JPH09507075A - ロサルタンの多形とロサルタン▲ii▼形調製のための方法 - Google Patents

ロサルタンの多形とロサルタン▲ii▼形調製のための方法

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JPH09507075A JP7517594A JP51759495A JPH09507075A JP H09507075 A JPH09507075 A JP H09507075A JP 7517594 A JP7517594 A JP 7517594A JP 51759495 A JP51759495 A JP 51759495A JP H09507075 A JPH09507075 A JP H09507075A
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イー・アイ・デユ・ポン・ドウ・ネモウス・アンド・カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 ロサルタン(式I)の多形形態と、ロサルタンのII形の調製のためのプロセス。ロサルタンは、高血圧の治療に有効であることが知られている。

Description

【発明の詳細な説明】 ロサルタンの多形とロサルタンII形調製のための方法 発明の背景 本発明は、ロサルタン(losartan)の多形形態(polymorph ic form)と、形態的に均一なロサルタンを調製するための方法に係わる 。ロサルタンは、2−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−テトラゾール−5− イル)−ビフェニル−4−イル]メチル]−5−(ヒドロキシメチル)イミダゾ ールカリウム塩として公知であり、高血圧の治療に有効であることが既に実証さ れている。 本発明の化合物である、ロサルタンの多形形態は、オクタペプチドホルモンで あるアンギオテンシンII(AII)の作用を阻害することが知られており、従って 、アンギオテンシン誘発性高血圧を緩和する上で有効である。酵素レニンは、血 漿α2グロブリンであるアンギオテンシノーゲンに対して作用し、アンギオテン シンIを生じさせ、このアンギオテンシンIは、その後アンギオテンシン変換酵 素によってAIIに変換される。AIIは強力な血管収縮剤であり、様々な哺乳動物 種(例えば、ラット、犬、人間)において高血圧を生じさせるための原因剤 とされてきた。本発明の化合物は、標的細胞上のレセプターにおけるAIIの作用 を阻害し、このホルモンとレセプターとの間の相互作用によって生じる血圧上昇 を防止する。本発明の化合物を、AIIに起因するアテローム性動脈硬化症及び/ 又は高コレステロール血症及び/又は高血圧症の病状を有する哺乳動物種に投与 することによって、血圧を低下させる。本発明の化合物は、またコレステロール 総量を減少させることによって高コレステロール血症の治療に有効である。本発 明の化合物を利尿薬(例えばフロセミド又はヒドロクロロチアジド)と共に段階 的併用療法(最初に利尿薬)又は医薬混合物として投与することは、アテローム 性動脈硬化症を治療しコレステロールレベルを低下させると同時に、本発明の化 合物の抗高血圧薬効果を増強する。非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)と共 に本発明の化合物の投与することによって、NSAIDの投与で生じることがあ る腎不全を防止することが可能である。 K.Matsumura他は、1980年6月10日付けで与えられた米国特 許第4,207,324号の中で、次式の1,2−二置換−4−ハロイミダゾー ル−5−酢酸誘導体とその生理学上許容可能な塩を開示し、 前式中で、R1が水素、ニトロ、又は、アミノであり、R2が、(ハロゲン、低級 アルキル、低級アルコキシ、又は、二低級アルキルアミノで随意に置換される) フェニル、フリル、又は、チエニルであり、R3が水素又は低級アルキルであり 、Xがハロゲンである。これら化合物は利尿効果と血圧降下作用を有する。 Furukawa他は、1982年10月19日付けで与えられた米国特許第 4,355,040号の中で、次式を有する血圧降下性のイミダゾール−5−酢 酸誘導体とその塩とを開示し、 前式中で、R1が、随意に置換される低級アルキル、シクロアルキル、又は、フ ェニルであり、X1、X2、X3の各々が、水素、ハロゲン、ニトロ、アミノ、低 級アルキル、低級アルコキシ、ベンジルオキシ、又は、ヒドロキシであり、Yが ハロゲンであり、R2が水素又は低級アルキルである。 Furukawa他は、1982年7月20日付けで与えられた米国特許第4 ,340,598号の中で、次式を有する血圧降下性のイミダゾール誘導体とそ の塩とを開示し、 前式中で、R1が、ハロゲン又はニトロで随意に置換される低 級アルキル又はフェニルC1-2アルキルであり、R2が、随意に置換される低級ア ルキル、シクロアルキル、又は、フェニルであり、R3とR4の一方が、−(CH2nCOR5であり(前式中のR5がアミノ、低級アルコキシル、又は、ヒドロキ シルであり、nが0、1、2である)、R3とR4の他方が、水素又はハロゲンで あり、ただしR3が水素であり、n=1であり、且つ、R5が低級アルコキシル又 はヒドロキシルである場合にはR1が低級アルキル又はフェネチルである。 Furukawa他は、欧州特許出願103,647において、浮腫及び高血 圧症を治療するのに有効な、次式の4−クロロ−2−フェニルイミダゾール−5 −酢酸誘導体とその塩を開示し、 前式中でRが低級アルキルを表す。 血圧降下剤である4−クロロ−1−(4−メトキシ−3−メチルベンジル)− 2−フェニル−イミダゾール−5−酢酸の代謝と性質は、H.Toriiによっ てTakeda Kenkyushoho,41,No.3/4,180−19 1(1982)の中で開示されている。 Frazee他は、欧州特許出願125,033−Aの中で、ドーパミン−β −ヒドロキシラーゼの阻害剤であり、且つ、抗高血圧薬、利尿薬、及び、強心剤 として有効である1−フェニル(アルキル)−2−(アルキル)−チオイミダゾ ール誘導体を開示している。 S.S.L.Parhiによって1984年10月16日に出願された欧州特 許出願146,228は、1−置換−5−ヒドロキシメチル−2−メルカプトイ ミダゾールの調製方法を開示している。 Cross及びDickinsonに1984年5月15日付けで与えられた 米国特許第4,448,781号と、Ilzuka他に1980年10月7日付 けで与えられた米国特許第4,226,878号と、Regel他に1973年 11月13日付けで与えられた米国特許第3,772,315 号と、Vorbruggen他に1983年4月12日付けで与えられた米国特 許第4,379,927号等のような幾つかの文献が、1−ベンジル−イミダゾ ール類を開示する。 Pals他、Circulation Research,29,673(1 971)は、脳脊髄穿刺ラットの血圧に対する内在性血管収縮性ホルモンAIIの 作用を遮断する(オクタ)ペプチドを得るために、AIIの1位にサルコシン残基 を導入し、且つ、その8位にアラニンを導入することを開示している。最初は「 P−113」と呼ばれ、後に「サララシン」と呼ばれるようになったこの類似体 [Sar1,Ala8]AIIは、AIIの作用に対する極めて強力な競合的アンタゴ ニストの1つであることが発見されたが、所謂「ペプチド−AIIアンタゴニスト 」の殆どと同様に、それ自体のアゴニスト的作用を有する。サララシンは、循環 AIIに(高い)血圧が由来する時に哺乳動物と人間とにおいて動脈圧を低下させ ることが実証されている(Pals 他,Circulation Resea rch ,29,673(1971);Streeten及びAnderson, Handbook of Hypertension,第5巻,Clinica l Pharmacology of Antihypertensive Drugs,A.E.Doyle編,E lsevier Science Publishers B.V.,p.24 6(1984))。しかし、AIIが原因でない場合には、サララシンは、そのア ゴニスト特性のために昇圧作用を生じさせることがある。更に、サララシンはペ プチドであるので、その薬理学的作用は比較的短期しか持続せず、こうした作用 は非経口的投与後に発現するだけであり、経口投与では効果がない。サララシン のようなペプチドAII遮断薬を治療目的に使用することは、経口投与では効果が なく且つ作用の持続期間が短いために、著しく制限されており、こうしたペプチ ド性AII遮断薬の主要な用途は、薬理学的標準物質としてであるに過ぎない。 現在は、幾つかのAIIアンタゴニストが開発中である。こうした開発中のAII アンタゴニスト候補の中には、DuPontに1992年8月11日付けで与え られた米国特許第5,138,069号に開示されているロサルタンがある。ロ サルタンは、AT1レセプターサブタイプに対して選択的である、経口的に活性 のAIIアンタゴニストであることが実証されている。 公知の非ペプチド性抗高血圧薬は、AIIへのアンギオテンシ ンIの変換をもたらすアンギオテンシン変換酵素(ACE)と呼ばれる酵素を阻 害することによって作用する。従って、こうした薬剤は、ACE阻害剤、又は、 変換酵素阻害剤(CEI)と呼ばれる。カプトプリル(captopril)と エナラプリル(enarapril)は、市販入手可能なCEIである。実験及 び臨床的根拠に基づいて述べれば、高血圧症患者の約40%は、CEIによる治 療に対して非反応である。しかし、フロセミド又はヒドロクロロチアジドのよう な利尿薬をCEIと共に投与する場合には、大部分の高血圧症患者の血圧が効果 的に正常化される。利尿薬治療は、血圧調節における非レニン依存状態をレニン 依存状態に転換する。本発明のイミダゾールは、異なったメカニズムによって、 即ち、アンギオテンシン変換酵素を阻害することによってではなく、AIIレセプ ターを遮断することによって作用するが、いずれのメカニズムも、レニン−アン ギオテンシン連鎖を妨害することを含む。CEIエナラプリルマレエートと利尿 薬ヒドロクロロチアジドの組合せが、本出願人からVaseretic(登録商 標)の名称の製品として入手可能である。利尿薬を最初に使用する段階的併用投 与、又は、物理的な混合物の形で、CEIと組み合わせて利尿薬を 高血圧治療に使用することに関連する文献は、Keeton,T.K.及びCa mpbell,W.B.,Pharmacol.Rev.,31:81(198 1)と、Weinberger,M.H.,Medical Clinics N.America,71:979(1987)を含む。抗高血圧作用を増強す るためにサララシンと組み合わせて利尿薬を投与することも既に行われている。 非ステロイド性抗炎症薬が、腎臓に対して潅流が行われており且つ高血漿レベ ルのAIIが認められる患者において、腎不全を誘発することが報告されている( Dunn,M.J.,Hospital Practice,19:99,19 84)。NSAIDと組み合わせて(段階的併用投与又は物理的な混合物の形で )本発明のAII遮断化合物を投与することによって、こうした腎不全を防止する ことが可能である。サララシンが、犬においてインドメタシンとメクロフェナマ ートの腎臓血管収縮作用を阻害することが証明されている(Satoh他,Ci rc.Res .36/37(Suppl.1):I−89,1975;Blas ingham,他,Am J.Physiol.239:(F360,1980 ))。CEI であるカプトプリルは、非低血圧性出血の犬におけるインドメタシンの腎臓血管 収縮薬作用を阻止することが実証されている(Wong他,J.Pharmac ol.Exp.Ther.219:104,1980)。 分子構造、結晶性、多形性を解明するために、赤外分光法とラマン分光法とが 広く使用されている。低周波ラマンモードは、結晶における異なった分子充填状 況を区別するために特に有効である(J.C.Decius及びR.M.Hex ter,Molecular Vibrations in Crystals ,McGraw−Hill,New York,1977)。固体13C NMR 分析法も、医薬化合物の特性評価のために使用される(H.Y.Aboul−E nein,“Applications of solid−state Nu clear Magnetic resonance spectroscop y to pharmaceutical research”,Spectr oscopy 5(3):32(1990))。E.R.Andrews他によ ってNature(Lond.)183:1802−1803(1959)に説 明されているようにマジック角度回転 (MAS)による感度増強のため、A.Pines他,J.Chem Phys 59:569−590(1973)によって説明されているような交差分極( CP)と、分解能を増強するためのハイパワープロトンデカップリングとを使用 して得られる13Cスペクトルが、適切な構造情報と動的情報とをもたらすことが 証明されている(S.R.Byrn他,Trans.Am. Crystall ogr.Assoc. 24:41−54(1989))。図面の簡単な説明 図1 加熱前(A)と255℃での熱処理の後(B)の、ロサルタンのDSC示差熱 分析曲線である。加熱速度は毎分10℃である。熱処理前の上記材料はI形と識 別され、熱処理後の上記材料はII形と識別される。 図2 ロサルタン多形のX線粉末回折パターン:(A)I形、(B)II形。 図3 1150cm-1から600cm-1のロサルタン多形のFTI Rスペクトル:(A)I形、(B)II形。 図4 1800cm-1から1150cm-1のロサルタン多形のFTIRスペクトル: (A)I形、(B)II形。 図5 1100cm-1から600cm-1のロサルタン多形のラマンスペクトル:(A )I形、(B)II形。 図6 180cm-1から400cm-1のロサルタン多形のラマンスペクトル:(A) I形、(B)II形。 図7 ロサルタン多形の固体13CP/MAS NMRスペクトル[高磁場領域]:( A)I形、(B)II形。 図8 ロサルタン多形の固体13CP/MAS NMRスペクトル[低磁場領域]:( A)I形、(B)II形。発明の詳細な説明 本発明は、ロサルタンの2つの多形形態、即ち、「I形」と「II形」それ自体 と、ロサルタンII形の調製のためのプロセ スに係わる。ロサルタンは、2−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−テトラゾ ール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]メチル]−5−(ヒドロキシメチル )イミダゾールカリウム塩(次式I)として公知であり、AT1選択性アンギオ テンシンIIアンタゴニストとして高血圧の治療に有効であることが既に実証され ている。 合成 米国特許第5,138,069号、及び、WO 93/10106、又は、そ れに対応する3つの米国特許である、米国特許第5,130,439号(199 2年7月14日交付)、同第5,206,374号(1993年4月27日交付 )、米 国特許出願番号07/911,813(1992年7月10日出願)の1つに開 示されている反応と方法とによって、ロサルタンを調製することが可能である。 下記の実施例は、式Iの化合物であるロサルタンの調製と、「I形」及び「II 形」と呼ばれるロサルタンの多形形態の同定と、形態的に均一なロサルタンを調 製するためのプロセスとを更に詳細に示すためのものであり、これらの実施例を 、添付クレームで定義する本発明を限定するものと理解又は解釈してはならない 。実施例1 2−n−ブチル−4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−1−[(2′−(1H− テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]イミダゾール[Du p−753] ステップA4′−メチルビフェニル−2−カルボン酸の調製 4′−メチルビフェニル−2−カルボン酸メチル(10.0g、44.2mm ol、1当量)と、メタノール中の0.5N KOH(265.5mL、133 mmol、3当量)と、水(50mL)とを混合し、N2下で還流させた。5時 間後に 溶媒を真空下で取り除き、水(200mL)と酢酸エチル(200mL)を加え た。水性相を濃塩酸でpH3に酸性化し、層を分離させた。水性相を酢酸エチル で抽出し(2×200mL)、有機層を収集し、脱水し(MgSO4)、溶媒を 真空下で除去し、白色固体8.71gを得た。m.p.140.0−145.0 ℃。 NMR(200MHz,DMSO−d6)δ 7.72(d,1H,J=7Hz );7.56(t,1H,J=7HZ);7.45(d,1H,J=7Hz); 7.40(t,1H,J=7Hz);7.25(s,4H);2.36(s,3 H)C14122に関する分析; 計算値: C,79.23;H,5.70 実測値: C,79.22;H,5.47ステップB4′−メチル−2−シアノビフェニルの調製 4′−メチルビフェニル−2−カルボン酸(8.71g、41mmol、1当 量)と塩化チオニル(30.0mL、411mmol、10当量)を混合し、2 時間還流させた。過剰の塩化チオニルを真空除去し、残渣をトルエン中に溶解し た。トルエンを回転蒸発によって取り除き、このトルエン蒸発手順 を、塩化チオニル全てが除去されるまで繰り返した。その後、粗酸塩化物を、低 温(0℃)の濃NH4OH(50mL)に対して、温度を15℃未満に維持する ようにゆっくりと加えた。撹拌を15分続けた後に、水(100mL)を加える と、固体が沈殿した。これを収集し、水で十分に洗浄し、一晩デシケーター内で P25上で高真空下で乾燥させ、白色の固体7.45gを得た。m.p.126 .0−128.5℃。 NMR(200MHz,DMSO−d6)δ 7.65−7.14(m,10H )、2.32(s,3H) C1413NOに関する分析; 計算値: C,79.59;H,6.20;N,6.63 実測値: C,79.29;H,6.09;N,6.52 上記生成物アミド(7.45g、35mmol、1当量)と塩化チオニル(2 5.7mL、353mmol、10当量)を混合し、3時間還流させた。上記手 順と同じ手順で塩化チオニルを取り除いた。残渣を少量のヘキサンで洗浄し、こ れは部分的に生成物を可溶化させるものだが、不純物も取り除かれ、白色の固体 6.64gを得た。m.p.44.0−47.0℃。 NMR(200MHz,DMSO−d6)δ 7.95(d, 1H,J=8Hz);7.78(t,1H,J=7Hz);7.69−7.32 (m,6H);2.39(s,3H) C1411Nに関する分析; 計算値: C,87.01;H,5.74 実測値: C,86.44;H,5.88ステップC4′−ブロモメチル−2−シアノビフェニルの調製 4′−メチル−2−シアノビフェニル5.59gと、N−ブロモスクシンイミ ド29mmolと、過酸化ベンゾイル0.9mmolと、四塩化炭素500mL との溶液を3時間還流させた。室温に冷却した後、懸濁液を濾過し、真空下で濃 縮し、粗4′−ブロモメチル−2−シアノビフェニルを得た。生成物をエーテル から再結晶させ、生成物4.7gを得た。m.p.114.5−120.0℃。 NMR(200MHz,CDCl3)δ 7.82−7.37(m,8H);4 .50(s,2H) C1410BrNに関する分析; 計算値: C,61.79;H,3.70;N,5.15 実測値: C,62.15;H,3.45;N,4.98ステップD2−n−ブチル−4−クロロ−1−[2′−シアノビフェニル− 4−イル)メチル]−5−(ヒドロキシメチル)−イミダゾールの調製 25℃のジメチルホルムアミド20mL中にナトリウムメトキシド1.43g を含む懸濁液に、DMF15mL中に(米国特許第4,355,040号記載の 通りに調製した)2−ブチル−4(5)−クロロ−5(4)−ヒドロキシメチル イミダゾール15.3mmolを含む溶液を加えた。得られた混合物を、0.2 5時間25℃で還流し、この混合物4.6gに、DMF15mL中の4′−ブロ モメチル−2−シアノビフェニル16.9mmolを加えた。最後に、反応混合 物を4時間40℃で撹拌した。25℃に冷却した後に、溶媒を真空除去した。残 渣を1:1ヘキサン/酢酸エチル中に溶解し、この溶液を水とブラインとで洗浄 し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗生成物は2つの位置異 性体を含み、TLCにおいて、より速く移動する異性体が、より高活性の異性体 であることがわかった。1:1ヘキサン/酢酸エチル中におけるシリカゲル上で のフラッシュクロマトグラフィーによって、上記位置異性体を分離し、より速く 溶出する異性体2.53gを 得た。アセトニトリルからの再結晶によって、分析上純粋な生成物1.57gを 得た。m.p.153.5−155.5℃。 NMR(200MHz,CDCl3)δ 7.82−7.43(m,6H);7 .12(d,2H,J=8Hz);5.32(s,2H);4.52(s,2H );2.62(t,2H,J=7Hz);1.70(tt,2H,J=7,7H z);1.39(qt,2H,J=7,7Hz);0.90(t,3H,J=7 Hz) C2222ClN3Oに関する分析; 計算値: C,69.56;H,5.84;N,11.06 実測値: C,69.45:H,5.89;N,10.79ステップE2−n−ブチル−4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−1−[( 2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]イミ ダゾールの調製 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−シアノビフェニル−4−イル) −メチル]−5−(ヒドロキシメチル)イミダゾール(11.93g、1.0当 量)とアジ化ナトリウム(3当量)と塩化アンモニウム(3当量)とを、N2下 において、還流冷却器に接続した丸底フラスコ内のDMF(150m L)中で混合して撹拌した。温度調整器が付いた湯浴を使用して、反応物を2日 間100℃に加熱し、その後、120℃に温度を上昇させ、6日間維持した。反 応物を冷却し、更に塩化アンモニウム3当量とアジ化ナトリウムとを加えた。反 応物を再び120℃に5日間加熱した。反応物を冷却し、無機塩を濾過し、濾液 の溶媒を真空除去した。水(200mL)と酢酸エチル(200mL)を残渣に 加え、層を分離させた。水性層を酢酸エチル(2×200mL)で抽出し、有機 層を収集し、脱水し(MgSO4)、溶媒を真空下で取り除き、暗黄色の油を得 た。100%酢酸エチルから100%エタノールまでのシリカゲル上でのフラッ シュクロマトグラフィーによって生成物を精製し、淡黄色の固体5.60gを得 た。アセトニトリルからの再結晶によって、まだ融点範囲の広い淡黄色の結晶4 .36gを得た。この結晶を熱アセトニトリル100mL中に溶解した。溶解し なかった固体を濾別し、生成物1.04gを淡黄色の固体として得た。m.p. 183.5−184.5℃。母液を冷却した後に、更に1.03gの生成物を淡 黄色の固体として得た。m.p.179.0−180℃。 NMR(200MHz,DMSO−d6)δ 7.75− 7.48(m,4H);7.07(d,2H,J=9Hz);7.04(d,2 H,J=9Hz);5.24(s,2H);5.24(bs,1H);4.34 (s,2H);2.48(t,2H,J=7Hz);1.48(tt,2H,J =7,7Hz);1.27(qt,2H,J=7,7Hz);0.81(t,3 H,J=7Hz) C2223ClN6Oに関する分析; 計算値: C,62.48;H,5.48;Cl,8.38 アセトニトリル100mL中に溶解しなかった固体に関する実測値:C,62 .73;H,5.50:Cl,8.26 母液から得た固体に関する実測値: C,62.40;H,5.23;Cl,8.35 (注意) 上記反応は、本出願人の場合にはそうした事態は起こらなかったが、 爆発の危険性がある。反応中に昇華し還流冷却器内に回収された結晶は分析しな かったが、アジ化アンモニウムである可能性がある。衝撃に対して敏感なアジ化 水素酸が上記反応と後処理との際に生成している可能性もある。最大限の注意が 必要である。実施例2 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(2−トリフェニルメチル−2H −テトラゾール−5−イル)−1,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1 H−イミダゾール−5−メタノール ステップA2−(2′−トリフェニルメチル−2′H−テトラゾール−5′ −イル)フェニルボロン酸 第1法 窒素パージ下の22Lフラスコにアセトン8.25Lを充填し、5−フェニル テトラゾール1.1kgを充填した。トリエチルアミン(800g)を、多少冷 却して温度を35℃に維持するような速度で加えた。固体塩化トリチルをこの淡 色の懸濁液中に1回につき440gずつ5回に分けて加えた。温度を35℃未満 に維持した。追加のアセトン1.38Lを反応物に加え、2時間撹拌しながら2 5−30℃に維持した。水(2.2L)を加え、混合物を15−20℃に冷却し た。固体を濾過によって集め、濾過ケークを50%アセトン−水(1.65L) で洗浄し、過剰量の水で洗浄した。湿ったケークをアセトン8L中で再びスラリ ー化し、水8Lをゆっくりと加えた。懸濁 液を1時間撹拌し、濾過した。濾過ケークを3−5Lの水ですすいだ。白色の固 体を40−45℃の真空オーブン内で3.0kgの恒量となるまで乾燥させた。 m.p.158−160℃。 窒素パージ下の乾燥した12Lフラスコに無水テトラヒドロフラン(THF) 3.19Lを充填した。上記で調製した5−フェニル−2−トリチル−テトラゾ ール398gを、撹拌しながら加えた。系を減圧し、3回窒素を放出し、その後 で−20℃に冷却した。ヘプタン中にブチルリチウムを含む溶液(1.6M、4 77g)を、温度を−15℃から−20℃に維持しながら反応混合物に加えた。 得られた濃赤色の溶液を−5℃で1時間撹拌し、この撹拌中にリチウム塩が晶出 した。固体懸濁物を再び−25℃に冷却し、トリイソプロピルボレート333g を−20℃から−25℃の範囲内の温度で加えた。添加後に、特に加熱せず混合 物を20℃に温めた。約2.5Lの溶媒を真空蒸留によって除去した。内温を4 0℃未満に維持した。混合物に3%酢酸水溶液2.66Lを加え、得られた懸濁 液を1時間撹拌した。白色の固体を濾過によって収集した。固体ケークを20% テトラヒドロフラン水溶液1.5Lで洗浄し、更に水3Lで洗浄した。固体を室 温において真空乾燥させ、 恒量502.3gにした。m.p.142−146℃(分解)。第2法 標題化合物を調製する別の好ましい手順は、次に示す手順である。 5−フェニルテトラゾール(14.6g、100mmol)を、窒素下の無水 THF(120mL)中に懸濁させ、15−20℃に温度を維持しながらトリエ チルアミン(14.8mL、105mmol)を加えた。その後、無水THF( 60mL)中のトリフェニルクロロメタン(29.3g、105mmol)を、 25℃以下の温度の混合物にゆっくりと加えた。添加完了後、混合物を35℃に 1時間温め、1時間0℃に冷却した。沈殿したトリエチルアンモニウムクロリド を濾別し、濾液を真空/窒素パージ(3回)によって脱気した。脱気した溶液を −20℃に冷却し、ピンク色が2分間持続するまでブチルリチウム(ヘキサン中 に1.6M)を加えた。ピンク色は、溶液が完全な脱水状態にあることを示す。 追加のブチルリチウム(65.6mL、105mmol)を−15℃以下の温度 で充填した。濃赤色の不均一混合物を−20℃から−15℃の温度で1時間熟成 させ、温度を−15℃以下に維持しながらトリイ ソプロピルボレート(30.6mL、130mmol)を加えた。 上記濃赤色の溶液を−15℃で30分間熟成させ、その後1時間かけて10℃ に温めた。15℃以下の温度で真空中で混合物の体積を〜200mLまで減少さ せ、この時に(THFに対して)5%未満のヘキサンが残っていた。残渣をTH Fで希釈して総体積を160mLにし、イソプロパノール(60mL)を加えた 。容器を0℃に冷却し、飽和水性塩化アンモニウム(40mL、200mmol )を15分以内で加えた。混合物を30分間20℃から25℃で熟成させ、水( 100mL)を30〜45分かけて加えた。1時間混合物を熟成させた後に、結 晶した組成物を濾過によって収集し、低温の80%水性イソプロパノールで洗浄 した。濾過ケークをフィルター上で空気乾燥し、THF一溶媒和物として生成物 69.7g(収率86%、82%純度により補正)を得た。ステップB2−n−ブチル−4−クロロ−5−ヒドロキシメチル−1−p− ブロモベンジル−1H−イミダゾール ジメチルアセトアミド(1.0L)中に2−n−ブチル−4−クロロ−1H− イミダゾール−5−カルボキシアルデヒド (146.9g、0.78mol)とp−ブロモベンジルブロミド(195g、 0.78mol)を含む懸濁液を0℃に冷却し、炭酸カリウム(1.38g、1 .0mol)を加えた。混合物を0℃で3時間、その後2〜4時間20℃から2 5℃で熟成させた。混合物をジメチルアセトアミド(0.15L)で希釈し、濾 過した。濾過ケークをジメチルアセトアミド(50mL)で洗浄した。合わせた 濾液をメタノール(0.66L)で希釈し、0℃に冷却した。ホウ水素化ナトリ ウム(37.8g、1.0mol)を固体で加え、混合物を2時間撹拌しながら 20〜25℃で熟成させた。水(1.56L)をゆっくりと加え、生成物を結晶 させた。濾過ケークを水(1.56L)で慎重に洗浄し、真空下で60℃で乾燥 した。収量は255gだった(91%、99.5%純度により補正)。ステップC2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(2−トリフェニ ルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−1,1′−ビフェニル−4−イル )メチル]−1H−イミダゾール−5−メタノール この実施例に関して説明する全ての操作は窒素雰囲気下で行った。触媒の調製 塩化パラジウム(10.6mg)とトリフェニルホスフィン(31.5mg) の混合物に、無水トルエン(4mL)を加えた。真空/窒素パージ(3回)によ って不均一溶液を脱気し、30分間60℃に加熱した。亜リン酸トリイソプロピ ル(30.0μL)を加え、均一溶液が得られるまで混合物を更に60℃に加熱 した(1〜2時間)。カップリング 2−(2′−トリフェニルメチル−2′H−テトラゾール−5′−イル)フ ェニルボロン酸(実施例2、ステップA)(1.3g)をトルエン(4mL)中 に懸濁させ、水(100μL)を加えた。不均一混合物を室温で30分間撹拌し 、炭酸カリウム(0.7g)を加え、その後実施例3のステップBの標題生成物 (0.7g)を加えた。混合物を真空/窒素パージによって脱気し(3回)、上 記触媒溶液を加えた。混合物の温度は80℃から85℃に上がり、この温度に2 時間維持した。混合物を40℃に冷却した後に、水(5mL)を加えた。水性層 を取り除き、有機相を真空下で30℃以下の温度で濃縮し、〜3mLの体積にし た。メチルi−ブチルケトン(MIBK) (8mL)を加え、混合物の体積を再び〜3mLに減少させた。混合物をMIB K(4mL)と水(36μL)で希釈し、60℃に加熱した後に冷却し、最初に 0℃で30分、その後2時間−10℃で撹拌しながら熟成させた。結晶化した生 成物を濾過によって−MIBK溶媒和物として回収した(1.44g、収率94 %)。粗生成物を80℃のMIBK(2.1mL)中に溶解し、溶液を80℃で 熱濾過し、水(33.8μL)を加えた。溶液を1時間かけてゆっくりと0℃に 冷却し、最初に0℃で30分間、その後2時間−10℃で撹拌しながら熟成させ た。濾過した後、一MIBK溶媒和生成物1.38gを回収した(収率90%) 、実施例3 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(2−トリフェニルメチル−2H −テトラゾール−5−イル)−1,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1 H−イミダゾール−5−メタノール この実施例に関して説明する全ての操作は、窒素雰囲気下で行った。ステップA触媒の調製 次の2つの手順の各々を使用して、同様の結果を得ることが可能である。第1法 : 塩化パラジウム(354mg)とトリフェニルホスフィン(2.1g)の混合 物に、無水テトラヒドロフラン(THF)(75mL)を加えた。不均一溶液を 真空/窒素パージによって脱気し(3回)、4時間還流させた。 上記塩化パラジウムの殆どが、還流中にビス(トリフェニルホスフィン)パラ ジウムクロリドに変化した。この時点では、まだ幾つかの黒色の不溶固体が観察 された。 ホスフィン化塩化パラジウムを含む不均一なTHF溶液を室温に冷却し、ジエ チル亜鉛(4.0mL、ヘキサン中に1M)を加えた。30分間撹拌した後に、 少量の黒色固体を含んではいるが、溶液が実質的に均質になった。この活性化し た触媒溶液を、下記のカップリング段階で使用した。第2法 : 塩化パラジウム(354mg)とトリフェニルホスフィン(2.1g)の混合 物に、無水THF(75mL)を加えた。 不均一溶液を真空/窒素パージによって脱気し(3回)、亜リン酸トリイソプロ ピル(0.99mL)を加えた。塩化パラジウムの全てが溶解し、均一な溶液が 得られるまで、混合物を室温に維持した(0.5〜1時間)。ステップBベンジルトリメチルアンモニウムカーボネートの調製 ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(42g)に、炭酸アンモ ニウム(5.0g)を加え、炭酸アンモニウム全てが溶解し終わるまで(〜30 分)、撹拌しながら反応物を熟成させた。メタノール溶媒を真空下で取り除き、 更に、THFで置き換えた(3×10mL)。残った炭酸塩をTHF(90mL )中に溶解した。ステップCカップリング段階 実施例3のステップBで調製した炭酸塩溶液に、実施例2の標題生成物(24 .0g)と実施例2のステップBの標題生成物(14.2g)とを加えた。混合 物を真空/窒素パージによって脱気し(5回)、実施例3のステップA(第1法 又は第2法)で説明した通りに調製した触媒溶液を加えた。反応混合物を加熱し て還流させ、完了まで熟成させ(8〜10時間)、室 温に冷却し、セライトパッドを通して濾過した。そのセライトパッドを更にTH Fで洗浄した(3×10mL)。収率は89重量%だった。実施例4 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(テトラゾール−5−イル)−1 ,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−メタノー ルカリウム塩 実施例2又は実施例3から得た2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′− (2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−1,1′−ビフ ェニル−4−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−メタノール(5.0g 、6.54mmol)をTHF(60mL)中に溶解した。4N硫酸(38mL 、152mmol)を25℃から30℃で撹拌しながら加えた。その溶液を20 〜25℃で一晩熟成させ、その後酢酸イソプロピル(60mL)を加えた。層を 分離させ、有機相を4N硫酸(19mL)で逆抽出した。水性相を合わせ、有機 溶媒(THFと酢酸イソプロピル)を真空下で取り除いた。残った水溶液をTH Fで希釈し(10体積%のTHF)、Ecosorb S 402パッド(5. 0g)を通した。そ のパッドを4N硫酸中の10%THFで洗浄した。濾液をSP−207カラム( 60mL)を通過させ、このカラムを水(180mL)で洗浄し、1M K2H PO4(180mL)で洗浄した。カリウム塩の形成の完了を確認するために、 溶出液のpHを監視した。水(180mL)で更に洗浄することによって、硫酸 塩と過剰なリン酸塩とを取り除いた。カリウム塩生成物を20%水性THFで溶 出させた。水溶液の濃縮と、イソプロパノールによる希釈によって、結晶性生成 物を得た。或いは、その代わりに、生成物を噴霧乾燥によって単離した。収量は 2.56g(85%)だった。実施例5 1−ブロモ−4−(2′−n−ブチル−4′−クロロ−5′−ヒドロキシメチル イミダゾール−1′H−1′−イル)メチルベンゼン ステップAアルキル化 窒素雰囲気下において、機械的撹拌機と熱電対とを装着した1リットル3首フ ラスコ内のジメチルアセトアミド200mLに、2−n−ブチル−4−クロロ− 5−ホルミル−1H−イミダゾール30.8g(0.163mol)と4−ブロ モベンジ ルブロミド43.7g(0.16mol)とを加える。溶液を−5℃に冷却し、 反応温度を−5℃から0℃の間に保ちつつ手早く撹拌しながら、10分かけて粉 末炭酸カリウム27.1g(0.19mol)を少しずつ加える。スラリーを− 5℃で2時間撹拌し、更に室温で2時間撹拌し、更に室温で2時間、即ち、アル キル化が完了するまで撹拌する。ステップB濾過 上記スラリーを濾過し、濾過ケークを、ジメチルアセトアミド(30mL)と メタノール(130mL)との無水混合物で洗浄する。濾液を次のステップでそ のまま使用する。ステップC還元 窒素雰囲気下で、機械的撹拌機と熱電対とを装着した5リットル3首フラスコ 内の−15℃の上記濾液に、−15℃から−5℃に反応温度を維持しながら、粉 末化したホウ水素化ナトリウム1.85g(48mmol)を少しずつ加える。 混合物を室温に温め、1時間、即ち、還元が完了するまで、熟成させる。ステップD結晶化 混合物の温度を20℃から25℃に維持して、手早く撹拌し ながら、10分かけて、酢酸(2.74mL)を少しずつ加える。この混合物を 室温で0.5時間熟成させ、水(160mL)を1時間かけて滴状に加える。そ の溶液にイミダゾール4を接種し、水(160mL)を1時間かけて滴状に加え る。生成物が0.5時間内に沈殿する。スラリーを室温で2時間熟成させ、10 ℃に冷却し、0.5時間熟成させ、固体を濾過する。濾過ケークを水320mL で洗浄し、室温で2時間窒素下で吸引乾燥し、12時間60℃未満の温度でハウ ス真空(−24psi)下でオーブン乾燥し、1−ブロモ−4−(2′−n−ブ チル−4′−クロロ−5′−ヒドロキシメチルイミダゾール−1′H−1′−イ ル)メチルベンゼンを白色の固体として得る(HPLC検定:98.8面積%、 97.2重量%、総収率:92.4%、位置異性体0.5重量%)。実施例6 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(2−トリフェニルメチル−2H −テトラゾール−5−イル)−1,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1 H−イミダゾール−5−メタノール ステップA触媒の調製 トリフェニルホスフィン(262mg、1.0mmol)をTHF(20mL )中に溶解し、溶液を真空/窒素パージによって脱気する(3回)。酢酸パラジ ウム(56mg、0.25mmol)を加え、溶液を再び脱気する(3回)。得 られた溶液を30分間60℃に温め、その後25℃に冷却する。ステップBカップリング 註:溶媒全てを脱気しなければならない。 2−(2′−トリフェニルメチル−2′H−テトラゾール−5′−イル)フェ ニルボロン酸(15.4g)26.7mmol、純度75重量%)をジエトキシ メタン(DEM)(80mL、KF≦500mg/mL)中に懸濁させる。水( 0.55mL、31mmol)を加え、スラリーを30分間外界温度で熟成させ る。熟成後に、追加の水(0.55mL、31mmol)を、撹拌しながらボロ ン酸懸濁液に加える。スラリーを、粉末炭酸カリウム(8.6g、62mmol )と、実施例5の標題生成物であるアルキル化イミダゾール(8.97g、25 mmol)とで処理する。混合物を30分間20〜25℃で熟成させ、十分に脱 気する(3回)。(註:パイロットプラントでは、脱気に著しく長い時間を要す るので、イミダゾールと炭 酸塩を加えた直後から脱気を開始してよい。)その後、触媒溶液を加え、混合物 を加熱還流させる(76℃−79°C)。反応は2−6時間で完了する。上記イ ミダゾールが消費され終わった後に、水(30mL)とTHF(25mL)を加 え、混合物を55〜60℃で撹拌する。水層を分離させ、有機層を水で洗浄する (30mL)。有機層を真空濃縮してTHFの大半を取り除き、体積50mLに する。追加のDEM(50mL)を加え、蒸留によってTHFを更に取り除き、 THFを5体積%以下に減少させる。残りの有機溶液を温(60℃)DEMで( 最終体積75mLに)希釈し、更に水(0.5mL、28mmol)で希釈する 。混合物を2時間かけてゆっくりと−12℃に冷却する。その後で、1時間−1 2℃で熟成させた後に、生成物を濾過によって収集する。濾過ケークを低温DE M(25mL)で洗浄する。40℃での真空乾燥によって、標題生成物(非溶媒 和物)15.5g(93%)を得た。[Pd=600−1000ppm]。実施例7 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(2−トリフェニルメチル−2H −テトラゾール−5−イル)−1,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1 H−イミダゾール−5−メタノール ステップA触媒の調製 トリフェニルホスフィン(262mg、1.0mmol)をTHF(20mL )中に溶解し、溶液を真空/窒素パージによって脱気する(3回)。酢酸パラジ ウム(56mg、0.25mmol)を加え、溶液を再び脱気する(3回)。得 られた溶液を30分間60℃に温め、その後25℃に冷却する。ステップBカップリング 註:溶媒全てを脱気しなければならない。 2−(2′−トリフェニルメチル−2′H−テトラゾール−5′−イル)フェ ニルボロン酸(15.4g、26.7mmol、純度75重量%)をジエトキシ メタン(DEM)(80mL、KF≦500mg/mL)中に懸濁させる。水( 0.55mL、31mmol)を加え、スラリーを30分間外界温度で熟成させ る。熟成後に、追加の水(0.55mL、31mmo l)を、撹拌しながらボロン酸懸濁液に加える。スラリーを、粉末炭酸カリウム (8.6g、62mmol)と、上記アルキル化イミダゾール(8.97g、2 5mmol)とで処理する。混合物を30分間20〜25℃で熟成させ、十分に 脱気する(3回)。(註:パイロットプラントでは、脱気に著しく長い時間を要 するので、イミダゾールと炭酸塩を加えた直後に脱気を開始してよい。)その後 、触媒溶液を加え、混合物を加熱還流させる(76℃−79℃)。反応は2時間 から6時間で完了する。上記イミダゾールが消費され終わった後に、水(30m L)とTHF(25mL)を加え、混合物を55−60℃で撹拌する。水層を分 離させ、有機層を水で洗浄する(30mL)。トリブチルホスフィン(0.62 mL、10モル%)を加え、有機層を真空濃縮してTHFの大半を取り除き、体 積50mLにする。追加のDEM(50mL)を加え、蒸留によってTHFを更 に取り除き、THFを5体積%以下に減少させる。残りの有機溶液を温(60℃ )DEMで(最終体積75mLに)希釈し、更に水(0.5mL、28mmol )で希釈する。その後、混合物を2時間かけゆっくりと−12℃に冷却する。1 時間−12℃で熟成させた後に、生成物を濾過によって 収集する。濾過ケークを低温DEM(25mL)で洗浄する。40℃での真空乾 燥によって、標題生成物(非溶媒和物)15.5g(93%)を得た。[Pd≦ 10ppm]。実施例8 メチルイソブチルケトン溶媒和物としての2−n−ブチル−4−クロロ−1−[ (2′−(2−トリフェニルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−1,1 ′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−メタノール メチルイソブチルケトン(MIBK)(40mL)中に実施例7の標題生成物 (5g)を含む懸濁液を脱気し(3回)、トリブチルホスフィン(0.12g、 8モル%)を加える。混合物を85℃に加熱し、この時に均一溶液が得られた。 脱気した水(0.135g、100モル%)を加え、溶液を2時間かけて−10 ℃に冷却する。不均一溶液を2時間−10℃で熟成させ、結晶した生成物を濾過 によって収集し、低温のMIBK(−10℃、15mL)で洗浄する。標題生成 物5.40gを回収した(93.9%、MIBK溶媒和物として)。実施例9 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(テトラゾール−5−イル)−1 ,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−メタノー ルカリウム塩[多形I形] ステップA脱保護 50:50MeCN:水の中に0.75M H2SO4を含む溶液10mLを加 え、実施例8の標題生成物であるメチルイソブチルケトン溶媒和物2.50gを 溶解する。23〜25℃で2時間25分熟成させる。2分間で水15mLを加え (より大きな規模では30分から1時間で加えることが可能である)、23〜2 5℃で1.75時間熟成させる。濾過して、5mLの20:80MeCN:水で 洗浄する。トリチルアルコール濾過ケーク中には開始材料は殆ど存在しなかった (<0.05面積%)。ステップB遊離酸の形成 上記濾液をMeCN13mLで希釈する。その溶液のpHは1.50である。 中和と結晶化の後の溶液の温度は22〜24℃だった。3N NaOH(pH1 .75−1.65)1.5mLを加えた後に、反応物に遊離酸20mgを接種す る。15 分間熟成させる。良好な結晶成長を助けるように追加の3MNaOH(1mL) をゆっくりと加える(この規模では、添加時間は5〜10分間だった)。30分 間熟成させる。残りの3M NaOH(pH3.60−3.50まで)を加える 。1時間熟成させる。白色のスラリーを濾過し、5mLの20:80MeCN: 水、次に水10mLで洗浄する。遊離酸濾過ケークを水で完全に洗浄することが 、塩を完全に除去するために必要である。SO4 -2の有無につき洗液を検査する ことが可能である。濾過ケークを、18時間35℃で、窒素パージをしながら、 真空オーブン中で乾燥させる。遊離酸の収量は1.28g(92.5%)であり 、母液中に遊離酸54mg(4%)が存在した。ステップC塩の形成 上記遊離酸4.0g(9.46mmol)に対して、0.842N KOH溶 液10.9mLを一度に加える。スラリーを30分間室温で熟成させ、この熟成 中に固体の大部分が溶解する。曇った溶液を濾過し、固体を半融ガラス漏斗上に 収集する。濾液のpHは9.05と測定される。水溶液を、シクロヘキサン/イ ソプロパノールの還流共沸混合物(69℃)に ゆっくりと加え、この時にシクロヘキサン/イソプロパノール/水の三元共沸混 合物が留出し始める(64℃)。溶液から水分がなくなると、塔頂温度は69℃ に上昇し、カリウム塩が結晶する。内容物含水率が0.05%未満になったら蒸 留を停止し、白色のスラリーを室温に冷却する。多形I形の白色結晶を半融ガラ ス漏斗上に収集し、10−15mLの67/33シクロヘキサン/イソプロパノ ールで洗浄し、真空オーブン内で乾燥させる(重量3.8g、収率95%)。実施例10 2−n−ブチル−4−クロロ−1−[(2′−(テトラゾール−5−イル)−1 ,1′−ビフェニル−4−イル)メチル]−1H−イミダゾール−5−メタノー ルカリウム塩[多形I形及びII形] 示差走査熱量測定[DSC]セル ロサルタン(I形)を上記実施例で説明した通りに調製した。窒素雰囲気下で 10℃/分の昇温速度で、平皿内の示差走査熱量測定(DSC)セル中でI形を 255℃に加熱することによって、多形II形を調製した。この多形の熱特性を、 サーマルアナライザーModel 1090(Du Pont Instruments)によるデータ解析によって、DSC Model 9 10(同社)上で解析した。 窒素雰囲気下で10℃/分で昇温した場合のロサルタン(I形)のDSC曲線 (図1A)は、229.5℃の外挿開始温度で小さな転化吸熱を示し、273. 2℃の外挿開始温度で大きな溶融吸熱を示した。255℃に加熱した試料からは 、10℃/分で窒素下に昇温したとき、この小さな吸熱が消えている(図1B) 。 X線粉末回折[XRPD] 銅チューブKα放射線を用いる自動X線回折計APD3720を使用して、X 線粉末回折(XRPD)パターンを記録した。 上記小さな吸熱を越えて加熱した試料についてのHPLC検査と溶液1H N MR検査と目視検査は化学変化のないことを示したが、XRPDパターン(図2 A、図2B)は、結晶構造の変化を示した。この事実から、上記小さな吸熱が互 換多形転移に対応すると結論付けた。上記大きな吸熱は高温度型形の溶融である 。低温度安定型多形(転移温度まで)をI形と呼び、高温度安定型多形をII形と 呼ぶ。非水性溶媒中の(DSCから得た)I形とII形の溶解度データに基づき、 イソプロパノール(〜35mg/g)とメチルエチルケトン(〜1mg/g)と 酢酸エチル(〜0.3mg/g)との中で25℃で一晩平衡化すると、II形がI 形に転化することが明らかになった。25℃の酢酸イソプロピル中で一晩平衡化 した後では、いずれの形からも転化がなく、I形の溶解度は18μg/mLであ り、II形の溶解度は41μg/mLだった。25℃における溶解度の調査によっ て、室温において、I形が、より高い熱力学的安定性を有する多形であるという 結論を確認した。I形は、溶媒単離すると常に得られる固体変形である。このこ とを、様々な条件で上記薬剤物質を再結晶させてXRPDで分析することによっ て確認した。II形は、DSC、又は、それに関連した高温度実験だけから得られ ている。 フーリエ変換赤外スペクトル[FTIR] 上記2つの多形について、多形のフーリエ変換赤外分光分析(FTIR)スペ クトルを、窒素冷却MCT検出器を装着したAnalect AQS−20分光 計によって得た。試料を臭 化カリウムと共に微粉砕し、拡散反射補助具を使用して4−cm-1分解能でスペ クトルを記録した。 1800−600cm-1領域内の上記2つの多形のFTIRスペクトルを図3 と図4に示す。これらのスペクトルの特徴の多くは類似しているが、明確な相違 点がある。I形は、700−850cm-1のスペクトル領域内で、より大きな多 重性を示し(図3A)、一方、そのモードは、主として芳香族環内のC−H面外 変角振動に起因する。D.Lin−Vien他を参照されたい。この領域内では 、I形は4つのモードを有し、これに対して、II形は3つのモードだけを有する にすぎない(図3B)。I形だけが有するモードは、分裂なしに750cm-1付 近で生じるC−H面外変角振動モードの分裂のために生じる。この多形における 分子充填は、2つの互いに異なる分子からの芳香族環が、Van der Wa als相互作用と、C−H面外変角モードに関連付けられた転移双極モーメント の間の相互作用とを可能とするように配位されるようになっているためであろう 。こうした相互作用は振動分裂を生じさせることが知られている。従って、I形 の場合には、764cm-1と713cm-1とに2つのモードがある。II形の場合 には、違っ た様式で分子が配列されるために同様の分子間相互作用が不可能となり、754 cm-1付近には1つのバンドが観察されるだけである。850−970cm-1の 領域内で生じるイミダゾール環モード(D.Lin−Vien他を参照されたい )は、I形では886cm-1、934cm-1、及び、953cm-1において3つ の吸収バンドを示し、これとは対照的に、II形は、934cm-1付近に1つの吸 収バンドを示すにすぎない(図3)。脂肪族領域内においては、イミダゾール環 のn−ブチル鎖のメチル基におけるC−H対称変角振動に起因する、II形におけ る1357cm-1付近の単一のモードが、I形では分裂していることが観察され る(図4)。これら2つの多形の間の吸収パターンの相違が、これら2つの結晶 形態における分子間相互作用の相違に起因していることを、IRデータが示唆し ている。 ラマンスペクトル 光電子倍増管と光学マルチチャンネル検出器とを備えたSpex 1877三 重分光計でラマンスペクトルを記録した。石英毛管内に入れた試料を、Cohe rent Innova−70アルゴンイオンレーザーからの514.5nmビ ームによって励起した。試料にあたるレーザー出力を約150mWに調整し、ス ペクトル分解能は約4cm-1だった。 IRスペクトルとラマンスペクトルとにおいて観察されるモードの全てを帰属 させる試みは行わなかった。上記2つの多形に関して顕著な相違が観察されたス ペクトル領域のみを、関連化合物に関する公開文献に基づいて帰属させた。D. Lin−Vien他,The Handbook of In frared and Raman Characteristic Freq uenies of Organic Molecules ,Academic Press,New York,1991を参照されたい。 600−1100cm-1のスペクトル領域内の上記2つの多形のラマンスペク トルを、図5Aと図5Bに示す。ラマン分光測定法と赤外分光測定法は互いに相 補的であるが、これらは互いに異なった対称依存性選択規則を有する。例えば、 ビフェニル環におけるC−H面外振動は、IR(図3Bの754cm-1付近)に おいて激しく、一方、ラマンにおいては非常に弱く、II形のラマンスペクトルで は763cm-1付近で観察される(D.Lin−Vien他を参照されたい)。 しかし、このバンドはI形では分裂しており、2つのモードが710cm-1と7 60cm-1とに現れる(図5A)。II形(図5B)のラマンスペクトルにおいて 803cm-1で観察される(D.Lin−Vien他を参照されたい)イミダゾ ール環に関連した環ゆらぎモード(ring breathing mode) は、I形では分裂しており、807cm-1と819cm-1に現れる(図5A)。 低周波ラマン分光法は、この領域内のラマンモードが、固体状態における構造 変化に対して非常に敏感な格子振動を主たる原因として生じるので、有益な情報 を提供する。J.C.Decius他を参照されたい。この領域におけるラマン モードは、その混合性の故に、帰属決定が必ずしも容易でない。このスペクトル 領域内では(図6)、II形が191cm-1付近に1つのバンドを有し、一方、I 形では、199cm-1と227cm-1とに2つのモードが存在する。上記2つの 多形の間のスペクトルパターンの相違が、2つの形における分子間相互作用の相 違と結晶対称性の相違とに起因するということを、ラマンデータが示唆している 。 固体13C核磁気共鳴スペクトルを、CP/MAS法を使用して13Cに関しては 90.5MHzで、1Hに関しては360MHzで動作するChemagnet ics CMX−360 NMR分析計で得た。多形のスペクトルを得るために 、各多形を約200mgずつ使用した。全ての測定を外界温度で行った。ヘキサ メチルベンゼンを二次基準として使用して、化学シフトをTMS基準で記録した 。固体共鳴帰属を、GEOmega−500高分解能NMR分析計で行った固体13 C実験と組み合わせ、断続デカップリングパルスシーケンスを使用して行った 。 上記スペクトルにおけるシグナル重複性の故に、積極的に帰属決定するには、 更に別の13C CP/MAS NMR実験を、より低い磁場の強さで行うことを 必要とした。これを、25.2MHzの13C共鳴周波数で100MHz分析計で 行った。 ロサルタンの2つの多形の固体13C CP/MAS NMRスペクトルを図7 (高磁場領域)と図8(低磁場領域)に示す。表5は、ロサルタンの2つの固体 多形に関する化学シフトを示 し、これらを対応する13C溶液状態値と比較する。約125ppmと約135p pmの間の固体状態共鳴の正確な帰属は、この領域内でスペクトル重複が多いた め容易でない。 I形の場合の脂肪族13Cスペクトル領域(図7A)は、II形の対応する領域( 図7B)又は溶液(表5)における共鳴よりも多くの共鳴を含む。14.5pp mと17.2ppmとにおけるピークは断続デカップリングでも消滅せず、これ らが両方ともメチル炭素シグナルであることを示す。ロサルタンには1分子にメ チル基が1個しかないので、このことは、単位格子内にn−ブチル側鎖に関して 2つ以上の配向が存在することを示唆する。 図7Aにおける2つのメチルシグナル相互の相対的ピーク面積を考察すること によって、分析を更に進ませることが可能である。14.5ppmと17.2p pmとにおけるメチルシグナルの各積分面積が等しくないことは、それに対応す る、単位格子内における脂肪族鎖コンホメーションの不等な分布を示唆する。更 に綿密に調べると、図7Aの他の共鳴に同様の重複性を発見することが可能であ る。例えば、メチレン炭素C8(21.1ppm)が、25ppm付近の小さな シグナルの原 因である可能性もある。脂肪族シグナルの重複性は、実際は、25MHz13Cス ペクトル(図示していない)において、より容易に観察でき、この場合、少なく とも3つのシグナル(C7、C8、C9)が同様に分裂している可能性がある。 I形の低磁場13Cスペクトル領域を図8Aに示し、シグナル帰属を表5に示す 。イミダゾール環のピークC2が二重線に分裂していることに留意されたい。こ のパターンは、図7Aにおいてこの多形に関して観察される化学シフト分裂と類 似しているが、窒素に結合した13CのCP/MASスペクトルに典型的に観察さ れるものにも極めて類似している。S.J.Opella,J.G.Hexem ,M.H.Frey及びT.A.Cross,Solid state NMR of biopolymers,Phil.Trans.R.Soc.Lon d.A 299:665−683(1981)を参照されたい。MASは、14N のような四極子核に対するカップリングを完全に取り除くことが不可能であり、 残りの拡がりは13Cスペクトルにおける線分裂として表されることが多い。C2 線形の起点の付近の見掛け上の曖昧性は、その2つの作用の互いに異なった磁場 依存性を利用すること[E.M. Menger及びW.S.Veeman,Quadrupole effect s in High−resolution phosphorus−31 s oid state NMR spectra of triphenylph osphine copper(I) complexes.J.Magn.R eson.46:257−268(1982)]と、(この場合には)90MH zと25MHzにおいて得られるCP/MASスペクトルを比較することとによ って区別することが可能である。線形は、窒素に対するC2の残留カップリング と一致しないが、146ppmと148ppmとの間のシグナルは化学シフト多 重線を構成することを示す。この結果の構造的意味は、図8Aに関する上記説明 内容に対応する。 こうしたピーク分裂は、II形の対応するスペクトル領域には観察されない(図 7B、図8B)。従って、加熱することによって、結晶内の充填を変えて、この 形の単位格子が結晶学的に特有の分子1個のみを含むようになったと考えられる 。図7のスペクトルと図8のスペクトルとの間の他の(より微細な)相違も、調 査対象である2つの多形の間の充填状態の相違を表している。幾つかの共鳴がシ フトし(表5)、約120ppmと 約136ppmの間の芳香族領域内ではスペクトル強度が明らかに異なった形で 分布している。加熱がロサルタンの固体充填を変化させたと考えられるが、上記 2つの多形に関する13C線幅が同等であること、試料の結晶性に正味の変化はな いことを示し、このことはXRPDデータと一致するということに留意すべきで ある。 この薬剤の高温多形に関する最後の観察は、脂肪族鎖の動態に係わる。図7B では、4つの脂肪族共鳴の中の3つが、断続デカップリング実験で消滅しない。 対応する13C−1H双極子カップリングを、最も堅固な結晶性固体(I形を含む )に見出されるものよりも弱くするのに見掛け上は十分な、炭素C7、C8、C 9に関連付けられた分子運動が認められる。このような分子運動の度合いの増大 は、II形の結晶構造がより緊密であることに対応すると考えられる。 全ての化学シフトはテトラメチルシランを基準とし、番号付きの炭素原子は、上 記構造図に示す番号付け方式に従っている。 ロサルタンが、互変多形、即ち、低温安定型I形と高温安定型II形として存在 することを発見した。これら2つの形が互変的に関連していることを確かめるた めに、XRPDと共にDSCを使用した。溶解度を調べることによって、これを 確認し、I形が室温で最も安定した形であることが明らかになった。上記2つの 結晶形の各々のFTIR及びラマンスペクトルは、小さいが識別可能な相違があ るものの、非常に類似していた。上記2つの結晶形の固体13C NMRスペクト ルによって、化学シフトとピーク分裂特徴とにおける著しい相違が明らかになっ た。I形のスペクトル特徴は、n−ブチル側鎖とイミダゾール環に関して1つ以 上の配位が存在すると解釈された。これに加えて、II形のスペクトル特徴は、室 温におけるn−ブチル側鎖の大きな分子運動に一致していた。有用性 アンギオテンシンII(AII)なるホルモンは、細胞膜上のそのレセプターを刺 激することによって様々な生理的反応(例えば、血管収縮)を生じさせる。AII レセプターと相互作用することが可能なAIIアンタゴニストのような化合物を同 定するために、リガンド−レセプター結合検定を初期選別に使用した。 この検定を、多少の部分変更を伴う形で[Glossmann,他,J.Bio l. Chem. ,249,825(1974)]で説明のように行った。反応 混合物は、潜在的なAIIアンタゴニストを伴い、又は伴わずに、Tris緩衝液 中のラット副腎皮質ミクロソーム(AIIレセプター源)と2nMの3H−AIIと を含んでいた。この混合物を室温で1時間インキュベートし、ガラスマイクロフ ァイバーフィルターを通して洗浄しながら手早く濾過することによって、反応を 停止した。フィルター中に捕えられたレセプター結合3H−AIIをシンチレーシ ョン計数によって定量した。特異結合3H−AII全体の50%置換をもたらす潜 在的なAIIアンタゴニストの阻害濃度(IC50)を、AIIレセプターに関する上 記化合物のアフィニティーの尺度として表す(表6参照)。 本発明の化合物の潜在的な抗高血圧薬効果を、左腎臓動脈の結紮によって高血 圧にした覚醒ラットに本発明の化合物を投与することによって実証できる[Ca ngiano他,J.Pharmacol.Exp.Ther.,208,31 0(1979)]。この方法は、レニン生産を増加させてAIIレベルを上昇させ ることによって血圧を増大させる。化合物を 100mg/kgの割合で経口投与し、及び/又は、頚静脈内のカニューレを通 して10mg/kgの割合で静脈内投与する。動脈血圧を頚動脈動脈カニューレ によって直接的に連続測定し、圧力変換器とポリグラフを使用して記録する。化 合物の抗高血圧薬効果を判定するために、処置後の血圧を処置前レベルと比較す る(表6参照)。 2−ブチル−4−クロロ−1−[2′−(1H−テトラゾール−5−イル)ビ フェニル−4−イル)メチル]−5−ヒドロキシメチルイミダゾールナトリウム 塩の血圧降下効果を、意識のある犬に対するフロセミド投与の前後で比較した。 0.3〜 3mg/kgでのイミダゾールの累積的な静脈注射は、意識のある正常血圧の犬 (n=4)の血圧を低下させなかったが、投与10分後に測定したAII(0.1 μg/kg、静脈内投与)による昇圧を阻害する上で有効だった。これらの動物 における血漿レニン活性(PRA)は、1.5±0.5ng AI/mL/時だ った。4日後、実験18時間前と2時間前に10mg/kgのフロセミドを筋肉 内投与によって上記犬の3匹に与えると、PRAが19.9±7.2ng AI /mL/時に増大した。その後、イミダゾールを静脈注射によって同じ用量で累 積的に与えると、用量に依存する形で血圧が著しく低下した。更に、イミダゾー ルは、より高い2用量でAIIによる昇圧を阻害した。フロセミドによる同様の血 圧降下増強は、0.3mg/kg(静脈内)のカプトプリルでも確認されている 。こうした結果は、利尿薬によるイミダゾールAII遮断薬降圧作用を増強するこ とを示す。従って、こうした2種類の薬剤による組合せ治療は、高血圧症患者を 治療する上での応答速度を増加させる見込みがあるだろう。 アンギオテンシンII(AII)は、強力な動脈血管収縮剤であり、細胞膜上に存 在するその特異レセプターと相互作用するこ とによってその作用を及ぼす。AIIアンタゴニストを同定し、その有効性をイン ビトロで定量するために、次の2つのリガンドーレセプター結合検定を行った。ウサギ大動脈膜標本を使用するレセプター結合検定 3つの凍結ウサギ大動脈(Pel−Freeze Biologicalsか ら入手)を、5mM Tris−0.25Mスクロース緩衝液(pH7.4)( 50mL)中に懸濁させ、均質化して遠心する。混合物を寒冷紗を通して濾過し 、上清を4℃において20,000rpmで30分間遠心する。得られたペレッ トを、ウシ血清アルブミン0.2%とバシトラシン0.2mg/mLを含む50 mM Tris−5mM MgCl2緩衝液30mL中に再懸濁させ、この懸濁 液を100個の検定チューブ分として使用する。選別のために試験する試料を各 々2つ作成する。上記膜標本(0.25mL)に対して、125I−Sar1 Il e8−アンギオテンシンII[New England Nuclearから入手 ](10μL;20,000cpm)を、試験試料を伴い、又は伴わずに、混合 物を90分間37℃においてインキュベートする。混合物を、氷冷50mM T ris−0.9%NaCl(pH 7.4)(4mL)で希釈し、ガラス繊維フィルター(GF/B Whatma n 2.4”直径)を通して濾過する。このフィルタをシンチレーションカクテ ル(10mL)中に漬け、Packard 2660 Tricarb液体シン チレーション計数器を使用して放射能をカウントする。特異結合125I−Sar1 Ile8−アンギオテンシンII全体の50%置換をもたらす潜在的なAIIアン タゴニストの阻害濃度(IC50)を、AIIアンタゴニストとしての上記化合物の 有効性の指標として示す。ウシ副腎皮質標本を使用するレセプター検定 AIIレセプター源としてウシ副腎皮質を選択する。計量した組織(100個の 検定チューブ分として0.1gが必要)を、Tris HCl(50mM)緩衝 液(pH7.7)中に懸濁させ、均質化する。このホモジネートを15分間20 ,000rpmで遠心する。上清を取り除き、ペレットを緩衝液[フェニルメタ ンスルホニルフルオリド(PMSF)(0.1mM)を含むNa2HPO4(10 mM)−NaCl(120mM)−二ナトリウムEDTA(5mM)]中に再懸 濁させる(化合物の選別のためには、一般に2本の検定チューブを使用す る。)。膜標本(0.5mL)に対して、3H−アンギオテンシンII(50mM )(10μL)を、試験試料を伴い、又は伴わず、混合物を1時間37℃におい てインキュベートする。混合物をTris緩衝液(4mL)で希釈し、ガラス繊 維フィルター(GF/B Whatman 2.4”直径)を通して濾過する。 このフィルタをシンチレーションカクテル(10mL)中に漬け、Packar d 2660 Tricarb液体シンチレーション計数器を使用して放射能を カウントする。特異結合3H−AII全体の50%置換をもたらす潜在的なAIIア ンタゴニストの阻害濃度(IC50)を、AIIアンタゴニストとしての上記化合物 の有効性の指標として示す。ラット脳膜標本を使用するレセプター検定 ラットの脳(視床、視床下部、中脳)からの膜を、50mM Tris HC l(pH7.4)中で均質化することによって調製し、50,000×gで遠心 する。得られQペレットを、再懸濁と遠心によって、100mM NaCl、5 mMNa2・EDTA、10mM Na2HPO4(pH7.4)、及び、0.1 mM PMSF中で2回洗浄する。結合検定のために、ペレットを結合検定緩衝 液(100mM NaCl, 10mM Na2HPO4、5mM Na2・EDTA、pH7.4、0.1mM PMSF、0.2mg/mL 大豆トリプシン阻害剤、0.018mg/mL o−フェナントロリン、77mg/mL ジチオトレイトール、及び、0.1 4mg/mL バシトラシン)160容中に再懸濁させる。125I・Ile8−ア ンギオテンシンII結合検定の場合には、10μLの溶媒(結合全体の場合)、S ar1.Ile8−アンギオテンシンII(1μM)(非特異的結合の場合)、又は 、試験化合物(置換の場合)と、10μLの[125I]Sar1,Ile8−アン ギオテンシンII(23−46pM)とを複数チューブに加える。レセプター膜標 本(500μL)を各チューブに加え、結合反応を開始させる。反応混合物を9 0分37℃においてインキュベートする。減圧下でガラス繊維GF/Bフィルタ ーを通して濾過することによって反応を終了させ、直後に、0.15M NaC lを含む5mM氷冷Tris HCl(pH7.6)4mLで4回洗浄する。フ ィルター上に捕らえた放射能をガンマカウンターを使用してカウントする。 上記方法を使用して、本発明の代表的な化合物を評価することが可能で、50 μM未満のIC50が測定される。それによっ て、有効なAIIアンタゴニストとしての本発明の化合物の有用性を実証し確認す ることが可能だった。 本発明の化合物の抗高血圧薬効果を、次に示す方法で評価することが可能であ る。 雄のCharles River Sprague−Dawleyラット(3 00−375gm)をメトヘキシタール(Brevital、50mg/kg、 腹腔内投与)で麻酔し、気管にPE 205チューブをカニューレ挿入する。ス テンレススチールの穿刺棒(pithing rod)(1.5mm厚、150 mm長)を右目の眼窩の中に挿入し、脊柱にまで送り込む。ラットを直ちにHa rvard Rodent Ventilator上に置いた(速度−毎分60 ストローク、容積−体重100グラム当たり1.1cc)。右頚動脈を結紮し、 左右の迷走神経の両方を切断し、薬剤投与用に左頚動脈にPE 50チューブを カニューレ挿入し、直腸温度プローブからの入力を受ける温度自動調節加熱パッ ドによって体温を37℃に維持する。その後、アトロピン(1mg/kg、静脈 内投与)を投与し、15分後に、プロプラノロール(1mg/kg、静脈内投与 )を投与する。30分後に、I形のアンタゴニスト を静脈内投与又は経口投与する。その後、典型的にはアンギオテンシンIIを5、 10、15、30、45、60分間隔で投与し、その後も、試験化合物が活性を 示す限り、30分毎に投与する。平均動脈血圧の変化を、各々のアンギオテンシ ンII試験毎に記録し、アンギオテンシンII反応の阻害パーセンテージを計算する 。投与形態 本発明の化合物を、活性成分化合物を温血動物の身体内の作用部位と接触させ る任意の手段によって、本発明による高血圧治療のために投与することが可能で ある。例えば、非経口的投与、即ち、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、又は 、腹膜内投与の形で投与を行うことが可能である。或いは、又は、同時に、場合 に応じて経口的経路で投与を行うことが可能である。 本発明の化合物を、単独の治療薬剤として、又は、治療薬剤の組合せとして、 慣用の手段によって投与することが可能である。本発明の化合物を単独で投与す ることが可能であるが、選択する投与経路と標準的な調剤慣行とに基づいて選択 した医薬的担体と共に投与することが一般的である。 本明細書の開示内容に関しては、温血動物とは、定常性動的 平衡メカニズムを有する動物界の一員であり、哺乳動物と鳥類を含む。 投与用量は、投与対象者の年齢、健康状態、体重、疾病の程度、同時治療の種 類、更に必要に応じて、治療頻度、求める効果の種類に応じて決まるだろう。一 般的には、活性成分化合物の一日当たりの用量は1日当たり約1ミリグラムから 約500ミリグラムだろう。普通は、1日当たり10ミリグラムから100ミリ グラムの用量を1回もしくは2回以上に分けて投与することが、所期の結果を得 るために効果的である。こうした用量は、高血圧の治療と、鬱血性心不全の治療 、即ち、血圧を低下させることと、心臓に対する血流動態的負荷を補正して鬱血 を緩和することのいずれにも有効な量である。 上記活性成分を、固体投与形態(例えば、カプセル、錠剤、粉末)又は液体投 与形態(例えば、エリキジール、シロップ、懸濁液)の形で経口的に投与するこ とが可能である。或いは、上記活性成分を、非経口的に、無菌液体投与形態で投 与することも可能である。 ゼラチンカプセルは、上記活性成分と、粉末担体(例えば、ラクトース、デン プン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグ ネシウム、ステアリン酸等)を含む。同様の希釈剤を、圧縮錠剤を作るために使 用することが可能である。錠剤とカプセルの両方とも、一定の期間に亙る薬剤の 連続放出を生じさせる持続放出型の製品として製造することも可能である。不快 な味を覆い且つ雰囲気から錠剤を保護するために圧縮錠剤を糖もしくはフィルム で被覆するか、又は、胃腸経路内での選択的分解を得るために被包被覆すること が可能である。 経口投与のための液体投与形態は、患者が摂取することを容易にするために着 色剤と着香料を含むことが可能である。 一般的に、水、適切な油、塩類液、水性デキストロース(グルコース)、関連 の糖溶液、グリコール(例えば、プロピレングリコール、又は、ポリエチレング リコール)が、非経口投与用の溶液に適した基剤である。非経口投与用の溶液は 、上記活性成分の水溶性塩、適切な安定化剤、及び、必要に応じて緩衝剤物質を 含むことが好ましい。酸化防止剤(例えば、単独の、又は、組み合わせた、亜硫 酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、又は、アスコルビン酸)が、適切な安定 化剤である。更に、クエン酸とその塩、及び、ナトリウムEDTAも使用する。 これに加えて、非経口投与用溶液は、防腐剤(例えば、塩化ベン ザルコニウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール)を含む ことが可能である。 適切な調剤基剤は、当業界における標準的な参考文献であるRemingto n’s Pharmaceutical Sciences ,A.Osolに説 明されている。 本発明の化合物の投与のために使用可能な調剤投与形態の例を次のように示す ことが可能である。カプセル 各カプセル毎に、粉末活性成分100ミリグラム、ラクトース150ミリグラ ム、セルロース50ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム6ミリグラムを、標 準的なツーピースハードゼラチンカプセルに充填することによって、多数の単位 カプセルを調製する。ソフトゼラチンカプセル 消化可能な油(例えば、大豆油、綿実油、又は、オリーブ油)中に活性成分を 含む混合物を調製し、活性成分100ミリグラムを含むソフトゼラチンカプセル を形成するようにゼラチン内にポジティブポンプ変位によって注入する。カプセ ルを洗浄し乾燥させる。錠剤 用量単位が活性成分100ミリグラム、コロイド質二酸化ケイ素0.2ミリグ ラム、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微晶質セルロース275ミリグ ラム、デンプン11ミリグラム、及び、ラクトース98.8ミリグラムとなるよ うに、従来通りの手順で多数の錠剤を調製する。味を良くするために、又は、吸 収を遅らせるために、適切な被覆を行うことが可能である。注射液 注射による投与に適した非経口投与組成物を、プロピレングリコール10体積 %中で活性成分1.5重量%を撹拌することによって調製する。この溶液に水を 加えて注射用規定量にし、殺菌する。懸濁液 懸濁液5mLあたり、微粉砕活性成分100ミリグラム、カルボキシメチルセ ルロースナトリウム100ミリグラム、安息香酸ナトリウム5ミリグラム、ソル ビトール溶液(局方)1.0グラム、バニリン0.025ミリリットルを含むよ うに、経口投与用の水性懸濁液を調製する。 本発明の化合物を他の治療薬剤と共に段階的に併用投与する時に、上記と同じ 投与形態を一般的に使用することが可能である。薬剤を医薬混合物の形で投与す る時には、組み合わせた薬剤の両方に適合性が得られるように投与形態と投与経 路を選択しなければならない。適切な用量、投与形態、投与経路を、表7と表8 に示す。 NSAIDと共に使用する時には、AII遮断薬の用量は、一般的に、AII遮断 薬を単独で使用する時の用量と同じであり、即ち、1日当たり1〜500ミリグ ラム、普通は10〜100ミリグラムを1回又は2回以上に分けて投与すること になるだろう。利尿薬と共に使用する時には、AII遮断薬の最初の用量は、より 少なく、例えば、1日当たり1〜100ミリグラムであることが可能であり、よ り活性の高い化合物の場合には1日当たり1〜10ミリグラムであることが可能 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E E,FI,GE,HU,JP,KG,KR,KZ,LK ,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,NZ, PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,UA,U S,UZ (71)出願人 ザ・デユポン・メルク・フアーマシユーテ イカル・カンパニー アメリカ合衆国、デラウエア・19807− 2802、ウイルミントン、センター・ロー ド・974、デユポン・メルク・プラザ (72)発明者 キヤンベル,ゴードン・クレストン,ジユ ニア アメリカ合衆国、デラウエア・19898、ウ イルミントン、マーケツト・ストリート・ 1007 (72)発明者 ドウイベデイ,アニル・エム アメリカ合衆国、デラウエア・19807− 2802、ウイルミントン、センター・ロー ド・974、デユポン・メルク・プラザ (72)発明者 リボルセ,ドロシー・エイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 マツコーレイ,ジエイムス・エイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ラグハバン,クリツシユナスワミイ・エス アメリカ合衆国、デラウエア・19807− 2802、ウイルミントン、センター・ロー ド・974、デユポン・メルク・プラザ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 図1Aに示す通りの窒素雰囲気下で10℃/分の昇温率で示差走査熱量測 定セル内の平皿内で加熱する時の外挿開始温度229.5℃における転移吸熱極 大と外挿開始温度273.2℃における溶融吸熱極大とにより、さらに図2Aに 示す通りのX線粉末回折パターンとによって特徴付けられるロサルタンのI形。 2. 図3Aと図4Aに示す通りの1150cm-1から600cm-1までと18 00cm-1から1150cm-1までのFTIRスペクトルによって更に特徴付け られる請求項1に記載のロサルタンのI形。 3. 図7Aと図8Aに示す通りの高磁場領域と低磁場領域の固体13C CP/ MAS NMRスペクトルによって更に特徴付けられる請求項2に記載のロサル タンのI形。 4. 図5Aと図6Aに示す通りの1100cm-1から600cm-1までと18 0cm-1から400cm-1までのラマンスペクトルによって更に特徴付けられる 請求項3に記載のロサルタンのI形。 5. 図1Bに示す通りの窒素雰囲気下で10℃/分の昇温率で示差走査熱量測 定セル内の平皿内で加熱する時の外挿開始温度273.2℃における溶融吸熱極 大により、さらに図2Bに示す通りのX線粉末回折パターンとによって特徴付け られるロサルタンのII形。 6. 図3Bと図4Bに示す通りの1150cm-1から600cm-1までと18 00cm-1から1150cm-1までのFTIRスペクトルによって更に特徴付け られる請求項5に記載のロサルタンのII形。 7. 図7Bと図8Bに示す通りの高磁場領域と低磁場領域の固体13C CP/ MAS NMRスペクトルによって更に特徴付けられる請求項6に記載のロサル タンのII形。 8. 図5Bと図6Bに示す通りの1100cm-1から600cm-1までと18 0cm-1から400cm-1までのラマンスペクトルによって更に特徴付けられる 請求項7に記載のロサルタンのII形。 9. I形を230℃から270℃の温度範囲に加熱することを含むロサルタン のII形の調製のためのプロセス。 10. ロサルタンのI形を窒素雰囲気下で10℃/分の昇温 率で平皿内の示差走査熱量測定セル内で加熱する請求項9に記載のプロセス。 11. I形を255℃の温度に加熱することを含む請求項10に記載のロサル タンのII形の調製のためのプロセス。
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