JPH09506590A - 2,3,5,6−テトラクロロピリジンの製造 - Google Patents

2,3,5,6−テトラクロロピリジンの製造

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JPH09506590A JP7508312A JP50831295A JPH09506590A JP H09506590 A JPH09506590 A JP H09506590A JP 7508312 A JP7508312 A JP 7508312A JP 50831295 A JP50831295 A JP 50831295A JP H09506590 A JPH09506590 A JP H09506590A
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Abstract

(57)【要約】 2,3,5,6−テトラクロロピリジンの新規で簡潔な高収率製造方法は、2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エステルと過剰量のオキシ塩化燐を触媒量の塩化水素の存在下および任意に不活性な非プロトン溶媒の存在下で、必要ならば加圧下、100−160℃、好適には120−140℃の温度で約5−10時間反応させることを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 2,3,5,6−テトラクロロピリジンの製造 本発明はシムテット(Symtet)としても知られる2,3,5,6−テト ラクロロピリジンの新規な改良製造方法に関する。 2,3,5,6−テトラクロロピリジンは種々の除草剤、殺菌・殺カビ剤およ び殺虫剤、例えば重要な殺虫剤であるO,O−ジエチル−O−3,5,6−トリ クロロ−2−ピリジルホスホロチオエートなどを製造する時の中間体として有用 である。 2,3,5,6−テトラクロロピリジンの製造では種々の方法が知られている 。例えば、これは、β−ピコリンの液相塩素化(米国特許第4,483,993 号)、ピリジンの液相塩素化(米国特許第4,515,953号)、または2− クロロピリジンまたは2,6−ジクロロピリジンの気相塩素化(米国特許第3, 251,848号)で製造可能である。 イスラエル特許第61581号には、触媒として種々の金属を用いてトリクロ ロアセチルクロライドとアクリロニトリルを約170℃の溶媒中で反応させるこ とで2,3,5,6−テトラクロロピリジンと3,5,6−トリクロロピリジン −2−オールの混合物を得る方法が記述されている(収率は報告されていない) 。 ヨーロッパ特許出願公開第0 030 215号には、3,3,5−トリクロ ログルタル酸イミドを製造した後それをPOCl3の如き脱水剤で2,3,5, 6−テトラクロロピリジンに変換することが記述されている。 我々は、予想外に、以下の方程式: [式中、 Rはアルキル、アラルキルまたはアリール基である] に記述するように2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エステル、例えばエ チルエステルが1段階変換を受けて2,3,5,6−テトラクロロピリジンを生 じることを見い出した。 本明細書で用いる時の「アリール」は、任意に低級アルキルおよび/またはハ ロで置換されていてもよい炭素原子数がC6からC10の芳香族炭化水素基を意味 する。本明細書で用いる時の「アラルキル」は、この上で定義した如きアリール 基で置換されているC1−C6アルキル基を意味する。 この新規で極めて簡潔な変換は、Rの化学的性質に応じて、60−90%の2 ,3,5,6−テトラクロロピリジン収率をもたらす。容易に入手可能な市販材 料であるPOCl3を用い、触媒量の塩化水素の存在下、100から160℃、 好適には120から140℃の温度でこの方法を実施する。このような好適な温 度範囲における反応時間は5−10時間である。POCl3対2,2,4−トリ クロロ−4−シアノ酪酸エステルのモル比は10:1から1:1の範囲である。 好適な範囲は2:1から3:1である。高い比率を用いる場合、この反応の最後 に過剰量のPOCl3を蒸留除去して再利用することを推奨する。この反応が終 了した後、過剰量のPOCl3を蒸留除去し、その残渣に水を加えた後、その混 合物(この時点で粗2,3,5,6−テトラクロロピリジンを含有する)を適切 な有機溶媒で抽出する。通常の方法、例えば昇華、晶析または蒸気蒸留などを用 いて高純度の生成物を単離する。このようにして得た生成物は89−90℃の融 点を示し、1H−NMR(CDCl3)でσ7.88ppm(一重線)を示し、そ してこれは全ての点で2,3,5,6−テトラクロロピリジンの基準試料と同じ であることを確認した。 反応体と溶媒を一緒にした量の0.5−5重量%の量で乾燥HClガスを用い ることを推奨する。好適な範囲は1.5−3%である。この反応が進行するにつ れてHClが生じる意味で、この反応は自己触媒反応である。 この反応はまた、反応効率に重大な影響を与えない限り、反応性を示さない非 プロトン溶媒、例えば芳香族および脂肪族の炭化水素に加えてハロゲン化炭化水 素などの存在下でも実施可能である。 上の式Iで表される出発材料、即ち2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸 エチルおよび他の2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エステルは、本技術 分野で知られている方法に従って容易に調製可能であり、これは化学文献、例え ばThe Journal of Organic Chemistry、29 巻、2104−5頁(1964);およびTetrahedron、29巻、8 27−832頁(1973);Journal of Organic Che mistry、41巻、396−398頁(1976);および米国特許第5, 017,705号などの中に記述されている。 本明細書に記述する方法は簡潔であることから、これは大規模製造に 向く。低級アルキルのエステルを用いて高い収率が得られることから、この方法 は経済の観点から魅力的である。POCl3を過剰量で用いる必要はあるが、そ の80%が回収され、再利用可能である。高収率反応における主要な副生成物は 燐酸およびそれのエステル(このエステルは加水分解を受けて燐酸を生じ得る) であることから、この方法はまた生態学的にも健全である。 以下に示す非制限的実施例を用いて本発明をここに詳しく説明する。実施例1 2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エチル(12.0g)とオキシ塩化 燐(40mL)と乾燥HClガス(1.5g)を密封ガラス反応槽に入れ、これ を、140℃に熱調節されているオイルバスの中に浸漬した。上記温度で10時 間後、上記反応槽を冷却して周囲温度にし、そして揮発物を106℃で蒸留除去 することでPOCl3が32mL得られた。その蒸留残渣にかき氷を加え、その スラリーを15分間撹拌した後、塩化メチレンで抽出した。この塩化メチレンを 蒸留除去した後、その残渣に昇華を30−35℃/0.2mmHgで受けさせた 。この集めた白色結晶性固体、即ち2,3,5,6−テトラクロロピリジンの重 量は9.6g(90.6%の収率)であり、融点は88−90℃であった。実施例2 140℃における加熱時間を5時間に短縮する以外は上述した如く実施例1を 繰り返した。昇華後に得られた2,3,5,6−テトラクロロピリジンの重量は 7.2g(68%の収率)であった。実施例3 2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸フェニル(12.0g)とオキシ塩 化燐(40mL)と乾燥HClガス(1.4g)を140℃で10時間加熱した 。その結果として得られる反応混合物を実施例1に記述した如く処理した。33 mLの体積でPOCl3を回収した。昇華させた生成物、即ち2,3,5,6− テトラクロロピリジンの重量は5.34g(60%の収率)であった。実施例4 反応温度を110℃に下げそして反応時間を5時間に短縮する以外は上述した 如く実施例3を繰り返した。塩化メチレン溶液を蒸発させ、重量測定を行い、そ して内部標準を用いたGLCで分析を行った。この分析は2,3,5,6−テト ラクロロピリジンの収率が62%であることを示していた。実施例5 2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸ブチル(12g)とオキシ塩化燐( 40mL)と乾燥HClガス(1.6g)を140℃で10時間加熱した。その 結果として得られる反応混合物を実施例1に記述した如く処理してPOCl3を 32mL回収した。この処理後に得られた塩化メチレン溶液を内部標準を用いた GLCで分析した。この分析は2,3,5,6−テトラクロロピリジンの収率が 62%であることを示していた。実施例6 2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸p−トリル(12g)とオキシ塩化 燐(40mL)と乾燥HClガス(1.6g)を140℃で10時間加熱した。 周囲温度に冷却した後、氷を加え、そしてその水スラ リーに蒸気蒸留を受けさせた。この水留出液から白色固体を濾別した後、一定重 量になるまで真空乾燥を60℃で行った。この乾燥固体、即ち2,3,5,6− テトラクロロピリジンの融点は87−88℃であり、その重量は6.03g(7 1%の収率)であった。実施例7 4−シアノ−2,2,4−トリクロロ酪酸メチル(12g)とオキシ塩化燐( 16.5mL)とキシレン(16mL)をグラスライン(glass line d)反応槽に入れ、これを乾燥HClで加圧して4気圧にした後、140℃で1 0時間加熱した。圧力が次第に上昇して20気圧になった。その結果として得ら れる反応混合物を冷却して冷水に注ぎ込んだ後、蒸気蒸留を受けさせた。その留 出液の有機相を分離し、これを2,3,5,6−テトラクロロピリジンに関して 分析(HPLC)した結果、9.4g(83%の収率)であった。実施例8 キシレンを同じ体積のシクロヘキサンで置き換えて実施例7を繰り返した。こ の反応混合物を冷却して冷水に注ぎ込んだ後、有機相を分離し、そして水相を熱 シクロヘキサン(2x15mL)で抽出した。この有機抽出液を一緒にして炭酸 ナトリウム溶液そして水で洗浄した後、これを2,3,5,6−テトラクロロピ リジンに関して分析(HPLC)した結果、9.06g(80%の収率)であっ た。実施例9 シクロヘキサンを同じ体積の1,2−ジクロロエタンで置き換えて実施例8を 繰り返した。実施例8に記述したのと同様に反応混合物を処理した後、2,3, 5,6−テトラクロロピリジンが8.8g(78%) 得られた。実施例10 4−シアノ−2,2,4−トリクロロ酪酸メチル(12g)とオキシ塩化燐( 20g)の混合物を実施例7に記述したのと同様に処理した。70℃に冷却した 後、その濃密な暗色反応混合物を冷水に注ぎ込んだ。その結果として得られるス ラリーに蒸気蒸留を受けさせることで、白色の結晶性2,3,5,6−テトラク ロロピリジンが得られ、これの重量は乾燥後8.9g(79%の収率)であった 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR, LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI ,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 2,3,5,6−テトラクロロピリジンの製造方法であって、一般式I : [式中、 Rはアルキル、アリールまたはアラルキル基である] で表される2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エステルと過剰量のオキシ 塩化燐を、触媒量の塩化水素の存在下および任意に不活性な非プロトン溶媒の存 在下で、必要ならば加圧下、100−160℃、好適には120−140℃の温 度で約5−10時間反応させることを含む方法。 2. 該エステルをC1−C6アルカノールから誘導する請求の範囲第1項記載 の方法。 3. 該エステルが2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エチルである請 求の範囲第1項記載の方法。 4. POCl3対2,2,4−トリクロロ−4−シアノ酪酸エステルのモル 比が10:1から1:1の範囲である請求の範囲第1から3項のいずれか1項記 載の方法。 5. 上記比が2:1から3:1の範囲である請求の範囲第4項記載の方法。 6. 不活性な非プロトン溶媒の存在下で実施する請求の範囲第1から5項の いずれか1項記載の方法。 7. 該溶媒を芳香族もしくは脂肪族炭化水素およびハロゲン化炭化水素から 選択する請求の範囲第6項記載の方法。
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