し、灰白色の固体72mgを得た。
収率:69%
実施例37 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−[1'',2'',3 '',4''−テトラヒドロキノリン−5''−イル)]ペンチル]デカヒドロイソキ ノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、無水テトラヒドロフラン2mL中の製造例1Bの標題化合物
18.5mg(0.046mmol)、製造例20の標題化合物8.14mg(0.0
46mmol)、DCC9.48mg(0.046mmol)およびHOBT・H2O6.
21mg(0.046mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製
造した。得られた物質をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチ
レン中の2〜5%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、泡状物1
1mgを得た。
収率:43%
実施例38 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−[6''−メチ ル−(1'',2'',3'',4''−テトラヒドロキノリン−5''−イル)]ペンチ ル]デカヒドロイソキノリン−3−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン2mLおよびジメチルホルムアミド1mL
中の製進例8Gの標題化合物15mg(0.035mmol)、6−メチル−1,2
,3,4−テトラヒドロ−5−キノリンカルボン酸6.5mg(0.035mmol
)、DCC7.15mg(0.035mmol)およびHOBT・H2O4.7mg(
0.035mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の手順に従って製造した。得
られた物質をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレート;塩化メチレン中の3
〜5%メタノールのグラジェント溶出液)を用いて精製し、白色の固体12.5
mgを得た。
収率:60%
高分解能質量分析(FAB)(C35H47N4O3S):
計算値:603.3369
実測値:603.3384
実施例39 [3S−(3R*,4aR*,8aR*,2'S*,3'S*)]−2−[2'−ヒドロ キシ−3'−フェニルチオメチル−4'−アザ−5'−オキソ−5'−[2'',6'' −ジメチル−3''−ヒドロキシフェニル]ペンチル]デカヒドロイソキノリン− 3−N−t−ブチルカルボキシアミド
標題の化合物は、テトラヒドロフラン3mL中の製造例8Gの標題化合物20
mg(0.046mmol)、2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ安息香酸11.5
3mg(0.0694mmol)、DCC9.54mg(0.046mmol)およびHO
BT・H2O6.25mg(0.046mmol)を用いて実質的に実施例1に詳述の
手順に従って製造した。得られた物質をラジアルクロマトグラフィー(1mmプレ
ート;溶出液:塩化メチレン中の4%メタノール)を用いて精製し、白色の固体
14mgを得た。
収率:52%
高分解能質量分析(FAB)(C33H48N3O4S):
計算値:582.3375
実測値:582.3373
上記したように、本発明の化合物は、ウイルス構成要素の産生及び組み立てに
関わるHIVプロテアーゼの阻害に有用である。本発明の態様は、HIV感染を
処置又は防止する方法であり、それを必要とする霊長類に式(I)の化合物また
はその薬学上許容し得る塩の効果的な量を投与することを含んでなる。本発明の
別の態様は、AIDSを処置又は防止する方法であり、それを必要とする霊長類
に式(I)の化合物またはその薬学上許容し得る塩の効果的な量を投与すること
を含んでなる。本発明のさらなる別の態様は、HIV複製を阻害する方法であり
、HIV感染細胞、HIV感染を受け易い細胞、又はHIV複製阻害を必要とす
る霊長類に式(I)の化合物またはその薬学上許容し得る塩の効果的な量を投与
することを含んでなる。
本明細書中使用される「効果的な量」という語は、HIVプロテアーゼ介在の
ウイルス構成要素の産生及び組み立てを阻害することが可能な式(I)の化合物
の量を指す。本方法により期待されるHIVプロテアーゼ阻害は、治療的処置ま
たは予防的処置のいずれかを適宜に含む。本発明に従って、治療的または予防的
効果を得るために投与される化合物の具体的な投与量は、勿論、例えば、投与す
る化合物、投与経路、処置される状態、処置される個人を含むその場合を取り巻
く特定の状況によって決定し得る。(1回でまたは分割された量で投与される)
典型的な1日当たりの投与量は、約0.01mg/kg体重から約50mg/kg体
重の投与量レベルの本発明の活性化合物を含む。好ましい1日当たりの投与量は
一般に、約0.05mg/kgから約20mg/kgであり、約0.1mg/kgから
約10mg/kgが理想的であろう。
化合物は口腔、直腸、経皮、皮下、静脈、筋肉、及び鼻腔を含むあらゆる経路
で投与することができる。本発明の化合物は投与に先立って好ましく製剤される
。従って、本発明の更なる態様は、効果的な量の式(I)の化合物またはその薬
学上許容し得る塩および薬学的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤を含んで
なる医薬製剤である。
このような製剤中、活性成分は製剤重量の0.1%から99.9%を占める。
「薬学上許容し得る」なる語は担体、希釈剤、賦形剤
このような製剤中、全活性成分は0.1%〜99.9%重量を構成する。「薬
学的に許容し得る」なる用語は、担体、希釈剤、添加剤が製剤の他の成分と適合
し、その受容者に有毒ではないことを意味する。
本発明の医薬製剤は、周知で容易に入手可能な成分を使用して周知の手順によ
って製造し得る。本発明の組成物の製造において、活性成分は通常、担体と混合
するか、または担体で希釈するか、またはカプセル、サシェ、紙または他の容器
の形にし得る担体中に封入される。担体が希釈剤として供するときは、固体、半
固体または液体の物質でよくそれは、活性成分の運搬体、賦形剤、または媒質と
してはたらく。従って、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、口中剤、、サシェ剤、カ
シェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン剤、溶液剤、シロップ剤、エアロ
ゾル剤(固体としてまたは液体媒質中での)、例えば10%重量以下の活性成分
を含有する軟膏、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射用溶液剤
、および滅菌包装散剤などの形にし得る。
以下の製剤例は単なる例示であって本発明の範囲の限定を何ら意図するもので
はない。「活性成分」なる語は、式(I)の化合物またはその薬学上許容し得る
塩を指す。
製剤例1
硬質ゼラチンカプセルを次の成分を用いて製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 250
乾燥デンプン 200 ステアリン酸マグネシウム 10
合 計 460mg
製剤例2
錠剤を次の成分を用いて製造する。
量(mg/錠剤)
活性成分 250
セルロース(微結晶) 400
二酸化ケイ素(ヒューム) 10 ステアリン酸 5
合 計 665mg
成分を混合し、圧縮して各重量665mgの錠剤を形成する。
製剤例3
次の成分を含むエアロゾル溶液を製造する。
重量
活性成分 0.25
メタノール 25.75 プロベラント22(クロロジフルオロメタン) 74.00
合 計 100.00
活性成分をエタノールと混合し、この混合物を少量のプロペラント22に加え
、−30℃に冷却して充填機に移す。次いで必要量をステンレススチールの容器
に入れて残りのプロペラントで希釈する。次にバルブユニットをこの容器に取り
付ける。
製剤例4
活性成分を各60mg含有する錠剤を次のように製造する。
量(mg/錠剤)
活性成分 60
デンプン 45
セルロース(微結晶) 35
ポリビニルピロリドン(10%水溶液) 4
ナトリウムカルボキシメチルデンプン 4.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5 タルク 1
合 計 150
活性成分、デンプン及びセルロースはNo.45メッシュU.S.シーブに通し
充分に混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を得られた粉末と混合した
後、この混合物をNo.14メッシュU.S.シーブに通す。このようにして生成
した顆粒を50℃で乾燥し、No.18メッシュU.S.シーブに通す。次いで、
あらかじめNo.60メッシュU.S.シーブに通したナトリウムカルボキシメチ
ルデンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクをこの顆粒に加え、混合し
た後、打錠機で圧縮して各重量150mgの錠剤を得る。
製剤例5
活性成分を各80mg含有するカプセル剤を次のように製造する。
量(mg/カプセル)
活性成分 80
デンプン 59
セルロース(微結晶) 59 ステアリン酸マグネシウム 2
合 計 200mg
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、
No.45メッシュU.S.シーブに通し、200mg容量の硬質ゼラチンカプセル
に充填する。
製剤例6
活性成分各225mgを含有する坐剤を次の様に製造する。
活性成分 225mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000mg
合 計 2,225mg
活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通して、あらかじめ必要最小限
の加熱で融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いでこの混合物を公称容
量2gの坐剤用の型に入れ、冷却する。
製剤例7
5mL用量当たりに活性成分を各50mg含有する懸濁剤を次のように製造する
。
活性成分 50mg
ナトリウムカルボキシメチルセルロース 50mg
シロップ 1.25mL
安息香酸溶液 0.10mL
香料 q.v.
着色料 q.v.
精製水を加えて5mlとする
活性成分をNo.45メッシュU.S.シーブに通し、ナトリウムカルボキシメ
チルセルロース及びシロップと混合してなめらかなペーストにする。安息香酸溶
液、香料、及び着色料を少量の水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、水を
加えて必要な体積にする。
製剤例8
静脈製剤は次のように製造し得る。
活性成分 100mg
等張食塩水 1,000mL
上記成分の溶液を患者に通常1分間に約1mLの速度で静脈投与する。
以下の実験(蛍光性HIV−1プロテアーゼインヒビター分析)をHIVプロ
テアーゼ阻害に対する本発明化合物の能力を実証するために行った。
ここで使用される、略語を以下のように定義する:
BSA − ウシ血清アルブミン
BOC − t−ブトキシカルボニル
BrZ − 2−ブロモベンジルオキシカルボニル
2−ClZ − 2−クロロベンジルオキシカルボニル
DCC − ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIEA − ジイソプロピルエチルアミン
DTT − ジチオスレイトール
EDTA − エチレンジアミン四酢酸
FITC − フルオレセインイソチオカルバミル
HEPES− 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−
エタンスルホン酸
MES − 4モルホリンエタンスルホン酸
PAM − フェニルアセトイミドメチル
TAPS − 3−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ−
1−スルホン酸
TRIS − トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
TOS − p−トルエンスルホニル(トシル)
I.プロテアーゼおよびGag画分の調製
A.E.coli K12 L507/pHP10Dの培養
ノーザン・リージョナル・リサーチ・ラボラトリー、ピオリア、イリノイ61
604から受理番号NRRL B−18560(1989年11月14日寄託)
の下でE.coli K12 L507/pHP10Dの凍結乾燥物を入手した。
この凍結乾燥物を、LB培地10mlを入れた管にデカンテーションした(1リ
ットル当たりバクト −トリプトン10g、バクト−酵母抽出物5g、および水
性塩化ナトリウム10g;pHを7.5に調節し32℃で一夜インキュベート)
。
一夜培養したものの少量を、E.coli K12 L507/pHP10Dの
単一コロニー分離物が得られるような方法でテトラサイクリン12.5μg/m
Lを含有するLB−寒天(バクト−寒天15g/Lを伴うLB培地)プレートに
入れた。得られた単一コロニーを、テトラサイクリン12.5μg/mLを含有
するLB培地10mLに接種し、激しく振盪しながら32℃で一夜インキュベー
トした。一夜培養したもの10mLを、テトラサイクリン12.5μg/mLを
含有するLB培地に接種し、培養が中期対数相に到達するまで激しく振盪しなが
ら32℃でインキュベートした。
B.E.coli K12 L507/pHGAGの培養
E.coli K12 L507/pHGAGの凍結乾燥物を、受理番号NRR
L B−18561(1989年11月14日寄託)の下でNRRLから入手し
た。E.coli K12 L507/pHGAGの精製されたコロニーを分離し
、培養のための接種物として使用し、これを、E.coli K12 L507/
pHP10Dに関する上記工程Aの教示に実質上従って中期対数相まで増殖させ
た。
C.プロテアーゼ画分の調製
E.coli K12 L507/pHP10Dの培養を、テトラサイクリン1
2.5μg/mLを含有するLB培地中32℃で中期対数相まで増殖させた。遺
伝子の発現を誘発するため培養温度を速やかに40℃に上げ、この温度で細胞を
2.5時間増殖させた後、培養を氷上で速やかに冷却した。細胞を遠心し、細胞
ペレットを、EDTA1mmol、DTT1mmol、PMSF1mmolおよ
び10%グリセロールを含有する50mmol MES緩衝液(pH6.0)(
「緩衝液A」)20mL中に再懸濁した。フィッシャーモデル300ディスメン
ブレーターおよびマイクロチッププローブを用いる超音波処理によって細胞を溶
解した。27000xgでの遠心の後、上清を緩衝液Aで総容量60mLに希釈
し、緩衝液Aで平衡化させておいた2.0x19cm QAE−セファロースカ
ラム(1mL/分、4℃)上にロードした。カラムを無勾配的に180分間洗浄
し、次いで緩衝液A中の0−1.0M水性塩化ナトリウムの勾配溶離液で120
分間溶出した。酵素活性を、マーゴリン等、Biochem.Biophys.Res.Commun.、1
67巻554−560頁(1990)に記載のように、合成ペプチドSer−G
ln−Asn−Tyr−Pro−Ile−Valを用いてHPLCによって測定
した;p1ペプチド(Ser−Gln−Asn−Tyr)の産生が測定された。
活性な画分を合し、硫酸アンモニウムで1.2MにpHを調節し、1.2M硫
酸アンモニウムを含有する緩衝液Aで平衡化した2.0x18cmのヘキシルア
ガロースカラムに適用した。試料を1mL/分の流速で4℃でロードし、平衡緩
衝液で240分間洗浄し(1mL/分)、次いで緩衝液A中の1.2−0M硫酸
アンモニウムの逆直線勾配を用いて同じ流速で120分間溶出した。次にカラム
を緩衝液Aで無勾配的に120分間洗浄した。
活性画分を合し、YM−10膜を付けたアミコンスタードセルを用いて10m
Lに濃縮し、次いで、緩衝液Aで平衡化したモノSカチオン交換カラム(1.0
x10cm)に適用した。試料は25℃で1mL/分の流速でロードした。30
分間無勾配的に洗浄した後、緩衝液A中0−0.45M水性塩化ナトリウムの直
線勾配を用いてプロテアーゼを40分間にわたって溶出した。カラムを0.45
M水性塩化ナトリウムを含有する緩衝液Aで30分間無勾配的に洗浄した。
活性画分を合し、アミコンスタードセルおよびYM−10膜を用いて200μ
Lに濃縮し、次いでこのプロテアーゼを、0.1M水性塩化ナトリウムを含有す
る緩衝液Aで平衡化したスーパーロース6サイズ排除カラムに適用した。カラム
をこの緩衝液で0.5ml/分の流速で無勾配的に洗浄し、その後HIVプロテ
アーゼが単一のピークとして溶出した。
QAE−セファロース、およびヘキシルアガロースはシグマ・ケミカル・カン
パニーから購入した。スーパーロース6およびモノSはファルマシアから購入し
た。緩衝液および試薬はシグマから購入した。
D.Gag画分の調製
同様の方法により、E.coli K12 507/pHGAGの培養を32℃
で中期対数相まで増殖させ、次いで約4ないし5時間40℃に変えた。培養を氷
上で冷却し、遠心し、次いでペレットを5mg/mLリゾチームを含有する溶菌
緩衝液8mLに再懸濁した。溶菌緩衝液は、50mMトリス−HCl(pH7.
8)、5mM EDTA、1mM DTT、100mM NaCl、1μg/mL
E64および2μg/mLアプロチニンから成っていた。培養を4℃で約30な
いし60分間インキュベートし、次に60%出力のブランソン(商標)セルディ
スラプター中で、各バーストの間に冷却しながら3回の20秒間バーストで短時
間超音波処理した。次に培養を15000xgで遠心した。プロセシングされて
いないgag蛋白を含有する上清を、セファデックスG−50カラム上のサイズ
排除クロマトグラフィーによって部分精製し、50%グリセロールおよび溶菌緩
衝液中−20℃で保存した。
II.基質の調製:
Na-ビオチン-Gly-Ser-Gln-Asn-Tyr-Pro-Ile-Val-Gly-Lys(Nε-FITC)-OH
A.アミノ末端ビオチニル化ペプチドの調製
保護ペプチド−樹脂Nα-Boc-Gly-Ser-Gln-Asn-Tyr(BrZ)-Pro-Ile-Val-Gly-Lys
(2-ClZ)-OCH2-PAM-樹脂を、アドヴァンスト・ケムテク・モデル200ペプチド
合成機で、標準的二重カップルプロトコルを用いて1.5mmolスケールで合
成した。アミノ末端t−Boc基を塩化メチレン中の50%トリフルオロ酢酸で
除去し、得られた樹脂を塩化メチレン中の5%ジイソプロピルエチルアミン(D
IEA)で中和した。次に、ジメチルスルホキシド20mL中のビオチン1.1
g(4.5mmol)、続いて塩化メチレン9mL中のジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)4.5mmolをペプチド樹脂に加えた。得られた反応混合
物を塩化メチレン11mLを用いて総容量40mLに希釈し、次いでおよそ5時
間反応させた。反応溶液を濃縮し、樹脂をジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミドおはび塩化メチレンで順に洗浄し、次いで塩化メチレン中の5%DIE
A
で中和した。この反応を、1回の反応当たりの反応時間を12時間に延長して2
回反復した。樹脂のニンヒドリン分析は、ビオチンがグリシンのアミン基と完全
に反応していることを示した。最終的なペプチド樹脂をジメチルホルムアミドお
よび塩化メチレンでよく洗浄し、乾燥すると4.3g(98%)が得られた。
B.脱保護
このペプチドを、50mLの弗化水素酸/m−クレゾール溶液を用いて0℃で
1時間脱保護し、樹脂から開裂させた。減圧蒸留により弗化水素酸を除去した後
、ジエチルエーテル100mLを用いてm−クレゾールを反応混合物から抽出し
た。次にペブチドを50%酢酸水溶液中に可溶化し、凍結し凍結乾燥して2.1
4gを得た。
C.精製
アミノ末端がビオチニル化された粗製のペプチドを、0.1%トリフルオロ酢
酸を含有する5%アセトニトリル水溶液200mLに溶解し、次いで0.22ミ
クロンフィルターで濾過した。得られた溶液を、同じ緩衝液で平衡化したオクタ
デシル−シリカ(ヴィダックC−18)の2.2x25cmの逆相カラムに適用
した。ペプチドを、855分間の7.5−25%アセトニトリルの直線勾配を用
いて2mL/分で溶離し、画分を集めた。これらの画分を、類似の緩衝液条件を
用いた4.6x250mmヴィダックC−18カラム上で実施する分析用HPL
Cを用いて分析した。所望の物質を含有する画分を合し、凍結し凍結乾燥して1
.206g(62%)を得た。
分離されたビオチニル化ペプチドのアミノ酸分析は以下の比率を与え、理論値
と一致した:Asn 1.1;Ser 0.96;Gln 1.1;Pro 1.1
;Gly 2.1;Val 0.80;Ile 0.78;Tyr 1.1;Lys
1.1。高速原子衝撃質量分析は、理論値と一致する分子イオン質量ピーク1
288を与えた。
D.標識
次に、精製されたビオチニル化ペプチドを、パンデックス検定に使用するため
に、C末端への蛍光マーカーで標識した。まず、ビオチニラートペプチド(1.
206g、0.936mmol)を100mLの0.1M硼酸ナトリウム、pH
9.5に溶解した。次に、ジメチルスルホキシド15mL中のフルオレセインイ
ソチオシアナート3g(7.7mmol)の溶液を、この反応混合物に2時間か
けて10の等しい部分に分けて加えた。得られた混合物を、最後の添加の後1時
間反応させた。この溶液を5N塩酸を用いてpH3に調節すると沈澱が形成し、
これを遠心により除去した。
このペプチド溶液を次に5N水酸化ナトリウムを用いてpH7.8に調節し、
次いで0.1M酢酸アンモニウム、pH7.5の添加により200mLに希釈し
た。次いで、得られた溶液を0.22ミクロンフィルターで濾過し、0.1M酢
酸アンモニウム(pH7.5)中5%アセトニトリルで平衡化したヴィダックC
−18の2.2x25cmカラムにロードした。855分間の5−25%アセト
ニトリルの直線勾配を用いて2mL/分でペプチドをカラムから溶出し、画分を
集めた。分析用HPLCを用いて画分を分析した。次いで所望生成物を含有する
画分を合し、凍結し、凍結乾燥すると190.2mg(12%)が得られた。
精製されたペプチドのアミノ酸分析は以下の値を与え、理論値と一致した:A
sn 1.1;Ser 1.0;Gln 1.1;Pro 1.1;Gly 2.1
;Val 0.8;Ile 0.8;Tyr 1.1;Lys 1.0。高速原子衝
撃質量分析は、理論値と一致する分子イオン質量ピーク1678を与えた。
E.蛍光HIV−1プロテアーゼインヒビター検定
以下の緩衝液および溶液を蛍光HIV−1プロテアーゼインヒビター検定に使
用する:
MES−ALB緩衝液:0.05M 4−モルホリンエタン
スルホン酸、pH5.5
0.02M NaCl
0.002M EDTA
0.001M DTT
1.0mg/mL BSA
TBSA緩衝液:0.02M TRIS
0.15M NaCl
1.0mg/mL BSA
アビジン被覆ビーズ溶液:フルオリコンの0.1%溶液
アビジン検定粒子(TBSA緩衝液中の固体ポリス
チレンビーズ、直径0.6−0.8ミクロンにコン
ジュゲートさせたアビジン)
酵素溶液:MES−ALB緩衝液中の27IU/mLの精製HIV−1プロテ
アーゼ(1IUは、37℃で毎分1μmoleの基質を加水分解す
るのに必要な酵素の量に等しい
96ウェルプレートのそれぞれの丸底ウェルに、酵素溶液20μLを加え、そ
の後20%ジメチルスルホキシド水溶液に入れた評価すべき化合物10μLを加
える。精製HIV−1プロテアーゼは上記のようにして取得した。得られた溶液
を室温で1時間インキュベートし、次いで、上で製造した基質をMES−ALB
緩衝液中に含有する溶液20μL(1.5μL/mL)を各ウェルに加える。次
にこの溶液を室温で16時間インキュベートし、次いで各ウェルをMES−AL
B緩衝液150μLで希釈する。
第二の丸底96ウェルパンデックスプレートの各ウェルに、アビジン被覆ビー
ズ溶液25uLを加える。次に、各ウェルに、上で製造した希釈されたインキュ
ベーション溶液25μLを加える。この溶液を十分に混合し、プレートをパンデ
ックス(商標)機械にロードし、洗浄し、排出し読み取る。試料の検出を485
nmでの励起によって行い、得られる535nmでのエピ蛍光を読み取った。
本発明に係る化合物のための蛍光検定で得られたIC50の結果を下記の第1表
に開示する。全ての値は、[1S−(1R*,4R*,5S*)]−N−(1−(
2−アミノ−2−オキソエチル)−2−オキソ−3−アザ−4−フェニルメチル
−5−ヒドロキシ−6−(2−(1−t−ブチルアミノ−1−オキソメチル)フ
ェニル)ヘキシル)−2−キノリニルカルボキサミドである正の対照に対して正
規化した。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/475 ABD 9454−4C A61K 31/475 ABD
C07D 207/16 9159−4C C07D 207/16
211/60 9284−4C 211/60
217/26 7019−4C 217/26
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU
,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,
LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,N
Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK
,TJ,TT,UA,UZ,VN