JPH09506158A - トーションダンピング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 装置、特に自動車用のダブルダンピングフライホイールが、弾性手段および摩擦手段（５１−５５）に抗して、互いに移動できるように取り付けられた２つの同軸状質量部材を含む。前記質量部材の間には、ベアリング部品（６０）が設けられており、このベアリング部品は、前記質量部材の一方と一体的であり、そのほとんどの部分で前記摩擦手段を支持している。本発明によれば、ベアリング部品（６０）は、ワッシャーの積み重ね体（５１−５５）を所定位置に維持するようにエッジ状に形成された歯（６２）と係合するショルダー（６０Ｂ）を備え、各歯（６２）は、工具の型によって曲げ加工を容易にできるようにする、いわゆる安定化ラグ（７０）によって縁部が構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 トーションダンピング装置 本発明は、トーションダンピング装置、特に弾性手段および摩擦手段に抗して 、互いに移動できるように取り付けられた２つの同軸状質量部材を備えたタイプ の、自動車用トルク伝達装置を形成するダブルダンピングフライホイールに関す る。 駆動シャフト、例えば自動車のエンジンのクランクシャフトに固定される第１ 質量部材と、摩擦クラッチのための反作用プレートを形成する第２質量部材を備 え、第１質量部材と第２質量部材との間に延びる強化用ベアリング部品に摩擦手 段が設けられたトーションダンピング装置は公知である。 強化用のため、ベアリング部品は、エッジ状に形成できる歯が設けられた軸方 向のショルダーを備え、軸方向ショルダーは、摩擦ワッシャーおよび例えばベル ビーユワッシャーにより押圧された噛合用ワッシャーを収容するよう働き、歯は ワッシャーが、所定位置に位置決めされた後に、工具の型によりエッジ状に形成 される。曲げ作業を容易にするように、ショルダーに対して歯を薄くし、切り欠 きによりショルダー内に延ばすことを検討できる。 しかし、曲げ作業の後の結果は完全に満足できるものではない。すなわち、歯 がねじられることが多く、更に摩擦特性を変えるためにワッシャー数を増した場 合、歯の軸方向の寸法が長くなり、ねじれも起こりやすくなるからである。 従って、本発明の目的は、特にこのような欠点を解消することにある。 本発明は、弾性手段および摩擦手段に抗して互いに移動できるよう取り付けら れた２つの同軸状質量部材を備え、ベアリング部品が前記質量部材との間に設け られ、前記質量部材の一方と一体的であり、前記摩擦手段のほとんどの部分を支 持するようになっており、該ベアリング部品が歯と係合するショルダーを備え、 歯がワッシャーの重ね体を所定位置に維持するようエッジ状に形成されている、 トーションダンピング装置、特に自動車用ダブルダンピングフライホイールに おいて、各歯の曲げ加工を工具の型によって補助できるように、いわゆる安定化 ラグによって各歯の縁部が構成されていることを特徴とする、トーションダンピ ング装置を提供するものである。 横方向ラグが存在しているため、各歯の曲げ部を収容することができ、よって 安定化され、ねじれを生じることも多く、この曲げを行うことができる。 次にワッシャーのパッケージの厚みを増すよう、例えば異なる間隙を設けたま ま２つ以上の摩擦ワッシャーを設け、よってダンピング特性を良好に制御するた め、ねじれを生じることなくこれら歯を長くすることができる。 添付図面を参照して、例示した実施例の次の説明を読めば、本発明について良 好に理解できると思う。 図１は、図２のＩ−Ｉ線に沿った本発明にかかわる装置を備えたダブルダンピ ングフライホイールの一部を切り欠いた正面断面図である。 図２は、図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った軸方向断面図である。 図３は、図１および図２に示された支持部分の部分斜視図である。 図４は、支持部分に設けられた摩擦手段を示す斜視図である。 図５は、図４のＶ−Ｖ線に沿った断面図である。 図６は、図４および図５の部品を示す分解図である。 図１および図２には、自動車用ダブルダンピングフライホイールが示されてお り、このダブルダンピングフライホイールは、径方向に作用する弾性手段と、軸 方向に作用する摩擦手段に抗して、互いに移動できるように取り付けられた２つ の同軸状質量部材１および２を備える。この弾性手段および摩擦手段については 、後により詳細に説明することとする。 ２つの質量部材１と２とは、軸方向の対称軸線Ｘ−Ｘを中心として互いに回転 する。 第１質量部材１は、ここでは一体的な部品となっているプレート１１と管状中 心ハブ１４を備え、このハブ１４を中心として回転自在に質量部材２が取り付け られている。 第２質量部材２は、プレート１１に平行に延びるプレート２１も含む。 ハブ１４の外周部とプレート２１の内周部との間には、ベアリングすなわち滑 りベアリングの変形例としてのボールベアリング１５が挟持されている。 第２質量部材２のプレート２１は、摩擦クラッチの反作用プレートを形成し、 摩擦クラッチはそれ自体公知の態様で、本明細書には示していないが、圧力プレ ートと、ダイヤフラムと、カバーと、被動プレートアセンブリを備える。 この反作用プレート２１の周辺には、それ自体公知の態様でクラッチのカバー （図示せず）を固定するように働く環状部分４０がリベット締めにより固定され ている。 第１回転質量部材１は、ネジ３２によりプレート１１の内周部を通って駆動シ ャフト３４、例えば自動車の内燃機関のクランクシャフトに接続されているが、 第２回転質量部材２は、クラッチ圧力プレート機構および被動プレートアセンブ リ（図示せず）により回転自在に被動シャフト、すなわち自動車のギアボックス の第１シャフトに接続されている。 第１質量部材１のプレート１１の外周部は、一体部品状の軸方向に配置された 円筒形スカート１２として延びている。 質量部材１は、その外周部にスタータ（図示せず）のピニオンにより駆動され るようになっているスタータギアリング１３を支持している。 弾性ダンピング手段は、本明細書ではコイルスプリングによって形成された弾 性機素８を備え、これら機素は一般に、プレート１１と２１との間で径方向に作 用し、弧状のカセット１０内に取り付けられている。これらカセット１０は、２ つのスプリング８を平行に取り付けるためのシート（座）が設けられたディスク ３と、ディスク３の両側に配置された２つのガイドワッシャー４および５をそれ 自体公知の態様で備え、これらワッシャーも前記スプリング８を取り付けるため の、ディスク３のシートに対抗するシートを有する。本例ではこれらシートはス ロットから成る。 ガイドワッシャー４、５はリベット締めにより互いに側方に固定されている。 ディスク３とガイドワッシャー３、４は、互いに頂部と底部が対応するように逆 向きに取り付けられており、ディスク３は、その内周部にヒンジピン６を質量部 材２（図１参照）を取り付けるための延長部７１を有し、一方、ガイドワッシャ ー４および５もヒンジピン７を質量部材１に取り付けるよう、互いに対抗してそ れぞれの外周部に設けられた延長部１８を有する。 質量部材１と２との間には、いわゆるベアリング部品６０が設けられ（図２参 照）、このベアリング部品６０は、本例ではネジ１７、更に変形例としてリベッ ト締めによりプレート１１の外周部に固定されている。このベアリング部品６０ は、プレート１１をカバーし、これを強化している。 本例では金属製のベアリング部品は、例えば曲げられたプレートから構成され 、外周部に軸方向に配置されたショルダー６０Ａを有し、このショルダーは質量 部材１のスカート１２の形状に従っている。ベアリング部品６０は更に、同様に 軸方向に配置されたショルダー６０Ｂも有し、このショルダー６０Ｂは、収容の ために設けられた質量部材２のリセス２５内に収容されるようになっている。 図６から良好に理解できるように、ショルダー６０Ｂには、ノッチを形成する スロット６１が設けられ、更にショルダー６０ａを軸方向に延長させる歯６２が 設けられている。当初はショルダー６０Ｂと一致している歯６２は、軸方向Ｘ− Ｘに対して形成する方向、本例では（例えば図４および図５に示されているよう に）アセンブリの軸線と反対方向に径方向に折り曲げられるようになっている。 歯６２を備えたショルダー６０Ｂは、摩擦手段を収容するようになっている。 ベアリング部品６０の横方向部分のベース６０Ｃと歯６２との間には、軸方向 に順に、第１回転摩擦ワッシャー５１と、第１のきつく係合する押圧ワッシャー ５２と、第２回転摩擦ワッシャー５３と、第２のきつく係合する押圧ワッシャー ５４と、ワッシャーのパッケージに軸方向の力を加えるよう歯６２に直接載るベ ルビーユワッシャー５５、変形例としては弾性クリンクルワッシャーが設けられ ている。 ワッシャー５２および５４は、その内周部に、ベアリング部品６０のノッチ６ １に係合するほぞを形成するラグ５２Ａ、５４Ａを有する（図５および図６を参 照）。従って、これらワッシャーは、質量部材１に対して回転方向に移動しない ようにされている。 回転摩擦ワッシャー５１および５３は、その外周部にそれぞれ厚みを増した状 態の補強ゾーン５１Ａ、５３Ａをそれぞれ有し、これらゾーンはスロット５１Ｂ および５３Ｂを備え、これらスロットはクラッチの被動プレートアセンブリ（図 示せず）と協働するようになっている、反作用プレート２１の環状ゾーンの径方 向内側で質量部材２によって支持されたピン１５６と緩く協働できる。 これら補強部分は、図５から良好に理解できるように、挟持されたワッシャー ５２および５４のまわりを延びている。 図４および図６から明瞭に理解できるように、第１摩擦ワッシャーのスロット ５１Ｂは第２摩擦ワッシャーのスロット５３Ｂよりも円周方向の幅が広く、よっ て２段階ヒステリシス装置を提供している。これら摩擦ワッシャー５１および５ ３は、換言すれば、質量部材２のピン１５６と異なる変位間隙をもって係合する 。これらワッシャー５１および５３は、合成材料から構成することが好ましい。 ベルビーユワッシャー５５は、隣接する押圧ワッシャー５４に接触および力印 加ゾーンの境界を定めるスロット５５Ａも有する。このベアリング部品６０は、 ほとんどの部分で摩擦手段を支持しており、ピン１５６しか第２質量部材によっ て支持されていないことが理解できると思う。 図３では、ベアリング部品６０はワッシャーの重ね体を位置決めする前、およ び歯６２を曲げる前の一部しか示されていない。この図から明らかに理解できる ように、ショルダー６２Ｂは安定化ラグ７０によって境界が定められた歯６２と スロット６１（上記ノッチ６１）と交互に係合する構造を有する。 歯６２は、部品６０のショルダー６２Ｂに対してより薄く製造されている。歯 ６２の両側に設けられたノッチ６３は、曲げ加工を容易にしている。 本発明によれば、歯の曲げ加工をより容易にするため、各歯６２の両側に２つ のいわゆる安定化ラグ７０が設けられており、このラグの一方の側面は、ノッチ ６３により構成され、他方の側面はスロット６１によって構成されている。これ らラグは歯の曲げを中実ガイドによって制御できるようにする工具（図示せず） に対するベアリング手段を形成している。 この曲げ作業は、それ自体公知の態様で行うことが可能である。すなわちベア リング部品をテーブルに載せた後、歯を曲げる工具に対してガイド機素を支持す るための側方ラグを自由にするよう、まずベルビーユリングを後方に押すことに より、工具の型を作用させる。 改善が可能なことは言うまでもない。特にベアリング部品６０の内側部品６０ Ｂに対して、かつ径方向外側エッジ６０Ａに対してワッシャーの重ね体を設ける ことができる（図２参照）。ピン１５６は、プレート２１の軸方向の突起と置換 してもよい。 本発明に係わる装置は、ダブルダンピングホイールの２つの質量部材の間に設 ける代わりに、ハブと、このハブに弾性的に結合された２つのガイドワッシャー を備えた被動プレートアセンブリのガイドワッシャーのうちの１つとの間に設け ることができる。ねじれ振動をダンピングする他の回転装置では、ベアリングワ ッシャーはガイドワッシャーのうちの１つと一体的でもよく、ハブは摩擦ワッシ ャーと係合する突起を有してもよい。従って、スプリング８は円周方向に作用し てもよい。 また、作動中は枢着されたカセット１０は傾斜した状態にあり、スプリング８ は圧縮された状態となることが理解できると思う。第１段階ではワッシャー５３ は（ピン１５６とスロット５３Ｂの間の間隙がなくなった後に）第２摩擦部材２ により駆動されながらワッシャー５４、５２に作用し、これらを擦る。 次の段階では、スロット５１Ｂとピン１５６との間の間隙がなくなった後に、 ワッシャー５１がベアリング部品６０およびワッシャー５２に作用し、これらを 擦る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．弾性手段（８）および摩擦手段（５１、５５）に抗して、互いに移動でき るよう取り付けられた２つの同軸状質量部材（１、２）を備え、ベアリング部品 （６０）が前記質量部材（１、２）との間に設けられ、前記質量部材の一方（１ ）と一体的であり、前記摩擦手段のほとんどの部分を支持するようになっており 、該ベアリング部品が、歯（６２）と係合するショルダー（６０Ｂ）を備え、歯 （６２）がワッシャーの重ね体を所定位置に維持するようエッジ状に形成されて いる、トーションダンピング装置、特に自動車用ダブルダンピングフライホイー ルにおいて、 各歯（６２）の曲げ加工を工具の型によって補助できるように、いわゆる安定 化ラグ（７０）によって各歯の縁部が構成されていることを特徴とする、トーシ ョンダンピング装置。 ２．ベアリング部品の前記ショルダー（６０Ｂ）は、安定化ラグ（７０）によ って境界が定められた歯（６２）とスロット（６１）と交互に環状に係合する構 造を有することを特徴とする、請求項１記載の装置。 ３．前記安定化ラグ（７０）は、ベアリング部品（６０）の前記ショルダー（ ６０Ｂ）内に設けられ、各ラグ（７０）が第１にスロット（６１）のうちの１つ により構成され、第２に歯（６２）の延長部に設けられた切り欠き（６３）によ って構成されていることを特徴とする、請求項１記載の装置。 ４．前記摩擦手段が、前記質量部材の一方（２）と一体的なピン（１５６）と 緩く係合する回転摩擦ワッシャー（５１）と、ベアリング部品（６０）の前記ス ロット（６１）内にきつく係合するほぞ（５２Ａ）により、他方の質量部材（１ ）と一体的なきつく係合するワッシャー（５２）と、これらワッシャー（５１、 ５２）に軸方向の力を加えるようになっているベルビーユワッシャー（５５）を 備えることを特徴とする、請求項１記載の装置。 ５．２つの摩擦ワッシャー（５１、５３）と、２つのきつく係合するワッシャ ー（５２、５４）を備え、前記２つの摩擦ワッシャー（５１、５３）は、２つの ヒステリシス段階を生じるよう、異なる間隙をもってピン（１５６）と係合する ことを特徴とする、請求項４記載の装置。 ６．歯に最も近い摩擦ワッシャー（５３）が、スロット（５３Ｂ）を有し、こ れらスロットが、ベアリング部品（６０）のベース（６０Ｃ）に近い摩擦ワッシ ャー（５１）に設けられたスロットよりも円周方向に狭い幅を有することを特徴 とする、請求項５記載の装置。 ７．前記摩擦ワッシャー（５１、５３）は、その外周部にきつく係合するワッ シャー（５２、５４）のまわりに延びる補強部分（５１Ａ、５３Ａ）を有するこ とを特徴とする、請求項４記載の装置。 ８．歯（６２）が、ベアリング部品（６０）のショルダー（６０Ｂ）に対して より薄くされていることを特徴とする、請求項１記載の装置。