JP2007505144A - 抗腫瘍療法のためのコバラミン結合体 - Google Patents

抗腫瘍療法のためのコバラミン結合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2007505144A
JP2007505144A JP2006526379A JP2006526379A JP2007505144A JP 2007505144 A JP2007505144 A JP 2007505144A JP 2006526379 A JP2006526379 A JP 2006526379A JP 2006526379 A JP2006526379 A JP 2006526379A JP 2007505144 A JP2007505144 A JP 2007505144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalamin
conjugate
tumor
drug
spa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006526379A
Other languages
English (en)
Inventor
ウェインシェンカー,ネッド・エム
ウェスト,フレドリック・ジー
アランコ,バーバラ・エイ
リー,ウェイピン
Original Assignee
インフラブロック・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インフラブロック・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド filed Critical インフラブロック・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド
Publication of JP2007505144A publication Critical patent/JP2007505144A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/54Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound
    • A61K47/55Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound the modifying agent being also a pharmacologically or therapeutically active agent, i.e. the entire conjugate being a codrug, i.e. a dimer, oligomer or polymer of pharmacologically or therapeutically active compounds
    • A61K47/551Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being an organic compound the modifying agent being also a pharmacologically or therapeutically active agent, i.e. the entire conjugate being a codrug, i.e. a dimer, oligomer or polymer of pharmacologically or therapeutically active compounds one of the codrug's components being a vitamin, e.g. niacinamide, vitamin B3, cobalamin, vitamin B12, folate, vitamin A or retinoic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、腫瘍関連疾患の治療に適したコバラミン−薬物結合体を提供する。切断可能リンカー及び1以上の場合によるスペーサーを介して、コバラミンを抗腫瘍薬物に間接的に共有結合させる。コバラミンリボース環の5’−OHを介して、第一のスペーサー又は切断可能リンカーに、コバラミンを共有結合させる。薬物上に存在するか又は付加された官能基を介して、切断可能リンカーの第二のスペーサーに薬物を結合させる。投与後、結合体は、トランスコバラミン(そのアイソフォームいずれか)と複合体を形成する。次いで、複合体が細胞膜上の受容体に結合し、そして細胞に取り込まれる。細胞に入ると、細胞内酵素が結合体を切断し、それによって薬物を放出する。結合体の構造に応じて、特定の種類又は型の細胞内酵素が、切断に作用する。増殖中の細胞において、コバラミンが非常に要求されるため、腫瘍細胞は、典型的には正常の非増殖細胞よりも、より高い率の結合体を取り込む。本発明の結合体は、好適に、対応するフリーの薬物に比較して、減少した全身毒性及び増進した有効性を提供する。

Description

発明者:
Ned M. Weinshenker、Frederick G. West、Barbara A. Araneo、及びWeiping Li。
発明の分野
本発明は、コバラミンの結合体、その使用法、及びその調製法に関する。より具体的には、本発明は、腫瘍(癌)関連疾患を治療するためのコバラミン結合体に関する。
発明の背景
癌、腫瘍及び他の細胞増殖関連疾患の治療に使用するための、抗増殖薬物、例えば抗腫瘍薬物又は抗癌薬物、並びにその類似体(analogue)、誘導体及びプロドラッグが、周知である。これらの投与法は、多様であり、そしてある範囲の成功及び失敗を経験してきた。抗増殖薬剤含有医薬組成物及び配合物を開発する目的には、これらの薬物で治療される対象に対する全身毒性を最小限にするために、これらの薬物の標的化送達を改善すること、誘導体化した際、これらの薬物の有効性を維持することが含まれる。癌又は腫瘍細胞への薬物の標的化送達を改善し、そして誘導体化後であっても薬物の有効性を維持するのには、ある程度成功してきている。そうであっても、高い有効性と組み合わせた標的化送達は、抗腫瘍療法の重要な目的であり続けている。
天然存在生物学的活性構成要素を用いた薬物の誘導体化が、これらの薬物の標的化送達を改善する手段として評価されてきている。この目的に向けて、コバラミン細胞取り込みの生物学的機構を利用することによって、生物学的利用能を改善する試みの中で、薬物、タンパク質、核酸、アミノ酸、ペプチド、ホルモン又は他の構成要素を含む、コバラミン結合体が開発されてきている。原理的には、コバラミン(CB)に共有結合した剤を含むバイオ結合体(CBD)は、 in vivoでタンパク質に結合するようになる。投与部位に応じて、タンパク質は、内因子(IF)、あるいはトランスコバラミン(TCCB)I、II又はIIIである。IFは、胃腸管内の天然存在タンパク質であり、CBに結合する。コバラミンバイオ結合体は経口投与されると、IFに結合して、複合体(IF−CBD)を形成し、これがGI管腔を渡って能動輸送される。血漿に到達すると、IFはIF−CBD複合体から解離し、それによってCBDを血漿成分内に放出する。TCCBは、細胞膜を横切るCBの細胞取り込みに関与する。TCCBは血漿中のCBDに結合して、複合体TCCB−CBDを形成する。TCCB−CBD複合体は、次いで、細胞膜上のTCCB受容体を介して、細胞膜を渡って能動輸送される。遊離コバラミンを認識する細胞表面受容体はなく;TCCB−CBD複合体を認識するもののみがあることに注目すべきである。細胞に進入すると、TCCBはTCCB−CBD複合体からの細胞内解離を経て、それによってCBDを細胞内で放出する。いくつかの刊行物は、上記使用のためのコバラミン結合体の調製を報告する。
米国特許第5,739,313号;第6,004,533号;第6,096,290号;第6,211,355号;及びPCT公報WO 97/18231は、天然存在ビタミンB12上のプロピオンアミド部分を介したビタミンB12の放射性核種標識を開示する。コリン環のb位、d位及びe位のプロピオンアミド部分を、穏やかな加水分解を介して、モノカルボン酸に変換し、そしてカラムクロマトグラフィーによって、カルボン酸を分離した。次いで、アミド連結を介して、カルボキシレート官能に二官能性連結部分を付着させ、そして再びアミド連結を介して、連結部分にキレート剤を付着させた。キレート部分を用いて、ビタミンに放射性核種を付着させ、療法目的又は診断目的に使用可能にした。
Hogenkampらは、WO 01/28595(PCT/US00/10098)において、タンパク質リンカーを介して、腫瘍の画像化に有用な検出可能基に連結した、一連のコバラミン結合体を開示する。該リンカーは、5’−OH基を介して、コバラミンに付着しているのではない。Hogenkampらは、こうした化合物が腫瘍の治療に有用でありうることを示唆する。
Hogenkampらは、WO 01/28592(PCT/US00/10097)において、直接又はリンカーによって間接的に、異常な細胞増殖の治療に有用な化学療法剤の残基に連結した、一連のコバラミン結合体を開示する。該リンカーは、5’−OH基を介して、コバラミンに付着しているのではない。ドキソルビシン結合体が意図され、そして提唱されるその合成が、該出願に含まれる。広い範囲の抗増殖剤が適切と開示されているが、該出願には、実際の化合物例は含まれていない。結合体化は、コバラミンのカルボン酸部分で起こると提唱される。
Collinsらは、WO 00/62808(PCT/US00/10100)において、直接又はリンカーによって、異常な細胞増殖の治療に有用なB−10又はGd−157を含む分子の残基に連結した、一連のコバラミン結合体を開示する。中性子捕獲療法標的がコバラミンに連結される。全身投与後、結合体は腫瘍細胞に吸収される。次いで、中性子捕獲照射を適用する。提唱される連結部位には、アミド部位及びコバルトが含まれる。コバラミンリボース環の5’−OHは提唱されていない。
Grissomらに対するPCT公報WO 98/08859は、生物活性剤が、直接又はスペーサーを介して間接的に、コバルト原子に共有結合している、生物活性剤及び有機コバルト複合体を含有する結合体を開示する。生物活性剤は、化学療法剤(抗腫瘍薬物)であることも可能である。細胞性求核剤又は酵素作用による正常な置換の結果、あるいは外部シグナル(例えば光、光励起、超音波、又は磁場の存在)の適用による、生物活性剤及びコバルト原子間の弱い共有結合が切断されることにより、生物活性剤がバイオ結合体から放出される。結合体は、細胞、組織、又は臓器において、生物活性剤を部位特異的に放出するために標的化されていると報告される。
Collinsらに対するPCT国際公報WO 03/025139は、VB12、コバラミンへのカップリングを介して、核酸を送達するための結合体を開示する。分解性のリンカーが用いられる。提唱される連結は、アミド部位又は5’−OH部位のいずれかを介したものである。アンチセンス配列、ナンセンス配列、アンチセンス模倣体(mimics)、核酸及び核酸類似体が意図される。
Russell−Jonesらに対する米国特許第5,428,023号は、経口ホルモン配合物を送達するためのビタミンB12結合体を開示する。Russell−Jonesは、ビタミンB12結合体は、in vivoで内因子に結合可能でなければならず、これによって脊椎動物宿主の腸管腔から宿主の全身循環に複合体が取り込まれ、そして輸送されることが可能になると解説する。ホルモンは、ビタミン上の加水分解されたプロピオンアミド連結を介して、ビタミンB12に付着される。該特許は、この方法が、ホルモン、生物活性ペプチド、療法剤、抗原、及びハプテンを経口投与するのに有用であると述べ、そして療法剤として、ネオマイシン、サルブタモールクロリジン(cloridine)、ピリメタミン、ペニシリンG、メチシリン、カルベニシリン、ペチジン、キシラジン、ケタミン塩酸、メファネシン(mephanesin)及び鉄デキストランを列挙している。
Russell−Jonesらに対する米国特許第5,548,064号及び第6,262,253号は、’023特許と同じアプローチを用いた、エリスロポエチン及び顆粒球コロニー刺激因子を送達するためのビタミンB12結合体を開示する。
Russell−Jonesらに対するPCT公報WO 94/27641は、ポリマーを介して多様な活性剤に連結したビタミンB12を開示し、該結合体は全身送達のため、内因子に結合可能である。特に、該文書は、多様なポリマー性リンカーの、ビタミンB12分子のプロピオンアミド位への付着、及びポリマー性リンカーへの多様な生物活性剤の付着を開示する。典型的な生物活性剤には、ホルモン、生物活性ペプチド及びポリペプチド、抗腫瘍剤、抗生物質、解熱剤、鎮痛剤、抗炎症剤、並びに止血剤が含まれる。典型的なポリマーには、炭水化物及び分枝鎖アミノ酸ポリマーが含まれる。WO 94/27641に用いられるリンカーは、ポリマー性である(各々、約5000以上の分子量を有する)。リンカーは、ポリマー化プロセスで作成されるため、分子量の異なる混合物を提示すると記載される。
Russell−Jonesらに対するPCT公報WO 99/65930及び米国特許第6,150,341号は、ビタミンB12(VB12)リボース環上の5’−OH位への多様な剤の付着を開示する。該刊行物は、この系を用いて、ポリマー、ナノ粒子、療法剤、タンパク質、及びペプチドを、ビタミンに付着させることも可能であることを示す。Russell−Jonesらは、活性カルボニル求電子剤の使用を介した5’−OH VB12誘導体の調製を開示する。VB12 5’−OHをカルボニル求電子剤と反応させた後、リンカー、ジアミノスペーサー、又は他の分子を、活性化された5’−OHと反応させる。あるいは、5’−OH部位をエステル部位に変換し、次いでこれを誘導体化する。薬物へのVB12誘導体の連結が意図される。
Grissomらに対するPCT国際公報WO 02/074171(PCT/US02/08285)及び米国付与前特許公報2002/0192683は、蛍光コバラミン誘導体を開示する。好ましくはコリン環又は5’−OH基を介して、蛍光部分をコバラミンに連結する。該化合物は、癌細胞を検出し、抗癌療法及び他のこうした方法に潜在的に感受性である細胞を同定するのに用いられる。該刊行物は、5’−OH基に付着した抗癌薬物を開示しない。
Habberfieldらに対する米国特許第5,574,018号は、臨床上に有用なタンパク質が、リボース部分の一級ヒドロキシル部位に付着している、ビタミンB12の結合体を開示する。該特許は、臨床上に有用なタンパク質として、エリスロポエチン、顆粒球−コロニー刺激因子及びヒト内因子を列挙し、そして該結合体が経口投与に特によく適応することを示す。
Morgan, Jr.らに対する米国特許第5,840,880号は、受容体調節剤が連結したビタミンB12結合体を開示し、該調節剤は、ビタミンB12の細胞取り込み及び代謝を支配する受容体輸送経路に作用する。該受容体調節剤は、b位、d位、又はe位で、ビタミンに連結される。
Collinsらに対する米国付与前特許公報2002/0151525は、抗増殖薬物に連結されたVB−12のある範囲の結合体を開示する。該薬物は、5’−OH部位を含む、VB−12分子上のいくつかの異なる部位で、多様な異なるリンカーによって、連結されることも可能である。適切な抗増殖薬物の膨大なリストの中に、ドキソルビシンが含まれる。VB−12のカルボン酸部分に付着したドキソルビシンを含む結合体の合成に関して、机上論的でそして一般的な説明が開示されているが、こうした化合物の実際の例示はない。また、他のいかなる特定の結合体、特に5’−OH部位の結合体に関する他の合成法もまったく開示されていない。
Grissomらに対する米国付与前特許公報第2002/0115595号及び第2002/0049154号は、VB12の有機コバルト誘導体を開示する。該誘導体は、経口投与及びi.v.投与に適していると開示される。いくつかの抗腫瘍薬物、例えばドキソルビシン、メトトレキセート、及びカルボプラチンが、結合体化に適していると開示される。自己分解リンカーからの抗腫瘍薬物の切断は、細胞性求核剤、酵素、光又は音によって起こると提唱される。Grissomらは、該結合体で癌を治療する方法を提唱する。
Grissomらに対する米国特許第6,315,978号は、経口投与又はi.v.投与に適応した、VB−12の有機コバルト誘導体を開示する。VB−12に結合体化可能な抗腫瘍薬物には、ドキソルビシン、メトトレキセート、及びカルボプラチンが含まれる。彼らは、リンカーからの抗腫瘍薬物の切断が、細胞性求核剤又は酵素又は光又は音によって起こると示唆する。リンカーは、VB−12から除去された後、薬物から切断される、自己分解リンカーである。彼らは、やはり、該結合体で癌を治療する方法を提唱する。
Hogenkampらに対する米国付与前特許公報2002/0042394は、所望により、造影剤として使用するための、抗生剤と結合体化されたVB−12を開示する。Hogenkampは、該結合体で使用するのに適した抗生物質化合物として、局所抗新生物剤(EFUDEX:フルオロウラシル;フルオロプレックス)を特定する。彼らは、抗生物質化合物が、5’−OHを含む多様な部位で、VB−12に付着することを示唆する。彼らは、静脈内投与可能な抗腫瘍結合体を開示しない。
Russell−Jonesらに対する米国特許第5,449,720号は、VB−12及び活性剤間のリンカーとしてのポリマーの使用を開示する。該結合体は、(V−Q)−P−(Q’−A)と定義され、式中、VはVB−12であり;Pは所望により生物分解性ポリマーであり;Aは活性剤であり;そしてQ、Q’は場合によるスペーサー又は架橋剤である。Russell−Jonesらは、カルボキシル部分を介して、VB−12に結合体化可能な、潜在的な抗腫瘍剤及び多くの他の薬物のリストを開示する。しかし、彼らは、VB−12の5’−OH誘導体を開示しない。
Russell−Jonesらに対する米国特許第5,589,463号は、経口投与後、GI管腔を渡って、VB−12誘導体を輸送するための、VB−12取り込み機構の利用を開示する。VB−12誘導体が活性剤に連結される。ある範囲の活性剤が開示されるが、抗腫瘍化合物は開示されない。リンカーを形成するのに架橋剤が用いられる。薬物の取り込みを増進するため、VB−12に付着される抗生物質が開示される。彼らは、やはり、VB−12の5’−OH誘導体を開示しない。
Wilburらに対する米国特許第5,739,287号、Morgan Jr.らに対する米国特許第5,840,712号、Morgan Jr.らに対する米国特許第5,840,880号、Morgan Jr.らに対する米国特許第5,869,465号、及びMorgan Jr.らに対する米国特許第6,083,926号は、VB−12受容体をブロッキングするよう設計されたビオチン化VB−12を開示する。これらの5’−OH誘導体は、Toraya(Bioinorg. Chem.(1975), 4, 245−255)の方法にしたがって調製される。彼らは、VB−12にリンカーを付着するのに使用可能な多様な異なる基を開示する。癌の治療のため、彼らは、メトトレキセート、あるいは別の抗癌薬物又は抗腫瘍薬物と、修飾VB−12を同時に投与し、それによって、2つの異なる機構:増殖中の癌細胞におけるVB−12の枯渇と組み合わせた、化学療法剤の投与を使用する方法を開示する。彼らは、VB−12とメトトレキセートの結合体化を示唆しない。
Russell−Jonesらに対する米国特許第5,807,832号は、VB−12及び生物活性分子(ホルモン、抗生物質、ハプテン、抗原、タンパク質、分泌産物)を結合体化するための架橋剤の使用を開示する。彼らは、結合体の細胞内酵素切断も開示しないし、あるいは抗腫瘍薬物又はVB−12の5’−OH誘導体も開示しない。
Russell−Jonesらに対する米国特許第5,863,900号は、ジアミンとのカルボキシレート連結又はジチオール連結を介してVB−12に連結された、LHRHアンタゴニスト(ANTIDE−1、ANTIDE−2、ANTIDE−3)を開示する。ANTIDE構成要素は、GI管における酵素的加水分解に抵抗する。彼らは、in vivoで、VB−12からANTIDEが切断されることを示唆する。彼らは、トランスグルタミナーゼによるin vivo切断のための類似体の使用を示唆するが、実行には成功しなかった。彼らはまた、VB−12の結合体としての抗腫瘍化合物も開示しない。
Firestoneらに対する米国特許第6,214,345号は、自己分解スペーサー(自己犠牲(immolative)スペーサー)によって連結された、抗腫瘍薬物及び標的化リガンド(抗体又はタンパク質)の結合体の調製及び使用を開示する。VB−12は、適切なリガンドとして開示されていない。その代わり、抗体等の巨大分子が適切なリガンドとして開示される。ドキソルビシンは、結合体に含まれうる薬物として請求されている。
ビタミンB12の使用を記載する他の特許には、Nathに対する米国特許第3,936,440号(放射性金属同位体で錯体金属キレートを標識する方法);Bernsteinらに対する米国特許第4,209,614号(放射標識に適したビタミンB12誘導体);米国特許第4,279,859号(葉酸及びビタミンB12の同時放射アッセイ);Yolleesに対する米国特許第4,283,342号(抗癌剤及び製造法);Frankらに対する米国特許第4,301,140号(腎臓を監視するための放射薬学的方法);Houtsに対する米国特許第4,465,775号(こうしたアッセイのためのビタミンB12及び標識誘導体);Wilsonらに対する米国特許第5,308,606号(軟組織腫瘍の治療法及び/又は診断法);米国特許第5,405,839号(ビタミンB、その誘導体、調製プロセス、及び使用);Axworthyらに対する米国特許第5,608,060号(ビオチニダーゼ耐性ビオチン−DOTA結合体);Morganらに対する米国特許第5,869,465号(受容体調節法及びその使用);Russell−Jonesらに対する米国特許第5,869,466号(GCSFのためのビタミンB12が仲介する経口送達系)が含まれる。Ruma Banerjee, Chemistry and Biochemistry of B12 John Wiley & Sons, Inc.(1999)及び特にH.P.C. Hogenkamp、Douglas A. Collins、Charles B. Grissom、及びFrederick G. Westによる、この本の第II部、セクション15、表題「コバラミンの診断用及び療法用類似体」もまた参照されたい。
切断可能リンカーによって、抗腫瘍薬物に連結されたポルフィリン様部分を含む結合体が、Han(米国付与前公報第2002/0155999号)に開示されている。プロトポルフィリンはリンカーで誘導体化され、そして続いて抗腫瘍化合物の利用可能な官能基と反応して、結合体を形成する。しかし、Hanの結合体は、腫瘍内よりむしろ、腫瘍周囲の生理学的条件における切断に適応している。
in vivo有効性は、抗癌療法及び抗腫瘍療法が成功する際の特徴であるが、有効性は、過剰な全身毒性の損害を伴って実現されるものであってはならない。実際、癌及び腫瘍細胞に対して、増加した毒性を有するが、剤を投与される宿主又は対象に対して、軽減された全身毒性を有する、抗癌剤又は抗腫瘍剤を提供することが、非常に望ましいが、しばしば維持できない(untenable)。好ましい抗癌剤又は抗腫瘍剤は、癌又は腫瘍細胞に対しては、高い殺傷率を提供するが、宿主に対して、低い死亡率しか提供しないものである。先行技術は、対応するフリーの薬物に比較した際、軽減された全身毒性及び増進した有効性を有するVB12結合体を開示せずまた示唆しないが、こうした結合体に関する必要性はいまだにある。
したがって、先行技術が癌又は腫瘍の治療のためのコバラミン誘導体の潜在的な有用性を認識しているものの、細胞内酵素で分解可能又は加水分解可能なリンカーによって、薬物がコバラミンに付着している、コバラミンの抗増殖薬物5’−OH結合体が成功裡に調製されてきてはいなかった。特に、先行技術は、ドキソルビシンを含むこうした結合体の調製も、あるいは腫瘍又は癌の治療のためのコバラミン5’−OH−ドキソルビシン結合体の使用も開示しない。
発明の概要
本発明は、細胞膜を横切る能動輸送に適した、細胞内酵素切断可能な、抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体を提供し、該結合体は:
a.コバラミン、又はコバラミン誘導体;
b.コバラミン又はコバラミン誘導体の5’−OH部分に共有結合しているリンカー;
c.リンカーに共有結合し、それによって結合体を形成している抗腫瘍薬物であって、細胞内酵素によって該薬物がリンカーから切断可能であり、そして/又はリンカーがコバラミンから切断可能である、前記抗腫瘍薬物
を含む。
本発明の特定の態様には:1)結合体が、1以上の場合によるスペーサーをさらに含むもの;2)結合体が、リンカー及びコバラミンの5’−OH部分間に、共有結合したスペーサーを含むもの;3)結合体が、リンカー及び抗腫瘍薬物間に、共有結合したスペーサーを含むもの;4)抗腫瘍薬物が、ドキソルビシン、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)の活性成分)、及び本明細書に詳述する他の薬物からなる群より選択されるもの;5)カテプシン、エキソグリコシダーゼ、エンド酵素、グリコシダーゼ、メタロプロテアーゼ、リボザイム、プロテアーゼ、エステラーゼ、及びアミダーゼからなる酵素種群から選択される、細胞内酵素によって、薬物又はコバラミンから、リンカーが切断可能であるもの;6)コバラミン又はコバラミン誘導体が、本明細書に開示するものから選択されるもの;7)結合体が、フリーの(free)抗腫瘍薬物に対して、軽減された全身毒性を有するもの;8)切断可能リンカーが、リソソーム酵素によって切断可能であるもの;9)切断可能リンカーが、第一のスペーサーの第一の末端及び第二のスペーサーの第二の末端で共有結合しているもの;10)切断可能リンカーが、カテプシン切断可能ペプチドであるもの;11)切断可能リンカーが、カテプシンB切断可能ペプチドであるもの;及び/又は12)切断可能リンカーが、フェニルアラニン及びリジンを含むものが含まれる。
本発明はまた、式I:
VB−(SPa)−CL−(SPb)−DG
式I
式中、
CLは、1以上の細胞内酵素によって、VB、SPa、SPb及び/又はDGから切断可能なリンカーであり;
VBは、コバラミン、又はその誘導体若しくは類似体であり、VBのリボース環の5’−OH基を介して、CLに、又は存在する場合、SPaに共有結合しており;
SPa及びSPbは、場合によるスペーサーであり、それぞれの存在に際して、共有結合、二価官能基、非ペプチド残基、又はそれらの組み合わせからなる群より独立に選択され;そして
DGは、抗腫瘍薬物である;
n及びmは、それぞれの存在に際して、0、1、2又は3から独立に選択される
の結合体も提供する。
場合によるスペーサー、SPa及びSPbは、切断可能リンカーCLのいずれの側に位置することも可能である。例えば、どちらも、リンカーのVB端にあることも、又はDG端にあることも可能である。適切なスペーサー及びリンカーを本明細書に詳述する。それぞれの存在に際して、スペーサーSPa及びSPbは、本明細書に詳述する定義いずれかから、独立に選択される。SPa及びSPbは同じであることも、また異なることも可能である。SPaが結合体中に1より多く存在する場合、それぞれの存在に際して、その定義が独立に選択される。同様に、SPbが結合体中に1より多く存在する場合、それぞれの存在に際して、その定義が独立に選択される。
本発明の別の側面は、腫瘍の治療法であって、腫瘍の治療が必要な対象に、臨床上有効な量の本発明記載の結合体を投与する工程を含み、該結合体が細胞への送達及び細胞による取り込みのため十分に安定している、前記治療法を提供する。結合体の標的療法レベルは、薬理学分野で認識されるプロトコルを用いて、望ましい臨床効果を提供するのに十分である。一般的に、結合体の投与は、フリーの薬物と同じ投薬措置におおむねしたがって、結合体を投与することによって、実行可能である。結合体は、結合体を投与される対象で観察される臨床反応にしたがって、フリーの薬物より高い又は低いモル濃度で投与されることも可能である。治療法は、所望により、第一の結合体での治療と異なる、第二の抗腫瘍治療を対象に投与する工程を含む。方法の場合による態様は、2以上の異なる結合体での患者の治療を提供する。本発明はまた、本発明の1以上の結合体及び1以上の非結合体化抗腫瘍薬物で患者を治療することも含む。
本発明はまた、本発明記載の結合体及び少なくとも1つの薬物賦形剤を含む、薬物組成物及び投薬型も提供する。特定の態様において、投薬型は、経口、頬側、目、耳、直腸、膣、舌下、鼻、肺、非経口、経皮からなる群より選択される経路による投与に適応している。適切な投薬型には、ゲル、クリーム、軟膏、ピル、錠剤、カプセル、液体、懸濁物、浸透圧装置、ビーズ、顆粒、球状体、微粒子、ペースト、小球、再構成可能固体、粉末、又は注射可能液が含まれる。
本発明の他の特徴、利点及び態様は、以下の説明、付随する実施例によって、当業者には明らかとなるであろう。
発明の詳細な説明
本明細書に用いる略語のいくつかを以下に定義する:
AA:アミノ酸
12−5’−OH:シアノコバラミン
CDT:1,1’−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCU:ジシクロヘキシル尿素
DMSO:ジメチルスルホキシド
Dox:ドキソルビシン
EEDQ:2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン
Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOSu:N−ヒドロキシスクシンイミド
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
Lys:リジン
MMT:p−メトキシフェニルジフェニルメチル(モノメトキシトリチル)
PABOH:p−アミノベンジルアルコール
PABC:p−アミノベンジルカルボニル
PAPC:p−アミノフェニルカルボニル
Phe:フェニルアラニン
PNP:p−ニトロフェニル
TMS:トリメチルシリル
ドキソルビシン塩酸を、2mg/mlの0.9%生理食塩水溶液として、Gensia Sicor Pharmaceuticalsから得た。明治製菓(日本 東京)からも得た。該溶液を、Waters C18 Sep−Pakカートリッジ(P/N WAT043345)上に吸着させ、そして水(3カートリッジ体積)で洗浄して、塩化ナトリウムを除去した。ドキソルビシン塩酸をメタノールで溶出した。回転蒸発によってメタノールを除去し、そして凍結乾燥によって水を除去した。NovabiochemからAA及びEEDQを得た。CalbiochemからカテプシンBを得た(P/N 219364)。Acros、Aldrich、Sigma、Fluka、Fisher又はVWRからすべての他の化学薬品及び溶媒を得て、そして別に記載しない限り、さらなる精製を伴わずに使用した。
本明細書において、そして別に明記しない限り、用語「コバラミン」は、コバラミン、その類似体又はその誘導体を意味すると解釈される。用語、コバラミンには、ビタミンB12、シアノコバラミン、アクオコバラミン、ヒドロキシコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン、シアノコバラミンカルバナリド、デスジメチルコバラミン、モノエチルアミドコバラミン、メチルアミドコバラミン、補酵素B12、5’−デオキシアデノシルコバラミン、コバマミド誘導体、クロロコバラミン、スルフィトコバラミン、ニトロコバラミン、チオシアナートコバラミン、ベンズイミダゾール誘導体、例えば5,6−ジクロロベンズイミダゾール、5−ヒドロキシベンズイミダゾール、トリメチルベンズイミダゾールとともにアデノシルシアノコバラミン((Ade)CN−Cbl)、コバラミンラクトン、コバラミンラクタム、及びVB12のアニリド、エチルアミド、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸誘導体、プロピオンアミド誘導体、5−o−メチルベンジルコバラミン、並びにコバルトが亜鉛又はニッケルなどの別の金属原子で置換されている、これらの類似体が含まれる。VB12又はその類似体のコリン環もまた、トランスコバラミンへの結合を完全には排除しない置換基いずれかで置換されることも可能である。上述の化合物は、Sigma Aldrich Chemical Co.、Roche Pharmaceuticals、並びに薬学的最終製品、中間体及び出発材料の他の化学薬品商業的供給者などの供給者を介して、商業的に入手可能である。
スペーサーは、本発明の結合体である式1の化合物において、場合による。0、1又は2のスペーサー、あるいはスペーサーの組み合わせが含まれることも可能である。スペーサーは、コバラミン及びリンカー、コバラミン及び薬物、又はリンカー及び薬物の間の距離を調整するように働く。コバラミンの5’−Oから、CL又はスペーサーへの薬物の付着点までの距離は、トランスコバラミンの結合、及び結合体切断に関与する酵素の結合を可能にするのに十分である。用いる薬物及び用いるコバラミンの特定の型に応じて、性能を最適にするため、距離が多様であることも可能である。
また、結合体のトランスコバラミン親和性を改善するため、あるいは望ましくない立体相互作用から生じる、コバラミン、リンカー及び/又は薬物のカップリングにおける問題を克服するため、あるいは結合体中の薬物の生物活性を増加させるため、スペーサーを導入することも可能である。スペーサー化合物はまた、選択される官能基を両端に持つ、二官能性化合物であり、リンカー又はコバラミン上に位置する適切な官能基と反応するため、連結剤としても働くことも可能である。
スペーサーは場合によるため、結合体の特定の態様には:VB−(SPa)−CL−DG(式II)、VB−CL−(SPb)−DG(式III)、VB−CL−DG(式IV)、VB−CL−(SPa)−(SPb)−DG(式V)、VB−(SPa)−(SPb)−CL−DG(式VI)、及び(VB−(SPa)(SPa)−CL−(SPb)(SPb)−DG)、式中、「p」及び「q」は、それぞれの存在に際して、1、2及び3から独立に選択される、が含まれる。
スペーサー、SPa又はSPbは、所望により置換された飽和又は不飽和、分枝又は直鎖のC1−50アルキレン、シクロアルキレン又は芳香族基であって、所望により鎖内の1以上の炭素がN、O又はSで置換された前記基を含むことも可能であり、そして場合による置換基は、例えばカルボニル、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ及び他の基から選択される。2つのスペーサーが結合体に含まれる場合、これらは構造が異なる。スペーサーは、CLが標的組織中で切断された後、抗腫瘍薬物から切断され、それによって臨床上に有効な型の薬物を細胞内で放出するように適応している。本発明の結合体に含まれるのに適したスペーサーには、Firestoneら(米国特許第6,214,345号)及びKatzenellenbogen(J. Med. Chem.(1981), 24(5), pp479−480)に記載されるものが含まれる。これらのスペーサーは、細胞内酵素が近づき、そしてリンカーを切断するのを可能にするよう設計されている。これらはまた、リンカーが切断された後、薬物から切断されて、薬物の活性型を形成するようにも設計されている。スペーサーは、結合体が標的細胞又は組織に送達されるまで、化学的に十分に安定に結合し続けるように、CL、DG及びVBに共有結合している。特定の態様において、スペーサーは、標的細胞又は組織内で、酵素又は他の手段のいずれかによって、細胞内で切断される。スペーサーが切断可能である場合、スペーサーが付着している切断可能なリンカーと同じ手段で又は異なる手段で、スペーサーが切断されることも可能である。あるいは、切断可能リンカーがVB又はSPaから細胞内で切断された後、スペーサーは、切断可能リンカー及び/又は抗腫瘍薬物から、実質的にそれ自身を切断するであろう。特定の態様において、細胞内酵素は、まず、VB−SPa又はVBから、CL−SPb−DG(又はCL−DG)を放出する。次いで、残った残基CL−SPb−DG(又はCL−DG)がそれ自身を切断し、それによって、フリーの薬物を細胞内に放出する。酵素切断がまず起こるのであれば、さらなる化学的切断が含まれることも可能であるため、切断は、もっぱら酵素的である必要はない。
リンカーに対する薬物又はコバラミンの結合体化に適した伸長スペーサーには、例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BSS)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、p−アミノフェニル酢酸、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、3,3’−ジチオビス−(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、酒石酸ジスクシンイミジル(DST)、酒石酸ジスルホスクシンイミジル(スルホ−DST)、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)−エチレン]スルホン(BSOCOES)、ビス[2−(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)−エチレン]スルホン(スルホ−BSOCOES)、ジメチルアジピイミデート2HCl(DMA)、ジメチルピメルイミデート2HCl(DMP)、ジメチルスベルイミデート(DMS)が含まれる。
スペーサーが二価官能基である場合、コバラミン、切断可能リンカー又は薬物に、順方向又は逆方向で付着することも可能である。適切な二価官能基には、−NHNH−、−NH−、−O−、−S−、−SS−、−CH−、−NHCO−、−CONH−、−CONHNHCO−、−N=N−、−N=CH−、−NHCH−、−NHN=CH−、−NHNHCH−、−SCH−、−CHS−、−NHCRNH−(Rは=O、=S又は=NHである)、−COO−、又は−OCO−が含まれる。
切断可能リンカー「CL」は、哺乳動物の血漿及び所望により胃腸管における酵素による分解に耐性であるよう意図される。切断可能リンカーは、細胞に取り込まれた後、細胞内切断を経るであろう。CLは、ペプチド又は非ペプチドである。
結合体の要素(SPa)−CL−(SPb)の組み合わせ、及び本明細書記載のその他の態様は、ともに、個々の要素SPa、SPb、及びCL、並びに変数n及びmの特定の定義によって定義されるような構造を有する、「結合体化単位」を形成する。言い換えると、「結合体化単位」は、(SPa)−CL−(SPb)の許容しうる態様いずれによっても定義されるであろう。
特定の態様にしたがって、本発明の結合体化単位は、カルボキシルアシル単位、及びタンパク質ペプチド配列で作成される。該ユニットはまた、薬物及びタンパク質ペプチド配列間に間隔をあける、自己犠牲スペーサーも含有することも可能である。
結合体の特定の態様において、結合体化単位は、「A−Y−Z−X−W」(式XI)として定義され、式中、「A」は「カルボキシルアシル単位」であり、「Y」及び「Z」は各々アミノ酸であり、そしてともにタンパク質ペプチド配列を形成し、そして「X」及び「W」は、個々に、タンパク質ペプチド及び薬物間に間隔をあける自己犠牲スペーサーである。結合体化単位A−Y−Z−X−Wは、結合体化単位(SPa)−CL−(SPb)及び結合体化単位(VB−(SPa)(SPa)−CL−(SPb)(SPb)−DG)のサブセットである。
特定の態様には、式中:
Yは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びプロリンからなる群より選択される、少なくとも1つのアミノ酸であり、好ましくはフェニルアラニン又はバリンであり;そして
Zは、リジン、アセチル又はホルミルで保護されたリジン、アルギニン、トシル又はニトロ基で保護されたアルギニン、ヒスチジン、オルニチン、アセチル又はホルミルで保護されたオルニチン、及びシトルリンからなる群より選択される、少なくとも1つのアミノ酸であり、好ましくはリジン又はシトルリンである
であるものが含まれる。
タンパク質ペプチド配列は、腫瘍細胞中の1以上のプロテアーゼによって結合体から選択的に、酵素的に切断可能であるように、特に調整される。
タンパク質ペプチド配列の鎖の長さは、一般的に、ジペプチドのものからテトラペプチドのものの範囲である。しかし、8アミノ酸残基と同程度に長いタンパク質ペプチド配列もまた使用可能である。
適切で典型的なペプチドリンカー基には、例えば、そして限定なしに、Phe−Lys、Val−Lys、Phe−Phe−Lys、D−Phe−L−Phe−Lys、Gly−Phe−Lys、Ala−Lys、Val−Cit、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp−Cit、Phe−Ala、Gly−Phe−Leu−Gly、Ala−Leu−Ala−Leu、Phe−N−トシル−Arg、及びPhe−N−ニトロ−Argが含まれる。
結合体化単位の多くの特定の態様を設計し、そして特定の腫瘍関連プロテアーゼによる酵素的切断に関する選択性を最適化することも可能である。結合体化単位の特定の態様には、プロテアーゼカテプシンB、C又はDによる加水分解に最適化されたものが含まれる。
上述のように、結合体化単位は、自己犠牲中間体(CLの切断後、第二の酵素に触媒される切断を必要とせずに、DGからそれ自身を除去するスペーサー)を使用することも可能である。自己犠牲スペーサーは、間隔をあけた2つの化学部分をともに共有結合させて、通常は安定な三分割(tripartate)分子にして、酵素的切断によって、三分割分子から前記の間隔をあけた化学部分の1つを放出し;そして前記酵素切断に続いて、分子の残りから自発的に切断して、前記の間隔をあけた化学部分のもう一方を放出する、二官能化学部分と定義されることも可能である。本発明にしたがって、自己犠牲スペーサーは、第一の末端でタンパク質ペプチド配列に共有結合し、そしてもう一方の末端でDG部分に共有結合し、タンパク質ペプチド配列及び薬物を、間隔をあけて、そして共有結合して、安定であるが、自己犠牲スペーサー及びタンパク質ペプチド配列が共有結合する結合部分で、標的酵素によって酵素的に切断可能であり、それによってタンパク質ペプチド配列の放出が達成される配列にする。こうした酵素切断は、次に、スペーサー部分の自己犠牲特性を活性化し、そして薬物部分への自己犠牲スペーサーの共有結合の、実質的に自発的な切断を開始し、それによって薬理学的に活性である型の薬物の放出を達成する。
式XIの結合体化単位において:
Xは自己犠牲スペーサー部分であり、薬物及びペプチドタンパク質配列間に間隔を置いて、そしてこれらをともに共有結合し、ここでスペーサーは、T部分を介して薬物部分に連結され、そしてスペーサーは、式(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV)の化合物:
a)
Figure 2007505144
(式XII)、式中、Tは、O、NH、N又はSである;
b)−HN−R−COT(式XIII)、式中、Tは、O、NH、N又はSであり、そしてRはC−Cアルキルである;
c)−NHC(HT)CO−(式XIV;J. Med. Chem., 27:1447(1984))、式中、Tは、O、NH、N又はSであり、そしてRはH又はC−Cアルキルである;又は
d)
Figure 2007505144
(式XV)
に代表されることも可能であり;あるいは、Wはスペーサー部分
Figure 2007505144
(式XVI)、式中、Tは、O、S又はNH、Nである。
である。
本明細書において、「C−Cアルキル」は、別に記載しない限り、1〜5の炭素原子を有する分枝鎖又は直鎖炭化水素を意味すると解釈され、限定されるわけではないが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、sec−ブチル、イソブチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、及び他の既知のアルキル基が含まれる。
本明細書に詳述するように、PABC、GABA(アシル型のγ−アミノ酪酸)、α,α−ジメチルGABA、及びβ,β−ジメチルGABAが典型的な自己犠牲スペーサーである。
式(XI)の結合体化単位において、カルボキシル単位「A」を、VBの5’−O原子を介して、VB要素に連結することも可能である。要素「A」の典型的な態様には:
a)
Figure 2007505144
b)スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)(Pierceカタログp.E−15(1992))から製造される
Figure 2007505144
c)m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)(Pierceカタログp.E−16(1992))から製造される
Figure 2007505144
d)スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)(Pierceカタログp.E−18(1992))から製造される
Figure 2007505144
e)N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)(Pierceカタログp.E−17(1992))から製造される
Figure 2007505144
が含まれるか;あるいは
「A」は、ペプチドタンパク質配列に、そしてVBの5’−O酸素原子を介してVBに共有結合している化合物である。要素「A」の代表的な態様には、例として、そして限定なしに:
a)5’−O−[−(CH−C(=O)−]−;
b)5’−O−[−CH(CH)−C−C(=O)−]−;又は
c)5’−O−[−(CH−C(=O)NH−(CH−C(=O)−]−
が含まれる。
以下の表は、結合体を細胞内で切断するために頼ることが可能な典型的な細胞内酵素を詳述する。以下に詳述する酵素クラス、特定の酵素及び基質のリストは、包括的ではなく、これらの特定の態様の単なる例示である。結合体内に、他の酵素による切断に適した特異的基質を提供することによって、結合体を、他の細胞内酵素ファミリー及び他の特定の細胞内酵素による切断に適応させることも可能である。
Figure 2007505144
・分泌される酵素。特異的に細胞性ではない
・ペプチド構造と対照的にタンパク質基質を用いる酵素**
ヒト代謝は複雑な性質を持つため、対象に投与された後、結合体を含有する単位用量の一部が、細胞外で切断されることも可能である。細胞に取り込まれ、そして続いて細胞内で切断される結合体の量は、望ましい臨床的利益を提供するのに十分であろうことが意図される。
図1は、本発明にしたがった典型的な結合体を示す。実施例1のプロセスにしたがって製造可能な結合体は、第一のスペーサー(SPb)に結合したドキソルビシンを含み、第一のスペーサーは、切断可能リンカー(CL)に結合し、次いで、該リンカーは第二のスペーサー(SPa)に結合し、第二のスペーサーが最後に、コバラミン(CB)のリボース環の5’−OH部分に結合する。スペーサーの末端アミン基(第一のSPa残基;6−アミノヘキサン酸)は、二価カルボニルラジカル(第二のSPa残基)によって、リボース環の5’−Oに結合し、それによってカルバメート連結を形成する。SPaのもう一方の端では、スペーサーのカルボニル基が、アミド結合によって、ペプチドリンカー(CL;Phe−Lys−PAB)の末端アミン、特にリンカーのフェニルアラニン残基の末端アミンに結合する。リンカーのカルボキシ末端は、アミド連結によって、スペーサーSPb(第一のSPb残基;パラ−アミノベンジルアルコール)に結合する。次いで、第一のSPbのヒドロキシル基が、二価カルボニルラジカル(第二のSPb残基)を介して、ドキソルビシン(DOX)の一級アミンに結合する。したがって、化合物(13)は、以下の式:VB−SPaSPa−CL−SPbSPb−DG(式II)を有する。
結合体(13)の典型的な合成プロセスを以下の実施例1及び図2に詳述する。合成の第一部は、切断可能リンカーPhe−Lysの調製に関する。合成の第二部は、第一のスペーサー(PABC)への、そして続いて抗腫瘍薬物(DOX)への切断可能リンカーの付着に関する。合成の第三部は、コバラミンへの第二のスペーサーの付着、そして続いて切断可能リンカーのN末端への第二のスペーサーのカップリングに関する。
したがって、Fmoc−Lysを塩化トリメチルシリルで処理して、カルボキシル保護中間体Fmoc−Lys(TMS)TMSを形成し、これを次いで、塩化MMTで処理して、Fmoc−Lys(MMT)TMSを形成し、これをワークアップ中に脱保護して、中間体Fmoc−Lys(MMT)(1)を形成する。この第一の変換反応は、Dubowchikら(Bioconjugate Chem.(2002), 13, 855−869)の方法にしたがって、いかなる中間体の単離も伴わずに、in situで行う。ジエチルアミンでの処理によって、中間体(1)のFmoc保護基を除去して、Lys(MMT)(2)を形成する。Fmoc−PheをN−ヒドロキシスクシンイミド及びDCCで処理することによって、他の重要な中間体Fmoc−Phe−OSu(3)を調製する。Lys(MMT)及びFmoc−Phe−OSuを、ジイソプロピルエチルアミンの存在下でカップリングして、Fmoc−Phe−Lys(MMT)(4)を形成する。p−アミノベンジルアルコールを、エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)の存在下で(4)と反応させることによって、スペーサー(PAB;SPb)の第一の部分を切断可能リンカーに付着させて、Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABOH(5)を形成する。中間体(5)をビス(4−ニトロフェニル)カーボネート(PNP)で処理することによって、スペーサーの二価カルボニル部分(SPb)を形成して、活性化中間体Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−PNP(6)を形成する。次いで、ドキソルビシンを活性化中間体(6)と反応させて、Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(7)を形成する。中間体(7)をジエチルアミンで処理することによって、PheのN末端を脱保護して、Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(8;CL−SPbSPb−DG)を形成する。
シアノコバラミンを1,1’−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)(CDT)で処理して、トリアゾール活性化シアノコバラミン(4;B12−5’−OCO−(1,2,4−トリアゾール))を形成し、これを次いで、スペーサー(SPa;6−アミノヘキサノイルラジカル)にカップリングして、CB−SPa残基(10;B12−5’−OCONH(CHCOH)を形成する。この残基を切断可能リンカーのN末端にカップリングする前に、中間体(10)をN−ヒドロキシスクシンイミドで処理することによってカルボキシル基を活性化して、活性化中間体B12−5’−OCONH(CHCOOSu(11)を形成する。次いで、2つの重要な中間体(8)及び(11)を反応させて、保護された結合体(12)(B12−5’−OCONH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox)を形成して、これを次いで、ジクロロ酢酸で脱保護して結合体(13)(B12−5’−OCONH(CHCO―Phe−Lys−PABC−Dox)を形成する。
より一般的には、図2に示す合成スキームを以下の工程に要約することも可能である:
+保護された切断可能リンカーを調製し;
+切断可能リンカー及びスペーサー(SPb)を含む第一の残基を調製し;
+切断可能リンカー、SPb及び抗腫瘍薬物(DG)を含む第二の残基を調製し;
+コバラミン及びスペーサー(SPa)を含む第三の残基を調製し;
+第二の残基及び第三の残基をカップリングして、本発明記載の結合体を形成する。
第二の残基は、第三の残基の前又は後に形成可能である。
あるいは、図3aに示す合成スキームにしたがって、本発明の結合体を調製することも可能であり、このスキームは、一般的に以下のように記載することも可能である。SPa残基を活性化し、そしてCLの第一のアミノ酸(AA)残基にカップリングして、SPa−AA中間体を形成し、これを次いで活性化し、そしてCLの第二のアミノ酸(AA)残基と反応させて、SPa−CL中間体を形成する。次いで、SPa−CL中間体を活性化し、そしてSPb残基と反応させて、SPa−CL−SPb中間体を形成し、これを次いで活性化して、そして抗腫瘍薬物にカップリングして、SPa−CL−SPb−DG中間体を形成する。コバラミン(VB)を活性化し、そしてSPa−CL−SPb−DG中間体とカップリングして、式Iの化合物であるVB−SPa−CL−SPb−DGを形成し、該化合物は、所望により1以上の保護基を含む。
図3aの合成スキームは、以下のようにより具体的に記載される。Fmoc N保護6−アミノヘキサン酸をHOSuで活性化して、反応性中間体(21)を形成し、これを次いで、Pheと反応させて、Fmoc−NH(CHCO−Phe(22)を形成する。この中間体をHOSuで活性化して、反応性中間体(23)を形成して、これを続いて、先に調製しておいたLys(MMT)と反応させて、Fmoc−NH(CHCO−Phe−Lys(MMT)(24)を形成する。次いで、第二のスペーサーPABを、リンカーのC末端にカップリングして、Fmoc−NH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABOH(25)を形成し、これを次いで、(PNP)CO(二価カルボニルラジカル前駆体)で活性化して、中間体Fmoc−NH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−PNP(26)を形成する。中間体(26)をDoxとカップリングして、Fmoc−NH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(27)を形成し、次いで、このN末端をジエチルアミンで脱保護して、脱保護中間体HN(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(28)を形成する。コバラミンの5’−OH部分を、CDTなどの求電子性二価カルボニルラジカル前駆体で活性化して、B12−5’−OCO−(1,2,4−トリアゾール)(9)を形成する。2つの中間体(9及び28)をカップリングして、保護結合体B12−5’−OCONH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(29)を形成し、これを次いで脱保護して、結合体(13)を得る。
結合体(13)はまた、図3bに示す合成戦略にしたがっても調製可能である。この場合、中間体Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABOH(5)をDEAで処理して、中間体Phe−Lys(MMT)−PABOH(31)を形成して、これを次いで、中間体Fmoc−NH(CH−COOSu(21)と反応させて、中間体Fmoc−NH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABOH(25)を形成する。次いで、図3aに示す経路を介して、中間体を望ましい結合体(13)に変換する。
本明細書に詳述するように、本発明の結合体には、他の抗腫瘍薬物が含まれることも可能である。図4aは、実施例14にしたがった、パクリタキセルを含む結合体の調製のための、合成スキームを示す。パクリタキセルには、反応性が異なる3つのヒドロキシ部分が含まれるため、パクリタキセルに関して使用した保護基戦略に応じて、3つのうちいずれか1つにリンカーをカップリングすることによって、結合体を形成することも可能である。例えば、2’−OHを保護基で誘導体化する場合、7−OHによって、パクリタキセルをスペーサー又はリンカーに付着させることも可能である。図4aの態様において、ピリジンなどの有機塩基の存在下で、パクリタキセルを塩化MMTで処理して、2’−ヒドロキシル部分をトリチル化し、それによって部分的に保護された中間体(41;パクリタキセル−2’−MMT)を形成する。次いで、中間体(41)をトリクロロメチルクロロホルメートと反応させて、活性中間体(42;パクリタキセル−2’−MMT−7−OCOCl)を形成する。この反応性中間体を、次いで、リンカー−スペーサー残基(5;Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABOH;CL−SPb)と反応させて、中間体(43;Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−7−パクリタキセル−2’−MMT;CL−SPb−DG)を形成する。次いで、中間体(43)のN末端を例えばDBUで脱保護して、脱保護中間体(44)を形成し、これにVB−スペーサー残基(11;VB−SPa)をカップリングして、保護結合体B12−5’−OCONH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−7−パクリタキセル−2’−MMT(45)を形成する。次いで、この中間体を、例えばジクロロ酢酸で脱保護して、結合体B12−5’−OCONH(CHCO−Phe−Lys−PABC−7−パクリタキセル(46)を形成する。
図4aに示す合成スキームを、一般的に、以下のように要約することも可能である。必要に応じて抗腫瘍薬物を保護し、そしてスペーサー(SPb)又はリンカー(CL)の末端を受け入れ可能な二価官能基で誘導体化する。こうして誘導体化した薬物をスペーサー(SPb)、リンカー(CL)、又はスペーサー及びリンカーを含む残基(CL−SPb)と反応させて、中間体CL−SPb−DGを形成する。リンカーの末端を脱保護し(場合による)、そして反応性コバラミン−スペーサー残基(VB−SPa)にカップリングして、所望により1以上の保護基を含む式I(VB−SPa−CL−SPb−DG)の化合物を形成する。結合体の保護基が存在する場合、所望により、除去しようとする保護基(単数又は複数)の種類にしたがって決定されるような、除去に適した条件を使用して、保護基を除去する。
図4bは、実施例13にしたがった、パクリタキセルを含む結合体の調製のための別の合成スキームを示す。図4bの結合体は、スペーサーとのカップリングに際して、パクリタキセルの異なるヒドロキシル基を使用しているため、図4aの結合体とは異なる。この態様において、先に調製した反応性中間体(6)を、DMAP(有機塩基)の存在下で、パクリタキセルと反応させ、それによってパクリタキセルの2’−ヒドロキシル部分にカップリングして、そして部分的に保護された中間体(14;Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル)を形成する。中間体(14)をDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)で処理することによって、Fmoc保護基を除去して、部分的に保護された(Lys−保護)中間体(15;Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル)を形成する。この中間体(15)を、先に形成した中間体(11)と反応させることによって、保護された結合体(16;B12−5’−OCONH(CHCO−Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル)を形成する。次いで、N−保護された結合体を、例えばジクロロ酢酸で脱保護して、脱保護結合体B12−5’−OCONH(CHCO−Phe−Lys−PABC−2’−パクリタキセル(17)を形成し、該化合物は、塩として又は遊離塩基型で単離可能である。
図4bに示す合成スキームを、一般的に、以下のように要約することも可能である。脱保護抗腫瘍薬物を、リンカー(CL)に共有結合したスペーサー(SPb)を含む中間体に結合したアシル官能(SPb)基で誘導体化する。こうして誘導体化された薬物を、スペーサー(SPa)(SPa)に共有結合したコバラミンを含む別の中間体と反応させて、1以上の保護基を含む、式VII(VB−(SPa)(SPa)−CL−(SPb)(SPb)−DG)を形成する。結合体の保護基が存在する場合、所望により、除去しようとする保護基(単数又は複数)の種類にしたがって決定されるような、除去に適した条件を使用して、保護基を除去して、それによって、式VIIの化合物の脱保護型を形成する。
図5は、本発明記載の結合体を調製する、別の代替合成スキームを示す。VB12をエチル4−イソシアナートベンゾエートと反応させて、コバラミン−スペーサー中間体B12−5’−OCO−PAPC−OEt(51)を形成する。次いで、この中間体を炭酸カリウムで脱エステル化して、遊離酸OH(52)を形成する。遊離酸をHOSu及びDCCで活性化して、反応性中間体(53)を形成し、これをリンカー−スペーサー−薬物中間体Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(8)とカップリングして、保護された結合体B12−5’−OCO−PAPC−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(54)を形成する。次いで、保護された結合体をジクロロ酢酸で脱保護して、B12−5’−OCO−PAPC−Phe−Lys−PABC−Dox(55)を形成する。
図5に示す合成戦略を、より一般的に、以下のように表すことも可能である。コバラミンをスペーサーにカップリングすることによって、コバラミン−スペーサー残基(VB−SPa)を調製する。切断可能リンカーCL、又は残基CL−SPbを該残基に付着させ、それぞれ、中間体VB−SPa−CL又はVB−SPa−CL−SPbを形成する。中間体VB−SPa−CLが形成されたならば、これをさらに処理して、中間体VB−SPa−CL−SPbを形成する。次いで、薬物をVB−SPa−CL−SPb中間体に付着させて、式Iの結合体VB−SPa−CL−SPb−DGを形成する。出発材料、残基及び中間体は、場合により、必要に応じて、1以上の保護基を含む。結合体の保護基が存在する場合、所望により、除去しようとする保護基(単数又は複数)の種類にしたがって決定されるような、除去に適した条件を使用して、保護基を除去する。類似の方式で、必要に応じて、出発材料、残基及び中間体の保護基を付加し、そして除去して、カップリング反応の調節を可能にすることも可能である。
本明細書の合成スキームを考慮して、結合体の合成をコバラミン、薬物、スペーサー又はリンカーから開始することも可能である。次いで、結合体の残りの部分を連続して(一度に1、2、又は3回)カップリングして、最終結合体を形成する。
1より多い反応性官能基を有する薬物、スペーサー、リンカー及びコバラミン(本明細書に開示されるすべての型)が周知である。これらの例を本明細書に開示する。式Iの化合物の多様な構成要素(VB、SPa、CL、SPb、及びDG)のカップリング中、ときには、保護基化学反応を使用して、反応性官能基のいくつかを保護しながら、他の官能基でカップリング反応が起こるのを可能にする必要がある。この目的に向けて、合成戦略によって必要とされる場合、知られる保護基いずれかが、続くカップリング反応において必要に応じて機能し、そして分離されるのに十分に安定であるならば、こうした保護基いずれかを使用することも可能である。典型的な保護基が本明細書に開示され、そしてこれらには、Protective Groups in Organic Synthesis, 第3版(Greene及びWuts監修, John Wiley & Sons, ニューヨーク(1999))、Protective Groups in Organic Chemistry(J.F.W. McOmie監修, Plenum Pub. Corp.(1973));及び“The Peptides:Analysis, Synthesis, Biology”, Vol. 3, Academic Press, ニューヨーク(1981)に列挙されるものが含まれ、これらの文献の開示は、本明細書に援用される。
本明細書において、用語「アミン保護基」(又は「N保護された」)は、アミン基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる基も指す。本明細書において、用語「アミン保護基試薬」は、アミンと反応して、アミン保護基で保護されたアミンを提供可能な、アミン基の保護のため、有機合成の技術分野で知られるいかなる試薬も指す。典型的なアミン保護基には、限定されるわけではないが、以下:1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、及びp−トルエンスルホニルなどのアシル型;2)ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び置換ベンジルカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、及び9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメート型;3)tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、及びアリルオキシカルボニルなどの脂肪族カルバメート型;4)シクロペンチルオキシカルボニル及びアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカルバメート型;5)トリフェニルメチル及びベンジルなどのアルキル型;6)トリメチルシランなどのトリアルキルシラン;並びに7)フェニルチオカルボニル及びジチアスクシノイルなどのチオール含有型が含まれる。
アミン保護基には、限定されるわけではないが、以下:2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオ−キサンチル)]メチルオキシカルボニル;2−トリメチルシリル−エチルオキシ−カルボニル;2−フェニルエチルオキシカルボニル;1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルオキシカルボニル;1−メチル−1−(4−ジフェニリル)エチルオキシカルボニル;ベンジルオキシカルボニル;p−ニトロベンジルオキシカルボニル;2−(p−トルエンスルホニル)−エチルオキシカルボニル;m−クロロ−p−アシルオキシベンジルオキシカルボニル;5−ベンジルイソキサゾリル−メチルオキシカルボニル;p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルオキシカルボニル;m−ニトロフェニルオキシカルボニル;o−ニトロベンジルオキシカルボニル;3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル;3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルオキシ−カルボニル;N’−p−トルエンスルホニル−アミノカルボニル;t−アミルオキシカルボニル;p−デシルオキシベンジルオキシ−カルボニル;ジイソプロピルメチルオキシカルボニル;2,2−ジメトキシカルボニルビニルオキシカルボニル;ジ(2−ピリジル)メチルオキシカルボニル;2−フラニルメチルオキシ−カルボニル;フタルイミド;ジチアスクシンイミド;2,5−ジメチルピロール;ベンジル;5−ジベンジルスベリル;トリフェニルメチル;ベンジリデン;ジフェニルメチレン;又はメタンスルホンアミドが含まれることも可能である。
本明細書において、用語「カルボキシル保護基」は、カルボキシル基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる基も指す。カルボキシル保護基の例には、限定されるわけではないが、以下:1)メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルオキシメチル、N−フタルイミドメチルなどの置換メチルエステル型;2)2,2,2−トリクロロエチル、2−メチルチオエチル、t−ブチルエチル、シンナミルエチル、ベンジルエチル、2(2’−ピリジル)エチルなどの2−置換エチルエステル型;3)トリフェニルメチル、9−アントリルメチル、p−ニトロベンジル、4−ピコリル、2,4,6−トリメチルベンジルなどの置換ベンジルエステル型;4)トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどのシリルエステル型;5)オキサゾール、オルトエステルなどの雑多な型;6)N,N−ジメチル、ピペリジニル、ピロリンジニルなどのアミド型;及び7)アルキル化ヒドラジドなどのヒドラジド型が含まれる。
本明細書において、用語「ヒドロキシ保護基」(又は「O保護された」)は、ヒドロキシル基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる基も指す。本明細書において、用語「ヒドロキシ保護基試薬」は、ヒドロキシと反応して、ヒドロキシ保護基で保護されたヒドロキシ基を提供可能な、ヒドロキシ基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる試薬も指す。ヒドロキシ保護基は、塩基安定性であり、そしてこれらには、限定されるわけではないが、アシル型、芳香族カルバメート型及びアルキル型が含まれることも可能である。例は、メチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、t−ブチル、トリフェニルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、ピバロエート又はN−フェニルカルバメートである。
適切なヒドロキシ保護基には、エーテルとしての以下の保護基:テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチル、ベンジル、テトラヒドロフラニル、アリル、メトキシメチル(MOM)、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、t−ブトキシメチル、メチルチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、トリクロロエトキシメチル、t−ブチル、p−メトキシベンジル、t−ブチルジメチルシリル、o−ニトロベンジル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、p−ニトロベンジル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジフェニルシリルが含まれることも可能である。
本明細書において、用語「スルフィドリル保護基」(又は「O保護された」)は、スルフィドリル基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる基も指す。本明細書において、用語「スルフィドリル保護基試薬」は、スルフィドリルと反応して、スルフィドリル保護基で保護されたスルフィドリル基を提供可能な、スルフィドリル基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる試薬も指す。適切なスルフィドリル保護基には、Protective Groups in Organic Synthesis, 第3版(Greene及びWuts監修, John Wiley & Sons, ニューヨーク(1999))、Protective Groups in Organic Chemistry(J.F.W. McOmie監修, Plenum Pub. Corp.(1973))に開示される、スルフィドリル基が保護されているジスルフィド結合を形成可能な、別のスルフィドリル含有化合物及び他のものが含まれる。
本明細書において、用語「ケトン保護基」(又は「O保護された」)は、ケトン基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる基も指す。本明細書において、用語「ケトン保護基試薬」は、ケトンと反応して、ケトン保護基で保護されたケトン基を提供可能な、ケトン基の保護のため、有機合成の技術分野に知られるいかなる試薬も指す。適切なケトン保護基には、環状アセタール、及びProtective Groups in Organic Synthesis, 第3版(Greene及びWuts監修, John Wiley & Sons, ニューヨーク(1999))、Protective Groups in Organic Chemistry(J.F.W. McOmie監修, Plenum Pub. Corp.(1973))に開示されるものが含まれる。
本明細書に記載する化合物は、非対称中心を有することも可能である。すべてのキラル、ジアステレオマー、及びラセミ型が本発明に含まれる。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体もまた、本明細書記載の化合物に存在可能であり、そしてこうした安定な異性体すべてが本発明に意図される。本発明の特定の化合物が、非対称に置換された炭素原子を含有し、そして光学活性型又はラセミ型で単離可能であることが認識されるであろう。当該技術分野には、ラセミ型を分割することによるか、又は合成によるなどで、光学活性出発物質から、光学活性型を調製する方法が周知である。また、本発明の化合物のシス及びトランス幾何異性体が記載され、そして異性体の混合物として、又は分離された異性体型として、単離可能であることも認識される。特定の立体化学又は異性体型が具体的に示されない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミ型、及びすべての幾何異性体型が意図される。
変数いずれか(例えば、R、mなど)が、化合物の構成要素又は式いずれかにおいて、1より多く存在する場合、各存在の定義は、他のすべての存在に際しての定義とは独立である。したがって、例えば、基が0〜3のRで置換されると示される場合、前記基は、所望により、3までのRで置換され、そしてRは、それぞれの存在に際して、ありうるRの定義されるリストから、独立に選択される。また、置換基及び/又は変数の組み合わせは、こうした組み合わせが安定な化合物を生じる場合のみ、許容性である。安定な化合物又は安定な構造によって、本明細書において、反応混合物からの有用な度合いの純度への単離に耐えるために十分に頑強な化合物を意味する。同様に、例として、基−C(R)−に関しては、C上の2つのR置換基は各々、ありうるRの定義されるリストから、独立に選択される。
本発明の結合体は、固形腫瘍及び白血病を含む、いかなる種類の癌の治療又は治療の開発にも有用であり、こうした腫瘍及び白血病には、例えば:アプドーマ、分離腫、鰓腫、悪性カルチノイド症候群、カルチノイド心疾患、癌腫(例えばウォーカー癌、基底細胞癌、基底扁平細胞癌、ブラウン−ピアース癌、管癌、エーリッヒ腫瘍、in situ癌、クレブス2癌、メルケル細胞癌、粘液性癌、非小細胞肺癌、燕麦細胞癌、乳頭状癌、硬癌、細気管支癌、気管支癌、扁平上皮癌、及び移行上皮癌)、組織球性傷害、白血病(例えばB細胞白血病、混合細胞白血病、ヌル細胞白血病、T細胞白血病、HTLV−II関連白血病、リンパ球性急性白血病、リンパ球性慢性白血病、マスト細胞白血病、及び骨髄性白血病)、悪性組織球増加症、ホジキン病、免疫増殖性小、非ホジキンリンパ腫、プラズマ細胞腫、細網内皮増殖症、黒色腫、軟骨芽腫、軟骨腫、軟骨肉腫、線維腫、線維肉腫、巨細胞腫瘍、組織球腫、脂肪腫、脂肪肉腫、中皮腫、粘液腫、粘液肉腫、骨腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、滑膜腫、線維腺腫、線様リンパ腫、癌肉腫、脊索腫、頭蓋咽頭腫、未分化胚細胞腫、過誤腫、間葉腫、中腎腫、筋肉腫、エナメル芽細胞腫、セメント腫、歯牙腫、奇形腫、胸腺腫、絨毛性腫瘍、線癌、線腫、胆管腫、コレステリン腫、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢腺腫、顆粒膜、男女性胚腫、肝癌、汗腺腫、島細胞腫、ライディッヒ細胞腫、乳頭腫、セルトリ細胞腫、卵胞膜腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、筋原細胞腫、筋腫、筋肉腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、上衣細胞腫、筋神経腫、神経膠腫、髄芽腫、髄膜腫、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経上皮腫、神経線維腫、神経腫、副神経節腫、非クロム親和性副神経節腫、角化血管腫、好酸球増加症を伴う血管リンパ過形成、硬化性血管腫、血管腫症、グロムス血管症、血管内皮腫、血管腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、リンパ管腫、リンパ管筋腫、リンパ管肉腫、松果体腫、癌肉腫、軟骨肉腫、葉状嚢肉腫、線維肉腫、血管肉腫、平滑筋肉腫、白血肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、筋肉腫、粘液肉腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、肉腫(例えばユーイング肉腫、実験肉腫、カポジ肉腫、及びマスト細胞肉腫)、新生物(例えば骨、乳房、消化器系、結腸直腸、肝臓、膵臓、下垂体、精巣、眼窩内、頭部及び首部、中枢神経系、聴覚、骨盤、呼吸管、及び泌尿生殖器の新生物)、神経線維腫症、及び頸部形成異常が含まれ、そして本発明の結合体は、細胞が不死化されるか又は形質転換されている他の状態の治療に有用である。結合体を、化学療法、凍結療法、加温療法、放射線療法等の他の療法様式と組み合わせて投与することも可能である。
用語「増殖の調節」は、本明細書において、温血動物における、増殖中の腫瘍の増殖及び転移を遅延させるか、中断させるか、抑止するか、又は停止することを意味する;別の細胞傷害性抗腫瘍剤の付加された効果を伴うか、又は伴わないか、いずれかで、結合体を用いた、温血動物における治療(腫瘍増殖の調節)は、必ずしも、腫瘍組織が破壊されるか、又は完全に除去されるという意味での「治療法」を提供しないことも可能であることが理解される。しかし、実験的に、いくつかの腫瘍組織は、完全に除去されている。
抗腫瘍剤を個々に、又は組み合わせて、患者に投与可能であることが一般的に知られる。さらに、抗腫瘍剤を他の抗腫瘍療法と組み合わせて用いることも可能である。例えば、抗腫瘍剤を、腫瘍の外科的切除、あるいは放射線療法、免疫療法又は局所熱療法と組み合わせて投与することも可能である。腫瘍を治療するため、こうした併用療法を使用する場合、腫瘍を治療するのに有効であることが当該技術分野に知られる投薬量で、抗腫瘍剤を投与することも可能である。あるいは、療法に1より多い抗腫瘍剤を用いる場合、剤の一方又は両方が、特定の腫瘍に対して、他の剤との相加効果又は相乗効果を生じることも可能である。したがって、こうした併用抗腫瘍療法を用いた場合、投与する抗腫瘍剤の一方又は両方の投薬量は、該抗腫瘍剤を単独で用いた場合に投与されるよりも少ないことも可能である。したがって、併用抗腫瘍剤を、単独で用いた場合に比較して、より低い投薬レベル又はより低い頻度で投与することも可能である。
抗腫瘍薬物(DG)は、化学療法剤としても知られ、1以上の型の癌又は腫瘍に対して生物学的活性を有し、そして有効性を過剰に失わずに、切断可能リンカー(CL)又は場合によるスペーサー(SPb)に連結させることも可能な化合物である。適切な抗腫瘍薬物には、抗新生物剤、アンドロゲン阻害剤、抗生物質、抗エストロゲン、代謝拮抗剤、細胞傷害剤、免疫調節剤、ナイトロジェンマスタード、ステロイド、アルキル化剤、抗有糸分裂剤、植物アルカロイド、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、生物学的産物、DNA損傷剤、代謝拮抗剤、天然産物及びその類似体、ホルモン、アンタゴニスト酵素阻害剤、抗腫瘍剤の他の種/型、望ましい生物学的活性を有するタンパク質又はポリペプチド、腫瘍療法の当業者に知られる他のもの、並びにこれらの組み合わせが含まれる。
本発明の適切な抗腫瘍化合物の典型である化合物を以下のリストに詳述する。抗腫瘍化合物の有効性(細胞傷害性)が認められている腫瘍(単数又は複数)を括弧内に囲む。以下に示す抗腫瘍薬物のフリーの型は、示した腫瘍に対して活性であることが知られるが、本発明の結合体は、類似の、異なる、より広い又はより狭い範囲の活性を有する可能性もある。したがって、結合体の抗腫瘍活性は、対応するフリーの薬物に関して示した腫瘍のみに必ずしも限定されない。
ナイトロジェンマスタード:メクロレタミン(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、シクロホスファミドイホスファミド(急性及び慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳房、卵巣、肺、ウィルムス腫瘍、子宮頸、精巣、軟組織肉腫)、メルファラン(L−サルコリシン)(多発性骨髄腫、乳房、卵巣)、クロラムブシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)。
エチレンイミン及びメチルメラミン:ヘキサメチルメラミン(卵巣)、チオテパ(膀胱、乳房、卵巣)。
スルホン酸アルキル:ブスルファン(慢性顆粒球性白血病)。
ニトロソ尿素:カルムスチン(BCNU)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性脳腫瘍、多発性骨髄腫、悪性黒色腫)、ロムスチン(CCNU)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性脳腫瘍、小細胞肺癌)、セムスチン(メチル−CCNU)(原発性脳腫瘍、胃癌、結腸癌)、ストレプトゾシン(ストレプトゾシン)(悪性膵臓島細胞腫、悪性カルシノイン(carcinoin))。
トリアゼン(triazenes):ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミド−アゾールカルボキサミド−)(悪性黒色腫、ホジキン病、軟組織肉腫)。
葉酸類似体:メトトレキセート(アメトプテリン)(急性リンパ球性白血病、絨毛癌、菌状息肉腫、乳房、頭部及び首部、肺、骨原性肉腫)。
ピリミジン類似体:フルオロウラシル(5−フルオロウラシル;5−FU)、フロクスウリジン(フルオロデオキシウリジン;FUDR)(乳房、結腸、胃、膵臓、卵巣、頭部及び首部、膀胱、前癌性皮膚病変)(局所)、シタラビン(シトシンアラビノシド)(急性顆粒球性及び急性リンパ球性白血病)
プリン類似体及び関連阻害剤:メルカプトプリン(6−メルカプトプリン:6−MP)(急性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病及び慢性顆粒球性白血病)、チオグアニン(6−チオグアニン:TG)(急性顆粒球性白血病、急性リンパ球性白血病及び慢性顆粒球性白血病)、ペントスタチン(2’−デオキシコホルマイシン(deoxycyoformycin))(有毛細胞白血病、菌状息肉腫、慢性リンパ球性白血病)。
ビンカアルカロイド:ビンブラスチン(VLB)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、乳房、精巣)、ビンクリスチン(急性リンパ球性白血病、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、小細胞肺癌)
エピポドフィロトキシン(Epipodophyl−lotoxin):エトポシド(精巣、小細胞肺癌及び他の肺癌、乳房、25ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性顆粒球性白血病、カポジ肉腫)、テニポシド(精巣、小細胞肺癌及び他の肺癌、乳房、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性顆粒球性白血病、カポジ肉腫)。
抗増殖/抗生物質:ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)(絨毛癌、ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、精巣、カポジ肉腫)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)(急性顆粒球性白血病及び急性リンパ球性白血病)、ドキソルビシン(軟組織肉腫、骨原性肉腫、及び他の肉腫;ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性白血病、乳房、尿生殖器、甲状腺、肺、胃、神経芽細胞腫)、ブレオマイシン(精巣、頭部及び首部、皮膚及び食道、肺、及び尿生殖管、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、プリカマイシン(ミトラマイシン)(精巣、悪性高カルシウム血症)、マイトマイシン(マイトマイシンC)(胃、子宮頸、結腸、乳房、膵臓、膀胱、頭部及び首部)。
酵素:L−アスパラギナーゼ(急性リンパ球性白血病)。
生物学的反応修飾剤:インターフェロン−アルファ(有毛細胞白血病、カポジ肉腫、黒色腫、カルチノイド、腎細胞、卵巣、膀胱、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、多発性骨髄腫、慢性顆粒球性白血病)。
エストロゲン:ジエチルスチベストロールエチニルエストラジオール(乳房、前立腺)。
抗エストロゲン:タモキシフェン(乳房)。
アンドロゲン:プロピオン酸テストステロン、フルキソミエステロン(Fluxomyesterone)(乳房)。
抗アンドロゲン:フルタミド(前立腺)。
ゴナドトロピン放出ホルモン類似体:ロイプロリド(前立腺)。
白金配位複合体:シスプラチン(シス−DDP)、カルボプラチン(精巣、卵巣、膀胱、頭部及び首部、肺、甲状腺、子宮頸、子宮内膜、神経芽細胞腫、骨原性肉腫)。
アントラセンジオン:ミクストザントロン(Mixtozantrone)(急性顆粒球性白血病、乳房)。
置換尿素:ヒドロキシ尿素(慢性顆粒球性白血病、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、悪性黒色腫)。
メチルヒドラジン誘導体:プロカルバジン(N−メチルヒドラジン、MIH)(ホジキン病)。
副腎皮質抑制剤:ミオタン(Miotane)(o,p’−DDD)(副腎皮質)、アミノグルテチミド(乳房)。
アデノコルチコステロイド:プレドニゾン(急性及び慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳房)。
プロゲスチン:カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール(megestrol acetate)(子宮内膜、乳房)。
本発明記載の結合体を、単独で、又は1以上の抗腫瘍剤と組み合わせて、投与することも可能である。本発明記載の結合体と組み合わせて使用可能な細胞傷害性抗腫瘍剤の実例となる例には、癌細胞に対して細胞傷害性及び有効性を有することが知られるいかなる剤も含まれる。
本発明の結合体は、リンカー又はスペーサーが共有結合することも可能な官能基を含む抗腫瘍薬物を含む。そうでなければ、こうした官能基を含むように抗腫瘍薬物を誘導体化することも可能である。当業者は、本発明の結合体を調製する目的で、より好適にその化合物の反応を行うため、望ましい化合物に化学的修飾を行うことも可能である。抗腫瘍薬物が、スペーサー又は切断可能リンカーが共有結合することも可能な少なくとも1つの官能基を含むか、あるいは含むように誘導体化されることも可能である限り、本質的にいかなる抗腫瘍薬物も結合体化に適している。結合体を形成可能な抗癌薬物の官能基は、一級又は二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、ヒドラジド、ニトリル、アルデヒド又はケトンから選択可能である。そうでなければ、薬物は、芳香族炭素、不飽和結合、又は不飽和結合に隣接する炭素などの、誘導体化可能部位を含むことも可能である。
代表的なアミノ含有薬物には、例として、そして限定なしに、アシビシン、アメタントロン、アミノプテリン、9−アミノカンプトテシン、N−アセチルスペルミジン、アクチノマイシン、アゾトマイシン、ビスナフィド、ブレオマイシン、カルビシン、1−(2−クロロエチル)1,2−ジメタンスルホニルヒドラジド、クリスナトール、ダウノルビシン、ドキソルビシン、デザグアニン、エフロルニチン、エルサミトルシン、エピルビシン、エソルビシン、エキサテカン、イダルビシン、メルファラン、メルカプトプリン、マイトマイシンA、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ノコダゾール、ペルデシン、ペプロマイシン、ピューロマイシン、タリソマイシン、チアミプリン、チオグアニン、バプレオチド、ゾルビシン、アミノグルテチミド、アザシチジン、ブロピリミン、シタラビン、ダクチノマイシン、エダトレキセート、エトプリン、フェンレチニド、フルダラビン、ゲムシタビン、メトトレキセート、メトプリン、ピリトレキシム、ポルフィロマイシン、トリシリビン、トリメトレキセート、並びにこれらの類似体及び誘導体が含まれる。
代表的なアルコール(ヒドロキシル)含有薬物には、例えば、そして限定なしに、オーグイジン、N−(5,5−ジアセトキシペンチル)ドキソルビシン、アクラルビシン、アメタントロン、アパジキオン、アザシチジン、ビカルタミド、カルステロン、カンプトテシン、カルビシン、カルゼレシン、クリスナトール、シタラビン、1,8−ジヒドロキシ−ビシクロ[7.3.1]トリデカー4,9−ジエン−2,6−ジイン−13−オン(米国特許第5,198,560号)、エルサミトルシン、エピルビシン、エスペラミシン、エソルビシン、エトポシド、エキサテカン、フェンレチニド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルロシタビン、ホストリエシン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、レンチナン、ロイプロリド、メイタンシン、メノガリル、ミトキサントロン、モテキサフィンガドリニウム、モルホリン−ドキソルビシン、ペプロマイシン、プリカマイシン、ポドフィロトキシン、プレドニムスチン、ピューロマイシン、ピラゾフューリン、リボプリン、ストレプトゾシン、パクリタキセル、テニポシド、チアゾフューリン、トポテカン、トリシリビン、トリプトレリン、ウレデパ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビングリシネート、ビンロシジン、ビンゾリジン、ゾルビシン、ビゼレシン、ドロロキシフェン、フェンレチニド、ミコフェノール酸、マソプロコール、テモポルフィン、トポテカン、並びにこれらの類似体及び誘導体が含まれる。
代表的なスルフィドリル含有薬物には、例えば、そして限定なしに、エスペラミシン及び6−メルカプトプリン、並びにこれらの類似体及び誘導体が含まれる。
代表的なカルボキシル含有薬物には、例えば、そして限定なしに、アシビシン、アゾトマイシン、ブレキナール、酪酸、カルベチマー、カンプトテシン(ラクトンの開環型)、クロラムブシル、エダトレキセート、エフロルニチン、メルファラン、メトトレキセート、ミコフェノール酸、レチノイン酸、チオグアニン、ベルテポルフィン、並びにその類似体及び誘導体が含まれる。
代表的なアルデヒド又はケトン含有薬物には、例えば、そして限定なしに、アクラルビシン、アングイジン、アントラサイクリン、カルステロン、カルビシン、ドキソルビシン、ドロモスタノロン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、メゲストロール、ノコダゾール、オキシスラン、プロメスタン、プレドニムスチン、テストラクトン、チオグアニン、トレストロン、並びにその類似体及び誘導体が含まれる。
代表的なヒドラジン含有薬物には、例えば、そして限定なしに、プロカルバジンが含まれる。
新生物疾患の治療において、細胞傷害剤と組み合わせて結合体を投与する場合、細胞傷害剤の療法効果が、増強される可能性もある。細胞傷害剤が生じる寛解が増進され、そして腫瘍組織の再増殖が遅延されるか又は妨げられることも可能である。こうした併用療法の使用によって、細胞傷害剤をより少数の用量で、又はより少量の個々の用量で、使用することが可能になる。したがって、細胞傷害剤の有害な、そして/又は衰弱させる副作用が最小限になる一方、同時に、抗腫瘍効果が増進される。用語「併用療法」は、細胞傷害剤療法開始前の、こうした療法と同時の、又はこうした療法停止後の期間中の、結合体の投与を意味する。
本発明の特定の態様にしたがって、患者を結合体で、毎日1〜10回、1日おき、半週ごと、毎週、隔週、毎月、隔月、又は半年ごとに、治療する。結合体での治療を、例えば1〜365日の期間、続けることも可能である。上述のように、結合体の投与様式又は投薬措置は、対応するフリーの薬物のものに近い可能性もある。1つの態様において、結合体はフリーの薬物より増進した臨床的利点を提供する。本発明の修飾法には、結合体の時間的及び空間的に離れた投与が含まれる。例えば、望ましい臨床的終点が達成されるまで、一定期間、結合体を反復投与することも可能である。治療中の医師は、抗腫瘍療法の技術分野で容易に利用可能な方法を用いて、望ましい臨床的終点を決定することが可能であろう。特定の態様において、結合体の第一の治療単位を投与し、そして対象を、第一の期間、観察する。次いで、結合体の第二の治療単位を、第二のそして間隔をあけた期間に始まって、投与することも可能である。第一の治療単位及び第二の治療単位間の時間間隔は、上述のとおりであることも可能である。
こうした併用療法が、腫瘍の寛解を生じ、そしてすべての腫瘍細胞が破壊されるのではない場合、該結合体又は別の抗腫瘍薬物を用いた連続治療又は反復治療によって、腫瘍の再増殖を、無期限に妨げるか、又は遅延させることも可能である。各場合で、医師が個々の患者の状態を考慮して、有効で、そして毒性でない投薬量を決定することも可能である。
本明細書に詳述する多様な経路を介して、結合体を患者に投与して、望ましい効果を達成することも可能である。投与する化合物量は、広い範囲に渡って多様であろうし、そしていかなる有効量であることも可能である。治療しようとする患者、治療しようとする状態の重症度、投与様式、投薬措置、患者の健康状態、患者の応答及び使用する特定の結合体に応じて、投与する化合物の有効量は多様であろう。結合体を用いた最初の療法の指針として、フリーの(非結合化(unconjugated))薬物の典型的に投与される投薬量を考慮して、結合体の最初の用量が、フリーの薬物のモル量を近似する(0.5〜2.0倍)ようにする。例えば、フリーの薬物が、1日あたり、体重kgあたり、約0.1mmolの用量で投与されるならば、1日あたり、体重kgあたり、約0.05〜0.2mmolの用量で、結合体を投与することも可能である。結合体投与のためのこの指針は、実際の療法用量が知られていないが、対応するフリーの薬物の典型的な療法用量が知られている結合体に関して、したがうことも可能である。結合体の最適用量は、対応する非結合化抗腫瘍薬物のモル量の約0.001〜約100倍、約0.01〜約10倍、約0.01〜約2倍、又は約0.1〜約4倍の範囲であることも可能である。
本明細書において、用語、患者は、哺乳動物などの温血動物、例えばイヌ、ラット、マウス、ネコ、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジ、及びヒトを意味すると解釈される。
増殖中の腫瘍組織の増殖速度を調節するための結合体の有効性を、標準的in vitro及びin vivo動物腫瘍モデルで評価することも可能である。例えば、結合体の抗腫瘍効果を以下の動物腫瘍モデルで立証することも可能である:(a)マウスにおけるL1210白血病;(b)Balb/CマウスにおけるEMT6腫瘍;(c)ラットにおける7,12−ジメチルベンズアントラセン誘導性(DMBA誘導性)乳房腫瘍;(d)バッファローラットにおけるモリス7288C又は5123肝癌;(e)及び他のもの。さらに、多様な細胞傷害剤と組み合わせた際の結合体の抗腫瘍効果を、同じモデル又は他のモデルで立証することも可能である。
いくつかの異なる細胞種中のin vitro細胞培養アッセイにおいて、結合体(13)を評価して、癌及び腫瘍細胞株に対する活性を確立した。多様な濃度のドキソルビシン又は結合体(コバラルビシン200と示す)で処理した後、in vitroで残っている生存細胞の割合を決定した。既定のインキュベーション期間後の生存細胞数が減少していることによって、抗癌活性又は抗腫瘍活性が陽性であることが示される。一般的に、in vitroの薬物濃度を増加させると、殺傷される細胞の率がより高くなり、そしてしたがって、生存する細胞の割合が低下する。フリーの薬物対結合体の活性を決定する際に、等モル濃度の薬物を比較する。
図6a〜6dは、4つの細胞株に対するコバラルビシン結合体のin vitroアッセイの結果を示す。図6aは、ヒト乳癌細胞株由来の細胞であるMCF−7細胞に対する結合体の結果を示すグラフである。図6bは、ヒトコーカソイド乳腺癌細胞株由来の細胞であるSK−BR−3細胞に対する結合体の結果を示すグラフである。図6cは、ヒト前骨髄球性白血病細胞株由来の細胞であるHL−60細胞に対する結合体の結果を示すグラフである。図6dは、ヒト脳神経芽細胞腫(神経上皮腫)細胞株由来の細胞であるSK−N−MC細胞に対する結合体の結果を示すグラフである。使用したアッセイは、Promega社のCellTiter−GloTM発光細胞生存度アッセイであり、該アッセイは、当該技術分野において、細胞生存度に対する化合物の影響を予測すると認識される。該アッセイを実施例4〜7に詳述する。例外を伴わず、Promega社に記載される方法(技術告示、第288号)にしたがった。結果によって、コバラルビシン200が、ドキソルビシンと同じ有効性を有し、そしてドキソルビシンよりわずかにより強力でないことが示唆された。
図6e〜6hは、4つの細胞株に対するコバラタキセル結合体のin vitroアッセイの結果を示す。図6eは、ヒト乳癌細胞株由来の細胞であるMCF−7細胞に対する結合体(17、図4b)の結果を示すグラフである。図6fは、ヒトコーカソイド乳腺癌細胞株由来の細胞であるSK−BR−3細胞に対する結合体(17)の結果を示すグラフである。図6gは、ヒト結腸腺癌細胞株由来の細胞であるHT−29細胞に対する結合体(46、図4a)の結果を示すグラフである。図6hは、ヒト乳癌細胞株由来の細胞であるMX−1細胞に対する結合体(46)の結果を示すグラフである。使用したアッセイを実施例15に詳述する。結果によって、コバラタキセル、特に試験した2つの態様が、パクリタキセルと同じ有効性を有し、そしてパクリタキセル(パクリタキセル)よりわずかにより強力でないことが示唆された。
図7は、正常ネズミリンパ節細胞に対する結合体のin vitroアッセイの結果を示すグラフである。使用したアッセイは、Promega社のCellTiter−GloTM発光細胞生存度アッセイであり、該アッセイは、当該技術分野において、細胞生存度に対する化合物の影響を予測すると認識される。該アッセイを実施例8に詳述する。例外を伴わず、Promega社に記載される方法(技術告示、第288号)にしたがった。結果によって、コバラルビシン−200が、正常細胞に対して、ドキソルビシンと同じ有効性を有し、そしてドキソルビシンよりわずかにより強力でないことが示唆された。
ドキソルビシンの切断及び放出が、コバラルビシン−200の活性に重要であるかどうかを試験するため、SK−N−MC細胞に対するB12−ドキソルビシン(図1b;「酵素切断安定性」ドキソルビシン−コバラミン結合体(本発明にしたがわない))の活性を、in vitro生存度アッセイで試験した。図8は、ヒト脳神経芽細胞腫(神経上皮腫)細胞株由来の細胞であるSK−N−MC細胞に対する安定結合体のin vitroアッセイの結果を示すグラフである。使用したアッセイは、Promega社のCellTiter−GloTM発光細胞生存度アッセイであり、該アッセイは、当該技術分野において、細胞生存度に対する化合物の影響を予測すると認識される。図8は、実施例9にしたがって行ったアッセイの結果を示す。例外を伴わず、Promega社に記載される方法(技術告示、第288号)にしたがった。B12−ドキソルビシン(安定)は、カテプシンによって切断不能であり、そしてその結果、有意な量のドキソルビシンは細胞内で放出されない。このグラフは、切断されないB12−ドキソルビシン結合体が、SK−N−MC細胞に対して、ほとんど又はまったく細胞傷害性又は有効性を所持しないことを示す。対照的に、切断可能リンカーを有する結合体(13)は、SK−N−MC細胞に対して、非常に有効である(図6dを参照されたい)。結果によって、十分な細胞傷害活性が存在するためには、リンカーを切断して、B12からのドキソルビシンの放出を可能にしなければならないことが示される。
MX−1ヒト乳癌異種移植片を有する無胸腺マウスを3群に分けて、そしてフリーのドキソルビシン対照、生理食塩水対照及びコバラルビシンいずれかで処置した、in vivo動物モデルにおいてもまた、結合体(13)の有効性を確立した。実施例3にしたがって、このin vivo研究を行った。比較は、投与後の日数に対する腫瘍サイズに基づいた。図9に示す結果は、結合体がフリーの薬物よりはるかに高い有効性を有することを示す。単一用量の結合体を投与した約2〜4週間後、腫瘍サイズの実質的な減少が観察された。
本発明の発明者らは、本発明記載の結合体が、腫瘍細胞株に対して高い有効性(細胞傷害性)を有するが、宿主に対して軽減された全身毒性を提供することを発見した。該結合体を、対応するフリーの抗腫瘍薬物よりも、モル基準で(on a molar basis)、より高い用量で投与することも可能である。結合体(13)を、フリーのドキソルビシンのものよりも、モルに基づいて、少なくとも2.3倍高い用量で投与して、そしてなお、より少ない全身毒性及び改善された臨床上の利点を示すことも可能である。フリーのドキソルビシンをドキソルビシン結合体と同じ高モル用量で投与すると、フリーのドキソルビシンではマウスが死亡したが、ドキソルビシン結合体では死亡しなかった。したがって、本発明は、コバラミンの5’−OH結合体としての抗腫瘍薬物を投与することによって、抗腫瘍薬物の全身毒性を減少させる方法であって、コバラミン−5’−O−抗腫瘍薬物結合体が、モル基準で非結合化抗腫瘍薬物に比較した際、対象に対して、軽減された全身毒性を示す、前記方法を提供する。本発明はまた、抗腫瘍薬物の最大許容用量を増加させる方法であって、コバラミンの5’−OH結合体として抗腫瘍薬物を投与する工程を含み、コバラミン−5’−O−抗腫瘍薬物結合体が、モル基準で非結合化抗腫瘍薬物に比較した際、対象に対して、軽減された全身毒性を示し、そして結合体の最大許容用量が、モル基準で非結合化抗腫瘍薬物の最大許容用量より高い、前記方法も提供する。
図10は、実施例10の方法にしたがって、マウスにおいて、結合体(13)の最大許容用量(MTD)を決定する研究結果のグラフを示す。結合体を、1日あたり、体重kgあたり、6、12、32、48又は64mg(mg/kg/日)の用量で投与した。図10に示す結果は、平均体重損失パーセントによって測定されるように、いくぶん不規則ではあるが、用量が増加するにつれて毒性が増加する、明らかな傾向を示した。このデータによって、結合体は、約48mg/kg/日までの用量でよく許容されたことが示唆される。別個の研究において、非結合化ドキソルビシンのMTDが、結合体のものより、モル基準で少なくとも2.3倍低いことが決定された。
実施例11にしたがって、結合体及びドキソルビシンを2周期で投与する研究を行って、無胸腺マウスにおけるMX−1ヒト乳癌異種移植片に対する、結合体及びフリーの抗腫瘍薬物の腫瘍増殖遅延及び腫瘍サイズ減少効果を決定した。研究日数90日でのこの研究の結果を図11に示す。結果によって、結合体での2周期の治療が、腫瘍サイズを減少させて、そして腫瘍増殖を遅延させるのに非常に有効であったことが示される。未処置群は、終点まで、27.1日の中央値を示し、これは処置群より有意に短い日数であり、部分的後退、完全後退又は長期腫瘍不含生存を発展させるメンバーはなかった。体重変化は有意でなく、そして処置関連又は未処置関連の死亡はなかった。2周期、3mg/kg/日のドキソルビシン処置群は、処置に反応し、対照マウスより、終点までの時間が少なくとも44日長かった。2周期24mg/kgのバイオ結合体での第4群のマウスの処置は、最大達成可能90日の中央値TTEを生じ、第1群の対照に比較して、非常に有意な62.5日(227%)のTGDに相当した(P<0.0001)。第4群の10匹の動物はすべて、完全な腫瘍後退、反応を示し、そして7匹はさらに、長期腫瘍不含生存に分類された。第4群は、フィッシャーの正確な検定によって、ドキソルビシン処置動物より、有意により完全な後退反応を示した(P=0.0007)。図11は、第4群の腫瘍体積中央値が、第40日までに検出不能レベルに減少し、そして研究の残りの間、検出不能のままであったことを示す。第4群の生存は、第90日で100%であった。最大体重損失は10%であり、処置関連又は未処置関連の死亡はなかった。
単一周期研究からのデータ(実施例3)を表にし、そして簡潔に図12aに示す。同様に、2周期研究からのデータ(実施例11)を表にし、そして簡潔に図12bに示す。いずれの型のドキソルビシンの投与も、対照動物に比較して、体重損失において有意な変化を引き起こしたが、結合体型のドキソルビシンの量を増加させても(2.3倍増加)、さらなる毒性とは関連しなかった。実施例11に記載する研究は、2周期のドキソルビシンが体重に及ぼす劇的な効果を例示する。ドキソルビシン又はバイオ結合体いずれかでの処置は、有意な体重損失を引き起こした。しかし、結合体で処置した動物は、天然ドキソルビシンを投与した群より、体重損失からより早く回復する傾向があり、これは結合体中のドキソルビシンの同等用量が2倍高い場合も当てはまった。結果によって、結合体が、天然(非結合化、フリーの)ドキソルビシンの用量の2倍より高い(又は約2.3倍)の用量で投与されていてさえ、結合体(13)の性能が、投与された用量のフリーのドキソルビシンのものと似た経過をたどる(tracks)ことを示す。
薬物配合の技術分野で用いられる化合物が、一般的に、多様な機能又は目的を果たすことを理解しなければならない。したがって、本明細書に挙げた化合物が一度しか言及されていないか、又は本明細書において1より多い用語を定義するのに用いられていても、その目的又は機能は、挙げられた目的(単数又は複数)又は機能(単数又は複数)のみに限定されると見なしてはならない。
本明細書において、「薬学的に許容しうる塩」は、酸性塩又は塩基性塩を製造することによって療法化合物が修飾されている、開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容しうる塩の例には、限定されるわけではないが、薬学的活性剤のミネラル又は有機酸塩が含まれる。薬学的に許容しうる塩には、慣用的な非毒性塩、例えば非毒性無機酸又は有機酸由来のものが含まれる。例えばこうした慣用的な非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸由来のもの;並びにアミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、及び薬物科学の一般の当業者に知られる他のものなどの有機酸から調製される塩が含まれる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第18版(Alfonso R. Gennaro監修;Mack Publishing Company, ペンシルバニア州イーストン, 1990);Remington:the Science and Practice of Pharmacy 第19版(Lippincott, Williams & Wilkins, 1995);Handbook of Pharmaceutical Excipients, 第3版(Arthur H.Kibbe監修;Amer. Pharmaceutical Assoc., 1999);the Pharmaceutical Codex:Principles and Practice of Pharmaceutics 第12版(Walter Lund監修;Pharmaceutical Press, ロンドン, 1994);The United State Pharmacopeia:The National Formulary(United States Pharmacopeial Convention);及びGoodman and Gilman’s:the Pharmacological Basis of Therapeutics(Louis S. Goodman及びLee E. Limbird監修;McGraw Hill, 1992)などの教科書に見られ、これらの文献は本明細書に援用される。
句「薬学的に許容しうる」は、本明細書において、確かな医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは他の問題又は合併症を伴わずに、合理的な利益/リスク比に相応して、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適している、化合物、材料、組成物、及び/又は投薬型を指す。抗腫瘍又は抗癌薬物は、腫瘍又は癌細胞に対して本質的に細胞傷害性である。しかし、投与される対象に過度な全身毒性を伴わずに意図される臨床上の利益を提供する限り、こうした薬物を含有する組成物又は投薬型は、なお、薬学的に許容しうると見なされる。全身毒性の許容しうるレベルは、腫瘍及び癌療法の分野に知られる原理にしたがって、決定されるであろう。
用語「有効量」によって、例えば薬物に関して、臨床上有効量が意図されることが理解される。臨床上有効量は、必要な又は望ましい療法反応を引き出すのに十分な結合体又は抗腫瘍薬物の量であり、あるいは言い換えると、患者に投与した際、認識しうる望ましい臨床的反応を引き出すのに十分な量である。
以下の例は、包括的と見なすべきではなく、本発明に意図される多くの態様のいくつかの例示にすぎないと見なすべきである。本明細書記載の方法にしたがって、本発明記載の結合体を調製することも可能である。
モデル600制御装置及び2996 PDA検出装置を備えた、Delta 600ポンプを含むWaters HPLC系を、分析研究及び分取研究両方に用いた。水及びアセトニトリル中の0.1%酢酸を、それぞれ水性緩衝液及び有機緩衝液として用いた。Waters Delta−Pak C18 15μm 100Å 3.9x300mmカラム(P/N WAT011797)及び1ml/分の流速を分析研究に用い;Waters Delta−Pak放射圧縮C18 15μm 100Å 25x100mmカラム(P/N WAT011797)及び20ml/分の流速を分取研究に用いた。陽イオンモードで、Applied Biosystems API 2000エレクトロスプレー質量分析装置上で、マススペクトルを獲得した。
以下の方法を用いて、図1の典型的なドキソルビシン−VB結合体を調製した。
工程1.Fmoc−Lys(MMT)(1)
室温の塩化メチレン(75ml)中のFmoc−Lys(5.1067g、13.8618mmol、1.0当量)の攪拌懸濁物に、塩化トリメチルシリル(3.8ml、29.7312mmol、2.14当量)を添加した。混合物を50℃で1時間還流し、そして反応混合物中の固体の外見が変化した。氷槽中で冷却した後、DIEA(7.5ml、43.0561mmol、3.11当量)を添加し、混合物が均質になり、そして次に、p−アニシルジフェニルメチルクロリド(4.4955g、14.5580mmol、1.05当量)を添加した。橙赤色の溶液を室温で一晩(20時間)攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を、酢酸エチル(200ml)及びpH5緩衝液(0.05Mフタル酸、10N KOHでpH5.0に調整)の間で分配した。有機相をさらにpH5緩衝液(50mlx2)、水(50mlx1)、塩水(50mlx2)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を除去してそして真空で乾燥させた後、9.7336gの淡黄色の泡を得た。
工程2.Lys(MMT)(2)
室温の塩化メチレン及びアセトニトリル(1:1)の混合物100ml中のFmoc−Lys(MMT)(9.7336g)の攪拌溶液に、ジエチルアミン(100ml)を添加した。混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を60℃のアセトニトリル(90mlx2)で勢いよく洗浄し、アセトニトリル(20mlx3)及びエーテル(20mlx3)で洗浄した。次いで、1:1のCHCl/CHOH(200ml)中に、固体を可能な限り溶解し、そしてろ紙を通じてろ過することによって、何らかの固体副産物を除去した。溶媒を除去し、そして真空で乾燥させた後、4.7707g(Fmoc−Lysに基づくと82.2%)の淡黄色の泡を得た。ES(+)−MS:147(Lys+1)、273(MMT)。
工程3.Fmoc−Phe−OSu(3)
氷槽中で冷却された、塩化メチレン(50ml)中のFmoc−Phe(1.9442g、5.0186mmol、1.0当量)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(0.6095g、5.2959mmol、1.06当量)の懸濁物に、DCC(1.0880g、5.2731mmol、1.05当量)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。生じたDCUをろ過によって除去し、そしてろ液を濃縮し、そして真空で乾燥させて、2.7664gの白色泡を得た。
工程4.Fmoc−Phe−Lys(MMT)(4)
DMF(30ml)中のFmoc−Phe−OSu(2.0702g、4.2728mmol、1.0当量)及びLys(MMT)(1.7995g、4.2995mmol、1.01当量)の攪拌懸濁物に、DIEA(1.5ml、8.6112mmol、2.02当量)を添加した。固体は次第に溶解し、そして溶液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を、酢酸エチル(100ml)及びpH5緩衝液(0.05Mフタル酸、10N KOHでpH5.0に調整、200ml)の間で分配した。さらに酢酸エチル(50mlx2)で水溶液を抽出した。合わせた有機相を塩水(50mlx3)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去し、そして真空で乾燥させた後、3.3014g(98.1%)の淡黄色の泡を得た。ES(+)−MS:516(M−MMT+1)、273(MMT)。
工程5.Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABOH(5)
塩化メチレン(20ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)(3.3014g、4.1898mmol、1.0当量)及び4−アミノベンジルアルコール(0.6219g、5.0495mmol、1.21当量)の攪拌溶液に、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(1.5589g、6.3037mmol、1.50当量)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残渣にエーテル(50ml)を加えてすりつぶした(triturated)。混合物を室温で2時間静置し、そして生じた固体を収集し、エーテル(15mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させた。2.1071g(56.3%)の白色固体を得た。エーテルろ液を濃縮した。残渣をベンゼン(10ml)に懸濁し、そしてヘキサン(10ml)で沈殿させた。このプロセスをさらに2回反復した。生じた固体を収集し、ベンゼン/ヘキサン(1:1、10mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させた。さらに0.8864g(23.7%)の白色固体を得た。総収率:80.0%。ES(+)−MS:893(M)、915(M+Na)、810(M−PABOH+Na)、273(MMT)。
工程6.Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−PNP(6)
塩化メチレン(50ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABOH(1.1182g、1.2520mmol、1.0当量)及びビス(4−ニトロフェニル)カーボネート(1.9102g、6.2792mmol、5.02当量)の攪拌溶液に、DIEA(0.65ml、3.7315mmol、2.98当量)を添加した。黄色溶液を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチル(150ml)に溶解し、pH5緩衝液(0.05Mフタル酸、10N KOHでpH5.0に調整)(100mlx1、50mlx1)、塩水(50mlx2)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をシリカカラム(2.4x20cm)で精製し、CHCl/エーテル(9:1〜8:2)で溶出し、0.8027g(60.6%)の淡黄色の泡を得た。ES(+)−MS:1058(M)、786(M−MMT)、273(MMT)。
工程7.Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(7)
N−メチルピロリジノン(15ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−PNP(0.6414g、0.6061mmol、1.0当量)及びドキソルビシン塩酸(0.3465g、0.5974mmol、1.0当量)の攪拌溶液に、DIEA(0.12ml、0.6889mmol、1.15当量)を添加した。赤色溶液を暗所(アルミニウムホイルにくるむ)中、室温で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈し、水(100mlx1、50mlx2)、塩水(50mlx1)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をシリカカラム(2.4x19cm)で精製し、塩化メチレン中の5%メタノールで溶出して、0.8700g(99.6%)の赤色ガラス状固体を得た。
工程8.Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(8)
塩化メチレン(50ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(0.6472g)の攪拌懸濁物に、ジエチルアミン(12.5ml)を添加した。混合物は濃茶色に変色し、そして固体が溶解した。これを室温で3時間攪拌した。溶媒を除去した後、塩化メチレン(4ml)中に残渣を溶解し、そして攪拌エーテル溶液(100ml)に添加した。生じた沈殿物を収集し、エーテル(10mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させて、0.5292g(96.4%)の橙赤色固体を得た。ES(+)−MS:1241.2(M+1)、968.8(M−MMT+1)。
工程9.B 12 −5’−OCO−(1,2,4−トリアゾール)(9)
DMSO(30ml)中のシアノコバラミン(2.0380g、1.5036mmol、1.0当量)の攪拌溶液に、1,1’−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)(0.3759g、2.2903mmol、1.52当量)を添加した。混合物を室温で30分間攪拌し、そして次いで、CHCl/エーテル(1:1、200ml)の攪拌混合物に添加した。生じた沈殿物を収集し、アセトン(50mlx3)及びエーテル(50mlx1)で洗浄し、真空で乾燥させて、2.3706gの赤色粉末を得た。
工程10.B 12 −5’−OCONH(CH COOH(10)
上記中間体9を、DMSO(30ml)中の6−アミノヘキサン酸(0.2180g、1.6620mmol、1.11当量)及びDIEA(0.54ml、3.100mmol、2.06当量)の攪拌懸濁物に添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。グラスウールを通じて反応混合物をろ過して、未反応6−アミノヘキサン酸を取り除いた。ろ液をCHCl/エーテル(1:1、200ml)の攪拌混合物に添加した。生じた沈殿物を収集し、アセトン(50mlx3)及びエーテル(50mlx1)で洗浄し、真空で乾燥させて、2.3562gの赤色粉末を得た。シリカカラムで精製し、水で溶出して、1.3546g(59.6%)の赤色粉末を得た。ES(+)−MS:1513.8(M+1)。
工程11.B 12 −5’−OCONH(CH COOSu(11)
DMSO(10ml)中の化合物10(0.5706g、0.3772mmol、1.0当量)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(0.2789g、2.4233mmol、6.42当量)の攪拌溶液に、ジイソプロピルカルボジイミド(1.0ml、6.3867mmol、16.93当量)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を、100mlの攪拌エーテル/CHCl(1:1)に添加した。生じた沈殿物を収集し、アセトン(10mlx2)、エーテル(10mlx2)で洗浄し、真空で乾燥させた。0.6314gの赤色粉末を得た。ES(+)−MS:1610.7(M+1)。
工程12.B 12 −5’−OCONH(CH CO−Phe−Lys(MMT)−PABC−Dox(12)
DMSO(10ml)中の化合物8(0.5400g、0.4353mmol、1.0当量)及び化合物11(0.8491g、0.5275mmol、1.21当量)の溶液を室温で1時間攪拌した。次いで、反応混合物を100mlの攪拌エーテル/CHCl(1:1)に添加し、生じた沈殿物を収集し、アセトン(15mlx2)、塩化メチレン(15mlx2)及びエーテル(15mlx2)で洗浄し、真空で乾燥させた。1.1040g(92.7%)の赤色粉末を得た。EX(+)−MS:1368.3[(M+1)/2]。
工程13.B 12 −5’−OCONH(CH CO−Phe−Lys−PABC−Dox(13)
メタノール(15ml)、水(15ml)及び塩化メチレン(15ml)中の化合物12(0.5715g、0.2090mmol、1.0当量)の攪拌懸濁物に、アニソール(2.4ml、21.9715mmol、105.1当量)及びジクロロ酢酸(1.8ml、21.9035mmol、104.9当量)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。HPLCは、大部分の出発材料が消費されたことを示した。回転蒸発装置を用いて、有機溶媒を除去した。残渣を水(50ml)で希釈した。水相を分液漏斗に注いだ。粘着性固体をエーテル(25mlx3)でリンスし、メタノールに溶解し(4ml)、攪拌エーテル(100ml)に添加した。生じた沈殿物を収集し、エーテル(10mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させて、0.2353gの赤色粉末を得た。水相をエーテル(25mlx3)で抽出した。回転蒸発装置を用いて、水溶液に溶解した有機溶媒を除去した。水溶液を遠心分離し、そしてWaters Sep−Pak tC18カートリッジ(P/N WAT036810)を用いて脱塩した。未精製産物の別の一部(0.262g)を得た。HPLCによって未精製産物を精製して、85.6mg(16.6%)の赤色粉末を得た。ES(+)−MS:1232.3[(M+1)/2]。
以下の方法を用いて、カテプシンBによる、抗腫瘍結合体、特に(13)の切断可能性を確認した。ドキソルビシン−CB結合体(13)を含有する結合体ストック溶液(水中の5%DMSO)(1.0mM)を調製した。カテプシンB(ヒト肝臓;Calbiochem、#219364;MW:27500;比活性:274単位/mgタンパク質、5単位)を32.1μlのNaOAc(20mM、1mM EDTA、pH5.0)に入れた。次いで、カテプシンB 1μlを、4μlの30mM DTT/15mM EDTAで、室温で15分間活性化した。この溶液を665μlの25mM NaOAc/1mM EDTA緩衝液(pH5.0、あらかじめ37℃にインキュベーション)で希釈して、酵素ストック溶液を調製した。96μlの酵素ストック溶液を1μlの結合体ストック溶液と混合し、そして37℃で60分間インキュベーションした。最終濃度:[カテプシンB]=30nM、[基質]=10μM。定期的に試料採取し、そして続いてHPLC解析する(緩衝液A:0.1%HOAc、緩衝液B:アセトニトリル、20分間に渡って20〜50%B、495nmで監視、B12−Phe−Lysに関してはTr=7.2分、ドキソルビシンに関してはTr=15.8分、そして基質に関してはTr=18.8分)ことによって、反応の度合いを監視した。典型的な結果は、60分間で結合体の83%が切断されることを示した。
類似の方法を用いて、カテプシンBによる、本発明記載の結合体の切断可能性を評価することも可能である。他の細胞内酵素による切断可能性を評価するため、特定の酵素いずれかの天然基質を、本発明の結合体と交換することを例外として、Methods in Enzymologyと題する一連の書籍などの教科書に記載されるようなアッセイにしたがうことも可能である。腫瘍治療のための結合体のさらなるin vitro及び/又はin vivo評価を行うことを保証するには、この酵素による結合体の切断を確認すれば十分である。
以下の方法を用いて、腫瘍増殖、特に無胸腺マウスのMX−1ヒト乳癌異種移植片の増殖遅延に対する、コバラミン−ドキソルビシン結合体の影響を調べた。メスヌードハーランマウスの横腹に、1mmのMX1固形腫瘍断片を皮下移植する。移植及び増殖の適用前(pre−dose)の段階の間に、まず、腫瘍を週2回監視し、そして次いで新生物が80〜120mgの望ましいサイズに近づくにつれて、毎日監視する。大部分の腫瘍が、標的とされる重量範囲(80〜120mg)に到達したら、未処置、3mg/kg/日x5日間の静脈内ドキソルビシン(活性対照)、64mg/kg/日x5日間の静脈内バイオ結合体及び32mg/kg/日x5日間の静脈内バイオ結合体で構成される、各10匹の4つの処置群に、マウスをペアマッチさせる。ペアマッチの日、第1日に、試験物品を投与した。腫瘍増殖遅延終点は、マウス上の腫瘍が1.5g重量に到達した際であり、腫瘍重量は、式:腫瘍重量(mg)=wxl/2x1mg/mm、式中、w=腫瘍の幅(mm)及びl=長さ(mm)である、によって概算される。各処置群に関して、終点までの時間の中央値を計算する。この研究の結果を図9に示す。未処置群は、終点までの時間が17.8日の中央値を示し、部分的後退、完全後退又は長期腫瘍不含生存を発展させたメンバーはなかった。体重変化は無視できる程度であり、そして処置関連又は未処置関連の死亡はなかった。ドキソルビシン(活性対照、3mg/kg/日)での処置は、39.5日の腫瘍増殖遅延中央値を生じ、対照より21.7日増加した(122%)。部分的又は完全腫瘍後退、及び長期腫瘍不含生存もなかった。平均体重損失は、第9日に−10.5%観察され、他の処置関連又は未処置関連の死亡はなかった。64mg/kg/日の処置群は、重症の毒性を発展させ、そして第4日で終結させた。32mg/kg/日の処置群は処置に反応し、終点までの時間の中央値は62.1日であり、対照よりも44.3日長く、そしてドキソルビシン活性対照よりも22.6日長かった。研究経過に渡って、この群の6匹のマウスが、完全後退を発展させ、そして4匹は、長期腫瘍不含生存者であった。最大体重損失は、第9日で観察され、−8.4%であり、処置関連又は未処置関連の死亡はなかった。
MCF−7細胞に対するドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro評価のため、以下の方法を用いた。結果を図6aに詳述する。MCF−7細胞株をATCCから得て、そして5%COとともに、37℃でインキュベーションした。GlutaMAX、高グルコース、ピリドキシン塩酸を含み、ピルビン酸ナトリウム(Gibco)を含まず、そして10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、1mlあたり最終濃度10単位のペニシリン及び10μgのストレプトマイシンのペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)、並びにさらなる2mM L−グルタミン(Gibco)を補った、ダルベッコの修飾イーグル培地(D−MEM)中で、MCF−7細胞を維持した。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり5000細胞の最初の密度で、MCF−7細胞を植え付けた。
水中の5%DMSO中で調製したドキソルビシン及びコバラルビシン−200ストック及びストック溶液を、−20℃で保存し、そして遮光した。100μMから減少して10nMまでの10倍希釈を含む6つの最終濃度で、各化合物を試験した。10xストック溶液を作成し、そして細胞を含有する3つのウェルそれぞれに、10μlを添加した。細胞を蒔いてからおよそ24時間後、化合物を添加した。未処理対照細胞には、10μlの5%DMSOを添加した。培地のみを含有する3つのウェルもまた、バックグラウンド対照として含んだ。プレートを37℃インキュベーターに戻した。
96時間後、Promegaのアッセイを用いて、細胞生存度に対するドキソルビシン及びコバラルビシン−200の影響を決定した。CellTiter−GloTM発光細胞生存度アッセイは、培養中に存在するATP量を定量化し、ATP量は、代謝的に活性な細胞と相関する。ATP濃度に依存する発光を、Wallac MicroBeta(登録商標)JET液体シンチレーション及び発光計測装置上、個々のウェル各々に関して測定した。培地のみを含有する3つのウェルの平均発光値を生データから減じて、補正した値を得た。高濃度のドキソルビシン及びB12−S−doxの赤色によって生じるバックグラウンドを補正するため、10又は100μMで処理した細胞に関して、減じるバックグラウンドは、ただ培地のみのものではなく、10又は100μMのドキソルビシン又はB12−S−doxを含む培地の発光であった。同じ濃度の化合物を添加したウェルの3つの補正値を平均し、そして標準偏差を計算した。未処理細胞を100%生存と見なすことによって、細胞生存度パーセントを計算した。補正した発光値を、未処理細胞の補正平均発光値で割り、そして100を乗じて細胞生存度パーセントを得た。3つ組ウェルの平均細胞生存度パーセント及び標準偏差を計算した。このデータを、平均細胞生存度パーセント(平均生存度%)対化合物濃度としてプロットした。
SK−BR−3細胞に対するドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro評価のため、以下の方法を用いた。結果を図6bに示す。SK−BR−3細胞株をATCCから得て、そして5%COとともに、37℃でインキュベーションした。GlutaMAX、高グルコース、ピリドキシン塩酸を含み、ピルビン酸ナトリウム(Gibco)を含まず、そして10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、1mlあたり最終濃度10単位のペニシリン及び10μgのストレプトマイシンのペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)、並びにさらなる2mM L−グルタミン(Gibco)を補った、ダルベッコの修飾イーグル培地(D−MEM)中で、SK−BR−3細胞を維持した。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり10000細胞の最初の密度で、SK−BR−3細胞を植え付けた。実施例4に記載するように、生存度アッセイ及び続く計算を行った。
HL−60細胞に対するドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro評価のため、以下の方法を用いた。結果を図6cに示す。HL−60細胞株をATCCから得て、そして5%COとともに、37℃でインキュベーションした。GlutaMAX(Gibco)を含み、10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)及びペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)を補った、RPMI培地1640中で、HL−60細胞を維持した。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり5000細胞の最初の密度で、HL−60細胞を植え付けた。実施例4に記載するように、生存度アッセイ及び続く計算を行った。
SK−N−MC細胞に対するドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro評価のため、以下の方法を用いた。結果を図6dに示す。SK−N−MC細胞株をATCCから得て、そして5%COとともに、37℃でインキュベーションした。アールの塩、L−グルタミン(Gibco)を含み、そして10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、1mlあたり最終濃度10単位のペニシリン及び10μgのストレプトマイシンのペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)、並びにさらなる2mM L−グルタミン(Gibco)を補った、最小必須培地(MEM)中で、SK−N−MC細胞を維持した。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり20000細胞の最初の密度で、SK−N−MC細胞を植え付けた。実施例4に記載するように、生存度アッセイ及び続く計算を行った。
正常ネズミリンパ節細胞に対するドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro評価のため、以下の方法を用いた。リンパ球を、5%COとともに、37℃でインキュベーションし、GlutaMAX(Gibco)を含み、10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)及びペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)を補った、RPMI培地1640中で維持した。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり1.5x10細胞の最初の密度で、細胞を植え付けた。実施例4に記載するように、生存度アッセイ及び続く計算を行った。
SK−N−MC細胞に対するカテプシン切断安定性ドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro評価のため、以下の方法を用いた。結果を図8に示す。SK−N−MC細胞株をATCCから得て、そして5%COとともに、37℃でインキュベーションした。アールの塩、L−グルタミン(Gibco)を含み、そして10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、1mlあたり最終濃度10単位のペニシリン及び10μgのストレプトマイシンのペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)、並びにさらなる2mM L−グルタミン(Gibco)を補った、最小必須培地(MEM)中で、SK−N−MC細胞を維持した。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり20000細胞の最初の密度で、SK−N−MC細胞を植え付けた。
水中の5%DMSO中で調製したドキソルビシン及びB12−ドキソルビシン(安定)ストック及びストック溶液を、−20℃で保存し、そして遮光した。100μMから減少して10nMまでの10倍希釈を含む6つの最終濃度で、各化合物を試験した。10xストック溶液を作成し、そして細胞を含有する3つのウェルそれぞれに、10μlを添加した。実施例4に記載するように、生存度アッセイ及び続く計算を行った。
以下の方法を用いて、チャールズリバーヌード(無胸腺)マウスにおいて、ビタミンB12−ドキソルビシン結合体の最大許容用量を調べた。5つの群の各5匹のマウスの体重を測定し、そして次いで、最初の連続5日間、静脈内結合体の1日用量を投与した;用量レベルは、8、16、32、48及び54mg/kg/日であった。投与第1日(初回投与)から始まって、週2回、マウスの体重を測定することによって、そして臨床的徴候及び症状に関して頻繁に検査することによって、全体の毒性を評価した。マウスにおける癌化学療法のMTDのNCI定義を、この研究に採用した。望ましいMTDは、10%以下の最大平均体重損失を仲介し、そして毒性による死亡がない、薬物用量である。MTDの上限は、群において、平均20%の体重損失を引き起こし、そして10匹の動物あたり1匹が死亡する、用量である。1日1回、連続5日間、投薬した後、さらに5日間、動物を監視して、再発及び潜在毒性に対処した。
以下の方法を用いて、特に2周期投薬措置を用いた無胸腺マウスにおけるMX−1ヒト乳癌異種移植片の治療のため、結合体の腫瘍増殖遅延効果を調べた。メスヌードハーランマウスの横腹に、1mmのMX1固形腫瘍断片を皮下移植する。移植及び増殖の適用前の段階の間に、まず、腫瘍を週2回監視し、そして次いで新生物が80〜120mgの望ましいサイズに近づくにつれて、毎日監視する。大部分の腫瘍が、標的とされる重量範囲(80〜120mg)に到達したら、各10匹の5つの処置群に、マウスをペアマッチさせる。2周期処置の効果に関するこの例の目的のため、3群からのデータを示す:未処置、3mg/kg/日(第1日〜5日、第21日〜25日)の静脈内ドキソルビシン及び24mg/kg/日(第1日〜5日、第21日〜25日)の静脈内バイオ結合体。第1日とするこの日に、試験物品投与を開始した。腫瘍増殖遅延終点は、マウス上の腫瘍が1.5g重量に到達した際であり、腫瘍重量は、式:腫瘍重量(mg)=wxl/2x1mg/mm、式中、w=腫瘍の幅(mm)及びl=長さ(mm)である、によって概算される。各処置群に関して、終点までの時間の中央値を計算する。
以下の方法を用いて、腫瘍所持マウスにおけるドキソルビシン処置に関連する体重損失及び回復を調べた。この解析は、実施例3及び11に明記する有効性研究の一部であった。マウスにおける癌化学療法のMTDのNCI定義を指針として用いて、動物における病的状態(morbidity)の重症度を評価する。許容度の上限は、20%の体重損失である。腫瘍を測定する際、同時に動物の体重を測定した。
以下の方法を用いて、図4bの典型的なパクリタキセル−VB結合体を調製した。
Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル(14)
塩化メチレン(10ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−PNP(0.6559g、0.6198mmol、1.0当量)及びパクリタキセル(0.5406g、0.6331mol、1.02当量)の攪拌溶液に、DMAP(0.0898g、0.7350mmol、1.19当量)を添加した。黄色溶液をRTで一晩攪拌した。反応混合物を、塩化メチレン(200ml)で希釈し、塩水(50mlx3)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をシリカカラム(2.4x16cm)で精製し、ヘキサン/酢酸エチル(2:3、100ml;3:7、200ml)で溶出して、1.0286g(93.6%)の白色固体(14)を得た。ES(+)−MS:1773.6(M+H)、1795.8(M+Na)。
Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル(15)
乾燥THF(50ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル(1.0286g、0.5801mmol)の攪拌溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、0.5ml、最終濃度〜1%)を添加した。溶液をRTで5分間攪拌した。反応混合物を攪拌エーテル(200ml)に添加した。生じた沈殿物を収集し、エーテル(10mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させて、0.6180g(68.7%)の淡黄色固体(15)を得た。ES(+)−MS:1550.9(M+H)。
12 −5’−OCONH(CH CO−Phe−Lys(MMT)−PABC−2’−パクリタキセル(16)
DMSO(9ml)中の化合物15(0.5965g、0.3846mmol、1.0当量)及び化合物11(0.7667g、0.4763mmol、1.24当量)の溶液を室温で3時間攪拌した。反応混合物を攪拌エーテル/CHCl(1:1、100ml)に添加し、生じた沈殿物を収集し、アセトン(10mlx2)、塩化メチレン/エーテル(1:1、10mlx2)で洗浄し、真空で乾燥させた。1.0gの赤色粉末(16)を得た。
12 −5’−OCONH(CH CO−Phe−Lys−PABC−2’−パクリタキセル(17)
メタノール(20ml)、塩化メチレン(20ml)及び水(20ml)中の化合物16(1.0g、0.3284mmol、1.0当量)の攪拌懸濁物に、アニソール(0.1ml、0.9155mmol、2.79当量)及びジクロロ酢酸(2.5ml、最終濃度〜0.5M)を添加した。固体は溶解し、そして混合物をRTで2時間攪拌した。反応混合物を水(20ml)で希釈し、そして回転蒸発装置によって、有機溶媒を除去した。残渣を水(50ml)で希釈し、そして水相をデカントした。粘着性残渣をエーテル(10mlx4)でリンスした。生じた固体をメタノール(5ml)に溶解し、攪拌エーテル/CHCl(1:1、90ml)に添加した。生じた沈殿物を収集し、塩化メチレン/エーテル(1:1、10mlx2)で洗浄し、真空で乾燥させた。0.6546gの赤色粉末を得た。未精製産物をHPLCによって精製した:
カラム:Waters Delta−Pak C18 15μm(P/N:WAT038506)25x300mm。
流速:41ml/分。
溶媒:50mM HPO/NHOH、pH3.0(A)及びアセトニトリル/水(9:1、B)。
勾配:0〜20分、40〜50%B。
未精製試料を、緩衝液A(6ml)中の40%溶媒Bに溶解し、0.45μmナイロンシリンジフィルターを通じてろ過した。5回の注入を行った。ほぼ12分〜14分の間の保持時間を有する分画を収集し、そしてWaters Sep−Pak tC18カートリッジ(P/N:WAT043365)で濃縮(脱塩)した。産物を凍結乾燥して、172.7mgの赤色粉末(17)を得た。ES(+)−MS:1387[(M+2H)/2]、1398[(M+H+Na)/2]。
上記のin vitro及びin vivoアッセイを用いて、まず、抗腫瘍剤としての結合体の活性を評価し、そして対応するフリーの薬物のものに対して、薬物結合体の活性を比較することも可能である。2つの間の相関を決定したら、ヒト対象における結合体の適切な初回投薬措置を決定することも可能である。
以下の方法を用いて、図4aの典型的なパクリタキセル−VB結合体を調製した。
パクリタキセル−2’−MMT(41)
CHCl(20ml)中のパクリタキセル(1.0033g、1.1749mmol、1.0当量)及びp−アニシルクロロジフェニルメタン(2.8972g、9.3821mmol、7.98当量)の攪拌溶液に、ピリジン(0.78ml、9.5651mmol、8.14当量)を添加した。溶液をRTで一晩攪拌した。溶媒を除去した後、残渣を、酢酸エチル(200ml)及び冷pH5緩衝液(0.05Mフタル酸、10N KOHでpH5.0に調整、100ml)に溶解した。有機相を分離し、そして冷pH5緩衝液(100mlx2)、水(100mlx1)及び塩水(100mlx1)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をシリカカラム(5x10cm、4:1ヘキサン/酢酸エチルで充填;試料を酢酸エチルで溶解して、10gのシリカゲルに吸着させ、風乾し、そしてカラムに装填した)で精製し、ヘキサン/酢酸エチル(1:1、160ml;2:3、400ml)で溶出して、1.2451g(94.1%)の白色固体を得た。
Fmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−パクリタキセル−2’−MMT(43)
塩化メチレン(18ml)中のパクリタキセル−2’−MMT(1.3825g、1.1795mmol、1.0当量)の氷冷溶液に、DIEA(0.205ml、1.1769mmol、1.00当量)、ピリジン(0.096ml、1.1772mmol、1.00当量)、そして次いでジホスゲン(0.071ml、0.5886mmol、0.50当量)を添加した。氷槽を除去し、そして溶液をRTで2時間攪拌した。次いで、氷槽で再び冷却し、シリンジを介して、塩化メチレン(60ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABOH(1.0540g、1.1801mmol、1.00当量)及びDIEA(0.205ml、1.1769mmol、1.00当量)を添加した。溶液をRTで一晩攪拌した。反応混合物を約10mlに濃縮し、そして次いで酢酸エチル(200ml)で希釈して、pH5緩衝液(0.05Mフタル酸、10N KOHでpH5.0に調整、100mlx3)、水(100mlx1)及び塩水(100mlx1)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をシリカカラム(5x11cm、9:1の塩化メチレン/酢酸エチルで充填、9:1塩化メチレン/酢酸エチルに試料を溶解)で精製し、塩化メチレン/酢酸エチル(3:1、500ml)で溶出して、1.4410g(59.7%)の白色固体を得た。
Phe−Lys(MMT)−PABC−7−パクリタキセル−2’−MMT(44)
乾燥THF(20ml)中のFmoc−Phe−Lys(MMT)−PABC−7−パクリタキセル−2’−MMT(1.4410g、0.7045mmol、1.0当量)の攪拌溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、0.215ml、1.4264mmol、2.02当量、最終濃度:1%)を添加した。溶液をRTで8分間攪拌した。反応混合物を攪拌ヘキサン(90ml)に添加した。生じた沈殿物を収集し、ヘキサン(10mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させて、1.2015g(93.5%)の白色固体を得た。
12 −5’−OCONH(CH CO−Phe−Lys(MMT)−PABC−7−パクリタキセル−2’−MMT(45)
DMSO(20ml)中の化合物11(1.4251g、〜86%純粋、0.7614mmol、1.16当量)の攪拌溶液に、化合物44(1.2015g、0.6590mmol、1.0当量)を添加した。溶液を室温で1.5時間攪拌した。エーテル(90ml)を添加し、そして油性層が生じた。エーテルをデカントし、そして残渣を塩化メチレン/エーテル(1:1、80ml)で凝固させた。生じた固体を収集し、エーテル(20mlx3)で洗浄し、風乾し、そして次いで水(10mlx3)で洗浄し、真空で一晩乾燥させた。1.2735g(58.2%)の赤色粉末を得た。
12 −5’−OCONH(CH CO−Phe−Lys−PABC−7−パクリタキセル(46)
メタノール(40ml)、塩化メチレン(40ml)及び水(40ml)中の化合物45(1.2735g、0.3839mmol、1.0当量)の攪拌懸濁物に、アニソール(0.2ml、1.8310mmol、4.77当量)及びジクロロ酢酸(4.7ml、57.2187mmol、149.06当量、約0.5Mの最終濃度)を添加した。固体は溶解し、そして混合物をRTで1.5時間攪拌した。回転蒸発装置によって、有機溶媒を除去した。水溶液をデカントした。粘着性残渣をエーテル(10mlx4)でリンスした。生じた固体をメタノール(10ml)に溶解し、そして攪拌エーテル(90ml)に添加した。生じた沈殿物を収集し、エーテル(10mlx3)で洗浄し、真空で乾燥させた。1.09gの赤色粉末を得た。
未精製産物をHPLCによって精製した:
カラム:Waters Delta−Pak C18 15μm(P/N:WAT038506)25x300mm。
流速:41ml/分。
溶媒:50mM HPO/NHOH、pH3.0(A)及び9:1アセトニトリル/水(B)。
勾配:0〜20分、40〜50%B。
試料を、緩衝液A(10ml)中の40%溶媒Bに溶解し、0.45μmナイロンシリンジフィルターを通じてろ過した。7回の注入を行った(いくつかの不純な分画を再精製した)。望ましい分画(分析用HPLCで監視)を合わせ、そしてWaters Sep−Pak tC18カートリッジ(P/N:WAT043365)で脱塩した。産物を凍結乾燥して、0.66g(60%)の赤色粉末を得た。ES(+)−MS:2773.3[(M+H)]、1387.3[(M+2H)2+]、1398.3[(M+H+Na)2+]。
以下は、本発明のコバラタキセル結合体の有効性を評価するのに用いた細胞培養条件の説明である。
細胞株の説明:
NCI−Frederick癌DCT腫瘍貯蔵所からMX−1細胞を得た。これらはヒト乳癌由来である。GlutaMAX(Gibco)を含み、10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、並びに1mlあたり最終濃度10単位のペニシリン及び10μgのストレプトマイシンのペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)を補った、RPMI培地1640中で、MX−1細胞を5%COとともに3 ℃でインキュベーションした。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり3000細胞の最初の密度で、MX−1細胞を植え付けた。
HT−29細胞をATCCから得た。これらはヒト結腸腺癌由来である。L−グルタミン(Gibco)を含み、10%の定義された熱不活性化ウシ胎児血清(HyClone)、並びに1mlあたり最終濃度10単位のペニシリン及び10μgのストレプトマイシンのペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)を補った、修飾McCoyの5A培地中で、HT−29細胞を5%COとともに3□℃でインキュベーションした。生存度アッセイのため、96ウェルプレート中、100μlの培地中に細胞を蒔いた。ウェルあたり5000細胞の最初の密度で、HT−29細胞を植え付けた。
SK−BR−3細胞及びMCF−7細胞株に関する情報は、コバラルビシン−200細胞生存度アッセイに関するものと同じである。
アッセイのためのストック溶液及び投薬の説明:
パクリタキセル、コバラタキセル−17及びコバラタキセル−46のストックをDMSO中で作成し、そして遮光して−20℃に保存した。培地中で調製した、1μMから減少して0.01nMまでの10倍希釈を含む6つの最終濃度で、各化合物を試験した。10xストック溶液を細胞培地中で調製し、各実験のため、細胞培地中で新鮮に作成した。細胞を蒔いておよそ24時間後、化合物を添加した。未処理細胞の3つのウェルを陽性増殖対照として含んだ。培地のみを含有する3つのウェルもまた、バックグラウンド対照として含んだ。投薬後、プレートを37℃インキュベーターに戻した。
生存度アッセイの説明
CellTiter 96(登録商標)非放射性細胞増殖アッセイ(Promega Corporation)を用いて、これらの4つのアッセイを行った。以下の修飾を伴って、Promega Corporationに記載される方法(技術告示、第112号)を用いた。染色溶液でのインキュベーション期間を37℃1時間に減少した。可溶化/停止溶液を添加した後、プレートを37℃で30分間放置した。ウェルの内容物を混合し、そしてプレートをさらに1時間、37℃に戻し、ホルマザン結晶の完全な可溶化を確実にした。570nmでの吸光度を測定し、そして650nmを参照波長として用いた。計算及びデータ提示は、CellTiter−GloTM発光細胞生存度アッセイに関して記載したものと同じである。
上記は、本発明の特定の態様の詳細な説明である。本発明の範囲内で、開示する態様からの逸脱を行うことも可能であり、そして当業者には明らかな修飾が思い浮かぶであろうことが認識される。当業者は、本開示を考慮して、本明細書に開示する特定の態様に多くの変化を行って、そしてなお本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、同様の又は類似の結果を得ることが可能であることを認識するはずである。本明細書に開示し、そして請求する態様すべてを、本開示を考慮して過度な実験を伴わずに、製造し、そして実行することも可能である。
以下の図は、本明細書の一部であり、そして本発明の特定の側面をさらに立証するために含まれる。本発明は、本明細書に提示する特定の態様の詳細な説明と組み合わせて、1以上のこれらの図を参照することによって、よりよく理解することも可能である。
図1aは、本発明の結合体の第一の態様を示す。 図1bは、VB及びDG間のリンカーが細胞内酵素によって切断不能であるため、本発明にしたがって作成されていない「酵素切断安定性」結合体を示す。 図2は、カテプシンBで切断可能なドキソルビシン−コバラミン結合体合成のための典型的なプロセスを示す。 図3a〜3bは、カテプシンBで切断可能なドキソルビシン−コバラミン結合体合成のための別の典型的なプロセスを示す。 図4a〜4bは、パクリタキセル−コバラミン結合体合成のための典型的なプロセスを示す。 図5は、代替リンカーを用いた、ドキソルビシン−コバラミン結合体を示す。 図6aは、MCF−7細胞に対する、フリーのドキソルビシン対ドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図6bは、SK−BR−3細胞に対する、フリーのドキソルビシン対ドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図6cは、HL−60(前骨髄球性白血病)細胞に対する、フリーのドキソルビシン対ドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図6dは、SK−N−MC細胞に対する、フリーのドキソルビシン対ドキソルビシン−コバラミン結合体(本発明記載)のin vitro比較のグラフを示す。 図6eは、MCF−7細胞に対する、フリーのパクリタキセル対ドキソルビシン−パクリタキセル(コバラタキセル−17(中間体17))結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図6fは、SK−BR−3細胞に対する、フリーのパクリタキセル対ドキソルビシン−パクリタキセル(コバラタキセル−17(中間体17))結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図6gは、HT−29細胞に対する、フリーのパクリタキセル対ドキソルビシン−パクリタキセル(コバラタキセル−46(中間体46))結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図6hは、MX−1細胞に対する、フリーのパクリタキセル対ドキソルビシン−パクリタキセル(コバラタキセル−46(中間体46))結合体(本発明記載)のin vitro比較のグラフを示す。 図7は、正常ネズミリンパ節細胞に対する、フリーのドキソルビシン対ドキソルビシン−コバラミン結合体のin vitro比較のグラフを示す。 図8は、SK−N−MC細胞に対する、フリーのドキソルビシン対「酵素切断安定性」ドキソルビシン−コバラミン結合体(本発明にしたがわない)のin vitro比較のグラフを示す。 図9は、MX−1ヒト乳癌異種移植片を有する無胸腺マウスにおける、フリーのドキソルビシン対照、生理食塩水対照、及びコバラルビシン(ドキソルビシン−コバラミン結合体)のin vivo比較のグラフを示す。比較は、投与後の日数に対する腫瘍サイズに基づく。 図10は、異なる用量の結合体(13)を用い、実施例10にしたがって処置したマウスの体重変化パーセントを要約するグラフを示す。体重変化パーセントを毎日決定し、そして示した用量で、結合体を毎日投与した。 図11は、実施例11の方法にしたがって処置したマウスにおいて、投与後の日数に対する腫瘍サイズに関する、フリーのドキソルビシン対照及びコバラミン−ドキソルビシン結合体のin vivo比較のグラフを示す。 図12aは、実施例12の方法にしたがって処置したマウスにおいて、投与後の日数に対する平均体重変化に関する、生理食塩水対照、フリーのドキソルビシン対照及びコバラミン−ドキソルビシン結合体のin vivo比較のグラフを示す。 図12bは、実施例12の方法にしたがって処置したマウスにおいて、投与後の日数に対する体重変化に関する、フリーのドキソルビシン対照及びコバラミン−ドキソルビシン結合体のin vivo比較のグラフを示す。

Claims (21)

  1. 以下を含む、抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体:
    a.コバラミン、又はその誘導体若しくは類似体;
    b.コバラミン又はコバラミン誘導体の5’−OH部分に共有結合しているリンカー;
    c.リンカーに共有結合し、それによって結合体を形成している抗腫瘍薬物であって、薬物が細胞内酵素によってリンカーから切断可能であり、及び/又はリンカーが薬物から切断可能であり;結合体がトランスコバラミンとの複合体形成後、細胞膜を横切る輸送に適しており;結合体が細胞内酵素によって切断可能であり;そして結合体が所望により1以上の保護基を有する、前記抗腫瘍薬物。
  2. コバラミンが、ビタミンB12、シアノコバラミン、アクオコバラミン、ヒドロキシコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン、シアノコバラミンカルバナリド、デスジメチルコバラミン、モノエチルアミドコバラミン、メチルアミドコバラミン、補酵素B12、5’−デオキシアデノシルコバラミン、コバマミド誘導体、クロロコバラミン、スルフィトコバラミン、ニトロコバラミン、チオシアナートコバラミン、ベンズイミダゾール誘導体、例えば5,6−ジクロロベンズイミダゾール、5−ヒドロキシベンズイミダゾール、トリメチルベンズイミダゾール及びアデノシルシアノコバラミン((Ade)CN−Cbl)、コバラミンラクトン、コバラミンラクタム、及びVB12の、アニリド、エチルアミド、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸誘導体、VB12のプロピオンアミド誘導体、5−o−メチルベンジルコバラミン、並びにコバルトが別の金属で置換されている、それらの類似体からなる群より選択される、請求項1の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  3. 抗腫瘍薬物が、ドキソルビシン及びパクリタキセルからなる群より選択される、請求項1の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  4. カテプシン、エンド酵素、グリコシダーゼ、メタロプロテアーゼ、リボザイム、プロテアーゼ、エステラーゼ、及びアミダーゼからなる酵素種群から選択される、細胞内酵素によって、リンカーが切断可能である、請求項1の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  5. 対応するフリーの抗腫瘍薬物に比較して軽減された全身毒性を有する、請求項1の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  6. 腫瘍関連障害又は疾患の治療が必要な対象に、臨床上有効な量の請求項1記載の結合体を投与する工程を含む、腫瘍関連障害又は疾患の治療方法。
  7. 式Iの抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体:
    VB−(SPa)−CL−(SPb)−DG
    式I
    (式中、
    a.CLは、細胞内酵素によって、VB、SPa、SPb及び/又はDGから切断可能なリンカーであり;
    b.VBは、コバラミン、又はその誘導体若しくは類似体であり、VBのリボース環の5’−OH基を介して、CL又は存在する場合SPaに共有結合しており;
    c.SPa及びSPbは、所望によるスペーサーであり、それぞれの存在に際して、共有結合、二価官能基、又は非ペプチド残基からなる群より独立に選択され、SPa及びSPbは、CLのいずれかの側に存在することができ;そして
    d.DGは、1以上の官能基を有し、それによってスペーサー又はCLに共有結合している抗腫瘍薬物であり;
    e.n及びmは、それぞれの存在に際して、0、1、又は2から独立に選択され;そして結合体は、所望により1以上の保護基を有する。)。
  8. 二価官能基が、−NHNH−、−NH−、−O−、−S−、−SS−、−CH−、−NHCO−、−CONH−、−CONHNHCO−、−N=N−、−N=CH−、−NHCH−、−NHN=CH−、−NHNHCH−、−SCH−、−CHS−、−NHCRNH−(Rは=O、=S又は=NHである)、−COO−、及び−OCO−からなる群より選択される、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  9. コバラミンが、ビタミンB12、シアノコバラミン、アクオコバラミン、ヒドロキシコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン、シアノコバラミンカルバナリド、デスジメチルコバラミン、モノエチルアミドコバラミン、メチルアミドコバラミン、補酵素B12、5’−デオキシアデノシルコバラミン、コバマミド誘導体、クロロコバラミン、スルフィトコバラミン、ニトロコバラミン、チオシアナートコバラミン、ベンズイミダゾール誘導体、例えば5,6−ジクロロベンズイミダゾール、5−ヒドロキシベンズイミダゾール、トリメチルベンズイミダゾール及びアデノシルシアノコバラミン((Ade)CN−Cbl)、コバラミンラクトン、コバラミンラクタム、及びVB12の、アニリド、エチルアミド、モノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸誘導体、VB12のプロピオンアミド誘導体、5−o−メチルベンジルコバラミン、並びにコバルトが別の金属で置換されている、それらの類似体からなる群より選択される、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  10. n及びmが1、2又は3から独立に選択される、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  11. 非ペプチド残基が、−NH−C−CH−O−及び−NH(CHC(=O)−からなる群より選択される、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  12. 抗腫瘍薬物が、ドキソルビシン及びパクリタキセルからなる群より選択される、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  13. 以下の式の1つを有する、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体:
    a.VB−(SPa)−CL−DG(式II);
    b.VB−CL−(SPb)−DG(式III);
    c.VB−CL−DG(式IV);
    d.VB−CL−(SPa)−(SPb)−DG(式V);
    e.VB−(SPa)−(SPb)−CL−DG(式VI);
    f.VB−(SPa)(SPa)−CL−(SPb)(SPb)−DG(式VII);
    g.このとき、p及びqは、1、2及び3から独立に選択される。
  14. a.(SPa)及び(SPb)が、それぞれの存在に際して、二価官能基及び共有結合から各々独立に選択され;そして
    b.(SPa)及び(SPb)が、それぞれの存在に際して、非ペプチド残基から各々独立に選択される、
    請求項13の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  15. a.(SPa)及び(SPb)が、各々、二価カルボニルであり;そして
    b.(SPa)及び(SPb)が、各々、−NH−、−S−及び/又は−O−含有非ペプチド残基である、
    請求項14の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  16. カテプシン、エンド酵素、グリコシダーゼ、メタロプロテアーゼ、リボザイム、プロテアーゼ、エステラーゼ、及びアミダーゼからなる酵素種群から選択される、細胞内酵素によって、リンカーが切断可能である、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  17. 対応するフリーの抗腫瘍薬物に比較して軽減された全身毒性を有する、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  18. 対応するフリーの抗腫瘍薬物より、モル基準で改善された有効性を有する、請求項17の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  19. 1以上の官能基が、一級又は二級アミン、ヒドロキシル、スルフィドリル、カルボキシル、ヒドラジド、ニトリル、アルデヒド、及びケトンからなる群より選択される、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  20. 1以上の官能基が、DG上の誘導体化可能部位を含む、請求項7の抗腫瘍薬物及びコバラミンの結合体。
  21. 腫瘍関連障害又は疾患の治療が必要な対象に、臨床上有効な量の請求項7記載の結合体を投与する工程を含む、腫瘍関連障害又は疾患の治療法。
JP2006526379A 2003-09-10 2004-09-10 抗腫瘍療法のためのコバラミン結合体 Pending JP2007505144A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/659,501 US7232805B2 (en) 2003-09-10 2003-09-10 Cobalamin conjugates for anti-tumor therapy
PCT/US2004/029879 WO2005025512A2 (en) 2003-09-10 2004-09-10 Cobalamin conjugates for anti-tumor therapy

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007505144A true JP2007505144A (ja) 2007-03-08

Family

ID=34226964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006526379A Pending JP2007505144A (ja) 2003-09-10 2004-09-10 抗腫瘍療法のためのコバラミン結合体

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7232805B2 (ja)
EP (1) EP1672978A4 (ja)
JP (1) JP2007505144A (ja)
KR (1) KR20070019942A (ja)
AU (1) AU2004272105B2 (ja)
CA (1) CA2538748C (ja)
WO (1) WO2005025512A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017105855A (ja) * 2012-12-28 2017-06-15 ターベダ セラピューティクス インコーポレイテッドTarveda Therapeutics,Inc. 薬物送達のためのコンジュゲート
CN108371709A (zh) * 2018-03-29 2018-08-07 苟春虎 黑枸杞肿瘤康复基因酶

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040047917A1 (en) * 2002-09-06 2004-03-11 Stephen Wilson Drug delivery and targeting with vitamin B12 conjugates
US20100113328A1 (en) * 2003-05-29 2010-05-06 The Scripps Research Institute Targeted delivery to legumain-expressing cells
US8158590B2 (en) 2005-08-05 2012-04-17 Syntarga B.V. Triazole-containing releasable linkers, conjugates thereof, and methods of preparation
WO2007064759A2 (en) * 2005-11-29 2007-06-07 The Scripps Research Institute Inhibiting tumour cell invasion, metastasis and angiogenesis through targetting legumain
US20070225250A1 (en) * 2006-01-26 2007-09-27 Bebaas, Inc. Cobalamin compositions for the treatment of cancer
TW200745163A (en) 2006-02-17 2007-12-16 Syntonix Pharmaceuticals Inc Peptides that block the binding of IgG to FcRn
US20080233135A1 (en) * 2007-03-19 2008-09-25 Gebhard John R Cobalamin taxane bioconjugates
TW200911289A (en) * 2007-08-09 2009-03-16 Syntonix Pharmaceuticals Inc Immunomodulatory peptides
EP3858347A3 (en) 2007-08-17 2021-12-01 Purdue Research Foundation Psma binding ligand-linker conjugates and methods for using
WO2010011662A1 (en) * 2008-07-21 2010-01-28 Inflabloc Pharmaceuticals, Inc. Taxane compounds for treating eye disease
US20100048488A1 (en) * 2008-08-01 2010-02-25 Syntonix Pharmaceuticals, Inc. Immunomodulatory peptides
BR122020010601B8 (pt) 2008-12-16 2021-07-27 Genzyme Corp conjugados de proteína-oligossacarídeo, seus usos, e composições farmacêuticas
CA2750649A1 (en) * 2009-01-27 2010-08-05 Osiris Therapeutics, Inc. Cobalamin taxane bioconjugates for treating eye disease
US9951324B2 (en) 2010-02-25 2018-04-24 Purdue Research Foundation PSMA binding ligand-linker conjugates and methods for using
CN102199180B (zh) * 2011-04-12 2014-07-09 连云港杰瑞药业有限公司 一种卡培他滨的制备方法
US20150335761A1 (en) * 2012-02-16 2015-11-26 Raymond Firestone Compositions and methods for contraception
MX2015006109A (es) * 2012-11-15 2016-02-05 Endocyte Inc Conjugados para el tratamiento de enfermedades causadas por celulas que expresan psma.
RS65324B1 (sr) 2013-10-18 2024-04-30 Novartis Ag Obeleženi inhibitori membranskog antigena specifičnog za prostatu (psma), njihova upotreba kao agenasa za snimanje i farmaceutskih agenasa za lečenje karcinoma prostate
US10188759B2 (en) 2015-01-07 2019-01-29 Endocyte, Inc. Conjugates for imaging
US11155821B2 (en) 2018-07-31 2021-10-26 The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate Compositions and methods for tagging ribonucleic acids

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06502426A (ja) * 1990-10-17 1994-03-17 アムジエン・インコーポレーテツド 細胞増殖疾患治療用組成物及び方法
JPH09508141A (ja) * 1994-07-29 1997-08-19 アムジエン・インコーポレーテツド ビタミンb▲下12▼とタンパク質との複合体
JP2001501596A (ja) * 1996-08-27 2001-02-06 ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンデーション バイオコンジュゲートおよび生物学的活性剤の送達
JP2002518405A (ja) * 1998-06-12 2002-06-25 バイオテック・オーストラリア・ピーティーワイ・リミテッド ビタミンb12誘導体及びそれらの製造方法
WO2002055530A2 (en) * 2000-10-25 2002-07-18 Mayo Foundation Transcobalamin binding conjugates useful for treating abnormal cellular proliferation
JP2003512338A (ja) * 1999-10-15 2003-04-02 メイオウ・フアウンデーシヨン・フオー・メデイカル・エジユケイシヨン・アンド・リサーチ 造影剤および抗腫瘍薬として有用なコバラミン結合体
JP2005508332A (ja) * 2001-09-28 2005-03-31 メイオウ・フアウンデーシヨン・フオー・メデイカル・エジユケイシヨン・アンド・リサーチ 薬剤を送達するための、輸送タンパク質とコンジュゲートコバラミンとの同時投与

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE589207A (fr) 1959-04-06 1960-09-30 Merck & Co Inc Composition à base de cobalamine.
US3130189A (en) 1959-04-06 1964-04-21 Merck & Co Inc Hydroxocobalamin-glutathione
NZ217821A (en) 1985-10-10 1989-07-27 Biotech Australia Pty Ltd Oral delivery system; complex of active agent and vitamin b12 or analogue thereof
US5807832A (en) 1987-06-09 1998-09-15 Biotech Australia Pty Limited Oral delivery of biologically active substances bound to vitamin B12
US5405839A (en) 1989-02-28 1995-04-11 Teijin Limited Vitamin B12 derivative, preparation process thereof, and use thereof
US6214345B1 (en) 1993-05-14 2001-04-10 Bristol-Myers Squibb Co. Lysosomal enzyme-cleavable antitumor drug conjugates
JPH08510260A (ja) 1993-05-20 1996-10-29 バイオテック・オーストラリア・プロプライエタリー・リミテッド Lhrh拮抗剤
US5548064A (en) 1993-05-24 1996-08-20 Biotech Australia Pty Limited Vitamin B12 conjugates with EPO, analogues thereof and pharmaceutical compositions
US5449720A (en) 1993-05-24 1995-09-12 Biotech Australia Pty Limited Amplification of the VB12 uptake system using polymers
US5840880A (en) 1994-04-08 1998-11-24 Receptagen Corporation Receptor modulating agents
DE69528523T2 (de) 1994-04-08 2003-06-12 Receptagen Corp Rezeptor modulierendes mitteln und entsprechendes verfahren
US5739287A (en) 1994-04-08 1998-04-14 University Of Washington Biotinylated cobalamins
US5869465A (en) 1994-04-08 1999-02-09 Receptagen Corporation Methods of receptor modulation and uses therefor
CA2264227A1 (en) 1996-09-27 1998-04-02 Raymond A. Firestone Hydrolyzable prodrugs for delivery of anticancer drugs to metastatic cells
US20020155999A1 (en) 1998-04-30 2002-10-24 Han In Suk Method of using a porphyrin-like molecule conjugated with an anti-cancer drug for the treatment of cancer
FR2787029A1 (fr) 1998-12-09 2000-06-16 Biovector Therapeutics Utilisation dans une composition pharmaceutique pour l'administration par voie nasale de vitamine b12 pour la delivrance d'agents actifs au systeme nerveux central
GB9906808D0 (en) 1999-03-24 1999-05-19 Kilgowan Limited Formulation for treatment of pain
MXPA01010395A (es) 1999-04-16 2004-08-12 Mayo Of Foundation For Medical Conjugados de cobalamina que son utiles como agentes antitumor.
EP1239887A1 (en) 1999-10-15 2002-09-18 Mayo Foundation For Medical Education And Research Cobalamin conjugates useful as imaging and therapeutic agents
DK1226153T3 (da) 1999-10-26 2010-06-07 Univ Utah Res Found Phosphorescerende cobalaminer og anvendelser deraf
US6797521B2 (en) 1999-10-26 2004-09-28 University Of Utah Research Foundation Fluorescent cobalamins and uses thereof
WO2001092283A2 (en) 2000-05-31 2001-12-06 Mayo Foundation For Medical Education And Research Cobalamin compounds useful as cardiovascular agents and as imaging agents
WO2001092288A2 (en) 2000-05-31 2001-12-06 Mayo Foundation For Medical Education And Research Cobalamin compounds useful as antibiotic agents and as imaging agents
ES2622399T3 (es) 2001-03-16 2017-07-06 University Of Utah Research Foundation Cobalaminas fluorescentes y usos de las mismas
WO2003025139A2 (en) 2001-09-17 2003-03-27 Mayo Foundation For Medical Education And Research Cobalamin mediated delivery of nucleic acids, analogs and derivatives thereof

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06502426A (ja) * 1990-10-17 1994-03-17 アムジエン・インコーポレーテツド 細胞増殖疾患治療用組成物及び方法
JPH09508141A (ja) * 1994-07-29 1997-08-19 アムジエン・インコーポレーテツド ビタミンb▲下12▼とタンパク質との複合体
JP2001501596A (ja) * 1996-08-27 2001-02-06 ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンデーション バイオコンジュゲートおよび生物学的活性剤の送達
JP2002518405A (ja) * 1998-06-12 2002-06-25 バイオテック・オーストラリア・ピーティーワイ・リミテッド ビタミンb12誘導体及びそれらの製造方法
JP2003512338A (ja) * 1999-10-15 2003-04-02 メイオウ・フアウンデーシヨン・フオー・メデイカル・エジユケイシヨン・アンド・リサーチ 造影剤および抗腫瘍薬として有用なコバラミン結合体
WO2002055530A2 (en) * 2000-10-25 2002-07-18 Mayo Foundation Transcobalamin binding conjugates useful for treating abnormal cellular proliferation
JP2005508332A (ja) * 2001-09-28 2005-03-31 メイオウ・フアウンデーシヨン・フオー・メデイカル・エジユケイシヨン・アンド・リサーチ 薬剤を送達するための、輸送タンパク質とコンジュゲートコバラミンとの同時投与

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017105855A (ja) * 2012-12-28 2017-06-15 ターベダ セラピューティクス インコーポレイテッドTarveda Therapeutics,Inc. 薬物送達のためのコンジュゲート
CN108371709A (zh) * 2018-03-29 2018-08-07 苟春虎 黑枸杞肿瘤康复基因酶

Also Published As

Publication number Publication date
CA2538748C (en) 2011-12-06
KR20070019942A (ko) 2007-02-16
US20050054607A1 (en) 2005-03-10
AU2004272105B2 (en) 2011-03-10
EP1672978A2 (en) 2006-06-28
AU2004272105A1 (en) 2005-03-24
US7232805B2 (en) 2007-06-19
EP1672978A4 (en) 2006-12-20
CA2538748A1 (en) 2005-03-24
WO2005025512A3 (en) 2005-07-28
WO2005025512A2 (en) 2005-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2538748C (en) Cobalamin conjugates for anti-tumor therapy
JP7403507B2 (ja) 薬物としてアマトキシンの誘導体を有する抗体薬物コンジュゲート
CN109316605B (zh) 叶酸受体结合配体-药物偶联物
US7910594B2 (en) Vitamin-mitomycin conjugates
KR101413955B1 (ko) 아지리디닐-에포틸론 화합물
US20090246211A1 (en) Molecular constructs suitable for targeted conjugates
AU2012257418A1 (en) Bio-orthogonal drug activation
EP3788032B1 (en) Compounds comprising a linker for increasing transcyclooctene stability
CN110167599B (zh) 包含引入β-半乳糖苷的自我牺牲型连接基团的化合物
KR20210041632A (ko) Psma 발현 세포에 의해 야기되는 질병을 치료하기 위한 컨쥬게이트
ES2735375T3 (es) Derivados funcionalizados de morfolinil antraciclina
US11091498B2 (en) Topoisomerase poisons

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110323

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110330

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110624

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110914