JPH0797333A - 超分子構造型集合体 - Google Patents

超分子構造型集合体

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JPH0797333A
JPH0797333A JP5326635A JP32663593A JPH0797333A JP H0797333 A JPH0797333 A JP H0797333A JP 5326635 A JP5326635 A JP 5326635A JP 32663593 A JP32663593 A JP 32663593A JP H0797333 A JPH0797333 A JP H0797333A
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polysaccharide
cytokine
supramolecular structure
sterol
type aggregate
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JP5326635A
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English (en)
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Junzo Sunamoto
順三 砂本
Kazunari Akiyoshi
一成 秋吉
Susumu Iwasa
進 岩佐
Jun Sato
純 佐藤
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】サイトカインの薬効を安定的に効率よく発現さ
せうるドラッグデリバリーシステムを提供する。 【構成】ステロールを結合させた多糖類にサイトカイン
を包埋させてなる超分子構造型集合体。 【効果】サイトカインの血中滞留時間を増大させ、ま
た、速やかに標的臓器へ効率的に運搬される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、徐放性製剤などとして
有用な、多糖類-ステロール誘導体にサイトカインを包
埋させてなる超分子構造型集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】生理活性物質はヒトないしは動物などの
疾病の治療に有効であるが、一方で投与法・投与量を誤
ると疾病が治療できないばかりでなく、重篤な副作用を
惹起することがある。また有用な生物活性を有している
にもかかわらず、各種溶媒に対する溶解性に難点がある
ため、臨床応用の困難な生理活性物質も数多く見い出さ
れている。従って、ヒトないしは動物などの疾病を治療
する目的で生理活性物質を生体に投与する時、まず該生
理活性物質を生体に投与可能な形態に剤型化し、次いで
必要量を標的部位に適当な時間だけ存在させることを考
慮しなければならない。近年のバイオテクノロジーの発
展に伴い、多くのサイトカインが単離精製され、また大
量生産が可能となり、新しい医薬品の候補物質として期
待を集めている。しかし、これらを実用化するために
は、解決すべき問題が数多くあるが、たとえば、目的と
するサイトカインの薬効を効果的に発現させるため、そ
の徐放性の賦与された製剤の開発や標的とする生体組織
に送達するシステム(Targeting Drug Delivery Syste
m)の開発がある。サイトカインの体内挙動を厳密に制
御することは、治療効果増強と副作用軽減のための重要
な課題であると考えられている。例えば、インターロイ
キン−2(以下、IL−2と略記することがある)は、
活性化T細胞により産生されるサイトカインで、NK細
胞・キラーT細胞・ヘルパーT細胞あるいはB細胞の分
化・増殖を促進することにより細胞性免疫を増強する。
IL−2のこの免疫賦活作用は、癌・細菌またはウイル
ス感染・自己免疫疾患・免疫不全などに対する治療に有
効であることが分かっている。しかしながら、IL−2
は生物学的半減期が小さく、ヒトに投与した場合、血中
からの消失半減期は6.9分と報告されている(M.Taotz
e et al.:J.Immunol.,135,2865(1985))。これはIL
−2が血漿以外の細胞外液にも広く分布するためと考え
られている(C.Bindon et al.:Br.J.Cancer,47,123(198
3))。このように、生体からの消失が早く分布容積の大
きい薬物は、実際の治療に際して十分な作用を発揮しに
くく、そのため大量投与を必要とする。IL−2の場
合、発熱・悪寒・倦怠感、また好酸球の増多や顆粒球の
減少、さらには食欲不振・嘔吐・下痢、ときに発疹・浮
腫、また呼吸困難や肺水腫などの重篤な副作用を伴うこ
とがある。このため、しばしば投薬の中止あるいは投与
量の減少を実施しているのが現状である。
【0003】また例えば、サイトカインの一つである、
インターフェロン(以下、IFNと略記することがあ
る)は抗ウイルス活性、細胞増殖抑制効果など多様な生
物活性を有する蛋白質であり、この薬理効果を利用し
て、多くの疾患の治療に、特にB型、C型慢性活動性肝
炎、腎癌の治療に用いられている。しかしながら、IF
Nを生体に単に投与しても肝臓へはほとんど移行せず、
しかも体内からの排泄が速やかであるために、肝臓中の
IFNを有効濃度で維持することは困難であった。した
がって、肝疾患の治療を効果あるものにするためには、
高い投与量と長期にわたる治療を必要とするが、副作用
の危険がつきまとう。インターフェロンの肝炎における
作用機構としては、例えば、C型慢性活動性肝炎におけ
るインターフェロンα型の一つの作用機構が報告されて
いる。インターフェロンがウイルスに感染した肝細胞に
直接作用し、肝細胞内2',5'オリゴアデニル酸合成酵
素(2',5' oligoadenylate synthetase; 2−5A
S)を活性化し2',5'オリゴアデニル酸を産生させ、
これがRNaseを活性化させ、ウイルス由来のRNA
を分解し、蛋白の合成阻害によりC型ウイルスの増殖を
抑制するというものである(Barson, S., Tex. Res. Bi
o. Med., Vol. 35, 1(1977))。現在、肝炎ウイルスに
はA〜Eまで5つの型が見出されているが、輸血後非A
非B肝炎患者血清からその遺伝子を発見されたRNA型
のC型肝炎ウイルス(HCV)には有効な治療法が無か
った。C型肝炎は急性症状の発症に始まり、成人におい
ては高率に慢性化する。この慢性肝炎の進行は緩徐では
あるが、自然治癒例はきわめて少なく長期化に伴い最終
的には肝硬変や肝細胞癌へと不幸な転帰を辿る症例が多
い。一方、インターフェロンが大量生産可能となり、し
かもこれらの蛋白がHCVと近縁のRNA型ウイルスに
対してin vitroで抗ウイルス活性を示したのみならず
(二宮 康行ら: 基礎と臨床, 19, 231 (1985))、さら
にはウイルス感染マウスにおいても感染防御効果を示し
たことから(M.Kramer et al.:J.Interferon Res., 3,
425 (1983))、臨床でのC型肝炎に対する効果が期待さ
れた。実際に、組換え型インターフェロンα及びβはC
型肝炎患者に対して優れた治療効果を示し(J.H.Hoofna
gle et al.: N.Eng.J.Med., 315, 1575 (1986))、やや
もすれば消極的であった慢性肝炎の治療に対し積極的な
取り組みが可能となり、現在では広く臨床使用されてい
る(山中 正巳ら: 日内会誌, 79, 1037(1990), 荘司 貞
志ら: 日消誌, 88, 706 (1991))。
【0004】しかしながら、C型肝炎においてはインタ
ーフェロンの著効率は現在のところせいぜい40%程度
で十分ではなく(S.Kakuma et al.: Am.J.Gastroentero
l.,85, 655 (1990), 肝炎研究グループ: 肝・胆・膵, 2
2, 491 (1991))、特にウイルス量の多い症例、例えば
HCV II型ゲノタイプの患者ではその著効率は20%
以下である(K.Yoshioka et al.: Hepatology, 16, 293
(1982))。従って、このような症例では投与量を増や
したり、あるいは投与期間を延長することによって著効
率を改善することが考えられる。また慢性肝炎から肝硬
変へ進展しつつある症例では、現行のインターフェロン
の投与量及び投与期間では効果はほとんど期待できな
い。インターフェロンを静脈内、筋肉内あるいは皮下投
与した時、標的臓器である肝臓へはほとんど移行せず、
血中半減期も短いため相当の高用量を必要としているの
が現状である。インターフェロンの副作用には、初期症
状として発熱・頭痛・全身倦怠感を伴うインフルエンザ
様症状や白血球・血小板の減少、さらには中期症状とし
て微熱の継続・食欲不振・不眠・欝傾向、また後期症状
として脱毛・甲状腺の機能低下などが挙げられる。この
ため薬効発現に十分な量のインターフェロンを相当の期
間にわたって投与すべき症例の患者においても、副作用
の発現により投薬の中止あるいは投与量の軽減を図らざ
るを得ないのが現状であった。このようなIFN、IL
−2などのサイトカインの性質を改善し、臨床治療に役
立たせる目的で多くの試みが成されている。例えば、
(i)全投与量を変えずに投与回数を増やしたり、ある
いは点滴静注のように持続注入することにより、血中で
の作用時間を伸ばす(K.Ootsu et al.:Cancer Immuno
l.Immunother.,30,71(1989))、(ii)薬物と当該抗体
との免疫複合体を作製して投与する(特公昭60-50210
4、特開平3-279335、T.Kurokawa et al.:Thromb.Haemos
t.,66,684(1991)、J.Sato et al.:Biotherapy,5,1063(1
991)、K.Okamoto et al.:Jpn.J.CancerRes.,83,761(19
92))、また、(iii)リポソームを用いてサイトカイン
を包埋する[佐藤智典ら:Drug Delivery System,4,7(19
89)]、などの方法が挙げられる。
【0005】しかしながら、例えば、(i)の方法で
は、全投与量が変わらないため副作用の軽減効果として
多くを期待できなかったり、あるいは患者のコンプライ
アンスを得にくい症例が多いこと、(ii)の方法では、
抗体として多く用いられるマウスモノクローナル抗体の
免疫原性が問題となる場合があること、(iii)の方法
では、水難溶性あるいは不溶性の薬物の包埋も可能とな
るが、リポソームが生体内の細網内皮系の細胞、例えば
マクロファージなどに貪食されたり、あるいはリポソー
ムそのものの安定性に未だに問題を有していること、な
どの欠点を有することから、サイトカインの体内動態の
改善に有効な簡便な方法は十分に得られていないのが現
状である。一方、特定の糖鎖構造が分子認識素子として
利用され、特異細胞への指向性を賦与しうることは、古
くから知られている。すなわち、自然界には細胞表面受
容体の認識に深く関わっている糖鎖が幾つも存在し、例
えば、マクロファージと結合しうるガラクトース、マン
ノース、フコース、肝実質細胞に対するガラクトース、
繊維芽細胞に対するマンノース−6−リン酸、白血病細
胞に対するフコース、接着蛋白セレクチンを発現する活
性化血管内皮細胞や血小板に対するシアリル−ルイスx
あるいはシアリル−ルイスa、などが挙げられる。例え
ば、特開昭63−152393号公報には、糖鎖を有す
るポリエチレングリコール誘導体がサイトカイン類の修
飾に用いることができ、この修飾蛋白質が生体内におけ
る持続性の向上、あるいは特定の細胞、組織への送達の
向上のために使用できることを示唆している。また、特
開平4−211099号公報は、薬剤を骨髄または脳に
選択的に運搬させるための担体として有用なグリコシル
−蛋白質誘導体を記載している。さらに、大坪らは、糖
で修飾したある種の蛋白質が肝臓へ移行し、移行したそ
の蛋白質が細胞内ライソゾーム中で消化されることを報
告している(Drug Delivery System, Vol. 6, 13−17
(1991))。また、多糖類−コレステロール誘導体が、
リポソームの多糖被覆剤として使用することによりリポ
ソームを物理的に安定化させること(越智章ら:Drug De
livery System,5,261(1990))、あるいは蛋白質および
疎水性の高い化合物と相互作用してそれらを包埋するこ
と(K.Akiyoshi et al.:Chem.Lett.,1263(1991))、な
どが報告された。しかしながら、これら蛋白質をはじめ
とする薬物と疎水性化多糖との複合体における、薬物そ
のものの血中動態へ与える影響については何ら知られて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、徐放性や標
的指向性の賦与された、多糖類-ステロール誘導体にサ
イトカインを包埋させてなる超分子構造型集合体を提供
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、サイトカ
インの薬効を効果的に発現させるため、それに徐放性や
標的指向性を賦与することについて鋭意研究した結果、
超分子構造型のキャリアとしての多糖類-ステロール誘
導体にサイトカインを包埋して疎水性化多糖複合体を作
製することによって、サイトカインの血中滞留時間を増
大させうることを見い出した。さらに、該疎水性化多糖
複合体によって、特定臓器へサイトカインを効率良く移
行させることができることを見いだした。すなわち本発
明は、 (1)ステロールを結合させた多糖類にサイトカインを
包埋させてなる超分子構造型集合体、 (2)ステロールをリンカーを介して多糖類に結合させ
てなる上記(1)記載の超分子構造型集合体、 (3)認識素子糖をさらに結合させた多糖類である上記
(1)記載の超分子構造型集合体。 (4)認識素子糖をリンカーを介して多糖類に結合させ
てなる上記(3)記載の超分子構造型集合体、 (5)ステロールを結合させた多糖類とサイトカインと
を水溶液中で共存させることを特徴とする上記(1)記
載の超分子構造型集合体の製造法、 (6)ステロールと認識素子糖とを結合させた多糖類と
サイトカインとを水溶液中で共存させることを特徴とす
る上記(3)記載の超分子構造型集合体の製造法。 (7)ステロールを結合させた多糖類にサイトカインを
包埋させてなる超分子構造型集合体を含有してなる徐放
性製剤、および (8)ステロールと認識素子糖とを結合させた多糖類に
サイトカインを包埋させてなる超分子構造型集合体を含
有してなる肝指向性製剤である。
【0008】本発明におけるサイトカインとしては、例
えばマクロファージを抗原で活性化して得るインターロ
イキン−1、抗原でT細胞を活性化することによって得
られるインターロイキン−2、T細胞のうち特定のクロ
ーンで産生されるインターロイキン−3、T細胞によっ
て産生されるインターロイキン−4、T細胞代替因子
(TRF)またはB細胞分化因子(BCDF)、抗原特
異的サプレッサー因子(TsF)、可溶性免疫反応抑制
因子(SIRF)、サプレッサー誘導因子(SIF)、
インターフェロン−γ(IFN−γ),B細胞より産生
されるB細胞増殖因子(BCGF)、B細胞分化促進因
子(BCDF)、B細胞増殖抑制因子(SBF)あるい
はB細胞やT細胞から産生されるといわれるマクロファ
ージ活性化因子(MAF)、マクロファージ遊走阻止因
子(MIF)、白血球遊走阻止因子(LIF)、マクロ
ファージなどによって産生されるインターフェロン−α
(IFN−α),顆粒球コロニー刺激因子(G−CS
F)、マクロファージコロニー刺激因子(GM−CS
F)、単球コロニー刺激因子(M−CSF)、線維芽細
胞から産生されるインターフェロン−β(IFN−β)
などがある。これらの他にはインターロイキン−5やイ
ンターロイキン−6などの他のインターロイキン類、マ
クロファージ走化性因子(MCF)やリンパ球遊走因子
(LCF)などのような走化性因子、血管透過性因子
(VPF)などの炎症性リンホカイン、細胞障害性T細
胞から産生されるパーホリン、リンパ球由来のリンホト
キシン(LT)などの殺腫瘍因子などもある。さらに、
細胞成長因子でもよく、例えば、線維芽細胞、平滑筋細
胞をおもな標的とする血小板由来細胞成長因子(PDG
F)、線維芽細胞、平滑筋細胞、血管内皮細胞、上皮細
胞、軟骨細胞をおもな標的とする上皮細胞成長因子(E
GF)、線維芽細胞、平滑筋細胞、血管内皮細胞、上皮
細胞をおもな標的とする線維芽細胞成長因子(FG
F)、神経細胞をおもな標的とする神経成長因子(NG
F)、軟骨細胞をおもな標的とする神経成長因子(IG
F−IおよびIGF−II)、赤血球を増殖させるエリス
ロポエチン、肝細胞の増殖を促進するヘパトトロピン
(HTP)や肝細胞増殖因子(hHGF)などがある。
【0009】本発明におけるサイトカインとしては、上
記に挙げたもののなかでも、特にインターフェロン(I
FNと略称することがある)あるいはインターロイキン
−2(IL−2と略称することがある)が好ましい対象
であり、IFNについてはα型、β型、γ型のいずれで
もよいが、とりわけα型がより好まれる。該IFN−α
としては、IFN−α活性、例えば抗ウイルス活性を有
するペプチド系物質であれば、特に限定されない。たと
えば天然型IFN−αであっても、遺伝子工学的手法で
得られたIFN−αでもよいが、遺伝子工学的手法で得
られた組換え型IFN−α(rIFN−α)が好対象で
ある。遺伝子工学的手法で得られたIFN−αとして
は、例えばrIFN−αA,B,C,D,E,F,G,
H,I,J(特開昭57−79897号公報、ヨーロッ
パ特許公開番号43980号公報)が挙げられる。該I
FN−αとしてはその活性を有する限り誘導体であって
もよく、その例としては、N末端アミノ基が−COCH
3または−COCH2OHでアシル化されているIFN−
αA誘導体(特開昭63−41500号公報)などが挙
げられる。
【0010】該IFN−γとしては、IFN−γ活性、
すなわち抗ウイルス活性を有するとともに免疫系を活性
化するペプチド系物質であれば特に限定されない。たと
えば天然型IFN−γであっても、遺伝子工学的手法で
得られたIFN−γでもよいが、遺伝子工学的手法で得
られたIFN−γが好対象である。遺伝子工学的手法で
得られたIFN−γとしては、例えば特開昭58−90
514号公報に記載の方法で得られたもの、または特開
昭59−186995号公報に記載の方法で得られたも
のなどが挙げられる。またIFN−γは、その活性を有
する限り、その誘導体も含む。また該インターフェロン
としては、インターフェロンのアミノ酸組成の一部を、
欠損または他のアミノ酸で置換させることにより変更し
たムテイン(mutein)でもよい。例えば、IFN−γの
場合、アミノ末端および/またはカルボキシル末端か
ら、1個もしくは数個のアミノ酸を欠くフラグメントが
挙げられる。該フラグメントとしては、IFN−γのN
末端のCys1−Tyr2−Cys3 およびC末端の130位の
Glyないし146位のGlnのペプチド鎖においてそのC
末端から数えて1〜17個のアミノ酸もしくはペプチド
を欠失したもの(特開昭60−202899号公報)、
アミノ酸配列5−127、1−127または5−146
からなるIFN−γの部分配列(特開昭60−2331
00号公報)、IFN−γのN末端のCys−Tyr、Cys
−Tyr−CysまたはCys−Tyr−Cys−GlnおよびC末
端の131位のLysないし146位のGlnのペプチド鎖
においてそのC末端から数えて1〜16個のアミノ酸も
しくはペプチドを欠失したもの(特開昭61−5096
号公報)、アミノ酸配列1−131からなるIFN−γ
の部分配列(特開昭61−63295号公報)、アミノ
酸配列1−132または1−133からなるIFN−γ
の部分配列(Arakawa et al., J. Biol. Chem. 261, 85
34(1986))、アミノ酸配列1−135からなるIFN
−γの部分配列(The Third Annual International Con
gress for Interferon Research)、IFN−γのN末
端のCys1−Tyr2−Cys3−Gln4−Asp5 およびC末端
の128位のLysないし146位のGlnのペプチド鎖に
おいてそのC末端から数えて0〜19個のアミノ酸もし
くはペプチドを欠失したもの(特開昭62−99399
号公報)またはIFN−γのN末端のCys−Tyr−Cys
またはCys−Tyr−Cys−GlnおよびC末端の122位
のGluないし146位のGlnのペプチド鎖においてその
C末端から数えて18〜25個のペプチドを欠失したも
の(特開昭63−264500号公報)などが挙げられ
る。
【0011】該IL−2としては、IL−2と同様の活
性を有するペプチド系物質であればよく、たとえばT細
胞をその機能を維持したまま継代維持しうる作用を有す
る物質が挙げられる。具体的には、例えば特開昭61−
78799号公報(ヨーロッパ公開176,299号 に
相当)の第1図に示されるアミノ酸配列を有するポリペ
プチド(I)(ヒトIL−2)や、その生物学的もしく
は免疫学的活性に必要な一部分のアミノ酸配列からなる
フラグメントでもよい。上記フラグメントとしては、例
えばポリペプチド(I)のアミノ末端から1個のアミノ
酸(EPC公開91539号公報)または4個のアミノ
酸を欠くもの(特開昭60−126088号公報)やカ
ルボキシル末端部の数個のアミノ酸を欠くものなどが挙
げられる。さらに該ポリペプチド(I)の構成アミノ酸
の一部が欠損しているか他のアミノ酸に置換されたも
の、例えば125位のシステイン残基がセリン残基に置
換されたもの(特開昭59−93093号公報および米
国特許第4,518,584号)でもよい。とりわけ、本
発明においては特開昭61−78799号公報の第1図
に示されるアミノ酸配列を有するヒトIL−2を用いる
のが好ましく、この場合そのアミノ末端にさらにメチオ
ニン残基(Met)を有するものと有さないものとの混合
物(特開昭60−115528号公報、特開昭61−7
8799号公報)であってもよく、またアミノ末端にM
etを有さず、アラニン(Ala)で始まるもの(特開昭6
1−78799号)でもよい。また、糖鎖を有している
ものであってもよい。
【0012】本発明におけるステロールとしては、例え
ば、コレステロール,スチグマステロール,β−シトス
テロール,ラノステロール,エルゴステロールなどが挙
げられるが、好ましくは、コレステロールである。本発
明におけるステロールを結合させた多糖類における多糖
類としては、単糖残基が互いにグリコシド結合してでき
た高分子をいい、糖類成分は、単糖類(例、グルコー
ス,マンノース,ガラクトース,フコース)から、また
は二糖類またはオリゴ糖類からも誘導できる。糖類単位
は1,2−、1,3−、1,4−または1,6−グリコ
シド結合していてもよい。α−またはβ−型結合のいず
れであってもよい。鎖は直鎖状でもまたは枝分かれして
いてもよい。糖類成分はグルコースであるものが好まし
い。該多糖類としては、例えば、天然または合成由来の
プルラン、アミロペクチン、アミロース、デキストラ
ン、ヒドロキシエチルデキストラン、マンナン、レバ
ン、イヌリン、キチン、キトサンなどが挙げられるが、
好ましくはプルランが使用される。
【0013】本発明において、ステロールはリンカーを
介して多糖類に結合していてもよく、該リンカーとして
は、ステロールを多糖類に結合させることができれば特
に限定されないが、好ましくは、式(I) −(CH2mCONH(CH2nNH−CO−O− (I) 〔式中、mは0または1を、nは任意の正の整数をそれ
ぞれ示す〕で表されるものが挙げられる。式(I)中の
nとしては任意の整数でよいが、10以下が好ましく、
さらに好ましくは2〜6である。本発明におけるステロ
ールを結合させた多糖類において、ステロールは、多糖
類を構成する糖単位100個あたり、0.2〜20個、
好ましくは0.5〜5個結合させるのが好ましい。本発
明におけるステロールを結合させた多糖類としては、多
糖類を構成する糖単位における1級水酸基が式 −O−(CH2mCONH(CH2nNH−CO−O−
R 〔式中、Rはステロール残基を、mは0または1を、n
は任意の正の整数をそれぞれ示す〕で表されるものがよ
り好ましい。本発明におけるステロールを結合させた多
糖類は、さらに認識素子糖を結合させていてもよい。本
発明における認識素子糖とは、標的臓器,組織,細胞も
しくは腫瘍(例、肝臓,細網内皮系組織・細胞,活性化
血小板,白血病細胞,脳腫瘍)を認識し得るグリコシル
基であり、例えば、マクロファージと結合しうるガラク
トース、マンノース、フコース、肝実質細胞に対するガ
ラクトース、繊維芽細胞に対するマンノース−6−リン
酸、白血病細胞に対するフコース、接着蛋白セレクチン
を発現する活性化血管内皮細胞や血小板に対するシアリ
ル−ルイスxあるいはシアリル−ルイスa、などが挙げ
られる。
【0014】該グリコシル基の具体例としては、単糖
類、オリゴ糖類が挙げられる。該グリコシル基として
は、グリコフラノシル、グリコピラノシル、グリコセプ
タノシル基が挙げられるが、好ましくはグリコピラノシ
ル基である。該単糖類としては、例えば、ガラクトピラ
ノシル基、マンノピラノシル基、グルコピラノシル基、
フコピラノシル基のアルドヘキソースからなる基、2−
アミノ−2−デオキシガラクトピラノシル基、2−アミ
ノ−2−デオキシマンノピラノシル基、2−アミノ−2
−デオキシグルコピラノシル基、2−アミノ−2−デオ
キシフコピラノシル基のヘキソサミンからなる基、2−
アセトアミド−2−デオキシガラクトピラノシル基、2
−アセトアミド−2−デオキシマンノピラノシル基、2
−アセトアミド−2−デオキシグルコピラノシル基、2
−アセトアミド−2−デオキシフコピラノシル基のヘキ
ソサミン誘導体からなる基が挙げられる。好ましくは、
ガラクトピラノシル基、マンノピラノシル基、2−アセ
トアミド−2−デオキシガラクトピラノシル基、2−ア
セトアミド−2−デオキシマンノピラノシル基である。
更に好ましくは、ガラクトピラノシル基、2−アセトア
ミド−2−デオキシガラクトピラノシル基である。該オ
リゴ糖類としては、構成単位としての単糖類を2ないし
約10個有するものであり、かつその末端の構成単位の
単糖類(非還元末端)として上記と同様な単糖類を有し
ていればよく、該末端単糖類以外の構成単位としての単
糖類はオリゴ糖類を形成できるものであれば特に限定さ
れない。また、個々の単糖類間のグリコシド結合はα
−、β−型のいずれであってもよい。ここで、オリゴ糖
類からなるグリコシル基の末端の構成単位の単糖類と
は、結合手とは反対側の構成単位の単糖類のことをい
う。例えば、ガラクトピラノシル基を末端単糖類とする
オリゴ糖類の場合、ガラクトピラノシル−グリコシル基
であり、2−アセトアミド−2−デオキシガラクトピラ
ノシル基を末端単糖類とするオリゴ糖類の場合、(2−
アセトアミド−2−デオキシガラクトピラノシル)−グ
リコシル基である。なかでも、該オリゴ糖類としては、
マンノピラノシル−マンノピラノシル基,(2−アセト
アミド−2−デオキシマンノピラノシル)−マンノピラ
ノシル基,(2−アセトアミド−2−デオキシグルコピ
ラノシル)−マンノピラノシル基,フコピラノシル−
(2−アセトアミド−2−デオキシグルコピラノシル)
基,ガラクトピラノシル−(2−アセトアミド−2−デ
オキシグルコピラノシル)基,ガラクトピラノシル−
(2−アセトアミド−2−デオキシマンノピラノシル)
基,ガラクトピラノシル−グルコピラノシル基などの二
糖類またはジ(2−アセトアミド−2−デオキシグルコ
ピラノシル)−マンノピラノシル基,ジ(ガラクトピラ
ノシル)−2−アセトアミド−2−デオキシグルコピラ
ノシル基などの三糖類が挙げられるが、さらに好ましく
は、ガラクトピラノシル−グルコピラノシル基,ガラク
トピラノシル−(2−アセトアミド−2−デオキシグル
コピラノシル)基が挙げられる。
【0015】本発明において、認識素子糖はリンカーを
介して多糖類に結合していてもよく、該リンカーとして
は、認識素子糖を多糖類に結合させることができれば特
に限定されないが、好ましくは、式(II) −CONH− (II) で表されるものが挙げられる。本発明におけるステロー
ルと認識素子糖とを結合させた多糖類において、認識素
子糖は、多糖類を構成する糖単位100個あたり、1〜
50個、好ましくは1〜30個、さらに好ましくは2〜
20個結合させるのが好ましい。本発明におけるステロ
ールと認識素子糖とを結合させた多糖類において、認識
素子糖を結合させた多糖類としては、多糖類を構成する
糖単位における1級水酸基が式 −O−CONH−X 〔式中、Xは認識素子糖残基を示す〕で表されるものが
より好ましい。
【0016】本発明におけるステロールと認識素子糖と
を結合させた多糖類としては、多糖類を構成する糖単位
100個あたり、0.5〜5個の糖単位における1級水
酸基が式 −O−(CH2mCONH(CH2nNH−CO−O−
R 〔式中、Rはステロール残基を、mは0または1を、n
は任意の正の整数をそれぞれ示す〕で表され、かつ2〜
20個の糖単位における1級水酸基が −O−CONH−X 〔式中、Xは認識素子糖残基を示す〕で表されるものが
より好ましい。本発明におけるステロールを結合させた
多糖類またはステロールと認識素子糖とを結合させた多
糖類は、多糖類を出発物質として従来公知の方法により
製造することができる。例えば、ステロールを多糖類に
結合させ、ステロール−多糖類誘導体を作製した後、ス
テロール−多糖類誘導体に認識素子糖を結合させてもよ
いし、また認識素子糖を多糖類に結合させ、認識素子糖
−多糖類誘導体を作製した後、認識素子糖−多糖類誘導
体にステロールを結合させてもよい。さらに、ステロー
ルと認識素子糖を多糖類に同時に結合させてもよい。ス
テロール−多糖類誘導体の合成方法としては、特開昭6
1−69801号公報に示されるように、多糖類とモノ
クロロ酢酸との反応によるカルボキシメチル化多糖類の
合成(ステップ1)、カルボキシメチル化多糖類とエチ
レンジアミンとの反応によるN−(2−アミノエチル)
カルバモイルメチル化多糖類の合成(ステップ2)、N
−(2−アミノエチル)カルバモイルメチル化多糖類と
コレステリルクロロホルメイトとの反応によるN−〔2
−コレステリルオキシカルボニルアミノ)エチル〕カル
バモイルメチル化多糖類の合成(ステップ3)の3ステ
ップからなる方法、または、特開平3−292301号
公報に示されるように、多糖類にステリル基を導入する
のに際し、アルカン類の一端α位にステリル基と他端ω
位にイソシアネート基とをもつ化合物とを直接多糖類と
反応させることを特徴とする(1ステップ)法などに準
じた方法が挙げられる。認識素子糖−多糖類誘導体の合
成方法としては、ガラクトサミンや1−アミノグルコー
スなどのアミノ糖を水溶性カルボジイミド縮合剤存在下
でカルボキシメチル化多糖に導入する方法、あるいは上
記のアミノ糖やアミノエチル化糖をパラ−ニトロフェニ
ル基を導入して活性化した疎水性化多糖に反応させる方
法などが挙げられる。
【0017】一例を挙げれば、コレステロールをヘキシ
ルジイソシアネートと反応させコレステリル−N−(6
−イソシアネートヘキシル)カーバメートを合成し、プ
ルランに添加することにより疎水性化多糖を作製する
[K.Akiyoshi et al.: Chem.Lett., 1263 (1991)]。次
いで、パラ−ニトロフェニルクロロホルメートと反応さ
せることでパラ−ニトロフェニル基の導入された活性化
された疎水性化多糖を取得し、最後にアミノエチル化糖
と反応させ糖鎖を導入する(森口信弘ら:日本化学会第
60秋季年会予稿集, II, 463 (1990))。本発明のステロ
ールを結合させた多糖類またはステロールと認識素子糖
とを結合させた多糖類にサイトカインを包埋させてなる
超分子構造型集合体は、次のように製造される。すなわ
ち、本発明におけるステロールを結合させた多糖類(疎
水性化多糖誘導体)またはステロールと認識素子糖とを
結合させた多糖類(糖鎖修飾疎水性化多糖誘導体)は、
水溶液中で安定な自己集合体を形成するが、意外にもこ
の時サイトカインが共存すればこれとも強く相互作用し
これを安定に包埋し、サイトカインを包埋させてなる超
分子構造型集合体が製造される。ここで、包埋とは、サ
イトカイン分子が非共有結合的に複数の多糖分子あるい
はステロール分子と相互作用してその分子集合体内に包
まれる、あるいはその分子集合体とからまる状態を指
す。包埋条件としては、室温(約4〜40℃)で水溶液
中、約0.5〜48時間、好ましくは2〜3時間のイン
キュベーションで十分である。水溶液としては、リン酸
緩衝液,ホウ酸緩衝液,トリス緩衝液,酢酸緩衝液など
の緩衝液が好ましく、また、反応のpHは約3〜9、好
ましくは6〜8である。このとき、0.3〜5分間程度
の軽い超音波処理を与えてやると、より短時間での作製
が可能となる。このように非常に緩和な条件で包埋体を
合成できるため、生物活性に微妙な影響を及ぼすサイト
カインの高次構造に何らの変化も与えず、生物活性を安
定に保持することができる。さらには、水難溶性のサイ
トカインを包埋することも可能である。本発明のサイト
カインを包埋させてなる超分子構造型集合体は、薬学的
に許容される担体、希釈剤などを用いて、錠剤、カプセ
ル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤、またはシロップ
剤、注射剤などの液状製剤として、安全に使用すること
ができ、経口的または非経口的(皮下、静脈内、筋肉内
または直腸内)に哺乳動物(例、サル、イヌ、ブタ、ウ
サギ、マウス、ラット、ヒト)に投与することができ
る。
【0018】薬学的に許容される担体としては、製剤素
材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いら
れ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等
張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また
必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤など
の製剤添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例
としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デン
プン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられ
る。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイ
ドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例として
は、例えば結合セルロース、白糖、D−マンニトール、
デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン
などが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えば
デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリ
ウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げ
られる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、ア
ルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ
油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤の好
適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジ
ル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロー
ル、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸
ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例とし
ては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシ
チン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モ
ノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子
などが挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例え
ば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなど
が挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン
酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが
挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベン
ジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例と
しては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロ
ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ル、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸
化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビ
ン酸などが挙げられる。
【0019】本発明のサイトカインを包埋させてなる超
分子構造型集合体は、サイトカインを生体内において化
学的および生物学的に安定に保ち、持続的に作用し、病
巣指向的な性質を賦与することが可能である。例えば、
超分子構造型集合体は、皮下投与された時、血中で緩や
かに該集合体からサイトカインを放出することから、サ
イトカインの血中濃度を長時間にわたって保持すること
ができる。したがって、本発明によると、サイトカイン
の薬効を持続させうる徐放型の製剤を得ることができ、
低用量でサイトカインの効果的な治療が可能である。ま
た、本発明のサイトカインを包埋させてなる超分子構造
型集合体は、サイトカインを生体内において化学的およ
び生物学的に安定に保ち、かつ標的臓器へ効率よく集積
させうる。例えば、本発明のサイトカインを包埋させて
なる超分子構造型集合体は、肝臓へ速やかに移行すると
いう特徴を有するものである。さらに、本発明のサイト
カインを包埋させてなる超分子構造型集合体は、サイト
カイン分子そのものを直接に何ら修飾していないので、
サイトカイン本来の生物活性に何ら影響を与えるもので
はないものである。
【0020】本発明のサイトカインを包埋させてなる超
分子構造型集合体は、持続的にサイトカインの薬効を発
現させることができ、また標的臓器に効率的に運搬され
るので、低用量で治療効果をあげることができる。この
ため、発熱、悪寒などの副作用が少なく、しかも低毒性
であるので、公知のサイトカインと同様の目的に、同様
な方法で、より安全に使用することができる。例えば、
本発明のリコンビナントインターフェロン−α(rIF
N−α)を包埋させてなる超分子構造型集合体は、抗腫
瘍または抗ウイルス治療のための医薬として用いられ、
その場合、rIFN−αの量として、約(0.1〜1
0)×105単位/日で患者に注射投与し得る。本発明
のリコンビナントインターロイキン−2(rIL−2)
を包埋させてなる超分子構造型集合体は、抗腫瘍または
抗ウイルス治療のための医薬として用いられ、その場
合、rIL−2の量として、約0.1〜10mg/日で
患者に注射投与し得る。また、例えば、本発明のリコン
ビナントインターフェロン−γ(rIFN−γ)を包埋
させてなる超分子構造型集合体は、抗ウイルス、抗腫瘍
作用、細胞増殖抑制、免疫増強のための医薬として用い
られ、その場合、rIFN−γの量として、成人1日あ
たり10万ないし1億ユニットを静注または筋注などに
より投与される。
【0021】
【実施例】以下に実施例、実験例および製剤例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 実施例1.プルラン-コレステロール誘導体の合成 (1)コレステリル N−(6−イソシアネートヘキシ
ル)カーバメートの合成 500ml容のナスフラスコにトルエン100ml、ピリジン4m
l、1,6-ジイソシアネートヘキサン48ml(300mmol)を添
加し、室温で撹拌した。この混液に、予めトルエン100m
lに溶解したコレステロール7.80g(20mmol)を撹拌しな
がら徐徐に加え、80℃に加温し48時間反応させた。反応
は、薄層クロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、展
開溶媒:クロロホルム、発色試薬:ヨード蒸気)で未反
応のコレステロール(Rf=0.23)が検出されなくなるま
で続けた。反応終了後、トルエンおよび未反応の1,6-ジ
イソシアネートヘキサンを減圧除去し、次いで600mlの
石油エーテルを添加して冷凍庫にて再沈させた。最初に
析出する黄色オイル状の不純物を除去し、再び石油エー
テルにて再沈させた。この操作を2回繰り返し得られた
白色沈澱を濾別し、一夜30℃で真空乾燥させた。収量4.
97g、収率44%。 赤外吸収スペクトル:ν(N-H), 3260cm-1;ν(N=C=O),
2320cm-1;ν(C=O), 1680cm-1;ν(C-O-C), 1240,1130c
m-1
【0022】(2)プルラン-コレステロール誘導体(CH
P)の合成 300ml容のナスフラスコに、100mlのジメチルスルフォキ
シド(DMSO)に溶解したプルラン4.0gを入れ、さらに予
め8mlのピリジンに溶解したコレステリル N-(6-イソシ
アネートヘキシル)カーバメート0.34g(0.62mmol)を撹
拌しながら加え、80℃で8時間反応させた。反応は、薄
層クロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、展開溶
媒:クロロホルム、発色試薬:ヨード蒸気)で未反応の
コレステリル N-(6-イソシアネートヘキシル)カーバメ
ート(Rf=0.50)が検出されなくなるまで続けた。反応
溶液に500mlのエタノールを添加し5℃で一夜再沈させ、
得られた沈澱を濾別し、2時間30℃で真空乾燥後シーム
レスセルロース膜(VISCASE SALES Corp.)を用いて透
析により精製した。透析終了後さらに凍結乾燥し白色の
粉体を取得した。収量3.81g、収率90%。コレステロール
基の置換度を1H-NMRおよび元素分析の結果から決定した
ところ、100単糖当り1.7残基のコレステロールが導入さ
れた(CHP-50-1.7)。ここで、プルラン-コレステロー
ル誘導体をCHP-X-Y(Xはプルラン部位の重量平均分子量
(1000単位)を、 Yはプルランの100単糖あたりのコレステ
ロール残基の置換度をそれぞれ示す)で表した。 すなわ
ち、 CHP-50-1.7とは分子量5万のプルラン(P)に100単糖
あたり1.7個のコレステロール基が結合していることを
示す。 赤外吸収スペクトル:ν(O−H), 3400cm
−1;ν(C=O), 2850cm-1;ν(C-O-C), 1100cm-1;ν(C
-N), 1000cm-1
【0023】実施例2.プルラン-コレステロール誘導
体のラクトース修飾 (1)活性化プルラン-コレステロール誘導体の合成 実施例1(2)で取得したCHPはそれ自体では反応性が低
いため、パラ-ニトロフェニルクロロホルメート活性化
法を用いて活性化CHPを合成した。CHP 501mgと4-ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)24mg(196μmol)とをDMSO/
ピリジンの1:1混合溶媒24mlに撹拌溶解させて氷水中
で0℃にし、さらに593mg(2.94mmol)のパラ-ニトロフ
ェニルクロロホルメートを添加して3時間反応させた。1
50mlのエタノールで再沈し、ガラスフィルターにより減
圧濾過して乾燥エタノールで洗浄した。得られた沈澱を
直ちに2時間30℃で減圧乾燥することにより白色粉末を
取得した。収量594mg、収率100%。パラ-ニトロフェニル
基の置換度は、上記生成物を0.5N NaOH水溶液で加水分
解後、遊離したパラ-ニトロフェノールを紫外吸収強度
により決定した。導入率は100単糖当り18.3個であっ
た。 赤外吸収スペクトル: ν(C=O), 1765cm-1;ν(NO2
対称伸縮), 1526cm-1;ν(ベンゼン環の骨格振動), 149
1cm-1;ν(NO2対称伸縮), 1350cm-1
【0024】(2)アミノエチルラクトース化プルラン
-コレステロール誘導体の合成 上記のパラ-ニトロフェニル基を導入したCHP 150mgをDM
SO/ピリジンの1:1混合溶媒20mlに溶解し、さらにDMAP
9mg(45μmol)とο-ヘプタアセチルラクトシルエタノ
ールアミン181mg(267μmol)とを添加して2日間反応さ
せた。減圧蒸留して溶媒を濃縮後、乾燥エタノール100m
lを用いて再沈(3日間)させた。ガラスフィルターによ
り濾過洗浄後、3時間30℃で減圧乾燥した。得られた生
成物は主鎖のプルランが炭酸結合により架橋されている
ので、これを切断するために0.01N NaOH水溶液でpHを12
に保ちながら完全溶解させ、次いですばやく1N HCl水溶
液で中和後、透析した。凍結乾燥により白色粉末が得ら
れたが、さらにセファクリルS-300カラムを用いて精製
した。収量127mg、収率72%。アミノエチルラクトースの
導入率は100単糖当り16.9個であった。 アミノエチルラクトース化プルラン-コレステロール誘
導体の合成経路は〔図1〕および〔図2〕に示した通り
であった。
【0025】実施例3.プルラン-コレステロール誘導
体のガラクトース修飾 100ml容のナスフラスコに乾燥DMSO/ピリジン1:1混液30m
lを添加し、次いで実施例2(1)で取得した活性化CHP
567mgを加えて撹拌溶解した。この溶液に23mgのパラジ
メチルアミノピリジン(DMAPアシル化触媒)と355mgの
テトラ-O-アセチルガラクトシルエタノールアミン(活
性基に対して1:2のモル比)とを加え、25℃で24時間反
応させた。反応溶液を150mlのエタノールに加えて5℃で
一晩再沈させたのち、得られた沈澱をガラスフィルター
を用いて減圧濾過し一晩30℃で減圧乾燥した。得られた
生成物に水酸化ナトリウム溶液を添加し、pH 12に保ち
ながら25℃で6時間撹拌して粉体を溶解した。1N塩酸溶
液で中和後、透析・凍結乾燥することにより白色粉体を
得た。赤外線スペクトルにより、アセチル基および炭酸
結合が含有されないことを確認した。さらにセファクリ
ルS-300カラム(2.6×90cm)を用いて精製後、凍結乾燥
した。1-アミノガラクトースの導入および置換度は1H-N
MRおよび元素分析により決定し、100単糖当り13個導入
されていることが判明した。収量287mg、収率42%(CHP
換算)。
【0026】実施例4.プルラン-コレステロール誘導
体によるIFNαAの包埋 実施例1で作製したプルラン-コレステロール誘導体をP
BSに溶解し(5 mg/ml)、等容量のIFNαA/PBS溶液(0.2
mg/ml)に添加した。次いで室温で12時間インキュベー
ションすることによりプルラン-コレステロール誘導体
によるIFNαAの包埋体を作製した。
【0027】実施例5.プルラン-コレステロール誘導
体によるIL−2の包埋 実施例1で作製したプルラン-コレステロール誘導体をP
BSに溶解し(5 mg/ml)、等容量のIL-2/PBS溶液(0.2 m
g/ml)に添加した。次いで室温で12時間インキュベーシ
ョンすることによりプルラン-コレステロール誘導体に
よるIL-2の包埋体を作製した。
【0028】実施例6. ラクトース修飾プルラン-コレステロール誘導体による
IFN−αの包埋(I) 実施例2(2)で取得したラクトース修飾プルラン-コ
レステロール誘導体をリン酸食塩緩衝液(PBS;pH7.4)
に溶解し(5.0mg/ml)、0.1mg/mlのIFNα(武田薬品
(株)製)溶液に添加した。室温で3時間インキュベー
ションしたのち、セファクリルS-300カラム(ファルマ
シア製)を用いるゲル濾過クロマトグラフィーに供し精
製した。溶離液はPBS、検出はIFNαをフルオレスカミン
法、プルランを硫酸/フェノール法により実施した。得
られた結果は〔図3〕および〔図4〕に示した通りであ
った。これらの結果から、上記の反応により、 IFNαが
ラクトース修飾プルラン-コレステロール誘導体に包埋
されることが分かった。 また、 IFNαはその83%がラクト
ース修飾疎水性化プルランに包埋された。
【0029】実施例7. ラクトース修飾プルラン-コレステロール誘導体による
IFN−αの包埋(II) 実施例2(2)で取得したラクトース修飾プルラン-コ
レステロール誘導体をリン酸食塩緩衝液(PBS;pH7.4)
に溶解し(7.5mg/ml)、80μg/mlのIFNα溶液に添加し
た。室温で3時間インキュベーションしたのち、セファ
クリルS-300カラムを用いるゲル濾過クロマトグラフィ
ーに供した。溶離液はPBS、検出はIFNαをフルオレスカ
ミン法、プルランを硫酸/フェノール法により実施し
た。上記の反応条件下ではIFNαはその87%がラクトース
修飾疎水性化プルランに包埋されることが分かった。
【0030】実験例1.IFNαAを包埋させてなる超分子
構造型集合体の徐放性 実施例4で作製したIFNαAのプルラン-コレステロール
誘導体包埋体を6週齢雄性ラットへ皮下投与した(IFNα
Aとして100μg/ラット)。コントロール実験として、IF
NαA/PBS溶液をIFNαAとして同量ラットに投与した。血
中IFNαA濃度は公知の酵素免疫学的測定法(特願平5-11
7382号)により定量した。結果は〔図5〕に示した通り
であった。IFNαA溶液投与の時、1時間で最高血中濃度
が得られ、その後急速に血中から消失した。一方IFNαA
包埋体投与の時、3時間で最高血中濃度が得られ、その
後緩やかに血中から消失した。ファルマコキネティカル
な解析結果から、平均血中滞留時間は溶液投与の約2.5
〜2.7倍であった。
【0031】実験例2.IL-2を包埋させてなる超分子構
造型集合体の徐放性 実施例5で作製したIL-2のプルラン-コレステロール誘
導体包埋体を6週齢雄性ラットへ皮下投与した(IL-2と
して100μg/ラット)。コントロール実験として、IL-2/
PBS溶液をIL-2として同量ラットに投与した。血中IL-2
濃度は公知の酵素免疫学的測定法(J.Immunoassay,8,13
1(1987))により定量した。結果は〔図6〕に示した通
りであった。IL-2溶液投与の時、30分で最高血中濃度が
得られ、その後急速に血中から消失した。一方IL-2包埋
体投与の時、3時間で最高血中濃度が得られ、その後緩
やかに血中から消失した。ファルマコキネティカルな解
析結果から、平均血中滞留時間は溶液投与の約3.0〜3.4
倍であった。
【0032】実験例3.サイトカインを包埋させてなる
超分子構造型集合体の肝集積性 実施例2(2)で取得した糖鎖修飾プルラン-コレステ
ロール誘導体をリン酸食塩緩衝液(PBS;pH7.4)に溶解
し(5.0mg/ml)、0.2mg/mlのIFNα溶液に添加した。25
℃で4時間インキュベーションし、 IFNαを包埋させてな
る超分子構造型集合体溶液(糖鎖修飾超分子構造型IFNα
溶液)を得た。次いで、IFNα溶液もしくは上記の糖鎖修
飾超分子構造型IFNα溶液をラットへ静脈内投与し(10
μg/ラット)、5分および10分後の血清中濃度、6
0分後の肝臓内濃度を公知の酵素免疫学的測定法(特願
平5-117382号)により定量した。結果は[表1〕に示した
通りであった。本発明の糖鎖修飾超分子構造型IFNαは
血中において安定に保たれ、かつ肝臓への集積性におい
て優れていた。
【0033】
【表1】
【0034】製剤例 本発明のサイトカインを包埋させてなる超分子構造型集
合体は、例えば、次のような処方によって製造すること
ができる。 1.カプセル剤 (1) 実施例5で得たIL−2包埋体 10mg (2) ラクトース 90mg (3) 微結晶セルロース 70mg (4) ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した
後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラ
チンカプセルに封入する。 2.錠剤 (1) 実施例5で得たIL−2包埋体 10mg (2) ラクトース 35mg (3) コーンスターチ 150mg (4) 微結晶セルロース 30mg (5) ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 230mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1
/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び
(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0035】3.注射剤 (1) 実施例5で得たIL−2包埋体 2.5mg 1アンプル 2.5mg (1)を全量2mlになるように注射用生理食塩液に溶か
し、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。 4.カプセル剤 (1) 実施例4で得たIFNα包埋体 10mg (2) ラクトース 90mg (3) 微結晶セルロース 70mg (4) ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した
後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラ
チンカプセルに封入する。
【0036】5.錠剤 (1) 実施例4で得たIFNα包埋体 10mg (2) ラクトース 35mg (3) コーンスターチ 150mg (4) 微結晶セルロース 30mg (5) ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 230mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1
/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び
(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。 6.注射剤 (1) 実施例4で得たIFNα包埋体 5mg 1アンプル 5mg (1)を全量2mlになるように注射用生理食塩液に溶か
し、アンプルに封入する。全工程は無菌状態で行う。
【0037】
【発明の効果】本発明のサイトカインを包埋させてなる
超分子構造型集合体は、哺乳動物に投与されたとき、生
体内において安定に保たれ、かつ血中で該集合体からサ
イトカインが徐々に放出されるので、サイトカインの血
中滞留時間を該薬物単独の場合より増大させることがで
き、また、速やかに標的臓器へ効率的に運搬されるの
で、低用量で治療効果をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1で作製したプルラン-コレステロー
ル誘導体および実施例2で作製したアミノエチルラクト
ース化プルランコレステロール誘導体の合成経路を示
す。
【図2】は実施例1で作製したプルラン-コレステロー
ル誘導体および実施例2で作製したアミノエチルラクト
ース化プルランコレステロール誘導体の合成経路を示
す。
【図3】は糖鎖修飾プルラン-コレステロール誘導体お
よび遊離型のIFNαのゲル濾過クロマトグラフィーの
結果を示す。
【図4】は実施例6で作製したIFNαを包埋した糖鎖
修飾プルラン-コレステロール誘導体(糖鎖修飾超分子
構造型IFNα)のゲル濾過クロマトグラフィーの結果
を示す。
【図5】は実施例4で作製したIFNαA/プルラン-コレス
テロール誘導体包埋体および遊離型のIFNαAの皮下投与
後の血中動態を示す。
【図6】は実施例5で作製したIL-2/プルラン-コレステ
ロール誘導体包埋体および遊離型のIL-2の皮下投与後の
血中動態を示す。
【符号の説明】
図3の□は、IFNαの結果を示す。図3および図4の
◆は、糖鎖修飾プルラン-コレステロール誘導体の結果
を示す。図4の□は、IFNαを包埋した糖鎖修飾プル
ラン-コレステロール誘導体の結果を示す。図5の○お
よび●はそれぞれIFNαA溶液およびIFNαA包埋
体を示す。図6の□および黒四角はそれぞれrIL−2
溶液およびrIL−2包埋体を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/52 N 38/21 ADY 47/36 D A61K 37/02 ADZ 37/66 ADY H

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステロールを結合させた多糖類にサイトカ
    インを包埋させてなる超分子構造型集合体。
  2. 【請求項2】ステロールをリンカーを介して多糖類に結
    合させてなる請求項1記載の超分子構造型集合体。
  3. 【請求項3】リンカーが −(CH2mCONH(CH2nNH−CO−O− 〔式中、mは0または1を、nは任意の正の整数をそれ
    ぞれ示す〕である請求項2記載の超分子構造型集合体。
  4. 【請求項4】多糖類を構成する糖単位における1級水酸
    基が式 −O−(CH2mCONH(CH2nNH−CO−O−
    R 〔式中、Rはステロール残基を、mは0または1を、n
    は任意の正の整数をそれぞれ示す〕で表される請求項1
    記載の超分子構造型集合体。
  5. 【請求項5】多糖類を構成する糖単位100個あたり、
    0.2〜20個のステロールを結合させた多糖類である
    請求項1記載の超分子構造型集合体。
  6. 【請求項6】認識素子糖をさらに結合させた多糖類であ
    る請求項1記載の超分子構造型集合体。
  7. 【請求項7】認識素子糖をリンカーを介して多糖類に結
    合させてなる請求項6記載の超分子構造型集合体。
  8. 【請求項8】リンカーが式 −CONH− である請求項7記載の超分子構造型集合体。
  9. 【請求項9】多糖類を構成する糖単位における1級水酸
    基が −O−CONH−X 〔式中、Xは認識素子糖残基を示す〕で表される請求項
    6記載の超分子構造型集合体。
  10. 【請求項10】多糖類を構成する糖単位100個あた
    り、1〜50個の認識素子糖を結合させた多糖類である
    請求項6記載の超分子構造型集合体。
  11. 【請求項11】多糖類がプルランである請求項1記載の
    超分子構造型集合体。
  12. 【請求項12】ステロールがコレステロールである請求
    項1記載の超分子構造型集合体。
  13. 【請求項13】サイトカインがインターフェロンである
    請求項1記載の超分子構造型集合体。
  14. 【請求項14】インターフェロンがインターフェロンα
    である請求項13記載の超分子構造型集合体。
  15. 【請求項15】サイトカインがインターロイキンである
    請求項1記載の超分子構造型集合体。
  16. 【請求項16】インターロイキンがインターロイキン−
    2である請求項15記載の超分子構造型集合体。
  17. 【請求項17】ステロールを結合させた多糖類とサイト
    カインとを水溶液中で共存させることを特徴とする請求
    項1記載の超分子構造型集合体の製造法。
  18. 【請求項18】(a)ステロールおよび認識素子糖とを
    結合させた多糖類と(b)サイトカインとを水溶液中で
    共存させることを特徴とする請求項6記載の超分子構造
    型集合体の製造法。
  19. 【請求項19】ステロールを結合させた多糖類にサイト
    カインを包埋させてなる超分子構造型集合体を含有して
    なる徐放性製剤。
  20. 【請求項20】皮下投与剤である請求項19記載の徐放
    性製剤。
  21. 【請求項21】筋肉内投与剤である請求項19記載の徐
    放性製剤。
  22. 【請求項22】サイトカインがインターロイキンである
    請求項19記載の徐放性製剤。
  23. 【請求項23】ステロールと認識素子糖とを結合させた
    多糖類にサイトカインを包埋させてなる超分子構造型集
    合体を含有してなる肝指向性製剤。
  24. 【請求項24】認識素子糖がガラクトースである請求項
    23記載の肝指向性製剤。
  25. 【請求項25】サイトカインがインターフェロンである
    請求項23記載の肝指向性製剤。
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