JP4308905B2 - 新規なタキソイド、その製造及びそれを含有する製薬学的組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、一般式:
Figure 0004308905
の新規なタキソイドに関し、式中、
Zは水素原子又は一般式:
Figure 0004308905
の基を示し、
ここで:
1は場合によりハロゲン原子及び炭素数が1〜4のアルキル基、炭素数が1〜4のアルコキシ基又はトリフルオロメチル基から選ばれる1つ又はそれ以上の同一又は異なることができる原子もしくは基により置換されていることができるベンゾイル基、テノイル基又はフロイル基あるいは基R2−O−CO−を示し、ここでR2は:
−炭素数が1〜8のアルキル基、炭素数が2〜8のアルケニル基、炭素数が3〜8のアルキニル基、炭素数が3〜6のシクロアルキル基、炭素数が4〜6のシクロアルケニル基又は炭素数が7〜10のビシクロアルキル基を示し、これらの基は場合によりハロゲン原子及びヒドロキシル基、炭素数が1〜4のアルコキシ基、各アルキル部分の炭素数が1〜4のジアルキルアミノ基、ピペリジノ、モルホリノもしくは1−ピペラジニル基(場合により4位において炭素数が1〜4のアルキル基で又はアルキル部分の炭素数が1〜4のフェニルアルキル基で置換されていることができる)、炭素数が3〜6のシクロアルキル基、炭素数が4〜6のシクロアルケニル基、フェニル基(場合によりハロゲン原子及び炭素数が1〜4のアルキル基又は炭素数が1〜4のアルコキシ基から選ばれる1つもしくはそれ以上の原子もしくは基で置換されていることができる)、シアノもしくはカルボキシル基又はアルキル部分の炭素数が1〜4のアルコキシカルボニル基から選ばれる1つ又はそれ以上の置換基で置換されていることができ、
−場合によりハロゲン原子及び炭素数が1〜4のアルキル基又は炭素数が1〜4のアルコキシ基から選ばれる1つ又はそれ以上の原子又は基で置換されていることができるフェニル又はα−もしくはβ−ナフチル基、あるいは好ましくはフリル及びチエニル基から選ばれる5−員芳香族複素環式基を示し、
−あるいは場合により1つ又はそれ以上の炭素数が1〜4のアルキル基で置換されていることができる炭素数が4〜6の飽和複素環式基を示し、
3は炭素数が1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基、炭素数が2〜8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルケニル基、炭素数が2〜8の直鎖状もしくは分子鎖状アルキニル基、炭素数が3〜6のシクロアルキル基、場合によりハロゲン原子及びアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ホルミル、アシル、アシルアミノ、アロイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、シアノ、ニトロ及びトリフルオロメチル基から選ばれる1つもしくはそれ以上の原子もしくは基により置換されていることができるフェニル又はα−もしくはβ−ナフチル基、あるいは窒素、酸素及び硫黄原子から選ばれる1つもしくはそれ以上の同一もしくは異なることができる複素原子を含有し且つ場合によりハロゲン原子及びアルキル、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、アリールカルボニル、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル又はアルコキシカルボニル基から選ばれる1つもしくはそれ以上の同一もしくは異なることができる置換基で置換されていることができる5−員芳香族複素環を示し、フェニル、α−もしくはβ−ナフチル基及び芳香族複素環式基の置換基において、アルキル基及び他の基のアルキル部分は炭素数が1〜4であり、アルケニル及びアルキニル基の炭素数は2〜8であり、アリール基はフェニル又はα−もしくはβ−ナフチル基であると理解される。
4は直鎖又は分枝鎖中に1〜6個の炭素原子を含有するアルコキシ基、直鎖又は分枝鎖中に3〜6個の炭素原子を含有するアルケニルオキシ基、直鎖又は分枝鎖中に3〜6個の炭素原子を含有するアルキニルオキシ基、炭素数が3〜6のシクロアルキルオキシ基、炭素数が3〜6のシクロアルケニルオキシ基を示し、これらの基は場合により1つ又はそれ以上のハロゲン原子で又は炭素数が1〜4のアルコキシ基、炭素数が1〜4のアルキルチオ基又はカルボキシル基、アルキル部分の炭素数が1〜4のアルキルオキシカルボニル基、シアノもしくはカルバモイル基、各アルキル部分の炭素数が1〜4であるか、又はそれが結合している窒素原子と共に、場合により酸素、硫黄もしくは窒素原子から選ばれる第2の複素原子を含有することができ、場合により炭素数が1〜4のアルキル基又はフェニル基もしくはアルキル部分の炭素数が1〜4のフェニルアルキル基で置換されていることができる5−もしくは6−員飽和複素環式基を形成するN−アルキルカルバモイルもしくはN,N−ジアルキルカルバモイル基で置換されていることができる。
3により示され得るアリール基は、好ましくは、場合によりハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)及びアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アリールオキシ、アリールチオ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ホルミル、アシル、アシルアミノ、アロイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、ジアルキルカルバモイル、シアノ、ニトロ及びトリフルオロメチル基から選ばれる1つ又はそれ以上の原子又は基で置換されていることができるフェニル又はα−もしくはβ−ナフチル基であり、アルキル基及び他の基のアルキル部分は炭素数が1〜4であり、アルケニル及びアルキニル基の炭素数は2〜8であり、アリール基はフェニル又はα−もしくはβ−ナフチル基であると理解される。
3により示され得る複素環式基は、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄原子から選ばれる1つ又はそれ以上の同一又は異なることができる原子を含有し、場合によりハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)及び炭素数が1〜4のアルキル基、炭素数が6〜10のアリール基、炭素数が1〜4のアルコキシ基、炭素数が6〜10のアリールオキシ基、アミノ基、炭素数が1〜4のアルキルアミノ基、各アルキル部分の炭素数が1〜4のジアルキルアミノ基、アシル部分の炭素数が1〜4のアシルアミノ基、炭素数が1〜4のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数が1〜4のアシル基、アリール部分の炭素数が6〜10のアリールカルボニル基、シアノ、カルボキシルもしくはカルバモイル基、アルキル部分の炭素数が1〜4のアルキルカルバモイル基、各アルキル部分の炭素数が1〜4のジアルキルカルバモイル基、あるいはアルコキシ部分の炭素数が1〜4のアルコキシカルボニル基から選ばれる1つ又はそれ以上の同一又は異なることができる置換基で置換されていることができる5−員芳香族複素環式基である。
基R4は、好ましくは、場合によりメトキシ、エトキシ、メチルチオ、エチルチオ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、シアノ、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ピロリジノカルボニル、N−ピペリジノカルボニル又はフェニル基で置換されていることができる炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基を示す。
さらに特定的に本発明は、Zが水素原子又は一般式(II)の基を示し、式中、R1はベンゾイル基又は基R2−O−CO−を示し、ここでR2はtert−ブチル基を示し、R3は炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が2〜6のアルケニル基、炭素数が3〜6のシクロアルキル基、場合によりハロゲン原子(フッ素及び塩素)及びアルキル(メチル)、アルコキシ(メトキシ)、ジアルキルアミノ(ジメチルアミノ)、アシルアミノ(アセチルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ(tert−ブトキシカルボニルアミノ)又はトリフルオロメチル基から選ばれる1つ又はそれ以上の同一又は異なることができる原子もしくは基で置換されていることができるフェニル基、あるいは2−もしくは3−フリル又は2−もしくは3−チエニル又は2−、4−もしくは5−チアゾリル基を示し、R4が炭素数が1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルオキシ基を示す一般式(I)の生成物に関する。
さらにもっと特定的に本発明は、Zが水素原子又は一般式(II)の基を示し、式中、R1はベンゾイル基又は基R2−O−CO−を示し、ここでR2はtert−ブチル基を示し、R3はイソブチル、イソブテニル、ブテニル、シクロヘキシル、フェニル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル又は5−チアゾリル基を示し、R4がメトキシ又はエトキシ基を示す一般式(I)の生成物に関する。
Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の生成物は、顕著な抗腫瘍及び抗白血病特性を示す。
本発明に従うと、Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の新規な生成物は、一般式:
Figure 0004308905
[式中、R4は上記の通りに定義され、R5はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示すか、又はα−メチル基の炭素原子との結合を形成し、シクロプロパン環を形成する]
の生成物を、一般式:
Figure 0004308905
[式中、R1及びR3は上記の通りに定義され、R6は水素原子を示し且つR7はヒドロキシル官能基のための保護基を示すか、あるいは別の場合R6及びR7は一緒になって5−もしくは6−員飽和複素環を形成する]
の酸あるいはこの酸の誘導体を用いてエステル化し、一般式:
Figure 0004308905
[式中、R1、R3、R4、R5、R6及びR7は上記の通りに定義される]
のエステルを得、続いてR7及び/又はR6とR7により示される保護基を水素原子で置換し、R5がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す場合、この基を除去してα−メチル基の炭素原子とシクロプロパン環を形成させることにより得ることができる。
一般式(IV)の酸を用いるエステル化は、カップリング剤(カルボジイミド又は反応性カーボネート)及び活性化剤(アミノピリジン類)の存在下に、有機溶媒(エーテル、エステル、ケトン類、ニトリル類、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素)中で、−10〜90℃の温度において行うことができる。
エステル化は、対称無水物の形態の一般式(IV)の酸を用いても、活性化剤(アミノピリジン)の存在下に、有機溶媒(エーテル類、エステル類、ケトン類、ニトリル類、脂肪族炭化水素又はハロゲン化脂肪族炭化水素)中で、0〜90℃の温度において反応させて行うことができる。
エステル化は、また、ハライドの形態の又は場合によりその場で製造することができる脂肪族もしくは芳香族酸との混合無水物の形態の一般式(IV)の酸を用いて、塩基(第3脂肪族アミン)の存在下で、有機溶媒(エーテル類、エステル類、ケトン類、ニトリル類、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素)中で、0〜80℃の温度において作用させて行うことができる。
6が水素原子を示し、R7がヒドロキシル官能基のための保護基を示すか、あるいは別の場合、R6及びR7が一緒になって5−もしくは6−員飽和複素環を形成するのが好ましい。
6が水素原子を示す場合、R7はメトキシメチル、1−エトキシエチル、ベンジルオキシメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、β−トリメチルシリルエトキシメチル、ベンジルオキシカルボニル又はテトラヒドロピラニル基を示すのが好ましい。
6及びR7が一緒になって複素環を形成する場合、これは場合により2位においてモノ置換又はgem−ジ置換されていることができるオキサゾリジン環であるのが好ましい。
保護基R7及び/又はR6とR7の水素原子による置換は、その性質に依存して以下の方法で行うことができる:
1)R6が水素原子を示し、R7がヒドロキシル官能基のための保護基を示す場合、水素原子による保護基の置換は無機酸(塩酸、硫酸又はフッ化水素酸)又は有機酸(酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸)を単独で又は混合物として用いることにより、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素又はニトリル類から選ばれる有機溶媒中で、−10〜60℃の温度で作用させて行われる、
2)R6及びR7が一緒になって5−もしくは6−員複素環、さらに特定的に一般式:
Figure 0004308905
[式中、R1は上記の通りに定義され、R8及びR9は同一又は異なることができ、水素原子、あるいは炭素数が1〜4のアルキル基又は、アルキル部分の炭素数が1〜4であり、アリール部分が好ましくは場合により炭素数が1〜4の1つ又はそれ以上のアルコキシ基で置換されていることができるフェニル基を示すアラルキル基、あるいは好ましくは場合により炭素数が1〜4の1つ又はそれ以上のアルコキシ基で置換されていることができるフェニル基を示すアリール基を示すか、あるいは別の場合R8は炭素数が1〜4のアルコキシ基又はトリハロメチル基、例えばトリクロロメチル、又はトリクロロメチルなどのトリハロメチル基で置換されているフェニル基を示し、R9は水素原子を示すか、あるいは別の場合R8及びR9はそれらが結合している炭素原子と一緒になって4−〜7−員環を形成する]
のオキサゾリジン環を形成する場合、R6及びR7により形成される保護基の水素原子による置換は、R1、R8及びR9の意味に依存して以下の方法で行うことができる:
a)R1がtert−ブトキシカルボニル基を示し、R8及びR9が同一又は異なることができ、アルキル基又はアラルキル(ベンジル)もしくはアリール(フェニル)基を示すか、あるいは別の場合R8がトリハロメチル基又はトリハロメチル基で置換されたフェニル基を示し、R9が水素原子を示すか、あるいは別の場合R8及びR9が一緒になって4−〜7−員環を形成する場合、一般式(V)のエステルを無機又は有機酸を用い、場合によりアルコールなどの有機溶媒中で処理すると、一般式:
Figure 0004308905
[式中、R3、R4及びR5は上記の通りに定義される]
の生成物が得られ、その生成物を場合によりフェニル環が置換されていることができるベンゾイルクロリド、テノイルクロリド、フロイルクロリド又は一般式:
2−O−CO−X (VIII)
[式中、R2は上記の通りに定義され、Xはハロゲン原子(フッ素もしくは塩素)又は塩基−O−R2もしくは−O−CO−O−R2を示す]
の生成物を用いてアシル化し、Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の生成物を得る。
一般式(V)の生成物を、20℃近辺の温度で蟻酸で処理して一般式(VII)の生成物を得るのが好ましい。
フェニル基が場合により置換されていることができるベンゾイルクロリド、テノイルクロリド又はフロイルクロリド、あるいは一般式(VIII)の生成物を用いる一般式(VII)の生成物のアシル化は、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル又は酢酸n−ブチル及びハロゲン化脂肪族炭化水素、例えばジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンから選ばれる不活性有機溶媒中で、無機塩基、例えば重炭酸ナトリウム又は有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下に行われる。反応は0〜50℃、好ましくは20℃近辺の温度で行われる。
b)R1が場合により置換されていることができるベンゾイル基、テノイル又はフロイル基あるいは基R2−O−CO−を示し、ここでR2は上記の通りに定義され、R8が水素原子又は炭素数が1〜4のアルコキシ基又は1つもしくはそれ以上の炭素数が1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を示し、R9が水素原子を示す場合、R6及びR7により形成される保護基の水素原子による置換は、化学量論的もしくは触媒的量で単独で又は混合物として用いられる無機酸(塩酸もしくは硫酸)又は有機酸(酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸)の存在下に、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素から選ばれる有機溶媒中で、−10〜60℃、好ましくは15〜30℃の温度で作用させて行われる。
一般にR5がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す場合、脱保護の後に得られる生成物は、アルカリ金属ハライド(ヨウ化ナトリウム又はフッ化カリウム)、あるいはアルカリ金属アジド(ナトリウムアジド)又はアンモニウム塩を用い、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル又はメチルt−ブチルエーテル)、ニトリル類(アセトニトリル)あるいは脂肪族エステル類(酢酸エチル)から選ばれる単独の又は混合物としての有機溶媒中で、20℃と反応混合物の沸点の間の温度で作用させてシクロプロパン誘導体に転化される。
本発明に従うと、R4及びR5が上記の通りに定義される一般式(III)の生成物は式:
Figure 0004308905
の10−デアセチルバッカチンIIIから得ることができる。
7及び13位におけるヒドロキシル官能基を選択的に、例えば一般式:
(R’)3−Si−Hal (X)
[式中、記号R’は同一又は異なることができ、場合によりフェニル基で置換されていることができる炭素数が1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す]
のシリルハライドを10−デアセチルバッカチンIIIに反応させ、一般式:
Figure 0004308905
[式中、R’は上記の通りに定義される]
の生成物を得ることにより得られるジ−シリルエーテルの形態で保護するのが特に有利であり、続いて一般式:
R’4−X1 (XII)
[式中、R’4はR’4−O−が上記で定義されたR4と同じであるような基であり、X1は反応性エステル残基又はハロゲン原子を示す]
の生成物を作用させ、一般式:
Figure 0004308905
[式中、R’及びR4は上記の通りに定義される]
の生成物を得、そのシリル保護基を水素原子により置換して一般式:
Figure 0004308905
[式中、R4は上記の通りに定義される]
の生成物を得、その生成物をトリフルオロメタンスルホン酸誘導体、例えば無水物又はN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを用い、不活性有機溶媒(場合によりハロゲン化されていることができる脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素)中で、脂肪族第3アミン(トリエチルアミン)又はピリジンなどの有機塩基の存在下に、−50〜+20℃の温度で処理し、R4が上記の通りに定義され、R5がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す一般式(III)の生成物を得、その生成物をエーテル類(テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル又はメチルt−ブチルエーテル)、ニトリル類(アセトニトリル)又は脂肪族エステル類(酢酸エチル)から選ばれる単独の又は混合物としての有機溶媒中で、20℃と反応混合物の沸点の間の温度で作用させてアルカリ金属ハロゲン化物(ヨウ化ナトリウム又はフッ化カリウム)あるいはアルカリ金属アジド(ナトリウムアジド)又はアンモニウム塩で可能な処理をすると、R4が上記の通りに定義され、R5がα−メチル基の炭素原子との結合を示し、シクロプロパン環を形成する一般式(III)の生成物、すなわちZが水素原子を示す一般式(I)の生成物を生ずる。
本発明の方法を行うことにより得られる一般式(I)の新規な生成物は、結晶化又はクロマトグラフィーなどの既知の方法に従って精製することができる。
Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の生成物は、顕著な生物学的性質を示す。
試験管内において、M.L.Shelanski et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,70,765−768(1973)の方法によりブタの脳から抽出されたチューブリンにつき、生物学的活性の測定を行った。微小管からチューブリンへの解重合の研究は、
Figure 0004308905
の方法に従って行った。この研究において、Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の生成物は、少なくともタキソール及びタキソテレ(Taxotere)と同様に活性であることが示された。
生体内において、Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の生成物は、B16黒色腫を移植されたマウスにおいて、腹腔内に1〜10mg/kgの投薬量で、ならびに他の液性(liquid)又は充実性腫瘍に活性であることが示された。
新規な生成物は抗腫瘍性、さらに特定的には、TaxolR又はTaxotereRに対して耐性である腫瘍に対する活性を有する。そのような腫瘍には、mdr 1遺伝子(多重薬物耐性遺伝子)の発現が高い結腸の腫瘍が含まれる。多重薬物耐性は、種々の構造及び作用機構を有する種々の生成物に対する腫瘍の耐性を言う通常の用語である。タキソイドは一般に、mdr 1を発現し、ドキソルビシン(DOX)に対するその耐性のために選択される細胞系であるP388/DOXなどの実験的腫瘍により高度に認識されることが知られている。
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
実施例1
3.2cm3の無水トルエン中の0.504gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン、0.38gの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸及び0.1gの活性化粉末4Åモレキュラーシーブの懸濁液に、20℃近辺の温度で0.24gのジシクロヘキシルカルボジイミド及び30mgの4−N,N’−ジメチルアミノピリジンを連続的に加える。20℃近辺の温度で1時間の後、反応混合物を直径が2.5cmのカラムに含有される50gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧下におけるクロマトグラフィーにより精製し(カラムに直接適用)(溶離勾配:酢酸エチル/ジクロロメタン 体積により0/100から10/90)、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして721.3mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブチキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルが淡黄色の固体の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおけるδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.08(s,9H:C(CH33);1.17(s,3H:CH3);1.21(s,3H:CH3);1.56(s,3H:CH3);1.60(s,1H:1位におけるOH);(1.71(s,3H:CH3);1.91(s,3H:COCH3);2.08及び2.24(2dd,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.15〜2.30及び2.78(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);3.42(s,3H:OCH3);3.83(s,3H:ArOCH3);3.84(d,J=7,1H:3位におけるH);4.12及び4.28(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.58(d,J=5,1H:2’位におけるH);4.85(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.01(s,1H:10位におけるH);5.40(dd,J=11及び8,1H:7位におけるH;5.47(mt,1H:3’位におけるH);5.65(d,J=7,1H:2位におけるH);6.12(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);6.42(mt,1H:5’位におけるH);6.94(d,J=8.5,2H:OCH3に対してオルトの芳香族H);7.20〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.42(d,J=8.5,2H:OCH3に対してメタの芳香族H);7.50(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.64(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.02(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
13.5cm3の0.1N塩酸エタノール溶液中の721mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−エンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの溶液をアルゴン雰囲気下に、0℃近辺の温度で1時間、次いで20℃近辺の温度で4時間、及び最後に0℃近辺の温度で16時間撹拌し続ける。反応混合物を25cm3のジクロロメタンで希釈し、5cm3の蒸留水で2回洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で濃縮乾固させる。かくして704mgの淡黄色の泡が得られ、その生成物を直径が2.5cmのカラムに含有される70gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧下におけるクロマトグラフィーにより、溶離(溶離勾配:酢酸エチル/ジクロロメタン 体積により0/100から15/85)して精製し、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして539.5mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルがアイボリー色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおけるδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.22(s,3H:CH3);1.25(S,3H:CH3);1.37(s,9H:C(CH33);1.70(s,1H:1位におけるOH):1.88(s,3H:CH3);1.95(s,3H:CH3);2.26及び2.82(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.32(d,J=9,2H:14位におけるCH2);2.41(s,3H:COCH3);3.36(未分解多重項,1H:2’位におけるOH);3.47(s,3H:OCH3);3.95(d,J=7,1H:3位におけるH);4.19及び4.35(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.63(mt,1H:2’位におけるH);4.93(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.11(s,1H:10位におけるH);5.27(ブロードd,J=10,1H:3’位におけるH);5.40(d,J=10,1H:CONH);5.45(dd,J=10.5及び8,1H:7位におけるH);5.70(d,J=7,1H:2位におけるH);6.26(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);7.25〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.51(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.64(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.10(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
3cm3のアセトニトリル及び0.3cm3のテトラヒドロフラン中の265mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの溶液に、20℃近辺の温度で200mgの粉末4Åモレキュラーシーブ、続いて300mgの塩化ナトリウムを加える。20℃近辺の温度で5分の後、得られるアルゴン雰囲気下に保たれた懸濁液を3時間還流させる。20℃近辺の温度に冷却した後、反応混合物をセライトが充填された焼結ガラス漏斗上で濾過する。焼結ガラス漏斗を30cm3の酢酸エチルジクロロメタン混合物(体積により50/50)で濯ぎ、濾液を40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で濃縮乾固させた後、280mgのアイボリー色の泡が得られ、その生成物を薄層調製的クロマトグラフィーにより精製する:9枚のMerck調製的プレート、キーゼルゲル(Kieselgel) 60F254、厚さ0.25mm、ジクロロメタン中の溶液として堆積、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により5−95)を用いて溶離。主生成物に対応する領域をメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により15/85)で溶離させ、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で溶媒を蒸発させた後、142.6mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルが白色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;333kの温度;ppmにおけるδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.26(s,3H:CH3);1.29(s,3H:CH3);1.31(s,9H:C(CH33);1.34(mt,1H:7位におけるH);1.65及び2.33(2mts,それぞれ1H:19位におけるCH2);1.85(s,1H:1位におけるOH);1.88(s,3H:CH3);2.12及び2.30〜2.45(それぞれブロードd及びmt,J=16,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.24及び2.30〜2.45(それぞれdd及びmt,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.39(s,3H:COCH3);3.33(未分解多重項,1H:2’位におけるOH);3.47(s,3H:OCH3);4.06及び4.32(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.12(d,J=7,1H:3位におけるH);4.62(mt,1H:2’位におけるH);4.74(d,J=4,1H:5位におけるH);4.75(s,1H:10位におけるH);5.28(ブロードd,J=10,1H:3’位におけるH);5.37(d,J=10,1H:CONH);5.68(d,J=7,1H:2位におけるH);6.32(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);7.25〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.52(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.62(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.16(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセンは以下の方法で製造することができる:
0℃近辺の温度で冷却され、アルゴン雰囲気下に保たれた10cm3の無水ジクロロメタン及び0.3cm3の無水ピリジン中の0.5gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−11−タキセンの懸濁液に、0.31cm3のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下する。反応混合物を20℃近辺の温度で1時間撹拌し、次いで20cm3のジクロロメタン及び5cm3の蒸留水で希釈する。沈降により相を分離させた後、水相を5cm3のジクロロメタンで2回再抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で濃縮乾固させる。かくして0.79gのオレンジ色の固体が得られ、その生成物を直径が2.5cmのカラムに含有される50gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより精製し(溶離勾配:酢酸エチル/ジクロロメタン 体積により0/100から25/75)、15cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして504mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセンが白色の固体の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおけるδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.10(s,3H:CH3);1.19(s,3H:CH3);1.86(s,3H:CH3);2.09(d,J=5,1H:13位におけるOH);2.15(s,3H:CH3);2.25及び2.85(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.32(d,J=9,2H:14位におけるCH2);2.33(s,3H:COCH3);3.48(s,3H;OCH3);4.03(d,J=7,1H:3位におけるH);4.18及び4.35(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.92(mt,1H:13位におけるH);4.96(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.16(s,1H:10位におけるH);5.53(dd,J=11及び7,1H:7位におけるH);5.66(d,J=7,1H:2位におけるH);7.49(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.64(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.10(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−11−タキセンは以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び0℃近辺の温度に保たれた30cm3のジクロロメタン中の3.62gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシロキシ)−11−タキセンの溶液に、50cm3のフッ化水素−トリエチルアミン錯体(3HF.Et3N)をゆっくり加える。20℃近辺の温度で48時間の後、反応混合物を0℃近辺の温度に保たれた100cm3の過飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の懸濁液上に注ぐ。沈降による相の分離の後、水相を80cm3のジクロロメタンで3回、次いで80cm3の酢酸エチルで2回抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で濃縮乾固させる。かくして3.45gの黄色の泡が得られ、その生成物を直径が3.5cmのカラムに含有される150gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により5/95)を用いて溶離して精製し、35cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして1.97gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−11−タキセンが白色の固体の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおけるδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.10(s,3H:CH3);1.19(s,3H:CH3);1.48(d,J=8.5,1H:7位におけるOH);1.70(s,3H:CH3);1.81及び2.61(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.09(d,J=5,1H:13位におけるOH);2.11(2,3H:CH3);2.30(s,3H:COCH3);2.32(d,J=9,2H:14位におけるCH2);3.48(s,3H:OCH3);3.97(d,J=7,1H:3位におけるH);4.18及び4.33(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.31(mt,1H:7位におけるH);4.93(mt,1H:13位におけるH);4.99(s,1H:10位におけるH);5.01(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.66(d,J=7,1H:4位におけるH);7.49(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.63(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.12(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシロキシ)−11−タキセンは以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び0℃近辺の温度に保たれた25cm3のヨードメタン中の5gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシロキシ)−11−タキセンの溶液に、375mgの水素化ナトリウムを液体ワセリン(liquid petrolatum)中の50重量%の濃度で少しづつ加える。溶液を0℃近辺の温度で45分間、次いで20℃近辺の温度で5時間30分間撹拌し続ける。反応混合物を0℃近辺の温度に再び冷却し、125mgの水素化ナトリウムを液体ワセリン中の50重量%の濃度で少しつづ加える。20℃において1時間、次いで5℃において18時間の後、反応混合物を50cm3のジクロロメタンで希釈し、50cm3の飽和塩化アンモニウム水溶液上に注ぎ、沈降により相を分離させる。水相を30cm3のジクロロメタンで2回再抽出し、次いで有機相を合わせ、10cm3の蒸留水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で濃縮乾固させる。かくして5.15gの黄色の泡が得られ、その生成物を直径が5cmのカラムに含有される300gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより精製し(溶離勾配:酢酸エチル/ジクロロメタン 体積により0/100から10/90)、30cm3の画分を溶離させる。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして3.62gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−メトキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシロキシ)−11−タキセンが淡黄色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(600MHz;CDCl3;ppmにおけるδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.58及び0.69(2mts,それぞれ6H:CH2エチル);0.97及び1.04(2t,J=7.5,それぞれ9H:CH3エチル);1.15(s,3H:CH3);1.18(s,3H:CH3);1.58(s,1H:1位におけるOH);1.68(s,3H:CH3);1.89及び2.48(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.04(s,3H:CH3);2.15及び2.23(2dd,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.29(s,3H:COCH3);3.40(s,3H:OCH3);3.83(d,J=7,1H:3位におけるH);4.15及び4.30(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.43(dd,J=11及び7,1H:7位におけるH);4.91(s,1H:10位におけるH);4.96(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.01(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);5.62(d,J=7,1H:2位におけるH);7.46(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.60(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.09(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンは以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び20℃近辺の温度に保たれた50cm3の無水ピリジン中の14gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β,13α−テトラヒドロキシ−9−オキソ−11−タキセンの溶液に、10.8cm3のトリエチルシリルクロリドを加える。20℃近辺の温度で17時間の後、反応混合物を115℃近辺の温度とし、次いで10.8cm3のトリエチルシリルクロリドを加える。115℃近辺の温度で3時間15分の後、反応混合物を20℃近辺の温度に冷却し、300cm3の酢酸エチル及び100cm3の蒸留水で希釈する。沈降による水相の分離の後、水相を50cm3の酢酸エチルで2回再抽出する。有機相を合わせ、50cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(0.27kPa)で濃縮乾固させる。かくして63.1gの褐色の油が得られ、その生成物を大気圧下で、直径が7cmのカラムに含有される800gのシリカ(0.063〜0.2mm)上のクロマトグラフィーにより精製し(溶離勾配:酢酸エチル/ジクロロメタン 体積により0/100から5/95)、60−cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間、濃縮乾固させる。かくして9.77gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシロキシ)−11−タキセンがクリーム色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおけるシフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.55及び0.68(2mts,それぞれ6H:CH2エチル);0.94及び1.03(2t,J=7.5,それぞれ9H:エチルCH3);1.08(s,3H:CH3);1.17(s,3H:CH3);1.58(s,1H:1位におけるOH);1.73(s,3H:CH3);1.91及び2.57(2mts,それぞれ1H:2位におけるCH2);2.04(s,3H:CH3);2.12及び2.23(2dd,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.30(s,3H:COCH3);3.88(d,J=7,1H:3位におけるH);4.16及び4.32(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.27(d,J=1,1H:10位におけるOH);4.40(dd,J=11及び7,1H:7位におけるH);4.95(ブロードd,J=10.1H:5位におけるH);4.95(mt,1H:13位におけるH);5.16(d,J=1,1H:10位におけるH);5.60(d,J=7,1H:2位におけるH);7.46(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.60(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.09(d,J=7.5,1H:OCOC65オルト−H)。
実施例2
2.5cm3のアセトニトリル及び0.25cm3のテトラヒドロフラン中の250mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの溶液に、20℃近辺の温度で100mgの粉末4Åモレキュラーシーブ、続いて200mgの塩化ナトリウムを加える。20℃近辺の温度で10分の後、得られるアルゴン雰囲気下に保たれた溶液を2時間還流させる。20℃近辺の温度に冷却した後、反応混合物を50cm3の酢酸エチルで希釈し、セライトが充填された焼結ガラス漏斗上で濾過する。焼結ガラス漏斗を10cm3の酢酸エチルで濯ぎ、濾液を10cm3の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、10cm3の蒸留水で2回及び10cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、濾液を40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させた後、209mgの黄色の泡が得られ、その生成物を薄層調製的クロマトグラフィーにより精製する:9枚のMerck調製的プレート、キーゼルゲル(Kieselgel) 60F254、厚さ0.5mm、ジクロロメタン中の溶液として適用、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により5/95)を用いて溶離。主生成物に対応する領域をメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により15/85)で溶離させ、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で溶媒を蒸発させた後、66.5mgの(2R,3S)−3−tert−ブロキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルがアイボリー色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(300MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.25(s,3H:CH3);1.33(t,J=7,3H:エチルのCH3);1.34(s,9H:C(CH33);1.35(s,3H:CH3);1.37(mt,1H:7位におけるH);1.55〜1.70及び2.20〜2.40(2mts,それぞれ1H:19位におけるCH2);1.80(s,1H:1位におけるOH);1.85(s,3H:CH3);2.10及び2.40(それぞれブロードd及びdt,J=15、ならびにJ=15及び4,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.20及び2.20〜2.40(それぞれdd及びmt,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.38(s,3H:COCH3);3.30(mt,1H:2’位におけるOH);3.60(リミティングAB,2H:エチルのOCH2);4.05及び4.30(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.13(d,J=7,1H:3位におけるH);4.62(mt,1H:2’位におけるH);4.74(ブロードd,J=4,1H:5位におけるH);4.83(s,1H:10位におけるH);5.27(ブロードd,J=10,1H:3’位におけるH);5.35(d,J=10,1H:CONH);5.67(d,J=7.5,1H:2位におけるH);6.30(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);7.25〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.52(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.63(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.15(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルは以下の方法で製造することができる:
7cm3の0.1N塩酸エタノール中の423mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの溶液をアルゴン雰囲気下に、0℃近辺の温度に15時間保つ。反応混合物を35cm3のジクロロメタンで希釈し、7cm3の蒸留水で2回、次いで7cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。かくして358mgの褐色の固体が得られ、その生成物を直径が2.5cmのカラムに含有される30gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧下におけるクロマトグラフィーにより、溶離(溶離勾配:メタノール/ジクロロメタン 体積により1/99から5/95)により精製し、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分に合わせ、40℃において減圧下(2.7kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして263.1mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルがクリーム色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(300MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.25(s,3H:CH3);1.26(s,3H:CH3);1.27(t,J=7,3H:エチルのCH3);1.37(s,9H:C(CH33);1.66(s,1H:1位におけるOH);1.85(s,3H:CH3);1.95(s,3H:CH3);2.25及び2.80(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.30(d,J=9,2H:14位におけるCH2);2.40(s,3H:COCH3);3.35(d,J=4,1H:2’位におけるOH);3.55及び3.65(2mts,それぞれ1H:エチルのOCH2);3.95(d,J=7.5,Hz,1H:3位におけるH);4.17及び4.35(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.62(mt,1H:2’位におけるH);4.93(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.17(s,1H:10位におけるH);5.27(ブロードd,J=10,1H:3’位におけるH);5.37(d,J=10,1H:CONH);5.45(dd,J=11及び6.5,1H:7位におけるH);5.73(d,J=7,1H:2位におけるH);6.25(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);7.25〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.52(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.63(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.10(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルは以下の方法で製造することができる:
2cm3の無水トルエン及び0.2cm3のジクロロメタン中の238mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン及び182mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸の懸濁液に、20℃近辺の温度で116mgのジシクロヘキシルカルボジイミド及び13mgの4−N,N’−ジメチルアミノピリジンを連続的に加える。20℃近辺の温度で45分の後、反応混合物を直径が2.5cmのカラムに含有される50gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧下におけるクロマトグラフィーにより(カラムに直接適用)、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により1/99)を用いて溶離して精製し、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして443.6mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルが淡黄色の泡の形態で得られる。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセンは以下の方法で製造することができる:
0℃近辺の温度で冷却され、アルゴン雰囲気下に保たれた2cm3の無水ジクロロメタン及び0.14cm3の無水ピリジン中の199mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−11−タキセンの懸濁液に、0.145cm3のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下する。反応混合物を0℃近辺の温度で1時間撹拌し、次いで0.07cm3のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下する。反応混合物を0℃近辺の温度で1.5時間撹拌し、1cm3のメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により5/95)で希釈し、30℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。得られる粗残留物を直径が2.5cmのカラムに含有される30gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により2/98)を用いて溶離させて精製し、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(2.7kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして238.2mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセンが黄色の泡の形態で得られる。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−11−タキセン(又は10β−エトキシ−10−デアセトキシバッカチンIII)は以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び20℃近辺の温度に保たれた6cm3のジクロロメタン中の591mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンの溶液に、9cm3のフッ化水素−トリエチルアミン錯体(3HF.Et3N)を加える。20℃近辺の温度で21時間の後、反応混合物を40cm3のジクロロメタンで希釈し、0℃近辺の温度に保たれた40cm3の過飽和NaHCO3水溶液の懸濁液上に注ぐ。10cm3の蒸留水で希釈し、沈降により相を分離させた後、水相を20cm3のジエチルエーテルで2回再抽出する。有機相を合わせ、20cm3の蒸留水、20cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。かくして370mgの淡黄色の泡が得られ、その生成物を直径が2.5cmのカラムに含有される35gのシリコン(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により2/98)を用いて溶離して精製し、15cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(2.7kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして236.2mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−11−タキセンが白色の固体の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.08(s,3H:CH3);1.19(s,3H:CH3);1.29(t,J=7.5,3H:エチルのCH3);1.38(d,J=9,1H:7位におけるOH);1.59(s,1H:1位におけるOH);1.69(s,3H:CH3);1.82及び2.62(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.02(d,J=5,1H:13位におけるOH);2.08(2,3H:CH3);2.30(s,3H:COCH3);2.32(d,J=9,2H:14位におけるCH2);3.56及び3.67(2mts,それぞれ1H:エチルのOCH2);3.98(d,J=7,1H:3位におけるH);4.18及び4.33(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.30(mt,1H:7位におけるH);4.90(mt,1H:13位におけるH);4.99(dd,J=10及び1.5,1H:5位におけるH);5.05(s,1H:10位におけるH);5.66(d,J=7,1H:2位におけるH);7.49(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.63(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.12(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−エトキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセン(又は10β−エトキシ−10−デアセトキシ−7,13−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII)は以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び20℃近辺の温度に保たれた3cm3のヨードエタン及び4cm3のジメチルホルムアミド中の1gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンの溶液に、93mgの水素化ナトリウムを液体ワセリン中の50重量%の濃度で少しづつ加える。溶液を20℃近辺の温度で17時間撹拌し続け、次いで93mgの水素化ナトリウムを液体ワセリン中の50重量%の濃度で少しづつ加える。20℃において50分の後、反応混合物を100cm3の酢酸エチル及び10cm3の飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。沈降により分離された有機相を10cm3の蒸留水で6回、次いで10cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。かくして1.2gの黄色の泡が得られ、その生成物を直径が3.5cmのカラムに含有される150gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/ジクロロメタン混合物(体積により2/98及び次いで5/95)を用いて溶離して精製し、15cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして379.2mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンが淡黄色の泡の形態で、及び430mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−10β−エトキシ−9−オキソ−11−タキセンが白色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.57及び0.70(2mts,それぞれ6H:エチルのCH2);0.97及び1.03(2t,J=7.5,それぞれ9H:エチルのCH3);1.13(s,3H:CH3);1.20(s,3H:CH3);1.29(t,J=7.5,3H:10位におけるエトキシのCH3);1.58(s,1H:1位におけるOH);1.66(s,3H:CH3);1.89及び2.58(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.03(s,3H:CH3);2.13及び2.23(2dd,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.30(s,3H:COCH3);3.53(mt,2H:10位におけるエトキシのCH2);3.84(d,J=7,1H:3位におけるH);4.15及び4.30(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.43(dd,J=11及び6.5,1H:7位におけるH);4.90〜5.00(mt,2H:13位におけるH及び5位におけるH);5.01(s,1H:10位におけるH);5.61(d,J=7,1H:2位におけるH);7.48(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.61(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.10(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
実施例3
0.8cm3のアセトニトリル及び0.8cm3のテトラヒドロフラン中の80mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの溶液に、20℃近辺の温度で50mgの粉末4Åモレキュラーシーブ、次いで80mgの塩化ナトリウムを加える。20℃近辺の温度で5分後、得られるアルゴン雰囲気下に保たれた溶液を2.5時間還流させる。20℃近辺の温度に冷却した後、反応混合物をセライト上で濾過する。セライトを5cm3の酢酸エチルで濯ぎ、濾液を40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させた後、81.2mgの黄色の泡が得られ、その生成物を薄層調製的クロマトグラフィーにより精製する:5枚のMerck調製的プレート、キーゼルゲル(Kieselgel) 60F254、厚さ0.5mm、ジクロロメタン中の溶液として適用、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により5/95)を用いて溶離。主生成物に対応する領域をメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により15/85)で溶離させ、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で溶媒を蒸発させた後、36.5mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−7β,8β−メチレン−9−オキソ−19−ノル−11−タキセン−13α−イルがアイボリー色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(300MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.98(t,J=7.3H:プロピルのCH3);1.23(s,3H:CH3);1.33(s,3H:CH3);1.33(s,9H:C(CH33);1.35(mt,1H:7位におけるH);1.55〜1.80及び2.20〜2.40(2mts,それぞれ1H:19位におけるCH2);1.55〜1.80(mt,2H:中心プロピルのCH2);1.82(s,1H:1位におけるOH);1.89(s,3H:CH3);2.12及び2.40(それぞれブロードd及びdt,J=15及び4,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.22及び2.20〜2.40(それぞれdd及びmt,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.40(s,3H:COCH3);3.30(未分解多重項,1H:2’位におけるOH);3.42及び3.55(2mts,それぞれ1H:プロピルのOCH2);4.04及び4.32(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.12(d,J=7.5,1H:3位におけるH);4.62(mt,1H:2’位におけるH);4.73(ブロードd,J=4,1H:5位におけるH);4.80(s,1H:10位におけるH);5.30(ブロードd,J=10,1H:3’位におけるH);5.37(d,J=10,1H:CONH);5.68(d,J=7.5,1H:2位におけるH);6.32(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);7.25〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.52(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.62(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.12(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルは以下の方法で製造することができる:
4.6cm3の0.1N塩酸エタノール溶液中の340mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルの溶液をアルゴン雰囲気下に、0℃近辺の温度に93時間保つ。反応混合物を50cm3の酢酸エチルで希釈し、6cm3の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、6cm3の蒸留水、次いで6cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。かくして348mgの黄色の樹脂が得られ、その生成物を薄層調製的クロマトグラフィーにより精製する:6枚のMerck調製的プレート、キーゼルゲル(Kieselgel) 60F254、厚さ1mm、ジクロロメタン中の溶液として適用、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により3/97)を用いて溶離。主生成物に対応する領域をメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により15/85)で溶離させ、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で2時間、溶媒を蒸発させる。かくして61.4mgの(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルが黄色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.99(t,J=7.3H:プロピルのCH3);1.24(s,3H:CH3);1.26(s,3H:CH3);1.39(s,9H:C(CH33);1.64(s,1H:1位におけるOH);1.69(mt,2H:プロピルの中心CH2);1.87(s,3H:CH3);1.94(s,3H:CH3);2.26及び2.83(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.32(d,J=9,2H:14位におけるCH2);2.40(s,3H:COCH3);3.33(d,J=4,1H:2’位におけるOH);3.44及び3.59(2mts,それぞれ1H:プロピルのOCH2);3.97(d,J=7.5,1H:3位におけるH);4.19及び4.35(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.64(mt,1H:2’位におけるH);4.93(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.17(s,1H:10位におけるH);5.27(ブロードd,J=10,1H:3’位におけるH);5.39(d,J=10,1H:CONH);5.46(dd,J=11及び6.5,1H:7位におけるH);5.72(d,J=7.5,1H:2位におけるH);6.25(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);7.25〜7.45(mt,5H:3’位における芳香族H);7.52(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.63(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.12(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルは以下の方法で製造することができる:
2cm3のジクロロメタン中の204mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン及び177mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸の懸濁液に、20℃近辺の温度で90mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸、60mgのジシクロヘキシルカルボジイミド及び6.2mgの4−N,N’−ジメチルアミノピリジンを連続的に加える。20℃近辺の温度で65時間の後、113mgのジシクロヘキシルカルボジイミド及び12.5mgの4−N,N’−ジメチルアミノピリジンを20℃近辺の温度で連続的に加える。20℃近辺の温度で2時間の後、反応混合物を直径が2cmのカラムに含有される20gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧下におけるクロマトグラフィーにより(カラムに直接適用)、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により4/96)を用いて溶離して精製し、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして384mgの黄色の固体が得られ、その生成物を薄層調製的クロマトグラフィーにより精製する:6枚のMerck調製的プレート、キーゼルゲル(Kieselgel) 60F254、厚さ2mm、ジクロロメタン中の溶液として適用、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により3/97)を用いて2回溶離。主生成物に対応する領域をメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により15/85)で溶離させ、焼結ガラス漏斗上で濾過し、次いで40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で2時間、溶媒を蒸発させた後、323.2mgの(2R,4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1,3−オキサジリジン−5−カルボン酸4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセン−13α−イルが淡黄色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(300MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.96(t,J=7,3H:プロピルのCH3);1.08(s,9H:C(CH33);1.19(s,6H:CH3);1.50(s,1H:1位におけるOH);1.58(s,3H:CH3);1.65(mt,2H:プロピルの中心CH2);1.80(s,3H:CH3);1.88(未分解多重項,3H:COCH3);2.04及び2.12(2dd,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.10〜2.30及び2.75(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);3.35及び3.50(2mts,それぞれ1H:プロピルのOCH2);3.81(s,3H:ArOCH3);3.82(d,J=7.5,1H:3位におけるH);4.10及び4.28(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.57(d,J=4.5,2’位における1H);4.80(ブロードd,J=10,1H:5位におけるH);5.04(s,1H:10位におけるH);5.38(dd,J=10.5及び7,1H:7位におけるH);5.45(未分解多重項,1H:H3’);5.62(d,J=7.5,1H:2位におけるH);6.08(ブロードt,J=9,1H:13位におけるH);6.40(ブロード未分解多重項,1H:5’位におけるH);6.92(d,J=8.5,2H:OCH3に対してオルト位の芳香族H);7.30〜7.60(mt,7H:3’位における芳香族H及びOCH3に対してメタ位の芳香族H);7.50(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.62(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.02(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセンは以下の方法で製造することができる:
0℃近辺の温度で冷却され、アルゴン雰囲気下に保たれた2cm3の無水ジクロロメタン及び0.14cm3の無水ピリジン中の200mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−11−タキセンの懸濁液に、0.145cm3のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下する。反応混合物を0℃近辺の温度で55分間撹拌し、次いで2cm3のメタノール/ジクロロメタン混合物(体積により10/90)で希釈し、30℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。得られる粗残留物を直径が2.5cmのカラムに含有される20gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、ジクロロメタンを用いて溶離させて精製し、10cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(2.7kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして204mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−11−タキセンが褐色の泡の形態で得られる。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−11−タキセン(又は10β−(1−プロピル)オキシ−10−デアセトキシバッカチンIII)は以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び20℃近辺の温度に保たれた6cm3のジクロロメタン中の591mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンの溶液に、9cm3のフッ化水素−トリエチルアミン錯体(3HF.Et3N)を加える。20℃近辺の温度で21時間k後、反応混合物を40cm3のジクロロメタンで希釈し、0℃近辺の温度に保たれた40cm3の過飽和NaHCO3水溶液の懸濁液上に注ぐ。10cm3の蒸留水で希釈し、沈降により相を分離させた後、水相を20cm3のジエチルエーテルで2回再抽出する。有機相を合わせ、20cm3の蒸留水、20cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス漏斗上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。かくして370mgの淡黄色の泡が得られ、その生成物を直径が2.5cmのカラムに含有される35gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、メタノール/ジクロロメタン混合物(体積により2/98)を用いて溶離して精製し、15cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(2.7kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして236.2mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,13α−トリヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−11−タキセンが白色の固体の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):1.08(s,3H:CH3);1.19(s,3H:CH3);1.29(t,J=7.5,3H:エチルのCH3);1.38(d,J=9,1H:7位におけるOH);1.59(s,1H:1位におけるOH);1.69(s,3H:CH3);1.82及び2.62(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.02(d,J=5,1H:13位におけるOH);2.08(2,3H:CH3);2.30(s,3H:COCH3);2.32(d,J=9,2H:14位におけるCH2);3.56及び3.67(2mts,それぞれ1H:エチルのOCH2);3.98(d,J=7,1H:3位におけるH);4.18及び4.33(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.30(mt,1H:7位におけるH);4.90(mt,1H:13位におけるH);4.99(dd,J=10及び1.5,1H:5位におけるH);5.05(s,1H:10位におけるH);5.66(d,J=7,1H:2位におけるH);7.49(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.63(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.12(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセン(又は10β−(1−プロピル)オキシ−10−デアセトキシ−7,13−ビス(トリエチルシリル)バッカチンIII)は以下の方法で製造することができる:
アルゴン雰囲気下に、及び20℃近辺の温度に保たれた3cm3のヨードエタン及び4cm3のジメチルホルムアミド中の1gの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンの溶液に、93mgの水素化ナトリウムを液体ワセリン中の50重量%の濃度で少しづつ加える。溶液を20℃近辺の温度で17時間撹拌し続け、次いで93mgの水素化ナトリウムを液体ワセリン中の50重量%の濃度で少しづつ加える。20℃において50分の後、反応混合物を100cm3の酢酸エチル及び10cm3の飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。沈降により分離された有機相を10cm3の蒸留水で6回、次いで10cm3の飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、焼結ガラス上で濾過し、40℃近辺の温度において減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固させる。かくして1.2gの黄色の泡が得られ、その生成物を直径が3.5cmのカラムに含有される150gのシリカ(0.063〜0.2mm)上の大気圧におけるクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/ジクロロメタン混合物(体積により2/98及び次いで5/95)を用いて溶離して精製し、15cm3の画分を集める。所望の生成物のみを含有する画分を合わせ、40℃において減圧下(0.27kPa)で2時間濃縮乾固させる。かくして379.2mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,10β−ジヒドロキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンが淡黄色の泡の形態で、及び430mgの4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−10β−(1−プロピル)オキシ−9−オキソ−7β,13α−ビス(トリエチルシリルオキシ)−11−タキセンが白色の泡の形態で得られ、その特性は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz;CDCl3;ppmにおける化学シフトδ;Hzにおけるカップリング定数J):0.57及び0.70(2mts,それぞれ6H:エチルのCH2);0.97及び1.03(2t,J=7.5,それぞれ9H:エチルのCH3);1.13(s,3H:CH3);1.20(s,3H:CH3);1.29(t,J=7.5,3H:10位におけるエトキシのCH3);1.58(s,1H:1位におけるOH);1.66(s,3H:CH3);1.89及び2.58(2mts,それぞれ1H:6位におけるCH2);2.03(s,3H:CH3);2.13及び2.23(2dd,J=16及び9,それぞれ1H:14位におけるCH2);2.30(s,3H:COCH3);3.53(mt,2H:10位におけるエトキシのCH2);3.84(d,J=7,1H:3位におけるH);4.15及び4.30(2d,J=8.5,それぞれ1H:20位におけるCH2);4.43(dd,J=11及び6.5,1H:7位におけるH);4.90〜5.00(mt,2H:13位におけるH及び5位におけるH);5.01(s,1H:10位におけるH);5.61(d,J=7,1H:2位におけるH);7.48(t,J=7.5,2H:OCOC65メタ−H);7.61(t,J=7.5,1H:OCOC65パラ−H);8.10(d,J=7.5,2H:OCOC65オルト−H)。
Zが一般式(II)の基を示す一般式(I)の新規な生成物は、異常な細胞増殖への有意な阻害活性を示し、異常な細胞増殖に伴う病理学的状態を有する患者の処置を可能にする治療性を有する。病理学的状態は、筋肉、骨もしくは結合組織、皮膚、脳、肺、生殖器、リンパもしくは腎系、乳もしくは血液細胞、肝臓、消化系、すい臓及び甲状腺もしくは副腎を含むがこれらに限られない種々の組織及び/又は臓器の悪性又は良性細胞の異常な増殖を含む。これらの病理学的状態は、乾癬、充実性腫瘍、卵巣癌、乳癌、脳の癌、前立腺癌、結腸癌、胃癌、腎臓もしくは精巣癌、カポジ肉腫、胆管癌、絨毛癌、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、ホジキンス病、黒色腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病及び急性もしくは慢性顆粒球性リンパ腫も含む。本発明の新規な生成物は、卵巣癌の処置に特に有用である。本発明の生成物は、病理学的状態の発現又は再発を予防する、又は遅延させるために、あるいはこれらの病理学的状態の処置のために用いることができる。
本発明の生成物は、選ばれる投与経路に合った種々の投薬形態で患者に投与することができ、投与経路は非経口的経路が好ましい。非経口的経路を介する投与は静脈内、腹腔内、筋肉内又は皮下投与を含む。腹腔内又は静脈内投与がさらに特に好ましい。
本発明は、人間の治療、又は獣医学的治療において用いられるのに適した十分な量で少なくとも1種の一般式(I)の生成物を含有する製薬学的組成物も含む。組成物は通常の方法に従って、1種又はそれ以上の製薬学的に許容され得る添加剤、ビヒクル又は賦形剤を用いて調製することができる。適したビヒクルには希釈剤、無菌水性媒体及び種々の無毒性溶媒が含まれる。組成物は水溶液又は水性懸濁液、注射用溶液の形態で与えられるのが好ましく、それらは乳化剤、色素、防腐剤又は安定剤を含有することができる。
添加剤又は賦形剤の選択は生成物の溶解度及び化学的性質、投与の特定の様式及び優れた製薬学的習慣により決定することができる。
非経口的投与の場合、水性もしくは非−水性の無菌溶液もしくは懸濁液が用いられる。非−水性溶液もしくは懸濁液の調製の場合、天然の植物油、例えばオリーブ油、ゴマ油又は流動パラフィン、あるいは注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルを用いることができる。無菌水溶液は水中の製薬学的に許容され得る塩の溶液から成ることができる。水溶液は、pHが適切に調節され、溶液が例えば十分な量の塩化ナトリウム又はグルコースを用いて等張とされていれば、静脈内投与に適している。滅菌は加熱により、又は組成物に悪影響を及ぼさない他の手段により行うことができる。
本発明の組成物に入れられるすべての生成物は純粋で、用いられる量で無毒性でなければならないことは、明らかに理解される。
組成物は少なくとも0.01%の治療的活性生成物を含有することができる。組成物中の活性生成物の量は、適した投薬量を処方できるような量である。非経口的経路を介する投与の場合、組成物は、単投薬量が約0.01〜1000mgの活性生成物を含有するように調製されるのが好ましい。
治療的処置は、抗悪性腫瘍薬、モノクローナル抗体、免疫療法又は放射線療法、あるいは生物応答調節物質を含む他の治療的処置と同時に行うことができる。応答調節物質にはリンホカイン類及びサイトカイン類、例えばインターロイキン、インターフェロン(α,β又はδ)及びTNFが含まれるがこれらに限られるわけではない。異常な細胞増殖による疾患の処置において有用な他の化学療法薬にはアルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード類、例えばメクロルエタミン、シクロホスファミド、メルファラン及びクロラムブシル、アルキルスルホネート、例えばブスルファン、ニトロソウレア類、例えばカルムスチン、ロムスチン、セムスチン及びストレプトゾシン、トリアゼン類、例えばダカルバジン、代謝拮抗物質、例えば葉酸類似体、例えばメトトレキセート、ピリミジン類似体、例えばフルオロウラシル及びシタラビン、プリン類似体、例えばメルカプトプリン及びチオグアニン、天然生成物、例えばビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンデシン、エピポドフィロトキシン、例えばエトポシド及びテニポシド、抗生物質、例えばダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン及びミトマイシン、酵素、例えばL−アスパラギナーゼ、種々の薬剤、例えば白金配位錯体、例えばシスプラチン、置換ウレア、例えばヒドロキシウレア、メチルヒドラジン誘導体、例えばプロカルバジン、副腎皮質抑制剤、例えばミトタン及びアミノグルテチミド、ホルモン類及び拮抗薬、例えばアドレノコルチコステロイド類、例えばプレドニゾン、プロゲスチン類、例えばヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メトキシプロゲステロンアセテート及びメゲストロールアセテート、エストロゲン類、例えばジエチルスチルボエストロール及びエチニルエストロジオール、抗エストロゲン薬、例えばタモキシフェン、ならびにアンドロゲン類、例えばテストステロンプロピオネート及びフルオキシメステロンが含まれるが、これらに限られるわけではない。
本発明の方法を行うために用いられる投薬量は、予防的処置又は最大の治療応答を可能にする量である。投薬量は投与形態、選ばれる特定の生成物及び処置されるべき患者の個人的特性に従って変化する。一般に投薬量は、異常な細胞増殖による障害の処置に治療的に有効な量である。本発明の生成物は、所望の治療的効果を得るために必要なだけ頻繁に投与することができる。いくらかの患者は比較的高い又は低い投薬量に迅速に応答し得、その場合必要な維持量は低いか、又はゼロである。一般に処置の開始時には低投薬量が用いられ、必要なら最適な効果が得られるまで次第に高くなる投薬量が投与されるであろう。他の患者の場合、問題の患者の生理学的要求に従って毎日1〜8回、好ましくは1〜4回、維持量を投与することが必要であり得る。ある患者は1又は2回の毎日の投与の使用しか必要でないことも考えられる。
人間の場合、投薬量は一般に0.01〜200mg/kgである。腹腔内経路を介する場合、投薬量は一般に0.1〜100mg/kg、好ましくは0.5〜50mg/kg、さらに特定的には1〜10mg/kgであろう。静脈内経路を介する場合、投薬量は一般に0.1〜50mg/kg、好ましくは0.1〜5mg/kg、さらに特定的には1〜2mg/kgである。最も適した投薬量を選ぶために、投与経路、患者の体重、全身的健康状態及び年令、ならびに処置の効率に影響し得るすべての因子を考慮するべきであることが理解される。
以下の実施例は本発明の組成物を例示するものである。
実施例
40mgの実施例1で得られた生成物を1cm3のEmulphor EL 620及び1cm3のエタノールに溶解し、次いで18cm3の生理的食塩水を加えることにより溶液を希釈する。
組成物を生理学的溶液に導入することにより1時間かけて、輸液により投与する。

Claims (3)

  1. 一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、
    1は基R2−O−CO−を示し、ここでR2はtert−ブチルを示し、
    4メトキシ基を示す]
    の新規なタキソイド。
  2. 一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R4は請求項1におけると同義であり、R5はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示すか、又はα−メチル基の炭素原子との結合を形成し、シクロプロパン環を形成する]
    の生成物を、一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R1は請求項1におけると同義であり、R6は水素原子を示し且つR7はヒドロキシル官能基のための保護基を示すか、あるいは別の場合R6及びR7は一緒になって5−もしくは6−員飽和複素環を形成する]
    の酸あるいはこの酸の誘導体を用いてエステル化して、一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R1、R4、R5、R6及びR7は上記と同義である]
    のエステルを得、次いでR7及び/又はR6とR7により示される保護基を水素原子で置換し、そしてR5がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す場合、この基を除去してα−メチル基の炭素原子とシクロプロパン環を形成させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のタキソイドの製造法。
  3. 式:
    Figure 0004308905
    の10−デアセチルバッカチンIIIを一般式:
    (R’)3−Si−Hal (X)
    [式中、記号R’は同一又は異なることができ、場合によりフェニル基で置換されていることができる炭素数が1〜4のアルキル基、又はフェニル基を示す]
    のシリルハライドで処理し、一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R’は上記と同義である]
    の生成物を得、その生成物を一般式:
    R’4−X1 (XII)
    [式中、R’4はR’4−O−が請求項1におけるR4と同じである基であり、X1はハロゲン原子又は反応性エステル残基を示す]
    の生成物で処理し、一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R’及びR4は上記と同義である]
    の生成物を得、そのシリル保護基を水素原子により置換して一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R4は上記と同義である]
    の生成物を得、その生成物をトリフルオロメタンスルホン酸誘導体で処理してR5がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す一般式(III)の生成物を得、その生成物を場合によりエーテル類及びニトリル類及び脂肪族エステル類から選ばれる単独の又は混合物としての有機溶媒中で、20℃と反応混合物の沸点の間の温度で作用させてアルカリ金属ハライドあるいはアルカリ金属アジド又はアンモニウム塩で処理し、R5がα−メチル基の炭素原子との結合を形成する一般式(III)の生成物を得ることを特徴とする一般式:
    Figure 0004308905
    [式中、R4は請求項1におけると同義であり、R5はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示すか、又はα−メチルの炭素原子との結合を形成する]
    の新規なタキソイドの製造法。
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