【発明の詳細な説明】新規なタキソイド類、それらの製造およびそれらを含有する製剤組成物
本発明は一般式:
の新規なタキソイド類、それらの製造およびそれらを含有する製剤組成物に関す
る。
一般式(I)において、
Arはアリール基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、
炭素数3〜6のシクロアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルケニル基を表
し、
Rは水素原子またはアルカノイル、アルコキシアセチルもしくはアルキル基を表
し、
R1はベンゾイル、テノイルもしくはフロイル基または基R2−O−CO−を表し
、ここでR2は
−炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜8のアル
ケニル基、炭素数3〜8のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭
素数4〜6のシクロアルケニル基または炭素数7〜11のビシクロアルキル基を
表し、これらの基は場合によりハロゲン原子並びにヒドロキシル基、炭素数1〜
4のアルキルオキシ基、各々のアルキル部分の炭素数が1〜4のジアルキルアミ
ノ基、ピペリジノおよびモ
ルホリノ基、1−ピペラジニル基(場合により−4において炭素数1〜4のアル
キル基またはアルキル部分の炭素数が1〜4のフェニルアルキル基で置換されて
いてもよい)、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルケ
ニル基、フェニル、シアノおよびカルボキシル基またはアルキル部分の炭素数が
1〜4のアルキルオキシカルボニル基から選択される1つもしくはそれ以上の置
換基で置換されていてもよく、
−或いは場合によりハロゲン原子および炭素数1〜4のアルキル基または炭素
数1〜4のアルキルオキシ基から選択される1つもしくはそれ以上の原子または
基で置換されていてもよいフェニル基を表すか、
−或いは場合により1つもしくはそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換
されていてもよい飽和もしくは不飽和の4−〜6−員の複素環式基を表し、そし
て
R3は
−炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数2〜8のアルケ
ニル基、炭素数2〜8のアルキニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素
数4〜6のシクロアルケニル基または炭素数7〜11のビシクロアルキル基を表
し、これらの基は場合によりハロゲン原子並びにヒドロキシル基、炭素数1〜4
のアルキルオキシ基、各々のアルキル部分の炭素数が1〜4のジアルキルアミノ
基、ピペリジノおよびモルホリノ基、1−ピペラジニル基(場合により−4にお
いて炭素数1〜4のアルキル基またはアルキル部分の炭素数が1〜4のフェニル
アルキルで置換されていてもよい)、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数
4〜6のシクロアルケニル基、場合により置換されていてもよいフェニ
ル基、シアノおよびカルボキシル基またはアルキル部分の炭素数が1〜4のアル
キルオキシカルボニル基から選択される1つもしくはそれ以上の置換基で置換さ
れていてもよく、
−或いは場合により置換されていてもよいアリール基を表し、ここでR3は置換
されていないフェニルを表すことができないことを理解すべきであり、
−或いは場合により1つもしくはそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換さ
れていてもよい飽和もしくは不飽和の4−〜6−員の複素環式基を表し、
シクロアルキル、シクロアルケニルまたはビシクロアルキル基は場合により1つ
もしくはそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいことを理
解すべきである。
ArおよびR3により表されるアリール基は好適にはフェニルまたはα−もし
くはβ−ナフチル基であり、それらは場合によりハロゲン原子(弗素、塩素、臭
素およびヨウ素)並びにアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリー
ルアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、ヒド
ロキシル、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ホルミル、アシル、アシルアミノ
、アロイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジ
アルキルアミノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、ジアル
キルカルバモイル、シアノ、ニトロ、アジド、トリフルオロメトキシおよびトリ
フルオロメチル基から選択される1つもしくはそれ以上の原子または基で置換さ
れていてもよく、ここでアルキル基および他の基のアルキル部分の炭素数は1〜
4であること、アルケニルおよびアルキニル基の炭素
数は2〜8であること並びにアリール基がフェニルまたはα−もしくはβ−ナフ
チル基であること、並びに基R3は置換されていないフェニル基を表せないこと
を理解すべきである。
ArおよびR3により表される複素環式基は好適には窒素、酸素または硫黄原
子から選択される1つもしくはそれ以上の同一もしくは相異なる原子を含有する
5−員の芳香族複素環式基であり、それらは場合によりハロゲン原子(弗素、塩
素、臭素およびヨウ素)並びに炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のア
リール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、
アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、各々のアルキル部分の炭素数が1
〜4のジアルキルアミノ基、アシル部分の炭素数が1〜4のアシルアミノ基、炭
素数1〜4のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアシル基、アリー
ル部分の炭素数が6〜10のアリールカルボニル基、シアノ、カルボキシルおよ
びカルバモイル基、アルキル部分の炭素数が1〜4のアルキルカルバモイル基、
各々のアルキル部分の炭素数が1〜4のジアルキルカルバモイル基またはアルコ
キシ部分の炭素数が1〜4のアルコキシカルボニル基から選択される1つもしく
はそれ以上の同一もしくは相異なる置換基で置換されていてもよく、ここでシク
ロアルキル、シクロアルケニルまたはビシクロアルキル基は場合により1つもし
くはそれ以上の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいことを理解す
べきである。
より特に、Arはフェニル、2−もしくは3−チエニルまたは2−もしくは3
−フリル基を表し、それらは場合によりハロゲン原子並びにアルキル、アルコキ
シ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ア
シルアミノ、アルコキシカルボニルアミノおよびトリフルオロメチル基から選択
される1つもしくはそれ以上の同一もしくは相異なる原子または基で置換されて
いてもよく、そしてR3はハロゲン原子並びにアルキル、アルコキシ、アミノ、
アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミ
ノおよびトリフルオロメチル基から選択される1つもしくはそれ以上の同一もし
くは相異なる原子または基で置換されたフェニル基を表す。
さらに特に、Arは場合により塩素もしくは弗素原子またはアルキル(メチル
)、アルコキシ(メトキシ)、ジアルキルアミノ(ジメチルアミノ)、アシルア
ミノ(アセチルアミノ)もしくはアルコキシカルボニルアミノ(tert−ブト
キシカルボニルアミノ)基で置換されていてもよいフェニル、或いは2−もしく
は3−チエニルまたは2−もしくは3−フリル基を表し、そしてR3はハロゲン
原子で置換されたフェニル基を表す。
Arがフェニル基を表しそしてR1がベンゾイルまたはtert−ブトキシカ
ルボニル基を表しそしてR3がハロゲン原子で置換されたフェニル基を表す一般
式(I)の生成物がさらに特別な価値がある。
本発明によると、一般式(I)の新規なタキソイド類は一般式:
[式中、ArおよびR1は前記で定義されている通りであり、そしてR4
は水素原子を表しそしてR5はヒドロキシル官能基用の保護基を表すか、或いは
R4およびR5は一緒になって5−もしくは6−員の飽和複素環を形成し、G1は
アルカノイル(アセチル)、アルコキシアセチル(メトキシアセチル)もしくは
アルキル(メチル)基またはヒドロキシル官能基用の保護基を表す]
の生成物を、一般式:
R3−CO−OH (III)
[式中、R3は前記で定義されている通りである]
の酸またはこの酸の活性化された誘導体を用いてエステル化して、一般式:
[式中、Ar、R1、R3、R4、R5およびG1は前記で定義されている通りであ
る]
の生成物を得、R4が水素原子を表す時の保護基R5、またはR4およびR5が一緒
になって5−もしくは6−員の飽和複素環を表す時のR4およびR5、並びに場合
によりG1を、水素原子により置換し、R1、R4およびR5の意味によるが、場合
により一般式:
[式中、Rは前記で定義されている通りである]
の生成物を介して、一般式(I)の生成物をもたらし、その生成物を塩化ベンゾ
イル、テノイルもしくはフロイルまたは一般式:
R2−O−CO−X (VI)
[式中、R2は前記で定義されている通りであり、そしてXはハロゲン原子(弗
素もしくは塩素)または基−O−R2もしくは−O−CO−O−R2を表す]
の生成物を用いてアシル化することにより得られる。
R4が水素原子を表す時には、R5は好適にはメトキシメチル、1−エトキシエ
チル、ベンジルオキシメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、(β−ト
リメチルシリルエトキシ)メチルまたはテトラヒドロピラニル基を表す。
R4およびR5が一緒になって複素環を形成する時には、これは好適には場合に
より位置−2でモノ置換またはジェム−置換されていてもよいオキサゾリジン環
である。
G1は好適にはアセチルもしくはアルキル基またはアルコキシアセチル基を表
す。
一般式(II)の生成物のエステル化は、一般式(III)の酸を、好適には例え
ば塩化物の如きハロゲン化物の形態で、予め金属処理された一
般式(II)の生成物と反応させることにより実施できる。この金属処理は一般的
には例えばブチルリチウムの如きアルカリ金属アルカリドを用いて、不活性有機
溶媒、例えばテトラヒドロフランの如きエーテルの中で、−50℃より下のそし
て好適には−78℃付近の温度において実施される。エステル化は一般的には同
じ温度において同じ溶媒中で行われる。
一般式(IV)の生成物の保護基の性質によるが、水素原子によるそれらの置換
は下記の方法で実施できる:
1)R4が水素原子を表し、R5が以上で定義されている通りでありそしてG1が
アルカノイル(アセチル)、アルコキシアセチル(メトキシアセチル)またはア
ルキル(メチル)基を表す時には、一般式(IV)の生成物を、単独でまたは混合
物として使用される無機酸(塩酸、硫酸および弗化水素酸)または有機酸(酢酸
、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸もしくはp−トルエンスル
ホン酸)と、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類、ハロ
ゲン化された脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類またはニトリル類から選択さ
れる有機溶媒中で、−10〜60℃の間の温度において反応させることにより、
水素原子による保護基の置換を実施できる。
2)R4およびR5が一緒になって5−もしくは6−員の飽和複素環、そしてより
特に一般式:
[式中、R1は前記で定義されている通りであり、R6およびR7は同一
もしくは相異なり水素原子または炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルキル部
分の炭素数が1〜4でありそしてアリール部分が好適には場合により1つもしく
はそれ以上の炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を
表すアラルキル基、または好適には場合により1つもしくはそれ以上の炭素数1
〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表すアリール基を表す
か、或いはR6は炭素数1〜4のアルコキシ基またはトリハロメチル基、例えば
トリクロロメチル、またはトリハロメチル基、例えばトリクロロメチル、で置換
されたフェニル基を表しそしてR7は水素原子を表すか、或いはR6およびR7が
それらが結合している炭素原子と一緒になって4−〜7−員の環を形成する]
オキサゾリジン環を表し、そしてG1がアルカノイル(アセチル)、アルコキシ
アセチル(メトキシアセチル)またはアルキル(メチル)基を表す時には、R1
、R6およびR7の意味によるが、水素原子による保護基の置換は下記の方法で実
施できる:
a)R1がt−ブトキシカルボニル基を表し、R6およびR7が同一もしくは相異
なりアルキル基またはアラルキル(ベンジル)もしくはアリール(フェニル)基
を表すか、或いはR6がトリハロメチル基またはトリハロメチル基で置換された
フェニル基を表しそしてR7が水素原子を表すか、或いはR6およびR7が一緒に
なって4−〜−7員の環を形成する時には、一般式(IV)の生成物を無機または
有機酸と、場合により例えばアルコールの如き有機溶媒中で、処理して一般式(
V)の生成物を得て、それを一般式(VI)の生成物を用いてアシル化する。好適
には、一般式(IV)の生成物を20℃付近の温度において蟻酸で処理する。一般
式(VI)の生成物を用いる一般式(V)の生成物のアシル化は好適には酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピルまたは酢酸n−ブチルの如きエステル類並びに例えばジク
ロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンの如きハロゲン化された脂肪族炭化水
素類から選択される不活性有機溶媒中で、例えば炭酸水素ナトリウムの如き無機
塩基または例えばトリエチルアミンの如き有機塩基の存在下で実施される。反応
は0〜50℃の間の、好適には20℃付近の温度において実施される。
b)R1がベンゾイル基または基R2−O−CO−を表し、ここでR2は以上で定
義されている通りであり、R6が水素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基ま
たは1つもしくはそれ以上の炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル
基を表し、そしてR7が水素原子を表す時には、単独でまたは混合物として使用
される無機酸(塩酸もしくは硫酸)または有機酸(酢酸、メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸)の存在下で、ア
ルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化された脂
肪族炭化水素類および芳香族炭化水素類から選択される有機溶媒中で、−10〜
60℃の間の、好適には15〜30℃の間の温度において行われる。酸は触媒量
または化学量論的量で使用される。
3)G1がアルコキシアセチル基を表しそしてR4およびR5が上記の1)で定義
されている通りである時には、水素原子による保護基R5の置換を最初に上記の
1)に記載されている酸性条件下で行い、場合によりその後に水素原子による保
護基G1の置換をアルカリ性媒体中でのアンモニアもしくはヒドラジンを用いる
処理によりまたは分子の残部に影響を与えない条件下でのハロゲン化亜鉛を用い
る処理により行う。アルカリ
性処理は一般的には水性−アルコール性媒体中でのアンモニアの作用またはアル
コール性媒体中でのヒドラジンの作用により20℃付近の温度において行われる
。ハロゲン化亜鉛、好適には塩化亜鉛、を用いる処理は一般的にメタノール中で
20℃付近の温度において行われる。
4)G1がアルコキシアセチル基を表し、そしてR4およびR5が上記の2−a)
で定義されている通りである時には、保護基G1の置換を場合によりアルカリ性
媒体中での処理によりまたは上記3)に記載されている条件下でのハロゲン化亜
鉛を用いる処理により行い、その後に得られた一般式(V)の生成物を上記2−
a)に記載されているアシル化条件下で処理する。
5)G1がアルコキシアセチル基を表し、そしてR4およびR5が上記2−b)で
定義されている通りである時には、保護基G1の置換は場合によりアルカリ性媒
体中での処理によりまたは上記3)に記載されている条件下でのハロゲン化亜鉛
を用いる処理により行い、その後に得られた生成物を上記2−b)に記載されて
いる条件下で処理する。
一般式(II)の生成物は、下記の反応式:
[ここでnが2に等しい時には分解生成物はベンズアルデヒドであり、そしてn
が4に等しい時には分解生成物はベンジルアルコールであることを理解すべきで
ある]
に従う一般式:
[式中、Ar、R1およびR4は以上で定義されている通りであり、R5は以上で
定義されている通りでありそしてさらに水素原子を表すこともでき、G′1は水
素原子またはアルカノイル(アセチル)、アルコキシアセチル(メトキシアセチ
ル)もしくはアルキル(メチル)またはヒドロキシル官能基用の保護基を表す]
の生成物の電解還元、並びに場合によりその後の一般式(II)の生成物を得るた
めの−OR5および−O−G′1により定義されているヒドロキシル官能基の保護
により、得られる。
一般式(VIII)の生成物を使用する電解還元は支持陰極液を含有する電解槽中
で実施され、その中で一般式(VIII)の生成物は0.1g/リットルと一般式(V
III)の生成物による溶液の飽和度との間の濃度において溶解する。
還元は好適には隔膜電解槽中で実施される。
本発明に従う方法の1つの態様によると、電解還元は陰極、陰極室、分離隔膜
、陽極室および陽極を含有する電解槽中で実施され、その特徴は下記の通りであ
る:
a)陰極は水銀のシートからなり、
b)陰極室は一般式(VIII)の生成物の有機媒体中溶液からなる陰極液
を含有し、
c)分離隔膜は多孔性材料、例えば浸漬ガラスもしくは陶器から製造された板、
スリーブもしくはフィルターキャンドル、またはイオン交換膜、好適にはカチオ
ン交換膜からなり、
d)陽極室は好適には陰極室中で使用されたものと同じ溶媒または溶媒と同じ支
持電解質の混合物からなる陽極液を含有し、
e)陽極は電気伝導性材料からなり、その性質は該方法の実施にとって重要でな
い。
陽極は一般的には、固体塊状のまたは伝導性支持体であるグラファイトもしく
はガラス質炭素上の、電気分解条件下で攻撃を受けない電気伝導性材料、例えば
研磨された白金、からなる。
支持電解質は第4級アンモニウム塩、例えば酢酸テトラエチルアンモニウムも
しくはテトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム、またはそれらの混合物
からなり、その塩は溶媒または溶媒の混合物中に可溶性である。
一般式(II)および(VIII)の生成物を容易に溶解させそして低い抵抗を有す
る溶媒、例えばアルコール類、例えばメタノール、ニトリル類、例えばアセトニ
トリル、またはアミド類、例えばジメチルホルムアミドが一般的に使用される。
pHは基質の安定性と相容性でなければならない。媒体は第4級酢酸アンモニ
ウムと等モル濃度の弱酸、例えば酢酸、を加えることにより緩衝させることがで
きる。
該方法の好適な態様によると、陽極、陰極および隔膜は水平な平行面にあり、
陰極は水銀のシートからなっている。
電解浴の温度は一般的には0〜30℃の間である。
電気分解は飽和カロメル基準電極に関して−1.90〜−2.10ボルトの間で
ある調節された電位において実施される。
電気分解の開始前に約10分間にわたり例えばアルゴンの如き不活性気体を流
すことにより溶液から脱気することが必要であり、不活性雰囲気が電気分解中に
保たれる。
一般式(VIII)の生成物は次のようにして得ることができる:
1)一般式:
[式中、Ar、R1、R4およびG′1は前記で定義されている通りであり、そし
てR5は以上で定義されている通りでありそしてさらに水素原子を表してもよい
]
の生成物に対するアルカリ金属ハロゲン化物(塩化ナトリウムもしくは弗化カリ
ウム)またはアルカリ金属アジド(ナトリウムアジド)または第4級アンモニウ
ム塩またはアルカリ金属燐酸塩の作用による。
この反応は一般的にはエーテル類(テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエー
テルおよびメチルt−ブチルエーテル)並びにニトリル類(アセトニトリル)か
ら選択される単独または混合物状の有機溶媒中で、20℃と反応混合物の沸点と
の間の温度において実施される。
一般式(IX)の生成物は、一般式:
[式中、Ar、R1、R4およびG′1は前記で定義されている通りであり、そし
てR5は以上で定義されている通りである]
のタキソイドに対するトリフルオロメタンスルホン酸誘導体、例えば無水物また
はN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドの作用により得られる。
この反応は一般的には不活性溶媒(場合によりハロゲン化されていてもよい脂
肪族炭化水素類または芳香族炭化水素類)の中で有機塩基、例えば脂肪族第3級
アミン(トリエチルアミン)またはピリジンの存在下で、−50〜+20℃の間
の温度において実施される。
G′1が水素原子またはアセチル、アルコキシアセチルもしくはアルキル基を
表す一般式(X)のタキソイドは、一般式:
[式中、Ar、R1およびR4は前記で定義されている通りであり、R5は以上で
定義されている通りであり、そしてG′1はアセチル、アルコキシアセチルもし
くはアルキル基またはヒドロキシル官能基用の保護基を
表し、そしてG′2はヒドロキシル官能基用の保護基を表す]
の生成物から、水素原子による保護基G′2および場合によりG′1の置換により
得られる。
基G′1およびG′2は、それらがヒドロキシル官能基用の保護基を表す時には
、好適には2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−(2−トリクロロ
メチルプロポキシ)カルボニル基、またはアルキル部分の炭素数が1〜4であり
そしてアリール部分が好適にはフェニル基であるトリアルキルシリル、ジアルキ
ルアリールシリル、アルキルジアリールシリルもしくはトリアリールシリル基で
ある。
G′1およびG′2が2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルまたは2−(2
−トリクロロメチルプロポキシ)カルボニル基を表す時には、水素原子による保
護基の置換は場合により銅と組み合わされていてもよい亜鉛により、酢酸の存在
下で20〜60℃の間の温度において、或いは例えば塩酸または酢酸の如き無機
または有機酸を用いて炭素数1〜3の脂肪族アルコールまたは例えば酢酸エチル
、酢酸イソプロピルもしくは酢酸n−ブチルの脂肪族エステル中溶液状で場合に
より銅と組み合わされていてもよい亜鉛の存在下で実施される。
G′2がシリル基を表しそしてG′1がアルカノイル(アセチル)、アルコキシ
アセチル(メトキシアセチル)またはアルキル(メチル)基を表す時には、水素
原子による保護基G′2の置換は例えば気体状塩化水素を用いてエタノール溶液
中で0℃付近の温度において、または弗化水素酸−トリエチルアミンもしくは弗
化水素酸−ピリジン錯体を用いて例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、
もしくはアセトニトリルの如き有機溶媒中で20℃付近の温度において分子の残
部に影響を与えない条
件下で実施できる。
R4およびR5が一緒になってR6が水素原子を表し、そしてR7が置換されたフ
ェニル基を表す一般式(VII)のオキサゾリジン環を形成する時には、酸性媒体
中での処理がR4およびR5が各々水素原子を表す一般式(X)の生成物を与える
。次に一般式(IX)の生成物を製造する前に一般式(X)の生成物中で好適には
シリル基の形態の−O−R5により表されるヒドロキシル官能基を選択的に保護
することが必要である。
G′1が水素原子またはアセチル、アルコキシアセチルもしくはアルキル基を
表す一般式(XI)の生成物はヨーロッパ特許EP0,336,840およびEP0
,336,841並びに国際出願PCT/WO9209589に記載されている条
件下で−7および場合により−10においてヒドロキシル官能基が保護されてい
るバッカチンIIIまたは10−デアセチルバッカチンIIIのエステル化により得ら
れ、ここでG′1がアルコキシアセチルまたはアルキル基を表す一般式(XI)の
生成物を得るためには−7においてそして好適にはシリル基で保護された10−
デアセチルバッカチンIIIを予めハロゲン化アルコキシアセチルまたはハロゲン
化アルキルで処理する必要があることを理解すべきである。
アルコキシアセチル基の導入は、−7において保護された10−デアセチルバ
ッカチンIIIをハロゲン化アルコキシアセチルで例えばピリジンの如き塩基性有
機溶媒中で20℃付近の温度において処理することにより、一般的に実施される
。
アルキル基の導入は、−7において保護されそして−10において金属処理さ
れた10−デアセチルバッカチンIIIを例えばアルカリ金属水素化物(水素化ナ
トリウム)または金属アルキリド(ブチルリチウム)
を用いて、ハロゲン化アルカリで処理することにより、一般的に実施される。
2)一般式:
[式中、Ar、R1、R4およびR5は前記で定義されている通りである]
の酸またはこの酸の誘導体を用いる一般式:
[式中、G1は前記で定義されている通りである]
の生成物のエステル化による。
一般式(XIII)の酸を用いるエステル化は縮合剤(カルボジイミドまたは反応
性カーボネート)および活性化剤(アミノピリジン)の存在下で有機溶媒(エー
テル、エステル、ケトン類、ニトリル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化された
脂肪族炭化水素類または芳香族炭化水素類)の中で−10〜90℃の間の温度に
おいて実施できる。
エステル化は無水物形の一般式(XIII)の酸を用いて活性化剤(アミノピリジ
ン)の存在下で有機溶媒(エーテル類、エステル類、ケトン類、ニトリル類、脂
肪族炭化水素類、ハロゲン化された脂肪族炭化水素類または芳香族炭化水素類)
の中で0〜90℃の間の温度においても実施で
きる。
エステル化はハロゲン化物形または無水物形の一般式(XIII)の酸を場合によ
りその場で製造されてもよい脂肪族または芳香族酸と共に用いて、塩基(第3級
脂肪族アミン)の存在下で、有機溶媒(エーテル類、エステル類、ケトン類、ニ
トリル類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化された脂肪族炭化水素類または芳香族
炭化水素類)の中で0〜80℃の間の温度においても実施できる。
一般式(XII)の生成物は、一般式:
[式中、G1は前記で定義されている通りである]
の生成物に対するアルカリ金属ハロゲン化物(塩化ナトリウムもしくは弗化カリ
ウム)またはアルカリ金属アジド(ナトリウムアジド)または第4級アンモニウ
ム塩またはアルカリ金属燐酸塩の作用により得られる。
この反応は一般的にはエーテル類(テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエー
テルもしくはメチルt−ブチルエーテル)およびニトリル類(アセトニトリル)
から選択される単独または混合物状の有機溶媒中で、20℃と反応混合物の沸点
との間の温度において実施される。
G1が水素原子またはアルカノイル(アセチル)、アルコキシアセチル(メト
キシアセチル)もしくはアルキル(メチル)基を表す式(XIV)の生成物は、既
知の方法に従いイチイの葉(Taxus baccata)から抽出
できるバッカチンIIIまたは10−デアセチルバッカチンIIIに対するトリフルオ
ロメタンスルホン酸誘導体、例えば無水物またはN−フェニルトリフルオロメタ
ンスルホンイミドの作用および場合によりその後の位置10における保護により
得られ、ここでG1がアルコキシアセチルまたはアルキル基を表す一般式(XIV)
の生成物を得るためには、−7において好適にはシリル基で保護された10−デ
アセチルバッカチンIIIを予めハロゲン化アルコキシアセチルまたはハロゲン化
アルキルで処理する必要があることを理解すべきである。
トリフルオロメタンスルホン酸誘導体の反応は一般的には不活性有機溶媒(場
合によりハロゲン化されていてもよい脂肪族炭化水素類または芳香族炭化水素類
)の中で有機塩基、例えば脂肪族第3級アミン(トリエチルアミン)またはピリ
ジンの存在下で、−50〜+200℃の間の温度において実施される。
アルコキシアセチル基の導入は一般的には、−7においてハロゲン化アルコキ
シアセチルで保護された10−デアセチルバッカチンIIIを例えばピリジンの如
き塩基性有機溶媒中で20℃付近の温度において処理することにより、実施され
る。
アルキル基の導入は一般的には、−7において保護されそして−10において
金属処理された10−デアセチルバッカチンIIIを例えばアルカリ金属水素化物
(水素化ナトリウム)または金属アルキリド(ブチルリチウム)を用いてハロゲ
ン化アルキルで処理することにより、実施される。
本発明によれば、一般式(III)の酸を用いる一般式:
[式中、Ar、R1、R4、R5およびG1は前記で定義されている通りであり、そ
してG2は好適にはアルキル部分の炭素数が1〜4でありそしてアリール部分が
好適にはフェニル基であるトリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、ア
ルキルジアリールシリルまたはトリアリールシリル基から選択されるヒドロキシ
ル官能基用の保護基を表す]
生成物のエステル化により一般式:
[式中、Ar、R1、R3、R4、R5、G1およびG2は前記で定義されている通り
である]
の生成物を得、その生成物において保護基G2を選択的に水素原子により置換し
て、一般式:
[式中、Ar、R1、R3、R4、R5およびG1は前記で定義されている通りであ
る]
の生成物を得、その生成物をトリフルオロメタンスルホン酸誘導体、例えば無水
物またはN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド、の作用により一般式
:
[式中、Ar、R1、R3、R4、R5およびG1は前記で定義されている通りであ
る]
の生成物に転化させ、この生成物においてR5によりまたはR4およびR5により
表される保護基を水素原子により置換して、一般式:
[式中、Ar、R1、R3およびG1は前記で定義されている通りである]
の生成物を与え、この生成物をアルカリ金属ハロゲン化物(塩化ナトリウム、弗
化カリウムもしくは塩化ナトリウム)またはアルカリ金属アジド(ナトリウムア
ジド)または第4級アンモニウム塩またはアルカリ金属燐酸塩の作用によりRが
アセチル、アルコキシアセチルまたはアルキ
ル基を表す一般式(I)の生成物を生成し、それを場合によりRが水素原子を表
す一般式(I)の生成物に転化してもよい方法により、一般式(I)の新規な生
成物が得られる。
一般式(III)の酸を用いる一般式(XV)の生成物のエステル化は一般式(III
)の酸を用いる一般式(II)の生成物のエステル化に関して以上で記載されてい
る条件下で実施される。
水素原子による保護基G2の置換は一般的には、一般式(XVI)の生成物を弗化
水素酸またはトリフルオロ酢酸を用いて、有機塩基、例えばピリジンまたは脂肪
族第3級アミン、例えばトリエチルアミンの存在下で、有機溶媒、例えばエーテ
ル(テトラヒドロフラン)またはニトリル(アセトニトリル)の中で処理するこ
とにより実施される。
一般式(XVII)の生成物から一般式(XVIII)の生成物への転化は、一般式(
X)の生成物からの一般式(IX)の生成物の製造に関して以上で記載されている
条件下で実施される。
R5によりまたはR4およびR5により表される保護基の置換は、一般式(IV)
の生成物の保護基の置換に関して以上で記載されている条件下で実施される。
Rがアルカノイル、アルコキシアセチルまたはアルキル基を表す一般式(XIX
)の生成物から一般式(I)の生成物への転化は、一般式(IX)の生成物から一
般式(VIII)の生成物への転化に関して以上で記載されている条件下で実施され
る。
Rがアルカノイル、アルコキシアセチルまたはアルキル基を表す一般式(I)
の生成物中の水素原子による基Rの場合による置換は、水素原子による一般式(
IV)の生成物の保護基の置換に関して以上で記載され
ている条件下で実施される。
一般式(XV)の生成物は国際出願PCT/WO94/20484に記載されて
いる条件下で得られる。
本発明に従う方法の実施により得られる一般式(I)の新規な生成物は既知の
方法、例えば結晶化またはクロマトグラフィー、に従い精製することができる。
一般式(I)の生成物は顕著な生物学的性質を有する。
試験管内で、M.L.Shelanski他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,70,765-768
(1973)の方法により豚の脳から抽出されたチューブリンに対して生物学的活性
の測定を行う。チューブリン中への微小管の解重合の
(1981)の方法に従い実施される。この研究では、一般式(I)の生成物はタキ
ソール(taxol)およびタキソテレ(Taxotere)と少なくとも同等の活性であること
が証明された。
生体内で、一般式(I)の生成物は黒色腫B16が移植されたマウスにおいて
1〜10mg/kgの間の薬用量において腹腔内方式で、並びに他の液体または
固体腫瘍に対して、活性であることが証明された。
新規な生成物はTaxolRまたはTaxotereRに対して耐性がある腫瘍に対して活性
を示す。そのような腫瘍はmdr1遺伝子(複合−薬品耐性遺伝子)の高い発現
性を有する結腸の腫瘍を含んでなる。複合−薬品耐性は異なる構造および作用機
構の種々の生成物に対する腫瘍の耐性を称する一般的な語である。タキソイド類
は一般的には、例えばP388/DOX、すなわちドキソルビシン(DOX)に
対するその耐性に関して選択されそしてmdr1を発現する細胞系である実験的
な腫瘍により
強く認識されることは知られている。
以下の実施例が本発明を説明する。実施例1
アルゴン雰囲気下に保たれた91.5mgの(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒ
ドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−(4−
フルオロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,
8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルの0
.2cm3のジクロロメタン中溶液に12.5mgの炭酸水素ナトリウムを加え、
その後に20℃付近の温度において32mgの二炭酸ジ−t−ブチルの0.1c
m3のジクロロメタン中溶液を滴々添加する。得られた溶液を20℃付近の温度
において22時間撹拌し、その後に0.5cm3の蒸留水および5cm3のジクロ
ロメタンの混合物を加える。水相を0.5cm3のジクロロメタンで抽出する。一
緒にした有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過しそして次に減圧下で(2
.7kPa)40℃において濃縮乾固する。99.2mgの黄色フォームがこのよ
うにして得られ、その生成物を厚さが0.25mmの薄層(Kieselgel 60F254,M
erck)中で6枚のシリカ板上でメタノール/ジクロロメタン混合物(2/98容
量)を用いて2回溶離する分取クロマトグラフィーにより精製する。メタノール
/ジクロロメタン混合物(10/90容量)を用いる所望する生成物に相当する
領域の溶離および次の減圧下での(0.27kPa)40℃付近の温度における
蒸発後に、32.7mgの(2R,3S)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−2
−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−(
4−フルオロベンゾイルオキシ)−5β,20−エ
ポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−
11−タキセン−13α−イルが白色フォームの形状で得られ、その特性は下記
の通りである:
−プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz;CDCl3;化学シフト、p
pm):1.28(s,3H:16または17における−CH 3);1.30s,9
H:−C(CH 3)3];1.37(mt,1H:7における−H);1.58(s,3
H:16または17における−CH 3);1.68および2.25(tおよびm,各
々1H:シクロプロバンの−CH 2);1.87(s,3H:18における−CH 3
);2.12および2.47(dおよびtd,各々1H:6における−CH 2));
2.22(s,3H:10における−COCH 3);2.22および2.40(m,各
々1H:14における−CH 2);2.38(s,3H:4における−COCH 3)
;3.26(広いs,1H:2′における−OH);4.05および4.30(d,
各々1H:20における−CH 2);4.10(d,1H:3における−H);4.
64(広いs,1H:2′における−H);4.75(d,1H:5における−H
);5.30(広いd,1H:3′における−H);5.31(d,1H:−CONH
−);5.65(d,1h:2における−H);6.29(広いt,1H:13
における−H);6.32(s,1H:10における−H);7.20[t,2H:
−OCOC6H4F(3における−Hおよび5における−H)];7.30から7.
45(mt,5H:3′におけるC6H5):8.19[dd,2H:−OCOC6H4
F(2における−Hおよび6における−H)。
(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α,
10β−ジアセトキシ−2α−(4−フルオロベンゾイルオキ
シ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,8β−メチレン−9−オ
キソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルは下記の方法で製造できる:
130mgの(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−
4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2
α−(4−フルオロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α
−イルの1.3cm3の蟻酸中溶液を20℃付近の温度において2時間撹拌しそし
て次に減圧下で(0.27kPa)30℃において濃縮乾固する。得られた白色
フォームを大気圧において直径が2.5cmのカラム中に含有された40gのシ
リカ(0.063−0.2mm)上でのメタノール/ジクロロメタン混合物(2.
5/97.5〜5/95容量の溶離勾配)で溶離するクロマトグラフィーにより
直接精製し、所望する生成物だけを含有する画分を一緒にしそして減圧下で(0
.27kPa)40℃において濃縮乾固する。91.5mgの(2R,3S)−3−
アミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α,10β−ジアセトキ
シ−2α−(4−フルオロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒ
ドロキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−
13α−イルがこのようにして白色フォームの形状で得られる。
(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−(4−フル
オロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,8β
−メチレン−9−オキソ−19−ノル−1
1−タキセン−13α−イルは下記の方法で製造できる:
アルゴン雰囲気下に保たれた190mgの(4R,5S)−3−t−ブトキシカ
ルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸4
α,10β−ジアセトキシ−5β,20−エポキシ−1β,2α−ジヒドロキシ−
7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イ
ルの4cm3の無水テトラヒドロフラン中溶液に−78℃付近の温度において0.
38cm3のn−ブチルリチウムのヘキサン中1.3M溶液および次に0.058
5cm3の塩化4−フルオロベンゾイルを連続的に加える。溶液を−78℃付近
の温度において45分間撹拌し、その後に同じ温度において0.38cm3のn−
ブチルリチウムのヘキサン中1.3M溶液および次に0.0585cm3の塩化4
−フルオロベンゾイルを連続的に加える。溶液を−78℃付近の温度において3
5分間撹拌し、その後に1cm3の飽和塩化アンモニウム水溶液を加える。反応
混合物を20℃付近の温度に15分間にわたり戻す。沈下による相の分離後に、
水相を1cm3の酢酸エチルで2回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシ
ウム上で乾燥し、濾過しそして次に減圧下で(2.7kPa)40℃において濃
縮乾固する。245mgの黄色油がこのようにして得られ、その生成物を大気圧
において直径が2.5cmのカラム中に含有された40gのシリカ(0.063−
0.2mm)上でのメタノール/ジクロロメタン混合物(0.5/99.5〜2.5
/97.5容量の溶離勾配)で溶離するクロマトグラフィーにより精製する。所
望する生成物だけを含有する画分を一緒にしそして減圧下で(0.27kPa)
40℃において濃縮乾固する。130mgの(4R,5S)−3−t−ブトキシカ
ルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−(4−フル
オロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,8β
−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルがこのよ
うにして白色フォームの形状で得られる。
(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−5β,20−エポ
キシ−1β,2α−ジヒドロキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノ
ル−11−タキセン−13α−イルは下記の方法で製造できる:
(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,8β−メチレン−9
−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルの電気化学的還元を電気
分解槽中で実施し、その特性は下記の通りである:
−槽はカチオン交換膜により2つの室に分割された100cm3のガラス容器で
あり、
−陰極はその表面積が約4cm2の水銀シートであり、
−陽極は白金グリッドであり、
−基準電極は飽和カロメル電極である。
10cm3の下記の成分を含有する溶液を陰極室の中に加える:
−(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロ
キシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13
α−イル..............................27.3mg
−テトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウム....0.15M/リットルに
するのに十分な量
−酢酸テトラエチルアンモニウム....0.05M/リットルにするのに十分な量
−酢酸..................0.05M/リットルにするのに十分な量
−メタノール......................10cm3にするのに十分な量。
10cm3の0.1M硫酸水溶液を陽極室の中に加える。
電気分解中に保たれるアルゴン流を流すことにより溶液を10分間にわたり脱
気した後に、陰極電位を基準電極に関して−1.95ボルトに設定する。
溶液を54分間にわたり、すなわち100クーロン用に必要な時間にわたり電
気分解する。減圧下での(0.27kPa)35℃付近の温度における濃縮乾固
後に、残渣を10cm3の酢酸エチルおよび10cm3の蒸留水の中に加える。抽
出および沈下による相の分離後に、水相を5cm3の酢酸エチルで2回抽出する
。有機相を一緒にし、10cm3の0.2M水性燐酸塩緩衝液(pH=7)で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過しそして次に減圧下で濃縮乾固する。2
4mgの薄黄色フォームがこのようにして得られ、その生成物を薄層シリカ(Ki
eselgel 60F254,Merck;厚さ0.25mm)中で4枚のシリカ板上でメタノール
/アセトニトリル/ジクロロメタン混合物(5/5/90容量)を用いて溶離す
る分取クロマトグラフィーにより精製する。紫外線(254nm)による検出お
よびメタノール/ジクロロメタン混合物(1/1容量)を
用いる主成分に相当する領域の溶離および次の減圧下での(0.27kPa)4
0℃付近の温度における蒸発後に、9.6mgの(4R,5S)−3−t−ブトキ
シカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン
酸4α,10β−ジアセトキシ−5β,20−エポキシ−1β,2α−ジヒドロキ
シ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α
−イルが白色フォームの形状で得られる。
(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,8β−メチレン−9
−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルは下記の方法で製造でき
る:
アルゴン雰囲気下に保たれた1.8gの(4R,5S)−3−t−ブトキシカル
ボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,
10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β
−ヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11
−タキセン−13α−イルの20cm3の無水アセトニトリルおよび4cm3の無
水テトラヒドロフラン中溶液に4gの塩化ナトリウムおよび300mgの粉末状
の活性化された4Å分子ふるいを加える。反応混合物を撹拌しながらそしてアル
ゴン雰囲気下で2時間にわたり80℃付近の温度に加熱し、そして次に20℃付
近の温度に冷却し、そしてセライトが充填されたガラス漏斗上で濾過する。濾液
を減圧下で(2.7kPa)40℃付近の温度において濃縮乾固する。4.9gの
褐橙色残渣がこのようにして得られ、その生成物を
大気圧において直径が4.5cmのカラム中に含有された40gのシリカ(0.0
63−0.2mm)上での酢酸エチル/ジクロロメタン混合物(0/100から
10/90容量への溶離勾配)で溶離するクロマトグラフィーにより精製する。
所望する生成物だけを含有する画分を一緒にしそして減圧下で(0.27kPa
)40℃において濃縮乾固する。1.35gの(4R,5S)−3−t−ブトキシカ
ルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸4
α,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1
β−ヒドロキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキ
セン−13α−イルがこのようにして白色フォームの形状で得られる。
(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリ
フルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルは下記の方法
で製造できる:
アルゴン雰囲気下に保たれた3.85gの(4R,5S)−3−t−ブトキシカル
ボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,
10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,
7β−ジヒドロキシ−9−オキソ−11−タキセン−13α−イルの40cm3
の無水ジクロロメタン中溶液に1.3cm3のピリジンおよび100mgの粉末状
の活性化された4Å分子ふるいを加える。反応混合物を−30℃付近の温度に冷
却する。1.2cm3の無水トリフルオロメタンスルホン酸をゆっくり加え、そし
て混合物を0℃付近の温度において1時間撹拌する。それを再び−30℃付
近の温度に冷却し、その後に1.2cm3の無水トリフルオロメタンスルホン酸を
加え、0℃付近の温度において1時間撹拌しそして10cm3の蒸留水を加える
。反応混合物を20℃付近の温度にし、そしてセライトが充填されたガラス漏斗
上で濾過する。ガラス漏斗を50cm3の酢酸エチル/ジクロロメタン混合物(
1/1容量)ですすぐ。相の沈下が起きた後に水相を分離し、そして次に10c
m3のジクロロメタンで抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウム上で乾
燥し、濾過しそして次に減圧下で(2.7kPa)40℃において濃縮乾固する
。4.39gの黄色固体がこのようにして得られ、その生成物を大気圧において
直径が4.5cmのカラム中に含有された350gのシリカ(0.063−0.2
mm)上での酢酸エチル/ジクロロメタン混合物(0/100〜5/95容量の
溶離勾配)で溶離するクロマトグラフィーにより精製する。所望する生成物だけ
を含有する画分を一緒にしそして減圧下で(0.27kPa)40℃において濃
縮乾固する。4.07gの(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−
ジメチル−4−フェニル−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセ
トキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−
9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−1
3α−イルがこのようにして白色フォームの形状で得られる。
(4R,5S)−3−t−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フェニル
−5−オキサゾリジンカルボン酸4α,10β−ジアセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β−ジヒドロキシ−9−オキソ−11
−タキセン−13α−イルはPCT国際出願WO9209589に記載されてい
る条件下で製造できる:実施例2
アルゴン雰囲気下に保たれそして撹拌された500mgの(2R,4S,5R)−
3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニ
ル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−1β,2α−ジ
ヒドロキシ−5β,20−エポキシ−10β−メトキシアセトキシ−9−オキソ
−7β−トリエチルシリルオキシ−11−タキセン−13α−イルの7cm3の
テトラヒドロフラン中溶液に−78℃付近の温度において0.9cm3のn−ブチ
ルリチウムのヘキサン中1.4M溶液および279mgの塩化3−トリフルオロ
メトキシベンゾイルを連続的に加える。溶液をこのようにして45分間撹拌し続
け、その後に10cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液を加える。反応媒体を20
℃付近の温度に1時間にわたり戻す。得られた溶液を50cm3の酢酸エチルお
よび50cm3の飽和塩化アンモニウム溶液の混合物に注入する。相の沈下が起
きた後に水相を分離し、そして次に50cm3の酢酸エチルで2回抽出する。有
機相を一緒にし、50cm3の蒸留水で洗浄しそして次に硫酸マグネシウム上で
乾燥し、濾過しそして減圧下で(2.7kPa)40℃において濃縮乾固する。
620mgの白色フォームが得られ、その生成物を直径が2cmのカラム中に含
有された200gのシリカ(0.063−0.2mm)上でのクロマトグラフィー
[溶離剤:酢酸エチル/シクロヘキサン(10/90容量)]により精製して、
30cm3の画分を集める。所望する生成物に相当する画分を一緒にしそして減
圧下で(2.7kPa)40℃において濃縮乾固する。244mgの(2R,4S,
5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4
−フェニル−1,3−オキサゾリジン−
5−カルボン酸4α−アセトキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−
10β−メトキシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリエチルシリルオキシ−2
α−(3−トリフルオロメトキシベンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−
イルが白色フォームの形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):0
.59(q,J=7.5Hz,6H:SiCH2エチル);0.94(t,J=7.5H
z,9H:CH3エチル);1.08(s,9H:(CH3)3);1.19(s,3H:
CH3);1.21(s,3H:CH3);1.62(s,1H:1におけるOH);
1.67(s,3H:CH3);1.70(s,3H:CH3);1.83(s,3H:
COCH3);1.85および2.50(2mts,各々1H:6におけるCH2)
;2.08および2.19(2dd,J=16および9Hz,各々1H:14におけ
るCH2);3.53(s,3H:OCH3);3.73(d,J=7Hz,1H:3
におけるH);3.84(s,3H:ArOCH3;4.07および4.22(2d,
J=8.5Hz,各々1H:20におけるCH2);4.18(限定性ab,J=1
6Hz,2H:OCOCH2O);4.43(dd,J=11および6.5Hz,1H
:7におけるH);4.58(d,J=5Hz,1H:2′におけるH);4.87
(広いd,J=10Hz,1H:5におけるH);5.43(mt,1H:3′にお
けるH);5.62(d,J=7Hz,1H:2におけるH);6.07(広いt,
J=9Hz,1H:13におけるH);6.40(mt,1H:5′におけるH)
;6.46(s,1H:10におけるH);6.93(d,J=8Hz,2H:OC
H3に対してオルトの芳香族);7.30から7.
50(mt,7H:OCH3に対してメタの芳香族Hおよび芳香族H);7.49
(広いd,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の4におけるH);7.53(
t,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の5におけるH);7.90(広いs
,1H:2における芳香族の5におけるH);7.99(d,J=7.5Hz,1H
:2における芳香族の6におけるH)。
240mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(
4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン
酸4α−アセトキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メト
キシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリエチルシリルオキシ−2α−(3−ト
リフルオロメトキシベンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−イルの4c
m3のジクロロメタン中溶液に20℃付近の温度において3.3cm3のトリエチ
ルアミン−弗化水素酸錯体を加える。反応混合物を20℃付近の温度において4
時間にわたり撹拌し、その後に10cm3のジクロロメタンおよび50cm3の飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を加える。相の沈下が起きた後に有機相を分離し、
50cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄しそして次に硫酸マグネシウ
ム上で乾燥し、濾過しそして減圧下で(2.7kPa)40℃において濃縮乾固
する。205mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2
−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カル
ボン酸4α−アセトキシ−1β,7β−ジヒドロキシ−5β,20−エポキシ−1
0β−メトキシアセトキシ−9−オキソ−2α−(3−トリフルオロメトキシベ
ンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−イルが白色フォームの形状で得ら
れ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):1
.06(s,9H:(CH3)3);1.24(s,3H:CH3);1.28(s,3H
:CH3);1.56(s,3H:CH3);1.65(s,3H:CH3);1.85
(s,3H:COCH3);1.85および2.53(2mts,各々1H:6にお
けるCH2);2.08および2.21(2dd,J=16および9Hz,各々1H
:14におけるCH2);2.35(cplx,1H:1におけるOH);3.53
(s,3H:OCH3):3.72(d,J=7Hz,1H:3におけるH);3.8
3(s,3H:ArOCH3);4.08および4.22(2d,J=8.5Hz,各
々1H:20におけるCH2);4.25(限定性ab,J=16Hz,2H:OC
OCH2O);4.37(dd,J=11および8Hz,1H:7におけるH);4
.58(d,J=5Hz,1H:2′におけるH);4.90(広いd,J=10H
z,1H:5におけるH);5.43(mt,1H:3′におけるH);5.62(
d,J=7Hz,1H:2におけるH);6.13(広いt,J=9Hz,1H:1
3におけるH);6.31(s,1H:10におけるH);6.39(mt,1H:
5′におけるH);6.93(d,J=8Hz,2H:OCH3に対してオルトの芳
香族H);7.30から7.50(mt,7H:OCH3に対してメタの芳香族Hお
よび芳香族H);7.49(広いd,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の4
におけるH);7.54(t,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の5におけ
るH);7.88(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH);7.98
(d,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の6におけるH)。
アルゴン雰囲気下および0℃付近の温度に保たれた200mgの(2
R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニ
ル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ
−1β,7β−ジヒドロキシ−5β,20−エポキシ−10β−メトキシアセトキ
シ−9−オキソ−2α−(3−トリフルオロメトキシベンゾイルオキシ)−11−
タキセン−13α−イルの3cm3の無水ジクロロメタンおよび0.120cm3
のピリジン中溶液に0.125cm3の無水トリフルオロメタンスルホン酸を加え
る。得られた橙色の溶液を0℃付近の温度において20分間にわたり撹拌し、そ
の後に3cm3の水および30cm3のジクロロメタンを加える。相の沈下が起き
た後に有機相を分離し、20cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄しそ
して次に硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過しそして減圧下で(2.7kPa)
40℃において濃縮乾固する。233mgの生成物が得られ、その生成物を直径
が2cmのカラム中に含有された200gのシリカ(0.063−0.2mm)上
でのクロマトグラフィー[溶離剤:ジクロロメタン/メタノール(98/2容量
)]により精製して、10cm3の画分を集める。所望する生成物だけを含有す
る画分を一緒にしそして減圧下で(2.7kPa)40℃において濃縮乾固する
。192mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(
4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン
酸4α−アセトキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メト
キシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−2
α−(3−トリフルオロメトキシベンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−
イルが白色フォームの形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):1.
07(s,9H:(CH3)3);1.18(s,3H:CH3);1.20(s,3H:
CH3);1.65(s,1H:1におけるOH);1.72(s,3H:CH3);
1.84(s,3H:CH3);1.92(s,3H:COCH3);2.07および
2.10から2.25(それぞれdd(J=16および9Hz)並びにmt,各々
1H:14におけるCH2);2.10から2.25および2.83(2mts,各
々1H:6におけるCH2);3.52(s,3H:OCH3);3.83(s,3H
:ArOCH3):3.85(mt,1H:3におけるH);4.08および4.2
6(2d,J=8.5Hz,各々1H:20におけるCH2);4.14および4.2
2(2d,J=16Hz,2H:OCOCH2O);4.56(d,J=5Hz,1H
:2′におけるH);4.86広いd,J=10Hz,1H:5におけるH);5.
43(dd,J=11および8Hz,1H:7におけるH);5.46(mt,1H
:3′におけるH);5.66(d,J=7Hz,1H:2におけるH):6.06
(広いt,J=9Hz,1H:13におけるH);6.40(mt,1H:5′にお
けるH);6.63(s,1H:10におけるH);6.93(d,J=8Hz,2
H:OCH3に対してオルトの芳香族H);7.30から7.50(mt,7H:O
CH3に対してメタの芳香族Hおよび芳香族H);7.50(広いd,J=7.5H
z,1H:2における芳香族の4におけるH);7.56(t,J=7.5Hz,1
H;2における芳香族の5におけるH);7.89(広いs,1H:2における芳
香族の5におけるH);7.99(d,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の
6におけるH)。
190mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(
4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン
酸4α−アセトキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メト
キシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−2
α−(3−トリフルオロメトキシベンゾイノレオキシ)−11−タキセン−13α
−イルの3.2cm3の0.1N塩酸エタノール溶液中の溶液を20℃付近の温度
において20時間にわたり撹拌し続ける。反応混合物を減圧下で(2.7kPa
)40℃において濃縮乾固する。得られた粗製生成物を50cm3のジクロロメ
タンおよび50cm3の炭酸水素ナトリウム水溶液中に加える。相の沈下が起き
た後に有機相を分離しそして次に50cm3のジクロロメタンで2回洗浄する。
有機相を一緒にし、50cm3の蒸留水で洗浄しそして次に硫酸マグネシウム上
で乾燥し、濾過しそして減圧下で(2.7kPa)40℃において濃縮乾固する
。175mgの白色フォームが得られ、その生成物を厚さが0.5mmのシリカ
の板上で分取クロマトグラフィー[溶離剤:ジクロロメタン/メタノール(94
/6容量)]により精製する。66mgの(2R,4S)−3−tert−ブトキ
シカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルプロピオン酸4α−アセト
キシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシアセトキシ
−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−2α−(3−トリ
フルオロメトキシベンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−イルが白色フ
ォームの形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、pp
m):1.22(s,3H:CH3);1.26(s,3H:CH3);1.37(s,
9H:(CH3)3);1.72(s,1H:1におけるOH);1.91(s,3H:
CH3);2.07(s,3H:CH3);2.26および2.89(2mts,各々
1H:6におけるCH2);2.36(mt,2H:14におけるCH2);2.3
7(s,3H:COCH3);3.36(d,J=5Hz,1H:2′におけるOH
);3.54(s,3H:OCH3);3.97(d,J=7.5Hz,1H:3にお
けるH);4.16および4.26(2d,J=16Hz,2H:OCOCH2O)
:4.17および4.34(2d,J=8.5Hz,各々1H:20におけるCH2)
;4.62(広いd,J=5Hz,1H:2′におけるH);4.94(広いd,J
=10Hz,1H:5におけるH);5.24(広いd,J=10Hz,1H:3′
におけるH);5.36(d,J=10Hz,1H:CONH);5.49(dd,
J=11および8Hz,1H:7におけるH);5.73(d,J=7Hz,1H:
2におけるH);6.17(広いt,J=9Hz,1H:13におけるH);6.7
3(s,1H:10におけるH);7.30から7.50(mt,5H:芳香族H)
;7.50(広いd,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の4におけるH);
7.57(t,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の5におけるH);7.9
9(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH);8.07(d,J=7.5
Hz,1H:2における芳香族の6におけるH)。
66mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒ
ドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−1β−ヒドロキシ−5
β,20−エポキシ−10β−メトキシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリフ
ルオロメタンスルホニルオキシ−2α−(3
−トリフルオロメトキシベンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−イルの
0.855cm3のアセトニトリルおよび0.085cm3のテトラヒドロフラン中
溶液に200mgの粉末状の4Å分子ふるいおよび100mgの塩化ナトリウム
を連続的に加える。反応混合物を75℃付近の温度に5時間、そして次に20℃
付近の温度において撹拌し続け、その後に75cm3のジクロロメタンおよび5
0cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液を加える。相の沈下が起きた後に有機相を
分離し、40cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄しそして次に硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、濾過しそして減圧下で(2.7kPa)40℃において
濃縮乾固する。110mgの生成物が得られ、それを厚さが0.5mmのシリカ
の板上でシクロヘキサン−酢酸エチル混合物(1:1容量)を用いて溶離する分
取クロマトグラフィーにより精製する。30mgの(2R,3S)−3−tert
−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルプロピオン酸4α
−アセトキシ−1β−ヒドロキシ−5β,20−エポキシ−10β−メトキシア
セトキシ−7β,8−メチレン−19−ノル−9−オキソ−2α−(3−トリフル
オロメトキシベンゾイルオキシ)−11−タキセン−13α−イルが得られ、そ
の特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):1
.22(s,3H:CH3);1.25(s,3H:CH3);1.28(s,9H:(
CH3)3);1.38(mt,1H:7におけるH);1.65および2.25(2
mts,各々1H:19におけるCH2);1.80(s,1H:1におけるOH)
;1.85(s,3H:CH3);2.09および2.45(それぞれdおよびdt,
J=16Hz並びに
J=16および4Hz,各々1H:6におけるCH2);2.32(mt,2H:1
4におけるCH2);2.32(s,3H:COCH3);3.28unres.mu
lt.,1H:2′におけるH);3.49(s,3H:OCH3);4.00および
4.27(2d,J=8.5Hz,各々1H:20におけるCH2);4.08(d,
J=7.5Hz,1H:3におけるH);4.18(限定性AB,J=16Hz,2
H:OCOCH2O);4.57(広いs,1H:2′におけるH):4.72(広
いd,J=4Hz,1H:5におけるH);5.21(広いd,J=10Hz,1H
:3′におけるH);5.30(d,J=10Hz,1H:CONH);5.62(
d,J=7Hz,1H:2におけるH);6.19(広いt,J=9Hz,1H:1
3におけるH);6.39(s,1H:10におけるH);7.25から7.50(
mt,5H:芳香族H);7.44(広いd,J=7.5Hz,1H;2における芳
香族の4におけるH);7.55(t,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の
5におけるH);7.99(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH);
8.08(d,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の6におけるH)。
300mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2
−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロ
ロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メト
キシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−1
1−タキセン−13α−イル、500mgの塩化ナトリウムおよび100mgの
活性化された4Å分子ふるいの3cm3のアセトニトリルおよび0.6cm3のテ
トラヒドロフラン中
溶液を3時間にわたり加熱還流する。20℃付近の温度に冷却した後に、混合物
をセライトが充填されたガラス漏斗上で濾過する。濾液を水で洗浄しそして相の
沈下が起きた後に有機相を分離しそして硫酸マグネシウム上で乾燥する。ガラス
漏斗上での濾過および減圧下での(0.27kPa)40℃付近の温度における
濃縮後に、410mgの薄黄色フォームが得られ、その生成物を薄層分取クロマ
トグラフィー[12 Merck 分取板、Kieselgel 60F254;厚さ0.25mm;ジクロ
ロメタン中溶液中の沈着;溶離剤;メタノール/ジクロロメタン混合物(7/9
3容量)]により精製する。主生成物に相当する部分のメタノール/ジクロロメ
タン混合物(10/90容量)による溶離、ガラス漏斗上での濾過および次の減
圧下での(0.27kPa)40℃付近の温度における濃縮後に、136.8mg
の(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−
3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオ
キシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシアセトキシ
−7,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イ
ルが白色フォームの形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):1
.22(s,3H:CH3);1.26(s,3H:CH3);1.37(mt,1H:
7におけるH);1.67および2.34(2mts,各々1H:19におけるC
H2);1.78(s,1H:1におけるOH);1.85(s,3H:CH3);2
.10および2.44(それぞれdおよびdt,J=16Hz並びにJ=16およ
び4Hz,各々1H:6におけるCH2);2.23(mt,2H:14における
CH2);2.34(s,3H:COCH3):3.26(mt,1H:2′における
OH);3.49(s,3H:OCH3);3.98および4.27(2d,J=8.
5Hz,各々1H:20におけるCH2);4.07(d,J=7.5Hz,1H:3
におけるH);4.15および4.22(2d,J=16Hz,2H:OCOCH2
O);4.57(mt,1H:2′におけるH);4.73(広いd,J=4Hz,
1H:5におけるH);5.22(広いd,J=10Hz,1H:3′におけるH
);5.30(d,J=10Hz,1H:CONH);5.60(d,J=7Hz,1
H:2におけるH);6.20(広いt,J=9Hz,1H:13におけるH);
6.40(s,1H:10におけるH);7.20から7.50(mt,5H:芳香
族H);7.44(広いd,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の5における
H);7.57(広いd,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の4におけるH
);8.02(d,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の6におけるH);8
.14(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH)。
(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−
3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオ
キシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシアセトキシ
−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−
13α−イルは下記の方法で製造できる:
770mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(
4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン
酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイル
オキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリフ
ルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの20cm3の
0.1N塩酸エタノール溶液中の溶液を5℃付近の温度において16時間撹拌す
る。反応混合物を次に50cm3のジクロロメタンで希釈し、そして10cm3の
蒸留水で2回洗浄する。10cm3のジクロロメタンを用いる水相の抽出後に、
有機相を一緒にし、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ガラス漏斗上で濾過しそして
次に減圧下で(0.27kPa)40℃付近の温度において濃縮する。710m
gの黄色固体がこのようにして得られ、その生成物を大気圧において直径が2c
mのカラム中に含有された50gのシリカ(0.063−0.2mm)上での10
/90〜20/80容量の酢酸エチル/ジクロロメタンの溶離勾配で溶離するク
ロマトグラフィーにより精製しそして10cm3の画分を集める。所望する生成
物だけを含有する画分を一緒にしそして減圧下で(0.27kPa)40℃にお
いて2時間にわたり濃縮乾固する。594mgの(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−
アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1
β−ヒドロキシ−10β−メトキシアセトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルがこのようにして薄
黄色フォームの形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):1
.23(s,3H:CH3);1.24(s,3H:CH3);1.38(s,9H:(
CH3)3);1.68(s,1H:1におけるOH);1.90(s,3H:CH3)
;2.08(s,3H:CH3);2.26
および2.88(2mts,各々1H:6におけるCH2);2.31(mt,2H
:14におけるCH2);2.41(s,3H:COCH3);3.35(mt,1H
:2′におけるOH);3.54(s,3H:OCH3);3.95(d,J=7.5
Hz,1H:3におけるH);4.15および4.35(2d,J=8.5Hz,各々
1H:20におけるCH2);4.16および4.25(2d,J=16Hz,2H
:OCOCH2O);4.64(mt,1H:2′におけるH);4.95(広いd
,J=10Hz,1H:5におけるH);5.26(広いd,J=10Hz,1H:
3′におけるH);5.37(d,J=10Hz,1H:CONH);5.48(d
d,J=10.5および8Hz,1H:7におけるH);6.70(d,J=7Hz,
1H:2におけるH);6.19(広いt,J=9Hz,1H:13におけるH)
;6.73(s,1H:10におけるH);7.30から7.50(mt,5H:芳
香族H);7.48(t,J=7.5Hz,1H:2における芳香族の5におけるH
);7.62(広いd,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の4におけるH)
;8.00(d,J=7.5Hz,1H;2における芳香族の6におけるH);8.
11(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH)。
(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシ
フェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセ
トキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−
ヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−
タキセン−13α−イルは下記の方法で製造できる:
680mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル
−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−
カルボン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β,2
0−エポキシ−1β,7β−ジヒドロキシ−9−オキソ−11−タキセン−13
α−イルの7cm3のジクロロメタンおよび0.43cm3の無水ピリジン中溶液
に20℃付近の温度において粉末状の4Å分子ふるいを加える。0.445cm3
のトリフリックアンハイドライド(triflic anhydride)をこのようにして得られ
た懸濁液に−30℃付近の温度においてそしてアルゴンの不活性雰囲気下で加え
る。反応混合物の温度を約1時間にわたりゆっくり20℃付近に戻した後に、5
cm3の蒸留水および50cm3のジクロロメタンを連続的に加え、そしてふるい
を次にセライトが充填されたガラス漏斗上で濾別する。沈下による相の分離後に
、水相を5cm3のジクロロメタンで2回抽出する。有機相を一緒にし、硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、ガラス漏斗上で濾過しそして次に減圧下で(0.27k
Pa)40℃付近の温度において濃縮する。1.13gの褐色フォームがこのよ
うにして得られ、その生成物を大気圧において直径が2cmのカラム中に含有さ
れた60gのシリカ(0.063−0.2mm)上での0/100〜10/90容
量の酢酸エチル/ジクロロメタンの溶離勾配で溶離するクロマトグラフィーによ
り精製しそして10cm3の画分を集める。所望する生成物だけを含有する画分
を一緒にしそして減圧下で(0.27kPa)40℃において2時間にわたり濃
縮乾固する。762mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボ
ニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−
5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β
,20−エポキシ−1β−ヒ
ドロキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タ
キセン−13α−イルがこのようにして黄橙色フォームの形状で得られ、その特
性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3:δ、ppm):1
.08(s,9H:(CH3)3);1.20(s,6H:CH3);1.61(s,1H
:1におけるOH);1.71(s,3H:CH3);1.85(s,3H:CH3)
;1.95(s,3H:COCH3);2.08および2.10および2.30(それ
ぞれdd(J=16および9Hz)並びにmt,各々1H:14におけるCH2)
;2.10から2.30および2.84(2mts,各々1H:6におけるCH2)
;3.53(s,3H:OCH3);3.85(s,3H:ArOCH3):3.85
(mt,1H:3におけるH);4.09および4.28(2d,J=8.5Hz,各
々1H:20におけるCH2);4.15および4.23(2d,J=16Hz,2
H:OCOCH2O);4.58(d,J=5Hz,1H:2′におけるH):4.
87(広いd,J=10Hz,1H:5におけるH);5.42(dd,J=10お
よび7Hz,1H:7におけるH);5.45(mt,1H:3′におけるH);
5.65(d,J=7Hz,1H:2におけるH);6.06(広いt,J=9Hz,
1H:13におけるH);6.42(mt,1H:5′におけるH);6.61(
s,1H:10におけるH);6.94(d,J=8.5,Hz,2H:OCH3に対
してオルトの芳香族H);7.30から7.50(mt,8H:OCH3に対してメ
タの芳香族Hおよび芳香族H);7.45(t,J=7.5Hz,1H:2における
芳香族の5におけるH);7.62(広いd,J=7.5Hz,1H;2における芳
香族の4におけるH);7.92(d,J=7.5Hz,1H;2に
おける芳香族の6におけるH);8.01(広いs,1H:2における芳香族の2
におけるH)。
(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシ
フェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセ
トキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β,7
β−ジヒドロキシ−9−オキソ−11−タキセン−13α−イルは下記の方法で
製造できる:
アルゴン雰囲気下に保たれた800mgの(2R,4S,5R)−3−tert−
ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オ
キサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイ
ルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリ
エチルシリルオキシ−11−タキセン−13α−イルの8cm3のジクロロメタ
ン中溶液に0℃付近の温度において8.5cm3の弗化水素酸−トリエチルアミン
錯体(3HF.Et3N)を滴々添加する。溶液を0℃において4時間撹拌し、次
に20cm3のジクロロメタンで希釈しそして0℃付近の温度に保たれた40c
m3の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液上に注ぐ。沈下による相の分離後に、水相
を30cm3のジクロロメタンで3回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、ガラス漏斗上で濾過しそして次に減圧下で(0.27kPa
)40℃付近の温度において濃縮する。781mgの薄黄色フォームがこのよう
にして得られ、その生成物を大気圧において直径が3.5cmのカラム中に含有
された100gのシリカ(0.063−0.2mm)上での酢酸エチル/ジクロロ
メタン混合物(25/75容量)で溶離するクロマトグラフィーにより精製しそ
して15
cm3の画分を集める。所望する生成物だけを含有する画分を一緒にしそして減
圧下で(0.27kPa)40℃において2時間にわたり濃縮乾固する。686
mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メト
キシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−
アセトキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1
β,7β−ジヒドロキシ−9−オキソ−11−タキセン−13α−イルがこのよ
うにして白色フォームの形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):1
.08(s,9H:(CH3)3);1.12(s,3H:CH3);1.25(s,3H
:CH3);1.58(s,3H:CH3);1.64(s,1H:1におけるOH)
;1.66(s,3H:CH3);1.86および2.54(2mts,各々1H:6
におけるCH2);1.88(s,3H:COCH3);2.08および2.21(2
dd,J=16および9Hz,各々1H:14におけるCH2);2.32(d,J
=4Hz,1H:7におけるOH);3.54(s,3H:OCH3):3.71(
d,J=7Hz,1H:3におけるH);3.83(s,3H:ArOCH3);4.
08および4.24(2d,J=8.5Hz,各々1H:20におけるCH2);4.
26(限定性AB,J=16Hz,2H:OCOCH2O);4.37(mt,1H
:7におけるH);4.61(d,J=5Hz,1H:2′におけるH);4.91
(広いd,J=10Hz,1H:5におけるH);5.43(mt,1H:3′にお
けるH);5.60(d,J=7Hz,1H:2におけるH);6.14(広いt,
J=9Hz,1H:13におけるH);6.30(s,1H:10におけるH);
6.40
(mt,1H:5′におけるH);6.94(d,J=8.5,Hz,2H:OCH3
に対してオルトの芳香族H);7.30から7.50(mt,8H:OCH3に対し
てメタの芳香族Hおよび芳香族H);7.45(t,J=7.5Hz,1H:2にお
ける芳香族の5におけるH);7.61(広いd,J=7.5Hz,1H;2におけ
る芳香族の4におけるH);7.92(d,J=7.5Hz,1H;2における芳香
族の6におけるH);8.03(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH
)。
(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシ
フェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセ
トキシ−2α−(3−クロロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−
ヒドロキシ−9−オキソ−7β−トリエチルシリルオキシ−11−タキセン−1
3α−イルは下記の方法で製造できる:
アルゴン雰囲気下に保たれそして撹拌された2.5gの(2R,4S,5R)−3
−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル
−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−1β,2α−ジヒ
ドロキシ−5β,20−エポキシ−10β−メトキシアセトキシ−9−オキソ−
7β−トリエチルシリルオキシ−11−タキセン−13α−イルの25cm3の
テトラヒドロフラン中溶液に−78℃付近の温度において3.90cm3のn−ブ
チルリチウムのヘキサン中1.6M溶液および0.8cm3の塩化メタ−クロロベ
ンゾイルを連続的に加える。溶液をこのようにして−78℃付近の温度において
45分間撹拌し、その後に10cm3の飽和塩化アンモニウム水溶液を加える。
反応混合物を20℃付近の温度に1時間にわたり戻し、そして2
0cm3の酢酸エチルで希釈する。相の沈下後に水相を分離しそして次に10c
m3の酢酸エチルで2回抽出する。有機相を一緒にし、10cm3の蒸留水で洗浄
しそして硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過および減圧下での(2.7kPa
)40℃付近の温度における濃縮後に、3.47gの薄黄色フォームが得られ、
その生成物を直径が5cmのカラム中に含有された250gのシリカ(0.06
3−0.2mm)上での3/97〜10/90容量の酢酸エチル/ジクロロメタ
ン溶離勾配で溶離するクロマトグラフィーにより精製しそして15cm3の画分
を集める。所望する生成物だけを含有する画分を一緒にしそして減圧下で(2.
7kPa)40℃において濃縮乾固する。1.41gの(2R,4S,5R)−3
−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル
−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−(3−クロ
ロベンゾイルオキシ)−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−9−オキソ−
7β−トリエチルシリルオキシ−11−タキセン−13α−イルが白色フォーム
の形状で得られ、その特性は下記の通りである:
−プロトンN.M.R.スペクトル(400MHz;CDCl3;δ、ppm):0
.60(q,J=7.5Hz,6H:SiCH2エチル);0.95(t,J=7.5H
z,9H:CH3エチル);1.08(s,9H:(CH3)3);1.19(s,3H:
CH3);1.21(s,3H:CH3);1.62(s,1H:1におけるOH);
1.65(s,3H:CH3);1.70(s,3H:CH3);1.85(s,3H:
COCH3);1.85および2.51(2mts,各々1H:6におけるCH2)
;2.08および2.19(2dd,J=16および9Hz,各々1H:
14におけるCH2);3.53(s,3H:OCH3);3.71(d,J=7.5
Hz,1H:3におけるH);3.84(s,3H:ArOCH3);4.07およ
び4.24(2d,J=8.5Hz,各々1H:20におけるCH2);4.15およ
び4.22(2d,J=16Hz,2H:OCOCH2O);4.42(dd,J=1
0および6Hz,1H:7におけるH);4.60(d,J=5Hz,1H:2′に
おけるH);4.88(広いd,J=10Hz,1H:5におけるH);5.42(
mt,1H:3′におけるH);5.60(d,J=7.5Hz,1H:2における
H);6.08(広いt,J=9Hz,1H:13におけるH);6.40(mt,
1H:5′におけるH);6.45(s,1H:10におけるH);6.93(d,
J=8.5Hz,2H:OCH3に対してオルトの芳香族H);7.30から7.5
0(mt,8H:OCH3に対してメタの芳香族Hおよび芳香族H並びに2におけ
る芳香族の5におけるH);7.61(広いd,J=7.5Hz,1H;2における
芳香族の4におけるH);7.94(d,J=7.5Hz,1H;2における芳香族
の6におけるH);8.03(広いs,1H:2における芳香族の2におけるH)
。
(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシ
フェニル)−4−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−カルボン酸4α−アセ
トキシ−1β,2α−ジヒドロキシ−5β,20−エポキシ−10β−メトキシア
セトキシ−9−オキソ−7β−トリエチルシリルオキシ−11−タキセン−13
α−イルはPCT国際出願WO94/20484に記載されている条件下で製造
できる。
一般式(I)の新規な生成物は異常な細胞増殖に対する意義ある抑制活性を示
しそして異常な細胞増殖に関連する病理学的症状を有する患者
を処置できる治療性質を有する。病理学的症状には、筋肉、骨もしくは結合組織
、皮膚、脳、肺、性器、リンパもしくは腎臓系、胸もしくは血液細胞、肝臓、消
化系、膵臓および甲状腺または副腎を含むがそれらに限定されることを意図しな
い種々の組織および/または器官の悪性または良性細胞の異常な細胞増殖が包含
される。これらの病理学的症状には、乾癬、固体腫瘍;卵巣、肺、前立腺、結腸
、胃、腎臓もしくは睾丸の癌;カポジ肉腫、肝管癌、絨毛癌、神経芽腫、ヴィル
ムス腫瘍、ホジキン病、黒色腫、多発性黒色腫、慢性リンパ球性白血病および急
性または慢性顆粒球リンパ腫が包含される。本発明に従う新規な生成物は卵巣癌
の治療用に特に有用である。本発明に従う生成物は病理学的症状の発生もしくは
再発を予防もしくは遅延させるためまたはこれらの病理学的症状を治療するため
に使用できる。
本発明に従う生成物は、選択される投与方式、好適には非経口的方式に適合す
る種々の形態で患者に投与することができる。非経口的方式による投与は静脈内
、腹腔内、筋肉内または皮下投与を含んでなる。腹腔内または静脈内投与が特に
好適である。
本発明は少なくとも1種の一般式(I)の生成物を人間または動物の治療にお
ける使用に適するのに十分な量で含有する製剤組成物を含んでなる。これらの組
成物は一般的方法に従い、1種もしくはそれ以上の製剤的に許容可能な添加剤、
ビヒクルまたは賦形剤を用いて製造できる。適当なビヒクルには希釈剤、殺菌性
水性媒体および種々の無毒な溶媒が包含される。これらの組成物は好適には、乳
化剤、色素、防腐剤または殺菌剤を含有していてもよい注射溶液の水性溶液また
は懸濁液の形態で提供される。
添加剤または賦形剤の選択は、生成物の溶解度および化学的性質、特定の投与
方式並びに良好な製剤手段により決めることができる。
水性もしくは非−水性の殺菌性溶液または懸濁液が非経口的投与用に使用され
る。非−水性の溶液または懸濁液の製造用には、天然植物油、例えばオリーブ油
、ゴマ油もしくは液体パラフィン、または注射用有機エステル類、例えばオレイ
ン酸エチルを使用できる。水性の殺菌性溶液は水中に溶解された製剤的に許容可
能な塩の溶液からなることができる。水溶液はpHが適切に調節されており且つ
溶液が例えば十分量の塩化ナトリウムまたはグルコースを用いて等張化されてい
る限り静脈内投与用に適する。殺菌は加熱によりまたは組成物を変化させない他
の手段により行うことができる。
本発明に従う組成物中に加えられる全ての生成物は使用量において純粋且つ無
毒であるべきである。
組成物は少なくとも0.01%の治療的に活性な生成物を含有できる。組成物
中の活性生成物の量は適切な薬用量が処方されるようなものである。組成物は好
適には非経口的方式による投与に関しては単一薬用量が約0.01〜1000m
gの活性生成物を含有するように製造される。
治療処置は、抗悪性腫瘍薬生成物、単クローン性抗体、免疫学的療法もしくは
放射療法または生体応答調節物質を含む他の治療処置と同時に行うことができる
。応答調節物質にはリンホカイン類およびサイトカイン類、例えばインターロイ
キン類、インターフェロン類(α、βまたはδ)並びにTNFが包含されるが、
それらに限定されることは意図しない。異常な細胞増殖による疾病の処置におい
て有用な他の化学療法剤には、アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード
、例えばメクロエ
タミン、シクロフォスファミド、メルファランおよびクロルアンブシル、スルホ
ン酸アルキル類、例えばブスルファン、ニトロソウレア類、例えばカルムスチン
、ロムスチン、セムスチンおよびストレプトゾシン、トラジン類、例えばダカル
バジン、代謝拮抗物質、例えば葉酸同族体、例えばメトトレキサート、ピリミジ
ン同族体、例えばフルオロウラシルおよびシタラビン、プリン同族体、例えばメ
ルカプトプリンおよびチオグアニン、天然生成物、例えばビンカアルカロイド類
、例えばビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンデシン、エピポドフィロト
キシン類、例えばエトポシドおよびテニポシド、抗生物質、例えばダクチノマイ
シン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシンおよ
びマイトマイシン、酵素、例えばL−アスパラギナーゼ、種々の作用薬、例えば
白金配位錯体、例えばシスプラチン、置換されたウレア類、例えばヒドロキシウ
レア、メチルヒドラジン誘導体、例えばプロカルバジン、アドレノコルチコイド
抑制剤、例えばミトタンおよびアミノグルテチミド、ホルモン類および拮抗物質
、例えばアドレノコルチコステロイド類、例えばプレドニゾン、プロゲスチン類
、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メトキシプロゲステロンお
よび酢酸メゲステロール、エストロゲン類、例えばジエチルスチルベストロール
およびエチニルエストラジオール、抗エストロゲン類、例えばタモキシフェン、
並びにアンドロゲン類、例えばプロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメ
ステロンが包含されるが、それらに限定されることは意図しない。
本発明に従う方法を実施するために使用される薬用量は、予防処置または最大
の治療応答を可能にするものである。薬用量は投与形態、選択
される特定の生成物および処置しようとする患者の個人的特徴に応じて変化する
。一般的には、薬用量は異常な細胞増殖による疾病の処置に関して治療的に有効
であるものである。所望する治療効果を得るためには本発明に従う生成物は必要
に応じた頻度で投与することができる。ある患者は相対的に高いまたは低い薬用
量に急速に応答するかもしれず、そして次には低いかまたは0の維持薬用量を必
要とするかもしれない。一般的には、処置の開始時には低い薬用量が使用されそ
して必要に応じて最適効果が得られるまで薬用量を高めながら投与されるであろ
う。他の患者に関しては、当該患者の生理的な要望に応じて1日に1〜8回、好
適には1〜4回、の維持薬用量を投与することが必要となるかもしれない。ある
患者に関しては1日に1回〜2回の投与だけが必要である可能性もある。
人間では、薬用量は一般的には0.01〜200mg/kgの間である。腹腔
内方式では、薬用量は一般的には0.1〜100mg/kgの間そして好適には
0.5〜50mg/kgの間そしてさらに特に1〜10mg/kgの間である。
静脈内方式では、薬用量は一般的には0.1〜50mg/kgの間そして好適に
は0.1〜5mg/kgの間そしてさらに特に1〜2mg/kgの間である。最
適な薬用量を選択するためには、投与方式、患者の体重、健康状態および年令、
並びに処置の効果に影響を与えるかもしれない全ての因子を考慮に入れるべきで
あることを理解すべきである。
以下の実施例は本発明に従う組成物を説明する。実施例
40mgの実施例1で得られた生成物を1cm3のEmulphor EL 620
および1cm3のエタノールの中に溶解させ、そしてこの溶液を次に18cm3の
生理的血清の添加により希釈する。
この組成物を1時間にわたり生理的溶液中への導入により注入投与する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E
E,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,
NZ,PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,U
A,US,UZ,VN
(72)発明者 コメルソン,アラン
フランス・エフ―94400ビトリ―シユール
―セーヌ・リユシヤルル―フロケ1ビス
(72)発明者 プリカニ,ジヤン−ピエール
フランス・エフ―92160アントニイ・ビラ
サン―ジヨルジユ7ビス