JPH09508141A - ビタミンb▲下12▼とタンパク質との複合体 - Google Patents
ビタミンb▲下12▼とタンパク質との複合体Info
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Abstract
(57)【要約】
治療的に有用なタンパク質が、リボース単位の第一級ヒドロキシル部位で共有結合することによってビタミンB12に複合される。得られる複合体は生物学的に活性であり、種々の投与経路、好ましくは経口により送達するために適した医薬組成物に配合することができる。経口送達後消化管内での摂取が、精製した内因子の共投与により更に増強される。
Description
【発明の詳細な説明】
ビタミンB12とタンパク質との複合体
発明の分野
本発明は、体内のタンパク質レベルを治療的に有効なレベルとするために、経
口を含む種々の投与経路によって送達することができる、ビタミンB12と治療用
タンパク質との生物学的に活性の複合体に関する。
発明の背景
胃腸(即ち、G.I.)は、摂取した栄養素を物理的に、化学的に及び酵素的
に処理して分解する機能を果たす身体の器官である。G.I.管はまた、栄養素
の体内への摂取及び排泄物の除去にも関与している。G.I.管は、栄養素を消
化し、消化酵素を分泌するようにG.I.管の他の領域を刺激し、食物を一時的
に貯蔵し、そして腸の中に制御された速度でキームスを放出する胃を含む。胃は
また、多数の化学薬品及び生物学的要素を分泌する機能を果たす。しかしながら
、栄養素の摂取は重要な機能ではない。胃の先に十二指腸があり、ここで酸性キ
ームスの中和が起こる。脂質の消化のための界面活性剤及びタンパク質の分解の
ためのプロテアーゼも十二指腸の中に分泌さ
れる。胃と同様に、十二指腸内で栄養素は殆ど吸収されない。栄養素、特にその
消化生成物は基本的に、空腸及び回腸からなる小腸で摂取される。結腸は不用物
及び水の貯蔵及び塩バランスに関与している。大腸内では酵素活性は殆どなく、
大腸はG.I.管の浸透性が最も少ない部分である。
小腸及び大腸の表面域の大部分は、特殊絨毛吸収細胞であるエンテロサイトと
呼ばれる上皮細胞の層から作られている。腸はまた粘液層で内張りされている[
J.Brostoff and S.J.Challacombe編、食品アレ
ルギー及び過敏症(Food Allergy and Intoleranc
e)190〜205頁(1987年)のClamp,J.R.参照]。この粘液
層は巨大分子、例えば、17キロダルトンより大きい分子量を有する分子に対し
てバリヤーとして作用する[T.Z.Czaky編、腸浸透の薬理学(Phar
macology of the Intestinal Permeatio
n)II、20頁(1984年)のThomson,A.B.R.and Di
etschy,J.M.参照]。他方、エンテロサイト層は、より小さい分子、
即ち約500ダルトン程度のペプチドに対する目の詰んだ脂質バリヤ
ーを形成する[Smith,P.L.et al.,第8巻、253〜290頁
(1992年)参照]。よって、腸の内張りは親油性分子及び親水性分子の両方
に対する有効なバリヤーとして機能する。その結果、タンパク質のような大きな
巨大分子治療薬を経口投与したとき通常、その有効性は制限される。
しかしながら、幾つかの分子は、消化処理の通常の機能としてG.I.管に特
異的に摂取される。これらの物質には、とりわけアミノ酸、グルコース及びビタ
ミンが含まれる。このような分子に対して、腸内張りを通過して輸送するための
自然の生物学的機構が存在している。特に、アミノ酸及びグルコースは、エンテ
ロサイトの管腔又は先端膜領域内に配置されている輸送体分子によって摂取され
る。ビタミン摂取についてのレセプターも、エンテロサイト内張り(enterocyte
lining)の先端領域に存在している。
ここで特に興味のあることは、ビタミンB12(「VB12」)の摂取についての
生物学的機構である。シアノコバラミンとしても知られているVB12は、コバル
ト原子を取り囲んでいるコリン環構造から構成されている。VB12は通常、動物
生産物を経て摂取され、胃の酸性環境中に放出される。内因子
(「IF」)と呼ばれているVB12のための輸送タンパク質はまた、壁細胞によ
りヒトの胃の内腔内に分泌される[Levine,J.S.et al.,Ga
stroenterology,79巻、493〜502頁(1980年)参照
]。IF、即ち約44キロダルトンの糖タンパク質は典型的に、VB12の生理学
的吸収を促進するために必要な量よりも遥かに過剰の量で放出される。分泌され
ると、IFはVB12に高い親和力(Ka1.9×1012M-1)で結合するが、十
二指腸内では中性pH条件下でのみ存在する。IFがVB12と共に錯体化される
ようになった後、IFは、殆どのタンパク質を分解するその器官内に存在するプ
ロテアーゼに対して耐性になる[Allen,R.H.et al.,Jour
nal of Clinical Investigation、61巻、47
〜54頁(1978年)参照]。
IF−VB12錯体に結合するレセプターは、エンテロサイトの先端膜領域内に
、主として回腸内に存在している[Hagedorn,C.H.and Alp
ers,D.H.,Gastroenterology、73巻、1019〜1
022頁(1977年)参照]。各エンテロサイト上のIF−VB12錯
体に対するレセプターの数は小さい、即ち約300〜400/細胞であるけれど
も、IF−VB12錯体に対する結合親和力は高く、4.0×109M-1である[
Mathan,V.I.et al.,Journal of Clinica
l Investigation、54巻、598〜608頁(1974年)参
照]。そのレセプターに結合した後、IF−VB12錯体はエンテロサイト細胞体
内に内在化する[Kapadia,C.R.and Donaldson,R.
M.,Gastroenterology、76巻、1163頁(1979年)
参照]。次いでIFは明らかにエンテロサイト内で分解される。他方、VB12は
、細胞を横切ってトランサイトーズし、次いで血清輸送タンパク質であるトラン
スコバラミンII(TCII)との錯体で、体循環の中に放出される[Roth
enberg,S.P.et al.,British Journal of
Haemotology、40巻、401頁(1978年)及びDix,C.
J.et al.,Gastroenterology、98巻、1272〜1
279頁(1990年)参照]。
このVB12摂取機構を、薬物、ホルモン、抗原物質等々のよ
うな生物学的活性物質を、腸腔から循環血液中に、これらの物質をVB12に共有
結合させることによって輸送するために使用することが提案されている。ヨーロ
ッパ特許出願公開0 220 030 A2には、VB12の環A、B及びCに隣
接したプロピオンアミド側鎖のアミド基を酸加水分解後カルボジイミドを使用す
ることによるポリペプチドのアミノ基への化学結合を含むVB12−ポリペプチド
複合体の製造方法が開示されている。ウシ血清アルブミン(BSA)、硫酸ネオ
マイシン及び黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)のD−lys−6類似体
とのVB12の複合体の合成が、この出願明細書に例示されている。更に、マウス
へのVB12−BSA及びVB12−lys−6−LHRH複合体の経口投与が記載
されている。Marques et al.,Inorganica Chim
ica Acta、162巻、151〜155頁(1989年)も参照されたい
。
発明の要約
本発明は、ビタミンB12と哺乳類種を治療するために有用である治療的に有用
であるタンパク質との生物学的活性複合体を提供する。特に、これらの複合体は
、VB12のリボース部分の
第一級(5′)ヒドロキシル基を介してVB12を治療タンパク質に共有結合させ
ることを含む化学的アプローチを使用して形成される。得られた複合体は、種々
の送達様式、好ましくは経口により哺乳動物に投与することができる。特に、経
口で送達するとき、本発明の複合体は脊椎動物宿主の胃腸管内で内因子に結合す
る。VB12−タンパク質複合体がIFに結合すると、これは、タンパク質治療薬
の生物学的活性を残しながらエンテロサイトによって摂取され、血液流の中に輸
送される。経口投与について、この複合体は好ましくは、精製した内因子(IF
)輸送体タンパク質と一緒に使用され、吸収が一層高まる。
一般的に、本発明の生物学的活性複合体は、治療活性タンパク質を5′−O−
[グルタロイル]シアノコバラミンと、この二つの間に共有結合を形成する条件
下で反応させることによって製造することができる。好ましくは、VB12の5′
−O−グルタロイル誘導体は、VB12を反応性グルタル酸誘導体、例えば無水物
でアシル化して、α−リボース部分の第一級ヒドロキシル基(5′−OH)を化
学的に反応性のカルボキシル基に選択的に転換することによって形成される。こ
のようにして得られたVB12誘導体を次いで好ましくは官能性結合剤及び/又は
スペーサー基と反応させて、第二の誘導体を形成し、次いでこれを治療用タンパ
ク質と反応させて、生物学的活性複合体を形成させる。
上記のこれらの複合体及びその製造方法に加えて、本発明にはまたこの複合体
を含有する医薬組成物が含まれる。このような組成物には、必ずしも必要ではな
いが、天然に存在するか又は組換え体外因性形であってよい吸収増強量の内因子
が含有されていてよい。
本発明は、種々の治療用タンパク質、好ましくは顆粒球コロニー刺激因子(G
−CSF)、エリトロポイエチン(EPO)又はコンセンサスインターフェロン
(IFN−Con)の使用を包含し、これらの使用を後で発明の詳細な記述に例
示する。
本発明の開示の目的のために、用語「VB12」及び「シアノコバラミン」は、
同じ物質を意味するために互換的に使用する。
図面の簡単な説明
図1は、本発明による中間体を含むVB12の誘導体並びにVB12−タンパク質
複合体最終生成物の化学構造の三次元表示である。
図2は、VB12の誘導体の製造方法の反応図式であり、こ
れらの誘導体は、本発明によるVB12−タンパク質複合体を製造するために有用
である。本図及び図3〜6の置換基記号(R1、R2、R3等)の前の数字(1、
2、3など)は、図1の式の下に記載したこれらの数字に関係している。
図3は、本発明によるVB12とEPOとの複合体の製造方法の反応図式である
。
図4は、本発明によるVB12とG−CSFとの複合体の製造方法の反応図式で
ある。
図5は、本発明によるVB12とペギル化した(ポリエチレングリコール変性し
た)G−CSFとの複合体の製造方法の反応図式である。
図6は、本発明によるVB12とIFN−Conとの複合体の製造方法の反応図
式である。
図7は、非複合IFN−Con及びVB12とIFN−Conとの複合体を十二
指腸内注入した後の、ピコグラム/ミリリットルで示したIFN−Conの全血
レベルのグラフである。
図8は、非複合IFN−Con及びVB12とIFN−Conとの複合体を十二
指腸内注入した後の、ピコグラム/ミリリットルで示したTCA−沈殿性IFN
−Conの血漿レベルのグ
ラフである。
図9は、経口ガバージュ、十二指腸内ボーラス又は十二指腸内注入を経て投与
した後の、ラット内因子(rIF)の存在下及び不存在下での健康なラットでの57
Co−標識VB12の摂取を示す。
図10は、健康なラットに十二指腸内注入した後の、IFN−Conの血漿レ
ベルへのIFN−ConとのVB12複合体の影響を示す。VB12−IFN−Co
n摂取への組換え体ラット内因子(rrIF)の含有の影響を示す。このデータ
は、72時間に亘る血漿薬物濃度レベル/時間曲線の下の面積(AUC72)を表
し、台形方式(n=4)を用いて誘導される。
図11は、ラットに静脈内投与した後の、VB12とIFN−Conとの125I
−標識複合体とある時間比較した125I−標識IFN−Conの、100マイク
ロリットル当たりのカウント数/分(cpm)で示した血液レベルのグラフであ
る。
図12は、ラットに静脈投与した後の、合計ナノグラム/器官で示したVB12
とのIFN−Conの複合体(パネルB)と比較した自然のIFN−Con(パ
ネルA)の生体分布を示す。
3個の時点、即ち5分、60分及び6時間を使用した。
図13は、静脈内投与した後の、ラット(n=4)の肝臓内の、合計ナノグラ
ムで示したVB12−IFN−Con複合体と比較した自然IFN−Conの量を
示す。
発明の詳細な記述
好ましくは、本発明によるVB12とタンパク質との複合体は、下記の式のもの
であろう。
(式中、Rは、
(1)CO−(CH2)n−COR1(式中、R1はタンパク質である)又は
(2)CO−(CH2)n−CONH−(CH2)12−NHCOCH2CH2−S
−R3(式中、R3はタンパク質である)又は
(3)CO−(CH2)n−CONH−(CH2)7COR1(式中、R1はタンパ
ク質である)又は
(4)CO−(CH2)n−CONHNHCO(CH2)4CONHNHR1(式
中、R1はタンパク質である)又は
(5)CO−(CH2)n−CONHNHCO(CH2)4CONHN=R4(式
中、R4はタンパク質である)
であり、そして
nは1〜12の整数である)。
最も好ましい態様に於いて、このような複合体は図1の式によるものであろう
。
本発明の実施に於いて、治療的に有用なタンパク質でありVB12化合物と共有
結合することが可能なポリペプチドはいずれも使用することができる。例えば、
このタンパク質は組換え体又は天然に存在するものであってよく、これにはとり
わけ、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、上皮増殖因子(EGF)、エリ
トロポイエチン(EPO)、アルファ、ベー
タ、ガンマ等のようなインターフェロン、顆粒球/マクロファージコロニー刺激
因子(GM−CSF)、角化細胞増殖因子(KGF)、IL−1、IL−2等の
ようなインターロイキンが含まれていてよいが、これらに限定されない。神経成
長因子(NGF)、脳誘導神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3
(neurotrophin−3)(NT−3)等々のような神経栄養因子も包
含される。本発明によりVB12と複合されると、このタンパク質はあたかも複合
されていないときと同じ治療目的のために有用であると期待することができる。
本発明を、特に、本発明の実施のための好ましい物質である顆粒球コロニー刺
激因子(G−CSF)、エリトロポイエチン(EPO)及びコンセンサスインタ
ーフェロン(IFN−Con)に関して、以下に更に示す。これらのタンパク質
は、特別の疾患又は障害の治療のために治療的に有用であることが知られている
。G−CSFは、ガンのために化学療法を受けている患者の好中球減少症(即ち
、好中球欠損症)の治療に使用することが承認されている。EPOは腎臓透析を
受けている患者の慢性貧血の治療に使用することが承認されている。IFN−C
onはウイルス性肝炎感染の治療についてヒト臨床試験中
である。
EPOの組換え体製造方法及び精製方法は、米国特許第4,703,008号
(Lin)に記載されており、G−CSFは米国特許第4,810,643号(
Souza)及び同第4,999,291号(Souza)に記載されており、
そしてIFN−Conは米国特許第4,897,471号(Stabinsky
)及び同第4,695,623号(Stabinsky)に記載されている。こ
れらの特許の開示を参照して本明細書に含めるとする。
生物学的性質に影響を与えるために、ポリエチレングリコールのようなポリマ
ーを共有結合させた上記した及びその他のタンパク質も意図される[例えば、米
国特許第4,179,337号(Davis)(その開示を本明細書に参照して
含める)を参照されたい]。このタンパク質と共に使用するためのその他の可能
性のある担体の別には、ポリマーベースの微粒子、リポソーム及びプロテイノイ
ドが含まれる。
本発明によるVB12と治療用タンパク質との複合体は、好ましくは、リボース
部分の5′−OH基のアシル化によるVB12
の5′−O−グルタロイル誘導体を得ることを含む方法によって得られる。5′
−O−グルタロイル誘導体の化学的修飾は、化学結合を形成することができる少
なくとも1個の官能基を用意し、複合体を形成する条件下で修飾5′−O−グル
タロイル誘導体を治療用タンパク質と反応させることによって行われる。
典型的に、アシル化工程は、VB12をジメチルスルホキシドのような適当な溶
媒中に溶解し、このVB12溶液を適当な反応性グルタル酸誘導体(例えば、無水
物)で処理し、イオン交換クロマトグラフィーにより60〜70%収率で標的化
合物、即ち5′−O−グルタロイル−VB12を単離することによって行われるで
あろう。このIFに対して結合する保持能力を有するVB12カルボン酸誘導体の
製造方法は、唯一の適当なモノ酸、即ちε−モノカルボン酸が僅か9〜10%収
率しか生じない従来のシアノコバラミンプロピオンアミド側鎖加水分解方法を越
えた利点を有する。このようにして得られたVB12カルボン酸誘導体は、(適当
な架橋試薬の存在下で)直接タンパク質に複合させるか又は更に誘導してタンパ
ク質との複合のために適した第二の誘導体を形成することができる。
一般的に、本発明は、下記の工程からなる方法による、タン
パク質1分子当たり少なくとも1個のVB12分子を含むVB12−タンパク質複合
体の製造方法を提供する。
a)VB12の5′−O−グルタロイル誘導体を混合酸無水物、酸ハライド又は
活性化エステルのような適当なアシル化剤に変換し、この新しい誘導体を単離し
、次いでこれをタンパク質と反応させる工程。好ましいアプローチは、VB12の
5′−O−グルタロイル誘導体のN−ヒドロキシスクシンイミジル活性エステル
の製造及び単離並びにこの誘導体を当該治療用タンパク質と反応させることから
なる。
b)VB12の5′−O−グルタロイル誘導体とタンパク質単位との複合を、ジ
ヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−
カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル)−4−エチル
−カルボジイミド、N−ベンジル−N′−3−ジメチルアミノプロピルカルボジ
イミド、N−エチル−3−フェニルイソオキサゾリウム−3′−スルホナート(
ウッドワード試薬K)、N−エチルベンゾイソオキサゾリウムテトラフルオロボ
ラート、クロロギ酸エチル、クロロギ酸p−ニトロフェニル、1,1′−カルボ
ニルジイミダゾール、N−(エトキシカルボニル)−2−エ
トキシ−1,2−ジヒドロキノリン及びN−(イソブチルカルボニル)−2−イ
ソブトキシ−1,2−ジヒドロキノリンのような適当なカルボキシル基活性化試
薬の存在下で行う工程。
c)任意に、次のタンパク質との複合のために適している追加の官能基を導入
する目的で、カルボン酸部位でのVB12の5′−O−グルタロイル誘導体の別の
修飾を実施する工程。この最後の工程は、必要に応じて、適当なホモ−又はヘテ
ロ二官能性試薬の存在下で行うことができる。このような新しい官能基の付加は
、多数の目的の機能を果たすことができる。ある場合には、この付加は、複合体
に於けるVB12部分とタンパク質表面との間の距離を増加させるためのスペーサ
ーアームを加える目的のために行われる。他の場合には、官能基変換を、VB12
ベースの試薬の反応性又は選択性を変え、そうして次の複合反応に含まれるであ
ろうタンパク質側鎖官能基の種類又は数を変えるために使用することができる。
これらの操作の重要性は、本明細書で更に示す実施例により明らかに示される。
一般的に、本発明によるVB12−タンパク質複合体は、この複合体のタンパク
質成分が有用である全ての治療で有用であろう。例えば、VB12とEPOとの複
合体は、腎不全の場合のよ
うな慢性貧血に罹っている患者を治療するために使用することができる。VB12
とG−CSFとの複合体は、好中球減少症を治療するため又は感染を治療するた
めに好中球レベルを増加させるために使用することができる。VB12とコンセン
サスインターフェロンとの複合体は、B型肝炎及びC型肝炎のようなウイルス性
感染と治療するために使用することができる。
特定の障害又は状態の処置で有効であろう複合体の量は、障害又は状態の性質
に依存し、標準的臨床的方法又は特定のタンパク質について既に確立されている
投与量及び処方計画により決定することができる。可能な場合には、本発明の医
薬組成物の用量−反応曲線を、ヒトで試験する前に最初は試験管内で、同様にバ
イオアッセイシステムで、次いで有用な動物モデルシステムで決定することが望
ましい。
投与方法には、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内及び特に経口が含
まれる。本発明のVB12−タンパク質複合体は特に経口送達・経腸摂取のために
適合されているので、経口投与が好ましい。
本発明はまた、1種又は2種以上の薬学的に許容される賦形剤、保存剤、可溶
化剤、乳化剤、アジュバント及び/又は担体
と一緒に有効量の本発明のVB12−タンパク質複合体を含む医薬組成物を提供す
る。適当な剤形に成分を配合するための標準的な方法を使用することができる。
経口送達のために処方されるか又は適合している医薬組成物が特に好ましい。
胃の中では溶解しないが、十二指腸内又は腸管のどこかでVB12−タンパク質を
放出する組成物が利用できる。この種類の固体剤形には錠剤、カプセル剤、丸剤
、トローチ剤又はドロップ剤、カシェ剤及びペレット剤が含まれる。その他のこ
のような固体剤形は、プロテイノイド(米国特許第4,925,673号参照)
又はリポソーム被包を包含することができる。追加の詳細なことについては、M
arshall,K.,G.S.Banker and C.T.Rhodes
編、Modern Pharmaceutics,第10章(1979年)を参
照されたい。固体剤形には腸溶性皮膜を使用することが含まれていてよく、腸溶
性皮膜の例は、マサチューセッツ州、MaldenのRohm Tech,In
c.により製造されたEudragitのようなメタクリル酸コポリマー;ニュ
ーヨーク州、ニューヨークのMontrose−Haeuser,Millma
ster Onyx Grou
pにより製造されたShellac;ニューヨーク州、ニューヨークのBidd
le Sawyer Corp.により製造されたヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースフタレート及びテネシー州、KingsportのEastman C
hemical Products,Inc.により製造されたセルロースアセ
テートフタレート(CAP)である。これらの被覆物質は、個々の又は組み合わ
せたフィルムとして使用することができる。最適の胃抵抗性を確保するために、
5.0より低いpHで安定性を有する皮膜が好ましい。
ショ糖を含む皮膜又は皮膜混合物を、胃液に対して保護することを意図しない
錠剤で使用することができる。この種のカプセルは、ドライ治療剤、例えば散剤
の送達のための硬質ゼラチンシェル又は液体治療剤、例えばVB12−タンパク質
溶液の送達のための軟質ゼラチンシェルからなっていてよい。カシェのための被
覆物質はデンプン紙からなっていてよい。丸剤、ドロップ剤、すりこみ錠剤又は
錠剤粉砕物のような他の剤形については、湿分塊化方法を使用することができる
。
本発明のVB12−タンパク質複合体は、非常に小さい粒子サイズ、例えば約1
ミクロンを有する顆粒又はペレットの形で微
細な微粒子として配合することができる。カプセル剤として投与するための組成
物は、粉末、軽く圧縮したプラグ又は錠剤の形であってよい。
薬学的に不活性の物質を使用してVB12−タンパク質複合体を希釈するか又は
その増量させることが望ましいか又は必要であろう。適当な希釈剤には、マンニ
トール、α−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、ショ糖、変性デキスト
リン及びデンプンのような炭水化物が含まれる。充填剤として有用である無機塩
には、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、三リン酸カルシウム、炭
酸マグネシウム及び塩化ナトリウムが含まれる。市販の希釈剤及び充填剤の例に
は、カリフォルニア州、サンフランシスコのForemost Foods C
ompanyによって製造されたFAST−FLO;イリノイ州、Decatu
rのStaley Manufacturing Companyによって製造
されたSTA−RX1500;ニューヨーク州、CarmelのEdward
Mandell Companyによって製造されたEMCOMPRESS;ペ
ンシルベニア州、フィラデルフィアのFMCCorporationによって製
造されたAVICEL及び
ニューヨーク州、NorwichのSheffield Productsによ
って製造されたLACTOSE DTが含まれる。
本発明による固体剤形で使用するために、崩壊剤が含有されていてもよい。例
にはデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アンバーライト、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ウルトラマイロペクチン(ultramylop
ectine)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、酸性カルボキシメチルセル
ロース、天然スポンジ及びベントナイトが含まれる。その他の適当な崩壊剤物質
には、不溶性カチオン交換樹脂、粉末化ゴム、例えば、寒天及びアルギン酸又は
アルギン酸塩が含まれる。
この医薬組成物に使用することができるその他の成分には、着色剤、矯味・矯
臭剤及び結合剤、例えば、アラビアゴム、トラガカント、デンプン、ゼラチン、
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等々;潤滑剤、例えば、ステアリン酸
、ポリテトラフルオロエチレン、液体パラフィン、植物油、ワックス、ラウリル
硫酸ナトリウム等々;滑剤、例えば、タルク、焼成シリカ、水和シリコアルミン
酸塩等々;並びにラウリル流酸ナト
リウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホン酸ナトリウ
ム等々のようなアニオン性洗剤、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウム
のようなカチオン性洗剤又はステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン水
素化ひまし油、グリセリンモノステアラート、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エ
ステル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等々のような非イオン
性洗剤を含む界面活性剤が含まれる。
上記の希釈剤、充填剤、崩壊剤、着色剤、矯味・矯臭剤、結合剤等は、その意
図する目的のために一般的である量で使用することができる。
幾つかの用途のために、VB12−タンパク質複合体が長期間に亘って徐々に放
出される徐放性剤形を使用することが望ましいであろう。例えば、VB12−タン
パク質複合体を、拡散又は浸出による放出を可能にするゴムのような不活性マト
リックス中に含有させることができる。ゆるやかに変性するマトリックス又は半
透過性膜を使用することも可能である。腸皮膜もその性質により放出を遅延させ
る機能を果たす。
前記のように、治療用タンパク質は、ポリエチレングリコールのようなポリマ
ーの共有結合により修飾することができる。
このようなポリマーは、経口剤形についてタンパク質安定性を増大させる機能を
果たすことができる。これ以上の情報については、Delgado et al
.,Critical Reviews in Therapeutic Dr
ug Carrier Systems、第9巻、249〜304頁(1992
年)を参照されたい。また、ポリマーの側鎖に結合することによってVB12及び
治療用タンパク質を含有する担体ポリマーを、増大した量の複合体及び付随して
治療剤を送達する手段として使用することができる。
前記のように、VB12−タンパク質複合体を有効量の天然の又は組換え体外因
性内因子と共に使用する場合、経口送達後の消化管内でのVB12−タンパク質複
合体の吸収及び摂取を著しく増大させることができる。従って、実施の好ましい
態様に於いて、この医薬組成物は追加の成分として混合された内因子を含有する
ように処方される。典型的に、このような組成物に含有されるIFの有効量は、
使用するVB12複合体の量を基準にしており、一般的に2:1を越えないIF:
VB12のモル比の使用が含まれる。
一般的に、本発明のVB12−タンパク質複合体の有効量は、
患者の年令、体重及び疾患の状態又は重度により決定されるであろう。Remi
ngtonの薬科学(Pharmaceutical Sciences)、6
97〜773頁(参照して本明細書に含める)を参照されたい。服用は毎日1回
若しくは2回以上又はもっと少ない頻度であってよく、熟練した医者が認めると
き他の組成物と一緒であってもよい。この複合体を使用することによって、更に
この複合体との混合物で内因子を使用することによって腸摂取が増大されるので
、単独で投与されたタンパク質と同じ生物利用率を得るために、より低い用量が
可能であると期待される。
特別の態様の記述
下記に示す例示物質、方法、手順及び試験結果を参照して、本発明を更に示す
。物質
ヒトエリトロポイエチン(EPO)、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CS
F)及びヒトコンセンサスインターフェロン(IFN−Con)は、チャイニー
ズハムスター卵巣又は細菌(E.coli)細胞内でのヒトDNAの発現により
、カリフォルニア州、Thousand OaksのAmgen
Inc.により組換えにより製造された。ブタIFは、ミズーリ州、St.Lo
uisのSigma Chemical Companyから得た。ビタミンB12
もSigmaから得た。緩衝液並びにその他の試薬及び物質は標準的なもので
あった。高速液体クロマトグラフィー分析 方法1
カラム:3.9×150ミリメートル(mm)、Nova−Pak(C18)
、Waters、マサチューセッツ州、Millford。移動相A:50mM
燐酸塩、pH6.5;移動相B:アセトニトリル。勾配:t=0分で、A95%
及びB5%;t=0分とt=5分との間で、A85%及びB15%まで直線的に
変化させ、t=13分まで保持し;t=13分とt=27分との間で、A15%
及びB85%まで直線的に変化させ、次いでt=27分とt=28分との間で、
出発条件に直線的に戻す。流速:1分間当たり1.5ミリリットル(mL/分)
。UV検出器:360ナノメートル(nm)。方法2
カラム:4.6×250ミリメートル(mm)、214TP(C4)、Vyd
ac、カリフォルニア州、Hesperia。
移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);移動相B:0.1%TFA中
95%アセトニトリル。勾配:t=0分で、A95%及びB5%;t=0分とt
=10分との間で、A70%及びB30%まで直線的に変化させ;t=10分と
t=55分との間で、A25%及びB75%まで直線的に変化させ、t=60分
まで保持し、次いでt=60分とt=61分との間で、出発条件に直線的に戻す
。流速:0.8mL/分。UV検出器:220nm及び360nm。方法3
カラム:7.5×300mm、UltraSpherogel SEC200
0、Beckman Co.、カリフォルニア州、Fullerton。2本の
カラムを直列に結合。移動相:100mM燐酸塩、pH6.9。流速:1mL/
分。UV検出器:チャンネル1:280nm;チャンネル2:360nm。
実施例1
5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンの製造
シアノコバラミン(VB12)5グラム(g)を、グルタル酸無水物200g及
びピリジン160mLを含有する乾燥ジメチ
ルスルホキシド1,000mLに溶解した。室温(25℃)で12時間後に、1
0%水酸化カリウム水溶液で混合物をpH6.0に維持しながら、水1リットル
を添加することによって、過剰のグルタル酸無水物を分解した。次いでシアン化
カリウムを添加して、10mMの最終濃度を得、そして3N塩酸を添加して、溶
液をpH6.0に調節した。1時間後に、この溶液をXAD−16(Sigma
Chemical Co.)を充填したカラム(5×30cm)に添加した。
カラムを最初に脱イオン水で洗浄した。次いで50%アセトニトリル水溶液でシ
アノコバラミン誘導体を溶離した。溶離液を80mLの体積までロータリエバポ
レーターで蒸発させ、AG1×2(Bio−Rad)カラム(アセタート型、2
00〜400メッシュ、4.4×100cm)に適用した。このカラムを水で洗
浄して、未反応のシアノコバラミンを除去した。0.16%酢酸でモノグルタリ
ル誘導体を溶離した。少量成分を溶出した後で、主成分を含有する溶出物を捕集
し、XAD−16で脱塩し、約200mLまで濃縮し、凍結乾燥した。収量は5
′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン3.5g(65%)であった。生成
物のサンプルのHPLC分析(方法1)により、これが単
一の成分であったことが示された。
赤外スペクトル(KBr)1714cm-1。質量スペクトル:M+1,146
9.74±0.35;計算値:1469.61m/e。元素分析:C68H94CO
N14O17P・9H2O:C,50.06;H,6.93;N,12.02%。実
測値:C,49.93;H,7.11;N,11.94%。
実施例2 G−CSFへの5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンの複合
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン N−ヒドロキシ
スクシンイミドの製造及びこの誘導体とG−CSFとの反応による5′−O−[
グルタロイル]シアノコバラミンとG−CSFとの複合体の生成を示す。
実施例1に記載したようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコ
バラミン60ミリグラムを、無水エタノール4mL中の1−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)191mg及びN−
ヒドロキシスクシンイミド(NHS)115mgの溶液に添加した。反応混合物
を室温で2時間撹拌し、次いで無水ジクロロメタン
200mLに滴下により添加して、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミ
ン N−ヒドロキシスクシンイミドを製造した。後者を濾過により無定形の微細
沈殿として捕集した。HPLC分析(方法1)により、生成物が純粋であったこ
とが示された。
5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−N−ヒドロキシスクシンイミ
ド(8.5mg/mL)のエタノール溶液を調製し、この溶液0.1mLを1m
Lの100mMビシン緩衝液、pH8.0中のG−CSF5mgの溶液に添加し
た。反応を室温で1時間進行させ、その後反応混合物を0.1N HClでpH
4.0に調節し、1mg/mLのタンパク質濃度まで希釈した。得られた反応生
成物を、20mM酢酸ナトリウム、pH4.0中で、Sephadex G−5
0、Pharmacia、ニュージャージー州、Piscatawayによる溶
離によって、未反応シアノコバラミンから分離した。HPLCによる分析(方法
2)により、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとG−CSFとの複
合体が、G−CSFの複合度の違いを反映して、2種の部分的に分割された成分
として溶出されたことが示された。これらの複合体中のシ
アノコバラミンのG−CSFに対するモル比は、それぞれ1.84及び0.52
であった。
実施例3 EPOへの5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンの複合
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン N−ヒドロキシ
スクシンイミドとEPOとの反応による5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミンとEPOとの複合体の生成を示す。
実施例2に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミン N−ヒドロキシスクシンイミドのエタノール溶液0.18mLを、0.
5mLの100mMビシン緩衝液、pH8.0中のEPO3mgに添加した。4
℃で2時間後に、2.5mLの20mMクエン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0
を反応混合物に添加した。得られた反応生成物から、20mM酢酸ナトリウム中
で、7.0のpHで、Sephadex G−50による溶離によって、未反応
シアノコバラミンを分離した。HPLCによる分析(方法3)により、5′−O
−[グルタロイル]シアノコバラミンとEPOとの複合体が、
単一ピークとして溶出し、2.5のシアノコバラミンのEPOに対するモル比を
含んでいたことが示された。
実施例4 IFN−CONへの5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンの
複合
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン N−ヒドロキシ
スクシンイミドとIFN−Conとの反応による5′−O−[グルタロイル]シ
アノコバラミンとIFN−Conとの複合体の生成を示す。
2mLのPBS、pH7.0に溶解したIFN−Con2ミリグラムを、実施
例2に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン
N−ヒドロキシスクシンイミド溶液(0.2mL)に添加した。3.5時間室
温で撹拌した後、同じ緩衝液の存在下でSephacryl S−100でのゲ
ルクロマトグラフィーにより、未反応シアノコバラミンを分離した。HPLC(
方法2)により、得られたIFN−Conと5′−O−[グルタロイル]シアノ
コバラミンとの複合体が、3.7のシアノコバラミンのIFN−Conに対する
モル比で、単一ピークとして溶出した。
実施例5 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノドデシルアミドの 製造
本実施例は、中間体として使用するための5′−O−[グルタロイル]シアノ
コバラミンの12−アミノドデシルアミド誘導体の製造を示す。
実施例2に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミン N−ヒドロキシスクシンイミド63ミリグラムを、1,12−ジアミノ
ドデカン160mgを含有する無水メタノール10mLに溶解した。反応混合物
を室温で15分間撹拌し、その後、真空蒸発により5mLまで体積を減少させた
。この粗製生成物をジクロロメタン500mL中に沈殿させ、濾過し、次いで0
〜100%勾配の0.1%TFAを含有するアセトニトリル水溶液でSilic
a C4(Vydac)3.2×10cmカラムによる溶離により部分的に精製
した。0〜100%勾配の0.1N HClを使用しS Sepharose
FF2.6×30cmカラムからの溶離により、更なる精製を行った。得られた
生成物である5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノドデ
シルア
ミドを、一般的な方法でSep−Pak C18カートリッジ(Waters)で
脱塩し、次いで凍結乾燥した。収量は15mg(23%)であった。生成物のH
PLC分析は方法1によった。
実施例6 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノドデシルアミド− ジチオピリジルプロピオネートの製造
本実施例は、VB12−タンパク質複合体の製造で使用するための5′−O−[
グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノドデシルアミドのジチオピリジ
ルプロピオネート誘導体の製造を示す。
N−スクシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート13ミリ
グラムを、実施例5に記載したようにして製造した5′−O−[グルタロイル]
シアノコバラミン−12−アミノドデシルアミド13.8mg及びトリエチルア
ミン0.0016mLを含有する無水メタノール3mLに添加した。反応混合物
を室温で30分間撹拌し、1mLまで体積を減少させ、次いでジクロロメタン3
00mLに滴下により添加した。得られた沈殿生成物である5′−O−[グルタ
ロイル]シアノ
コバラミン−12−アミノドデシルアミド−ジチオピリジルプロピオネートを濾
過し、30%アセトニトリル水溶液に溶解し、凍結乾燥した。収量は12mg(
82%)であった。生成物のHPLC分析は方法1によった。質量スペクトル:
M+1848.50±0.70;計算値;1847.81m/e。
実施例7 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノドデシルアミド− ジチオピリジルプロピオネートとG−CSFとの反応
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノド
デシルアミド−ジチオピリジルプロピオネートとG−CSFとの反応による5′
−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとG−CSFとの複合体の生成を示す
。
実施例6に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミン−12−アミノドデシルアミド−ジチオピリジルプロピオネート4.06
mgを、塩酸で3.25のpHに酸性化した水0.67mL中のG−CSF4m
gの混合物に添加した。4℃で36時間放置した後、反応生成物から、20mM
酢酸ナトリウムで、pH4.0で、Sephadex
G−50による溶離によって、未反応5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミン−12−アミノドデシルアミド−ジチオピリジルプロピオネートを分離し
た。HPLCによる分析(方法2)により、得られた5′−O−[グルタロイル
]シアノコバラミンとG−CSFとの複合体が、1:1のシアノコバラミンのG
−CSFに対するモル比で、単一ピークとして溶出したことが示された。
実施例8 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノドデシルアミド− ジチオピリジルプロピオネートとG−CSFのポリエチレングリコール誘導体と の反応
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−12−アミノド
デシルアミド−ジチオピリジルプロピオネートとG−CSFのポリエチレングリ
コール誘導体との反応による5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとG
−CSFのポリエチレングリコール誘導体との複合体の生成を示す。
50%アセトニトリル水溶液0.34mL中の5′−O−[グルタロイル]シ
アノコバラミン−12−アミノドデシルアミド−ジチオピリジルプロピオネート
(実施例6)4.06
mgの溶液を調製した。別に、塩酸で3.25のpHに酸性化した水0.81m
L中のG−CSF4.14mgを含有するG−CSFのポリエチレングリコール
誘導体の溶液を調製した。二つの溶液を混合し、4℃で36時間放置した。未反
応シアノボラミンを、20mM酢酸ナトリウム、pH4.0中で、Sephad
ex G−50を使用するゲルクロマトグラフィーにより分離した。G−CSF
を含有する画分をプールした。HPLC(方法2)により、得られた5′−O−
[グルタロイル]シアノコバラミンとポリエチレングリコール−G−CSFとの
複合体が、0.89のシアノコバラミンのG−CSFに対するモル比で、単一の
広いピークとして溶出されたことが示された。
実施例9 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−8−アミノカプリル酸の製造
本実施例は、VB12−タンパク質複合体の生成で中間体として使用するための
5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンの8−アミノカプリル酸誘導体の
製造を示す。
実施例2に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロ
イル]シアノコバラミン N−ヒドロキシスクシンイミド63ミリグラムを、8
−アミノカプリル酸80mgを含有する無水メタノール10mLに添加した。反
応混合物を室温で30分間撹拌し、その体積を真空蒸発により5mLまで減少さ
せ、この粗製反応生成物をジクロロメタン500mLを添加することによって沈
殿させた。この沈殿を濾過し、0〜100%勾配の1.0%TFA中のアセトニ
トリルを使用してSilica C4(Vydac)3.2×10cmカラムか
らの溶離により精製した。生成物を含有する画分をプールし、真空蒸発により(
約50mLまで)濃縮し、凍結乾燥し、0〜100%0.1N酢酸の勾配でAG
1×2カラム(アセタート型、200〜400メッシュ、3.2×16cm)で
精製した。生成物画分をSep−Pak C18カートリッジ(Waters)
で濃縮し、次いで凍結乾燥して、赤色粉末として純粋な5′−O−[グルタロイ
ル]シアノコバラミン−8−アミノカプリル酸を得た。生成物のHPLC分析は
方法1により行われた。質量スペクトル:M+1609.62±0.35;計算
値:1610.71m/e。
実施例10 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−8−アミノカプリル酸−N−ヒ ドロキシスクシンイミドとG−CSFとの反応
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−8−アミノカプ
リル酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルの製造及びこの誘導体とG−
CSFとの反応による5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとG−CS
Fとの複合体の生成を示す。
実施例9に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミン−8−アミノカプリル酸40ミリグラムを、無水エタノール1.4mL中
の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩11
8mg及びN−ヒドロキシスクシンイミド71mgの混合物に添加した。得られ
た混合物を室温で2時間撹拌し、次いで無水ジクロロメタン200mLに滴下に
より添加した。得られた生成物である5′−O−[グルタロイル]シアノコバラ
ミン−8−アミノカプリル酸−N−ヒドロキシスクシンイミドは無定形の微細粉
末として沈殿し、これを0.45μm細孔サイズフィルター上に
捕集した。
エタノール0.08mL中の5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−
8−アミノカプリル酸−N−ヒドロキシスクシンイミド2.11mgの溶液を、
0.8mLの100mMビシン緩衝液、pH8.0中のG−CSF4mgと混合
した。室温で1時間後、混合物を0.1N HClでpH4.0に調節し、1m
g/mLのタンパク質濃度まで希釈した。未反応シアノコバラミンを、pH4.
0で20mM酢酸ナトリウムで溶離することによる、Sephadex G−5
0でのゲルクロマトグラフィーにより分離した。HPLCによる分析(方法2)
により、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとG−CSFとの複合体
が、二つの部分的に分割されたピークとして溶出されたことが示された。それぞ
れの生成物中のシアノコバラミンのG−CSFに対するモル比は、それぞれ2.
72及び1.81であった。実施例11 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−8−アミノカプリル酸−N−ヒ ドロキシスクシンイミドとEPOとの反応
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン
−8−アミノカプリル酸−N−ヒドロキシスクシンイミジルのEPOへの反応に
よる5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとEPOとの複合を示す。
0.5mLの100mMビシン緩衝液、pH8.0中のEPO3mgの溶液を
、実施例10に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコ
バラミン−8−アミノカプリル酸−N−ヒドロキシスクシンイミド1.70mg
に添加した。混合物を4℃で2時間放置した後、2.5mLの20mMクエン酸
ナトリウム緩衝液、pH7.0を添加し、未反応シアノコバラミンを、同じ緩衝
液の存在下でSephadex G−50でのゲルクロマトグラフィーにより分
離した。HPLCによる分析(方法3)により、5′−O−[グルタロイル]シ
アノコバラミン−8−アミノカプリル酸とEPOとの複合体が、単一のピークと
して溶出され、3.00のシアノコバラミンのEPOに対するモル比を有してい
たことが示された。
実施例12 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1,6−ジヒドラ ジドの製造
本実施例は、VB12−タンパク質複合体の製造で中間体とし
て使用するための5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンのアジピン酸−
1,6−ジヒドラジド誘導体の製造を示す。
実施例2に於けるようにして製造した5′−O−[グルタロイル]シアノコバ
ラミン N−ヒドロキシスクシンイミド63ミリグラムを、無水メタノール10
mL中のアジピン酸−1,6−ジヒドラジド139mgの溶液に添加した。この
溶液を室温で3時間撹拌し、その体積を真空蒸発により5mLまで減少させ、こ
の粗製反応生成物をジクロロメタン500mLを添加することによって沈殿させ
た。この沈殿生成物を0.1%TFA5mLに溶解し、次いで0〜100%勾配
の0.1%TFA中のアセトニトリルを使用してSilica C4(Vyda
c)3.2×10cmカラムにより溶離した。主成分に相当する画分をプールし
、真空蒸発により(約50mLまで)濃縮し、凍結乾燥し、次いでS Seph
arose FF2.6×30cmカラムに適用した。0〜100%勾配の0.
1N HClで溶離すると、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−ア
ジピン酸−1,6−ジヒドラジドが得られ、これをSep−Pak C18カート
リッジ(Waters)を使用して脱塩し、凍結乾燥した。収量は32mg(5
0%)であった。
実施例13 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1,6−ジヒドラ ジドとEPOとの反応
本実施例は、5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1
,6−ジヒドラジドとEPOとの反応による5′−O−[グルタロイル]シアノ
コバラミンとEPOとの複合体の生成を示す。
1mLの20mMクエン酸塩緩衝液、pH7.0中のEPO6mgを、0.1
Mヨウ化ナトリウム0.3mLで4℃で10分間処理した。生成物を、0.2M
酢酸ナトリウム、pH5.5でSephadex G−25カラムにより溶離す
ることによって緩衝液交換をした。溶離生成物を、0.2M酢酸ナトリウム5.
3mL中の5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1,6
−ジヒドラジド2.7mgの溶液と一緒にし、次いで10時間4℃で撹拌した。
未反応シアノコバラミンを、20mMクエン酸ナトリウム及び100mM Na
Cl、pH7.0中でSephacryl S−200HRでのゲルクロマトグ
ラフィーにより分離した。HPLCによる分析(方法3)により、5′−O−[
グルタロイル]シア
ノコバラミンとEPOとの複合体が、単一のピークとして溶出されたことが示さ
れた。シアノコバラミンのEPOに対するモル比は1.76であった。
実施例14 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1,6−ジヒドラ ジドのIFN−CONへの
複合
本実施例は、タンパク質のカルボン酸官能基の使用による、5′−O−[グル
タロイル]シアノコバラミンとIFN−Conとの複合体の生成を示す。
2mLの100mMリン酸塩緩衝液、pH6.0中のIFN−Con2mgの
溶液を、(実施例12に於けるようにして製造した)5′−O−[グルタロイル
]シアノコバラミン−アジピン酸−1,6−ジヒドラジド1.6mg及び1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩1.91mg
と、4℃で10時間反応させた。次いで、1−(3−ジメチルアミノプロピル)
−3−エチルカルボジイミド塩酸塩3.82mgを添加し、同じ条件下で更に5
時間反応を続けた。未反応のシアノコバラミンを複合反応生成物から、同じ緩衝
液中でSephadex G−50でのゲルクロマトグ
ラフィーにより分離した。HPLCによる分析(方法2)により、得られた5′
−O−[グルタロイル]シアノコバラミンとIFN−Conとの複合体が、1.
8のシアノコバラミンのIFN−Conに対するモル比で、二つの部分的に分割
されたピークとして溶出されたことが示された。
実施例15 5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1,6−ジヒドラ ジドとEPOとの反応
本実施例は、VB12誘導体のヒドラジジル官能基の使用による5′−O−[グ
ルタロイル]シアノコバラミンとEPOとの複合体の生成のための第二の方法を
示す。
0.36mLの水中のEPO2mgの溶液を、(実施例12に於けるようにし
て製造した)5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン−アジピン酸−1,
6−ジヒドラジド1.07mg及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−
エチルカルボジイミド塩酸塩1mgと、4℃で15時間反応させた。未反応シア
ノコバラミンを、20mMクエン酸ナトリウム及び100mM塩化ナトリウム、
pH7.0の緩衝液中でSephacryl S−100でのゲルクロマトグラ
フィーにより反
応生成物から分離した。反応生成物である5′−O−[グルタロイル]シアノコ
バラミン−アジピン酸−1,6−ジヒドラジドとEPOとの複合体のHPLC分
析(方法3)により、この複合体が単一のピークとして溶出され、0.44のシ
アノコバラミンのEPOに対するモル比を有していたことが示された。
分析手順及び試験方法 内因子結合親和力
VB12と治療用タンパク質との複合体の内因子(IF)に対する結合親和力を
、Journal of Clinical Investigation、5
4巻、598〜608頁(1974年)にMathan et al.により記
載されている手順に基づく競合結合アッセイを使用して測定した。このアッセイ
は、IF及びシアノコバラミンを有しない、1mM塩化カルシウム、0.5mM
塩化マグネシウム及び1重量%のウシ血清アルブミン(BSA)を含有する燐酸
塩緩衝食塩水(PBS)(Sigma Chemical Company、ミ
ズーリ州、St.Louis)中で行った。ブタIF(最終濃度1.845nM
)を、PBSの600μLの最終体積中、
各種濃度(0.123mM〜12.3nM)の57Co−シアノコバラミン、比活
性10〜20pCi/μgと共に、大過剰のVB12−タンパク質複合体(123
nM)に添加した。この溶液を撹拌し、室温で30分間インキュベーションし、
その後新しく調製したデキストラン−被覆木炭(PBS中木炭0.5重量%、デ
キストラン0.1重量%)1mLを4℃で添加した。10分間インキュベーショ
ンした後、IEC Centra−8Rベンチトップ遠心分離機、VWR Sc
ientific、ニュージャージー州、South Plainfieldで
、1000×G(2500rpm)及び4℃で、混合物を15分間遠心分離した
。上澄み液を得られたペレットから傾瀉し、Cobra2000ガンマ計数管(
Hewlett−Packard、カリフォルニア州、Palo Alto)で
分析して、結合した57Co−シアノコバラミンの量を決定した。
(結合した57Co−シアノコバラミンの遊離57Co−シアノコバラミンに対す
る比)対(57Co−シアノコバラミンの結合濃度)を、Scatchard、A
nnals of the New York Academy of Sci
ence、51巻、660〜672頁(1949年)の方法によってプロ
ットした。5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミン及びそのタンパク質複
合体のブタIFに対する結合親和力を、下記の式を使用してScatchard
プロットの勾配から決定した。
−勾配=−Kapp=−KL/(1+Kc[Lf])
(式中、
Kc=複合体の結合親和力
KL=シアノコバラミンの結合親和力
[Lf]=未結合複合体の濃度
大過剰の複合体を使用することによって、[Lf]の値を一定値(123nM
)として取り扱うことが可能になった。6回のアッセイの平均から求めたKLの
値は、(6.02±0.90)×109Mであった。VB12−G−CSF複合体の試験管内生物学的活性
5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンに対して複合した後の試験管内
でのVB12−G−CSFの生体活性を、マウス骨髄細胞内への3H−チミジンの
試験管内刺激摂取を測定することによって決定した。
骨髄細胞を雌Balb/Cマウスの後脚から、骨をPBS
でフラッシュすることによって捕集した。この細胞をFicoll−Paque
密度勾配(Pharmacia)で精製し、10%胎児ウシ血清(FBS)、1
0mMピルビン酸ナトリウム、1×最少必須培地(MEM)アミノ酸、40マイ
クロモル(μM)の必須アミノ酸、0.04重量%の重炭酸ナトリウム、1×M
EMビタミン溶液、10mMのL−グルタミン及び0.005重量%の硫酸ゲン
タマイシンを含有するMcCoysの5A培地で培養した。5%二酸化炭素含有
雰囲気下で37℃で2時間インキュベーションした後、非付着細胞を上澄み液中
に捕集し、目に見える細胞の数を血球計でカウントした。
1ミリリットル当たりG−CSF0.07〜1500単位(U/mL)の範囲
に亘って、標準曲線を作成し、アッセイする前に錯体を約0.3〜30U/mL
に希釈した。96ウエルプレートに、三重で、100μLの標準物質又は試験物
質及び100μLの4×104個の非付着マウス骨髄細胞を含有する培養基を添
加した。このプレートを5%二酸化炭素雰囲気下で37℃で68時間インキュベ
ーションした後、0.5μCiのチミジン[メチル−3H]、20Ci/ミリモ
ル(NEN)マ
サチューセッツ州、ボストン)をそれぞれのウエルに添加した。このプレートを
前記のようにして更に5時間インキュベーションした。細胞を濾紙上に捕集し、
水(10回)及びエタノール(1回)で濯ぎ、次いでベータプレートシンチレー
ション計数管(LKB)ニュージャージー州、Piscataway、モデル1
205−001)でBiofluorシンチレーション流体中でカウントした。
単位/ミリグラム(U/mg)での試験物質の生体活性を、チミジン[メチル
−3H]のG−CSF刺激摂取の標準曲線から決定した。VB12−EPO複合体の生体内生物学的活性
5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンに複合した後のEPOの造血活
性を、Nature、191巻、1065〜1067頁(1961年)に記載の
Cotes and Binghamの方法を使用して、脱低酸素(exhyp
oxic)赤血球増加症のマウスで生体内で決定した。
腹腔内(i.p.)注入の前の複合体の希釈は、サンプルのA280から誘導さ
れるタンパク質含有量を基準にした。VB12−IFN−Con複合体の試験管内生物学的活性
5′−O−[グルタロイル]シアノコバラミンに複合させた後のIFN−Co
nの試験管内生体活性を、培養細胞系内のウイルス複製の抑制の測定によって決
定した。
HeLa細胞を96ウエルプレートの中に15,000細胞/ウエルで入れ、
基本培地(100単位/mLのペニシリン、100mg/mLのストレプトマイ
シン、2mMのL−グルタミン、1重量%の非必須アミノ酸、0.1重量%の硫
酸ゲンタマイシン及び1%のHEPES緩衝液を含有するDulbeccoの修
正イーグル培地(DMEM))中で、10%FBSと共に、5%二酸化炭素下で
37℃で24時間インキュベーションした。IFN−Conは、基本培地及び0
.2%FBS中で40〜0.02ng/mL(40,000〜19.53単位)
の範囲の多重希釈で調製した。それぞれの標準サンプル及び適当に希釈した試験
サンプル100マイクロリットルをそれぞれのウエルに添加した。正(IFN−
Con無し)及び負(ウイルス無し)対照の両方について、基本培地単独100
μLを添加した。更に19〜23時間インキュベーションした後、培地を吸引し
、チャレンジウイルス、即ち脳心筋炎ウイルス(EMCV)100μLで、1%
FBSを含有するDMEM中
で100〜1000組織培養感染用量(TCID)単位に等しい希釈で置き換え
た。このプレートを更に約22時間インキュベーションし、培地を除去し、細胞
を200μLの無水メチルアルコールで5分間固定した。
固定液を除去し、細胞を0.5%ゲンチアン染料中で30分間染色し、次いで
遊離の染料を濯ぎ、0.5〜2時間空気乾燥した。染料を200μLのエチレン
グリコールモノメチルエーテルで溶離し、30分間振盪した。650nmでの各
ウエルの吸光度を、Vmax Kinetic Microplate Rea
der、モデル88026(Molecular Devices)で決定した
。標準物質についての結果を、IFN−Conの対数濃度対染料摂取のパーセン
トとしてグラフにした。10〜83%染料摂取の間の曲線の直線部分の回帰分析
を行い、試験サンプルの生体活性を決定した。結果
実施例に従って製造したVB12とタンパク質との複合体を、VB12輸送タンパ
ク質である内因子(IF)に対するそれらの結合親和力及び上記の試験方法を使
用する生物学的活性について評価した。その結果を表1に示す。
表1に示したデータから、5−O′−グルタロイル基を介した複合体では、I
F結合親和力が幾らか低下する結果になることが明らかである。しかしながら、
Ka値は大きいままである。タンパク質複合VB12についてのIFの結合親和力
の範囲を表1に示す。最低のKaは9.3×107M(実施例8)であり、PEG
分子によるIF結合の立体障害がこの損失の原因であろう。IFについてのVB12
結合親和力の最大の保持は、5.2×109M(実施例13)であり、これは
EPO分子のシアル酸を介するVB12の複合である。これらの値は、それぞれ非
複合VB12結合親和力の1.6%及び87%の保持に相当し、タンパク質複合V
B12が尚も内因子に結合しているであろうことを示している。
VB12複合G−CSFの試験管内生体活性が示され、G−CSFレセプターに
対して結合し、そうして応答を引き出すための複合体の能力を反映している。V
B12複合G−CSFの生体活性は33%〜60%の範囲である。以前の研究は試
験管内生体活性と生体内生体活性との部分的対応のみを示していた。しかしなが
ら、殆どの場合に、試験管内で測定可能な活性を有するG−CSFは生体内で応
答を刺激することができる。
カルボキシ基(実施例15)又はシアル酸基(実施例13)を介するEPOに
対する5−O′-[グルタロイル]シアノコバラミンの複合は、脱低酸素赤血球
増加症マウスアッセイで一貫して活性であった複合体を作った。この活性は33
%〜63%の範囲であった。
同様の結果が、VB12がアミン基(実施例4)又はカルボキシ基(実施例14
)を介して複合している、IFN−Conの複合体について観察された。得られ
た複合体は、自然のIFN−Conに比較して24〜28%の活性を有し、ウイ
ルス抑制研究で測定したものと非常に類似した活性を有していた。
前記の試験結果は、治療用タンパク質EPO、G−CSF及びIFN−Con
に対してVB12を複合化すると、生物学的に活性の分子が得られたことを示して
いる。また、VB12−タンパク質複合体は完全にIFに結合することができる。
IF結合親和力の保持は、全ての経口VB12−媒介送達の進展のために必須であ
る。VB12−IFN−Con複合体の生体内生物学的試験
動物へのVB12とIFN−Conとの複合体の投与を含む追加の試験を以下に
記載する。使用した複合体は実施例14のものであった。IFN−Con及びVB12−IFN−Con複合体の放射性標識化
1個のヨードビーズ(Pierce Chemicals、イリノイ州、Ro
ckford)を、メーカーの使用説明書に従って、1ミリリットル(mL)の
PBS[25ミリモル濃度(mM)リン酸ナトリウム、100mM塩化ナトリウ
ム、pH6.7]で予備洗浄した。次いでこのビーズを乾燥し、100マイクロ
リットル(μL)の0.5Mリン酸ナトリウム緩衝液が入ったエッペンドルフ(
Eppendorf)管に入れた。このビーズに、E.I.DuPont De
Nemours、デラウエア州、Wilmingtonから得たNa125I(担
体無し、比活性100mCi/mL)25μLを添加し、混合物を室温で5分間
インキュベーションさせた。PBS中のIFN−Con又はVB12−IFN−C
on複合体150マイクログラムを、エッペンドルフ管に添加し、ゆっくり混合
し、次いで室温で15分間インキュベーションした。1Mパラヒドロキシ安息香
酸塩30マイクロリットルを、非標識125Iを結合するために添加し、混合物を
更に10分間氷上でインキュベーションした。125I標識タンパク質と未結合125
Iとの分離
を、PBSで予め平衡化したPD10カラム(Pharmacia、ニュージャ
ージー州、Piscataway)で行った。PBS(500μL)で溶離した
画分を捕集し、Cobra5000ガンマ計数管(Hewlett−Packa
rd、イリノイ州、Downers Grove)で放射性活性について評価し
た。
標識タンパク質を含有する画分をプールし、4℃でPBS中で徹底的に透析し
た。更なる未結合125Iが除去されなくなるまで、透析液を連続的に125Iについ
てモニターした。放射性標識タンパク質と混合した遊離の125Iの量を、トリク
ロロ酢酸(TCA)の最終6%溶液で沈殿させることによって決定した。非標識125
Iの量は2%より少なく、IFN−Conの量はA280でのU.V.吸収によ
り決定した。125I標識IFN−Conの比活性は3.08×105cpm/μg
であり、125I標識VB12−IFN−Con複合体の比活性は4.67×105c
pm/μgであった。IFN−Con ELISA
96ウエルプレートを、15mMの炭酸ナトリウム及び35mMの重炭酸ナト
リウム、pH9.2中の1:1000希釈し
た、IFN−Conに対するウサギ由来ポリクローナル抗体(Amgen In
c.カリフォルニア州、Thousand Oaks)100μL/ウエルで被
覆した。被覆は、抗体と共に室温で2時間インキュベーションし、続いて4℃で
一晩インキュベーションすることによって行った。傾瀉した後、5%ウシ血清ア
ルブミン(BSA)及び0.1%のNaN3を含有するPBSからなるブロッキ
ング溶液300μLを、ウエル内で室温で1時間インキュベーションさせた。0
.1%Tween20と共に、150mMのNaCl、13mMのEDTA及び
0.25mMのチメロソール(thimerosol)を含有する50mM T
rizma塩基、pH7.4からなるTNE緩衝液50μLを、標準サンプル又
は希釈サンプル50μLと一緒にウエルに添加した。標準曲線は、試験ラットに
投与したものに依存して、自然のIFN−Con又はVB12−IFN−Con複
合体を使用するアッセイで作成した。次いでEIAプレートを室温で2時間、3
7℃で更に2時間インキュベーションした。傾瀉した後、プレートを標準洗浄溶
液(Kirkegaard & Perry Laboratories、メリ
ーランド州、Gaithersburg、カタログ番号50
−63−00)で2回洗浄した。10%FBSを含有するTNE緩衝液中に1:
4000に希釈したIFN−Conに対するマウスモノクローナル抗体(Amg
en Inc.、カリフォルニア州、Thousand Oaks)を添加し、
サンプルを室温で一晩インキュベーションした。傾瀉した後、EIAプレートを
2回洗浄し、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRPO)と複合させた、ヤギ
由来抗マウスIgG抗体(Boehringer Mannheim、インディ
アナ州、Indianapolis)を、1:2000の希釈度で添加した。室
温で2時間インキュベーションした後、プレートを傾瀉し、4回洗浄した。次い
でTMBペルオキシダーゼ基質溶液(Kirkegaard & Perry
Laboratories、カタログ番号50−76−00)100μLを添加
し、サンプルを室温で5分間インキュベーションした。1M H3PO4100μ
Lを添加することによって反応を終結させ、吸光度を450nmで測定し、63
0nmでの吸光度に対して参照した。
(1)ラットへのVB12−IFN−Con複合体の十二指腸内投与
それぞれ体重250〜350グラムの雄Spraque−
Dawleyラットを、使用前に7日間隔離し、次いで50mg/kgのNem
butolで腹腔内に麻酔した。胃を、剣状突起の直ぐ下で正中切開(約3〜4
cm)により露出した。幽門に対して1センチメートル離れた十二指腸内で巾着
縫合を行い、この縫合の中央を約2ミリメートル切開した。次いで10センチメ
ートルのシラスティックカテーテルを十二指腸内に8センチメートル進ませ、カ
テーテルも閉じられないように注意しながら巾着縫合を閉じることによって所定
の位置に固定した。
腸からの最適摂取を確保するために、試験サンプル8〜9μL/時を注入する
ために24時間かけてAlzetミニ浸透ポンプ、モデル2001Dからの低速
放出を使用した。ポンプには無菌状態でPBS221μLで表示される全用量を
予め充填しておき、カテーテルの自由端に取り付け、腹膜腔内に置いた。放射性
標識試験サンプルを下記のように配合した。グループ1(IFN−Con、対照)
10μg/kg(9.3×105cpm/ラット)で125I−IFN−Con+0
.1%ラットアルブミングループ2(VB12−IFN−Con複合体)
10μg/kg(1.4×106cpm/ラット)で125I−VB12−IFN−C
on+0.1%ラットアルブミン
手術の終わりに、腹膜を各場合にランニングシルク縫合で閉じ、皮膚切開を創
クリップで閉じた。次いでラットをそれが麻酔から覚めるまでウォーミングパッ
ドの上に置いた。
イソフルオラン麻酔を使用して尾静脈から血液サンプルを取り出した。全放射
性活性の量を、ガンマ計数管を使用してそれぞれの血液サンプルについて決定し
た。血漿サンプルも、エッペンドルフ遠心分離機で、12,000rpm、11
750×gで15分間分間遠心分離することによって調製し、TCA沈殿性カウ
ント(TCAの最終6%溶液)の数を血漿中で決定し、血漿中で変化していない
IFN−Conに関連する放射性活性の量を評価した。
図7の結果は、全CPMから決定したときの、全血、即ち血漿及び血球中に存
在するIFN−Conの量を表している。125I−標識IFN−Conの幾らか
は、幾らかの細胞の上に存在するレセプターに結合するかもしれない。しかしな
がら、全てのカウントが変化していないタンパク質に関連していたと
しても、決定することは不可能であった。この理由のために、十二指腸内注入の
後のTCA沈殿性タンパク質の血漿レベルの比較を図8に示す。このデータを見
ると、VB12複合タンパク質の血漿レベルが、非複合IFN−Conに比べて増
加したことがわかる。十二指腸内への24時間注入期間の間に、VB12複合タン
パク質は、自然のIFN−Conについてよりも殆ど2倍大きい血漿レベルに達
した。この注入期間の間にタンパク質は定常状態に達しなかったが、その代わり
時間の経過と共に循環内に蓄積していると思われることは幾らか驚くべきことで
ある。そうしてVB12とIFN−Conとの複合により、消化管からのタンパク
質の全身への送達が増大した。
IFの存在がVB12の増加した摂取になるか否かを決定するために、3種の異
なった送達経路を使用する、ラットへの57Co−VB12とIFとの共投与を使用
した。幾匹かの試験ラットに、十二指腸内ポンプ注入方法の手段により放射性標
識VB12を与えた。試験ラットの別の群には、十二指腸内ボーラスとして57Co
−VB12を与えた。これは、前記の同じ十二指腸内投与手順を使用して行った。
適応は次の通りであった。カ
テーテルの端部に接続した管アダプターを有する1立方センチメートルの注射器
を使用して、サンプルをPBS200μLで十二指腸内に注射し、カテーテルを
取り出し、縫合をきつく閉じた。他の試験ラットには経口胃管栄養供給により投
与した。共投与のために設計されたこれらの試験群のために、チャイニーズハム
スター卵巣細胞内で作られたラットIF(rrIF)の組換え型を使用した。こ
れらの生体内研究の前のrrIFの結合分析によって、この輸送タンパク質が活
性であったことが示された。rrIFの結合親和力(Ka)は8.58×109
M-1であると計算された。この値は自然のヒトIFのもの、2×1010M-1と同
様であった[Stupperich,E.and Nexo,E.、Europ
ean Journal of Biochemistry、199巻、299
〜303頁(1991年)参照]。このデータは、rrIFが臨床設定でブタ又
はヒトIFで期待される結果の良好な指標であることを示した。動物を代謝ケー
ジの中に収容し、非吸収57Co−標識VB12の量を決定するために48時間に亘
って糞便を集めた。6個の試験群を下記のようにして評価した。
その結果を図9に示す。これからわかるように、胃腸管へのVB12の投与の最
善の方法は、外因性IFの存在下で摂取が僅かに増加する十二指腸内注入を経る
ものであると思われる。IFの含有は経口ガバージュにより供給されたこれらの
動物について最も小さい効果を有していた。IFの最大の効果は十二指腸内ボー
ラスによる投与で生じた。ここで、IFの含有は経口ガバージュ供給で得られる
ものと同様のレベルに対して殆ど3倍高い摂取になったけれども、VB12の摂取
はIF無しでは非常に劣っていた。これらの結果は、IFの含有がVB12−タン
パク質複合体の摂取を増強できることを示唆している。この
ことは、VB12−タンパク質複合体の放出が小腸内で起こり、胃内では起こらな
い腸皮膜を含む組成配合物について特に適しているであろう。
(3)VB12−IFN−ConとIFとの複合体
十二指腸内ポンプ注入生体内モデルを使用して、自然のIFN−Con又はV
B12−IFN−Conを、生きた健康なラットに24時間かけて投与した。用量
は各場合にPBS中で500μg/kgであった。内因子の吸収増強効果がある
かを評価するために、第三群のラットに組み替え体ラットIF(3mg/kg又
は1mg/ラット)をVB12−IFN−Conと一緒に与えた。最初の二つの試
験群には、1個のAlzetミニ浸透ポンプを使用して投与した。第三の試験群
には、1個のAlzetミニ浸透ポンプにVB12−IFN−Conを入れ、他の
Alzetミニ浸透ポンプに組換え体ラットIFを入れることによって投与した
。二つのポンプを、2センチメートルのカテーテルを介して3方向配管アダプタ
ーに接続した。このようにして、それを十二指腸に入れる前に、この2種の物質
を予備混合した。次いで、IFN−Conのレベルを決定するために、試験動物
から採取した血清について
ELISAを行った。血漿サンプルを微小容器血清分離器チューブ(Becto
n Dickinson Co.、ニュージャージー州、Franklin L
akes)に集め、分析するまで−80℃で貯蔵した。AUC分析を、研究を開
始した後72時間まで行った(AUC72)。その結果を図10に要約する。
これからわかるように、VB12−IFN−Con複合体についてのAUC72は
、自然のIFN−Conの10倍まで増加した。VB12−IFN−Conと組換
え体ラット内因子との組合せ物を与えられた動物では、それらの血清中のIFN
−Conレベルが大きく上昇し、特に、自然のIFN−Conの36倍の増加及
びIFを含有しないVB12−IFN−Conの4倍の増加であった。これらのデ
ータは、もう一度、VB12−タンパク質複合体が非複合タンパク質に比較したと
き増強された腸摂取を有することを示す。また、VB12ベース送達システムの摂
取容量は、輸送タンパク質であるIFの含有によって大きく増強される。
(4)ラットへのVB12−IFN−Con複合体の静脈内投与
A)薬物動力学
留置カニューレを体重250グラムの雄Spraque−
Dawleyラットの右頚静脈内に埋没し、試験動物を試験サンプルの投与の前
1日間回復させた。カニューレを毎日2回ヘパリン30U/mLを含有する食塩
水100μLで洗った。3匹のラットを1群とする2群のラットを使用し、これ
に下記の配合物を陰茎静脈から投与した。グループ1(IFN−Con、対照)
8.2μg/ラット又は33μg/kgで125I−IFN−Con;比活性48
6cpm/ng又は4.0×106cpm/ラット;注射の体積=120μL/
ラットグループ2(VB12−IFN−Con複合体)
0.4μg/ラット又は1.6μg/kgで125I−VB12−IFN−Con;
比活性1170cpm/ng又は4.0×106cpm/ラット;注射の体積=
100μL/ラット
全てのサンプルはPBS中で配合した。留置カニューレを通して血液サンプル
を集め、各サンプルの放射性活性の量をCobra5000ガンマ計数管(Pa
ckard)で決定した。
B)生体分布
陰茎静脈内への下記の組成物を静脈内投与後生体分布分析を
するために、3個の時点、即ち5分、60分及び6時間を選択した。グループ1(IFN−Con、対照)
4.0μg/ラット又は16μg/kgで125I−IFN−Con;比活性48
6cpm/ng又は2.0×106cpm/ラット;注射の体積=100μL/
ラットグループ2(VB12−IFN−Con複合体)
4.0μg/ラット又は16μg/kgで125I−VB12−IFN−Con;比
活性500cpm/ng又は2.0×106cpm/ラット;注射の体積=10
0μL/ラット
動物を殺した後、生命を維持する器官を取り出し、全器官又は重要な部分をガ
ンマ計数管でカウントし、次いでその結果を器官の全重量について補正した。血
液中のIFN−Conの全量の概算のために、全血1ミリリットルをカウントし
、17ミリリットルの全体積を250グラムの体重のラットについて推定した。
消化管に関連し得るIFN−Conのレベルを決定するために、十二指腸の10
センチメートル部分を取り出し、ガンマ計数管でカウントした。結果
図11に示す薬物動力学研究の結果は、記載した用量でのラットの二つの試験
群の循環血液中の自然のIFN−Con及びVB12−IFN−Con複合体の性
質の間には非常に僅かしか差異が存在しないことを明らかにしている。複合体の
血液レベルはIFN−Con単独よりもゆっくり清掃されると思われるけれども
、両物質は投与後約1時間以内に循環から清掃された。
生体分布研究の結果(図12及び13)は特に興味がある。薬物動力学研究で
のように、自然のIFN−Con(図12、パネルA)とVB12−IFN−Co
n複合体(図12、パネルB)との間の循環レベルに於いて非常に僅かしか差異
が存在しなかった。肝臓及び腎臓への分布は、タンパク質上のVB12の存在によ
って最も影響を受けた。特に、肝臓は自然のIFN−Conに比較して明らかに
上昇した複合体のレベルを有しており、わずか5分後に1.5倍増加した。この
増加は投与後1時間で一層顕著になった(3倍の増加)。6時間後に差は無かっ
た(図12及び図13)。
腎臓内の自然のIFN−Con及び複合IFN−Conの分
布(図12)は、ちょうど逆であることがわかった。体からのIFN−Conの
除去の主な経路は糸球体濾過によるものであり、このプロセスはVB12の存在に
よって抑制されることが明らかであろう。この現象はまた、何故複合体の循環レ
ベルがこの研究に於いて自然のIFN−Conについてよりも一般的に高かった
かを説明するであろう。
これらの結果は、典型的に肝臓に影響を与える肝炎のようなウイルス性感染を
治療する際にVB12−IFN−Conの利用の点で重要な関係を有している。肝
臓に対する複合体の増加した送達(本研究に於いて殆ど3倍である)のために、
複合体は、その器官でのIFN−Conの効能を増加させることによって一層有
効な治療薬であることを証明することができる。この可能性は経口送達VB12−
IFN−Con複合体について特に重要である。最初の通過代謝は、消化管から
の全ての吸収が最初に肝臓を通り抜け、その後体中に分布されることを指令する
。VB12はこのような分布を阻止し、経口送達された複合体を肝臓に送達させる
ことを助けることができると思われる。この効果は、肝炎を治療するように設計
された治療で特に重要であろう。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
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,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA,UG,
UZ,VN
(72)発明者 キンストラー,オラフ・ボリス
アメリカ合衆国、カリフオルニア・91360、
サウザンド・オークス、セント・チヤール
ズ・ドライブ・887、ナンバー・21
(72)発明者 ピツト,コリン・ジエフリイ
アメリカ合衆国、カリフオルニア・91361、
サウザンド・オークス、リーワード・サー
クル・2379
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 治療用タンパク質が、ビタミンB12のリボース単位の第一級(5′)ヒド ロキシル基に共有結合している、ビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的 活性複合体。 2. 式: (式中、Rは、 (1)CO−(CH2)n−COR1(式中、R1はタンパク質である)又は (2)CO−(CH2)n−CONH−(CH2)12−NHCOCH2CH2−S −R3(式中、R3はタンパク質である)又は (3)CO−(CH2)n−CONH−(CH2)7COR1(式中、R1はタンパ ク質である)又は (4)CO−(CH2)n−CONHNHCO(CH2)4CONHNHR1(式 中、R1はタンパク質である)又は (5)CO−(CH2)n−CONHNHCO(CH2)4CONHN=R4(式 中、R4はタンパク質である) であり、そして nは1〜12の整数である)。 を有する請求の範囲第1項記載のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的 活性複合体。 3. 治療用タンパク質がエリトロポイエチンである請求の範囲第1項記載のビ タミンB12と治療用タンパク質との生物学的活性複合体。 4. 治療用タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子である請求の範囲第1項記載 のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的活性複合体。 5. 治療用タンパク質がコンセンサスインターフェロンである請求の範囲第1 項記載のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的活性複合体。 6. 治療用タンパク質が組換え手段によって作られる請求の範囲第2項、第3 項、第4項又は第5項記載のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的活性 複合体。 7. 請求の範囲第1項記載のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的活 性複合体及び薬物的に許容される担体を含む医薬組成物。 8. 血流に生物学的活性量の治療用タンパク質を送達するために、哺乳類の消 化管で摂取され且つ消化管を介して輸送され得る請求の範囲第7項記載の医薬組 成物。 9. 下記の工程: a)リボース単位の第一級(5′)ヒドロキシル基を化学的に反応性のカルボ キシル基に変換することによってビタミンB12の化学的に反応性の誘導体を形成 する工程、 b)任意に、リボース単位の化学的に反応性のカルボキシル基を、治療用タン パク質に共有結合させることができる他の官能基に変換する工程、 c)工程(a)又は工程(b)のビタミンB12誘導体を治療用タンパク質と反 応させて、ビタミンB12と前記タンパク質との生物学的活性複合体を形成する工 程、及び d)この複合体を回収する工程 からなる、請求の範囲第1項記載のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学 的活性複合体の製造方法。 10. 工程(a)に於いて、ビタミンB12をグルタル酸誘導体と反応させて、 ビタミンB12の5′−O−グルタロイル誘導体を形成する請求の範囲第9項記載 の方法。 11. 工程(b)に於いて、工程(a)からのビタミンB12の5′−O−グル タロイル誘導体をアシル化剤に変換する請求の範囲第10項記載の方法。 12. ビタミンB12の5′−O−グルタロイル誘導体を、混合酸無水物、酸ハ ライド又は活性化エステルに変換する請求の範囲第11項記載の方法。 13. 活性エステルがN−ヒドロキシスクシンイミジル活性エステルである請 求の範囲第12項記載の方法。 14. 工程(c)をカルボキシル基活性化剤の存在下で行う請求の範囲第9項 記載の方法。 15. (1)治療用タンパク質がビタミンB12のリボース単位の第一級(5′ )ヒドロキシル基に共有結合している、ビタミンB12と治療用タンパク質との生 物学的活性複合体及び(2)吸収増強量のヒト内因子を含む医薬組成物。 16. ビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的活性複合体が、式: (式中、Rは、 (1)CO−(CH2)n−COR1(式中、R1はタンパク質である)又は (2)CO−(CH2)n−CONH−(CH2)12−NHCOCH2CH2−S −R3(式中、R3はタンパク質である)又は (3)CO−(CH2)n−CONH−(CH2)7COR1(式中、R1はタンパ ク質である)又は (4)CO−(CH2)n−CONHNHCO(CH2)4CONHNHR1(式 中、R1はタンパク質である)又は (5)CO−(CH2)n−CONHNHCO(CH2)4CONHN=R4(式 中、R4はタンパク質である) であり、そして nは1〜12の整数である)。 を有する請求の範囲第15項記載の医薬組成物。 17. 治療用タンパク質が、エリトロポイエチン、顆粒状コロニー刺激因子及 びコンセンサスインターフェロンからなる群から選択される請求の範囲第15項 記載の医薬組成物。 18. 請求の範囲第1項記載の複合体の形でタンパク質を投与することからな る、経口的に投与された治療用タンパク質に対する哺乳動物の応答を増強させる 方法。 19. 複合体を内因子と共に投与する請求の範囲第18項記 載の方法。 20. 哺乳動物がヒトである請求の範囲第18項又は第19項記載の方法。 21. 請求の範囲第1項記載のビタミンB12と治療用タンパク質との生物学的 活性複合体を使用することからなる、経口投与によって肝臓に治療用タンパク質 を送達する方法。 22. 治療用タンパク質がコンセンサスインターフェロンである請求の範囲第 21項記載の方法。 23. ヒトへの生体内投与を含む請求の範囲第21項又は第22項記載の方法 。
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